ホリデーシーズンに向けて米国市場の動きが鈍る中、米国で今年最後のテクノロジー系IPOが完了して取引が始まった。
今週、テクノロジー系、テクノロジー風、あるいはベンチャーキャピタル支援のスタートアップ3社が上場した。Bill.com、Sprout Social、EHangの面々だ。ここまでの各社の状態を見てみよう。なお、ここに上げたのは我々の知る今年最後のIPOグループという意味であり、まだまだほかにも驚きの出来事が待ち構えているに違いない。2020年にはいろいろ楽しみがあるだろうが、ともあれ今年のIPOはこれでおしまい。
価格設定
3社はそれぞれの方法で価格を設定した。IPOに向けて各社が行った価格管理方法を見てみよう。
- EHangは予定価格帯の最低金額でIPO価格を設定し、1株12.50ドルで売り出した
- Sprout Socialは16~18ドルの価格帯の中間の1株当たり17ドルで設定した
- Bill.com 予定を上回る1株あたり22ドルで売り出した。予定価格帯は当初の16~18ドルを19~21ドルに引き上げていた
この結果は各社の上場前の最終評価額と比べてどうだったのか。本誌にわかる限りの比較結果は以下のとおり。
- EHangのIPO価格に基づく時価総額は約6.8億ドルだった。同社の上場前最終評価額(4200万ドルのシリーズBラウンド時に設定されたと思われる)は公開されていない。しかしTechCrunchは、最後のラウンドからIPOまでの時間からみて、IPO時のほうが高かったと推測する
- Sprout SocialはIPOでわずかに評価額を上げることに成功した。上場時に8.14億ドル前後の時価総額だったSproutは、上場前には8億ドル強の評価額だった。
- Bill.com のIPO時の時価総額は約16億ドルで、最後の上場前評価額の10億ドルを優に上回った。
というわけで、EHangの価格設定は低く、上場前の評価額は推測するしかないためIPOとの比較は難しい。評価は及第点としておく。Sprout Socialの価格設定は範囲の中央で、上場前の評価額をわずかに超えた。評価はBまたはB+。Bill.comのIPO価格は引き上げた予定価格よりさらに高く、以前の評価額を大きく上回った。これは評価Aに値する。
株価
取引は始まったばかりなので、上場企業としての各社のこれまでの実績はどうやって測ればいいのだろう。スコアカードは以下の通り。
- EHangの金曜日の終値:12.90ドル (+3.2%)
- Sprout Socialの金曜日の終値:16.60ドル (-2.35%)
- Bill.comの金曜日の終値:38.83ドル (+76.5%)
ここから成績をつけるのは比較的簡単だが、ひとつ注意すべき点がある。Bill.comのIPOがいきなり大きく成功していることで、引受銀行の値付けがやすかったために会社が利益をさらったのではないか、というよくある苦情が聞こえてきている。この主張はおそらく、公開市場で取引が始まってからの価格は妥当である。そして当事者である企業はおそらく、その価値の大部分を手にしているという仮定に基づいている。
本件に対してBill.com CEOは別の解釈を示しているが、その週で最も成功したIPOが、成功しすぎていることで批判を買っているといを事実は少なくとも知っておくべきだろう。よって、A+はつけられない。
画像:Getty Images / Somyot Techapuwapat / EyeEm
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )