見込み顧客のニーズから考える!効果的な価格ページの作り方

企業のWebサイトの中で特によく閲覧され、購買プロセスの中でも重要な意味を持つ価格ページ。

しかし、そもそも価格を載せていなかったり、載せていてもあまり工夫をしていないWebサイトが多いようです。

そこで今回は、Webサイトに価格を掲載すべき理由から、お問い合わせしてもらえる価格表ページ作成のポイントまでをご紹介します!

Webサイトに価格を掲載すべき理由

競合に価格を知られることを避けたり、他社に比べて高いことを理由にWebサイトに価格を掲載しない企業もありますが、原則としては価格を載せることをおすすめします。

BtoBの購買行動は、従来の営業に売り込みを受けるスタイルから、Webを使って自ら情報収集を行い、ソリューションの決定や提案依賴先を選定するスタイルに移行しています。株式会社ネクスウェイがIT製品/サービスの購買担当者に実施した調査によると、メールやWebに求めるコンテンツについて「企業レベルでの導入の検討をしている時期」では「商品・サービスのコスト感」が1位に挙がっており、見込み顧客に社内で検討を進めてもらうためには「(課題解決に必要な)金額を知りたい」というニーズに応えることが必要です。

価格体系が複雑だったり、「営業が話せば納得してもらえるものの、Webだけで判断されると難しい・・・」という場合もあるかと思いますが、なんらかの形で見込み顧客のニーズに応える工夫を検討しましょう。

見込み顧客のニーズから考える、価格ページ作成のポイント

1. シンプルなページ構成にする

価格ページに訪れる見込み顧客の最も強いニーズは「金額を知りたい」です。
スクロールしなくても見える範囲に価格を掲載し、すぐに情報にたどり着けるようにしましょう。


ファーストビューで料金プランが表示されるWantedlyの価格ページ

2. 比較検討しやすくする

「価格を知りたい」ニーズが満たされた見込み顧客は次に

  • (複数プランがある場合)自分に適したプランはどれか?
  • 自社で導入した場合、いくらかかるのか?
  • 競合製品と比較して、機能と金額が見合っているのか?

の3点を考えます。
上記のニーズに応えるために5つのポイントを押さえましょう。

2.1 自社に当てはめて検討しやすい見せ方にする

表や○×を使うなどして、見込み顧客が自社に当てはめて具体的な検討がしやすいページを心がけます。

複数プランがある場合は機能比較だけでなく、それぞれのプランを一言で表す説明があると概要が把握しやすくなり親切です。


表と○×を使い、自社に最適なプランを考えやすいカゴラボの価格ページ

2.2 おすすめのプランを目立たせる

おすすめや人気のプランがあれば「人気No.1」「最も利用されてます」などのキャッチコピーを加え、そのプランを強調しましょう。

行列が行列を生む、ヒット商品がますますヒットするなどの現象を表す『バンドワゴン効果』(他の人がある選択を評価しているという情報により、その選択への需要が増加すること)により、おすすめのプランが選ばれやすくなります。


「世界 No.1」の営業アプリケーションの中で
最も利用されているプランを目立たせているSalesforce.com

また、おすすめのプランを目立たせる以外にも

  • 高価なプランがあることで「コントラスト効果」が働き、相対的に安価なプランが選ばれやすくなる
  • おすすめプランよりも高いプラン、安いプランの両方を用意することで極端性を避ける「妥協効果」が働き、真ん中のプランが選ばれやすくなる
  • 最初に目に入った金額が基準値となるため、一番左に高いプランを掲載していくと「アンカリング効果」が働き、右にあるプランをより安く感じるため選ばれやすくなる

など、価格の見せ方については様々な工夫ができます。

より深く理解するための情報
2.3 無料で試せるプランを用意する

アメリカの価格リサーチ専門家 リー・コールドウェルによると『私たちは同じ商品であっても保有したことがない、あるいは触れたことがないものより、保有しているものを高く評価する』「保有効果」のため、無料で試してもらうことで製品に対する評価が高まると言います。

見込み顧客の立場で考えると、高額な製品や全社に関わる製品の場合は特に、導入する前に使ってみたい、試してみたい、というニーズは強いはずです。

期間を限定した無料お試しプランやデモ機の貸出など、試しに使ってもらえるプランを用意しましょう。


全てのプランでまずはお試し期間を設けている「ChoiceRESERVE」

2.4 見積もり作成ツールを用意する

より具体的な検討段階にいる見込み顧客に対して、Web上で見積り作成ツールを提供するサイトが増えています。
見込み顧客にとってはその場で詳細な金額を知ることができて便利ですし、企業側にとっても営業が見積書を作成する手間を省く効果が期待できます。


日割り料金も考慮した見積書が作成できるBacklogの価格ページ

2.5 詳細な価格を出せない場合は概算金額を提示する

どうしても具体的な価格が掲載できない場合、概算費用だけでも出せないか検討しましょう。

映像制作・動画制作を行うLOCUSさんでは、10〜30万円/30〜50万円/50〜80万円などの価格レンジごとに映像の実例を紹介しています。映像制作は要件によって金額がまちまちだと思いますが、見込み顧客が具体的な検討を進めやすいページに仕上がっています。


概算の価格レンジを実例を用いて紹介しているLOCUS

3. 最後の不安を取り除く

価格を理解し、いざ「お問い合わせしよう!」となった時の最後の障壁として

  • この会社は本当に信頼できる会社だろうか?
  • この製品は自社の細かい要望を満たしているだろうか?

などの不安が見込み顧客の頭の中に生まれます。
それらの不安を解消するために、2つのポイントを押さえましょう。

3.1 会社としての信頼感を伝える

導入社数やクライアントロゴを掲載し、会社としての信頼性を訴求しましょう。
スタートアップ企業では、自社サービスが掲載されたメディアのロゴを載せているところも多いです。


価格表の下にお客様事例を掲載しているSansanの価格ページ

3.2 よくある質問に回答する

「途中でプラン変更はできるのか?」「申し込んだ後の流れは?」など、お問い合わせをする前に見込み顧客が疑問に思うことを洗い出し、FAQ形式で答えていきます。


価格表の下にFAQを掲載しているZendeskの価格ページ

4. テストする

価格ページはBtoBサイトの中で非常に閲覧されやすく、効果検証のための数字がたまりやすいので、改善のサイクルを回しやすいページです。

金額やプランの数、コンバージョンボタンの色、はたまた実績として掲載するロゴやFAQの内容など、テストを繰り返す中で、自社に最適な見せ方やメッセージを見つけましょう。