機械学習のモデルデータ精製サービスAquariumがシードで2.8億円調達

Aquariumは、Cruiseの元社員2人が、機械学習のモデルデータをもっと容易に精製し、モデルをより速くプロダクションに持ち込みたい、と願って創業した。同社は米国時間2月24日、SequoiaがリードしY Combinatorと多くのエンジェル投資家が参加したシードラウンドで260万ドル(約2億8000万円)を調達したことを発表した。エンジェルの中には、Cruiseの共同創業者であるKyle Vogt(カイル・フォークト)氏とDan Kan(ダン・カン)氏がいる。

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2人の創業者であるCEOのPeter Gao(ピーター・ガオ)氏とエンジニアリングのトップQuinn Johnson(クイン・ジョンソン)氏はCruise在籍時に、モデルのデータの弱い部分を見つけることが、プロダクション化を妨げる問題であることが多いと感じた。Aquariumはその問題を解決しようとする。

「Aquariumは機械学習のデータ管理システムであり、その訓練のベースとなるデータを改良してモデルの性能を上げます。モデルがプロダクションで使えるようにするためには、通常はそれが最も重要な部分です」とガオ氏は語る。

彼によると、現在はさまざまな業界で大量のさまざまなモデルが作られているが、データセットを段階的に改良して継続的に良質なデータを見つけることが難しいため、多くのチームが行き詰まっている。そこでAquariumの創業者たちは、データの精錬という問題にフォーカスしようと決めた。

ガオ氏は次のように説明する。「わかってきたのは、モデルの改良の多くと、それをプロダクションに持ち込むための仕事の多くが、意思決定に関わっていることです。どこで何を集めるのか。ラベルをつけるためには何が必要か。モデルの再訓練や、エラーを見つけるための分析、そして段階的な改良の反復のために必要なものは何か。これらの問題にはすべて、決定が関わってきます」。

その目的は、人間よりも優秀なモデルをプロダクションに投入することだ。顧客のSterblueが、その良い例だった。同社は風力タービンを検査するドローンサービスを提供している。同社の顧客は人力でタービンを検査し、損傷を見つけている。しかしドローンが撮影したデータの集まりがあれば、機械学習のモデルを訓練して問題を見つけられるだろう。同社はAquariumを利用してモデルを精製し、精度を13%上げた。費用は人力検査の半分になったとガオ氏はいう。

Aquariumのチーム( 画像クレジット:Aquarium)

Aquariumは現在、創業者を含めて社員は7名、内3名が女性だ。ガオ氏によると、ダイバーシティは最初の構想時にすでに存在した。彼は、機械学習のモデルの作成には偏りがつきものであることをよく知っている。だから、このようなツール作成ワークには、多様性に富んだチームを作ることが偏りを減らす方法の1つだ。

同社は2020年2月にローンチし、Y Combinatorの2020夏季に参加した。2020年はプロダクトの磨き上げに終始し、最近やっとベータを脱して一般公開にこぎつけた。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Aquarium機械学習資金調達

画像クレジット:AerialPerspective Images/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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