データサイエンティストを対象とした専用データベースのPineconeが34億円調達

Pinecone(パインコーン)が2021年の創業時に発したメッセージは、データサイエンティストのニーズに特化したサーバーレスベクターデータベースを開発するというものだった。このデータベースは同社が行っていることの中核を成すものだが、同社はAI駆動型検索を中心に、より洗練されたデータベースの用途へと向かっている。「干し草の山の中から針を見つける」データサイエンティストを支援することを目指している。

Pineconeの創業者でCEOのEdo Liberty(エド・リバティ)氏に2021年、1000万ドル(約12億円)のシードラウンドの際に話を聞いたときはちょうど、同社がデータベースを開発しながらその道を歩んでいるところだった。同氏はAmazon(アマゾン)で、SageMakerというデータベースサービスの構築に携わっていた。それからがずいぶん長い道のりだったと同氏は話した。

「シードラウンドの発表から、いろいろと変化がありました。まず何よりも10月にきちんとした有料サービス製品を立ち上げました。それ以来、採用数も収益も急増しており、本当に順調です」とリバティ氏は語る。

シードラウンドの際、データサイエンティスト向けの専用データベースを用意した理由をこう説明した。

機械学習モデルが期待するデータは、JSONレコードではなく、高次元ベクトルなのです。それは特徴のリストか、エンベッディングと呼ばれる、この世に存在するアイテムやオブジェクトの数値表現です。この形式は、機械学習におけるセマンティックの観点で、豊かで実用的なものです。

現在では、この意味優先のアプローチが顧客にPineconeを利用してもらえる原動力になっているという。「ベクトルデータベースの主な用途は検索で、しかも広い意味での検索です。ドキュメントを検索するわけですが、ここでは検索を、情報入手全般、ディスカバリー、レコメンデーション、異常検知などと考えることができます」と語った。

システムは、Pineconeデータベースのデータを処理するために設計されたリソースのセットである「ポッド」で構成されている。同社は、顧客が製品に慣れ、簡単な概念実証を行うために、1つのポッドを無償で提供している。その後、ポッドの数に応じて支払いを開始する。

リバティ氏は、同社が数十億個のオブジェクトに拡張できるよう設計したシステムに自信を持っている。「ソフトウェアが実用に耐え、実際にオーケストレーションできる範囲まで拡張することができるのです。私たちは、インデックスを作成して使用できるデータ量に明確な制限がないようにシステムを設計しました」と同氏は説明した。

サーバーレスデータベースであるため、顧客はプロビジョニングについて心配する必要はないが、処理を要するデータ量に応じて、毎月いくら使えるかをPineconeに伝える必要がある。

「ざっくりとした計算に基づき、データ容量と性能の点から、こういう用途にはXポッドで十分だろうという判断が下され、それで完了です」。後はサインアップして、コンソールを数回クリックし、APIを呼び出してインデックスを作成するだけで、すぐに使えるようになる。

リバティ氏は、成長率や従業員数を明かしたくないとのことだったが、2023年にはスタッフ(それがどういう意味であれ)が2倍になる見込みだという。注目すべきは、シード発表時の同社の従業員数は10人だったことだ。

多様性に関して同氏は2021年「リクルーターには積極的に動き(より多様な応募者を見つけるために)、すばらしい候補者を逃さないように、そして多様な候補者を連れてくるように指示しました」と話した。実際には、その結果、2022年の新規技術職採用者の(従業員総数の)50%は女性だという。

同社は米国時間3月29日、2800万ドル(約34億円)のシリーズAを発表した。Menlo Venturesがリードし、新規投資家からTiger Globalが、また既存投資家から同社のシードラウンドをリードしたWing Venture Capitalなどが参加した。これにより、同社は累計3800万ドル(約46億円)を調達したことになる。

画像クレジット:SAND555 / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

Geolonia、ベクトルタイル形式地図開発を支援する2つのツールを国土地理院との契約により開発―オープンソースとして公開

Geolonia、ベクトルタイル形式の地図開発を支援する2つのツールを国土地理院との契約により開発―オープンソースとして公開

地図、地理空間情報、ロケーションデータの分野で事業を展開する位置情報テクノロジー・スタートアップGeolonia(ジオロニア)は3月29日、ベクトルタイル形式の地図開発を支援する2つのNPMパッケージ「itoma」(イトマ)と「kata」(カタ)を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開したと発表した。これは、国土地理院との契約により開発されたもので、国連OpenGISイニシアチブが推進する国連ベクトルタイルツールキットプロジェクトの一部として、MITライセンスで公開されている。同社としては、政府機関からオープンソース化を前提として受注した初めての事例という。

国連OpenGISイニシアチブとは、国連の平和維持活動に必要なオープンソースのGIS(地理情報システム)を開発するための取り組み。Geoloniaは、2021年11月から、地図デザイン編集ソフトウェア「Charites」(カリテス)を提供し参画している。今回開発された2つのツールは、ベクトルタイル形式の地図データを処理するためのNPMパッケージ(JavaScriptのパッケージ管理システム)となる。

itoma」は、ベクトルタイル形式の地図をプレビューするためのコマンドラインツールだ。データで配信されるベクトルタイルを地図として表示する。これを使うことで、ウェブサイトに地図を表示させたり、地図を使ったアプリケーションの開発が楽に行えるうよになる。

kata」は、地図データのデータ形式を他の形式に変換するためのコマンドラインツール。metadata.json形式のファイルを表形式に変換したり、YAML形式のファイルを、地図開発プラットフォーム「Mapbox」がオープンソースで提供するツール「Tippecanoe」の形式に変換するといったことができる。

Geoloniaは、今後もデジタル地図のオープンソース化を進めるべく活動してゆくとのことだ。

Spotifyが2人の音楽の好みを比較して作るBlendプレイリストを最大10人に拡大、人気アーティストとのBlendも作成可能

Spotify(スポティファイ)で人気のあるプレイリスト作成ツールの「Blend」に、2021年の正式公開以来最大のアップデートが実施される。これまでのBlendでは2人のユーザーのお気に入りの曲を組み合わせて共通項を探し、音楽の好みが重なり合うところを見つけられる。Blendを作成すると、2人のリスニング傾向に基づいて毎日新しい曲で更新される。米国時間3月30日、SpotifyはBlend機能を進化させ、最大10人と組み合わせて、あるいはお気に入りのアーティストと組み合わせてプレイリストを作れるようにすると発表した

SpotifyはBTSCharli XCXKacey MusgravesLauvMegan Thee StallionMimi WebbTai VerdesXamãなどのアーティストと提携し、自分の音楽の好みとアーティストの音楽の好みに共通する曲を1つのBlendプレイリストにまとめられるようにする。他のBlendプレイリストと同様に、ユーザーには「テイストマッチ」のスコアが記載されたカードも提供される。スコアは自分のリスニングの好みをBlendの参加者と比較し、どの程度似ているか、あるいは違うかに基づいて計算される。

このカードは、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、Twitter(ツイッター)などのソーシャルメディアに直接共有できるようになっている。

アーティストとの連携に加え、SpotifyはBlendをアップデートして家族や友人のグループが独自の共有プレイリストを作れるようにした。Spotify Familyのメンバーはすでに同様のテクノロジーを活用して家族全員が楽しめる曲を集め自動で更新されるFamily Mixプレイリストを利用することができた。しかしこの機能はSpotify Familyのメンバー限定で、個人のユーザーは利用できなかった。SpotifyはBlendに似たDuo Mixというプレイリストも提供しているが、これもDuoのプランのユーザーに限られている。

ストリーミング事業者が提供するパーソナライズされたプレイリストは、サービスを売り込むための重要なツールだ。Spotifyのライバルである音楽サービスのApple MusicやGoogle(グーグル)のYouTube Musicではそれぞれの企業のスマートフォンやモバイル用ソフトウェアに音楽アプリが含まれているが、Spotifyにはその強みがない。それにもかかわらずSpotifyが音楽ストリーミング市場をリードしている理由の1つが、パーソナライズされたプレイリストだ。エンターテインメント調査会社のMIDiAが2022年1月に公開したレポートによると、Spotifyの音楽サブスク市場における世界でのシェアは31%で、Apple Musicの15%、Amazon Musicの13%などをリードしている。その一因は、Spotifyがユーザーを好きな音楽、そして現在ではポッドキャストで引きつけるためにパーソナライズ機能を大いに活用していることだと考えられる。また、Spotifyは新しい機能やプレイリストをかなり頻繁に公開して、パーソナライズ技術の活用に関して先行していることをユーザーや競合に示している。

Spotifyは今回の機能強化より前にBlendのマッチング技術を別のところで利用していた。2021年12月に同社は、パーソナライズして1年を振り返る「Spotifyまとめ」でBlendを活用した。「Wrapped Blend(まとめブレンド)」と名づけられたこの機能で、自分と友人の「まとめ」を比較することができた。

今回の新しいBlendは、米国時間3月30日から展開される。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

グーグル、GoogleドキュメントにMarkdownの限定サポートを追加

Google(グーグル)は、Google Workspaceの利用者に向けて、Markdown(マークダウン)ファンにとって朗報となるブログ記事を発表した。GoogleドキュメントはMarkdownフォーマットを自動的にリッチテキストに変換することができるようになった。

Markdownに馴染みのない方のために説明すると、このマークアップ言語は構造化されたドキュメント、特にウェブコンテンツを書きたい場合、ここ数年で非常に人気が出てきている。例えば、Notion(ノーション)やBear(ベアー)のような人気のメモ取りツールはMarkdown記法に対応している。WordPressのようなコンテンツ管理システムでも、新しい投稿を書く方法としてMarkdownを有効にすることができる。

Googleドキュメントのこの新機能は、デフォルトではオフになっている。まず、設定の中で手動でオンにする必要がある。この記事を書いているのはそのためだ。Markdownサポートを有効にしたい場合は、Googleドキュメントでドキュメントを開き、画面上部にある「ツール」から「設定」を選択し「Automatically detect Markdown(マークダウンを自動的に検出)」を有効にする。これで準備完了だ。今日(米国時間3月30日)、この機能がまだ表示されなくても、それは正常なことなので慌てずに。同社は、今後数日間にわたって新機能を順次展開していくとのことだ。

ここで、Markdownの広範なサポートを期待してはいけない。Googleドキュメントは依然としてリッチテキストエディタであり、Markdown機能を有効にしたところで、魔法のように変わるわけではない。

代わりに、Googleドキュメントは、一般的なMarkdown構文をリッチテキストに置き換える。例えば、丸括弧と角括弧を使用して「[この](https://techcrunch.com)」ようなリンクを作成することができる。または「*」記号でテキストを囲むことによって、イタリックにできる。

Googleドキュメントは、異なるレベルの見出し、ボールド、イタリック、取り消し線とリンクをサポートしている。番号付きリストと箇条書きリストは、以前のように自動的に書式設定される。

つまり、この新機能は、いくつかのキーボードショートカットを補完するものだ。また、他のアプリケーションからGoogleドキュメントにMarkdownコンテンツをコピーすることが容易になり、Ulysses(ユリシーズ)のようなMarkdownエディタを使用している場合、特に便利である。

だが……それは逆方向では動作しない。Markdownのすばらしいところは、複数のアプリやサービスと互換性のあるプレーンテキスト形式であることだ。

例えば、Googleドキュメントは、現在のドキュメントをMarkdownとしてネイティブにエクスポートし、Markdownがサポートされている場所であれば、すぐにコピー&ペーストできるようにするべきだ。そのためのプラグインがあることは知っている。しかし、すべての企業がプラグインを快く思っているわけではない。

ねぇ Google、これはすばらしい最初のステップだが、イタレーションして、より多くのMarkdown機能を提供してくれ、プリーズ。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Den Nakano)

普通のサウンドバーに満足できないDevialetがハイエンドのサウンドバーを発売

ハイエンドスピーカーメーカー、フランスのDevialet(デビアレ)から登場した新しいスピーカーのDevialet Dioneを紹介しよう。この新製品で、同社は新しい市場であるホームシネマサウンドシステムに参入する。Devialet Dioneはオールインワンのドルビーアトモス5.1.2対応サウンドバーで、価格は2190ユーロ(約29万7400円、日本での販売価格は税込35万9000円)だ。

DevialetのCEOであるFranck Lebouchard(フランク・ルブシャール)氏は筆者に対し「当社はハイエンドのマーケットの企業ですが、オールインワンオーディオシステムの製品があります」と語った。その意味するところは、標準的なサウンドバーとDioneは比較の対象ではないということだ。

例えばSonos(ソノス)のラインナップでDioneと同等のデバイスを見つけるとするなら、Sonos ArcサウンドバーとSonos Oneを2台、そしてサブウーファーのSonos Subのセットになるだろうとルブシャール氏はいう。このセットの現在の価格は2000ドル(約24万3300円)を超える。

ルブシャール氏は「すべてを1つのデバイスに収めたことが技術的な成果です。つまり17基のスピーカーを組み込む必要があり、これは前代未聞です」と付け加えた。

同社はパリのオフィスに試聴室を設けており、筆者は大型テレビとともにDevialet Dioneを聴く機会を得た。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の冒頭の数シーンと音楽を数種類、このスピーカーで聴いてみた。

確かにこのスピーカーのサウンドはすばらしい。没入感のあるサウンドを生み出し、テレビの前ではなく映画館にいるように感じられる。

これはレビューとしては十分ではない。筆者はオーディオの専門家ではないので、現在のトップクラスのサウンドバーと比較した場合のDevialetのサウンドバーの音はわからない。購入前にご自身で試聴することをお勧めする。

ルブシャール氏は「Sennheiser(ゼンハイザー)のサウンドバーにはスピーカーが12基あります。我々は17基のスピーカーを組み込んでいます。完全に魔法のようだというわけではありませんが、スピーカーを5つ増やせば聴いて違いがわかります」と述べた。

画像クレジット:Devialet

中身がぎゅっと詰まったサウンドバーだ。重量は12キロ、そして1.2メートルの長さがある。大型の55インチテレビを持っているなら、このようなスピーカーの購入を検討するといいだろう。

デザインは、これまでのDevialetのスピーカーに比べると控えめだ。Devialetの特徴的なデザインである卵型から、エッジや角が直線的なよくある四角い形になっている。

目立つのはデバイスの中央部にある小さな球だけだ。この球の中にはスピーカーが1つあり、動かせるようになっている。このため、サウンドバーを壁に取り付ける場合は球を動かして自分に向けることができる。

デバイス内部には17基のスピーカーがある。フルレンジドライバーが9基、四角いサブウーファーが8基だ。このサブウーファーはサウンドバーの仕様に合わせて設計された。したがって、Devialet Dioneではサブウーファー(またはサテライトスピーカー)を別に用意する必要がない。

このデバイスには独自のD/Aコンバーターも組み込まれている。実はDevialet Dioneには同社のフラッグシップ製品であるPhantomシリーズと同じSoCが使われている。Devialetはこの専用チップに関して複数の特許を取得しており、バックグラウンドノイズなし、サチュレーションなし、ディストーションなしのサウンドを謳っている。

ドルビーアトモス対応でない映画を再生する場合は、Devialet Dioneでサウンド信号を5.1.2オーディオに「アップスケール」できる。会話を聞き取りやすくするライブバランス機能もある。

接続に関しては、Devialet DioneをeARCとCECに対応したHDMIケーブルでテレビにつなぐ。スタンドアローンのスピーカーとして音楽を聴くこともできる。

Devialet DioneをWi-FiかEthernetでローカルネットワークに接続する。Bluetooth 5.0にも対応し、Devialetアプリを使用する。Spotify ConnectやAirPlay 2も利用できるので、音楽を聴く際に必ずしもアプリを使わなくてもよい。

画像クレジット:Devialet

オーディオマニア専用ではない

同社はDevialet Dioneには勝機があると見ている。ストリーミングサービスが注目作の映画を早期に配信するようになっているからだ。ルブシャール氏は「市場は大きく成長しつつあると認識しています」という。

同氏はさらに「このサウンドバーの典型的なお客様は55インチ以上の高画質テレビを持っている方です。そのような方々は画質に引けを取らない優れた音質を求めます。音楽をたくさん聴くDevialetの典型的なお客様とは少し違います」と述べた。

もし事業の目標を達成をしようとするなら、Devialet Dioneは1年間で同社売上の20%を担わなくてはならない。同社は新製品を発売する際に販売拠点のきめ細かいネットワークの力を借りることができる。現在、Devialetの販売拠点は世界各地に1900カ所ある。

同社は2015年のシリーズA以降は資金調達ラウンドについて公表していないが、その後の2回のラウンドで7000万ユーロ(約95億円)を調達している。直近では2020年1月に既存の投資家から5000万ユーロ(約67億9000万円)を調達した。

Devialet Dioneは米国時間3月29日からフランス、ベルギー、ルクセンブルク、スイスで発売され、その他の国でも同日に予約注文が開始されている。

画像クレジット:Devialet

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

スペースプレーン開発を手がけるSpace Walkerがガンダム×未来技術の新構想「ガンダムオープンイノベーション」に採択

スペースプレーン開発を手がけるSpace Walkerがガンダム×未来技術の新構想「ガンダムオープンイノベーション」に採択

持続可能な宇宙輸送手段となるスペースプレーンを開発する東京理科大学発ベンチャー企業Space Walker(スペースウォーカー)は3月29日、バンダイナムコグループによる「ガンダムオープンイノベーション」に採択されたと発表した。同社は3月28日、東京都中小企業振興公社による「令和3年度TOKYO戦略的イノベーション促進事業」にも採択されている。

ガンダムオープンイノベーションは、ガンダムの舞台となった時代「宇宙世紀」を現代に捉え直し、さまざまな社会課題を解決し、人類が望む未来社会を築くために、未来に向けたアイデアや技術を掛け合わせて夢や希望の現実化を目指すというバンダイナムコグループのプログラム。2021年6月に発表され、パートナーを募集していた。Space Walkerは、このガンダムオープンイノベーションで「エンターテインメント業界の皆さまと持続可能な社会に向けて共創することにより、社会にとってのより良い相乗効果を期待しています」と話している。

令和3年度TOKYO戦略的イノベーション促進事業では、「タイプ4超高圧複合容器蓄圧器の開発」を研究開発テーマに設定している。これは水素などの気体を高圧で保存するためのタンクで、金属を使わず、軽量な複合材料で作られる。Space Walkerでは、宇宙開発から生まれた高圧ガス複合技術を地上で展開する研究も行っている。具体的には、水素ステーションなどの超高圧水素ガスの貯蔵と移送のための技術だ。この事業では、低コストでの設置と使用が可能な水素ステーション用蓄圧器の開発を進めるとしている。

【3月31日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はDeFi史上最大のハッキング、2位はPlayStation Plusリニューアル

【3月31日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はDeFi史上最大のハッキング、2位はPlayStation Plusリニューアル

掲載記事のうち、3月31日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:DeFi史上最大のハッキング、Axie InfinityのRoninネットワークから約765億円相当のイーサとUSCコイン流出


2021年、a16zから30億ドル(約3688億円)の評価額で資金を調達したブロックチェーンゲーム大手のAxie Infinityは、壊滅的な1週間を過ごしていた。米国時間3月29日朝まで、同社がそのことを知らなかっただけで。

第2位:ソニー、定額サービス「PlayStation Plus」を3つのプランでリニューアル


ソニーは、リニューアルしたゲームサブスクリプションサービス「PlayStation Plus」を導入することを正式に発表した。この新しいサービスはPlayStation Plusと呼ばれ、ソニーが現在提供している2つのサブスクサービス、PlayStation PlusとPlayStation Nowを1つにまとめたものだ。PlayStation Plusは、Microsoftの人気サブスクサービス「Xbox Game Pass」への対抗と見られている。

第3位:イーロン・マスク氏が「次のTwitterを作りたい」と熱望しても心配する必要はない


イーロン・マスク氏が先週末のツイートで、地震のソーシャルメディアプラットフォームの構築について「真剣に考えている」と発言した。このツイートを読んで血圧が上がった人は、あなただけではない。深呼吸をしよう。彼のDogeSociælXアプリが登場するのは、まだ先の話だ。

第4位:早起きは三文の「損」であることが判明!? 朝型人間と夜型人間の睡眠の問題と生産性との関連を調査


東京医科大学は3月28日、いわゆる朝型人間と夜型人間の睡眠の問題と生産性との関連性を調査し、朝型人間の夜ふかしと、夜型人間の早起きが、生産性低下に関連していることを明らかにした。

第5位:ウクライナ政府がロシア軍の追跡手段をDX、Telegramチャットボットを作成し活用・認証アプリで偽情報をブロック


ウクライナ政府は、Telegramアプリにチャットボットを作成し、ユーザーがiPhoneを使ってロシア軍が侵入した情報を防衛側に報告できるようにしたと報じられています。ロシアのウクライナ侵攻の始まりは、Googleマップやアップルのマップで察知されていましたが、今やウクライナ政府が意図的に個人向けテクノロジーを活用する事態にいたっています。

画像クレジット:Brands&People on Unsplash
YIELD GUILD GAMES
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Thomas Trutschel via Getty Images

クラブハウスで「保護されたプロフィール」設定が利用できるように

Clubhouse(クラブハウス)は米国時間3月30日、ユーザーがフォロワーとして承認した人にのみ、自分の完全なプロフィールを公開できる保護プロフィール設定を開始すると発表した。この変更は、ロシアがウクライナに侵攻を続けていることを受け、プラットフォーム上でユーザーを保護し続けるために実施される。

「この時代に当社が世界中の人々がつながるための場となっていることに感謝していますが、紛争や激動の時代にあっては、あなたのオンラインプレゼンスとあなたが共有するものに注意することがますます重要になることも知っています」と同社はブログ投稿で述べた。

保護されたプロフィール機能は、アプリの設定でオンに切り替えられる。オンにすると、フォロワーを承認することができるようになる。あなたのフォロワーだけがあなたのプロフィール上のroom、クラブ、リプレイを見ることができるとClubhouseは説明する。また、この設定により、Clubhouse上では一般的にあなたは目にされにくくなる。あなたがフォロワーとして承認していないユーザーはあなたがオンラインになったときに見ることができず、あなたが知らない人があなたをフォローすることを勧めない、と同社は話す。

この新機能は、Clubhouseが戦争に反対するロシアの市民が協調するためのプラットフォームとなった一方で、ロシアのプロパガンダの本拠地にもなっていることを受けてのものだ。ロシアはInstagram(インスタグラム)とFacebook(フェイスブック)をブロックしたため、同国の人々はさまざまなコミュニケーション方法を探しており、その1つがClubhouseだ。

今日の発表と同時に、Clubhouseは紛争時にユーザーがソーシャルオーディオプラットフォーム上でどのように身を守ることができるかのヒントも提供した。同社は、ウクライナのユーザーに対して、音声を録音できるリプレイ機能をデフォルトでオフにしたものの、サードパーティのアプリやデバイスを使って同意なしにコンテンツを録音し、共有することが可能だと指摘している。口頭とプロフィールの両方で共有する情報については慎重になるようにも呼びかけている。同社はまた、自分の発言や共有内容に気を配ることは重要である一方で、自分の声が識別子になり得ることも忘れてはならないと指摘している。

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

Beyond Next Venturesの共同創業プログラム「APOLLO」から起業第1号、医療系スタートアップALY誕生

Beyond Next Venturesの共同創業プログラム「APOLLO」から起業第1号、医療系スタートアップALY誕生

ベンチャーキャピタル・アクセラレーターのBeyond Next Ventures(BNV)は3月29日、起業家候補人材とともに革新的な事業創造に挑む共同創業プログラム「APOLLO」において、医療系ディープテック企業ALY(アリー)が第1期参加者初の会社登記(2021年12月)を実現させたと発表した。同時に、第2期の募集を開始した。

ALYは、「データ技術で医療分野に化学反応を起こし、前へ進める」ことをミッションとする医療系スタートアップ。「データ分析で医療分野に良いインパクトを与えられる事業」を目指している。

共同創業プログラム「APOLLO」

APOLLOは、ディープテック領域に特化した起業家を対象に、構想段階からともに事業を練り上げ、スタートアップの起業を目指す創業プログラム。特定の事業テーマを選んで共創するという特徴がある。APOLLOが提供するのは、創業資金と成長資金、BNVの研究領域ネットワークを通じた事業に必要な研究シーズの探索や連携、事業構築と成長支援、目標領域に精通する投資家とともにビジネスモデルの策定や創業メンバーの採用などを行う事業構築と成長支援、起業家コミュニティーへの参加となっている。例えばALYでは、創業者・代表取締役の中澤公貴氏が、医療分野に精通するBNV執行役員の橋爪克弥氏と手を組み、創業に繋げている。

現在APOLLOは第2期の募集を行っている。対象となる事業テーマは、医療デジタルイノベーション、医療系IoT、バイオスティミュラント、カーボンオフセット、微生物/発酵、宇宙バイオテック、生殖医療/ファミリーヘルス、ベビーテック/チャイルドテック、インド市場となっている。これらの中で、少子高齢化、健康問題、環境問題などの社会課題の解決を目指す起業家を募集する。

対象者としては、強い挑戦心と起業家精神の持ち主、インパクトの大きな課題解決に取り組む強い意志の持ち主、スタートアップやスタートアップ的環境で新規事業に関わったことのある人を挙げているが、とりわけ、グローバル市場に挑戦する志向性がある人、特定の産業または事業モデルに強い興味と専門性がある人、起業経験がある人、医師、MBA、海外駐在経験者は歓迎するとしている。

説明会は下記のとおり領域ごとに開催される。

  • アグリ・フード領域(バイオスティミュラント、カーボンオフセット、微生物/発酵など)
    ・開催日:4月19日19時~20時
    ・詳細および申し込み: https://apollo20220419.peatix.com/view
  • 医療・ヘルスケア領域(IoMT、医療DXなど)
    ・開催日:4月27日19時~20時
    ・詳細および申し込み:http://ptix.at/Q4428G
  • バイオ領域(宇宙バイオテック、生殖医療/ファミリーヘルス、ベビーテック/チャイルドテックなど)
    ・問い合わせフォーム(https://talent.beyondnextventures.com/apollo)より連絡

AI活用の水泳コーチングシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を全国約100カ所のコナミスポーツクラブが導入へ

AI活用の水泳コーチングシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を全国約100カ所のコナミスポーツクラブが導入へソニーネットワークコミュニケーションズは3月29日、映像とAIを活用したスイミングスクール向けコーチングシステム「スマートスイミングレッスンシステム」について、コナミスポーツが導入を決定したと発表した。4月1日より「運動塾デジタルノート」の名称で、コナミスポーツクラブの「運動塾スイミングスクール」で使われる。まずは東京の本店に導入し、2023年3月末までに全国約100店舗に順次導入してゆく。

スマートスイミングレッスンシステムは、撮影と動画編集、クラウドによる配信、コーチ用アプリケーションという技術で構成されている。撮影は、プールの水上と水中に設置した複数台のカメラで行われる。通常は、水面の揺れ、光の反射、屈折などにより難しいとされる泳ぐ人の画像認識と追従を独自開発のAIアルゴリズムで実現した。さらにAIは、複数の水面・水中映像から最適なものを選び出して自動編集を行い、動画コンテンツにまとめる。この映像は、プールサイドに設置したタブレットで自動再生されるため、プールから上がった生徒は、タブレットを操作することなく、すぐに見ることができる。コーチ用のアプリケーションは、レッスン中にも使いやすい画面デザインとなっていて、進級テストでは、動画とともに結果とコメントをまとめて個人用ページに配信できるようになっている。これは保護者の端末にも配信され、親子で共有できる。

ソニーのセンシング技術・AI活用の「スマートスイミングレッスンシステム」を全国約100カ所のコナミスポーツクラブが導入へこのシステムでは、レッスン前に個人ページに配信されるお手本動画での予習が可能であり、レッスン中はコーチがお手本動画を示しながら説明が行えるという特徴がある。自分の泳ぎの映像と合わせることで、生徒は自分の課題を視覚的に理解しやすく、自発的な行動が促されるという。また、上達を実感できるためモチベーションが向上し、積極的な学びにつながるとのことだ。

カメラは、防水対応を施したソニーの小型リモートカメラ(SRG-XP1)が使われている。水中カメラは約4kgという軽量の4Kカメラで、持ち運ぶことも可能。これまで特別な施設でなければ水中撮影は難しかったが、このシステムなら、どのスイミングスクールでも4Kの水中映像の撮影が可能になる。

スマートスイミングレッスンシステムは、2021年5月からルネサンスが運営するジュニアスイミングレッスンに導入され、現在約80店舗に展開されている。そこでは、生徒の意欲向上が見られるほか、コロナ禍で見学ができない保護者からはレッスンの様子が見られることが評価されている。スクール運営者やコーチにも支持されているそうだ。ソニーネットワークコミュニケーションズでは、指導ノウハウのデジタルコンテンツ化やレッスンの品質管理にも役に立つこのシステムを、スイミングスクールのDXを支援するソリューションとして広く展開してゆくと話している。

ロータスの新型EV「Eletre」に搭載された技術に同社の自動運転への野望が見える

Lotus(ロータス)は米国時間3月29日、バッテリー駆動の「ハイパー」SUV「Eletre」(エレトレ)を発表した。これは、ロータスが今後4年間に発売を予定している3種類のEV(電気自動車)のうちの最初の1台だ。

どのようなものなのか?Eletreは(ハンガリー語で)「活気づく」という意味で、Lotus初の実用車であり、今後予想されるバッテリー駆動の高級SUVの需要増に対応するための重要なモデルだ。車両のデザインや豪華な内装は特筆すべきものだ。しかし、ロータスの未来を最もよく垣間見ることができるのは、必要に応じて飛び出す4つのLiDAR(ライダー)センサーを含む、いくつかの技術だ。

まずは基本的なことを。Geely Automotive(ギーリー・オートモーティブ、吉利汽車)とマレーシアのコングロマリットEtika Automotive(エチカ・オートモーティブ)が所有するLotusは、このEVに、パワーとトルク、そこそこのバッテリー走行距離を詰め込んでいる。

Eletreは、800ボルトの電気アーキテクチャを採用し、バッテリーを劣化させることなく急速充電を可能にした。各車軸に1つずつ搭載された2つの電気モーターは、最低でも600馬力を発生し、SUVを3秒以内に0〜60mph(時速0〜97キロ)まで加速することができるLotusによると、100キロワット時以上の蓄電能力を持つバッテリーパックは、フル充電でEletreが373マイル(約600キロメートル)走行する(欧州のWLTP燃費基準)ことを可能にするという。また350キロワットの充電器を使えば、20分で248マイル(約399キロメートル)分を充電することができる。

Eletreには4種のドライブモードが提供される。そのうちの1つであるオフロードモードでは、ステアリング、ダンパー設定、パワートレイン、アクセルペダルの反応が調整される。その他、オプションの23インチホイール、アクティブライドハイト、アクティブ後軸ステアリング、アクティブアンチロールバー、ブレーキによるトルクベクタリングなどのハードウェアや機能を追加することが可能だ。

この車両は、2022年後半に中国の武漢にあるロータスの新工場で生産が開始される予定だ。

画像クレジット:Lotus

Lotus Cars(ロータスカーズ)のマネージングディレクターのMatt Windle(マット・ウィンドル)氏は、Lotus初のSUVかつEVであるこの新型車について「私たちの歴史の中に重要な位置を占め、ビジネスを変革したい私たちの変わらない願望を明確に示すもの」だという。

もちろん、この歴史の中の重要な位置を、将来の大きな利益につなげることが目的だ。

LotusはEletreの価格情報を公開しなかったので、競合相手を特定することは難しい。価格次第では、Tesla(テスラ)Model Xや、Lamborghini(ランボルギーニ)からAston Martin(アストン・マーティン)に至る、高級ブランドのトップセラーとして認識される高級SUVと競合する可能性がある。

潜在的な競争相手は増え続けている。Maserati(マセラティ)は先週、中型SUV Levante(レヴァンテ)のバッテリー版と、新型コンパクトクロスオーバーGrecale(グレカーレ)の2種の完全電気SUVを発売する計画を発表した。Ferrari(フェラーリ)初のSUV、30万ドル(約3654万円)のPurosangue(プロサングエ)は2022年後半に登場予定だ。

Lotusの場合、先進運転支援システムの改善や機能追加を行うために、無線を使ったソフトウェアアップデートを行うことのできるセンサーやその他のハードウェアを搭載し、Eletreの「将来の拡張性」を保証している点が特徴だ。

一般に、自動運転車を安全に運用するための鍵として考えられている光検出・測距センサーLiDARは、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Volvo(ボルボ)、そして今回のLotusといった自動車メーカーで採用され始めている。こうした自動車メーカーは、LiDARを完全な自動運転機能ではなく、特定条件下の限定的な自動運転機能のための余裕を提供するために必要なセンサーとみなしている。少なくとも、今はまだそうだ。

画像クレジット:Lotus

LotusがEletreに搭載するLiDARは、このような使い方を想定しているようだ。Lotusは4つのLiDARセンサーを使用する予定で、必要なときに「展開」または「飛び出し」が行われるようになっている。Lotusによれば、LiDARセンサーは必要ないときは隠れていて「必要に応じてフロントガラスの上部、リアガラスの上部、フロントホイールアーチから現れるだけ」とされている。

このLiDARセンサーシステムによって、最終的にはスマートフォンのアプリで駐車場への入出庫ができるようになる予定だ。しかし、Lotus Technology (ロータステクノロジー)の副社長で、ドイツのLotus Tech Innovation Center(ロータステックイノベーションセンター)のマネージングディレクターであるMaximilian Szwaj(マクシミリアン・シュワイ)氏のコメントは、同社が駐車場以外のことも考えていることを示している。

彼は声明の中で「LiDARセンサーやカメラなどのADAS(先進的運転手支援システム)技術は、より自動的な時代に向けて新車に搭載されることが多くなるでしょう」と、現在のための技術はもちろん、未来のための技術も搭載していると述べている。

また、現在の米国の規制では禁止されているカメラを使ったミラーシステムも搭載される予定だ。3種類のカメラは、1つ目はバックミラー用、2つ目は駐車を助けるために上方から360度の視界を作り出すためのもの、そして3つ目は先進運転支援システムに使用される。Lotusは、カメラがLiDARシステムと連動して「自動運転機能」を実現すると述べている。

Lotusは、この「自動運転機能」が駐車以上の野望を意味するのか否かについて、これ以上の詳しい説明をしていない。Lotusが説明するハードウェアは最先端技術ではあるが、効率的で安全な自動運転機能をクルマに搭載するには、計算能力とソフトウェア、そして直感的なユーザーエクスペリエンスを備えたシステムを含め、克服すべき多くの課題がある。

しかし、4つのLiDARセンサーと3つのカメラは、同社の目標が限定的または条件付きの自動運転機能にも及んでいることを示唆している。

画像クレジット:Lotus

その他のイノベーションとしては、同社が多孔性 (ポロシティ、porosity)と呼ぶものがある。これは空力特性、航続距離、効率を改善するために、上下、周囲だけでなく、車体の中に気流を通過させるものだ。Lotusは、ハイパーカーEvija(エヴァイヤ)やEmira(エミーラ)をデザインする際、多孔性に注力した。

今回Eletreに搭載されたことで、このデザインイノベーションは今後も続くと思われる。ロアーグリル、フロントフェンダー、テールランプ付近などに、このエアーチャンネルがわかりやすく配置されている。

特にグリルは興味深いもので、三角形の花びらが連結したネットワークを形成し、クルマが動いていないときや走行中の抵抗を減らす必要があるときは閉じられる。Lotusによれば、電気モーター、バッテリーパック、フロントブレーキの冷却が必要なときに、ラジエーターに空気を送り込むためにグリルが開き、Eletreが「呼吸」できるようにするのだという。

編集部注:Eletreは日本の公式輸入代理店のウェブページなどでは「エレトレ」と表記されているが、Lotus公式を含む現地/海外メディアのビデオなどでは「エレクトラ」と発音されている。

画像クレジット:Lotus

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(文:Jaclyn Trop、Kirsten Korosec、翻訳:sako)

Chrome OSがバージョン100の誕生日に新ランチャーを搭載、簡単GIF作成や音声入力改善

Chrome OSチームは、本日、その軽量オペレーティングシステムのバージョン100を発表し、それにともない、プラットフォームにかなりの興味深い変更をもたらした。最もわかりやすいのは画面の左下から横に広がる新しいランチャーで、さらにいくつかの新機能が追加されている。内蔵カメラアプリでは、作成したメディアをGIFとして保存できるようになり、Chrome OSの音声入力機能では、テキストの編集がより簡単にできるようになった。また、新たに登場したChrome OS Flexは、100以上のデバイスが追加サポートされる。開発者向けには、Google(グーグル)はデザインを一新したChromeOS.devサイトを立ち上げた。

ランチャーは、おそらくユーザーが最初に気づく部分だろう。もっとも、タスクバーそのものが移動するわけではなく、Chrome OSのWindowsスタートメニューに相当する部分について話しているだけである。Googleは、開いている他のウィンドウのためにスペースを確保することが目的だと述べている。ユーザーは、アプリの表示順を名前や色(それが好みなら)で整理したり、手動で納得のいく順番に並べることができる(あるいは、筆者のようにカオスにしておいてもいい)。

画像クレジット:Google

そのランチャー内部で、Googleは検索機能を更新した(これまでは、検索結果の簡単なプレビューが表示されていた)。このアップデート後は、ブラウザに入っていく前にも、かなり多くの情報を見ることができるようになる。ショートカットもこの検索体験に統合され、例えばスクリーンショットを簡単に撮ることができるようになった。

画像クレジット:Google

音声入力による編集に関しては、期待通りの体験だ。例えば「delete(消去)」と言えば最後に入力した文字を削除でき、「move to next character(次の文字に移動)」でカーソルを移動させることができるようになった。なぜ今までこのような機能がなかったのかと思うほど、とても率直だが、音声入力に頼っているユーザーにとっては非常に便利な機能追加であることは間違いない(利用するには[設定]で「音声入力」を有効にする必要がある)。

ChromebookカメラのGIF作成は、かなり簡単だ。動画撮影の際に新しくトグルが追加され、それをオンにすると、最長5秒のGIFを作成することができるようになった。

画像クレジット:Google

画像クレジット:aluxum / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Den Nakano)

オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルサービスを手がけるNearMe(ニアミー)は3月30日、空港と市内を結ぶ送迎サービス「スマートシャトル」(nearMe.Airport)について、北九州空港に本拠を置く航空会社のスターフライヤーと提携を開始。北九州空港と北九州市内をドアツードアで結ぶ空港版スマートシャトルの予約を、同日よりスタートしたことを発表した(前日までの事前予約制のため運行開始は4月1日から)。九州エリアでは、福岡空港の送迎シャトルに続いて2空港目となる。

NearMeは、独自のAIを活用し、2019年夏に空港送迎版の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)のサービスを開始。2022年2月、北九州市が行なう「スタートアップSDGsイノベーショントライアル事業(実証支援事業)」を通じ、北九州市内・苅田町と北九州空港をドアツードアで結ぶスマートシャトルの実証実験を実施した。今回その結果を受け、スターフライヤーの協力のもと北九州空港と市内を結ぶ送迎シャトルのサービス開始に至ったという。

nearMe.Airportは、北の新千歳空港から南の那覇空港まで、今回の北九州空港を含め全国13空港で利用できるようになった。

スマートシャトル」運行概要

  • サイトURLhttps://app.nearme.jp/airport-shuttle/
    ・多言語対応。現状は日本語と英語、今後は5カ国語対応予定
  • 利用方法:オンラインによる事前予約制。前日18時までに予約
  • 運行開始:2022年4月1日
  • 発着点:北九州空港←→北九州市内の指定箇所

料金

  • 北九州空港←→北九州市小倉南区、苅田町:1回2480円(税抜)/人から
  • 北九州空港←→北九州市小倉北区:1回3980円(税込)/人から
  • 北九州空港←→北九州市門司区:1回4980円(税込)/人から
  • オンライン決済が可能なのでチケット不要。飛行機遅延に伴う料金請求はなし
  • 各エリア内であれば乗降車場所問わず定額
  • 大人1名につき、12歳未満の児童2名まで半額適用

また同社は、新型コロナウイルス対策として以下を実施している。

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗車客に消毒を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗車客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗車客同士が隣接しないよう、少人数・大型車で展開
  • 乗車客にはマスクの着用を依頼

都市型温室のGotham Greensが2022年中に設置面積の倍増を計画

ニューヨークの多くの人々と同様、筆者もブルックリンで初めてWhole Foods(ホールフーズ)に設置されたGotham Greens(ゴッサム・グリーンズ)の温室に興味を惹かれた。ゴーワヌスの巨大なレンガ造りの建物の上に、4つのガラス張りの構造物がある光景は、都市型農業の背後にある考え方の非常に優れた縮図だ。

特に、既存の建物の上に建てることで、より貴重な地上の面積を独占する必要性を排除することができる。また、農場から食卓までの直接的なパイプラインという概念も説得力がある。より新鮮な農産物を確保するためだけでなく、レタスを満載したトラックを何千キロも走らせるという環境破壊的な影響を排除するという意味においても、この部分は重要だ。Gothamの温室は、垂直農法と定義できるものではないが、同じ根本的な原理をいくつか利用している。

このニューヨークの企業は今週、2022年中に温室の面積を倍増させる計画を発表した。Gothamは2022年中に、温室の生産能力を60万平方フィート(約5万5750平方メートル)から120万平方フィート(約11万1500平方メートル)まで拡大する予定だという。これにはテキサス州、ジョージア州、コロラド州で現在建設中の施設や、シカゴとロードアイランド州での拡張工事が含まれる。これらが、ニューヨーク州、ロードアイランド州、メリーランド州、イリノイ州、コロラド州、カリフォルニア州にある既存の施設に加わる。

従来の農業に比べると、温室は年間を通じて栽培できるなど、多くの利点がある。特にオランダをはじめとする欧州諸国では広く普及しており、現在は関連分野である垂直農法と並び、さらなる注目を集めている分野だ。垂直栽培は、当然ながら同じ面積でより多くの作物を栽培することができる。一方、温室はLEDに頼らず、より直接的な太陽からの光で栽培することができる。

「私たちの目標は、Gotham Greensの新鮮な野菜を、我々の温室から車で1日以内に、全米の90%の消費者に届けることです。今回の戦略的な温室拡張プロジェクトによって、私たちはこのマイルストーンにさらに近づくことができます」と、共同設立者でCEOのViraj Puri(ヴィラージ・プリ)氏は述べている。

ニューヨークのような都市部への進出が標準的であると考えると、Gothamのカリフォルニア州への進出は、当初は少々謎だった。同州では、すでに米国の農作物の13%以上が生産されているからだ。しかし、同社によれば「気候変動の影響を受けている米国の地域に、意図的に事業を拡大している」とのことだ。

画像クレジット:Gotham Greens

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

YouTubeにポッドキャスト専用ページができるかも

YouTube(ユーチューブ)がポッドキャストに本腰を入れていることは、すでに何度か報じられていた。同社がこの分野での取り組みをリードするためにポッドキャストのエグゼクティブKai Chuk(カイ・チュク)氏を雇い、人気配信者に番組の撮影費を提供し始めたことさえわかったからである。今回、流出した文書により、YouTubeのこの分野での計画に関する詳細が明らかになり、将来的にYouTube.comにポッドキャストのホームページを設置することや、その他の収益化機能があることが指摘されている。

Podnewsは最近、YouTubeがポッドキャストのロードマップを説明した84ページのプレゼンテーションを手に入れ、その詳細を発表した。その中で同社は、ポッドキャストのRSSフィードを取り込む機能を試験的に導入し、ポッドキャストの取り込みを改善するとしている。また、YouTube.com/podcastsという新しいホームページでPodcastを一元管理する計画であることも述べている。このURLはまだ機能しないが、スラッシュの後にランダムな言葉を入れた場合と異なり、YouTubeのホームページに自動的にリダイレクトされることもない。

驚くことではないが、Google(グーグル)はポッドキャストをYouTubeでの広告ビジネスを拡大する方法として考えている。この文書は、YouTubeがGoogleや、他のパートナーによって販売されるオーディオ広告を搭載することを示唆している。また、オーディオファーストのクリエイターのために設計された「新しい指標」のサポートや、YouTubeのデータを業界標準のポッドキャスト測定プラットフォームに統合する機能についても言及している。あるページでは、Nielsen(ニールセン)、Chartable(チャリタブル)、Podtrac(ポッドトラック)といったブランドがパートナーとしてリストアップされている。

YouTubeに新たに「ポッドキャスト」部門を追加することは、同社にとって合理的な次のステップとなるだろう。

YouTubeは長年にわたり、2015年のYouTube Gaming2019年のYouTube Fashion(現Fashion & Beauty)のように、サービスの大きなコンテンツカテゴリーに独自のホームページを与えて強調してきた。さらに、YouTubeのコンテンツは、Googleの音楽ストリーミングサービスであるYouTube Musicを支えており、Spotify(スポティファイ)などの他のサービスと競合しているため、ポッドキャストが競争力を持っているのだ。

Spotifyはポッドキャスト広告市場の制覇を目指しており、関連するアドテクを取り込むために何度か買収を繰り返してきた。その結果、Spotifyはその後、自社広告の販売ストリーミング広告挿入技術の導入、独自のオーディオ広告市場の立ち上げを実現し、新しい広告フォーマットにも挑戦している。一方、動画中心のプラットフォームであるYouTubeは、この広告市場の成長の多くから取り残されている。

Podnewsは文書の全文を公開しておらず「2022年」に登場すると記載されているローンチへの言及や、Spotifyが2021年3月に買収したChartableへの言及から、この文書がいつ最初に作成・配布されたのかは不明だ。YouTubeはPodnewsの記事に対し、コメントを出していない。コメントが提供されれば更新する。

画像クレジット:Olly Curtis / Future / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

起亜自動車が「EV9」の市販化を発表、2023年に欧州で発売

Kia(起亜自動車)が、2021年のロサンゼルスオートショーで公開したコンセプトカー「Concept EV9(コンセプトEV)」を市販化する日はそう遠くないだろうと思っていた人の推測は正しかった。起亜は、この電気自動車SUVの市販バージョンを、2023年に欧州で発売すると発表した。北米やその他の地域での販売については言及されていないものの、SUVなのだから、米国やカナダの道路を流しているEV9を目にするのも時間の問題かもしれない。

EV9がコンセプトから量産モデルに移行する際にどこが変わるのかということについて、起亜は言及しなかった。しかし、我々はボディの大胆な切込みや、巨大なホイール、格納式ルーフレール、そしてラウンジのような座席モードなど、エキゾチックな機能の多くがカットされると予想する。とはいえ、27インチの超ワイドディスプレイや、ボンネット備わるソーラーパネルさえ、市販モデルに受け継がれたとしても、我々は驚かないだろう。

量産モデルのEV9でも、謳い文句通りのスペックが維持されるかもしれない。コンセプトカーでは、一度の充電で走行可能な距離は最大300マイル(約483km)で、350kWの超急速充電に対応し、バッテリー残量の10%から80%まで10分で充電可能ということが約束されていた。起亜は最近、高速道路でドライバーに代わってEV9を走らせることができる自動運転技術「Automode(オートモード)」についても詳述している。

価格など、まだ明かされていない重要な情報も多いが、EV9は、少なくともいくつかの分野では、起亜にとってこれまでで最も重要な完全電気自動車の1台になる可能性がある。現在のところ、同社が販売している電気自動車「EV6」は好評を博しているものの、一部の市場(特に北米)はクロスオーバーやSUVに大きく偏っている。EV9は、起亜がTesla(テスラ)の「Model Y(モデルY)」や、Volkswagen(フォルクスワーゲン)の「ID.4」のような競合に挑むための助けとなるかもしれない。いうまでもなく「Niro EV(ニロEV)」では興奮しない買い手を引き寄せるためにも貢献するだろう。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon Fingas(ジョン・フィンガス)氏はEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Kia

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ボストン・ダイナミクスが物流用ロボットStretchの販売予約受け付けを開始

Stretchはこれまで、Spotほどには注目されてこなかった。当然といえば当然なのだが。というのも、1つにはBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)が数十年にわたる研究開発を経て、初めて商品化したロボットではなかったからだ。また、人目につかないところで箱を移動させるなど、舞台裏で活躍することを想定して設計されているからでもある。有名なSpotは、Hyundai(現代自動車)傘下のロボットメーカーBoston Dynamicsにとって、世間の注目を集め、ちょっとした論争を巻き起こす一種のブランドアンバサダー的な存在となっている。

同社のHandleプロジェクトから生まれたStretchは、ここ数カ月で限られた顧客に試験的に使用されている。同社はまた、1月にDHLと1500万ドル(約18億円)相当という大規模なロボット購入契約を締結した。その他、衣料品チェーンのGapやH&Mも初期の顧客だ。

3月30日、このシステムの販売が始まった。2023年か2024年まで納品されないので、予約受付中といった方が正確かもしれない。予想通り、同社はこの新型ロボットへの関心の主な要因として、現在進行中の労働問題を挙げている。

画像クレジット:Boston Dynamics

「人手不足とサプライチェーンの混乱は、モノの流れを維持するための課題を生み出し続けています」と、CEOのRobert Playter(ロバート・プレイター)は話す。「Stretchは物流業務をより効率的かつ予測可能なものにし、倉庫内で最も身体的負荷の大きな作業を担うことで安全性を向上させることができます。当社のアーリーアダプターの顧客の多くは、すでにこのロボットの大規模な導入を決定しており、Stretchが間もなくより広範囲に活用され、小売業者や物流会社が継続的に急増する商品需要に対応できるようになることを期待しています」。

これらのシステムが世界で活躍するのを見るのは興味深い。これまで私たちは主に、制御された環境下でのBoston Dynamicsの動画を見てきた。Stretchは厳しい競争に直面している。企業がAmazon(アマゾン)の巨大な自動化軍団に対抗するための足がかりを探す中で、倉庫や物流は近年ロボティクスで最も注目されている分野の1つとなっている。直近では、そうした企業は雇用のギャップを埋めるのに役立つシステムを探している。

画像クレジット:Boston Dynamics

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

Visaがアーティストやミュージシャンを対象としたNFTプログラムを開始

クレジットカード大手のVisa(ビザ)は、小規模事業者をデジタル経済に取り込むため、NFT(非代替性トークン)クリエイタープログラムを開始した。

Visaの暗号資産(暗号資産)部門責任者、Cuy Sheffield(クイ・シェフィールド)氏はTechCrunchに「過去1年間、NFTのエコシステムが急速に成長しているのを目の当たりにしました。NFTが新しい形のeコマースを表していると考えています」と語った。

小規模事業者の頭の中は、従来の「家族経営の実在店舗」から、デジタルに特化した企業を立ち上げ、NFTのような新しいツールを活用したいクリエイターや起業家による他の独立したビジネスへと進化していると、シェフィールド氏は述べた。

1年間の集中プログラムであるVisa Creator Programは、アーティスト、ミュージシャン、ファッションデザイナー、映画制作者などのクリエイターを集め、NFTを使ったビジネスを構築できるようにする。

シェフィールド氏は、初回のプログラムではクリエイターの数に上限はなく、すべてのメンバーがVisaの顧客やメンターの幅広いネットワークにアクセスできるようになる、と述べた。

「大規模な業者やブランドは、どうすれば参加できるかを毎日尋ねています」と同氏は語った。「我々にとってNFTが非常にエキサイティングなのは、人々がビジネスを構築し、オンラインで販売するための参入障壁を低くしてくれると考えているからです」。

従来の物理的な商品の販売方法は多くの物流をともなうため、中小企業や個人が競争し、規模を拡大するのは難しかった。「NFTは、クリエイティブな人、アーティスト、才能のある人が、デジタルな方法で完全に商品を生産することを可能にします」とシェフィールド氏は話す。

元メジャーリーガーで、現在はAkuのアーティストであるMicah Johnson(マイカ・ジョンソン)氏は、この初回プログラムの参加者の1人だ。Visaは2021年10月にパートナーシップを発表したが、その時はジョンソン氏がプログラムに参加していることは明かしていなかった。

ジョンソン氏のAku NFTは、同氏が甥から「黒人の宇宙飛行士ってあり?」という質問を聞いて作ったキャラクターをベースにしている。

同氏の10部構成のコレクションは、スパゲッティとミートボールに覆われたヘルメットから、シンプルでスマートな白いヘルメットまで、さまざまな要素を身につけた黒人男性の宇宙飛行士のポージングで構成されている。Aku NFTのウェブサイトによると、価格は1790〜3万7000ドル(約22万〜450万円)だ。

ジョンソン氏は「NFTがアーティストを可能にすることを身をもって体験しました」とTechCrunchに語った。「私はこのアイデアと使命感を持って、文字通り自宅のガレージで絵を描いていましたが、それを世界的な企業に成長させることができたのです。NFTがなければ、今の私の立場はないでしょう」。

Visaは暗号資産コミュニティと無縁ではなく、過去12カ月間、暗号資産の擁護者だった。2021年8月に人気のCryptoPunkのNFTを購入したことで話題になったが、シェフィールド氏はこの購入が同社の唯一のNFTにはならないだろうと述べた

NFTの収集以外にも、Visaは暗号資産チームを増強し、2021年12月には顧客やパートナーがこの分野への深入りを検討できるよう、暗号資産アドバイザリー業務を開始した。

「(NFTは)商取引を再構築し、新たな機会を創出することができる基本的な原始ツールだと考えています。しかし、どのように進化していくのかについては、まだ多くの疑問があります。どのブロックチェーンを使えばいいのか。どのようにして目立つのか。どのような方法で顧客にアプローチするのか。そして、クリエイターが我々から学ぶことができると思うのと同じくらい、我々は彼らから学びたいのです」とシェフィールド氏は話した。

同氏によると、Visaは今後、これらの暗号資産技術にどっぷりと浸かって商取引の未来を追いかけたいと考えている。「我々はNFTに非常に興奮しています。NFTが多くの異なるネットワークにまたがって存在すると考えているので、すべての(NFT)マーケットプレイスがVisaカードを受け入れることができるようにしたいのです」。

次のステップはどうなるか。Visaは、オンラインで何かを購入するのと同じくらいNFT購入を簡単にしたいと考えている、と同氏はいう。

「現在のNFT購入体験はかなりハードルが高く、取引所に行って暗号資産を買い、それを別のウォレットに移すという複数のステップが必要です。新しい消費者がこの分野に参入するのは非常に難しいのです」と同氏は指摘する。

このプログラム以外にも、クレジットカード会社は、消費者にとってNFTをより購入・アクセスしやすくするための方法を検討している。消費者がこの分野に参入しやすくするためにVisaが取り組んでいる「数々の取り組み」があるが、シェフィールド氏は今後同社がNFTに特化した製品やサービスを発売する時期については明かさなかった。

「小規模事業と商業は、世界中の町や近隣のコミュニティを構築する上で本当に重要な役割を担っています。地元の理容店やパン屋には、親しみやすい顔があります。そして今、私たちが目にしているのは、クリエイターが商業とNFTを利用して、共通の信念や理想を持つ人々が集う、志の高いコミュニティを世界中に築きつつあるということです」。

画像クレジット:hapabapa / Getty Images

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(文:Jacquelyn Melinek、翻訳:Nariko Mizoguchi

ダイソンの顔に装着する空気清浄機

空気。私は好きだし、あなたも好きだ。私たちはみんな、1日中その中を歩き回り、肺や血液をその物質で満たしている。飽きることはない。しかし、あなたも私も、ペットのチンチラも、みんなが必要としている、美しくすばらしい命を支える空気が、ときに悪くなることもある。その通り。私たちが頼る空気には、時に悪いもの、微小なものが混ざるのだ。あなたの鼻の中に飛んできて、柔らかくて無防備な内部を大混乱させることが大好きな何かが。

この2年間で、ここ米国では空気清浄機が2020年の57%増をはじめとして販売台数を大きく伸ばしている。パンデミックにカリフォルニアの山火事などの現象が重なり、多くの人が家庭やオフィスにフィルターを設置するようになった。そうする間にも、Dyson(ダイソン)のエンジニアたちは、ある重要な問いを自問自答していた。もし、顔に清浄機を取り付ける方法を見つけたらどうだろう?マスク着用が日常になった世の中では、もしかしたら突拍子もない問いではないかもしれない。

おそらく。

画像クレジット:Dyson

Dyson Zone(ダイソン・ゾーン)は野心作だ。ダイソンでおなじみの製品デザインを多く取り入れながら、はっきりと目立つ、顔に装着するタイプであることが大きな特徴だ。より正確にいえば、ヘッドフォンに括り付けるかたちで口の前に置かれるもののようだ。正直にいえば、基本的なフォルムはアメフトのヘルメットに一番似ている。

同社によれば6年間で500回の試作を経て、最終的な製品が生まれたのだという。Dysonはいう。

当初はシュノーケルのような清浄空気用マウスピースと、モーターや内部機構を収納するバックパックの組み合わせでしたが、6年間の開発期間を経て、空気清浄型ヘッドフォンDyson Zoneは劇的な進化を遂げました。500回を超える試作の結果、当初はうなじの位置にあった1つのモーターが、イヤーカップに1つずつ、計2つのコンプレッサーとなり、シュノーケルのマウスピースは、顔全体に接触せずにクリーンな空気を送り出す、効果的で非接触型のバイザーに進化して、まったく新しいクリーンエアの供給機構を実現しました。

画像クレジット:Dyson

取り外し可能なバイザーは、顔に直接触れることなく、ユーザーの口と鼻に向けて一対のフィルターされた気流を吹き付ける。アレルゲンや汚染物質などの微粒子をろ過するように設計されている。Dysonは、Zoneが新型コロナウイルスのような病原体を除去する能力があるかどうかについては特に触れていない。その代わり、本製品にはさらに、フェイスカバーを装着するためのアタッチメントが付属している。ヘッドフォンは3種類のノイズキャンセリングモードを搭載し、フロントピースには4種類の空気清浄機能が搭載されている。

正確な価格と発売時期は未定だが、いったいこれをいくらで売るつもりなのかを知りたい私にとっては残念なことだ。ざっくりと、この秋のある時期に一部の市場で発売される予定だということは決まっている。さらなる詳細については、今後数カ月以内にお知らせする。

画像クレジット:Dyson

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

Facebook MessengerにSlackのような「@everyone」機能などの新ショートカット追加

Meta(旧Facebook)は、Messengerアプリにいくつかの新機能とショートカットを導入している。最も注目すべきは、Slackのような「@everyone」機能を追加し、新規のメッセージに関して、チャットの参加者全員に通知できる点だ。Metaは、新機能がグループリマインダー、懇親会、または一刻を争う質問を投げていて、すぐに回答が必要な場合に最適だと説明する。

一方、同社は「/silent」機能も展開している。グループチャットでメッセージを送信する前に「/silent」と入力すると、そのグループのメンバーにはメッセージの通知が一切届かなくなるという機能だ。Metaは、この機能により、時間帯の異なる相手に割り込む不安を取り除き、ユーザーがゆっくりとメッセージを読むことができるようになるという。

これら2つの新機能は、本日から利用可能となっている。さらに同社は、今後数週間のうちに展開される予定となっているいくつかのショートカットも示唆した。

Metaは、1対1のMessengerチャットでの送受信を簡単にする新ショートカット「/pay」を米国で提供開始する予定だ。このショートカットは、iOSとAndroidの両ユーザーに展開される予定となっている。Metaはまた、ユーザーがGIFをすばやく見つけて送信できるようにする「/gif」ショートカットも導入予定だ。iOSユーザーは「/shrug」と「/tableflip」ショートカットを利用できるようになり、それぞれ「 ¯_(ts)_/¯ 」と「 (╯°□°)╯︵ ┻━┻ 」の顔文字を自動的に入力することができる。

画像クレジット:Meta

この度の新機能の提供開始は、Messengerが先に、米国内のすべてのiOSおよびAndroidユーザーに「分割払い」機能を展開したことを受けてのものだ。同社は、ユーザーがアプリを通じて請求書や経費を分担する方法として、2021年末から同機能のテストを始めていた。Metaはこの新機能を、Messengerを通じて金銭を処理するための「自由で迅速な」方法だと考えている。

Split Paymentsは、Messengerが新しいボイスメッセージ録音コントロールを開始したというニュースと同時に導入され、ユーザーは送信前にボイスメッセージを一時停止、プレビュー、削除、録音継続することができるようになった。また、ボイスメッセージの録音時間を1分から30分に延長した。

画像クレジット:Meta

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(文:Aisha Malik、翻訳:Katsuyuki Yasui)