プライバシーに配慮し家族全員は良い信頼関係を築ける位置情報アプリ「Life360」を著名人投資家も支援

家族のためのコミュニケーション / 位置追跡アプリ「Life360(ライフ360)」が、新たな投資ラウンドを発表した。このラウンドでは、Life360の今後の製品の方向性やマーケティングを決定するために、多くの著名な投資家やインフルエンサーを招き、新たに「ファミリー・アドバイザリー・カウンシル(家族諮問委員会)」を設立する。約210万ドル(約2億3000万円)規模となった今回のラウンドは、故Kobe Bryant(コービー・ブライアント)氏とビジネスパートナーのJeff Stibel(ジェフ・スティーベル)氏が共同で設立した会社であるBryant Stibel(ブライアント・スティーベル)が主導し、Vanessa Bryant(ヴァネッサ・ブライアント)氏、Joanna & Chip Gaines(ジョアンナ&チップ・ゲインズ)氏、Tony Hawk(トニー・ホーク)氏、Chris & Jada Paul(クリス&ジェイダ・ポール)氏、TikTok(ティックトック)のインフルエンサーであるBilly Perry(ビリー・ペリー)氏、Nicole & Michael Phelps(ニコル&マイケル・フェルプス)氏が参加した。

Life360は2年前に上場して以来、オーストラリア証券取引所(ASX)で取引されており、今回のラウンドでは、Life360のサービスに注目を集めることもできる新たな出資者を迎え入れることを重視している。同社によると、195カ国以上で毎月2800万人以上のユーザーに利用されているこのアプリは、2021年度の収益が1億1000万米ドル(約121億5000万円)を超える見込みだという。2021年3月の時点で、91万6000世帯がLife360のサービスに月額料金を支払っている。

Life360は、これらのセレブリティ投資家と同社で「ファミリー・アドバイザリー・カウンシル」を設立し、アドバイザー自身の家族の経験を活かすことで、機能開発や将来の方向性、マーケティング戦略の策定に役立てていくと述べている。

Life360はこのアプリを、子どもを監視するヘリコプターのような親だけでなく、すべての家族が使いたいと思えるものにしたいと考えており、家族の懸念に応えるべく努力してきた。実際に、Life360のChris Hulls(クリス・ハルス)CEOは2020年、TikTokに参加して、プライバシーが守られていないという10代の若者たちの不満を聞き、それを元に「Bubbles(バブルズ)」というプライバシーを尊重した機能を開発した。この機能では、正確な場所を示す青い点ではなく、大まかな場所を示す泡が表示される。これによって、10代の若者は彼らが望む自由が感じられるようになると同時に、親と子がより良い信頼関係を築くこともできる。

「企業への投資やアドバイスは、一般的に大人が行うものであり、子どもと一緒に行うものではありません」と、ハルス氏は今回の投資についての声明で述べている。「私たちは、子どもたちと一緒に製品についてアドバイスできるというユニークな機会を作るようにしています。そのような印象的な支援を得られるということは、家族の安全を守るサービスを提供する主要な企業になるという我々の長期的なビジョンを雄弁に物語っています。Life360は、親と子の両方にとって有意義で適切なブランドを作りたいと考えています。だからこそ、投資家のみなさまにも同じ精神で参加していただくのは当然のことなのです」と、同氏は続けている。

「私の情熱の1つは、子どもたちにとって相応しい機会が得られるようにすることです」と、新たに投資家となったヴァネッサ・ブライアント氏(コービーの未亡人)は語っている。「Life360を使えば、親にとっては子どもの送迎や相乗りが容易になる一方で、子どもたちには勉強や遊び、スポーツの練習をする場所が与えられ、家族全員が安全に守られていると感じることができます。10代の子どもが運転している時には、走っている場所や走行速度、電話の使用状況などを知らせる最新ツールが備わっていることで、親として安心感が高まります。娘が運転していても、助手席に乗っていても、クルマの位置や速度を確認できるのが気に入っています」と、彼女は声明で述べている。

位置情報サービスで有名になったLife360は、携帯電話に標準搭載されている「Find My(ファィンド・マイ)」のようなアプリや、携帯電話会社が提供するサービスとの競争の中で、単なる家族追跡ツールにとどまらない地位を確立しようと尽力してきた。現在、Life360の家族向けツールには、安全運転、緊急支援、個人情報保護などの機能が含まれている。

2カ月ほど前、Life360はウェアラブル位置情報機器メーカーのJiobit(ジオビット)を買収し、幼い子どもやペットなど、携帯電話を持たない家族にもトラッキング能力を拡大することを発表した。

同社によれば、この3700万ドル(約40億9000万円)の買収は約30日後に完了する予定であるという。

今回の新たな投資家を迎える前に、Life360は2021年初めにRandi Zuckerberg(ランディ・ザッカーバーグ)氏を取締役に任命し、2020年にはRussell Burke(ラッセル・バーク)氏をCFO(最高財務責任者)、Jonathan Benassaya(ジョナサン・ベナサヤ)氏をCPO(最高個人情報責任者)として経営陣に加え、ビジネスモードと製品提供に注力してきた。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Life360資金調達位置情報家族

画像クレジット:Life360

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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