赤十字国際委員会のデータが流出、「弱い立場にある」51万5千人の個人情報が盗まれる

赤十字国際委員会(ICRC)の業務委託先がサイバー攻撃を受け、紛争や移住、災害などで家族と離ればなれになった「非常に弱い立場にある」51万5000人以上の個人データが流出していることが明らかになった。

赤十字国際委員会は、データの保存に使用しているスイスの業者の名前や、セキュリティ事故の原因については明らかにしていないものの、これらのデータは60以上の赤十字社および赤新月社のナショナルソサエティから提供されたものだと述べている。

声明の中で、赤十字国際委員会は攻撃者に対し、データの保護必要度を考慮して、情報を公に共有したり漏洩させたりしないようにと訴えている。

「あなた方の行為は、すでに計り知れない苦しみに耐えている人々に、さらに多くの傷と痛みを与える可能性があります。今、あなた方が手にしている情報の背後にいる実在の人物、実在の家族は、世界で最も無力な人々です。どうか正しいことをしてください。このデータを共有したり、売ったり、漏洩させたり、悪用したりしないでください」と、声明には書かれている。

この情報漏洩を受けて、同団体は紛争や災害で離ればなれになった家族を再会させることを目的とした「Restoring Family Links(家族のつながりの回復)」プログラムを停止した。

赤十字社の広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、盗まれた情報には、氏名、所在地、連絡先の他、同組織のプログラムの一部にアクセスするための認証情報も含まれていたとのこと。

今回のサイバー攻撃によって、51万5000人以上の氏名、所在地、連絡先などの個人情報が侵害された。被害を受けた人々の中には、行方不明者とその家族、親のいない子どもや親と離ればなれになった子ども、拘留者、その他の武力紛争や自然災害、移住により国際赤十字・赤新月社運動から支援を受けている人々が含まれる。また、これらのプログラムに従事する約2000人の赤十字社・赤新月社のスタッフおよびボランティアのログイン情報も流出した。赤十字の広報担当者であるCrystal Ashley Wells(クリスタル・アシュリー・ウェルズ)氏によれば、システムが細分化されているため、ICRCの他の情報が漏洩することはないという。

国際的な人権団体や災害救援機関がハッカーの標的となることは増えている。2021年、国連は正体不明のサイバー攻撃者にネットワークを侵害された。また、5月にMicrosoft(マイクロソフト)は、米国国際開発庁のメールアカウントがハッカー集団に乗っ取られ、数千人に悪意のあるメールが送信されたことを明らかにした。

画像クレジット:Alex Wong / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

量子クラウドデータセンターから量子鍵配送まで、量子サービス(QaaS)目指すTerra Quantum

スイス・チューリッヒを拠点とし、サービスとしての量子(QaaS)プラットフォーム(最終的には独自の量子ハードウェアを含む)の構築を目指すスタートアップ、Terra Quantumは、現地時間1月20日、2019年のシードラウンドでも出資したLakestarが主導し、6000万ドル(約68億5000万円)のシリーズAラウンドを実施したことを発表した。今回のラウンドに参加した他の投資家は、匿名を希望している。Terraによると、世界的に有名なドイツ最大級のファミリーオフィス2社と、世界的に最も影響力のある暗号資産投資家1社が含まれているとのこと。

Terra Quantumの背景にあるアイデアは、新しいエンドツーエンド量子プラットフォームを構築することだ。同社が独自の量子チップを開発するのはまだ数年先のことで、現在は量子アルゴリズムのライブラリや、量子鍵配送サービスなどの量子セキュリティツールを顧客に提供することに注力している。

独自のハードウェアについては「超伝導量子ビットに非常に関心がある」とのこと。現在、同社は模擬的な仮想量子ビットへのアクセスをユーザーに提供しており、トポロジーやアーキテクチャを問わず、現在利用可能なあらゆるハードウェアプラットフォーム上でワークロードをサポートできる。

Terra Quantumの創業者兼CEOであるMarkus Pflitsch(マルクス・フリッチュ)氏は、次のように述べている。「今回のシリーズA資金調達により、ディープテック分野のスタートアップからグローバルな量子ビジネスへと発展した当社が、量子コンピューティング分野での主導的な地位をさらに高めることが可能になります。初のハイブリッド量子クラウドデータセンター(QMware)と、量子鍵配送(QKD)に基づく超安全なグローバル量子プロトコルを発表した最近のマイルストーンを非常に誇りに思うとともに、これまでも、そしてこれからも私たちの道を支えてくれるすべてのパートナーのサポートに感謝しています」。

Terra Quantumは現在、自動車業界やバイオテック業界のDAX40企業を顧客に抱えている。

Terra Quantumは、今回の資金調達により、研究開発能力の拡大(独自の量子ハードウェアを構築する場合に必要となる)と、量子サービスの拡大(そのためにはハードウェアが必要となる)を計画している。

LakestarのパートナーでありCTOのStephen Nundy(スティーブン・ナンディ)氏は次のように述べている。「当社は、優れた技術を持つ創業者とのパートナーシップを強く望んでおり、Terra Quantumの量子技術の素晴らしい可能性を最初から信頼していました。Terra Quantumは、第二次量子革命を推進する上で、主導的な役割を果たすことを一貫して証明しています。その先駆的な量子アプリケーションは、例えば差し迫った量子暗号の課題を解決するなど、非常に大きな可能性を秘めています。我々は、Terra Quantumの世界規模での継続的な成長をさらに支援できることを非常に嬉しく思います」。

画像クレジット:ALFRED PASIEKA/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

サッカロンが生理用品のオフィス常設サービス「サニパ」提供開始、東京都渋谷区を皮切りに23区へ順次拡大

サッカロンが生理用品のオフィス常設サービス「サニパ」提供開始、東京都渋谷区を皮切りに23区へ順次拡大

ウェルネス事業を展開するサッカロンは1月19日、生理用品のオフィス常設サービス「サニパ」の提供を同日開始した。まずは東京都渋谷区近郊から先行スタートし、23区へ順次拡大する予定。生理用品の常設施設を増やし、女性の負担軽減を支援することを目標としている。

サッカロン(株)による生理用品の利用に関する調査」(対象:全国の20歳以上の女性100名。調査期間:2021年12月17日〜12月22日)によれば、女性の生理に関連する月あたりの支出は、もっとも多い37%の回答が「501円〜1000円」となっており、45%の人は金銭的負担が「とても重く感じる」または「少し重く感じる」と答えている。また、「業務中に生理用品を持っておらず困ったことがある」「生理用品を持ってトイレに向かうのが恥ずかしい」といった精神的な負担も訴えられている。こうした悩みを受け、「不均衡を軽減し、すべてのひとに公平な社会をつくる」との理念を掲げるサッカロンは、サニパによって身体的女性の負担軽減の支援を目指している。

サニパでは、女性トイレの共同スペースに生理用品が入ったディスペンサーが設置される。内容は、ナプキン2種類(普通の日用、多い日用)、タンポン2種類(普通の日用、多い日用)。自己負担なく自由に生理用品を使えるようにすることで、「企業の働きやすいオフィス実現を支援」するとサッカロンは話している。

また、ディスペンサー設置時は工事不要で、企業用のトイレ内に設置するため、各企業の意思で導入可能(設置に関するビル管理会社への相談の必要有無は、企業が契約するビル管理会社との契約に基づく必要がある)。従業員が自己負担なく自由に生理用品を使えるようにすることで、企業の働きやすいオフィス実現を支援する。サッカロンが生理用品のオフィス常設サービス「サニパ」提供開始、東京都渋谷区を皮切りに23区へ順次拡大

現在サッカロンでは、サニパの企業モニターを30社募集している。参加企業は3カ月間無料でサニパをオフィスに設置できる。応募要件は、東京都渋谷区周辺の企業であること、渋谷区周辺のオフィス一箇所に従業員数50人以上が在籍していることとなっている。詳しくは下記リンクを見ていただきたい。

https://sanipa.jp/support

消費者が自分のプライバシーデータを企業と共有、その見返りが得られるプラットフォームCadenが3.9億円調達

起業家のJohn Roa(ジョン・ロア)氏は、プライバシーの価値を信じている。2015年にデザインコンサルタント会社ÄKTAをSalesforceに売却した後、ロア氏はヨーロッパの島で数年間「世間から離れる」ことにした。

そして今、同氏はニューヨークに戻り、消費者が自分のデータを企業と共有し、その見返りとして報酬を得ることができるようにするスタートアップCaden(カデン)を立ち上げた。同氏はSalesforceで働いていたとき、長期休暇を始める直前に、データプライバシーの未来に関する論文の形で事業計画を書いたとTechCrunchに語っている。

事業計画を書いたときは「純粋に推論的なもの」だったとロア氏はいう。同氏は、サードパーティのデータ、つまり受動的に収集されたデータを保存する際に、規制によって企業に問題が生じると予想した。そして、ユーザーが自分の個人データを所有し、その使用について完全にコントロールして同意する「プライバシーファースト」の世界へ長期的には移行することを想定していた。

340万ドル(約3億9000万円)のプレシードラウンドでステルスモードから抜け出したばかりのCadenは、そうした世界を構築するためのロア氏の試みだ。このラウンドには、TechCrunchの親会社であるYahoo!の共同創業者Jerry Yang(ジェリー・ヤン)氏が、Starwood CapitalのBarry Sternlicht(バリー・スターンリヒト)氏、Citigroupの元CTO、Don Callahan(ドン・キャラハン)氏、その他のエンジェル投資家とともに参加した。

Cadenの創業者ジョン・ロア氏(画像クレジット:Caden)

同社は自らを「ゼロパーティ」データプラットフォームと呼んでいる。これは、ユーザーが自発的にのみブランドとデータを共有することを意味する。同社の主力製品の1つは、ユーザーが個人データを保存し、そこから導き出される洞察を見ることができる暗号化された「デバイス上の金庫」だ。この機能をロア氏は、Spotifyの「Year in Review」になぞらえたが、より広範な嗜好や行動パターンを網羅している。

Cadenの2つ目の主力製品はLinkと呼ばれるAPIで、ユーザーは自分のメールや銀行などのアカウントに接続し、データを抽出して金庫に保存することができる。ひとたび金庫に保存されると、ユーザーはCadenに保存されたデータの最終的な所有者であるため、いつでも信用する特定の企業にデータ使用の許可を与えたり、あるいは許可を取り消したり変更したりすることができる、とロア氏は話す。

同氏のチームは9カ月前にこの技術に取り組み始め、今後6カ月以内にベータ版のモバイルアプリを市場投入する予定だ。同氏はこのアプリを預金口座に例え「ユーザーは自分のデータに対する報酬をすぐに受け取り始めることができるようになる」と述べた。

米国の大多数の州では、2018年に制定されたカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)と同様の法案が成立、または検討されている。この法律では、消費者は企業による自身の個人情報販売をオプトアウトする権利が与えられている。企業は長年にわたってユーザーに関するサードパーティデータを収集してきたが、監査やコンプライアンスの要件が厳しいため、企業にとってサードパーティデータ収集は「資産というより負債」になっているとロア氏は話す。「ゼロパーティ」のデータは、ユーザーから直接取得するため、より正確で堅牢だと付け加えた。

Cadenは、まず消費者ブランドを引き付けたいと考えている。なぜなら、データへのより良いアクセスによって得られるものが最も大きいからだと、投資家のジェリー・ヤン氏はTechCrunchに電子メールで語った。

「データの収集と保存、洞察の推測、保護、サードパーティデータの購入、そしてそれらをすべて最新に保つためにどれだけの努力とリソースが必要でしょう。Cadenは多くの企業が自分たちでそれをせずに利用できるようなプラットフォームソリューションを作り出しているのです。最初の段階を超え、Cadenは消費者向け企業をしのぐことができると確信しています」とヤン氏はいう。

この分野に進出した企業は、Cadenが初めてではない。Datacoup(データクープ)は2012年に、ユーザーが自分のデータを企業に直接販売できるプラットフォームとして挑んだ。しかしユーザーがわずかな金額しか稼げなかったため、2019年に閉鎖に至った。消費者データは価値を評価するのが難しく、企業はその対価をできるだけ少なくする方法を探そうとする。

ロア氏は、Cadenが優れたユーザー体験を提供することでこうした課題を克服できると考えている。

一般にブランドは、ユーザーにデータを返したがらないが「今は、法律的には返さなければなりません。しかし、その手間を省く必要はありません」とロア氏は述べた。

「Cadenや他社がやっているのは、完全にユーザー主導のプロセスをより合理的なものにする方法を考案することです。ですので、サードパーティにデータを返すよう促す必要はないのです」と付け加えた。

また、直接的な支払いだけでなく、より良いブランド体験を通じて、消費者のために無形の価値を引き出したいと同氏は考えている。

「Cadenを使うことで、あなたの生活が少し楽しくなったり、あなたのためになることがあったり、話しかけられたりする。当社が注力している価値のポイントです。そしてこの点は、同業他社の多くが苦労しているところです」とロア氏は述べた。

画像クレジット:Caden

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Nariko Mizoguchi

リモートワークとクラウドの大量導入で1Passwordが約706億円の特大資金獲得、評価額約7740億円に

パスワード管理プラットフォームの1Passwordが6億2000万ドル(約705億7000万円)という巨額のシリーズCを終え、68億ドル(約7739億5000万円)の評価額となった。

この投資をリードしたのはIconiq Growthで、Tiger GlobalやLightspeed Venture Partners、Backbone Angels、そして同社の2億ドル(約227億6000万円)のシリーズA1億ドル(約113億8000万円)のシリーズBをリードしたAccelが参加した。その他の投資家としてCrowdStrikeのCEOであるGeorge Kurtz(ジョージ・カーツ)氏やGeneral MotorsのCEOであるMary Barry(メアリー・バリー)氏、そしてLinkedInの会長Jeff Weiner(ジェフ・ワイナー)氏らも参加した。また、このラウンドでは個人投資家のRyan Reynolds(ライアン・レイノルズ)氏やRobert Downey Jr.(ロバート・ダウニー・Jr.)氏、そしてJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)氏らからの投資もあった。

この特大のラウンドは、1Passwordのこの1年間の目覚ましい成長の結果によるものだ。同社はTechCrunchに、2021年7月のシリーズB調達以来、有料ビジネス顧客ベースが9万人から10万人以上に増え、Datadog、Intercom、Snowflakeなどの大企業加入者を加え、社内従業員数を475人から570人に増えたと述べている。この背景には、リモートワークやハイブリッドワークの継続、クラウドアプリの急速な普及、仕事による燃え尽き症候群の加速という3つの要因があると同社はいう。

同社によると、後者の点は特に懸念すべきサイバーセキュリティの脅威となりつつあるという。オフィスワーカーの80%、セキュリティ専門家の84%が、パンデミックの結果、燃え尽きたと感じており、12%が結果的に職場のすべてのものに同じパスワードまたはほんの数種のパスワードを使っていることが判明しているという。

「ストレスや燃え尽き症候群があると、2つのことが起こることがわかっています。まず、人は簡単な方法を探します。過労になると、セキュリティを後回しにするようになるのです。ストレスと燃え尽き症候群のもう1つの副作用は、変化したいという願望であり、それは大量辞職が起こります。IT部門が認識していないアプリやサービスを持ち出すことになるので、セキュリティの問題につながります」と1PasswordのCEOであるJeff Shiner(ジェフ・シャイナー)氏はいう。

1Passwordは、今回調達した資金を継続的な成長のために使用する。同社は、エンジニアリングおよびカスタマーサポートチームを3倍に増やし、サインインの成功と失敗を可視化する、ビジネスに焦点を当てたイベントAPI機能を構築し、さらに買収資金を調達する予定だという。

「戦略的買収を検討しています」とシャイナー氏はいう。「私たちは2021年にSecret Hubを買収しましたが、今後も買収を検討し、それらが私たちのミッションと目標の達成にどのように役立つかを検討していきます」。

最終的に、シリーズCの資金調達ラウンドで1Passwordにかなりの資金が提供されたが、Shiner氏は同社には「まだ」イグジットの計画はないという。

シャイナー氏にとって「資金は、これから大きなことをやろうとするときの安心材料」になるという。

関連記事:企業の秘密を「マシン・ツー・マシン」で保護する1Passwordが110億円調達、約2180億円の評価額に

画像クレジット:Boris Zhitkov/Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイナポイント第2弾は6月本格始動、保険証登録などで1万5000円

マイナポイント第2弾は6月本格始動、保険証登録などで1万5000円

マイナポイント第2弾が6月に本格始動します。岸田文雄首相が1月20日の参院本会議で明らかにしました。

マイナポイント第2弾では、下記3つのキャンペーンを用意します。

1つ目は、マイナンバーカードを新規に取得した人に、最大5000円相当のポイントを還元します。マイナンバーカードをすでに取得した人のうち、マイナポイント第一弾の未申込み者も対象となります。

2つ目は、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録を行った人に、7500円相当のポイントを付与します。すでに登録・利用申込みを済ませた人も対象となります。

3つ目は、マイナンバーと公金受け取り口座を紐付けた人に、7500円相当のポイントを付与します。

このうち、1つ目のキャンペーンは今年1月1日より開始済。6月からは2つ目と3つ目のキャンペーン(合計1万5000円分)が始まることになります。

マイナポイント第2弾が本日(1月1日)スタート 当初は限定展開

Engadget日本版より転載)

ツイッターが「コミュニティ」機能を全Androidユーザーにも公開

Twitter(ツイッター)は、同サービスの「コミュニティ」機能を全Android(アンドロイド)ユーザーに提供する。iOSとウェブへの導入から4カ月後のことになる。ソーシャルメディアの巨人は、AndroidユーザーはTwitterアプリを最新バージョンにアップデートしていれば、コミュニティ機能を使えるようになったと語った。最初のコミニュティに参加した時点で、アプリのナビゲーションバーにコミニュティタブが現れる。

関連記事:ツイッターがついに「コミュニティ」機能導入、簡単に共通の関心事でつながれるように

同機能は、共通の興味に基づいて他のユーザーと簡単につなることを目的にしている。ユーザーは、さまざまなソーシャルハブに参加して、通常のグループやフォロワーとは別に、興味を共有している人たちに向けて直接ツイートできる。そのツイートは全体に公開されるが、リプライできるのはそのコミュニティのメンバーに限られる。Twitterは、同機能の利用が導入以来伸び続けていて、毎週新しいいくつものコミュニティが作られ、何千人もの人たちがRoblox(ロブロックス)、Xbox Community(エックスボックス・コミュニティ)、Tech Twitter(テック・ツイッター)、Fashion(ファッション)、R&B Twitter(アール・アンド・ビー・ツイッター)、Formula 1(フォーミュラ・ワン)などさまざまなトピックスに参加しているという。

2022年1月初め、Twitterはコミュニティの更新と拡張の計画について詳細を発表した。同社によると現在、コミニュティは招待のみか全体公開のどちらかしかない。しかしTwitterは、管理者や司会者が承認または却下できる「参加申請」オプションを検討している。さらに同社は、コミニュティで話題になっているツイートをタイムラインのトップに表示する「Ranked Timesline(ランク順タイムライン)」のテストも行う予定だが、ユーザーには時間軸順にタイムラインを表示するオプションも残されるという。

そしてTwitterは、ユーザーがコミニュティ内で自己表現する方法をいろいろ考えているという。司会者がコミニュティで注目されているコメントをハイライトさせる方法も検討している。さらにTwitterは、ユーザーと司会者が互いにQ&Aを行う仕組みもテストする予定だ。

Twitterのコミュニティ機能は、クリエイターコミュニティを推進する同社の取り組みとも相性が良い。2021年、同社はオーディオルーム向けにSuper Follows(スーパーフォロー)やTicketed Spaces(チケット制スペース)などの有料サブスクリプション機能を導入した他、1回限りの支払いができるTip Jar(現在はTips[チップ]に名称変更)も公開した。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nob Takahashi / facebook

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」レポート

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」レポート

編集部注:この原稿はMIRAISEパートナーの布田氏による寄稿である。MIRAISEは、ソフトウェアエンジニアが起業した会社に対して投資する日本で唯一のベンチャーキャピタル。日本、米国、エストニアなどに拠点を置く企業に投資しており、ソフトウェアスタートアップ36社に出資を実施している(2021年12月時点)。普段より国内外のソフトウェアスタートアップを調査し、テック企業の方と交流し情報交換を行っているという。同社からスタートアップに関わる方に向け今年2022年のトレンドを発表しており、同社サイトでは「【MIRAISE TREND 2022】フルバージョン」を公開している。

背景

世界各地で加熱するスタートアップのビジネスや、急速に進歩していく技術のトレンドを把握することは決して簡単なことではありません。

「MIRAISE TREND 2022」はビジネストレンドとは違いテクノロジーを起点としたトレンドレポートとなっています。

MIRAISEはソフトウェアエンジニアが起業した会社へ投資する日本で唯一のベンチャーキャピタルです。そんな私たちが、年間200件以上のエンジニア起業家と情報交換を通じて見えてきた次世代のトレンドを「ソフトウェア技術×スタートアップ」という軸をもとに7つのキーワードでまとめました。本レポートが、スタートアップに関わる多くの方の目にとまり、エンジニア起業家やソフトウェアテクノロジーへ興味を持っていただけるとうれしいです。

MIRAISE TRENDにおける7つのキーワード

  1. クリエイティブ制作のクラウドへのシフトが加速
  2. ウェブの3D技術がついに日の目を浴びる
  3. オープンソースソフトウェアのマネタイズ手法が多様化
  4. ユニコーン企業のプラットフォーム化が進む
  5. パーソナルサーバー2.0
  6. VRアプリが急増
  7. クラウドサービスの多層化

1 クリエイティブ制作のクラウドへのシフトが加速 ― Creative production shift to Cloud

これまで、プログラミングやデザイン、動画編集などコンピューターのマシンパワーを必要とする作業は、WindowsやMacのデスクトップアプリケーションとして提供されてきました。

単独での作業では不都合はないですが、チームでのコラボレーションでは各人が作業したものをサーバーにアップロードし、他の人がダウンロードして編集して再度アップロードする手間が必要になります。

Google DriveのDocumentやPresentationなど軽量なデータのやり取りはブラウザー上で同時にアクセスして共同で編集することが可能になっていますが、クリエイターが使うツールはこれまでほとんどありませんでした。

しかしここへきて、ブラウザー周辺の技術進歩やリモートワークの普及により、クリエイターが使うツールをブラウザーで動くようにするソフトウェアを開発するスタートアップが増えてきています。

累計9000万ドル(約98億9000万円)以上を調達している動画制作のコラボレーションツールを開発しているFrame.ioは、Adobeに12億7500万ドル(約1400億円)で買収され、エンジニア向けのオンラインコラボレーションツールのRepl.itは2021年2月に2000万ドル(約22億8000万円)、同年12月に8000万ドル(約91億3600万円)を調達しています。

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」

出典:Frame.io。Adobeが買収したFrame.ioは高度な動画編集をコラボレーションしながら作成することができる

背景の1つに「個の職人化」もあるでしょう。PC性能の向上や、インターネットの普及に伴いプロの技術やノウハウが広く共有されることで、それまで趣味程度だった個人のクリエイティビティがお互いに刺激を与え合い、爆発的にクオリティが高まっています。クリエイターの裾野が拡大する中、柔軟なコラボレーションを支えらえる方向へツールが向かっていくのは自然な流れです。

歴史的にみると、シンクライアント(Thin Client)とファットクライアント(Fat Client)の中間に位置するリッチクライアント(Rich Client)の隆盛といっていい状況です。ウェブ技術の進化と、クラウド側の計算力向上(計算のためのコスト低下)が大きく進化したことが大きな要因です。

2 ウェブの3D技術がついに日の目を浴びる ― Web 3D technology finally sees the light of day

2000年、Epic Gamesのゲーム「フォートナイト」内でのバーチャルライブにおいて、ラッパーのTravis Scott(トラビス・スコット)が2700万人を動員し20億円以上の売上げを記録。Epic Gamesは、2021年4月にはメタバースのために10億ドル(約1090億円)の資金調達を実施しています。またFacebookが社名をMetaに変更したことで一気にメタバースという単語が浸透しました。

注目すべきは、今までおもちゃのような扱いを受けてきたウェブ上の3D技術が、急速に意味のあるものへと価値を高めていることです。2Dのウェブサイトにおける3Dの技術は用途が限定されていましたが、メタバースの世界ではユーザーは2Dと3Dを行き来しやすくなり、ウェブの3D技術に取り組む企業が重要になると予想します。今ほとんどのウェブコンテンツは2Dのままであり、そのコンテンツと3Dの接点がウェブの3D技術になっています。

3D eコマースのVNTANAはECサイト上で製品を3Dに見せる技術を持っており、2021年11月にシリーズAで1250万ドル(約14億2200万円)を調達し、投資家の中にはOculus前CEOのBrendan Iribe氏も参加しています。「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」レポート

3 オープンソースソフトウェアのマネタイズ手法が多様化 ― Monetization of OSS diverse

オープンソースソフトウェア(OSS)のマネタイズ手法は、古くはサポートに始まり、現在はホスティングが主流になってきています。たとえばデータ解析ツールのRedashは、OSS版を自前でサーバーへホスティングする場合は無償で提供し、Redashのホスティングを行う場合は月額の料金がかかるというビジネスモデルです。

多くのOSSがサーバーへのホスティングをマネタイズ手法にしている中、新しい手法も増えてきました。ワークフローマネジメントツールのOSSを開発しているPrefectは、ホスティングではなく正常に動いているかのモニタリングサービスでマネタイズしています。また日本のフレームダブルオー(FRAME00)は、ブロックチェーン技術を応用したDi-Fiを使用し、OSSプロジェクトへユーザーが暗号資産Devトークンを預けること(ステーキング)で発生するリターンをOSS開発者と支援者双方に還元するような仕組みを提供。これまで1600件以上のOSSプロジェクトに3億円以上が預けられています。

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」

出典:Dev Airdrop。DevプロトコルのStakes.socialのAPYは50%近い

OSS開発はコミュニティがベースとなっているので、同じくコミュニティによる運営がなされているトークンとの親和性は非常に高いです。このようにOSSプロジェクトや、OSSでプロダクトを提供している運営会社はトークンによる資金調達やマネタイズが進んでいくと、法定通貨の時価総額だけではその事業体の価値が測れなくなってきます。

特に事業投資を行うベンチャーキャピタルなどは、投資対象の事業体を目利き(評価)する際には、これまでの法定通貨による帳簿、財務諸表だけでなく、より実態を見極めることが大事になります。米VC、Andreessen Horowitz(a16z)がOSSへの投資を拡大していることからもわかる通り、今まで「ボランティア」「儲からない」と考えられていたOSSが投資の観点からも目が離せなくなってきました。

4 ユニコーン企業のプラットフォーム化が進む ― Opportunity by platforming unicorn companies

ユニコーン企業は今や800社以上あり(2021年9月時点)、2021年は1営業日に2~3社ユニコーンが誕生している計算になります。特筆すべきはユニコーン企業が提供するデータ(API。Application Programming Interface)を使ったプロダクトを開発する企業群が次のユニコーンになりつつあることです。

デザインデータを自動でコード化するツールを手がけるAnimaは、デザイン作成ツールを提供しているユニコーン企業FigmaのAPIを使用しサービスを提供しており、2021年9月に1000万ドル(約10億9900万円)を調達しています。

国内でも、ラクスル傘下のペライチが、ノート・ワークスペースサービスを提供するNotionのAPIを使って簡単にウェブページを作成できるWraptas(旧Anotion)を買収しています。

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」

出典:Unicorn Board Leaps To Just Under 1,000 Companies, Reaches $3.4T In Value。2021年に入りユニコーン入りする企業が加速

古今東西、あらゆるプロダクトは普及が進むと、意図的にあるいは強制的にプラットフォーム化していく運命をたどります。ソフトウェアが席巻する今、その傾向はより顕著です。

これまでは歴史と権威のある企業のみが信頼できるインフラを提供しているイメージでしたが、ソフトウェア時代になり、テックを牽引しているスタートアップの持続性と信頼性が増てインフラ化し、その上にさらに新たなサービスが生まれています。ユニコーン企業が次のユニコーン企業量産のためのプラットフォームになっているのです。

APIとエコシステムの考え方

この文脈で最も重要なのは、上記でも触れているAPIとエコシステムの考え方です。囲い込みの時代にはとうの昔に幕が降ろされ、今や「API連携なくして成功なし」と言い切れる状況です。API自体は新しいものではなく、以前から存在していました。何が変わってきたのでしょうか。

過去APIを提供していたのは主にWindowsやMacなどのOSでした。サードパーティはOSのAPIを使って、そのOS上で動作するアプリケーション(画像編集ソフトやブラウザーなど)を開発していました。つまりエコシステムがOSごとに存在していたのです。

それがウェブアプリケーション全盛時代になると、多数のユーザーを持つウェブアプリケーションがAPIを公開するようになります。それによりアプリケーション同士が「横に」つながり合い、機能が拡張されたり用途が広がるのです。

つまり、他社とのAPI連携によって、自社だけでは実現できないレベルでユーザーの利便性が大きく向上するということです。自社サービスは、その循環の一部として存在することで、自社のサービスの利用頻度やユーザー数がさらに増えるというわけです。

5 パーソナルサーバー2.0 ― Personal Server 2.0

今現在、自宅にサーバーがあると聞いてどのような印象を持つでしょうか。きっとマニアックなハッカーやエンジニアなど一部の限られた人種の所業に違いないと思われるでしょう。しかし、10年後には自宅にサーバーがあることが当たり前になっている可能性があります。

プライバシーの観点から、ビッグテックなどプラットフォームへの信用度が落ちる中、データを自分でコントロールしたいユーザーは増えているものの、残念ながらそれに見合ったサービスは出てきていません。ただ、水面下でその問題に取り組むスタートアップは増えています。

Functionlandは、Google PhotosやApple Photosと同様の機能を自宅サーバーでホスティング可能なオープンソースのソフトウェアPhotosを提供。またUmbrelは、ビットコインのライトニングネットワークを自宅で運用できるハードウェアを販売しています。そのハードウェア内にはストアがあり、メールサーバーやチャットサーバーなどをコードを書かずにApp Storeのようにインストールできます。

近い将来、誰もがWi-FiルーターやAppleTVと同じように自宅にサーバーを置く時代が来ることが予想されます。

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」

出典:Umbrel raises $3M in seed round to get a server in every home。2020年に発行されたライトニングネットワークのノードの90%をUmbrelが動かしている

これはクラウドのディスラプションでもあります。データのプライバシー強度に応じて、その保管場所がクラウドまたはパーソナルサーバーに自動的に振り分けられるようになるかもしれません。

一方、パーソナルサーバーにデータを保管した場合の懸念は、バックアップを自分で取る必要があることです。IPFSなどの分散ストレージを活用することでデータを冗長化する方法も考えられます。さらに自身もパーソナルサーバーのストレージ提供することで暗号資産Filecoinを対価として得るといったクラウドビジネスの個人化が起きるかもしれません。

もう1つの観点は、個人開発者が気軽にオンラインサービスの提供者になりえることです。自分で作ったサービスをホスティングなしで手軽に公開できるようになるし、何より面白いのは、それをApp Storeで販売することも可能になる点です。

クラウド提供事業者にとっては、ビジネスが競合するためにイノベーションのジレンマが生じます。どのタイミングでどのようにパーソナルサーバーとの差別化をクラウド側に盛り込んでいくのか、舵取りを迫られるかもしれません。

6 VRアプリが急増 ― VR apps surge

VR業界の主なマネタイズ手法は、開発したアプリをSteamやOculus Storeで売り切りで提供することでした。ただこの方法では、たとえば有名なゲームの開発などできれば一時的に収入は上がる一方で、安定して収入を得ることは難しいです。

Metaは2021年、Oculus Questプラットフォームの開発者向けにサブスクリプションでの課金の仕組みを公開しました。また、VR内への広告サービスを開始することも発表しています。

VRアプリのマネタイズ方法が増えることで開発者も増えることが予想されます。

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」

出典:2020 AUGMENTED AND VIRTUAL REALITY SURVEY REPORT。2020年まではマネタイズ手法が確立されていない状況が伺える

VRアプリが増えることはとても楽しみですが、そうなった場合モバイルアプリにおけるApp StoreやGoogle PlayのようにVRプラットフォームが手数料を取るようになっていくのは間違いないでしょう。

各陣営でプラットフォーム競争が起こり、さらにはキラーアプリがすべてのプラットフォームで使えるようになることでEpic Gamesのようにアプリ側が強くなるという、モバイルアプリと同じ流れがVRアプリにも起きることが予想されます。

7 クラウドサービスの多層化 ― Overlay cloud service

クラウドサーバーが一般的になった現在、物理サーバーを触る人はほとんどいなくなってきました。今のクラウドサーバーはMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)、Amazon Web Services(AWS)の3強体制が続いておりm大企業から個人開発者までこの3社のクラウドを直接契約しています。

しかし、それも少しずつ変化してきており、3強のクラウドよりも特化し、より使いやすいUIを備えたクラウドを提供するスタートアップも増えています。

フロントエンドのホスティングに強いVercelは、2021年6月にシリーズCラウンドで1億200万ドル(約113億円)、11月にシリーズDで1億5000万ドル(約171億円)の大型調達を立て続けに実施しており、静的サイトのホスティングに強いNetlifyもシリーズDで1億500万ドル(約119億8000万円)を調達しています。

開発者はこれらのサービスを使うことでMicrosoftやGoogle、Amazonと契約しない時代に差し掛かっています。

「ソフトウェア技術×スタートアップ」を軸に7つのキーワードでまとめた「MIRAISE TREND 2022」

出典:Global Cloud services Market Q1 2021。グローバルのシェアではAWS、Microsoft、Googleがトップ3の位置にいる

現在多くの開発者は、使いたいツールの制約によってクラウドを使い分けています。例えばベースはAWSだが、バックエンドにFirebaseを使いたいので部分的にGCPにしているようなケースです。

クラウドサービスの多層化とは、AWS、GCP、Azureといったベースクラウド層を隠蔽またはオーバレイする(自動振り分けする)レイヤーを意味します。そもそもツール(アプリ)の要請を受けて低レベルのクラウドを合わせるというのは技術的にはおかしな話です。

現在のプログラマーがメモリー管理を気にせずコーディングできるようになっているのと同様、レイヤーをまたぐような心配事が取り除かれていくことでアプリケーション開発に集中できるようになります。組み込み用途などを除きポインターを知るプログラマーが希少種になっているように、近い将来AWSを知らないウェブ開発者が増えていくかもしれません。

いずれにせよ、ウェブアプリケーション開発が複雑化するにつれて、クラウドオーバレイの要望は高まっていくでしょう。巨大なアプリケーションになると、自前でクラウドを持つ流れも起きています。DropboxもAWSから自前のクラウドへ移行したことで売上原価が大幅に改善しIPOに至った事例が代表的です。


画像クレジット:Vlad Deep ON Unsplash

世界に通用する女性エンジニアを育成するオンラインブートキャンプ「Ms. Engineer」が7500万円のシード調達

世界に通用する女性エンジニアを育成するオンラインブートキャンプ「Ms. Engineer」が7500万円のシード調達女性エンジニアを育成するオンラインプログラミングブートキャンプ「Ms.Engineer」(ミズエンジニア)を運営するMs.Engineerは1月20日、シードラウンドとして総額7500万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、NOW、iSGSインベストメントワークス、ほか個人投資家数名。

調達した資金は、「Ms.Engineer事業を運営する人材の採用」「戦略的パートナーシップ提携」にあてる。これにより、スクールカリキュラムの質を向上させながら、さらに多くの女性ハイクラスエンジニアを輩出する。

  • Ms.Engineer事業を運営する人材の採用:Ms.Engineer事業を通じ「リスキリングの力で世界を押し上げる」というビジョンの実現に向け、人材を募集する
  • 戦略的パートナーシップ提携:日本のIT業界のジェンダーギャップに課題解決に賛同する、国内トップIT企業とのパートナーシップの提携を進める。Ms.Engineer受講者に限った、実践的な就業機会や特別採用選考フローなどを提供

Ms.Engineerは、未経験から最短6カ月で世界に通用するクラスのエンジニアを育成する、女性のためのオンラインプログラミングブートキャンプ。プログラミングブートキャンプ「Code Chrysalis」(コードクリサリス)ととカリキュラム提携を行い、エンジニアに必要なプログラミングや応用技術、世界的なハイクラスエンジニアを目指す際に必須となるコンピューターサイエンス、アジャイルの概念、ソフトスキルなどを組み込んだ高度なカリキュラムを通じ、一般的なプログラミングスクールでは学びにくい最高峰のテクノロジーを短期間で身に付けられるとしている。

また、あえて女性のみの学習環境を用意することで、女性ならではのライフスタイルに寄り添った学びやすさやサポート体制を提供している。

Ms.Engineer代表取締役社長のやまざきひとみ氏は、「ジェンダーギャップ解消の速度を、女性の雇用環境を改善するという手段でさらにブーストする存在になります。エスカレーターに乗りたいという意志のある女性が報われる社会を創る側にまわります」とコメント。

「女性がエンジニアになるというのは、今最もそれに近い手段であり、切符です。1人でも多くの女性がその切符を手に人生を変えられるように、今回いただいたチャンスを最大限生かし、Ms.Engineerのチームとして誠心誠意で挑んでいきたいと思います」と話している。

中小企業の営業とサポートチーム向け自動化プラットフォームSaaS Labsが約48億円を調達

SaaS Labs(SaaSラボ)は、中小企業の営業およびサポートチーム向けの自動化プラットフォームを積極的に成長させるため、前回の資金調達完了から3カ月足らずで新たな資金調達ラウンドで4200万ドル(約48億490万円)を調達し、2社のスタートアップを買収した。

SaaS LabsのシリーズBラウンドは、Sequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インディア)が主導した。このラウンドには、既存の出資者であるBase 10 Partners(ベース10パートナーズ)とEight Roads Ventures(エイト・ロード・ベンチャー)の他、起業家の Anand Chandrasekaran(アナンド・チャンドラセカラン)氏、Allison Pickens(アリソン・ピケンズ)氏、Michael Stoppelman(マイケル・ストッペルマン)氏、Amit Agarwal(アミット・アガーワル)が参加している。今回の資金調達は、カリフォルニアとノイダを本拠地とする同スタートアップが10月に行った1800万ドル(約20億5800万円)のシリーズA調達に続くものだ。

大企業やエンタープライズ向けには、営業やサポート業務の効率化をもたらすツールが数多く存在する。しかし、中小企業には同じことは当てはまらない。これが、Gaurav Sharma(ガウラブ・シャルマ)氏が米国で立ち上げたHelloSociety(ハローソサエティ)というベンチャー企業で得た学びである(この会社は、New York Timesに買収された)。

彼はTechCrunchのインタビューで「中小企業は、彼らの指先にあるソフトウェア製品を見てみると、それほど愛されておらず、十分なサービスを受けられていないことがわかる」と語っている。それに比べて大企業は「エージェントの生産性を向上させるためのすばらしいツールにアクセスできる」と彼は述べている。

SaaS Labsはこの6年間、中小企業の営業チームやサポートチームを強化するために「同じくらい強力」なAI搭載ツールを構築してきた。これらの製品はノーコードソリューションであり、導入のためにITチームを持つ必要性を排除している。

「これらのツールはまた、非常に手頃な価格で、中小企業が依存する他のビジネススタックやオンプレミスのハードウェアソリューションとシームレスに統合することができます」と同氏は語る。

現在、1500万人以上の販売・サポート担当者が直面している課題は、コールログやCRMツールを手動で更新しなければならず、そのツールは上司にリアルタイムの更新情報を提供するようには設計されていないということだ。このため、彼らのコミュニケーションチャネルにギャップが生じ、リアルタイムに介入することができないのだ。

中小企業が営業やサポートチームのためにクラウドベースのコンタクトセンターを数分で立ち上げることができるSaaS LabのJustCallのダッシュボード(画像クレジット:SaaS Labs)

「顧客とのコミュニケーションを行う5人のチームを持つと、大混乱が起こり始めるものです。例えば、JustCall.ioは100以上のビジネスツールと統合されており、これらのチームが利用することができます。JustCallは1億件以上の通話データベースを持ち、機械学習によって通話の品質やプレイブックやワークフローが守られているかどうかを確認することができます。管理者は、すべての通話をふるいにかけるのではなく、評価の低い通話だけを見ることができるのです」と同氏はいう。

このスタートアップは、全世界で6000社以上の顧客を獲得している。小規模な企業であれば、月々25ドル(約2800円)程度の支払いで利用でき、ビジネスの成長とともに年額数万ドル(数百万円)の支払いに移行していくのが一般的である。

顧客のうち70%以上が米国、10%が英国に拠点を置いている。顧客にはGrab(グラブ)、GoStudent(ゴースチューデント)、Booksy(ブックシー)、HelloFresh(ハローフレッシュ)などが含まれる。

同スタートアップは何年も黒字を続けており、2021年は売上を2.5倍に伸ばしたという。

米国時間1月20日には、2つの買収も発表した。ポーランドに拠点を置くCallPage(コールページ)は、営業チームがリードと即座につながるためのコールバック自動化ツールで、フランスに拠点を置くAtolia(アトリア)は生産性とコラボレーションツールである(彼らのチームは、正社員としてSaas Labsに参加する予定だ)。シャルマ氏は、これらの買収はSaaS Labsの製品提供の幅を広げ、さまざまな市場での足跡を深めるのに役立つと述べている。

シャルマ氏によると、今回の資金の一部は、さらに多くのスタートアップを買収するために投入される予定だという。

「当社は十分な資本を有していますが、今回の資金調達により、成功した事業をさらに強化したり、優れた人材をグローバルに採用したり、革新的な製品を発売したり、ブランドマーケティングに注力したり、戦略的M&Aを積極的に行うために必要な資金を確保することができるようになります。中小企業が営業、サポート、マーケティングなどさまざまな機能を現代化するためにソフトウェアを導入し続ける中、SaaS Labsはこの機会を捉え、今後5~7年で30倍の成長を遂げることができると確信しています」。と述べている。

彼は、今後4~5年以内にSaaS Labsを上場させることを視野に入れているという。

「SaaS Labsは、中小企業向けのマルチチャネルの顧客コミュニケーションプラットフォームを構築しています。一連の製品を通じて、デジタルの効率性とオフラインのコミュニケーションチャネルの親密性を融合させた体験を提供しています」と、Sequoia Capital IndiaのMDであるTejashwi Sharma(テジャシュウィ・シャルマ)氏は声明で述べている。

「例えば、同社の主力製品であるJustCallは、大きなインパクトを与えることができました。顧客は、平均して1人のエージェントが手作業で行う時間を週に12時間短縮したと報告し、顧客満足度は30%向上しました。Sequoia Capital Indiaは、顧客コミュニケーションの未来を築くガウラブとそのチームと提携できることをうれしく思っています」とも述べている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

任天堂旧本社屋を改装したホテル「丸福樓」が4月開業、7つのスイート含む全18室の調度品が異なり1泊10万円から

任天堂旧本社屋を改装したホテル「丸福樓」が4月オープン、7つのスイートを含む全18室の調度品がすべて異なり1泊10万円から

任天堂旧本社社屋を改装したホテルが2022年4月に開業し、正式名が「丸福樓(まるふくろう)」になることが発表されました。

グランドオープンに先がけ、1月20日より公式Webサイトにて宿泊予約が開始されました。客室料金は1室2名利用で1泊10万円(税込)から(朝食・夕食・飲物・軽食含む)。

もともと任天堂の創業は1889年、京都の平安神宮近くの「京都市下京区正面通り大橋西入る」の地でした。

今回話題となっている旧本社ビルは京都市下京区鍵屋町にあり、竣工は1930年のこと。1947年に設立された「株式会社丸福(任天堂の前身)」が1950年から本社として使っており、正確には「創業から2代目の社屋」となります。

そんな旧本社社屋は2020年初め、ホテルに改装される計画が発表。当時は2021年夏に開業予定とされていましたが、ようやく実現にこぎ着ける見通しです。

この「丸福樓」は既存の建物と世界的建築家・安藤忠雄氏が設計監修した新しい建物が融合した、全18室のホテルです。ホテル名は上記の通り、1947年当時の屋号「丸福」を含めたもの。

建物エントランス(工事前)

建物エントランス(工事前)

改装された建物にも、山内任天堂時代に花札などの製造・販売や、創業者山内家が居住する場所として利用された当時の趣が残されています。緑色の瓦屋根や外壁のタイルなどの外観はもちろん、創業以来の歴史が刻まれた「かるた・トランプ製造元 山内任天堂」の看板が出迎えてくれます。

任天堂旧本社屋を改装したホテル「丸福樓」が4月オープン、7つのスイートを含む全18室の調度品がすべて異なり1泊10万円から
客室は、7つのスイートを含む全18室。既存棟(旧本社社屋)は当時の建築様式や内装を活かした空間、新棟(安藤忠雄氏設計監修)はシンプルでスタイリッシュな居住性の高い空間となっています。

さらには全室で調度品が異なっているため、宿泊コンプリート欲をそそられるかもしれません。

任天堂旧本社屋を改装したホテル「丸福樓」が4月オープン、7つのスイートを含む全18室の調度品がすべて異なり1泊10万円から
宿泊プランはオールインクルーシブで、夕食、朝食、客室ミニバー、ラウンジでの飲物や軽食が宿泊料金に含まれているというもの。また食事は料理家・細川亜衣氏が監修し、季節の食材を活かした体に優しい無国籍料理を、夕食・朝食ともにコース仕立てで提供されます。

任天堂旧本社屋を改装したホテル「丸福樓」が4月オープン、7つのスイートを含む全18室の調度品がすべて異なり1泊10万円から
ホテルのある鍵屋町正面通は京都駅から車で6分、鴨川と高瀬川の間に位置しています。河原町などの繁華街から少し離れた穏やかな場所で、花札からイカやどうぶつ達など、任天堂の過去と現在や未来に想いをはせてみたいところです。

宿泊予約は、こちらのオフィシャルWebサイトにある「BOOK NOW」ボタンから。ただし記事執筆時点では「空き室が見つかりませんでした」と無情なメッセージが出ています。

【追記】

正式オープンの4月以降、日によって3~4の空き部屋がある模様です。1月21日0時時点では、開業記念特別プランとして10%オフが提示されている部屋もあります。任天堂旧本社屋を改装したホテル「丸福樓」が4月開業、7つのスイート含む全18室の調度品が異なり1泊10万円から

(Source:PR TimesEngadget日本版より転載)

Instagram、すべての動画で自分のリール動画と他ユーザー動画を一緒に録画できる「リミックス」可能に

Instagram(インスタグラム)は米国時間1月20日、短いリール動画だけでなく、アプリ上のあらゆる動画コンテンツのリミックスが可能になると発表した。同社は2021年3月、TikTok(ティックトック)のデュエットのInstagramバージョンである「リミックス」を正式に発表している。この機能は、Instagramリールのプラットフォーム上で他のコンテンツと交流、反応、コラボレーション、ハイライトする手段として、ユーザーが自分のリール動画と他のユーザーの動画を一緒に録画することを可能にする。現在、Instagramは、アプリ上で公開されているあらゆる動画がリミックスの対象となっていると述べている。しかし、これはこれから公開される動画にのみ適用され、古いコンテンツには適用されない。

同社は、リミックスがリールのユーザーに受け入れられているのを見て、この拡張は理に適っていると述べている。クリエイターが「コンテンツを再発明」し、他の人とコラボレーションするための方法をもっと提供したいと考えたのだ。リール以外の動画をリミックスする場合でも、クリエイターは、コラボ、ナレーション、エフェクト、オーディオツールなど、リールのクリエイティブツール一式を利用することができる。

新機能を利用するには、本アップデート実施後に公開されたInstagramの動画の右上にある3点メニューをタップする。そこから「Remix this video」を選択し、自分の投稿を録音するか、スマートフォンのカメラロールから動画をアップロードすることになる。クリエイターは、相手の動画の全部または一部をリミックスし、リミックスの一部としてダウンロードすることが可能だ。リミックスされた動画は、自分のリールを共有することで、どこでも見ることができるようになる。

この機能の拡大により、より多くのリミックスが促され、Instagramリールのコンテンツが増えることは間違いないが、すべてのInstagramクリエイターが、自分の動画コンテンツがこのように再利用されることに前向きであるかどうかは不明だ。参加したくない人は、アカウント設定から自分の動画がリミックスされないようにする必要がある、とInstagramは述べている。これは「Reel and Remix Controls」の設定欄で可能で、リールとフィードビデオの両方でリミックスのオン / オフを切り替えることができるようになった。ただし、この新機能は、すべてのユーザーがデフォルトで「オン」に設定されている。

また、一部の動画にリミックスを適用し、他の動画には適用しないようにしたいクリエイターは、設定をオンのままにしておけば、動画単位でリミックスを無効にすることもできる。

画像クレジット:Instagram

公開動画へのリミックスの開始により、Instagramはどうやら、公開アカウントを持つすべての人が「クリエイター」になりたいと思っており、自分のコンテンツが他のユーザーによって再利用されることに前向きであると想定しているようだ。しかし、必ずしもそうとは限らない。多くのInstagramユーザーが、最初のサインアップの際に、自分のアカウントをデフォルトで公開するように設定しただけで、そうすることで自分のコンテンツがより多くの人に公開されてしまう可能性があることに気づいていなかったかもしれない。

残念ながら、TikTokとの競争力を高めるために、自分のコンテンツが再利用されるよう自動で設定する仕様にしているのはInstagramが初めてではない。YouTube(ユーチューブ)がTikTokのライバルであるYouTubeショートを立ち上げたとき、クリエイターが他人の動画から音声をサンプリングして自分の動画で使用できるようにしたのである。Instagramは、そこからさらに一歩踏み込んだのだ。

画像クレジット:Instagram

リミックスの変更とは関係ないが、Instagramはまた、ユーザーが自分のプロフィール上で予定されているライブのトピック、日時をハイライトできるようにすることを発表した。これにより、ユーザーはライブの閲覧や申し込みが容易になり、クリエイターは必ずしもイベントを宣伝するためにフィード投稿を作成する必要がなくなる。

これらの新機能は、現在すべてのInstagramユーザーに展開されている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

フェイスブックとInstagramがNFTの作成・販売をサポートするかもしれない

NFTの波に乗る次の企業はMetaかもしれない。Financial Timesの情報筋によると、MetaはFacebookやInstagramでNFTを作成、表示、販売する方法を開発しているという。同社Noviのウォレット技術は「サポート機能」の大部分を担うことになると、ある情報提供者は述べている。Instagramは、NFTを展示する方法をテストしているとされ、Metaはこれらのデジタルコレクションの売買を支援するマーケットプレイスについて議論しているという。

同社はすでにコメントを控えており、情報筋は、この取り組みはまだ初期段階にあり、変更される可能性があるという。しかし、InstagramのリーダーであるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は2021年12月に、彼のソーシャルネットワークは「積極的にNFTを模索している」と述べている。少なくとも、この技術は同社の頭の中にある。

NFTへの参入は理に適っている。NFTとメタバース(ただNFTを提供するだけではメタバースをつくっているとはいえない)のつながりを悪用する企業もあるが、Metaは、仮想世界の住人がユニークなデジタル商品を販売できるように、そのためのフレームワークを求めているのかもしれない。NFTが一時的なトレンド以上のものであると証明された場合、このMetaの動きはOpenSeaのようなサードパーティープラットフォームが強すぎる支配力を得るのを防ぐのに役立つかもしれない。

編集部注:初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:SOPA Images / Contributor

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(文:Jon Fingas、翻訳:Katsuyuki Yasui)

MetaのWorkplaceがWhatsAppを統合、コミュニケーション機能拡充へ

もともと企業の従業員がコミュニケーションをとるためのソーシャルネットワークとして構築された、Facebook(現Meta)のアプリWorkplace(ワークプレイス)には700万人以上のユーザーがいる。特にフロントライン、デスクレス、デスクベースの従業員が混在する多国籍組織で、経営陣が従業員全員とつながりを保ち、従業員が互いに仕事についてチャットできる手段として支持されている。そして今、その利便性をさらに高めるためにさらなる機能を追加する。Workplaceは、Metaが所有する数十億人のユーザーを抱える人気のメッセージングアプリWhatsApp(ワッツアップ)との統合を間もなく追加し、Workplaceの顧客がメッセージングアプリを使ってお知らせをクロスポストしたり、その他のデータを従業員と共有したりできるようにする予定だ。

WhatsAppの機能は、2022年後半に稼働する見込みだ。メッセージング・コミュニケーションが最初の立ち上げの一部のようだが、同社は他の種類のWorkplaceや生産性機能をWhatsAppに統合する方法にも取り組んでいて、例えば、2020年11月にWorkplaceで最初にローンチされた、シフトワーカー同士がシフトを交換し、マネージャーとその計画システムをループ内に保つ方法であるShift Coverを統合することも検討している。

Workplaceの責任者Ujjwal Singh(ウッジワル・シン)氏は、正確な時期について具体的には述べなかった。どのように機能するかについて「詳細を詰めている」ところであり、いくつかの決定はまだなされておらず、焦点はその消費者向けアプリのDNAにあるものを法人向けサービスとしていかに活用するかだと説明している。

「これはしばらく前から取り組んでいたことです」とシン氏はインタビューで語り、この2社はFacebook傘下の同じ安定した会社だが、例えば2021年のWhatsApp API拡張など、WhatsAppが行ってきた異なるビジネスの発表の内容が最初に整う必要があったことを指摘した。また、顧客と一緒になって機能を構築してきた。「消費者向けアプリに出るものには気をつけたいのです。企業が安全に使える方法でやりたかったのです」。

WhatsAppにビジネス用途を、Workplaceに機能性を持たせるという動きは、どちらも久々の試みだが、両製品の幅広い戦略、そしてMetaの戦略全体と合致している。

Metaでは、顧客向けサービスとバックエンドの両方で、さまざまなアプリをより密接に連携させるというミッションを何年も前から掲げている。その戦略には、MessengerとInstagramのメッセージ機能を統合し、消費者がアプリを横断してコミュニケーションできるようにしたことも含まれている。また、WhatsApp for Businessを利用している企業は、例えばFacebookでコンタクトを開始し、WhatsApp上で直接会話を続けることができるようにするなど、ビジネス / 商業的な側面にも重点を置いている。このような取り組みは議論の余地がないわけではないが、それでも徐々に展開されてきた。

これにより、各プラットフォームの利用が増えるだけでなく、広告を出したり、WhatsApp for Businessのようなプレミアム製品を利用したりと、一般的にMetaでより多くの商業活動を行おうと企業に思わせる。また、Metaを単なるアプリ間の広告をベースとするコンシューマー向け製品とするだけではなく、Metaのためにより大きなユースケースを構築する可能性もある。

Workplace は当初、Slack(スラック)の台頭に対するFacebooの対抗策として始まった。多くの人がすでに仕事以外のやり取りに(そして仕事でも)Facebook を使っていて、社員も仕事の雑談や計画にFacebookが使えることを証明しているのに、なぜ新興企業に美味しいとこ取りをさせるのか、と考えた。

長期的に見ると、この最初の理論はFacebookの思惑どおりにはいかなかったようだ。当初、Workplaceを生産性向上のハブとして位置づけるために、Slackに見られるような多くの統合を導入し、ナレッジワーカー向けのコラボレーションやコミュニケーションに関する多くのネイティブ機能を追加した。しかし、最近では、やや焦点が変わってきているようだ。

まず、SlackやMicrosoft(マイクロソフト)のTeamsといった製品が引き続き存在し、評判を高めている。この変化に追随するように、Workplaceはこれらのプラットフォームとより密接に連携するようになった(直近では、動画機能などでTeamsを統合した)。第二に、Workplaceは「デスクレス」と呼ばれる、1日中コンピュータの前に座っているのではなく、携帯電話を主な手段として上司や同僚、組織全体とやり取りをするフロントラインワーカーや接客ワーカーに、新たなユーザーを見出した。

「米国外の多くのフロントラインワーカーは、仕事をこなすのにWhatsAppのような消費者向けツールを使っています」とシン氏は話す。「シフト管理にWhatsAppを使うのはその一部に過ぎない、というデータも持っています。データによると、フロントラインワーカーは意思決定をする経営陣から切り離されていると感じているようです。それがこの統合の重要なポイントです」。ここで同氏が言っているのは、同社が米国時間1月20日に発表した、Workplaceがどのように発展しているかを裏づける新しい調査についてだ。半数強(54%)のフロントラインワーカーが、組織の本部とつながっていると感じていると回答していることがわかった。これは、そのギャップを埋める方法としてWorkplaceやWhatsAppを構築することにチャンスを見出した理由の1つだ。

長期的には、このWhatsAppの統合と、同社がデスクレスワーカーにサービスを提供するために行っている幅広い動きは、BlinkYoobicのようにフロントラインの従業員と彼らの職場における特定の要件や機能をターゲットとした新しいアプリの波の中にWorkplaceを位置づけるものだ。Facebookがこのままシンプルなメッセージングコミュニケーションツールにとどまるのか、それともそうしたユーザーに特化した機能を構築し始めるのか、注目されるところだ。この分野は競争が激しい。2021年に2億ドル(約228億円)を調達したWhen I Work、7100万ドル(約81億円)を調達したHomebase、ホームサービスのプロに焦点を当てたWorkizWorkWhile、(2021年にSquareが買収したCrew、(2021年9月に上場申請した)Justworksなどが顧客争奪戦を繰り広げている。

画像クレジット:xPACIFICA / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

アマゾンが同社初の衣料品実店舗をLAにオープン

Amazon(アマゾン)は、2021年からの噂を裏づけるように、ハイテクを駆使したショッピング体験を約束する初の衣料品実店舗「Amazon Style(アマゾン・スタイル)」をオープンする。同社によると消費者が「知っていて好きな」ブランドを提供し、アプリでアイテム、サイズ、色を選び、試着室や受け取りカウンターに直接送ることができる。最初の店舗は、ロサンゼルスのThe Americana at Brandに「2022年後半」のどこかでオープンする予定だという。

Amazonはファッションクリエイターが選んだ「数百のブランド」と「Amazon.comで買い物をする数百万人の顧客から提供されたフィードバック」を提供すると述べている。具体的な言及はなかったが、同社のオンラインストアでは現在、Oscar de la Renta(オスカー・デ・ラ・レンタ)、Altuzarra and La Perla(アルチュザラ、ラ・ペルラ)といったデザイナーの商品を扱っている。しかし、多くの高級品やハイエンドブランドは、Amazonに商品をオンライン掲載することに抵抗してきた

店舗では、従来の店舗の2倍のスタイルが提供される一方、正しいサイズや色を顧客に手作業で探させないようにしている。気に入った服があれば、Amazon Shopping Appを使ってそのQRコードをスキャンし、サイズや色、顧客評価などの詳細を確認することができる。そして気になる服を試着室に送ったり、試着不要の場合は受け取りカウンターに直接送ったりすることができる。また、想像がつくかと思うが、顧客がすでに選んだ商品をもとにさらに多くの商品を推薦するAI搭載のアルゴリズムを使っている。

アプリを使って試着室のドアを開けると、中には選んだアイテムがすべてそろっている。それぞれの試着室にはタッチスクリーンがあり、その場を離れることなく買い物を続けたり、新しいアイテムの試着を依頼したりすることができる。Amazonがフルフィルメントセンターでも使っている技術により、商品は「数分」で到着する。

店舗で見つけた商品をオンラインで購入することも可能で、価格はどちらも同じだ。商品は店頭で返品でき、スキャンした商品はショッピングアプリに保存されるので、後でもう一度見ることができる。

Amazonはすでに、書店美容室などとともに、多数のFresh食料品店を出店している。FreshやWhole Foodsに見られるレジなし技術「Just Walk Out」を使うかどうかは明言しなかったが、レジには手のひら認証サービス「Amazon One」を利用する予定だという。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のSteve DentはEngadgetの共同編集者。

画像クレジット:Amazon

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(文:Steve Dent、翻訳:Nariko Mizoguchi

ディズニーが動画配信事業を再編、国際的戦略のハブとなる新グループを設立

Disney(ディズニー)は米国時間1月19日、D2C(消費者直接取引)の動画配信事業を、よりグローバルな市場に拡大する計画を発表した。そのために新たにインターナショナルコンテンツ&オペレーション部門を設立する。このグループを率いるのは、約25年前からディズニーで働くベテラン、Rebecca Campbell(レベッカ・キャンベル)氏で、ディズニーの動画配信サービスのための現地および地域向けコンテンツの制作に注力するとともに、ディズニーの国際チームを統括する。この新しい役職は、ディズニーのBob Chapek(ボブ・チャペック)CEO直属となる。同社は今回、現在の動画配信サービスの展開状況とDisney+(ディズニープラス)の2023年の見通しについても最新の情報を発表した。

ディズニーによると、2021年度末時点で、Disney+、ESPN+(イーエスピーエヌ・プラス)、Hulu(フールー)の加入者数は合計1億7900万人だったという。同社は2023年度までにDisney+の配信国数を2倍以上の160カ国以上に増やすことを計画している。

インターナショナルコンテンツ部は新たに設立されたものだが、ディズニーによると、同社の動画配信サービスのために制作・開発されている現地・地域向けタイトルは、すでに340以上にのぼるという。この数は時間とともに増えていく予定であり、これまでインターナショナルオペレーションおよびD2C担当のトップを務めていたキャンベル氏は、同時にインターナショナルコンテンツのパイプラインの拡大に注力していく。拡大した役割の中でも、キャンベル氏は引き続きアジア太平洋地域、欧州・中東・アフリカ地域、インド、ラテンアメリカの海外チームにも参加する。

インターナショナルコンテンツ&オペレーショングループの設立により、ディズニーは、スタジオコンテンツ、ジェネラルエンターテインメントコンテンツ、スポーツコンテンツの各グループに加え、コンテンツ制作のための第4の拠点を持つことになる。この新グループの追加は、Netflix(ネットフリックス)などライバルに対抗するために、動画配信分野でグローバルな事業基盤を確立することの重要性を示している。Netflixはインドなど一部の市場で加入者を獲得する方法を模索していて、最近では値下げを余儀なくされている。HBO Max(エイチビーオー マックス)も国際的な事業展開に目を向けており、最近は欧州の一部でサービスを開始した。

国際的なコンテンツハブの新設に加えて、ディズニーは動画配信事業の他の部分も再編成した。

Huluの新社長には、Disney+のマーケティング&オペレーション担当EVPだったJoe Earley(ジョー・アーリー)氏が就任した。同氏は、Disney+、Hulu、ESPN+、Star+をグローバルに担当するDisney Streaming(ディズニー・ストリーミング)の新社長に昇格したMichael Paull(マイケル・ポール)氏の直属となる。ポール氏の前職であるDisney+の社長はまだ任命されていない。新しい役職では、ポール氏はDisney Media & Entertainment Distribution(ディズニーメディア&エンタテインメントディストリビューション、DMED)の会長であるKareem Daniel(カリーム・ダニエル)氏の直属となる。

「ディズニーの消費者直接取引の取り組みは、わずか数年の間に驚異的なペースで進展しており、我々の組織は野心的なグローバルストリーミング戦略を支えるために成長と進化を続けてきました」と、チャペック氏は今回の組織変更を発表した声明の中で述べている。「レベッカは、当社のグローバルプラットフォームの拡大を指揮する重要な役割を果たしてきました。今回、新たにインターナショナルコンテンツグループを率いることになった彼女は、その専門知識と才能を活かして、当社の動画配信サービスに増加する現地・地域向けオリジナルコンテンツのパイプラインを監督するとともに、引き続き当社の国際的な事業を先導してくれるものと期待しています。同様に、消費者へのサービスに絶え間なく注力しているカリームは、当社の動画配信事業をディズニーの次の世紀に向けて展開していくための比類ない能力を備えた、業界をリードする経験豊富な経営陣を育成しています」。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

需要減退の中、Pelotonがバイクとトレッドミルの生産を一時停止との報道

ここ数年はPeloton(ペロトン)にとってアップダウンの激しい日々だった、というのは控えめな表現だ。パンデミックによる爆発的な需要に支えられていた同社は、今度はトレッドミルやエクササイズバイクなどのコネクテッドフィットネス製品市場の「大幅な縮小」という問題に直面している。

米国時間1月20日にCNBCがニュース報道の中で指摘した内部資料によると、エントリーモデルの「Bike」は、2月から3月にかけて2カ月間生産が停止される予定だという。プレミアムモデルの「Bike+」はすでに生産を停止しており、資料によると生産を再開するのは6月になるとのこと。同社のトレッドミル「Tread」の生産は2月から6週間停止し、2022年度は「Tread+」の生産をまったく見込んでいないとのこと。

Pelotonは当初、パンデミックの影響で世界中のジムが閉鎖される中、最大のテック勝者の1つだった。実際、同社は最初、逆の問題に直面していた。つまり、一夜にして急増した製品需要に供給システムが対応しきれなかったのだ。2021年5月、同社はオハイオ州の工場に4億ドル(約456億円)を投じ、拡大する製品ラインを生産すると発表した。

長年コネクテッドホームフィットネスのリーダーとして存在してきた同社は、大方の見方では、コロナ禍は人々のワークアウト方法の一時的な変化というよりも、パラダイムシフトであると考えていた。そして、パンデミックが長引いている間にジムが再開され、他のスタートアップやSamsung(サムスン)、Apple(アップル)などの大企業によって競争が激化したことで、売り上げが低迷している。今週初めには、同社が財務状況の悪化を食い止めるために、コンサルティング企業のマッキンゼーと契約したというニュースが流れたが、これにはリストラと解雇がともなうと予想されている。前年の天文学的な上昇を経て、2021年末には、Pelotonの株価は76%も下落した。

初期の成功にもかかわらず、ここ数年は問題が多発していた。最も顕著な例は、安全性への懸念から同社のトレッドミル製品をリコールしたことだ。同社は当初、幼い子どもの死亡を含む70件の安全事故を受けて、米国消費者製品安全委員会と協力してリコールを行うことを躊躇していた

「創業者の1人である私の視点では、このカテゴリーの枠組みは十分ではありませんでした。カテゴリーとして考えていた安全性も十分ではありませんでした」と、John Foley(ジョン・フォーリー)CEOは2021年末のDisruptで筆者に語った。「私たちは、トレッドミルを市場に投入しようと考えました。ハードウェアの観点から見ると、最高のデザインのトレッドです。何十年にもわたってこのカテゴリーに存在する安全性を見て、私たちが学んだことは、さらに改善しなければならないということでした。当社はほとんどすべての分野で優れていますが、今度は安全性の面で改善する必要があります。

同社はパンデミック以前にも、人気のインストラクターやコンテンツプレイにより、カルト的な人気を集めていたことで知られている。しかし、その継続的な成長を過大評価し、継続的な支出で太陽に近づきすぎたといっても過言ではない(少なくとも短期的には)。同社は2021年末に「Peloton Guide」を発表した。Peloton Guideは、ホームフィットネスのエコシステムへの参入障壁を低くするために設計された、495ドル(約5万6500円)のコネクテッド筋力トレーニングシステムだ。また、ローイングマシンなどの追加製品の開発も進めていると報じられている。

20日のニュースがこれらの製品の発売にどのような影響を与えるかについては不明だが、大幅なリストラが行われた場合、支出を抑えるためにあらゆる手段を講じることは間違いない。同社の主な競合他社のいくつかも、最近、それぞれ変換期をむかえている。1月初めLululemon(ルルレモン)は、2021年9月に創業者が突然退社した後、Mirror(ミラー)に新しいCEOを任命したと発表した。

TechCrunchはPelotonに連絡し、今回の報道内容について確認を求めている。

画像クレジット:Mark Lennihan / AP

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

「気になったら、アポイントなしでその場でオンライン商談」ウェブ接客ツールOPTEMOのジェイタマズが8500万円調達

ウェブサイト上で企業と顧客がワンクリックで商談可能な接客ツール「OPTEMO」(オプテモ)を運営するジェイタマズは1月18日、シードラウンドとして、第三者割当増資による総額8500万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先はSBIインベストメント、千葉道場ファンド、Headline Asia、Skyland Ventures。

調達した資金は、プロダクト開発および採用・組織体制の強化にあてる。今後は、大学との共同研究に向けた取り組みを強化し、AIを活用することでインサイドセールスが最適なタイミングで最適な対応を実現できるプロダクト強化を推進するという。

OPTEMOは、「アポイントを取らずにその場で商談する」をウェブ上で実現する接客ツール。既存ウェブサイト上でワンクリックするだけで、顧客と音声通話が行える。また、自社サイト訪問者がどのページを見ているのかをリアルタイムで可視化することで、顧客が求めるタイミングで企業側から声をかけることも実現可能。個人情報や特別なツール、専用URLなどは不要で、今見ているウェブサイト上でそのままオンライン商談を行える。

ジェイタマズは「ヒト、コト、モノがさっとはまる」をビジョンに掲げ、2020年7月に設立したスタートアップ企業。従来の「問い合わせフォーム経由でしかコミュニケーションが取れない」という状況をアップデートするため、OPTEMOを運営している。

ジェイタマズ代表取締役CEO小池桃太郎氏は、「ビデオ会議ツールが営業で当たり前になっている現在、OPTEMOは『企業と顧客の最初の接点』であるウェブサイトの体験をアップデートするもの」と位置付けている。新たなウェブサイトの体験を社会実装し、「気になったときにさっと会話する」ことで、お互いの理解を進め、企業と顧客の関係性をウェブで最適化することを目指す。

ウェブ会議の議事録作成を効率化できる録音・メモツールEkaki提供のChiefが2000万円のシード調達

ウェブ会議の議事録作成を効率化できる音声メモツールEkaki提供のChiefが2000万円のシード調達

ウェブ会議のための録音・メモツール「Ekaki」を開発・提供するChiefは1月18日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による2000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Skyland Ventures。調達した資金はEkakiの開発費用にあてる。

Ekakiは、ウェブ会議のためのオール・イン・ワンツールを目指し、2021年11月よりクローズドβの事前受付を開始。現在のEkakiは、録音とメモが一体化した音声メモツールとなっており、今後の機能追加により議事録作成・メモ・スケジュール管理などを統合し、ウェブ会議の際に使用されるツール間の行き来をなくしてさらなる業務の効率化を図る予定。将来的には、コールセンターの電話業務と後処理業務、また医療業界の記録業務への対応も進めるという。

Ekakiでは、会議や商談中のメモ作成が素早く行えるほか、会議後に録音を聞き返しながら議事録作成が可能となる。ウェブ会議を妨げないよう操作用ツールバーをコンパクトにまとめており、映像を見ながら会議のメモを取れる。ワンクリックで栞を登録する機能により、メモを取る余裕がない場合にも対応しやすいとしている。

Chiefは、代表取締役社長の飯塚氏が早稲田大学在学中の2019年3月に設立したスタートアップ企業。ウェブ会議システムが新たなワークツールとして定着する中で、素早い対応が求められるウェブ会議中の作業を楽にするツールを作りたいという飯塚氏の意志の元、Ekakiの開発を開始した。

同社は、馬が一般的な交通手段であった時代に速い馬を育てるのではなく、車というまったく新しいものを作りたいという。将来的には「コンピュータ上の操作を自動化する」というミッションを実現するため、ウェブ会議を行う世界中の人々に愛されるグローバルなプロダクトを開発し、日本で初めてのプロダクト・レッド・グロース(PLG。Product-Led Growth)を達成したいとしている。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)解決ソリューション開発のマリが3億円のシリーズA調達、開発中の治療機器の薬事承認化を加速

睡眠時無呼吸症候群(SAS)解決ソリューション開発のマリが3億円のシリーズA調達、開発中の治療機器の薬事承認化を加速

イビキや睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの睡眠障害を解決するソリューションを開発するマリは1月20日、シリーズAラウンドにおいて第三者割当増資による総額3億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、既存投資家のMPI-2号投資事業有限責任組合(MedVenture Partners)のほか、イノベーション京都2021投資事業有限責任組合(京都大学イノベーションキャピタル)、KIRIN HEALTH INNOVATION FUND(グローバル・ブレイン)。

2017年11月設立のマリは、SAS患者の負担が少なく受け入れやすい完全非接触の診断・治療法の提供を目指す京都大学発のスタートアップ企業。調達した資金により、現在開発中のSAS治療機器の臨床研究を推進し、独自技術による治療ソリューションを確立させ、医療機器の薬事承認に向けた治験の準備を進める。

SASは、日本において治療が必要な患者が約500万人とされ、患者本人が気づかない間に高血圧・動脈硬化などをもたらし、重篤な場合は心不全や脳梗塞などの疾患につながる可能性もある。しかし自覚症状に乏しく、治療の第1選択肢である持続陽圧呼吸療法(CPAP)は受け入れや治療継続面での課題が顕在化しているという。このような課題に対してマリは、「Sleep Freely. 世界の睡眠障害をやさしく解決したい」を理念に掲げ、ミリ波レーダー計測・解析技術や音声解析技術を用いた非接触睡眠状態評価・生体情報センシング技術を開発している。