医療現場の課題を自身で解決できる医者・看護師を育てる日本初の医療者向けプログラミングスクールが開校

医療現場の課題を自身で解決できる医者・看護師を育てる日本初の医療者向けプログラミングスクールが開校

医療法人社団新潮会は5月19日、医師や看護師などの医療従事者を対象としたプログラミングスクール「ものづくり医療センター」を6月よりトライアル開校すると発表した。それにともない「プログラミング教育入院」希望者を募集する。

コロナ禍の影響もあり、今の医療現場では様々な側面で変化に対応せざるを得ず、「目の前の課題について、テクノロジーを用いたらすぐに解決可能な事象だと認識できるスピード感」が求められているという。そこで、ものづくり医療センターは、通常のプログラミングスクールのようにウェブデザインなどの特定のスキルの習得ではなく、医療の現場で遭遇する課題に対して柔軟に対応できる技能を幅広く学ぶことを目指している。

「プログラミングを学ぶことを目的とせず、サービスを形にすることや課題を解決することをいち早く行える人材育成を目的として授業を行なっていきます」という方針を掲げる同院では、医療現場で問題に遭遇する可能性の高いIoTやハードウェアについても学ぶ。

大きな目標は「医療現場の課題を自身で解決できる人を育てること」と「多くの選択肢(技術)を知ることで『もしかしたらこの技術って、あれに使えるんじゃない?』といった気付きを得られる場になること」だという。

期間は、6月から週1回のオンライン授業で3カ月間。定員は5〜10名。受講対象者は医者、看護師などの医療者であること。費用は税別9万9800円(トライアル開校中のみ。トライアル以降は値上げ予定)。現在申し込み受け付け中だ。

画像クレジット:医療法人社団新潮会

関連記事
ポケモンGOのNianticが単眼スマホでリアルタイム3Dマップを作成できるAR開発キット「Lightship」ベータ開始
ハーバード大のコンピューターサイエンス入門講座・プログラミング講座が日本語化・無償公開
ジョリーグッドと順天堂大学が新型コロナ診療病棟の完全再現VRを共同開発、医学生に実習の場提供
AI理解のためのビジネスパーソン向け無料講座「AI For Everyone」、日本ディープラーニング協会が開講
IoTで「生活を便利に」「業務を改善」するブログ記事募集、ソラコムがラズパイとSORACOM活用コンテスト開催
ラズパイやArduinoより簡単なIoT開発ボード「obniz」が約2.1億円のシリーズA調達
Raspberry Pi財団が550円の「Raspberry Pi Pico」発表、日本でもスイッチサイエンスが発売
5852円のAWS向けIoT開発キット「M5Stack Core2 for AWS」が販売開始

カテゴリー:EdTech
タグ:医療(用語)教育 / EdTech / エドテック(用語)新型コロナウイルス(用語)プログラミング(用語)日本(国・地域)

マイクロソフトが個人向けTeamsのデスクトップ・モバイル・ウェブ版を正式リリース

マイクロソフトが個人向けTeamsのデスクトップ・モバイル・ウェブ版を正式リリース

Microsoft

Microsoftは5月17日(現地時間)、個人向けの「Microsoft Teams」をデスクトップ、モバイル、Webで正式リリースしました。誰でも無料で利用できます。個人向けのTeamsは2020年3月に発表され、モバイル版のプレビューが6月に開始されていたもの。約1年のプレビューを経ての正式リリースとなります。

Teamsには、これまでも無料プランがありましたが、それはあくまでもビジネスユースのお試しプラン的な位置付けです。今回リリースされた個人向けTeamsは、チーム機能が省かれているなど、ビジネス版とは若干機能が異なっており、家族や友人とのビデオ通話やチャット、ToDoなどを共有するのが主な目的となっています。

個人向けのTeamsでは、1対1でのビデオ通話は最長24時間まで利用可能。3人以上のグループ通話は最大100人まで最長60分間、無料で利用できます。ただ、コロナ禍の状況を考慮し、当面は最大300人まで最長24時間の通話を無料で利用可能です。

同じ部屋にいるような気分でビデオ通話を行えるTogetherモードも利用できます。Microsoftによると、標準的なビデオ通話と比較して脳をそれほど働かせずに済み、疲労を軽減する効果があるとのことです。

マイクロソフトが個人向けTeamsのデスクトップ・モバイル・ウェブ版を正式リリース

Microsoft

また、ビデオ通話中にライブ絵文字やGIFを使用して会話に反応もできます。喫茶店や職場などで、声を出せないような状況でも利用できそうです。

このほか、グループチャットから共有のToDoリストを作成し、グループ内のユーザーにタスクを割り当てたり、グループで日程調整をしなければいけない場合などに、投票する機能も備えます。

単なるビデオ通話やチャット機能を超えて、個人や家族で利用できるコミュニケーションハブとして機能することを目指したものになっています。

個人向けTeamsは、日本でもすでに利用可能。職場で利用している場合には、違和感なく受け入れられそうですが、それ以外の家族にどれだけ普及できるかが活用の鍵になってきそうです。

(Source:Microsoft(1)(2)Engadget日本版より転載)

関連記事
マイクロソフトの新アプリReading Progressは教師、子どもの読解能力の評価を楽にするアプリ
マイクロソフトがTeams対応の最新アクセサリーを多数発表
Microsoft Teamsに新機能多数、組織外とのチャンネル共有やPowerPointを使ったプレゼンも可能に
Dellの新型ディスプレイは飛び出すカメラとTeamsボタンでビデオ会議に対応

マイクロソフトがTeamsに小会議室、カスタムレイアウト、仮想通勤などの新機能を追加
一般ユーザー向けMicrosoft Teamsが登場するが用途がカブるSkypeは継続

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ビデオチャット / ビデオ会議(用語)Microsoft / マイクロソフト(企業)Microsoft Teams(製品・サービス)

Zoomの会議を自動で文字起こしできるOtter.aiの新しいアシスタント機能

AIを利用した音声文字起こしサービスのOtter.aiは、企業ユーザーが会議を簡単に記録できるようにすることを目指している。米国時間5月19日、同社は新機能のOtter Assistantを発表した。これはカレンダーに入力されているZoomミーティングに自動で参加し、会話を文字に起こし、他の参加者とメモを共有できるようにする機能だ。Otter.aiはすでにZoomと統合しているが、アシスタントは毎回自分で会議の開始時に文字起こしを有効にしたり終了時に止めたりしなくても済むように設計されている。また、会議中に参加者が質問をしたり写真などを共有するなどの共同作業もできるようになっている。

この機能は、Otter.aiの統合を直接利用できるのはZoomミーティングの主催者だけというZoomの以前の制限に引っかからずに動作する。

会議の文字起こしを自動化しようというアイデアは、コロナ禍により発生したリモートワーク環境を考えれば納得がいく。この環境で人々は仕事や育児、在宅授業などに時間を割り振ってきた。このような状況では、会議から離れ、言われたことを聞き逃してしまうこともある。これはOtter.aiが役に立つケースの1つだ。他には会議が重なっている場合、あるいは長い会議の中で自分に直接関係するトピックはごくわずかだが他のトピックをリアルタイムではなく後で確認したいといった場合にも有効だ。

関連記事:パンデミックに後押しされて会議の文字起こしサービスOtter.aiが約53億円を調達

新しいOtter Assistantを使うには、まずGoogleカレンダーまたはMicrosoftカレンダーをOtterのサービスと同期する。するとアシスタントが自動で今後のすべてZoomミーティングに参加する。透明性のため、アシスタントは1人のミーティング参加者として表示される。

文字起こしにアクセスするためのリンクがアシスタントからZoomのチャットで全員に投稿される。つまりこれは上司に知られずに会議をパスするための機能ではない。会議を文字起こしすることに全員が同意した場合に使う機能だ。

会議中に参加者はOtterのライブ文字起こしで重要な部分をハイライトしたり写真を追加したりメモをとったりすることができる。参加者は発言するのではなくコメント機能で質問をすることもできる。自分が騒がしい場所にいるときに便利だろう。

いったんアシスタントを有効にしたら、会議のたびにOtter.aiをオンにする必要はなく、会議をヘッドフォンでで聴いてもかまわない。Otter Assistantは会話の双方を録音する。

ただし、Otterのウェブサイトの「My Agenda」からOtter Assistantを会議ごとにオフにすることもできる。「My Agenda」には予定されている会議ごとにスイッチが表示される。

会議が終わったらOtter.aiの設定で参加者全員に自動で会議のメモを共有する機能もある。

Otter Assistantは1カ月20ドル(約2170円)からのアップグレードプランであるBusinessユーザーが対象で、2ファクタ認証、SOC2コンプライアンス、高度な検索、書き出し、カスタムの語彙、共有話者識別、データと支払いの一元管理などに対応している。

Otter.aiは2021年初頭に1億回の会議を文字に起こしたと述べていたが、そこからさらに増えてこれまでに1億5000万回以上になったという。同社はサブスクリプション利用者数の詳細を公開していないが、2020年に売上が8倍と大幅に増加し、2021年2月に発表された5000万ドル(約54億3500万円)のシリーズBにつながった。

関連記事
AIを利用したリアルタイム音声文字起こしサービスOtter.aiがGoogle Meetでも利用可能に
AI利用のリアルタイム英語音声文字起こし「Otter. ai」とNTTドコモが日本向け法人プラン独占販売契約
TikTokが耳が悪い人のための自動キャプション機能導入、まずは英語と日本語で
Spotifyが独占公開とオリジナルのポッドキャストに自動文字起こし機能を追加

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Otter.ai文字起こしZoomビデオ会議アクセシビリティ

画像クレジット:Otter

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Google CloudのVertex AIは機械学習を果てしないパイロットから価値を生む実用技術にする

米国時間5月18日のGoogle I/Oにおいて、Google Cloudは開発者が自分のAIモデルをもっと容易にデプロイしメンテナンスできるための、新しいマネージド機械学習プラットフォームであるVertex AIを発表した。I/Oは以前からモバイルとウェブのデベロッパーが対象であり、Google Cloudのニュースはあまりなかったため、やや違和感のある発表にも思えたが、GoogleがVertexの発表を本日行なうと決めた事実は、この新しいサービスが多様な分野の開発者にとって重要と同社が考えている証拠だ。

Vertexのローンチは、Google Cloudのチームが反省をたくさんしたことの結果だ。Google CloudのAI Platformでプロダクト管理を担当しているディレクターのCraig Wiley(クレイグ・ワイリー)氏は、次のように語る。「私見では、エンタープライズの機械学習は今危機にあります。その分野で何年も仕事した者の1人として現状を見れば、Harvard Business Reviewなどに論評を書いているアナリストの誰もが、今や大半の企業が機械学習に投資をしたり、投資に関心を示しているが、どこもそこから価値を得ていないと言っている。こんな状況は、そろそろ変わるべきです」。

画像クレジット:Google

2016年から2018年までAWSのAIサービスであるSageMakerのゼネラルマネージャーを経験して2019年にGoogleに来たワイリー氏によると、Googleのように自分たちのために機械学習を動かすことのできる企業は、どうやればそれが変革への力になるかを実際に見て知っている。しかし彼がいう問題とは、大きなクラウドがそんなサービスを提供するときは何十ものサービスに分割されてしまうことだ。「しかも(Google自身も含めて)そんなサービスの多くが袋小路にあります。そこでVertexの目標は、エンタープライズにとって機械学習への投資からのROIの時間を短縮し、モデルを作ったことが終わりではなく、彼らが作ったモデルから確実に、リアルな価値を得ることです」とワイリー氏はいう。

そこでVertexは、極めて柔軟性に富んだシステムとして、デベロッパーやデータサイエンティストのスキルのレベルがそんなに高くなくても、モデルを迅速に訓練できるようにする。Googleによると例えばモデルの訓練に要するコードの行数は他社の類似製品に比べて80%少なく、しかも彼らはモデルの全ライフサイクルを自分で管理できるようになる。

画像クレジット:Google

このサービスにはGoogleのAIオプティマイザVizierが統合されていて、機械学習のモデルのハイパーパラメータを自動的にチューニングする。これによりモデルのチューニングに要する時間が大幅に減り、エンジニアはより多くの実験をより短時間でできるようになる。

また、Vertexが提供している「Feature Store」でユーザーは機械学習のいろいろな機能をサービスし、シェアし、再利用できるようになる。そしてVertex Experimentsという機能を利用するとモデルの選択が速くなり、モデルの本番へのデプロイが加速される。

デプロイは、継続的モニタリングサービスとVertex Pipelinesが支援する。後者はGoogle CloudのAI Platform Pipelinesからの改名で、モデル用のデータを準備および分析し、モデルを訓練し、それらを評価してプロダクション(本番展開)へとデプロイしていくワークフローの管理を助ける。

いろいろなタイプのデベロッパーにとってとっつきやすいシステムにするために、このサービスには3つのインタフェイスがある。「ドラッグ&ドロップのツール」と「高度なユーザーのためのノートブック」、そして意外かもしれないがBigQueryのデータウェアハウスの中で、SQLの標準的なクエリを使って機械学習のモデルを作り実行するGoogleのツールである「BigQuery ML」だ。

Google CloudのCloud AIとIndustry Solutionsの副社長兼ゼネラルマネージャーであるAndrew Moore(アンドリュー・ムーア)氏は、次のように述べる。「Vertex AIを作るときには、2つのことを指針とした。1つはデータサイエンティストとエンジニアを組織の藪から救い出すこと、もう1つは、AIを果てしないパイロット事業から正規のサイズのプロダクションへと移行させることに誰もが真剣になるために、業界全体としての気運を作り出すことだ。このプラットフォームとして実現したことを、私たちはとても誇りに感じている。それは、データサイエンティストとエンジニアがクリエイティブな仕事に充実感を持てるような、新世代のAIの本格的なデプロイを可能にするものだからだ」。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む
Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表
グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入
グーグルが実物大の相手がすぐ向こう側にいるかのような3Dビデオ通話ブースを開発中

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:GoogleGoogle I/O 2021Google Cloud機械学習Vertex AI

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

PornhubがAIで4Kカラー化した1890〜1940年代のアダルト映像ライブラリー「Remastured」公開

PornhubがAIで4Kカラー化した1890〜1940年代のアダルト映像ライブラリー「Remastured」公開大手アダルト動画サイトのPornhubが1890年代のものを含むビンテージポルノ映像を、AIを使って4Kカラー映像にリマスターしたライブラリー「The Remastured」を公開しました。AIを使って古い映像を高解像度化したりカラー化する技術はいまや珍しくはありません。大戦時に従軍カメラマンが撮影した兵士たちの映像から、ろくにガードレールもないモナコの市街地コースを疾走するシートベルトもない葉巻型F1マシンのレース映像までさまざまなビンテージフィルムが、あたかもつい最近の映像のように再現されています。

ところが、ことポルノに関してはこのようなAIリマスターは行われていませんでした。その理由は、映像を高解像度化およびカラー化する人工知能はポルノ映像で鍛えられることがないから。Pornhubはサイトにアップロードされたアダルト動画から約10万本を使い、裸で組んず解れつする男女の上や下の凹や凸やアスタリスク、その周辺に繁茂するススワタリなどの微妙な色合いのバリエーションをAIに叩き込みました 。さらに4Kへの高解像度化とフレーム補間を適用し、不鮮明さとちぎこちなさを補っています。

VHSとベータの戦いで例えられる話のように、人々は新しい映像メディアが現れれば、それを用いてポルノを製作してきました。Pornhubは、これらの映像を保存するだけでなく現代化することが重要だと考え、1896年から1940年代にわたる20本のビンテージ素材を修復。過ぎ去りし時代の古風な営みを楽しめるようにすることに「非常に興奮」しているとのこと。

修復された映像の1本、1896年の「The Kiss」は、初めて男女が接吻する様子を収めた映像とされます。かのトーマス・エジソンも関わりがある会社が配給したものの、Pornhubによると当時の人々は「衝撃的かつわいせつ」だと非難したのだそう。これらの映像は歴史的な面でも貴重なものです。当時は今ほどオープンな時代ではなかったものの、人類が種を保存しようとする本能はいつの時代も変わりません。

ただPornhubが公開したライブラリーを進めていくと、1920年代にはもう三つ巴で喜々として互いの核心をズビズバする紳士淑女を捉えた、思わず手で目を覆いつつ指の隙間から凝視してしまいそうになる映像も登場します。

なお、いくらAIを鍛えたからと言って修復された映像のカラー化が現実そのままだという保証はありません。それは10万本のいかがわしい映像で頭が一杯になったAIが「きっとこんなかんじ」と想像して「色」を着けたものだと言うのが正しいでしょう。

ちなみにPornhubが公開したこのライブラリーの映像はいずれもAIによる「修復」済みですが、日本の法に合わせた「修正」はされていませんのでご注意を。

(Source:Pornhub(Twitter)Engadget日本版より転載)

関連記事
アダルト動画配信のPornhubが2020年版透明性レポートを公開、違反動画検出の取り組みを詳述
アダルト動画配信のPornhubが数百万本の投稿を凍結、違法動画掲載の非難を受けて
新技術を育てるのはやはりポルノ?!
ポルノサイトが人工知能でビデオをタグづけ――PornHubのシステムは出演者、場面を認識する

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:AI / 人工知能(用語)Pornhub(企業・サービス)

電気航空エコシステムの構築に向けBeta TechnologiesがシリーズAで約405億円調達

電動航空機のスタートアップBeta Technologies(ベータテクノロジーズ)は米国時間5月18日、Amazon(アマゾン)のClimate Pledge Fundからも投資を受け、3億6800万ドル(約405億円)のシリーズAラウンドをクローズした。新しい資本は同社が2021年発表した資金調達として2回目だ。同社は3月にも1億4300万ドル(約160億円)の資本を私募により調達した。

この資金調達ラウンドはFidelity Management&Research Companyがリードし、AmazonのClimate Pledge Fundも金額非公開で加わった。Climate Pledge Fundは持続可能な技術の開発を進めるために2019年9月に設立された20億ドル(約2200億円)のファンドだ。電気自動車メーカーのRivian、バッテリーリサイクルのRedwood Materials、水素燃料電池航空機のZeroAviaにも投資している。

CNBCによると、同社のバリュエーションは現在14億ドル(約1540億円)。10億ドルを超えるバリュエーションを達成した電気垂直離着陸機(eVTOL)の小さな輪に加わった。

Beta Technologiesは、10億ドル(約1100億円)を超えるバリュエーションを達成した開発業者のJoby AviationやArcher Aviationとは違う。エアタクシーに力を入れているわけではなく、防衛への応用、貨物配送、医療物流を対象とし、米国北東部で急速充電システムのネットワークを構築している。航空機デビューとなったALIA-250cは、そうしたさまざまな分野のソリューションに対応できるよう開発された。6人、またはパイロットと1500ポンド(約680kg)を運ぶことができる。

バーモントを拠点とする同社は、上記すべての業界ですでに大きな提携を達成した。その中には、人間への移植のために人工臓器を輸送するUnited Therapeuticsとの提携や、10機のALIA購入と140機の購入オプションをもたらしたUPSとの提携、そして米空軍との提携がある。

しかし、同社は旅客輸送を完全に無視しているわけではない。2021年4月、2024年に5機を納入するBlade Urban AirMobilityとの提携を発表した。

Beta Technologiesは、米空軍から耐空性の認証を得た最初の会社だ。同社は2021年6月に空軍と契約を結び、ワシントンD.C.とオハイオ州スプリングフィールドにある同社の航空機とフライトシミュレーターへのアクセスを許可する予定だ。ただし、さらに連邦航空局からの認証を取得する必要がある。

同社は18日のニュースリリースで、この資金は、ALIAの電気推進システムと制御装置の改良、製造に関連した領域の強化、バーモント州のバーリントン国際空港における利用面積の拡大などに使うと述べた。

関連記事
都市部-郊外移動向けの大型4人乗りeVTOL「VoloConnect」を独Volocopterが発表
電動飛行機によるエアタクシー事業に向けWisk AeroとBlade Urban Air Mobilityが提携
空飛ぶクルマ「ASKA」でNFT Inc. が都市と郊外の在り方を新たなものに
2024年までにLAでの都市型エアタクシー導入を目指すArcher Aviation

カテゴリー:モビリティ
タグ:Beta Technologies資金調達eVTOL

画像クレジット:Beta Technologies

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

ブルーオリジンの初の商業宇宙フライトチケット入札は2.1億円超えで続行中

Blue Origin(ブルーオリジン)はNew Shepardロケットでの初の商業宇宙フライトの座席販売で斬新な方法を取っている。最も高い額で落札した人に座席を提供するというオークションだ。同社はコンテストの第1パートとして非公開の入札を行い、最高入札額を発表した。そして米国時間6月10日まで公開のオンライン入札を行う。

非公開入札には136カ国から5200人が参加し、誰もが欲しい座席のこれまでの最高入札額は140万ドル(約1億5200万円)だ。Blue Originは自社ウェブサイトでオークションを公開し、高額の札(記事執筆時点ですでに200万ドル[2億1800万円]となっている)は誰の目にも留まるよう表示される。

6月12日に最終のライブオンラインオークションが開催され、登録した最終参加者の中から喜んで高額を提示する人が参加する。そして落札者が7月20日に予定されている初フライトの座席を手に入れる。このフライトには、Blue Originによって選ばれ、今後名前が明らかになる他の乗客も含まれる。

Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏の会社であるBlue Originは長い間、この瞬間に向けて取り組んできた。しかしこの入札で得る座席代金は商業宇宙フライトを今後展開する同社の懐に入るわけではない。子どものSTEM教育促進に取り組んでいる非営利組織Club for the Futureに寄付する。

7月20日のフライトはBlue Originの初の有人宇宙フライトで、少なくとも1座席を一般人に提供するという事実は軌道周回しない再利用可能なNew Shepard打ち上げシステムの信頼性に極めて自信を持っていることを意味する。

関連記事
月周回旅行を計画中の前澤友作氏が12月に国際宇宙ステーションへ、個人として日本人初
宇宙旅行者希望者にトレーニングプログラムを提供するOrbite
NASAとAxiom Spaceが初の民間人のみによる国際宇宙ステーションへの宇宙飛行について発表

カテゴリー:宇宙
タグ:Blue OriginNew Shepard民間宇宙飛行オークション有人宇宙飛行

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがRSSを復活させる

Chromeは、少なくともAndroidで実験的に提供されているCanaryバージョン(米国内のユーザーのみ)では、今後数週間のうちに興味深いアップデートが行われる予定だ。これは、Googleリーダーや同様のサービスで、お気に入りのサイトの更新情報を得るためのフォーマットとしてかつて人気を博したRSSを復活させるものだ。

もうすぐChromeでは、RSSをサポートしているサイトの「フォロー」機能が追加され、ブラウザの「新しいタブ」ページには、基本的に(非常に)ベーシックなRSSリーダーが表示されるようになる(ここまできたら「Googleリーダー」と呼んでもいい気もする)。

本格的なRSSリーダーの話をしているわけではない。「新しいタブ」ページでは、あなたがフォローしているサイトの更新情報が時系列で表示されるが、例えば、フィードを簡単に切り替えることなどはできないようだ。とはいえ、これは最初の一歩だ。

画像クレジット: Google

Google ChromeのプロダクトマネージャーであるJanice Wong(ジャニス・ウォン)氏は、米国時間5月19日のアップデートで次のように述べている。「今日、人々はお気に入りのウェブサイトを追うために、メーリングリストの購読、通知、RSSなど、さまざまな方法を利用しています。それらを1人ですべて管理するのは大変なことです。そこで当社は、オープンなウェブ標準であるRSSを利用して、お気に入りのサイトの最新情報をChromeで直接受け取れるようにする方法を検討しています。我々のビジョンは、ユーザーがウェブ上でお気に入りのパブリッシャーやクリエイターとの直接的なつながりを築けるよう支援することです」。

Googleの広報担当者によると、GoogleがRSSフィードをクロールする方法は「Chromeが最新かつ最高のコンテンツを『新しいタブ』ページの『Following(フォロー中)』セクションでユーザーに配信できるようにするために、より頻繁に行う」ように実装したとのこと。

RSSは、Web 2.0時代の基盤技術の1つだった。今でも、お気に入りサイトの最新情報を(フィードを提供しなくなったサイトもあるが)推薦アルゴリズムに邪魔されることなく、タイムリーに入手できる最も簡単な方法だ。ユーザーエクスペリエンスは必ずしも理想的ではなかったが、Googleリーダー(R.I.P.)やFeedly(フィードリー)のようなサービスがフィードの購読や更新情報の取得を簡単にするために多くの努力をし、RSSは常に非常に有用なものだった。しかし2013年、グーグルがGoogleリーダーをGoogle+の祭壇に捧げる犠牲にしたことで、熱烈なニュースジャンキーがFeedlyアカウントやNetNewsWireの古いコピーを持ち続けていたにもかかわらず、その時代は終わりを告げた。

GoogleがRSSをブラウザの中核機能として復活させたことは、多くの人にとって喜ばしいことだと思う。オープンウェブを好むのであれば、たまに不便さを感じることはあっても、RSSが進むべき道だ。

だが今のところ、これはあくまで実験に過ぎない。Googleは「Chromeでのユーザーとウェブパブリッシャーとのより強固なエンゲージメント」を構築するために「パブリッシャー、ブロガー、クリエイター、オープンウェブの市民」からのフィードバックを集めたいと述べている。願わくば、実験のままで終わらないで欲しい。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
GoogleのFeedBurnerがインフラを移行、メール購読サービスを廃止

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleRSSChrome

画像クレジット:DSGpro / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルが実物大の相手がすぐ向こう側にいるかのような3Dビデオ通話ブースを開発中

Google(グーグル)は、3Dディスプレイ上の3D映像を利用して、双方のユーザーをリアルに映し出すビデオ通話ブースの開発に取り組んでいる。まだ実験的なものではあるが「Project Starline(プロジェクト・スターライン)」は長年の研究と買収を基にしており、近い将来、よりパーソナルに感じるビデオ会議の中核となる可能性がある。

このシステムは、事前に何も知らなかった参加者のビデオを通じてのみ公開された。参加者たちはまず、スクリーンとカメラのセットアップがほとんど隠された部屋に入るように指示された。その後、スクリーンが点灯し、家族など大切な人のビデオ映像が映し出されたが、それは誰も予想していなかった方法によるものだった。

「彼女を見て、感じることができ、まるで3Dの体験のようでした。まるで彼女がここにいるかのようだった」。

「彼に本当に触れられるような気がしたわ!」。

「本当に、本当に彼女と私が同じ部屋にいるように感じました」。

Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOは、この「エクスペリエンス」は高解像度のカメラと独自の深度センサーによって可能になったと説明している。これはほぼ間違いなく、人物や場所を撮影した動画をインタラクティブな3Dシーンに変換するという、グーグルの研究プロジェクトに関連していると思われる。

関連記事
物体の裏側も撮影する46台のカメラを使うグーグルの新技術「ライトフィールドビデオ」
Google AIのチームが開発した卵型LEDルームが人間の3Dモデルを見事に捉える

ディスプレイの周囲に隠されたおそらく10数台のカメラとセンサーが、人物をさまざまな角度から撮影し、正確な形状を把握して、ライブで3Dモデルを作成する。このモデルと、すべての色やライティングの情報は、(多くの圧縮と処理を経て)相手のセットアップに送られ、迫真の3Dで表示される。さらに、頭や体をトラッキングし、その時々の視点に合わせて映像を調整する(この技術の初期バージョンについては、こちらでもう少し見られる)。

しかし、3Dテレビはどちらかというと廃れてしまった感がある。誰も特別なメガネを何時間もかけて見たいとは思わないし、メガネなしの3Dはこれまで一般的に画質がかなり悪かった。では、この特別な3D画像は何によって作られているのだろうか?

ピチャイ氏は「当社は画期的なライトフィールドディスプレイを開発しました」と述べているが、これはおそらく、独自の技術を軌道に乗せることができず2018年に解散した、ライトフィールドカメラのLytroを買収して獲得した人材とIPの助けを借りたものだろう。

ライトフィールドカメラやディスプレイは、さまざまな技術を使って2Dで説明したり見せたりするのが非常に難しい3D画像を作成し、表示する。スタートアップのLooking Glassは、3Dモデルや写真のシーンが小さなホログラムのように見える、実際に見ると非常に印象的なものを制作している。

関連記事:Looking Glassが2D画像を3Dにするホログラフィック技術のためのソフトを開発

Googleのアプローチが似ていようと違っていようと、参加者たちが示すように、そのインパクトは同様に目覚ましいものであるようだ。現在、社内でテストを行っており、人の存在感が大きな違いを生むさまざまな業界(医療など)のパートナーにユニットを送り出す準備をしているという。

現時点では、Project Starlineはまだプロトタイプに過ぎず、おそらくとんでもなく高価なものになるだろうから、すぐに家に置くことはできない。しかし、このライトフィールド・セットアップのコンシューマー版が将来的に登場するかもしれないと考えることは、決して荒唐無稽ではない。Googleは、2021年後半にもっと情報を共有すると約束している。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む
Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表
グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:GoogleGoogle I/O 20213Dビデオチャット

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Aya Nakazato)

IFAベルリン2021が中止、「新型コロナワクチン接種の状況が見通せない」

IFAは2020年に会場で開催された極めて少ない展示会の1つとなったが、gfu Consumer & Home Electronics GmbHは2021年のイベントを中止する。当初、ベルリンで9月3〜7日に予定されていた大規模なコンシューマーエレクトロニクス国際見本市は休止する

関連記事:IFAのエグゼクティブディレクターがコロナ禍でもリアルなテックイベントを続ける理由を語る

最大の理由として、運営者は新型コロナウイルス変異型の脅威、そして世界のワクチン接種のスピードと今後の進捗に関する不確実性を挙げている。

「究極的には、世界の健康問題に関するいくつかの主要な指標が望んでいた正しい方向に速く向かいませんでした。例えばアジア南部では新たな新型コロナ変異型が急速に拡がっていて、世界のワクチン接種プログラムのスピードは依然として不透明です」と運営組織はプレスリリースで述べた。「これは参加を約束していた、あるいは関心を示していた企業、メディアやビジターにさらに不確実性を与えています。IFAだけでなく世界中の同様のイベントのために参加者は皆、予算や投資、移動など前もって計画する必要があります」。

もう1つの大きな理由が、Messe Berlin(コンベンションセンター)が緊急医療施設、そしてワクチン接種会場として今後も引き続き使用されることだ。ARENA Berlinで計画されているBerlin Photo Week、そしてHIFT Mobilityイベントは開催される。一方でIFAは2022年9月2日に戻ってくる予定だ。

今回のニュースの前には、数多くの有名企業が2021年6月下旬にバルセロナで開催されるMWCに出展しないことを決めている。これまでのところ出展を取りやめた企業はQualcomm、Google、IBM、Nokia、ソニー、Oracle、Ericsson、Samsung、Lenovoなどだ。前回のIFA同様、MWCの運営組織は移動規制や出展を取りやめた企業、ワクチンを接種した人ですら持っている一般的な警戒感があることを考慮し、数多くの安全措置を取っていること、そしてイベントを縮小する意向を示している。

MWCはオンラインと会場での展示を展開するハイブリッドイベントのようなものになる。一方、IFAは完全にキャンセルとなったようだ。一般の人も来場するという点でベルリンのトレードショーは他の見本市と大きく異なる。

【更新】MWCの主催者は、TechCrunchに次のようなコメントを寄せてくれた。

世界情勢が不透明な中でイベントを企画するのは容易なことではありません。また、今年、常連客を集めるのに苦労されたイベント業界の方々にも同情いたします。私たちは、IFAのようなイベントが来年も開催されることを願っています。今年のMWCバルセロナは数週間後に迫っていますが、私たちは自分たちの計画に自信を持ち、イベントを成功させるためにパートナーと懸命に取り組んでいます。

関連記事
【コラム】2021年、テック見本市は復活するのか?
2021年のフェイスブック年次開発者会議は6月2日に「F8 Refresh」としてバーチャル開催
2022年、CESがラスベガスに戻ってくる
奇祭Burning Manがバーチャルフェスのチケット販売開始、2021年も砂漠での開催は中止

カテゴリー:イベント情報
タグ:IFA新型コロナウイルスワクチンドイツベルリン

画像クレジット:Michele Tantussi / Getty Images

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

【レビュー】アップルのiPad Pro 2021は今回もすばらしい、だが……

これまでに複数の場所に住んだことがあるなら、新しいアパートや家に引っ越したときの感覚を知っていると思う。その部屋や空間が可能性に満ちあふれた真っ白なキャンバスのように感じられるのだ。だが大抵の十分なお金を持っていない場合には、結局その場所を古い家具で埋め尽くしてしまうことが多い。

私は何年にもわたって、このような経験を何度もしてきた。実家を出てから、私が手に入れた家具はすべて、安物を買ったり、リサイクルしたり、誰かにもらったりしたものだった。時代もスタイルもごちゃまぜだったが、私が手に入れたときには十分使えていた。結婚して引っ越しをしてからも、同じ家具をたくさん持ち歩いていた。

しかしそのうちに、多くのものに違和感を感じるようになって、それらを譲り渡し、自分たちの家庭を表現するような、そして自分たちの心に響くようなものを注意深く買ったり作ったりするようになった。しかし、表面の凹んだダッチモダンのコーヒーテーブルのように、一風変わったものもまだ持っている。それを見ると、20代の頃のカラオケパーティー後のベタベタしたカクテルの散乱や、30代の頃の子どものおやつ(これもやはりベタベタだが)を思い出す。

それが今のiPadなのだ。これは、毎年おそろしい勢いで働き続けている、Appleのエンジニアリングチームとハードウェアチームによる美しく新しいモニュメントだ。だがそこには、まだ使えはするものの、古さを感じさせるiPadOSソフトウェアが詰めこまれているのだ。そしてそれらは日に日に場違いな感じを増している。

この記事は、もちろんAppleが現在出荷している、現在注文すると手に入る製品について書いている。しかし、Appleの世界開発者会議(WWDC)がわずか2週間強後に迫っている現在、私は基本的にこのiPad Proを、もう一度新たな視点でレビューしたいと考えている。

関連記事:アップルのWWDC 2021は6月7日に開催、今年もオンラインのみ

画像クレジット:Matthew Panzarino

皮肉なことだが、このモデルの最大のハードウェアアップグレードの1つに対する反応は、私の中では比較的控え目なものとなる。M1チップは本当にすばらしいものだ。ベンチマークテストでは、M1 MacBook Pro(M1マックブックプロ)と同等の性能を発揮しており、この意味でもAppleのラインナップは、パワーよりも大きさとユースケースの違いと考えることができる。しかし、率直に言って、たとえ2020年のモデルでも、私がテストしたほとんどすべてのアプリケーションや、私の日常的なワークフローのすべてにおいて、同じくらい速かったと感じている。

確かに新製品は超高性能で、最新のシリコンを搭載しているが、アップグレードしてもすぐには違いがわからないだろう。これはある意味、意図的なものだ。2021年4月、AppleのJohn Ternus(ジョン・テルヌス)氏とGreg Joswiak(グレッグ・ジョスウィアック)氏に、iPad Proについてインタビューした際に、彼らは新しい統一されたプロセッサー戦略と極めて優れたディスプレイは、開発者が活用することを期待して余裕を持たせているのだと語っていた。

関連記事
AppleのM1搭載MacBook Proは特にバッテリー駆動時間が驚異的
【インタビュー】アップル幹部がM1搭載の2021年版iPad Proに寄せる思い、Macとの統合と新しい統合プロセッサー戦略

画像クレジット:Matthew Panzarino

新しいiPad Proのカメラはとてもすばらしく、前面と背面の両方が非常に使いやすくなっている。特に新しい前面カメラは、解像度の向上と新しい広角光学系の恩恵を受けている。この広角のおかげで、iPad Proを使ったビデオ通話がよりリラックスして行えるようになった。

これに加えて、Appleの新しいML(機械学習)駆動機能であるCenter Stage(センターステージ)が、ユーザーの頭と肩を捉えて自動的に中央に配置し、カメラの視界内で、ユーザーが体を傾けたり、立ったり、さらには部屋の中を移動したりしても、スムーズでまあまあなレベルのパンとズームでユーザーを追いかけ続ける。この機能は、機械学習フレームワークを使って、カメラフレーム内の人物のシルエットを検出し、フレーム内での移動に合わせてそのビューに「カメラムーブ」を適用するというものだ。他で見られるような自動ズーム機能とは異なり、Center Stageでは、あたかもバーチャルカメラの操作者が、適切なフレーミングを手助けしてくれているように感じられる。これは実に巧妙で、非常にうまくできており、iPad Proの使い勝手を向上させる今回の最大のポイントの1つとなっている。

画像クレジット:Matthew Panzarino

そしてまた、ご想像のように、この機能はiPad Proのカメラ配置の問題を大幅に軽減してくれる。カメラは、垂直方向に置かれたiPad Proの「上部中央」に置かれているので、キーボードを使う水平方向の配置ではカメラは「中央左」にあることになる。このため、iPadのビデオ通話にはぎこちなさがつきまとっていた。まあCenter Stageを使っても、これらの問題を完全に取り除くことはできず、手の置き場所が問題になることもあるが、より使いやすくするための大きな役割は果たしている。新しいAPIは、この機能をすべてのビデオ通話アプリで利用できるようにしている。また、Zoom(ズーム)アプリの利用中にビデオ通話を空白にすることなくマルチペイン設定が使用できるように、マルチタスクが若干改善されている。

Appleの「Pro Display XDR」で外付けのThunderbolt(サンダーボルト)接続をテストしたところ、問題なく動作した。この2つのディスプレイは非常に近い能力を持っているので、スケーリングは別として、色補正のためにXDRディスプレイを使うパイプラインで作業するプロにとって、この機能は非常に便利なものになるだろう。だがiPad Proがミラーモードにしか対応していないというソフトウェア上の制限は残念ながらまだそのままで、ほとんどの状況でこの機能の使い勝手を少し疑わしいものとしている。

画面について言えば、ミニLEDを採用したLiquid Retina XDRディスプレイは、これまでモバイルコンピューターに搭載されたディスプレイの中で、おそらく最も優れたものだ。とにかくすばらしい。日常的に使用する輝度も平均で最大600ニト(カンデラ平方メートル)と良好だが、動画や写真などのフルスクリーンのHDRコンテンツでは、平均で1000ニト、ピーク時には1600ニトまでディスプレイを明るくすることができる。これはとても「明るい」。昼光下におけるHDRコンテンツの視聴が大幅に改善されている。さらに、120Hz ProMotion(プロモーション)機能などの標準的な機能もすべて搭載されている。

1万個のミニLEDをディスプレイに搭載することで、黒の定位がより正確になり(それらを完全にオフにすることができるため)、過度の反射(ブルーム)も少なくなった(ただし極端なテストを行うとまだ表示される)。また、画面の端から端までの輝度の均一性が格段に向上し、画面上のコンテンツの斜め方向からのビューが改善された。すべての面で優れている。間違いなくディスプレイのすばらしい標準だ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

Appleの新しいMagic Keyboard(マジックキーボード)は、基本的には従来のものと同じだが、新たにホワイトが加わった。またうれしいことに、これまでのMagic Keyboardが、新しいiPad Proモデルでもまったく問題なく動作したことを報告したい。2つのデバイスの寸法が同じではないため、古いキーボードが完全にフィットしない可能性があることをAppleが発言したために、ちょっとした騒ぎがあった。だが基本的にはまったく同じフィット感で、機能も同じなので安心して欲しい。両者の違いに気がつくのは、ケースを閉じて、開いている方の端をとても注意深く見たときに、ケースの縁とiPad Proの端の間のクリアランスが約1mm短くなっていることがわかったとき位だ。Appleは、ともかく過剰なほどの情報開示をしておいた方が良いと考えたのだろう、しかし実際には問題はない。

特にシルバーモデルのiPad Proとの組み合わせでは、ホワイトカラーの見栄えは素晴らしく、白いアンテナウィンドウがアクセントになっている。とても「2001年宇宙の旅」的だ(キューブリック監督のiPadは黒だったが)。しかし、私はこの製品がすぐに傷つき汚れていくことが予想できる。箱に「color may transfer」(色落ちすることがあります)という注意書きがあるが、私もそうだろうと思う。私のデモ機には、まだ目立った汚れはついていないが、それも時間の問題だと思う。

キーボードの全体的な使用感はこれまで同様に素晴らしく、とても快適なタイピングができる。またiPad Proの購入を計画する際には、このキーボードが必要不可欠であることを考慮に入れて価格を考慮すべきだ。

さて、あまり輝いていないコインの裏側が、老朽化したiPadのソフトウェアだ。それらは2020年にiPad Proのレビューを書いたときと同じようなままだが、その時点での私の結論は要するに「慣れることはできるが、もっと良くできたはずだ」だった。それが1年前のことだ。この2年半の間、iPad Proを唯一のポータブルマシンとして使用してきた私には、ソフトウェア機能の大きな飛躍をずっと待ち続けているのだという資格がある。

関連記事:最新iPad Proは旧モデルから乗り換えるほどではないが、マウスとキーボードは快適で便利

iPadのソフトウェアには、とてもシンプルな願いがある。ハードウェア側が見せてくれるようなエネルギーの躍動感や、ピークパフォーマンスのための純粋な能力を感じたいのだ。

AppleのiPad Proのハードウェアは、まるで身体3つ分リードしている絶好調のアスリートのようなパフォーマンスを見せてくれる。M1チップとミニLEDディスプレイは得難いものたちだ。これほどの優れたものが1つのデバイスに詰め込まれていることには感動する。

だが残念ながらソフトウェアがその能力を活かすことができないので、このiPad Proはまるで同じ古い家具を備えた完成した家のように感じられるのだ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

Appleは、2021年版iPad Proのハードウェアについては、文句なしにすばらしい仕事をしたが、ソフトウェアについてはレベルアップが必要だ。1年の大半をiPad Proを使って過ごしている「パワー」ユーザーとして、私はその場しのぎの解決法や動きの癖には慣れている。しかしここで、必要とされているのはiPadのパラダイムにじっくりと時間をかけて取り組むことだ。現在のペインスタイルのインターフェイスは、非常に高速で流れるような作業方法として推奨できる点が多いのだが、最後までの連続性が存在していない。「これが新しい仕事のやり方だ、このやり方を学ぶべきだ」という熱意が感じられないのだ。

現在のiPad Proのソフトウェアの多くが、あまりにも「アフォーダンス(表現)の谷」にはまり込んでいる。そこでは、いまでもユーザーが、あたかもタッチファーストの仕事のやり方を習得する能力がないかのように扱われている。むしろ、そうしたアフォーダンスのやり方が逆に進歩の妨げになっているのに。

これは、iOS 7時代の頃に行われた「アニメーションを減らす」アフォーダンスを思い起こさせる。かつてAppleがiOSを刷新したとき、新しいペインベースのインターフェイスをタップしているときに何が起こっているのかをユーザーに明確に伝えるために、アニメーションを大幅に増やし過ぎたことがある。ハードウェア的には「遅い」ということはなかったが、彼らが入れたアニメーションのアフォーダンスが凝りすぎていて、遅く感じられたのだ。それらのアニメーションをオフにすると、瞬時にインターフェイスが軽快になり、使いやすくなった。

Appleは最終的に、人びとがより高度なタッチユーザーになる準備ができているのかもしれないと認めることで、これらのアニメーションを抑制した。

これが現在のiPad Proの置かれている状況で、最も腹立たしいのはそのハードウェアとソフトウェアの格差なのだ。iPad Proはこれまでに製造された中で最も優れたコンピューティングハードウェアの1つであり、現在見せているもの以上の能力を持っていることを私たちは知っている。Appleはソフトウェアに関して常に編集者的な視点を持っており、私はその点は評価している。しかし現在、iPad Proに関しては、その姿勢があまりにも保守的であるように感じられる。

だからこそ、私は固唾を飲んでWWDCを待っているのだ。ハードウェア側でこれだけの成果を上げているのだから、iPadのソフトウェア側でもAppleが真に次のステップに進む時期が来ていると考えるべきなのではないだろうか。もしそれが本当に起こり、iPadの次の仕事に対するAppleのビジョンがしっかり見えてきたら、私はまた新しい視点で議論したい。

画像クレジット:Matthew Panzarino

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPadiPad OSApple M1レビューUI / UX

画像クレジット:Matthew Panzarino

原文へ

(文:Matthew Panzarino、翻訳:sako)

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

いよいよ発売となりますApple新iPad Pro 2021年モデルに少し早く触れる機会がありましたので、動画も交え、実機の細部を一緒にチェックしていけましたらと思います。

新しいiPad Proは、これまで同様11インチ(第3世代)/12.9インチ(第5世代)の2サイズあり、それぞれシルバー/スペースグレイの2色、Wi-Fiモデル/セルラーモデルが用意されています。価格は11インチが9万4800円〜、12.9インチモデルは12万9800円〜となっています。

本稿で紹介するのは12.9インチ、シルバーのセルラー(5G)・メモリー1TBモデルで、価格は23万1800円(税込)

本稿で紹介するのは12.9インチ、シルバーのセルラー(5G)・メモリー1TBモデルで、価格は23万1800円(税込)

パッと見は2020年発売の第4世代とさほど変わりませんが……

パッと見は2020年発売の第4世代とさほど変わりませんが……

セルラーモデルはついに5G対応。引き続きeSIMもサポートしますので、キャリアだけでなくMVNOの豊富なプランから選択できるわけですね

セルラーモデルはついに5G対応。引き続きeSIMもサポートしますので、キャリアだけでなくMVNOの豊富なプランから選択できるわけですね

関連記事:
M1チップを搭載したiPad Pro発表。Thunderboltに5G対応
M1搭載の新 iPad Pro vs 前世代比較。12.9インチ版はLiquid Retina XDR搭載

最新Macと同じM1チップを搭載

AppleのM1チップを搭載し、2020年ProのA12Z Bionicと比較しパフォーマンスは約2倍、グラフィック性能は40%向上しています。2020年10月に発売されたiPad Air(第4世代)はA14 Bionicを搭載し、一部ベンチマークテストでiPad Proを超えることで話題となりましたが、M1チップの搭載で首位奪還です。

Geekbench 5によるテスト結果(平均値ではありません)

Geekbench 5によるテスト結果(平均値ではありません)

内蔵ストレージの容量は128GB、256GB、256GB、512GB、1TB。それに加え、今回は2TBのモデルも用意されます。価格は跳ね上がりますが、1TB・2TBモデルはRAM(メモリー)がほかのモデルの2倍となる16GBに。

私のような仕事(記者)で、16GBのRAM(メモリー)をフル活用するシーンがなかなか思い浮かばないのですが、解像度の高い動画を何本も編集したり、レイヤーを何重にも重ねて作業したりするプロ・クリエイターの方にとって、上位モデルはより魅力的となったのではないでしょうか

私のような仕事(記者)で、16GBのRAM(メモリー)をフル活用するシーンがなかなか思い浮かばないのですが、解像度の高い動画を何本も編集したり、レイヤーを何重にも重ねて作業したりするプロ・クリエイターの方にとって、上位モデルはより魅力的となったのではないでしょうか

関連記事:M1 iPad Pro、ストレージ1TB以上はRAM 16GB搭載。それ未満は8GB

60万円相当の画質

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん
12.9インチのモデルは、Liquid Retina XDRディスプレイ(ミニLED)を搭載しています。すごく簡単に言うと、液晶と有機ELの「いいとこ取り」をしたモノです。ピーク輝度は1600ニト、100万対1のコントラスト比となっており、60万円近くするAppleのPro Display XDR(32インチ)とほぼ同じクオリティーで映像を楽しんだり、実物に近い色味で写真や動画の編集作業が行なえたりします。

Liquid Retinaディスプレイを液晶を搭載した前モデル(右)と並べると、黒の部分とその周囲がよりハッキリ出ているのがわかります。肉眼だと部屋を暗くしなくてもわかるくらい結構違っています

Liquid Retinaディスプレイを液晶を搭載した前モデル(右)と並べると、黒の部分とその周囲がよりハッキリ出ているのがわかります。肉眼だと部屋を暗くしなくてもわかるくらい結構違っています

繰り返しになりますが、このLiquid Retina XDRディスプレイを搭載するのは、大きいほうの12.9インチモデルのみ。ミニLEDを採用したことで、12.9インチは従来より0.5ミリほど本体の厚みが増しています(左が新モデル)

繰り返しになりますが、このLiquid Retina XDRディスプレイを搭載するのは、大きいほうの12.9インチモデルのみ。ミニLEDを採用したことで、12.9インチは従来より0.5ミリほど本体の厚みが増しています(左が新モデル)

関連記事:12.9インチM1 iPad Pro、「Liquid Retina XDR」採用。1万個以上のミニLEDバックライト搭載

なお、厚みが増したことで、12.9インチ用の純正キーボード・カバー類に関しては、第3世代のものは非対応となっています(第4世代のものは第3世代にも対応)。

……のはずですが、第3世代用Magic Keyboardを第4世代で試したところ、問題なく使えてしまいました。カバーもちゃんと閉まります。経年劣化で緩んでいた可能性もありますし、Appleが非対応としているのですから、お高いですが本体を買い替えた方は、一緒に新バージョンを買っておくのが無難かと

……のはずですが、第3世代用Magic Keyboardを第4世代で試したところ、問題なく使えてしまいました。カバーもちゃんと閉まります。経年劣化で緩んでいた可能性もありますし、Appleが非対応としているのですから、お高いですが本体を買い替えた方は、一緒に新バージョンを買っておくのが無難かと

カメラもiPhone級に

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん
背面のメインカメラは、2020年モデルと同じ仕様のデュアルレンズ構成ですが、iPhone 12と同じSmart HDR 3に対応。AIが細部を自動調整してくれます。

空などをAIが判別し、より自然に見えるよう処理してくれます

空などをAIが判別し、より自然に見えるよう処理してくれます

ビデオ会話が快適に

フロントカメラは従来の700万画素から1200万画素になりました。視野角も122度と広くなっています。新たにセンターフレーム(一部地域ではセンターステージ)という機能が備わり、FaceTimeやZOOMなどのビデオ会議で、発話者が自動で中央に表示されるようになっています。

センターフレームはデフォルトでオンに(設定でオフにもできます)

センターフレームはデフォルトでオンに(設定でオフにもできます)

実際に、お友達と試してみました。

FaceTime

FaceTime

Zoom

Zoom

センターフレームは、サードパーティアプリ向けにAPIが公開されていて、ZoomやWebexなどがすでに対応しています。純正アプリのFaceTimeでは、話者に向かって迫っていく感じで、インタビュー映像のようになりましたが、Zoomだと左右調整がメインに行なわれるようです。ユーザーはオン・オフしかできませんが、デベロッパーは細かくカスタマイズできるのかもしれません。

センターフレームは、カメラが広角になり、かつ解像度が上がったため、自動で顔をトリミングしても画質が荒くならないよう常に調整できるようになったため実装できた機能です(なので、オフにすると画角が広角になります)。

モバイルデータ通信の設定で、5Gのデータ使用量を「より多く」に許可し、FaceTimeで会話してみたところ、遅延がなく画質も綺麗、そのうえ自然に顔がフォーカスされてるので、まるで実際に会って話しているような感覚。ほとんどストレスを感じませんでした。ビジネスでFaceTimeを使うシーンは少ないかもしれませんが、ご家族やお友達とぜひ試していただきたいです。

LAN直差しで10Gbps

端子は最大転送速度40GのThunderbolt 3対応に

端子は最大転送速度40GのThunderbolt 3対応に

USB端子がThunderbolt 3対応になり、外部ストレージからの高速転送や6Kディスプレイへの出力も行なえるようになりました。また、LANアダプターを介せば有線イーサネットも10Gbpsの速度で接続できます。

Magic Keyboardにホワイトが新登場

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん
アクセサリーは、これまで通りApple Pencil、Magic Keyboard、Smart Folioカバー、Smart Keyboard Folioが用意されます。このタイミングからMagic Keyboardのホワイトが登場しました。

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

ホワイトになっただけで、雰囲気がずいぶん違ってきますね

ホワイトになっただけで、雰囲気がずいぶん違ってきますね

一緒に持ち歩くと1.4キロ近くと相変わらず重量級ではあるのですが、5Gも搭載しているので性能から考えたら十分コンパクトなモバイルワークマシンと言えるかと

一緒に持ち歩くと1.4キロ近くと相変わらず重量級ではあるのですが、5Gも搭載しているので性能から考えたら十分コンパクトなモバイルワークマシンと言えるかと

【レビュー】新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさんニューiPad Pro、ポイントはM1になったことによるパフォーマンスの向上と細部のパワーアップ、5G対応、そして12.9インチは液晶と有機ELのいいとこ取りとしたミニLEDを初登載している点です。

私は個人的に音楽のライブ配信をよく見るのですが、音質、画質、それと互換性(サービスによってはTVなどに飛ばせない)といったあらゆる面から、この新しい12.9インチのiPadが現状、最もライブ配信の視聴環境として優れていると確信しています。また、ゲームもよくするのですが、暗所の表現が多いゲームは、より引き締まった絵で楽しめるので大迫力です。

World of Demons - 百鬼魔道

World of Demons – 百鬼魔道

よりモバイルの機動力を重視する方には11インチモデルもオススメです。iPad Airと迷いそうですが、さらに高パフォーマンス、5G、4スピーカーシステムにセンターシフト、パワーアップポイント満載です。

<オマケ情報その1>

動画には入れてない細かいお話。フロントカメラ周りのセンサー類は、微妙に位置が変わっています。保護フィルム等を貼られる方が多いと思いますが、お買い求めの際は「2021年モデル対応」の表記を確認されることをオススメします。

前モデル用を貼ると、センサーに少し被ってしまいます

前モデル用を貼ると、センサーに少し被ってしまいます

<オマケ情報その2>

iMacに付属するMagic Keyboardを、新iPad Proとペアリングしたらフツーに使えました。ただ、Touch IDは動きません(M1 Macなら動きますが、M1 iPadはNGのようです)

いずれにせよ単体売りはされないキーボードなので、あまり意味はありませんが……

いずれにせよ単体売りはされないキーボードなので、あまり意味はありませんが……

新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義

iPad Pro 2021 はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台

Engadget日本版より転載)

関連記事
【インタビュー】アップル幹部がM1搭載の2021年版iPad Proに寄せる思い、Macとの統合と新しい統合プロセッサー戦略
アップルがM1チップ搭載iPad Proを5月後半発売、12.9インチが12万9800円から、11インチは9万4800円から
アップルが「Spring Loaded」で発表した新製品まとめ、新iMac、iPad Pro、AirTagなど
新iPad ProもApple M1チップ搭載

カテゴリー:ハードウェア
タグ:iPad(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Apple M1(製品・サービス)Appleシリコン / Apple Silicon(製品・サービス)レビュー(用語)日本(国・地域)

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義iPad Pro 12.9インチ(第5世代)をアップルから借用し、ひと足早く試す機会を得た。

12.9インチモデルを触る前は、正直言って「次に買い換えるとしたら、11インチモデルで十分かも」と思っていた。そもそも、12.9インチは携帯するにはちょっと大きすぎる。かつて12.9インチモデルを購入して持ち歩いていたが、その大きさを持て余していた。結局、出先で気軽に使うには11インチの方がしっくり来るというのが結論に辿り着いたのだ。

しかし、実際に第5世代のiPad Pro 12.9インチモデルを触ってみると、その信念が大きく揺らいでしまった。

関連記事:
M1チップを搭載したiPad Pro発表。Thunderboltに5G対応
M1搭載の新 iPad Pro vs 前世代比較。12.9インチ版はLiquid Retina XDR搭載

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
12.9インチが持ち歩くにはちょっと大きいというのは間違いのない事実だが、使い勝手の面において、やはり「大画面は正義」と感じてしまう。ここ最近、増えてきた動画処理をする上でも画面は大きい方がいいに決まっている。

今回、12.9インチモデルを実際に触って、信念が揺らいだ理由の一つがLiquid Retina XDRディスプレイだ。ミニLEDを1万個以上内蔵し、コントラストを100万対1に引き上げている。実際に触る前は大したことないとたかをくくっていたが、実物を目にすると確かに良い。

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
映像や写真などでは暗い部分がしっかりと暗くなっており、明暗がハッキリした表現になっているのだ。自分で撮った映像や写真のみならず、動画配信サイトの映画やドラマ、さらにビデオ会議や記者会見の映像までもパッキリと見えるから不思議だ。

今までのiPad Proと見比べてみると、全体的に明るくなってしまっているのだが、新しい12.9インチモデルは、黒い部分がしっかり黒い。有機ELディスプレイのiPhone 12シリーズに近いといえよう。もちろん、iPad Proの方が大画面なので、視聴しやすいメリットもある。

すでに新しい11インチモデルを予約済みであり、「12.9インチの方が良かったなぁ」とかなり迷い始めた。

そしてもう一つ、iPad Pro 12.9インチモデルを触って、悩ましいと感じたのが処理のレスポンスだ。

新しいiPad Proは、11インチと12.9インチ、いずれもM1チップを搭載している。もともと、iPadOSはサクサクと処理をこなせるのが魅力だが、チップセットがMacBook Proと同等になったことで、さらにサクサク度が増した。

LumaFusion利用イメージ

LumaFusion利用イメージ

実際にすでに使い倒しているiPad Pro 11インチモデル(第2世代、メモリ容量6GB)と、新しいiPad Pro 12.9インチモデル(第5世代、メモリ容量16GB)で動画編集(LumaFusion)を比較してみると、第5世代iPad Pro 12.9インチモデルの方が遥かに快適に動く。

第2世代iPad Pro 11インチモデルでは、写真や動画を読み込む際、最初にボケた状態で出たのちにクッキリとした写真や動画が表示されるのだが、第5世代iPad Pro 12.9インチモデルであれば、最初からクッキリとした写真が動画が出てくるのだ。一瞬の違いなのだが、このストレスがあるかないかは意外と大きい。

ちなみに今回のiPad Proは、本体容量が128GB、256GB、512GB、1TB、2TBの5モデルが存在する。容量の小さい3つはRAM容量が8GB、1TBと2GBは16GBだ。

文書作成やメール処理などであれば8GBで十分だろうが、アプリを頻繁に切り替える、例えば、写真アプリで加工し、その画像や映像などの素材を動画編集アプリで編集する、といったiPad Proの性能をフルに引き出す使い方をするのであれば、本体容量1TB以上を選ぶのが望ましいのかもしれない。

個人的にこれまでiPad Proを長年使ってきているが、iCloudを活用していることもあり、256GBモデルであっても、あと100GB以上の容量が余っている。今回も11インチモデルの256GBで十分かな、と思いつつ、今触っている12.9インチ 1TBモデルの快適さを実感すると、どれを買うべきか、改めて悩ましくなってしまっているのだ。

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
さらにiPad Proを選ぶ上で、絶対に揺らがないのが「買うならセルラー版」という信念。人によっては「Wi-Fiのみか、セルラーも使える方か、どちらかにしようか」と悩む人も多いだろう。

価格差が2万円弱あるので、コストを考えたらWi-Fi版となるかもしれないが、使い勝手を考えるとやはり携帯電話のネットワークに繋がった方が便利なのは間違いない。

今回のiPad Proは5Gにも対応する。自宅ではかろうじてソフトバンクの5Gが繋がるのだが、だからと言って、劇的に高速というわけでもない。どうやら、4G周波数帯の転用らしく、5Gと表記はされるが、中身は4Gみたいなものだ。とはいえ、4Gでもそれなりの速度が出るから快適だ。

今は緊急事態宣言で、自宅で5Gに繋いで喜んでいるだけだが、あと数か月もすれば、街中に出て、5Gに繋ぎ、iPad Proで仕事をしまくることだろう。公衆Wi-Fiはセキュリティ面でどうしても不安があるだけに「いつでもどこでも安心して繋がるキャリアネットワーク」にすぐにアクセスできるiPad Proのセルラー版が手放せないのだ。

【レビュー】新iPad Pro 12.9を試す、大画面とLiquid Retina XDRディスプレイは正義
iPad Proには「センターフレーム」というテレビ会議の際、自分をセンターに映し出してくれる機能が備わった。これまで自分を正面に映そうとする場合、パソコンやiPad Proを机の上だけでなく、さらに台を持ってきて、その上に置くなどの工夫が必要だった。しかし、センターフレーム機能があれば、そうした努力は不要。自動で自分の顔をセンターにして相手に映し出してくれる。コロナが落ち着いても、ビデオ会議は続きそうなだけに、これからも便利な機能として使えそうだ。

今回のiPad ProはM1チップが載り、本体容量も2TBまで選べるなど、もはやパソコンと比較する製品となった。iPadシリーズ全体で見ると幅広い価格帯となっており、エントリーモデルは、それこそ、GIGAスクール構想など、文教市場を狙った製品と言える。一方で、iPad Proはその名の通り、Proユースを意識したスペック、使い勝手となっている。

1秒でも無駄にしたくない、出先でも俊敏に仕事をこなしたい人には、iPad Proが心強い相棒になってくれることだろう。

iPad Pro 2021 はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台
新しいiPad Pro 12.9インチモデルを動画でチェック!M1、5G、ミニLEDなど進化点盛りだくさん

(文:石川温、Engadget日本版より転載)

関連記事
【インタビュー】アップル幹部がM1搭載の2021年版iPad Proに寄せる思い、Macとの統合と新しい統合プロセッサー戦略
アップルがM1チップ搭載iPad Proを5月後半発売、12.9インチが12万9800円から、11インチは9万4800円から
アップルが「Spring Loaded」で発表した新製品まとめ、新iMac、iPad Pro、AirTagなど
新iPad ProもApple M1チップ搭載

カテゴリー:ハードウェア
タグ:iPad(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Apple M1(製品・サービス)Appleシリコン / Apple Silicon(製品・サービス)レビュー(用語)日本(国・地域)

【レビュー】iPad Pro 2021 はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台

12.9インチ版のiPad Proで、5G通信機能を試した

12.9インチ版のiPad Proで、5G通信機能を試した

MacBook Airなどと同じM1チップを採用し、5Gにも対応したiPad Proの発売が迫ってきています。発売に先立ち、筆者も実機を試用することができました。パフォーマンスの高さやディスプレイの美しさは別の記事に譲るとして、ここでは、シリーズ初となる5G対応に関してあれこれレビューしていきたいと思います。筆者が今回、もっとも注目していたのもこの機能です。
関連記事:
M1チップを搭載したiPad Pro発表。Thunderboltに5G対応
M1搭載の新 iPad Pro vs 前世代比較。12.9インチ版はLiquid Retina XDR搭載

と言っても、ユーザーが何か特別なことをする必要はありません。セルラー版を購入して、5Gに対応するキャリアのSIMカードを挿せばOK。ドコモ、au、ソフトバンクの大手3キャリアの場合、スマホのメイン回線と組み合わせることができる「データプラス」などのいわゆるシェアプランがあるため、料金的にはそれを利用するのが手っ取り早いでしょう。2枚目のSIMカードは1枚目と容量をシェアする形ですが、主回線が無制限の場合、30GB前後の制限があります。

設定項目は、ほぼほぼiPhone 12シリーズと同じ。「設定」の「モバイルデータ通信」で「通信のオプション」を選ぶと、「データ」と「データモード」で5G接続の挙動を変更することができます。前者のデータは、5G対応のSIMカードを挿すと、常時5Gが有効になる「5Gオン」と、自動で5Gをオフにすることがある「5Gオート」を選択可能。何らかの理由でオフにしたい時には、「4G」を選択すればOKです。

5Gの設定項目は手順などが少々異なるものの、ほぼiPhoneと同じ

5Gの設定項目は手順などが少々異なるものの、ほぼiPhoneと同じ

「データモード」は、5G接続時にコンテンツの画質を自動的に向上させるための項目です。初期設定では、データ容量を節約するためか、「標準」になっていましたが、「5Gでより多くのデータを許容」をオンにすると、5Gで接続している際に、FaceTimeやビデオの画質が向上します。おそらくこの初期設定は、キャリアや加入しているプランによって変わるはずで、iPhoneと同じだとすると、KDDIの無制限プランに加入している場合は、デフォルトで「許容」になると思われます。

「5Gでより多くのデータを許容」をオンにすると、5G接続時に一部アプリの画質などが自動的に上がる

「5Gでより多くのデータを許容」をオンにすると、5G接続時に一部アプリの画質などが自動的に上がる

設定をオンにしていると、高画質化するコンテンツは、以前より増えています。この機能をプッシュするKDDI関連のサービスが多い印象ですが、スポーツコンテンツでおなじみのDAZNも、動画品質の自動アップグレードに対応しています。試しに、編集長とWi-Fi環境下でFaceTimeを使って雑談してみましたが、肌の質感までよく分かるほどの映像で、通常のFaceTime以上に臨場感が高いと感じました。試用したiPad Proは、12.9インチと画面サイズが大きいため、迫力はiPhone以上。スマホ以上に、5Gエリアで通信することの重要性を感じました。

編集長とFaceTime HDで楽しい時間を過ごした。大画面のiPad Proなら、iPhone以上に画質の違いが分かりやすい

編集長とFaceTime HDで楽しい時間を過ごした。大画面のiPad Proなら、iPhone以上に画質の違いが分かりやすい

そのメリットを体感するには、5Gのエリアが広い必要があります。現時点では残念ながら、4Gのように全国くまなくというわけではありませんが、KDDIやソフトバンクについては、以前とは様相が変わってきています。4Gから5Gへの周波数転用を開始したからです。iPad Proには主にソフトバンクのSIMカードを挿していましたが、筆者の事務所がある渋谷では、様々な場所で5Gがつながります。路上はもちろん、よく行くカフェや事務所の喫煙所(屋外)も、5Gのエリアになっていました。

転用のため、通信速度に関しては4Gとそこまで変わらず、数十Mbpsという場所も多々ありましたが、上記のような、画質向上機能がオンになるのはメリットの1つと言えるでしょう。逆に、周波数転用を現時点では導入していないドコモは、5Gにつながったときの速度には以下のように、目を見張るものがあります。一方で、元々の5Gの周波数は4.5GHz帯や3.7GHz帯と非常に高く、屋内浸透もしにくいのが難点。KDDIやソフトバンクのように、とりあえず入ったカフェの中で5Gを使うというシチュエーションには、なかなか出くわさない印象があります。

転用5Gのエリアは広く、導線がしっかりカバーされている印象を受ける。ただし、速度は4Gと大差なし

転用5Gのエリアは広く、導線がしっかりカバーされている印象を受ける。ただし、速度は4Gと大差なし

【レビュー】iPad Pro 2021はスマホ以上に5Gの重要性を感じた1台(石野純也)

ドコモはエリアこそ狭いが、つながると爆速になるケースが多い。同じ場所でも、4G(下)と5G(上)では速度がこれだけ違う

ドコモはエリアこそ狭いが、つながると爆速になるケースが多い。同じ場所でも、4G(下)と5G(上)では速度がこれだけ違う

iPad Proの利用シーンや、上記のように5Gでコンテンツの画質を向上させる機能があることを踏まえると、やはり転用であっても、エリアが広い方が嬉しいのではないでしょうか。いくら高速でも、スマホと違って、iPad Proを路上で使うことはあまりありません。最近は、駅などで歩きタブレット(!)をしている人を見かけることもありますが、あくまでレアケース。カフェなどに入って、Webや動画を見たり、ビデオ会議をしたりするシーンの方が、シチュエーションとしてリアリティがあります。

そもそもの話として、通信速度ではなく、4Gか5Gの区分だけでコンテンツの品質を分けてしまうのはどうなのかという議論もありますが、同様の機能はiOSだけでなく、Androidにも採用され始めていて、業界標準になりつつあります。特に腰を据えてじっくり使うiPad Proでは、その恩恵が大きいため、ドコモは屋内対策をぜひともがんばってほしいと思いました。ただ、iPad Proは作成した動画をアップロードするといった用途も考えられるため、ほか2社も転用だけに頼らず、Sub-6のエリア整備は強化してほしいところです。

ここまで、あえて名前を挙げていませんでしたが、4月にiPhoneの取り扱いを開始した楽天モバイルも試してみました。オチのように使ってしまうのは大変恐縮ですが、残念ながらiPad Proは、同社の5Gには非対応のようです。楽天モバイルのeSIMプロファイルをインストールしてみたところ、iPhone 12シリーズを取り扱っていなかったころと同様、設定メニューに5Gの文字が現れませんでした。

楽天モバイルのeSIMを設定してみたところ、「データ」で5Gを選択できなかった

楽天モバイルのeSIMを設定してみたところ、「データ」で5Gを選択できなかった

選択できるのは4Gのみで、アンテナピクトの表記は「LTE」になります。また、APNは入力なしで通信できましたが、空欄のままだとインターネット共有(テザリング)の設定も表示されません。これは、楽天モバイルがiPad ProやiPadを取り扱っていないためだと思われます。キャリア設定も降ってこなかったため、取り扱いを開始するまで、同社の5Gはお預けということになりそうです。段階制の料金プランは、サブデバイスとしてのタブレットと相性がよさそうなだけに、今後の展開に期待したいところです。

APNは空欄のままでもつながったが、インターネット共有を利用する際には手動での入力が必要

APNは空欄のままでもつながったが、インターネット共有を利用する際には手動での入力が必要

M1チップを搭載したiPad Pro発表。Thunderboltに5G対応

M1搭載の新 iPad Pro vs 前世代比較。12.9インチ版はLiquid Retina XDR搭載

(文:石野純也、Engadget日本版より転載)

関連記事
【インタビュー】アップル幹部がM1搭載の2021年版iPad Proに寄せる思い、Macとの統合と新しい統合プロセッサー戦略
アップルがM1チップ搭載iPad Proを5月後半発売、12.9インチが12万9800円から、11インチは9万4800円から
アップルが「Spring Loaded」で発表した新製品まとめ、新iMac、iPad Pro、AirTagなど
新iPad ProもApple M1チップ搭載

カテゴリー:ハードウェア
タグ:iPad(製品・サービス)Apple / アップル(企業)Apple M1(製品・サービス)Appleシリコン / Apple Silicon(製品・サービス)レビュー(用語)日本(国・地域)

飲食店の予約・顧客台帳サービス手がけるトレタと凸版印刷が提携、フードデリバリー領域新サービスを2021年末までに提供

凸版印刷と飲食店向けの予約・顧客台帳サービスを開発・提供するトレタは5月18日、資本業務提携を締結したと発表した。

現在の新型コロナウイルスの状況下において、飲食店では業務効率化や顧客単価向上を目的としたDXの導入が求められている。そこで、凸版印刷の店頭POP、キャンペーンといった販促支援ソリューションやBPO事業と、飲食店に特化したトレタのソリューションとを掛け合わせることが、提携の目的だ。

具体的には飲食店向けコールセンターのDXとして、トレタの飲食店向けBPOサービス「トレタコンタクトセンター」とトッパングループのTBネクストコミュニケーションズと連携する。将来はトレタが研究開発した自動応答予約サービスをTBネクストコミュニケーションズが持つ他業界の顧客へ展開していくことも検討している。

また、トレタの提供する店内飲食の注文から決済までを顧客自身のスマホで行うモバイルオーダーシステム「トレタO/X」(オーエックス)と、凸版印刷が行っている販促支援ノウハウを連携させる。これにより、顧客に合わせた1to1の広告コンテンツの表示など、より効果的なプロモーションが可能となる。また今後は、プロモーションコンテンツの共同開発も進める。

今後凸版印刷とトレタは、トレタO/Xと連動したフードデリバリー領域における新たなサービスを2021年末までに開発・提供するとしている。飲食店のDX化により、新型コロナの現在の苦境を成長のきっかけに変えられるかが注目されそうだ。

関連記事
30分以内の飲食店“超直前”予約に特化した「トレタnow」公開
LINEチャットでレストラン予約の「ビスポ!」にLINE、本田圭佑氏らが出資
飲食関連サービスのカオスマップ(2017年版)をトレタが公開

カテゴリー:フードテック
タグ:飲食業界(用語)トレタ凸版印刷 / TOPPAN(企業)日本(国・地域)

独立系ベンチャーキャピタル「One Capital」が1号ファンドを160億円でクローズ

独立系ベンチャーキャピタル(VC)のOne Capitalは5月18日、One Capital 1号ファンド(1号ファンド)の運用総額が同日の追加募集により160億円に達し、クローズしたと発表した。

One CapitalはSaaSスタートアップへの出資および支援だけでなく、出資者のイノベーション支援ならびにプロダクト(SaaS)開発も行うVCだ。出資者のイノベーション支援では、デジタルトランスフォーメーション(DX)のアドバイザリーを行なっている。

今回の追加募集には、中小企業基盤整備機構や海外投資家(機関投資家、ファミリーオフィス、個人)が参加。4月15日にリリースしたセカンドクローズより、さらに45億円増加している。これにより運用総額は160億円となり、国内独立系VCの1号ファンドとしては過去最大となった。また、海外投資家比率も4割を超えており、日本のSaaS市場に対する期待が高まっているとしている。

2020年4月に元Salesforce Venturesの浅田氏が設立し、従業員コンディションを解析する「Well」などへの出資を実施してきたOne Capital。SaaS市場の拡大とともに、その活動に注目が集まりそうだ。

関連記事
元Salesforce Ventures浅田氏が独立系VCのOne Capital設立、1号ファンドは50億円規模でスタート
SlackやMS Teamsでの日常のやり取りから従業員コンディションを解析する「Well」開発のBoulderが1億円調達
富裕層以外の投資家にも道を開くエクイティクラウドファンディングをメインストリームに押し上げたいGumroad

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:VC / ベンチャーキャピタル(用語)One Capital(企業)日本(国・地域)

埼玉県川越市からJリーグ目指すCOEDO KAWAGOE F.Cがブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン発行

埼玉県川越市からJリーグ目指すCOEDO KAWAGOE F.Cがブロックチェーン基盤のFiNANCiEでクラブトークン発行

埼玉県川越市からJリーグを目指すCOEDO KAWAGOE F.Cは5月18日、ブロックチェーンを利用したトークン発行型クラウドファンディング「FiNANCiE」で5月20日よりクラブトークンの発行・売り出しを開始すると発表した。ファンディング実施期間は5月20日11時から6月18日14時59分までの予定。クラブトークンの販売売上は、主にクラブ運営費用に利用する。

COEDO KAWAGOE F.Cは2020年9月に埼玉県川越市をホームとし、20代の起業家2名によって設立された社会人サッカーチームだ。さらに、2030年のJリーグ加入も目指している。

COEDO KAWAGOE F.Cのクラブトークンはブロックチェーンで発行・管理され、ポイントのように数量を持ち、サポーター(トークン保有者)の売買に応じて価格が変動する。

そして販売売上は、主にCOEDO KAWAGOE F.Cのクラブ運営費用に利用される。購入者はクラブの投票企画への参加や、参加型イベントへの招待、特典抽選などへ応募が可能となる。

支援コースでは1万ポイント/3万ポイント/5万ポイント/10万ポイントの販売額が設定されており、それぞれで獲得できるクラブトークンが異なる。

COEDO KAWAGOE F.Cによると、欧州を中心とした海外ではブロックチェーン技術を利用したプロスポーツチームの「クラブトークン」が発行され、オンライン上でのファンサービス・クラブ応援ツールとして注目されているという。バルセロナFCやユベントスなど、主要なサッカープロチームなどがすでに展開しているそうだ。COEDO KAWAGOE F.Cによるクラブトークンの発行が、どのように地域リーグの発展に貢献するのかに注目したい。

関連記事
パフォーマンスを上げケガを防ぐチームスポーツトラッキングプラットフォームのPlayerDataが約2.5億円調達
味の素が一般アスリート・部活生向け自動献立提案AIアプリ「勝ち飯AI」β版を開発、限定ユーザーテスト開始
湘南ベルマーレが国内初のプロサッカークラブトークン発行、クラブファンディング開始

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:スポーツ(用語)ブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

スマホが自動車のキーになるAndroid 12の新機能をグーグルが発表

Google(グーグル)は、BMWをはじめとする自動車メーカーと協力して、Androidスマートフォンから車両の施錠 / 解錠やエンジン始動ができるデジタルキーを開発中であることを、米国時間5月18日に行われた開発者向けイベント「Google I/O」で発表した。

このデジタルカーキーは、同社のモバイルOSの最新版であるAndroid 12で採用される数多くの新機能の1つ。Android & Google Playのプロダクト・マネジメント担当バイス・プレジデントであるSameer Samat(サミア・サマット)氏によると、デジタルカーキーは2021年後半に一部のPixel(ピクセル)およびSamsung Galaxy(サムスン・ギャラクシー)のスマートフォンで利用可能になるという。対応する車両は、BMWを含む2022年モデルの新型車と一部の2021年モデルとのことだが、具体的な車名やBMW以外のメーカー名はまだ明らかにされていない(発表で例として提示された画像は、BMWが2021年内に発売する新型電気自動車「i4」だった)。

このデジタルカーキーには、UWB(Ultra Wideband、超広帯域無線)と呼ばれる無線通信技術が使われている。これは、センサーが信号の方向を知ることができる、小さなレーダーのようなものだ。この技術によって携帯電話に内蔵されたアンテナは、UWB送信機を備えた物体の位置を特定し、識別することができる。UWB技術を利用するため、Androidユーザーは携帯電話を取り出さなくても、車両の施錠 / 解錠が可能になる。

画像クレジット:Google

NFC(近距離無線通信)技術を搭載した車種を所有するユーザーは、携帯電話をクルマのドアにかざすことでロックを解除できるようになる。通常はクルマのドアハンドル内に搭載されているNFCリーダーが、ユーザーの携帯電話と通信を行う仕組みだ。Googleによると、ユーザーはクルマの貸し借りをする場合にも、友人や家族とクルマのキーを安全かつ遠隔で共有することが可能になるとのこと。

Googleが今回の発表を行う前に、Apple(アップル)も2020年、iPhoneやApple Watchに同様のデジタルカーキー機能を追加すると発表している。iOS 14で導入されたこの機能は、NFCを介して動作する仕組みで、2021年モデルのBMW 5シリーズで初めて利用可能になった。

関連記事:アップルはiPhoneをクルマの鍵に変える、WWDC20で発表

最近では、独自にアプリを開発する自動車メーカーも増えており、それらを使えばユーザーはスマートフォンからリモートロック / アンロックなど、特定の機能を制御することもできるようになっている。GoogleやAppleの側から見た大きなメリットは、モバイルOSにデジタルキー機能を統合することで、ユーザーがアプリをダウンロードする必要がないということだ。

その意図は、面倒な体験を減らすことにある。そしてさらに、これをシームレスにしようという動きもある。Apple、Google、Samsung、そしてBMW、GM、Honda(ホンダ)、Hyundai(ヒュンダイ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)といった自動車メーカーが加盟するCar Connectivity Consortium(カー・コネクティビティ・コンソーシアム)は、メーカーの枠を超えて容易にスマートフォンを自動車のキーとして使用できるデジタルキーの標準規格を策定するために、数年を費やしてきた。

デジタルカーキーの開発は、スマートフォンが消費者の生活の中心になることを目指すGoogleの活動の一環だ。そしてその目標は、自動車抜きには達成できない。

「最近では、携帯電話を購入する際には、電話機のみならず、テレビ、ノートパソコン、自動車、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブルなど、連携が求められる機器のエコシステム全体を購入することになります」と、Googleのエンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるErik Kay(エリック・ケイ)氏は、今回のイベントにおける発表にともなうブログ記事の中で書いている。「北米では現在、1人あたり平均約8台のコネクテッド・デバイスを所有しており、2022年にはこれが13台に増えると予測されています」。

Googleは、ユーザーがワンタップするだけでデバイスをBluetoothを介してペアリングできる「Fast Pair(ファストペア)」機能を、自動車を含む他の製品にも拡大すると言っている。

ケイ氏によると、現在までに消費者は3600万回を超える「Fast Pair」を利用して、Sony(ソニー)、Microsoft(マイクロソフト)、JBL、Philips(フィリップス)、Google、その他多くの人気ブランドを含むBluetooth機器とAndroidスマートフォンを接続しているという。

このFast Pair機能は、今後数カ月のうちに、Beats(ビーツ)のヘッドホンやBMW、Ford(フォード)の自動車など、さらに多くのデバイスに導入される予定だと、サマット氏はGoogle I/Oで語った。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む
Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表
グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入

カテゴリー:モビリティ
タグ:GoogleGoogle I/O 2021AndroidBMW自動車電気自動車

画像クレジット:Google/screenshot

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Spotifyが独占公開とオリジナルのポッドキャストに自動文字起こし機能を追加

Spotifyが同社サービス上のポッドキャストを文字起こしする第一歩を踏み出す。米国時間5月18日、同社はSpotify独占とオリジナルの番組で自動文字起こしをする機能の限定ベータ版をまもなく公開すると発表した。将来的には同社プラットフォームで公開されている全ポッドキャストで文字起こしができるようにすることを目指す。同社はこの発表と同時に、リーダビリティや文字サイズ変更などアクセシビリティ機能の向上もいくつか発表した。

この新しい機能によりSpotify独自の番組に自動で文字起こしが生成され、ユーザーはiOSとAndroidデバイスで音を出していてもいなくてもポッドキャストのテキストを読むことができる。

文字起こし機能はアクセシビリティの観点から有用だろう。聴覚障がい者も含めてこれまでより幅広いオーディエンスがオーディオのプログラムを利用しやすくなるからだ。そしてすべてのリスナーにとって、早送りや早戻しで探さなくても話の特定の箇所にこれまでより簡単にジャンプできるようになる。

画像クレジット:Spotify

文字起こしをスクロールし、任意のパラグラフをタップしてそのカ所からストリーミングを開始できるとSpotifyは説明している。

Spotifyが言っているようにポッドキャストライブラリすべてで文字起こし機能を利用できるようになれば、ポッドキャスターが番組の文字起こしをして自分のウェブサイトで公開する作業が必要なくなる。代わりに、Spotifyで文字起こしを利用できるとリスナーに知らせるだけでいい。しかも他社製の文字起こしアプリを使う必要がなくなり、Appleのポッドキャスト文字起こし検索にも対抗できる(Appleは最近Podcastアプリに投資して再デザインしサブスクリプションも発表したことから、文字起こしに関しても近い将来のアップデートを準備しているかもしれないと見られる)。

関連記事:アップルがポッドキャストの有料定額サービス開始を発表、米国では番組あたり約53円から

Spotifyによると、文字起こし機能は「今後数週間」以内に公開される。

Spotifyは文字起こし機能のベータ版とともに、リーダビリティの改善についても発表した。これはボタンの色やテキストの書式と大きさを調整して、ロービジョンなどの視覚障がいを持つユーザーが再生開始やシャッフル再生などアプリ内のさまざまなボタンを見やすくするための改善だ。

また、SpotifyはDynamic Typeというシステム全体のテキストサイズの変更にすでに対応しているが、今後はiOSの「設定」でテキストをさらに大きくできるようになる(「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」をタップし「さらに大きな文字」を有効にしてスライダをドラッグする)。

関連記事
Spotifyがポッドキャストのタイムスタンプ付き共有など新しいソーシャルシェア機能を追加
Spotifyが米国で有料ポッドキャスト開始、2年間クリエイターの取り分は100%
フェイスブックがアプリ内でSpotifyをストリーミングできる新機能を導入、日本でも提供

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Spotifyポッドキャスト文字起こしベータ版アクセシビリティ

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

午睡見守りシステムの「ベビモニ」と保育ICT「コドモン」が連携し保育士に心のゆとりを提供

午睡見守りシステムの「ベビモニ」と保育ICT「コドモン」が連携し保育士に心のゆとりを提供

データサイエンスやAIを活用した健康管理技術を提供するEMC Healthcare(EMCヘルスケア)は5月18日、乳幼児の午睡(昼寝)を見守るシステム「ベビモニ」と、テクノロジーで子ども施設職員の負担軽減を目指すサービス「CoDMON」(コドモン)を5月末より連携させると発表した。

ベビモニは、保育園の天上にカメラを設置することで、子どもたちの午睡の様子をモニターし、画像解析によってうつ伏せ寝などの危険な状態を検知するというシステム。午睡チェックと呼ばれる定期的な午睡の記録も自動的に作成されるので、保育士の負担が軽減される。保育士の「子どもと向き合う時間と心のゆとりを提供する」ことに目標に作られた。

コドモンは、保育園、幼稚園、小学校などでの子どもの成長記録や指導案の作成、登降園管理や保護者とのコミュニケーションを支援する各種ICTツールを提供するSaaS。子どもの成長管理や写真アルバムなどの機能を持つ保護者向けのアプリも用意されている。2021年4月時点で全国約8000の施設に導入され、約14万人の保育士が利用している。こちらも、「こども施設で働く先生が、子どもたちと向き合うための時間と心のゆとりを生み出すためのICTサービスツール」だと同社は述べている。

この2つを連携させることで、すでにコドモンを導入している施設では子どもの午睡を一元管理できるようになり、ベビモニを導入している施設では、午睡データのコドモンへの自動記録とクラウドでデータ管理が可能になり、利便性が高まる。

画像クレジット:EMC Healthcare / CoDMON

関連記事
育児記録アプリ「パパっと育児@赤ちゃん手帳」などで子育てDXを推進するファーストアセントが3億円調達
母子手帳アプリ「母子モ」が自治体の子育て関連事業のオンライン化を支援
保育ICTのコドモンがNTT西日本とタッグ、全国展開へ
保育ICTのコドモンがユニ・チャームの紙おむつサブスクとシステム連携、新生活様式確立に向けた取り組み

カテゴリー:ヘルステック
タグ:育児(用語)EMC Healthcare(企業)画像解析(用語)コドモン(企業)SaaS(用語)日本(国・地域)