Instagramの画像からショッピングができるGeeneeがシリーズAで440万ドルを調達

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Instagramのようなプラットフォームでのコンテンツの閲覧と、オンラインショッピングとの間には大きな溝がある。インフルエンサーたちは、リンクを貼ることができないInstagramで彼らのポストをマネタイズする方法を探していた。RewardStyleと同じく、そのために生まれたのがGeeneeだ。

Geeneeは、Instagramを通してオンラインショッピングをすることを可能にするプラットフォームだ。ユーザーは気に入ったポストのスクリーンショットを撮影してGeeneeのアプリにアップロードし、そこで表示されるアイテムの中から買いたいものを選ぶだけでいい。画像認識技術を活用したGeeneeは、ポストの画像に写っているアイテムのブランド、SKU(最小管理単位)、そしてその商品を取り扱うショップを自動で判断するのだ。

Geeneeは現地時間1日、シリーズAでHighlight Communications AGなどから440万ドルを調達したことを発表した。Constantin Media AG、Stephen Cohen、Steve Titusなども本ラウンドに参加している。

現状ではファッション分野のみにフォーカスする同社だが、同プラットフォームは将来的に様々な分野に応用できると創業者のThorsten Magersは話している。

インフルエンサーがInstagramのポストをマネタイズために必要なのは、一度きりのGeeneeの利用登録だけだ。それにより同社はインフルエンサーのInstagramのプロフィールとポストにアクセスできるようになる。するとGeeneeは、それらのポストをすべてスキャンし、そのアイテムの在庫情報を取得し、そのアイテムを同社のアフィリエイト・プログラムと結びつけ、ユーザーをそのアイテムが購入可能なショッピング・ポータルへと誘導する。

「ユーザーがインスパイアされた”瞬間に”行動できる機会を与えるというアイデアです」とThorsten Magersは語る。「これまでは、ユーザーはRewardStyleから送られてくるEメールを待つか、自分自身でそのアイテムを探す必要がありました。しかし私たちのサービスでは、そのプロセスがスクリーンショットを撮るのと同じくらい簡単になるのです」。

Geeneeで買い物ができるのは、Geeneeに登録したインフルエンサーによってアフィリエイト・ネットワークに追加済みのアイテムだけだ。しかし、そのアイテムが入手不可能な状態であったとしても(古すぎるアイテムや、レッドカーペットで着用されるような新しすぎるアイテムなど)、同アプリはそれに類似するアイテムをユーザーに提示する仕組みとなっている。

RewardStyleと同じように、Geeneeは売り上げの一部を受け取り、さらにその一部をインフルエンサーに支払う。

現在のところ、Geeneeに登録しているインフルエンサーは約200名で、同社のアフィリエイト・ネットワークには5000以上のブランド、数百万点のアイテムが登録されている。

Geeneeを使ってみたいと思う読者はこのWebサイトをチェックしてほしい。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

震動検知モバイルアプリのMyShakeは、地震データの世界ネットワークを作る

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去る2月、UCバークレーの地震学者グループが、MyShakeというアプリを発表した。地震活動を受動的に監視するシステムで、地震を記録すると共に、発生している最中には人々に警告する。アプリは開発者の予想を超え、発表後数ヵ月間に10ヵ国以上で200回以上の地震を検出した。

すでに20万回以上ダウンロードされているが、同時に動いている数はわずかだ。正確に測定するために、アプリはスマートフォンが静止するのを待って動作する。それでも最初の6ヵ月間で、このセンサー・ネットワークが極めて有効であることを証明した。

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地震発生地(星印)と近くのデータポイント。

「MyShakeが大きな地震だけでなく、不可能だと思っていた小さな地震も検知できることがわかった」とアプリ開発者の一人、Qingkai KongNew Scientist誌に話した。

初期の結果を報告した論文は、Geophysical Research Lettersで公開されている ― アプリ成功の概要が論文の要旨に書かれている。

通常1日に約8000台の端末から加速度波形データがMyShakeに送られてくる。端末アプリはP波の初動を検出し、マグニチュード2.5以上の地震を記録する。これまでに一回の地震から得られたデータが一番多かったのは、南カリフォルニアのボレゴプリングスで起きたM5.2の地震で、MyShakeは有効な3種類の波形データを103件収集した。Google Playストアでは毎日アプリが新たにダウンロードされているので、ネットワークは拡大を続けており、地震が続けて起きた時等人々の関心が高まった時には、急速に増えている。

スマートフォン等の携帯端末の加速度計が驚くほど役立つことは科学者やエンジニアが報告している。何十何百もの端末が、震源地からの距離と高度が様々な場所に置かれていることは、地震学者にとって計り知れない価値がある。また地震の多い地域では、事前に警告を発することで、避難の準備や声をかけあう時間を少しでも増やして安全性を高められる。

MyShakeは世界中で最近起きた地震のサマリーも提供していて、自分の住む地域で過去にどんな地震が起きたかを知ることができる。私もインストールしたので、シアトルに大きい地震が来たときに誰よりも早く行動できるが、もちろんその過程で科学コミュニティーに貢献できれば光栄だ。

アプリはAndroid用のみ。無料でここからダウンロードできるので、ワールドワイドネットワークの構築に協力しよう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AWSがローンチするBloxはEC2 Container Serviceのためのオープンソースツールのコレクション

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AmazonのクラウドコンピューティングプラットホームAWSはかなり前から、EC2 Container Service(ECS)でもってソフトウェアコンテナのサポートを提供してきた。今日の同社のデベロッパーカンファレンスre:Inventで同社は、コンテナのサポートの仕方に関するいくつかのアップデートを発表した。コンテナは今や、分散アプリケーションを運用する方法の定番とも言える地位に、急速に上(のぼ)りつめている。

まず、EC2のこのコンテナサービスは、カスタマイズの幅が広がる。とくに、Task Placement Engineと呼ばれるツールにより、デベロッパーはコンテナを特定の可利用域に配置できるようになる。

“コンテナの管理と実行は、弊社の少なからぬ顧客にとって、とりわけ一部のオープンソースソフトウェアを使った場合、苦労が多すぎた”、とAmazonのCTO Werner Vogelsが今日のキーノートで述べた。ECSの今回のアップデートは、その苦労の一部を軽減することが目的で、AWS上でコンテナを使うユーザーに、より多くの柔軟性を与える。

また今日Amazonが発表したBloxは、ECS用のコンテナ管理ツールを作るためのオープンソースプロジェクトのコレクションだ。たとえばコンテナのスケジューラーを作りたければ、MesosのようなサードパーティのスケジューラーをECSに統合できる。

Bloxが最初に提供する二つのプロジェクトは、どちらもGitHub上にある。それらは、クラスターのステートをチェックするサービスと、デーモンのスケジューラーだ。これまでオープンソースのコミュニティとは比較的‘浅い仲’だったAWSにしては、興味深い動きだ。しかしコンテナのエコシステムはその大半がオープンソースのプロジェクトに支えられているから、Amazonとしてもそろそろ積極的に関わった方が得策かもしれない。BloxプロジェクトはApache 2.0のライセンスで公開される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AngelListがスタートアップのプロダクト発見サイトProduct Huntを買収

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スタートアップのためのLinkedInと呼べるAngelListは、ユーザーがスタートアップのプロダクトに人気投票できるProduct Huntを買収した。買収額は非公開だ。

ここ数ヶ月、Product Huntは資金調達に動いているという噂があった。だが、AngelListへの売却がProduct Huntの未来にとって最適な道であり、手を組むことにしたとProduct Huntのファウンダー、Ryan HooverはTechCrunchに話す。

Hooverはこのプラットフォームをローンチしたすぐ後に、Product Huntにも投資しているAngelListのNaval Ravikantと知り合った。当初、HooverはAngelListがProduct Huntと同じコンシューマー向けのプロダクト発見プラットフォームになることを危惧していたという。

AngelListの方も、Product Huntは彼らのようなスタートアップのための資金調達プラットフォームに簡単になることができると考え、不安視していたそうだ。両社は話し合いを重ねた結果、そうした不安が現実のものとはなることはなかった。Hooverは、両社が手を組むことでできることが増えると話す。

Hooverは資金調達を実施しようとしていたことに関しては否定しなかった(調達の規模は聞いたところによると700万ドルから900万ドル規模)。この4ヶ月間、Ravikantと売却した場合はどのようになるかを話していたという。

「こちらの方が良い選択でした」とHooverは売却を決めた理由についてに話す。「これが唯一の選択肢だったということではありません」。

Hooverは他の選択肢については言及しなかったが、AngelListとは信頼関係があり、互いに一致する部分があるからこそ成立したという。

「次のステップに進むためにとても重要なことです」とHooverは言う。「Navalと彼のチームを見て、例えばProduct Huntを買収してすぐに閉鎖しないか知る必要がありました。Navalは、Product Huntが描く未来のビジョンを信じていたから私たちに投資したことをはっきりと示しました」。

RavikantもHooverと同意見のようだ。彼はTechCrunchに対し「Product Huntは私たちにとってもぴったりです」と話す。

「私たちはファウンダーが資金調達したり、人材を獲得したりするのを助けています」とRavikantは言う。「Product Huntが加わることで、私たちはファウンダーがローンチしたプロダクトのアーリーアダプターとなるカスタマーを見つける助けもできます。ファウンダーを支援をするという私たちのミッションに沿うプロダクトです。この買収で、私たちはテクノロジー企業のネットワークになることができます」。

Product Huntは過去にテクノロジーの分野に留まらず、メインストリームのプロダクト発見サービスになることに苦しんだ。しかし、彼らはテクノロジーの分野で流行を生み出すプラットフォームに成長した。2013年後半にローンチした時にはプロダクトは1000程度だったが、現在では5万の企業を収録し、1億回のプロダクト発見につながっているという(Product Huntからプロダクトのサイトに飛んでいる人の数を指している)。

「数百万人がテクノロジー業界で働き、テクノロジーは私たちの全員の生活に影響を与えるものです。新たにAngelListとProduct Huntが組むことで、テクノロジー業界を支援することができます。それで私たちのミッションが犠牲になることも、プラットフォームをさらに成長させるという会社のビジョンも持ち続けることができます」とHooverは話す。

AngelListの傘下に入ることで、Product Huntが今後どのように変わるかは分からない。しかしHooverはこれまでと大きな変更はないと話す。HooverはCEOを続け、Facebookが買収したInstagramと同じように、Product Huntは独立した運営を行っていくという。

Hooverと彼のチームは、サンフランシスコのオフィス賃貸の問題に悩まされ、大部分はリモートで働いているという。彼らは、サンフランシスコの金融街にあるAngelListの本社に設けたProduct Huntのためのスペースに入るそうだ。

Hooverにとって今後の課題は両社のチームを一つにまとめることだ。「全員にとってこの変更をスムーズに行うには課題がたくさんあります。100%完璧にはできないかもしれませんが、それでも良いと思います」とHooverは言う。「ホームレスでなくなり、プロダクトの開発に集中することができるようになるのは良いことです」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Just Eat、ロンドンで自走ロボットを使ったテイクアウト配達を正式運用

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ロボットが料理を届けてくれる。ロンドン市グリニッジの住民は、近くのテイクアウト用レストランから料理を注文すると「最後の1マイル」を無人の6輪保温ロボットが運んでくれるサービスを受けられるようになった。Engadgetによると、ロボットは今年実施していたテスト期間を経て「正式運用」に入った。

聞かれる前に言っておくと、ロボットは「不正開封防止」機構を備えているので、おいしそうなカレーの匂いをかぎつけた通行人がこじあけてタダ食いする心配はない。また、セルフィーを撮るために来て欲しいと思った人は残念 ― ロボットはランダムに割り当てられるため、たとえ運よくグリニッジの対象地域に住んでいる人も、Just Eatに配達方法をリクエストすることはできない。

このデリバリーサービスにロボットを提供しているStarship Technologiesは、Skype出身のAhti HeinlaとJanus Friisのふたりが設立したスタートアップだ。先日連絡を取ったところ、テストの目的は、歩道を走るロボットを見て人間がどう反応するかを見るためでもあったと話した。どうやら少なくともグリニッジでは、良い結果がでたようだ ― この地域で陸上ドローンの数を増やすと共に、来年にはロンドンの他の場所にも広げていく計画だ。

Starshipのロボットは大西洋の向こうを走っているだけではない。既にワシントンDCでの試行が承認されており、サンフランシスコでも今年暫定許可を受けた

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Engeneeringの責任者が機械学習を解説―ビデオ・チュートリアル公開

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数学を勉強すること。もっと数学。さらに数学―というのが人工知能に興味ある学生に対するに対するFacebookの人工知能ラボの責任者、 Yann LeCunと応用機械学習グループの責任者、Joaquin Quiñonero Candelaのアドバイスだ。

テクノロジー企業は必要な能力としてよくSTEMという頭文字語を使う。 科学、テクノロジー、工学、数学(science, technology, engineering, math)の略だ。今回公開された人工知能と機械学習に関するチュートリアル・ビデオは学生に対するアドバイスとしても大いに役立つだろう。Facebookによれば、学生がやるべきことは野菜を残さず食べる他に数学 I、 II、 III、線形代数、統計をできるだけ速い時期にマスターすることだという。

このリストの中では特に統計学が目立つ。私の高校時代にはこの教科は一流大学を目指す生徒にはAP〔進学に有利となる高度授業〕の点数計算で有利でないとして無視されることが多かった。

微分方程式が機械学習の原動力となるエンジンなら統計は器械の歯車そのものだ。記事末にFacebookのAIのビデオ・チュートリアル(AI explainer)をエンベッドした。

本当のことを言えば、 LeCunと Candelaのビデオの対象は大学生以上だろう。しかし「どの科目がどのように重要なのか」は教育のあらゆるレベルで動機づけに欠かせない。それに加えて、われわれの日常生活でも統計の知識はこの上なく役立つ。Facebookの2人の科学者が「数学。もっと数学」と述べているとおり、数学は科学、工学一般ばかりでなく、コンピューター科学、経済学、神経科学など今日非常に重要になっている分野でも必須だ。広告の効果を強化するためにニューロン・ネットワークと認知科学を機械学習に応用するなどということは数学なしに実現できるはずがない。

統計学は知識と学習の本質を理解するという哲学上の重要課題の入り口でもある。最近Facebookのニュースフィードのバイアスの有無について議論されているが、忘れてならなないのは、たとえ機械学習だろうと、すべてのアプリの背後にはそれを作った人間がいるという点だ。われわれは人工知能の進歩によるコンピューターのブラックボックス化という問題に対する効果的な対策をまだ見つけていないが、それを見つけようとしているのはまさしく人間だ。またデータをやみくもにいじる前に、学習の本質がどういうものであるかを理解しておくことが重要になる。

最後の方でFacebookは機械学習の分野でどのような職に就けるか簡単に説明している。といっても説明のほとんどは自明だ。機械学習を実際にマスターしようとするならまず適切な指導教授を見つける必要がある。PhD課程の院生は教授より時間に余裕があるからいろいろ指導してもらえるかもしれない。企業でインターンとして働いてみるのは現実世界でAI(がどのように使われているかを知るのによい方法だ。

実のところ、実際にPhD課程に応募する場合、大学のランキングなどより指導教授の方がはるかに重要になるとFacebookの2人は注意している。一度博士課程に入学を許されたら、未解決の問題を探し、それを解決するコードを書きオープンソースで発表するのが大切だという。

〔日本版〕以下のビデオの音声は英語だが、アニメーションや図解だけでも理解の助けになる。また日本語で説明する際のヒントにもなりそうだ。

AI入門

機械学習とは


勾配降下法(Gradient Descent)


ディープラーニング

誤差逆伝播法(Back Propagation)


畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)



Featured Image: Getty Images/Yuri Khristich/Hemera (modified by TechCrunch)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Genesis Partnersから5000万ドル規模のF2 Capitalがスピンアウト:イスラエルを拠点にアーリーステージ投資に特化

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イスラエルのVCであるGenesis Partnersのシニア・インベスティングチームに所属する3人が独立し、アーリステージの企業への投資に特化するF2 Capitalを設立した。

Genesis Partnersをご存じない方のために補足しておくと、同ファンドはこれまでに、AppleやIBM、Microsoft、Sapiensなどが買収した企業や、アメリカ株式市場のNasdaqへ上場を果たした企業を生み出してきた。

ポートフォリオ企業の中でも、Appleが3億6000万ドルで買収したと報じられた3DセンシングのPrimeSenseや、玩具メーカーなどの企業がインターネットに接続されたプロダクトを製作することを手助けする、比較的新しいスタートアップのSeeboなどの名前は聞いたことがあると言う人もいるだろう。

Genesis Partnersは6億ドル規模のグロースステージVCである一方で、Eddy Shalev、jonathan “Jonny” Saacks、Barak Rabinowitzが今回新しく設立したF2 Capitalは、今まさに5000万ドル規模のファンドを組成中のシードステージVCだ。

RabinowitzがTechCrunchに話してくれたところによれば、F2のリミテッド・パートナーは主に、イスラエルやアメリカ、オーストラリアに拠点構える関連ファンドだという。

またF2 Capitalは、同じくGenesis Partnersが創設したアクセラレーター・プログラムのThe Junctionの運営を引き継ぐことが決まっている。2011年に創設したThe Junctionは、起業家と大企業とのコネクションづくりを目的としたプログラムだ。HP Inc、SAP、MunichRe、Enel、Tesltraなどが同プログラムの戦略的パートナーとして参加している。

創設以降、The Junctionは進化を続けている。F2のプレスリリースによれば、同プログラムの選考方法は、イスラエル軍のエリート部隊「Gibbush」の候補者選考モデルを参考にしているという。合計で250社がピッチを行い、その内6ヶ月のブートキャンプに参加できるのはたったの5社だ。

F2はその5社が発行する転換社債を引き受け、各社に10万ドルを出資する仕組みだ。後のラウンドにおいて、それらの企業に追加資金を出資する可能性もある。

これまでに、Appsflyer、Honeybook、Simplee、ClarityRay(Yahoo!が買収済み)、KitLocate(Yandexが買収済み)、Moment.me(Wixが買収済み)などがThe Junctionに参加している。

直近のThe Junctionブートキャンプに参加している企業は以下の通りだ:

  • RegulusX:ドローンや小型ロボット向けのファイヤーウォールやアンチウイルス
  • Convexum:悪意のあるドローンに対する境界セキュリティ
  • PrintCB:サーキットボードを制作できる3Dプリンター
  • TestCraft:クラウドベースのQAテスト・システム
  • ClanPlay:ゲーム内のチャットと同期する、ゲーマー向けのメッセージング・アプリ

Rabinowitzによれば、The Junctionに参加する企業を除いて、F2 Capitalがコンシューマー・アプリや、コンテンツ系企業、バイオテック企業に投資をすることはないという。

その代わりにF2がフォーカスするのは、彼らが「フロンティア・テクノロジー」と呼ぶ分野、つまり、既存の産業を塗り替えたり、まったく新しい産業を生み出すようなテクノロジーだ。

Rabinowitzは、「フロンティア・テクノロジーと言えば、趣味の範囲で利用されるドローンやVRゲーム、コンシューマー向けのクールなプロダクトなどを思い浮かべる人もいます。しかし、私たちにとってのフロンティア・テクノロジーとは、ビッグデータ、AI、コネクティビティを横断的に活用した、多数のセグメントで活躍するプロダクトです」と語る。

より具体的な例として彼は、洗練された保険テクノロジー、VRとARの開発環境とそのユーザー・エクスペリエンスを向上させるテクノロジー、単に写真を撮るという機能以上のものを備えたドローン、コネクテッドカー、サイバーセキュリティなどを挙げている。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

不動産取引プラットフォームのOpenDoorがシリーズDで2億1000万ドルを調達:リスキーなビジネスモデルという評価を跳ねのける

Home and money on hand

本日(現地時間11月30日)午後、Norwest Venture PartnersはOpenDoorにシリーズDで2億1000万ドルの巨額出資を完了したことを発表した。OpenDoorは今回調達した資金を利用して、同社が展開する不動産取引プラットフォームを10都市に拡大することを目指す。

OpenDoorの特徴は、自社で不動産の在庫を抱えているという点だ。不動産の再売却価格を予測するために同社が導入している予測分析のアルゴリズムは複雑である一方で、実際の不動産取引フローはかなり効率化されている。

ユーザーがOpenDoorで不動産を売却したいと考えている場合、そのユーザーは同社から不動産の売却価格を提示される。その売却価格に納得がいけば、ユーザーはOpenDoorに不動産を売却する。その後同社は不動産を修繕し、利益を得るために他のユーザーに売却するという仕組みだ。

OpenDoorは買い手を惹きつけるために、セルフサービスの不動産見学を随時開催している。スマートロックとセキュリティカメラによって実現されたサービスだ。OpenDoorで不動産を購入する際には、180項目もの住宅の品質審査とワランティ、そして30日間のキャッシュバック保証がついてくる。

昨年の今頃、同社はシリーズCで8000万ドルを調達している。すべてのラウンドを合わせると、同社の合計調達金額は3億2000万ドルになる。OpenDoorのバリュエーションがユニコーンとして認められる10億ドルにすでに達している可能性は高い。

本ラウンドにはNorwest Venture Partnersの他にも、NEAKhosla VenturesGGV CapitalAccess IndustriesFifthWallLakestarSVB CapitalCaffeinated CapitalFelicis Venturesが参加している。OpenDoorで経営執行役会長を務めるKeith Raboisは、Khosla Venturesのパートナーも務めており、同VCが本ラウンドにも参加していることは注目すべき点だといえる。CrunchBaseによれば、Khosla VenturesがOpenDoorに資本参加したのは2014年のシリーズAからだ。今回のラウンドまではKhoslaが同社の筆頭株主だったが、今日のラウンド後の出資比率はまだ分からない。

Norwest Venture Partnersは今回の出資にあわせて、OpenDoorが「数百万ドル」の負債を抱えていることを公表している。この負債は同社が不動産の購入に利用した資金だ。通常、フィンテック企業やマーケットプレイスが資金を借り入れる際には、その前に彼らのビジネスモデルがもつ可能性を証明することが求められる。

このビジネスモデルの話がうますぎると感じている者は少なくない。多くのメディアでは、景気の下降局面で同社のビジネスモデルが抱えるであろう問題について触れている。遠慮なしに言えば、景気下降局面で売れ残った住宅を多く抱える企業の株価はこうなってしまう。

それに対してOpenDoorは、同社の「摩擦のない」マーケットプレイスによって全体のリスクを減らすことができると主張している。また、経済的なメルトダウンが発生した場合には、住宅の売り手はどんな値段でも良いのでOpenDoorに売却したいと考えるため、どんな状況でもOpenDoorは利益を得ることができるとも話している—ほとんど不可能とも言える将来予測が可能だと仮定すればだが。

同社は現在200名の従業員を抱えており、OpenDoorのサービスはダラス/フォートワース地区とフェニックスで利用可能だ。これらの地域におけるOpenDoor上での不動産取引のボリュームは約6000万ドルとなっている。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

月経周期を予測するClueがNokia Growth Partnersなどから2000万ドルを調達

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機械学習を応用して女性の月経周期を予測するClueは現地時間11月30日、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。

本ラウンドにはヘルスケア分野にフォーカスする投資家の数々が参加し、リード投資家はNokia Growth Partners(NGP)が務めている。この他にも、既存投資家のUnion Square Ventures、Mosaic Ventures、Brigitte Mohn、Christophe Maireも本ラウンドに参加した。また、本ラウンドからGiving WingsとFabriceも同社に資本参加している。

ベルリンを拠点とするClueは2013年に創業し、月経周期を予測できるアプリを開発している。その後同社は順調に成長を続け、現在のユーザー数は500万人となっている。現バージョンでは、女性の機嫌や彼女らが「その気」であるかどうかまでトラッキングすることが可能だ。

Max Levchinが所有するEveや、Cycles、Life、My Calenderなどのアプリと同じく、Clueは月経周期のトラッキングという成長セクターに属するアプリだ。また、先日にはついにiPhoneにも月経周期のトラッキング機能が追加されている。

Clueを利用することで、ユーザーは前回の生理日を確認したり、ホルモンバランスの変化によって起きる体調の変化を調べたりすることができる。また、同アプリでは生理日を予測するカレンダー機能も提供されている。

Clueは今回調達した資金を利用して、アプリにさらなる改良を加えていくとしている。新機能の詳細については明らかにされていないものの、創業者のIda Tinは今年9月に開催したDisrupt SFに登壇した際、「ウェアラブル端末やスマートフォンが、病気の予測において技術的により高度な機能を提供できる日が来ることを楽しみにしている」と話している。

それと同じ頃、Clueはユーザーが自分の生理データを他のユーザーとプライベートに共有できる機能を発表している。同社によれば、現在190カ国以上の女性が自分の月経周期や「妊娠の窓」、そして月経前症候群(PMS)を正確に予測し、そのデータを友達やパートナーと共有しているという。

NGPのWaltr Masalinは、今回の投資に踏み切るための重要なファクターとなったのは同社が持つデータだと話し、Clueはモバイル・ヘルスケアに「変化をもたらす」プレイヤーの1つだと語る。

その意見にTinは同意し、彼女はTechCrunchへの返答の中でこのように話している。「Clueのミッションとは、女性の健康とその改善をグローバル・アジェンダの再優先課題に置くことなのだと、今改めて強く感じています」。

「私たちのビジョンに共感する一流の投資家とパートナーシップを結ぶことができたことに、感激しています」とTinは話す。「世界人口の半分が女性だということを考えれば、このマーケットのポテンシャルとFemtech企業がもつチャンスの大きさに気がつくことでしょう」。

今回のラウンドを含めた同社の合計調達金額は3000万ドルだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

独自の「ビジュアルストーリー」でニュースを伝えるHardbound

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ゲームやFacebookばかりで、空き時間を無駄に使ってしまったと感じる人も多いようだ。そんな人に使ってもらいたいと生み出されたのがHardboundだ。単なる時間つぶしでなく、空き時間を利用して、面白い情報を入手できるようにしようとするアプリケーションだ。リリースされて1ヵ月ほどとなるこのアプリケーションは、スマートフォン上でビジュアルを重視したインタラクティブコンテンツを提示し、それにより科学、歴史、テクノロジー、ビジネスなどのトピックスについての記事を読むことができるのだ。最新版では、人気のストーリーがわかりやすく表示されるようにもなった。

アプリケーションでは、複雑な物事もできるだけシンプルに伝えることを重視しているようだ。

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たとえば最近、「How the Electoral College Became a Thing」(選挙人制度の仕組み)という記事が公開された。詳しい知識を得る機会がなかったが、今回の選挙をきっかけに調べてみようかと思う人に向けたコンテンツだ。

Hardboundは登場以来、上に記したような5分ほどで学習できるTipsを提供することを目的としている。コンテンツは写真、イラスト、および文書から構成されている。毎週木曜日に新しいコンテンツが通知されるようになっている。過去記事も読んでみたいという場合には、アプリケーション内購入で、購読申し込みをすることができる。

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このアプリケーションのアイデアを思いついたのは共同ファウンダーのNathan Bashawだ。Ryan HooverやJoe NguyenとともにProduct Huntを生み出した人物で、General AssemblyでiOSエンジニアを務めていた経験があり、またHollerbackの共同ファウンダーでもある。

Full Tilt Capital、Betaworks、Maveron、およびエンジェル投資家からのシード資金を集め、そして今回のアプリケーションリリースにつながったそうだ。現在の読者数は、ウェブ版およびモバイルアプリケーション版をあわせて10万を数え、500万「ページ」が閲覧されたのだとのこと。

使ってみると、たしかにHardboundが提供するさまざまな情報は興味深いものばかりだ。ただ、週に一度、新規情報追加の通知を伝えるだけでは、多くの人の興味をかきたてるまでには至っていなかった。

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そこで登場したのがHardbound 2.0だ。新着通知に伴って、「The Nightcap」と題して注目記事の要約なども通知するようにしたのだ。

通知は月曜日から木曜日の夜8時頃に送られ、注目記事のわかりやすいまとめが送信されるようになった。

注目記事のセレクションに独自性を持たせており、たとえばトランプ次期大統領の公約についてや、投票結果の再集計についての記事もあれば、マウスの脳をワイヤレスで制御する神経科学についての記事などが取り上げられる。切り口としては、「必須の情報」ではないものの、知っておくと「面白い情報」をメインに据えている様子。

さまざまなニュースを扱い、重大とは言わないまでも面白そうなニュースを提供するということに力を注いでいるようだ。

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Nightcapのセクションにはいくつかメインのストーリーがあり、そして「おすすめ」記事や、簡単なハイライトなどが掲載されることもある。記事の内容はさまざまなメディアやブログ記事などを元にしたものが多い。

Nightcapの記事をいろいろと眺めてみるのは、SnapchatやTwitter Momentの楽しみ方と似ていると言えるかもしれない。そのおかげで、最初から親しみを感じる利用者も多いことだろう。ただ、それだけに他のアプリケーションでなくHardboundに注目してもらうということに難しさもある。

提供コンテンツのキュレーションについては、まだまだ試行錯誤の段階であるとのこと。記事自体は短いものの、簡単な内容を回りくどく記しているように感じられてしまうコンテンツもある。記事を短くするよりも、わかりやすさを重視することに着目すべきなのかもしれない。また「our take」と名付けたおすすめ記事についても、ただ機械的にコンテンツを列挙しているように見えるものもある。

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さまざまなニュース情報を短くまとめるということは、当然ながら難しいものだ。

そんな中、The Skimmなどは日々のニュースをニュースレターやアプリケーションにまとめて提供して、多くの読者を集めている。また、今のところ情報提供の観点からみると不満は多いものの、SnapchatのStoriesを活用しているパブリッシャーも多い。また、新しく参入してきたZoltなども注目を集めている。しかしYahooなどの大企業規模にて成功したニュースダイジェスト・サービスというのは未だ存在しないのだ。

そのような中にあっても、BashawはHardboundの可能性を信じているのだとのこと。

「私たちは”visual stories”というものを提供しており、こうしたコンテンツ提供の形を広く広げていきたいと考えがえているのです。たとえば過去5年のうちに、数多くの人々がポッドキャストを活用するようになりました。そのような広がりを目指したいと考えているのです」と述べている。

「私たちの提供するビジュアルなストーリーテリングは、読者のひととより密接なつながりを実現できると考えています。読者の人々も、より簡単に、かつわかりやすく身の回りのできごとを理解できるようになると思うのです。これまでのところは、そうした将来に向けた可能性を探っているところなのだと理解していただければと思います」。

コンテンツはすべてを内製するのではなく、パートナーに任せることにより規模の拡大を目指したいとのこと。コンテンツ自体よりも、コンテンツのフォーマットの方をウリにして、ビジネスを拡大していきたい考えだ。さらには情報の提供形式を広告にも使って行きたいという考えもある様子。

HardboundはiTunes App Storeより無料でダウンロードすることができるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H

SNS連動型フォトプリントサービスを手がけるSnSnapがニューホライズンキャピタルに株式譲渡

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SNSフォトプリントサービス「#SnSnap」を手がけるSnSnapは本日、ニューホライズンキャピタルへ株式譲渡を実施したことを発表した。譲渡金額は非公開。

「#SnSnap」は、主にイベント会場などでプロモーションに活用できるフォトプリントサービスだ。イベント来場者は指定のハッシュタグを付けて写真をSNSに投稿すると、イベント会場ににある専用プリンターからその写真をオリジナルデザインのカードやスティッカーとしてプリントアウトすることができる。

2015年7月にサービスをローンチして以降、350件以上の導入実績があるという。年に数回リピートで利用するクライアントもいるとSnSnapの共同創業者代表取締役、西垣雄太氏は話す。「その場の会場だけでなくオンラインでも拡散できるコンテンツであり、どれくらい拡散できたかが可視化したデータまで揃うワンストップサービスであることが評価されています」と西垣氏は説明する。

SnSnapは2015年5月に創業し、わずか1年半ほどでエグジットを達成した(設立当初の会社名はドーグスで2016年1月に社名をSnSnapに変更している)。大手IT企業が事業強化のため、親和性の高いスタートアップを買収するというのは良く聞く話だが、今回の場合SnSnapはPEファンドに株式譲渡を実施している。

ニューホラインズキャピタルを株式譲渡先に選んだことについて西垣氏は「広告代理店やゲーム会社とも話をしていたのですが、事業会社の色をつけずにのびのびとSnSnapを成長させたいと考えていました。条件面で納得できたのがニューホライズンキャピタルでした」と説明する。

ニューホラインズキャピタルには資金面に加え、事業開拓と営業支援にも期待しているという。SnSnapはこれまで自社でクライアントの開拓を行ってきたが、ベンチャーだと政府や地方自治体などにはリーチしにくい。ニューホラインズキャピタルのネットワークを活かして、インバウンド旅行客に向けたPRや2020年を見据えた観光PRなども進めていきたいと西垣氏は話す。

今後は新規事業と広告サービスにも力を入れていくと西垣氏は話す。SnSnapは2016年10月、店舗やイベント会場に設置した機械で来場者がオリジナルデザインの写真や動画が撮影できる「#MirrorSnap(ミラースナップ)」を新たにローンチしている。来場者はメールアドレスや電話番号の登録かLINEの友達追加で撮影データを受信できる仕組みだ。店舗やブランド側にとっては、プッシュ通知などで来場者にイベント情報などを配信することができるようになる。

SnSnapは広告サービス「#REALAD(リアラド)」も10月にローンチした。これまでリアルの場でプロモーションを実施しても、継続的に来場者に向けたプロモーションを行うことは難しかった。「#REALAD」では、ブランド側がSnSnapで指定したハッシュダグを利用したユーザーに対し、リターゲティング広告の配信を可能にする。今後SNSの投稿の言語解析でブランドイメージの解析といったマーケティングに特化した事業も進めたい考えだ。

「リアルの場にしかない熱量、そしてデジタルにしかないマーケティング力の両方を活かしたサービスを展開していきます」と西垣氏は話す。それぞれのサービスを軌道に乗せ、SnSnapの成長を後押しするためにもまずは開発と営業人員の強化を図る予定という。

AWSのGreengrassはLambdaをIoTデバイスに持ち込む…ローカルなデプロイをサポート

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Amazonが今日、AWS Greengrassと名付けた新しいサービスをローンチした。それは、IoTデバイスに組み込むことによってその計算能力をアップし、よりスマートにする、というものだ。

AWSのCEO Andy JassyがAmazonのデベロッパーカンファレンスre:Inventのキーノートで述べていたように、企業が自分たちのサーバーをますますクラウドへ移行していくに伴い、オンプレミスのハードウェアの大多数はIoTデバイスになる。しかし通常は、これらのIoTデバイスは、それ自身ではCPUでもメモリサイズでも比較的非力なデバイスに終始するだろう。もちろん、だからこそ、それらのデバイスはクラウドに依存するのだ。しかしそれでも、コンピューティングをまさにそのデバイスの上で(ローカルに)やりたい場合もあるし、ときには、ネット接続がダウンすることもある。

Jassyは語る: “これらのデバイスがクラウドに頼って能力を補うのは容易だが、ときには、クラウドへ、クラウドから、という往復の旅をしたくないこともある。これまで、AWSのIoT提供物やデバイス管理サービスを使ってこられた顧客から何度も何度も聞かされるのは、これらのデバイス自身が、AWS上にあるときと同じような柔軟性とプログラムモデルをもって、コンピューティングをやれてほしい、ということだ”。つまり、何かの事情でクラウドにつながってなくても、同じ能力を持ってほしい、という要望だ。

GreengrassはAWS IoTとAWS Lambda(Amazonの“サーバーレス”コンピュートサービス)をベースに構築されている。デベロッパーがPythonでLambdaのコードを書くと、それをIoTデバイス上で即、動かせる。Greengrass Coreというものが、これらのLambdaファンクションをローカルに動かすが、AWSのクラウドも使えるし、ITのアドミンがデバイスとその上で走るコードを管理できる。

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AWSの発表声明は、こう説明している: “小さなデバイスのための組み込みシステムを開発している場合でも、今では現代的でクラウド対応の開発ツールとワークフローを利用できる。コードをクラウド上で書き、テストして、それをローカルにデプロイできる”。

以上をすべてやるには、Amazonはパートナーを必要とする、もちろん。自分でエンタープライズ向けIoTデバイスを作るわけではないのだから。今パートナーとしては、Intel、Qualcomm、Canonical、そしてAmazon自身のAnnapurna Labsがいる。デバイスは128MB以上のメモリと、1GHz以上のx86またはARMのCPUを必要とする。

このサービスは今はプレビューだが、互換デバイスをどこで手に入れるか、という問題がある。一般供用開始後は、三つのデバイス1年間にかぎり無料だ。その後は、Greengrass Core一つにつき(1デバイスあたり)月額0.16ドルで、デバイスの最大数は10000までだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DeNA守安氏「認識が甘かった」——WELQに端を発したキュレーションメディアの大騒動

DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

 

ディー・エヌ・エー(DeNA)は12月1日、ペロリが運営する女性向けキュレーションメディア「MERY」を除く、キュレーションメディアプラットフォーム「DeNA Palette」9媒体の全ての記事を非公開にすることを明らかにした。

先日から情報の不正確さや制作体制について各所で問題視されていた、医療・ヘルスケア情報のキュレーションメディア「WELQ(ウェルク)」を含め、MERY以外すべての運営が一次ストップするかたちとなる。その経緯は以下の記事にまとめた。

信頼性なき医療メディア「WELQ」に揺れるDeNA、MERYを除く全キュレーションメディアを非公開に

この一連の騒動に対してDeNAはどう考えているのか? 代表取締役社長兼CEOの守安功氏に話を聞いた。

「あとから監修」は認識が甘かった

–今回の一連の騒動について、どうお考えですか?

守安氏: WELQに端を発した一連の騒動に関しまして、多くの方々にご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げたいと思っています。

私自身、今回の騒動の問題点は2つあると考えています。1つめが医療・ヘルスケア情報の取り扱いに関して認識が甘かった点です。数カ月前から(WELQについて)医療関係者の監修がない状態で記事が公開されている事実を把握していました。当時、「後で監修をつければいいのではないか」と思っていたのですが、この認識が甘かったと思っています。医療・ヘルスケアというセンシティブな情報を取り扱うメディアとして、あるべき姿ではなかったな、と。監修をつけるプロセスは進めていましたが、もっと早い段階で取り入れるべきだったと思います。

2つめはWELQに限らず、私たちが運営するその他のキュレーションメディアも含まれることなのですが、記事の作り方に問題があったと思っています。BuzzFeed( Japan)が公開した記事を見まして、マニュアルや指示の内容、例示の仕方など記事を作る一連のプロセスがクリーンであったか、モラル的に問題がなかったかと考えると、決してそうではない。記事の作り方に問題があると感じました。

現場にも確認したところ、組織的に独立した形でやっているMERYを除き、私たちが運営している9つのキュレーションメディアは似たような体制で記事を作っていることが判明しました。最初、アップされている記事で問題があるものを順次非公開にしていくという方法も考えたのですが、それではWELQの医療記事と同じように判断が遅れてしまうと思ったので、MERY以外に関してはいったん記事を非公開にすることを決めました。現在公開されている記事の中には問題がないものも含まれていると思うので、その記事に関しては社内の管理委員会で内容を精査した上で、問題がなければ再度アップしていこうと考えています。

MERYに関しては組織が違うこともあり、運営ポリシー、記事の作り方も我々とは異なります。代表の中川(ペロリ代表取締役の中川綾太郎氏)にも問題がないことを確認しており、基本的には非公開措置はとらず、現状の運営方法でやっていってもらえればと思っています。

–最近の決算発表などを見ていると、ゲーム事業の次の柱にとしてキュレーションメディア事業を据えていましたが、事業を見直す必要性が出てきました。

当然、事業には大きな影響が出ると思っています。ただ、どれくらいの影響が出るかは分かっていないので、まずは今回の問題に誠意を持って対応した後で見直すつもりです。

–WELQに関しては、サイト終了前に広告販売を停止していたのですが、その他の媒体に関しても広告販売は停止するのでしょうか。

これから広告販売を停止していきます。これに関してはクライアント・代理店にご迷惑をお掛けしてしまったなと思っています。

–MERYはサービスを継続するということですが、今回の騒動の影響は出ているのでしょうか。

細かく把握はしていないのですが、今後は影響が出る可能性は高いと思っています。

–東京都福祉保健局から呼び出しがあったとITmediaが報じています。

DeNA広報:呼び出しといいますか、「WELQの内容に関してヒアリングしたい」という連絡があって、今後お会いする予定です。

グロースに注力する現場、どこまで把握していたか

–以前から「Medエッジ(メドエッジ)」というヘルスケアメディア(現在はWELQにリダイレクトされているため、実質的にはWELQの前身のメディア)を運営して言いました。どういった経緯でDeNA Paletteで医療やヘルスケア領域に参入することになったのでしょうか。

守安氏:もともとは「ヘルスケア」というジャンルで、医療よりも少しライトテーマで立ち上げたメディアです。サイトを運営していく中で、グロースを意識し始めた結果、医療情報が少しずつ入ってきて、今の形になりました。その変遷は認識していたのですが、(直近のような体制になるまで)止めることができなかった。

–「止めることができなかった」ということですが、どの程度DeNA Paletteの運営実態を把握していましたか。

DAU(デイリーアクティブユーザー)やMAU(月間アクティブユーザー)、売上といった数字の把握はしていました。あとは「SEOを重視していく」という方針は(自身が)出していたので、SEOを軸にしてメディアをグロースさせていく運営手法も知っていました。

ただ、どうやって記事を作っているのか、どういったオペレーションで回しているのか…現場に近い部分は「クラウドソーシングサービスを使っている」こと程度で、細かい部分までは把握していませんでした。

–WELQの記事の一部は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に抵触しているとの指摘もあります。それでも監修は後付けでも問題ないという認識だったんでしょうか?

薬機法がどうかは知らなかったのですが、「医療情報を取り扱っているけれどもエビデンスがない」という状況は認識していました。「あとの対応でもいい」と思ったのはすごく甘かったですね。

–この騒動によって、子会社のDeNAライフサイエンスが手がける遺伝子検査サービス「MYCODE」など、グループのヘルスケア事業のブランド毀損にもなり得ます。現時点での影響や今後の対策などを教えて下さい。

ヘルスケア事業自体は、非常にセンシティブな領域でもあるので、立ち上げ時から社内に倫理委員会を設けるなど高い倫理観を持って運営していました。ただし、WELQに関しては違う意識で運営することになってしまった。そこは私たちの責任です。

事業自体は切り分けられているので、WELQが(ヘルスケア事業の運営に)直接的に関わってはいません。ですが、医療関係者からは「DeNAどうなってるんだ?」という声はいくつも頂いているので、そこは真摯に受け止め、信頼回復に努めていきたいと思っています。

–DeNAがキュレーションメディア事業に参入したのが約2年前。当時から守安氏の「肝入りの事業だった」と聞いています。

そうですね、ヘルスケア事業は南場(取締役会長の南場智子氏)が見ているので別ですが、それ以外のほとんどの事業を私が見ていますので、どの事業も肝入りです。ただ、その中でも注力したい分野だったことは間違いありません。

–しかし一方では、iemo、MERYの買収にあたってDeNAの法務部門から反発があったとも聞いています。

金額的に2社で50億円。規模的にはアメリカのゲーム会社(ngmoco)に次ぐものだったので、重要な事業になるだろうと思っていました。

反発……というよりは「著作権的に黒か白か分かりづらい」という話がありました。法律的には大丈夫という認識のもとで買収を行ったのですが、曖昧な部分もあった。そこは運営していく中でクリーンにしていこうと考えていました。

–その買収やDeNA Paletteの構想を発表して、健全なメディアが生まれると思いきや、実情は結構違っていました。この原因についてどう分析していますか。

「モラルを守って適切に運用する」という認識が私を筆頭に足りていなかった。そこに尽きると思います。

著作権無視のバイラルメディアが関与

–DeNA Palette構想でできた内製メディアには事業を統括するDeNA執行役員、キュレーション企画統括部長でiemo代表取締役CEOの村田マリ氏と親交のある元WebTechAsiaの人材が大きく関与していると伺っています。同社はかつてBUZZNEWSというバイラルメディアを運営しており、盗用問題に端を発した炎上騒動があったのですが、その経緯は把握していましたか。

はい、把握していました。立ち上げ期に関わっていて、メディアが一通り立ち上がった今年の頭に退職しています。

–上場企業のメディア運営において、著作権まわりでトラブルを起こした人材を登用する狙いとは。

メディアを立ち上げるノウハウを持っていたので、彼らを登用することにしました。そこは上場企業として問題ないという判断を下しました。

–過度とも言えるSEOによるグロース施策を実行していた人物として、キュレーション企画統括部の部長の名前が具体的に挙がっています。

それぞれのメディアには担当者がいて、グロースハック部とメディア部がどう絡み合っていたのかは分からないのですが、私を含め「SEOを重視しよう」という方針で運営していました。村田が責任者でいて、配下の部長が数名いる中の二人だったという認識です。

–事業のキーマンの採用は現場の采配によるところが大きかったということでしょうか。

メディア全体の方針やモラル的な問題に関しては私に責任があると思っていますが、現場の判断に関しては村田の判断が大きいです。

–ただ、社内外からSEOの手腕に関して「ちょっと強引じゃないか」という声も挙がっていたと伺っています。

報道を見るとそういう面もあったのかなと思いますが、社内の中では把握していませんでした。

— 今回の記事非公開という決断で組織体制の変更はありますか。

(今日の)朝決めたことですので、今後の体制に関してはまだ考えてないです。

DeNA Palette、再開のめどは

— ヘルスケア事業は南場氏が担当しているとのことでしたが、今どういったコミュニケーションを取っていますか。

(南場氏は)毎日会社に来ていますし、週1回経営会議もやっているので、普通に常勤役員としてコミュニケーションしています。

–今回の騒動について何か話し合いがあったのでしょうか。

いくつかありましたが、多くの方々に迷惑をお掛けし、これまで積み上げてきた信頼を全て失ってしまったと思っているので、まずは失った信頼を取り戻していくという話を今はしています。

— ネット上では本事業について「南場さんが舵をとるべき」という意見も見かけました。

外部で色々と言われていることがあるのですが、現時点で何か体制を変える、といったことは考えてないです。

— 今後、健全化のスキームを考えるとコストが1記事あたり10倍以上の単位で変わってくると思っています。すでに医療従事者などに1記事1万円以上でWELQの記事の監修を依頼しているというもあります。今後のコンテンツ制作コストに関して同お考えでしょうか。

今回の問題では、SEOを主体に考えすぎていたと思っているので、まずはユーザーに喜ばれるコンテンツ作りをやっていきます。それにあたって、方針や手法は変えていかなければいけない。その過程で発生するコストはやっていかなければ分からない部分もあるので、何とも言えません。

–WELQも問題さえクリアになれば再開するのでしょうか。

そうですね、ユーザーにとって役立つサイトになれたら再開したいと思っています。信頼できる医療情報を求めている人たちは多くいるので、コンセプト自体が間違っているとは思っていません。ただ、記事の作り方や監修が問題でした。それをちゃんとやったときにビジネスとして成り立つかどうかは別の話。ユーザーにとって役に立つ記事が出せて、ビジネスとして成り立つのであればやっていきたいと思っています。

–SEOによって「検索結果を汚した」という声もあります。インターネット事業を手がける会社の一個人として、どうお考えでしょうか。

DeNAは1999年からインターネット事業を手がけています。、私自身もインターネットがすごく好きですし、インターネットサービスを多くの人たちに必要と思ってもらいたいので、そう言われてしまうのはつらいし、変えていきたい。

ただSEOそのものが悪いと思っておらず、ユーザーにとって役立つコンテンツを作り、その記事の検索順位を上げていければ、社会的にも良いことだと思っています。ただ、今回はテクニックに頼りすぎてしまっていたのではないかと思います。

信頼性なき医療メディア「WELQ」に揺れるDeNA、MERYを除く全キュレーションメディアを非公開に

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ここ最近、その情報の不正確さや制作体制について各所で問題視されていたディー・エヌ・エー(DeNA)のヘルスケア情報キュレーションメディア「WELQ(ウェルク)」。DeNAは11月29日夜に発表したプレスリリースで、同日午後9時をもってすべての記事を非公開とした。同時に、現在WELQで取り扱いのある全ての広告商品の販売を停止したと発表。ユーザーや広告主への謝罪を行っている。加えて、DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏を長とした管理委員会を設置。チェック体制の強化や信頼性の担保できる仕組みを整備していくとした。

さらに12月1日、今度は「DeNA Palette(ディー・エヌ・エー パレット)」の名称で展開するキュレーションメディアプラットフォームで運営する特化型のキュレーションメディアのうち、「MERY」(女性ファッション)を除く「CAFY」(飲食)「iemo」(インテリア)「Find Travel」(旅行)「JOOY」(男性向け情報)「cuta」(妊娠、育児)「PUUL」(アニメ、漫画)「UpIn」(お金)「GOIN」(自動車)の8つについて(WELQもこのDeNA Palette内のメディアの1つだ)、記事をいったん非公開にすると発表。また同時に、守安氏の役員報酬の減額(月額報酬の30%を6ヶ月間減額)を発表した。先行するWELQ同様に、広告販売も終了し、チェック体制などを強化して再掲載の体制を作るという。

「WELQ」のトップページ

「WELQ」のトップページ

TechCrunch Japanでは11月30日夜の時点でDeNA広報部からWELQについて「(薬機法上の問題だけでなく、他媒体の記事のリライトではないかとう)指摘も含めて、社内のチェック足りなかった。そこは変えなければいけない。そういった点も合わせて、どうやったらこのようなことが起きないか、指摘を受けないコンテンツ作りのためのフローの見直しをやる。そのためにリリースの最後にあるように管理委員会を立ち上げている」という回答を得ていたが、結果的にDeNA Paletteの中でも比較的独立性高く運営していたMERYを除き、全てのコンテンツを見直すことになった。

WELQの何が問題だったのか

DeNAがDeNA Paletteを発表したのは2015年4月のこと。WELQは一歩遅れて同年10月にスタートした。ニールセンの発表によると、2016年7月の利用者数は631万人。直近3カ月で2倍のユーザーを集めるまでに成長した。そんなWELQについて、この数カ月(特にここ数日)に渡ってオンラインメディアやブログが問題提起をしていた。その概要と当該の記事は次の通りだ。

DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

(1)医学の知識に乏しい、もしくは誤った内容の記事が掲載されている。また薬機法に抵触する、もしくはその可能性が高い内容が含まれていること。

(2)DeNA Paletteはユーザーが自由に記事を投稿できるキュレーションプラットフォームであり、DeNAは記事の責任を負わないとしながら、実際にはDeNAがクラウドソーシングなどを用いて記事を発注していること。またその発注に際して、「コピペ(コピー&ペースト)」で他サイトのコンテンツをそのまま無断転載するのではなく、他サイトのコンテンツの語句を一部変えるような「リライト」や、責任追及回避のために「○○と言われています」といった伝聞形式の文章にするなど、ライターにマニュアルを用意して指示をしていたこと

(3)毎日大量の記事を投稿し(1日100本程度)、SEOの知識を駆使することで、(2)のような問題のあるコンテンツでGoogleの検索結果上位を取り、集客を行っていること(またはこういったコンテンツに対してGoogleが正しい評価をできていないこと)

医療情報に関わるメディアは「覚悟」を – 問われる検索結果の信頼性(医学部出身のライター、朽木誠一郎氏のYahoo! ニュース 個人)

DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言(BuzzFeed Japan)

DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回)(永江一石氏のブログ「More Access! More Fun!」)※第4回まで続く

決算が読めるようになるノート:Welq問題は(DeNAだけじゃなくて)Googleも批判されるべきだと思う(Searchman Co-Founder柴田尚樹氏のnote)

また、WELQの執筆や運営に関わったと見られる人物のブログや、SEO手法について解説するブログなどもいくつか確認できた。信ぴょう性の高い内容に見えるのだが、実際に当事者だったのかは確認できていないことは注意して欲しい。

元welqライターからの告発

WELQの面接で落とされ、その後WELQが炎上して、思うところ

命に関わるヘルスケア、医療の情報である以上、その信頼性が担保できていないだけでなく、媒体側が「コンテンツの内容に責任を負わない」と明示しているのは大問題だ。現役の医師からも、ライターの知識不足により、リライトによって本来とはまったく異なる意味になってしまっているコンテンツもあるという話も聞いた。そんな問題のあるコンテンツが検索結果としては上位に来るものだから、患者が自身の治療法を勘違いしてしまって認識しているといった、医療の現場でのトラブルも現実に起きたという。

コンテンツ制作の実態についてはリンクしたBuzzFeed Japanの記事が詳しいが、キュレーションプラットフォームとうたいながらも、その実態は信頼性の担保できないコンテンツによる、SEO超重視のメディア運営であったことが露呈したと言っていい。「SEO=悪」ではないが、Googleの裏をかくことで検索結果の上位を目指したのは事実。それこそ以前にGENKINGが「Googleで検索しない」と言っていた言葉を思い出してしまう。確かにキュレーションメディアの登場以降、商品名やブランド名でググると、キュレーションメディアが上位に来ることが多い。

TechCrunchでは、DeNAが住まい領域の「iemo」とファッション領域の「MERY」を買収した際や、旅行領域の「Find Travel」の買収、DeNA Paletteを立ち上げた際にニュースとして紹介してきた。スタートアップの動向を伝える僕たちとして言えば、いわゆるイグジット事例としては喜ぶべき話だと思っている。

ただし買収後の各キュレーションメディアも、初期のYouTubeのように…と言えばきれいごとかも知れないが、記事や写真の転載にまつわるトラブルなどを聞かないわけではない状況だった。しかし——YouTubeがGoogleに買収され、著作権管理の仕組みが整い始めたように——DeNAという上場企業の傘下に加わることで健全な運営がなされていくと思っていた。例えば2014年11月にハフィントンポスト・ジャパンがDeNA創業者で取締役会長の南場智子氏へのインタビューをしているのだが、その最後にも、キュレーションメディアのライツ健全化に向けての取り組みに言及している。だが実態として、そういった状況にはなっていなかったというわけだ。

薬機法無視、低品質コンテンツ大量生産は誰が指示したのか

WELQの騒動を受けて、MERYを除くDeNA Paletteのキュレーションメディアがいったんクローズすることになった。ここで関係者から聞いたMERYの状況をお伝えすると、自社内に出版社出身を含めたライター・編集者を採用し、写真も自社スタジオで撮影するなどして、オリジナルコンテンツに注力し始めているのだそうだ。もちろんいまだ品質に疑問を持つような内容もあるようだが、カスタマーサポートも独自で持っていると聞いた。少なくともDeNA Paletteの全てのメディアの運用がまったく同じ状況という訳ではないようだ。

ではこのWELQが薬機法を無視し、盗用と言っても過言ではないコンテンツをクラウドソーシングで大量に生産するように指示した人物は誰なのだろうか? WELQは「編集部」を名乗っているが、実態として編集長を置いていない。DeNA社員を含む関係者からは、事業を手がけるのはパレットの事業を統括するDeNA執行役員、キュレーション企画統括部長でiemo代表取締役CEOである村田マリ氏に加えて、同氏が管掌するキュレーション企画統括部のグロースハック部の部長であるY氏、メディア部部長であるH氏が実質的に指示を出していたという声が上がった。特にY氏は前職でのSEOの知識を買われてDeNAに入社しており、DeNA内製のキュレーションメディアのグロースハックを担当していたという。だが結果として薬機法への抵触などをいとわない手法を取っていたため、DeNA Palette関係者内では違和感を持つ声もあったという。

炎上バイラルメディアの元社員らも関与

関係者から話を聞いてさらに驚いたのが、このDeNA内製キュレーションメディアの立ち上げに関わっていた「ある会社」の元社員たちの存在だ。

読者の皆さんは「BUZZNEWS」という名前を覚えているだろうか。2014年にライターのヨッピー氏がコンテンツの盗用問題を指摘。謝罪と和解金の支払いを行ったのちに閉鎖したバイラルメディアだ(経緯はTHE PAGEのこの記事に詳しい)。

このBUZZNEWSの運営元であったシンガポール・WebTechAsia社の複数人の元社員がDeNAに入社し、DeNA Paletteのキュレーションメディア群の立ち上げに従事していたのだ。元社員らは2016年に入ってDeNAを退社しているということだが、公器であるべき東証1部上場企業・DeNAのメディア立ち上げは、盗用問題でサイト閉鎖に追い込まれた人物らに教えを受けた、「クラウドソーシングでの終わりなきコピペとSEOノウハウの融合」(関係者)からスタートするという残念なものだったのだ。

ただ一方で、これはDeNAに限定した問題でもないと僕は思っている。前述のヨッピー氏は「ウェブメディアの信頼に対する瀬戸際ではないか」と語っていたのだけれどもまさにそのとおりで、気軽にメディアを作れるようになった今だからこそ、その情報の正確さやモラルなどを考えていかないといけない段階に来ているのではないだろうか。

DeNAでは今後、守安氏直轄の管理委員会を通じてコンテンツの健全化を図った上でDeNA Paletteを再開する見込みだ。

“正しい”医療情報はまだまだネット上に少ない。だからこそそういった情報を発信してもらえるのであればそれは本当に価値のあるメディアになるだろう。だが、信頼性の低いコンテンツを安価かつ大量に生産してきた体制を変えるのは決して簡単な話ではない。11月4日に開催された2016年度 第2四半期決算説明会では、キュレーションプラットフォーム事業が9月時点で事業の単月黒字化、第3四半期の黒字化予定を発表していたが、今回の動きは業績への影響も小さくない話だ。今後は健全化に向けた同社の動向が問われることになる。

なおTechCrunchでは今回の発表に関して、DeNA代表取締役の守安功氏に独占個別取材を実施している。その内容は以下のリンクから確認して欲しい。

DeNA守安氏「認識が甘かった」——WELQに端を発したキュレーションメディアの大騒動

キュレーションプラットフォーム事業の業績について

キュレーションプラットフォーム事業の業績について

会話AIの発展のため、Amazonがアクセラレータープログラムを新設

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大手テクノロジー企業は、 どこかしこもブランドの認知向上やAPIの紹介、あるいは他のオープンソースの取り組みを促進するためにアクセラレータープログラムを立ち上げている。本日、Amazonも会話AIを開発するスタートアップ向けにアクセラレータープログラムを新設することを発表した。

Amazonは1億ドルのAlexa fundを持ち、この領域で展開する22社に出資している。投資しているのは多様な業界のスタートアップで、ステージもバラバラだ。だが、アクセラレータープログラムはAmazonにとって初の試みだ。Amazonは他にも優れた会話AIに贈るAlexa Prizeを立ち上げ、実際に会話が成立するボット制作を行う大学生を募っている。

Amazonの経営企画のVP、Doug Booms(彼がAmazon M&Aの責任者でもあるのには何か意味がありそうだ)は、この新しいアクセラレータープログラムはAlexa Fundの投資先探しやAlexa Prizeに参加したチームの次のステップという位置付けではないとTechCrunchに話す。

今のところAmazonのアクセラレーター戦略に制約は少ないようだ。プログラムに参加するスタートアップの種類に確かな制限はない。コネクテッドカーからスマートホームを手がけるチームまで幅広く迎い入れるという。

Amazonは単独で行うのではなく、Techstarsとパートナーシップを組んで13週間のプログラムを実施する。Amazonは当初、Techstarsに会話AIを支援するためのパートナーシップを提案していた。AmazonとTechstarsは、プログラムに参加するすべての参加者に対して2万ドルの初期投資を行う。

選ばれたスタートアップは、ワシントン大学に借りたスペースに集められる。ファウンダーはAmazonとTechstars、両方のメンターと接点を持つことができる。プログラムの最後にはコンバーチブル・ノート形式でさらに10万ドルの投資を受ける資格が得られるという。

アクセラレータープログラムの受付は1月から開始する予定だ。AmazonとTechstarsはプログラムが始まる7月までに世界中の主要都市で合同説明会を実施する。多くのアクセラレータープログラムで行われているデモデーも10月に開催予定だ。投資家がスタートアップのプレゼンを聞いたり、ファウンダーと接点を持つ機会となる。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Nikeが自動靴ひも調整シューズHyperAdaptの販売を開始

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720ドルの価格がついたNikeの自動靴ひも調整シューズHyperAdapt 1.0は、スニーカーマニア向けの商品だ。華やかな見た目で値段も高い上、Nikeは具体的な数を発表していないものの、当然ごく少数しか販売されないだろう。しかし、Tiffany Beersによると、自動靴ひも調整の仕組みは見掛け倒しではないようだ。

Nikeでシニア・イノベーターを務める彼女は、10年以上このプロジェクトに携わってきた。そもそもこのプロジェクトが生まれたきっかけは、伝説的なAir JordanのデザイナーTinker Hatfieldが、約11年前に描いたスケッチとコンセプトだった。そして、自動靴ひも調整のテクノロジーは、先日ようやくバック・トゥ・ザ・フューチャーにインスパイアされたNike Magという形で世に出ることとなった。なおこの商品は、オークションやラッフルを通じて、たった89足しか販売されなかった。

明日ニューヨークの店舗で販売されるHyperAdapt 1.0によって、自動靴ひも調整のテクノロジーをもう少しだけ多くの人が試せるようになる。「実際に使ってみるとギミックぽさも感じず、今後はこのような商品が主流になっていく可能性があります。アスリートは常に動き、彼らの足の状態は刻一刻と変化しています。そして彼らの環境に関しても同じことが言えるため、常に最適なフィット感を提供するのが重要になってきます。靴も私たちの足に合わせて変化していけばいいと思いませんか?これこそHyperAdaptが向かっている未来の靴のカタチなんです」とBeersは話す。

巨大な箱を開け、実際の商品を試してみて1番驚くのは、HyperAdaptの履き心地の良さだ。最初はちょっと窮屈に感じるかもしれないし、靴を履くときにも、上手く足を入れて、かかとの部分についている輪っかを引っ張らなければいけない。しかし、一旦履いて立ち上がると、かかとについたセンサーがトリガーとなってシステムが起動し、ウィーンという音と共に靴がぴったりと足を包み込むようになっている。

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このノイズはもちろん、実際に靴ひもを締めている機械部品の駆動音なのだが、これも嬉しい特徴のひとつと言えるだろう。というのも、正直言って700ドル以上ものお金をつぎ込んでいれば、周りにいる人に自分が自動靴ひも調整シューズを履いていると知って欲しいと感じるものだ。ソールに埋め込まれた大きな青色のバッテリーライトや、かかと上部に搭載された三色に光る5つのLEDもその雰囲気をもり立てている。

さらに両足の外側に2つの小さな青いボタンが取り付けられており、これを使って靴ひもの締め具合を調節できる。しかし、青いドットと生地の下に埋め込まれた実際のボタンの位置が完全には揃っていないため、操作するのには少々手間取るかもしれない。とはいっても、これはそこまで大きな問題ではなく、靴ひも調整の動き自体は素晴らしい。ちなみに、何か問題があったときのために、システムを再起動する手段も準備されている。

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HyperAdaptのフィット感は良いのだが、恐らく大方の予想通り、重さが問題だ。Beersによれば、Nikeはソールの中央部に埋め込まれたシステムの重さを相殺するために、アッパーにNike独自のFlyweaveとよばれる軽量素材を採用した。しかし、機械的なシステムと1回の充電で1ヶ月ももつバッテリーが搭載されていることを考えると、(軽さのために靴を頻繁に充電したいと思う人もいないだろうし)この重さが限界だろう。

重量の問題によって、HyperAdaptがランニングシューズとして機能するかや、徒歩での移動が多い人は、靴ひもを自分で結ぶのと重さのどちらをとるかという疑問が生まれてくる。この点について、Beersは「HyperAdapt 1.0は、コンセプトカーのようなものです。私たちはトレーニングやランニング、バスケットボールなどのスポーツでこの靴をテストし、特に耐久性を見るためにランニングのテストには時間をかけました」と話す。

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現状のHyperAdaptは間違いなく、アーリーアダプターやスニーカーマニア向けの商品だ。しかし今後改良が進み、価格や重量の問題が解決されていくとすると、この商品は面白い可能性を持っている。

なお、Beersはその他の注意点として、子どもや高齢者、身体的な障害を持った人などには、自動靴ひも調整がうまく機能しない可能性があると話す。そもそも、このような広範にわたる消費者を対象にするには、Nikeは現状の価格からいくつかゼロを落とさなければいけないだろう。しかしお金がある人は、今週販売開始予定のHyperAdaptをチェックしてみてはいかがだろうか。

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原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Amazon AWSのクラウドコンピューティングサービスEC2にFPGAインスタンスがお目見え、ビデオや機械学習ではGPUより強力

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AmazonのクラウドコンピューティングサービスAWSが今日、FPGA(field-programmable gate array)を使用する新しいインスタンスタイプ F1を発表した。FPGAはその名のとおり、ユーザーが現場でプログラミングできるゲートアレイで、アプリケーションの目的に合った特殊な構成もできる。そのため、場合によっては、従来のCPU/GPUの組み合わせを上回る高速が期待できる。

これらの新しいインスタンスは、AWSのUS Eastリージョンでは今日からプレビューで可利用になり、一般供用は年末頃からとなる。料金はまだ発表されていない。

まだそれほど広く普及しているわけではないが、最近のFPGAは価格も手頃になり、プログラミングも容易になった。そろそろ、もっと多くのサービスで使われるようになりそうだ。今回のようにクラウドからFPGAを提供することになると、多くのデベロッパーによる実験的な利用も拡大するだろう。

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“つねに、いろんなものを自分で試してみて、それから一般ユーザーに提供している”、とAWSのCEO Andy Jassyは述べている。

新しいF1インスタンスは、HDや4Kのビデオ処理やイメージング、および機械学習で、GPUに代わって使われることになりそうだ。たとえばMicrosoftは、同社のAIサービスのバックエンドをすべてFPGAで構成している。一方Googleは、自家製専用チップという、高価な路線を選んでいる。FPGAは途中でプログラムを書き換えられるから、アプリケーション内でコンテキストの切り替えが容易にできる。たとえばある時点で未加工の画像を処理していたが、その次にはFPGAをディープラーニング向けに再構成して、その画像を数ミリ秒で分析する、といったことができる。

AWSと共にこのF1インスタンスをテストした企業のひとつNGCodecは、VR/AR処理のためのRealityCodecコードをこれらの新しいインスタンスに移行したが、移行はわずか4週間ほどで完了した。理想としては、これまで手元のデバイスで駆動することが当然だったVR/ARのヘッドセットの、駆動と複雑なビデオ処理を、クラウドからできるようになるかもしれない。NGCodecのファウンダーOliver Gunasekaraによると、コーデックに使ったケースでは、FPGAがGPUよりも優勢だった。エンコーディングには大量の意思決定過程があり、GPUはそれらをCPUにやらせる場合が多いからだ。またこの種のシナリオでは、電力効率もFPGAの方が良い。

Amazonは、Xilinxのチップを使っている。最後に残った、独立系の大手FPGAメーカーだ。新しいインスタンスのスペックは、次のとおり:

  • Xilinx UltraScale+ VU9P, 16nmプロセスで製造。
  • 64 GiBのECCで保護されたメモリ, 28ビット幅のバス上(4つのDDR4チャネル)。
  • CPUへのインタフェイスはそれ専用のPCIe x 16。
  • 論理成分数は約250万。
  • 約6800のDSP(Digital Signal Processing)エンジン。
  • デバッグ用のVirtual JTAGインタフェイス。

しかしFPGAのプログラミングは今でも難しいし、Amazonがそれを容易にするツールを出す気配はない。でも、開発キットはあるだろうし、デベロッパーがこれらの新しいインスタンスを使い始めるために利用できるマシンイメージ(Amazon Machine Image)も提供されるだろう。

NGCodecのGunasekaraによると、Xilinxも、CやC++のような共通言語でFPGAをプログラミングできるためのツールを、多少提供している。同社は、F1インスタンスのためのデコーダーを、それらのツールを使って設計したようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon AIがローンチ、Alexaのような音声アプリが開発可能に

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Amazonは本日、ラスベガスで開催している 開発者イベントre:InventでAmazon AIプラットフォームのローンチを発表した。Amazonが何年もかけて開発した機械学習の知性を社外の開発者でも利用できるようにする。最初の段階では3つのツールを提供するが、今後新たなツールを追加していく計画だという。

Amazonは機械学習の取り組みについてあまり発表してこなかったが、この分野において多くの知見があるとAmazon Web ServiceのCEO、Andy Jassyは強調する。「長くAIに取り組んできました。私たちのビジネスにはAI専任の人員が何千人もいます」という。

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Amazon AIのツールの1つは画像認識サービス「Rekognition」だ。GoogleやMicrosoftなどが提供するサービスと同じように画像に写る物を特定することができる。Amazonのツールでは、画像に写っている犬の犬種まで認識できるとAmazonは主張する。ただ、他の競合サービスでもたいてい同じことができることは明記しておきたい。Amazonのサービスはとてもコスト効率が良いとJassyは説明しているが、実際の価格帯をまだ発表していない。

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2つ目は Amazon Pollyで、これはテキストを音声に変換するサービスだ。裏では機械学習の知性を多く活用しているという。人が話しているかのような音声が作成できるとJassyは話す。「Pollyは、音声生成でこれまで課題だった部分を解決します。例えば、『live』の言葉の発音は文章によって異なります。『I live(リブ) in Seattle』と『Live(ライブ) from New York』のようにです。Pollyは同形異義語を認識して、スペルが同じでも発音が違うことを知っています」。

Pollyは男性と女性の47の音声を備え、24言語に対応している。

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3つ目のサービス「Lex」で、これが一番重要な新サービスだろう。基本的にはAmazonが手がけるAlexaを動かしているテクノロジーと同じとJassyは言う。複数回のやりとりを要するコミュニケーションにも対応する会話型アプリケーションをこれで開発することができる。開発者はLex Consoleから会話を設計し、サンプルの会話文でボットを訓練することができる。

Amazon Lexを使用してチャットボット、あるいはユーザーと生き生きとしたインタラクションを持つウェブやモバイルアプリを制作することが可能になります」とAmazonは本日の発表で伝えた。「ボットは情報を提供したり、アプリを動かしたり、作業を効率化したり、さらに他のロボット、ドローンやおもちゃの操作するのにも活用することができます」。

本日のキーノートでAmazonは、声の指示だけで航空券を予約する様子を見せた(なぜか航空券の予約がこういったサービスの定番のデモになっている)。LexはLambdaや他のAWSのサービスと深く連携し、また他の法人向け連携サービスにも対応している。他にもFacebook Messenger、Slack、Twilioとも連携可能で、これによりAmazonの端末にとどまらず、基本的に他のどのデバイスでもこれらのサービスを使ってアプリを開発することができる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

AWSのSnowball Edgeは100TBのストレージとコンピューティング機能を提供する

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Amazonのストレージ・コンテナSnowballは広い層に利用されている。同社の今日のre:inventカンファレンスでは、そのメジャーアップデートが発表された。同じ日にあのとんでもない化け物AWS Snowmobileが発表されて、影が薄くなってしまったが、Snowballではコンピューティングの機能に加えて、ストレージを100テラバイトまで増設できる。

今回のアップデートで提供されるSnowball Edgeでは、各デバイスから直接に、データに対する基本的なアナリシスができる。これは、リアルタイムのインサイト(洞察)が必要とされる現場作業にとって、理想的だ。昨年のモデルと同じく、満杯になったデータを直接AWSのデータセンターに送って利用できる。

AWSを仕切っているAndy Jassyによると、たとえばGeneral Electricは、同社のウィンドファームでコンピュテーション機能を利用している。そのウィンドファームでは各タービンのリアルタイムデータを集めて、異状を分析する。クラウドをフルに利用できない船舶や航空機でも、集めたリアルタイムデータに対し、同じことができる。そういうところでは、インサイトに加えてデータのセキュアなバックアップも要請される。

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Snowball Edgeでは万全のセキュリティのために、データを三種類の方法で暗号化する。またクラスタリング機能により、ひとつのエンドポイントに複数のデバイスが接続し、アクセスできる。サポートはS3やNFSのエンドポイントからの、データ保存とアクセスに対しても適用される。接続性が改善されたため、100TBのデータ転送が19時間で終わる。

EdgeはPythonで書かれたAWSのLambdaファンクションをサポートする。このファンクションに関しては課金の計画がないが、デバイス本体は利用料金が300ドルだ。これは、10日で完了するデータ転送の料金である。それを過ぎると、1台一日あたり30ドルが追加課金される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フィーチャーフォン用のクロールとインデックスが変わります

フィーチャーフォン」のような機能が限定されたモバイル端末は、コンテンツの表示に特別なマークアップやトランスコーダーを必要とします。しかし、WAP や WML を使ってフィーチャーフォン対応のコンテンツを提供するウェブサイトはかなり減ってきています。Google ではこうした状況を鑑み、フィーチャーフォン向けコンテンツのクロール方法を以下のように変更しました(注: 今回の変更はスマートフォン向けコンテンツには影響しません)。

1. フィーチャーフォン用 Googlebot の廃止

今後は、フィーチャーフォン用のユーザー エージェントを検索のクロールに使用しないことになりました。

2. 「handheld」リンク アノテーションを使用してフィーチャーフォン向けコンテンツを動的に配信

一部のサイトでは、フィーチャーフォン向けのコンテンツを、ユーザーのユーザー エージェントに基づいて動的に配信しています。この設定を認識するための方法として、次のようなフィーチャーフォン用の自己参照型代替 URL リンクを、デスクトップ向けやスマートフォン向けのページに追加していただくことになりました。
<link rel="alternate" media="handheld" href="[現在のページの URL]" />

以前のガイダンスでは、「vary: user-agent」HTTP ヘッダーを使用する方法のみを紹介していましたが、今回の変更に合わせてフィーチャーフォン ページの作成に関するドキュメント(英語)を更新しました。お手数をおかけしますが、このリンク要素をサイトに追加していただきますようお願いいたします。Google がこのリンク要素を認識しユーザーにとって適切だと判断すれば、引き続きフィーチャーフォン用の URL が検索結果に表示されます。

3. Search Console のフィーチャーフォン ツールを廃止

フィーチャーフォン用 Googlebot を廃止するということは、フィーチャーフォン用の特別なサイトマップ拡張機能、Fetch as Google のフィーチャーフォン オプション、フィーチャーフォン用のクロールエラーは必要なくなります。一方、サイトマップとその他のサイトマップ拡張機能(動画Google ニュースなど)、Search Console のその他の Fetch as Google オプションは引き続きサポートします。


今回の変更は、影響を最小限に留めることを心がけました。ほとんどのサイトはフィーチャーフォン向けのコンテンツを配信していないため、これらの変更の影響を受けるサイトは限られるはずです。一方、フィーチャーフォン向けコンテンツを配信しているサイトの運営者様におかれましては、世界中のフィーチャーフォン ユーザーが引き続きコンテンツを快適に利用できるようご協力いただけますと幸いです。

ご質問がありましたら、お気軽にウェブマスター ヘルプ フォーラムまでお寄せください。