コンテナを利用してビッグデータ分析を誰もが使えるツールにしたPachydermがシード資金$2Mを調達

pachyderm

ビッグデータの分析や加工をDockerなどのコンテナを利用して行うオープンソースのプラットホームPachydermが、200万ドルのシード資金を獲得した。

このシードラウンドに参加した投資家は、Data Collective、Foundation Capital、Blumberg Capital、Susa Ventures、Crunchfund(TechCrunchのファウンダMichael Arringtonが創業したVC)、Caffeinated Capital、Soma Capital、およびAce & Company。またPaul Buchheit、Jonathan Abrams、Avichal Garg、Jay Jamisonらのエンジェル投資家たちも参加した。

同社の立ち上げは、本誌が1月に報じた。Pachydermはオープンソースのツールだが、プログラマがこれを利用して大量のデータ分析を行うときは、Javaのコードを1行も書く必要がなく、MapReduceの動作原理などを知らなくてもよい。そのため、過去の類似のツールに比べてビッグデータ分析の敷居が相当低くなり、多くのデベロッパにとって、自分にも利用できる技術になる。Pachydermのキャッチフレーズは、“MapReduceのパワー -(マイナス) Hadoopの難解さ”、だ。詳しい説明は、上記の記事にある。

Pachydermの協同ファウンダJoe DolinerとJoey Zwickerによると、資金は技術者の増員と、このところ増え続けているユーザからの要望に応じて、新しい機能を加えていくことに使われる。“うちのコンセプトへの関心がとても多いことに、正直びっくりしている。それには、コンテナのパワーも貢献しているだろう”、とDolinerは述べる。企業だけでなく、大学などからの関心も大きいそうだ。今後の数か月で、人びとがもっと容易にデータ分析ジョブを書けて共有できるためのWeb上のハブ、いわば‘ビッグデータ分析のためのGitHub’を作りたい、と彼らは言っている。

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Vergeの親会社Voxがスウィッシャー、モスバーグのRe/codeを買収

2015-05-27-recode

デジタルメディアのコングロマリット、Vox Mediaが著名なジャーナリスト、カラ・スウィッシャーとウォルト・モスバーグが創立した有力テクノロジー・ニュース・メディアRe/codeを買収した。このニュースはNew York Timesがスクープした。

買収は全額が株式で行われたとされるが、詳細は不明だ。

Re/codeは2014年1月に、スウィッシャー、モスバーグと数名の同僚がそれまで所属していたAllThingsDから独立して創立したものだ。 AllThingsDはWall Street Journalのテクノロジー・ニュースブログだったが、数ヶ月に及ぶ交渉の末、2013年9月にスピンアウトした。New York Timesの記事によると、Re/codeには44人の常勤社員がおり、今回の買収で全員がVoxに参加することになるという。

なお、Vox Mediaは同じくテクノロジー・ニュースメディアのVergeを所有している。ただし、両者は専門分野、記事スタイルとも大きく異なる。双方がVoxの傘下に入ったことで、相互に補完しつつ成長していけるのかどうか注目されるところだ。

最近テクノロジー・ニュースメディアの分野では大きな動きが続いている。テクノロジー産業全体が拡大するに連れてメディアのプレイヤーも増え、競争は一層激しさを増している。VoxやBuzzfeedのような資金豊富な新興組が優秀な記者を揃えてシリコンバレーの深層に迫るニュースを掲載する一方、TechCrunch、Ars Technica、Wired、VentureBeatなどのベテラン組も健闘している。 一方で、New York TimesWall Street Journal、Bloomberg、CNBCなどオールドメディアの大物たちもテクノロジー・ニュースに多大のリソースを注ぎ始めた。今やテクノロジーはニュースメディアの中で最もホットは分野となっている

テクノロジー・ニュースのファンにとっては幸運な時代といえるだろう。当分テクノロジー・ニュースの供給にことかくことはなさそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Y Combinatorがこれまで育てたのは842社、2015冬季では女性ファウンダが22%

Y Combinator(YC)は、DropboxやReddit、Airbnb、Stripeなどなどを育てた、今や業界のリーダー格のアクセラレータだが、今朝同社は、同社の現状を表す一連の数字を発表した。いちばん印象的なのは、同社の育成企業が近年、とても多様化していることだ。

まず、同社がこれまでに資金を提供した企業の累計総数は842社で、投資総額は30億ドルあまり、時価総額の合計は300億ドルあまりとなる。現時点で10億ドルを超える企業は4社、1億ドル超は32社となる(買収された企業も含む)。本誌TechCrunchのライターJosh Constineが書いていたように、YC自身の現在の理論上の時価は10億ドルあまりとなる。

YCは集団投資事業を年2回、冬と夏に行っているが、現在の2015年冬はこれまでで最大で、114の企業を対象にしている。それらの企業は以前に比べると大幅に多様化していて: 2015冬では21.9%の企業はファウンダが女性、黒人が7.9%、ヒスパニックが5.2%となっている[原注: 最初の数字では女性23%、黒人8%、5.3%がヒスパニックだったが、今日までの数日間で対象企業の構成がやや変わったために改訂された]。

2015冬ではファウンダの年齢層の幅も広がり、最年少は20歳、最年長は66歳だ。平均年齢は30.27、メジアンは29である。もっとも生きの良いスタートアップのファウンダは10代の学生、という説は、過去の神話になってしまった。2015冬の詳しい数字は、ここで見られる。

テク業界は、業界全体としては多様性(diversity, ダイバーシティ, 性的・人種的多様性)、多様化がまだ遅れているが、YCは一歩も二歩も進んでいるようだ。

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ご近所社会のためのソーシャルネットワークNextdoorがテク企業最高ランクの評価額10億ドルに仲間入り

まだ非上場のNextdoorがついに、テク企業として最高ランクの、評価額10億ドルクラブに、その最新メンバーとして仲間入りした。

このサンフランシスコのスタートアップは、身近な近隣社会のためのソーシャルネットワークだ。今日同社は1億1000万ドルの新たな資金調達を発表し、その調達後の評価額が11億1000万ドルであったことを確認した。

このラウンドを仕切ったのはRedpoint VenturesとInsight Venture Partnersで、どちらもNextdoorに投資するのはこれが初めてだ。そのほかのNextdoor初めての投資家はMeritechとCoatue、そしてこれまでの投資家Benchmark、Greylock Partners、Tiger Global Management、Kleiner Perkins Caufield & Byers、Comcast Ventures、それにShasta Venturesらも参加した。Nextdoorの総調達額は2億1000万ドルになる。

私自身もNextdoorのファンで、ご近所で起きていることを知るには欠かせないネットワークだ。ガレージセールのお知らせや、ペットが行方不明になりました、××さんのお宅に空き巣が入りました、などなど、何でも分かる。大きなメディアのローカルニュースは空洞化しているし、私たち自身も井戸端会議をしなくなった。代わりにみんな、ネットには入り浸っているから、Nextdoorは格好のプラットホームだ。ただし中には、Nextdoorのコミュニティは活気のないゴーストタウンか無意味なノイズの集まりのどちらかだ、という不評もある。まあソーシャルネットワークというものは、ユーザ一人々々の体験次第で、いろんな意見があるものだけどね。

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Uber、デーベース侵入によるドライバー5万人の情報流出を認める


Uberは本日(米国時間2/27)、昨年同社データベースが権限のない第三者によって侵入されていたことを発表した。同社は今日の午後、機密データ担当弁護士、Kathrine Tassiによる公式ブログ記事で侵入の事実を認めた。

事件は2014年5月13日に発生し、複数の州にわたる約5万人のドライバーの名前とナンバープレート番号が流出した。Uberによると、不正侵入によって情報を公開されたドライバーの数は、「現在および過去のドライバーパートナーの、わずかなパーセンテージ」であり、現在までに流出した情報が悪用された報告は受けていない。

Uberは現在ドライバーにこの件を通知している。

記事中Uberは、2014年9月に侵入を発見し、直ちにアクセスプロトコルを変更し調査を開始したと書いている。侵入があったことの一般への公表、および影響を受けたドライバーへの通知がここまで遅れたことについて、Uberは具体理由を述べていない。

Uberは、影響を受けたドライバーに対して、個人情報盗難保護サービスのExperian’s ProtecMyID Alertサービスを1年間無料で提供すると言っている。さらに同社は、ハッカーを特定するために “John Doe lawsuit”[匿名訴訟]を起こした。

Uberのブログ記事全文は以下の通り:

2014年後半、当社は権限のない第三者によるUberデータベースへの単発アクセスを発見した。データベースには、現在および過去のUberドライバーパートナーの、わずかなパーセンテージの名前およびナンバープレート番号が含まれていた。当社は発見後直ちにデータベースのアクセスプロトコルを変更し、不正アクセスの可能性を除去した。影響を受けたドライバーには通知を送っているが、本件に関わる情報の不正使用の報告は受けていない。

Uberは、個人情報保護に関する当社の責任を深刻に受け止めており、本件に起因するあらゆる不都合についてお詫びする。さらに当社は、この不正な第三者を特定し告発するための情報を集めるために、訴訟を起こした。

当社で把握している状況は以下の通り:

  • 2014年9月17日、当社のデータベースが第三者によってアクセスされた可能性があることを発見した。
  • 発見後直ちにアクセスプロトコルを変更し、詳細な調査を開始した。
  • 調査の結果、2014年5月13日に第三者による単発の不正アクセスがあったことを確認した。
  • 当社による調査の結果、この不正アクセスにより複数の州にわたる約5万名のドライバーが影響を受けたことがわかった。これは現在および過去のUberドライバーパートナーのわずかなパーセンテージに当たる。
  • アクセスされたファイルには、一部のドライバーパートナーの名前およびナンバープレート番号のみが含まれていた。
  • 現在までに、本件による実際の不正情報利用が起きた報告は受けていないが、影響を受けたドライバーには、通知を送ると共にクレジットカード明細等を見て不正な取引きがないことを確認することを推奨した。
  • UberはExperian’s® ProtectMyID® Alertの1年間無料使用権を提供する。
  • さらに当社は、不正の第三者を特定するための情報収集を可能にするため、”John Doe” 訴訟と呼ばれる訴訟を起こした。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


シリコンバレー御用達のPhilzコーヒー、1500万ドルを調達して全国展開へ


多くのコーヒーショップが自分たちは〈単なる〉コーヒーショップではないと言いたがる。しかし、実際そう言えるのがPhilz Coffeeだ。

Philzは、今やその生地サンフランシスコ・ベイエリアで一種の名物となり、IT業界の多くの製品や提携が、この店の強めのコーヒーを挟んで誕生している。Product Huntのファウンダー、Ryan Hooverによると、サンフランシスコ・シビックセンター付近のPhilzは、彼が会社を立ち上げていた頃の事実上のオフィスだった(そして今も毎日何杯かPhilzを飲んでいる)。Startup GrindカンファレンスにはPhilzが常に待機していて、舞台裏ではPhilzのバリスタが登壇者のためにカスタムメイドの一杯を作る。PhilzはFacebookのメンロパーク本社にまであり、Mark Zuckerbergがリクエストしたと言われている。

このたびPhilzは、その体験をベイエリアのはるか以遠へと拡大すべく、豊富な資金を手にした。Philzは新たに1500万ドルのラウンドを完了したことをTechCrunchに伝えた。

同社のシリーズBとなるこのラウンドは、Summit Partnersのリードで行われ、これでPhilzの調達総額は3000万ドルを超えた。同ラウンドには、他にも華々しい顔ぶれのエンジェル投資家が参加した ― Cowboy Ventures、Crunchfund(情報開示:設立したのはTechCrunchファウンダーのMichael Arrington)、Yahooの会長 Maynard Webb、Facebookの幹部 Mike Schroepfer、元AppleおよびJ.C. Penneyの幹部 Ron Johnson、俳優のジョナ・ヒル、ローレンス・ベンダー、およびジェイミー・ケネディー、ラッパー兼投資家のスヌープ・ドッグらだ。

今週のインタビューで、ファウンダー Phil Jaberの息子で27歳のCEO、Jacob Jaberは本誌に、新たな資金の一部は会社の地理的拡大に使うと語った。Philzは現在サンフランシスコ・ベイエリアの18店舗の他ロサンゼルスにも支店を持つが、州外への進出を計画しており、2015年末までには全米の10箇所以上に開店する予定だ。

Philzにとってその種の拡張は、新しい店を作るだけの話だ。Philzの描く大きな部分は、そのユニークな体験にある。コーヒーは一杯ずつバリスタが手でいれ、客の好みに合わせてミルクや砂糖を加えると、「一口飲んでみて、完璧かどうか教えてください」と言いながらカップを手渡す。Philzのコーヒーは決して最も安くも速くもないが、最も親しみがあり、最もパーソナライズされている。この手のものをスケーリングすることは、ただ山ほど新しい不動産を見つけるのとは訳が違う。

Jaberは挑戦意欲満々だ ― そして多くのIT企業と同じく、成功する成長の鍵は従業員の幸せと自信にあると考えている。「私たちは何か特別なものを持っていると感じています。そしてこの体験をもっと多くの人たちに質を落とすことなく広めたいのです」とJaberは言った。「私はこれを、『スケーラビリティー』ではなく『シェアラビリティー』と呼んでいます。それをやる方法は、会社で最も重要なのはカウンターの後にいる人々と、各店舗を任された店長であると認識することです。私たちは彼らに大きな投資を行い、当事者意識を持つカルチャーを作っています」

その同じ流れで、Philzはビジネスメソッドを確立しており、Jaberが「Philz University」と呼ぶ新入社員やマネージャーのための教育と開発のための集中コースも持っている。「他人であるお客様の日々を良くしたければ、私たち自身が個人として良くなる必要があります。内側も外側もハッピーでなければなりません」とJaberは言う。「スタッフの多くが若く、20代か30代です。私たちは、それらの人たちがここで働いている時もその先も、人生をより充実させる手助けするチャンスを持っています。私たちは長い目でこれを考えています」。

コーヒーショップとしてはやや熱が入り過ぎていると感じるかもしれないが、会社はGoogleの新入社員向け “Noogler” プログラム等、IT業界の慣習にも耳を傾けている。おそらく将来は、元Philzスタッフであることによって、FacebookやGoogleやAppleの出身者がIT業界でしてきたのと同じように、小売や飲食サービス業界におけるある種の専門知識を伝達するようになるかもしれない。

間違いなく、Philz Coffeeには大きな野望があり、今それに見合った大きな資金を得た。何ヶ月か先、シリコンバレー以外の地で成長する姿を見るのが楽しみだ。

そして、通常私は企業が作ったビデオを貼るのは好きではないのだが、これはシェアする価値がある。そこではPhilzの黎明期がファウンダーのPhil Jaberによって語られていると共に、店の特徴である北カリフォルニアの雰囲気が醸しだされている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


福利厚生プラットフォームのAnyPerkが850万ドルを調達


少なくともIT業界では、企業が従業員に福利厚生を提供することに対するプレッシャーが今ほど高い時はない。しかし、概してスタートアップには、大企業のようなレベルの特典を与える能力がない。それを手助けしようと立ち上がったのが、自身もスタートアップであるAnyPerkだ。

AnyPerkは、あらゆる規模の会社が従業員に福利厚生や特典を与えるためのプラットフォームを作っている会社で、今日850万ドルの資金調達を完了したことを発表した。

AnyPerkのシリーズAとなるこの調達ラウンドは、DCM Venturesがリードし、Digital Garageが参加した。資金調達に伴い、DCMのパートナーである本多央輔氏が取締役に加わる。この結果AnyPerkへの投資額は計1300万ドルになった。

CEOの福山太郎氏によると、AnyPerkは昨年夏に完了したシードラウンド以来200%以上伸びており、現在米国内に「数百社」のクライアントを持つ。AnyPerkは、2012年にY Combinatorを巣立ち、サンフランシスコを拠点に現在45名の従業員を抱える。

同社はこの資金を元に、モバイルアプリに従業員の気づいていない特典を知らせるプッシュ通知機能を追加する(例えば、AnyPerkのクライアントであるLyftの従業員は、AMCシアターで40%の割引が受けられることを映画館で通知される)。またベータ版機能として、マネージャーや同僚が、AnyPerkプラットフォームを使って現金またはギフトカードの形で臨時ポーナスを贈る機能を開発している。

なお、福利厚生プラットフォームを提供している会社はAnyPerkだけではない。数年前、BetterWorksという会社が同様のコンセプトで1050万ドル調達したが、結局 2012年5月に閉鎖した。このアイデアは、アジアでの方が長続きするようで、シンガポール拠点のRewardz、日本のBenefit One、およびマレーシアのPerkPoolが知られている。いま新たな資金と勢いを得たAnyPerkは、そのビジネスモデルをここ米国に定着させようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


CoreOSとDockerの上でビッグデータ分析の敷居をフロントエンドプログラマ向けに低くするPachyderm

大量のデータを集めてそれを分析するときは、MapReduceと呼ばれる技法を使うのが、最近の定石だ。具体的には、それを実装しているApacheのHadoopというフレームワークを利用する。それはすでに評価が確立している方法だが、簡単ではない。主にJavaで書かれているHadoopは、使い方が難しい、と評価されている

本格的にデータ分析をやろうという気になった企業はHadoopとMapReduceを扱い慣れているエリートプログラマを雇うか、またはそれをしろうとでもできるようにしてくれるClouderaのようなサードパーティのサービスを利用する。しかしどちらも、容易ではないし費用もかかる。そもそも、企業に初めからビッグデータが分かる社員がいて、その仕事を任せられる、というところはあまりない。

Y Combinatorの2015年冬のクラスでローンチしたPachydermは、ビッグデータ分析をもっと単純でとっつきやすいものにすることを、ねらっている。MapReduceのパワーをHadoopの難しさなしで提供する、をキャッチフレーズとするPachydermは、オープンソースのツールとして、プログラマがJavaのコードを書いたり、MapReduceについて詳しく知っていなくても大量のデータを分析できる、と称している。

RethinkDBのスタッフだったJoey ZwickerJoe Dolinerが創業したPachydermは、最近10年ぐらいのインフラの進化に立脚している。中でもとりわけ重要なのが、クラスタの管理に特化したLinuxの実装CoreOSと、Linuxコンテナによる分散化アプリケーション展開システムDockerだ。

ファウンダたちによると、Pachydermは同社のWebサイトやGitHubで入手でき、大量のデータを分析したいプログラマがやるべきことは、Dockerのコンテナの中に収まるhttpサーバを実装するだけだ。同社は曰く、“Dockerのコンテナの中でサーバが動くようになれば、Pachydermがそれを分散化して数ペタバイト以上のデータでも処理できるようにする”。たとえばこのMapReduceジョブは、Pachydermを使ってチェスの対戦の悪手を分析して学習するシステムだ。

Pachydermのとくに嬉しいところは、データ分析がバックエンドやインフラの技術者でない人でも気軽にできることだ。Pachydermの売りは、フロントエンド専門のプログラマやデザイナーでも、自分でMapReduce的なジョブを動かし、結果を把握・理解・報告できることだ。“誰にとってもデータ分析をやることがおもしろくなり、その敷居がぐっと低くなる”、とDolinerは言っている。

まだY Combinatorからの支援があるだけのPachydermは、とても若い企業だ。収益化の方法は、そのほかのオープンソース企業のやり方を見習いたい、という。つまり、自由な無料利用と企業向けの有料サービスの二層構造だ。またデータ分析ジョブを書くプログラマのためのGitHub的なWebプラットホームも作りたい、と言っている。

Hadoop MapReduceに代わるシステムをオープンソースで提供して、ビッグデータ分析の敷居を低くしたい、と考えているのはPachydermだけではない。ApacheのSparkStormもその例だし、またJavaから派生した言語Scalaの周辺でも、Hadoopを使いやすくするための努力が行われている〔例: Java Cascadingから派生したtwitter/scalding〕。

“ビッグデータ”はここ数年、バズワードになっているけど、その実体はソリューションであるよりもむしろ問題そのものだ。しかしPachydermにはYCの支援に加えてデベロッパコミュニティからのサポートもあるから、次世代のデータ処理における重要な選手になるかもしれない。強力な、ソリューションとして。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スタートアップの人たちがMarissa Mayer(Yahoo CEO)から学ぶべきこと


 

今日のテクノロジ業界の中でいちばん、人びとやメディアの関心をそそる人物の一人が、Marissa Mayerだろう。だから彼女が、Business Insiderの主席ライターNicholas Carlsonが書いた新刊、Marissa Mayer and the Fight to Save Yahooの中で、強力なキャラクターとして描かれているのも当然だ。本誌は、先日彼をお招きして、同書についていろいろお話をうかがった。

話の内容は上のビデオでお分かりいただけるが、ここでは二つほど引用しよう。同書が注目されているのは、Marissa Mayerと彼女の職責に関する詳細で情け容赦のない記述が多いためだが、しかし著者のCarlson自身は、これまでの多くの調査や執筆活動から得た経験や情報を通じて、彼女に対し、敬意以外のなにものをも抱いていない、というのだ。

“Marissa Mayerは完璧なロックスターだと思うね。彼女は激務をこなし、クリエイティブで、どんなことにも対応できる力量を持っている。彼女には、超能力がある。

…[もしも今Yahooを下りたとしても]、彼女はまだ39だ。これから、どんなすごいことでもできる。来週、別の企業のCEOになっていても、おかしくないね。”

同書は主に、大企業のトップとしてのMarissa Mayerの仕事ぶりに焦点をあてているが、Carlsonによると、彼女にはスタートアップの人たちが参考にすべき点がたくさんある、という。

“Mayerが22−3のころ、スタンフォードを出たばかりのころの、話をしよう。彼女はトップクラスの優等生だったから、とびきりの選択肢がたくさんあった。コンサルタントにもなれた。研究者としての一生を送ることもできた。しかしそれでも彼女は、まだどこの馬の骨とも分からない、おかしな名前(Google)の会社に行った。

…彼女はプログラマとしてGoogleに入った。彼女はGoogle本体のプロジェクトに関わった。Googleの最初の広告システムを作り始めたのも、彼女だ。彼女は数か月、それに取り組んでいた。そこへ、あのJeff Deanがやってきた。彼はプログラマのスーパースターだから、多くの読者が彼を知っているだろう。彼はそのシステムを、約3週間で完成させた。

そのときのMayerの態度が、上出来だった。彼女はこう言った: “いいわ。私はGoogleでプログラマのスーパースターにはならないわ。もっとほかのことで、会社の役に立ちたい”。そして彼女は、どんな問題にも全身でぶつかっていった。彼女は多くのことを達成し、ついにLarry Pageの右腕と呼ばれるようになった。それ以降は、Googleのすべてのプロダクトが、彼女を通ってから世に出るようになった。

彼女から学ぶべきは、何ごとにも全身でぶつかれ、ということだ。”

ビデオ撮影: John MurilloYashad Kulkarni, 編集: Yashad Kulkarni, 製作: Felicia Williams

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MongoDBが新たに$80Mを調達、新CROをスカウト

証券取引委員会に今週提出された公的ドキュメントによると、オープンソースの次世代型データベースで知られるMongoDBが、新たに8000万ドル近い資金を調達した。

その提出文書にはMongoDBのCEO Dev Ittycheriaの署名があり、総額1億ドル相当の新株発行の内、当面に7999万ドルを完了した、と言っている。まだあと売れる株が2000万ドルあまりある、という意味だ。この文書によると、最初の売り出しは2014年12月10日に行われた。

ニューヨークの企業であるMongoDBが大きな額の資金調達をするのは、これが初めてではない。2013年の10月にはシリーズEで1億5000万ドルを調達し、当時は、データベース企業としては最大のラウンドと言われた。そのときのMongoDBの評価額は12億ドルだった。MongoDBの競合相手はOracleのような大手データベース企業だから、それぐらいの資金は当然必要になる。

今回の新たな資金調達は、同社がもっぱら金融業界を攻め始めた時期に行われた。昨日(さくじつ)MongoDBは、同社のCRO(Chief Revenue Officer)として、ソフトウェア業界の役員を長年務めたCarlos Delatorreを迎えた、と発表した

今Ittycheriaと同社のスポークスパーソンに、今回の資金調達の詳細(主要使途など)を問い合わせている。

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TC Cribs: Evernote本社訪問―なんと全社員がバリスタの講習を受ける

テクノロジー企業のオフィスをビデオで紹介するTechCrunch Cribsの今回の訪問先はサンフランシスコの南50キロのレッドウッド・シティーにある「なんでも記憶する」サービス、Evernoteの本社だ。

良く知られているようにEvernoteはは「100年続く会社」を目指している。だからどんなに社員が増えてもいいように巨大なビルを借りきっている。 上のビデオでもわかるように、以前からEvernoteが使っていたフロアと最近使い始めたフロアでは雰囲気がまるで違う。Evernoteが拡大するにつれてこのビルもどんどん愉快な場所になっていくに違いない。

驚いたのはコーヒーマシンだ。他の多くのテクノロジー企業も社内にコーヒーコーナーを設けているが、Evernoteのコーナーは大いに違う。Evernoteでは社員全員に本格的なバリスタの講習を受けることを義務付けている。しかも社員はコーヒーカウンターでバリスタを勤めれば、その間の本業が免除されるという。玄関わきのメインロビーのコーヒコーナーで本格的なエスプレッソマシンを巧みに操って同僚や来客にラテを提供しているのはEvernoteの社員なのだ。Evernoteに勤めると万一のときも職に困らないだろう。

〔日本版〕例によって多くの社員のデスクに伊藤園の「お〜いお茶」が置いてあるのが写っているが、バーには「響」や「ミドリ」など日本の酒類が豊富だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンがGoogleを語る―ヘルス分野は規制が重荷、手を広げすぎた方が実は効率的

Googleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンラリー・ペイジが珍しく長い公開インタビューに応じた。有力ベンチャーキャピタルのKhosla Venturesの例年のサミット・カンファレンスでVinod Khoslaのインタビューを受ける2人の映像が先週末YouTubeにアップされた。

リラックスした雰囲気で話題もGoogleの歴史から機械学習、職業の変貌、ヘルス・テクノロジーの未来まで幅広い範囲にわたっていた。42分のインタビュー全編を収めたビデオをエンベッドした。

特に興味深かったのはヘルス・テクノロジーへの最近のGoogleの進出の動きに関連する話だった。ビデオでは29分あたりからその話題になる。まずKhoslaが「Googleがヘルス企業になることを考えたことがあるだろうか? 健康・医療関連は検索やメディアよりずっと大きなビジネス分野だろう」と口火を切った。

ペイジとブリンはもちろんヘルス分野に強い関心を抱いているものの、現在のアメリカ市場におけるような厳しい規制では参入のハードルが高すぎると感じているようだった。ブリンはこう答えた。

ヘルスは検索より大きいビジネスかもしれない。われわれも血糖をモニタするコンタクトレンズのようなプロダクトを開発している。…しかし一般論として、ヘルスは規制が煩瑣過ぎる。参入するするには苦労が大きい。私が長時間を費やしたいようなタイプの仕事ではない。われわれもある程度までヘルス関連のプロジェクトを進めているが、限定的なものに留まりそうだ。アメリカにおける規制の煩雑さで多くの起業家がこの分野への参入を躊躇していると思う。

ペイジはそれに続けて、

データによってヘルス分野が改善される可能性には私も関心がある。しかしサーゲイも言ったように、この分野は規制が厳しすぎて難しい。

一例を挙げよう。もし名前など個人が特定できる情報は外した上でアメリカ中の医療情報に医療分野の研究者が自由にアクセスできるようになったとしよう。 それだけで最初の1年で1万人の命が救われると思う。しかしそんなことはHIPAA(.医療保険の相互運用性と責任に関する法律)のために不可能だ。だからわれわれは(医療分野での)データ・マイニングからは距離を置かねばならない。

ペイジは規制の煩瑣さが政府や企業の効率をいかに損ねているかについて37分あたりでも述べている。

〔日本版〕ペイジとブリンはこの他にも興味深い発言をしているのでいくつか紹介しておこう。

「Googleにとって今後もっとも重要になると考えているのはどんな分野か」と尋ねられてペイジはGoogle Nowを挙げた。

Google Nowのようなプロダクトではユーザーは質問する必要がない。実はI’m feeling luckyボタンはそれを意図していた。いちいち検索結果を見ていかなくても即座に答えが得られることを狙ったのだが、命名がよくなかったこともあり、うまくいかなかった。コンピュータから得られる有用な情報の量とそれを得るまでにかかる時間の割合はいまだによくない。現在われわれが取り組んでいるほとんどのプロジェクトはこの点の改良を目的としている。

自動走行車について、ブリンは

自動走行車は劇的な変化をもたらすはずだ。老人や障害者など車を運転できないために自由に外出できない人々の役に立つのはもちろんだが、それに以上に巨大な社会的影響があるだろう。たとえばアメリカの都市の面積のなんと3割から5割が駐車スペースだ。これは途方もない浪費だ。自動走行車が普及すれば、駐車スペースも含めて道路交通そのものものが大幅に効率化される。1人が1台ずつ専用の自動車を持つ必要がなくなる。車は必要なときに道ばたで呼び止めれば行きたいところへ連れて行ってくれるようになる。高速道路では自動走行車を列車のように連結走行させれば安全に、かつ列車なみの高速で走らせることができるだろう。とにかく可能性は膨大だ。

Googleが「あまりにも多方面に手を広げすぎている」という批判に対してペイジは、ユニークな見解を述べた。

この点については以前スティーブ・ジョブズに「きみらはいろいろなことをやり過ぎだ」と言われたことがある。私は「そうですね」と答えた。ジョブズの言うのも正しい。しかしこの問題には別の側面があって、私がそれに気づいたには比較的最近だ。つまり密接にからみあった問題は各部署では決定できなくなる。たとえばわれわれのインターネット・サービスはすべてが関連している。機能もユーザーインターフェイスもGoogleらしくあらねばならない。そういう問題の調整は結局CEOのところまで上がってくる。

しかし自動走行車のことはサーゲイが取り仕切っている。私は自動走行車については何も調整する必要がない。自動走行車プロジェクトはGoogleの他の事業にほとんど影響を与えないからだ。同様にマップ事業部も独自に開発を進めている。プロジェクトというのは巨大化すると管理コストが指数関数的に増加していく。企業はとかく「この分野のことはよく知っている。だからその隣接分野をやろう」と考えがちだが、実はそこには落とし穴がある。巨大な一つのプロジェクトより関連性のあまりないプロジェクト多数の方が管理コストが低いということに私は気づいた。

コンピュータ化が人間の職を奪っているという問題についてはペイジはこう語った。

昔は雇用の9割の農業だった。だから大規模な職のシフトは以前にも起きており、驚くべきことではない。われわれはピーター・ディアマンディスのいう「豊穣の時代」に生きているのだと思う。人々が文化的な生活を送るために必要な労働資源は実はごく少ない。必要を満たすために全員が猛烈に働かなければならないというのは思い込みにすぎない。もちろんそこには社会的な問題―多くの人々はすることがないと満足できないという問題がある。そのために不必要な活動が膨大に行われ、地球環境が破壊されている。

〔ヴァージン・グループの〕リチャード・ブランソンはイギリスでフルタイムの社員1人を雇う代わりにパートタイムの若者2人を雇っている。これは雇用者にとってはコストが多少余計にかかるやり方だが、「何もすることがない」若者を減らす役に立っている。

世界的なもっと広範囲な失業問題にも結局はこの方法で対処するしかないと私は考えている。つまり労働時間の短縮だ。私はあちこちで多くの人々に「休暇が1週間余計にあったらいいと思う人は手を挙げて」と尋ねてきた。するといつも100%が手を挙げた。秩序だった方法で労働時間を減らすことが、失業問題の解決には有効だと思う。

このインタビューについては全編のテープ起こしがこちらで公開されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


あのDDOSアタックのビデオはFacebookのダウンと無関係だった

アップデート:このビデオは、Facebookのサーバーが世界中で数時間にわたってダウンした日に、主として中国から米国インターネットを襲ったDDOSアタックの様子を表すものとして、インターネット中を駆け巡った。

しかし、詳しく調べた結果このアタックは、木曜日(米国時間6/19)のFacebookダウンとは関係がなかった。例えば、タイムスタンプが一致していなかったことを本誌は聞いている。一方Facebookは、ダウンの原因は内部のソフトウェア構成エラーによるものであるという当初の声明が今も有効であると言っている。

というわけで、アクション満載のそのビデオは、サイバーランドで常に起こり続けている数多くのグローバルDDOSアタックの一つにすぎなかった(これは、Facebookのような会社が防御のために最精鋭チームを擁している必要があることを示している)。テクノロジー企業は大小にかかわらず、益々こうしたアタックの標的になりやすくなっている ― オンライン人数が多くなるほど、大混乱になる。

アップデート 2:そして今、ビデオはYouTubeから削除された。同サイトのポリシー「スパム、偽物あるいは商業的欺瞞行為の禁止」に抵触しているという理由だ(ビデオのタイトルに、Facebookのダウンを起こしたアタックである旨が書かれていた)。本稿にはビデオのスクリーンショットが載せてある。

以下は初掲載時の記事内容:先週木曜、世界中で数多くのFacebookユーザーが約30分間にわたってサイトをアクセスできなくなった。これは、Facebookのような大規模サイトにとってビッグニュースであり、同社もその事象を認め、直前に設定したソフトウェア構成に起因するものであることを説明する短い声明を発表した。

YouTubeにTournaments Replaysというユーザーが投稿した、セキュリティー調査会社でサイバアタックをリアルタイム監視しているNorseのものと言われるビデオによると、Facebookがダウンした日に、主として中国から米国インターネットサーバー群に向けられた、大規模なDDOSアタックがあった。上に埋め込んだビデオでアタックの様子が見られる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


[ビデオ]新発売‘起業家バービー人形’について女性ファウンダたちが語る

女の子たちの自己イメージや願望に対して、Barbie(バービー人形)が与える影響については、長年の…どちらかというとネガティブな…議論がある。しかし今週、この人形のメーカーMattel(マッテル社)は、ポジティブな女性像を目指すささやかな一歩を踏み出し、2014年の“あなたの将来のお仕事”人形(career of the year doll)として、Entrepreneur Barbie(起業家バービー)を発売した。

Entrepreneur Barbieは、表面的には多くの点でこれまでの通常のBarbieと変わりがない: ピンクの箱に入っていて、あまりにも非現実的なプロポーション、ど派手なスマイル、そして永遠の定番である先の尖った靴。彼女がほかのバービーと違うところは、現代的なビジネスの経営に必要な小物類を、すべて持っていることだ。スマートフォンも、タブレットも、それにブリーフケースもある(バービー人形では、アクセサリーこそがメディアであり、したがってメッセージなのだ)。

でも、たぶんいちばん重要なのは、彼女が起業家である、という暗黙の前提ないし含意だろう。女の子がバービー人形で遊ぶときには、自分の想像力でストーリーを作り上げる。だからこのBarbieで遊ぶときには、起業家になった自分を主人公とするストーリーを想像し、作り出すだろう。こんな、ショッピングマニアではなくて。

このところバービー人形の売れ行きはひところほどではないが、でも一部の女の子たちが抱く人生の理想像に影響を与え続けている。Entrepreneur Barbieの発売によって、ビジネスの世界に生きる自己が、そんなロールモデルの一つになったのだ。女の子の玩具における、ささやかな変化にすぎないが、本誌の副編集長Alexia Tsotsisは今年の2月に、小さなものの積み重ねこそが重要だ、と書いている。

では、なぜこれが本誌TechCrunchの記事になるのか? それはまず第一に、女性起業家の欠乏がテクノロジ業界の深刻な問題だからだ*。またMattelは、起業家バービー人形の発売を記念して、今活躍している女性起業家たち(多くがテク系)を紹介する特集ページ、 “Celebration of Women Entrepreneurs“(女性起業家をほめたたえる)を立ちあげている。TechCrunch TVもそれに倣って、彼女たちの一部に、起業家になった契機と、そして新しいバービーが次世代のファウンダたちの育成に寄与するか、などを尋ねてみた。それが、上のビデオだ。〔*: オバマ大統領曰く、人口の半分が参加していない。〕


このビデオは、プロデューサ(脚本と録音)Felicia Williams、制作(撮影編集インタビュー)Steve Longが担当した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アイビーリーグから州立大まで、全米で情報科学志望が急増中

長年に渡って、IT業界は米国のより多くの若者たちが情報科学に興味を持つようにと、説得に注力してきた。どうやら、その成果が見えてきたようだ。

情報科学の学科やプログラムに対する需要が全米の大学で増えていることが、先週行われたNCWIT summit for Women in ITで公表されたデータからわかった。発表したのはワシントン大学Ed Lazowska情報科学・工学部教授、およびスタンフォード大学のEric Roberts情報科学部教授の二人だ。

Lazowskaの教える大学では、情報科学専攻を希望する新入生の数が急増している ― Geekwireが発表した下のグラフがそれを示している。

情報科学科ブームが起きているのはワシントン大だけではない。伝統的理系中心地のMITやスタンフォードから、より文系・ビジネス寄りのハーバードまで、様々な大学において情報科学科志望者が明らかに増えている。

スタンフォード大、MIT、ペンシルベニア大、およびハーバード大の情報科学専攻者数

さて、「バブル」という言葉が投げかけられた時、多くのIT企業トップは、市場の動きは第一次ITブームで見られたような空騒ぎにはほど遠いと指摘した。しかし学界では、コーディングに対する熱望は最高潮に達し、情報科学科入学者数が1990年代終りの数字を上回る大学もいくつかあった。

しかし、LazowskaとRobertsによると、学界レベルで見た現在の状況は、第一次ドットコム狂乱とは違うものを感じるという。様々な理由により、最近の情報科学科学生の劇的増加は、長く続くものであり、2000年初期にように谷間に向かってはいない。

現在技術者不足が言われる求人市場にとって、これは良いニュースと言える、のだろうか? 実は落とし穴がある。LawowskaとRobertsによると、今日わが国の高等教育機関は、情報科学教育需要の急増を適切に扱う準備ができていない。現時点では、学びたい学生たち全員を教えるための教員が不足している。殆どの大学は、情報科学科の定員を制限するか、クラスを「巨大化」するかどちらかの方法で対処している。

贅沢な問題に聞こえるかもしれないが、問題であることには違いない。学界はこの情報科学ブームをどう扱うのだろうか。

LasowskaとRobertsによる講演の全スライドはここにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


次世代VRのSurviosがFacebookに買われたOculusに負けじとさらに$4Mを調達

次世代仮想現実(virtual reality, VR)技術の先駆企業、サンフランシスコのSurviosが、シリーズAで400万ドルを調達した。今朝(米国時間5/19)VentureBeatが報じたこの投資ラウンドは、Shasta Venturesが率い、同社ファウンダのRob ConeybeerがSurviosの取締役会に加わる。このラウンドには、Mavent PartnersのMichael Chang、World Innovation LabのGen Isayama、そしてFelicis VenturesのRenata Quintiniが参加した。

Surviosの資金獲得は、言うまでもなく、Oculus Riftヘッドセットを作っているVRスタートアップOculusをFacebookが20億ドルで買収したことへの対抗だ。OculusとSurviosはどちらも南カリフォルニア大学の混成現実研究所(Mixed Reality Lab)から生まれたプロジェクトで、OculusのファウンダPalmer Luckeyも同研究所の出身だ。しかしSurviosを‘次世代VR’と呼びたくなるのは、その”Kinect + Oculus-Rift”のような性質のためで、人間の物理的な動きに反応できるからだ。そのため3Dの仮想世界の中に人間が実際にいるような感覚を、その没入型のヘッドセットを介して人間ユーザに与える。

先月、本誌TechCrunchのライターKim-Mai CutlerがSurviosの本社を訪れ、同社のVR技術を実際に体験した。今それは、ゲームへの応用を試行している。Survios体験は今すでに、かなりすばらしいもののようだが、自由に使える400万ドルを手にした今後は、応用系のさらなるスケールアップが期待される。とりあえず、下のビデオをご覧いただきたい。

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仕事人インタビュー: ベテランになっても毎日が勉強々々…AirbnbのSurabhi Gupta

どこかのWebサイトやそのサービスを見て、大いに感動し、“ここで仕事をしたい!”と熱烈に思って、実際にそこに求職したことが、あなたにもおありだろうか? Surabhi Guptaにも、そういうことが起きたのだ。当時Googleの正社員のソフトウェア技術者だった彼女は、旅の泊まり先を予約できるマーケットプレースサービスAirbnbを初めて使ったとき、そのプロダクトと、それに感じられる将来性に惚れ込んでしまい、Airbnbの社員になってしまった。

Guptaは彼女の今の仕事に情熱的に取り組んでいる。そこで今回の本誌Inside Jobsシリーズでは彼女を取り上げ、Airbnbにおける一日の仕事や、今の仕事に行き着いた経緯について聞いてみた。

彼女の、ソフトウェア技術者の本質論がなかなかいい。それは、学校で勉強したコンピュータ科学よりも、もっともっと大きなものだ、と彼女は言う。そして、どんなにベテランの技術者になっても、初心者の気持ちをキープすることがたいせつだ、とGuptaは言うのだ:

“いちばん重要なのは、勉強する意思を持ち続けることだと思う。必要なスキルを身に付けるためには教育や訓練を受けることが重要、と思っている人が多い。でも、基礎的なスキルは学校などで身につくとしても、仕事から得られるスキルの方がもっともっと多い。私は確かにかなりの経験を積んではいるけど、でも、勉強すべきことはつねに山ほどあるわ。

だから、勉強は、ある時点で終わるものではなくて、毎日が勉強だと私は思う。そして、そういう気持ちでいること、自分にはまだ知らないことの方がずっと多いのだ、と自覚していることが、結局、仕事のもっと良いやり方、もっとやりやすいやり方を見つけることにも、つながるのよ。”

彼女のお話の全体は、上のビデオでお聴きいただきたい。

Inside Jobsシリーズは、3月24日から6月16日までの毎週月曜日に、計12回掲載する短期連載で、今のテクノロジ業界を動かしている現場の仕事人たちに、お話を聞いていく。先週は、Fitbitの対話とデザイン担当VP Tim Robertsにご登場いただいた。

プロデューサー、撮影、編集、音響、照明: John Murillo
コーディネータ、クリエイティブディレクター: Felicia Williams
ロゴデザイン: Bryce Durbin
モーショングラフィクス、グラフィックデザイン: Eden Soto

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550億ドルの化粧品産業に挑戦するMinkのCEO Grace Choiにインタビュー, それは女性が強くなるための武器だ

Disrupt New York 2014のStartup Battlefieldで優勝したのはVurbだったけど、でも一般大衆向けマスメディアがいちばん興奮して報じたのは、Minkだった。

Minkは、自分だけの化粧品を作るための3Dプリンタだ。あっと言わせるほど巧妙でしかもシンプルなアイデア、それはすべての偉大な製品やモダンアートに共通する特質だ。あまりにも単純なので、なんでこれを自分が思いつかなかったのか、とくやしい。Minkはまだプロトタイプの段階だが、予価は300ドルで、誰もが自分のうちでくつろぎながら、自分が本当に好きになれるメイクアップシェイドを自作できる。アイシャドウコンパクトは買えば5ドルから78ドルぐらいするし、流行もころころ変わる。それを考えるとMinkは相当な破壊的革新的な製品だ。

そこで、昨日のDisrupt NYの会場でMinkのファウンダGrace Choiをつかまえ、Mink誕生の秘話などを聞いてみた。

現在Minkは、女性一人だけのバンドだ。Choiが唯一のファウンダでただ一人の社員だ。すでに知財の弁護士と契約して特許も申請したが、経営者としてまだまだやるべきことは山のようにある。化粧品産業の市場規模は550億ドルと言われ、強力な既存企業が支配している。Choiの口数が少ないのも当然で、このインタビューではハードウェアや素材について詳しい話は聞けなかった。できるだけ近い機会に、あらためて話を聞きたいと思っている。

Choiは、若い女性はもっと自分自身と自分のセンスに自信を持つべきだ、と言い、そして女性のそんな強い生き方をサポートする道具がMintだ、と考えている。目の前にリアルに存在するChoiからは、起業家としての情熱、ハードウェア制作への熱意、そして新しい化粧品産業を作り出すのだ、という気概が伝わってくる。では、上のビデオでそのインタビューをご覧いただきたい。

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Neil YoungのPonoMusic, Kickstarterの爆発的ヒットに次ぐ‘その後’をCEOに聞く

Kickstarterにはときどき、何千人もの人がその実現を望み、こぞって資金を提供する大ヒットプロジェクトが登場する。FLAC形式による高品質な音楽ダウンロードサービスと、それ用の音楽プレーヤーを作ろうとしているPonoMusicは、それの最近の例だ。

PonoMusicの目標額は80万ドルだったが、一週間あまり前の締切り日には620万ドルをかき集めた。協同ファウンダがNeil Youngであったり、投資者の中にはBruce Springsteenがいるといった有名人現象も、PonoMusicにとって有害ではなかったと思うが、セレブたちの影響力だけでこれだけのお金は集まらない。PonoMusicの主張に対しては批判も多いけど、でも、多くの人たちがPono Playerのようなものが欲しい、と願っていたからこそ、資金募集が大成功したのだ。

お金が集まったからには、PonoMusicものんびりしてはいられない。むしろ、これからがいよいよ正念場だ。今回はPono MusicのCEO John Hammに会って、Pono Playerのプロトタイプに触らせてもらい、また今後の計画について話を聞いた(上のビデオ)。彼によると、プレーヤーの完成と発売は今年の10月を予定、それを目指して全社邁進しているところ、という。現時点で力を入れているのは、サンフランシスコの本社の要員を増やすことと、VCからの資金調達のお膳立てだ。

彼へのインタビューを、上のビデオでご覧いただきたい。

〔訳注: 日本ではたとえばオーディオ装置メーカーのオンキョーが、FLAC音源の有料ダウンロードサービスと、iOS用プレーヤーアプリを提供している。[onkyo flac]で、検索してみよう。〕

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お店とお客が値引きする/値切るの会話ができるeコマースTheorem

値引き交渉なんて前世紀に死んでしまい、今では混み合った青空市場やバザーにしかない、と思っておられるかもしれないが、でもよく考えると、今でも頭の中ではいつもそれをやっているのだ。ネットショップでシャツを見たあなたは、自分にこう言うだろう: “うん、これはお買い得ね”とか、“だめ、高すぎるわ”とか。欲しい物の値段が高かったら、すぐには買わずに、そのお店がクーポンを発行したり、売り出しで値下げするのを待つだろう。

新進のスタートアップTheoremは、お店とお客のあいだの、このような会話を大々的に復活させたい、と考えている。

Theoremはeコマース企業だが、お店とお客が値引き交渉ないし値下げ交渉できるシステムを作り上げた*。今日の立ち上げ時点でサポートしているのは、そのお店や地域で作られたアパレルとアクセサリだ。〔*: お店側がどんどん値を下げていく売り方が(動詞)negotiate、客が値引きを要求していくのが(動詞)haggle。日本語では、前者が値引き、後者が値切りか。Theoremは主に、店側のnegotiateをサポートする。〕

Theoremの協同ファウンダRyan Jacksonによると、小さな少量生産のブランドは、物を売るというゲームのやり方を知らない。また、市場調査をやるほどの資金もない。そこで彼らの値付けは、だいたい、客の肚(はら)をさぐる数当てゲームになる。また消費者の方は大型店の安い品物に慣れているため、地元産の高価な品物を、自分が納得できる値段で買えるためには、お店側との会話を必要とする。

Jacksonは曰く、“こういうブランドを抱えている人たちは、物作りの腕やセンスはすばらしい。でも、最終的に消費者に買っていただくための会話の能力が、彼らには必要だ。消費者はたとえば最初、‘あら高いわね’と言うかもしれない。するとアパレルの作者は、‘これ、中国製じゃなくて、サンフランシスコで、ここで、作ったのよ’と応ずる。そうすると消費者は、‘そうなの。分かったわ。でもまだちょっと高いわね’、と言うかもしれない。すると売る側は、‘おいくらぐらいなら、買っていただけるかしら?’と応ずるだろう*。〔*: ここからnegotiateが始まる。〕

Theoremを使うと、こんなやりとりがオンラインで容易にできる。消費者は、自分の言い値を店側に伝えることができ、店側はそれらをダッシュボード上で一覧できる。店側はそのデータを見て、各商品の消費者側から見た妥当な値頃を知り、そのあたりの価格で売ることができる。それは、店側の利益も出るが今後も継続的に買い手がつきそうな‘妥当な’価格だ。

Theoremは今日ベータから脱して一般公開したばかりだが、売れた値段のわずかなパーセンテージを取る。その率は品物によって違うが、現時点ではまったくマージンを取っていない。

Theoremが店側に提供するダッシュボードは、こんな画面だ:

Theoremと古典的なオークションとのあいだには、微妙な違いがある。まず、オークションでは品物が最高値の入札者へ行くが、Theoremでは最小公分母的な値付けがされる*。私が初めて見たときは、Goethe Auction(ゲーテのオークション)#やBecker-DeGroot-Marschack法$に似ているな、と思った。eBayで行われている値引き交渉よりも相当複雑だが、売り手と買い手の両方に最良の結果をもたらすやり方、と言えるかもしれない。〔*: 利益がある程度出て、かつ、今後もいちばん多く売れそうな価格。#: 自分の心中の決め値よりも高い言い値なら売ってしまう、という文豪ゲーテの方法。$:ゲーテのオークションに似ている。〕

このようなシステムをオンライン化することは、技術的に簡単ではなかった。まだ自己資本だけのTheoremを創ったのはRyan JacksonとAdam Robertsだが、両人は以前、Y Combinatorで創られたスタートアップで出会い、チームメンバーとして少数のインターンを集めた。これは、熱心な協同ファウンダが集まるとどんなものができるか、ということの一つの例である。

全体としてTheoremは、小売業という長い歴史をもつ業態へのたいへん巧妙な取り組みであり、商店と消費者両方が抱えるきわめて現実的な問題を解決しようとしている。今主流の、画一的な値付けによる大量生産大量販売という方法からは、大量の無駄と過剰在庫が生じている。あまり売れない品物ですら。Theoremを利用してその流れに逆らうことができるなら、それは私たち全員の利益になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))