Googleが同社のクラウドで映画の視覚効果の制作もできるためZync Renderを買収

Googleが今日(米国時間8/26)、 Zync Renderを買収したことを発表した。 Zync Render(ZYNC)は、映画スタジオなどがクラウドで視覚効果(visual effects, ビジュアルエフェクト)を描く(レンダリングする)ためのサービスだ。同社の技術はStar Trek: Into DarknessLooperなどで利用されている。Googleがここを買収したねらいは、映画スタジオなどに同社のCloud Platformを、彼らの制作の場としてもっと使ってもらうためだ。

現在ZYNCはAmazonのEC2向けに最適化されているが、これからはGoogleのCloud Platformに統合される。ZYNCによると同社の技術は1ダース以上もの長編商業映画や、数百ものコマーシャルに利用され、その全描画時間は650万時間にもなる。

Googleが今日述べているように、映画の特殊効果を描画するためには、とても強力なインフラストラクチャを必要とする。多くのスタジオが自社独自のレンダーファームを持っていて、クラウドサービスは主に、制作効率化のための容量拡大として利用される。しかしそういう専用のコンピューティングインフラを持ってないところや、自社でやりたくないところは、エフェクトのレンダリングもクラウドからのコンピューティングサービスに依存したい。

Googleは、課金は分単位と言っているが、サービスのそれ以外の詳細はまだ明らかでない。ZYNCの側は、“Google Cloud Platformのような大規模で安定性の高いインフラを使えるなら、これまでよりもさらに良いサービスを顧客に提供できる。大きな仕事も十分にできるし、提供パッケージの種類も増やせる、料金もよりリーズナブルにできるだろう”、と言っている。

なお、Amazonはこれまで何度も、うちは視覚効果をレンダリングするためのプラットホームとして最適だ、と主張してきた。同社は、ZYNCも仕事をしたStar Trek: Into Darkness — における、Atomic Fictionの仕事ぶりに関するケーススタディーまで発表している。Microsoftもときどき、うちのクラウドは映画制作にも最適、と売り込みの言葉を述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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