Uber、オンデマンド人材派遣サービスをテスト中――B2Bビジネスにも意欲

Uberは短期間の業務に対する人材派遣ビジネスに乗り出す。最初に報じたのはFinancial Timeで、1099人の独立契約者1099人をイベントや会社の行事に派遣する。事情に詳しい情報源がTechCrunchに語ったところによると、Uber Worksというビジネスはウェイター、警備員などをビジネスパートナーの臨時業務に派遣するものだという。

Uberはロサンゼルスでテストを行った後、ここ数ヶ月、シカゴでこのビジネスを実施してきた。Uberには膨大な人数のドライバーのネットワークがあり、全員が独立の契約者として内国歳入庁に収入を申告する手続きに習熟している。そこでドライバーの仕事以外の副業にも興味を示す契約者もいるだろう。ただし、現在のUber Wiorksはパイロット版であり、契約ドライバーを対象にしていない。

Uber Worksを指揮するのは 6月に新モビリティー事業の責任者に就任したRachel Holtだ。Holtは2011年からUberに所属しており、モビリティー・ビジネスを自転車、スクーター、レンタカー、公共交通機関などに拡大する作業を実行してきた。

シカゴにおけるUberのスペシャル・プロジェクトの責任者を募集する文書によれば、 「われわれのビジネスは仕事のやり方の柔軟性を中心としている。ビジネス・パートナーの業務に対してオンデマンドで人材を派遣することが目的だ。パートナーにとって直感的に使いやすくタイムリーにニーズを満たせる人材を供給できるようにしていくことがもっとも重要だ」という。

Uberはこの件に関してコメントすることを避けた。しかし上場がいよいよ来年に迫る中、Uberは真剣にビジネスの多様化を図りつつある。スタートアップJUMPを買収して自転車共有事業を開始するなどモビリティーの手段を拡大するマルチ・モーダル化に全力を挙げているのもその一例だ。先月はサンタモニカで電動キックスケーター事業をスタートしている。

人材派遣が正式なビジネスとして発足するのかどうかはまだ不明だが、UberがB2Bサービスでも重要な地位を築こうとしていることは間違いない。またダイバーシティの推進を含め、ドライバーの人材獲得システムの強化にも努力中だ。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

鼻に電気を流して「バーチャル臭」を作る研究

IEEEは、私が今月見た中でいちばんクールな研究プロジェクトを紹介した。昔の子供向け電子キットのようなシステムを使って人の嗅覚器官を刺激することで、匂いをシミュレーションするものだ。

このプロジェクトは相当気持ちが悪い。匂いをシミュレーションするために、研究者らは人の鼻にリード線を差し込み神経に直接つなぐ。マレーシアのImagineering Instituteのシニアリサーチフェロー、Kasun Karunanayakaは、博士課程の学生、Adrian Cheokと共に「多感覚インターネット」を作ろうと考えた。Cheokはニワトリに電子的ハグを送ったり、デジタルキスを初めて開発したインターネット有名人だ。

研究チームは数十人の被験者を集め、嗅球を刺激するために長いチューブを鼻に差し込んだ。信号の強さと周波数を変えることによって、いくつか興味深い実験結果が得られた。

被験者がもっとも多く感じたのは、彼らが良い香りまたは薬品臭と表現した匂いだった。中にはフルーティー、甘い、ミント味、木の香りなどと答えた人々もいた。

しかし最大の課題は、この幽霊のような香りを人の鼻にチューブを差し込まずに作り出す方法を見つけられるかどうかだ。この実験が、多くの被験者にとって不快なものだったことをKarunanayakaは認めている。「たくさんの人たちが参加を希望したが、1回テストしたあと帰っていった。我慢できなかったからだ。」

近い将来仮想嗅覚チューブを鼻の穴に入れる日が来ると私は思わないが、このアイデアは卓抜だ。たとえば、感覚が麻痺した人の嗅覚を取り戻すのに使えるかもしれない。決してうさん臭い提案ではない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTube、コンサートチケット販売でEventbriteと提携

YouTubeは、すでにTicketmasterと展開しているミュージックビデオでのチケット販売機能に、パートナーとして新たにEventbriteも加える。今朝発表されたこの提携では、YouTubeの公式アーティストチャンネルを視聴するとき、Eventbriteが扱う全米のライブ公演リストが表示されるようになる。ビデオの下に公演のリストと、ユーザーが購入のためにクリックする “Tickets”ボタンが現れる。この機能はYouTubeデスクトップ版とYouTubeアプリで利用できる

YouTubeのビデオストリーミングサイトでのチケット事業は昨年、Ticketmasterのリストを使ってYouTubeビデオページでコンサートチケットを売るという形で始まった。

このサービスが始まった当時は、SpotifyとApple Musicが米国における音楽ストリーミング事業を独占していていて、YouTubeはまだ自らの競争相手となるYouTube Musicがようやく軌道に乗ったばかりだった。しかしながらYouTubeは自然と有料音楽ストリーミング購読者を大量に増やした。YouTubeは5月、月間ログインユーザーは18億人だと発表したー当然、ユーザーの多くがミュージックビデオを視聴している。

またYouTubeは最近、ビデオを通して収入をあげる別の方策を展開し始めた。たとえば、Teespringとの提携による物販や、チャンネルメンバーシップ、ファンによるスーパーチャットなどだ。

今回のEventbriteとの提携について、世界中のYouTube公式アーティストチャンネルとEventbriteの公演リストにより、提携が何千ものアーティストに適用されるとYouTube話している。しかしながらリストは米国内でのコンサートのみとなる。

チケット売上にかかる収入はどのように分配するのか、またこの提携の条件について、YouTubeは明らかにしなかった。

今回の提携により、YouTubeは米国におけるチケットマーケットの70%超をカバーすることになるという。次のステップとしては北米全体でより多くのアーティストとコンサートを網羅し、その後この機能を世界展開する計画だ。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

Googleの作成アクションによりGmailの中でいろんなSaaSアプリケーションを利用できる

最近Googleは、メールを送るときの省エネ省時間化に励んでいる。たとえばスマートレスポンス機能は、定型的な返事なら既製品で間に合わせようとする。先行入力(type ahead)機能は人間が文字をタイプする前にコンピューターが先回りしてその文字を入力する(意外と正確だ)。そして今日から一般公開で立ち上げたのが、作成アクション(compose actions)*と呼ばれる省時間機能だ。〔*: ‘作成’は、メールの‘作成’(compose)の意味。〕

それはG Suiteに導入される一種のコネクターで、メールの作成をしながらその中でほかのSaaS(Box, Dropbox, Egnyte, Atlassian Jiraなどなど)にリンクできる。ソフトウェア企業はよく、ほかのアプリケーションに切り替えなくても、自分のアプリケーションで仕事を続けながら、その中でほかのアプリケーションも使えることを強調するが、それと同じことを作成アクションはねらっている。

GmailとChatのプロダクトマネージャーAakash Sahneyが、ブログにこう書いている: “作成アクションにより、Gmailの中でメールを作成しながら、添付ファイルや参考データをどこかのクラウド上から加えたり、お気に入りのサードパーティアプリでこれから作るコンテンツで、メールを楽しくすることなどが容易にできるようになる”。

サービスへの接続はG Suiteの中でGmail Add-onツールを使って行なう。Gmailのワークフローの中にサードパーティ製のツールを簡単に統合できるために、GoogleはGmail Add-onを作った。目的のツールをアドオンとして認可したら、それがメールの作成ウィンドウにオプションとして現れる。それをクリックすればGmailから出ずにそのツールを使える。G Suiteのアドミンが、それらのアプリ/アプリケーションを、限定することもできる。

たとえば、BoxやDropbox、Egnyteなどのファイルやフォルダーを取り入れたいときは、そのアプリを認可してから、メールの作成ウィンドウに表示される作成アクションをクリックしてサービスにアクセスし、ファイルを利用する(下図)。

Gif画像提供: Google

Atlassianを統合すると、プロジェクトのファイルを直接、メールに挿入できる(下図)。

Gif画像提供: Google

それほどすごい機能ではないかもしれないが、これによって節約されるキータイプの量や操作の回数は、一日の作業量としては相当なものだ。目的のサービスとコンテンツを別ウィンドウで開くのではなく、メールの中で目的のコンテンツそのものをメールにコピペできたりするのだ。作成アクションをクリックしてGmailから直接、そのサービスにアクセスして。

作成アクションは、7月にGoogle CloudのNextカンファレンスで発表された。G Suiteのユーザーは、それを今日(米国時間10/18)から利用できる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

「スペースペン」、50周年を迎える

スペースペンのことは誰もが知っているだろう。NASAが無重力で使える究極のペンを作るために数百万ドルの開発費をかけた結果、この驚くべき道具が出来上がった。いや、違う。事実はといえば、1966年にあるボールペンメーカーが作った——しかしそれが軌道に乗ってスペースペンの運命を全うしたのは1968年10月のことだった。

そのペンを作ったのはペン職人のPaul Fisherで、彼は100万ドルの私費を注ぎ込みそのAG-7反重力ペンを作った。ご存知かもしれないが、そのイノベーションは加圧されたインクカートリッジとゲルインクによって、方向、温度、そしてもちろん重力の有無によらず確実にインクを送り出すしくみだった。

FisherはそのペンをNASAに送った。もちろんそこは、ものごとが微小重力下で働くかどうかを間違いなく心配する唯一の組織であり、そのペンを大いに気に入った。実際、間もなくしてロシアでも使われるようになった。

Walt Cunningham、Wally Schirra、Donn Eiseleの3人は、1968年10月11日に打ち上げられたアポロ7号ミッションにこのペンを持っていき、その後軌道上で11日間使い続けた。

ペンの50周年記念エディションが、裕福で金製品を愛する人たちのために作られた。価格は500ドルで限定500本、「金色の窒化チタン張り真鍮」製で、ケースにはCunningham飛行士のことばが入った記念プレートがついている。

「50年前、初めて宇宙を飛んだスペースペンと共にアポロ7号に乗った。私はこのペンを信頼し、今でも地球上で信頼できる唯一のペンだ。

うん、いい話だ。宇宙飛行士たちが生涯これを供給され続けるのであればの話だが。

Fisher Space Penに乾杯! 半世紀にわたり使われ続けポップカルチャーに支持された、独創的でシンプルで信頼あるアメリカングッドデザインの代表例だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

終了したゲームの記録がブロックチェーン上のトークン資産になるビットファクトリーのHL-Report

サービス終了したゲームのキャラクターを、ブロックチェーン上のトークンとして永続的に留め、いつでも呼び出せるサービス「HL-Report」がリリースされた。対象となるゲームは2018年9月19日に終了したゲーム「レキシコネクト」。背景には、ゲーム分野でブロックチェーン上のDApps(分散アプリケーション)の普及推進を狙うビットファクトリー(モバイルファクトリー子会社、関連記事)の戦略がある。

ブロックチェーン関連の話は後ほど詳しく説明するが、まずHL-Reportとは何なのかを説明しておきたい。位置情報連動ゲーム「レキシコネクト」は2018年9月19日に終了したが、ゲーム終了に合わせてブロックチェーン上にプレイ記録を残す施策を取った。利用者には、各自のゲームのプレイの成果がトークンに記録されて残ることや、トークンを利用するにはウォレットアドレスの取得が必要なことなどの告知が出されていた。このような移行手続きを取ったプレイヤーの「レキシコネクト」上のプレイ記録は、Ethereumブロックチェーン上のERC721 NFT(ノンファンジブルトークン、非代替トークン)としてブロックチェーンに記録されている。

ブロックチェーン上に記録されたトークンから、ゲームのキャラクター画像やステータスなどのデータを呼び出せるサービスとして作られたのが「HL-Report」である。HL-Reportそのものはゲームではないが、ビットファクトリーとしてほぼ最初に公開するDAppsとの位置づけとなる。

ここまでの話でお察しの読者もいることと思うが、HL-Reportは、終了したゲームの作り手たちが、ゲームのプレイヤーに多少なりとも「お返し」をしたいという気持ちが詰まったサービスだ。「今までのゲームでは、我々ゲーム会社がデータを管理していた。ゲームは終了するが、ユーザーが持っていたものは残したいと考えた。ユーザーへの『恩返し』に近いサービスだ」と、ビットファクトリーの中山政樹氏(シニアディレクター、ゲームデザイナー)は話す。終了したゲームの画像などを記録できるようにする取り組みはゲーム業界でも出始めているとのことだが、ブロックチェーン上に永続的に記録する取り組みは世界的にも珍しい。中山氏によれば「まだ公式に決まった話ではないが、別のゲームタイトルの中でトークン保有者に同じキャラクターを付与することも、やろうと思えばできる」とのことだ。

ただし、HL-Reportはただ「恩返し」のために作られたサービスではない。ゲームユーザーのDApps利用を普及させていきたい同社の目的に沿って作られたサービスでもある。

DAppsの利用者拡大と開発環境整備を「健全に」進めたい

DApps、つまりブロックチェーン上の分散アプリケーションは、新たなゲームプラットフォームとして注目を浴びている。最初に大きなバズを引き起こしたDAppsである「CryptoKitties」は、ブロックチェーンに記録された多種多様な「猫」を集めるゲームだった。従来のゲームとの違いは「猫」がEthereumブロックチェーン上のノンファンジブルトークン(NFT、非代替トークン)として記録されていたことだ。ブロックチェーンの特性により集めた「猫」の偽造や複製がほぼ不可能となり、またそのような希少性を保ったまま譲渡することもできる。いわばトレーディングカードのデジタル版である。

HL-Reportが扱う「レキシコネクト」のユーザーデータは、技術的にはユーザーどうしで交換可能なトークン(ERC721 NFTトークン)となる。その法的な扱いについて、ビットファクトリーは検討を重ねた。その検討の中間報告にあたるBlogエントリも公開している。

トークンが市場価値を持つ場合、トークン(キャラクターやアイテムなど)をランダムに引き当てる「ガチャ」が賭博にあたると判断されるリスクや、資金決済法が定める仮想通貨交換業でなければトークンを取り扱えなくなるリスクが出てくる。そこで、「ガチャ終了後に、トークン化の施策を告知する」ことで賭博の要素を排除し、またトークンの交換市場はHL-Reportではサポートしない形としている。

今回のDAppsは、同社にとってはゲーム利用者にトークン、ウォレット、DAppsといった基本的な概念を普及させるための第一歩となる取り組みだ。そのほか、同社はDApps普及の取り組みとして「Uniqysプロジェクト」を推進し、DAppsにアクセスしやすいスマートフォン上のウォレットアプリ「Quragé」や、DApps開発者向けの「Uniqys Kit」をリリースしている。利用者数、法整備、開発環境などの観点から、現在はDAppsのゲームを作るよりも、まず利用者を増やす施策を打ち出し、開発者向けプラットフォームの整備を進める時期だと同社は判断している。「ブロックチェーン業界が健全に成長していくための取り組みを進めていきたい」と中山氏は語っている。

Google、Android App Bundleをアップデート――Instant App同時公開がサポートされた

Googleは今日(米国時間10/18)、Androidアプリのデベロッパー向けに重要なアップデートを発表した。 ひとつはアプリのサイズを減少させるもので、もう一つはInstant Appを簡単につくれるようにするものだ。Instant Appはデバイスにインストールせずに動かすことができる軽量なアプリで、ユーザーが簡単に試してみることができるためメリットが大きい。

Android App Bundleはアプリをモジュラー化して開発し、各デバイスに必要なイメージを配信する方法でしばらく前から公開されている。Googleによれば、App Bundleを利用して開発されたアプリは数千にも上り、ファイルのサイズは平均35%も節約できたという。今日のアップデートで、GoogleはApp Bundleがデバイス上にすでにインストールされている非圧縮のネーティブ・ライブラリを利用する方法に改良を加えた。.これによりインストールする際のダウンロードのトラフィックは平均8%減少し、デバイス上で占めるサイズも16%小さくなるという。

サイズについていえば、現在App Bundleから生成されたAPKの最大ファイルサイズは100MBだが、Googleによれば近くデベロッパーが500MBまでのAPKをアップできるようにするという。

またApp Bundleは新たにAndroid Studio 3.2(安定版)とUnity 2018.3 ベータでもサポートされた。

ダウンロード失敗の大きな原因がデバイスに空き容量が不足していることなのでファイルサイズが小さくなるのはアプリの公開にメリットがある。ただGoogleが今回公開したもう一つのアップデートのほうがデベロッパー、ユーザー双方に影響が大きいかもしれない。GoogleのInstant Appはデベロッパーが小さいアプリを公開できる機能だ。これはアプリのトライアル版や、ユーザーがアプリをウェブ検索で見つけ、すぐに試してみたい場合などに効果的だ。Instant Appはフルサイズのアプリをダウンロードしてインストールするという面倒な(往々にして時間がかかる)プロセスを必要としない。

GoogleはデベロッパーがApp BundleでInstant Appを開発できるようにした。つまりデベロッパーはフルサイズのアプリとInstant Appの双方を開発、公開する必要がなくなった。その代わりに、App Bundleでアプリを開発し、Instant Appを含めるオプションを選択して単一のアプリとしてGoogle Playで公開すればよい。アプリをアップデートする際もいちいち2つのアプリをメンテナンスする必要がなくなった。

デベロッパーはInstant Appを使ってゲームなどの有料タイトルを開発した際、その一部をInstant Appにして登録前のユーザーにトライアルを許すというキャンペーンが実行できるようになった。

Androidデベロッパー向けの他のアップデートにはクラッシュ・レポートの改良が含まれる。これは実際にアプリを利用しているユーザーからのクラッシュ情報ととFirebaseテストラボからの結果が総合して報告される。またアプリのサブスクリプション課金の手続きなどもアップデートされた。詳細はこちらから確認できる。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

Apple、10月30日にまた大型イベント開催――新iPad Proのお披露目か?

そろそろ今年のハードウェア発表のシーズンも終わりだが、Appleが10月30日にブルックリンで大型のイベントを開催する。新しいiPhoneが発表されたイベントから1月半後になるわけだが、前回のイベントにスケジュールが合わなかったデバイスがお披露目されることになりそうだ。可能性が高いのは新しいiPadだろう。Mac製品のテクノロジーが紹介される可能性もある。

今回の招待状には “There’s more in the making”(もっといろいろ準備中)とある。開催時期から考えてもぴったりだが、これは有名な「最後にもう一つ…」のバリエーションだろう。Appleが最近クリーティブのプロ向けのプロダクトにまた力を入れるようになったことと関係があるかもしれない。iPad Proの新バージョンが登場するのは間違いなさそうだが、運がよければ来年初頭にリリースされるはずのMac Proに加えられる新しいテクノロジーを垣間見ることができるかもしれない。

プロ向けプロダクトの発表に加えて、今年のクリスマス商戦にぎりぎりのタイミングに間に合わせることができた新しいデバイスが登場するかもしれない。なにはともあれ、われわれはジングルベル持参で現地取材する予定だ。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

企業に健康食を配達するOh My Greenがシード資金として$20Mを調達、全米展開を目指す

Oh My Greenは、Initialized Capital, Powerplant Ventures, Backed VC, ZhenFund, Talis Capital, そしてStanford StartX Fundらによる最初の本格的な投資ラウンドで2000万ドルを調達し、アメリカ中のオフィスに健康的な食べ物を届けようとしている。

このコンシエルジュ的なサービスはアクセラレーターY Combinationを2016年に終了して、サンフランシスコやロサンゼルス、シアトル、シカゴ、オースチン、デンバー、ボストン、ニューヨーク、そしてナッシュビルの企業に、正しい栄養学に基づくおやつや食事を提供している。同社はオフィスのおやつ戸棚の在庫を満たし(テクノロジー企業にとっておやつは必須である)、イベントのケータリングをやり、(企業の)カフェを管理し、(企業の)健康事業(ダイエットなど)を手伝う。同社の目標は、企業の健康的な食生活のためのワンストップショップ(なんでもできる)になることだ。

同社は2014年にサンフランシスコでMichael Heinrichが創業した。今週初めに彼と交わした会話によると、彼は本誌TechCrunchのおやつ戸棚を認めないらしい。なにしろ、一年前のスキットルズ(フルーツキャンディー)やエムアンドエムズ(チョコ)やフルーツバイザフット(グミ)があるんだからね。

彼は語る: “自分の人生で、もっと意味のあることをしたかったんだ。難しい仕事をいろいろしてきたし、そこで出会った人びとや問題も楽しかったけど、でも日常手に入れられる食べ物を見ると、加工しすぎや砂糖の使い過ぎのものがとても多い”。

“シュガークラッシュ(sugar crash, 糖質の摂り過ぎ→禁断症状による低血糖症)で仕事の生産性がガタ落ちになったとき、文句を言わずに自分で違いを作りだすべき、と気づいたんだ”。

Oh My Greenは機械学習を利用して顧客たちに個人化された推奨おやつや推奨食事を提供している。企業顧客は今約200社で、その中にはLyft, Apple, Y Combinatorなどもいる。今回の投資は全米展開に注ぎこみ、いずれは海外進出を目指す。

関連記事: The Lobbyは求職者のためにウォール街(一流金融業界)のウォール(壁)を壊す

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

LINE上から手軽に資産運用できる「LINEスマート投資」開始、LINE FinancialとFOLIOがタッグ

つい先日、LINEアプリから損害保険に加入できるサービス「LINEほけん」を公開していたLINE Financial。今度はLINEの基盤を活用して“資産運用”を簡単にするサービスを始めたようだ。

LINE FinancialとFOLIOは10月18日、LINE上で約70のテーマに投資をできる新しいモバイル投資サービス「LINEスマート投資」の提供を開始した。

同サービスは過去にTechCrunchでも紹介しているテーマ投資型の資産運用サービス「FOLIO」を基盤としたもの。「ドローン」や「ガールズトレンド」、「VR」など厳選された約70のテーマに投資をする仕組になっていて、個別銘柄の専門的知識がない投資初心者でも自分の趣味や嗜好に合わせて投資できるのが特徴だ。

1テーマは10社で構成。1株から取引可能な単元未満株取引を導入することで、身近なテーマに対して10万円前後の金額から分散投資できる環境を整備している。テーマの売買で発生する手数料は銘柄ごとに売買代金の0.5%(税抜・最低手数料50円)となっていて、単元未満株取引としては業界最低水準だという(単元未満株取引を扱うネット証券大手4社と比較し、1銘柄あたりの約定代金が1万円以上の場合)。

なおLINEスマート投資はLINEほけん同様に、別のアプリを立ち上げることなくLINE上にあるLINEウォレットタブからアクセスすることができる。

2018年1月にLINEがFOLIOに出資したニュースを取り上げた際、両社では業務提携も締結していて「2018年下半期をめどにLINEアプリ上から直接FOLIOの資産運用サービスが利用できるようになる予定」であることが公にされていた。LINEスマート投資はまさにそれが形になったサービスと言えるだろう。

今後は簡単な質問に回答するだけで最適な資産運用が行える「おまかせ投資」の提供や「LINE Pay」との連携によるスムーズな資金決済などを予定しているという。

MITで開発されたメモリ分割方式により未来のMeltdown/Spectreバグを防げる

今年、研究者たちがIntel, AMD, そしてARMのチップに、設計上の根本的な弱点を見つけたときには、今の世代のコンピューターのプロセッサーのほとんどすべてに対し、極刑が求刑されたようだった。その設計ミスによって、コンピューターのメモリーから機密データを盗むことが可能だからだ。

そのMeltdownおよびSpectreと呼ばれる脆弱性は1995年まで遡(さかのぼ)り、アプリケーションがシステムのメモリーの、自分にパーミッションのない部分にアクセスできないようにしている壁に穴を開けた。それにより有能なハッカーは、パスワードや暗号鍵などの機密データが保存されている場所を見つけることができる。多くの企業がその欠陥の一部を緩和してきたが、真の長期的な解決は、コンピューターのプロセッサーの設計の最初からのやり直しであることも知っていた。

このたび、MITのComputer Science and Artificial Intelligence Laboratory(CSAIL)の研究者たちが、将来にわたって、MeltdownやSpectreのような欠陥を防止できる方法を見つけた。

アプリケーションが何かをメモリーに保存したくなったら、置くべき場所をプロセッサーに尋ねる。しかしメモリーの探索は遅いので、プロセッサーは“speculative execution”(投機実行)と呼ばれるトリックを使って、複数のタスクを同時に動かし、正しい空きメモリーを探そうとする。しかし悪質なハッカーは、その同じテクニックを使って、アプリケーションが自分に許されていない場所のメモリーから読めるようにする。

MITのCSAILによると、彼らのテクニックはメモリーを分割することによって、データが同じ場所に保存されないようにする。それを彼らは、“secure way partitioning.”(安全な方法によるパーティショニング)と呼んでいる。

彼らはこの方式をDAWG、“Dynamically Allocated Way Guard”(ガードを動的に割り当てる方法)と名付け、それは滑稽な名前のようにも聞こえるが、IntelのCache Allocation Technology, CAT(キャッシュ割り当て技術)を補完する意味を持つ。彼らの研究論文によると、DAWGはCATと同じような仕事をし、使うにあたってデバイスのオペレーティングシステムの変更箇所も少ない。したがって、Meltdownのフィックスとして問題のコンピューターにインストールするのも容易である。

ペーパーの著者の一人Vladimir Kirianskyによると、このテクニックは“共有が起きるべきところと、起きるべきでないところとの、明確な境界を確立し、機密情報を扱うプログラムがそのデータをまあまあ安全に保てるようにする”。

この技術は通常のコンピューターを保護するだけでなく、クラウドの脆弱なインフラストラクチャも保護できる。

DAWGはすべての投機的攻撃を防げるわけではないが、今研究者たちは技術の改良に取り組んでおり、すべての攻撃ではないものの、これまでよりも多くの攻撃を防げるようになる、と言っている。

しかし彼らの技術を実際にIntelなどのチップメーカーが採用すれば、DAWGのようなテクニックは“パブリッククラウドのインフラストラクチャに対する信頼を再興し、ハードウェアとソフトウェアの共同設計によりパフォーマンスのオーバヘッドも最小化できる”、という。

〔関連記事: スペクター! メルトダウン! カーネル・パニック!――今回の脆弱性はほぼ全員に影響が及ぶ。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Twilioが電話越しの支払いを簡単にする

例えば航空券を変更するために、あるいは期限ギリギリの請求書への支払いをするために、電話越しに支払いをしようとすると、まるで時代遅れの手続きのように感じられる。担当者に向かってクレジットカード番号を読み上げ、続けて有効期限とセキュリティコードを伝える。このプロセスの中で、いくつかの数字を間違えて、プロセスをやり直すこともしばしば起きる。Twilioはこれを、もっと簡単にしたいと考えている。同社は本日(米国時間10月17日)、このプロセスから面倒とセキュリティ上の懸念を取り去ることを目的とした新しいプロダクト”Pay”を発表した。

PCI準拠のTwilio Payは、企業が自動音声応答システムやコンタクトセンターの係員を通して、簡単に支払いを受け取ることを可能にする。そして、これはすべて、クレジットカードのデータを係員に伝える必要なく行われるのだ。その代わりに、係員や電話応答システムが、支払いプロセスを起動することができる。そのプロセスはPayによって処理され、利用者に番号を安全に入力させる。そしてクレジットカードのデータはトークン化され、安全に処理される。人間のエージェントが見るのは、すべての支払いが処理されたことだけだ。

Twilioは成功したトランザクション1件につき、0.10ドルの請求を行う。

開発者にとっては、この機能を既存の仮想コールセンターや音声応答システムに追加するためには、数行のコードを追加すれば良い。Payはまた、Twilloのドラッグアンドドロップ式ローコード環境である、Twilio Studioに統合される。当然のことながら、急速に成長しているというTwilioのFlexコンタクトセンターソリューションでは、すぐに使用することができる。

Stripeは、Twilioが最初に協業したペイメント処理業者だが、プラットフォームは他社にも公開されている。

Twilio Payは現在パブリックベータ版で、2019年前半に一般公開される予定である。これは、米国およびいくつかの国際マーケットで利用可能になる。その国際的なアベイラビリティは、主にTwilioのパートナーがサポートしている市場に依存する。

[原文へ]
(翻訳:sako)

画像クレジット: Chainarong Prasertthai / Getty Images

メルカリが車のコミュニティ「CARTUNE」運営を約15億円で子会社化

メルカリは10月18日、車のコミュニティサービス「CARTUNE」を運営するマイケルを簡易株式交換により子会社化することを明らかにした。

今回の株式交換ではマイケルの株主に普通株式1株に対して、メルカリの普通株式194.83株を割当て交付する。メルカリの株式価値を1株あたり3820.8円とした上で39万2582株を交付する予定としているので、金額に換算すると約15億円での買収になる。

マイケルは2016年12月設立のスタートアップ。創業者であるグーグル出身の福山誠氏は複数の事業を立ち上げてきた人物としても知られる。

グーグルを経て2011年に創業したシンクランチではランチマッチングサービス(現在は就活支援コミュニティ)の「ソーシャルランチ」を作り、2012年にDonutsへと売却。その後Donutsでは新規事業としてライブ・動画コミュニティアプリ「MixChannel」を立ち上げた。

そんな福山氏が今手がけているのが、車×コミュニティアプリの「CARTUNE」。車を趣味にするユーザーに特化したサービスで、愛車の写真やカスタム・ドレスアップパーツの写真・動画を投稿したり、他のユーザーの投稿を楽しめるのが特徴だ。

福山氏によると現在はアプリのダウンロード数が65万件を突破し、約30万人の月間アクティブユーザーを抱えるサービスに成長しているそう。「ユーザー同士でのオフ会が開催されたり、ユーザー同士でのパーツ売買が積極的に行われるなど、ユーザードリブンのコミュニティが出来上がってきている」という。

今回メルカリとタッグを組むに至った背景にも、個人間のパーツ売買をもっとサポートしていきたいという目論見があるようだ。

「パーツの売買はカスタマーサポートの体制などをしっかり整えないと、ユーザーにとって不安の残る形でしか提供できない。サービス間で何か連携できたらいいねという話は以前から出ていたけれど、メルカリが決済やサポート体制なども含めてCtoCのコマースをやっていく上でのアセットを持っていた点が(マイケルにとっては)重要だった」(福山氏)

一方のメルカリも、自動車関連カテゴリーにおいてパーツの出品を始め車体の出品にも取り組むなど流通量の拡大を進めてきた。「CARTUNE」に蓄積された自動車やパーツに関するデータやユーザー基盤、コミュニティと連携することで、同カテゴリーをさらに強化していく意図もあるようだ。

福山氏によると今後も同氏がマイケルの代表を勤め、独立的に運営していく方針とのこと。

「具体的な決定事項があるわけではないが、もっとパーツの個人間売買を円滑にしていきたい。車のカスタム自体がシュリンクしている部分はあると思うが、一方で車がEV化したりなどモビリティの新しい文脈がある。例えばEVのカスタムなど、CARTUNEが新しいカスタムの文化を作るような存在になれるように引き続き運営していく」(福山氏)

オープンオフィスの流行はパナソニックに人間のための遮眼帯を開発させた

私たちが、未来を予測する小説が警告してきたディストピアの悪夢の中に住んでいることを、素直に認めるのはいつだろうか。おそらくテリー・ギリアムの映画からそのまま抜け出してきたようにみえる、この馬の遮眼帯を見た時に違いない。

これをデザインしたのは、パナソニックのデザインスタジオであるFuture Life Factoryである。しかしオープンスペースオフィスは基本的に最悪な代物だ。 スタートアップから始まったキュービクルの暴虐からの世界の解放運動は、どうやら私たちの顔の周りにキュービクルを作り出そうとしている。しかも自分たちの正体が警官にわかりにくくなるというボーナス付きだ(キュービクルというのは衝立で囲まれた個人作業スペースのこと)。

このWear Space(Office Faceとはまだ呼ばれていない)は、着用者の周辺視界を遮るとともに、真に仕事に集中させるためにノイズキャンセリングヘッドホンも組み込まれている。

「オープンオフィスとデジタルノマドが増えているため、作業者にとって集中できる個人スペースの確保がますます重要になっています」と同社はDezeenに語った。「Wear Spaceは、この種の個人空間を即座に生み出します。服を着るのと同じくらい簡単ですよ」。

今年の初めのSXSWで、プロトタイプとしてデビューしたこのデバイスはクラウドファンディングキャンペーンの対象になった。アーリーバードなら260ドルであるが、私たちは遠慮しておく。

[原文へ]
(翻訳:sako)

Apple StoreでSkydioの自律飛行ドローンを買えるしApple Watchからコントロールもできる

これからはほんの数タップで、Skydioの1999ドルの自律飛行ドローンをApple Watchからコントロールできる。まるで自分がSFの主人公になったように、高価な自律飛行ドローンを、小さな腕時計型のコンピューターで操縦できる。

このとってもクールな自動飛行ドローンR1は、アメリカのApple Storesでも買えるようになる。これからは、Webサイトに注文しなくてもお店でドローンを買えるようになるのだ。これまでAppleで買えたドローンは、ドローン最大手のDJIのものがほとんどだったが、その中でSkydioは、エリートのような位置づけになる。

ところで、現実に話を戻すと、しかしそもそも、一体何のためにApple Watchからドローンをコントロールしなければならないのだ? 確かに、適切な質問だ。Apple Watchはサードパーティアプリが山のようにあったが、最近ではデベロッパーもAppleも、このデバイスは、何かを積極的にするよりもむしろ、受動的な用途に向いてることに気づき始めた。

SkydioはR1を、GoProのユーザーのような人たちが使う、と位置づけている。とってもユニークな映像を、ドローンが自動操縦で撮ってくれるのだ。でもスマートフォンの上でSkydioのアプリを使うと、今やってるアクションをちょっとやめて、何よりもまずスマホの画面を確認する、という作業が入る。でもApple Watchならもっと撮りやすい、と言える用途がいくつかあるだろう。たとえば、自転車に乗ってる自分をドローンで撮りたい、というときは、スマホの画面という面倒なもののない、ウォッチからのコントロールがずっと楽だ。狭いところで、ローキーな映像を撮りたいときも、ウォッチならコントロールしやすい。

このWatchアプリは単純明快なUIで、ドローンのコントロール項目がたくさんある。スキルのリストがあり、Lead, Follow, Orbitなどのタッピングのモードもある。もっとおもしろいのは、写っている人を指定して、その人を追えることだ。Watchからのコントロールは意外なほど良好で、このデバイスに本来ある強力な機能か、と錯覚してしまう。

Skydioのユーザーにとっては、Watchでコントロールのオプションが増えたことになる。操縦のメカニズムとして理想的、とは言えないけど、とにかくもっと楽にR1を操縦したいと思ったら、このオプションを使いたいだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

150万DL突破のコスメコミュニティ「LIPS」が10億円を調達、グリーや個人投資家から

コスメの口コミアプリ「LIPS(リップス)」を運営するAppBrew(アップブリュー)は10月18日、個人投資家およびグリーより総額10億円の資金調達を明らかにした。

同社は2月にもグリーのほかGunosyやANRI、個人投資家らから5億5000万円を調達。それ以前では2017年10月にANRI、Skyland Ventures、フリークアウト代表取締役社長の佐藤裕介氏、PKSHA Technology代表取締役の上野山勝也氏、ほか個人投資家から総額7600万円を集めている

以前LIPSを「SNSに近い使用感が特徴」と紹介したけれど、同サービスはコスメの口コミを軸に、コスメの特徴や使い勝手だけでなく、メイクアップの方法なども共有しあえるコミュニティだ。特に10代〜20代から支持を得ているようで、テキストだけでなく動画やイラスト、写真などをたっぷり使った投稿も多い。

サービスのリリースは2017年の1月。2018年6月には1年半で100万ダウンロードを超えたことを明かしていたが、そこから約4ヶ月でさらに成長し現在のダウンロード数は150万件を突破、クチコミ件数も50万件以上になっているという。

ユーザー数の増加に伴って広告出稿企業も増加し、これまで国内化粧品メーカーを中心に40ブランド以上の出稿実績があるようだ。

AppBrewではさらなるユーザー数の拡大を目指し、開発体制・組織体制の強化に向けた人材採用のほか、マーケティング活動などに調達した資金を用いるという。

Y Combinatorがこれまでに送り出した最も成功した企業たちトップ20

今月の初め、スタートアップのためのクレジットカードプロバイダーBrexは、評価額11億ドルで1億2500万ドルを調達したことを発表した。

このラウンドはいくつかの理由から印象的なものだった。創業者は2人組の22歳の若者で、決済事業に舵を切る前は仮想現実の会社を作ろうとしていた。彼らがシリコンバレーの有名なスタートアップアクセラレーターであるY Combinator(YC)のプログラムを終了したのは、わずか1年前のことだ。

Y Combinatorはスタートアップの世界において、仲間のアクセラレーターたちよりも、確かに多くの成功を支えてきた。アクセラレーターというものは皆、初期段階の企業にシード投資を行い(YCの場合は15万ドル)短期間のプログラムの中でメンターシップと教育的リソースを提供する。プログラムは最後のデモデーで最高潮に達する。

本日YCは、2005年にスタートアップのバックアップを開始して以来、最も成功した企業たちの最新リストを発表した。ランキングは評価額もしくは時価総額に基いておこなわれる。もちろんBrexはトップ20入りした最も若い企業だ。

  1. Airbnb :Brian Chesky、Joe Gebbia、そしてNathan Blecharczykによって創業された、オンライン旅行コミュニティならびにルームシェアプラットフォーム。評価額:310億ドル。 YC W2009(Wは冬、Sは夏を表す。YC W2009は2009年冬クラス卒業という意味。以下同様)。
  2. Stripe:JohnとPatrick Collisonによって創業されたインターネットビジネス向けのオンライン支払い処理システムプロバイダー。評価額:200億ドル。 YC S2009。
  3. Cruise:2006年にGMによって買収された。自動運転車の開発を手がける。Kyle VogtとDaniel Kanによって創業。評価額:140億ドル。 YC W2014。
  4. Dropbox:この3月に公開された。Drew HoustonとArash Ferdowsiによって創業されたファイルホスティングサービスとワークプレイスコラボレーションプラットフォーム。時価総額:100億ドル以上。 YC S2007。
  5. Instacart:Apoorva Mehta、Max Mullen、そしてBrandon Leonardoによって創業された食料品および家庭用品の配送サービス。評価額:76億ドル。 YC S2012。
  6. Machine Zone:Mike Sherrill、Gabriel Leydon、そしてHalbert Nakagawaによって創業されたモバイルゲーム会社。”Game of War”で知られる。評価額:50億ドル以上。YC W2008。
  7. DoorDash:Tony Xu、Stanley Tang、そしてAndy Fangによって創業されたアプリベースの食品配送サービス。評価額:40億ドル。YC S2013。
  8. Zenefits:Laks SriniとParker Conradによって設立された、中小企業向け人事ソフトウェアのプロバイダ。評価額:20億ドル。 YC W2013。
  9. Gusto :Josh Reeves、Tomer London、そしてEdward Kimによって創業された、企業の給与計算を自動化および簡素化するソフトウェアのプロバイダ。評価額:20億ドル。 YC W2012。
  10.  Reddit:会話と数千ものコミュニティのためのオンラインプラットフォーム。Alexis OhanianとSteve Huffmanによって創業された。評価額:18億ドル。YC S2005。
  11.  Coinbase:Brian ArmstrongとFred Ehrsamによって創業されたデジタル暗号通貨の取引とウォレットプラットフォーム。評価額: 約16億ドル。YC S2012。
  12.  PagerDuty:Baskar Puvanathasan、Andrew Miklas、そしてAlex Solomonによって創業された、インシデント管理プラットフォーム。評価額:13億ドル。 YC S2012。
  13.  Docker:Solomon HykesとSebastien Pahlが創業。ビジネスクリティカルなアプリケーションの開発、管理、セキュリティーを、開発者が自由に行えるようにするためのアプリケーション用のプラットフォーム。評価額:13億ドル。 YC S2010。
  14.  Ginkgo Bioworks:Reshma Shetty、Jason Kelly、そしてBarry Cantonが中心となって創業したカスタム微生物のデザインに重点を置くバイオテク企業。評価額:10億ドル以上。 YC S2014。
  15.  Rappi:Felipe Villamarin、Simon Borrero、そしてSebastian Mejiaが創業したラテンアメリカオンデマンド配送スタートアップ。評価額:10億ドル以上。YC W2016。
  16.  Brex:スタートアップにコーポレートカードを提供するB2B金融スタートアップ。その創業者にはHenrique DubugrasとPedro Franceschiが含まれる。評価額:11億ドル。 YC W2017。
  17.  GitLab:Sid SijbrandijとDmitriy Zaporozhetsによって創業されたデベロッパーサービス。完全なDevOpsライフサイクルプラットフォームを提供することを目指している。評価額:11億ドル。YC W2015。
  18.  Twitch:何百万ものユーザーがいるビデオゲーム用のライブストリーミング、プラットフォーム。Amazonが買収した。創業者はEmmett Shear、Justin Kan、Michael Seibel、そしてKyle Vogtなど。YC W2007。
  19.  Flexport:Ryan Petersenによって設立された、航空、船舶、鉄道、トラックで世界的な貨物輸送を行う物流会社。評価額:約10 億ドル。YC W2014。
  20.  Mixpanel:Suhail DoshiとTim Trefrenによって創業。ビジネスに関わる人間がそのユーザーを理解することを助ける、ユーザー分析プラットフォーム。評価額:8億6500万ドル以上。 YC S2009。

Y Combinatorの最も成功した100社の完全なリストはこちらから

[原文へ]
(翻訳:sako)

画像クレジット: Getty Images

Tesla、ギガファクトリー3の建設で中国と合意

Teslaは、約210エーカー(85万平方メートル)の土地を上海臨港地区に確保した。同社初の米国外工場の予定地だ。

Tesla幹部、および上海市経済情報委員会、上海臨港地区開発管理団体、上海臨港グループの首脳らが参加して、水曜日に中国で調印式典を行った。

「Teslaのミッションは世界の維持可能エネルギーへの移行を、全電動車だけでなく、スケーラブルなクリーンエネルギー生成や蓄電製品を通じて促進することだ」とTeslaの国際営業担当VP、Robin Reiが声明で言った。「上海で獲得したこの場所は、Tesla初の国外ギガファクトリーとして、高度で持続可能な開発による次世代製造拠点に向けての重要な礎になるだろう」

この土地移転はTeslaにとって重要な一歩である。最近同社は、コスト上昇によりいわゆるギガファクトリー3の建設を加速する必要に迫られていると語った。Teslaは10月始めの製造・配送レポートで、関税や外洋貨物船の輸送コスト、さらには現地生産の電気自動車に与えられる金銭的インセンティブがないなどの理由により、中国で同社が不利な立場にあることを予告した。

水曜日にTeslaは、プロジェクトは北米でのModel 3生産で学んだ教訓を生かし、「資本の効率化と急成長」を期待していることを改めて宣言した。

Teslaは7月、同社が年間50万台の電気自動車の生産能力を持つという工場を作る計画について上海市当局と合意に達した。工事が始まってからTesla車の製造が可能になるまで、約2年かかる。「工場がフル稼働して年間50万台の車を製造できるようになるにはさらに2~3年が必要」とTesla広報が当時話した。

この上海工場事業は、海外企業による完全所有施設の建設、運用を認めるという中国政府の転換を意味している。従来海外企業が中国に工場を作るためには、現地パートナーと50-50のジョイントベンチャーを作る必要があった。

中国の習近平国家主席は、海外自動車メーカーの共同事業規則を2022年までに廃止すると言った。Teslaはこの規則変更の恩恵を受ける最初の事例となる。

契約は、Teslaが臨港地区で完全所有の工場を建設、運用することを認めている。新工場では、研究開発、製造、および営業活動が行われる。

しかし、依然として中国政府は関与するだろう。協力契約の下、中国政府とTeslaは電気自動車技術と産業の発展を協力して推進することになっている。上海市はGigafactory 3を支援すると言っているが、それが意味するところの詳細は希薄だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

サーバーレスのインフラをモニタするEpsagonがステルスを脱して正式ローンチ

イスラエルのEpsagonが今日(米国時間10/17)ローンチしたサーバーレス開発のためのツールは、そのインフラストラクチャのモニタリングを支援する。それが、どこにある何かをデベロッパーが知らなくても。

デベロッパーがインフラのことを知らないのは、サーバーレスの本質でもある。サーバーのリソースは短時日で変わることもある。デベロッパーは一連のイベントトリガーを作り、クラウドのベンダーが必要なサーバーのリソースを動かす。このやり方の美点は、プログラマーがインフラストラクチャのことを気にせずにコードを書けることだ。でも欠点は、オペレーションにとってインフラストラクチャをコントロールしたり理解する方法がないことだ。

Epsagonはこの問題を、サーバーレスのアーキテクチャを見える化することによって解決する。CEOで協同ファウンダーのNitzan Shapiraはこう語る:“うちがやることを一言で言えば、サーバーレスのための分散トレーシングと観察性とコストのモニタリングだ。これまではこそこそとやってきたけど、今日からは会社を正式にローンチする”。

サーバーレスではエージェントを使えない。それをどこへ置けばよいか、分からないからだ。それを置くための固定的なサーバーはない。だから、従来的なログツールも使えない。Epsagonはこの問題を、ライブラリを使うエージェントレスの方式で迂回する。Shapriaによると、同社はそのライブラリをオープンソース化して、それらをデベロッパーにとってより魅力的にしたいと考えている。

同社が最初にサポートするのはAWS Lambdaだが、来年はそのほかのクラウドプラットホームもサポートする予定だ。EpsagonにサインアップしたらAWSの認証情報を入力する。するとただちに、パフォーマンスに関する情報をEpsagonのダッシュボードに表示し始める。ただしShapiraによると、本当の価値はライブラリにある。“このライブラリこそが、うちの道具箱だ。つまり、エージェントと同じ働きをする”、と彼は言う。

スクリーンショット提供: Epsagon

提供するものは、従来的なモニタリングデータだけではない。顧客が費消している費用も分かる。サーバーレスでは、クラウド企業が必要に応じてリソースを提供するが、それゆえにユーザー側のコスト管理が難しい。Epsagonは、今実際にどれだけ使っているかを見せてくれる。

Epsagonの利用料金はまだ確定していないが、最初はセルフサービス方式を採用している。同社のWebサイトにサインアップすると、無料から始まっていろんな料金オプションが並んでいる。いずれも、最初の2週間は無料の試用期間だ。

テルアビブに拠を置くEpsagonは、現在の社員数が11名、営業とマーケティングとサポートの体制ができたら、アメリカにオフィスを持ちたい。同社は1月に、Lightspeed Venture Partnersがリードするラウンドで400万ドルを調達した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

イーロン・マスク、新たにTesla株2000万ドル分購入を計画

TeslaのCEOで、同社最大の株主であるイーロン・マスクは新たにTesla株2000万ドル分を普通株で購入しようと計画しているようだ。この動きは、水曜日に米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中に、最近SECとの間で合意した和解への対応として記されている。

フォーム8-K書類には、Teslaを非公開企業にするための“資金は確保した”という8月7日のマスクのツイートに関連した証券詐欺疑いを巡り、マスクとTesla、そしてSECが合意した和解案の内容が綴られている。この和解については火曜日に連邦裁判所が承認した。

8-K書類の最後にTeslaは、マスクが2000万ドル分のTesla株を購入するという計画の概要を記している。記述は以下の通りだ。

和解とは別に、イーロンはTeslaに対し、Teslaから株式を購入する意思を示し、Teslaは次の新規売買時にその時の時価で2000万ドル分のTesla普通株をイーロンに売る。

和解案では、マスクは2000万ドルの罰金支払いと最低3年間は役員会の議長職につかないことに同意した。それでもマスクは役員としては残り、SECの提訴内容を肯定も否定もしていない。

それとは別にTeslaも2000万ドルの罰金を払う。Teslaはまた、マスクのツイッターやTeslaブログといったチャネルを通しての発言が実際的なものなのか、公開されるべきなのかを判断するために、それらをモニターし、事前承認することにも同意している。

イメージクレジット: Joshua Lott / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)