「one visa」で外国人採用者のビザを一括管理、運営元が総額3600万円を調達

外国人が日本に滞在し、就労するには適切な在留資格が必要だ。必要情報を記入した申請書とその他添付書類を揃えて入国管理局に在留資格の申請をするという流れなのだが、初めての人にとって揃えるべき書類は多岐にわたり、申請書類の書き方も分かりづらいという課題があった。

Residenceは、この在留資格の申請と管理を簡潔にするone visaのオープンベータ版を本日より提供する。また、同時にプライマルキャピタルとSkyland Venturesを引受先とする、総額3600万円の第三者割当増資を発表した。

one visaは企業が採用する外国人の在留資格の申請と管理を行うためのサービスだ。企業側はアカウントを作成したら、在留資格を申請する外国人をメールで招待する。企業側は企業情報を入力し、外国人は個人情報などの申請に必要な情報をフォームに従って入力する。すべての情報が揃うと在留資格の申請書が自動で作成され、PDF書類としてダウンロードできる仕組みだ。

また、one visaでは企業と社員が入力した情報を元に、在留資格を取得するのに最適な書類を一覧で表示する。ダッシュボードからは申請の状況も管理でき、在留資格の更新時期が来ると適宜ユーザーに通知する機能もある。

one visaの利用料は登録する外国人社員の人数によって異なるが、5人までだと月額3980円だ。また、one visaでは1件4万円で行政書士に代理申請を依頼することも可能だ。

Residenceの代表取締役を務める岡村アルベルト氏は、日本人の父親とペルー人の母親を持つ。10代の頃に友人の強制送還を目の当たりにしたことをきっかけに、在日外国人の環境を整備する仕事をしようと決心したという。その後、入国管理局の受付窓口責任者を経て、Residenceを起業した。

入国管理局に勤めていた頃、申請書類に不備が多いことを問題に感じたと岡村氏は話す。そもそも申請書類の書き方はルールが細かく定められていることに加え、使われている用語が初めて申請する人にとって分かりづらいことが多かった。また、行政の制度は度々変わるにも関わらず、個人や企業への周知ができていない。one visaはこうした課題を解決し、企業の担当者も外国人も簡単に申請書類が作成できるようにするために開発したという。

厚生労働省のデータによると、2016年の外国人労働者を雇用している事業所数はおよそ17万3000社で前年比13%増だった。年間2万社が新しく外国人を雇用している。初めて外国人を雇用する企業は、当然ながら、在留資格の申請も初めてということになる。そうした企業にとっても使いやすいサービスを提供すると岡村氏は話す。

今回調達した資金は、サービス開発のための人員強化を予定しているそうだ。現段階ではone visaは法人向けだが、個人向けでもサービスを提供していきたいと岡村氏は言う。

将来的にone visaの在留資格の情報を不動産の賃貸契約や銀行口座の開設の際の与信情報として活用できるようにすることを岡村氏は考えているそうだ。在留資格の申請は、個人情報をはじめその人の収入、納税、課税情報を元に申請しているため、正しい情報が揃っている。日本では外国人が部屋を借りたり、口座やクレジットカードを開設するのが難しいという課題があるが、そうした問題も解決できるようにしたいと岡村氏は話している。

 

ダイエット特化の分散型メディア「Lifmo」、運営元が5000万円調達

FacebookやInstagramで1分の料理動画をよく見かけるようになったが、Lifmo(リフモ)は同じ分散型メディアでも女性向けのダイエット動画を手がけている。本日Lifmoを運営するワンダーナッツは総額5000万円の第三者割当増資の実施を発表した。引受先はANRI、Skyland Ventures、エンジェル投資家らだ。

Lifmoはパーソナルトレーナーが監修しているダイエットに適した体幹強化エクササイズやトレーニング動画を制作しFacebookInstagramTwitterで配信している。今月にはLifmoのiOSアプリもリリース予定だ。

ワンダーナッツは中山善貴氏が2015年12月に地元である三重県で創業した。創業当初はブログ運営やソーシャルマーケティングを行っていたが、その後東京に来て女性向けダイエットの分散動画メディアを本格的に展開することに決めたという。

サービス開発にあたっては中山氏自身がPCユーザーでなかったこともあり、当初からスマホを軸としたサービスを考えていたという。

「起業しようと思うまでパソコンは持っていませんでした。周りの友人もパソコンをほとんど持っていないんですよ。みんなどうやってスマホを使っているかを考えた時に、それはアプリやソーシャルだと思い、そこを軸にサービスを考えました」。

ダイエット動画にしようと決めたのは、自身もダイエットをした経験があったからと話す。中山氏はパーソナルトレーナーの指導を受け、1ヶ月で8キログラムの体重減を達成した。ただ、パーソナルトレーナーの指導を受けるのに、1ヶ月で10万円ほどかかった。誰でも手頃にパーソナルトレーナーと同じ指導を受けられないかと考え、Lifmoを開発したという。

最近TwitterやInstagramでダイエット専用アカウントを作って、ダイエット仲間とダイエットに役立つ情報や動画をシェアしているユーザーも多いと中山氏は説明する。1人だと挫折してしまいやすいが、SNSでつながっているユーザー同士で情報交換をすることで、ダイエットを続けるモチベーション維持になっているという。Lifmoはそうしたダイエットをしているユーザーの間でもシェアされ、現在の月間総再生数は100万回以上になったそうだ。

今回調達した資金は、開発とマーケティングに充てるという。マネタイズに関してはアプリ内課金、あるいはプロテインやダンベルといったダイエット用品が入ったパッケージを提供するなどの方法を検討していると中山氏は説明している。

WWDC:AppleがHomePodを発表――Amazon Echoに対抗するスマートスピーカー

AppleがAmazon Echoに対抗する製品を開発しているという情報は事実だった。この製品は(もっともなことに) HomePodと呼ばれる。AppleのCEO、ティム・クックは今回のWWDCカンファレンスのキーノートで「われわれはホーム・ミュージックを再発明した」と述べた。つまりAppleスピーカーは単にSiriを登載したスピーカーではなく本格的な音楽用だった。

Appleのグローバル・マーケティング担当上級副社長、フィル・シラーは「Sonosはスマート・スピーカーではないしAmazon Echoは良いスピーカーではない」と主張した。Appleは両者の「いいとこどり」を狙ったようで、マーケティング戦略として巧みだ。HomePodは今年後半に出荷される予定だが、まだ量産段階ではないようだ。

HomePodはクッションを思わせる円形のスピーカーで、7個のツィーターのアレイと1個のカスタムメイドのウーファー、AppleのA8チップを登載する。マルチチャンネルのエコー・キャンセラー、リアルタイムのアクースティック・モデリングなどの機能を備える。

HomePodは置かれた環境をスキャンし、それに応じてオーディオを最適化する。シラーはこのスピーカーのサウンドがいかにすばらしいか説明するために大いに時間をかけた。ただしWWDCの会場では巨大なスピーカーシステムから音が流れていたのでHomePodの音質について正確なところは判断できなかった。

当然ながらこのスピーカーはApple Musicと高度に協調作動する。Apple Musicのライブラリーにある曲ならなんでもスピーカーに向けて呼びかけるだけで再生できる。それ以外にも「これに似た音楽をもっと再生」と指示したり「この曲はいいね」などと言うことができる。

ユーザーはニュース、天気、スポーツの試合の結果その他、Siriが理解できるような他の情報をこのスピーカーに求めることができる。また照明、ガレージドア、エアコンその他がHomeKit対応デバイスである場合はHomePodに話しかけることでコントロールができる。

興味ある点は、今日のWWDCでAppleがAirPlay 2を発表したことだ。これはWiFiを通じて複数のスピーカーをコントロールできるシステムだ。多くのユーザーが複数の部屋で音楽を聞くために複数のスピーカーを買うのではないかと思う。

HomePodの価格は349ドルになる予定だ。カラーバリエーションは白とスペースグレイという。当面アメリカ、イギリス、オーストラリアで販売が開始される。他の国での発売は来年になる。

現時点で判明した情報はざっと以上のようなものだ。秋までにさらに詳しい情報が得られるものと思う。ただAppleはHomePodの発表をあまり華々しいものにはしなかった。Appleとしてもだいぶ遅れてこの市場に参入することになるのを知っており、キャッチコピーなどよりまず実物で優れたスピーカーであること実証したいようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple WWDC:初日の発表を総まとめ

Appleは本日の開発者カンファレンスWWDCで、iOS 11や新型iMac Proなどをお披露目した。本日の発表内容を以下にまとめている。

iOS 11リリース
「iOS 10は86%のiOSデバイスにインストールずみだ」とTim Cookは最初に説明した。

iOS 11は新機能を多数搭載している。スタンプ(sticker)とiMessageがショートカット・ドロワーから簡単にアクセスできるようになった。

コントロール・センター
Appleはコントロール・センターを一新し、多数のボタンを追加した。今後はタブを切り替える手数が省かれる。たとえば、ミュージックビデオを再生している場合、輝度調整と一時停止を同一の画面で実行できるようになった。

ドライブ時
iOSは運転中、Bluetoothで車載オーディオに接続していることも認識する。iPhoneのモーション・センサーは自動的に「電話に出られません」モードを起動する。

カメラアプリ
カメラアプリはHEVCに対応。これにより小さなファイルサイズで高品質な動画が撮影できる。InstagramのBoomerangのような動画編も可能に。他にもスマートアルバム機能などを追加している。

詳報はこちら:WWDC:Apple、iOS 11を発表

iMessageで送金
iMessageで送金が可能になった。Apple Payにも対応。友人からの送金を受け取ったら、ウォレットアプリのApple Payの仮想カードに残高が貯まる。このお金は銀行口座に引き出すこともできるし、Apple Payを受け付ける店舗やオンラインショップで使うことも可能だ。

賢くなったSiri
Siriは毎月3億7500万のデバイスで利用されている。Siriはより賢く、自然な会話ができるようになった。中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語の翻訳機能もついた。

MacOS High Sierra
MacOSのファイルシステムがiOSやtvOSに搭載しているApple File System (APFS)となった。MacOSの動画はデフォルトでHEVC対応となる。また、Appleはグラフィックレンダリングフレームワークの第2世代「Metal 2」を発表した。写真やメールなどのmacOSアプリをアップデートしている。

High Sierraの開発者ベータ版はすでに利用可能。6月後半には、パブリックベータ版が公開予定で、コンシューマーはサインアップして利用することができる。

Safariで自動再生動画をブロック
AppleはSafariにサイトの自動再生動画をブロックする機能を搭載した。ユーザーが再生させるまで動画は止まったままになる。また、機会学習で広告主のトラッカーを特定することで、簡単にユーザーのサイト間の移動をトラックさせないようにする。

Metal2がVR対応
AppleはHigh Sierra用に「Metal for VR」を提供する。MacでのVRコンテンツ制作をサポートするものだ。

MacはValveとのパートナーシップでSteamVR SDKに対応した。また、AppleはmacOSに最適なVRゲームエンジンの開発のため、UnityとEpic Gameの協力を得ている。

ダークグレーの新型iMac Pro
VRの開発を行うのに十分なスペックを搭載している。Intel Xeonプロセッサを搭載し、8、10、18個搭載したモデルが選べる。GPUは Radeon Vegaセットアップで、VRAMは最大16GBだ。

基本モデルは4999ドルから。発売は12月を予定している。

詳報はこちら:AppleがハイスペックなiMac Proを発表、ポートの種類も十分だ

ARアプリ開発用API「ARKit」
ARアプリを開発するための一連のAPI「ARKit」を発表。ARKitはUnity、Unreal Engine、SceneKitに対応し、iPadとiPhone用アプリを開発できる。

詳報はこちら:Appleが本格的にAR分野に参入、iOS用API「ARKit」を発表

スマートスピーカー「Homepod」
Amazon Echoに対抗するスマートスピーカー「Homepod」が登場。ただ、主力機能はSiriではなく、スピーカーとAppleは強調している。この円柱型のスピーカーはApple特製のウーファーとA8チップを搭載している。Apple Musicと連携し、「これに似た曲をかけて」といった要望に応えることができる。

Siriも搭載しているので、ニュース、天気、試合速報などを尋ねることができる。Homekitも利用しているなら、自宅のIoT家電などの操作も可能だ。

詳報はこちら:WWDC:AppleがHomePodを発表――Amazon Echoに対抗するスマートスピーカー

画面が大きくなったiPad Pro
iPad Proは10.5インチの画面を持つが、以前の9.7インチモデルからサイズは変わっていない。つまり枠は細く、画面は20%大きくなった。重さはおよそ453グラムだ。

新型10.5インチiPad Proは649ドルから。12.9インチモデルは799ドルからだ。来週には出荷を開始する予定だ。

WWDC:Apple、iOS 11を発表

今日(米国時間6/5)のWWDCでAppleがiOSの時期バージョンを発表することは以前から予測されていた。今回のデベロッパー・カンファレンスでiOS 11が紹介されたのは順当といえる。一般ユーザー向けの公開は9月を待たねばならないが、AppleによればiOS 11は以下のようなモバイルOSになるという。

AppleのCEO、ティム・クックはまず「iOS 10は86%のiOSデバイスにインストールずみだ」と述べた。続いてAppleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリーギがiOS 11の新機能を紹介し、「iOS 11はテクノロジー面で大幅な進歩を遂げると同時に新機能も多数追加された」と述べた。

iOS 11ではスタンプ(sticker)とiMessageがショートカット・ドロワーから簡単にアクセスできるようになった。スタンプを送信するために何度もタップする必要はなくなる。すべての会話は自動的にiCloudに同期される。この同期は以降も維持されるため、ユーザーが一つのデバイスであるメッセージを削除するとすべてのAppleデバイスで削除される。 つまり今後は休暇旅行から戻ってMacを開くと膨大な未読メッセージの雪崩に襲われるということはなくなる。

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Apple Payに関して、他のApple Payユーザーに現金を送ることができるようになった。VenmoあるいはSquare Cashに似た機能だ。この機能はiMessageにビルトインされている。現金を受け取った場合、Apple Pay Cash cardの残高に追加される。この資金はApple Payを通じて支払に充てることができる。自分の銀行口座に振り込むことも可能だ。

SiriもiOS 11で大幅に強化された。 Siriは毎月3億7500万のデバイスで利用されているという。iOS 11ではSiriの発音は改良され、抑揚もさらに自然になったという。またSiriを用いて翻訳も可能になる。中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語が翻訳では最初にサポートされる。

Siriは文脈やユーザーの関心の把握でも改善された。Appleはこれを「Siri知能( intelligence)」と呼んでいるが、iOSのあらゆる場面で利用される。たとえば誰かiMessageで「どこまで行くの?」と尋ねたとすると、iOSはカレンダーを開いてどこに行く予定か調べ、回答の候補を表示する。ユーザーがアイスランド旅行について検索したとすると、iOSはスペルの自動訂正辞書にReykjavik〔アイスランドの首都〕などの単語を追加する。ニュース・アプリにもアイスランドのニュースが表示されるようになる、といった具合だ。

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カメラ・アプリはHEVC(h.265)をサポートする。 このコーデックはビデオの画質を改善すると同時にファイル圧縮にも優れている。画像処理ソフトも改良を受け、既存のカメラで撮影した場合でも画質の向上が期待できるようだ。【略】

コントロール・センターも大幅にアップデートされた。デザインが一新され、多数のボタンが追加された。今後はユ次々にタブを切り替える手数が省かれる。たとえば、ミュージックビデオを再生している場合、輝度調整と一時停止を同一の画面で実行できる。さらに詳細な選択が必要な場合、3Dタッチで即座に機能を呼び出せる。

Apple Mapsのカーナビ機能もiOS 11で強化された。アメリカ内ではショッピング・モールや空港の詳細地図が利用できる。アメリカ人には非常に便利だろう。

iOSは運転中、Bluetoothで車載オーディオに接続していることを認識する。iPhoneのモーション・センサーは自動的に「電話に出られません」モードを起動する。このモードではすべての通知の表示が保留される。メッセージが着信した場合、予め用意した返信が自動送信されるよう設定できる。

AirPlayにもメジャー・アップデートが来た。AirPlay 2ではWiFi経由で複数のスピーカーを接続しiOSデバイスからコントロールできる。Libratone、Devialet、Bose、B&Oその他多数のオーディオ・メーカーがAirPlay 2をサポートする予定だ。それだけではない。AirPlay 2にはデベロッパー向けAPIが用意され、AirPlayを利用したアプリの開発が可能になった。

MusicKit APIの登場にによりデベロッパーはApple Musicの利用ができるようになった。たとえばShazamは(とうとう)Apple Musicのプレイリストに楽曲を自動で追加できるようになる。

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Appleのフィル・シラーはApp Storeのアップデートについて簡単に触れた。もっとも重要な点はデザインが一新されることだろう。見た目はApple Newsにやや似ている。 ‘Today’タブには個人別にカスタマイズされたお勧めが表示される。ゲームは別に独自のタブが用意される。‘Apps’タブにはApp Storeチームによるお勧めアプリが掲載される。【略】

iOS 11のベータ版は今日から公開されるが、今後夏までに細かいバグ修正が行われるはずだ。一般ユーザー向け公開は9月。アップデートは無料。

アップデート: Appleはさらに多数の機能を発表した。キーノートの最後でフェデリーギがステージに戻り、iPad専用機能を発表した。 iPad画面の下部にはドックが用意され、これまでより簡単にアプリを切り替えられるようになった。Split Viewを用いれば同時に2つのアプリを並べて開くことができる。ドラッグアンドドロップで簡単に実行できる。

Split Viewについていえば、アプリ選択機能が一新された。コントロール・センターを開くショートカットと最近使ったアプリのプレビューが表示される。iOS 10の小さなアイコンのリストよりずっと使いやすい。

新しいFilesアプリはiPad上のファイルとクラウド・サービスを表示する。ユーザーはFilesアプリとメール・アプリ間でファイルをドラッグアンドドロップで移動できる。iPadのアプリは閉鎖的に単独で作動するだけではなくなった。これはAppleとしては画期的な方針転換だ。

ユーザーはApple PencilでNotesアプリに書き込むことができる。Appleは書かれたテキストをOCRを使って処理し検索可能にする。カメラ・アプリにもネーティブで文書をスキャンする機能が追加された。スクリーンショットを撮ると、小さいポップアップが隅に表示される。タップするとスクリーンショットをトリミングし、説明を加えることができる。いちいち写真アプリを開く必要はない。

いろいろな面でiPadのiOSはデスクトップ・コンピュータのOSに近づいてきた。アプリは全画面でなく移動可能な窓で表示できるようになりドックも追加された。AppleはiPadをますます強力にしようと計画している。

iOS 11はiPad Air以降、iPad mini 2以降、第5世代iPad以降、iPhone 5s以降の各シリーズで作動する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleが本格的にAR分野に参入、iOS用API「ARKit」を発表

Appleは本日のWWDCのイベントでApp Storeにおける変更について説明する中で、Pokemon Goの偉業を賞賛した。それに続いて、iOSデバイス用のARアプリを開発するための新たなAPIを発表した。

今年は大手テクノロジー企業にとってARの年だと言えるだろう。Snapはスマートフィルターでこの分野を牽引したが、この分野に参入しているのは彼らだけではない。FacebookはF8でARカメラfプラットフォームを発表し、GoogleもTangoへの追加機能や新しいARアプリGoogle Lensを発表している。

Appleは今回AR専用のアプリこそ発表しなかったものの、ARKitを発表した。これは、「世界最大のARプラットフォーム」と説明している。

宇宙船で宇宙人と戦うゲームのデモは圧巻だった。Appleは特にARKitで活用できるマーカーレスの空間認識機能を強調した。

ARKitはUnity、Unreal Engine、SceneKitに対応し、iPadとiPhone用アプリを開発できる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

AppleがハイスペックなiMac Proを発表、ポートの種類も十分だ

コアなMacファンは、Mac Proの再登場を期待していただろうが、Appleが発表したのはそこに「i」が滑り込んだiMac Proだ。高額だが、オールインワンのワークステーションで、濃いグレーの外観はどこか悪者っぽい。

このiMac Proの見た目と雰囲気は、2015年に登場した27インチの5K iMacと似ている(このiMac Proは$5K iMacと表記した方がしっくりくる)。しかし、Appleのエンジニアは、こうスペックの中身を搭載するために、外観の放熱の品質を再考した。今度はもう少し慎重に行ったようだ。

Intel Xeonプロセッサを搭載し、これにどれくらいの愛情をかけるかによって8、10、18個搭載したモデルを選べる。GPUは Radeon Vegaセットアップで、VRAMは最大16GBだ。開発者、特にVRを開発している人にとっては嬉しい内容だろう。RAMは最大で128GBまであるものだが、「やっとか!」と喜んでいる人がいることは違いない。

ストレージ容量はそこまで魅力的ではない。4テラバイトSSDは、Appleがこの利用を想定しているHD動画編集やゲーム開発を行った場合、すぐに埋まってしまうだろう。外部ドライブ、NASユニットなどのアドオンは必要だ。

背面には複数のポートが並んでいる。

SDXCポート、USB 3ポートが4つ, Lightningポートが4つ, イーサネット。最後のはヘッドフォンジャックか? 勇敢な選択だね!

Macを愛するプロたちには納得のいくものだろう。AppleがMacBook Proから「従来のポート」を一掃したのは残念な出来事だった。業界内の何百人という人が、今でも「従来の」ハードウェアとソフトウェアを愛用しているのだ。もしAppleがLightningポート8つのiMac Proをリリースしていたら暴動が起きたかもね。

このコンピューターの基本モデルは4999ドルからだ。設定次第でそこから価格は高くなる。(Appleは通常のオールインワンやデスクトップパソコンではなく、同じくらいの価格のワークステーションと比べられるように慎重に価格を決定したのが窺える)。

「このiMac Proはかなりのワル」とTim Cookは発表後に説明した。iMac Proは12月に発売予定だ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Arduinoをベースにして電子回路製作を楽しむ(学習する)Code Kit

知育玩具にはあまり興味を感じない。どちらかの狙いが強すぎて、結局は虻蜂取らずになってしまっているように思うのだ。ただ、LittleBitsのCode Kitは、うまく両者のバランスを取っている様子。役立つ知育玩具というものがあるのだと、認識を改める必要があるのかもしれない。

Code Kitは第3学年から小学校中学年から中学生用向けに開発された、299ドルの教材だ。対象学年に応じて、かなり頑丈な作りともなっている。

LittleBitsは、バッテリーやスピーカー、あるいはスイッチなどのパーツで構成され、磁石の力でそれぞれを接続して電子回路を作ることができるようになっている。接続可能な組み合わせであれば引っ付き合い、接続不能な同士の場合は磁石が反発するようにもなっている。ショートさせてパーツを壊してしまう心配もないというわけだ。

キットのベースにはArduinoが採用されている。インプット/アウトプットデバイスと、充電池がセットになっている。キットはワイヤレスで動作するようになっているので、プログラムは、キット同梱のUSBドングルを用いて行うことになる。

プログラミングはScratch風にドラッグ&ドロップで簡単に行うことができる。キットを私の子供に渡してみたが、数分でサンプルのコードを書くことができたばかりか、コーディングの方法を教えると、30分ほどでプログラムを改造してオリジナルのゲームを作ることさえできた。コーディングの指導にあたる教員も、プログラミングの概念さえ知っていれば、数分でこのキットを使いこなせるようになるはずだ。

パーツの構成もよく考えられているように思う。ブレッドボード化しているのも扱いやすいし、接続に磁石を用いているのも簡単かつわかりやすい。組み合わせ次第でさまざまな可能性を実現できるのも良い。LittleBitsは、これまでにもプロダクトをリリースしてきたが、いずれも面白さの面からも、教育的効果の面からも不十分なものだと感じていた。そこから考えれば大いに進化したといって間違いない。IoTないしプログラミングの基礎を学ぶのに、なかなかよくできたキットだと思う。

本格的な電子工作を学習するなら、とにかくハンダ付けを繰り返したり、壊れたステレオをいじってみるのに勝るものはないのかもしれない。しかしLittleBitsは、懐かしの「ヒースキット」(Heathkit)など昔ながらの電子工作キットを、さまざまな面で現代的にしたものと言えるのかもしれない。ただし利用している9V電池は舐めないことをおすすめする(訳注:lick the 9 voltで検索するとさまざまな動画がアップロードされている)。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Apple、iOSにファイル管理アプリを導入か? App Storeの項目がリーク

Apple WWDCイベント前夜に見つかったリークによって、AppleはiPhoneオーナーがファイルを管理する方法を変えようとしているらしいことがわかった。

これは、デベロッパーのSteve Stroughton Smithが探し当てた新しいアプリのプレースホルダーによるもので、もうすぐiOSに ‘Files’ という新しいアプリがやってくることを示唆している。主要な機能はAppleが公開予定のiOS 11に組み込まれるはずなので、このアプリ項目はiOS 11に含まれる標準アプリを削除したユーザーがダウンロードするためのオプションと思われる。

AppleはiOS 10で、プレインストールされたアプリをユーザーが削除できるようにした ―― ただし本当に削除されるわけではない。よって、Filesアプリなどの主要な機能を再ダウンロード可能にするのは当然のことだ。

‘Files’ アプリへの直接リンクはここにある

詳細は現時点で明らかにされていないが、この機能/アプリがiOS端末上でもっとファイルを操作したいというユーザーの声に答えるものであることは間違いない。AppleはiCloudベースのストレージシステムとしてiCloud Driveを提供しているが、この新機能はファイルやデバイス上のストレージを今より細かく管理できるようにするものだ。Androidはすでに同等の機能を提供しており、パソコンでは見慣れた機能かもしれない。もちろんこれがiCloud Driveの再ブランドか改訂版である可能性もある。

さらにAppleはApp Storeのリストにアクティビティー・アプリを追加しようとしていることもStroughton Smithのもう一つの発見によってわかった。つまりこのアプリも削除可能になるという意味だ。

本誌はAppleにコメントを求めているが、確認するためにはイベントを待つ必要がありそうだ。

そのイベントは間近に迫っている。WWDCは6月5日10AM PT/1PM ET(日本時間6月6日午前2時)に始まり、本誌は現地から発表をライブブログして、分析結果を報告する予定だ。

Appleが何を発表するのか興味のある人は、このプレビュー記事をご覧あれ。Siri内蔵スピーカーと新しいMacbook Proの噂がホットな話題だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元ソニー・VAIO企画担当が開発した画像共有デバイス「Hale Orb」が40時間でIndiegogoの目標額を達成

離れて暮らす家族に写真や動画を共有する、という時に、どのような方法を思いつくだろう。PCやスマホ、タブレットを使い、メールやSNSを経由してやり取りする、というのが、現時点での主なやり方だろうか。ただし、シニア世代にとっては、スマホやPCを使うこと自体が難しく感じられる、という人も多い。このため紙にプリントした写真を郵送したり、動画ならDVDやBlu-rayディスクに焼いて送ったり、といった方法もまだまだ現役だ。そんな中、シニアでも操作が分かりやすく、テレビで家族から共有された写真や動画を見ることができる「まごチャンネル」のようなIoTデバイスも出てきている

今回、アメリカのクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で、40時間で2万ドルの目標額を達成した「Hale Orb(ハレ・オーブ)」も、家族からメールやSNSで送られた写真やビデオをテレビ画面で簡単に表示できる、IoTデバイスだ。

Hale Orbは目標額を達成したことを受け、日本への配送予約も受け付けることになった。6月30日までプレオーダー受付を予定しており、プレオーダー価格はプラスチック製のLatteが139ドル、木製のDark Woodが199ドル(いずれも送料別)となっている。プロダクトは2017年12月、北米から出荷開始を予定している。

美しいコントローラーでテレビ上の画像を操れる「Hale Orb」

Hale Orbは、リモコンとなる「Orb」、テレビに接続するHDMIスティック、そしてアカウント管理やメディアを保存するクラウドサービスから構成される。HDMIスティックをテレビに差し込み、Wi-Fi接続を設定すれば、アップロードされた写真や動画をテレビで見ることができるようになる。

Hale Orbでは、家族がそれぞれのSNSに写真を投稿したり、メールに写真を添付することで、家族専用のプライベートアルバムをクラウド上に作成できる。アルバムの共有に特別なアプリは不要で、Google、Dropbox、Facebook、Instagram、LINEなどに保存した写真や動画を同期することが可能だ。今後、写真とビデオのアップロードをより簡単にするスマホアプリの提供も予定されているそうだ。

閲覧する側は、家族から投稿された写真や動画を見るだけであれば、メールやSNSのアカウントは不要。スマホやPCを使わずに、テレビに家族の写真やビデオを表示することができる。つまり、PCやスマホが苦手なシニア世代でも、家族からプレゼントされたHale Orbを使って、共有された画像を見ることが可能だ。

球体の独特の形をしたOrbは、新しい画像が共有されたことを光の点滅で通知し、テレビ画面上に並んだ画像を選択したり、表示したりするためのリモコンだ。最初の動画を見てもらえば分かると思うが、わずかに傾きのある球の上部を推すとスイッチが入り、回すとテレビ上で画像をスライドさせて選択できる。Orbにはプラスチック製の「Latte」と高級感のある木製の「Dark Wood」の2種類が用意されている。いずれも触った感じが気持ちよさそうで、デバイスというよりはリビングに置いておけるインテリアという雰囲気のデザインだ。

スマホの画面に縛られない新しい体験を作りたかった

Hale Orbを提供するのは、サンフランシスコを拠点とするDouZen。ソニーで「VAIO」や「CLIE」の商品企画を担当した後、「Misfit Shine」などのシリコンバレーのプロジェクトにも関わった日本人、三浦謙太郎氏が創業した企業だ。三浦氏は学生時代も含め、20年以上ベイエリアにいて土地勘があり、共同創業者で技術担当のJulian Orbanes氏(MITメディア・ラボでUIを研究していた)も米国在住だったことから、米国での創業を決めたという。

DouZenには、三浦氏、Orbanes氏のほか、電気設計技術者や車・医療関連機器の試作・製造のスペシャリスト、サーバーエンジニア、プロダクトデザイナー、UXデザイナー、組み込みソフトウェアエンジニアなどが集結。日米在住の日本人、アメリカ人が参加しているそうだ。

Hale Orb開発のきっかけについて尋ねると、三浦氏は「2014年の中頃から『スマホの画面に縛られない新しい体験』をデモ的に作ろうと考え始めていた。ちょうどその頃、TVにDouZenで開発した高速UIを表示できるコンピュータスティックの価格がこなれてきたこともあり、さまざまなコンテンツの可能性を考えたが、ファミリー向けのものがいいと感じた」と答えてくれた。

「自分自身、5人の家族が日米で常に遠く離れており、メール添付で写真や動画をたまに送っているだけではどうも物足りなさを感じていた。あまり楽しくないし(やり取りの)頻度も低い。しかしそれが唯一『みんなが使える』共通のやり方だったのでしょうがなかったのです。(共同創業者の)Julianに話すと、彼も似たような問題意識を自分の家族内での(写真)シェアについて感じていた。それなら製品にしない?というのが本格的なスタートです」(三浦氏)

Hale Orbの球状の独特の形は、どのように決まったのか。三浦氏は「もともと『ボワーっと光って通知する物体』というのと、『回転型のインターフェイスで、ものすごく簡単に高速にナビゲートできる』というのが漠然とあった」という。「加えて『家庭用なので温かみが欲しい』『あまりガジェットや工業製品感を出したくない』『とはいえ、あまりDIYのクラフト製品っぽくするとプロダクトとしての魅力がない』といったさまざまな議論の中で、『やはり球がシンプルで美しい』という思いが出てきた。すぐに知り合いのエンジニアの方にお願いをして、3Dプリントで試作品を作ったら、最初からその大きさが手のひらに収まって、ちょうど良かったのです。周りに触ってもらっても評判がよく、その後デザインの微調整はありましたが、外寸はほぼ当初のままです。我々はもともとはUI屋なので、当初から『回して横方向で気持ちよくスクロール』といったユーザーインターフェイス上のコンセプトがありました。それと円・もしくは球がマッチしたということですね」(三浦氏)

素材については「いろいろな物を検討したのですが、あまり最初からいろいろはできないので、当初のコンセプトどおり、まずは木材と樹脂の両方で行くという結論に至りました。今後はもっと増やしたいとは思っています」と三浦氏は答えている。

Hale Orbの機能についても聞いてみた。Google HomeやAmazon Echoなど、スマートホームのハブとして多機能のデバイスが登場している中で、「写真・動画の共有」に機能を絞った理由は何か。三浦氏は「まず、Orbを『汎用のマウス』的な立ち位置にしてしまうのは避けたかった」と説明する。

「メディアの音量をコントロールしたり、室温管理をしたり、フォトショップのブラシのサイズを変えたり、“なんでもIoTコントローラー”にすることで(汎用化すれば)、あくまでもサブのインターフェイスになる。また、一つ一つの操作が『浅い』体験になり、ユーザーに刺さらないのではと考えた。そこで、あえて専用の体験を深掘りするために、ゼロから作ることにこだわりました」(三浦氏)

三浦氏はHale Orbのユーザーエクスペリエンスについて、「コアにあるのは『大量のビジュアルコンテンツを、大画面で心地よくナビゲートしたり検索する体験』。当初は『狭く深い専用体験』を極めつつ、その後市場の要望に応じて進化させていきたいと思う」と述べている。

ちなみに、Google HomeやAmazon Echoに関しては、今後のHale Orbのアップデートで連携する予定もあるという。ホームコンピューティングのコントローラーとしての機能拡大も検討されているのだろうか。三浦氏によれば、「機能拡大は考えている。我々の考えではボイスコントロールは今後普通になるが、“ボイスだけ”ではある種のコンテンツに関しては限界があると考える。とっつきやすさという意味でもボイスコントロールはある層には問題があると思うので、『フィジカルなOrbのUI+ボイス』でいくのが良いだろうと考えている」とのこと。

「“Hale Orb単体での(独自の)ボイス体験”を加えることが本命ではあるが、ボイスアシスタントも今後増えていく中で『Alexa、Hale Orbで最新の写真のスライドショーを始めて』というような連携は比較的簡単なため、すぐにやりたいとは思っている」(三浦氏)

通常価格については今のところ、199ドルから399ドルが予定されている。リテラシーの低いシニアを含むファミリー層をユーザーとして見た場合、共有画像がテレビで見られるという機能だけの価格としては、少々お高いのではないか、と感じられる。

この点について、三浦氏に尋ねると「周辺機器として見てしまうとその通りだが、『楽しく簡単に、家族が全員飽きずに常に参加できる体験』という部分をいかに伝えられるかだと考えている。特に米国では100ドル以下を目指したいところだが、今は価格の最適化よりも、体験の最適化を重視している。今後、台数が出せればもっと価格も下げられる。また、月額制でサービスをプラスしていくなど、ビジネスモデルによってはハードの価格をもっと下げられるので、そうした可能性も検討している」ということだった。

そのイスには人が座っている?――MITが開発する視覚補助ウェアラブル端末

視覚障害者が使用する白杖は、シンプルなツールであるにも関わらず、非常に長いあいだ廃れることなく利用され続けてきた。この1世紀でテクノロジーは飛躍的に進歩したにもかかわらず、先端に金属片がついた棒に取って代わるようなアイデアが生まれてこなかったのだ。しかし、MITのリサーチャーたちは、この問題の解決策となるウェアラブル・システムを開発中だ。いつか、装着者の能力を拡張するそのツールが白杖の代わりに利用される日が来るかもしれない。

このシステムには3Dカメラとコンピューターが搭載されていて、首から吊り下げて利用する。搭載されたカメラが障害物を認識すると、周期的な振動によってその位置を装着者に伝える仕組みだ。システムに取り付けられたモーターが生み出す振動のパターンは多種多様で、それにより障害物までの距離など様々な情報を装着者に伝えることができる。

開発チームによれば、振動を伝えるベルトを装着する場所は腹部が最も適しているという。腹部は適度な感度をもち、かつ他の感覚によって情報伝達が妨げられることがないからだ。また、視覚障害者は周りの状況を把握するために聴覚を研ぎすませることが多いことから、初期のテストで音による情報伝達機能をシステムから排除したという。頭や首の周りから絶えず音が出ていれば、装着者の気が散ってしまうことは容易に想像できる。

システムには物体認識機能と点字が浮き上がる専用のパッドが備えられているため、前にある物体が何であるかを伝えることが可能だ――例えば、それがテーブルであれば”table”の「t」を表す点字が浮き上がり、イスであれば”chair”の「c」が浮かび上がるといった具合だ。また、このシステムは白杖では答えられないシンプルな疑問にも答えてくれる。そのイスには人が座っているのか、という疑問がその例だ。

「このシステムは、白杖以上にさまざまなタスクをこなして装着者をサポートすることが可能です」と、MITのComputer Science and Artificial Intelligence Laboratory(CSAIL)の所長を務めるDaniela Rus氏はTechCrunchに語った。「ホテルのロビーでイスを探し、そしてそこに人が座っているのかどうかまで教えてくれるのです。これは一見すると些細な問題のように思われるかもしれません――しかし、一度目をつむり、混雑する場所でイスを探さなければいけない状況を想像してみてください。しかも、杖の先端から得られるたった1つの情報しか伝えることができない白杖を使ってです」。

これまで、開発チームは研究ラボの中でシステムのテストを何度か行ってきた。イスを発見するテストでは、意図しない接触を従来より80%軽減することができたという。また、MITの構内を歩きまわるというテストでは、装着者が他人とぶつかってしまうアクシデントを86%減らすことができたそうだ。

この研究開発は、まだ始まったばかりだ。研究チームのテストに参加したのは今のところまだ10人のボランティアだけである。視覚障害者に受け入れられるシステムをつくるためには、より多くの被験者を集める必要があるだろう。しかも、人々が白杖を完全に使わなくなる日がくるまでには、より長い時間がかかるだろう。しかし、いつの日か、この研究によって採算の合う事業が生まれることをRuth氏は願っている。

「宇宙旅行のナビゲーションから歩数の計算まで、コンピューターが様々なタスクをこなして人間を助けるようになった今、杖をもって歩くよりも良い方法を視覚障害者に提供できるのではないかと考えています」とRuth氏は語る。「それは、すでにあるデザインを作り変えることを意味するのではなく、また、すでに存在する物の新しい使い方を発見することでもありません。障害をもつ人々と協力することで、コンピューターが彼らの能力を拡張する方法、つまり、言ってみれば彼らの目となる方法を探すのです。そして、その目的を達成するために必要なテクノロジーを開発していくのです」。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Googleがスマートホームで存在感を示すためには

去年のI/Oで発表されたとき、HomeはまるでEchoエコーの成功に便乗しようとしているかのように感じられた。そしてこの1年の間にも、その懸念は払拭されては来なかった。同社は今年のイベントで、HomeとAssistantにいくつかの追加をアナウンスして、先行するAmazonとの距離を縮めようとしているが、Google Home全体の歩みは相変わらず緩慢で無目的なものに感じられる。

Googleが、切り札として出したと考えていたモバイル上のAssistantも、それほどの助けにはなっていない。昨年10月にPixelを立ち上げて以来、音声ヘルパーは依然限られた範囲にしか用いられていない。Amazonが、HTCやHuaweiなどの企業による携帯端末を採用する一方で、Samsungをはじめとする他の企業たちは、単に家庭内のそれほど賢くもない独自アシスタントを生み出しただけだ。

GoogleにとってAssistantが、普及に時間がかかっている代物であることは明らかだ。同社は、本当に素晴らしいものを構築できる技術基盤と機械学習能力を持っている。今のところ、Alexaに対する優位性はあまり見受けられないが(まあもし迷惑な望まないオーディオ広告や、こちらの油断を突いてくるようなテレビ広告によってうんざりすることを無視できるのならということだが…)、Assistantをできるだけ広範囲の場所に届けたいというのが、今でも同社の最大の関心事の1つである。

その旗をスマートホームの中に打ち立てたいと願う同社にとって、Homeは明らかにそのパズルの大きなピースのひとつだ。しかし業界の見通しによれば、Googleの遅いスタートはあまり上手く行っていない。最近のアナリストの見積もりによれば、現在3500万台程度出回っているこの種のデバイスのうち、Homeは23%程度を占めているに過ぎない。一方Amazonのシェアは70%前後で推移している。

昨年Sundar Pichaiは、AIを使ってGoogleが目指すのは「だれでも、どこでも使える、パーソナルGoogleの構築である」と述べた。しかし、その願いの裏にある真意は、コンピューティングがもはやデスクトップに縛られるものではなく、急速にあらゆる種類の競合デバイスやインターフェイス(Amazon Echoのような)の上に分散化していることに対する危機感だ。Googleに迫っている戦略上の喫緊の課題は、その検索ビジネスの未来が、人びとがどこにいてどんなネットワークを使うにせよ、その手と声が届く範囲で、検索アルゴリズムがこの先も有効なのかという点なのだ。もしそうでなければデジタル検索が「ググる」とまで言われるようになった強い立場を失う危機に見舞われることだろう。

だからこそマウンテンビュー(Google)はスマートホームをチャンスとして掴み取ろうとしているのだ。この方面での消費者の動向は否定できないリスクを孕んでいるからだ。伝統的な検索よりも声による検索を好むやり方へのシフトは、Googleを脆弱なものにしてしまう。何故ならインターネットを整理するための最良のアルゴリズムが、自動的に最良の(もしくは最も人気のある)音声アシスタントになる訳ではないからだ。

AmazonのAlexaのように、広大な電子商取引市場にプラグインできて、(Alexaが努力し続けているように)機能を拡張するためにあらゆる種類のサードパーティサービスに手を差し伸べることができれば、ソファに座っている平均的な人間にとって声で呼び出せるGoogleは明らかにより魅力的なものになるだろう。Alexaはこうしたスキルのほとんどを今すでに持っている。

そしてより多くのライバルもやってくる。先週始め、Andy Rubinが主導するEssentialも、スマートホームに参入する独自の計画を発表した。そして今週、AppleはWWDCで、噂のSiriスピーカーに関する大きな発表を行うと思われている。とは言えAppleはAppleなので、彼らはプレミアム層への訴求にこだわることだろう。すなわち制御マニアだけではなくオーディオ愛好家のためのデバイスを発表するということだ。なので事態は厳しくなる一方だが、Googleにはスマートホームのメインストリーム市場の大きな部分を手に入れるための策を練る余裕はまだ持っている。そしてこれは、これまでの検索ビジネスからなんとか絞り出す努力を減らしていけるチャンスなのだ。

OK、Google …

  • スマートホームシナジーを活用しよう: Googleよ、すでにNestを所有しているのに、Assistantの福音を広めるために何故それを使わないのか?最近行われたAmazonのEcobeeとの提携のように、NestプロダクトとAssistantの統合には何の難しい点もない。そしてそれはサードパーティの統合に限った話でもない。Assistantを直接プロダクトに組み込もう。GoogleはTVやAndroid Wearサービスで似たような動きをしてきているが、マイクアレイをサーモスタットや煙感知器に組み込むことは、個別のHomeユニットを売り込むことなく、Assistantを家の中に送り込むことのできる簡単な方法だ。
  • より小さくて安いHome:これも簡単な話だ。もしそうしたいなら、Google Home Dotと呼ぶこともできる。私たちは、そのようなデバイスが秋のリリースに向けて開発中であるという噂を聞いている。現時点では、バックエンドのAssistantで差別化をしようとするよりも、Googleは価格的優位性を維持しなければならないだろう。ハードウェアがしばしば損失を招いているGoogleにとって、これは厳しい競争だ。しかしもしGoogleがユーザーたちをAssistantに素早く取り込みたいのなら、Amazonの価格と拮抗するために、50ドル程度の価格の何かを提供しなければならないだろう。
  • バンドル:より好ましい方法は、Google Homeを無償で提供する手段を見つけるということだ。例えば、Pixel/Homeバンドルとか。私たちはGoogleが、こうした線に沿ってプロットを描いているという噂も聞いている。わかっている、様々な観点から眺めても、(売上という意味で)Pixelはヒットしているとは言えない。しかし無償のHome Dotを投入することで、この事態を改善し、Googeのハードウェア部門に勢いをつけることになるだろう。競合相手は既にこうしたバンドルを提供している、例えばSamsungはGalaxy S8にGear VRを無償でバンドルしている。バンドリングは、普及のためには大きな力となる。この方法を使えば、まだ決してメインストリームではないこうしたデバイスを、自分では買うつもりのない人たちのリビングルームに送り込むことができるのだ。そしてまだこうしたデバイスの存在すら知らない人に届けることもできる。
  • サードパーティの統合を奨励:私たちはサードパーティが提供するサービスが、Alexaに欠けている機能を補っているところを目にするようになってきた。このことでAmazonのスマートアシスタントがリーチできる範囲が大いに広がる可能性がある。現実的には、このことはAndroid Wearを介してすぐに実現されようとしている訳ではない。Appleがウェアラブル部門を制している(少なくとも現段階では)。だからもっと積極的に行こう、Google。AmazonがConexantと行った共同開発から学べる重要なレッスンがある。この共同開発によって生み出されたマイクシステム開発キットは、各企業がプロトタイプを作ったり、機が熟したならば製品に組み込めるオンボードマイクを開発したりできるようにするものだ。また、明らかにAmazonブランドは消費者への大きな訴求力を有しているが、それが多くのサードパーティたちにGoogleよりもAlexaを支持させる理由になっている。Googleが表明したAI Assistantを「どこでも、だれでも助けるものにする」という目標は、その野望の範囲と規模を表明したものでもあるのだ。GoogleもまだGoogleなのだ。多くのAndroidユーザーにとって、多くのさまざまなIoTデバイスで同じAI Assistantを使える点は、強力なセールスポイントになるはずだ。

今のところ、Amazonの、声AIによる慎重で長期に亘る策略と、Echoによるスマートホームの先行によって、Googleの検索ビジネスがどれほど毀損したのかは分からない。こうした常時聴き取り型の家庭用AIの普及が、まだまだ低いことを考えると、この先まだチャンスは沢山あるだろう。とはいえいまでも端末に向かって命令を叫ぶ形態が多くのひとにとって魅力的なのかどうか、という疑問は残されているのだが。少なくともAIスピーカーがスマートフォン規模の社会現象になることはなさそうだ。しかしAmazonはAlexaが利便性を提供する人びとすべてを納得させようと、急速にそのハードウェアラインを拡張している。相手がファッション愛好家でも家族に心を砕く家庭人でもお構いなしだ。その一方で、Dotは価格面での参入障壁を下げている。

Jeff Bezosとその会社は、Googleのハードウェアビジネスの方向性の欠如によって助けられていることも明らかだ。ある情報筋が私たちに語った処によると、Googleのハードウェアビジネスは「非常に混沌としており」そして「混乱している」ようだ。お互いのことを知らないハードウェアチーム同士が同じプロダクトを作ってしまうこともあるらしい。そして、マウンテンビューの会社が、そのAssistantをスマートフォンを超えて普及させるにはどうすれば最善なのかを検討するのに苦慮している間に、Amazonはスマートホームでの優勝に目標を絞っていることが明らかなのだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

メルカリが自社で与信、月の支払いを翌月にまとめる「月イチ払い」を開始

フリマアプリのメルカリは本日、新たな決済方法「メルカリ月イチ払い」の試験運用を開始した。これで、各月に購入した商品の支払いを翌月にまとめてコンビニかATMで支払うことができるようになる。

これまでメルカリは、クレジットカード決済のほか、コンビニ、ATM払い、各種携帯キャリアの支払い(dケータイ払いプラス、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)に対応していた。ただ、コンビニ払いを選択した場合、当然ながらメルカリで商品を購入する度にコンビニに代金を支払いしに行く必要があった。

今回メルカリが試験運用を始めた「メルカリ月イチ払い」は、月に複数回買い物した金額をまとめて翌月支払うことができる仕組みだ。つまり、6月に2回買い物した場合、7月にまとめて合計金額を支払う。コンビニに行くのは1回だけですむ。

手数料に関しては、月イチ払いも利用ごとに100円かかるので、都度コンビニ払いを選択した場合と変わらない。現在はオープニングキャンペーン中のため、何回使っても100円だそうだ。

月の支払いをまとめる機能の提供は昨年から構想していたこととメルカリの広報担当者は説明する。そもそもメルカリには他のECサイトのように買い物かごに商品を入れてまとめて購入する仕組みはないので、商品ごとに決済をする必要がある。ヘビーユーザーをはじめ、月に複数回買い物をするユーザーは多い。それに加え、支払い方法にコンビニ払いを選ぶユーザーも少なくないのだそうだ。月イチ払いは、そうしたユーザーに便利な支払い方法を提供するためのものという。

現時点で月イチ払いを利用できるのは一部のユーザーのみで、利用限度額は2万円となっている。与信はメルカリが自社でユーザーの過去の利用実績などを元に行っているという。今回の試験運用の中で、ユーザーの利用状況や支払い状況を見て、対象ユーザーを拡大し、利用限度額を変更することも検討する。今後、口座振替にも対応する予定だそうだ。

メルカリの月イチ払いは、商品の代金を後日支払うという点でファッションECサイトZOZOTOWNが提供する「ツケ払い」機能と少し似ているだろう。ツケ払いでは商品の注文日から2ヶ月間支払いを遅らせることができるため、ユーザーが自分の支払い能力以上の買い物をしてしまう危険性があり、対策を求める声がネット上であふれた。

メルカリではその月の利用上限に達したら、それ以上購入できない仕組みを導入しているため、際限なくお金を使うのは難しい。また、ユーザーの未払いを防ぐのに、アプリで支払い時期や未払い時の督促をアプリで通知していくなどの施策も行っていくと担当者は説明している。

メルカリが自社で与信、月の支払いを翌月にまとめる「月イチ払い」を開始

フリマアプリのメルカリは本日、新たな決済方法「メルカリ月イチ払い」の試験運用を開始した。これで、各月に購入した商品の支払いを翌月にまとめてコンビニかATMで支払うことができるようになる。

これまでメルカリは、クレジットカード決済のほか、コンビニ、ATM払い、各種携帯キャリアの支払い(dケータイ払いプラス、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)に対応していた。ただ、コンビニ払いを選択した場合、当然ながらメルカリで商品を購入する度にコンビニに代金を支払いしに行く必要があった。

今回メルカリが試験運用を始めた「メルカリ月イチ払い」は、月に複数回買い物した金額をまとめて翌月支払うことができる仕組みだ。つまり、6月に2回買い物した場合、7月にまとめて合計金額を支払う。コンビニに行くのは1回だけですむ。

手数料に関しては、月イチ払いも利用ごとに100円かかるので、都度コンビニ払いを選択した場合と変わらない。現在はオープニングキャンペーン中のため、何回使っても100円だそうだ。

月の支払いをまとめる機能の提供は昨年から構想していたこととメルカリの広報担当者は説明する。そもそもメルカリには他のECサイトのように買い物かごに商品を入れてまとめて購入する仕組みはないので、商品ごとに決済をする必要がある。ヘビーユーザーをはじめ、月に複数回買い物をするユーザーは多い。それに加え、支払い方法にコンビニ払いを選ぶユーザーも少なくないのだそうだ。月イチ払いは、そうしたユーザーに便利な支払い方法を提供するためのものという。

現時点で月イチ払いを利用できるのは一部のユーザーのみで、利用限度額は2万円となっている。与信はメルカリが自社でユーザーの過去の利用実績などを元に行っているという。今回の試験運用の中で、ユーザーの利用状況や支払い状況を見て、対象ユーザーを拡大し、利用限度額を変更することも検討する。今後、口座振替にも対応する予定だそうだ。

メルカリの月イチ払いは、商品の代金を後日支払うという点でファッションECサイトZOZOTOWNが提供する「ツケ払い」機能と少し似ているだろう。ツケ払いでは商品の注文日から2ヶ月間支払いを遅らせることができるため、ユーザーが自分の支払い能力以上の買い物をしてしまう危険性があり、対策を求める声がネット上であふれた。

メルカリではその月の利用上限に達したら、それ以上購入できない仕組みを導入しているため、際限なくお金を使うのは難しい。また、ユーザーの未払いを防ぐのに、アプリで支払い時期や未払い時の督促をアプリで通知していくなどの施策も行っていくと担当者は説明している。

SherpaはInstagramの写真を使った旅行ガイドアプリ

旅行先のおすすめスポットを探す方法はたくさんある――Pinterest、Google Destinations、旅行ブログ、Condé Nastが手がけるTravelerなどの旅行メディアなどがその例だ。しかし、今週ローンチしたばかりのアプリ「Sherpa」は、Instagramこそがその最良の方法だと主張する。このiOSアプリはInstagram上の写真を集め、それを使ってトラベルガイドを構築するというもの。ガイドにはFoursquareやWikipediaなどから取得した外部データも加えられる。

Sherpa共同創業者兼CEOのPaul Aaron氏は、ニューヨークでデザインスタジオのModern Assemblyを創業した人物。彼はそこでCoca-Cola、UNICEF、Droga5、The Climate Reality Project、The Rock(Dwayne Johnson)などのブランドと共にプロジェクトを展開していた。また、Silver + PatnersとCrispin Porter + Boguskyではデジタル部門長として数年間務めている。

「Sherpaのアイデアが生まれたのは、私が以前立ち上げたデジタルデザイン・スタジオのModern Assemblyで、旅行レビューサイト大手のWebデザインのピッチを行ったときでした」とAaron氏は語る。「そのビジネスに深く関わるうちに、私はそのレビューシステム自体が面倒なユーザーエクスペリエンスや、貢献しづらくてウソの情報が生み出されやすい構造を生み出していると考えるようになりました」。

「Sherpaのアイデアとは、すでに私たちが毎日シェアしている写真を活用して旅行プランをつくるというものです。より信頼性が高く、感情に訴えかけ、より簡単に参加可能な旅行プランです」とAaron氏は話す。

同社は現在世界90カ国にいる2000人のインスタグラム写真家――またの名を「マイクロインフルエンサー」たち――と共にガイドをつくりあげている。Andrew Kearns氏Roman Koenigshofer氏Marianne Hope氏Sean Byrne氏Kristen Alana氏Irina氏Patrick Florian氏Lukas Elias Winkler氏などがその例だ。

Sherpaは写真家たちのコンテンツを集め、それをもとにさまざまなタイプの旅行者に向けたガイドをつくりあげる――バックパッカー、冒険家、余暇を利用した旅行者など種類はざまざまだ。ローンチ時点で50万枚の位置情報付きの写真を利用した1万5000以上の旅行ガイドが作られている。

アプリを利用する際にはまず、Eメールと「本拠地(居住地)」を入力して自分のInstagramアカウントとSherpaを連携する。また、自分のInstagramにある写真の位置情報を利用することで、これまでに訪れた国や地域をアプリに教えることもできる(このオプションを有効にすると自分の写真がSherpaで公開されることになる。だから、もしあなたがInstagramアカウントを非公開にしている場合は、このオプションを利用しないほうがいいだろう)。

あとは、特定の旅行先をサーチするか、「トレンド」から気になる旅行ガイドを選ぶだけだ。アプリに表示されるWikipediaからの情報で旅行先のおおまかな雰囲気を掴むことはできるが、Sherpaの本来の目的は集められた写真からインスピレーションを得ることだ。

気になるガイドが見つかれば、それを「スーツケース」に保存することができる。するとSherpaがユーザーの好みに合わせてアプリに表示されるコンテンツをパーソナライズしてくれる。

Sherpaはガイドをブラウジングするアプリであり、航空券やツアーを予約するなどの具体的な”旅行プランづくり”には向いていない。

しかし、今後そのような機能が追加される可能性もある。

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「将来的には、Sherpaにあるすべての写真を通してさまざま予約ができ、人気のホテルや隠れた名所などを探せるようになります」とAaron氏は語る。「プラットフォームが成長すれば、一般の旅行代理店と同じように予約手数料から収益を生み出していきます」。

だが、無駄のないデザインと美しい写真をもつSherpaは、今のままでも旅行先を発見するためのアプリとしての利用価値はあるだろう。

ブルックリンを拠点とするSherpaのチームメンバーは、Aaron氏、共同創業者のAdam Gettings氏、同じく共同創業者であるTom Hadley氏の3人だ。これまでに同社はエンジェルラウンドで少額の資金調達を実施している。

Sherpaは過去6ヶ月間のクローズドβテストで旅行先ごとのガイドやコミュニティを構築してきた。

それを終えたSherpaは現在、App Storeから無料でダウンロードできる。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

ユーザーに役立つ検索スニペット

本を買う前に、自分の時間を割いて読む価値があるかを見極める方も多いですよね。あらすじや前書きに目を通したり、序章を読んだりして、自分が求めている情報がその本に含まれているかどうかを判断します。

検索結果のスニペットも、これと似ています。そのスニペットが含まれているページに時間を割く価値があるかどうか、ユーザーが判断するのに役立つのです。


検索結果のスニペットの説明がわかりやすく、また検索キーワードとの関連性が高いほど、ユーザーのクリック数は増え、表示されたページへの満足度が高まります。これまでスニペットは、以下の 3 か所から取得されていました。
  1. ページのコンテンツ
  2. メタ ディスクリプション
  3. DMOZ リスティング
ページのコンテンツは、検索結果のスニペットとして最適です。多くの場合、抽出されるコンテンツはユーザーの検索キーワードと最も関連性が高いと言えます。ただし、コンテンツがスニペットの最適なソースとならない場合もあります。たとえばユーザーがある本の出版社を検索するとします。検索結果には関連性の高いホームページが表示されるかもしれませんが、そのページに会社の画像、ロゴ、リンクしか含まれていない場合、これらはいずれもスニペットとしては役に立ちません。

検索スニペットとして使えるテキスト コンテンツがページに多く含まれていない場合は、代わりにメタ ディスクリプションを使用することができます。これはコンテンツを簡潔にまとめた、短い宣伝文です。

スニペットの生成に使用されるテキスト コンテンツが多く含まれておらず、かつメタ ディスクリプションがない、ページとの関連性が低い、質が低いといった場合は、これまでは DMOZ(Open Directory Project)を利用することができました。Google は 10 年以上にわたって、スニペットとして DMOZ を活用してきました。DMOZ スニペットは、ウェブマスターの皆様にメタ ディスクリプションでご提供いただく内容よりも良質で、またページ内から抽出されるコンテンツよりもしっかりと説明されている場合が多かったためです。

DMOZ の終了にともない、Google もスニペットに DMOZ のリスティングを使用することを停止しております。そのため、ウェブマスターの皆様から、ページにコンテンツを追加できない場合には、適切なメタ ディスクリプションを提供していただくことがより重要になりました。

どのようなメタ ディスクリプションが適していますか?

メタ ディスクリプションとして適しているのは、ページのコンテンツについて正確に説明している短い宣伝文です。そのページがまさに探していたものだとユーザーに確信させる、宣伝文句のようなものです。さらに詳しいヒントとして、このトピックに関する記事をヘルプセンターにご用意していますので、ぜひご覧ください。また、必ずパソコン向けとモバイル向けの両方のページに、タイトルとメタ ディスクリプションの両方を含めるようにしてください。

メタ ディスクリプションについて、よくある問題を教えてください

メタ ディスクリプションは通常、検索エンジンやその他のソフトウェアでしか見えないため、ウェブマスターの皆様がその存在を忘れ、空白のままになっていることがあります。同様の理由で、同じメタ ディスクリプションが複数の(そして多数の)ページで使われていることも多くあります。また、メタ ディスクリプションの内容が的外れである、質が低い、スパムのように見えるというケースも比較的見うけられます。Google はそのようなメタ ディスクリプションは使用しないことにしています。ユーザーが最適な検索結果を得られない原因となるためです。

メタ ディスクリプションに文字数制限はありますか?

メタ ディスクリプションの長さに制限はありません。ただし検索結果のスニペットは必要に応じて切り詰められます(端末の幅に合わせる場合など)。

「NOODP」robots ディレクティブを使用するとどうなりますか?

DMOZ(ODP)の終了にともない、Google では DMOZ データの利用を停止しています。そのため NOODP ディレクティブは処理することができません。

ページのコンテンツをスニペットとして使用されないようにすることはできますか?

「nosnippet」robots ディレクティブを指定すると、Google はスニペットを生成しなくなります。ページのコンテンツのみをスニペットに使用しないように指定することはできません。

ご不明な点がありましたら、フォーラムTwitter でお気軽にお問い合わせください。

子ども向けデビットカードのGreenlightが750万ドル調達

僕が子供のとき、両親からお小遣いとして現金をもらっていた。デパートで欲しいものを買ってもらう時にも現金をもらっていた。でも、今や現金を使う人などいるのだろうか?

Greenlightは子供向けのデビットカードを提供するスタートアップだ。モバイルアプリを使ってこのカードの残高をチャージすることができ、子供が購入するものに制限をかけることも可能だ。

サービス開始からまだ6ヶ月にも満たないが、同社はすでに1万人の有料ユーザーを獲得している。そんなGreenlightは今回、Relay Ventures、Social Capital、New Enterprise Associates(NEA)、TTV Capitalなどから750万ドルを調達したと発表した。同社は今回調達した資金を人材採用と顧客獲得のための投資に充てるとしている。

Greenlightの共同創業者兼CEOであるTim Sheeran氏は、彼自身が感じていた不便さを解決するために同社を立ち上げた――その不便さとはつまり、自分の財布に現金がない時には子供にお金を与えることができないというものだ。親世代に向けたアンケートを行ったところ、この不便さを感じているのは彼だけではないことが分かった。また、子どもにお金に関する教育をしながら、お小遣いの使い道を監視する方法を親たちが探していることも分かった。

Greenlightのデビットカードを使うことで、親たちはコントロールがきいて透明性の高いお小遣いを子どもたちに与えることができる。口座情報や取引情報を管理できるモバイルアプリ付きだ。

比較的安価な月額料金を払えば、即座にデビットカードの残高をチャージしたり、子どもが買い物したときに通知を受け取ったり、子どもの買い物にお店レベルで制限をかけたりすることができる。お小遣いをあげるという行為を自動化したり、紛失したときにカードを停止することも簡単にできる。

Greenlightがターゲットにしているのは、8歳から18歳の子どもがいる家庭だ。月額料金は4.99ドル(約550円)で、1家族につき最大5枚のカードを発行できる。大抵、子ども1人ごとに専用の銀行口座を開設するよりも簡単で、しかも安い。銀行口座の開設には年齢制限や要求される残高基準があったり、思いもしなかった手数料が後からかかったりもする。

Greenlightが得る収益は、カードの月額料金とカードの利用に際するインターチェンジ・フィーだ。しかし、ATMの利用手数料やユーザーが負担する取引手数料はかからない。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

人材サービスのITプロパートナーズが教育事業に参入、企業ニーズを講座作りに反映

ITプロパートナーズは優秀なIT人材向けと週2回から仕事を依頼したい企業とをつなげる人材採用サービスを提供している。ITプロパートナーズは2017年4月から新たにIT教育サービス「ITプロカレッジ」を展開しているが、今回新卒の就職支援を提供する新サービス「intee(インティ)」を6月中旬に開始すると発表した。

まず、彼らの主力サービス「ITプロパートナーズ」について説明したい。これは、エンジニアやデザイナーといったIT人材と週数回から即戦力となる人材を求めている企業とをつなぐ人材サービスだ。

優秀でスキルのある人はキャリアパスとして転職するか、独立して起業することを考えると代表取締役を務める木村直人氏は説明する。しかし、独立した途端収入がなくなるのでは起業しづらい。いくらか収入を得ながら起業やプロダクト開発を行いたいと考えている優秀な人材は多いと木村氏は言う。

ITプロパートナーズ代表取締役、木村直人氏

一方、IT業界は人材不足で、企業にとっては優秀な人材を確保することが難しくなっている。企業は正社員という形でなくとも即戦力が欲しい。ITプロパートナーズは柔軟な働き方をしたいIT人材と即戦力を求める企業をつなげることで双方の課題解決を目指すサービスだ。

ITプロパートナーズは2015年2月に創業して以来、登録しているユーザーは1万名以上、掲載案件も1000件を超えたという。開発の案件が多いが、デザインやマーケティングの求人も増えているそうだ。

人材サービスがIT教育サービスを手がける理由

ITプロパートナーズは2017年4月にIT教育サービス「ITプロカレッジ」をローンチした。これはウェブ上でプログラミングを学び、ウェブアプリ開発を習得できる講座だ。4週間、8週間、12週間のコースが選べ、Slackでのチャットサポートとビデオメンタリングも合わせて提供する。

プログラミングを学べるウェブサービスや講座は珍しいものではないだろう。けれどITプロカレッジが他と違うのは、企業のニーズをすぐに教育コンテンツに反映できる点と木村氏は話す。

「C向けの教育サービスとしては最後発ですが、人材サービスを展開しているからこそタイムリーにIT系の仕事のニーズが分かるのが強みです」。

今ならセキュリティーや人工知能のスキルがある人材の引き合いが多い。デザイナーであればウェブデザインだけでなく、UIやUXのデザインスキルもあると給与が月10万円単位で変わるといったことが企業の求人情報から把握できる。

ITプロカレッジではそうした市場価値の高いスキルをコンテンツとして落とし込み、ITプロパートナーズの登録者や今プロとして活躍している人向けに提供していきたい考えだ。現時点でITプロカレッジが提供しているのは、未経験や初心者向けのプログラミング講座のみだが、徐々にそうしたコンテンツを追加していく予定だという。

そして、今回新たに新卒向けの就職支援サービス「intee」を発表した。inteeのプログラムに選ばれた学生は無料でITプロカレッジの講座を受講することができる。プログラムの最後には学生から企業にこれまでの取り組みやキャリアビジョンをプレゼンする就職イベントを開催する予定だ。

入社する前にITのスキルがあると選択肢が増えると木村氏は話す。まずは20名を対象にinteeのサービスを提供し、8月頃には最初の就職イベントを開催する予定だそうだ。

木村氏は求人メディア「Green」などを手がけるアトラエ出身で、2015年2月にITプロパートナーズを創業した。外部資本は入れていない。売上も順調に推移していて、昨年度の着地は6億円以上、今年度は売上13億円を目標にしているという。

最終的にITプロパートナーズが目指すのは、新卒からシニアまで価値を提供することと木村氏は言う。「本当にできる人が企業に所属し続けるとは考えづらい」とし、新卒から定年退職したシニアの人材まで自立した働き方を望む人の支援を行っていきたいと話している。

トヨタの空飛ぶ車プロジェクトが早期テストフライトを実施


トヨタが空飛ぶ車を開発している。一人乗りの車を2020年の東京オリンピックまでに作ることが目標だ。小型の空飛ぶ自動車なら地上から空中へのスムーズな移行が可能なので、聖火リレーの最終走者にトーチを運ぶのに使えるはずだという考えだ。

上に貼ったAP通信のビデオを見ればわかるように、プロジェクトはまだ世界を驚かせる段階にはない。この早期プロトタイプは構造の枠組みとバッテリーとローターからなるものだが、なんとか頭の高さまで飛んだあと惨めに地上に帰る。

この空飛ぶ車はプロジェクトのためにトヨタが40万ドル近くを投資した小さなテクノロジー企業、Cartivator Resource Managementと協同で開発されている。テストフライトは日本のトヨタの本拠地近くの小学校校庭で行われた。

トヨタは様々な新技術と移動手段を模索中であり、Lexusブランドの高級ヨットもある。また同社はエネルギー企業へのイメージ転換もはかっている ―― ただし、Teslaとの電気自動車の共同技術開発契約を先週終了したばかりだ。

プロジェクトの次のステップは、トヨタが投資した資金を使ってデザインを精緻化することだ。2019年中には試作機を飛ばし、2020年東京オリンピックでの完成車提供を目指している。

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SpaceX、ISS補給船Dragonの再利用打ち上げに成功

土曜日(米国時間6/3)に打ち上げされたSpace XのCRS-11ミッションは成功し、6000ポンド(2.7トン)近い補給物資と実験器具を積載した宇宙船Dragonを軌道に乗せた。注目すべきなのは、SpaceXがこのDragonカプセルをすでに一度国際宇宙ステーション(ISS)の補給に送り込んでいることだ ―― 2014年9月にISSに荷物を送ったあと回収、改装された。

リサイクルされたDragonの再打ち上げ成功はSpaceXにとってまた一つの歴史的節目となった。SpaceXは、宇宙飛行のコストを下げるために打ち上げと宇宙船機器の様々な部分を再利用することを目標に掲げてきた。これは、ロケット打ち上げを高利益事業にするという目標だけでなく、火星への有人飛行を含む同社の飛行計画を達成するための大きな鍵だ。

SpaceXのFalcon 9(今回は再利用機ではない)が軌道に送り込んだDragonは、打ち上げから約10分後にロケットを切り離し、ISSへの旅に使うエネルギーを収集するためのソーラーパネル翼を広げた。

Dragonは、発射から約36時間後にISSとのドッキングを試みる。宇宙ステーションのクルーは備え付けの長さ17.5メートルのカナダ製ロボットアームを使って宇宙船を捕獲する。予定通り任務を完了すれば、Dragonは回収、改装の後うまくいけば将来のミッションで再利用される。

SpaceXはDragon 2を開発中だ。ISSのクルーを地球と往復させるためのカプセルで、来年には宇宙飛行士を乗せたテスト飛行をしたい考えだ。

使用されたFalcon 9の1段目の回収もこのミッションの目的の一つであり、成功した。着陸はまさに教科書通りで、ロケットはケープカナベラル空軍基地にあるSpaceXの着陸地点LZ-1に問題もなく着地した。

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