CephによるクラウドストレージサービスDreamObjectsが超安価に一般供用を開始

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DreamObjectsは、企業向けクラウドホスティングプラットホームDreamHostが、分散ストレージソリューションCephをベースに作ったクラウドストレージサービスだ。そこが今日(米国時間1/29)から、一般公開に入る。そのストレージサービスはAmazon S3やSwiftと互換性があり、したがってデータのマイグレーションは容易だ。一般公開記念として、新規ユーザには特別料金で提供される。

利用料金は1GBあたり7セントで、外部転送も1GBにつき7セント、新規ユーザは向こう30日、保存も転送も100GBまで無料だ。月契約でなく年契約なら、料金は半額になる。API呼び出しは、無料である。

DreamHostのマルチファクタ(多要素)本人証明を利用しているユーザは、そのアカウントに1GBのストレージが無料で付く。ささやかなおまけだが、同社の拡張セキュリティを選んだ顧客へのサービスとして、無料ストレージは良いアイデアだ。’

DreamHostはDreamObjectsを戦略的に位置づけている。まず、Cephは新しいストレージテクノロジとして広く関心を喚んでいること。しかも、それを高価なサービスにせずにシンプルな料金体系で提供すること。競合他社の料金プランは、もっと複雑怪奇だ。デベロッパも一般人も、気軽に使えるストレージサービスにしたことが、良い戦略だと思える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleマップで北朝鮮の強制収容所に付けられた激賞「クチコミ」の数々

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インターネットが物事を真剣にとらえるのが苦手であることは誰もが知っている。「史上。最高の。強制収容所。」とGoogleユーザー、C. Quinnが北朝鮮の耀徳[ヨドク]強制囚容所を激賞した。GoogleのEric Schmidt会長は、孤立した独裁国家への注目を欲びた最近の訪問によって、オンラインの会話にもっと驚くようなインパクトを与えることを期待していただろう。しかし、新たに地図化された国の重要な道路や目標物の識別に協力してくれるようGoogleがユーザーに呼びかけた時、インターネットは、インターネットらしく振舞うことを予想すべきだった。本誌では、北朝鮮の収容所に関する最も、エー、心のこもったクチコミを集めてみた。

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  • 「勇敢なる指導者が私の生き方の誤りを教えてくれた」 – Nick Webster、清津強制収容所への「大満足」のクチコミ
  • 「ここはすばらしい場所だと私は言いたい!体重を減らしてお金を使いたくない人には最適だ!過去の訪問者に聞いてほしい。食料もすみかもすべてが無料。家族を連れていくのに最高の場所だ!」- Sunny Wu、耀徳への「大満足」のクチコミ
  • 「北朝鮮の山中に位置する秘宝の景観はあなたを魅了するだろうが、一日中自然美を堪能しようと思ってはいけない。なぜなら日中すべきことが多すぎて何から始めればよいかわからないから!入所するのは簡単、思ったことを話すだけで、息をのむような景色があなたの重い足取りを軽くしてくれる。ここ華城[ファソン]ではいつでもチェックインできるが、二度と出ることはできないから。だから何日分か荷作りをしてここへいらっしゃい。一日では全部見きれないから!」 – Blair Skrupski、華城収容所への大満足のクチコミ

しかし、誰もが5つ星をもらえるわけではない。

  • 「ルームサービスは英語を話せなかった」 – William Trevarrow、清津収容所への「いまひとつ~普通」のクチコミ
  • 「チェックポイント・マニア専用。洞窟探険と銃を持つ怒れる人々に近づくのが趣味でなければこのアトラクションは避けて、華城収容所へどうぞ。 – Chloe G、Gulag 16チェックポイントへの「いまひとつ~普通」のクチコミ
  • 「エッグベネディクトが硬すぎる。パンはサイテー。ハワード・スターンの指示か」- 清津収容所への「良い」クチコミ

インターネットが民主主義からコメディーを生み出したのは、もちろんこれが初めてではない。今月ホワイトハウスは、なぜデス・スターを作らないかを説明しなければならなかった。オバマ大統領が「惑星群の破壊を支持していないから」とホワイトハウスは説明した

もっとレビューが読みたい人は、maps.google.comで”North Korea gulag”[北朝鮮 強制収容所]を検索。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Googleの助成金によりイギリスの1万5000名の学童にRaspberry Piとプログラミング教材を無償配布

【抄訳】
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Googleのチャリティ部門Google Givingが、イギリスのRaspberry Pi Foundationへの助成金により、15000名のイギリスの学童のプログラミング学習用に、超ミニコンピュータRaspberry Piを寄贈する。

助成金の額は公表されないが、子どもたちに寄贈されるModel BのPiは35ドルで売られているから、単純にかけ算をすると525000ドルになる。またハードウェアのほかに教材やサポートやそのほかのリソースも含まれるから、総額は50万ドルを超えよう。アップデート: 本誌TechCrunchが得た情報によると、助成金の総額は100万ドルで、子どもたちがPiを無料でもらえるだけでなく、フルに使いこなせるようになるためのサポートや教材がすべて含まれる。

Raspberry Pi Foundationの今日(米国時間1/29)のブログ記事によると、Googleの会長Eric SchmidtとRaspberry PiのファウンダEben Uptonが今朝CambridgeshireのChesterton Community Collegeを訪れ、子どもたちに、プログラミングの概論と、この35ドルの超ミニミニコンピュータの構成等の詳細をレクチャーした。

Googleによると、寄贈の初回ぶんは12歳の学童のクラスに贈られた。

Foundationによると、Googleとの協働は今後も続き、イギリスの6つの教育関係サイトとも提携して、“Raspberry Piを個人的に所有することが大きな利益になるような子どもたち”を見つけていく。6つのパートナーは、CoderDojo()、Code ClubComputing at SchoolsGenerating GeniusTeach First、そしてOCR…Piは彼らの手から、コンピュータに関心を示す子どもたちに渡される。

またこれら6つのサイトは、子どもたちへのPiプログラミング教育やサポートも行う。たとえばOCRは、Raspberry Piと関連教材のパックを15000セットを、無料で提供する。

Eben UptonがRaspberry Piを作ったそもそもの動機が、子どもたちのためのプログラミング自学自習玩具だったから、今回は思いがけぬお金持ち企業が、彼の本来の願いの実現を、助けてくれることになる。また、これまでの学校でのコンピュータ〜情報通信教育の不毛に気づきつつあるイギリス政府にも、今後の新しい良い方向に向かうきっかけになるだろう。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

音声素材のクラウドソーシングVoip!が本日リリース

ここ数年、スマートフォンの普及によりソーシャルゲームはよりリッチな機能を必要とされている。昔ならゲーム機とテレビを接続し、家の中でしかプレイできなかったゲームも今ではスマートフォンひとつあれば、どこに居ても楽しめるようになった。最近では、実に多くのソーシャルゲームがリリースされ、ストーリー・イラストはクオリティが高く、すでに差別化が困難になってきている。

そこで、ゲーム内の音声に目をつけ、音声での差別化を支援するために音声素材のクラウドソーシング「Voip!」を本日Groodが正式にリリースした。

Voip!は音声素材に特化したクラウドソーシングで、声優事務所や専門学校に所属する声優、フリーランスなどと提携し、企業のニーズにマッチした音声を提供する。

Voip!では発注者が欲しいフレーズとキャラクターのイメージを伝え、オーディションを開催する。声優はそのフレーズを自分で録音し、提出する。そして、応募された音声をチェックし、発注者が声優を選び実際に契約する。契約をしたら、音声をオンラインで納品するか実際にスタジオで収録を行うそうだ(案件によって変わる)。オーディションを開催するとことまでは無料で行えるため、イメージに合う声優が居なければ使用料を払う必要はない。

声優は自分で音声を収録しなければいけないため、設備を揃えるのは大変ではないかと感じたのだが、Voip!を運営するGrood代表取締役社長の原口悠哉氏によると「事務所や学校に所属している声優はそこの設備を使えるし、そうでない場合もVoip!の声優の多くは自宅にある程度に設備を持っています。」という。「ニコニコ生放送」で放送をしていたり、カヤックが運営する音声専門のコミュニティ「koebu」を使っている声優が多いため、すでに設備を揃えている方が多いそうだ。

そもそもVoip!を始めた理由はGroodが運営する「全国告白白書」を作成している際に声優の悩みを聞いたことがきっかけだという。このアプリでは色々な告白フレーズを聞けるのだが、その中で声優にも協力してもらった。その時に、声優業界は実力があっても年功序列で若い人には、あまり仕事がなく、声優業のみで生活費を稼ぐことは困難だということを知ったそうだ。

そこで、Voip!ではオーディションの段階では発注者に声優の名前は伝えずに音声だけを提供し、契約が結ばれた後に名前も公開するなど実力勝負ができるようにしている。

また、声優業は有名声優となると時給数十万も費用がかかり、ひとつのソーシャルゲームにそこまでのコストをかけれない企業多いこともサービスを始めたきっかけだ。声優は1フレーズごとに報酬を支払うのではなく、収録時間ごとに1時間数十万といった形で費用が発生するため、詳細な打ち合わせをすると、そのコストは莫大なものになる。

この状況だと、大企業でないとゲーム内に音声を入れることが困難になってしまう。なので、クラウドソーシングで安価に音声を提供したいと思ったそうだ。

Voip!はすでにクローズドでいくつかの案件を実施しており、声優の登録者数は450名を超えている。実際に私も納品された音声を聞いてみたが、普段テレビやゲーム内で聞いている声と比べても違和感は無かった。

今後の展開としては、まずソーシャルゲーム、恋愛・乙女ゲームの音声を中心に活動し、将来的にはゲーム以外でもナビゲーションの音声や海外サービスのローカライズなどにも対応していきたいとのこと。

なお、Voip!を運営するGroodはIncubate Fundから300万円のシード資金を調達している。

本物の“自動”車は人が運転する車との衝突をどうやって避けるか

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Googleの自己運転車は今や一般供用に向けての長い道のりの上にあるが、そのために技術者たちにとっては、人間という名のドジな運転者対策という、新しい課題が発生している。中でもイギリスの科学者たちは、自動車がいかにして人動車によって起きる衝突事故を避けるか、という新しい研究の先頭を走り始めている。ブレーキでは衝突を避けられないとき、Loughborough University(ラフバラ大学)の講師Matthew Bestのシミュレーションでは、まるでアクション映画のような、70mphという大きなg(重力加速度)のかかる急速車線変更をやっている。

ScienceDaily誌の説明では、“急速な車線変更が有効であるためには強力な高gの操作が必要であり、それは車体を不安定にする。そのときのアンダーステアを素早く修正するためには、より強力な計算力が必要であり、そのような車体の運動に伴ってそのほかの問題も生ずる”。重力加速度gは、ジェットコースターに乗ればあなたも体験できる。

現在のところ、この救命のための曲芸ができるほどの計算力や、リアルタイムデータの取得は、不可能である。

この研究そのものがはらんでいる難しさやおもしろさに比べると、今回の論文そのものはかなり平凡だ。しかしそれでも、コンピュータによる人工知能が、人間という名のお仲間と共存するために解決しなければならない奇妙な複雑さと、その魅惑的なソリューションを、かいま見させてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

あなたが書いた記事をCNETが公開しないなら、うちが公開しよう

【本稿はJohn OrlinとAlexia Tsotsisによる共同執筆】
編集権の独立は、TechCrunchでは一種の論争だ。本誌の親会社姉妹サイトアドバイザーにとって都合の悪いかもしれない記事でも、われわれは構わず書く。そこで、CNETのライターたちに提案がある。

彼らの親会社であるCBSは、何か変更がない限り、CNETのAereoの最新レビューが、Aereoに関する最後の記事になると宣言した。最近のAereoに関するニュース記事であからさまに言っている。

「CNETの親会社であるCBSは、現在Aereo社と同社サービスの違法性に関して係争中である。それに起因する利益相反により、CNETは今後同サービスのレビューを書くことができない。」

CNETスタッフへ。われわれは、みなさんが書きたいAereoやDish AutoHopその他CNETで公開が禁止されているものに関する記事やレビューを、喜んで公開する。投稿は匿名で構わないので、身元は完全に守られる。個人を特定されないために、本誌への問い合わせは会社アドレスから送る必要はないが、何らかの方法で身分を明らかにすれる必要がある。また記事に対しては、ささやかながら本誌規定によるフリーランス料金の原稿料をお支いする。

ここにいる全員が自分をジャーナリストだと考えているわけではないが、真実を報道することに対して極めて真剣に取り組んでいる。もしあなたの会社がそのための場を与えてくれないなら、われわれが提供する。

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(翻訳:Nob Takahashi)

米のシリコンバレーの後を継ぐのは欧のグラフェンバレーだ–EUが10億ユーロの研究助成金を提供

【抄訳】
Creative Commons by CORE-Materials<br />
http://www.flickr.com/photos/core-materials/5057399792/sizes/m/in/photostream/

EUの“政府機関”の一つである欧州委員会(European Commission, EC)は、グラフェンに関する研究プロジェクトを、大規模研究助成施策Future and Emerging Technologies(FET)(未来および最先端技術)の二つの最優秀プロジェクトの一つに認定した。今後10年にわたって、総額10億ユーロの研究助成金が授与される。これはECとしては過去最大の研究助成金施策だ。もう一つの最優秀研究プロジェクトは、人の脳のモデルを開発するプロジェクトである。

このグラフェン研究プロジェクトは、“この革命的な炭素系素材のユニークな特性を調べて利用方法を確立”することが目的で、厚さが原子一個ぶんというこの素材の物理的化学的性質を探究する。導電性が銅よりもはるかに大きく、鋼鉄の100〜300倍強く、また光学特性も特異であることが知られている。

そのほかの研究者たちはすでに、グラフェンによる電池容量の増大や、撥水性に着目している。しかしECの視野はもっと大きくて、それを“21世紀の驚異的素材”と位置づけている。情報通信技術においてシリコンをリプレースし、また同時に、20世紀におけるプラスチックのような重要性と遍在性を持つ、と期待しているのだ。

【中略】

FETの巨額助成金をもらうことになったこのグラフェン研究は、スウェーデンのChalmers University(チャルマース大学)のJari Kinaret教授が指揮し、100あまりの研究グループから成り、筆頭研究者136名の中にはノーベル賞受賞者もいる。

【中略】

ECの副理事長Neelie Kroesは記者会見で、この研究からヨーロッパに“グラフェンバレー”(graphene valley)が生まれることを期待する、と述べた。“それは、シリコンバレーの次の時代の、世界のテクノロジセンターである。グラフェンは、科学にまだ大きな未知と驚異が存在することを示している”。

先週はイギリスのCambridge University(ケンブリッジ大学)が2500万ポンドを投じてグラフェン研究センターを開設する、と発表した。こちらは、政府補助金のほかに、Nokia、Plastic Logic、Philips、Dyson、 BaE Systemsなどが研究資金を出す。

[画像出典: CORE-Materials, より。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AcerのChromebookは合衆国販売台数の5〜10%を占める–Wong社長は“成功”と評価

Chromebook_c7

Acerの、ChromeOSを載せたChromebooksは、同社社長Jim Wongが今日(米国時間1/28)Bloombergに語っているところによると、11月の発売以来合衆国の同社製品売上の5〜10%を占めている。この、Linux上でChromeブラウザが“ユーザOS”として動くデバイスの総売上台数をGoogleは明かさないし、Chromebookの代表的なメーカーであるSamsungからも情報はない。AcerのChromebookは現在一機種のみで、それは11月発売のC7モデル、インターネット接続はWiFiのみでお値段は199ドルという製品だ。

C7の販売チャネルは、今のところGoogle PlayとBest BuyとTigerDirectのみ。WongはBloombergに、この5〜10%が今後も長期的に続く、という予想を語っている。また、今後Chrome OS機は合衆国以外の先進国市場にも提供していきたい、という。

Chromebooks_ Acer C7 Chromebook

GoogleはChromebookとChromebox(MacMini的なChomeOSデスクトップ機)を主に、学校や企業向けと位置づけている。これらのユーザ層ではOSは伝統的にWindowsだが、ChromeOSに比べるとWindowsはずいぶんと高価である。またその後の費用(管理の手間など)もChromeOS機はWindowsマシンに比べて相当低いとGoogleは主張している。Chromebookは学校の先生たちにタブレットに代わるものとして人気がある。WongはBloombergに、ChromeOSの初期の採用者たちは“教育機関におけるプロ意識の高いインターネットのヘビーユーザであるような人たち、そして今では企業もこのオペレーティングシステムに関心を示しつつある”、と語っている。

WongはChromeOSの将来について楽観的だが(Bloombergの記者は単に”Chrome”と呼んでいる)、Windows 8に対してはかなり冷淡だ。“Windows 8はまだ成功していない”、とBloombergに対して述べている。ChromeOSとWindows 8との比較談義では、立ち上げ時のWindows 8のようなマーケティング努力も宣伝もないChromeOSが成功していることには、気を良くしている、と語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

シリコンバレーが徐々に(Samsungの)Androidを実感し始めている

編集部注:Semil ShahTechCrunchのゲストライター。Twitterアカウントは@semil

iPhoneが2007年に発売された時ジョブズは、電話機に関して言えばAppleはライバルより恐らく5年先を行っていると公言した。そう、その5年間は過ぎ、突如として、あたかも歩調を合わせたかのように、シリコンバレーの優れたテクノロジー頭脳と傍観者たちは、彼らの主要モバイルデバイス(iPhone)に加えて最新Samsung製Android機にも注意を払い始めた。このAndroidの成長は、デベロッパーがローンチするモバイルプラットフォームを選ぶ際の優先順位や、変化の激しい状況下におけるハードウェア(Samsungの価値獲得能力を含む)やソフトウェア(アプリ)の収益構造にどのような影響を与えるだろうか。

Anroidが「なぜ」「どのように」勢いを増しているかに関して、特に優れた分析がなされているわけではないが、私もここで蒸し返すつもりはない。どう見方を変えようとも、iPhone中心で、iPhoneに取り付かれた典型的シリコンバレー人種たちが、新しいSamsung Android機に関して、その触知性からアプリ性能、成長率や見通しを含めAndroidの何もかもに注目し始めていることは確かだ。これは、AndroidがiOSと肩を並べたとことを示唆するものではないが、これまでのGoogle戦略を考えれば「十分良い」は必要十分だろう。

今日まで、モバイルにおける殆どの「アプリありき」の成功はiPhoneから生まれている。最も著名なところで、新しいメディアの寵児、InstagramやUberをはじめとする新しいマーケットプレイス、そしてAngry Birdsのようなフリーミアム・ビジネスモデルアプリ等だ。これらのアプリはすべて数年前に発売され、iPhoneの改善と共に爆発的成長を享受してきた。そしてこれらのアプリは、ある時点で主要製品が安定したら(そして本格的ベンチャー資金を調達し)、Android版開発にリソースを注ぎ込むことによって、それまで楽しみから疎外されていたアプリを待ち焦がれるユーザーたちを引き付け、劇的に収益を伸ばす。こうした進化の間、Appleはハードウェア利益で業界最大のシェアを勝ち取ると共に、そのマーケットプレイス、App Storeを通じてiOSデベロッパーが大金を得る手助けをしてきた。

今、2013年、人々はモバイルの次の5年について想像し始めている。そして、そこにGoogleが多く関わっていくことは間違いない。Android端末の台数は膨大になるだろう。デベロッパーは潜在顧客の数に魅惑されるだろう。Androidはより「オープン」であり、iOSから派生したものとは違うスタイルのアプリ革新を促すかもしれない。もちろん何もかもがバラ色ではない。果たしてAndroidユーザーがアプリやアプリ内での行動にいくら費やすかはわからないし、Android機のあまりにも多いタイプとサイズは、デベロッパーに難しい選択を迫るだろう。そしてユーザーは、Androidによって歪められたものではなく、デバイス間で一貫した体験が欲しいという結論を下すかもしれない。さらにこの上には、「Samsungは何をするのか?」「GoogleのMotorola統合は何を意味しているのか」そして「Androidの最新OSアップデートが走るのは何台か」など「大がかりな未知数」もある。実に面白い。

そして、われわれはお金を追求しなくてはならない。

デバイスに関してAppleは依然として、可能な利益のほぼすべてを絞り出し続けている。もちろん、これが永遠には続かないことは、2013年が始まって以来のApple株の変化を見ればわかる。しかし、同社のiPhone関連のみの売上(他の製品やサービスを含まない)が、他の主要テクノロジー企業の年間売上をしのいでいることを考えれば、株価の立ち直りは早いと私は睨んでいる。Sansumgも、恐らくこれまでより高いハードウェア利益率を確保するだろうが、それがどの程度かはまだわからない。ネイティブサービスに関して、Googleは、自社製スマートフォンブラウザー、音声コントロール、マップ、あるいは予測システム等、あらゆるタイプの検索における収益化に関して好位置を維持している。Googleは検索を収益化する方法について1つや2つ何かを知っているらしいと私は聞いたことがある。

では、サードパーティー・アプリとその周辺のお金に関してはどうなのか。歴史的に、利益の大部分はiOSを経由しており、胴元は魅力的な30%を手にしている。 今後は「Android第一」がアプリが増え、Android第一アプリが主流になる率が高くなっていくことは明白だ。デバイスの離散化は、個人や小企業にとって大きな負担だ(ただしアプリとOSに関わる超革新的な解決方法が芽生えかけている。これについては別の機会に触れる)。しかし、リソースを持ち、成長(および投資)を続けている大企業は、Androidに投資して新規利用者を獲得できる有利な立場にある。

デバイスのシフトがどこまで劇的に起こるかはまだ何とも言えない ― 予想するには早すぎるし、私個人に関しては冷たくなった死体の手から引き剥がされるまでiPhoneを手放すつもりはない。しかし、Androidの規模が、旧型デバイスと時代遅れのソフトウェアアップデートに関わらず、膨大になっていくことに疑問はない。そして、Androidユーザーたちにどこまでアプリ内で取引きする意思があるのかも不明だが、例えば新しい「モバイル・ツー・オフライン」のマーケットプレイスを作っているデベロッパーたちは、Anroid第一アプリをスタートするだけでなく、かつてはiOSのものだった売上と利益も引き出すだろう。

2007年の「5年先を行く」発言に関して、ジョブズは(控え目だったと言わないまでも)正しかったが、私の偏見を言えば、iOSは今でもAndroidを何マイルかリードしている。しかし、Androidが数を伸ばし、Samsungで良い性能を出していることは間違いない。もし彼が生きていたら、次の5年間をどう予言しただろうか。私は、利用者が増えると同時にシフトが起きた時に何が起きるかに関して、分析的視点で考えようと試みた。しかし、シリコンバレーにもウォール街にも愛されているAppleは、 おそらく全く新しい何かを、われわれがまだ知りもしない何かを探しているだろう。果たしてそれはクパチーノからやってくるのか?Googleは豊富な現金を持ち、膨大なスケールで運営を続ける一方で伸び代もあり減速する気配を見せない。そして、最もiPhoneに忠誠なシリコンバレーの人々でさえ、彼らの殆どが5年前には見えていなかった未来に気付き心に描き始めている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

日本のモバイルビジネスがiOSとAndroidに本格的にシフト中(App Annie調べ)

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これまで日本の携帯電話のエコシステムは高度に発達した無数のフィーチャーフォンのおかげで「ガラパゴス島」と揶揄されるような特異な状態にあった。それが最近ついにAndroidとiOSを中心とする方向に本格的に動き出した。日本人がこれまでモバイル・アプリとゲームに非常に高いレベルの支出を続けてきたことを考えると、世界のAndroidとiOSデベロッパーにとって見逃せない動きといえる。

たとえば、昨年秋、日本はアメリカを抜いてGoogle Playで「いちばん儲かっている市場」になった

北京に本拠を置くモバイル・アプリの市場調査会社、App Annieが日本市場に関する詳しいレポートを発表した。この10年間日本は世界でも最高レベルに携帯電話が普及している地域であったにもかかわらず、皮肉にもスマートフォンへの転換の速度は比較的遅かった。2011年末のスマートフォン利用率はわずか23%にとどまった。

日本ではNTT、DoCoMo、Softbank、KDDIといったキャリヤの影響力が決定的に強い。他の国でもそうだが、キャリヤは配信されるコンテンツを全面的に管理し、収益の分配を受けている(Appleの30%ほどの高率ではないが)。これによりフリーミアム・タイプのビジネスモデルを持つモバイル・ソーシャルゲームのGREEやDeNAが、アメリカ市場より早く何十億ドルもの売上を誇る大企業に成長させた理由だ。

しかしこれも世界の他の地域でと同様、iPhoneがキャリヤの影響力を弱めつつある。NTT DoCoMoはiTunesストアを通じたコンテンツ販売をコントロールできないことをを嫌ってAppleと提携していない。重要な収益の柱を失うことを恐れているわけだ。その代わりにDoCoMoはむしろAndroidに集中し、ポータル、dmenuをプロモートしている。こにはインターネット・ベースのコンテンツに加えてビデオ、書籍、アプリなどの有料コンテンツを販売するdmarketが用意されている。

一方、KDDIとSoftbankはiPhoneを販売しており、DoCoMoからユーザーを奪うことに成功している。

こうした市場の力学から日本のスマートフォン市場の3分の2はAndroidで占められ、残りの3分の1がiPhoneとなっている。ただし売上高ではAppleのAppStoreがGoogle Playよりはるかに多い。しかしその差は世界の他の地域同様、縮まりつつある。

もう一つ日本市場の特徴は、外国企業の参入が極端に困難であることだ。トップの5社(すべて日本企業)が全市場の3分の1を占めている。フィーチャーフォンでの日本メーカーの成功はそのままスマートフォンにも持ち越されている。こと売上に関しては日本市場は日本企業のほぼ完全な独占といってよい。例外は韓国系のメッセージ・サービスNHN、フランスのモバイル・ゲーム・デベロッパー、Gameloft、それにAppleくらいのものだ。

top-20-ios-publishers-japan売上をカテゴリー別にみると、他の国と同様やはりゲームが圧倒的なトップだ。アメリカでもゲームはトップだが、売上のシェアとしては59%と比較的少ない。

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滞在時間ではゲームとソーシャル・ネットワーキングがトップだが、売上に関しては日本ではFacebookはトップ・アプリではない。トップはメッセージ・サービスのLineだ。このサービスは最近1億ユーザーの大台を達成した。現在のところ収入はステッカーやチャット用絵文字の販売によっている。このビジネスモデルで昨年1月から9月の間に383%の売上増を実現している。

Facebookの日本における売上は、主として広告によっているので、金額の推定は難しい。Appleはアプリ経由の広告売上に関する情報を発表していないのでアプリ・ダウンロードの順位から推定することも困難だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

記事を「読む」のはもうやめだ

HAL 9000編集部注本稿執筆者のNir Eyalは心理学とテクノロジー、そしてビジネスとの融合分野について多くの記事をNirAndFar.comにて発表している。TechCrunchでも「『願望創出エンジン』の仕組みと実際(常習的ユーザの作り方)」などの記事を掲載している。著者のTwitterアカウントは@nireyalだ。

インターネットという存在が声を発するのなら、それは2001年宇宙の旅HAL 9000のような声だと思うのだ。

「ハロー、ニール」と低い、単調な声で話しかけてくるのだろう。「また会えてうれしいですよ」といった具合に。

「インターネット、いま書いている記事のためのちょっとした調べ物があるんだ」と私は応える。「仕事に入るので邪魔はなしだ」。

「もちろんですニール。でもPaul Grahamの記事は見ておいた方が良いのではありませんか?」。

「ご親切にどうも。でも今日は本当に時間がないんだ。仕事に関係のあるものしか目にしたくないんだよ」。

「それは大変失礼しました、ニール。ただ、どうでしょう、このLOLCatは見ておいた方が良いと思うんですよ。仕事にも役立つと思うのです」。

「ほほう」。ついのってしまうかもしれない。「ちょっと見てみようか。それから仕事に戻るとしよう」。

そして結局は3時間ほどを、仕事とは関係のないことに使ってしまうことになるのだろう。何か仕事の面から言うと無駄なことに夢中になってしまうのだ。

まあ自分自身でも魅力あるテック系サービスについての記事を書いているわけで、自分が夢中になってしまうことについて「無駄」などと言うのはおかしなことなのかもしれない。これまでに、多くの利用者に使ってもらうためにはどうすれば良いのかというような記事を書いてきた。あるいは利用者が気づかないうちに利用して、それがさらなる利用者を生むようなサービスを作るべきだというようなことを書いている。

そうであれば、そうしたサービスに対処する方法を把握していてしかるべきなのかもしれない。しかし実のところ、ドラッグがどのように作用するかを知っていても、ドラッグに対する抵抗力が増すわけではない。会議中のデジタルデバイスはなしにしようというような記事も書いたし、あるいはソーシャル時代のベッドルームでの振舞い方についても記事を書いた。しかしそれでもいざ自分のことになると、集中力を保つことができないのだ。そしていろいろな調査が指摘するように、ちょっとした阻害要因も大きなエラーにつながり得ることを実感している。

昨今のナレッジワーカーと呼ばれる人にとって、仕事もゲームも同じ画面で行うということが大きな障害となる。コンピュータやスマートフォンをつかって仕事を行うが、同じく両者を通じてゲームをプレイしたりもするのだ。アメリカにおける人気ウェブサイト25をピックアップすると、確かに日常生活のことを忘れさせるものが多いようだ。

ヒットするコンテンツは、習慣性を持つように設計されている。トリガー、行動、報奨、そして自発的トリガーの構築という誘惑フレームワークを実践しているのだ。仕事時間中に不用意にコンテンツ消費に時間をかけてしまう悪弊から抜け出すには、なんとかこのフレームワークから抜け出す方法を考えなくてはならない。

「読まない」対応

幸いなことに、なんとか対処する方法を見つけることができた。もちろん読者の方々にはこれから示す方法は無視して、ぜひとも記事を読み続け、そして広告主を喜ばせるような行動をとって欲しいと思う。それはともかく、私としてはなんとか見出しを追い続けて時間を浪費する悪弊から抜け出すことができた。

まず行ったのは、コンテンツを消化するやり方を変更したことだ。どういうやり方かと言えば、とにかくその場では読まないことをルールにしたのだ。もちろん、絶対に読まなくてはならないコンテンツもある。そういうものについても「タイムシフト」の仕組みを導入したのだ。

わかりやすくいえばPocketを導入したのだ。もちろんブラウザの拡張機能も導入した。必要な記事を見つければ即座にPocketに送ってしまうのだ。するとPocketがコンテンツを後で読むために保管しておいてくれる。ブラウザ上にPocketのボタンがあることで「読まない」ことをルールにしていることを思い出させてもくれるのだ。

もちろん「記事を読みたい」という欲求が消え去るわけではない。しかしいつでも読むことができるという安心感があり、その場で時間を消費することをやめることができた。

コンテンツ消化のご褒美

さらに、PocketのAndroid版を使い始めた。Android端末を持ち歩くことにより、いつでも時間のあいたときにコンテンツにアクセスすることができる。さらに、Androidアプリケーションには大きなメリットがある。すなわち自分ではコンテンツを読まずに、アプリケーションに読んでもらうことができるのだ。

Android版PocketはText-to-Speechに対応している。しかもHAL 9000風の音声ではなく、英国訛りながら明るい声でコンテンツを読み上げてくれるのだ。私の知る限りではiOS版には読み上げ機能が搭載されていない。Android版の方はCMなどを割りこませることもなく、記事を読み上げてくれる。これで運転中などにコンテンツを消化することができるようになったのだ。また、この方法には驚くべきメリットもあった。

Pocket's Android app with text-to-speech (TTS) capabilitiesPocketに保存したコンテンツには、読み終える(聞き終える)とチェックマークをつけるようになっている。これが、メール受信箱の未読整理を行うときと同様に、ある種の達成感を感じる行為なのだ。保存コンテンツを消化し終えると、ご褒美としてジムに出かけるなどという習慣もできた。だらだらと机の前に居続ける生活を改め、時間を効率的に使うことができるようになったのだ。

IFTTTの活用

もちろん、机で記事を読む方が便利なこともある。たとえば私はしばしば記事をEvernoteに保存したり、あるいはTwitterなどで共有したりしていた。しかしたとえばジムで音声を聞いているときには、わざわざ記事を保管したり共有したりするのは面倒なことだ。こちらの解決にはIFTTT(If This Then That)を活用することにした。これを使えばさまざまなアプリケーションを連携させることができるようになる。たとえばPocketで、記事に「お気に入り」マークをつけると、それを直ちにEvernoteに保存するということができる。このアクションを実施するための「レシピ」はこちらに公開してある。また、聞いている記事をソーシャルネットワークにて共有しようと思った場合には、Bufferを使って行うようにしている。そしてこのアクションによって、また別のIFTTTレシピが起動するようにもなっている。

トリガーの発動を防ぐ

ちなみに、ここまで述べた仕組みにはコーディングスキルなど一切必要ない。またニーズに応じてカスタマイズすることも容易だ。こうした仕組みを構築することで「他にも面白い記事がありますよ」という誘惑に負けて、いたずらに時間を消費することを防ぐことができるようになった。ウェブ上には、利用者を誘惑するための手段が満載だ。対抗するためには、新たなツールをうまく使っていく必要があると感じている。興味を引いたものになんでも手を伸ばしてのめり込んでしまうのではなく、新しい習慣によって自分の意志による行動をとることができるようになった。HALからの誘惑に耐え、生産性を上げることができるようになったのだ。

情報開示:参考までに申し上げておくが、少なくとも記事執筆時において、取り上げた企業との間に経営的ないしは個人的な繋がりは一切ない。

Nir Eyal

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

ITUが新ビデオフォーマットH.265を承認, モバイルでHD, ブロードバンドで4K TVが可能に

h_265_hevc

ITUが、将来のブロードバンドネットワークで4Kのビデオを送れるビデオフォーマットを承認した。またこれにより、帯域の広くないモバイルネットワークでも、HDのビデオをストリーミングできることになる。そのH.265と呼ばれる規格は、非公式にはHigh Efficiency Video Coding(HEVC)とも呼ばれ、低帯域のネットワークでも高品質なストリーミングビデオを提供できるよう設計されている。

この新しいビデオフォーマットは、H.264コーデックの後継規格で、こちら(H.264)はiPadなどのモバイル製品の登場以降、ビデオ提供サイトのほとんどが使っている。今となっては馬鹿げているが、かつてAppleがH.264を採用し、HTML5によるビデオプレーヤーに固執したときには(Flash全盛時代だったので)、物議を醸した。当時のiPad以前のビデオは、その多くが、Adobeの私企業規格であるFlashプレーヤー用のVP6でエンコードされていたからだ。

H.265は圧縮技術が良くなっているので、1080pのビデオをこれまでの半分のビット数で送れるようになると期待される。そうするとHDビデオのストリーミングがブロードバンドの世帯だけでなく、もっと狭い帯域上にあるモバイルやタブレットに対しても可能になる。要するに、オンラインビデオの市場が、一挙に拡大するわけだ。

ブロードバンド上なら、H.265で4Kテレビがついに可能になる(画素数がfull HDの4倍)。問題は、ネットワークがそれだけのストリーミング負荷をこなせるか、だ。H.265では4Kテレビのストリーミング負荷は、しかし、わずかに20〜30Mbpsだ。今の標準からすると多いことは多いが、それほど大きな飛躍ではない。

ITUの承認のあとは、業界における実装が待たれるが、ソフトウェアベースのコーデックが今年の終わりごろ、そして組み込みチップの大量生産大量採用は来年以降だ。ハードウェアによるH.265のアクセラレーションが市場に出るのは、来年の後半以降が妥当なところかもしれない。

H.265対応機が世の中に出回るようになれば、コンテンツがそれに追いつくのは早いだろう。iPadが出てから、H.264のビデオは3年足らずで全ビデオの10%から84%にはね上がった(Me-Feediaによる)。

業界によるH.265の採用は、ネットワーク負荷の軽減とHDビデオの増、この二者の組み合わせの進展を意味する。個人的には、ファイルサイズの小型化よりは画質の向上に関心があるが、どちらにしても、たいへんありがたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネットショップのモバイルアプリのユーザ滞留時間が前年比で6倍増

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消費者が12月にネットショップ(小売サイト)のモバイルアプリで過ごした時間は、1年前に比べて6倍だった。モバイルにおけるショッピングとコマースは、ついに離陸を開始した。

モバイルのアクセス分析をやっているFlurryは、2011年の12月から昨年の12月まで、iOSとAndroidのアプリ約1800本をモニタしてきた。その種類は、小売(Retailers)、価格比較(Price Comparison)、買い物案内(Purchase Assistant)、オンラインマーケットプレース(Online Marketplace)、そして日替わり売り出し(Daily Deals)だ。

アプリ全体では、滞留時間が前年同期比で132%増加した(ほぼ倍+増, 上図)。日替わり売り出し以外は、どの種類でも、その132%をすら上回っている。

滞留時間がとくに増加したのは、Walmart、Target、Macy’s、Victoria’s Secret、Gap、Saks 5th Avenueなどの小売アプリだ。価格比較のアプリ、すなわちeBayのRedLaserやGrocery IQなどは247%増、買い物案内(ShopSavvyやShopAdvisorなど)は228%増となった。

Grouponなどの日替わり売り出しアプリは、ユーザ獲得に巨費を投じているが、Groupon自身のマーケットシェアは落ち込んでいる。しかし滞留時間は前年同期比で倍増(126%増)している。Grouponは前に、売上の1/3は北米地区におけるモバイルからの購入、と言っている。

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モバイルコマースのマーケットシェアにも、変化が起きている(上図)。わりと初期からモバイルに進出した日替わり売り出しは、毎年集客のために巨費を投じているが、シェアは落ち込んだ。一方、大手の小売企業は、モバイルでの売り方のコツをおぼえて躍進した。

小売は2011年の15%から2012年は27%へシェアを伸ばしたが、そのほかの種類は前年同期比で大きな変化はない(大きな変化は小売と日替わり売り出しのみ)。eBayやAmazonなどのマーケットプレースは25%から20%へと落ちた。価格比較と買い物案内は、ほとんど横ばいだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

写真で見た品物が欲しい!, 店のリンクがない!, The Huntのコミュニティが探してくれる

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先月(12月)、クリスマスに娘に着せるものを探していたとき、Pinterestでかわいいのを見つけた。でも、それをどこで買えるかというリンクがない。Googleやいろんなeコマースサイトで探したが、正確に同じものは見つからなかった。この、写真の中の「物」にリンクがないという問題は、Pinterestにかぎらず、InstagramでもTwitterでもTumblrでも、どこにでもある。そもそも、インターネット上の写真の90%以上には、リンクや買い物情報がない。最近ローンチしたThe Huntは、まさにこの問題の解決を目指している。

このスタートアップは、ソーシャルネットワークなどの上で見た写真の中の品物の発見と購入を、コミュニティの力で助ける。このサイトの会員になったら、探している物が映っている写真を投稿する。写真をアップロードしてもよいし、Webサイト上の写真のURLをポストしてもよい。そして、探してくれる人の参考になりそうな情報や説明もポストする。

そうするとThe Huntのファッション探偵たちが、その品物の捜索を開始する。もちろんユーザ自身も捜索に参加できる。会員のプロフィールには、これまでの成績や、今やっている捜索が書かれている。ユーザは捜索員にもなれるし、今行われている捜索をフォローすることもできる。捜索のための候補品目をポストしてもよい。また、関連品目の推奨もできる。たとえば、今捜索されているドレスに合う靴、とか。

このサイトは一般公開の前にすでに65000名あまりのアクティブユーザがいて、一日平均24分をこのサイト上で過ごしていた。12月のユニークビジター数は61万5千人で、18-34歳の女性が中心的な層だ。会員がお互いの協力によって見つけた品目は、6か月で11万5千点、その店数は1万あまりだ。12月だけでも、会員がポストしたeコマースサイトへのリンクは25万以上ある。しかもそれらのリンクのコンバージョンレート(実買い率)は、ソーシャルネットワークなどの上のリンクの5〜10倍と高い。またしかも、マーケティング努力のようなものは、まったく伴っていない。

CEOで協同ファウンダのTim Weingartenによると、このサイトの強みは何と言ってもコミュニティの力だ。しかも女性会員の多くは、人助けをすることに情熱を燃やしている。現在、もっぱら捜索専任の会員は、全会員の20%(5人に1人)。5人に1人は、ボランティアのファッション探偵だ。

“The HuntはいわばヴィジュアルなQ&Aサイトで、ファッションに伴うジレンマをコミュニティが解決してくれるのだ”、とWeingartenは説明する。しかもThe Huntで行う捜索には、ゲーム感覚があって楽しい。それが、人気拡大の大きな理由だ。ネット上で何かを見つけることには、スリルがあるのだ。

女性たちによる人気の盛り上がりもすごいが、The Huntのチームもすごい。WeingartenはVC出身、協同ファウンダのSimon Peckは元Quantcastに在籍、そのほかのチームメンバもQuantcastとZynga出身だ。

同社はJavelin Venture Partnersが率いるラウンドにより、200万ドルを調達した。

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〔余計な訳注: 残念!、写真中の品物を他の写真中に見つけるアルゴリズムの話ではありませんでした。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、画像検索ページをリニューアル。検索は効率的になり、サイトへのクリックスルー率も向上

google logoGoogleが新しい画像検索を発表した(日本ブログはこちら)。より高速かつ効率的に画像の検索ができるようになる。全員が一気に新しいページを使えるようになるのではなく、これからしばらくのうちに利用できる層が広がっていくことになる。

新しい画像検索ページでは、検索結果がインラインパネルに表示されるようになり、キーボードから画像を切り替えて表示することができる。また画像関連情報(メタデータ)もその場で確認できるようになっている(訳注:インラインパネルで選択している画像が、パネルの下に拡大表示される。従来はポップアップ形式で表示されていた)。

Google Image Search

Googleブログ(英語版)には、ウェブマスター向けのアナウンスも掲載されている。

・画像の詳細情報(メタデータ)を、これまでの別画面表示ではなく、画像の検索結果のすぐ下に表示するようにしました。
・画像脇に表示する情報量を増やしました。表示するようにしたのは画像を掲載しているページのタイトル、ドメイン名、画像サイズなどの情報です。
・ドメイン名をクリックできるようにしました。また、画像が掲載されているページヘのリンクボタンも設置しました。これにより、従来は2つだった掲載ページへのリンクが4つに増えています。テスト段階の調査では、これにより画像掲載サイトへのクリックスルー率が向上しています。
・元ページを詳細画像表示の背景にiframeで表示するのをやめました。ロード時間の短縮となり、またウェブマスターにとってはページビュー測定に無用なデータが入り込むことを防ぐことができるようになりました。尚、これまで同様にWebmaster ToolsのTop Search Queriesから、画像検索クエリーに関するデータを見ることができます。

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(翻訳:Maeda, H)

待たずに飲み物を注文できるバー・アプリ、Coasterにセルフサービス開発キット登場―店のメニューを登録してモバイル支払いが受けられる

coaster ipad

数ヶ月前にローンチしたサンフフランシスコのスタートアップ、Coasterモバイルを利用して飲み物注文アプリだ。このアプリに登録されたバーでユーザーはスマートフォンから飲み物を注文し、料金を支払うことができる。カウンターの前で行列に並ぶ必要がない。ローンチ後、登録バーの数は徐々に増えていったが、爆発的な増加とはいかなかった。そこでCoasterではバーの運営者が自分の店のメニューを簡単に登録できるセルフサービス・アプリを開発した。

Coasterの最大の問題はバーに登録させるところにあった。もともと地域のスモールビジネス市場というのは開拓が難しい。サンフラシスコ中のバーを一軒ずつを回って参加を勧誘するなどということはできるはずがない。まして全国となればなおさらだ。

新しいiPadアプリはバーのオーナーが自分でシステムに登録できるように作られている。

このアプリでは簡単に独自のメニューが作れる。代表的なビールの銘柄も含めて数多くの標準的な飲み物が予め登録されているので、オーナーはメニューに追加したい飲み物を選び、料金を入力するだけでよい。もちろん独自のスペシャル・ドリンクを追加することも可能だ。メニューを入力して保存するだけで、アプリにそのバーが表示されるようになる。

私は以前にもCoasterについて書いたが、それは主にバーの客としての観点からだった。列に並ばずに飲み物が注文できてアプリ内から料金が支払えるのは間違いなく便利だ。おまけに普通ならキャッシュしか受け取らないバーでもクレジットカードが使える。しかしバーのオーナー側にも多いにメリットがある。バーテンは客と飲み物と伝票とクレジットカードを正しく対応させるのに四六時中神経を使わないですむ。Coasterは料金(チップも含めて)すべてアプリ内で処理するから現金のやり取りをしないでもいい。

Coasterのファウンダー、Inderpal Singhは「待ち時間が短くなるから売上も増える」と主張する。それにCoasterはアプリも無料で処理手数料も現在は無料だ。

Coasterチームはアプリを無料にしているのはバーにともかく試してもらいたいからだ。試してみれば売上も増えるし、クレジットカードの手数料も減るからファンになるだろうという。どういう結果になったか判明したらまた報告しよう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Kantarレポート:スマートフォンの世界的人気はAndroid(サムスン)。但しアメリカと日本ではiPhoneが絶好調

androidrobotAndroidスマートフォンが、昨年末ホリデーシーズンの覇者となった。Android搭載機種の中でもサムスンが絶好調だ。但し、アメリカおよび日本ではiPhoneがトップということになったらしい。この統計を出しているのはKantar Worldpanel Comtechだ。WPPの一部門で、12週間毎に携帯電話の販売統計を出している。また、MicrosoftのWindows Phone OSは、アメリカおよび中国という巨大市場で苦戦が続いているようだ。ヨーロッパでは普及に向けた多少の兆しも見られるようだが、未だにほとんどのところで一桁パーセントの普及に留まっている。

スマートフォン利用率は各国で増加傾向にあり、従来型フィーチャーフォンを上回りそうになっている場所も増えてきている。Kantarによると、スマートフォンの普及率で言うと調査対象国の中でイギリスが最も高く、61%にのぼるのだそうだ。2番手につけているのはオーストラリアで54%、3位がフランスで46%となっている。以下、次のように続く:イタリアとスペインが双方45%、アメリカが42%、中国が39%、ドイツが38%、そして日本が24%(日本では携帯電話の普及率が高く、スマートフォン以前からずっと使っているという人が多いのだろう)。

各地で好調なスマートフォン市場だが、ここを引っ張るのはAndroidだ。12月23日までの12週間におけるスマートフォン売り上げを見ると、さらにリードは広げそうな様子だ。たとえばスペインでは販売されたスマートフォン中、なんと87%がAndroid端末となっている。また拡大しつつある中国でも4分の3近く(72%)がAndroidという状況になっている(その他のデータは末尾に掲載しておいた)。

Androidの中で見ると、首位のブランドはサムスンだ。Kantar Worldpanelのグローバルコンシューマーインサイト部門のディレクターであるDominic SunneboがTechCrunchに話してくれたところによると、ヨーロッパの5大市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、そしてスペイン)における全携帯電話中でサムスンデバイスが占める割合は43%にのぼるのだそうだ。ちなみにアメリカでは27%、オーストラリアでは32%、そして中国都市部では23%だとのこと。但し日本ではこれが6%にまで落ち込む。9つの市場を合算すると、サムスンの販売台数シェアは27%になるのだそうだ。

Appleの強さが光っているマーケットもある。たとえばアメリカ市場もそのひとつだ。iPhone 5が好調で、iOSがスマートフォン全体の中で51.2%を占める。これは昨年比で6.3%伸びている。また日本はiPhoneとAndroidのギャップが最も大きな市場と言えそうだ。iPhone率は66%で、Androidは32%となっている(日本については昨年途中からデータを取り始めたばかりで、過去のデータと比較することはできない)。

ところでKantarは、Androidも飽和点に近づきつつあると分析している。「飽和点」という言葉には2つの意味があるだろう。つまりひとつはスマートフォン全体にわたっての飽和状態だ。フィーチャーフォンからスマートフォンに買い換える需要は一段落し、これからは購入者が減っていくだろうというもの(メーカー全体にとって悪いニュースだ)。また、Androidに対する「飽き」のようなものを意味するものでもあるだろう。たとえば新しいもの好きな消費者などは「次のターゲット」を探して動き出すこともあるとのこと(シェア拡大を狙っているMicrosoftはこれに賭けたいところだろう)。

但し、Kantarの分析では前者の意味が強いようだ。Sunnebo曰く「2012年末の統計では、スマートフォンに用いられるOSの中で、Androidが勝利していました。しかしこの1年での利用者増加率は確実に落ち込んできています。初めてスマートフォンを購入するという人が減ってきているのです」とのこと。

Windows Phoneについてはどうだろうか。ヨーロッパでそれなりの人気を獲得しているのは、現地におけるノキアのブランド力によるところが大きいのだろう。イタリアでは未だにSymbianユーザーがかなりの数にのぼる。昨年末時点のスマートフォン販売台数のうち、20%をSymbian OS搭載機が占めていた。前年比で5%減少はしたものの、まだこの割合を保っているのだ。そしてノキアが大好きだという人が、自然とLumiaに移行しつつあるということもあるのだろう。ハイスペック機と普及機の双方を用意したのも成功だったようだ。ノキアにとってみれば、もっとはやくSymbianから移行すべきだったということになるのかもしれない。そうすればもう少し多くの利用者を獲得できた可能性もありそうだ。

但し、そうは言ってもヨーロッパの主要マーケット全体で見ると、Windows Phoneの占める割合は5.4%に過ぎない。

さらにMicrosoft(およびノキア)は2大市場における結果が全く出ていないのも心配な点だ。Sunnebo曰く、アメリカと中国においては「全く芽が出ていない状態だ」とのこと。アメリカにおけるWindows Phoneの販売割合は2.6%で、中国(ここでも一時Symbianがトップの人気を集めたことがある)では1%にも満たないようだ。「2013年もMicrosoftは苦戦を続けることになりそうです」とのこと。

Kantarは、スマートフォン率が61%に達したイギリス市場についての詳細もレポートしている。メーカー比較ではサムスンがAppleを僅差でリードしているとのこと。販売数中、サムスンが35%を占め、Appleが32%となっているのだそうだ。ちなみにノキアについては「状況が変わりつつあるようです」とのこと。Windows PhoneとSymbianをあわせても6.2%となっているのだ。昨年同時期には50%以上を占めていたのだった。またRIMも在庫がなかなか売れない苦しみを味わっている。RIM好きもBB10を待っているという状況もあるだろう。しかしBlackBerryの率は、わずか6.4%に留まっている。

kantar worldpanel comtech

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(翻訳:Maeda, H)

just.me: もう巨大サーバ(Facebook, Twitter, …)は要らない, 個人がノードであるSNSは健康的

Just.me logo

本誌TechCrunchの協同ファウンダでインキュベータArchimedes LabsのパートナーでもあるKeith Teareのプロジェクトjust.me(“私だけ”)が、そのiOS用アプリのベータをローンチした。Androidアプリも今四半期内に出るという。just.meは前にも記事にしたことがあるが、それはTeareが、昨年のスタートアップの祭典South by Southwestで予告的な紹介をしたときだ。それ以降ずっとステルスモードだったが、今日はiOSアプリが少数のベータテスターたちの手に渡った。App Storeでの一般公開は、一か月後を予定している。

just.meとは何か?

それは、メールとMMSとSMSをリプレースするメッセージングアプリだ。メッセージのブロードキャストもできるからTwitterに似た面もあるが、文字数の制限はなくマルチメディアも使える。また、Evernote的に、ユーザ個人のジャーナルがクラウドに保存される。単一のインタフェイスから、1)共有、2)公開、3)プライベート、計三種類のコミュニケーションができる。プライベートの場合は、その相手先を適宜選べる(自分だけに送ることも可能…後述)。

インタフェイスには三つのタブがあって(下図)、いちばん左の’only me’はメッセージをクラウド上の自分用のプライベートの保存場所に送る。真ん中の ’shared’タブはメールやSMSのようにグループに対するメッセージのスレッドを作る。右端の’public’は、メッセージをクラウド上のパブリックの場所に送る…そこはTwitterに似ていて、ユーザのプロフィールがあり、フォローする/されるの関係があり、Facebook的に[いいね!]をしたり、コメントもできる。しかも、さらに、公開メッセージはjust.meの中でTwitterやFacebookにも送れる。

Just.me

just.meのメッセージは、一つのインタフェイスからマルチメディア(テキスト、写真、ビデオ、オーディオ)で送れる。マルチメディアによる短編みたいなものを作って、相手に再生させることもできる。一つのメッセージの中にいろんな成分を入れられることはGoogle Waveを思い出させるが、Teareはこの比較を拒絶する。今は亡きWaveは、“複雑すぎるし、あまりにもギーク向けだった”、と彼は言う。just.meに近いのは、むしろ、モバイルのFacebookだ、と。

要するにjust.meは、マルチメディアのメッセージを、メールのような一対一や一対特定多数から、Twitterのようなブロードキャストまで、いろんな段階のコミュニケーションモードで…しかもジャーナリング機能付きで…送受でき、しかもそれらを、たった一つのシンプルなインタフェイスからできる、というのが売りだ。つまりジャーナルアプリとメールクライアントとソーシャルネットワークを一つにしたようなもの。

統一的モバイルメッセージングvs.Web 2.0の壁

Teareが言いたいのは、“いろんなことをするのに、いろんなアプリケーションを使い分けなければならないのは、かったるいではないか”、ということだ。“just.meなら、たった一つのアプリのたった一つのインタフェイスから、メッセージング、パブリシング、そしてプライベートなジャーナリングを使い分けられる。しかもジャーナリングは、ユーザが意識しなくても自動的に行われる”。

just.me

“Facebookが最初からモバイルアプリで、アドレス帳を軸にすると決めていたら、just.meととてもよく似たものになっただろう”、と彼は言う。しかし、“今のFacebookで、友だちとの共有や、自分だけ用に保存、一般公開、などはすべてできるけど、そのためには相当苦労しなければならない。それが簡単にできる設計に、なっていないから。just.meは、Facebookと違って分散型のアーキテクチャだから、各機能の使い方が単純だ”。

ただしjust.meのそれぞれ独立した機能は、お互いを横断することができない。たとえば、公開メッセージへのリプライをプライベートにやる(あるいはその逆)ことを、メッセージを単純にコピーして即座にすることはできない。グループスレッドは、スレッドを創始した人が参加者を選べるが、スレッドを別のコミュニケーションモードに転送することはできない。Teareの説では、メッセージの作成者の意図がパブリックなら、それが途中どこかでプライベートにされるのはまずい、ということだ。

2008年にTeareは、“ポストPC時代のソーシャルネットワーク”を構想し、それが次第に進化してjust.meになった。今ではそれは、“高機能・多機能なメッセージングアプリ”だ。でも、スマートフォンが大衆的に普及したときには、巨大ソーシャルネットワークの壁の中よりは、こういうオープンでピアツーピアな相互メッセージングの方が、理にかなっている。Teareに言わせると、こういうメッセージングのアーキテクチャなら、何兆ものメッセージが複数のスマートフォン間を行き来する。個別のソーシャルネットワークの壁の中では、それは無理だろう。すなわち、これまでのスタンドアロンのソーシャルネットワークには未来がないが、just.meみたいなものには、大きな未来がある。

彼の思想は、要するに、誰もが自分のスマートフォンを使って分散ネットワークを簡単に構築できる時代においては、これまでの中央集権型のソーシャルネットワークは不要になる、ということである。しかもこの分散ネットワークは、eメールやそのアドレス帳をはじめ、従来からある個人プライバシーの仕組みに依存するので、巨大サーバ上のソーシャルネットワークよりもプライバシー保護が優れている。自分の個人情報が、どっか知らないところのセントラルリポジトリにある、という不安な状態はない(Teareは以前、Web 2.0はアドレス帳を盗む、という批判記事を書いたことがある)。ただしjust.meにも、システムがユーザのメールのアドレス帳や電話帳の情報を暗号化して保存し、その中の誰かがjust.meに参加したらユーザにお知らせする、という機能はある〔これはオプトアウトできるのか?〕。

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基本的にメッセージングだから、just.meは閉鎖的な会員制ではない。会員登録をしていない人でも、コンテンツは完全に可視だ。メールやテキストのリンクからjust.meのクラウドへ行くと、コンテンツをHTML5のフォームで見られる。ただし、just.meの全機能を使うためには会員登録が必要だ。たとえば、ぶらりと訪れただけの人は、メッセージへのリプライはできない。

ライバルPathとの違い

ソーシャルネットワークのBMWを自称するPath(Facebookは大衆的アメ車の代表Chevyだそうだ)と、どう違うのか。Teareは、Pathではあらかじめ決まった人たちのグループと共有できるだけだが、just.meではプライベート、グループ、パブリック(一般公開)と共有の3モードがあり、またその方式もジャーナリング、メール、ブロードキャストと複数種類ある。共有対象グループも、一つの特定の友だちグループだけではなく、共有の目的に合わせた指定ができる。

“単一の目的なら、Pathは良くデザインされたアプリだ。一つの特定のグループだけ、何もかもそのグループの全員と共有する、それならPathでよい。Pathは、デザインがすばらしい。しかしjust.meは、良かれ悪しかれ、全然違う”、とTeareは言う。“just.meは、単なる共有アプリではなく、メッセージングのアプリケーションだ”。

“もう一つの違いは、プライバシーやユーザ制御の点で重要と思うが、just.meではユーザが自分のスマートフォンのアドレスブックをもとに自分で共有対象を決められる。Pathの場合はそのサーバ上の中央集権的なクラウド上にアドレス帳がある。その点では、FacebookやGoogle+のような古いタイプのソーシャルネットワークと同じだ”。

Google+でも、ユーザが自分のコンタクトのいろんなグループ分けができる(Circle機能)。それにより、コンテンツごとに共有対象を変えられる。また一般公開の共有も可能だ。しかしTeareが言うには、just.meでは事前にCircleみたいなものを定義しておく必要がまったくない。アプリがユーザが過去に共有したグループ(誰々と共有したか)を記憶しているので、その記憶を再利用することも可能だ。使えば使うほど、アプリが記憶するグループの数も増える。

売上もあります

Just.meは2011年に270万ドルのシリーズA資金を獲得した。VCからの150万ドルの借り入れも合わせると、今お金には困っていないから新資金調達の予定もない。しかし潤沢とは言っても、Pathなどに比べるとささやかなものだ。just.meへの投資家はKhosla Ventures、SV Angel、Google Ventures、True Ventures、Betaworks、CrunchFund(TechCrunchのファウンダが経営, 今の親会社AOLが出資)、それにDon Dodge、Michael Parekhなどの個人だ。

just.meは、ユーザが自分のメッセージを保存するクラウドストレージも含めて無料になる予定だが、今後は企業利用を有料にする。個人は今後も無料を貫きたい、とTeareは言う。彼のヴィジョンでは、just.meは企業が接触をオプトインした消費者とコミュニケーションするための、最適のサービスである。

企業アカウントを有料にし、またjust.meのパブリッククラウドには宣伝的コンテンツもあってよい、とする。そういう有料化ポストは、レイアウトなどでそれとはっきり分かるようにする。それが、一応のビジネスモデルだ。その企業やブランドのファンは、そのアカウントをアドレス帳に載せることによって、バーゲンなどの案内を受け取れるようになる。企業側はそういう消費者ユーザのコンタクト情報を入手しないから、スパムのおそれはないし、また商業メッセージを受け取る設定を、いつでも自由にoffにできる。

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“広告とビジネスモデルに関しては、うち独自の態度で臨む。うちの信念としては、モバイルは、消費者へのターゲット広告によって有意義なメッセージを伝えることのできるプラットホームではない”。むしろTeareによると、モバイルをマネタイズするためには、“消費者とベンダとのあいだの関係を構築する以外の方法はありえない”。消費者側が全権を持つことによって、自分が好きなブランドとのコミュニケーションへオプトインするのだ。

“just.meは、関係を宣言する場としてすばらしい。ユーザ自身が自分の(自機上の)アドレス帳を操作することによって、その宣言ができる。これについては、特許を申請中だ。それはブランドにとって、この人にはメッセージを送ってよいという許可になる。メッセージは、売り出しでもクーポンでも宣伝でも、単なるお知らせでも、適切なものなら何でもよい”。

just.meのルック&フィールを作ったのは、デザイン担当のAlex Komarovだ。チームの総勢は14名、うち9名が技術者だ。彼らの担当分けは、iOS、Android、Web、そしてミドルウェアとバックエンド。4名がユーザインタフェイスとデザイン担当だ。メディアストレージにはAmazon S3を、メタデータにはAmazon DynamoDBを利用している。だから、インフラのスケーラビリティは完璧、とTeareは言う。

just.meのiOSアプリは10の言語を同時に立ち上げる: 英語、日本語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語。“これで十分”と言えるまで、今後も新しい言語を順次加えていく。最終目的は、グローバルなユーザベースの構築だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))