本誌初のハードウェア・バトルフィールドの勝者は・・・CubeSensorsに決定!

あっという間の3日間だった。CESで行われたハードウェア・バトルフィールドは、火曜日に始まったばかりだったが、ここラスベガスのステージはルールなガジェットとホットなスタートアップで埋めつくされた。

本誌がハードウェアだけに絞ったバトルフィールドを開催したのは初めてのことで、正直なところ、参加者の数と才能には圧倒された。最終的に数百の応募者の中から14の優れた候補者が選ばれ、その3日後には、Atlas Wearables, Blaze, CubeSensors, and Owlet Baby Careらのファイナリストの中から勝者を選ばなければならなかった。

審査員たちは、厳正なるつらい選択を強いられた。トロフィーと大枚5万ドルの小切手を寄贈してくれたスポンサーには大いに感謝している。そして勝者は!

優勝:Cube Sensors


CubeSensorsは家庭用空気モニターで7種類のセンサーによって、空気の品質、温度、湿度、騒音、気圧、および移動を測定する。詳細記事はこちら

次点:Owlet


Owletは赤ちゃん用の靴下で、心拍数、酸素レベル、皮膚温度を測定し、寝返りの通知までしてくれる。詳細記事はこちら

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、台湾のiPhone価格を操作しようとして罰金67万ドル。制裁効果は???

これを読んでいる人は、最近台湾でiPhoneを買っていないに違いない。それは正解だったかもしれない。Wall Street Journalによると、Appleは、iPhoneの販売価格に圧力をかけようとしたとして、台湾公正取引委員会から2000万台湾ドルの罰金を科せられた。大金に〈感じる〉かもしれないが、現実はそこまでドラマチックではない。この数字は、わずか66万7000米ドルに相当する。今後の不履行に対しては金額も少し上がり、Appleは5000万台湾ドル(〜160万米ドル)を追加徴収されることになる。

この後すぐ、本当のお金の話をするつもりだ。

伝えられるところによると、Appleは台湾の三大通信会社 ー 中華電信(ダントツのトップ)、遠傳電信、および台湾大哥大 ー に対して、iPhoneの価格プランに関する契約を結ぶことを要求していた。台湾法の下では、これらの企業はひとたびAppleからiデバイスの販売権を買った後、いかなる企業の干渉も受けてはならない。

WSJの記事によると、Appleは委員会の決定に対して不服申し立てをする選択肢をもっているが、今のところ同社がそれを行使するかどうかに関する発言はない。私はAppleにコメントを求めているが、クリスマスでもあり、早期の回答は期待していない。

さて正直な話、これは主要スマートフォンメーカーが台湾法にたてついて捕らえられた初めての例ではない。Samsungも2013年、同社のスマートフォンGalaxy Duoが自動焦点とフラッシュ付のカメラを内蔵していると主張する広告を出したことに対して、30万台湾ドル(約1万米ドル)の罰金を命じられた。さらにSamsungは同年、台湾のライバルHTCの製品をネットで非難するやらせ記事を、金を払って大量にばらまくキャンペーンを展開して罰金を払うはめになった。

結末はと言えば、そんなキャンペーンはおそらく必要なかった。私はHTC製品のファンであることを喜んで自認するが、この会社が未だ財政難に苦しんでいることは否定しようもない。

心から正直なことを言えば、テクノロジー巨人に対するこの種の制裁金が、彼らの行動になんらかの永続的影響を与えるとは考えにくい。Appleは1500億ドル(おそらくそれ以上)の現金をしっかり溜め込んでいることを忘れてはいけない。当然Samsungも、規制による罰金を吸収する余裕がある — 財閥全体の収益は、高利益(かつ多産)の家電製品のおかげで韓国GDPの1/5近くに相当する。Fortune誌のPhilip Elmer-DeWittが巧みに指摘していたように、罰金1000万台湾ドルは、Samsungの2012年の膨大なマーケティング予算、〈53億ドル〉の丸め誤差程度の重みしかない。

こうした不毛な手続きに意味はあるのか?誰にもわからない。はっきりしているのは、一部の非常に有力な企業らは、ごめんさいと言って(ごく)軽微な経済制裁を受ける方が、そもそもルールを守って戦うよりも、簡単 — かつおそらく実入りが良い — と思っていることだ。彼らは間違っていないかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


バーチャル・リアリティー・ヘッドセットいよいよ普及か―OculusがAndreesen Horowitzなどから7500万ドルを調達

没入的ヴァーチャル・リアリティーは長い曲がりくねった道をたどってきた。ハードウェアの限界はまだまだ厳しく、楽観的な未来学者やエンジニアが説くようには簡単に実現しないことが痛感された。

しかしどうやら事情は変わりつつあるようだ。さきほど、カリフォルニア州アーバインのスタートアップ、Oculus VR がAndreessen Horowitzがリードし、Spark Capital、Matrix Partners、 Formation|8が参加したシリーズBのラウンドで7500万ドルの大型資金調達に成功したことを発表した。この資金は一般消費者向けのバーチャル・リアリティー・ヘッドセット、OculusRiftの開発と販売に充てられる。残念ながらOculusは今回のラウンドでの会社評価額を明らかにしなかったが、Andreessen HorowitzのMarcAndreessenとChris Dixonが取締役に就任すると発表した。

Oculusの資金調達の経緯をざっと振り返ると、まず今年初めにKickstarterのキャンペーンで9500人の支援者から240万ドルを集めた。6月にはシリーズAのラウンドで1600万ドルを調達した。私の得た情報ではこのシリーズAの資金の大半は手付かずで残っているという。「今回の資金調達は消費者向け販売を当初からできるかぎり大規模にすることに加え、デベロッパー、プラットフォームのサポート、コンテンツの充実などが目的だ」とCEOのBrendan Iribeは述べた。

有力ベンチャーキャピタルからの大型資金調達の成功はOculusのバーチャル・リアリティー戦略への有力な信任投票といえる。Iribeは「OculusRiftヘッドセットはタイミング、機能、コンテンツ、サポートすべた最高に時宜に適したプロダクトだ」と自信を見せた。

“Oculusの初期にデベロッパー向けバージョンでさえまったく違う世界を覗きこむような体験だった。「近くOculusが出荷を開始する消費者向けプロダクトは初期バージョンの没入感を損なっていた表示の遅延問題も解決されている。その結果はアーサー C. クラーク的な『もはや魔法と見分けがつかない』レベルに達している」とIribeは述べた。

もちろんIribeの自画自賛は多少割引が必要だが、Riftがバーチャル・リアリティー・ヘッドセットの中ではコンシューマー化にもっとも近い位置にいるのは間違いない。いかに優れた3Dゴーグル・ディスプレイでもそこに表示するコンテンツがなければ無意味だ。その点、OculusRiftはデベロッパーの間に着実に地歩を築いており、すでに4万2000のプロダクトが公開されている。またOculusはゲーム・デベロッパーのValveとその新しいCTOのJohnCarmackと親密な関係を保ってきた。そのためもあってRiftはゲーム・デバイスとして見られることが多いが、IribeはRiftのように高度に没入的な3Dヘッドセットには一人称ゲーム以外にもありとあらゆる応用があると強調する。

「Riftは目新しいゲーム専用機ではない。エンタテインメント全般はもちろん医療、建築、コミュニケーションに幅広く利用されるだろう」とIribeは述べた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Google PlayハードウェアストアにLG G Pad、Sony Z Ultraを投入―依然アメリカのみ

これは速かった。LGがうっかり予定期日前に公開してしまったG-PadタブレットがGoogle Playハードウェアストアに今朝早くも登場した。価格も報じられた通り、349ドルだった。さらにSonyのZ Ultraが649ドルでGoogle Play storeのラインナップに加わった。

しかし残念なことに、これらのデバイスがPlay Storeから販売されたのはアメリカ市場だけだ。

G Pad 8.3のスペックは事前の報道の通り(8.3インチ、1920×1200ディスプレイ、1.7GHz クアドコアSnapdragon 600チップセット、2GB RAM、 16GBストレージ)だが、Sony Z UltraのPlay Storeへの登場は青天の霹靂だった。

モデル名になんとなく聞き覚えがある気がするかもしれない。Z Ultraは今年前半にデビューして好評を得たXperia X Ultraのマイナー改訂版だ。Xperiaというブランド名が消えているのは消費者にとってはややわかりにくい。

ブランド認知の面はどうあれ、2.2GHzクアドコアSnapdragon 800、2GB RAM、6.4インチ 1080pディスプレイ、LTEサポートというスペックのZ Ultraは現在、有力なハイエンド・スマートデバイスの一つであり、 これまでのSonyのスマートフォンで間違いなく最優秀な製品だ。長い混迷の後、低価格モデルを切り捨てて再生を図ったSonyが競争激しいスマートフォン市場で失地回復の一歩を踏み出したのを見られて嬉しい。ただしGoogle Playストアで販売されるハードウェアに選定されたといって必ずしもセールスの成功に結びつくわけではない。

Sony、LGの両モデルとも現在すでにアメリカ50州の消費者向けに販売中だ。

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Amazon、無人飛行ドローンによる配達を実験中

チャリティーに便利な購入プログラムの立ち上げ、日曜配達の発表、そしてホリデーショッピングの準備と、Amazonはこの数週間多忙を極めた。しかし、それでもCEO Jeff Bezosは、テレビ番組 “60 minutes” でCharlie Roseと長時間過ごすことをためらわなかった。

60 Minutesは、BezosがRoseを部屋に連れていき、ベテランTVジャーナリストに “Oh my God!”と言わせた映像を、喜んで放送した。その驚きは、心配ではなく喜びから来ているように見えた。

ではBezosがそのよく知られた袖の中に隠し持っていたものは何か? Amazon Prime Air、それは実用的無人輸送機として使える可能性を持つドローンだ。Bezosによると、この電動ドローン ― 別名 “octocopter” ― は、配達時間を30分までに縮める可能性がある。ドローンのサイズを考えれば、積載重量には厳格な上限があることは明らかだが、Bezosによると、5ポンド(2.3kg)のパッケージを往復10マイル(16km)まで運ぶことができる。Amazonにとって幸いなことに、これは同社商品の約86%をこの空飛ぶ輸送機で運べに載ることを意味している。

ただし、これが1台あなたの玄関前に着陸するのを見ることは当分期待できそうにない。FAA[連邦航空局]は未だに国内におけるドローンを許可していない(ただし、最近そのような状況に向けてビジョンは発表した)。つまり、Amazonが合法的にPrimeAirを運用できるのは早くて2015年だ ― Bezosが最も「楽観的」と言った時期。Amazonが、ドローンの開発で提携している会社名についても言及はなかっが、今やドローンをビジネスと世界に持ち込みたいと考えている会社に不足はない。

それ以外にAmazonの最新行動を明らかにする内容はなかったが、同社の巨大な配送センターのしくみをわれわれ一般人にも見せてくれた。そこは驚くべき巨大な効率モデルだ ― 番組で紹介された場所は120平方フィート(11.1万平米)あり、作業者たちは恐るべきスピードで荷物を梱包していた。残念ながら番組は1月以上にわたって制作されたため、英国Amazonの劣悪な労働条件が「精神および身体的疾患」の原因になっている可能性を指摘した最近のBBC報道に対する、公式回答はなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


MotorolaがあのクレイジーなProject Araで3D Systemsと提携–モジュールを3Dプリントで量産へ

Motorolaがモジュラースマートフォン(モジュール構造のスマートフォン)に本格的に取り組んでいることが知れ渡ったとき、その技術の詳細はほとんど闇の中だったが、その後、このGoogleの子会社は徐々に、このクレイジーな製品の実装方式を明かし始めた。

その基本は、3Dプリントだ。しかもそれを多用する。Motorolaが今日発表したところによると、同社は3D Systemsと独占的な提携関係を結び、Project Ara(Araプロジェクト)のスマートフォン用の基本筐体やコンポーネントなど、各モジュールを作らせる。

Project Araとは、Motorolaのモジュラースマートフォンプロジェクトの名称だ。Motorolaの連中は、これまでの、完全ブラックボックス型のスマートフォンのデザインに疑問を感じていた。ユーザに構造の細部が分かり、構成をカスタマイズできる、ブロック玩具方式、組み立て方式のスマートフォンを作ろう、というアイデアからProject Ara、すなわちモジュラースマートフォンのプロジェクトが生まれた。たぶんGoogleの傘下に入ってからのMotorolaには、奇矯なアイデアを好むGoogleの企業文化が徐々に感染したのだろう。今同社はディスプレイのある電話機本体(”endoskeleton”と呼んでいる)を作っており、これに後からユーザがいろんなものをくっつけて、自分好みのスマートフォンを‘構成’するのだ。たとえば、最新のカメラコンポーネントをつける、プロセッサコンポーネントも最新最速のものに交換する、などなど、カスタマイズの可能性は無限にある。〔サードパーティが特殊なコンポーネントを開発提供することもありえる。〕

ここで、3D Systemsの立場がなかなかおもしろい。同社は今では消費者向けの低価格3Dプリンタやスキャナにも力を入れているが、事業の本体は大きくて重い業務用製品だ。それらは、値段が高いだけでなく、仕事もはやいし、精度も高い。つまりProject Araのような仕事に向いている、ということ。おそらく同社はMotorolaからハイスピードの量産体制を求められただろう。今はまだベータテスター、いわゆる”Ara Scouts”たちからのフィードバックを集めている段階で、一般市販の日程などは発表されていないが、そのSDKであるModule Development Kitは、アルファバージョンがこの冬、ハッカーたちの手に渡る、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Logitechが今日発売したiOS用ゲームコントローラは99ドル, 期待どおりの出来ばえ

きみの頭に生えているヌードルを、かきむしりたくなる瞬間とは、iOSデバイスでゲームを楽しんでいるんだけど、前足でタッチスクリーンをひっかくのに、疲れ果ててしまったときだ。どうしたらいいか? さよう、iOS 7が出たし、今や大量のデバイスにインストールされているから、サードパーティのアクセサリもいろんなのがある。たとえばLogitechが今朝発表したばかりの、iPhone用ゲームコントローラを試してみるのはどうだろう。

それはPowerShellという名前で、そのねらいはきみもよくご存知のはずだ。きみが@evleaksの熱心なフォロワーならね(本誌のMatthew Panzarinoみたいに)。リーク画像が最初に出たのは、ずっと昔、10月の初めだが、あのときからあまり変わっていない。前と同じ手触りのような十字ボタンが左にあり、同じA, B, X, Yボタンが右にある。二つのショルダーボタンが、やや出っ張っている。1500mAhの電池を使っているが、iPhoneを装着してもそれほど重くはない。対応機種はiPhone 5s, iPhone 5, 第五世代iPod touchだから、5cを持ってる人はよそを探すこと。

公平を期すために言っておくと、スマートフォンゲーム機器のベテランMoga先日、iOS 7対応のコントローラらしきものを出したばかりだ。ちょっとごてごてしてて、デュアルジョイスティックがあり、レイアウトはあの今や神社に祀られているMicrosoftのXbox 360のコントローラの再来みたいだ。値段は同じだが、電池はごっついのが入っている。今日出たばかりのLogitechのが、最初から二位を走ってる感もあるけど、Mogaは初めてのiOSフレンドリなコントローラと誇っているくせに、発売日などを発表しなかった。そこでLogitechは、今日の発表でマーケティング的に優位に立ち、一番乗りのMogaを抜き去りたいのだ。

一番乗りだけでは価値がない、とも言えるかもしれない。この世界はスタンダードになった方が勝ちだから、その点では長年努力してきたLogitechに勝機がある。…と言っても油断は禁物。まだゴールは遠く、残り距離は長い。レースは、今始まったばかりだ。数か月後には、競合製品がたくさん登場するに決まっている。そして、本当にベストのコントローラが勝つね。

[スライドがここに表示されない場合は、原文の末尾を見てください。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


2画面スマホのYotaPhone、12月に全世界で発売へ

ロシア拠点のYota Devicesは、一風変わったYotoPhoneという代物にここ数年取りかかっており、その二重人格故かなりの評判を呼んでいる。前面は通常の液晶画面だが、背面には電力を食わないEインクディスプレイがついている、理由?・・・そりゃ、つけるでしょ。

発売日は、最後に残された疑問だったがそれもおしまいだ。同社はつい先ほど、YotaPhoneはクリスマス前に全世界で発売されると本誌に語った。

正直なところ、長い間世間を焦らしてきたことを考えると、そろそろ出すべき時だろう。最初にこのデバイスの話が伝わったのは昨年末で、CESやMWCなどの大型展示会にごく初期段階の端末が一般公開された(CESのビデオが下に貼ってある)。そして、正式発売が近いことも実は驚きではない ― 今年初めこのロシア企業は、シンガポールのHi-Pという製造会社の協力を得て量産に入ったことを明らかにした。

しかしこのニュースは、YotaPhoneの一部大ファンにとっては少々がっかりだったかもしれない。以前ロシア発の報道では、Yotaの子会社が11月出荷に向けて奮闘中と言われていたからだ。YotaPhoneの価格が500ユーロになるという記事もあったが、現時点で同社は価格について言及していない。

宣伝から販売まで予定以上に時間がかかったことは、YotaPhoneにとって益より害が多かったかもしれない。多くの人を驚かせたことに間違いはないが、スペックはライバルと比べて時代遅れだ。最終製品は、デュアルコア1.7GHzチップセット、RAM 2GB、4.3インチ720ピクセル前面画面にちょっと見劣のする1800mAhバッテリーを搭載する。この仕様で全くダメということはないが、最大の問題は、受け狙いのセカンドスクリーンがSamsung、LG、HTC、Sony等の主要ライバルから顧客を引き寄せられるかどうかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Androidを勝手に改良したCyanogenModに待望のインストーラが登場

700万ドルのシード資金を数か月前にBenchmark Capitalから調達した‘勝手に改良Android’のCyanogen Inc.がその当時持っていたビジョンは、Androidの同社が独自に料理したバージョンがiOSや正規Androidに次いで第三位のモバイルOSになるという、ささやかなものだった。

しかしそのためには、そのCyanogenModと呼ばれる実装をできるだけ多くのデバイスに載せる必要がある。そこで今日同社は、そのための大きな一歩を踏み出した。ハッキング趣味のないふつうの人でも自分のスマートフォンでその改良OSを使えるための、インストーラアプリをGoogle Play Storeから提供開始したのだ。

たかがインストーラが、なぜニュースになるの? それまでCyanogenModを自分でインストールする過程は、ほとんどの人がびびってしまう茨の道だった。また、インストールに成功しても、すぐにそれが動く機種と、ドキュメンテーションを読みながら、そしてときどき頭を抱えながら、苦労しなければならない機種もある。これでは、今後多くの機種に載ることなど、ありえない。

しかし今回出たインストーラも、一筋縄では使えない。インストールするとき、補助的にWindowsアプリケーションを使う必要がある*。Mac用の補助アプリケーションも近く出る。また現在サポートされているデバイスのリストも、ごく限られた機種だけだから、マスマーケットへの浸透はまだ先の話だ。〔*: Linux用のインストーラ補助アプリケーションは出る予定がない。スマホをUSBでPCにつないだら、Linuxの場合はコマンドラインからインストール作業を進める。詳細はフォーラムコメントページなどから。〕

でも、正規のAndroidを捨ててCyanogenModなどに乗り換える動機は何だろうか? 超簡単に言うと、CyanogenModは頻繁なアップデートによって新しい機能がどんどん導入されているからだ。CyanogenModの歴史に比べると、会社としてのCyanogenはまだ日が浅い。でも、停滞はしていない。同社は最近、中国のOEM Oppoとパートナーして、そのN1スマートフォンがCyanogenModをサポートすることになった。パートナーシップの働きかけは、今後も各社に対して行っていく予定だ。

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MavericksのGmail問題を修復するパッチをAppleがリリース

Appleが数週間前にリリースしたOS Xの最新バージョンは概ね好評だが、Apple MailでGmailを受信する際に問題がある。同期がうまくいかず、メールの未読数が不正確など、さまざまなトラブルを抱えているのだ(詳しく知りたい人はJoe Kissellのサイトへ行ってみよう)。

しかしその後、Appleがパッチをテストしているという報道があちこちに載り、そしてついに今日(米国時間11/7)、そのパッチがMac App Storeに出現した。Appleのchangelogによると、そのパッチは“ユーザがGmailの設定をカスタマイズしているときに起きるメッセージの削除や移動や保存処理の不具合”を修復し、またメールの本数の間違いにも対応している。そのほか、安定性に関するマイナーな修復(あまりにもマイナーなためか、Appleはそれらを列挙していない)をいくつか行って、よりスムースなユーザ体験を実現している。以上が、Mavericksの最初のパッチの内容だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


App Indexingを使うと、Google検索結果からAndroidアプリに直接リンクできる

今頃はもう、Android 4.4 KitKatには当初報じられていたより、ずっと多くの物が詰まっていることが明らかになっているだろう。中でも(少なくとも私にとって)興味深いことが、初期のリーク情報からは抜けていた。

GoogleのNexus 5/KitKatプレゼンの最後に紹介されたApp Indexingという新機能を使うと、アプリ開発者はGoogle検索結果をアプリ内コンテンツに直接リンクさせることができる。

しくみはこうだ。例えば、Google検索アプリで映画『エンダーのゲーム』があま良くないという記事を発見したとする。もしその時、端末にIMDbアプリがインストールされていれば、検索結果に「アプリで開く」ボタンの付いた情報カードが表示される。タップするとIMDbアプリが立ち上がり、すぐにエンダーのゲームの情報が表示される。

当然この機能は映画情報に限らない。現在この機能をサポートしているのは、Allthecooks、AllTrails、Beautylish、Etsy、Expedia、Flixster、Healthtap、IMDb、Moviefone、Newegg、Opentable、Truliaの各アプリ。

Googleの狙いは、アプリ会社に選択肢を与えること。もし自社のモバイルインターフェースがユーザー維持に十分だと思えば、そのままでいい。しかし、もしAndroidアプリが既にある(あるいは開発中)なら、このディープ・リンクを実装することでユーザーをつかみやすくなるかもしれない。

Androidアプリの開発を推進するためであることも間違いない。Androidが世界的大勢であることに疑いはない ― Android 4.4 KitKatは安価なハードウェアに高度な機能を載せることで、途上国での端末販売を促進する。そして、多くの場合Google検索アプリがそこに関わる。つまり、Google検索で何かを探す世界の巨大Androidコミュニティーが、「アプリで開く」ボタンを見つけてくれるチャンスがあることになる。

現在Googleは上に挙げたパートナーと新機能のテストをしているところなので、実際に新しい情報のカードを見られるのは11月中のいつかだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Motorola、プロジェクトAraでモジュラー・スマートフォンを現実に

GoogleがMotorola Mobilityを125億ドルで買収すると発表してから2年と少しが過ぎ、このところMotorolaは、業界で最も注目されるスマートフォン会社になっている

それはなぜか。このGoogle子会社は今日(米国時間10/29)の午前、Project Araなるものに取り組んでいることを発表した。モジュラー・スマートフォンとそこにはめ込むパーツから成るオープン・ハードウェア・プラットフォームだ。

これは、はっきりいって驚きだ。

このプロジェクトは、1年以上前から進められていたようで、Motorolaは基本の一部をブログ記事で概説している。要するにこれは、端末のフレームを成すベースユニット(内骨格)と、そこにはめ込んで機能を拡張する多数の追加モジュールを使うデザインだ。

物理キーボードが好き? 装着してメールを打ち始めよう。もっと長く電話を使いたい? バッテリーモジュールを大きいのと交換しよう。Motorolaの計画通りに進めば、モジュール開発キットのアルファ版がこの冬にも登場する。

聞くところによると、Motorolaは何らかのセンサーに関わる興味何かを作っているらしく、モジュラー・スマートフォンで使うためにどう部品化されるのか見るのが楽しみだ。実際、Motorolaはその一つを既に公表している ― アソシエートVPのPaul Eremenkoがブログ記事で、血液中の酸素濃度を測るパルスオキシメーターの存在をほのめかしている。

もちろん、モジュラー携帯電話の可能性を初めて考えたのは、Motorolaでも、話題の(Motorolaが敬意を表す)Phonebloksコンセプトでもない。

Bug Labsを覚えているだろうか。2008年に彼らはそのモジュラー機器で大きな話題を呼んだ ― 液晶画面やGPS、カメラ、3G通信機能などを、分厚いベースユニットにはめ込んで初期のスマートフォンを思わせる機能を持つ端末を作るものだった。そして、正直なところわれわれは、膨張したPhonebloksコンセプトが製品化されるチャンスは殆どないと思う。たとえ作者のDave Hakkensがどれほぼ巧妙に売り込んだとしても。しかしタイミングは今が最高のようだ。Motorolaは、多くのPhonebloksファンと接触することによって、コンセプトの実現に役立てようとしている。

現在Motorolaは、ユーザー志望者(失礼、「Ara スカウト」だった)を募り、同社の研究開発を助けるミッションへの協力を求めている。最初のミッション? アプリをダウンロードして使用し、Project Araについて思ったことや展望を共有する。期日は3日間だけ。ずいぶん急いでいるようだが、われわれにとっては良い兆候だ。最初のAraプロトタイプが出て来る日が、少しでも早くなるという意味かもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Glassがアップデートへ―既存ユーザーは無料交換、知人を3人まで招待できる

Googleはエクスプローラー・プログラムでGlassを購入した最初のユーザーを非常に尊重しているようだ。

GoogleはGlassハードウェアの改良を進めてきたが、このほど1500ドル払って最初にGlassを購入したユーザーに対し、無料で改良版と取り替えるサービスを実施すると発表した。

もちろんGlassが一般に発売されるまでにはまだだいぶ間がある。早くても2014年中だろうと推測されている。今回Googleは人柱エクスプローラー・プログラムの参加者を拡大することにした。エクスプローラー・プログラムの参加者は向こう14日の間に知人を3人招待することができる―つまり1500ドル払ってGoogle Glassを買いたいという知人がいればだが。

しかし本題に戻ろう。今回のアップデートはなかなか重要なものになりそうだ。GoogleのGlassチームがGoogle+ページに発表したところによれば、今回のアップデートは将来は専用のサングラスや度入りメガネに対応可能となるバージョンで、モノーラルのイアホンも同梱されるという。現行の骨伝導スピーカーは音が小さく騒音レベルの高い場所では聞きづらいという訴えに対応したものだろう。

運がよければGlassの心臓部も改良されるだろう。現在GlassにはTI OMAP4430チップセットと1GBのRAMが搭載されているが、これは基本的に2011年に発表されたGalaxy Nexusと同じスペックだ。現在のスマートフォンの恐ろしく向上したパワーと比べるとやや見劣りがする。

念のためエクスプローラー・プログラムに参加できる条件を再掲しておく。

  • アメリカ国内の居住者
  • 18歳以上
  • Glassを購入すること
  • アメリカ国内に送付先住所があるか、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスのいずれかのGoogleオフィスで受け取りができること

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Nexus 5、新カラーモデルと発売日の最新予想

今やGoolgeとLGの新Nexus 5に関して、われわれの〈知らない〉ことはあまりない — リークしたサービスマニュアルによって技術的詳細が山ほど暴かれた上、GoogleはGoogle Play Storeにこのデバイスを「誤って」掲載し、16GBモデルに349ドルの値札をつけた。

そして今日、@evleaksのおかげで、来るべき新型スマートフォンの新しい外観を垣間みることができた。過去数ヶ月間見てきたつや消しブラックではなく、新たにリークされた画像にはホワイトバージョンが写っている。

Nexus 5の、から 実際の製品に至る長い道のりをご存じない方のために書いておくと、このAndroid 4.4 KitKat端末には、1080ピクセルの4.95インチディスプレイ、4コアSnapdragon 800チップセット 2.3GHzが搭載されている。おっと、RAM 2GB、アクティブLTE通信、およびわずかに改善された2300mAhバッテリーも忘れてはならない。いずれもかなり堅実なグレードアップだと我々は考えている。

新しいカラー以上に重要かもしれないのが、Nexus 5発売日の最新情報だ — どうやら11月1日がカレンダーに印を付けるべき日のようだ。長らく10月15日が正式公開日だと思われてきたが、その日が過ぎてもGoogleからは何も出てこなかった。次に10月24日にニューヨークでGoogle Playの小さなイベントがあるという噂が流れたが、ふたを開けてみれば単なる一部報道機関の顔合わせ程度のものだった。

これにMobileSyrupの10月31日発売という予想を加味すると、今月末にNexus 5がデビューする可能性がにわかに高まってきた。もちろん、それまでには数日しかないのに未だに確たる証拠がない — Googleから招待状は送られてきていない。よって、このあまり秘密ではない秘密がいつまで続くのかは未だにわからない。興味深いことに、Nexus 5が実際にGoogle Play Storeに登場した時、これが唯一のNexusにはならないかもしれない。LTE対応のNexus 4が、Bluetooth分科会の端末認証リストに掲載されている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleイベント速報:新iPad Mini、Retinaディスプレイで399ドルから

Appleは今日のプレスイベントの招待状に発表することがたくさんあると書いていた。そのとおり、次々に新製品の発表が続いている。そして先ほど、ステージ上でPhil SchillerがついにiPad miniのベールを外した。

前置きはそのぐらいにしてさっそく本題に入ると、新iPad miniの最大のポイントはRetinaディスプレイの採用だ。jこれによってフルサイズ版と同じ2048×1536ピクセルの解像度を誇る。Schillerは「Retinaの採用がユーザーからもっとも要望の多かった点だった」と述べたが、これは驚くに当たらない。Retinaは採用されないという弱気な噂が事実でなかったことを喜びたい。

残念な点はTouchID指紋センサーの搭載が見送られたことだ。少なくともあと1年は普通に起動させるしかないようだ。

今回大きなデザインの変更はないだろうと予想されていたが、そのとおり、新iPad miniの外見は現行モデルとほとんど同一だ。AppleはiPadminiのデザインを大いに気に入っており、iPhone 5sも新しいフルサイズ版のiPad Airもこのデザインを踏襲している。iPad miniのカラーバリエーションはスペースグレーと黒、シルバーとホワイトの2種類となる。新miniと5sは頭脳も一緒だ。どちらも64ビットのA7プロッサー(Appleによればデスクトップ・クラスの能力という)を採用している。

Schillerによれば、新iPad miniは「11月中に」出荷される。価格は399ドルから。クリスマス商戦に品揃えをできるだけ広げておきたいという考えだろうが、オリジナルのiPadminiも販売を継続される。第1世代のiPad miniは299からに値下げされる。クリスマス商戦を控えてAppleが投入してきた大量の新製品に対してライバルがどう応じるのか注目だ。

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Googleの第3四半期はアナリストの予想を上回る―売上148.9億ドル、純利益29.7億ドル、一株当たり利益10.74ドル

Googleの2013年第3四半期の決算報告が先ほど公開された。成績は全般的に予想を上まわっている。過去3ヶ月の連結売上高は 148億9000万ドル、純利益は29億7000万ドル、非GAAP利益は一株あたり10.74ドルだった。

Yahoo Financeによれば、アナリストは事前に148億ドルの売上、一株あたり10.35ドルの利益と予想していた。Googleにとってさいわいなことに、今期の成績は前期に比べて大幅な改善となった。前期は売上でも一株当たり利益でもウォール・ストリートの期待を下回っていた

株式市場はすでこのニュースに反応している。Googleの株価は市場の終値で1%上昇したが、現在、時間外取引で6%上昇している。

大勢の目がGoogleの広告ビジネス、特にそのクリック単価に向けられている。オンライン・マーケティング会社のThe Search Agencyが最近発表したレポートによれば、Googleのクリック単価は、前四半期に3.5%アップしたとされていた。しかし今回のGoogleの発表ではそれと違い、クリック単価は対前四半期で8%、対前年同期比で4%ダウンしている。第2四半期でも第1四半期にくらべて6%のダウンだったから、これはGoogleにとっては懸念すべき傾向だろう。

Googleの広告ビジネスは近々、賛否の議論のある領域に入る。Googleによれば、数週間後にGoogle+ユーザーの投稿したテキストや写真をプロダクトの推薦に利用する広告を導入するという。一方、エンハンス・キャンペーン(広告主は単一の出稿で複数のデバイスに広告を表示できる)はモバイル広告分野でのGoogleの地位に好影響を与える。一方、有料クリック数は対前年同期比26%のアップ、前四半期比で8%のアップだった。

今期、Googleはハードウェア事業にも力を入れた。傘下のMotorola Mobilityが発表したMoto Xは全般的に好意的な評価を得ている。いささか奇妙なドングルタイプの35ドルのChromecastは即座にAmazonのベストセラー商品のトップに踊りでた。しかしMotorola事業部はここしばらく四半期ごとに赤字を計上し続けている。コストの削減のために大幅な人員削減が行われてきたが、最近は従業員数はいちおう安定している。しかし売上はわずか11億8000万ドル(Googleの全売り上げの8%)で、2億4800という巨額の営業損失を記録している。

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Amazonの独自スマートフォンの提携先はHTCとの情報

現在HTCは絶好調とはいえない。しかし新しい(秘密の)提携がうまくいったらツキも変わるかもしれない。Financial Timesによれば、HTCは他ならぬAmazonと何種類かのスマートフォンを製造するOEM契約を結んだ。これらのデバイスは早ければ来年にもAmazonのオンラインショップから発売されるという。

ただし「万事がうまく行けば」の話だ。FTは「開発スケジュールはすでに一回見直されている。またAmazonが製品を発売すると確約されているわけではない」と指摘する。

そうであってもHTCにとっては巨大なチャンスであることに変わりない。HTCに最高水準のハードウェアを開発できる能力があるのは疑いない。 HTCの主張によれば、最近の不調は主に消費者の抱くブランドイメージの問題から来ているのだという。HTCというブランドはAppleや Samsungほど消費者に強い印象を与えていない。アイアンマンのロバート・ダウニー・Jrを起用した巨額のPRキャンペーンを実施したのもこの弱点を補おうとしてのことだった。

実は以前にもHTCは大型提携を経験している。 HTCは2008年にGoogleと提携して最初のAndroidデバイスを開発した。 これが2年後にNexusスマートフォンを生むことになった。最近ではFacebookと提携してHTC Firstという最初の(そして今のところ唯一の)Facebook Homeをプレロードしたスマートフォンを作っている。HTCは零細なOEMメーカーとして出発したので、そのDNAが社風に色濃く残っているのかもしれない。

Amazonスマートフォンというのも年来噂になってきた製品だ。最近、何種類かのデバイスが開発されていることを裏付ける情報がリークされた。それらのリークの一つによると、Amazonはスマートフォン市場に一挙に参入しようとして2011年末にRIMの買収を検討したことがあるという。

AmazonというブランドとKindle Fireタブレット同様の価格設定があればそれだけで相当の販売台数を確保するには十分だろう。それに加えてスペックとしては見過ごされがちなAmazon独自の切り札がいくつかある。たとえばKindleFire HDXには操作に困ったとき24時間いつでもビデオチャットのヘルプが提供されるMaydayというサービスがついてくる。このオンデマンドのビデオヘルプがAmazonスマートフォンにも導入されたら、スマートフォンは使い方が難しそうだと敬遠しているユーザー層に強くアピールできるかもしれない。

詳細はまだ不明だが、Amazonのスマートフォンが開発中であることはほぼ間違いないようだ。特にHTCにとっては起死回生のチャンスとなるかもしれない。HTCはAmazonスマートフォンの成功を神に(だか仏にだか)祈っていることだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


BlackBerry、まだ消えていないことをオープンレターで再度説得

現在Blackberryは、極めて深刻な問題をいくつか抱えている ― 誰も同社初のフラグシップ機種を欲しがらなかったこと、共同ファウンダーの1人が会社を買い戻すべく予想外の入札を行ったこと、そして会社はただ誰に最高額入札者の手に渡るだけかもしれないこと。では、かつてスマートフォンを支配する立場にあった会社は、このあらゆる不確実性と暗澹たる予言を踏まえ、果たして何をしようとしているのだろう? 友達や同僚が次々と新しいプラットフォームに乗り換えるのを見てきた熱烈なBlackberry信者たちの志気をどう鼓舞できるのだろうか。

その答えは複雑だが、Blackberryは今、昔ながらのやり方で人々を安心させようとしている ― 手紙を書くことによって。BlackBerryファンサイトのCrackberryによると、同社は利用者に向けた情熱のこもったレターを9ヵ国30紙の新聞に掲載し、なぜこの会社をまだ見捨てるべきでないかを詳しく述べた。

レターの全文(英語)は記事の末尾にあるが、BlackBerryの最近の軌跡を見てきた人にとっては何ら驚きではないだろう。ポジティブな要素? 無借金のバランスシート、大量の保有現金、および機密性の高いエンタープライズ環境に生産性の高いモバイルコンピューティング体験を届ける豊富な経験。すべては正当な主張だ、ただしおそらくBBM(BlackBerry Messenger)が世界のソーシャルメッセージング・プラットフォームであるというチームの訴えを除いて。BBMのiOSおよびAndroid対応は計画通りには進んでいない ― 専用アプリがそれぞれのアプリストアに登場してから3週間ほど経過したが、BlackBerryがいつ開通させるかについて明言はない。

このレターの署名がBlackBerryチームのものであり、例えばCEO Thorsten Heinsではないことも興味深い。これは、今の会社の不安定さが誰か一人の責任ではなく、会社の将来が誰か一人の決断にかかっているわけでもないことを示す明確な兆候だ。もちろん、そのチームも縮小されるばかりであり、年内には4500ほどの職が切り捨てられるだろう。すべては見かけ上大義のためだが、このコスト削減が最終的なプラットフォームの勝利のために十分であるという保証はない。

私は不当にBlackBerryを非難するつもりはない ― 私はしばらくの間BB中毒コミュニティーのメンバーであり、今でもBlackBerry PerlやTourなどの端末を使っていた頃をとても懐しく思い出す。そしてわれわれがBlackBerryを称賛するのと同じくらい、同社には私が知る限り最も熱心で声の大きいファンベースがあり、この人たちは今後も会社を支持し続けるだろう。

しかし言っておくべきことがある ― レターは楽観的であるばかりでなく、その安っぽく型通りの言葉に説得力はない。BlackBerryは中心となる顧客層に対して、この会社が俊敏な巨人たちの支配するレースの中で今後も走り続けられることを証明する必要がある。私もそれを願っている。

[以下レター全文(英語)]


To our valued customers, partners and fans,

You’ve no doubt seen the headlines about BlackBerry. You’re probably wondering what they mean for you as one of the tens of millions of users who count on BlackBerry every single day.

We have one important message for you:

You can continue to count on BlackBerry.

How do we know? We have substantial cash on hand and a balance sheet that is debt free.

We are restructuring with a goal to cut our expenses by 50 percent in order to run a very efficient, customer-oriented organization.

These are no doubt challenging times for us and we don’t underestimate the situation or ignore the challenges. We are making the difficult changes necessary to strengthen BlackBerry.

One thing we will never change is our commitment to those of you who helped build BlackBerry into the most trusted tool for the world’s business professional.

And speaking of those dramatic headlines, it’s important that we set the record straight on a few things.

Best in class productivity tool.

We have completely revamped our device portfolio this year with the launch of BlackBerry 10. We have four BlackBerry 10 devices – two all touch and two hybrid (touch and QWERTY) – and all are running the third update of our new platform. If what you care about most is getting things done – taking care of your business – we have the best range of devices for you. And we continue to offer the best mobile typing experience – no ifs, ands or buts about it.

Best in class security.

Governments all over the world, global corporations and businesses that simply cannot compromise on security choose and trust BlackBerry. Security is our heritage, and the industry recognizes that BlackBerry is the most secure when it comes to the device, server and, of course, our global data network. Have no doubt that you can continue to trust us to keep your communication safe and private.

Best in class enterprise mobility management.

We changed with the market, embracing BYOD because we understand that as iOS and Android devices become common in the workplace, businesses still need to manage all of these different platforms seamlessly and securely.

This is not a trivial task. While there are a number of startup companies that make bold claims, BlackBerry has more software engineers and the most resources dedicated to developing the most innovative solutions to address this complex challenge.

And our customers know it. Over the past quarter, our BlackBerry® Enterprise Service 10 server base grew from 19,000 to more than 25,000. Corporate clients are committed to deploying and testing the latest enterprise technology from BlackBerry. We are committed to evolving with our customers. That will never change.

Best in class mobile social network.

We are bringing the most engaging mobile messaging platform to all, with our BBM launch for Android and iPhone.

There are already around six million customers pre-registered to be notified of our roll out. This number is growing every day, and speaks to the tremendous opportunity we have to expand BBM beyond BlackBerry smartphones to make it the world’s largest mobile social network.

Yes, there is a lot of competition out there and we know that BlackBerry is not for everyone. That’s OK. You have always known that BlackBerry is different, that BlackBerry can set you apart. Countless world-changing decisions have been finalized, deals closed and critical communications made via BlackBerry. And for many of you that created a bond, a connection that goes back more than a decade.

We believe in BlackBerry – our people, our technology and our ability to adapt. More importantly, we believe in you. We focus every day on what it takes to make sure that you can take care of business.

You trust your BlackBerry to deliver your most important messages, so trust us when we deliver one of our own: You can continue to count on us.

Sincerely,
The BlackBerry Team

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


遊びながらハードウェア製作を学べるブロック玩具littleBits, もうLEGOは古い?

全世界がLEGOとK’NexとMeccanoと子どもたちの無限の想像力でできていた。でも、世界は変わり、そして玩具も変わる。ニューヨークの意欲的なハードウェアスタートアップlittleBitsも、その変化の波に乗って、LEGOに代わる新世代の組み立て玩具(ブロック玩具)を作ろうとしている。

同社が最近ローンチしたニューモデルのExploration Kitsは、子どもたちが遊びながらハードウェアを勉強できる知育組み立て玩具だ。今日はファウンダでCEOのAyah Bdeirが本誌のスタジオに来てくれて、その‘遊び方’を見せてくれた。

そもそも、littleBitsとは何かというと、色分けされた部品の集まりだ。モーターがあり、ライトがあり、ブザー、センサ、電池などなどがある。それらを積み木のように組み立てると、回路やシステムができあがる(表面が磁石になっているので互いにくっつく)。電気/電子回路に関する事前の専門知識は要らないし、めくらめっぽうにいろんな実験をしてもよい。ぼくも、上のビデオを撮ってるとき、いろんなものを組み立ててみたが、たぶん一日中やってても飽きないだろう。

たとえば、電池とライトをくっつけるとどうなるかな? モーターと車輪を組み合わせて、自動車のようなものを作り、それに光センサをつけるとどうなるか? どんなことでも、素朴なデザインの部品ブロックを互いにくっつけたり、組み合わせるだけでできる。しかもオープンソース派の彼らは、すべての部品ブロックの回路図をGithub上で公開しているから、変更も自由にできる。

部品ブロック(“bits”と呼ぶ)の種類は、いまどんどん増えている。昨年シリーズAで365万ドルを獲得した同社は、新しいキットの開発にも熱心だ。Bdeirは、現在開発中のものの一部も、ちらっと見せてくれた。その中には、無線通信のためのブロックもある。

本誌のJohn Biggsが、うんと初期のlittleBits kitで遊んでみたとき言っていたように、お値段があまり安くない。最小セットの10ブロックのExploration Kitが99ドル、14ブロックのが149ドル、その上に199ドルのデラックスセット(18ブロック)がある。でも、遊びながら実際のハードウェアについて学べるのだから、高いとは言えないかもしれない(各ブロックが専用の…オリジナル開発の…プリント基板を使っていたりして、かなり本格的)。

〔余計な訳注: LEGOまでの“形状実現組み立て玩具”に対して、これからは、このような“機能実現組み立て玩具”が重要だと思う。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Garmin、機能を拡張してカラー表示を採用したForerunner 220および620を発売開始

スマートウォッチなるものが世の中の耳目を集めている。しかし、実は腕にコンピューティングデバイスを装着するというのは新しい発明でもなんでもない。何年にもわたって腕時計型デバイスを利用してきた人も多いはずだ。何の話かといえば、ランナーたちが愛用するGPS機能付きの腕時計の話だ。メジャーブランドのGarminがこのたび新たに2機種を発表した。Forerunner 220と620だ。いっそう細やかなデータ収集が行えるようになった。

基本性能については双方ともに似ている感じだ。ともに1インチのカラーディスプレイを搭載し(一般発売GPS搭載腕時計デバイスとしては初めて)、身体の動きを検知する加速度計も搭載している。スマートフォンとの同期にはBluetooth 4.0 LEを用い、ランニングペースが乱れてくればアラートを発する機能もある。街中での普段利用にもおしゃれな感じで、見た目にも旧シリーズから大きく進化していると言えるのではなかろうか。

620の方には「リカバリーアドバイザー」(Recovery Advisor)という機能も搭載されている。たとえば次のワークアウトを開始する前に必要な回復時間を見積もってくれる。同期にはWi-Fiも使えるようになった(但しランニング中でもスマートフォンは持っている人がほとんどなので、この機能を必要とする人がいるのかどうかは疑問だ)。最大酸素摂取量(VO2 Max)の測定も行えるようになっている。こうした機能が洒落た腕時計型デバイスに収まっているのは嬉しい。もちろん費用もそれなりになっていて、ベーシックモデルの220の方の価格が249ドル、機能充実モデルの620の方は399ドルとなっている。

紹介しておいて何だが、こうした専用デバイスというのはいつまで生き残ることができるだろうか。たとえばSamsungのGalaxy GearもRunkeeperやMyFitnessPalなどでのサポートデバイスとなっていて、これは拡大していくことになるだろう。またAppleのiWatchでも、エクササイズ用途が主要用途として考慮に入れられているはずだ。

もちろんプロフェッショナルな用途には専用デバイスの方が適しているということはあるだろう。一般のランナーでもレベルが高くなればなるほど、やはり専用デバイスへのニーズが高まっていくと考えられる。しかし増加しつつあるCouch to 5K(訳注:ソファに寝そべっている人でも5kmランニングができるように支援するアプリケーションないし新たにランニングを始めようとする人のこと)な人が、ハイレベルな計測デバイスを必要とするような頃には、きっとスマートウォッチの世界も大きく変貌を遂げていることだろう。

ウェアラブル全体もいろいろと進化し、FitbitやJawboneのような自己データ数値化(quantified self)分野でのプレイヤーたちも高機能を実現し、Garminなどにプレッシャーを挑むことになっているだろう。Jawboneの方は、最近ウェアラブルデバイスのメーカーを買収してもいる。両者の競いあいに注目していきたいと思う。

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(翻訳:Maeda, H)