コモディティ取引のデジタル化を進めるOpen Mineralが約36億円を調達

2018年に、コモディティ取引に透明性を取り込むことを目指しているOpen Mineral (OM)がどのようにして225万ドル(約2億5000万円)を調達したかを取り上げた。いやはや、長い道のりだった。そしていま、ようやくその時が来た。スイス拠点の同社はMubadala Investment CompanyがリードしたシリーズCラウンドで3300万ドル(約36億円)を調達した。既存投資家のXploration Capital、Emerald Technology Venturesに加えて、新規投資家のStatkraftとLingfeng Capitalも参加した。

Open Mineralは、サプライチェーン業者の活動を強固なものにするのに資金を使う、と話す。コモディティ取引マーケットは2000億ドル(約22兆円)の価値があり、今日でもいまだに紙の書類が飛び交っておりデジタル化が進行中だ。

Open Mineralのプラットフォームには世界の金属・鉱業の企業900社超が登録しており、コモディティサプライチェーンにわたってOpen Mineralの価格設定アルゴリズムを使用していると同社は話す。

業界のデジタル化と同様、売り手と買い手に「自然に優しい」ESG(環境、社会、ガバナンス)指標を組み込むためにサードパーティのプロバイダーと協業している、とも語る。

同社はまた「物理的な金属一次産品の取引をより効率的でよく情報が提供されたものに、そして収益性の高いものにする」自動化された材料ブレンド/製錬の最適化ソリューションを開発したと主張する。これらは炭素低排出への移行に影響を及ぼす、とのことだ。

CEOで共同創業者のBoris Eykher(ボリス・イーカー)氏は声明で次のように述べた。「金属取引産業の未来はデジタルデータと分析にあり、マーケット参加者がこれまでよりも迅速にコミュニケーションを取り、そしてすばやくデータ駆動の決定を行うことができます。eBayが買い手と売り手に多くの選択肢を提供して小売購入を刷新したように、当社はOpen Mineralプラットフォームのキュレートされ、信頼できる環境で物理的なコモディティ生産者のために同じことを行います」。

MubadalaでロシアとCISの投資の責任者を務めるFaris Al Mazrui(ファリス・アル・マズルイ)氏は「Open Mineralはデータ分析テクノロジーを活用することでコモディティ取引事業をディスラプトしています。卑金属商品の買い手と売り手はより効率的に取引し、そして恩恵を受けるためにユニークな専用データハブを利用することができます」。

画像クレジット:Open Mineral

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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