すでにお伝えしているように、いよいよ明後日17日木曜日の夜にTechCrunch Tokyo 2016のイベント内で「CTO Night」を開催する。まだオーディエンスとしての参加申し込みは間に合うので、もう1度イベントについてご案内したい(登壇者の募集は締め切っている)。
TechCrunch Tokyo 2016 CTO Nightは登壇者も参加者も基本CTOばかりという無料イベントで、比較的新しいスタートアップ企業10社から10人のCTOたちが登壇する。技術的観点からビジネスや経営にいかにコミットしてきたかというピッチを披露して讃え合う場で、経験豊富なCTO審査員によって、今年最高に輝いていたCTOに対して「CTO・オブ・ザ・イヤー2016」の称号をお贈りする。
2015年の様子はこちらの記事で詳しくお伝えしている。去年の各発表を紹介する小見出しを並べると、以下の通り。
・「書いたことがなかった」Pythonベースの決済サービスを立ち上げ―BASEの藤川真一CTO
・「Qiitaを良くする」ことに注力―Incrementsの高橋侑久CTO
・Webの力でものづくりを加速―フォトシンス (Akerun) 本間和弘CTO
・2人CTO体制のメリット―トランスリミット 松下雅和CTO
・技術的チャレンジが会社の強み―Vasily (iQON) 今村雅幸CTO
・チームもアーキテクチャも疎結合で非同期―ソラコム安川健太CTO
・「ゴール駆動開発」を提唱―airCloset 辻亮佑CTO
・紙という強敵と戦う―トレタ増井雄一郎CTO
テーマとして多いのは、駆け出したばかりの組織におけるスキルアップや、アウトプット品質向上の方法論だ。
2015年のCTO・オブ・ザ・イヤーに輝いたソラコムCTOの安川健太氏は、「チームもシステムも疎結合で非同期」というもの。ソラコムではチームは1日1回30分の全体進行のシェアをするが、それ以外はSlackで連携しつつ非同期で動くのだという。それを可能にするにはシステムの各モジュールの相互依存を下げるマイクロサービスによる「疎結合」がカギだった。
例年CTO Nightの司会も務めていて思うのは、組織面でも技術的方法論の面でも、スタートアップ企業というのは新しい領域を切り開いている感じがあるなということだ。良く言えば過去に縛られずに「あるべき論」が堂々とできるということ。逆に、参考にすべき基準や経験豊富な人がいなかったりする中で、自分たちのアイデンティティを模索するということもあるだろう。
スタートアップ企業というのは、まっさらな状態からプロダクトや組織、文化を作っていくもの。そこで働くCTOたちは過去の失敗経験から「今度こそ」と理想とするものを追い求めたり、逆に何もかも初めての中で試行錯誤したりしていることが毎年発表からうかがえる。
システムや組織には強い「慣性」が働くので創業10年ともなると、時代の要請や技術トレンドに合わない部分が出てきたりする。そうした違和感を覚えている中堅企業のCTOや、大手エンジニアリーダー層たちにも是非、最新のスタートアップ各社の取り組みについて聞きに来てほしいと思う。CTO Nightへの観客としての参加は無料。CTOか、それに準じる役職者であれば誰でも歓迎だ(一般参加チケットを申し込んでいる方はCTO Nightにもご参加いただけます)。
今年登壇するスタートアップ企業と審査員は以下の通り。
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・Repro(アプリ解析・マーケティング「Repro」) 関連記事
・One Tap BUY(スマホ証券「One Tap BUY」) 関連記事
・フロムスクラッチ(次世代マーケティングプラットフォーム「B→Dash」) 関連記事
・カラフル・ボード(ファッション人工知能アプリ「SENSY」) 関連記事
・BONX(ウェアラブルトランシーバー「BONX」) 関連記事
・チカク(スマホ・テレビ遠隔連携コミュニケーションIoT「まごチャンネル」) 関連記事
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【CTO・オブ・ザ・イヤー2016審査員】
藤本真樹氏(グリー株式会社 取締役 執行役員常務 最高技術責任者)
安武弘晃氏(元楽天CTO / カーディナル合同会社)
松尾康博氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト)
白井英氏(株式会社サイバーエージェント SGE統括室CTO)
和田修一氏(元nanapi CTO)
藤門千明(ヤフージャパンCTO)
【日時】TechCrunch Tokyo 2016初日の11月17日木曜日の夜19時30分スタート(90〜100分)
【コンテスト】登壇CTOによる1人7分の発表+3分のQAセッションを10社行い、審査を経て「CTO・オブ・ザ・イヤー 2016」を選出する
【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
【審査】CTOオブ・ザ・イヤー実行委員会・審査員による
【企画・協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン
【運営】TechCrunch Japan / AOLオンライン・ジャパン
【チケット】無料(参加登録ページ)
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp