米国運輸省、スマートシティ基金に1億6500万ドルを投入

Offices in four buildings sharing ideas/information via wireless technology

本日ピッツバーグで開催されたホワイトハウスフロンティア会議で、米国運輸省(DOT)は、ホワイトハウスのスマートシティ構想の一環として、全米でスマートシティの技術を展開するために役立つ新しいファンドを発表した。1億6500万ドル(約171億円)の基金は(2つの助成金を通して得られる6500万ドルの公的基金と、先進輸送技術を対象にした1億ドルの基金)、スマートシティ構想を推進するために使われる。対象となる都市にはピッツバーグ、サンフランシスコ、ヒューストン、ロスアンゼルス、バッファロー、そしてメアリーズビルが含まれている。

基金は、交通渋滞を緩和し、またドライバーと歩行者の安全性を向上させるソリューションへ使用するようにデザインされている。例えば、ピッツバーグは、プログラムを通して1100万ドルを得て、スマート交通信号機の設置を行う、そしてデンバーは600万ドルを得て、通勤時のトラフィックを緩和するためにコネクテッドカーの利用に向けて利用する。助成金のうちの約800万ドルは、カーシェアリング、デマンドベースのダイナミックバス、自転車シェアリングといったのオンデマンドモビリティを、既存の公的交通ネットワークの中に構築するといった特定の目的に充てられている。

DOTは、スマートシティの目標を追求する多くのパートナーと協力している、その中には、Alphabetの子会社であるSidewalk Labsも含まれている。上の基金はすべて、既存の公的インフラストラクチャの補完プログラムの実現に焦点を当てているように見える、しかしながら、一方Sidewalk Labs自身は、現在スマートシティチャレンジ構想に参加した沢山の都市に対して提案した、より野心的で、はるかに遠くを見据えた多くの市政サービスに関わる独自のプログラムを探っている最中でもある。

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(翻訳:Sako)

VMwareがついにクラウドサービスを提供、しかもAWSとのパートナーシップのもとで

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AmazonのAWS部門とVMwareが今日(米国時間10/13)晩(おそ)くサンフランシスコでパートナーシップを発表する。しかしVMwareが誤って、今日の発表声明をポストしたために、今日の午後を待たなくても、内容が分かってしまった〔下にその英文の全文〕。

AWSとしては、エンタープライズの顧客獲得でなお一層優位に立ちたい。一方VMwareは、仮想マシン技術におけるリーダーシップを失いたくない。そこでVMwareとAWSは、VMwareのソフトウェア定義データセンターのソフトウェアを、‘VMware Cloud on AWS’という呼び名で、AWSへ持ち込むのだ。

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これにより、VMwareのインフラストラクチャソフトウェア、vSphere, VSAN, NSXなどがAWS上で動くことになる。そのサービスは現在、テクノロジープレビューの段階で、2017年の初頭には招待制のベータへ移行する。ベータの終了は、2017年半ばを予定している。

サービスの運用と販売とサポートはAWSではなくVMwareが行うが、ストレージ、データベース、アナリティクスなどの周辺的サービスはAWSを利用する。

発表声明の中でAWSのCEO Andy Jassyはこう述べている: “顧客の要望でつねに多いのが、既存のデータセンターへの投資とAWSを、より容易に両立併用したい、というものだ。多くの企業がすでにVMwareを使って仮想化を行っているが、このたびVMware Cloud on AWSが提供されることによって初めて、既存のVMwareツールをAWS上で使うことにより、一貫性があってシームレスなハイブリッドIT環境を運用できる。そのためのカスタムハードウェアの購入や、ソフトウェアのリライト、運用モデルの変更などは、いっさい必要ない”。

今日の発表イベントで両社は、初期の顧客を数社紹介した。その中にはWestern DigitalやSyscoがいる。

両社は、これがあくまでも共同で構築したサービスだ、と強調し、“両社からの技術、運用、および営業の各面における大きな投資の成果だ”、という。それはAWSが用意し、“この目的のために特製した”、専用のインフラの上で動く。VMwareのCEO Pat Gelsingerも今日、このサービスの構築における両社の緊密な協働を強調し、これがVMwareのメインのパブリッククラウドソリューションになる、と持ち上げた。

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VMwareのMark Lohmeyerは、今日の発表声明でこう書いている: “現在はテクノロジープレビューであるVMware Cloud on AWSは、VMwareのエンタープライズ級のソフトウェア定義データセンターのソフトウェアをAWSのクラウドに載せ、顧客がvSphereベースのプライベート/パブリック/ハイブリッドの多様なクラウド環境を横断して、どんなアプリケーションでも動かせるようにする。それをVMwareがオンデマンドの柔軟性に富むスケーラブルなサービスとして運用、管理、および販売し、併せて顧客は、デベロッパーツールやアナリティクス、データベースなど、AWSのサービスを利用できる”。(この発表文は、その後削除されている〔後述〕。)

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企業が自前のデータセンターとパブリックなクラウドサービスの両方を利用する、いわゆる“ハイブリッドクラウド”を、MicrosoftやIBMなどは重視しているが、Amazonはその市場をほとんど無視してきた。

VMwareはこれまで、企業のオンプレミスのデータセンターの多くを支配してきたが、それらの企業のハイブリッド指向を支えるパブリッククラウドサービスが自分にはない。一方AWSは、そのサービスのオンプレミスバージョンを提供していない。この二つの企業がタッグを組むのは、きわめて理にかなっている。

VMwareも発表声明の中で、このパートナーシップが可能にするハイブリッド方式を強調し、“データセンターとAWSのクラウド両者間における、VMの完全な互換性と、ワークロードの全面的なポータビリティを実現する”、というメリットを述べている。

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なお、AWSはすでに、仮想マシンを管理するためのVMware vCenterの部分的サポートを提供している。そのおかげでvCenterのアドミンはかなり前から、VMwareの仮想マシンを管理するときと同じソフトウェアを使って、AWS EC2のクラウドコンピューティングインスタンスを管理できている。既存の仮想マシンをEC2に移動させることが比較的容易なのは、このサービスがあるおかげでもある。

今日の発表に先立つ一連のメールでIBMは、VMwareとIBMはすでにチームを組んでおり、そのパートナーシップは2月に発表した、と述べている。しかし内容豊富なのは、今回のAWSとのパートナーシップだろう。

VMwareがブログで勇み足した発表はいったん削除されたが、今日の午後、AWSのプレスカンファレンスがスタートすれば再掲されるだろう。以下が、そのブログ記事の全文だ:

〔以下、英文ママ(主要な概要は上記記事で紹介されている)〕

By Mark Lohmeyer, Vice President, Products, Cloud Platform Business Unit, VMware
Today, VMware and AWS are announcing a strategic partnership that brings the two leaders in Enterprise IT together to deliver a vSphere-based cloud service running on AWS. This service will make it easier for customers to run any application, using a set of familiar software and tools, in a consistent hybrid cloud environment.

The Power of VMware on AWS

Currently in Technology Preview, VMware Cloud on AWS, will bring VMware’s enterprise class Software-Defined Data Center software to the AWS cloud, and will enable customers to run any application across vSphere-based private, public and hybrid cloud environments. It will be operated, managed and sold by VMware as an on-demand, elastically scalable service and customers will be able to leverage AWS services such as developer tools, analytics, databases, and more.
This jointly architected service represents a significant investment in engineering, operations, support and sales resources from both companies. Designed to deliver a great customer experience, the service will be optimized to run on dedicated AWS infrastructure purpose-built for this offering. It will deliver the power of VMware’s SDDC infrastructure software across compute, network, and storage (with vSphere, VSAN, and NSX) while providing access to advanced AWS services, backed by an integrated customer support experience. Invite-only betas are expected to start in the beginning of 2017 with availability expected to be in the mid-2017 time-frame.

Customer Benefits

Customers can realize significant benefits from this service that combines the best of VMware and AWS, including:
  • Best-in-class Hybrid Cloud Capabilities: Enterprise class application performance, reliability, availability and security with the best-in-class VMware technologies, all optimized to run on AWS, the leading public cloud provider.
  • Operationally consistent with vSphere: With VMware Cloud on AWS, your private data center integrated with the AWS public cloud can be operated using the same vCenter UIs, APIs and CLIs you already know. There’s nothing new to learn, and with vCenter Enhanced Linked Mode, you will have a single pane of glass for managing on-premises and VMware Cloud resources on AWS.
  • Operated and supported by VMware: The service will be operated, sold and supported by VMware. All software components of the service will be fully certified and supported by VMware.
  • Seamless integration with AWS Services: Virtual Machines running in this environment will have access to leverage AWS’s broad set of cloud-based services including storage, database, analytics and more. This will enable a new set of solutions only possible with VMware environments co-existing on the same infrastructure as AWS cloud-based services.
  • Seamless workload portability: Full VM compatibility and total workload portability between the datacenter and the AWS cloud. No complex and time consuming application re-platforming is required. Whether you want to use the cloud as your disaster recovery site, migrate a whole data center, or simply burst to the cloud – you can be confident that your applications will just work.
  • Elastically scalable: The service will let you scale capacity according to your needs. You can scale capacity up and down by adding or removing hosts.
  • No patching or upgrades: The service will remove the burden of managing the software patch, update and upgrade lifecycle for the user. Operating “as a service” means that VMware will take responsibility for ensuring that your environment is always up to date. This means more time to focus on what matters to your business.
  • Subscription-based consumption: Customers will be able to purchase dedicated clusters that combine VMware software and AWS infrastructure, either on-demand or as a subscription service.
If you would like to learn more, please check out additional details at
If you are interested in applying for the beta, please fill out this interest form.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オンラインでの学位取得を支援するNoodle Partnersが400万ドルの資金を調達

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Noodle Partners Inc.The Princeton Review2U Inc.を創設したJohn Katzmanが新たに立ち上げた教育ベンチャーだ。同社はこの度400万ドルのベンチャー資金を調達し、カレッジや総合大学が高い水準の認定書や学位のプログラムをオンラインで提供する手助けをする。

フィラデルフィアのOsage Venture PartnersがNoodle Partnersのリード・インベスターとなりNew Markets Venture Partners500 Startupsなどが投資に参加した。

KatzmanがTechCrunchに語ったところでは、大学レベルの教育をオンラインで提供することの難しさはここ10年間で劇的に変化を遂げたが、それは単にスマホの普及が原因という訳ではない。

「オンラインで提供する高等教育が実際のキャンパスで実施するものと同等の訳がないとみんなが思っていました。それというのも、その波に最初に乗ったのが営利目的のそれほど質の良い学校ではなかったからです。今日では、多くの良い学校がオンライン化しており、オンラインが悪い訳ではないということはみんな分かってます。取り組むべき事は、素晴らしいプログラムを新規に作成、提供し、同時に高等教育のコストを下げることです」Katzmanがこの様に言ったのは、彼が2008年に、Chip PaucekやJeremy Johnsonと共に2U Incを立ち上げた時の事だ。

オンライン高等教育の初期の波に乗った、非良心的かつ営利目的の大学の代表がTrump UniversityやApollo Education所有のUniversity of Phoenixだ。これらの団体は学生に、役に立たない学位や値段ばかり高いセミナーを売りつけ、生徒には借金以外の何物も残らなかった。

米国における大学進学率は、最新のNational Center for Education Statisticsの統計によると、5年連続で低下している。その傾向に相関しているのが2004年から2014年の間で起こった学費、手数料、賃貸や寮の費用の上昇であり、それは公立(カレッジ及び総合大学)では34%、非営利の私学では25%にも及んだ。

より多くの学位取得プログラムを、これまでを凌ぐ品質で提供することにより、これらの傾向を逆転させることができる、とKatzmanは信じている。

New Yorkに拠点を置くNoodle Partnersは大学がオンラインの学位取得プログラムをセットアップする手助けをする会社だ。プログラム内のコースのための教育デザインや人材の雇用、技術支援、コース完了に向けた生徒の取り組み具合の評価などを手助けする。セットアップ及び生徒一人あたりについて均一に課金するシステムだ。

この、所謂オンライン・プログラム・マネジメントを運営している他の会社の場合、典型的な例では、学校がオンライン・プログラムから徴収する授業料に対して、ずっと高い割合のコミッションを要求する為、ただでさえ苦しい大学の懐がさらに圧迫される。

Noodle Partnersの競合相手には2Uが含まれる。2UはKatzmanが創業した会社だが、彼はもはやそこに属してはいない。その他にはAcademic Partnerships、HotChalk、Keypath、Pearson EmbanetやWiley Education Solutionなどがある。

Osage Venture PartnersのNate LentzがNoodle Partnersを支援するのは、「高等教育の高騰に対して何らかの手を打たねばならない」と、彼が信じているからだ。

Noodle Partnersに対しては、調達した資金を使って米国内のトップカレッジ・総合大学に対してOPMサービスとテクノロジーを展開すること、既に協働している大学に対してはさらにオンラインプログラムを拡大することが投資家から期待されている。

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(翻訳:Tsubouchi)

代替食品のSoylentバー、食後不調を訴える人が出てリコール開始

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「食の未来」の消化器官は、常に快調とはいかないようだ。

「飲む夕食」粉末の提供元であるSoylentが、製品リコールを発表した。リコール対象は主力の食事代替粉末ではなく、噛む必要のある2ドルのスナックバーだ。

Andreessen Horowitzが支援するこのスタートアップはバーを8月に出荷開始したばかりだった。この250カロリーのスナックを「簡便で完全な、栄養の最新の進化系」として売り込んでいた。

まあ、それが一部の人びとの胃袋には「最新」過ぎたということが判明したわけだ。

リコールは、バーによって吐き気や下痢などの症状を伴う「激しい不調」に陥った顧客のレポートを受けてのものだ。

どれ位の数の顧客がバーを食べた後に気分が悪くなったのかは明らかではないが、Soylentに行動を決意させるには明らかに十分だった。

そのプロダクトリコールに触れた同社のブログによれば、同社はこのように述べている「最近Soylent Barを召し上がった後に、胃腸の不調を経験されたお客さまが少数いらっしゃったことが、目に止まりました。予防措置として、私たちはすべてのSoylent Barの販売および出荷を停止し、お客さまにはお手持ちのバーを廃棄していただくようお願いしています」。

2013年の創業以来2230万ドルを調達しているこのスタートアップは、苦情を調査していると回答した ‐ しかし、その根本原因は突き止められていない。

「この件に関する私たちの調査は続いていますが、私たちは慎重すぎるほど慎重になることを決め、予防措置をとることに致しました」同社のブログはこう述べ、更に「私たちは全てのバーカスタマーに全額返金を申し出る電子メールをお送りします」と付け加えている。

また「Soylentバーを食べた後、何らかの不快な経験をなさった」顧客への謝罪を述べ、残されたバーを食べることなく破棄するよう依頼している。

Soylentバーの完全な成分リストはとても長いものになる ‐ おそらく、特定の物質に対するアレルギーのリスクを上昇させていることだろう。同社のウェブサイト上ではまた、大豆とグルテンが含まれていることから、バーがアレルゲンフリーではないことに注意を促している。

列挙された主要成分の中含まれるものは:大豆タンパク、コーンシロップ、オート麦粉、キャノーラ油、グリセリン、全藻類粉、イソマルツロース、イソマルトオリゴ糖繊維ならびにオートミールである。

私たちはリコールについての質問をSoylentに送っている。もし何かの返答があれば、この投稿を更新する予定だ。

自己破壊するハイエンド携帯電話から胃袋の不調を招く未来の食品まで、今週は製品リコールにとって、愉快とは言えなかった。あるいは複数のコンポーネントの組み合わされた難しい問題のトラブルシューティングにとっても ‐ SamsungはGalaxy Note 7が炎上した理由をいまだに特定できていない。

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(翻訳:Sako)

Twitterが独自の経営を続けていくには?(Googleによる買収もMBOもされないとして)

編集部注:この記事はKeith Teareによる。Keith TeareはTechCrunch のコーファウンダーであり、現在はPalo Alto Incubator Archimedes Labsを運営し、Chat CenterのCEOだ。

すでに広く知られているように、Twitter は迷走劇を続けている。とても残念でならない。現経営陣は、Twitterを売却すべきか否かで割れている。Twitterを取り巻く状況は、Google、Disney、Appleのいずれもが同社の買収に名乗りを上げないという報道により、さらに悪化したようだ。筆者がこのポストを書いている時点(米国カリフォルニア時間:2016年10月7日)で、株価は20%下落し、19.79ドルになった。

Twitterは誰が経営しているのか?ボードメンバーによる集合体か、それとも現経営陣なのか?

Twitterのボード(取締役会)は、輝かしいメンバーで構成されているが、今こそ会社を売却すべきとして、同社CEOのジャック・ドーシーに反対している。

筆者には、今日に至るまでにTwitterが決定した、戦略変更、経営メンバーの入れ替え、そしてIPOの決定をも含む全てが経営陣による決定ではなく、「経営陣とは逆の立場を取る」ボードによるものに見えてしまう。

一度でも会社を経営したことのある人間なら分かることだが、ボードと経営陣による勢力争いが起きると、会社が良い方向性に進むことはまずない、と言っていい。

以前は、Fred Wilson(New York にあるVC、Union Square Ventures パートナー)という非常にしっかりした考え方を持つメンバーがボードにいた。戦略や戦術に関するボードの意見は、心もとない経営陣に対して、会社の方向性を示し、Exitを求めたり、日々の意思決定の助けをするなど貢献していたかもしれない。しかし困難な時に重要なことは、そうではないだろう。むしろ、現場を知らないセレブリティの意見は毒にこそなれ、患者を救う特効薬にはならない。実際のところは内部の人間にしか分からないが、筆者はそう思う。

ひとつだけ確かなことは、経営陣が本当の意味で会社を経営して行かなければ、Twitterの未来は悲しい結果にしかならない、ということだ。

今、問われなければならないのは、本質的な議論が為されているのか?ということである。Twitter は売却されるべきなのか?

言い方を換えれば、TwitterYahoo!のような事業なのか?と訊くのでもいい。成長仕切った、過去のビジネスモデルの事業なのか?もういっそのこと月間アクティグユーザー3億という事業を高値で買い取ってくれる大金持ちに売却されるべきなのか?

これに対して筆者はYESのケースもNOのケースも想定してみた。

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No と考えた場合

どうしてNOと考えるか?まず最初に、Twitterは、世界中の人々の「コミュニケーション・プラットフォーム」「手軽な乗り物」「乗り合いバス」だったのだ。

推測するに、毎月20〜30億人の人たちが、テレビ、ラジオ、映画、印刷媒体で、Twitterを通じて発信された情報、人々の意見やコメントなどの引用を見ているはずだ。Twitterは、イベントの告知をしたい人、何らかの意見を言いたい人、広く世の中に知られるべきと思うことを拡散したい人たちにとって、いつでも、どこでも、思い立った時に情報発信することができる唯一のユビキタスなプラットフォームになっている。その機能において、Twitterと比肩される存在はない(筆者加筆:事実として、3.11の際、Twitterほど機能したツールはなかった。そのことは記憶に新しい)。

初期のマニフェストを読むと、Twitterは、そのポジションを理解していたことが分かる。API(ソフトウエア同士と繋ぐ仕様)を経由して、他のメディアがTwitterでつぶやかれたメッセージを広く社会に伝播していくことは望むべきことだった。

Twitterから発信される情報は、twitter.com を訪問する人たちに加えて、サードパーティが提供するソフトウエアを使って情報を拡散する人たちによるものも含まれていた。他社によるTweets のインデックスや、あるトピックや興味に関連するTweetをフィルターして見せることは許可されていた。Twitterは、オープンで広範に情報拡散できるプラットフォームであり、ある意味、インターネットそのものとも言えた。たしかに、検索エンジンは情報をインデックスし、人々が見たいウェブページに誘導してくれたかもしれないが、Twitterは各コンテンツを人々の興味関心に則って整理し、発信することができた。

Twitter のポテンシャルを最大限具現化するとしたら?

初期のTwitterは、上述のとおり、いつでも、どこでも、思い立った時に情報発信することができる「ユビキタスなプラットフォーム」を目指して、それを具現化するための機能開発を行っていたし、マニフェストにあるとおり、大きなビジョンのもとに進んでいた。「今、この瞬間重要なすべての情報を『拡散』するために、インデックスと検索機能を持ち、開発者にオープンであり、誰もがあらゆる状況で使える情報インフラ」を目指して。

このステージのビジネスモデルは明らかだった。どのような状況かに関わらず、発信され、消費されるTweetをもとにした「AdSense」であり「AdWords」である。それは、Googleがウェブページでのそれらの機能によって獲得しているレベルの収入を短期間で創造できる可能性があった。

Twitter として最も簡単に実現できる価値(モデル)は?

しかし、その当時、Twitterには「目的地(Destination Site)」にならなければならない、という信念というか思い込みがあった。

それは、サードパーティによる別のアプリやサイトでTwitterの情報が拡散されることを良しとしないことを暗に意味していた。Twitterで流される情報をインデックスしたり検索したりすることはブロックされるべきだし、Twitterを「みんなが使える情報拡散ツール(手軽な乗り物、乗り合いバス)」とすることへの抵抗でもあった。しかし、そのことによって、Twitterユーザーの定義を twitter.comへ「ログイン」する人、twitter.com上で情報を発信したり読んだりする人に限定することになった。

これは、Twitterがなり得る最も簡単なビジネスモデルだった。取締役会の大半はTwitterを「目的地(Destination Site)」にしたかったということだ。もし、なれるとしたらYahoo!のように。

そして、その領域に興味を持っている聴衆を惹き付けるコンテンツの「チャンネル」を創りたい。そして、他の手段ではリーチできないようにしたいと。

そのビジョンは、ここ3、4年でTwitterをブランド化された「ディスティネーション」にしたと共に、広告プラットフォームとしてのポジションを確立した。そして、その成功を計るKPIは、他のメディアを含めて、世の中で「どれだけのTweetsを計測できたか?」ではなく、Twitterに「ログイン」しているユーザー数になってしまった……。

20億ドルという広告収入は、たしかに素晴らしい。しかし、Twitterが本来持っている、世界中の誰もがいつでも使える「情報拡散ツール(手軽な乗り物、乗り合いバス)」というポテンシャルと比較すると、極めて小さい成果でしかない。

TwitterはコンテンツのディスティネーションとしてのYahoo!をリプレイスしたかもしれないが、Twiter本来のビジョンを追求していれば、コンテンツ探索におけるGoogle をリプレイスできたかもしれない。

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IPOは時期尚早だったか?

TwitterのIPOは、初期のマニフェストから試行錯誤を経て、Twitterがコンテンツリッチな「目的地(Destination Site)」への転換への途上で行われた。IPOは、取締役会の意思であり、経営陣の意思ではなかったのではないか?

Dick Costoloは、嵐の中、本来の半分のナビゲーション機能しか持っていない船をとても見事に操縦していたが、株価は最終的に2つのことを反映した。

1つは、会社が収入を正確に予測できなかったこと。2つ目は、KPIを「ログインユーザー数」にしか設定できなかったこと。その結果、株式市場は、Twitterの取締役会および経営陣の方針、つまり、Twitterを広告収入によって成立させるポータルサイトにするという方針を受け取り、結果として、それに則った評価をした。

2013年から2016年にかけてのTwitter病は、このチープなプロダクトデザインとそれがきちんと機能する前の早過ぎるIPOによってもたらされたと言える。マネジメントの変更、株価の低調な推移、会社を売却したいという願望等など……。

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Yesと考えた場合

Twitterは「(経営陣に)干渉し過ぎる取締役会による機能しない会社」であり、離婚すべき状態に陥っている家族のようだ。買い手は、内部のつまらない争いごとのない「白紙の状態」を創り、本来のTwitterが持っている最大限の可能性を実現できるかもしれない。

それは、Twitterにとって理想的なシナリオである。もし、この構想の実現を望むとした場合、誰が最も相応しい買い手だろうか?その相手はふたり(2社)しかいない。Googleか、PEファンドによるバイアウトだ。

Googleは疑いようのない理想的な買い手と言える。彼らであればTwitterを、世界中の誰もがいつでも使える「情報拡散ツール(手軽な乗り物、乗り合いバス)」に育てることができるし、最終的にはウェブ検索(広告)から得ている収入を上回るだろうと思われる。

ライブ映像配信の勃興―YouTubeが抜きん出ている領域、このインパクトはビデオ広告の市場機会によってより一層推し進められるだろう。そして、Googleの “organize the World’s Information, and make it Accessible(世界中の情報を整理し、人々がアクセスできるようにする)”というビジョンとTwitterの本来的なビジョンは整合する。もし、GoogleがTwitter買収から身を退くのであれば、LarryもしくはSergey、あるいは David Drummondに対して、「何故、GoogleはTwitter買収を再考すべきか?」を私に説明させて欲しい。私はいつでも https://chat.center/keith で連絡がつく。

Googleの次に望ましい買い手はプライベート・エクイティ・ファンド(PE)だ。SilverLake、KKRもしくはBalckrockなどがどのようにSkypeと仕事をしたかを思い出して欲しい。Twitterを短期的な思考から自由にし、Twitterが成し得る最大のビジョンを実現させるために非上場化させることを検討すべきである。そうすれば、この先10年間に渡って、デジタル広告とユーザーの支持を手中にすることができるだろう。

そのシナリオを実現するのであれば、Twitterをプライベート化(非上場化)すべきである。Qihoo360やDELLが行ったように。ファイナンスの心配はない。銀行はそのビジョンに興味を示すはずだ。

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What’s Next for Twitter?

取締役会はTwitterをメディアやコンテンツに興味のある相手に売却するべきではない。もし、そのような相手に売却するのなら、彼らは「40億人のスマートフォンユーザーが望むニュース、娯楽情報、ライブ映像配信等のデータとメッセージの『情報拡散プラットフォーム』になる!」という壮大なチャレンジに挑むことなく、極めて平凡で陳腐な結果に甘んじることになるだろう。

経営陣は、Twitterの創業の理念に立ち戻り、「ユニバーサル(誰もがいつでもどこでも使える)であり、オープンであり、壮大でエキサイティングなビジョン」の実現を目指すべきである。

そして、我々はTwitterにそのような転換をするための時間を提供すべきである。

Twitterは Yahoo! ではない。まだまだ成長を模索している子供である。幼児の成長を殺してしまうことは間違っている。可能性のある少年を成長させるべきだ。

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翻訳:平石郁生(サンブリッジ グローバルベンチャーズ代表取締役社長)

 

プレステVR、HTC Vive、Oculus Riftーー買うならどれがいい?

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ここ数ヶ月、私は結構な時間、ヘッドセットを顔につけてVRを体験した。それが私の人生を豊かにしたか、あるいは混乱させたかは分からない。少なくともVRゲームは本当に楽しめるものになり始めていて、動画コンテンツは今後一層良くなるだろうとお伝えすることはできる。

Playstation VRがローンチし、コンシューマーが高品質なVRを楽しむための3つの代表的な製品がある。最初の質問は、これを今買うべかどうかだ。

ハードコアなゲーマーなら答えは「イエス」だ。常に最新テクノロジーのアーリーアダプターであるなら、それも「イエス」だ。いつもBurning Manに行っている、あるいは常にBurning Manの話をしているなら、その答えも「イエス」だ。その他の人にとってはというと、私は懐疑的だ。これらを買うために貯金する必要はないだろう。Gear VRもしばらくの間、十分だと思えるほどのものだ。

ここ数ヶ月の間で知り得たことは、PCで動くヘッドセットのアップデートサイクルは、モバイル端末と同じ頻度ではなく、ゲームコンソールの期間(おそらく3、4年おき)と同じくらいになるだろうということだ。

コンシューマーが個人的にこれに投資するには、高額すぎるだろう。また、光学やセンサーなどの発展のおかげで次のヘッドセットでは技術的に大きな飛躍が見込まれる。そうなれば、次の変更で、大部分に互換性が残るとは限らない。少し興味があって、これらのハイパワーのヘッドセットの第2世代を待つというなら、それは2019年か2020年頃になるだろう。

この記事を読んでいて、まだVRを購入するという選択肢が残っているなら、主要なヘッドセットの概要を簡単にここにまとめたので参考にしてほしい。

PlayStation VR

レビュー記事はこちら

+ ヘッドセット、カメラ、コントローラーが付いて499ドル
+ PS4システムが必要
+ 既存のMoveモーションコントローラーを使用
+ ディスプレイ解像度1080×960 OLED (片目ごと)
+ ディスプレイのリフレッシュレート:120Hz

HTC Vive

レビュー記事はこちら

+ 全部込みで799ドル
+ 強力なPCが必要
+ SteamVR OS
+ ルームスケールのトラッキングとモーションコントローラー付き
+ ディスプレイ解像度:1200×1080 OLED (片目ごと)
+ ディスプレイのリフレッシュレート:90Hz

 Oculus Rift

レビュー記事はこちら

+ ヘッドセットとXbox Oneコントローラーで599ドル
+ Touchコントローラーは199ドル(12月6日発売予定)
+ 強力なPCが必要
+ Oculus Home OS
+ ディスプレイ解像度 1200×1080 AMOLED(片目ごと)
+ ディスプレイのリフレッシュレート:90Hz

結局どれがいい?

各ヘッドセットは上記に挙げた通りだ。では、どれを買うべきか?単刀直入に回答したいと思う。

高額なPCを買いたくないのなら、PS VRがいいだろう。ベストなヘッドセットではないが、価格が適正で定期的なシステムアップグレードの時にGPUで見栄を張り合る気苦労もない。また、Sonyはゲームスタジオとの関係性を築いているので、良いゲームタイトルがこのプラットフォームに最初に登場する可能性が高い。

VRの保守主義者で、VRがオープンプラットフォームであることを保証するために個人的に投資しようと思うのなら、HTC Viveがいいだろう。OculusとPlaystationは独占的だが、HTCはValveのSteamVRシステムを活用していて、1つのコンテンツが異なるヘッドセットで利用できるようになることを目指している。

しかし、VRに多額を費やしてもいいという気持ちがあるならOculus Riftがいいだろう。現段階ではViveの方が全体の体験はいいだろうし、トラッキングも素晴らしいが、新しく出るTouchコントローラー(12月6日発売予定)が一番良いものだ。OC3で見たOculusだけで遊べる良質なゲームの多さも衝撃的だった。いくつかの最新のテクノロジーで、少しパワーの落ちるPCでも動かすことが可能にもなる。また、親会社のFacebookとの距離が近いことは、このVR大手がゲーム以外のソーシャルアプリでも最先端を行き、そのネットワークが持つポテンシャルを引き出すだろう。XBox OneのコントローラーではVRのコンテンツ体験はパッとしないものだったが、ヘッドセットが脚光を浴びる時代はこれからだ。

まだVRは始まったばかりだが、早すぎるということもない。このどれを買ったとしても、大きく外すということはないだろう。Google Cardboardからその機能、複雑さ、価格から大きく飛躍した。あなたのニーズに合った最良のVR体験を見つける参考にしてほしい。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ニュース(など)を読んだ人がそれに対してアクションを起こせるSpeakableのAction Button、すでにハフポなどが利用

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ニュースをたくさん見たあと、無力感に襲われることはよくある。ニュースはネガティブな内容が多いが、問題の解決策はあまり見せないし示唆しない。

Jordan HewsonButが創ったSpeakableでは、ニュースを見た/読んだ時点で読者や視聴者が何らかのアクションを起こせる。

今年で1歳になる同社は今日(米国時間10/13)、Action Buttonというサービスをローンチした。それは文字通り「アクション」のための「ボタン」だが、ニュースなどのコンテンツのページにそのボタンがあると、読者はアクションを選んで実行できる。するとSpeakableが、そのコンテンツの内容に合ったNPOやNGOなどに読者を連れて行く。

読者が選べるアクションは、立法者(議員など)にメールを送る、意思決定者に対してツイートする、寄付をする、請願や陳情に投票や署名をする、などだ。コンテンツのページを去ることなく、それらのアクションができる。

Speakableは、活動が活発で資金もあり、実際に意思決定者(政治家など)に大きな影響を及ぼすことのできるNGOやNPOをパートナーに選んでいる。

ユーザーにはすでに、Guardian US, The Huffington Post, VICE Mediaなどの大手メディアもいる。

Hewsonは次のように言う: “長期的には、ニュースだけでなく、YouTubeビデオやドキュメンタリーなどもAction Buttonを導入できるようにしたい。最終的には、どんなコンテンツを見ても、それに対してすぐに…30秒以内に…アクションを起こせるようにしたいね”。

Speakableの利用はパブリッシャーにとっても、NGOにとっても、今のところ完全に無料だが、同社は、製品を磨き上げてユーザーがもっと増えれば収益化についても考えたい、と言っている。

SpeakableとAction Buttonは、ここでチェックできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソフトバンク、最大10兆円規模となるテクノロジー分野の投資ファンドを設立

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ソフトバンクグループは10月14日、世界規模で主にテクノロジー分野へ出資することを目的とした「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(仮称)」の設立を発表した。ソフトバンクグループでは、今後5年間で少なくとも250億ドル(約2.6兆円)を出資する予定だ。

このファンドには、サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が主要な資金パートナーとして出資を検討しており、PIFは今後5年間で最大450億ドル(約4.7兆円)の出資を実施する可能性があるという。また、他にも複数のグローバルな大手投資家からの出資について協議中ということで、ファンドの総額は1000億ドル(約10兆円)規模となる可能性がある。

PIFはサウジアラビアの国家経済にとって戦略的に重要なプロジェクトへの資金援助を目的に1971年に設立されたファンドで、同国の原油以外の分野での発展をサポートしてきた。現在PIFのチェアマンを務めるのは、サウジアラビア副皇太子のムハンマド・ビン・サルマン氏で、同国の多様な知識集約型産業を発展させるという「ビジョン2030」と連動する長期的投資戦略を取っている。

今回のファンド設立プロジェクトを主導するのは、ソフトバンクグループHead of Strategic Financeのラジーブ・ミスラ氏。元ドイツ銀行のニザール・アルバサム氏、元ゴールドマン・サックスのパートナー、ダリンチ・アリバーヌ氏がプロジェクトに参画している。

ファンドはソフトバンクグループの英国にある子会社が運用する予定で、投資活動の付加価値を高めるために、テクノロジー業界でのグループの投資運用能力、経験や事業ノウハウ、グループ企業のネットワークを活用。共同出資者となる資金パートナーと過去最大級の規模を目指す。

ソフトバンクグループではファンド設立の目的を「ファンドへの投資および投資先企業との提携を通じて、同社のグローバル成長戦略を加速させること」としている。同社は、9月にもARMをイギリス史上最大となる240億ポンドで買収したばかりだ。

ソフトバンクグループ代表取締役社長の孫正義氏は、ファンドの設立について「世界中のテクノロジー企業への出資をさらに推し進めることができる。出資先のテクノロジー企業の発展に寄与することで、情報革命をさらに加速させていく」と述べている。

脊髄損傷患者が脳に直接接続されたロボットハンドの指を「感じ」た

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「人差し指…薬指…小指…人差し指…中指… 」

Nathan Copelandは、研究者に向かって、今自分のどの指が触られているかを答えている。しかし研究者が触れているのはロボットの手で、Copelandの手ではない。彼の手は10年以上に渡って何も感じて来なかったのだ。

この「原理証明」実験では、脊髄損傷によって四肢の感覚を失った男性が、彼の脳に直接接続されたロボットの指に与えられる圧力を「感じる」ことができた。サイバネティックハンドへの道のりは遠いが、必要とする更に多くの人々がそれを利用できる可能性を開くものだ。

さて、注意点が2つある:まず最初に、これはロボットハンドがユーザーの脳に感覚を送った最初の例ではない;これは継続的に行われていて、どのようにそれを定義するかに依存している。第2に、とても凄いことの様に思えるものの、これはまだ神経システムの精妙さ複雑さに比べると信じられないほど粗いものだということを理解しておくべきということだ ‐ 私たちはそれを制御するどころか、理解するレベルにもほど遠い位置にいる。

とはいうものの、他の多くの義手/義足が依存している末梢神経系というステップを飛び越えているという意味で、これは重要な研究なのである。もし置換された手から信号を送ろうとするなら、結局信号が通過する、より腕の上方にプラグインすることが可能だ。しかし脊髄損傷の場合には、そうした信号は決して脳に到達しない。よってこのアプローチは上手くいかない。

ピッツバーグ大学のRobert Gauntと彼のチームが行ったことは、本質的には、ロボットアームを直接脳にプラグインして、中間の神経系や脊髄を共にバイパスすることだった。

Copelandは12年前に事故に遭い、四肢麻痺が残された。しかし事故に遭うまでの16年間に手足を動かしていた経験が意味することは、手に触れられたときにどのように感じるかを覚えているということで ‐ それはすなわち、彼の脳も覚えているということを意味するのだ。

そこで研究者らは、Copelandを異なる指に触れたときの感覚に集中させ、その感覚に関連した脳のアクティビティをトラックした。その後彼らは、指先サイズの微小電極アレイの4組を、それらの感覚がトラックされたCopelandの感覚皮質の中心に、外科的に移植した。

微小電極

使用した微小電極アレイのイメージ

その後数ヶ月にわたり、チームは繰り返しその領域に刺激を与え、人差し指、薬指、などの、どの指に触れられているのかの感覚を生み出すパターンと場所を発見した。
ついには、Copelandは、それぞれの指が脳の回路に対応したロボットハンドと接続された。

最初は85パーセントの正答率だったが、やがて100パーセント近いものになった。これはとても有効な証拠だが、関係者は皆、これはまだ初期段階に過ぎないと言う。

「究極の目標は、ただ自然の腕を動かし、感じているようなシステムを作成することです」とGauntは、UPニュースリリースで述べている。「そこに行くまでは長い道のりですが、素晴らしいスタートを切りました」。

1つの課題は、感覚を均一化する必要があるということだ ‐ 「電気刺激に感じることもあれば、圧力に感じることもあります。しかし多くの場合に、どの指かということは正確に伝えることができます」と、Copelandは言った。タッチの程度と種類に関してはまだまだ遠い。

また、これは一方通行だ:脳から腕へは何のデータも送られていない。制御方法は、運動皮質にある完全に異なる神経回路に依存している;それは、全く異なる研究フィールドである。しかし、義手から直接脳に送られるこの種のフィードバックは、ユーザーがものを自然な形で握ったり操作するための直感的な制御のために重要なものである。

チームの仕事は、Science Translational Medicineジャーナルに掲載されている 。この研究は、DARPA、アメリカ合衆国退役軍人省、その他の助成金を受けている。

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(翻訳:Sako)

スター・ウォーズ、スピンオフ映画、『ローグ・ワン』、予告編第二弾公開

『スター・ウォーズ』ファミリーの映画の最新作、 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(Rogue One: A Star Wars Story) の予告編第2弾が公開された。これは父と娘の関係に焦点を当てている。ヒロインのジン・アーソとその父親でデス・スターの設計者らしい人物(マッツ・ミケルセン)との関係は前回の予告編より深刻さを増している。

それを別にするとアーソのセリフが多く紹介され、映画の叙事詩的な雰囲気も一層深められている。オーケストラによるスケールの大きな音楽もすばらしい。銀河系の将来に対する人々の憂慮もよく描写されている。

『ローグ・ワン』はアメリカでは12月16日に公開予定

〔日本版〕ウォルト・ディズニー日本サイトによれば、この作品は世界で同時に公開される。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の直前を舞台とし、レイア姫がデス・スターの設計図を持っていた秘密が明かされるという。父親親役のマッツ・ミケルセンは『007/カジノ・ロワイヤル』のル・シッフル役が有名。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Ricohが360度カメラの中級機を市場に投入

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360度カメラなんて一生要らない、と思う人も多いだろうけど、でもTheta SCは、この分野の新しい最先端を切り拓いたというよりも、普及のための普及機を目指し、Ricohの製品の中では中段に位置する。

中段といっても300ドルだから、最上位機種Theta Sの350ドルに比べてそれほど安くない。しかし、機能性能的に削り落とした部分はあまりない。ルックス的にも、ハイエンド機と比べて見劣りしない。ちょっとばかし、カラフルにはなったけど(上図)。

最大の違いは、micro-HDMIポートがないこと。だからライブのストリーミングができないし、連続録画時間は25分ではなく5分だ。ないもの、ではなく、あるものといえば、f2.0のレンズが2つ、12メガピクセルのセンサーが、スチルと1080pのビデオを撮る。今すでに、Ricohのサイトで買える。

同社はまた、iOSとAndroidのアプリをアップデートしており、それにより撮影撮像過程がさらに合理化された。撮りやすさはすでに、同社のカメラの最大のセールスポイントの一つだけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Evernote Mac版で添付データが消えてしまうトラブル発生

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Mac版Evernoteの特定バージョンを使っている人に対し、データが消えてしまうか可能性がある旨のメールが送られた。すべてのMac版で問題があるわけではないのだが、メール受信者に対しては、直ちにEvernoteのアップデートを行うように促している。

メールによると、消える可能性があるのは画像などの添付データであるようだ。Evernote for Macの特定バージョンを使っていて、特定の条件が重なってしまったときに、データが消えてしまうことがあるそうだ。Evernoteによれば、影響を受けるのは「少数の人」であるとのこと。問題があるのは主に9月にリリースしたバージョンで、6月から9月のリリースにも何件のトラブルが確認されているらしい。

それらのリリースを使っていて、いくつかの条件が重なった際に、画像などの添付したデータが消えてしまう現象が報告されている。本文の方には問題はないとのこと。大量のノートを高速に閲覧しているようなときに、問題が発生することがあるそうだ。

問題を確認してからプログラム本体を書き換え、また失われたデータをリカバーしようと努力を重ねたのだとのこと。

状況についてはEvernoteサイトのForumsにて今月初頭から議論されている。

利用頻度の高い人ほど大きな影響を受けた可能性がある。フォーラムに投稿したある利用者によれば、博士論文のために2万件以上のデータをEvernoteに保存していたが、数百(ないし数千)のデータが壊れてしまっているようだとしている。

データが消えてしまった一部の利用者については、サーバー側の処理によるデータ復旧が行えなかったとのこと。リカバリーのためにEvernoteのPremium版にあるヒストリー機能を試してみるようにとのアドバイスも投稿されている。

もちろん、影響を受けた利用者の全員が有料版を使っているわけではない。バグの影響を受けた利用者に対しては、1年間無料でEvernote Premiumを提供するオファーも行なっている様子。もちろんメールやチャットによっても優先的にサポートを受けることができるそうだ(既に有料版を利用している人に対しては、期限を1年延長するためのパスコードが提供されている)。

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10月2日には、Evernoteの社員よりヒストリー機能を試してみて欲しい旨の投稿がフォーラムにあった。その時点ではPremium版を利用する提案を行なっていなかったので、ヒストリー機能を使えるようにするための仕組みを提示していたようだ。

影響範囲はかなり大きいようで、データをMicrosoft OneNoteなどの競合サービスに持ち出す人も出てくることだろう。

現行バージョン(6.9.1)では問題は解決されているとのことだ。

最新版にアップデートするには「Help -> Check for Updates」を選ぶ。あるいはMac App StoreEvernoteのサイトからもアップデートすることもできる。

このような問題が起こると、どうしてもEvernoteのさまざまな動きと絡めてみてしまう人も多いだろう。

1年前にはCEOがPhil LibinからGoogle出身のChris O’Neillに替わったし、エグゼクティブ数名も社を去った不採算部門の切り捨ても行ったし、有料版の値上げもした。さらにインフラコストの削減と、データ処理の高速化および安定性向上を目指すとして、データの保管場所をGoogleのクラウドに移項してもいる。Evernoteによれば、今回の問題はデータの移項とは関係がないそうだ。むしろこうした問題が起こらないようにするためにも、データの移行を行なっているのだと主張している。

Evernoteによれば、バグの影響が考えられるのはビルド番号453991(Evernoteのサイトからダウンロードされたもの)および454042(Mac App Store経由)であるそうだ。最新版(6.9.2で、ビルド番号はEvernoteのサイトよりダウンロードした場合が454158でApp Store経由が454159)にアップデートすることで、トラブルは発生しなくなるとのこと。影響を受けたのは「アクティブなMac版利用者のうち1%未満」であるとのことだ。

今回のトラブルの影響を受けたユーザーに向けて発送されたメールを以下に転記しておこう(英文ママ)。見出しを検索する人のために記しておけば、タイトルは「We’re sorry. Please update Evernote for Mac.」だ。

We have identified a bug in some versions of Evernote for Mac that can cause images and other attachments to be deleted from a note under specific conditions. We believe you are one of a small number of people impacted by this bug.

Please update Evernote on your Mac to the latest version as soon as possible:
•From the menu, go to Help > Check For Updates…
•If you do not see this menu option, update through the Mac App Store or from our website
The bug can occur in the version of Evernote for Mac released in September, and less frequently in versions released since June. In these versions, certain sequences of events, such as skimming quickly through a large number of notes, can cause an image or other attachments to be deleted from a note without warning. Text in notes is not affected.

Once we identified the problem, we worked quickly to implement a solution and attempted to restore all lost data. Unfortunately, some of your attachments couldn’t be automatically restored. However, you may be able to recover your attachments using Evernote’s note history feature available through Evernote Premium.

We are giving your account one free year of Evernote Premium to make amends and give you access to priority customer support via chat or email. If you already have Premium, the gift code can be used to extend your subscription for one additional year, or banked as Points to use for later.
If you run into any difficulties redeeming your code, follow ….

We understand how important your notes and attachments are, and we apologize. Again, please update your app as soon as possible to prevent any further loss of data.

The Evernote Team

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(翻訳:Maeda, H

Five Appは、メッセージで手話を送れるアプリ

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Mateusz MachとPiotr Polańskiは、気軽にハンドサインを送り合うアプリを作りかった。ふたりは、小さなキャラクターが、”I love you” や “I see you” の動作をするアプリを作った。ダウンロード数は56で、諦めかけようとしていた時、作業療法士のCindy Chenから、このアプリを聴覚障害者向けに修正してくれるよう頼まれた。

その後、1万人のユーザーと15万ドルの資金を得て、ふたりはFive Appを作った。聴覚障害者と聴者がメッセージで手話を送り合えるアプリだ。何故手話なのか? それは、手話がインターネットを横断して使える万国共通のコミュニケーション手段であり、ちょっとした工夫によって、手話利用者に楽しいメッセージを送れるからだ。

アプリはiOSおよびAndroidのテキストメッセージシステムで動作する他、Facebook Messengerでもアニメーションメッセージを送れる。最大の特長は? 小さなアニメーションキャラクターの表情を変えて、怒りやイライラや喜びを表現できることだ。

目の前にいる聴覚障害者と手話で会話することもできる。これは万能の手話通訳アプリでは[まだ]ないが、チームは別のやり方でこのアプリの価値を高めようとしている。

このアプリは、ふざけたハンドサイン送信アプリから実際に有用な言語アプリへと変身し、現在ポーランド最大の聴覚障害者組織である、Migaj.plで使用されている。チームはアプリのメッセージ部分を拡張して、「ねえ、飲みに行かない」と誰にでも送れるようにしようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

民主党公認大統領候補Hillary Clintonがインターネットについて語ると猫の話になる

HEMPSTEAD, NY - SEPTEMBER 26:  Democratic presidential nominee Hillary Clinton smiles during the Presidential Debate at Hofstra University on September 26, 2016 in Hempstead, New York.  The first of four debates for the 2016 Election, three Presidential and one Vice Presidential, is moderated by NBC's Lester Holt.  (Photo by Spencer Platt/Getty Images)

Hillaryによると、Trumpは、“みんなを猫のGIFを見たいだけの人間にしたいのよ”、だそうだ。しかも彼女は、GIFを正しく発音した*。

Hillary Clintonは今日(米国時間10/13)サンフランシスコでテクノロジー世界の人たちを対象とする選挙活動を行い、彼女やTrumpがこれまでしなかったほど深く突っ込んで、テクノロジーについて議論した。

Clinton曰く、Donald Trumpの性的暴行の自慢話や、移民、イスラム教徒など多様なアメリカ人に対する侮蔑は、“みんながニュースを見ないようにするための作戦だ。ひどいニュースはみんなをインターネットから遠ざけるし、だれもが、せいぜい猫のGIFぐらいしか見なくなる。絶対そうよ。私には分かる。私もこれまでの数週間〔選挙期間中〕、おかしなことや、おもしろいことをする猫ばかり見ていたけど、でも人間は本当は、やるべきことをやるのが、人びとや猫のためにもなるのよ”。

彼女の支持者たちは、大歓声大拍手。選挙公約のスピーチよりも、ウケたのではないか。これで本当に、猫のGIF画像の‘視聴率’が急騰するかもしれないけど、そのこととネット中立性との関係については、彼女から一言もなかった〔ジョーク〕。

*彼女は、“GIF”を正しく“ギフ”と発音した。“ジフ”ではなく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

現時点で最高のVR端末は、Playstation VRで間違いない

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コンシューマー向けVR分野の新たなリーダーが誕生した。ローンチしたばかりのPlaystation VRだ。それは、厳重に隠されている軍の訓練用テスト端末、何百万ドルと高額なもの以外で私たちが利用できる最も良いVRで間違いない。HTC ViveやOculus Riftといった最上級ハードウェアから、スマートフォンで利用できるSamsung Gear VRを含めた中で最も良い。

私はHTC Viveを持っているが、すぐにそれを放り出すということではない。Gear VRも使ったことがあるし、Google Pixelのローンチイベントで少しだけ試すことができたDaydream VRも今後もっと使ってみたいと待ち遠しく思っている。もし個人でどのVRハードウェアを購入しようか検討している場合は、Lucasが書いたまとめ記事を読むと参考になるかもしれない。しかし、それでも私はPlaystation VRが、コンシューマー向けVRは圧倒的な代表格となる存在だと考えている。日常的に使用するユーザーにとって使いやすく、価値のあるテクノロジーを届けることができるだろう。

PSVRが完璧かと聞かれれば、全くそうではないだろう。ビジュアルの正確性やルームスケールVRはどちらも私の持つHTC Viveの方が良い。ワイヤレスのGear VRのような自由度もない。Playstationのカメラでは、ヘッドセットの位置を見失うというトラッキングの問題が時折生じるのも見つけた。これは没入体験の中で方向感覚を失わせるものだ。

Farpoint VR demo psvr

しかし、Playstation VRはシンプルなところが魅力だ。設定からキャリブレーション(測定の調整)、実際の使用まで、他のゲームコンソールを設定する時の体験と似ていた。Viveを含め、他のより複雑なシステムの設定を経験してきたからそう思うというのもあるが、PSVRは箱から取り出して、実際に使用するまで、その過程は一貫して「それだけでいいの?」と思わせるものだった。実際にVRを体験するまで、多くの手間がかかることを予想していた。

シンプルなだけでは十分ではない。けれどもPSVRはシンプルさと強力な体験の良いバランスを保っている。ハイエンドな技術的要件やテクノロジーに親しんでいなくとも、ViveやSteamVRのゲームを体験した時のような驚きを平均的なエンドユーザーにも提供している。

もう1つPlayStation VRが優っているのは、ゲームの選択肢があることだ。ローンチ時点でもそのゲームライブラリは圧倒的だが、最も良い点は全てのゲームがVRであるべきゲームだったと言えるからだ。全てが秀逸と言えるものではないだろう。けれど私が試した全てのゲームは、VRに対する全体の印象を良くするほどの影響があった。ViveやGear VRで試したゲームでは言えないことだ。

もし、PSVRに大きな課題があるとしたら、それはまだ高額すぎることだ。PCの金額も上乗せされるViveやOculusほど高額ではないものの、Playstation VRの価格はコアなゲーマー層以外を惹きつけるには高すぎるかもしれない。しかし、PSVRは自宅に置かれるようになる。そこでは様々なユーザーが試すだろう。VRにはそれが今、最も必要なことだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

‘JOLED’は、空中浮遊する小さな球体で作られたディスプレイ

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液晶ディスプレイはもう古い! これからは、超音波で宙に浮かぶ数十個の小さな球体だ。サセックス大学とブリストル大学の研究者らが作ったのはまさしくそれで、想像する通りの奇妙な代物だ。もっともこの汗かきロボットほど奇妙ではない。

このディスプレイは “Janus objects” と呼ぶ小球体を、「音波浮遊」によって「物理的ボクセル(3次元ピクセル)」として使用する。これでおわかりいただけただろうか? 多分もう少し説明が必要だろう。

Janus objectsは、ポリスチレン製のビーズだ。上下に設置されたスピーカーから出る超音波によって空中に留まっている。それぞれのビーズが、自分専用の小さな超音波ポケットに収まっている。音を変調することによって、ポケットを移動し、ビーズの位置を変えることができる。

白いドットだけを表示するならこれで十分だ。しかし、研究者たちはさらに一工夫して、ドットの片側に色を塗り(こうして2つの顔を持つことからJanus[ヤヌス:土星の衛星の1つ]と呼ばれる)、二酸化チタンでコーティングすることによって帯電させた。こうすることによって、電場を調節して球体の向きを細かくあるいは一気に変えることができる。

こうしてできあがったのは、空中浮遊するビーズのグリッドだ ― 6 x 7なのでRetina解像度とはいかない。その場で回転して色を変えたり、モノクロ画像を表示することができる。実際これは、宙に浮かぶEペーパー以上と言えるかもしれない。

チームはこれをJOLEDと呼んでいるが、何の略かはわからない。Janus Objects Levitated and Electrostatically Driven? 悪くない予想だ。

ビーズの位置と回転は、入力に応じて変えることができ、トラックの周囲や障害物の間を動かすこともできる。十分な数があれば、空中に浮かぶタッチ式フィギュアが作れそうだ。モニターの上に浮かべて、少々粗いセカンドモニターにするのもいいかもしれない。

サセックス大学のSriram SubramanianとDeepak Sahooは、来週のACM User Interface Software and Technology Symposiumで成果を発表する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、ニュース記事に “fact-check” タグを導入

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今日(米国時間10/13)Googleは、同社の人気ニュースサービスに“fact-check” タグを導入した。これまで同サービスは複数のニュースソースから注目のニュースを集め、「オピニオン」「ローカル」「引用多数」等のタグを付けてグループ分けしてきた。今後読者は、話題の記事のすぐ横にハイライトされた “fact-check”[事実確認]ラベルを見ることになる。

同社は、ファクトチェックサイトの急速な普及がこのタグを導入した理由だと説明する。コンテンツ作者は、用意されているニュース提供元ラベルに加えて、新たにfact-checkタグを記事に付加できるようになる。

背景となる事実情報の構成には、Schema.orgのClaimReviewが使用される。Schemaコミュニティーはインターネット上の構造化データのためのマークアップを作成している。同グループはGoogleが出資している他、Microsoft、Yahoo、およびYandexも支援している。factcheck_articles-width-800

米国や英国の一般読者は、ウェブおよびモバイル版のニュース記事で、貴重な事実を見つけられるようになる。これで、地球は本当は平面であると主張する記事がフィードのトップに表示されなくなることを祈るばかりだ。

Googleはサポートページで、もし不当にfact-checkタグが付加された場合には介入する権限を持つと説明している。

「サイトがClaimReviewマークアップの基準に沿わないと認められたときは、当社の判断により、当該サイトのマークアップを削除する、あるいはGoogle Newsからサイトを削除する場合があることを留意されたい」

これで虚偽の記事がGoogle Newsの上位に表れるのが阻止されるわけではないが、ずっと難しくなるだろう。今のところGoogle Newsに多くのfact-check付き記事が出回っている様子はない。私がざっと見た限りでは1件も見つからなかったが、米国大統領選挙の時期でもあり、数週間のうちに浸透していくだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのビデオが居間のテレビにストリーミングされるようになった

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Facebookのビデオが居間の大型テレビで再生できるようになった。この新機能はAppleのApple TV、AirPlayやGoogleのChromecast、Google Cast経由で、ニュースフィードにアップされたビデオクリップをユーザーのテレビにストリーミングする。自宅でのビデオ視聴体験が大きく改善されることによりビデオ広告収入が増えることをFacebookは期待している。

新機能はまずiOS版に実装されたが、Android版もすぐにアップデートされる予定だ。利用の際はニュースフィードのビデオの右上部に表示されるTVアイコンをタップし、続いてストリーミングに使うデバイスを選択する。

ビデオがストリーミングされている間もユーザーはニュースフィードをスクロールするなど普通にFacebookを使い続けることができる。この戦略は居間のテレビとモバイル・デバイスの双方をFacebookが占めようとするものだ。一方、ほぼ同時に発表されたTwitterのPeriscope Producerはまったく異なった性格のアプリだ。Producerはプロフェッショナルが製作したコンテンツをPeriscopeとTwitterを経由して世界に配信する。

FacebookではAndroid版は5月iOS版は8月からそれぞれアップロードされたビデオをテレビへストリーミングするテストを開始していた。実はFacebookがストリーミングを始めたのはかなり以前で、iPadアプリにAirPlayを経由したストリーミング機能jが追加されたのは2011年だった。ウェブ版や他のモバイル版アプリからのストリーミングが実現するまでにこれほど長い時間がかかったのがむしろ不思議だ。

ライバルであるYouTube(と同社が買収したPeriscope)はすでにビデオをテレビにストリーミングする能力を備えている。Facebookの今日のストリーミング機能の追加はトレンドから取り残されないようにするためだったかもしれない。YouTubeにはユーザーが見たいビデオをその場で再生の待ち行列に追加する機能がある。Facebookは次にこの機能も取り入れるかもしれない。

Facebookの目標は「いついかなる場所にも存在する」ことだ。そこでビデオ視聴のプラットフォームも可能なかぎりあらゆるバリエーションを揃えようとする。Facebookのビジネスを支える最大の柱は予見しうる将来にわたってモバイルだろうが、Facebookの存在をいっそう拡大する上では仮想現実やテレビでも有力な地位を築くことが欠かせないはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleフォトに新機能―ビデオのGIF化、写真の傾き修正、アルバム自動作成など

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Googleフォトはすでにトップクラスのクラウド写真サービスだ。検索能力が非常に強力だし、自動的に写真を選んでアルバムやアニメを作ってくれるアシスタント機能も便利だ。昨日(米国時間10/12)、Googleの公式ブログはフォトに多くの新機能を追加したことを発表した。ユーザーが過去の記憶を呼び起こすのを手助けするなど使い勝手の改善と同時に、新ツールもリリースされた。これよってビデオから共有可能なGIFファイルを生成したり、ワンクリックで写真の向きを正しくしたりできるようになる。

これまでもフォトにはほぼ同時に撮影された写真をまとめてループするGIFアニメを作る機能があった。iOS版のフォトはiOSデバイスで撮影されたLive PhotosをGIF化することができた。今回GoogleはGIF化機能のターゲットを動画に拡張した。

Googleの説明によれば、フォトは機械学習テクノロジーを利用してビデオ中からGIF化に適したシーンを選び出す。プールに飛び込むというような大きな動作の場合もあれば、人物が微笑するなどの小さな動きの場合もあるという。次に選択したシーンをGIF化し、友達や家族と簡単に共有できるようにする。GIFファイルはFacebookのようなソーシャルネットワークにアップロードすることもできるし、チャットに添付して送ることもできる。

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また今回、写真で過去を振り返る機能も強化された。写真サービスといえば新しいものほど重視される傾向があるデジタル時代にあってこれは珍しい方向かもしれない。

過去を振り返る写真はカード形式で「この日の思い出」として整理されるが、新しいカードは顔認識機能を利用して、頻繁に写真に登場する人物を認識し、その人が過去に写っている写真をまとめて表示してくれる。このアルバムを見ることで友達との付き合いの歴史を自分が撮った写真で再確認できる。

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次の機能は最近撮った写真からハイライトを選び出してくれるというものだ。Googleの説明によれば最近新しく子供が生まれた家族などに最適な機能だという。アシスタントは最近撮影された赤ちゃん写真からいちばんよく撮れたものをまとめてアルバムにしてくれるのでおじいちゃん、おばあちゃんにリンクを送って喜ばせることができる。友達に見せて迷惑がらせるのにもよいだろう。

Googleフォトは新しいアルバムを機械学習を活用して自動的に作成してくれるようになった。スマートフォンが普及し、日々大量の写真がスナップされている。こうした大量の写真をユーザーが人力で整理するのはすでに限界に近づいていた。Googleフォトのアルバム自動作成機能は非常に実用性が高いツールといえるだろう。

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最後の重要なアップデートは、向きがおかしい写真を撮ってしまうというよくある失敗をカバーしてくれる。Googleフォトのアシスタントはどの写真が修正が必要かを選び出し、カード形式で表示してくれる。タップするだけで写真を正しい向きに回転させることができる。

新機能は GoogleフォトのAndroidiOSウェブすべてのバージョンで公開済み。

〔日本版〕訳者自身はまだ確認していないが、Facebookなどには次のような投稿がある。つまりフォトのアシスタントは撮影角度を回転補正するだけでなく、裏焼き写真も選び出し、正しい向きに反転させてくれるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

自動車修理店自身が、ユニークで使いやすいショップ運営ソフトを作り上げた


ハイブリッドカーへの注力で知られるサンフランシスコのLuscious Garageは、その真の特徴を隠している、それは人びとへの注力だ。創業者のCarolyn Coquilletteは2007年にサンフランシスコにオートショップを開店した、そして上のビデオからも分かるように、室内装飾からそれが占める空間に至るまでが、メカニックの現場に期待されるものとは大きく異なっている。そしてそれは店舗を運営するソフトウェアにも及んでいて、Coquilletteが訪問中に紹介してくれた。

Coquilletteにとって、オートショップの空間配置や対人関係といった部分を変えるだけでは十分ではなかった;サービスを追跡し、在庫を管理し、顧客とコミュニケーションする部分も大規模なオーバーホールを必要としていたのだ。典型的なショップバックエンドソフトウェアは、本質的に石器時代の遺物である、特に顧客がスマートフォンの上に持っている平均的なソフトウェアに比べればその差は大きい。

Coquilletteは改善の必要性を、Luscious Garageにとってだけの機会と捉えず、仕事を管理し、在庫を扱い、顧客が容易に理解できる方法で伝達を行うことのできる優れたソリューションを探している、他のオートショップにとっての機会でもあると捉えたのだ。当初構築したカスタムショップ管理プラットフォーム「Hyspace」を手本に、Coquilletteはそのシステムを、更に成熟した、それ自身独立して似たようなバックエンドの近代化に挑んでいる他の店舗でも使えるようなものへの転換を図った。

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リード開発者Tyler Olmsteadを擁するチームと共に、Hyspaceは2013年に全く新しいコードベースを使って書き換えが始まり2014年にはMVP(minimum viable product:必要最小限の機能を持った製品)が発表された;Shop-Wareは2015年1月にフル機能搭載のショップ管理プラットフォームとして正式デビューを果たした。

そのウェブベースのインターフェイスは、さまざまなプラットフォーム上で使用するためのナビゲートしやすく、視覚的に魅力的で、動的なもので、スタッフに向けた在庫やワークフロー管理と同様に、顧客向けの作業承認と作業履歴のコミュニケーション、そして統合された帳簿管理のためにQuickBooksとの統合も果たしている。Coquilletteは私に、車に必要なサービスが何か、それが何故必要なのかを顧客に対して明らかにする過程で、システムがコミュニケーションという観点から正確に何ができるのかを示した ‐ Shop-Wareは、そのわかりやすい報告機能のお陰で、間違いなく消費者とサービス提供者の間のより強い長期に渡る信頼関係を構築する手助けをしてくれるものだ。

顧客にとって、カーショップに対する指示は困難に思える仕事である、特に顧客が技術的な専門知識を持っていない場合には。Shop-Wareによって、Coquilletteはその過程をはるかに簡単なものにした。一方スタッフメンバー同士のコミュニケーションや、一般的な作業もはるかに容易になっている。Slak同様に、このShop-Wareは、自身のビジネスの追求のためににテクノロジーツールを構築する際に「自らの手で作り上げる」アプローチが、最後には他の多くの人も使うようになる何かを生み出すことを示す、良い例である。

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(翻訳:Sako)