先月、 GoogleはFaceTimeやWhatsappのライバル、Duoで音声のみの通話のサポートを開始することを発表した。Google Duoはこれまでビデオ・チャットのツールと位置づけられていた。音声通話は当初ブラジルで実験が開始されたが、日曜夜にGoogleはDuoでの音声通話が世界で利用可能になったとツイートした。
Googleは無数のコミュニケーション手段を提供しているので紛らわしいが、Duoはビデオ会話アプリとして 2016年の5月にGoogle I/Oデベロッパー・カンファレンスで発表された。実際にサービスが開始されたのは昨年夏だ。
Google Duoの新しい音声のみ通話機能、世界公開!
いまひとつGoogleの意図が分からないのは、なぜGoogleはビデオ、音声通話を独立のアプリにしておくのかという点だ。メッセージ・アプリはAlloとして別アプリになっている。WhatsappやFacebook Messengerが独占しているメッセージ・アプリ市場で独自の地位を築きたいならすべてのリアルタイム・コミュニケーション機能(テキスト、音声、ビデオ)を一箇所にまとめた方が適切に思えるのだが。
もしFaceTimeに対抗しようとしいるのであれば多分無駄な努力だろう。FaceTimeの強みはAppleのすべての製品に共通するコミュニケーション・プラットフォームである点だ。MacでもiOSでも利用できる上にもともとOSにバンドルされている。つまり、iOS版のDuoと違ってiPhoneのユーザーはFaceTimeを使うのにApp Storeに行く必要がない。
残念ながらGoogleのメッセージ・サービスに関する戦略はこれまでも巧妙とはいえず、一貫性のないプロダクトを次々に公開してきたところは「数うちゃ当たる」的な印象があった。
現在、Googleにはレガシーのハングアウトがある。ハングアウトはアプリとしてはChat とMeet(エンタープライズ版のAlloとDuo)に分割された。 またGoogle Voiceをアップデートして単なるSMSをRCS〔リッチメディアコミュニケーション〕に拡張した。このアプリにはGmailとInboxというポピュラーなメール・アプリも付属する。このメッセージ機能はYouTubeに組み込まれている。
幸いGoogle TalkとSpacesという失敗プロダクトはシャットダウンされたのでわかりにくさは多少軽減された。
しかしDuoもさほどユーザーを集めていない。App Annie調べではGoogle Playで総合225位、iOSのApp Storeでは641位という成績だ。Sensor Towerのデータによると、リリース以来のダウンロード数合計は2700万回だが、32%をインドが占めている。ただしこの数字にはAPK〔Android実行ファイル〕による直接インストールやデバイス・メーカーによるプレインストールの数は含まれていない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)