Clubhouseがパブリッシャーとの関係強化のためNPRのニュース担当トップをスカウト

Clubhouseは、米国のラジオネットワークNPRのベテラン編集者をアプリのニュースパブリッシングの責任者として迎えた。Nina Gregory(ニーナ・グレゴリー)氏は、Clubhouseのニュース・メディアパブリッシャー部門の責任者として、ニュースパブリッシャーとClubhouseの音声ベースコミュニティのエコシステムとの橋渡しを担当する

グレゴリー氏は、過去7年間にわたりNPRのアートデスクを担当し、同ニュースメディアの文化やエンターテインメントに関する報道を強化してきた。グレゴリー氏はCNNの取材に対し、「オーディオジャーナリストとして、(Clubhouseは)私が以前から信じているニュースのための最高のメディアです」という。「ラジオニュースを聞くには、文字が読めなくてもよく、高額な受信料を払う必要もありません。ケーブルも不要です」。

 

パブリッシャーや他のブランドとのつながりを築いていくことは、Clubhouseが成熟するための道の1つだ。USA TodayやTechCrunchなどのオンラインメディアが、このアプリで存在感を示しており、パンデミックによって人と人との交流が制限される中、このアプリは爆発的に成長した。しかし、既存の競合他社との競争も迫っており、Clubhouseはこのゲームにとどまる創造的になる必要があるかもしれまない。

急激なClubhouseの台頭でTwitterやSpotify、Facebookといった安定地位を確保しているテクノロジー企業は、自分のプロダクトにライブオーディオルームを統合しようと躍起になっている、Twitterはいち早くTwitterスペースをローンチし、SpotifyはスタンドアローンのClubhouseクローンGreenroomを立ち上げた。Facebookは4月に独自のライブオーディオルームを発表し、その2カ月後に米国のユーザーに供用を開始した。

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Clubhouseが2020年に享受したようなバイラルな注目を維持することはほぼ不可能だが、同社は機能を追加し、Androidアプリを導入し、すべての人にその門戸を開いている。Clubhouseは、2月のピーク時を超えることはできないかもしれないが、2021年夏にAndroidに対応した後も、グローバルで月間770万ダウンロードを記録しており、オーディオファーストのソーシャルネットワークというビジョンを構築し続けている。

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画像クレジット:SOPA Images/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フォードが15万件超の予約が入ったF-150 Lightning生産能力拡大のため約270億円追加投資

Ford(フォード)は米国時間9月16日、発売を予定している全電動トラックF-150 Lightningの生産能力を年8万台に増やすために追加で2億5000万ドル(約274億円)を投資し、450人を新規採用する。この発表は、15万件超のF-150 Lightning予約が入っていることを受けてのものだ。

追加の投資と雇用はミシガン州ディアボーンにある新設のRouge Electric Vehicle Center(ルージュEVセンター)、Van Dyke Electric Powertrain Center(ヴァン・ダイク電動パワートレインセンター)、Rawsonville Components Plant(ロウソンヴィル部品プラント)に振り分けられる、と同社は説明している。

このニュースはルージュEVセンターでのイベントで発表された。このセンターはRouge Complexへの7億ドル(約768億円)の投資の一環で50万平方フィートに拡張された。ガソリンで走るFシリーズのトラックもまたRouge Complexで組み立てられている。

そしてFordはLightningトラックの生産準備を開始したことも明らかにした。これらのプロトタイプは実世界でのテストに使われる。顧客への納車は2022年春の予定だ。

全電動ピックアップトラックは同社の電動化に向けた300億ドル(約3兆2920億円)の投資の重要な一部で、Mustang Mach-Eとともに18カ月以内に発売されるFord EVデビュー車種の1つだ。Lightningは収益という点で最も重要かもしれない。Ford F-150 Lightningの生産は全電動Mustang Mach-E、そして商業顧客にフォーカスした設定変更可能な全電動貨物バンE-Transitの導入に続く。

F-150 Lightningはベース、XLT、Lariat、そしてPlatinumシリーズの4つのトリム、2つのバッテリーオプションで提供される。ボディがアルミニウム合金製のこのトラックは搭載する2つの電動モーターで動き、四輪駆動が標準で独立した後輪サスペンションを備える。ベースバージョンは連邦あるいは州の税控除前で3万9974ドル(約438万円)、一方のXLTモデルは5万2974ドル(約580万円)からだ。この価格にはデスティネーションフィーと税金は含まれていない。

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画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルの気球Loonの遺産、ワイヤレス光通信でコンゴ川を挟み高速インターネットを届けるアルファベットのProject Taar

Google(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)は2021年初めにProject Loonを終了したが、インターネットアクセスを提供する気球から学んだことは無駄にはならなかった。Loonで開発された高速無線光リンク技術は、現在、Taaraプロジェクトという別のムーンショットに使用されている。TaaraのエンジニアリングディレクターであるBaris Erkmen(バリス・エルクメン)氏は、新しいブログ記事の中で、このプロジェクトのワイヤレス光通信(WOC、wireless optical communications)リンクがコンゴ川を越えて高速接続を実現していると明らかにした。

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Taaraの構想は、LoonチームがWOCを使って100km以上離れたLoonの気球間でのデータ転送に成功したことから始まった。チームは、この技術を地上でどのように利用できるかを検討した。WOCの応用可能性を探る一環として、彼らはコンゴ共和国の首都ブラザビルとコンゴ民主共和国の首都キンシャサの間に存在する接続性のギャップを埋めることに取り組んだ。

これら2つの場所はコンゴ川を挟んで、わずか4.8kmしか離れていない。しかし、キンシャサでは、川を囲む400kmの範囲に光ファイバーを敷設しなければならないため、インターネット接続のコストがはるかに高くなってしまう。Project Taaraは、ブラザビルからキンシャサまで、川を挟んで高速通信が可能なリンクを設置した。同プロジェクトは20日以内に、99.9%の稼働率を実現し、約700TBのデータを提供した。

Project Taaraでの光ビーミング接続の仕組み

TaaraのWOCリンクは、お互いを探し出して光のビームを結ぶことにより高速インターネット接続を実現している。霧の多い場所での使用には適していないが、Taaraプロジェクトでは、天候などのさまざまな要因に基づいてWOCの利用可能性を推定できるネットワーク計画ツールを開発した。将来的にはそれらのツールを使って、Taaraの技術が最も効果的に機能する場所を計画することができるようになる。

Taaraのエンジニアリングディレクターであるエルクメン氏はブログ記事でこう述べた。

追跡精度の向上、環境対応の自動化、計画ツールの改善により、Taaraのリンクは、ファイバーが届かない場所に信頼性の高い高速帯域幅を提供し、従来の接続方法から切り離されたコミュニティを接続するのに役立っています。我々はこれらの進歩に非常に興奮しており、Taaraの機能の開発と改良を続ける中で、これらの進歩を積み重ねていくことを楽しみにしています。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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画像クレジット:Alphabet

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(文:Mariella Moon、翻訳:Aya Nakazato)

学習管理アプリ「Studyplus」が月額980円で電子参考書200冊以上が使い放題になる「Studyplusブック読み放題」発表

学習管理アプリ「Studyplus」が月額980円で電子参考書200冊以上が読み放題になる「Studyplusブック読み放題」開始スタディプラスは9月15日、勉強記録・学習管理サービス「Studyplus」(Android版iOS版)において、学習参考書など電子教材が使えるデジタル教材プラットフォーム「Studyplusブック」を発表した。同プラットフォームでは、月額980円(税込)で参考書200冊以上を利用できる「Studyplusブック読み放題」、紙版を購入すると電子版を提供する「Studyplusブックコード」の2サービスを提供する。提供開始時期は、2022年1月(一部サービスは2021年11月より先行リリース予定)。

「Studyplusブック」プラットフォーム

Studyplusブックでは、Studyplusの本棚に並ぶ書影から、そのまま電子教材ビューアを開くことが可能。ビューアは目次機能、ページめくり、見開き表示、拡大縮小など標準的な機能を搭載。ビューアの利用を終了すると、ビューアを開いていた時間をそのまま勉強時間として記録できる。

また通常のビューア以外に、一問一答形式の教材に対応する「暗記チェック機能」も提供予定(一部の教材のみ対応予定)。問題に対する回答が確認できるほか、問題ごとに正誤記録を残せるため、「間違えた問題だけをやり直す」「正答率から自分の理解度をチェックする」といった使い方も可能。音声再生機能、しおり機能も採用している。

対応環境(2021年9月時点)としては、iOS 13.0以上、Android 7.0以上としているが、ウェブブラウザー対応も予定しているという。学習管理アプリ「Studyplus」が月額980円で電子参考書200冊以上が読み放題になる「Studyplusブック読み放題」開始

またStudyplusブックは、個人はじめ学校や塾などでの法人利用にも対応し、教育機関向け学習管理プラットフォーム「Studyplus for School」と合わせて利用可能。これにより、学校や塾をはじめとする教室で「Studyplusブック」のスタディログに基づいた指導を実現できるとしている。

なお、スタディプラスが2019年9月から提供している電子参考書サービス「ポルト」は、Studyplusブックに統合する。単独サービスとしてのポルトは段階的にサービスを終了する予定(スケジュールはサービス内で告知予定)。

月額980円で参考書200冊以上が使い放題の「Studyplusブック読み放題」

Studyplusブック読み放題は、月額980円(税込)で電子版の学習参考書200冊以上が使い放題になるサービス。前身である「ポルト」から引き続いて18の出版社が参画する予定。

提携出版社(2021年9月時点)は、アルク、旺文社、学研プラス、KADOKAWA、河合出版、かんき出版、京都書房、研究社、講談社、新興出版社啓林館、水王舎、スタディカンパニー、世界思想社教学社、Z会ソリューションズ、第一学習社、東京書籍、ブックマン社、山川出版社。学習管理アプリ「Studyplus」が月額980円で電子参考書200冊以上が読み放題になる「Studyplusブック読み放題」開始

対象の紙版参考書を購入すると、電子版も利用可能となる「Studyplusブックコード」

Studyplusブックコードは、出版社と共同で電子版教材の普及に取り組むサービスで、対象の紙版参考書を購入すると、Studyplus上で利用できる電子版(Studyplusブック教材)を提供する。Studyplusブックコードを導入することで、これにより、デジタル参考書と紙版とを用途によって使い分けられるようになる。学習管理アプリ「Studyplus」が月額980円で電子参考書200冊以上が読み放題になる「Studyplusブック読み放題」開始

これまでの発行コード数は30万コード以上で、全国約550の学校がブックコードを利用しているそうだ(前身であるポルトコードからの実績。2021年9月時点)。Studyplusブックコード提携出版社(2021年9月時点)は、京都書房、Z会ソリューションズ、第一学習社、山川出版社。2022年度にさらに提携出版社を拡大予定。学習管理アプリ「Studyplus」が月額980円で電子参考書200冊以上が読み放題になる「Studyplusブック読み放題」開始

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K/60フレーム撮影や4K/120フレーム撮影対応

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応日本時間9月16日、GoProはアクションカムの新モデル「GoPro HERO10 Black」(以下、HERO10)を発表。GoPro.comにて販売を開始しました。GoPro.comでの価格は6万4000円(税込)となり、年額6000円の「GoProサブスクリプション」加入者、もしくは購入と同時に加入する場合は5万4000円(税込)で購入できます。

ちなみにGoProの製品ラインナップはHERO10が追加された格好となり、1世代前のHERO9に加え、GoPro HERO8 Black(以下、HERO8)やGoPro MAXも併売されるとのこと。GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応

そんなわけで今回は、HERO10を先行して試用させていただく機会が得られたので、実機とともにご紹介していきます。GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応

プロセッサーの刷新で撮影性能がアップ

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応

HERO10(左)とHERO9(右)を並べてみました

早速ですが、やはり気になるのは「昨年のGoPro HERO9 Black(以下、HERO9)と何が違うのか」ですよね。HERO10の最も大きな進化点は、GoPro HERO6 Blackから採用されていた「GP1」プロセッサーが「GP2」へと刷新されたこと。GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応

これにより撮影性能が大幅に向上し、動画撮影では5.3K/60フレームまで、4Kでは120フレームまで、2.7Kでは240フレームまでに対応(静止画撮影は23MP)しました。また、高感度性能の向上により、暗所でのノイズ軽減も実現したと言います。加えて、手ブレ補正機能のHyperSmoothは「HyperSmooth 4.0」へと進化、従来よりもブレ補正が強化されているとのこと。タッチ操作の反応向上やフロントディスプレイのフレームレート向上といった操作性アップもGP2採用によるものです。

5.3K動画から切り出した静止画。切り出しでも15.8MP(5K 4:3からの切り出し時は19.6MP)と十分な解像度です

5.3K動画から切り出した静止画。切り出しでも15.8MP(5K 4:3からの切り出し時は19.6MP)と十分な解像度です

以下の動画はHERO10とHERO9でHyperSmoothの効き具合を比較したもの。そもそもHyperSmooth 3.0でもブレ補正がかなり効いているのですが、HERO10のほうがよりブレが少ないように思えます。とはいえ正直なところ劇的な差ではないかな……。

続いて下の動画は暗所撮影での比較。こちらは差がはっきりわかるレベルで、HERO9と比べるとHERO10のノイズが少ないのがわかります。ただし動きが激しくなるとHERO10でも厳しい印象でした。また、ISO感度は最大6400まで設定可能ですが、3200以上はかなりノイジーになるので注意が必要です。

5.3K/60フレームでも撮影してみましたが、解像度が高いほどファイルサイズも大きくなる(5.3K60フレームだと15秒で200MB程度)ので、なんでもかんでも5.3Kで撮影するのではなく、用途に合わせて設定変更するのが良さそうです。

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応そのほか機能面でHERO9からの大きな変更はなく、耐衝撃性や10m防水対応も従来どおり。GoProをWebカメラとして使ったり、スマートフォンとGoProのみでライブ配信が行ったりといった、HERO9でできていたことは基本的にHERO10でも同様にできます。

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応

基本的にはUIも変更はありません

目新しい機能として挙げられるのは、スマートフォンとGoProを有線で接続し、ファイルの転送が行えるようになったことでしょうか。HERO8以降(GoPro MAX除く)のモデルが対応しており、従来の無線接続よりも高速にスマートフォンへファイルの転送が行えます。

iOS、Androidともに対応しますが、iPhoneの場合は「Lightning - USBカメラアダプタ」などの変換アダプターが必要になります

iOS、Androidともに対応しますが、iPhoneの場合は「Lightning – USBカメラアダプタ」などの変換アダプターが必要になります

外観はほぼ変更なし。HERO9向けアクセサリーがそのまま利用可能

iOS、Androidともに対応しますが、iPhoneの場合は「Lightning - USBカメラアダプタ」などの変換アダプターが必要になります一方で外観はと言うと、なんとなくお気づきの方も多いかもしれませんが、見た目はほぼ変わらずです。

正面(左)と背面(右)

正面(左)と背面(右)

左側面(左)と右側面(右)

左側面(左)と右側面(右)

上部(左)と底面(右)

上部(左)と底面(右)

背面に2.27インチのタッチ対応ディスプレイ、レンズ側に1.4インチカラー液晶を備える点に違いはなく、本体サイズもHERO9と全く同じ(W71.0mm x H55.0mm x D33.6mm)。左側面に電源ボタン、上部に撮影ボタン、底面の格納式マウントフィンガーなども従来どおりです。変更点は重さがHERO9より5g軽い153gとなったことと、ロゴの色が青に変わったことくらいしかありません。

見た目で違いはわかりませんが、レンズカバーの撥水性が向上しているとのこと

見た目で違いはわかりませんが、レンズカバーの撥水性が向上しているとのこと

カメラ底面には格納式のマウントフィンガーを装備

カメラ底面には格納式のマウントフィンガーを装備

バッテリーはHERO9と共通で容量1720mAhのものを採用。バッテリーの充電やPCなどとの接続はUSB Type-Cポート経由で行えます

バッテリーはHERO9と共通で容量1720mAhのものを採用。バッテリーの充電やPCなどとの接続はUSB Type-Cポート経由で行えます

そのため、アクセサリー類はHERO9向けのものと共通になります。指向性マイクや3.5mmマイク端子、ミニHDMIポートなどが追加できる「メディアモジュラー」や、強力な手ブレ補正でカメラをぶん回しても水平維持をしてくれる「Maxレンズモジュラー」なども現行のHERO9向けのものがそのまま利用できます。

「メディアモジュラー」と「ディスプレイモジュラー」を装着するとこのような感じに

「メディアモジュラー」と「ディスプレイモジュラー」を装着するとこのような感じに

HERO9と同じくレンズカバーの取り外しが可能で、「Maxレンズモジュラー」にも対応します

ただし「Maxレンズモジュラー」は現段階では利用不可で、今後のファームウェアアップデートでの対応になるようです

ただし「Maxレンズモジュラー」は現段階では利用不可で、今後のファームウェアアップデートでの対応になるようです

自動編集が優秀なスマーフォンアプリ「Quik」

スマートフォン向けアプリ「Quik」と連携させればGoPro本体の操作もできます

スマートフォン向けアプリ「Quik」と連携させればGoPro本体の操作もできます

HERO9をレビューした時にも感じましたが、GoProと連携して使えるスマートフォン向けアプリ「Quik」が便利。アプリ上から、設定変更を含めたGoProのコントロール、動画 / 写真の確認、1080p 品質でのライブストリームなどが行えるほか、動画の自動編集機能まで備えています。

カメラに触れずにGoProの操作ができるのもメリットですが、動画の自動編集機能が秀逸です。複数の動画を選ぶだけで、アプリが自動的にいい感じのシーンを抜き出して音楽やモーションをつけて1つの動画に仕上げてくれます。完成した動画をスマートフォンに転送すれば、SNSなどでのシェアも簡単というわけです。

というわけで、車のダッシュボードにHERO10を設置してTimeWarpで撮影し、自動編集機能を使ってみました。編集そのものにかかった時間はわずか1〜2分でしょうか。もっと作り込むこともできますが、ある程度のクオリティの動画が気軽に作れるのは良いですね。

やっぱり使いやすい定番アクションカム

GoPro HERO10 Black実機レビュー、新プロセッサーGP2搭載で5.3K60フレーム撮影や4K120フレーム撮影対応HERO10は現状のGoProで最もハイスペックなモデル。外観は前モデルとあまり変わりませんが、中身は確実に進化していました。また、長い間進化を続けている製品なので、アプリなどを含めて使い勝手は良好です。

少しでもコストを抑えたいのであればHERO8、HERO9を選択肢に入れてもいいのかもしれませんが、HERO9との価格差が5200円(GoProサブスクリプション加入者の場合)なので、悩むならHERO10を選んでおけば後悔することもないでしょう。HERO9ユーザーであれば、アクセサリーが共有できるので買い増しして、2台体制にするというのもありかもしれませんね。

自撮りもバッチリ GoPro HERO9 Black 速攻レビュー  5K動画撮影やWebカメラ化も可能

(こばやしなおき。Engadget日本版より転載)

Index Venturesが従業員のストックオプションを計算するウェブアプリを発表

スタートアップにとって、ストックオプションの提供は非常に重要だ。ストックオプションがあれば、すでに大企業となったテック企業が提示できるような高い給与を払えないスタートアップでも、優秀な人材を入社させることができる。

だが、競争力のあるストックオプションプランを開発するには複雑な計算が必要だ。幸いなことに、ロンドンに拠点を置くベンチャー企業のIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)は現地時間9月15日、計算に使える手軽なウェブアプリと、欧州と米国のスタートアップが重要な従業員にどのような報酬を与えているかについて、新しい調査結果を発表した。

OptionPlan Seedは、シードステージの創業者がESOP(従業員自社株保有制度)を設計するためのウェブアプリだ。これは、Index Venturesが実施したシードステージ企業のオプション付与に関する分析がベースになっている。同社は1000社以上のスタートアップから得たデータを分析に使った。

このウェブアプリは、さまざまなポジションを網羅し、6段階の配分ベンチマークがあり、各チームメンバーの金銭的なアップサイド(税金を含む)を計算し、米国、カナダ、イスラエル、豪州、欧州20カ国の政策の枠組みに応じて調整を行う。

これは、Index Venturesが数年前に発表したシリーズA企業向けの「OptionPlan」をベースにしている。

Index Venturesによると、新ツールのための調査の結果、シードステージ企業の従業員のほぼ全員がストックオプションを受け取っていることがわかったという。だが、米国ではシードステージのスタートアップの技術系従業員の97%、技術系以外の若手の80%に達しているのに対し、欧州では技術系の75%しかオプションを受け取っておらず、技術系以外の若手では60%にとどまっている。

とはいえ、Index Venturesによると、ストックオプション付与の規模は拡大している。特に「技術的なDNAを多く持ち、ベイエリア志向」のスタートアップで増加している。一方、電子商取引やコンテンツなど、技術的要素が少ない分野では、付与額はあまり変化していない。一方、ここ数年でシードのバリエーションが上昇しているため、付与の規模は全体的として拡大し続けている。

Index Venturesは、シードステージの企業でESOPの割合が上昇していることを発見した。これは、採用のスピードが速く、従業員1人当たりの付与割合が大きくなっているためだ。同社は、シードステージでのESOPの割合を、従来の10%ではなく、12.5%または15%に設定することを推奨している。これは、スタッフの維持と誘致が目的だ。

また、今回の調査では、欧米でシード時の資金調達額が2倍になった一方、評価額は2.5倍になったことがわかった。

さらに、シードステージの給与は「劇的に上昇」しており、平均給与は60%以上も上昇した。米国のシードステージのスタートアップ企業におけるシニア技術職の給与は現在、平均18万5000ドル(約2035万円)で、3年間で68%増加した。22万ドル(約2420万円)を超える者もいる。だが欧州で給与の上昇が最も著しいのは、技術系・非技術系を問わず若手従業員だ。

しかし、Index Venturesの調査によると「欧州の技術系人材の間で、依然として報酬格差があり」、欧州のシードステージ企業の技術系社員の平均給与は、米国に比べ40〜50%低いという。同社の調べでは、この格差は2018年以降拡大しているという。「技術系以外のポジションでは格差が縮小しているにもかかわらず」だ。

また、欧州では、ロンドンのような高コストの拠点と、ブカレストやワルシャワのような低コストの都市があることから、給与のばらつきが「米国よりもはるかに大きい」ことがわかった。

人材獲得競争は今やグローバルなものだ。技術系人材の米国との給与格差は20〜25%に縮小している。

Index Venturesは「欧州の野心的なシードステージの創業者は、特に技術職において、採用する人材の水準を高めるべきだ」と結論づけている。また、給与面で競争力を高めるためには、より多くの資金を調達して、より経験豊富で高い能力を持った候補者を狙うべきだとしている。

画像クレジット:OptionPlan web app

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

月軌道へのペイロード輸送を2022年第4四半期に行うとSpaceflightが発表

衛星ライドシェアサービスを提供するSpaceflight Inc.(スペースフライト)は、企業が月軌道やそれ以上の軌道に簡単にアクセスできるようにするという長期的なビジョンの一環として、2022年に月フライバイ・ミッションで顧客の荷物を送り届ける。

シアトルに本社を置くSpaceflightは、過去数年間にわたってテストを行ってきた軌道遷移機(OTV)「Sherpa(シェルパ)」の最新版である推進型OTV「Sherpa EScape(シェルパ・エスケープ、略称Sherpa ES)」を使用してペイロードを輸送する予定だ。このSherpaは、ロケットで宇宙空間に到達した後、顧客の希望する軌道にペイロードを展開するための、宇宙におけるラストマイル輸送を担当する役割を果たす。

Spaceflightの電気推進型OTV「Sherpa-LTE」は、2021年6月にSpaceX(スペースX)のTransporter-2(トランスポーター2)ミッションで打ち上げられ、その電気推進器の稼働に成功している。さらに2021年12月には、化学推進型の「Sherpa-LTC」が、SpaceXのTransporter-3で打ち上げられる予定だ。同社はこれまでにSherpa OTVで50基の顧客の宇宙機を展開することに成功している。

関連記事:SpaceXが88機の衛星を軌道に乗せ、2021年初めて1段目の地上着陸に成功

Sherpa-ESは、2つの主要な航空宇宙プライムから1000万ドル(約11億円)の資金調達を終えたばかりの軌道上給油会社Orbit Fabと(オービット・ファブ)と、新会社GeoJump(ジオジャンプ)のペイロードを運ぶ予定だ。GeoJumpもライドシェアリング事業に参入しようとしている会社らしく、同社のウェブサイトでは、小型衛星に「静止軌道への新しいルート」を提供すると謳っている。このミッションでは、SpaceXの「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットによる打ち上げが予定されている。

画像クレジット:Spaceflight

このライドシェアは、NASAのCommercial Lunar Payload Services(商業月面輸送サービス)プログラムに選ばれた数少ない企業の1つであるIntuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)が実施するロボットによる月面着陸ミッションの一部だ。Intuitive Machinesは、まずは2022年前半に予定されている14日間のミッションで、重量約2000キログラムの「Nova-C(ノヴァC)」着陸機を月面に送ることになっている。この着陸機は約130kgのペイロードを輸送する。

Intuitive Machinesは、2022年第4四半期に予定されているこの着陸機の2回目のミッションもSpaceXに依頼した。この着陸機は月の南極に着陸する最初の物体で、月の氷を掘削する最初の物体になると、同社は述べている。

関連記事・軌道上の燃料補給サービスを目指すOrbit Fabの資金調達に航空宇宙分野大手ノースロップとロッキード参加

画像クレジット:Spaceflight

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

Emojipedia

Unicodeコンソーシアムは9月14日(現地時間)、Unicode 14.0を発表しました。テキスト規格に838文字が新たに追加されており、このうち37個は新しい絵文字となっています。

例年、Unicodeの新バージョンは3月頃に発表があるのですが、今年はコロナの影響によりリリースが遅れていました。なお、絵文字の内容としては7月に公開されたドラフトから変更はありません。

Unicode 14.0の新しい絵文字候補が公開。肌色違いの握手や妊娠中、低バッテリーなど

新しい絵文字としては、溶ける顔や敬礼顔などのほか、豆、ミラーボール、残りの少ないバッテリーなどが目立つところ。また、技術的にこれまで難しかったという2つの肌色を使った握手なども追加されています。

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

Emojipedia

中でも目を引くのは、妊娠中の男性の絵文字。なかなか使いどころが難しそうですが、文脈によっては、「食べ過ぎてお腹がいっぱい」などの表現に使えるかもしれません。

これらの新しい絵文字(Unicode 14.0)は、Googleは年内にサポート予定ですが、AppleやTwitter、Facebookなどの企業は、例年通りならリリースから半年ほどしてからサポートされることが多くなっています。このため、これらの企業のサービスでは、2022年前半まで待つ必要があるかもしれません。

Unicodeコンソーシアムが「Unicode 14.0」を正式発表、溶ける顔や敬礼など37個の絵文字を追加

Emojipedia

(Source:UnicodeemojipediaEngadget日本版より転載)

Googleが手話認識技術開発で協力、ゲーム感覚で手話を学びろう者への理解を深める「手話タウン」をプレイしてみた

9月23日は「手話言語の国際デー」だ。これは、手話言語(以下、手話)が音声の言語と対等であることを認め、ろう者の人権が保証されることを目的に、国際連合が2017年12月19日に決議したもの。手話について意識を新たにする日となる。

とはいえ、「手話はよくわからない」「やったことがない」「学んだものの試す機会がない」という人も少なくないだろう。

そのような人たちにぜひとも試してもらいたいのが手話学習オンラインゲーム「手話タウン」だ。

手話タウンとは?―日本財団が香港中文大学・関西学院大学・Googleの協力によって開発

手話タウンとは、公益事業をサポートする社会貢献財団「日本財団」が、香港中文大学、関西学院大学、Googleの協力によって開発したウェブブラウザー上でプレイできるゲーム。現在はベータ版だが、手話言語の国際デーに正式公開することを目指してテストや開発が進められている

香港中文大学はプロジェクト全体の日本財団との共同統括、手話言語学における学術的見地からの監修、手話データの収集、ろう者に関する知見の提供を、関西学院大学は日本手話の学習データ収集とろう者に関する知見の提供、Googleはプロジェクトのコンセプト立案、AIによる手話認識技術の研究開発をするといった役割を担う。日本財団は、手話・ろう者についての知見の提供ならびに開発に必要な資金の提供を行っている。

また手話タウンプロジェクトでは、2Dしか認識できない一般的なカメラでも立体的な手話の動きを、上半身、頭、顔、口も含めて認識できる機械学習モデルを開発。日本と香港で手話を日常的に使用しているろう者の手話映像データを収集し、学習させることで、手話学習者が正しく手話を表現できているかの判断を可能にしているという。基盤となっている手話認識技術はTensorFlowを活用し3つの機械学習モデル(PoseNet、Facemesh、ハンドトラッキング)を組み合わせており、ソースコードについてはオープンソースとして公開している。

ウェブカメラ、PCとウェブブラウザー、そして手話を学びたい心があればすぐに始められる

ゲームに必要なのは、ウェブカメラを搭載してネットに接続されているPCとウェブブラウザー、そして手話を学びたいという心だ。アカウントの登録も、課金も必要ない。また、あらかじめ手話を覚えておく必要もない。

手話タウンにAndroidおよびiOSのウェブブラウザーでアクセスしたところ、PC用ブラウザーを利用するようメッセージが表示された

手話タウンにAndroidおよびiOSのウェブブラウザーでアクセスしたところ、PC用ブラウザーを利用するようメッセージが表示された

プレイヤーは手話タウンと呼ばれる架空の町を旅行しながら、少しずつ手話のアイテムを集めていく。例えば、色や服飾小物、食べ物などだ。

学べる手話は、日本手話と香港手話のいずれか。小学生の頃に手話に親しんだ筆者が、ベータ版手話タウンに挑戦してみた。選んだ手話言語は日本語手話だ。

荷づくりからチェックインまで体験

手話タウンにアクセスしたら、まずは表示する言語を選ぼう。日本語、英語、中国語(繁体字)から選べる。

ついで、手話言語を日本語手話と香港手話のいずれかを選ぶ。

ゲームは、出発前の荷づくりからスタートする。アイテムをどんどん選んでいき、荷造りを完成させる。なお、始めると、2つのアイテムを示す「お手本動画」が流れる。どちらかを手話で表現することで、アイテムを「選んで」いける。

2つのお手本動画が同時に流れるので、最初は自分にとってわかりやすいものを選ぼう。「できた」という達成感が重要なのだ

正しく手話を表現できると「手話で表そうとしたのは……?○○?」と表示され、その手話が表すアイテムの“バッジ”を集められる。表現が不明瞭だと「ごめんなさい!どの手話単語か分かりませんでした。」と表示される。スキップすることも、やり直すことも可能だ。

正しく表現できると「手話で表そうとしたのは……?○○?」と表示される。意図したものであれば「はい」を選んで次へ進もう

「腕時計」「ハイヒール」をなかなか表現できず、心が折れそうになる場面も

ゲームは、アイテムのバッジを集めていくことで進んでいくが、途中で次の場面に移動することも可能。もっとも、挑戦中のステップを完成させたほうが達成感を味わえるのは言うまでもない。

荷づくりのステップで集められるアイテムは6つだが、何回もチャレンジすれば、覚えられる手話単語はその倍の12に増やせる

ゲーム内では、手話タウンにあるレストランで食事をし、ホテルにチェックインするところまで体験する。レストランではメイン料理名、食材、飲み物などの手話単語を、ホテルでは喫煙・禁煙室、現地払い、カード払いといった、実際に宿泊する際に必要になる手話単語を覚えられる。

ゲームが進むにつれ、表現が複雑になってくるのだが、何度もお手本動画を確認したり、カメラに向かって表現することでクリアできるようになる。

また、何度もプレイしているうちに、「なぜワインは『3』を表す指で表現するのだろう」「なぜレモンは……」などと疑問が浮かんでくることだろう。能動的に調べることで、「そういうことか」と謎が解け、もっと手話を学びたいと思うようになるかもしれない。

ろう者についてもっと知ることができる工夫も

手話タウンでは、手話単語だけでなく、ろう者の文化を学べる工夫もなされている。場面が進んだときに現れる白いキャラクターをクリックすると、目覚ましのアラームはどうしているのか、ろう者がいたらどのように声がけすればいいかといったプチ情報が表示され、ろう者への理解を深めるのに一役買っている。

白いキャラクターのうち、線が赤く点滅しているものをクリックしてプチ情報を表示できる

ノックの代わりに電気を点けたり消したりする、という目からうろこの情報

各場面でのプチ達成感が、手話を学びたいという意欲をかきたてる

まだベータ版ということもあり、「荷づくり」「食事」「宿泊」の3場面だけだが、各場面をコンプリートしたときに得られるプチ達成感が、手話を学びたいという意欲をかきたてる。

なお、手話は手だけでなく、顔の表情や上半身も使う。そのため上半身全体が収まるよう、カメラとの距離が必要になる。また、AIが表現した手話を認識しやすいよう、プレイするときには柄物より無地に近い服を選んだほうがよいだろう。さらに、手話を表現するときに、それが表す単語を口にすると、口の形も読み取れるため認識率がアップする。

手話タウンにチャレンジする人が増えることで、ろう者への理解が深まり、手話への抵抗感が少ない社会の醸成されることが期待したい。

ウォルマートがフォード、Argo AIと共同で自律走行車の配送サービスを開始

米国時間9月16日、Walmart(ウォルマート)、Argo AI(アルゴAI)、Ford(フォード)は自律走行車による配送サービスをテキサス州オースティン、フロリダ州マイアミ、ワシントンD.C.で開始すると発表した。

顧客はWalmartの注文プラットフォームから食料品などをオンラインで注文する。ArgoのクラウドベースのインフラストラクチャがWalmartのオンラインプラットフォームと統合されて、注文が転送され顧客の自宅へ配送するスケジュールを決める。開始当初は商用サービスの提供は各都市の一部のエリアのみで、その後広げていく。テストは2021年中に開始する。

WalmartとFordは2018年秋に配送サービスのPostmatesとともに限定的なテストを実施した。このテストはマイアミでで実施され、自動運転車を想定した車を使って食品配送に関するユーザーエクスペリエンスを研究するものだった。Argo AIはこのテストには関わっていなかった。

今回の連携ではArgo AIの自動運転テクノロジーを統合したFordの車両が使われる。Argo AIの共同創業者でCEOのBryan Salesky(ブライアン・サレスキー)氏によれば、今回の目的は自律走行車による配送サービスの可能性を広く示すことだという。

今回の発表には、自律走行車を使って人や場合によっては荷物を運ぶ商用サービスを開始するための、Fordの研究と開発の方針が現れている。同社は専用の自律走行車を現実にどう運用するかについてビジネス面のテストをしてきた。2016年にはArgo AIを支援し、Argo AIとともに自動運転システムの開発とテストをしていた。

今回の発表から、オースティンとマイアミが初期の商用化計画の中心地となることもわかる。

2021年夏にArgo AIとFordは、マイアミとオースティンを皮切りに今後5年間で多くの都市でLyftの配車サービスネットワークに1000台以上の自動運転車を展開する計画を発表した。Argoの自律走行テクノロジーが搭載された初のFordの自動運転車は、2021年中にはマイアミでLyftのアプリから利用できるようになると予想される。

画像クレジット:Photo by Jared Wickerham/Argo AI

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Kaori Koyama)

台湾の電動スクーターと交換式バッテリーインフラ企業Gogoroが評価額2575億円のSPACを経てNASDAQへ上場

Gogoro(ゴゴロ)が上場する。電動のスマートスクーターと交換式バッテリーインフラで知られている同社は現地時間9月16日、Princeville Capital(プリンスビレキャピタル)傘下のSPAC(特別買収目的会社)Poema Global(ポエマグローバル)との合併を通じてNASDAQに上場すると発表した。この取引でのGogoroのバリュエーションは23億5000万ドル(約2575億円)で、2022年第1四半期の取引完了を目指している。合併会社の社名はGogoro Incとなり、ティッカーシンボル「GGR」で取引される。

発表によると、募集以上の申し込みがあったPIPE(上場企業の私募増資)での2億5000万ドル(約274億円)、そしてPoema Globalが信託で保有する3億4500万ドル(約378億円)を含め、Gogoroは上場の過程で5億5000万ドル(約603億円)を調達すると予想している。PIPEでの投資家には、Foxconn Technology Group(フォックスコン)や、GojekとTokopediaの合併で誕生したインドネシアのテック大企業GoToといった戦略的パートナー、Generation Investment Management、台湾の国家開発基金、Temasek、Ruentex GroupのSamuel Yin(サミュエル・イン)博士、Gogoroの創業投資家などの新規・既存投資家が含まれる。

資金はGogoroの中国、インド、東南アジアでの事業拡大と、テックエコシステムのさらなる開発に使われる。

台湾で10年前に創業されたGogoroのテクノロジーには、交換可能なスマートバッテリー、充電インフラ、車両やバッテリーの状態やパフォーマンスをモニターするクラウドソフトウェアが含まれる。Smartscooters、Eeyo電動自転車といった自前のブランドを手がけているだけでなく、Gogoroは自社のPowered by Gogoro Network(PBGN)プログラムを通じて利用できるプラットフォームを作り、パートナー企業がGogoroのバッテリーや交換ステーションを使う車両を製造できるようにしている。

SPAC取引の数カ月前に、Gogoroは中国とインドでの大きな提携を発表していた。中国ではバッテリー交換ネットワークの構築でYaeda、DCJと協業し、インドでは世界最大の二輪車メーカーの1つ、Hero MotoCorpがGogoroのテックをベースにしたスクーターを発売する。Gogoroはまた、ヤマハ、スズキ、AeonMotor、PGO、CMC eMOVINGなどのメーカーとも提携している。

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これらのパートナーシップが整ったことで「我々は現在、真に当社を次のレベルに持っていく必要があります」と創業者でCEOのHorace Luke(ホイレス・ルーク)氏はTechCrunchに語った。GogoroがSPACのルートを取った理由について、同氏は次のように説明した。「ビジネスチャンスやストラクチャー、提携とは何か、かなり掘り下げて語ることができるため、急ぎのロードショー(さまざまな機関投資家への会社説明会)よりも正しく会社を評価できます。当社の事業計画を考えると、SPAC上場は事業拡大にフォーカスする絶好の機会となります」。

GogoroがPoemaを選んだ理由の1つは「Poemaの持論が当社のものとかなり一致していたからです」とGogoroの最高財務責任者Bruce Aitken(ブルース・エイトケン)氏は述べた。「例えばPoemaは持続可能性の基金を持っていて、当社の環境と持続可能性に対する情熱はそれとうまく融合します」。

5年もしないうちに累計で売上高は10億ドル(約1097億円)に、バッテリー交換インフラの契約者は40万人超になる、とGogoroは話す。同社は2021年第4四半期に中国・杭州で試験プログラムを立ち上げ、2022年にはさらに6都市でも展開する。インドではHero MotoCorpが現在、Gogoroをベースにした初の車両を開発中で、2022年にニューデリーでバッテリー交換インフラの展開を開始する。

「想像したよりも中国での需要は大きく、これは当社にとって良いニュースです。そしてこれは上場する必要がある基本的な理由の1つでもあります。当社はこうしたマーケットに実際に大規模に貢献するのに必要な資金やリソースを調達しなければならないのです」とルーク氏は述べた。

Gogoroが東南アジアに進出するのにGoToと同様の提携を結ぶのか尋ねたところ「重要なのは東南アジアが二輪車マーケットとしては中国、インドの次に3番目に大きいことを認識することです。Gogoroはこうした大きなマーケットを追い求めるためのビジョンを常に持っています。GoToはインドネシアですばらしい成功を収めていて、GoToの当社への投資は会話のきっかけになりますが、GoToがPIPEに参加するということ以外、現時点で発表できることはありません」とルーク氏は話した。

発表資料の中で、Poema GlobalのCEOであるHomer Sun(ホーマー・サン)氏は「Gogoroが構築したワールドクラスの提携との組み合わせで開発したテクノロジーの差異化は、2つの世界最大の二輪車マーケットでかなりの成長機会をもたらすと確信しています。Gogoroの事業エリア拡大の計画とNASDAQ上場企業への移行をサポートすべく、同社の傑出した経営陣とともに取り組むことを約束します」。

画像クレジット:Gogoro

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(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルの研究開発部門がGoogleドライブを利用したニュースレターサービスの実験開始

Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)などのテック大手がニュースレター市場に参入したのに続き、Google(グーグル)もニュースレターサービスの実験を開始した。Googleの社内スタートアップインキュベーターであるArea 120は「Museletter(ミューズレター)」という新しいプロジェクトを立ち上げた。Museletterでは、誰もがGoogleドライブのファイルをブログやニュースレターとして、Museletterの公開プロフィールやEメールリストに公開することができる。

この試みは、Googleの既存の文書作成ツールを再利用して、Substack(サブスタック)、Ghost(ゴースト)、Revue(レヴュー)など、今日、利用者が増加している他のニュースレタープラットフォームに対抗する手段となる。

Googleのこの試みは、今週、9to5GoogleAndroid Policeなどのサイトで報じられた。

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TechCrunchがコメントを求めたところ、Area 120の広報担当者は「Museletter」の詳細については言及せず、同プロジェクトは研究開発グループにおける「多くの実験の1つ」であり「まだ非常に初期の段階」であるとだけ述べた。

しかし、Museletterのウェブサイトから、このプロジェクトについてすでに多くのことを知ることができる。サイトでは、Googleのニュースレタープロジェクトが競合他社との差別化を図るために、クリエイターがGoogleドライブをどのように収益化できるかを説明している。ニュースレターをGoogleドキュメントで作成するだけでなく、他の生産性向上アプリを使用して読者と情報を共有することもできる。例えば、ニュースレタークリエイターは、読者が自分のGoogleスライドにアクセスできる有料のサブスクリプションプランを提供することができる。金融関係の記事を書いているクリエイターは、Googleスプレッドシートに役立つスプレッドシートを公開し、それをサブスクライバーが利用できるようにすることが可能だ。

画像クレジット:Google

これを実現するために、Museletterのクリエイターは、自分のGoogleドライブに公開プロファイルを作成し、そこに任意のGoogleドライブファイルを直接公開する。これによりランディングページが作成され、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのさまざまなGoogleドライブファイルを公開していることをアピールできる。

また、クリエイターはオプションで、他のプラットフォームから取り込んだリストを含むEメールリストに公開することもできる。ニュースレターの購読はクリエイターの好みに応じて無料または有料にできるが、Museletter自体の利用は無料だ。その代わりに、カスタムドメインやウェルカムメールなどのプレミアム機能での収益化を目指しているという。

また、このプラットフォームでは、オーディエンスを惹きつけ、ニュースレターのパフォーマンスを追跡するためのツールや分析機能を約束している。

このサイトでは広告の計画については一切触れられていないが、この分野での成功は、Googleに新たな広告収入をもたらす可能性がある。時を同じくして、同テック巨人が制してきた数百億ドル(数兆円)規模の広告市場にはAmazon(アマゾン)という新たな挑戦者が現れており、その広告事業はいずれFacebook(フェイスブック)と、Google(グーグル)の二強構図に挑戦していくかもしれない。

GoogleはMuseletterの開始時期を明らかにしていないが、ウェブサイトではユーザーが早期アクセスをリクエストできるフォームへのリンクを提供している。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

GoProがより進化した主力モデル「HERO10 Black」アクションカメラ発売、5.3K60の撮影が可能に

GoProは米国時間9月16日、アクションカメラの新しいフラッグシップモデル「HERO10 Black」を発表した。このカメラの主なアップデート点は、GP2と呼ばれる全く新しいプロセッサーを搭載したことで、画質と動画撮影が大幅に改善され、5.3K解像度で最大60fps、4K動画撮影で最大120fps、そして2.7K動画で240fpsのスローモーション撮影が可能になった。

また、新しいHERO10 Blackでは、23.6MPの静止画を撮影でき、低照度での性能も向上している。暗い場所での撮影が改善されたのは動画でも同じで、3Dノイズリダクションを適用することで、夜のシーンでも粒状感が少なくなった。また、GP2チップの処理能力が向上したことで、カメラに搭載されているGoProのインターフェースやソフトウェアの使用感も格段に向上している。

もう1つの新機能は、ソフトウェアでジンバルのような手ぶれ補正を実現するGoProの技術、HyperSmoothの4.0バージョンだ。HyperSmoothはすでに優れていたが、我々の初期テスト(詳しいレビューは近日中に予定)によると、この新世代カメラではすばらしいものになっている。また、HERO10には、アップグレードされた水平維持機構が搭載されており、本体が最大45°どちらの方向に傾いても水平を維持する。

画像クレジット:GoPro

GoPro HERO10には、フロントスクリーンに加えて背面タッチスクリーンが搭載されており、前面のセルフィースクリーンのフレームレートが向上している。新しいレンズカバーには疎水性処理が施されており、水に濡れてもはじく能力が向上している。また、既存のGoProカメラ用のMedia Mod、Display Mod、Light Modと連動する。箱から出してすぐにウェブカメラとして機能し、急速充電にも対応し、クラウドへのアップロードやワイヤレス転送に加えて、スマートフォンやデバイスへの有線接続によるコンテンツ転送も可能になった。

また、こちらも前バージョンから引き継がれたSuperViewレンズは、より広いアングルでの撮影を可能にし、11月16日のファームウェアアップデートで、新たに5.3K 30/25/24 fpsの撮影モードが利用できるようになる。これにより、GoProのMax Lens Modsへの対応や、以下の追加キャプチャーモードを実現する。

  • 5K 4:3 24fps
  • 4K 4:3 30/25/24fps
  • 5.3K 24fps
  • 1080 24fps

GoProのHERO10は現在発売中で、価格は1年間のGoProサブスクリプション付きか既存サブスクユーザーの場合は399.98ドル(日本では税込5万4000円)、サブスクリプション抜きの場合は499.99ドル(日本では税込6万4000円)。サブスクトライアル後は年額49.99ドル(日本では6000円)、月々4.99ドル(約547円)で自動更新される。HERO10 Blackには、Shorty三脚マウント、マグネティックスイベルクリップ、スペアバッテリー、32GB microSDカードをセットにしたバンドル製品があり、そちらはサブスクリプションなしで549ドル(日本では税込7万円)、サブスクリプション付きで449ドル(日本では税込6万円)となっている。また、米国のGoProサブスクライバーは、既存のカメラから本バンドルにアップグレードすることで、さらに割引された399ドル(約4万3800円、日本での価格は不明)で購入できる。

同社は今後も、HERO10に加えてGoPro HERO9 BlackとHERO8 Blackをより低価格で提供するほか、MAX 360アクションカメラも提供していく。

関連記事:GoProがHERO9 Blackをサードパーティー製品と連携可能にするオープンAPI「Open GoPro」を発表

画像クレジット:GoPro

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

マイクロソフトがOffice 2021を10月5日にリリース

Microsoft(マイクロソフト)は生産性スイートの次期コンシューマー版であるOffice 2021を10月5日にリリースする。Windows 11の提供開始日と同じだ。以前のOffice 2019と同様、Office 2021は1回限りの購入でWindows、macOSの両方で利用できる。同社のMicrosoft 365サブスクリプションを利用したくない人向けのものだ。

Microsoftは間もなくOffice 2021の詳細を明らかにすることを約束したが、The VergeのTom Warren(トム・ウォーレン)氏の報道で我々は概要を知っている。MicrosoftがCloudにアクセスできない法人顧客向けに9月16日リリースしたソフトウェアの異なるバージョンのOffice LTSCと同じような改善が図られているということだ。その他、アクセシビリティ機能とダークモードのサポートも追加している。また、以前の発表からMicrosoftが少なくとも5年間はソフトウェアサポートを行う計画で、ソフトウェアは32ビットあるいは64ビットのシステムで使えることもわかっている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のIgor BonifacicはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Nariko Mizoguchi

税込9790円、ラズパイ4内蔵のキーボード型PC「Raspberry Pi 400 日本語キーボード」「USキーボード」が発売開始

税込9790円、ラズパイ4を組み込んだキーボード型PC「Raspberry Pi 400 日本語キーボード」「USキーボード」が発売開始

画像はUK版

スイッチサイエンスは9月16日、Raspberry Pi 4を内蔵するキーボード一体型PC「Raspberry Pi 400 日本語キーボード」と「Raspberry Pi 400 USキーボード」の販売を同社ウェブショップにおいて開始した。それぞれ本体単体のみで、直販価格は9790円(税込)。ACアダプターは別売(PSE取得済みのラズパイ4に適した製品が必要)。同社によると、工事設計認証(技適認証)の取得や供給の都合によりこのタイミングでの販売開始となったという。

税込9790円、ラズパイ4を組み込んだキーボード型PC「Raspberry Pi 400 日本語キーボード」「USキーボード」が発売開始

また、Raspberry Pi 400 日本語キーボードとマウス・HDMIケーブル・電源・SDカード(OSダウンロード済み)をセットにした同社オリジナルキット「Raspberry Pi 400 スターターキット(日本語キーボード)」も近く販売開始予定。価格は1万3200円(税込)。Raspberry Pi 400 本体およびACアダプターは関連法規(電波法および電気用品安全法)遵守のものを採用。

Raspberry Pi 400 日本語キーボードは、日本語キーボード内に4GBメモリー版Raspberry Pi 4 Model Bをを組み込んだPCで、ディスプレイやマウスをつなぐだけで使い始められる。クアッドコア・64bitのプロセッサー「Broadcom BCM2711」を搭載し、無線通信や4K動画の再生に対応。インターネットや動画の閲覧、ドキュメントの作成や編集、プログラミング教育用に利用できる。OSは、Linuxベースの「Raspberry Pi OS」。インターフェイスはBluetooth 5.0、有線LAN(1000BASE-T)、USB 3.0ポート×2、USB 2.0ポート、micro-HDMIポート×2など。マイクロSDカードスロット搭載。Wi-Fiは11ac対応。サイズは286×122×23mm。

電源については、「電圧降下を考慮した5.1 V/3.0 A 出力のRaspberry Pi 4 Model B用のUSB ACアダプタ」(税込1705円)など、USB Type-C端子に接続可能な5.1V/3.0A対応ACアダプターが必要となる。税込9790円、ラズパイ4を組み込んだキーボード型PC「Raspberry Pi 400 日本語キーボード」「USキーボード」が発売開始

このほか、Raspberry Pi 400で利用可能なEDA Technology製リボンケーブル4種も販売開始している。「Raspberry Pi 400用40ピンGPIOエクステンダー」(グレー / レインボー)は価格319円(税込)、「Raspberry Pi 400用 40ピン I/Oプロテクター」(グレー / レインボー)が1265円​(税込)。

写真左は「Raspberry Pi 400用40ピンGPIOエクステンダー」、写真右が「Raspberry Pi 400用 40ピン I/Oプロテクター」

写真左は「Raspberry Pi 400用40ピンGPIOエクステンダー」(グレー)、写真右が「Raspberry Pi 400用 40ピン I/Oプロテクター」(レインボー)

ピルのオンライン診察アプリ「スマルナ」のネクイノとENEOSが次世代ヘルスケアブース「スマートライフボックス」共同開発

ピルのオンライン診察アプリ「スマルナ」のネクイノがENEOSから資金調達、次世代ヘルスケアサービス「スマートライフボックス」共同開発

ネクイノは9月15日、ENEOSホールディングス(ENEOS)を引受先とする資金調達とともに、協業を開始したと発表した。シリーズBラウンドにおける資金調達は合計で約27億5000万円、創業以来の累計調達額は約35億円となり、今回の資金調達でシリーズBラウンドを終了としている。

また、予防医療の領域から健康課題に対し総合的にサポートする、専用無人ブース「スマートライフボックス」を共同開発し、9月15日より実証実験を開始した。

スマートライフボックスは、室内に設置した検査機器による様々なバイタルデータの計測と、そのデータを一緒に参照できる医療専門家とのビデオ通信によるコミュニケーションが可能という。プライバシーが保たれた静かな環境で医療専門家が健康課題に応じ、地域の医療機関への適切な受診についてアドバイスを受けられるとしている。

また実証実験として、三井不動産がららぽーと柏の葉(千葉県柏市)でリニューアルオープンした、まちの健康研究所「あ・し・た」内にスマートライフボックスを設置し、一般の方に医療専門家とのオンライン健康相談サービスを無償提供する。利用の際は、スマートフォンやPCなどより専用アプリを通じ、本人確認と予約を行うと入室可能となる(ウイルス感染症対策として、室内には消毒除菌機器を装備している)。

内容については、ネクイノの女性向け健康相談サービスの提供からスタートし、実証実験地域の方の対象拡大と、提供サービスの内容拡充を2022年3月末まで順次実施する予定。

ネクイノが運営する婦人科領域に特化したオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」(Android版iOS版)では、アプリ内で助産師・薬剤師が対応する「スマルナ医療相談室」において1日平均400〜500件の医療相談対応を行うほか、服薬指導も実施。健康への関心や受療行動の変容のきっかけとなる婦人科領域を中心にサービスを提供している。

医療の新しいスタンダードの実現を目指すネクイノは、医療DXへの動きを加速させるサービス展開を行うための次のステップとして、ENEOSが有する顧客基盤を活用し、医療へのアクセス改善および医療のコミュニケーションの質の改善など、各種ヘルスケアサービスを生活圏内の自宅以外の場所で提供すべく「スマートライフボックス」を共同開発した。

またENEOSは、利便性の高いサービスをトータルで提供するプラットフォームの構築を目指しているという。同プラットフォームでは、ヘルスケア分野で提供するライフサポートサービスの1つとして、各地域の特色や医療アクセスを考慮したサービスの検討を進めており、同実証がヘルスケアにおける第1弾の取り組みとなる。

今回の協業により、スマートライフボックス実証実験において中核となる、サービス基盤の開発に両社で取り組み、利用しやすく質の高いヘルスケアサービスの展開拡大を目指し、「新たな医療体験」を創出するという。

ニュース記事に特化した文章要約AI「ニュースタンテキ」を展開するバズグラフが約1億円調達

ニュース記事に特化した文章要約AI「ニュースタンテキ」を展開するバズグラフが約1億円調達

自社開発の自然言語処理AIをベースに、文章要約AI「ニュースタンテキ」を展開しているバズグラフは9月16日、第三者割当増資による1億600万円の資金調達を発表した。引受先は個人投資家。調達した資金は、ニュースタンテキの新機能開発、またベースとなる自然言語処理エンジンのAPI開発など、より良いソリューションを提供できる環境整備の開発にあてる。

ニュースタンテキは、独自の自然現処理エンジンにより、主にニュース記事を中心とした文章に対し、AIによる文章要約を可能としたサービスという。今秋に有償版リリースを予定しており、現在は全機能無料公開中。

URLによる本文抽出機能、最大1万文字まで要約可能、10%~90%の文章要約圧縮率選択、ニューラルマップ(文章構造図)の閲覧、キーワード出現率の表示などを特徴としている。

現場に「使える」AI・アルゴリズムを提供するALGO ARTISが4.28億円のシリーズA調達

コンサルティング・デザイン・システムの力で現場に「使える」AI・アルゴリズムを提供するALGO ARTISが4.28億円調達

AI(アルゴリズム)のコンサルティングおよびソリューションを提供するALGO ARTISは9月15日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額4億2800万円の資金調達を2021年7月に完了したと発表した。引受先は、リードインベスターの東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、ディー・エヌ・エー(DeNA)。また、2021年9月にシリーズ A ラウンドのエクステンションラウンドを実施予定としている。

調達した資金は、エンジニアなどの人材の獲得費用にあてプロダクト開発を促進し、主要事業の成長をより一層加速する。

ALGO ARTISは「社会基盤の最適化」というミッションの下、現場に「使える」AI(アルゴリズム)を提供するために、コンサルティング・デザイン・システムの力を駆使して優れた最適化AI(アルゴリズム)を開発し、継続的に価値を提供することを目指し事業を展開している。

プラントやロジスティクスのスケジュール管理をはじめ幅広い社会基盤の管理業務を対象とし、現場で継続的に利用されるために、入念なヒアリングとコンサルティングを経てアルゴリズム・デザイン・機能を設計・実装。また、実装の過程ではプロトタイプを提供し、実際に利用してもらうことで、机上では把握できない課題を抽出し、改善を繰り返すことでスムーズな現場導入を実現しているという。

ALGO ARTISの前身事業は、DeNAにおいて本格的にAIを活用した事業が2016年から検討開始され、複数の新規事業を手がける中で生まれたという。2019年にはDeNA内でエネルギー事業推進室が立ち上がり、インフラ系企業と、最適化に関する複数のプロジェクトを推進してきた。

2021年7月に、より積極的かつ継続的な投資による事業の成長を実現させるために、DeNAの後押しもあり現代表の永田健太郎氏が中心となる形で外部より資金調達を行い、同事業をスピンオフ。ALGO ARTISを設立した。現在は、DeNAの持分法適用会社として引き続き連携を取りながら、AI(アルゴリズム)を活用した最適化ソリューションの提供事業を展開している。

NASAがアルテミス計画の月着陸機コンセプト開発でSpaceXやBlue Originなど5社と契約

NASAは、Artemis(アルテミス)計画の一環として、着陸機のコンセプトを開発する総額1億4600万ドル(約160億円)の契約を、SpaceX(スペースX)、Blue Origin(ブルーオリジン)、(ダイネティックス)を含む5社と締結した。

その内訳は、Blue Originに2650万ドル(約29億円)、Dyneticsに4080万ドル(44億6000万円)、Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)に3520万ドル(約38億5000万円)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)に3480万ドル(約38億円)、SpaceXに940万ドル(約10億3000万円)となっている。提案書を提出したBlue Ridge Nebula Starlines(ブルー・リッジ・ネビュラ・スターライン)とCook & Chevalier Enterprises(クック・アンド・シュヴァリエ・エンタープライゼス)の2社のみが契約を獲得できなかった。

契約は、NextSTEP-2(Next Space Technologies for Exploration Partnerships、次世代宇宙探査技術パートナーシップ)のAppendix N(Sustainable Human Landing System Studies and Risk Reduction、持続可能な有人着陸システムの研究とリスク低減)に基づいて締結されたものだ。2021年7月初旬に発表された募集要項によると、この契約の目的は「コンセプトの研究、持続可能な有人着陸システムの運用コンセプト(地上および飛行)の開発、およびリスク低減活動のために、潜在的な商業パートナーと協働する」となっている。

これは実際には、選定された企業が着陸機の設計コンセプトを開発し、部品の試験を行い、性能や安全性などを評価することを意味する。

この契約は、2021年4月にNASAがSpaceXのみに与えた有人着陸システムの契約とは別のものだ。そちらの契約については、Blue OriginとDyneticsの両社が政府の監視機関に異議を唱え、後にBlue OriginはNASAを相手取った訴訟で反論しており、それは現在も継続中だ。

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しかし、今回の選定結果は、今後10年間の着陸機開発契約に影響を与えることになるだろう。NASAは声明で「これらの企業が行う仕事は、将来的にNASAが求める月周回軌道から月面までの定期的な宇宙飛行士の移動手段を提供するための戦略と要件の形成に、最終的に役立つことになるでしょう」と述べている。

Blue Originの提案は、Lockheed MartinとNorthrop Grumman、そしてDraper(ドレイパー)を含む、Blue Originが「ナショナルチーム」と呼ぶグループからのものだ(Lockheed社とNorthrop社は、Appendix Nの下で個別にも契約を獲得している)。

「この契約において、我らがナショナルチームは将来の持続可能な着陸機のコンセプトに貢献する重要な研究とリスク低減活動を行います」と、Blue Originの広報担当者はTechCrunchに説明している。「また、私たちはこの取り組みにおいて、他の複数の企業や全国のNASAフィールドセンターと密接に連携していきます」。

2020年に承認されたアルテミス計画は、アポロの時代以来となる人類の月面再訪だけでなく、2020年代後半までにそのような旅を定期的に行えるようにするという多くの目的がある。さらにNASAは、月に留まらず、火星にも人類を送り込む惑星間探査にまで拡げることを目指している。

「NASAの重要なパートナーとして、また商業的パートナーシップがいかに効果的に機能するかを示す好例として、Northrop Grummanは有人宇宙探査における実績を築き上げていきます」と、Northrop Grummanの民間商業衛星担当VPを務めるSteve Krein(スティーブ・クライン)氏は声明の中で述べている。「当社は、月への再訪と火星に人類を送るというNASAの野心的な目標を達成するために、Blue Originとナショナルチームとのパートナーシップを継続していきます」。

画像クレジット:Getty/Walter Myers/Stocktrek Images / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

植物肉「Green Meat」を手がけるグリーンカルチャーが東京造形大学と協同で植物肉料理をデザインし販売

植物肉「Green Meat」を手がけるグリーンカルチャーが東京造形大学と協同で植物肉料理をデザインし販売植物肉「Green Meat」を販売するグリーンカルチャーは9月16日、東京造形大学造形学部デザイン科の酒井俊彦ゼミナールと協同で、デザインの観点から植物肉の飲食店へのアプローチを考えるプロジェクト「メタモルフード・デリバリー」を開始したと発表した。学生たちが考案したメニューを、フードデリバリーサービスのゴーストレストラン研究所が運営する「Ghost Kitchens」で商品化し、Uber Eatsが配達する。

プロダクトデザイナー酒井俊彦氏は、デザイン先行で食べ物を「変身」させる授業を酒井ゼミで行っている。ライスペーパーを植木鉢に、「Green Meat」を土に見立てたハーブの鉢植えのような生春巻き風のものなど、見た目のデザインを重視したメニューのアイデアが学生たちからたくさん提案されている。

その中から今回発売されるのは、メインが「グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬け」、サイドメニューが動物性材料を使わない植物肉入りの「たいやき」。

販売メニューは以下のとおり(価格は税込)。東京都港区西麻布を中心とした地域で、Uber Eatsから注文ができる。

  • グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬け(植物肉2倍)1280円
  • グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬け(トマト / きゅうり / ゴボウ / 枝豆 / きのこ・パプリカ)各1180円
  • グリーンミートのヴィーガン出汁茶漬けとヴィーガンたい焼きセット
    セットたい焼き1個付き1540円
    たい焼き2個付き1880円

  • プレーンたい焼き(2個)680円
  • カレーたい焼き(2個)780円
  • プレーンたい焼きサラダ(2個)980円
  • カレーたい焼きサラダ(2個)1080円

Green Meatは、大豆たんぱくなどを原料とする、動物性原料不使用の植物肉。挽肉の形状で提供されるため、さまざまな料理に利用できる。現在、東京都内のラーメン店「麺屋武蔵」や高級レストランなどに導入され、北米にも輸出されている。「既存の畜肉を補うだけではなく、畜肉よりおいしくて健康的」とグリーンカルチャーでは話している。