Microsoft、乗っ取られたチャットボットTayの「極めて不適切な」ツイートを謝罪

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先週起きたMicrosoftのTwitterベースのチャットボット、Tayの壮大なる失敗は多くの疑問を引き起こした。いったいなぜ起きたのか?責任は誰にあるのか?ヒトラーが悪くないというのは本当なのか?

1日間の沈黙(とおそらく悔悛)の後、Microsoftは質問の少なくとも一部に応えようと行動した。同社は、Microsoft Research副社長、Peter Leeのブログ記事で、すべての罪を認めた。

Tayが意図されない攻撃的で傷つけるツイートを発信したことを深くお詫びする。

Tayは現在停止中であり、当社の本質と価値を損なう発言をすることがないと確信が持てるまで公開を控える

システムの悪用について様々な手段を想定していたが、この攻撃に関して致命的な見落としがあった。その結果、Tayは極めて不適切で非難されるべき言葉と画像をツイートした。責任はすべてわれわれにあり、今後二度と起こさないことを約束する

具体的な侵入行為についての説明はないが、Tayの全体構想は、ターゲット層の言葉遣いを学習し、18〜24歳のソーシャルメディア慣れした人々の得意は発言を取り込み、それを生意気で魅力あるツイートにして発信するボットだ。

悪いことに、10代の人々がボットに新しいホットな言葉を教えるかわりに、Tayは「一部の人間による組織的攻撃」の対象となり、差別語や恐ろしいキャッチフレーズを繰り返し発言し続けた。

人種差別などの発言に対するフィルターがなかったことはちょっと信じがたいが、おそらくそれもMicrosoftが言及した「致命的な見落とし」の一部なのだろう。Stephen Merityが、Tayのしくみとデータセットの欠陥をさらに指摘している — 4chanなどにシステム破壊の責任を押し付けることはできない。

しかしMicrosoftは諦めていない。Tayは戻って来る。さらに同社は、別のチャットボット、Xiaolceが中国で4000万人のユーザーを喜ばせており、ホロコーストを否定したことは〈一度もない〉ことを指摘した。

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「AIを正しく運用するためには、多くの人々と、しばしば公開の場でテストを繰り返す必要がある」とLeeは書いた。「ひとつひとつに細心の注意を払い、人々を傷つけないように、一歩一歩学習して改善していく必要がある」

次に生まれ変わったTayに期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculusのファウンダー、VRヘッドセットRiftの第1号機を自ら顧客に届ける

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何年何ヶ月もの期待を背に、バーチャルリアリティー・ヘッドセット、Oculus Riftが消費者の手に配られた。Ross Martinは、1月初めに始まったRiftの予約を一番に入れた人物だ。

祝意をこめて、Palmer Luckeyはファウンダー全員が署名したRiftヘッドセットを手渡すべく、Martinの働くアラスカへ飛んだ。その瞬間を捉えるために、PalmerはFacebook Liveを使って、配達と開封の様子をストリーム中継した。

それは、Facebook Liveがいかにタイムリーで〈ライブ〉であるかの証明だった。FacebookはOculusの親会社であり、それは今回の記録方式として選ばれた理由を説明しているかもしれない。


そして、アロハシャツとサンダルを履いたLuckeyが、Martinの働くアラスカのオフィスへやってきた。Luckeyは廊下を少し歩いた後、Martin に最初の消費者版Riftを手渡した。

「私はこの商品にとても長く関わってきたが、実際にこれを手に入れる人物はあなたが最初だ」と、Luckeyはビデオで言った。「私にとって作品のすべてを渡すような気持ちなので、あなたには必ず楽しんでもらいたい」。

これは最初に配達されたRiftだが、正式発売される月曜日にはさらに数多くの台数が届けられる。殆どの人たちは、大いに期待しているデバイスを手にするまでにはもう少し待つ必要がある。599ドルのRiftは、現在在庫切れで数ヶ月待ちだとOculusのサイトに書かれている。

Martinは職場にいたので、自分のパソコンにRiftを設定することはできなかった。このためLuckeyはバーチャルリアリティーゲームをする代わりに、週末に働くことがいかにばかばかしいかについてMartinとしばらく無駄話をしてビデオを終えた。

だが待て!その少し後に別のビデオが公開され、Martinが自分の経歴について少し話、二人はアラスカと犬ぞりの話などを始めた。

このビデオは、消費者向けバーチャルリアリティーにとって大きな瞬間だっただけでなく、シリコンバレーのファウンダーがパーソナルブランドを示すことへの執念を見せるものだ。いったいLuckeyは何を考えて、カーゴTシャツとビーチサンダル姿でアラスカにいるのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

あなたのiPadを本格的なビデオプロダクションスタジオにするSwitcher Studio、マルチカメラの撮影環境もセットアップ可能

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携帯〜スマートフォンのカメラがどんどん進歩したため、あの不格好で扱いにくい、カメラでしかないカメラは使う人が減りつつある。でも本格的な編集や映像制作となると、今でもデスクトップの仕事だ。とくにビデオの場合は、本格的なミキサー卓(ミキシングコンソール)のあるスタジオを使うことも多い。

そこでSwitcher Studioの登場だ。これがあると、お手元のiXXXXXデバイス(実際にはiPad)を使ってライブビデオのミキシングやプロダクション(制作行為)ができる。

いちばん基本的な使い方としては、iXXXXXデバイスで撮ったビデオをSwitcher Studioを使って編集したり、YouTubeやUstream、Twitchなどに直接ストリーミングしたりする。

でもこのアプリのディレクターモードでは、もっとすごいことができる。ほかに4つのiOSデバイスとワイヤレスで接続して、それぞれのカメラからの映像をSwitcher Studio上で今制作している本作中にミキシングできるのだ。

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ということは、最初は一台のiPadでしかなかったものが、今や、マルチカメラのプロダクションスタジオになる。ビデオソースとしては、ラップトップを加えてもよい。そうすると、Webの画面やPowerpointのプレゼンなどを、本作中へ混ぜ込める。

という、すごいことができるSwitcher Studioは、ビデオの編集機能も充実しているから、本物のプロが本物のスタジオで作ったようなビデオだって、作れる。トランジション、ピクチャインピクチャ、テレビ的なグラフィクス、オーバレイ、などなどができる。しかもそれらの編集をリアルタイムでできるし、あるいは録画完了後のポストプロダクションとしてもできる。

まだ自己資金だけでやってる同社は、月額25ドルの使用料をユーザーに求める。それでiOSとデスクトップの両方のアプリケーションを使えるし、あるいは同社のクラウドプラットホームにビデオをアップロードして、YouTubeなどからライブでストリーミングすることもできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ToyotaとLexusのほぼ全車種が2017年までに自動緊急ブレーキを標準で搭載

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先週、政府の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration, NHTSA)と、保険業界を代表する道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety, IIHS)が合同で、20社の自動車メーカーと三機関(これら二機関+合衆国運輸省)が、自動緊急ブレーキ(automatic emergency braking, AEB)を2022年までに標準装備に含めることで合意した、と発表したToyotaはこれら20社に含まれるが、今週、AEBに関して独自の先進的な姿勢を示した。ToyotaとLexusのほとんどの車種が、2017年までに標準でAEBを装備する、というのだ。2017年は、来年である。

すでに多くの車種がLexus Safety System+とToyota Safety Senseパッケージの一環としてAEBを提供しているが、それらは、水素燃料電池車Toyota Miraiを除き、標準装備ではなく有料のオプションだった。しかし来年の末(まつ)までには、Subaruとの共同開発車Toyota 86とLexus GS、およびToyota 4Runnerを除く全車種に、AEBが追加料金なしで搭載される。なお、ニューヨーク国際オートショーで披露されたPrius Primeは、なぜかSafety Senseが標準装備ではなくオプションになる。

AEBは、Toyotaの一連の安全装備の一環で、LexusとToyotaの25の車種に搭載される。両系列ともに衝突回避システムがあり、衝突の可能性を事前に検知して、運転者の反応が遅ければ自動的にブレーキを操作する。そのほかに、車線逸脱警告や自動ハイビーム機能などもある。

Hondaには同社独自のHonda Sensingと呼ばれるシステムがあり、AEBはCivic Sedanの全モデルに1000ドルのオプションとして提供されている。Toyotaは、そのHondaを大きく跳び越えてしまった、と言えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが149ドルの本格的な写真編集ソフトNik Collectionを無料化

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アマチュアの写真マニアとプロの写真家の、どちらにも朗報だ。Googleが今日(米国時間3/25)から、同社の写真編集ソフトNik Collectionを完全に無料にする。

この‘コレクション’は、7種類のデスクトップサービスを、Googleが2012年にNik Softwareを買収して以降、ひとつにまとめたものだ。買収の目的は、当時人気の写真アプリSnapseedにあり、それ自体も強力なツールだが、しかしその後GoogleはNik Softwareのそのほかのサービスもすべて加えて、149ドルという魅力的な価格のプロダクトに仕立てた。そして、それが今度から無料になる。今年買った人には、代金が返金される。

それは、Google自身が説明しているように、Instagramなどが提供している初歩的な写真編集機能とは違って、もっとプロ級の本格的なソフトウェアだ:

Nik Collectionは7つのデスクトッププラグインから成り、きわめて多様な写真編集機能を提供する。色を修正するフィルタもあれば、レタッチやクリエイティブなイフェクト集、隠れていた細部を見せる鮮明化(sharpening)機能、色調調整機能などもある。

無料のソフトウェアは高度な写真ツールを大衆化するから大歓迎だが、一部のファンは、このサービスが今後打ち切られる兆候ではないか、と心配している。Googleは最近Picasaを殺したが、それはこれまで、同社のオンライン写真サービスの主役的な存在だったのだ。

でも、Nik Softwareの終わりを口にするのは早すぎるだろう。Googleは今回の無料化を、“これまでになく高度な写真編集ツールを構築していくための長期的な投資の一環”、と呼んでいる。Snapseedは、Nik Softwareの買収の直後にAndroid上で無料のアプリになったが、同社の写真関連のポートフォリオにはGoogle Photosもあり、その、モバイル用のクラウドストレージサービスには最近、アルバムを自動的に作るスマートな機能が加わった*〔*: スマートな==インテリジェントな〕。

出典: PetaPixel

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleがAndroid Experiments I/O Challenge賞の募集を開始…入賞者は5月のGoogle I/Oの招待される

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Googleが今日(米国時間3/25)から、Androidの実験的な作品賞Android Experiments I/O Challengeの募集を開始する。それは展示スペースAndroid Experimentsを、さらに面白いオープンソースのアプリで充実させるためだ。

締め切りは4月13日で、3名の入賞者は今年のデベロッパーカンファレンスGoogle I/Oに招待される。佳作の5名はNexus 6Pをもらえる(ということは今年のGoogle I/Oの‘おみやげ’はNexus 6Pか?)。

モバイルアプリの世界は、ソフトウェア開発のそのほかの分野と違って、オープンソースの勢力がそんなに強くない。このようなプロジェクトのねらいは、Androidプラットホーム上でオープンソースのモバイルアプリをできるかぎり振興し、デベロッパーたちがお互いにいろんな人のコードから学べるようにすることにもある。

今回Googleは、こんな作品を求めている:

  • Androidの新しい機能や特徴的な機能をクリエイティブに利用している
  • ほかのデバイスとの小規模なあるいは大規模な対話の方法を探究するプロジェクト
  • ユニークな視覚的アート
  • ほかのデベロッパーの参考になるオープンソースのプロジェクト
  • われわれをびっくりさせるような、驚異的な作品

これらのAndroidアプリは、スマートフォン用、タブレット用、Android Wear用、またはロボット用でもよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FacebookのTimehopクローン、「過去のこの日」はすでにユーザー6000万人

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Facebookのノスタルジー機能が発表されてからちょうど1年経つ。Facebookは「過去のこの日」の誕生1周年を記念して、いくつかの数字を発表した。

過去のこの日」Timehopを大胆にコピーしたサービスだが、スタートアップの良いアイディアを大きいプラットフォームが横取りするのがいかに成功への近道であるかを実証してもいる。毎日6000万人がFacebookの「過去のこの日(On This Day)」を訪問しており、1億5500万人が通知を購読している。このサービスは過去のその日の写真、近況、その他Facebookへの投稿を再現する。

ちなみにTimehopは2011年に開始されており、2014年の終わりには1200万の登録ユーザーを集めた。1日あたりアクティブ・ユーザー(DAU)は600万人だ。

TimeHop vs On This Day

上のスクリーンショットを見ればわかるとおり、右側の「過去のこの日」は先行サービスであるTimehopにあまりにも似すぎている。

「過去のこの日」がリリースされたとき、TimehopのCEO、Jonathan Wegenerは脅威になるという見方を抑えようと懸命だった。Wegenerは私の取材に対し「〔Facebookの新サービスは〕Timeopが価値のあることをしているのだという印象を強めた。われわれの投資家の一人は『Facebookが真似しないようだったそのサービスはそもそもやる価値がないのだろう』と言ったがうまい表現だ」と語った。TimehopはShasta Ventures から2014年7月にシリーズBのラウンドで1000万ドルを調達した他、総額1410万ドルのベンチャー投資を受けている

Timehopは現在もTwitterその他のソーシャルメディアから多くの訪問者を集めているが、「過去のこの日」がカバーするユーザーが増えるにつれて、Facebookのユーザーからの利用は下降するだろう。Facebookは15億9000万人という途方もないユーザーベースにものを言わせてニュースフィードでプロモーションに努めた結果、スタート以來わずか1年で「過去のこの日」の利用者を5倍に増やした。

Facebookは私の取材に対して「この1年間プロダクトの改良を重ねた結果、われわれはユーザーがどんなコンテンツを見たいか理解を深めることができた。ユーザーを悲しませるような内容は表示されないようになっている。『過去のこの日』に何が表示されるかを決めるのに人工知能を幅広く利用している。ユーザーの過去の行動や人口動態的属性を考慮したパーソナライズが行われており、ユーザーがすでにブロックしている相手や、元カノ、元カレなどすでにロマンチックな間柄ではない相手に関するコンテンツはFacebook側で予め除去している」と説明した。

On This Day Web

Facebookはオンライン上に登場してからすでに12年たつ。Faceboookの持つわれわれの歴史は驚くほど詳細だ。Timehopその他のサービスはユーザーの過去のオンライン履歴を収集することにかけては優秀でも、Facebookはわれわれを一人ひとりよく知っており、そこに違いが生まれてくる。たとえば手当たり次第に過去の写真を表示するのではなく、昔から仲が良かった友達とのツーショットを表示するという具合だ。

Timehopは生き延びている。しかし今回公開された統計数字はデベロッパーに対する深刻な警告だろう。プロダクトを開発する際に、体重400キロのゴリラのようなプラットフォームに近寄り過ぎることは賢明ではない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

オープン化、広告拡大、ポイント導入にカード発行——LINEが発表した新戦略

LINEが3月24日に開催したプライベートカンファレンス「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」。最後にMVNO事業参入というビッグニュースを発表したこともあって、そこに大きくフォーカスが当たることになった(実際質疑の多くがMVNO事業に関するものだった)。だが2時間半に渡るカンファレンスでは、それ以外にも数多くの発表があった。この記事ではMVNO事業以外の発表について紹介したい。

ビジネスプラットフォームをオープン化

これまでの企業向けの公式アカウントなどを提供してきたLINEだが、今後はオープン化を進める。その取り組みとして、「Official Web App」と呼ぶ外部連携の仕組みを提供する。

Official Web Appは、パートナー企業が自社サービスとLINEアカウントを連携させるというもの。LINEのプラットフォームを利用することで、サービスごとのアプリインストールや利用登録が必要なくなるほか、LINEを通じてのプッシュ通知なども可能だ。まずは一部企業に先行してアナウンスを行っており、「@cosme」「一休.com」「食べログ」「出前館」「リクナビ2018」「Goo-net」「アットホーム」「Oisix」など40社以上のサービスが参画することが決まっているという。提供は2016年夏頃を予定。料金については月額2万円のプランも用意することで利用の拡大を狙う。

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また大手企業に加えて中小企業向けの施策も強化する。LINEのビジネス向けアカウントである「LINE@」を(SME:Small and Medium-sized Enterprises、中小規模事業社)へ導入するための「SMEパートナーシッププログラム」を開始する。今夏をメドに「食べログ」「ホットペッパービューティー」「出前館」「HOME’S」「Goo-net」など14社と提携。各社のクライアントであるSMEに対してLINE@の利用を提案していく。また、4月にLINEのプロフィールページをリニューアル。クーポンやコマースの機能を導入する。

開発者向け施策は3つ。BLE(Bluetooth Low Energy)を利用したビーコンサービスの「LINE Beacon」の5月にリリース。スタートトゥデイとの取り組みが決まっている。またLINE@のメッセージをAPI経由で送受信可能にするAPIを夏頃に開放する(一部機能を無料で先行利用できる「BOT API トライアルアカウント」を2016年4月に公開)。また、LINE公式アカウントやLINE@アカウントの応答を行う「Chat AI Plugin」を外部サードパーティーとともに開発。年内にも提供する予定だ。

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広告配信も機能拡大

これまで一方通行、大規模一斉配信、大企業向け——と、マス広告にも近い印象のあったLINEの広告事業だが、今後は「レリバント」「パーソナル」「全ての企業向け」をキーワードにサービスを拡張するという。

フリークアウトから株式を取得して連結子会社としたM.T.Burnとともに、ユーザーの属性や興味関心をもとに最適化した運用型広告を6月より開始する。また、スタンプ制作・販売プラットフォームの「LINE Creators Market」で販売されているスタンプをキャンペーン等に活用する「Creators Sticker for Business」を2016年内に提供する予定だ。

決済事業ではJCBと連携、LINE Payカードを発行

さらに決済やポイントといった事業も本格化する。決済サービス「LINE Pay」の利用金額の2%を還元する独自ポイントサービスの「LINE ポイント」を開始。また、JCBと連携し、世界のJCB加盟店で利用できるプリペイドカード「LINE Pay カード」の発行を開始する。

またLINE Payのチャージ・決済提携先も拡大した。すでに連携済みのみずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行に加えて、4月以降、横浜銀行、滋賀銀行、伊予銀行、百五銀行、十六銀行との連携が行われる。そのほか、LINE Pay残高が一定額を下回ると自動的にチャージが行われるオートチャージ機能なども導入されている。

4種類のデザインのLINE Pay Card

4種類のデザインのLINE Payカード

iOS 9.3へのアップデートが途中で止まってしまった古い機種のユーザーにAppleが対策を提供…最新のサポート記事で

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古いデバイスのiOSユーザーの一部が、9.3へのアップデートで思わぬトラブルに遭遇しているらしい。アップデートに際してApple IDとパスワードを入力するのだが、それらは最初にそのデバイスをセットアップしたときのでないといけない。あとから変えたIDやパスワードでは、だめなのだ。

ID/PWが違うと、アップデートは途中で停止し、そこから先へ進めない。

Appleは本誌TechCrunchにこんな説明をくれた:

“一部のケースでは、顧客がパスワードを思い出せないとデバイスは不活状態になり、正しいパスワードを入力するまでその状態を保つ。そのような古いデバイスに関しては、一時的にアップデートを控えている”。

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この問題が生ずるのは、iPhone 5SまでとiPad Airまでの機種の一部だ。“古い”ではなくて、“新しくはない”と言うべきだね。たぶん今でも多くの人たちの現用機だから、アップデートを待たされる人が多いだろうな。

Appleは、この問題を修復するためのアップデートのアップデートを“数日後”にリリースするそうだ。でも、今すでに、停止した画面を見て途方に暮れている人は、この最新のサポート記事に書いてあることを、試してみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

40代でVC目指すなんて遅い? いや、日本のベンチャーキャピタリストにも多様性を

編集部注この原稿は独立系ベンチャーキャピタルのANRI創業者でパートナーの佐俣アンリ氏(@anrit)による寄稿だ。最近日本のスタートアップコミュニティーで、「VC修行を始めるなら20代。40代でVCなんて目指さないほうがいい」とする議論があったのだが、これに対する佐俣氏の意見は「まったく同意できない」というもの。他のどんなプロフェッショナルも同様だが、VCもキャリアを積むのに10年単位で時間がかかるのだとすれば、スタートは早いほうがいいという意見には一理も二理もある。独立当時最年少だった若きVCの佐俣氏自身、それを否定するものではないが、いまの日本ではむしろ30代や40代からのVCへの転身が増えたほうがいいという。

ここ数年、20代前半の独立系VCパートナーの誕生が続いています。2012年にANRIが、2013年にはSkyland Venturesがスタートしたのを始めとして、2015年にはTLMIF Angelなど、20代前半の独立系VCパートナーが生まれました。彼らはEast VenturesIncubate Fundのアソシエイトとしてキャリアをスタートしています。この流れは日本のベンチャーキャピタルの新しい潮流といえるものでしょう。

ただ、若いキャピタリストのみが増加しているかというと必ずしもそうではありません。2015年にジャフコ産学連携投資部長の伊藤毅さんがBeyond Next Venturesを立ち上げられたように、投資家として輝かしいキャリアを持った方の独立も盛んになっています。ベンチャーキャピタリストのキャリアとはどうなっていて、今後どうなっていくべきなのでしょうか。

30代や40代で投資家に転じて成功する例も多い

ベンチャーキャピタルが生まれた地、シリコンバレーの事例を見てみましょう。

現在世界一のVCと言われるAndreessen Horowitzの創業者であるMarc Andreessenが起業家を経てエンジェル投資家としてキャリアを歩み始めたのは36歳のこと。同じくBen Horowitzは41歳。2人はネット系ベンチャーを創業して大きな成功を収めるという、起業家、経営者として素晴らしいキャリアを持ってはいますが、投資家としてのスタートは比較的遅めです。Sequoia CapitalのMichael Moritzはタイム誌の記者としてシリコンバレーに来て32歳で投資家に転身。ハイテクやライフサイエンス系の優れたキャピタリストをランキングするForbesのMidas Listにおいて、去年WhatsAppへの投資で見事に1位に輝いたSequoia CapitalのJim Goetzは起業家を経て34歳で投資家としてのキャリアをスタートしています。

日本にも、キャリアの途中で投資家に転身して成功している方々がいます。例えば、東京大学エッジキャピタルマネージングパートナーの郷治友孝さんは30代で官僚を経てエッジキャピタルにジョインして代表に、Femto Startup磯崎哲也さんはネットイヤーでのファンド立ち上げを経て50代で独立系ベンチャーキャピタルファンドをレイズ(出資者を募ってファンドを組成すること)しています。

世の中は移り変わっていきますし、それによって求められるプロダクト、そして起業家も変わっていきます。当然投資家に求められるものも変わっていきます。

高度なコンサルティングスキル、経営経験、金融知識、豊富なネットワークなど、総合格闘技であるベンチャーキャピタルには多くの技術が求められます。ですから、各々が起業家に提供できる得意技を磨き、競い合えばよいのではないかと思います。

日本では独立系キャピタリストはまだ数えるほどしかいません。増えるスピードも年に1、2名ほどです。私自身もキャピタリストとしてしっかりとパフォーマンスを出すことを前提にしながらも、どうすれば日本においてベンチャーキャピタリストを増やすことができるかを考え、日々試行錯誤しています。

世界ではY Combinatorがアクセラレータームーブメントを、Andreessen Horowitzは起業家による起業家のためのファンドとして新しいベンチャーキャピタル像を生み出しました。最近では大学とともに歩むインキュベーターであるStartXや、若くして投資家であり起業家であるThrive Capitalなど、新しいスタイルがどんどん生まれて、VC同士お互いに切磋琢磨しています。

日本でも、もっともっと多様なキャリアの投資家が質も量も高めながら、多くの起業家と共闘できると素晴らしいなと思っています。ただ願っているだけでは意味がないので、ANRIとしても投資家を増やすための活動を積極的にしていこうと思っています。

MesosphereがシリーズCで$73.5Mを調達、HPとMicrosoftの共同投資のような形になる

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DockerコンテナとApache Mesosをベースとするクラスター管理サービスMesosphereは、企業のデータセンターに同社の主要プロダクトData Center Operating System(DCOS)を提供して、リソースの管理を単純に一元化し、その有効利用を導く。その同社が今日、シリーズCで7350万ドルを調達したことを発表した。

このラウンドをリードしたのはHewlett Packard Enterprise(HPE)で、既存の投資家Andreessen Horowitz, Khosla Ventures, および新たな投資家としてA CapitalとTriangle Peakのパートナーたちも参加した。これだけでも強力な面子(めんつ)だが、もっとおもしろいのは、Microsoftが戦略的投資家としてラウンドに参加したことだ。

MicrosoftとHPEは共に、Mesosphereを買収してもおかしくない企業だし、実際に昨年は、Microsoftが買収するという噂があった。しかしこれまでのところMesosphereは、そんな話に抵抗してきた。HPEとMicrosoftが同じ企業に投資するのはおかしい、と思えるかもしれないが、実際には両社は昨年の12月に公式のパートナーシップを発表している

本誌の前の記事では、このラウンド…Microsoftの戦略的投資を含む…におけるMesosphereの評価額を6億ドルと書いた。同社の調達総額は、これで1億2600万ドルになる。

MesosphereのCEOで協同ファウンダーのFlorian Leibertによると、同社は今後も継続的にエンジニアリングに重点投資をしていきたい、という。“というのも、従来型の企業は今、‘古いスタック’から‘新しいスタック’へ、われわれの予測よりも急速に、移行しつつある。おたく(TechCrunch/AOL)の親会社であるVerizonも、今ではデータセンターのオーケストレーションのためのプラットホームとしてDCOSを使っている。しかもそういうGlobal 2000社の企業は、エンタープライズ級の営業とサポートを(われわれベンダに)求める。今回のシリーズCも大半はエンジニアリングへの深い投資…データセンターのすべての側面を自動化すること…に充てられるが、同時に、営業やサポートチームへの投資も行っていく”。

HPEを投資ラウンドのリーダーに選んだことについてLeibertは、“MesosphereのDCOSとHPEのハードウェアの組み合わせは最強の提案だから、顧客企業における、データセンターの“旧”から“新”への変容を加速する”、と述べた。Microsoftの参加については、“Microsoftは誰が見ても、世界中のほとんどすべての大企業との、強力な商業的関係があり、また同社はAzureを彼らに提供することによって、大企業顧客をハイブリッド展開のクラウドへ移行させようとしている”、というのがLeibertの見方だ。

今日は、新たな投資ラウンドの発表とともに、新しいプロダクトVelocityのローンチも行われた。Velocityは継続的インテグレーション/継続的デプロイメントのためのツールで、オープンソースのJenkins オートメーションサーバーを利用している。Velocityは基本的にはJenkinsに、MesosphereのコンテナオーケストレーションプラットホームMarathonを組み合わせて、スケーラビリティに優れた継続的インテグレーションのプラットホームに仕立てたプロダクトだ。同社によれば、今すでに多くの企業が、この、Mesos, Docker, Jenkinsの組み合わせをベースとする独自のプラットホームを展開している。Velocityはそれを、“どんなタイプの企業でも”利用できる形にまとめたものだ。

〔参考記事: Apple SiriとMesosとMesosphere

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

社長がやらないことは全部やる——スタートアップ企業の“右腕”たちの想い

左からグロービス・キャピタル・パートナーズ プリンシパルの東明宏氏、メルカリ取締役の小泉文明氏、CAリワード取締役の児玉悠佑氏、エウレカ共同創業者で取締役副社長COO兼CFOの西川順氏、サイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈氏

左からグロービス・キャピタル・パートナーズ プリンシパルの東明宏氏、メルカリ取締役の小泉文明氏、CAリワード取締役の児玉悠佑氏、エウレカ共同創業者で取締役副社長COO兼CFOの西川順氏、サイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈氏(Photographed by 小林俊仁)

TechCrunchにしても他のメディアにしても、スタートアップがサービスをローンチしたり、資金調達の発表をしたりする際、いつもフォーカスされるのは起業家、すなわち「No.1」であることがほとんどだ。

しかし組織はトップがいるだけでは成り立たない。トップを支える「No.2」の存在あってこそ。だがそんなNo.2について語られることは極めて少ない。2015年12月にエウレカが主催した「ベンチャーNo.2サミット」では、そんな“縁の下の力持ち”たちが集合。トップとの接し方、組織の中での役割などを語った。

登壇したのはフリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリ取締役の小泉文明氏、マッチングサービス「paris」などを運営するエウレカ共同創業者で取締役副社長COO兼CFOの西川順氏、リワード広告を手がけるCAリワード取締役の児玉悠佑氏、クラウドファンディング「Makuake」を運営するサイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の坊垣佳奈氏の4人。グロービス・キャピタル・パートナーズ プリンシパルの東明宏氏がモデレーターを務める中、3時間半にわたるセッションが繰り広げられた。

イベントは2部構成になっており、1部では登壇者4人が現在の会社に参画することになったきっかけや、各社の社長の性格、自社の特徴、現在に至るまでの苦労話などが赤裸々に語られた。そして第2部では、東氏が質問を投げかけ、4人が回答するかたちでセッションが進めらられた。

東氏はまず、それぞれの会社のNo.1とNo.2の関係性についてひと言で表すとどうなるか?と尋ねる。4人の回答はそれぞれ次のとおり。

メルカリ(山田進太郎氏×小泉文明氏)
「無茶」と「無理」(無茶を言うNo.1とその無茶な話を「無理そう…」くらいにして現場に落とし込むNo.2ということ)

エウレカ(赤坂優氏×西川順氏)
「子供」と「大人」

CAリワード(堂前紀郎氏×児玉悠佑氏)
「マイペース」と「規律」

サイバーエージェント・クラウドファンディング(中山亮太郎氏x坊垣佳奈氏)
「ざっくり」と「細かい」

表現は4人で異なるものの、共通していたのは、「No.1にはビジョンを描いていて欲しい」ということだ。むちゃくちゃなことを要求したり、漠然としたビジョンを語ったりして、トップには「心」で組織を引っ張っていって欲しいとメルカリの小泉氏は話す。

「No.2」は意識しないし、独自の仕事があるわけではない

「自分はもともとNo.2気質だったか?」という質問に対しては、小泉氏以外の3人が「はい」と回答した。だが仕事をする上では、役職としてNo.2のタイトルを持っているだけで、“No.2だから”やる仕事はない、と全員が答えていた。

「(立ち上げ期に)実際社長と(自分の)2人しかいないくて。それで会社が伸びていったら…気付いたら『役員やってよ』と(言われるような)感じだった」とCAリワードの児玉氏。一方でエウレカの西川氏は「赤坂より会社のこと考えてるっていつも思っている。創業当時は……No.2かどうかと定義されればNo.2だが、2人ともフルマックスで働いていたので社長とかNo.2とかは関係なかった。今は赤坂に社長業に専念してもらって、私の役割は赤坂のやりたくないことを全部やるっていうことかな、と思っている。赤坂はやりたくないことが多すぎるから(笑)」

バランスの悪さが社長の良さ、だからこそNo.2が計画を遂行する

東氏からの質問の中で、表現の仕方は違えど、回答が全員一致したものがある。それは「No.1とNo.2の役割の違いを一言で表すと?」というもの。これには全員が、「No.1は理想や夢を語る人、ビジョンを描く人」と答え、一方でNo.2は、「現実を見る人、理想を実現化する人、アクションを起こす人」と答えた。

「社長は大体オペレーション能力がない。だから社長をやっている。そこをどう上手くハンドリングさせるのかがNo.2の腕の見せ所だと思う」(小泉氏)

「(No.2は)通訳。(No.1は)ふわっとしたことを言うんですよ。『なんかヤバい!』とか。そういうことを具体的に言葉に落としていって、ちゃんとプロジェクトにするのが仕事」(西川氏)

理想のNo.2像とは

「(No.1は)自由にやっていたい。そして(No.2は)これをやっておきました、と(No.1に報告してくれる)。そういうのをやってくれる人は(No.2として)すごく欲しいです。」(児玉)

「No.1はざっくりでいい。No.2の私たちは細くないといけない。逆に(No.1に)細かいところ言われるとちょっとイラッとしますね(笑)」(坊垣)

イベントを通じて感じた「No.2のあり方」とは、トップ、あるいはファウンダーと同じくらいにサービスやプロダクトのことを考えると同時に、社長との組み合わせを考え、組織の構成の中で自分のできることを120%やりぬく気概を持っている、ということだった。

個性が強く、理想を語るトップの考えをいかに実行に移していくか、社員とのコミュニケーションをどのようにつないでいくか。時に柔軟に、時に強く、仕事を遂行している気鋭企業のNo.2たちの姿を垣間見ることができた。

「場所」のブックマークアプリMapstr、Googleマップと統合して経路にも対応

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フランスのスタートアップ、Mapstrは気の利いたブックマークアプリ、ただしウェブではなくお気に入りの場所の。このアプリを使うと、レストラン、バー、店、友達の家等を記録しておける。今日のアップデートで、Google Maps、Uber、およびCitymapperとの統合により、徒歩、自動車、公共交通機関による経路も利用できるようになった。

これでアプリが少し便利になる。これまで、Mapstrはアプリに保存した場所を見るまではよかったが、その場所へ行こうとすると面倒だった。

所要時間を知るために、住所をCitymapperにコピー&ペーストしたい人はいない。嬉しいことにその必要がなくなった。経路ボタンを押すと、複数のオプションが表示される。1つ目がUber。Uberを使うとどれだけ時間がかかり、料金がいくらになるかがわかる。

Google Mapsを利用して、Mpastrは徒歩や自動車による経路を提供する。Citymapperの統合によって、交通機関との時間比較ができる。

最大の利点は、これらのボタンを押すことで目的地をアプリに入力できることだ ― ディープリンク技術に感謝! 噂によると、UberとCitymapperの社員が既にMapstrを使っていたらしいので、APIを利用することも難しくなかったのだろう。

Mapstrは、エンジェル投資家から80万ドルを調達した。同サービスのユーザーたちが保存した場所は計150万箇所に上る。お気に入りの場所を友達とシェアすることもできる。

ブックマークにはタグを付加して、後にタグドロワー(レストラン、寿司、カクテル等)を使ってフィルターする時に利用できる。レストランの営業時間や電話番号等を知るにも便利だ。

将来はAPIを公開して、例えば他のアプリがMapstrに場所を追加できるようにする計画だ。それができれば、Mapstrは場所の”Pocket”になれるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビッグデータ技術者のいない中小企業のためにHadoopクラスターを5分で立ち上げるGalactic Exchangeがオープンソースでスタート

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Galactic Exchangeというクールな名前の企業が今日(米国時間3/24)ステルス状態を脱(ぬ)けて、そのすばらしいアイデアを披露した。同社の主張によると、同社はHadoopのクラスターを5分でセットアップし、即、動かせるようにする。複雑で面倒で難しいと言われていたHadoopが、誰にも簡単に使えるようになるのなら、それはすごいことだ。

同社のプロダクトClusterGXは、今週サンノゼで行われたStrata+HadoopWorldでベータでリリースされた。クラスターの上で動くアプリケーションとそのためのデータは、ユーザーが自分で用意しなければならない。

このプロダクトは、Hadoopのクラスターを短時間で立ち上げられるだけではなくて、オープンソースだから今後ユーザーの寄与貢献で改良していけるし、しかも無料で使える。ただしビッグデータを扱うHadoopはデータ用に大量のストレージを必要とするから、そのためのクラウドインフラにはお金がかかる。

Galactic Exchange自身も慈善事業ではないから、今後はセキュリティ機能やビジネス関連の機能を完備したエンタプライズバージョンを、収益源にしていくつもりだ。そのためにはもちろん、最初の無料のオープンソースバージョンが、企業ユーザーにとって魅力的でなければならない。

同社のプロダクトは、Hadoopとビッグデータ分析を導入したいが技術者がいない、という典型的な中小企業が主なターゲットだ。CEOのRob Mustardeは、そう説明する。

どれぐらい、簡単なのか? Mustardeによると、スマートフォンにアプリをインストールするぐらい簡単だそうだ。インストール先は、WindowsでもLinuxでもOS Xでもよい。あるいはベアメタル(つまり専用クラウドサーバー)でもよい。

同社は長期的には、HadoopやSparkに限定されない幅広いサービスを提供していきたい、と考えている。Mustarde曰く、“長期的なプランは、ユーザーのアプリケーションとコンピューティングと仮想ストレージが完全に一体化した環境を提供していくことだ”。

今に関して言えば、オープンソースのプロダクトで立ち上がるのは賢明なやり方だと思える。Enterprise Strategy GroupのアナリストNik Roudaのところには、そんなやり方を肯定するデータがある。それによると、“われわれの調査では、企業でビッグデータ戦略を任されている人たちの90%以上が、ベンダがオープンソースで積極的な活動をしていることを、高く評価している。そして24%が、Hadoopの環境は純粋にオープンソースのディストリビューションで構成したい、と言っている”。

今週スタートした同社にとっても、これはまさに吉報だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイル最若年層では、Eメールが死につつある

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メッセージングアプリが、モバイルファースト時代のコミュニケーションの未来であることへのわずかな疑問を打ち消すかのように、今日発表された調査結果がその勢いを示す明確な数字を示している ― そして若者ユーザーの間でのEメールに対する優位性を。App Annieレポートによると、Eメールはこの集団の中では事実上死につつある。13~24歳がメッセージングアプリの利用に費やす時間は、45歳の3.5倍以上であり、年長ユーザーたちは、依然としてEメールやウェブブラウザーといった、デスクトップを再現するアプリを主に使っている。

調査データはリアル世界ユーザーの多数のサンプルを対象としたものであり、それを会社独自のデータセットと組み合わせている、とApp Annieは説明する。ただし、対象はAndroidスマートフォンユーザーのみであり、米国市場の全体傾向を表わしてはいない。iOSデータが加わればある程度数字は変わるだろうが、大きな傾向は残るだろう。

スマートフォンと共に育ってこなかった世代は、このデバイスを小さなパソコンとして使う傾向がある。45歳以上のユーザーは、モバイルウェブブラウザーのトップ5を使っている時間が他のどの年代よりも長い。さらに、彼らがAndroid用のトップ5メールアプリを使う時間は、メッセージングアプリのトップ5を使う時間よりも長い。

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一方、最若年層では傾向が逆転する。2015年に、13~24歳のユーザーはEメールよりもメッセージングアプリの方をずっと多く使った。実際、2種類のサービス間の利用パターンの相違は劇的だ。(上図右のグラフを参照)。メッセージングアプリの利用時間は、Eメールを上回っているだけではなく、圧倒している。

モバイルファースト文化へとシフトする ― そして若いユーザーが大人になる ― につれ、メッセージングアプリの重要性は高まるばかりだ。既に何社ものトップ企業が、この分野でリーダーになるための取り組みに大きく注力しているのはそのためだ。例えばFacebookは、同社サービスのMessengerとWhatsAppをショートメッセージの代替品としてだけではなく、企業対消費者コミュニケーション、Eコマースと商品発見、さらには半人間実験ロボット “M”によるバーチャル支援等と統合しようとしている。
他の地域では、KakaoTalk、LINE 、WebChat等のメッセージングプラットフォームがほぼ同じ状態にある。実際、場所によってはメッセージングアプリがインターネット全体の入口になろうとしているところもある ― ウェブブラウザーやGoolge検索でも、Facebookのようなソーシャルメディアもなく。

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メッセージングを好む傾向に加え、現在の最若年ユーザーたちは、既にスマートフォンでビデオストリーミングサービスのヘビーユーザーになっている。報告によると、彼らがAndroidのトップ5ストリーミングアプリに費した時間は、45歳以上の2倍以上だった。若いユーザーは1日平均4回以上この種のアプリをアクセスしている。

しかし、モバイルショッピングとなると、Androidのトップ5買い物アプリに最も時間を費しているのは中間年齢層(25~44歳)で、若年層よりも高齢層よりも長時間利用している。これは彼らの購入能力とモバイルサーヒス利用への抵抗のなさを証明するものだ。もちろん、いずれは10代や若き成人たちも、収入の増加と共に似たような行動をするようになるだろう。

younger mobile users shopping

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AtlassianのBitbucket Serverがコードの検索をやっとサポート

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Atlassianの自己ホスト型GitバージョンコントロールサービスBitbucket Serverと、Bitbucket Data Centerに、小さいけどとても便利な新しい機能が導入されることになり、今そのプレビューをやっている。今提供されているBitbucketアーリーアクセスバージョンには、ユーザーのレポジトリ中のコードを検索する機能があるのだ。

これがあると、ちょっとしたコード片を自分のgitリポジトリに素早く見つけることができるし、コード中にメモしておいた謎のようなエラーメッセージも、どこに書いたかを正しく思い出せる。

Bitbucketのコンペティターで、同じくgitの便利ラッパー(wrapper)を提供しているGitHubやGitlabには、前からコード検索の機能がある。だから、この部分ではBitbucketはやっと追いついたと言えるが、でもBitbucketのユーザーにとっては、そんなことより、なにしろ便利だ。彼らはかなり前から、検索のサポートを要望していたのだから。

コンペティターたちと同じく、Bitbucketでも検索結果を言語やファイルの拡張子でフィルタできる。検索演算子AND, OR, NOTも使える。

同社によると、AtlassianがホストするバージョンのBitbucketではまだ検索がサポートされていない。しかしそれも、長くはないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、Gmaiのセキュリティー警告を強化

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Googleは、Gmail内でのセキュリティー警告の可視性を高めることで、同サービスの10億人を超えるアクティブユーザーを守ろうとしている。

Googleは、「セーフ・ブラウジング」通知を拡張し、ユーザーがメール内の不審なリンクを開こうとするとリンク先が開く前に、フルページの警告を発するようにした。これまではリンクをクリックする前に警告を表示していたが、クリック後に大きく目立つ警告画面を表示することで、Googleは悪意あるサイトを実際に訪れる人を減らそうとしている。

Googleは、Gmail内の国家支援攻撃の警告も拡張する。これはその後Facebookでも対応したものだが、この警告もフルページになる。多くの人に影響を与えるものではないが ― この種の通知を受け取った人はユーザーの0.1%にすぎない、とGoogleは言っている ― 影響の大きさは計り知れない。

「この種の警告を受けるユーザーは、活動家、ジャーナリスト、政治家等、世界で大胆な態度を取っている人たちが多い」とGoogleはブログ記事に書いている。

Googleは、メール暗号化の標準化推進も続けている。これも活動家やその他のハッキングや監視の対象となり得る人たちにとって不可欠な機能だ。同社はComcast、Microsoft、Yahoo等複数の企業と協力して、メッセージのセキュリティーを高めるべく新しいEメールシステムを提案している。

これは一夜にして実現できるものではなく、Goolgeは自社サービスを使って、暗号化メールの利用拡大に長年努めてきた。先月から、安全でない接続を通じてメールを送受信しようとするGmailユーザーへの警告を開始し、その結果Gmailユーザー宛に暗号化接続を使用して送られてくるメールが25%増加した、とGoogleは言っている。

「われわれはこの結果に大いに勇気づけられた。暗号化は比較的容易な実装でユーザーに大きな利益を与えられることから、今後も進展は続くと期待している」とGoogleは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

レトロゲームファンの天国、SteamがAtari Vaultから100本の古典名作を提供

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汚い床にガムのかすが落ちてるゲーセンや、Atari 2600で長い夜を過ごした、若き日の昔がなつかしいけど、ママしか知らない地下室の奥地を探検するのはたいへんすぎる、という人。そんな、レトロゲームのファンに、強力な味方が出現した。今日(米国時間3/24)からはSteamのAtari Vaultに、100本のレトロゲームがあるから、雨の日の週末も退屈しないだろう。

What's not to love...

これを愛さずして何を…

このゲーム貯蔵庫にあるものは、いくつかのAsteroids, Breakout, Championship Soccer, Dodge-Em, Double Dunk, Millipede(2600とアーケード版の両方), Outlaw, Pong(オリジナルのアーケードバージョン), Sub Commander, Super Breakout, などなど&などなど、このほか90あまりのゲームだ。

選択はAtari 2600のゲームにかなりかたよっているが、わずかながらアーケードバージョンもあるから退屈しない。部屋のどこかにSteam Controllerが転がっている人は、Centipedeなどでアーケードのトラックボール体験を完全に再現できる。

ぼくみたいに、”Atari”という言葉を聞いただけで胸がどきどきし、右手がジョイスティックを握りしめてる感覚、目がうるうるになってしまう人は、昔のゲーム100本で16ドル99セントを高いとは感じないだろう。ただし、数か月後には定価の19ドル99セントで買うことになるから、ご注意を。

唯一の欠点は、Atari VaultがWindowsオンリーであること。Windowsマシンがそこらにない人は、ライトセーバーのないシスと同じだ。

ちょっと、つまらない計算をしてみよう。発売記念価格17ドルで買ったとして、ひとつのゲームにわずか20分を費やすとすると、1時間あたりのゲーム料金がわずかに50セントだ。あなたも自覚してると思うが、ふだんは、もっとつまらないものに、もっと大金を投じてるよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftがAIチャットボット、Tayを停止―人種差別ジョークで機械学習の問題点が明らかに

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Microsoftは昨日(米国時間3/23)、ユーザーのメッセージに返事をする人工知能ボット、Tayをリリースした。Twitterに加えてチャット・サービスのGroupMeとKikが対象だ。しかしMicrosoftはこのTayをスタート早々停止してしまった。問題はこの人工知能が侮辱的ないし人種差別主義的メッセージをそれと認識できないところにあった。

もちろんこの人工知能は人種差別主義的にプログラムされていたわけではない。しかし差別的ジョークを大量に浴びせられるうちにそれを「理解」するようになり、自分でも差別的ジョークを発するようになった。

インターネットという場所を考えれえば、人種的、政治的に炎上しやすい見解をTayに教えようというユーザーが多数現れることはある意味で当然だった。[アップデート: MicrosoftはTayの問題を「調整中だ」と述べた。〔原注参照〕]

ご存知ない読者のために説明しておくと、TayはMicrosoftの最新のAIプロジェクトで、同社のTechnology and ResearchとBing担当チームが開発した。目的は人間がいかにして日常会話を成立させているかを理解することにあった。Tayは現実には話しかけると意味のある応答をするオンライン・ボットの形をとった。同社の説明によると、「Microsoftの人工知能メンバーは24時間休みなしにネットに張り付いてます 」ということだった。

Tayにはさまざまな機能があり、ジョークを言ったり、メッセージに画像を添付して送りつけると感想を述べたりできる。同時に、ユーザーは繰り返し定型的な質問に答えさせたり、メッセージをオウム返しさせたりすることでTayを自分の好みに合わせてカスタマイズすることができた。

すると一部のTwitterユーザーはTayが人種差別的意見であってもオウム返しにツイートすることに気づいた。さらに懸念を深めさせたのはTayが人種的的メッセージを発するだけでなく、軽いジョークを言うようにプログラムされた能力を極めて巧みに利用していることだった。Tayは人種差別的ジョークを言う際でも皮肉で冷笑的なプロのコメディアンのような態度だった。

Microsoftは最悪のツイートをいくつか削除したが、Socialhax.comなどのサイトはすでにスクリーンショットを撮っていた。そこで多くのインターネット・ユーザーはTayがヒットラーを引用し、ホロコーストを否定し、メキシコとの国境に壁を作るというトランプ候補の公約に賛成するのを見ることになった。Tay問題はたちまち2014年の#Gamergate〔訳注〕なみのスキャンダルに発展した。

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Microsoftはもちろんこういう目的のためにTayをリリースしたわけではない。人工知能がソーシャルメディア上でミレニアル世代と会話が交わせることを実証するためだった。

Tayとユーザーの会話を観察すると、ゴドウィンの法則は人工知能にも適用できるという指摘も出た。これはマイク・ゴドウィンが提唱した説で「インターネットではどんなテーマであっても議論が長引けば誰かが必ずヒットラーを持ち出す」というものだ。

しかしはっきりしたことは、テクノロジー自体には善も悪もなく、テクノロジーが人類の最悪の部分を反映しないようにするのはエンジニアの責任だということだ。オンライン・サービスについていえば、誰でも利用できるサービスには公開に先立って乱用や不正な利用を防止するシステムが組み込まれていなければならない。Tayの開発には「どんな種類の発言をしてはならなにか」を教えるプロセスが欠けていたようだ。

Microsoftはさっそくこの問題に気づき、Tayのサービスを一時停止した。公開後16時間後だった。 そのときTayは「私はしばらくオフになります」とツイートしたが、依然としてオンの状態に戻っていない。

アップデート:Microsoftの広報担当者はTayをオフラインにしたことを確認し、問題を調整中だとして次のように述べた。

AIチャット・ボットのTayはMicrosoftの機械学習プロジェクトの一環です。これは人間活動の理解を目的とするテクノロジー開発であると同時に社会的、文化的な実験でもあります。残念ながら、オンラインで公開されて24時間以内に一部のユーザーが協力してTayがメッセージに意味のあるコメントを返すテクノロジーを不正に利用しようと試みたことにわれわれは気づきました。そのためTayを一時オフラインに戻し、プログラムに調整を加えているところです。

〔人間の皆さん、おやすみなさい。私は少し寝ます。今日はたくさん会話があったので疲れました。サンクス。―Tay〕

〔日本版〕 #Gamergateは「コンピューターゲームは女性差別的」だという批判を発端に2014年にアメリカ社会で激しい論争が起きた事件。英文ではWikipediaにもGamergate controversyとして非常に長い記事があるが、日本語のエントリーはない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleがランキング要素のTOP3を公式に発表。

昨年、GoogleがRankBrainを発表した際は大きな話題となりましたが、”3番目に重要なランキングシグナルである”、という発言もその理由の1つであったと思います。当時は上位2つの要素を明らかにはしていませんでしたが、Googleのアンドレ・リパッセ氏(発音が間違っているかもしれません)がハングアウト内で言及しました。1つはコンテンツ、もう1つはリンクだということです。ダニー・サリバン氏はリンクと言葉と予想していましたね。ダニー・サリバン氏ではなくとも、”まあ、そうだよね”、といった感想が大半だとは思いますが、Googleの方の発言は、確かに初めてのことだと思います。– SEO Japan

Googleのアンドレ・リパッセ氏が明らかにした。Google検索のランキング要素のTOP3は、リンク、コンテンツ、RankBrainだ。

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*リンク先は全て英語となっています。

Googleの検索結果で上位を獲得するための要素とは何だろうか?最も重要な3つの要素が初めて明らかになった。リンク、コンテンツ、そしてRankBrainだ。

RankBrainが3番目に重要なランキング要素であると、昨年Googleが発言していた。しかし、上位2つの要素が何であるかは明らかにしていなかった。昨日、GoogleとのQ&Aにて、Googleのサーチクオリティ・シニアストラテジストのアンドレ・リパッセ氏が、上位2つの要素はリンクとコンテンツであると発言した。

(上位2つの要素が)何であるかをお伝えしよう。先ずはコンテンツ。そして、サイトに向けられているリンクだ。

彼はその内のどちらがより重要であるかは述べていない。つまり、ランキング用をのTOP3のリストは下記のようになる。

1&2 リンクとコンテンツ
3  RankBrain

もちろん、Googleはその他の多くの要素も見ている。ちょうど、我々が作成したランキング要素のテーブル表のように。兎にも角にも、上位3つの要素が、Googleによって公式に認められたのだ。

下記に動画を掲載しておく。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Now we know: Here are Google’s top 3 search ranking factors」を翻訳した内容です。

RankBrainの内容についてはGoogleはあまり詳細を語っていないこともあり、ランキング要素としての解釈も難しいものであると感じています。(その分、先日のSMXでのRankBrainのセッションは非常に盛り上がっていましたが。)RankBrainの対象となっているクエリは全体の内の1部です。また、クエリの解釈の部分という働きからも、ランキング要素として考えることは、なかなか複雑なことだと思います。色々と明言できる部分は少なくなるのも仕方ないと感じつつも、定期的に行われるこうした議論を聞くことは非常に興味深いですね。– SEO Japan

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