MacBook Proの新しいTouch BarでDoomを走らせた勇者現る

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「その上でDoomが走るのか?」というのは何か新しいデバイスが登場するたびに繰り返されてきた質問だ。もちろんそのデバイスはDoomをプレイするために開発されたわけではない。不適切極まりない試みだ。しかし必ず「イェス!」と報告する人間が現れるのが通例だ。もっともこの答えは正確に言えば「イェス。しかしそもそもやらない方がいい」だろう。

その最新の例がこちらになる。もちろんこの一人称視点ゲームの古典は 2560 x 1600ないし2880 x 1800の高精細度ディスプレイでプレイするのが当たり前だ。しかし手近に新しいRetinaディスプレイがあるなら使ってみたくなるというもの。Touch Barは2170 x 60という極端に横長のサイズだが、Retinaであるのは間違いない。

Facebookのエンジニアの一人、Adam Bellはこの課題に挑戦した。結果は予想通りおそろしく見にくい表示となったものの、「Doomが走る」ことを実証した。Bellはまたツイートにもあるように、Touch BarをゲームのHUDに使ってみた。こちらの方が(相変わらず実用性はないが)表示としてはやや見やすいようだ。

AppleはTouch Barのこうした非公認の利用法を歓迎しないだろうが、MacBook Proのキーボード上部のリボン状ディスプレイを奇妙な目的のために利用しようという勇者は今後も数多く出てきそうだ。高解像度の利用法からいうとこちらのNyan Catの方が少し増しかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パラグアイのPoは3Dプリントされたカスタマイズ義肢を南米の貧しい人びと向けに開発

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人工装具(義肢など)の世界は2つの方向に進んでいる:1つの方向では、もし望むなら、最新のロボットソフトウェアと小さくなったセンサーが、たゆまず改善され続けている感覚とリアリズムを備えた、手足と指を可能にしてくれる。もう1つは、高速製造技術が、貧しく地理的に孤立した地域に洗練されたデザインをもたらすことを可能にする方向である。パラグアイの会社であるPoは、後者のゴールを目指している。もし彼らのものがなければ何も手に入れることができないような人たちのために、カスタマイズされた義肢を製作するのだ。

パラグアイについては、TechCrunchの共同創業者Eric Dijkhuisが以下のように述べている「驚くべき人びとに溢れ、沢山の課題も抱えた国です。1日当たりの切断術が多い国で、上腕の切断が高い割合を占めています。これは職場の安全規制の欠如と危険な作業エリア、そして多数のオートバイ事故に起因しているのです」。

低所得者が多いため、極めて少数の人たちだけが必要な義肢を購入することができる — Dijkhuisによれば3パーセント以下だ。Poの創業者は、そこに強い問題意識を感じた。オブジェクトをプリントして製造し、高度な既成の制御システムを入手できる時代に、なぜそのままでなければならないのか?

そこで、彼らは耐久性が高くプリント可能な手と前腕をデザインすることにした。形の調整や、サイズ、色、その他の基本パラメータをカスタマイズできる。現在は機械的に制御されるPoの腕が100以上使われているが、彼らはThalmic LabsのMyoデバイスに出会うことで、新たな発見を行った。

Myoについて覚えている人もいるだろう:それは腕に巻き付けて、様々な動きで生じる腕の筋肉の生体電気信号をモニターし、データを他のデバイスに無銭で送信するものだ。なので、例えば握り拳を作ったり、手を上に傾けたりすることで、ノートPCのウィンドウを閉じたり、アプリケーションを切り替えたりすることができる — そして義肢の場合なら、単純に動きを義肢にミラーリングすることが可能だ。

現在Poは5人を対象にMyPoのテストを行っている。MyPoはオリジナルのメカニカルアームとMyoによる制御メカニズムを組み合わせたものだ。

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「わずかなコストでMyPoは義肢の旧来の機能を反映します」とDijkhuis。「何種類もの掴み方、高い自由度、そして既にMyoアームバンドに対応しているアプリケーションと統合することさえ可能です」。そのため、オブジェクトを摘み上げたり動かしたりといった動作に加えて、ジェスチャーを、ソーシャルメディアや音楽アプリ、その他のものと対話するようにすることができる。

この最後の機能は、他者によっても検討されている最中だ:既存の義肢にぴったり装着することができて上記のような対話機能を実現するMyo対応のアクセサリーを、ドイツのデザイナーが最近作成した

四肢制御機構としてMyoを使用する利点は、予め学習させたジェスチャーと筋肉の動きを、直接腕の動きをに結びつけることができることだ。よって、ユーザーが拳をつくるための指を欠いていたとしても、かつてそうしていた頃の動きの記憶が残されていれば、Myoはそれを検知し反応することができる。

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「考え、思い出し、行動。そしてMyoのアームバンドが、全てのプロセスを素晴らしくガイドしてくれるのです」とDijkhuisは言う。

もちろんPoは、3Dプリントの義肢としは、最初でも唯一のものでもない — 既に多くの者がそれを行っている。とはいえ、単にデザインをするだけでは十分ではない。フィッティング、構成、そして部品のコストの問題がある。

「私たちは、ユーザーが負担可能な金額を支払い、残りを民間の寄付を通じた助成で賄えるような手助けをしています」とDijkhuisは説明した。「私たちはまた、私たちの仕事をサポートしてくれる、独立専門家、NGO、同盟企業や公的機関と協力しています。私たちのビジネスモデルは、現在Poパートナーによって、北アルゼンチンとブラジル南部で展開されていますが、誰でも標準的ですぐに使える手続きで自身の活動を始められるように、私たちのワークフロー全体がこれからオープンなものになります」。

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一方、全てのデータはThingiverseにアップされている(Thingiverseは3Dモデルを投稿し共有するサイト)ので、あなたはそこからデータをダウンロードし、調整し、提案を行ったり、あるいは自分自身で試してみることもできる。

想定利用者は技術に精通した都会人ではなく、企業もサービスも数十億ドルの評価額を求めるものではないので、これは技術的には特に注目すべきアプリケーションではない。しかし、貧しすぎて買う余裕のない子供に義肢を与えるというゴールは、大声で宣伝される価値がある。

「Poの作成と開発で、私たちは新しいテクノロジーの力を目の当たりにしました。3Dプリント、Myoアームバンド、そしてオープンソースです」とDijkhuisは語った。「私たちは、社会的影響へと適用されるこれらの技術が、業界を変革するだけでなく、人工装具の未来のためのゲームルールを書き換えて、イノベーションパワーを世界中の人に届けてくれるものと信じています」。

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(翻訳:Sako)

クラウドとデータ分析でスポーツの世界が変わる

Futuristic silver soccer ball exploding into pixels

【編集部注】執筆者のDavid Bolokerは、IBMのディスティングイッシュドエンジニア兼Emerging TechnologiesのCTO。

スマートテクノロジーは引き続き、生活のほぼ全ての側面を効率化しながら変化させている。その結果、睡眠パターンをモニタリングしたり、場所に縛られずに仕事をしたり、さらにはジカ熱のような病気の治療法をみつけたりといったことが可能になってきている。

しかし、冗長なワークフローを最適化したり、日常的な活動をゲーム化する以外にも、スマートテクノロジーは、私たちがより良いイノベーターになったり、世界に変化を起こしたりする上で必要な技術を底上げするのに貢献している。スマートテクノロジーは、これまでのパフォーマンスの限界を超越するきっかけを生むばかりか、物事の体験の仕方を変えるまでになったのだ。

プロスポーツの世界における、テクノロジーの利用例について考えてみてほしい。クラウドに接続されたセンサーやウェアラブルデバイスによって、瞬時にデータの解析が行われ、パフォーマンス向上につながるような洞察を得ることができる。今や非構造化データは、無比の成功の原動力になることさえできるのだ。

例えば、アメリカ自転車競技連盟(USA Cycling)は、これまでの手法を独自のハードウェアとソフトウェアに置き換えることで、選手のトレーニングの様子をより正確に計測できるようになり、これは今年の夏季オリンピックの結果に大きな影響を与えた。特に、IBMとの協業を通し、アメリカチームはパフォーマンス分析上の問題を解決するために、最新のテクノロジーを採用することした。彼らはもう、トレーニングごとにいちいちパワーメーターやセンサーから手動でデータを抽出したりはしていない。その代わりに、データはリアルタイムで複数のソースから収集されているのだ。使用される機器には、パワーメーターや心拍数モニターの他にも、筋肉中の酸素量をモニタリングするBSX Insight製のウェアラブルデバイスなどがある。BSX Insightのデバイスは、LEDライトと独自のアルゴリズムを使って、選手ひとりひとりのプロフィールを生成し、パフォーマンスモニタリング精度や、トレーニングの質を向上させるのに一役買っている。

その後、収集されたデータはクラウド経由でコーチのiPadに送信され、ダッシュボード上ではWプライムの減少量やエネルギー消費量といった数値が直感的な図で表示されるようになっている。さらにSolosのスマートグラスを利用することで、選手は実際の練習中にも、ヘッドアップディスプレイに表示された重要な数値を確認することができる。

クラウドやデータ分析技術は、スポーツ観戦をさらに面白くする力を持っている

前述の通り、これまでは複数のソースから集められたデータを、手作業で解析していたため、トレーニングセッションに関するフィードバックを準備するまでに、数時間または数日もかかっていた。今では、クラウドに繋がったモバイルアプリのおかげで、自転車や選手に装備されたセンサーとフィードバックの内容がリアルタイムで同期するようになっている。そのため、例えば選手がある地点で無駄にエネルギーを使ってしまっているとわかれば、少し力をゆるめることで、すぐにレース全体でのパフォーマンスを向上させることができる。また、コーチもデータを使って、選手の弱点を適時に発見し、対策を講じることができる。これは特に大きなレースに向けて練習を行っているときには重要なことだ。

自転車競技だけが、クラウドを活用したデータ分析の恩恵を受けているわけではない。NFLも2016年のシーズンを通して、センサーを利用し、ゲーム中のデータを収集・解析すると最近発表した。彼らは特別なチップをフィールドゴール時に使われるボールに埋め込むことで、キックに関するデータを集めるつもりなのだ。この研究が進めば、ゴール判定の変化、具体的にはゴールポストの幅が将来的に狭まる可能性がある。なお、NFLでは既にセンサーを活用して、選手のポジションやスピード、距離感などが計測されている。

トレーニングが効率化し、細かな改善が積み重なることで、選手のパフォーマンスが大幅に向上するという効果以外にも、データ収集によって、ファンの楽しみ方に良い影響が及ぶ可能性がある。リアルタイムでのデータストリーミングなど、クラウドやデータ分析技術は、スポーツ観戦をさらに面白くする力を持っているのだ。同様に、VR技術のスポーツへの応用例も増えてきている。

実際に、NASCAR(全米自動車競争協会および同団体が主催するレース)に参加しているドライバーやファンは、デジタルダッシュボードを利用し始めている。ラップタイムやタイヤ圧、ピットの範囲といったドライバー向けの情報をダッシュボードに表示させるだけでなく、NASCARは、同じ情報をファンにも提供したいと考えているのだ。将来的には、観客もモバイルデバイスを通じて、ドライバーと同じダッシュボードにアクセスできるようになる。そうなれば、ファンはお気に入りのドライバーと同じものを見ることができるばかりか、ドライバーがさまざまな状況にどう反応するかを含めて観戦できるようになる。

またNBCは、2016年のリオデジャネイロオリンピック期間中、VRを使って視聴者のエクスペリエンスを高めようとしていた。Samsung Gear VRのユーザーは、NBC Sportsアプリを介して、開会式や閉会、男子バスケットボール決勝といった特別コンテンツを視聴することができたのだ。この新しい視聴方法によって、会場から何百万マイルも離れた場所に住むファンも、世界最高峰のスポーツイベントを、まるでリオの会場にいるかのように体験することができた。

上記の例は、これから起きる巨大なテクノロジーの変化の序章でしかなく、今後はスポーツやそれ以外の分野でも、物事の体験の仕方が変わっていくことになるだろう。野球ファンは、一塁に滑り込む選手をさまざまなアングルから見ることができるようになるだろうし、ホッケー選手はデータを分析することで、スラップショットの精度を限りなく完璧に近づけられるようになるだろう。選手、コーチ、ファンの全員がもっと試合内容を深く理解できるようになることで、新たな戦術が生まれたり、新しい観戦のかたちが生まれる可能性もある。

スポーツ以外だと、スマートシティが各地で誕生し、エネルギー消費量からゴミ処理までさまざまなプロセスの効率化を図っている。ビジネスの世界でいえば、業界を問わず、各企業がデータを有効活用して、人員の最適化や生産性の向上など、社内の状況を改善しようとしている。このように、業界を超えた影響力を持つ、新しいテクノロジーの可能性について考えるのはとてもワクワクする。あなたは、クラウド・データ主導の未来に突入する準備がもうできているだろうか?

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

TeslaによるSolarCityの買収が正式に決定

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現地時間21日の朝、TeslaがSolarCityを買収することが正式に決定した。Elon Muskが率いる電気自動車企業と、彼の従兄弟であるLyndon RiveとPeter Riveが率いる太陽光エネルギー企業がこれで1つになる。この買収がTeslaとSolarCityのシェアホルダーから承認されたのは先週のことで、最初にこの買収案が提案されたのは今年6月のことだった。

買収の正式決定に際し、Teslaは簡単なコメントを発表している。

TeslaによるSolarCity買収が今朝正式に決定し、それを皆様に発表できたことを私たちは嬉しく思います。

Muskが今年6月にこの買収を提案して以降、彼は頻繁にSolarCity買収の重要性を主張してきたことを踏まえると、このコメントは簡潔かつ控えめなものだと言えるだろう。この2社の統合は、消費者にエネルギーの生産方法、貯蓄方法、そして消費方法のすべてを提供するというMuskの「マスタープラン」を実行するうえで欠かせない要素だった。

先日、Teslaは屋根に取り付けるソーラーパネルをローンチしている。これによってMuskは、この2社はTeslaブランドの「一つ屋根の下に収まる企業なのだ」ということを表したかったのだろう(僕は今朝とても早く起きた。だから、これくらいのジョークは許してほしい)。Muskにとって、電力をクリーンな方法で発電することと、その電力を使用した電気自動車をつくることは、本質的には同じことなのだろう。全体の二酸化炭素排出量を減らすうえで、低コストでクリーンな発電方法を普及させることは、クリーンなクルマをつくることと同じくらい重要だ。それを踏まえれば、彼のその考えは筋の通ったものだと言えるだろう。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Visa予測:オンラインでのホリデーショッピング額は昨年比18%増

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1年の後半数ヶ月は、電子商取引関連ビジネスにとって非常に大きな意味をもつ時期となる。ホリデーシーズンを迎え売上額は最高を示し、さらにウェブやモバイルデバイスから買い物をする人が年々増えてもいる。この傾向はもちろん今年も続くこととなる。最新の予測レポートによれば、ほぼ半数(47%)の消費者が、ホリデーショッピングをオンラインで行うことになるとのこと。また、そのうち33%はモバイルデバイスを利用するだろうとのことだ。

この予測レポートを発表したのはVisaだ。Visa Checkoutなどを提供し、PayPalやApple Payに対抗するオンライン決済サービスを提供している。アカウント数は1500万に達し、数十万の商業施設で利用可能で、他にも16ヵ国1400社の金融機関と提携もしている。

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ホリデーショッピングをオンラインで行おうとする人の予測を、過去2年の実数と比較してみたのが上の図だ。増加数はごくわずかではある。昨年と比べて1%しか伸びないだろうとの予測だ。ちなみに2014年から2015年にかけては、43%から46%へと3%の伸びを示している。

しかしオンラインでのホリデーショッピングの額は、かなり伸びそうだとのこと。昨年比で18%の伸びを示すだろうとしている。2015年にも、前年比で16%の伸びを示したのだった。

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利用するデバイスについてみると、Visaの予測ではオンラインでショッピングを行う人の33%がスマートフォンないしタブレットを利用してショッピングを行うだろうとのこと。なお、その4分の1はミレニアル世代(18歳から34歳)によって占められるだろうとのことだ。

購入するものの内容を見ると、洋服やアクセサリー、あるいは室内装飾品などについては、実物を見てから購入するのを好む人が多いようだ。オンラインで購入されるものは書籍、CD、DVD、ゲーム、おもちゃ、電子デバイスやスポーツ用品などが多い様子。

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さらに、ブラックフライデーに比べてサイバーマンデーの重要性が増していることも指摘している。また、12月の半ばにも掛け込み購入の大波がある。ちなみに昨年のブラックフライデーの売り上げは、購入額で見ると1年の中で13番目に過ぎなかった(PC、モバイルおよび実店舗での販売の合計)。ブラックフライデーの存在感が薄れる傾向はあるようだ。

もちろんこれは商機の縮小につながりかねないわけで、販売業者はいろいろと手を講じつつある。たとえば、ブラックフライデーのずいぶん前から「ブラックフライデー・セール」を開始するところも増えている。たとえばAmazon.comでは、これまでで一番はやくからブラックフライデー・セールを開始している。玩具や電子デバイス、およびAmazonのオリジナルプロダクトなどのセールスを11月18日から行なっているのだ。昨年のセールス開始日は11月20日だった。

ウォルマートもホリデー・セールスの開始時期を早めるとアナウンスしている。感謝祭翌日の翌日である11月25日の金曜日から、サイバーウィーク・セールスを開始するとのこと。

National Retail Federationも、セールスの前倒しにともなって、すでにホリデーショッピングが始まっているとしている。

ところで、このVisaの予測はやや控えめな傾向にあるものであることは意識しておいて良いだろう。たとえばPwCは、今年のホリデーシーズンにおけるオンラインショッピングの売上額は25%の伸びを示すと予測している

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(翻訳:Maeda, H

たった1滴の血液で128通りの血液検査ができるGenalyteが3600万ドルを調達

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Theranosに似た血液検査デバイスを開発するGenalyteは本日、Khosla VenturesとRedmile Groupがリード投資家を務めたラウンドで3600万ドルを調達したことを発表した。

サンディエゴを拠点とする同社は、たった一滴の血液で128通りの血液検査を行うことができるラボ・オン・チップデバイスを開発する企業だ。同社はこれをMaverick Detection Platformと呼び、1回のテストにかかる時間は15分以下だ。

Genalyteが自社で開発するシリコンチップにはフォトニック結晶を利用した共振センサーが多数搭載されており、これを利用することでリウマチなどの病気の検診をすることができる。現在申請中のFDAの認可を受けることができれば、このテクノロジーを外来患者にも利用することも可能だ。

これまでにGenalyteはInstitutional Review Boardの許可の元、一滴の血液で実施できる同社の血液検査と、従来の血液検査の正確性を比較することを目的とした臨床実験を実施している。今回調達資金も追加の臨床実験を実施するための費用に充てる予定で、それにより規制機関からの認可を受けるための準備を整える構えだ。

Genalyte CEOのCary Gunnによれば、これまでの臨床実験ではポジティブな結果が生まれており、同社のテクノロジーを次のフェーズに進めるための準備は整ったと話している。この臨床実験の結果は11月12日に開催されたAmerican College of Reumatology(ACR)でも発表されている。

Genalyteのテクノロジーはすでに製薬業界で商用利用されているものだが、Gunnは同デバイスをもっと「患者に近いところ」で利用できるようにしたいと考えている。つまり、外来の患者を研究室に送り出し、検査の結果が出るまでに何日もかかるというようなものではなく、診察室で1滴の血液を採取するだけで、その数分後には血液検査の結果が出ているというような形だ。

この計画は、TheranosがWalgreensと業務提携をした当初のビジネスプランに近い。ユーザーが午前中にWalgreensの店舗の中に設置されたTheranosの研究室に行って少量の血液を採取すれば、午後にはその結果をアプリで見ることができるというものだ。

しかし、そのプランに対する業界からの目は懐疑的だった。特にTheranosに対しては。Gunnによれば、GenalyteはTheranosの失敗から学び、何度も臨床実験を重ね、プロダクトの有効性を確実なものにしてから消費者に提供していく予定だという。同社はすでに臨床実験の成果を学術雑誌を通して発表している。ここがTheranosとの違いだ。さらに、Genalyteの創業者は医学のバックグラウンドを持ち、創業当初から積極的に医学界から人材を登用してきた。これもTheranosは怠ってきた。

「業界関係者はデータを見たがります。彼らが見たいのは実際に臨床実験を行っている姿とその結果です。それが彼らとの関わり方であり、それには時間がかかります」とGunnは語る。「メディアにはこの業界がつまらないものに写ってしまうかもしれませんね」。

問題の渦中にあるTheranosを血液検査のブレークスルーを成し遂げられる唯一の企業だと信じる者もいる。しかし、それを成し遂げる可能性が高いのはGenalyteなどの企業だ。

「血液検査は大きく変化しようとしている業界であり、Genalyteはその変化の主唱者です。彼らは血液検査のあり方だけでなく、精密医療のあり方を変えようとしているのです」と語るのは、Khosla Venturesを率いるVinod Khoslaだ。「検査結果をタイムリーかつ正確に提供するために、厳格な科学的プロセスにコミットし続ける彼らとのパートナーシップを深めることができたことを、私たちは誇りに思います」。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

今年のAppleのホリデイ広告はインクルージョン(差別の壁を壊す)を強く訴える

毎年Appleは、ホリデイシーズンの広告を感謝祭に初お目見えする。そしてその広告だけは通常の製品広告とは違って、つねに、“新しい価値観”を訴える広告になっている。今年のAppleは、家族や友だちだけでなく、誰もが自分のまわりのすべての人に優しくしよう、と訴えたいようだ。

監督は2013年のホリデースポットで、エミー賞の最優秀広告賞を取った人。フランケンシュタインを主人公とする、みごとな短編だ。

フランケンシュタインは山の上の一軒家に住んでいる。暖炉のある快適そうな家で、最初の短いショットでは彼はコーヒーか紅茶を飲む。自分のiPhoneを使って、オルゴールを録音する(ぼくもオルゴールは好きだ)。

でも、なにか物足らない。なにか、いまいち、がんばる必要がありそうだ。めったに外出しない彼は、意を決して帽子にたまった埃をはらう。もう何日も、かぶってない帽子だ。

外に出て、やっと彼の顔が映る。それまで視聴者には、彼が室内で鼻歌を歌ってる老人であることしか分からない。しかし実は彼は、片足を引きずりながら歩くモンスターだった。

彼は村の広場へ行き、怖がっている群衆の前で歌う。彼は自分に自信がなく、ためらい、そして途中でギブアップしようとする。しかし一人の少女が彼に手を伸ばして、耳につけたライトを直してあげると、群衆は彼と一緒に歌い始める。

これだけでは分かりにくいか、と思ったAppleは、最後に“Open your heart to everyone”(誰にでも心を開きましょう)というテキストを表示する。ホリデイシーズンは家族や友だちと時を過ごす良い機会だが、同社は、さらにその外を見よう、と言う。

大統領選挙で生じた分裂も、この広告の制作動機の一つだっただろう。みんなが、同じ不安と、同じスマートフォンと、そして同じためらいを共有している。だから、お互いに、優しくなろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NextEVの電動スーパーカー、NIO EP9はニュルブルクリンクの世界記録を持っている


中国の電気自動車メーカー、NextEVはNIOブランドを立ち上げると共に、同ブランド製品ライン最初の車であるEP9を発表した。初めて披露したこの車はすでに世界記録保持者だ。EP9は世界有数のスーパーカー性能試験場であるドイツ、ニュルブルクリンク北コースのEV最高速ラップタイムを出している。

EP9は、フランスのポール・リカール・サーキットでも、EVの記録を50秒近く上回った。EP9のスペックは、0-124mph(200 km/h)加速が7.1秒、トップスピードが約200mph(320 km/h)だ ― 鋭いEVファンはお気付きだろうが、これは現行生産モデルTesla P100Dの狂気モードより0.2秒遅い(12月に公開が予定されるスピード増強アップデートが出れば0.3秒差)。

TeslaはP100Dを「世界最速の生産車」と謳っているので、EP9の「世界最速の電気自動車」という主張は、どちら正しいかを証明する直接対決が必要になることは間違いない。もっともEP9は、未だ生産車とは呼べない ― 今日のお披露目は、製品発表ではない。

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それでもこの性能は注目に値する。しかも同社の充電システムは満タンまでわずか45分で、最大走行距離は265マイル(426 km)に達する。EP9はNIOブランド全体の舞台を整える役割を担うだろう。同社はこの車を「クラスで最高」の「看板」製品にすると発表のリリースで言っている。

NextEVの米国CEO、Padmasree Warrorは昨年12月にTechCrunchのインタビューに答えた際、NestEVで職務につくにあたり「一から何かを作って大きく育てる」機会を覗っていると言ったが、このたびの新車デビューはその望みにかなうものだったに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

デベロッパーのためのクラウドスキル体験学習プラットホームQwiklabsをGoogleが買収

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Googleが今日(米国時間11/21)、Qwiklabsを買収したことを発表した。そこは、クラウド環境の運用に習熟したい、そしてクラウド上で動くアプリケーションを書きたい、という人たちのための体験学習プラットホームだ。

2012年にローンチしたQwiklabsこれまでもっぱら、Amazon AWS関連のスキルを教えてきた。AWSはいわばこの市場を支配している勢力だから、それも当然だ。Amazon自身も同プラットホーム上のデベロッパーたちに、自分のペースで勉強できるサイトとして、Qwiklabsを推奨している

Googleによると同社は今後Qwiklabsのプラットホームを利用して、“Google Cloud PlatformG Suiteを含む同社のすべてのクラウドプロダクトに関する、もっとも包括的で効率的で楽しい教育訓練を提供して、多くの人びとの定着を促進していきたい”、ということだ。

Qwiklabsはこれからも従来どおりの会員制学習サービスを提供していく、と言っているから、AWS向けのプログラムは継続するようだ。今後もまだAWSコースが増えていくのか、それはよく分からない。またGoogleのスポークスパーソンによると、この件に関して具体的に発表することはない、という。QwiklabのGoogle Cloudコースに関しても、いつから始めるなどの具体的な発表はまだできないそうだ。

Qwiklabsによると、これまで50万人あまりの人たちがそのプラットホームをのべ500万時間以上利用してAWSを勉強してきた。またCrunchBaseによれば、同社はこれまで外部資金を導入しておらず、今回の買収に関してはその価額などの詳細は公表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

人間に話しかけるようにファイルの検索ができる「Findo」が700万ドルを調達

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ファイルやEメールがどこかにあるのだが、その場所が分からない。これは誰しもが抱える問題だろう。テック業界で働く人々にとっては特にそうだ。そんな時、理想を言えばEメールの受信ボックスやGoogle Docsにこのように尋ねたいと思うことだろう。「この前受け取ったプレゼン資料を探してほしい。送ってくれた人の名前は忘れたけど、彼とは昨年にNYCで会っているはずだ。バイオテックに関するプレゼンテーションだった」。人間にこのように尋ねるのは可能だが、機械では不可能だ。

この会話の問題は、機械が何かを探すために必要なキーワードを人間が思い出せないというところにある。それに加えて、最近では複数のEメールアカウントを持つのが当たり前になり、ファイルの置き場所が増えたことも問題の1つだ。

2013年にこの問題に気づいたのが、Findoの共同創業者であるDavid Yangだ。そして彼は現CEOのGary FowlerとFindoを立ち上げることになる。Garyは東ヨーロッパの主要アクセラレーターの1つであるGVA Launch Gurusを設立した人物としても知られている。

トップに掲載した写真に写っているYangは、少し特殊な経歴を持つ起業家だ。彼は21歳の時にモスクワでABBYYという会社を立ち上げている。ABBYYはその後、世界でも有数のAIを利用したOCR(光学文字認識装置)企業として成長し、1300人の従業員と16のオフィスを持つまでに成長した。シリコンバレーにも100人の従業員がいる。

テック業界のベテランたちへ:彼はあのCybikoを発明した人物でもある。Cybikoは当時10代の若者向けに開発された小型のワイアレス・コミュニケーションPCで、スマートフォンの前身となったデバイスだ。(私はこのCybikoが大好きだった!周りの友達にも普及しさえすれば、、)

そして今、Yangはドキュメントの検索システムに取り組んでいる。

彼が立ち上げたFindoはシードラウンドで追加の100万ドルを調達し、このラウンドでの合計調達金額は700万ドルとなった。それに加え、同社のプロダクトがPDFファイル向けのソリューションを提供するFoxitのソフトウェアに統合されることもすでに決まっている。

今回のシードラウンドに参加した投資家は、ABBYYの創業投資家、Flint Capital Venture Fund、戦略的な出資者として参加したFoxit、そして金額と名称は非公開ながら、ドキュメント・スキャナー業界から出資に参加した者もいる。

FindoのプロダクトがFoxitのソフトウェアに統合されることで、4億2500万人のFoxitユーザーはPDFファイルをトピック別に分類したり、類似ファイルの検索や比較をしたり、キーワードや送信者の名前を覚えていなくてもPDFファイルを検索したりすることが可能になる。このような機能に加えて、PDFの編集機能も備わっている。

Findoは、Dropbox、Evernote、Gmail、Google Drive、OneDrive、Outlook、Yahoo Mail、iCloud、そしてノートパソコンやデスクトップPCのローカルドライブに対応した「スマートサーチ・アシスタント」だ。Findoには5つの「フォームファクター」が用意されている:Webアプリ、iOSモバイルアプリ、チャットボット(Slack、Facebook Messenger、Skype、Telegramに対応)、Chrome拡張機能、iMessageアプリだ。

Findoは人間の言葉を理解することができる:人間に対して話しかけるようにファイルを検索することが可能なのだ。例えば、「1ヶ月前にボストンにいる人から送ってもらったプレゼン資料を探してほしい」だとか、「ユナイテッド航空で予約したサンフランシスコ行きのチケットを探してほしい」というような具合だ。

ユーザーが自身のEメールアカウントやローカルストレージなどをFindoに認識させると、Findoはユーザーのデータをインデックス化する。利用されるインデックスはキーワード・インデックスと「セマンティック・インデックス」の2種類だ。Findoはファイルの内容から企業名、人物名、ローケーション、ミーティングの要点、イベント、アジェンダ、各種チケット、請求書などのデータのまとまりを抽出し、それを全てつなぎあわせて「知識グラフ」を構築する。

Macに搭載されたSpotlightで同じことができるだろうか?SpotlightではローカルファイルやEメールの検索をすることはできるが、Evernoteの検索はできない。ローカルストレージと同期されていないDropbox内のファイルを検索することもできない。さらに、FindoではSpotlightで検索できないようなファイルも検索可能だ。

「ロンドンの”あの人”の電話番号を探してほしい」。このようにFindoに尋ねれば、Findoはロンドンという情報に関連する人物の電話番号を探してくれる。例えば、ロンドンに拠点を持つ企業に勤める人物の電話番号を探すというような具合だ。すべてのユーザーで共有のセマンティックインデックスを構築するGoogleとは違い、Findoは何億ものプライベートなセマンティックインデックスを、何百もの言語向けに構築することを目指している。

これまで3年間のあいだ極秘とされてきた同社のプラットフォームは今日から公開が始まっている。

同社のスポークスパーソンによると、「4つ以上のアカウントを連携するユーザーのリテンション率が特に高い」という。

Findoのプロダクトは現在、WebiOSアプリ版、そしてMessenger、Slack、Skype、Telegramに対応したチャットボット版、さらにChrome拡張機能版が公開されている。

6ヶ月以内に作成されたファイルの検索ができるAdvanced Planは月額4.99ドル、すべての期間に作成されたファイルの検索できるUltimate Planは月額9.99ドルで提供されている。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Google、「混雑する時間帯」をリアルタイム表示に

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Googleが昨年導入したPopular Times[訪問数の多い時間帯]というちょっと気の利いた機能は、レストランやカフェ、バー等がその曜日に混雑する時間帯をグラフで教えてくれる。今日(米国時間11/21)同社はこのコンセプトを一歩進め、グラフをリアルタイム表示にした。つまりこれからは、日曜午前にお気に入りのブランチの店へ行く時、出かける前から待ち時間がわかる。

以前と同じくPopular Timesウィジェットは、Google検索やGoogleマップでレストランやバーを探した時に表示される。システムはその場所の匿名情報に基づいて現在どのくらい混雑しているかを決定する。

私の経験によると、非リアルタイム版はいつもかなり正確だが、 当然のことながら、ある日曜日にブラディーメアリーを欲しくなる人が増える特別イベント等は考慮に入っていない。万が一Googleが間違っていたときは、時間を返してはくれないが修正情報を送ることができる。

すでにGoogleは、ある場所に人がどれだけ長く居座るかを知っているので、それに新たなリアルタイムデータを組み合わせることによって、次の打ち合わせまでに一杯コーヒーを飲む時間があるか心配な人も、遅刻せずに済むことだろう。

私が調べた限りでは、リアルタイム版Poluar Times機能はまだ公開されていないが、数時間のうちには見られるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これが来年Windows 10 VRを楽しむために必要なスペックだ―意外にハードルは低い

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来年登場するWindows 10 VRのハードウェアのスペックが判明した。ハードルが意外に低かったことにわれわれは喜ぶべきだろう。これなら拡張現実は広い範囲に普及可能だ。大手ハードメーカーがサードパーティーとしてヘッドセットを開発しているが、価格は299ドルからと大いに手頃だ。

またこれを作動させるために必要な平均的パソコンのスペックも明らかになった。The Vergeは「必要とされる能力はさして高くない」としているが、朗報だ。

マイクロソフトはWindows Holographicイベントでテスター向けのVRモジュールを組み込んだプレスリリース版Windows 10を発表した。このバージョンのWindows 10が作動する最低限のハードは、4GB以上のシステムRAM、 USB 3.0 port、DirectX 12(これも高度な要求ではない)をサポートするグラフィックカード、クオドコアCPU(ハイパースレッディングをサポートするデュアルコアを含む)だという。

エントリー・レベルのVRヘッドセットが手の届きやすい価格になることに加えて、これに接続させるパソコンも特に高度なものである必要がないことがわかった。ソニーからはPSVRのロールアウトが続く。GoogleのAndoroidにおけるDaydream VR サポートと合わせて、2017年はVRが本当にブレークする年になりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、企業向けファイル共有サービス、Team Drivesを公開ベータへ―対象はEAPメンバー

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今日(米国時間11/21)、Googleは企業向けの新しいファイル共有プロダクト、Team Drivesの受付を開始した。このアプリケーションはこの秋に入ってすぐ予告されていた。Team Drivesの主たる目的は企業における組織横断的なファイル共有を助けると同時に、共有フォルダのコンテンツに応じたきめ細かいアクセス権が設定できるようにするところにある。

これ以前、GoogleはGoogle DriveでDropboxに対抗していたが、このプロダクトはどちらかと言えば個人の生産性ツールだった。企業の場合はファイル共有の範囲は多数の組織にまたがるため、アクセス・コントロールにはさらに高い機能が必要とされる。

たとえば、ある文書について、一部のユーザーには編集権を与え、別のユーザーには閲覧だけを許して故意、偶然を問わず、削除や変更ができないようにする必要があるかもしれない。

Googleが最初にTeam Drivesを発表したとき、同社ではGoogle Driveのテクノロジーを再構築してこうしたアクセス制御を導入するとしていた。Team Drivesはバグを潰している段階で、現在のところアーリー・アダプターを対象とするEAプログラムのメンバーのみベータテストの申し込みができる。

Team Drivesは間もなく稼働するという。ただし申し込みの受付にあたってはいくつかの制限がある。まず申込者は G Suite Business and Educationプログラムのメンバーである必要がある(G SuiteはGoogleのGoogle Apps for Workの新しい名称)。

またG Suiteの管理者はTeam Drivesにサインアップし、プライマリー・ドメイン全体をTeam Drivesに登録しなければならない(今のところセコンダリー・ドメインの登録はできない)。

Googleによれば、管理者はTeam Drives内の個別コンテンツについてはアクセス制限が可能だが、 Team Drivesそのものは全ユーザーから認識、アクセスが可能だという。言い換えれば、Team Drivesに参加するには会社のトップの承認が必要ということになる。IT部門が一部のユーザーだけを対象に内密にテストするということはできない。

Team Drivesの最大のメリットは企業として重要なファイルを中央で一括管理できることだろう。Team Drivesを使えば、「囲い込み問題」、つまり企業にとって決定的な情報を含むファイルが一部のユーザーの個人フォルダ内にあって共有されていないという問題を避けることができる。Team Drivesであれば、他のユーザーもこうした情報にアクセス可能だし、何よりもファイルのオーナーであった社員が異動したり退社したりした後でもファイルを従来どおり利用できる。

Googleではこれまでも少数のユーザーを対象にTeam Drivesのテストを行ってきた。しかし今日の発表で Early Adopter Program参加者という従来より広い範囲のユーザーがテストに参加できることになった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがWi-Fiルーターから撤退か

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Appleは1999年以来、折りに触れ新しいWi-Fiルータをリリースし続けてきた。AirPort ExpressとAirPort Extreme(日本の国内では商標の都合上AirPortではなくAirMacという名前で売られている)にはアップデートが必要なのだが、どうやらそれを待っても仕方がないようだ。ブルームバーグからの新しいレポートによれば、同社はワイヤレスルーターに取り組んでいたチームを解散したということだ。エンジニアたちは既に、他のプロジェクトに取り組んでいる。

おそらくAirPortの製品ラインは、それほど多くの収益を挙げていない。そしてAppleはより人気の高いプロダクトに注力していくように見える。同社は似たようなことを他のプロダクトにも行ってきた、外部ディスプレイに関してはサードパーティーメーカーに頼っている。

しかし、Wi-Fiルーターに関しては、Appleが新しいものに挑戦しないことが少々悲しい。特に最初のAirPort Expressは私のお気に入りの1つだ。それはコンセントに直接差し込む小さなデバイスだった。そこには3つのポートがあって、それぞれ、インターネット接続のためのイーサネットポート、ハードドライブやプリンターのためのUSBポート、そしてスピーカーに接続するためのヘッドフォンジャックだった。

そして、iTunesの中の曲を再生し、他の部屋にあるスピーカーに対してストリーミングを行うことができたのだ。そのときのコンピューターはBluetoothを使っていなかった — 2004年のBluetoothは音楽ストリーミングにおいては、とても満足できる代物ではなかったのだ。コンピューターはロスレスオーディオファイルをストリーミングし、そしてAirPort Expressは小さなデジタル/アナログコンバーターを内蔵していた。

当時、Appleはこの技術をAirTunesと呼んでいた。そして、それは現在Apple TV、Mac、そしてiOSのデバイスでポピュラーに使われている、ビデオとオーディオためのストリーミングプロトコルである、AirPlayへの道を開いたのだ。

Appleはまた、Time Capsuleでは、Wi-Fiルーターにハードドライブを搭載した。こうすれば、Time Machineがデータをバックアップしてくれたのだが、このときハードドライブをラップトップに接続する必要はなかったのだ。統合があまりにもシームレスだったので、バックアップのことについて忘れてしまう程だった。もちろんこれは、iCloudやDropboxがまだ始まったばかりの頃の話だ。

いまやEeroGoogle Wifiを発表したGoogleといった会社たちが、再び無線ルーターを面白くしようとしているが、Appleには2つの可能性があった。新しいAirPortデバイスに投資するのか、それともマーケットから撤退するのか。どうやらAppleは後者を選んだようだ。

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(翻訳:Sako)

データサイエンスとロケットサイエンスが人類を火星へ連れて行く

Laptop computer with red ethernet cable forming a rocket, coming out of the back on a plain background

【編集部注】著者のKapil Kedarは、Alpine Dataのテクニカル・セールス部門のディレクターである。

最近CNNの論説で、オバマ大統領は、火星へ有人ミッション送り込む米国のコミットメントを再確認した。データサイエンス上の課題が複雑すぎると思うだろうか?火星遠征が健康へ与える影響を理解するために行う、データマイニングの難しさを想像して欲しい。

数年にわたる宇宙の滞在で、宇宙飛行士の筋力や肺活量に何が起きるのだろうか?どのくらいの体重なら安全に減らすことができるのだろうか?乗務員の居住スペースのCO2はどの程度であればよいのか?個々の宇宙服の関節の柔軟性を計算するのに必要とされているセンサーの数はいくつだろうか?

人間を「これまで誰も行っていない場所(where no one has gone before)」に送り出すときには、考慮すべき多数の変数があり、そのためにNASAは、将来の火星行きミッションに備えて健康と安全のリスク研究を熱心に行っている。これらのリスクを理解することはとても重要だ、なぜならそれらは旅行計画を行う際に必要となる多くの意思決定にインパクトがあるからだ — それはおよそ全ての項目に及ぶ。乗組員候補をどのように評価するべきかというものから、機器エンジニアリング、ミッションの物流、そして燃料の必要量の決定まで。

賭け金は高いが、NASAは最初の段階から、完璧な分析モデルの開発ではなく、意思決定者が連続的に変化する多くの疑問に分析を使って答えることができるようにするための、データサイエンスプロセスを構築することにより力を注ぐ必要があることに気が付いていた。とはいえ、NASAの分析アプローチから学ぶために、ロケットサイエンスに精通している必要はない。以下に示すのは、これからビッグデータ分析を始めようとしている組織、あるいはビッグデータ分析に行き詰まっている組織に当てはまる、有用なキーポイントである。

複雑にするな

簡単に言えば、データサイエンスはロケットサイエンスのように複雑であってはならない(そこで昔私がやっていたことを知りたい人はいるだろうか?)もちろん、ビッグデータの分析には様々な課題がある、そしてもちろん、どのような洞察を得たいかによって、アプローチも変化する。しかし、状況が必要としていること以上に物事を複雑にする必要はないのだ。

あまりにも頻繁に、多くの組織が、データ分析を行うことに集中すべきときに、ひたすら分析のためのデータ移動の無限のサイクルに落ち込んでいる。ビッグデータは、その定義から明らかなように、その移動は不可能ではないにせよ、大変難しい。Hadoopのような分散ストレージと処理のフレームワークが存在する理由はここにある — クラウド内のデータは、サイロ内のローカルデータよりもはるかにスケーラブルなのだ。

火星行きのプロジェクトでは、見るべきデータに大変多くのレベルが存在する、たとえば前回の宇宙ミッションを完了したScott Kellyのような宇宙飛行士から収集したヘルスデータから、非宇宙飛行士を使った研究や、ヒューストンのJohnson Space CenterにあるHuman Exploration Research Analog(HERA)のような模擬宇宙空間で行われる研究まで。

全てのデータを1箇所で得ることが、重要な最初のステップだ。このためにNASAは、Lockheed Martinを始めとする複数の分析パートナー(例えばAlpine Data)によって開発された、高度分析と情報供給のための共同プラットフォーム(Collaborative Advanced Analytics and Data Sharing platform)を用いて、データをその提供元で分析するために使っている。仕事をするために一々分離した分析環境へデータをダウンロードすることを待つ必要がないので、研究者たちはその時間とエネルギーを、火星行きミッションを計画する際の問い合わせと回答を得る作業に集中できる。

打ち上げは単なる始まりに過ぎない

ロケット打ち上げの成功は、数年にわたる火星へ遠征の最初の1ステップに過ぎない。過去の経験から、NASAはその全行程の間に、多くの問題が発生し、対処を迫られること知っている。同じことが、データ分析プロジェクトにも当てはまる。モデルをデプロイすればプロジェクトが完了するというわけではない。実際には、最も貴重な分析の取り組みは、モデルが継続的に洗練され反復される形で行われる。

データサイエンスはロケットサイエンスのように複雑であってはならない。

科学的方法と同様に、分析を最大限に活用するためには、実験、テスト、失敗からの学び、そして更なる再びテストを必要とする。米航空宇宙局(NASA)は、自由に大容量のデータを照会できるようにしたいと考えていて、これまでの知見に洞察を注ぎ込み新しいモデルを構築できるようにしたいのだ。これが、データサイエンスに関わるこの活動が「振り子」に似ている理由である、前に振り出しながら研究者の洞察を深め、後に戻しながらモデルの定量化、結果評価、そして精細化を行い、そしてまた新たな振りを繰り返すのだ。

持っているデータを使え。持っていれば良いなと思うデータではなく

素早く簡単に分析モデルを洗練することが出来る能力は、データセットは完璧ではないときに、特に貴重なものとなる。(いや実際に、完全データセットなどというものがあるだろうか?)。

NASAにとって、データ上の最大の課題は、宇宙飛行士のサンプルサイズが小さいことである — わずか300人の個人がこれまでにNASAの宇宙飛行士として受け入れられてきた。研究者らは、この小さなサンプルから収集したデータをなんとかマイニングし、外挿を行う必要があるのだ。

例えば、120ポンドの体重を持つ35歳の女性の宇宙での5ヶ月の旅の記録に基づいて、出発時32歳で123ポンドの人に2年間の間に何が起きるかを計算できるだろうか?30歳で118ポンドなら?更には、これまで宇宙飛行士が、赤い惑星に足を踏み出したことはないので、実際に火星に住むことへの健康への影響については何のデータもない(マット・デイモンは除いて)。

しかしNASAは、月へ行った、あるいは国際宇宙ステーションで1年を過ごしてきた宇宙飛行士たちから、何を学ぶことができるのだろう?模擬宇宙環境に住んでいる被験者からのデータが予測モデルに適用されたときに、何が起きるのだろうか?迅速なモデルの展開と洗練を支援する分析ツールを使用すれば、組織は例え重要な情報が欠落している場合でも、より良い予想を行わなければならない洞察を、データから引き出す様々な方法を試し続けることができる。

ブラックボックスを打ち破れ

火星ミッションでは、NASAは納税者の何十億ドルをつぎ込んでいるだけではなく、宇宙飛行士たちの命も預かっている。宇宙飛行士達は科学と探求の名のもとに、彼らの健康と安全をリスクに晒すのだ。

分析の他の消費者と同様に、NASAは結果として得られた提案が信頼できるものであるようにする必要がある、しかし、もしこうした予測が、データサイエンスの専門家だけが扱ったり理解できる「ブラックボックス」ので計算されている場合にはそうした信頼の獲得は難しい。

このようなプロジェクトのためには、データサイエンスの博士号を持たない分析結果の利用者たち(ヘルス研究者、機器エンジニア、その他のミッション計画実施者たち)の力を拡大して、自分自身のデータに対して実際に問い合わせを組み立てて実行できるようにすることが鍵である。これは、ビジネスとITステークホルダーの間の緊密な協力を必要とし、同時に利用と変更が簡単で、必要な人へ洞察を届ける能力を持つツールも必要とする。これがNASAが共同分析プラットフォームを選んだ理由である。このプラットフォームには、火星ミッションで働く科学者と意思決定者たちによって使われているシステムとアプリケーションに直接出力を展開するツールが含まれている。

大規模で複雑なデータセットは、分析の展開に着手しようとするどのような組織に対しても、課題を提起する。しかし、NASAによるデータを最も複雑な旅(火星への遠征)へと結びつけようとする例は、その課題が乗り越えられないものではないということを証明している。適切なツールと、最も重要な一貫性のあるよく計画されたアプローチを使えば、データサイエンスはロケットサイエンスのように困難なものとはならない。

注:Lockheed MartinのInformation Systems & Global Solutionsは、現在Leidos Holdingsの一部である。

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(翻訳:Sako)

Hacking Arts 2016の優勝は「音楽版Pokémon GO」のHarmony Space

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今週末、ソフトウェアやハードウェアのエンジニア、アーティスト、起業家がボストンに集結した。MITが主催するハッカソンのHacking Arts 2016に出場するためだ。

ファイナリストに残った12チームのうち、見事受賞を果たしたのは以下の4チームだ。

  • Best All-Around Hack優勝: Harmony Space
  • Best All-Around Hack第2位: Revive
  • Best All-Around Hack第3位: möbel
  • Hackers’ Choice: Inkfinity

MIT提供の受賞プロジェクトの詳細はこの記事の最後に掲載してある。

ハッカソンは通常、あるテクノロジーのプロモーションや新しいプロダクト・アイデアの宣伝、優秀な人材の発掘などを目的に企業や教育機関が主催するイベントだ。しかし、Hacking Artsはもっと「大きなもの」に挑戦するように出場者に呼びかけている。

Hacking Arts2016のWebサイトによれば、出場するチームは「アートが持つ機能を強化する、あるいはアートへのアクセスを向上させるようなプロトタイプを設計・創作する」ことが求められ、「テクノロジーとアートを通じて世界を変える」ことが彼らの目標となる。

同ハッカソンのオーガナイザーを務める、Sloan MBA候補生のHelen Smithによれば、今年応募があった700名のうち、本戦に招待されたのは250名だったという。結局は250名中177名がハッカソンに参加、全体の58%が女性で、87%が学生だった。この学生の大半は学部生だ。ボストンやニューヨークからの参加者が多かったが、このためにボストンにやってきた者もいた。

出場者たちが創りあげたプロジェクトは、モバイルアプリ、ウェアラブル、没入型のエンターテイメント体験など様々だった。半数以上のハッカーたちがARやVR、そしてロボティクスを駆使して彼らが打ち立てた目標を達成していたとSmithは話す。彼女によれば、今年のプロジェクトで多く見られたテーマは「テクノロジーによって感情移入を促す」というものだったという。

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ペインティング・ロボットのArtmatrもHacking Arts 2016に登場

ディベロッパーに熱い眼差しを向け、チームのメンターを務めたHacking Arts 2016の協賛企業は、Adobe、Autodesk、Shapeways、Jibo、Whoaboardなどの企業だ。出場者たちはペインティング・ロボットのArtmatrや、パーソナルアシスタント・ロボットのJIBOのデモに群がり、そのようなロボットをどのように自分たちのプロジェクトに活用するべきか考えていたとSmithは言う。

2015年度と2016年度のHacking Artsで審査員を務めたArtsy CTOのDaniel Doubrovkineによれば、2016年のハッカソンでは去年に比べ、VRではなくARを利用する出場者が増えたと話している。

また彼は、今年の出場者の多くは音楽の分野にフォーカスしており、ファイナリストの約半数はサウンド・デザインを何らかの形でプロジェクトに組み込んでいたと話している。意外だったのは、今年はAmazon Echoが普及しはじめた年であるにもかかわらず、音声認識やボイスコントロール技術を利用するファイナリストがいなかったことだ。

Daniel Doubrovkineは、今年の出場者が創りあげたプロトタイプに刺激を受けたと話す一方で、出場したチームへのアドバイスがあるとすれば、もっと実験的な目線でプロジェクトに取り組むようにアドバイスするだろうと話している。

「人は常に、プロジェクトがもつ目的を一番に考えがちです。しかし、プロジェクトの目的はさまざまなアイデアを考えている最中に突然生まれることもあるということを私たちは学んだのです」と彼は言う。

Hacking Artsの運営はMIT Center for Art, Science & Technology (CAST)と、 Martin Trust Center for MIT Entrepreneurshipの協力の元、MIT Sloan School of ManagementのEntertainment, Media & Sports Clubが勤めている。

Hacking Arts 2016の受賞者たち

優勝:Harmony Space
チームメンバー: Max Harper、Matthew Seaton、Evin Huggins
「このアプリケーションは音楽の思考ツールです。このアプリケーションは私たちの空間認識感覚を聴覚と入れ替えます。空間を「聴き」、ハーモニーを「見る」ことができるようになるのです。あなたの位置X(左右)、Y(上下)、Z(前後)は、異なる3つの音符のピッチを調節する役割を持ちます。これは、すべての場所が「調和可能な」場所になることを意味します。特定の場所にポケモンが浮いているのと同じように、このアプリケーションが創る世界には「オーブ」が存在し、そのオーブによってユーザーはメジャーコードとマイナーコードを奏でることができる場所を特定することができます。このアプリケーションには、3D空間トラッキング技術とHololensの拡張現実機能が利用されています」。

第2位:Revive
チームメンバー:Paul Reamey、Tim Gallati、Luna Yuan、Liabao Li、Qi Xiong、Jingchen Gao
「このシステムは、仮想現実、触覚で感じるフィードバック、そして音楽を融合することでユーザーに太極拳を指導するシステムです。このシステムは仮想現実環境でユーザーに合図を送ります。そうすることでユーザーは、体の動かし方を理解できるだけでなく、自分の動きが正しいのかどうかフィードバックを通して知ることができます。ユーザーとシステムが相互に作用するビジュアルエフェクトを利用することで、エネルギーの流れを意味する「気」というコンセプトを表現しました。また、このシステムにはユーザの動きを促すための触覚で感じられるフィードバック機能も備えられています」。

第3位:möbel
チームメンバー:Kiran Wattamwar、Christina Sun
「”ソーシャル家具”プロジェクトのmöbelは人々の協力関係を促すプロジェクトです。家具の組み立ては、わざと複雑になるように設計されており、1人だけでは組み立て不可能な作りになっています。少なくとも2人以上が協力することで、家具の本来の価値が発揮されるのです。組み立てられたmöbel製のイスに座るためには、2人の人間が狭い空間で向き合うように座る必要があります。これにより、本当の意味で人と人との間に存在するバリアを壊し、2人の協力関係を促すのです」。

HACKER’S CHOICE AWARD受賞:InkFinity
チームメンバー:Sharon Yan、Yaqin Hunag、Daisy Zhuo、Lei Xia
「InkFinityは、仮想現実を利用してユーザーをインクで描かれた世界の中に誘い込み、詩的な旅に連れ出すアプリケーションです。ユーザーは絵画で描かれた世界に入り込み、その美学を隅々まで探索し、文化的エトスを3D空間で体験することができるのです」。

Snapchat、Spectclesメガネの自販機をグランドキャニオンに設置

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Snapchat Spectacles自販機の設置場所を最後に見つけてから24時間もたないうちに、新たなスポットが出現した。アリゾナのグランドキャニオン近くで、ミードビューという小さな町が最も近い。この新しいスポットはラスベガスからほど近く、冒険好きな人にとっては美しいドライブになるだろう。

グランドキャニオンにマシンが現れたのは、土曜日にローズボウルスタジアムに登場した直後のことで、どちらかと言うとビッグサーやサンタモニカピア等これまでの場所と共通点がある。どうやらSnapchatは、設置場所を巡るアメリカ大旅行を計画しているようだ。そして今回の設置場所は、昨日の大学フットボールゲームの後にささやかれていた「これからはイベントをターゲットにすることが増えるだろう」という理論に水を差す結果となった。

場所の選択傾向に韻や理由をあてめて次の位置を予測しようとするのは、現時点では無駄な努力に見えるが、ある興味深いファン理論が浮上している。Jobs in Social Media はかなりの自信をもって、”rose” が場所の名前やスポットに関連して出てくることを統一因子だと言っている。ただし、仮にこの理論が正しかったとしても、次の場所を予想する信頼できる方法とはいえない。

それでもこれはSnapbotとしては一番短い設置間隔だったので、これから場所が増えていって簡単に買えるようになるかもしれない。しかしあてにはならない。Snapchatは、このユニークなハードウェア製品の発売にあたって、パターンや予測の可能性についてあまり考えているようには思えない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Smart Garden 9は、室内でハーブや野菜を作れる自給式キッチンガーデン

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本誌がClick & Growを最後に取材した時、この会社は室内ガーデニング用の大きな壁掛けガーデンを販売していた。 同社の新製品Smart Garden 9は、果物や野菜、ハーブ等を育てるための自給式栽培キットで、現在Kickstarterで129ドルから支援者を募集している。

しくみは実に簡単。タンクに水を入れ、土と肥料と種を入れた鉢を置いてスイッチを入れる。LEDが自動的に点灯するので、あとは植物が伸びてきたらライトを上にずらすだけ。入門レベルは全部がレタスだが、種のない鉢もあるので好きな植物を育てられる。

このキットで同時に7種類の植物を育てることが可能で、必要に応じて自動的に水が与えられる。

Click&Growのファウンダー、Mattial Leppはオーケストラ指揮者からITの世界に入った。エストニアで最初に作ったIT会社がTeliaに買収された後、長年の趣味だった植物栽培へと転身した。

「現在30万人以上のアクティブユーザーがいます」とLeppは言う。「いちばん数が多いのは当社の第2世代製品になるSmart Herb Gardenのユーザーですが、一般向けの大型ウォールファーム(壁掛け栽培)にもかなり引き合いがあります」。

「Smart Garden 9は、当社のユーザー調査から生まれました」とLeppは話す。「80%以上が、以前の製品より大きなガーデンが欲しいという意見でした。大型の9穴タイプは、前回のKickstarterプロジェクトで支援してくれた人たちの要望でした。そこでお客さんの欲しいものを作るべく、いくつか重要な改良を加えて新しいガーデン製品にしました。LEDライトには高級なものを使い、植物が光合成を行うのに最適なスペクトルを出すようにした上で、レンズの焦点を調整してLEDの光害を大幅に減らしました。」

同社はJaan TallinnとRuchi Sanghviらの投資家から410万ドルを調達している。さらに政府からもスマート栽培製品を作るための資金提供を受けた。Smart Garden 9は来年7月に出荷予定だが、初期バージョンを見たところ、Appleがちっちゃなトウガラシを大好きならこう作るだろう、という外観だった。私は承認。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ついにインドア・ロケーションの時代がきた

House interior blueprint style. 3d-rendering

編集部注:本稿を執筆したArif Janmohamedは、Lightspeed Venture Partnersでパートナーを務めている。

 

正確な情報を必要なときに必要なところで入手する。個別化されたエンゲージメントやエクスペリエンス。簡単に利用できるステップバイステップのナビゲーション。これらは屋内位置情報を利用したサービスのほんの一例だ。

GPSやGoogle Mapのおかげで、屋外ではこれと似たようなサービスが10年前から存在する。しかし、インドア・ロケーション技術の進歩は非常に遅かった。しかし今、その状況が変わりつつあり、2017年にはこの技術が主流となりつつあるのだ。

インドア・ロケーションの時代がついに到来した。この記事では、その理由について考えてみることにしよう。

第一にインドア・ロケーション技術の進歩の引き金となったのは、スマートフォンの進化だ。先日AppleはiBeaconを、GoogleはEddystoneをそれぞれローンチしている。これにより、Bloetooth Low Energy(BLE)が事実上すべてのスマートデバイスのスタンダード技術となったのだ。これが意味するのは、これからはスマートフォンの位置情報を屋内でも正確に割り出せるということであり、デパートや病院、学校、企業、博物館などのドアをくぐった顧客それぞれにカスタマイズされたサービスを提供することが可能になる。

私にとって、これローンチは2013年にIntelがCentrinoプロセッサーにWi-Fiを組み込んだとき以来の衝撃だった。いったんノートパソコンがユビキタス化されると、それに乗じて様々な技術がまるで山火事のように誕生していった。そして2017年、私たちはBLEによって当時と似た転換点に差し掛かろうとしているのだ。

第二の引き金は、BLEを利用した新しいワイアレス・インフラストラクチャーの登場だ。これにより、簡単に、そして安価にBLEの大規模導入が可能となった。第一の引き金も、これが無ければ成し得なかった。

モバイルユーザーはどんな所でもカスタマイズされたサービスを提供してほしいと思っている。

今日までBLEの導入が遅れた理由は、BLEユーザーの位置を探知し、そのユーザーと交信するためにはアイスホッケーのパック程の大きさのデバイスを約6メートル間隔で配置しなければならなかったからだ。この量のデバイスを配置するには時間もコストもかかる。また、環境が頻繁に変化するような場所ではデバイスの管理も困難となる。新しいワイアレス・インフラストラクチャーでは、ビーコンの機能を可視化することでこの問題を解決している。この業界の「400キロ級ゴリラ企業」であるCiscoは、つい先月このアプローチを採用した新しいプロダクトを発表している

BLEを導入する上で、次に大きな障害と考えられていたのが位置情報の精度だ。BLEを利用してナビーゲーション、アセットトラッキング、プッシュ通知などのサービスを実現するためには、位置情報の精度を誤差1メートルの範囲にまで高めなければならない。しかし、機械学習の進歩や、Wi-Fiシステムと統合されたBLEなどによってこの問題も解決している。

最後の引き金はモチベーションだ。モバイルユーザーはどんな所でもカスタマイズされたサービスを提供してほしいと思っている。室内でも屋外と同等のサービスを期待しているのだ。また、企業もよりユーザーに寄り添った形のモバイル体験を提供したいと思っている。ホテルは、ユーザーが玄関をくぐると即座にチェックインできるような仕組みや、客室やレストランまでの行き方をナビーゲーションするような仕組みを望んでいる。病院は手術室やカフェテリアまでのナビゲーションシステムや、車いすやインフュージョンポンプなどの場所を教えるようなサービスを望んでいる。スーパーやデパートなどでは、特定の棚の売れ筋情報を買い物客に伝えたり、近くのスタッフの位置を知らせたりする仕組みを望んでいる。

さらに、現代のような「データの時代」では、このようなサービスから得られるデータを分析することもできる。スーパーの買い物客はどこの棚の商品を立ち止まって見ているのか?どれくらいの時間をそこで過ごしているのか?どの場所で、どのような行動をしているのか?このような情報を分析することで収益を伸ばせるだけでなく、顧客がもつ実際のニーズに寄り添ったサービスを提供することが可能になる。

投資家たちはこのポテンシャルを見逃さず、今年には数多くのロケーション分野のスタートアップが資金調達を完了している。ターゲット広告のBlis MediaはシリーズBで2500万ドルを調達。ユーザーの位置情報を広告業者に提供するPlaceIQはシリーズDで2500万ドルを調達。Euclid AnalyticsはシリーズCで2000万ドルを調達。機械学習を応用した高精度の位置情報と、ビジネスに不可欠なWi-Fiサービスを提供するMist Systemsは、先日実施したシリーズBで2800万ドルを調達している(ディスクロージャー:私の会社はMistに出資をしている)。位置情報を駆使したモバイルアプリを製作するPhunwareは、先日2200万ドルの追加調達を完了し、同社の総調達金額は9000万ドルとなった。

「ロケーション・エコシステム」を創り出しているこれらの企業がもつ可能性に興奮させられるばかりだ。彼らが自分たちのポテンシャルを発揮することができれば、ユーザーである私たちは、自分用にカスタマイズされたサービスをどこに行っても受け取ることができるようになるのだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

これがシルク・ドゥ・ソレイユ最新作「Luzia」を支えるテクノロジーだ

シルク・ドゥ・ソレイユのスタッフから、最新のショウ、Luziaの舞台裏技術を見にこないかと聞かれたわれわれは、大喜びで出かけていった。ベイエリアに来るシルクのショウは全部見に行くことにしているので、私にとってはまるでサンタの楽屋を覗き見するようなものだ。

そこには、ステージ一杯に延びる巨大ランニングマシンから、水滴を一つずつ制御して花や鳥たちの絵を雨で描く散水装置や花に包まれたドレスがそっと花を咲かせるしかけまで、スタッフが作ったあらゆる種類の驚くべき品々があった。そのすべてが一体となって、人間的要素を圧倒することなくショウを盛り上げる。パフォーマーを補いはしても、毎夜繰り出される不条理な超人レベルの演技を損うことは決してない。

カメラを持ち込んでいいか尋ねたところ快諾してくれたので、是非上のビデオでめったに見られない舞台裏をご覧あれ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook