米国拠点の超音速旅客機スタートアップのBoomがロールスロイスと提携、NY〜ロンドン片道3.5時間目指す

米国コロラドに拠点を置く航空機製作のスタートアップであるBoom Supersonicはコンコルドの遺産を継承して大きく進歩させた超音速旅客機の開発に長年取り組んでいる。BoomはOverture超音速旅客のエンジンを入手するためにロールスロイスと契約を結んだ(PR NewsWire記事)。BoomはテストモデルのXB-1を実際に飛行にさせる寸前まで来ている。XB-1はOvertureで使用を予定しているさまざまなテクノロジーを実験、実証するための縮小モデル機だ。

ロールスロイスがBoomに協力するのはこれが初めてではない。Boomの発表によれば、両社はこれまでにもさまざまな面で共同作業を行ってきたという。ロールスロイスは第二次世界大戦以前にさかのぼる航空機用エンジン開発の歴史を持ち、現在も世界で二番目に大きい航空機エンジンメーカーだ。

これに対してBooomは航空機メーカーとしては新しいスタートアップだ。長い伝統のあるロールスロイスが推進システムを受け持つことになったのは大きなメリットだろう。コンコルドの推進システムに採用されたOlymppus 593ターボジェットエンジンはロールスロイスが開発・製作したものだ。

Boomが開発しているOvertureは世界最高速の旅客機を目指している。飛行時間はニューヨークからロンドンまでが3時間半など、現在のジェット旅客機の機の半分となるはずだ。Boomは、頻繁に空路で出張する旅行者を対象にビジネスクラス専用機としてOvertureをデザインしており、今後5年から10年の間に実用化することを計画している。

XB-1デモンストレーターのロールアウトは今年の10月7日に設定された。Boomが飛行に必要な機能をすべて備えた実機を公開するのはこれが初めてとなる。

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滑川海彦@Facebook