NASA、「静かな超音速旅客機」の開発プロジェクトをスタートへ

NASAは国際線の飛行時間を大きく減らせるような超音速旅客機の実用化に乗り出す計画だ。騒音レベルでコンコルドを下回ることもNASAが提示した超音速旅客機が実現を狙う目標のひとつだ。

Bloombergの記事によれば、NASAはこの8月から超音速旅客機のフルスケールモデル製作のため競争入札を開始するという。採用された場合、向こう5年間で4億ドルの予算が予定されるプロジェクトだ。

ビジネスがグローバル化し、仕事が世界に分散化する中、 航空旅客運輸の高速化のニーズが高まっている。NASAは新しい商用超音速機の開発によってにこれに応えたいとしている。NASAでは開発された航空機デザインを利用してロッキード・マーチン、ゼネラル・ダイナミクス、ボーイングのような巨大企業からコロラドのBoom Supersonicのようなスタートアップまでが広く製造に参加することを期待している。

私は今年に入って、コロラド州のBoom Supersonicを取材し、CEOのBlake Schollにインタビューしたことがある。Schollは現在開発中の機体の目標の一つは騒音の大幅低下であることを認めた。現在アメリカ合衆国の陸上を超音速旅客機が飛行することが規則で禁止されている理由の大きなものが騒音問題だ。Boomでは当初の空路をすべて洋上に設定し、この問題を避けようとしている(コンコルドの場合もアメリカについてはニューヨークの空港を利用する大西洋横断ルートのみが設けられていた)。

Bloombergの記事によれば、NASAではロッキードで開発されたデザイン(トップ画像)をベースとして高級車が高速道路を走行する程度の騒音レベルを達成しようとしている。これは60dBから65dB程度であり、Concordeの90dBよりはるかに静かだ。

NASAでは2022年までに人口密集地帯の上空飛行を含む本番テストを実施したい考えだ。アメリカにおける超音速旅客機の飛行を制限する規則を変えるためにこの結果を使う計画だという。Boomでは実証機の飛行を来年にも開始する。この10年ほど休眠状態だった超音速旅客機の実現に向けていよいよ競争が始まることになりそうだ。

画像: Lockheed Martin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookがコンテンツクリエイターへの収益配分のために、コンテンツ権利管理スタートアップのSource3を買収


Facebookは、独立したコンテンツクリエイターたちが、ニュースフィードを通して作品を共有するように誘惑しようと、強いプッシュを行っている。しかしFacebookは、同時にクリエイターたちに対して、権利侵害の蔓延を許すことなく、コンテンツの収益化を助けることができることを証明する必要がある。それこそがコンテンツ権利管理スタートアップSource3のチームと技術を、Facebookが買収した理由だ。

スタートアップの説明によれば「Source3は、ユーザーが作成するコンテンツの中にある、ブランド化された知的財産を認識、整理、分析することに着手しています。そしてスポーツ、音楽、エンターテイメント、ファッションなどさまざまな分野でプロダクトの識別に成功しています」ということだ。その技術は、ユーザーが作成したコンテンツや、商品取引市場内でのブランドIPを認識し、ブランドの露出度を測定したり、著作権や商標を侵害した者に対して行動を起こすことを可能にする。

Facebookの広報担当者であるVanessa Chanは、次のように語る「私たちはSource3チームと共に働き、彼らが知的財産権、商標権、そして著作権に関して作り込んできた専門知識を学ぶことを、とても楽しみにしています」。Source3はこの取引についてサイト上で発表し、その内容がRecodeによって取り上げられた。同社は「私たちはFacebookと共に旅を続けることを決めました」と書いている。そしてそのチームは、FacebookのNYC事務所で働く予定だ。

Source3はこれまでに400万ドル以上を調達しているが、その大部分はContour Venture Partnersが主導した2015年のシードラウンドによるものだ。 共同創業者であるのPatrick F. Sullivan、Benjamin Cockerham、そしてScott Sellwoodは、以前音楽著作権管理プラットフォームRightsFlowをGoogleに販売したことがある。Source3は、元々3Dプリンティングの著作権管理会社として、2014年にニューヨークに誕生した。しかし、消費者市場における3Dプリンティングが停滞した後、そのスコープをデジタルエンターテインメントへと広げたようようだ。

そのチームと技術は、FacebookのRights Managerソフトウェアを拡張することになるだろう。このソフトウェアはYouTubeのContent IDのように動作し、クリエイターが自分の動画を識別できるようにした上で、Facebookへの許可されていないアップロードをブロックしたり、その非公式なコピーから利用料を回収したりすることができるようにする。Source3は、Rights Managerを通じて、ブランドやクリエイターが承認されていないコンテンツやIPの露出を特定することを助けることが可能だ。

先月のVidConで、Facebookは、クリエイターがファンとコンテンツを共有するための特別なスタンドアロンアプリを開発中であると発表した。Facebookは既に、月間20億人という最大のオーディエンスを抱えている。今やFacebookはクリエイターたちにとって、ソーシャルネットワークが、彼らの努力を投じる場所としてふさわしい場所である収益の上がる場所だということを証明しなければならない。

1つの方法として、Source3の技術を使用して、Web有名人が着用または使用しているブランドを認識し、それらを当該ブランドまたは同様のものに結びつけて、スポンサードコンテンツまたは商品注文へと誘導する方法が考えられる。Facebookはこうした取引の一部を報酬として受け取ることが可能になり、これによってクリエイターたちのコンテンツのマネタイズを、これ以上煩わしい広告を投入することなしに実現することが可能になる。

Vineの終了、Snapchatのゆっくりとした成長、そしてPewDiePieスキャンダルによるYouTubeの混乱の中で、FacebookとInstagramはファンにリーチしようと考えるクリエイターたちに対して、中心的なハブになることにできる絶好の位置にいる。問題は、友人のたちの写真やニュースリンクを見るために作られたFacebookが、明日のモバイルミニ映画スターのユニークなニーズに応えることができるかどうかということだ。

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(翻訳:Sako)

FordのMustang GT 2018年モデルは、0~60マイル加速で4秒を切る


Fordの Mustang GT最新モデルは史上最高速だ ―― 新たに搭載されたDrag Stripモードを使うと、0~60 mph(96 k/h)までわずか4秒で到達する。これはPorsche 911を始めとする多くのスポーツカーよりも速い。Drag Stripモードは、最新の加速を実現するために最適なトルクとトランスミッションを設定するもので、ミシュランのPilot Sport 4 Sタイヤを装着してこの4秒を切るタイムを達成した。

この新たなスピード記録には、Mustangの10速オートマチックトランスミッション、SelectShiftの新型も貢献している。Mustangのチーフエンジニア、Carl Widmannが言うように、「ギアをシフトすればタイムが犠牲になる」からだ。

  1. 2018-mustang-gt-can-go-0-60-in-under-4-seconds-with-new-10-speed-automat.jpg

  2. ford-mustang-gt-drag-strip-mode-in-12-inch-digital-cluster.png

この車のエンジンはV8 5.0 L、460馬力、最大トルクは569 N・mで、Fordがこの2018年型Mustangのために一から再設計した。Drag Stripモードは新モデルでドライバーが利用できる5つのモードのうちの1つで、ほかにも様々な運転シナリオに応じたモードが用意されている。

新型Mustangのオプションや価格については、Fordのウェブサイトで明日から公開され、車は今秋からショウルームで見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iOS 11のベータ4がリリース、これが最後のベータか?

Appleのモバイルオペレーティングシステムの新バージョンiOS 11は9月リリースとされているが、その前にまた新たなベータがリリースされた。まだ安定バージョンではないから、テスト機以外の実機にインストールすることはお勧めできない。ご自分のiPhoneが壊れてもよい、という人は別だが。

このベータ4は当面、登録デベロッパーしか入手できない。Appleには公開ベータの流れもあるが、ベータがそこに載るのは通常、デベロッパーベータが出てから数日後だ。

iOS 11をこのところ実際にテストしている人は(そのテスト機…iPhoneまたはiPad…の上で)Settingからアップデートできる。macOS High Sierra, watchOS 4, そしてtvOS 11も今日、ベータのアップデートを受け取った。

そもそもiOS 11は何が新しいのか? その、まだ見ぬニューバージョンはiPadの大きな前進だ、と言われる。アプリのレベルでなくオペレーティングシステムのレベルでファイルのドラッグ&ドロップやアプリのアイコンなどがサポートされるので、まったく新しいデバイスになった感すらある。ドックもあり、アプリスイッチャーもあり、そしてFilesアプリもあるので、アプリの立ち上げやドキュメントの管理が容易になる。

iPadを使わない人にとって最大の衝撃的変化は、iPhoneのコントロールセンターの完全な模様替えだろう。これからは、ショートカットをユーザーがカスタマイズできる。そのほか、同機のボンネットの下には大小の変化が山のようにある。

Appleが例年のパターンを踏襲するつもりなら、最終リリースは2か月後だ。それまで待てない人、ベータで壊れてもいいiPhoneやiPadを持っていない人は、ぼくが書いたプレビューで我慢してちょうだい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

物流業務プラットフォームの「オープンロジ」が7.3億円調達、冷蔵倉庫や海外展開も視野に

左からEight Roads Ventures Japanの村田純一氏、オープンロジ代表取締役の伊藤秀嗣氏、取締役CTOの五十嵐正人氏

物流業務プラットフォーム「オープンロジ」を展開するオープンロジは7月25日、Eight Roads Ventures Japan(リード投資家)、Spiral venturesInfinity Venture PartnersSMBCベンチャーキャピタル(いずれも既存投資家)および個人投資家から総額7億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。同社はこれまで累計で10億円の資金を調達している(前回のラウンド前々回のラウンド)。なお今回の調達にともない、Eight Roads Ventures Japanの村田純一氏がオープンロジの社外取締役に就任する。

オープンロジの設立は2013年12月。2014年3月にサービスをローンチしている(2014年11月にはイベント「TechCrunch Tokyo 2014」のスタートアップバトルにも登壇した)。通常倉庫会社と契約する場合、個別見積もりをしたのちにスペース単位での価格が設定される。さらにそこから、梱包、在庫管理といった作業が必要になる。大企業ならまだしも、中小のEC事業者にはこういった一連の作業が大きな負担になっていた。オープンロジは自ら倉庫会社をネットワーク化し、独自開発のシステムで運用することで、アイテム単位の課金で安価に利用できる物流業務のアウトソーシングプラットフォームを手がけている。

これまでノンプロモーションながらユーザー数は2500アカウント以上。金額は非公開ということだが、売上は前年比730%増になっているという。当初は中小事業者をターゲットにしており、現在でもユーザーの8割は月間出荷件数数百件程度だが、その一方では1万件以上の月間出荷件数を誇るユーザーもいるという。すでに47都道府県からの利用に加えて、海外事業者の利用実績もあるという。

今後は冷蔵倉庫対応や海外展開も

提携する倉庫数も十数拠点まで拡大したが、今後は国内外合わせて60拠点まで拡大する予定だという。海外展開に関しては、まず今秋にも米国オレゴン州への進出を予定。「オープンロジを使えば現地の倉庫を簡単に契約ができて支払いもワンストップ化される。Amazon.comやeBayでの越境ECを促進することができるようになる」(オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏)。今後は中国やアジア圏の倉庫を増やしていく予定だという。

オープンロジでは今回の資金調達により、サービスの体制基盤の強化や国内外の各種EコマースサービスとのAPI連携などを強化していく。さらに、冷蔵や定温倉庫との連携も進める。「空調管理が必要な分、保管料や配送料は常温に比べて高くなるが、それでもオープンロジを通すことでこれまで敷居が高かった倉庫の利用ハードルを下げ、中小規模の事業者のコストダウンが図れるようになる」(伊藤氏)。これに加えて、年内にはオムニチャネル向けの新規事業を展開する予定だ。

Android Oの最後のデベロッパープレビューが出た、アプリの最終テストが主な目的

Googleが今日(米国時間7/24)、Android Oの四度目で最後のデベロッパープレビューをリリースした。Android Oは同社のモバイルオペレーティングシステムの最新バージョンだ。予想されたように、今回はもはや大きな変化はなく、Googleによると、計画どおり今夏の終わりには正式版がリリースされる。今夏の終わりとは9月22日のことらしいから、まだ間があるが、これまでのペースはAndroid Nougatのときと酷似しているから、最終リリースは8月ではないかな。

Android OのAPIの最終確定が三度目のプレビューだったから、今日のアップデートは微修正と安定性の向上がメインだ。Android SDKの主な部分とツール、そしてAndroid Emulatorは今後数日内にバージョンがやや上がり、Android Support Library(v. 26.0.0)は今や安定とみなされているが、前と同じく今回の焦点は、本番バージョンがユーザーの手に渡るまえにデベロッパーが自分のアプリをテストできることに置かれている。

ユーザーとデベロッパーにとって、Androidのこの新バージョンは、全体的に通知のサポートが改良され、またピクチャ−・イン・ピクチャ−やオートフィルなどがサポートされる。電池の使用を最適化する機能も、新たに導入された。これらの変化はどれも地味だが、Android上のデベロッパーは自分のアプリをできるかぎり早くテストしたいだろう(新しい機能を使う気はなくても)。ただしそのためには、Androidアプリを書くためのGoogleのIDE Android Studioを、最新バージョンにアップデートしなければならない。

Google Playのストアはすでに、最新APIに対応するアプリも受け付けている。

Android Oのデベロッパープレビューは一般ユーザーがネットからアップデートすることも可能だが、ただし公式リリース前のソフトウェアを動かすためには、勇気が必要だ。対応機はGoogleのPixel, Pixel XL, Pixel C, Nexus 5X, Nexus 6P, そしてNexus Playerだ。登録はここから

昨年出たAndroid Nougatは、今ではAndroid全体の11.5%のシェアを持っている。Androidのニューバージョンはつねに採用のペースが遅いが、Pixelはすでにかなり出回っているから、デベロッパーもAndroid Oのバスに早めに乗った方が、良いのではないだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Skyland Venturesのインキュベーション・プログラム「WAVE」、第2期参加の3社を発表

25歳以下の起業家への投資をメインに行うSkyland Ventures。7月25日、同社が運営するインキュベーションプログラム「WAVE by Skyland Ventures(以下、WAVE)」の参加企業が発表された。今回が第2期目のプログラムとなる。

写真中央がSkyland Ventures代表パートナーの木下慶彦氏

プログラムに採択された合計3社の概要は以下の通り:

Glit

Caratが提供するGlitは、スマートフォン向けの転職サポートアプリ。同アプリでは、ユーザーのプロフィールや経歴などをもとに1日10件の求人をリコメンドする。GlitのUIはデーティングアプリのTinderに似ている。リコメンドされた画面を左右にスワイプしていくことで興味のアリ/ナシを分けていく仕組みだ。

ジコナラ

ST Bookingが提供するジコナラは、トラブルにあったときに参照する総合情報ポータルサイト。ただ、現状はトラブルにまつわる記事を掲載するメディアに近い。今後、同社はトラブルの種類ごとにユーザーと弁護士をマッチングするプラットフォームとして事業展開していく予定だという。

Aidemy

アイデミーが提供するAidemyは人工知能の領域に特化したオンライン学習サービス。日本のプログラミング学習サービスにはprogateCODEPREPなどがあるが、Aidemyは人工知能に関する知識・技能だけを効率的に習得できるサービスを目指すという。教材教材で使用する言語はPython3とMySQLで、ライブラリはおもにscikit-learnを利用する。サービスの利用料金はまだ検討中だという。

3ヶ月でリリースとファイナンスのアウトライン構築目指す

Skyland Venturesは2012年8月設立。総額14億円を運用する同ファンドは現在、日本国内を中心に約40社に投資を行っている。同ファンドの投資理念や手法はこちらの記事を参考にしてほしい

彼らが運営するWAVEは、年2回実施する3ヶ月のインキュベーションプログラムと、その成果を発表する年4回デモデイで構成されている。Infinity Ventures Summit(IVS)とのコラボレーション・イベントとして開催した第1回デモデイには「cluster.」や「Smooz」などが参加した。なお、このイベントはIVSでのシード権をかけたピッチコンテストとしての意味合いもあった。

WAVEのインキュベーション・プログラムに参加する企業は、Skyland Venturesから500〜1500万円のシード資金を得ることができる。そのほかにも、クリエイティブ・エージェンシーのPARKからブランドやコンセプト作りのサポートを、そして、UIデザインに強みのあるSTANDARDからはUIの開発サポートを受けることができる。

2017年4月に開催されたデモデイの様子

WAVEは合計3ヶ月のいわば短期集中的なプログラム。その期間中にプロダクトリリースとファイナンスのアウトラインを構築することを目標としている。木下氏は「あえて3ヶ月で区切りをつけ、プログラム終了後の追加ファイナンスへの視野をもっている企業を採択した。それがなければスタートアップ的な事業成長はしないと思う」と語る。

今回のプログラムに参加したスタートアップは、2017年9月上旬に予定されているデモデイでプログラムの成果を発表することになる。

Netflix、Q2のモバイル・アプリ売上で1位、233%の成長――Tinder、Lineが続く

Netflixの登録者数は先週の四半期決算報告中でも発表されたが、Netflixアプリは非ゲームアプリの売上でトップに返り咲くなどその好調ぶりはアプリの統計でも感じられた。モバイル・アプリのアナリティクスを提供するSensor Towerの最新のレポートによれば、第2四半期の売上は対前年比で233%アップし、1億5300万ドルに達した。前年同期の売上は4600万ドルだった。今期Netflixアプリの売上は総合およびiOS App Storeでトップとなった。

iOS、Androidを総合してアプリ市場の売上の成長率は56%なのでNetflixの急成長はアプリ・ストアの中でも類を見ないレベルだ。言い換えれば、Netflixの成功は単にモバイル・アプリのエコシステムの拡大という追い風を受けただけのものではない。市場が拡大しているのは事実だが、それよりむjしろNetflixが多数の新規登録者を獲得できた能力にあるとみていいだろう。

先週、Netflixは最新の四半期で新規登録者を520万人獲得したと発表した。当初の予測は320万人だったから、これを大きく上回ったことになる。過半数の400万人はアメリカ国外の国際市場から来てている。NetfliはiOS App Storeでトップに立っているが、新規ユーザーの多くはモバイルからこのストリーミング・サービスを試し、アプリ内課金システムを利用して有料ユーザーとなる場合が非常に多い。

第2四半期のNetflixの全体としての売上は、 32%アップして27.9億ドルとなった。第1四半期は24.8億ドル、36%のアップだった。ただしこの数字はモバイル、デスクトップ、セットアップボックス、その他すべてのプラットフォームの売上を合計したものだ。

モバイルアプリの売上が233%アップしたというSensor TowerのレポートはNetflixにとって他のあらゆるプラットフォームと比較してモバイル・プラットフォーム経由の売上がきわめて重要なものになりつつあることを裏付ける。

またSensor Towerの統計によてば、Netflixはライバルの動画ストリーミング・サービス、Huluに対してもはるかに優位に立っている。Huluの第2四半期のモバイル売上は22%増にとどまった。

Netflixの大きな魅力の一つは、同社が四半期決算でも述べているとおり、オリジナル・コンテンツの強力さだ。同社は近年独自コンテンツの充実のために巨額の投資を行っている。Netflixの発表によれば、同社は今年60億ドルをコンテンツ製作のために投じる計画だ。これには劇場公開クラスの映画、40本が含まれる。.またNetflixは映画のライセンス購入のためにも最高額を支払ってきた。ウィル・スミス主演のダーク・ファンタジー、 『ブライト』に9000万ドル以上を投資しており、1億ドル以上を費やしたマーティン・スコセッシのギャング映画、 The Irishman〔アイリッシュマン(仮)〕の配給権も獲得している。

Netflixは決算資料中で、以前テレビ・ビジネスに革命を起こしたのと同様、近くハリウッドの映画ビジネスも根本的に変革している計画だと述べている。

今期の決算ではNetflixの他にもサブスクリプション・ベースのサービスがトップ・ランキング入りしている。iOS App StoreではPandoraが3位となり、Spotifyが5位、YouTube Redで有料サービスを提供するYouTubeが6位となった。

iOS App StoreとGoogle Playを合計したランキングではPandoraが4位、Spotifyが7位、HBO NOWが9位に登場し、YouTubeは10位だった。Sensor Towerが発表した非ゲームアプリのビジネスに関するレポート全文はこちら

〔日本版〕上記Sensor TowerのデータによればLINEアプリは総合3位、iOSで4位、Google Playで2位となっている。Google PlayのトップはGoogle Driveだった。Tinderアプリは総合とiOSで2位、Google Playで3位だった。
The Irishmanは実在のギャング、フランク・シーランをロバート・デニーロ、ジミー・ホッファをアル・パチーノ、シーランにホッファ殺害を命じたとされるマフィアのボス、ラッセル・ブファリーノをジョー・ペシが演じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

”走るリッツカールトン”――アメリカで話題の寝台バスCabinに乗ってみた

寝台バスのCabinが目指すのは、車輪がついたリッツカールトンホテルだ。

先々週、サンフランシスコ―ロサンゼルス間をCabinのバスで移動したので、その様子を以下にお伝えしたい。まずサンフランシスコの乗り場に到着すると、笑顔の乗務員が私を迎え、チェックインを済ました後に荷物を持っていってくれた。いざバスの中に入ってみると、乗車後すぐに寝たくない人のために設けられた談話ラウンジが目に入ってきた。

しかし私はそこを素通りし、まずは上階に上がって自分のベッドを選ぶことに。避難口付近の1番上に設置されているカプセルが今日の私の寝床だ。避難口横に並んだカプセルは、他のものに比べてスペースにゆとりがある。それぞれのカプセルには耳栓や水、メラトニンサプリ(睡眠導入剤)などバスで夜を過ごすのに必要なものが備え付けてある。寝床を選んでから少しすると、近くの人が写真を撮ろうかと聞いてくれたので、もちろんお願いした。

寝台バス仲間が撮ってくれたくつろぐ私の図

サンフランシスコからの出発時間は午後11時だったので、仕事を途中で切り上げる必要はなかった。さらに到着時間はサンタモニカに午前7時なので、土曜日をまるまるロサンゼルスで過ごせた。復路はロサンゼルスを日曜の午後11時に出発し、月曜の朝7時にサランフランシスコに到着というスケジュールだった。

SF―LAの往復で料金は230ドルだ。この料金には寝具、Wi-FI、水、紅茶、コーヒー、耳栓、メラトニンサプリが含まれている。バスの下部にはひとり2つまで荷物を預けることができ、自分のカプセルに収まるサイズの小さな荷物は1つだけ持ち込める。

Cabinは決して価格重視の交通手段ではない。BoltやMegaBusを使えば、SF―LA間を50ドルくらいで往復できる。もちろん飛行機という選択肢もある。移動にかかる時間は飛行機が1番短いし、(いつ頃チケットを予約するかにもよるが)そこまで高いということもない。

「ロサンゼルスまで行くのに1番安い選択肢ではない、ということは正直に伝えています」とCabinの共同ファウンダーで社長のGaetano Crupiは言う。彼は私たちと一緒に、初運行となるCabinに乗っていた。

とはいっても、Cabinがもっとも快適な選択肢であるのは間違いない。SF-LA間を50回以上往復している私が言うのだから信じてほしい。ただ、ベッドが装備されたカプセル自体は快適なのだが、デコボコ道が問題だ。往路ではなかなか寝つけなかったが、それが昼寝のせいなのか、デコボコ道のせいなのかはよくわからない。朝”目が覚めた”ときに、本当に自分は寝ていたのかわからなくなるような感覚を味わった。

それに比べて復路はかなりよかった。乗車後すぐに眠りに入って一晩中ぐっすり休め、寝台バスに乗っている夢まで見た(なんとメタな夢だ……)。朝を迎え、ラウンジがある下階へ向かうと、乗務員がエスプレッソを勧めてくれた。そしてモーニングコーヒーを飲み終えるころには到着時間が迫っていた。

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SleepBusからCabinへ

正式なサービスを開始する前に、CabinはSleepBusという名前で、LA―SF間を移動する寝台車を運行していた。このパイロットプロジェクトのチケットはすぐに売り切れ、4000人以上があぶれてしまったとCrupiは話す。Crupiともうひとりの共同ファウンダーTom Currierは、資金調達を行った後に何がそこまで好評だったのかを考え始めた。

「ただバスの中で寝たいなんていう単純なものではありません」とCrupiは笑いながら言った。「それが顧客の心に響いた理由ではありませんし、それではプロダクトにも成りえません」

そこでふたりは実際に顧客の一部から意見を聞き、全ては時間が理由なのだという結論にたどり着いた。しかし彼らはただの寝台バスではなく、ホステルのようなサービスを提供しようと考えたのだ。

「私たちの考えが反映されているのはここからなんですが」とCrupiは続ける。「今やどの会社も自動運転技術の開発を行っているため、将来的にこの技術はコモディティ化していくと思います。では車内で2時間過ごすとして、運転に気を使わなくてよくなったら、そもそも従来の車と同じかたちをしている必要もありませんよね?」

そんなCabinが目指すのは「リッツカールトンのような空間」だとCrupiは話す。さらに彼は、アメリカの長距離交通網の問題にも触れ、「本当にひどい状態」だと語った。また彼は、今後自動運転技術が発展するにつれて、高速道路を利用した長距離交通網が発達していくと考えている。

「私たちが考える未来は、”高速道路を走る電車”です」とCrupiは言う。「そして『顧客は車内に7時間いることになる』と考えると、デザインやサービスの重要性がわかってきますよね」

だからこそCabinは、乗務員やプライベートな空間、アメニティといった細かなところにまで気を配っているのだ。最終的にはコーヒーやお茶などの車内販売も考えているという。

「私たちは自動運転車のエクスペリエンスを、将来ではなく今提供しているんです」と彼は続ける。

Cabin設立当初から、CrupiとCurrierは常に自動運転車のことを考えており、将来的にはエクスペリエンスだけでなく本当の自動運転寝台バスを提供するようになるかもしれない。

Crupiいわく「私たちは、自動運転車が人の生き方にどのような影響を与えるか、ということにとても興味を持っています。通勤にエネルギーを使わなくてもよくなれば、都市部への人口集中が緩和され、子どもを自然の中で育てられるなど、街づくりや住む場所と働く場所の考え方に関し、さまざま良い変化が生まれるでしょう」

自動運転技術の実用化にはまだ時間がかかりそうだが、CrupiとCurrierは今の時点で自動運転車のエクスペリエンスを顧客に提供したいと考えたのだ。「車に乗って寝て起きたら目的地に到着している、というアイディアにずっと魅了されています」とCrupiはその理由を説明する。

走るホテルの運営にあたって

夜間に運行できるよう、Cabinはこれまでに3台の寝台バスを製造した。SF→LA、LA→SFに1台ずつを走らせ、もう1台をバックアップとして使っている。さらにこれから9月1日までに、だんだんと運行数を増やしていく予定だ。

先述の通り、私が乗ったのはCabinとしては初めて運行されたバスだった。先週末には2度目の運行が行われ、今後徐々に洗濯物やゴミ、排泄物の処理といったオペレーションのすり合わせが行われる。

「バスは常に動き回っているので、どこかと協業しないと運営していけません。洗濯物はどこかで回収してもらって、またどこかでピックアップしなければいけませんし、燃料についても同じです。その一方で、空港のような場所が要らないというのは、Cabinのような交通手段の大きなメリットのひとつとも言えます」とCrupiは語る。

営業時間外のCabinはさまざまな場所に停まり、乗客を拾うときはツアーバスの乗り場を使っている。サンフランシスコとサンタモニカでは運営許可を取得しているので、法的な準備も万全だ。

「多くのスタートアップは『規制対応は後から』という姿勢ですが、私たちは警察に没収されるかもしれない資産を使ってビジネスを行っているので、サンタモニカの都市設計部門から路線の許可をとりました。コンプライアンス面はバッチリです」とCrupiは話す。

彼によれば、次の四半期の間にCabinはホスピタリティの部分にさらに力を入れる予定だが、カプセルの大きさや見た目についても試行錯誤を重ねていくようだ。

路線拡大に関しては、ポートランドとラスベガスを次なる進出先として検討しているとのこと。その一方で、アメリカ中部にも「大きなチャンスが眠っている」とCrupiは関心を寄せている。

「線路が要らない高速道路網を使えば、割高でも利用したい人がたくさんいるというのに気づいたのは大きかったですね。限られたインフラを使って、ヨーロッパ旅行のような体験をアメリカ国内で提供しているようなものです」と彼は話す。

最近Cabinは330万ドルを調達し、新しい都市への進出を考えている。Crupi自身、Cabinは何億ドルという資金を調達できるようなタイプのビジネスではないと認めているが、今のところ同社には「十分に利益が見込めるビジネスモデルと、私たちに新たな洞察をくれる顧客ベースがある」と彼は言う。

FAQ

  • 車内で眠れた?
    往路に関しては多分。復路はしっかり寝られた。
  • カプセルに鍵は付いてる?
    付いていないが、特に不安は感じなかった。
  • 車内で騒いでる人はいた?
    ラッキーなことにいなかった。むしろ皆かなり早い段階で寝始めたので、物音さえほとんどしなかった。例え眠れない人がいても、ラウンジが用意されているのでそこまで問題になることはなさそう。
  • トイレは汚かった?
    全く!バスのトイレとしては綺麗な方だったと思う。タンポンも完備!
  • 飛行機の方が安いのでは?
    チケットを購入するタイミングにもよるが、ほとんどの場合飛行機の方が安い。
  • もう1度乗りたいと思う?
    長距離移動するとき、私は何かと不安に感じることが多い。フライトだと空港に遅くとも1時間前には着かなければいけないし、ようやくセキュリティゲートを抜けたとしても、天候やその他のくだらない理由(サンフランシスコ国際空港の滑走路の工事など)で遅延することもある。車での移動だと、何時間も起きていないと行けないし、助手席に乗っていたとしても脚は完全に伸ばせない。しかしCabinだと、出発10分前に乗り場に着けばよく、コンパクトながらもちゃんとしたベッドで寝られるのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

GoogleのCEO、ピチャイが親会社Alphabetの取締役に

GoogleのCEO、スンダル・ピチャイ(Sundar Pichai)が親会社、Alphabetの取締役に指名されたことが、今日(米国時間)、同社から正式に発表された

「スンダルはGoogleのCEOとして素晴らしい仕事をしてきた。Googleは規模、パートナー関係、プロダクトのイノベーションなどあらゆる面で力強い成長を遂げた。私はスンダルと仕事をすることを大いに楽しんでおり、Alphabetの取締役となることを嬉しく思っている」とAlphabetのCEO、Larry Pageは声明で述べた。

2015年にGoogle以外の事業を別会社に分離し、全体を持株会社としてAlphabetに再編する決定がなされたときからピチャイはGoogleの責任者を務めてきた。ピチャイは検索、広告、クラウド、マップ始めGoogleというブランド名がつく事業のほとんどを管轄している。AndroidとYouTubeもピチャイの監督下にある。

ピチャイは2004年にGoogleに参加し、Googleのコンシューマー向けプロダクト、エンジニアリング、検索などの責任者を務めてきた。

ピチャイが加わることになるAlphabetの取締役会のメンバーはラリー・ペイジの他に共同ファウンダーのサーゲイ・ブリン、元CEOのエリック・シュミット、Kleiner Perkinsのジョン・ドーア、Googleの上級副社長、ダイアン・グリーンだ。

Alphabetはこの後、株式市場が閉まるのを待って四半期決算を発表する予定。

画像: LLUIS GENE/AFP/Getty Images

〔日本版〕ダイアン・グリーンはVMwareの共同ファウンダー、元CEO

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ダイムラーとボッシュ、駐車場のドライバーレス化を企図

ダイムラーとボッシュ(Bosch)が共同で、自動車運転に伴うもっとも面倒なことを改善するためのテクノロジーを実現しようとしている。「面倒なこと」とは、駐車スペース探しおよび駐車作業のことだ。ドイツのシュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツミュージアムにて、自動駐車システムの試験運用を開始したのだ。入り口で自動車を降りれば、自動で利用可能な駐車スペースを選択して駐車してくれる。

ミュージアムにおけるシステムの本格稼働は2018年を予定している。スマートフォンを通じて、ミュージアムから車をレンタルすることができるようになる。レンタル予約した車は自動的にピックアップエリアにやってくる。予約に用いたのと同じアプリケーションを利用して、開始手続きをすればただちに車を利用することができるのだ。そして車を利用し終われば、ミュージアム内に備えられたシステムとオンボードセンサーが連携して、適切な駐車スポットに自動的に駐車して利用完了となる。

システムを提供するのはボッシュで、メルセデス・ベンツ製の車載システムと連携して動作することとなる。ミュージアムおよび車載のセンサーが連携して障害物や歩行者を検知する機能も備えている。

システムのテスト運用が本日始まったわけだが、テストを通じて安全協会(safety agencies)や地方行政府からの運用許可を得ていく予定にしている。来年の早い段階で正式運用に移れる予定だとのこと。

テスト期間を通じて、利用者に受け入れられるのか、また実際の運用の様子をモニターしていくことになる。ボッシュとダイムラーは、この仕組みを広く提供することで、駐車場運用を大幅に効率化することができるとしている。スペース的にみても20%の効率化が望めるのだとのこと。膨大な投資や既存設備の大幅変更を行わずに、社会を効率化できるのだそうだ。一般道での自動運転の普及にはもう少し時間がかかりそうだが、用途を限定することで自動運転の実用化をしようとする意図もあるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

新しいAppleの広告は、The RockとSiriの掛け合いでボイスファーストインターフェイスの有用性を伝える

目に見えないインターフェイスの使い方を、あなたは他人にどのように教えているだろうか?Appleにとって、Siriが最初の大規模大衆向け音声アプリケーションとなったときから、それは常にマーケティング上の問題として居座り続けている。

Appleはそれを教えようと何度も挑戦してきた。もしSiriを起動して何も話かけずにいたら、画面にSiriからの助言(「こんな風に話しかけてください」)を表示する。テレビスポット、ツールチップ、App Storeのプロモーション、そして読んだことがあるかどうかは知らないがインタビューなどで、どれほどの努力がSiriに注がれたかを知ることができる。それらは皆、単に時刻を尋ねたり、天気について聞くこと以上の使い方を促そうとするものだ。

そして、さらに最近は、AppleはiPhoneユーザーを、Siriがその声から連想される性格を超えて、AppleのAI(人工知能)とML(機械学習)に関連する様々なアプリケーションを代表するものなのだという考えを吹き込もうとしている。

世間では「電話機で何かを尋ねること」というSiriへの認識は大きく広がっているものの、その理解はとても浅いままだ。そう、日々の中で役立ち続けることが、人びとをプラットフォームに引き寄せるために大切なことなのだ。

平たく言えば:Appleに必要なのは、Siriが如何に日々の生活の中でユーザーを助けてくれる力があるのかを伝えることだ。

今回は、The Rockの異名で知られる、アクション映画の帝王かつ将来の大統領候補のドウェイン・ジョンソンが、それを伝える役割を託された。

この3分のスポット広告(今朝(米国時間7月23日朝)のジョンソンによるツイートに基いて、どこかのサイトでは「映画」として誤って伝えられているらしい)はYouTubeで公開される。本質的には短いエピソードを集めたものなので、テレビやアプリな視聴のためには簡単にショートバージョンを作ることが可能だろう。

今朝Twitter上で寄せられたジョンソンからのレスポンスによれば、このスポットは、AppleとSeven Bucks Productionsとの共同制作である。Seven Bucks Productionsはジョンソンがダン・ガルシアと共同設立した制作会社だ。

話の内容はジョンソンの正気の沙汰ではないようなスケジュールに、さらなる棺桶リスト(死ぬまでに実現したいToDoリスト)である「人生のゴール」を付け加えて、複雑化させつつも、Siriの助けを借りて全てをこなしていくというものだ。テンポがよく、どのパートを見ても極めて楽しく、全体としても素敵な仕上がりになっている。ジョンソンが2016年に世界で最も出演料の高い俳優だったということは勘定に入れなくても、とてもお金がかかっているように感じる。

早い段階での誤解はともあれ、それは立派な広告であり映画ではない。そして広告としては、かなり効果的なものだと思われる。Siriの使われ方は、とても明白で良く知られたものから、ややわかりにくいが便利なものに到るまで、広い範囲をカバーしている。

ボイスファーストインターフェイスに対しては、驚くほど強気な沢山の人びとがいるが、個人的には流行が進みすぎるのは危険だと感じている。なぜなら人びとにそうしたインターフェイスが必要不可欠であると納得させることはできないからだ。

AmazonのEcho、Google Assistant、そしてSiriのようなボイスファーストインターフェイスは、大衆の意識に浸透するにつれ、どのようにすれば人びとにその有用性を理解させ、それを継続的に使う気にさせることができるのかが、いわば何か素晴らしいことを起こそう(make “fetch” happen)と狙う企業たちにとって、最も関心の高いことになっていくだろう。

スポット広告はYouTubeにアップロードされている

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(翻訳:Sako)

現代自動車とKiaの車に、Kakaoが音声認識技術を搭載する

韓国のハイテク企業であるKakaoが、その配車事業をスピンアウトする計画を発表してから1ヶ月も経たないうちに、今度は韓国第2位の自動車メーカー現代自動車ならびにその子会社であるKiaとの間に、車載のハンズフリーシステム搭載に関する契約を結んだ

Kakaoは、韓国内のスマートフォンの95%以上にインストールされているトップメッセージアプリ、カカオトークを運営していることでよく知られている。しかしそれはチャットの枠を越えて他の領域にも手を伸ばしていて、AIもそのうちの1つだ。

9月には、同社のAIテクノロジーである”Kakao I”が、現代とKiaの特定の車種に統合されて、当初は車内で音声認識技術が提供される。双方の自動車企業は、運転者がレストラン、サービスステーションなどの情報を、声で検索できるハンズフリー機能の”One Shot”などのサービスの開発に協力してきた。

同社によれば、それ以外にも、Kakao Iは、音声認識、画像認識、テキスト音声変換、自然言語処理、チャットボットをサポートしているという。Kakaoはプラットフォームをサードパーティに開放し、車内の運転者をより快適にする多くのサービスと機能を提供しようとしている。

Kakaoは昨年9月に自動運転技術の開発を開始したと発表していたが、今回の提携はそれとは関係していない。

現代自動車は、自動運転車に早い段階から取り組んでいる会社の1つで、実際三星(Samsung)に先んじて、韓国で初めてのライセンスを取得している。同社はプロトタイプを先の12月に発表しており、また当初の予定より早く半自動運転機能を出荷しようとている

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(翻訳:Sako)

サンフランシスコ市、LyftとUberに運行データ提出の裁判所命令を発行

サンフランシスコ市法務官、Dennis Herreraは、UberとLyftの両社に対してドライバーの安全、身障者対応、その他の運用に関する記録の公開を求める裁判所命令の発行を検討している。先月同法務官は本件に関する召喚状を発行していた。

6月4日にHerreraが発行したその召喚状は、両社のドライバーが、「公衆の安全に対する脅威、あるいは差別などの違法行為による社会的迷惑」を生まないことを目的としていた。

具体的には、ドライバーの走行距離と時間、乗客を求めて他の都市からサンフランシスコに通ってくるドライバーのインセンティブ、訓練、障害者の利用できる車両の数、および利用経路についての記録4年分の提出を求めている。

市法務官によると、Lyftは当局に協力しようとはしたが、「最終的には理不尽な条件を要求し、納得のいく合意に達しようとする意志が見られなかった」と報道資料に書かれている。一方Uberは一切の協力を拒否した、と法務官は言っている。

「Uberは締切の6月20日まで待ってから、情報提供を拒否する旨の書簡を市に送り『Uberの懸念事項に関して対話する』用意はあると言った。その後Uberの担当者はなかなか会おうとせず返事も遅く曖昧な態度を取っていた。結局Uberは召喚要求に従わなかった」と法務官事務所は言った。

先月、サンフランシスコ群交通局は、先週のサンフランシスコの交通量の15~20%をUberとLyftが占めていたことがわかったと発表した。問題は、推定4万5000人といわれるUberとLyftのドライバーが、同市にマイナスの影響を与えているとみられることであり、Herrera法務官は現状のよく把握したうえで、両社が法を順守することを望んでいる。

「残念ながら、Uberはいつも通りの行動をとっている。問題を引き起こし、すぐに腰を上げず、常に法律を軽視している」とHerreraが声明の中で言った。「名誉のために言うとLyftの方が対応はよかった。しかし結局はLyftも理不尽な妨害行為をした。両社は最低限の文書を提出し、それ以外の要求は無視する態度に出た。そして現時点で彼らは、正当な企業秘密を守るための守秘契約を結んでいない。

アップデート 12:49pm PT。Uberからのコメント:
「当社は法務官事務所の懸念を正しく理解するために、協力して作業している」とUberの広報担当者がTechCrunchにメールで伝えた。「当社は問題解決のために情報を提供する意志があることを先方に伝えた。機密情報に扱いについても合意できることを願っており、この重要な問題に協力して取組んでいくことを約束する」。

Lyftの広報担当者は、同社がHerrera法務官と協力して取組むつもりだと言っている。

「昨晩も、市当局と建設的な会話をしたところ」と広報担当者は言った。「しかし、膨大な量の個人情報 ―― 同社が運行する他のどこの都市よりも多い ―― の提出を求めながら、この個人データを保護する基本的な手順を踏もうとしない当局のやり方は前例がなく、不可解であり、あまりにも非現実的だ。今も当社はサンフランシスコの輸送事情を全体的アプローチによって改善しようとする市のリーダーたちと協力していく意志を持っている」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ミニスーファミの次はミニNINTENDO64?――任天堂の商標登録から可能性が浮上

eng-logo-2015海外ゲームフォーラムのNeoGafによると、7月18日に任天堂がNintendo64(以下N64)コントローラーの線画の商標登録を、欧州連合知的財産庁に出願したことが明らかになりました。これにより、同社がレトロハードを小さくしてソフトごと復刻する「クラシックミニ」シリーズに、N64が加わる可能性が浮上してきた形です。

くだんの線画は左に十字キー、中央にアナログスティックが配された懐かしのデザイン。これだけならN64ソフトを再現するバーチャルコンソールやミニ玩具かもしれませんが、話題となったのは同時に2つの線画が商標登録されたため。

一つはNES(海外版ファミコン)、もう一つはスーパーファミコンのコントローラーと思しきもの。思しきどころか、実際の商品のボックス上部に印刷されているマークとそっくりです。

さらに商標のカテゴリーが”goods and services”であることから、ソフトであるバーチャルコンソールではなくクラシックミニ的なハードかも、との推測を後押ししています。

なお、ゲーム情報メディアのPolygonが任天堂アメリカに問い合わせたところ、「何もアナウンスすることはありません」との回答が返ってきたとのこと。

もちろん、知的財産権を守るため、商品化の予定はないが「とりあえず商標登録」はよくあること。過度の期待は禁物ですが、「任天堂の最高傑作」とも言われるN64コントローラーで建物を破壊しまくる『ブラストドーザー』がプレイできる日や、願わくばバーチャルボーイのクラシックミニ化も夢見たいところです。

Engadget 日本版からの転載。

freeeが事業用クレジットカードに参入、スモールビジネスのキャッシュレス化促進へ

クラウド会計サービスなどを提供するfreeeは7月24日、ライフカードと提携して事業用クレジットカード「freee カード」を共同で発行することを明らかにした。主な対象は事業用クレジットカードを利用する機会が少なかった、個人事業主や中小企業。経費精算や仕入れなど現金取引のキャッシュレス化を通じて、ユーザーのバックオフィス業務の効率化や経営状況の可視化をサポートしていくことが狙いだ。

カード発行日は2017年9月15日の予定で、本日より事前申込みを行っている。

会計データを審査資料に活用、導入しやすい仕組みの構築へ

会計ソフトを筆頭に、給与計算会社設立開業届けなど中小企業や個人事業主をサポートするサービスを複数手がけてきたfreee。そんな同社が次に本腰を入れるのは事業用のクレジットカードだ。

freeeは2017年3月にライフカードと業務提携を結び、法人クレジットカードの申込にfreeeに蓄積された情報を活用することで、発行手続きを簡略化する取り組みを発表していた。担当者によると「これまではデータを提供するという色が強かった」そうだが、freeeカードは中小企業や個人事業主が利用することを前提に、より踏み込んだ内容になっているのだという。

「ライフカードさまとの取り組みが好調だったということもありfreee上のデータを提供するだけでなく、年会費の無料化、中小企業や個人事業主にメリットのある特典の整備など、さらに使いやすい仕組みを考えていた。その結果新たなカードの共同開発に至った」(freeeカード担当者)

freeeカードでも「クラウド会計ソフト freee」上の会計データをライフカードの審査資料に活用することで、導入したいユーザーのハードルが下がるのは大きな特徴だ。会計ソフトと併せて利用することで経理業務の取引データを会計ソフト上に集約でき、バックオフィス業務の効率化や経営状況の可視化も見込める。

それらに加えて中小企業や個人事業主向けに以下のような機能や特典を備えている。

  • 年会費無料
  • 1法人当たり50枚の従業員カードを発行可能
  • 決済限度額を自由に設定可能
  • 弁護士や税理士など士業への無料相談
  • オフィス備品サービスやスーツ衣料などの割引特典

「事業用クレジットカードの発行では、審査に決算書が求められるなど発行のハードルが高かった。それが現金取引が主流となりキャッシュレス化が遅れ、バックオフィスの生産性が上がらないことにも影響している。freeeカードではまずカード導入のハードルを下げた上で、特典などを充実させスモールビジネスをサポートしていきたい」(freeeカード担当者)

スタートアップと投資家の情報共有のムダをなくす「FUND BOARD」、ベータ版が公開

スタートアップと投資家は、チャットでのやりとりから日々のミーティング、週次や月次のレポート、株主総会と、さまざまなかたちで情報を共有している。もちろんすべてのタイミングというわけではないが、スタートアップはその時々で投資家向けに資料を作り、共有する必要がある。しかもそれぞれ求められるフォーマットが異なることもあるし、そもそもメールで都度送るなんてこと自体が手間だ。一方の投資家にしても、投資先スタートアップ各社の資料を集め、管理するだけでもそれなりの時間がかかってしまう。ケップルが7月24日にベータ版を公開した「FUND BOARD」は、そんなスタートアップと投資家のコミュニケーションの「ムダ」をなくすためのサービスだ。

FUND BOARDはスタートアップと投資家とのコミュニケーションの効率化を進めるサービス。両者にはまずダッシュボード上での資料の共有機能が提供されるほか、スタートアップ向けには資本政策の作成や株主名簿やストックオプションの管理といった機能などを提供。投資家向けには投資先の一覧管理やミーティングメモ作成、資料提出状況の管理といった機能を提供する。また、エンジェル税制の判定機能なども盛り込んでいくという。

ベータ版のサービスは全機能無料。将来的には投資家側に月額課金の機能を盛り込むことを検討する。似た領域のサービスとしては、freeeが4月にスタートアップと投資家の間でリアルタイムに財務データを共有する機能「freee VCアドバイザーアカウント」を提供している。

サービスを提供するケップルは2015年2月の設立。代表を務める神先孝裕氏はあずさ監査法人の出身で、2013年にはKepple会計事務所を設立。スタートアップの経理業務やバックオフィスの支援、資本政策や事業計画などの策定などを手がけてきた。

その業務の中で課題となったのが、冒頭にもあるスタートアップと投資家のコミュニケーションだ。神先氏は創業時より独立系ベンチャーキャピタルのSkyland Venturesの投資先のほとんどを支援しているが、同社の投資先だけでも約40社。各社にメールで資料を請求し、受け取り、整理するというコミュニケーションに限界を感じていたという。この経験をもとにケップルを設立。FUND BOARDを開発するに至った。ケップルでは今後FUND BOARDの機能拡充を進めるほか、人材や不動産など、スタートアップの業務を支援するサービスを提供することを検討している。

 

「1000円で株主」のOne Tap BUY、いよいよ日本株個別銘柄に対応――任天堂、ソニーなど30銘柄

証券取引アプリ「One Tap BUY」を提供するOne Tap BUYは7月24日、同アプリで日本株個別銘柄の取り扱いを開始すると発表した。これまでの取り扱いは、主要アメリカ株30銘柄と国内ETF3銘柄だった。

2016年6月リリースのOne Tap BUYは、「ロゴマークで銘柄を選ぶ」「売買する」「確認」の3タップで株式の売買が可能な証券取引アプリだ。

通常、日本株は1000株だとか100株単位での売買しかできないことになっている(単元株制度)。トヨタ単元株は100株。株価が6000円だとすると、合計60万円もの金額を用意しておく必要がある。その一方、One Tap Buyの取引単位は1000円以上1000円単位で、少額の資本でも株式取引を始めることができる。

今回追加される日本株個別銘柄は30銘柄。任天堂、ソニー、ファナック、キャノン、ファーストリテイリングなど、いずれも東証1部上場の大型銘柄ばかり。取り扱い銘柄のリストは同社のプレスリリースから確認できる。

取引手数料は、売り買いともに市場価格✕0.5%。

One Tap BUYと似ているサービスとして、ネット証券大手のカブドットコム証券が提供する「プチ株」などがある。他のネット証券会社も、名前は違えど同様のサービスを展開中だ。

比較として述べておくと、プチ株の取引手数料は「約定代金2万円まで100円、以降約定代金1万円増加まで毎に67円加算」となっている。約定代金が2万円であれば手数料は0.5%の100円なので、手数料はOne Tap BUYと同程度だ。

ただ、取り扱い銘柄数をくらべると、ネット証券の方が圧倒的に多い。そのため、当面One Tap BUYは取引のしやすさや、とっつきやすさで勝負していくことになるのだろう。取り扱い銘柄数について、同社は「今後、日本株個別銘柄に関しては銘柄の追加を予定しております (時期や銘柄数は未定)」と話している。

One Tap BUYは2017年2月、みずほキャピタルなどから15億円を調達した。また、同社は8月からTVCMの配信を開始する予定で、これまでリーチできなかった顧客層の取り込みを目指す。

One Tap BUYは2015年のTechCrunch Tokyoのスタートアップバトル卒業生。同社はそこで審査員特別賞とAWS賞を獲得している

「ごちクル」運営のスターフェスティバルが総額10億円を資金調達、新規事業創出に取り組む

法人・団体向けのお弁当宅配やケータリングサービス「ごちクル」などを運営するスターフェスティバルは7月24日、キッコーマン、クレディセゾン、電通グループが運営するファンド、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)、みずほフィナンシャルグループが運営するファンドから、総額10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。スターフェスティバルは2009年7月の創業。今回の調達を含め、累計資金調達額は約50.5億円となる。

スターフェスティバルは、有名店やシェフ監修の弁当からワンコイン弁当までをネット注文で宅配するごちクルのほか、2015年からは企業の従業員向けにランチを提供するサービス「シャショクル」を提供。2016年8月には新規事業として、ごちクル、シャショクルの利用者をターゲットに、広告主となる企業の製品やサービスのプロモーションを行う広告事業「ごちアド」を開始した。また、全国の特産品や食材を活かした弁当の企画開発・販売、特産品の流通、プロモーション協力を行う、地方創生サポート事業も行っている。

7月6日には、今回の発表に先駆け、JR東日本との資本業務提携も公表(今回発表の資金調達にはこの資本業務提携が含まれている)。JR東日本グループ傘下で製造する弁当などを販売することで、製造パートナーの拡充や地産品の仕入れなど物流強化を図る考えだ。

スターフェスティバルでは、今回の資金調達により、「ごちクル」、「シャショクル」、「ごちアド」など既存サービスの強化を図るとともに、新規事業の創出にも積極的に取り組むとしている。

シカゴのポケモンGOイベント、技術的問題で参加費払戻しへ

NianticのポケモンGO FESTに参加しようと、シカゴのグラントパークに向かった約2万人のポケモンGOプレーヤーたちは、全員同じことを心配していた。天気予報によると嵐がやってくるというのだ。

結果的に天気はよかったが、それ以外のほとんどが問題だった。

さきほどNianticは、参加費を払戻した上でさらに100ドルのゲーム内通貨(ポケコイン)をプレーヤーに付与すると発表した。Nianticの推計によるとイベントには1.5~2万人の人々が参加していた。

(アップデート:Nianticが自動的に払戻しをするのか、申し出た人だけなのか現時点では明らかになっていない。参加者には詳細をメールするとNianticは言っている)

何よりも問題なのは、ゲームそのものが機能しなかったことだ。最初の参加者がグラントパークに入ってから数分後に携帯ネットワークが不安定になった。正式に門が開いてから20分以内にネットワーク全体がダウンした。私はこの10年間かなりのライブログを担当してきたので、ネットワークの混雑を回避して何とかすることには慣れていた。しかし、今回はどうしようもなかった。

ネットにつながってもポケモンGO自身に問題があった。モンスターをタップして捕らえようとしてもエラー画面が出るだけだ。ポケモン図鑑をコンプリートしたくて遠方からやってきた多くのプレーヤーにとってこれは特にショックが大きい。公園では特別なレアモンスターたちが生まれることになっていたのだから。Unown[アンノーン]やHeracross[ヘラクロス](通常はごく限られた地域でしか見られず、もちろんシカゴ中心部にはいない)をタップするとゲームはクラッシュした。

一方で現実世界も問題だらけだった。イベント開始の何時間も前からブロックの周りには行列ができた。3時間後、列の大部分は外に残されたままだった。公園内のジムを支配しているチームを示すために用意された数多くのディスプレーは消えていた。

NianticのJohn Hankeがステージに立つと、数千人の聴衆に迎えられ、その多くがこう叫んでいた、「ゲームを直せ」「プレイができない」。さらに過激な参加者の中には、壇上に登って不満をぶちまける者もいた。

現地時刻の午後2時現在、Nianticは問題が解決することを願ってイベントを予定通り続けようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook