ジェフ・ベゾス氏が1.1兆円の気候変動対策基金「Bezos Earth Fund」のCEOに世界資源研究所の元所長を指名

100億ドル(約1兆1000億円)規模の気候変動対策基金「Bezos Earth Fund(ベゾス・アースファンド)」の新CEOにAndrew Steer(アンドリュー・スティア)氏が就任した。同氏は、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が「自然界を保護しながら貧困を緩和するために活動している」と評する組織World Resources Institute(世界資源研究所、WRI)の所長を務めていた。

スティア氏のツイートによると、同氏はファンドの責任者として2030年末までに資金を使い切る責任があるという。

「アースファンドは科学者、NGO、活動家、そして民間企業に投資し新しい技術、投資、政策変更、行動を促進します。また、気候変動が貧困層や周縁化された地域に不釣り合いな割合で打撃を与えることから、社会正義を重視していきます」とスティア氏は書いている。

世界資源研究所は、2020年11月に交付されたアースファンドの第1回補助金で1億ドル(約109億円)を獲得し、ベゾス氏からの恩恵を最も多く受けた団体の1つとなった。この他にも、Environmental Defence Fund(環境防衛基金、EDF)、The Natural Resources Defense Council、The Nature Conservancy、The World Wildlife Fund(世界自然保護基金、WWF)などが第1回補助金を受けている。

WRIの声明でスティア氏は次のように述べた。「ベゾス・アースファンドのCEOとして参画できることを大変幸運に感じています。気候と自然の危機に対処するために、人々に焦点を当てつつ体系的な変化を推進することに注力させていただきます。最も独創的な取り組みであっても、資金やリスク管理、適切なパートナーシップがないために苦境に立たされることが多々あります。アースファンドは、そのような場合に役立ちます」。

同氏はWRIでは、ワシントンD.C.を中心としたアドボカシー組織から、インドネシア、英国、コロンビアにオフィスを持ち、エチオピアとオランダをハブとするグローバル組織になるまでの国際的な拡大を指揮した。またブラジル、中国、インド、インドネシア、そしてメキシコにもオフィスを拡大している。

WRIの声明によると、スティア氏の在任期間中には、100カ国による気候変動対策計画の実施を支援するための年間1000万ドル(約11億円)のイニシアティブを立ち上げるなど、気候変動の経済性に関する理解を変えるような連合体やイニシアチブが構築されたという。

「100億ドル(約1兆1000億円)規模のベゾス・アースファンドは、この歴史上の重要な局面において、善のための変革の力となる可能性を秘めています。アンドリューの世界的な評価、深い技術的知識と経験、そして社会的正義へのコミットメントは、この基金のリーダーとして最適です」と Global Optimism の共同創設者であり、元UNFCCC(気候変動枠組条約)事務局長のChristiana Figueres(クリスティアナ・フィゲレス)氏は述べている。

カテゴリー:EnviroTech
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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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