SoundCludは、昨年の有料メンバーシップのローンチから1年も経たないうちに、料金の見直しを行い、新しく低額プランを発表した。
ベルリンに拠点を置く同社は、有料ユーザーの増加を目指し、昨年3月に発表された月額9.99ドルのプランよりも安い、月額4.99ドルの新プランを本日発表。一方で月額9.99ドルのオプションはそのまま残し、今後は両方のプランをSoundClound Go、SoundCloud Go+として提供していく。
SoundCloud Goユーザーは、1億2000万楽曲を広告なしで楽しめるほか、オフライン時にも曲を聞けるようモバイル端末へ楽曲をダウンロードすることもできる。そしてSoundCloud Go+ユーザー向けには1億5000万曲が準備されており、ユーザーは全ての曲を(プレビューだけでなく)フルで楽しむことができる。SoundCloud Goのメンバーだとどの楽曲が聞けなくなるかについてはハッキリしていないが、さらにGo+の価値を高めるために、「Go+ユーザー限定の追加機能」が今年中に発表されるとSoundCloudは話す。
2種類のプランを用意するというのは効果的な戦略であり、恐らくSoundCloudは有料プランのローンチ時からそうするべきだっただろう。まず低額プランを導入することで、SoundCloudはApple MusicとSpotify(どちらも有料プランは月額9.99ドル)に価格で勝ることができる。さらにSoundCloudは、これまで1億7500万人ものユーザーを抱えながらも収益化に苦しんでいたため、低額プラン導入によって有料サービスの利用を促進し、ようやく売上を伸ばすことができるかもしれない。収益化に苦しむSoundCloudは、今年の1月にFinancial Timesの取材に対し、昨年夏にTwitterから評価額7億ドルで調達した7000万ドルに続き、新たなラウンドを計画していると話していた。
2016年はSoundCloudにとって動きの多い1年だった。Spotifyによる買収話は同社のIPOに向けた不安のせいもあって12月にようやく消滅し、SoundCloudはさまざまな施策に取りかかりはじめた。広告収益の増大を狙ってアメリカではプログラマティック広告を導入し、新たなCTOを迎えてチームの再編を図ったほか、本日のニュースは、同社のビジネスを長期的に継続するための新たな作戦のように見える。
「有料プランを拡充することで、私たちはSoundCloudのユーザーエクスペリエンスを向上するだけでなく、新しい収益機会を生み出し、クリエイターに対してさらに売上を還元していこうと考えています」とCEOのAlex Ljungは声明の中で語った。
もちろんSoundCloudは、オンライン音楽業界でSoptifyやApple Music、Pandoraといった競合企業と厳しい戦いを繰り広げている。しかし、Spofiyは有料ユーザー数が4000万人を超え、登録ユーザー数は昨年1億人に達したと発表し、Apple Musicも昨年12月に有料ユーザー数が2000万人に達したとしている一方、SoundCloudはこれまで有料ユーザー数について具体的な数字を発表したことがない。
SoundCloud GoとSoundCloud Go+は、今のところアメリカ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ドイツで利用可能だ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)