イーロン・マスク、入国禁止を議題にあげたことを報告、諮問委員は継続を表明

WASHINGTON, DC - FEBRUARY 03:  SpaceX and Tesla CEO Elon Musk (L) talks with White House Chief Strategist Steve Bannon at the beginning of a policy forum with U.S. President Donald Trump in the State Dining Room at the White House February 3, 2017 in Washington, DC. Leaders from the automotive and manufacturing industries, the financial and retail services and other powerful global businesses were invited to the meeting with Trump, his advisors and family.  (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

Elon Muskは、金曜日にドナルド・トランプの経済諮問会議に参加した際、移民入国拒問題に「進展」があったことをごく簡単に述べただけだったが、土曜日に同氏は会議で起きたことについてやや詳しく話した。

Muskによると、非公開で行われた同会議で、彼は当初の議事に含まれていなかった移民入国拒否の議論を追加するよう明確に要求した。実際彼の介入によって、委員会の検討リストに載っていなかったにも関わらずこの話題が「真っ先に」議論された、とMuskは語った。

移民問題に加え、Muskは気候変動の問題も提起したことを、同委員会への参加継続を説明する中で話した。同氏は今後も委員を続けることを明言し、会議に先立って彼が作ったグループの一員であり続けることも再度確認した。以前にUber CEOのTravis Kalanickは、社員と大衆の反応を受け委員を辞任している。

ある観測筋は、連邦判事が大統領令を覆す裁定を下したことを挙げ、Muskが懸念を表明した戦術以上にそれが効果を与えたことを示唆した。Muskは、この件は司法、立法、行政の「あらゆる分野で対処すべき問題」だと信じていると返答した。Muskはまた、政治への関与には乗り気でないことも打ち明けた。「人々の生活を改善するテクノロジーの発明と開発」に役立つという彼の基本理念を逸脱しているためだ。

そうなると当然湧いてくる疑問は、顧客の多くが彼の行動に強く反対している中、なぜMuskが頑にトランプ政権の仕事を続けるのかだ。事実、Model 3の予約客の中には、 Muskがホワイトハウスに協力したことを理由にキャンセルした人もいる。

Muskの委員としての役割が、実際どれほど彼の言う「良い行い」なのかは、密室会議という性格上判断が難しい。この透明性の欠如もまた、トランプに対する法的行為の根拠になり得る。事実、このようなビジネスリーダーの参加する諮問委員会を一般公開しないことは、連邦諮問委員会法に反している可能性が極めて高い。しかし政権は自らの行為がこの法令に違反していることを否定している。

しかし他の委員会メンバーの顔ぶれを見る限り、少なくとも気候問題が重要な議題であることは確かだろう。GMのCEOで戦略・政策フォーラムのメンバーでもあるMary Barraが、金曜日の会議に出席したことに関する以下の声明を、広報経由でTechCrunchに送ってきた。

力強く競争力のある米国経済を支援し、職を生み出し、安全・環境問題に取り組むための政策作りどう協力していけるかを検討すす、非常に建設的な議論に参加できることを喜んでいる。既に発表した通り、世界的な競争力をもち雇用を伸ばす活気ある米国ビジネスこそが、われわれの求めているものだ」

GMはトランプ氏の移民入国禁止令について、人事責任者のJohn Quattroneが先週メディアに公開した社内メモで言及しているが、Barra本人は公の場で大統領令について話していなかった。米国主要自動車メーカーの中で、FordのCEO mark Fieldsだけがこの命令に関する声明を発表しており、同社のBill Ford会長と連名で「本政策を含め当社の企業価値に反する政策は一切支持しない」と表明した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Conductorの新しいモバイルアプリは、顧客の探しているものを教えてくれる

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SEOプラットフォームと企業コンテンツマーケティングツールを提供するConductorが新しいモバイルアプリをローンチした。共同創業者兼CEOのSeth Besmertnikによれば、それは「顧客の声」に素早くアクセスする手段を提供するものだ。

ニューヨークを拠点とするConductorは、広い範囲のマーケティングツールを提供する前は、SEOに焦点を当てていた。Besmertnikは言う、「私たちがやっていることの中心は、顧客を理解することと、皆が望んでいることを理解することです。皆が望んでいるものを知れば、それを使ってより良いコンテンツを作り、良いマーケティングを行い、より良いメッセージを送ることができます」。

モバイル版では、既存のConductorのデータを使い、それを簡単に検索し理解することが可能になるということだ。アプリを使用すれば、マーケティングの基礎として利用を考えている用語を検索することができる。例えば、と言ってBesmertnikはアプリ上で「online therapy(オンラインセラピー)」という言葉を検索してみせた、その結果この用語に関連して顧客たちが検索している用語が表示された。

顧客の状況に応じた様々な段階でのフィルタリングも可能だ(よって、人びとが購入の決心をする直前に何を検索しているかを知ることができる)、そして企業がそのデータに対する理解を得ることを助ける洞察のフィードも届けられる。

Besmertnikは、Conductorアプリを使うのが、マーケティング担当者だけでなければ良いと考えている。その代わり「会社の中の誰もが、コンテンツのどんな一部でも変更する前に、顧客の声をわずか2分でチェックすることができるのです」と彼は述べた。

小さな変更でも大きな違いを生むことができる。Conductorによれば、そのツールを使うことで、AAAはその顧客が「savings」ではなく「discounts」を検索していることに気が付いた(savingsもdiscountsも、どちらも「値引」や「割引」という意味がある)。そこでウェブサイト全体の「savings」を「discounts」に置き換えてみたところ、トラフィックが30%増加したのだ。

新しいアプリは、Conductorの顧客全員から利用可能になっている。

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(翻訳:Sako)

スタートアップピッチの前に理解しておくべき12のKPI

Colorful data graphs on glowing panel of computer screens

【編集部注】著者のPhil Nadel氏はBarbara Corcoran Venture Partnersの共同創業者でディレクター。

創業者たちが、会社の主要業績評価指標(KPI)を良く理解しておくことはとても大切だ。ほとんど取り憑かれたかのようにKPIに集中することなしに、会社が実りある成長を遂げることを望むことはできない。

何故か?なぜなら、もしKPIが正しく設定されていれば、経営者や投資候補者たちに、感情や美辞麗句で汚染されていない、冷静で分析的な会社の現況を伝えてくれるからなのだ。ただそうした集中はKPI自身だけに限定されるべきではない、それらは成果の単なる測定手段に過ぎないのだ。私たちは、創業者たちが、ビジネスを改善するためにはどのレバーを引き、どのような調整が可能かを理解することを望んでいる。そのことが結果的にKPIに反映されることになるのだ。

焦点はKPIそのものではない。その裏にある意味と、何がお互いに影響を与えているのかを知ることが大切だ。

それでは以下に、創業者たちが徹底的に理解し、最適化に向けての戦略(群)を持つべき、重要なKPIのいくつかを紹介しよう。なおいくつかのKPIは、特定の種類のビジネスには適用されないことに留意して欲しい。またここでは、私はそれぞれのメトリックに対しての詳細な解説も計算方法の紹介も行わない。なぜなら(a)それはこの記事のスコープを遥かに超えてしまう、(b)そうした情報は他の情報源からたやすく得ることができる、という理由からだ。

顧客獲得コスト(Customer acquisition cost)(CAC)。CACとは、新しい顧客を1人獲得するために、販売、マーケティング、および関連活動に費やされる平均金額のことだ。これはあなたのマーケティング努力の効率性を示す。とはいえこの数値は、以下に紹介する他の指標と組み合わせたり、競合相手のCACと比較した場合により大きな意味を持つ。

新規顧客を獲得することは大切だが、獲得した顧客を維持し続けることが更に大切だ。顧客定着率(customer retention rate)は、所定の期間料金を払い続けてくれる有料顧客の比率を示している。定着率の逆は、チャーン(離脱率)で、これは一定期間にあなたが失う顧客の率を表したものだ。ある一定の期間に高い定着率を示しているなら、その会社は離れがたい製品を持っていて、顧客を満足させ続けていることがわかる。これは資本効率の指標でもある。

顧客生涯価値(Lifetime value) (LTV)とは、平均的な顧客があなたのビジネスに対して、その関係が続く全期間の中で与えてくれる価値の総額を表すものだ。特にCACとの関係の中でこの数値を理解することが、持続可能な会社を作り上げるためにはとても大切だ。

私たちは、LTVに対するCACの比率を黄金のメトリックであると考えている。これは、企業の持続可能性を示す真の指標の1つだ。ある企業が、予想通りにxを10xにすることを繰り返せるならば(注:10倍にするというのは単なる例であって、最低限とか標準といった意味合いではない)、その企業は持続可能だ。

最も成功した創業者たちは、彼らのKPIと、常にそれらを実験し最適化する動きに集中する傾向を持っている。

CAC回収期間(CAC recovery time)(あるいはCACを回収するのに必要な月数)。このKPIが測定するのは、1人の顧客からの収益がCACを上回るのに必要な期間だ。CAC回収期間はキャッシュフローに直接影響を与えるため、結果的にランウェイ(手持ち資金が枯渇する期限。後述)にも影響する。

CACは顧客獲得に関連する変動費用を測定するが、オーバーヘッドは獲得した顧客数に関係なく出ていく固定費を測定したものだ。収益に対するオーバーヘッドの割合が、企業の資本効率を反映したものとなる(すなわち、他の条件が全て同じだとすると、20万ドルのオーバーヘッドから100万ドルの収益を得る企業は、40万ドルのオーバーヘッドから100万ドルの収益を得る企業よりも2倍効率が良い)。

月々の収益と経費(固定および変動)を理解することで、企業のマンスリーバーン(monthly burn:月に減るキャッシュ量。burnは直接的には「燃やす」という意味で、現金を失うことをお札を燃やす比喩で表現している)を計算することができる。これは正味キャッシュフローがマイナスである場合の、月のキャッシュフローの総額を示す。もしある会社が、ある月初に10万ドルを現金で持っていて、同月の終わりの時点で現金が9万ドルになっていた場合、バーンレート(burn rate)は1万ドルだ。もし会社の総キャッシュフローが正であれば、キャッシュは「燃やされて」いない。

どのスタートアップにとっても、ランウェイに対する集中が、生き残りのためには重要だ。ランウェイとは、ある企業がキャッシュ不足に陥るまでの残存期間を、月数で表現したものである。ランウェイは手持ちのキャッシュをマンスリーバーンで割ることで計算される。現在の収益と予想される経費から計算されるマンスリーバーンを用いてランウェイを見積もることができる。だが私たちはこの見積値に対しては保守的な見方を好んでいる(投資後の経費の増加は織り込み済みとする)。私たちが求めるのは最低12ヶ月のランウェイだが、18ヶ月もしくはそれ以上のランウェイを強く好んでいる。短いランウェイは、起業家を近視眼的にし、必要な調整や繰り返しの自由が失われてしまう。同様に、起業家たちを企業を成長させるのではなく、すぐに次の資金調達に向かわせることになる。

パーセンテージで表される利益率は、実際の製品のコストよりもどれだけ高く売られているかを教えてくれるものだ。別の言い方をすれば、販売価格がどれだけ「上乗せ」されているかを示すものだ。この貴重なメトリックは、製品のコストから投資収益率を考慮することを可能にし、企業のスケーラビリティと持続可能性を理解する上でも重要な指標だ。

私たちはコンバージョンレート(conversion rate)を、企業が製品を消費者に売り込む力と、顧客の製品への熱望を組み合わせた、優れたKPIだと考えている。コンバージョンレートを、継続的に追跡しレビューを行い、定期的にそれを改善するための実験を行うことが特に有益だ。

ある種のビジネスでは、収益は財務パフォーマンスに対する、最も有益な指標ではないかもしれない。これは特に、全体の取引量の少ない1部が収益となっている(手数料など)ような市場で成り立つ。こうした場合には流通総額(Gross merchandise volume )(GMV)が有用なKPIになり得る。GMVは、市場を通じて購入される商品やサービスの販売総額を表す。

アプリや、オンラインゲーム、あるいはソーシャルネットワーキングサイトを提供する企業にとっては、 月間アクティブユーザー(monthly active users) (MAU)は重要なKPIだ。MAUは、あるサイトやアプリを使うユニークユーザー数を30日毎に集計したものだ。MAUを理解することは、ある企業の潜在的な収益力の決定を助け、現在どれ位上手くマネタイズができているかを示してくれる。

私たちが創業者たちに、その会社について知るための質問をするときには、これらのKPIを、彼ら自身の言葉と他の情報で説明して貰う。それは私たちがビジネスの現在の状態を理解するための簡単な方法であり、自身のKPIを知らない創業者たちに対しては深い懸念を抱くことになる。最も成功した創業者たちは、彼らのKPIと、常にそれらを実験し最適化する動きに集中する傾向を持っている。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: OLIVER BURSTON/GETTY IMAGES

「治療アプリ」開発のキュア・アップ、Beyond Nextなどから3.8億円の資金調達

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疾患治療用プログラム医療機器としてのアプリ開発・製造・販売を手がけるキュア・アップは2月6日、総額3.8億円の第三者割当増資の実施を発表した。引受先はBeyond Next Ventures慶應イノベーション・イニシアティブSBIインベストメント。今回の調達は、2015年10月に実施したBeyond Next Venturesからの約1億円の調達に続くものとなる。

キュア・アップは医師でもある代表の佐竹晃太氏が、2014年7月に設立したスタートアップだ。医薬品や旧来の治療方法ではなく、患者の身近にあるスマートフォンアプリを、病気の治療に取り入れる「治療アプリ」として開発している。

治療アプリは、患者個別の治療経過を医学的知見とエビデンスをベースとしたアプリが解析、ガイダンスを行うことにより、新しい治療効果を生み出すことを狙っている。つまりスマホを利用することで、これまで介入の難しかった患者の意識・習慣や、あらゆる場所・時間帯における患者の生活にアプリを通して接点ができ、それぞれの状態に応じた、個々人に合った適時適切なフォローを行う仕組みを構築しているという。現在は、ニコチン依存症治療用アプリ「CureApp禁煙」と非アルコール性脂肪肝炎治療用アプリ「CureApp脂肪肝」の臨床試験が進行中だ。

キュア・アップでは今回の調達により、治療アプリの研究開発をさらに推進するとしている。
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海外サーバーに保管されたEメールデータをFBIに引き渡し ― Googleのケースに判決下る

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米国連邦裁判所はGoogleに国外のサーバーに保存されたEメールをFBIに引き渡すように求めた。米国国内の詐欺事件を捜査するためのFBIの令状に応じるためだ。

Microsoftが国外のサーバーに保有する顧客データに関する判決が昨年下ったが ―先日、この判決は第2巡回裁判所によって支持されている―、今回の判決はそれと相対するものである。だからこそ、今回の判決は注目に値する。Microsoftのケースでは、アイルランドのサーバーに保管されている顧客データを米国政府に引き渡す必要はないとの判決が下っている。連邦裁判所は「治外法権に対する推定を軽視するもの」として政府からの要請を退けたのだ。

しかし今回のGoogleのケースでは、アメリカ合衆国下級判事のThomas Rueter氏は、国外のサーバーからEメールのデータを移行する行為は法律上の差し押さえ行為には当たらないとする判決を先週金曜日に下している。Reutersが報じたところによれば、Rueter判事は今回の件によってアカウントホルダーがもつ「占有権」を「干渉することにはならない」とした上で、プライバシーの侵害は「米国内でその内容が公開されたとき」に起こるのであって、Eメールデータを移行するときに起こるのではないと主張している。

Googleの弁護団は、Microsoftのケースを今回の弁護に利用しようとしていた。その時、Microsoftが引き渡したのは国内に保存されたデータのみだったのだ。Googleが発表した声明によれば、同社はその判決に不服だとして控訴する構えだ。「今回の判決はこれまでの判例とは異なるものであり、私たちは控訴する決断を下しました。今後も、適用範囲が広すぎる令状を拒否するという私たちの姿勢は変わりません」。

GoogleとMicrosoftの両ケースで争点となっているのは、1986年に制定された「Stored Communications Act」と呼ばれる連邦法を根拠に発行された捜査令状だ。その制定年度からも想像できるように、この連邦法は長い間「ひどく時代遅れの法律」と呼ばれてきた。今回のケースも、時代遅れの法律 vs テクノロジーという構図になっている。

先日のMicrosoftのケースを担当した判事は、Stored Communications Actに関して「プライバシーを保護ししつつも、法律執行における国際礼譲と、グローバルな文脈におけるサービスプロバイダーの義務とのバランスをうまく図った、議会による改正が必要とされている」と発言している。

複数の判例を通じて、司法省は議会に対して明らかにプレッシャーをかけているように見える。保管されたデータに関して、どこまでが法律の適用範囲なのかを明確にすべきだというプレッシャーである。

また、裁判所が下した判決がケースごとに異なるという事実によって、その「線引き」を明確にすることが今後ますます必要とされるだろう。議会が法律を改正して線を引くのか、または最高裁判所が下した判決によって線を引くのか、いずれかの方法で法律の適用範囲を明確化する必要がある。

プライバシー擁護派は今後もこのデータアクセス闘争に注目するだろう。とりわけ、米国国内の捜査令状の適用範囲を拡大したとしても、それはどの国のデータ保護法にも接触せず、国際条例に違反することにはならないという事実を考えればなおさらである。その一方で、逆に言えば、国内に保管されたデータに対する捜査令状の適応範囲を明確化することによって、議会内にデータローカライゼーションを推進する動きが生まれる可能性もある。

昨年の後半、物議を醸した最高裁のある判決を議会は承認した。判事の承認さえ得れば、FBIが通常の捜査範囲を越えるような捜査を行うことも可能であるという判決だ。これにより、理論上は、判事が捜査令状を発行することよってFBIの管轄外にあるデバイスへのハッキング捜査も可能になった。海外に存在するデバイスもその対象となる。

これに対して、この判決は極度に拡大するFBIの権限を無理に押し通すためのものだと批判する声がある。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

スマホ証券「One Tap BUY」が米国株に加えて日本株も取扱開始へ

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スマホ証券のスタートアップ、One Tap BUYが米国株に加えて2月13日から日本株の取り扱いも開始すると発表した。これまでFacebook、Alphabet、コカ・コーラ、アップル、ウォルト・ディズニーなど日本人にも馴染みのある有名ブランドかつ優良企業の個別銘柄30種を1000円単位で手軽に売買できることを売りにしてきたが、今回新たに3つの日本株ETFを1000円単位で売買できるようにする。

1つは日経225連動型のETF(銘柄コード:1321)で、標準的なインデックスファンドだ。トランプ騒動で日米とも株価は上げ調子だが、これに連動する分かりやすいもの。これまでの個別銘柄の売買と違って分散投資となるため長期投資に向いているという点でもOne Tap BUYとしては新しい。

もう1つのETFは、同じく日経225連動だが、日経平均の2倍幅の値動きをするもの。具体的商品としては「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)。3つ目は、逆に日経平均と反対の動きする「NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1571)だ。市場全体が下がる時に収益を上げるもの。

以下のように分かりやすい、ブル(雄牛)、ベア(クマ)のキャラクターで表示するのがOne Tap BUYらしい。ブルはもちろん相場が上がることを予想する「強気」の象徴、ベアは反対に「弱気」の象徴だ。

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One Tap BUYは2016年6月にローンチ。これまで2016年7月にソフトバンクから10億円を調達している。ローンチ当初は1万円単位の売買だったが、後に1000円単位とするなど、少額で手軽に投資できるようにすることで、これまで株売買に縁のなかった投資未経験の20代後半〜40代前半の取り込みを続けている。現在までアプリダウンロード数は約15万件で、ユーザー数は1万2000人という。

国際分散投資の基本方針の1つに市場規模に比例した比率で、異なる国の上場銘柄を保有すること、というのがある。でも、どんな国の国民にも「ホームバイアス」と呼ばれる偏向がある。スウェーデンの上場企業の時価総額は全世界の1%にすぎないが、スウェーデン人の多くはスウェーデン株ばかりを保有している、というようなことだ。1991年の研究調査によれば、国内銘柄の所有比率はアメリカ人で92.2%、日本人で95.7%、イギリス人で79%などとなっているそう。日々ニュースを聞く日本企業の銘柄からなる株を日本人が持ちたくなるのは当然といえば当然。国際分散投資の統計モデルに妥当性を感じるぼくとしては、1国や2国だけに限定して銘柄を保有するのは合理性に欠けるように思うのだけど、One Tap BUYがそういう議論をする層をターゲットにしているわけではないのも、また明らかだとは思う。

人工知能でサイト改善提案「AIアナリスト」の開発元が3.5億円の調達、電通との提携も視野に

Google Analyticsをサイトに導入すると訪問数やコンバージョン率など様々なデータが取れる。しかし、情報が多すぎて、具体的にサイトの何をどう改善させたらいいか迷ってしまうこともあるだろう。「WACUL(ワカル)」が提供するウェブサイト分析の人工知能「AIアナリスト」は、Google Analyticsのアクセス解析を元に、課題発見から課題ごとの改善方針提案まで自動で行うサービスだ。本日、WACULは総額3.5億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。引受先は、電通デジタル・ファンドとジャフコの2社だ。

企業のマーケッターはサイトのパフォーマンスを改善するのに、Google Analyticsのデータを見て改善策を立案し、施策を実施した後は効果検証するといった一連の作業を行っているだろう。WACULのAIアナリストは、サイト分析からサイトの改善提案までを自動化する。またマッケッターがサイトの改善策を実施したら、その後のアクセス状況の効果検証までサービス内で把握できる。AIアナリストの利用料は月額4万円からだ。

WACULは、前職でユーザビリティコンサルタントを務めていた大津裕史氏が2010年9月に創業した会社だ。2015年6月にはジャフコより総額3億円の資金調達を実施した。AIアナリストは2015年4月にサービスをローンチし、登録サイトは9000を超えたそうだ。

今回の資金調達は、AIアナリストの開発を進めるとともに技術開発やR&Dに充てる考えだ。また、今回引受先に電通デジタル・ファンドが参加しているが、電通グループとは業務提携することも視野に入れているという。WACULはプレスリリースで以下のようにコメントしている。

「今回の電通デジタル・ファンドからの資金調達は、多くの広告・メディアに関する豊富なデータを持つ電通グループとデータ分析に強い弊社、両社の強みを活かした業務提携までを視野にいれています」

名刺管理アプリ「Wantedly People」海外版の提供を開始——50言語以上に対応

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ウォンテッドリーは2月6日、名刺管理アプリ「Wantedly People」海外版をリリースした。海外版では50言語以上、244の国と地域の名刺に対応する。アプリ上で読み取る名刺の言語を設定することで、これまで以上に高精度な名刺の読み取りが可能になったという。またスマートフォン本体の言語設定を変更することで従来の日本語インターフェースに加え、iOS版では英語と中国語、Android版では英語での利用が可能だ。

wantedly-people-count11月11日に日本版が公開されたWantedly Peopleは、AI搭載のOCRを利用して名刺10枚までを同時に取り込むことができるアプリだ。ウォンテッドリーによれば、公開から現在までにスキャンされた名刺の数は400万枚を超え、ビジネスパーソンを中心に利用者を増やしているそうだ。

「日本に限らず、特にアジア圏では名刺が広く利用される文化があり、日本版の公開時にも海外からのダウンロードが一定量あった。そこで12月初めから海外向けのアルファ版を一部のユーザーへ提供したところ、反応もよかったため、正式にリリースすることとなった」(ウォンテッドリー)

Wantedly Peopleでは名刺画像の読み取りとデータ化はAIにより自動可しており、現状でも多言語に対応すること自体は可能だが、さらに多くのユーザーにスキャンしてもらうことで、機械学習による精度がさらに向上すると考えているという。「アジア圏のユーザーの多さを考慮して、いったんは英語・中国語にフォーカスした。ユーザー分析した上で、ドイツ語・フランス語といった欧州の言語や、アジアの他の地域の言語をインターフェースとすることも検討していく」(ウォンテッドリー)

楽天傘下のViberが写真とビデオの消滅機能を追加

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メッセージングアプリは、多くのユーザーデータを蓄積していく。プライベートな写真やビデオから誰と一番多く話したか、どこにいたか、どんなネット金融サービスを使っているか等、様々な情報が残される。ここ数年にかけて、多くのメッセージングアプリが端末間暗号化を導入し、プライバシーを求めるユーザーに対して、友達を驚かせたいユーザーと同程度には配慮するようになった。

今日(米国時間2/5)、暗号化チャットアプリとして人気の高いViber(Rakuten Inc.傘下)は、”secret message” という新機能を公開し、ユーザーが自分たちの会話をこれまで以上に制御できるようにした。ユーザーは写真やビデオをチャット履歴に残すかどうかを「送信」ボタンを押す前に設定できる。これまでにもViberは、会話の記録を自分と相手の端末両方から削除する機能を提供している。

新たに追加されたsecret message 機能では、シェアしたいけれどもアーカイブには残したくない画像にタイマーを設定することができる。Snapchatと似たやり方だ。受信者が写真を見られる時間は1、3、7、10秒の中から選ぶ。この時間が過ぎると、受信者履歴には何かがシェアされた記録は残るが写真は見られなくなる。

ビデオは受信者が1回だけ見たらアーカイブから消えるように設定できる。secret messagesは1対1チャット、グループチャットのどちらでも有効で、iOSおよびAndroid端末で使用できる。

先月Viberは、登録ユーザー8億人、月間アクティブユーザー2.6億人を突破したと報じられた。暗号化チャットプラットフォームには、エドワード・スノーデン推奨のSignalをはじめ、WhatsApp、Line、Kakao Talk等ライバルがひしめいている。

Viberのsecret messagesは、便利な機能ではあるが画期的というわけではない。例えばLineとKakao Talkも同様の機能を提供している。LineのタイマーはViberの静止画像の機能によく似ている。Kakao Talkは読み終ったメッセージを削除できる。そしてもちろん、刹那的メッセージングを主流にしたのはSnapchatだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モバイル決済のコイニーが8億円の資金調達、AI使った与信サービスも金融機関向けに本格展開

コイニー代表取締役社長の佐俣奈緒子氏

コイニー代表取締役社長の佐俣奈緒子氏

Squareが日本に上陸するより以前、2012年10月にモバイル決済サービス「Coiney」をローンチしたコイニー。同社が2月6日、総額約8億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

コイニーでは今回の資金調達において、産業革新機構(既存株主)、SBIインベストメントの手がけるFinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合等のファンド、電通デジタル・ホールディングスが手がける電通デジタル投資事業有限責任組合を引受先とした第三者割当増資と、コイニーのパートナーとなっている西武信用金庫からの融資をそれぞれ実施している。同社は今回の調達をもとに自社サービスの事業拡大と、新サービス提供に向けた開発およびセールス、マーケティング人員の強化を進めるとしている。

当初コイニーが手がけていた決済サービスは、スマートフォンのイヤフォンジャックに挿して利用する小さなカードリーダーを使った、いわばSquareライクなものだけだった。その後2015年秋には、スマートフォンとBluetoothやWi-Fiで連携する手のひらサイズのICカード対応端末「Coineyターミナル」の提供を開始。2016年8月には、手軽に決済ページを作成できる「Coinetペイジ」を、同年9月にはAIとトランザクションデータを活用した企業評価・融資審査エンジンの「Coineyエンジン」を提供するなど、事業を拡大してきた。

「Coineyターミナル」

「Coineyターミナル」

「決済は積み上げていくサービス。サービスインから1年後に13億円を調達したのち、粛々とやっていた」——コイニー代表取締役社長の佐俣奈緒子氏はこう振り返る。

スマートフォンで決済できるようになることから、当初はCtoCを含む「小さな決済」の領域でサービスが広がるのではないかと考えていたコイニーだったが、その結果はあまり良いものではなかったという。「当時はファーマーズマーケットや、美容、グルメといった領域に営業していましたが、実はそれほど伸びていませんでした」(佐俣氏)

そこで方向を転換、病院をはじめとした医療領域や中古車販売店、整備工場といった自動車領域、リフォームやリノベーションといった住まい領域を中心にサービスを拡大させた。「ターゲットにしたのは、単価が高くて、クレジットカードを使いたいけれども現状は現金しか使えないところ。日本人は単価の安いものでクレジットカードを使わないのも分かった。中古車ディーラーが軒先で決済したり、提携するリクシルでは、営業マンが営業先で決済をする、といった使い方をしている。ポイントは『決済を簡単にする』こと。手数料を安くする(料率は3.24%〜)、入金を早くする(振込依頼から2営業日)といったことが重要」(佐俣氏)

勝負すべき領域は見つかったが、一方では課題も残っていた。「(スマートフォンのイヤフォンジャックに挿して使う)リーダーを使った決済は、読み取り精度もそうだが、それよりも(動作が)簡単すぎて不安という声もあった」(佐俣氏)。そこで、ICカードの読み取りにも対応した専用端末であるCoineyターミナルも提供するに至った。

具体的な金額は公開していないが、月間決済額もサービス開始から順調に伸びているとのこと。加盟店あたりの月間決済額(平均)も、当初は13万円ほどだったが、現在では70万円まで増加した。佐俣氏は国内のモバイル決済市場について「決済額ベースで現状が数千億円、2020年に1.5兆円くらいになるかと思う」と語っている。

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コイニーが現在注力しているのは、地方の金融機関との連携だ。業務提携するクレディセゾンを通じて西武信用金庫と事業面でもパートナーシップを結んでいるが、今後は金融機関の顧客向けにCoineyを展開。そのトランザクションデータをCoineyエンジンに利用することで、金融機関がスピーディーで正確な与信情報を提供することも狙う。「ひとことでFinTechといっても、さまざまな分野がある。(サービスを提供して)金融機関からお金をもらうFinTechベンチャーは多いが、コイニーはお金を流すようなことをしていく。金融機関にメリットがあるから、我々のプロダクトをもっと売って下さい、という考えだ」(佐俣氏)

佐俣氏は、コイニーの将来について次のように語る。「このビジネスモデルは5年前のモデル。次の5年のために作りたいことがある。今までも『現金がなくなる世界が来る』といわれていたが、将来はカードも、ひょっとしたらスマートフォンもなくなって、手ぶらで生活する社会が来ると思う。新しいサービスも開発していきたい」

iPhoneのGoogle Chromeに、QRコードスキャナーとバーコードスキャナーがビルトイン

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iPhoneから削除できるアプリがまた1つ増えた。今はたまに使われるだけのQRコードならびにバーコードスキャナーだ。米国時間2日に行われたアップデートで、Google Chromeにそれらの機能が備わったからだ。このビルトインスキャン機能は、アプリのアイコンを3Dタッチして呼び出すか、そうでなければスポットライト検索で「QR」を指定することで見つけることができる。

これらのショートカットには、単に「Scan QR Code(QRコードをスキャンします)」というラベルがついているだけだが、実際には従来の製品バーコードをスキャンすることもできる。そうすれば対象のアイテムのGoogle検索結果が表示されて、価格やレビューなどをチェックすることが可能だ。

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噂にかかわらず、QRコードは完全に死滅したという訳ではない。それどころか、Snapchat 、Kik、およびMessangerといった人気のアプリケーションや、食品ラベルが採用することで、復活を遂げつつある。Amazonさえ、そのプライベートブランドであるベビー用品のElements brandなどに、QRコードを採用している。

とはいえ、それはまだバーコードスキャンアプリを、携帯の中に入れ続けておきたくなるほど頻繁なものではない。

QRコードの普及が限られているため、スマートフォンメーカーたちは、カメラか検索ユーティリティの簡単なアドオンとして実現できる筈のQRコードスキャン機能を、OSへ本格的に統合することに対して躊躇っている。例えばiPhoneのQRコードリーダーは、クーポンや、搭乗券、あるいは入場券などのようなものをスキャンするために、Walletアプリの内側に取り込まれてしまった。それらがQRコードの主要な利用目的として想定されているせいだが、実際には、それらはQRコードの利用方法のサブセットでしかない。

Chromeにスキャン機能をバンドルすることで、他のアプリを使わなくても、より機能的なバーコードスキャナーを手にすることができる。iPhone用アップデートは、既に利用可能だ。

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(翻訳:Sako)

GoPro株が10%以上急落ー2016年業績がウォール街の予測に届かず

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GoProは米国時間2/2に、2016年Q4および通期の決算発表を行った。その後、思わしくない業績を受けて同社の株価は、リコールされたGoPro Karmaのように急落し、時間外取引中には10%も落ち込んだ。

2016年Q4の売上高は5億4000万ドル、1株当たり当期純損失が0.82ドルで、どちらもアナリストの予想を下回った。2016年通期の業績も芳しくなく、売上高は2015年の数字から26.8%も下がり、11億8500万ドルだった。

0.82ドルという1株当たり当期純損失には、繰延税金資産の引当金総額にあたる1億200万ドルと3700万ドルのリストラ費用が含まれていると同社は話す。

今回の決算発表後に10%以上も値を下げたGoProの株価だが、2017年初頭の値動きは堅調で、1月だけでも23%もの伸びを見せていた。

一方で決算発表には嬉しいニュースも含まれていた。2016年Q4の売上高はGoPro史上2番目の金額で、さらに最近発売されたHero 5 Blackは、販売台数・売上高ともにデジタルカメラ部門ではトップだった。また2月1日には、販売を取りやめていたKarmaが再ローンチされた。

GoProブランドも順調に成長を続けている。Instagramのフォロワー数は前年比で53%増加し、特にアメリカ国外のフォロワー数が245%も増加したことで、全体の数字を押し上げた。同様に、GoProコンテンツのソーシャルメディアにおける視聴数は前年から40%増え、2億3800万再生を記録した。なお、YouTubeだけでも2015年から2016年にかけて視聴数が86%も伸びていた。

今年のCESでGoPro CEOのNick Woodmanと話をした際に、彼はまだGoProには十分な余剰資金があり、投資家や取締役会のメンバーには今後もしっかりGoProの動きについてくるよう要請したと話していた。さらに彼は、IPO後にGoProがメディア事業に手を出そうとして失敗したと認め、その後軌道修正を行ったと話していた。しかし、CEOの座を退き、誰か他の人に経営を任せるつもりがあるかと尋ねたところ、Woodmanはその可能性を完全には否定しなかった。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

米ドミノ・ピザのボットがパワーアップ、Messenger経由で全てのピザが注文できるように

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米ドミノ・ピザの注文受付ボットDomが、大きなテストに臨もうとしている。スーパーボウル開催直前にドミノ・ピザが、Facebook Messengerを通じてフルメニューから注文できる機能をローンチしたのだ。しかも、この機能は事前に設定が必要な「ピザ・プロフィール」無しでも利用できる。つまり今回のアップデートによって、普段あまりドミノ・ピザを利用しない人も、電話やウェブサイト経由での注文の代わりにボットを試しやすくなる。

今回がドミノ・ピザのボットのデビューではないので、誤解のないように。同社はAnyWhereオーダリングプラットフォームを使って、既に1年間以上も電話やウェブサイト以外からの注文を受付けている。例えば2015年の春には、Twitter経由の注文受付をスタートし、その後Apple TVGoogle HomeAmazon Echo、Ford Sync、SMS、サムスンのスマートテレビ、スマートウォッチ、アプリ内の音声アシスタントなど、様々な新興プラットフォームへも対応してきた。

しかし、これまでのAnyWhereを利用した注文方法の問題点は、顧客がまずドミノ・ピザのアカウントを作り、個人情報を入力した後に「Easy Order」と呼ばれるものを作らなければいけないという、実際の注文までにかかる手間だ。なお、このEasy Orderには、顧客のお気に入りのピザや、最も注文回数の多いピザなどの情報が含まれている。そして前述のようなプラットフォーム経由で注文するときは、このEasy Orderに含まれているものしか注文できず、フルメニューを見ることはできなかった。

その後ドミノ・ピザは、前回注文したピザを再び注文するリオーダリング機能を、AnyWhereプラットフォームを利用しているアプリに追加した。

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しかし、今回のMessengerボットのアップデートにより、今後はフルメニューを見ながらDomに注文をお願いできるようになる。一見大したことがないように思える変化だが、DomのようにECに特化したボットの使い勝手を考えると、これは大変重要なポイントだ。

ドミノ・ピザとの確認の結果、これまでDomはおろかドミノ・ピザを利用したことがない人でも、新しい機能は問題なく使えるということがわかった。住所や電話番号などの注文に必要な情報は、Domが顧客に尋ねるようになっているのだ。

しかし、ドミノ・ピザにすぐにでも解決してほしい、大きな問題がひとつある。Dom経由で注文すると、現金でしか支払いができないのだ。(もう誰も現金なんか使ってないのに!)特にピザをチャットボット経由で注文するのがカッコいい、と考えるようなアーリーアダプターが現金で支払を行う姿は想像しづらい。

昨年の秋にローンチしたMessengerプラットフォームには、チャットボット向けの決済機能が追加されていた。しかしローンチ当初、同機能はまだ限定ベータ版だったので、ピザを注文するためのボットは、その対象に含まれてなかったのかもしれない。

しかしドミノ・ピザも、将来的にはMessenger経由の支払機能追加を検討していきたいと話している。

Messenger経由で注文した商品は、配達だけでなく店舗で受け取ることもできるため、店舗受け取りを選択すれば、店頭で自分の好きな決済方法を選ぶこともできる。

ドミノ・ピザにとって、スーパーボウルサンデーは一年で最も忙しい日のひとつだ。当日はアメリカ中で1200万枚ものピザを販売する予定で、この数は普通の日曜日の5倍にあたると同社は話す。

そのため、チャットボットでの注文というのは少し馬鹿げて聞こえるかもしれないが、もしもMessengerのような代替ルートで注文する人が出てくれば、電話回線に余裕を持たせ、トラフィック過多でウェブサイトの読み込みが遅くなるのを防ぐことができ、ドミノ・ピザの利益に影響を与える可能性さえあるのだ。

Domを試したい人は、ドミノ・ピザのFacebookページを訪れるか、Messengerアプリで「Domino’s」と検索してみてほしい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

子ども向けデビットカードのGreenlightー店舗や限度額など細かな設定が可能

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ジョージア州アトランタを拠点とし、3年前に設立されたGreenlightは、小中学生の子どもを持つ親であれば誰でも理解できるような問題を解決しようとしている。それは、どうすれば子どもにお金を渡すときに、子どもがそのお金をなくしたり、別の目的で使ってしまうか心配しなくてすむかということだ。

残高をチャージできるプリペイドカード自体は何ら新しいものではなく、MasterCardやVisa、American Expressも親をターゲットにしたデビットカードを発行している。しかしGreenlightは、考えうる全ての機能と手頃で分かりやすい料金体系、さらにはFDIC(連邦預金保険公社)補償が盛り込まれたプロダクトで、大手カード会社に挑戦しようとしている。なお同社は、シードラウンドで現在の経営陣とAdvanced Technology Development Centerと呼ばれる、ジョージア工科大学のインキュベーターから資金調達を行った。

私の7歳と9歳になる子どもも、遠足のお小遣いなどをいつもなくしてしまうので、私自身Greenlightのプロダクトには興味を持っていた。そこで、いくつか気になる点を共同ファウンダーのJohnson Cookに尋ねてみた。

TC:Greenlightは素晴らしいアイディアですが、カード業界は競争も激しいですよね。既存のプロダクトとの差別化はどのように行っていますか?

JC:Greenlightは、(私たちの情報によれば)店舗レベルでのコントロールができる初めてのカードです。つまり親は、スターバックスやファストフード店、近くのスーパーやアマゾンなど、店舗やウェブサイトを特定して、子どもがどこでいくら使えるかというのを設定することができます。この利用先のお店を限定できる機能が、子どもを持つユーザーの共感を呼んだということがわかっています。

TC:その他にはどのような機能がありますか?

JC:子どもにお小遣いをあげるというアクションも、アプリを使えばとても簡単に自動化できます。さらに今後、Greenlight Savings口座とGreenlight Givingをローンチ予定で、親と子ども両方が支出や貯蓄、寄付といったお金に関する全ての情報を確認できるようになります。お金の賢い使い方や、予期せぬ出費のための貯蓄の重要性、投資を通じて富を築く方法、信用力の重要性など、親がお金の面でも子どもを賢く育てられるような手助けをすることに、私たちは注力しています。

TC:通知機能はどうでしょうか?恐らく親にとってはこれが重要なポイントだと思いますが。

JC:カードが使用されるとすぐに親へ通知が飛び、どこでいくら使われたかというのが即座にわかるようになっています。さらに通知設定は、親用と子供用にカスタマイズすることができます。子どもがカードで何か購入したとき以外にも、支払いができなかったときや、子どもから新しいリクエストが届いたとき、残高不足や振込完了時、カードが利用できるようになったとき(または利用できないようになったとき)、メッセージを受け取ったときなどに、通知を受け取ることができます。

TC:料金は1世帯(子どもの数は最大5人)当たり4.99ドルに設定されていますが、どのような背景があってこの料金に落ち着いたんですか?そしてなぜ、決済ごとにユーザーから手数料をとるのではなく、月額制という形式にしたのでしょうか?

JC:私たちは、月額利用料と通常のカードのような加盟店手数料の2つを収益源としています。手数料のみを収益源とするプロダクトも存在しますが、私たちは子どもが毎月そこまで大金を使うことはないと考えています。さらに世帯ごとではなくカードごとに利用料を設定することも検討しましたが、家庭にいる全ての子ども(そして親)がGreenlightを使えるように、そして私たちが素早くシェアを獲得し成長するためにも、世帯ごとの利用料を設定することに決めました。

TC:子どもはGreenlightのカードをデビットカードのように使えるんですか?もしも現金しか受け付けていないようなお店の場合、子どもはこのカードを使ってATMから現金をおろせるんでしょうか?

JC:現在のところ、ほとんどの親がATMでの現金引き出しをできないようにしてほしいと希望している、ということがわかっています。将来的には、現金引き出し機能を希望する家族に対しては、親が引き出し上限額を設定できるような機能を追加していこうと考えています。

TC:例えば、子どもがお金が必要ということで電話してきた場合、親はすぐにお金を振り込むことができるのでしょうか? 

JC:Greenlight上の操作は全て即座に処理されるため、親が子どもから送られてきた支払情報を承認すれば、すぐにカードの残高がアップデートされるようになっています。レジの列に並んでいるときに、子どもがお金が足りないことに気付いても、その場で親にリクエストを送信して親が承認さえすれば、カードの残高は即座にアップデートされます。

TC:どのくらいの年齢の子どもをターゲットとして考えていますか?個人的には、中学生や高校生の子どもは携帯電話やApple Payを利用できるので、そこまで必要性を感じないのではないかと思っています。

JC:プロダクトのローンチ当初は10〜18歳くらいをターゲットとして考えており、これまでの実績値によると親がGreenlightにサインアップした家庭の子どもの平均年齢は12歳でした。子どもは初めての携帯電話を手にした途端、親離れをし始めて、親よりも友だちと過ごす時間が増えていくという話をよく聞きますが、このくらいの時期からGreenlightの解決しようとしている問題が、家庭の中で起こりはじめるんです。

TC:あるVCからGreenlightが300万ドルを調達中だと伺いました。

JC:その通りです。

TC:資金調達に関して、アトランタの状況はいかがでしょうか?一般的に言って、シードラウンドの後はシリコンバレーや東海岸の投資家と話をする必要がでてくると思いますか?

JC:アトランタの投資家は最高ですが、B2C事業を営むスタートアップや、コンシューマーブランドに詳しい投資家を探すには、アトランタを出てベイエリアやニューヨークへ行く必要が確かにありました。とはいっても、アトランタからは多くのフィンテック企業が生まれているので、コンシューマー向けのプロダクトに馴染みがない地元の投資家も、フィンテックの視点からGreenlightに興味を持ってくれています。

TC:これまでのプレゼンでは、投資家からどのような反応をされることが多かったですか?また、VCが1番注目している点はどこでしたか?

JC:お金に賢い子どもを育てる家庭をサポートする、というイメージを持ったコンシューマーブランドを築くことができるチャンスにVCは最も惹かれています。私たちがターゲットとする層は、これまで銀行から十分なサービスを受けられておらず、学校はお金の使い方までは子どもに教えてくれません。Greenlightのほかには、親が子どもにお金の使い方を教えることを目的にデザインされた、使い勝手の良いプロダクトは存在しません。

(もうひとつの質問について)私たちがこれまでに話をしたVCは全て、顧客獲得コスト(CAC)を知りたがっていました。ありがたいことに、私たちは1200人の顧客を最初の数週間で獲得できたので、平均CACも当初の想定よりかなり低く抑えることができました。

TC:確か3人のお子さんがいらっしゃいますよね。お子さんもGreenlightを使っているんですか?

JC:はい、うちには11歳、8歳、5歳の子どもがいるんですが、私が日々体験しているような、消費者が抱えているリアルな問題を、Greenlightが解決してくれていると自信を持って言えます。また、これだけパーソナルな事業を行っているので、家族との距離も以前より近くなりました。真ん中の8歳の子は、将来起業家になりそうなほど、いつも次々と新しいアイディアを考えつくんです。「お父さん、Greenlightの広告をスクールバスの中でもやろうよ」とか「お父さん、スーパーボウルでも宣伝した方が良いよね?」といった感じで。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

友人や家族にリアルタイムな現在地をシェア ― WhatsAppがロケーション・シェアリング機能をテスト中

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Facebookの本家アプリからはロケーション・シェアリング機能がなくなるかもしれないが、Facebookが所有するWhatsAppにはそれと同じような機能が加わるようだ。その新機能はWhatsAppのベータ版で発見された。この機能は、アプリに友達として登録されている人たちとリアルタイムにロケーションを共有できる機能だ。

新機能は今週、Fortune@WABetaInfo(Twitterアカウント)によって発見された。

この新機能はベータ版の中で「Live Location Tracking」と呼ばれており、現在のところAndroid(Ver. 1.16.399)とiOS版(ver. 2.17.3.28)のアプリで提供されている。現状、ユーザー自身が指定した時間分だけLive Location Trackingを有効化する仕様になっている。時間指定のオプションとして、1、2、5分間が用意されている。その時間のあいだ、指定された相手はこの機能を利用するユーザーの現在地をリアルタイムでトラッキングできるようになっている。

「Enabled Indefinitely(無期限に有効)」というオプションも利用可能だ。

混雑する場所で複数の友人と待ち合わせをする場合は、このオプションを利用してもいいだろう。もしくは、家族でこの機能を有効にしておいて、有料で提供されている家族向けのロケーション追跡サービスの代わりに利用してもいいだろう。

このローケーション・シェアリング機能は、ユーザーのプライバシーを保護しながら利用できるようにデザインされている。当然のことながら、デフォルトではこの機能は無効化されており、ユーザーは現在地をシェアする時間をみずから指定することができる。

iMessageにも「Share My Location」という名前のロケーション・シェアリング機能が用意されている。しかし、指定できる時間のオプションはわずかに異なっており、1時間、1日間、無期限が選択できる。

ベータ版の機能が必ずしも正式に採用されるとは限らない。しかし、WhatsAppがロケーション・シェアリング機能を複数のプラットフォーム上でテスト中だという事実は、同社がこの機能の正式採用に動いていることを表しているだろう。

先日、WhatsAppに「バックドア」が見つかったとのニュースが伝えられるという騒動があったが、それによって同アプリへのプライバシーに対する懸念が高まっていた。その状況のなかでWhatsAppが同機能のテストに踏み切ったことは注目に値する。しかし、このニュースは誤報だった。同社は、ある安全性に関する決断、しかし最悪の場合アプリの脆弱性につながるトーレドオフをする決断をした。WhatsAppは政府にバックドアを提供しなかったのだ。また同社は、バックドアを求める政府とこれからも闘っていくという声明も出している。

しかしこの種の話で問題なのは、たとえその話が真実でなくとも、いったん噂が出回ってしまうと企業はプライバシーに関わる機能を追加しにくくなってしまうという点だ。なぜなら、ユーザーは噂が出回った時点でWhatsAppのプライバシー保全性に疑いの目を向けてしまうからである。

また、この新機能の追加は、Facebookが「Nearby Friends」を通して提供していたロケーション・シェアリング機能を廃止したタイミングと重なっている。Nearby Friendsとは、自分の現在地を一時的に、または恒久的にマップ上に表示できる機能だった。しかし現在では、同機能は友人がいる場所と自分がいる場所のあいだのおおよその距離を表示するだけにとどまっている。

この機能がFacebookに導入された当時、このSNSはどこか「気持ち悪い」ものになってしまった。無期限のシェア機能を無効化するのを忘れていた場合はなおさらだ。だからこそ、詳細な現在地を表示するこの機能が、Facebook傘下のWhatsAppに追加されたのは奇妙な話ではある。おそらく、巨大でオープンなFacebookと比べてクローズドなWhatsAppでは、プライバシーが保護されやすいだろうということだろうか?

ロケーション・シェアリング機能はWhatsAppがテスト中の新機能の1つにすぎない。この他にも、未読のメッセージを編集したり削除したりする機能、ユーザーのステータスにコメントをする機能、そしてスマートフォンを「シェイク」することでWhatsAppのサポートチームにアプリの不具合を知らせる機能などがテストされている最中だ。

「将来的なプロダクトに関するコメントは控えさせていただきます」という言葉を除いて、WhatsAppから新機能についてのコメントを得ることはできなかった。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

LGのMacBook用5KディスプレイはWi-Fiルーターに近いと狂う、今後は電磁波シールドを装備へ

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今週の初めに広まった噂では、LGのおしゃれなUltraFine 5Kディスプレイには深刻な問題があり、ルーターのそばに置くと“不安定になり”、そして“使えなくなる”、という。当時9to5MacがLGのサポートに聞いた話では、それは既知の問題であり、スクリーンを2メートル以上ワイヤレスのルーターから離してくれ、ということだった。

そして、今日(米国時間2/3)本誌に届いたLGからの公式回答では、同社の技術者が同機を調べて、問題の存在を確認した、という。それは前記の、サポートからの回答と似ているが、推奨距離は2メートルから2フィート(0.6メートル)に縮まった。

LGの対策も似ている: 移動せよ、だ。

ルーターまたはディスプレイの場所を変えれば、問題は解決します。それでもUltraFineディスプレイの問題が持続する場合は、お近くのLGカスタマーセンターにご連絡いただければ迅速に対応いたします。

これで問題が解決する人もいると思うけど、ぼくみたいに、ニューヨークの狭いアパートで、ルーターから2フィートも離れていない場所で仕事をしている人には、助けにならないだろう。LGは、モニターやルーターを移動しても問題が直らない人は、カスタマサービスに連絡しろ、と言っている。

そのモニターは去年、1000ドル弱の値段で発売された。MacBook Proの発売に合わせて、Appleブランドでないモニタを売ろうとしていたのだ。

LGは、謝罪の言葉を述べるとともに、今後のモニタではしっかりシールド(電磁波遮断)する、と言っている。UltraFineの値引きは、昨年おそくに、3月までに延長された。その後は1300ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleの学生・教育者向けアプリケーション・バンドルはFinal CutとLogic込みで199ドル

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Macのユーザーなら誰でもGarageBandやiMovieを無料で使えるが、プロ用のアプリケーションはちょっとお高い。とくに学生には。そこでAppleは、プロ用アプリケーション5本をまとめたアプリケーション・バンドルを199ドルでリリースした。対象は、学生と教育関係者のみだ。

その5つの中には、Appleのいちばん重要なプロ用アプリケーションFinal Cut Pro XとLogic Pro Xが含まれている。この2つがあれば、ムービーとオーディオの編集なら何でもできる。そしてMotion 5とCompressor 4とMainStage 3も、このバンドルに含まれる。

Final CutとLogicはそれぞれ299ドルと199ドルだから、どちらか一つだけ買いたい人も、学生や教師ならこのバンドルを買うべきだ。App Storeのコードをもらうと、買う資格が得られる。大学の学生・教師職だけでなく、小中高専修校などでもよい。

もちろん若い人がそうやってAppleのソフトウェアを使い慣れて、Macを買ってくれることはAppleにとって良いことだ。Adobeは今やほとんどのアプリケーションを会費制で売っているが、これも、いきなり何百ドルも払わなくて済む良い方法だ。そしてAppleの対抗策が、このバンドル方式だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが衛星画像事業Terra BellaをPlanet Labsに売却、Earthの画像はライセンスにより継続

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本誌TechCrunchが1月25日に報じたように、Googleは、SkySat Earthの画像衛星群を含むTerra Bellaの事業をPlanet Labsに売却することを、金曜日(米国時間2/3)に確認した。しかし売却の条件に複数年のライセンス条項が含まれているので、Google Earthなどの宇宙から地表を見た画像は、従来どおり提供される。

Planet LabsのWill MarshallInが、買収を発表するブログ記事で、SkySatの高解像度の画像衛星を7基入手できたことは“たいへんありがたい”、と言っている。中解像度の画像衛星を、同社は60基保有している。中解像度というのは3〜5メートルの精度、という意味で、Googleの衛星なら1メートル弱の精度を提供できる。だからGoogle EarthやGoogle Mapsの画像は、上図のように非常にくっきりしている。

PlanetはTerra Bellaの能力を宣伝して顧客層を広げたい。今でも同社の事業は順調だが、高解像度の画像を提供できれば、顧客企業が抱える消費者製品の増客にも貢献するだろう。そういう新市場開拓の形はまさに今、Googleへのライセンス提供、という形ですでに一つ実現している。

Terra Bellaも元々はGoogleによる買収の成果で、2014年に5億ドルで取得したSkybox Imagingがその原型だ。Googleは最近、包括的な親会社Alphabetを創設するなど、機構の合理化に取り組んでおり、衛星画像に関しても、機械設備の自社保有よりも専門企業からのライセンス購入の方が合理的、と判断されたのだ。

買収の価額等は公表されていないが、本誌の前の記事では、もうひとつの買い手候補Climate Corporationの予定価額が3億ドルとされていた。

金曜日の朝Planetは、キュビスト(cubist)と呼ばれる小型で低コストの衛星を、新たに88基打ち上げる計画を発表した。一度に打ち上げる人工衛星の数としては新記録であり、打ち上げは2月14日を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

新築のワールド・トレード・センターのモールにFordが交通の未来をテーマに展示スペースをオープン

Fordが、新しいワールド・トレード・センターのショッピング・モール、Westfield World Trade Centerに、FordHubと呼ばれる区画をオープンした。でもそこでは、車を一台も買えない。

その代わりこの区画には、ニューヨークの観光名所へ行くためのいろんな方法(自転車、地下鉄、ほか)を紹介する巨大なスクリーンや、交通渋滞の発生原因を説明する簡単な力学モデル、未来の交通を表すいくつかのコンセプトの展示などがある。なんと、未来には、道路が自分で自分を修復するのだ。

Fordのかんじんのビジネスである自動車に関しては、このハブの壁に5000台のミニチュア・モデルが埋め込まれているだけだ。FordのAndrew Birkicによると、この展示施設は“消費者と接するための機会”であり、“自動車会社から自動車と移動に関する企業への”Fordの変身を強調することが目的だ。

たしかに、とくにニューヨークのような大都市では、移動手段は車だけではない。そしてFordは、交通のそのほかの形でも、役割を発揮したいのだ。たとえば昨年の秋には、Ford Smart MobilityがシャトルとライドシェアのスタートアップChariotを買収した

Birkicによると、FordHubはほかの都市にも開設したい。次は、サンフランシスコが候補だ。ではとりあえず、上のビデオでその概要をご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Uber CEOのTravis Kalanickが経済諮問委員を辞任

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Uber CEOのTravis Kalanickがトランプ大統領の経済諮問委員会から離脱した、とするRecodeNew York Timesの報道内容をTechCrunchが確認した。Kalanickは、SpaceX CEOのイーロン・マスクも参加している、昨年末に設立された諮問委員会で、アメリカ現地時間の2月3日にトランプとビジネスに関する議論を行う予定だった。トランプと直接仕事をするという彼の決断は多くの批判を浴び、Kalanickとトランプ政権の関係性は、少なくとも最近ソーシャルメディアで巻き起こっている#DeleteUberキャンペーンが発足した理由のひとつとなっている。さらにこのキャンペーンの結果、Uberは初めてライバルのLyftに、人気ナンバーワン配車アプリの座を奪われることになった。

諮問委員辞任のニュースは、Kalanickとトランプの関係性についての不満を公言する人もいた、UberユーザーとUberの従業員どちらにとっても良い知らせとなるだろう。New York Timesが入手した社内メールによれば、Kalanickは従業員に対して、諮問委員会への参加は「トランプ大統領や彼のアジェンダへの支持を表明するものではない」が、「残念ながら」そのように受け取られてしまったと伝えたとされている。また、ニューヨークシティで活動するUberドライバーの独立組織は、2月2日にKalanickの諮問委員辞任を求める嘆願書を提出後、彼が実際にアクションをとったことに「励まされた」とTechCrunch宛のメールで語った。

移民規制に関するトランプの大統領令に対する反応として、Kalanickは2月3日の委員会で、件の大統領令についての懸念事項をトランプ自身に伝えるつもりだと以下のようにFacebook上で語っていた。

各国政府がそれぞれの移民規制策をとっている一方で、アメリカは建国当時から世界中の人々を迎え入れて、アメリカを彼らの新しい母国にするという政策をとってきました。つまり今回の大統領令によって、多くの無実な人々に悪影響が及ぶ可能性があります。私は金曜日にワシントンへ行き、トランプ大統領の初となる経済諮問委員会で、この問題を議題のひとつとして取り上げます。

既に諮問委員を辞任したため、もうKalanickは移民問題を委員会で取り上げることはできないが、2月2日に送られた社内メールで彼は「移民規制の大統領令や、大統領令が持つ私たちのコミュニティへの影響について、トランプ大統領と話をしました」と述べ、さらに諮問委員を辞任する旨をトランプに伝えたと記した。

以下がTechCrunchの入手した、従業員宛のKalanickの言葉だ。

「従業員の皆様へ

私は本日、移民規制に関する大統領令や、この大統領令によって発生する私たちのコミュニティにとっての問題点について、トランプ大統領と話をしました。さらに彼には、私が経済諮問委員会へ参加できないという旨も伝えました。同委員会への参加は、トランプ大統領や彼のアジェンダへの支持を表明するものではありませんが、残念ながらまさにそのように受け取られてしまいました。本件に関して熟考を重ね、私たちの企業文化と照らし合わせた結果、特に関連性が高いと思われた項目は以下の通りです。

Inside Out ー Uber(もしくは私)がトランプ政権のアジェンダを支持しているという憶測によって、Uberの外にいる人のUberに関する認識と私たちの実態の間に、ギャップが生じてしまいました。

Just Change ー 私たちは、アクションを起こし続けることで、最終的に何かを成し遂げることができると信じなければいけません。移民規制に関してだけでも、私たちなりに貢献する方法はたくさんありますが、諮問委員であり続けることがその障壁になると判断しました。今回の大統領令によって、アメリカ中の人々が痛みを感じています。家族は引き裂かれ、移住希望者は海外に取り残され、アメリカはもはや移民を迎え入れる国ではなくなったのではないかという不安が強まっています。

移民や難民の受け入れは、アメリカ、そして正直に言うとUberの成功の鍵でもあります。私はThuanやEmilのように、より良い生活を手に入れようと、難民としてアメリカに移住した人々と直接一緒に仕事ができることを大変誇りに思っています。従業員の皆さんや皆さんの家族、さらには痛ましい経験をした何千人ものドライバーの皆様にとっては、つらい一週間であったとお察しします。

火曜日に皆さんから伺った質問やお話、さらにはドライバーの方々から伺ったお話をうけて、私は立ち直り『Be Yourself(自分らしくあれ)』という私たちが最も大切にする価値観のひとつを思い出しました。私たちが将来への希望を持って安心して自分らしくいられるように、私たちのコミュニティにいる移民の人権のために戦っていきましょう。

Travis」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter