アプリバナーでよりモバイル フレンドリーなウェブページを

ユーザーが携帯端末で検索した場合、探している情報がアプリにある場合もウェブページにある場合も、関連性の高い検索結果がユーザーに表示される必要があります。Google では最近、検索ユーザーがより簡単にアプリモバイル フレンドリーなウェブページを見つけられるよう対応しました。しかし、ユーザーが携帯端末上で検索結果をタップすると、コンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルが表示され、アプリのインストールを求められる場合があります。Google の分析によると、これは検索エクスペリエンスを低下させ、ウェブページのコンテンツを確認したいユーザーの利便性を妨げるものとなっています。

Google では、本日付けでモバイル フレンドリー テストを更新し、検索結果ページから移動した先のコンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルをできるだけ使わないようにすることを推奨します。Search Console のモバイル ユーザビリティ レポートには、このようなインタースティシャルの問題があると診断されたサイト内のページ数が表示されます。

11 月 1 日以降、検索結果ページから移動した際にコンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルが表示されるモバイル ウェブページは、モバイル フレンドリーとは見なされなくなります。これ以外のインタースティシャルに影響はありません。アプリ インストール インタースティシャルの代わりとして、各ブラウザからも、アプリのインストールを促進するよりユーザー フレンドリーな方法が提供されています。

コンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルは検索エクスペリエンスを低下させる

押し付けがましくないアプリ インストール バナーが望ましい


アプリ インストール バナーは Safari(スマートバナー)と Chrome(ネイティブ アプリ インストール バナー)でサポートされています。バナーであれば、一貫したユーザー インターフェースを提供しながらアプリのインストールを促進でき、ユーザーもブラウジング エクスペリエンスを自分で制御できます。ページ コンテンツを隠してしまうことがなければ、独自のアプリ インストール バナーを実装することもできます。

ご不明な点がありましたら、ウェブマスター プロダクト フォーラムでお気軽にご質問ください。

広告主はAdWordsからGmail内のネイティブ広告を購入できるようになった

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Googleは、全ての広告主が購入できる新しいGmail用の広告フォーマット を今日から展開する。数年前、GoogleはGmail用の新しいネイティブ広告をローンチした。これは受信箱の一番上に設置され、通常のメールのような形で表示される。広告の表示方法としては、あまり邪魔にならない形だと言える。(もちろん不快に感じた人もいる。)

今日から全ての広告主は、Gmail広告を簡単に購入することができるようになった。

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広告主は、新しいGmail広告をAdWordsから購入することができる。Gmailのユーザーにとって、この広告はこれまでのGmail広告とは少し違う仕組みで、モバイル版のGmailにもウェブ版のどちらにも表示される。

ネイティブ広告はデフォルトでは閉じている状態だが、ユーザーがクリックすると、ページが展開する。Googleによるとこの広告のコンセプトは「ランディングページのような、豊富な情報と画像を再提供すること」だそうだ。Googleは広告主に、ユーザーが広告を展開した回数に応じて課金するという。(その後の広告のクリックは無料。)

興味深いのは、これらの広告を転送することが可能な点だ。全ての広告の下には「転送」と「受信箱に保存」のオプションがある。「受信箱に保存」をクリックすると、広告メールは受信箱に移動し、普通のメールのように扱うことができる。

受信箱にこの広告を見つけた。(私がネットワークサービスプロバイダーから帯域幅を毎月大量に買っているのが知られていて、私をターゲットとしているのは明らかだ。)

Gmail

Googleは、Gmailで多様な種類の広告フォーマットを検証し「受信箱の体験に違和感なく合う」高品質の広告を少量、表示することにしたという。

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広告主は、通常のAdWordsのターゲットオプションを利用できる。広告自体はいくつかのテンプレートから選び、自社のネイティブGmail広告を作成することができる。この広告には、一つの画像、動画、入力フォーム、電話番号とコールトゥアクション(CTA)ボタンを設置することができる。

Googleは、ユーザーに引き続きどのような広告を表示するかの設定機能を提供する。(興味関心に基づく広告からいつでもオプトアウトすることも可能だ。)また、Google Apps for Workに登録している人の受信箱には広告を表示しないそうだ。

Gmailで広告をクリックした覚えはないが、受信箱から外に誘導されないのなら、広告をたまにはクリックしてみようかと思う。(ターゲッティングが上手く機能しているだろうから。)

原文更新:私はこの広告をこれまでクリックしたことがなかったが、GoogleによるとGmail用の広告フォーマットは2013年からベータ版を検証していたそうだ。これに基づき記事を更新している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

PayPalがユーザー間決済のできるアプリPayPal.Meをローンチ

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PayPalは本日、新たなユーザー間決済のサービスをローンチした。デビューしたプラットフォームの名前はPayPal.Meだ。PayPalのカスタマーは個別のURL(例えば、paypa.me/username)が付いた自身のユーザープロフィールを設定することができるようになった。URLをテキスト、Eメール、インスタントメッセージ、ソーシャルメディアなどで共有するだけで、送金を受け取れるようになる。

PayPalのユーザー間決済の分野における取り組みはもちろんこれだけではない。ウェブサイトの「請求する」機能の他に、同社はVenmoを運営している。このソーシャルアプリは、特にモバイルが浸透している若い世代の人気が高く、お金を借りている友人にお金を返したり、レストランでの食事代を折半したりするのに利用されている。

PayPalがVenmoと競合するようなアプリをローンチしたことは奇妙に思える。PayPalはこれについて、Venmoはアメリカの銀行、クレジットカード、デビットカード会社としか連携していないが、PayPal.Meはより広範なグローバルなユーザーに向けたものだと説明する。

PayPalは世界規模で1億7000万のアクティブユーザーを抱え、彼らは既にPayPalを用いて送金や請求を行っている。PayPal.Meは、これまでのPayPalのツールとは違った、モバイル主導のより簡単で速いユーザー体験を提供することを念頭に置いて設計しているという。

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PayPalによると、ユーザー間の小さな貸し借り、例えば友人間や家族間での金銭の貸し借りは、合計すると規模が大きいという。グローバル規模で、成人は累計510億ドルを互いに貸し借りているが、多くの人は貸した相手にお金を返してほしいと言うのに抵抗がある。

もちろん、PayPal.Meでお金返してほしいと要望することまで無くせるわけではないが、お金を借りている人が返すための簡単な方法を提供している。

「会話がデジタルになりつつある中、ユーザー間決済をより会話の流れに沿ったものにする方法を見つける必要がありました。どのチャネル、どのデバイス、どのコミュニケーション方法、例えそれがメール、テキストメッセージ、インスタントメッセージであろうと、簡単に利用できる方法を検討しました」とPayPalのGlobal Consumer Productsのシニアディレクターを務めるMeron Colbeciは、同社がこの方向に進んだ理由を説明する。

Colbeciによると、PayPal.MeはウェブでPayPalが提供している体験を代替するものではなく、ユーザーにとって別の選択肢を与えるものであるとした。

これまでのオンラインの体験とは違い、PayPal.Meを使用することで決済の手順を減らすことができる。これまでユーザーはPayPalのウェブサイトにログインし、「請求する」機能にアクセスして、請求依頼を製作するために相手のメールアドレスを入力しなければならなかった。一方、PayPal.Meではリンクを共有するだけで済む。

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リンク自体は覚えやすいもので、ユーザーが選んだユーザー名がURLとなる。(例えば、私はpaypal.me/sarahperezに設定する)ユーザー名の設定ができたら、プロフィールのテーマを変えることができる。リンクを共有する際、友人間や家族間での支払いのために利用するか、あるいは仕事上の商品やサービスの料金を受取るのに使用するかを選ぶ。その後の手順は、友人にリンクを送るだけだ。友人は自身のPayPal口座にログインし、情報の確認から支払いまで一つの画面上で行うことができる。メモを残したい場合は、そうすることもできる。

支払いを楽にするため、請求する側は正しい金額を予め個別URLの最後に入力することができる。つまり、「paypal.me/username/50」で50ドルを請求することができる。

サイトはモバイルに最適化されているが、ネイティブのモバイルアプリでなくても、ウェブからアクセスすることもできる。PayPalアプリをインストールしていれば、支払い情報はメールとプッシュ通知で届く。PayPalアカウントから別のPayPalアカウントへの支払いは瞬時に行われるが、資金を銀行口座に送金する場合はもう少し時間がかかる。どの地域のどの銀行かによってかかる時間は異なる。

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将来的にPayPal.MeはPayPalのインスタント決済サービスのOneTeouchと統合し、ユーザー名とパスワードでログインする手間を省くことを考えている。ユーザーが既に別のブラウザやモバイルからPayPalにログインしていることを考慮に入れている。(OneTouchでは、PayPalユーザーが別のサイトからアクセスしても、それを認識してログイン状態を保持する。)これで、決済までのプロセスが一層速くなるだろう。

PayPalはPayPal.Meのサービスは18の市場で展開する予定だという。アメリカ、ドイツ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ロシア、トルコ、フランス、イタリア、スペイン、ポーランド、スウェーデン、ベルギー、ノルウェー、デンマーク、オランダ、スイスとオーストリアだ。

PayPalはこのプロダクトはまだ「1.0」版だという。

「ユーザーがどのようにこのサービスを利用するか理解したいと考えています。フィードバックを集め、それを元にプロダクトと機能の改善を行っていきます」とCobeciは話す。

その機能として、サービスによりソーシャルな要素を加えることが考えられるだろう。例えば、友人リストに簡単にアクセスできるような機能だ。あるいは、ビジネス向けのユーザーエクスペリエンスを向上させることかもしれない。ただ、これらは予想であり、開発には至っていないことを明記しておく。

PayPal.Meは数社あるユーザー間決済アプリと競合する。 Square Cash、Facebook(Messenger内)の決済機能、Google(Gmail内とGoogle Wallet)、Snapchat(アプリ内、Square Cashの協力による)の決済機能などがその内の一部だ。

該当の市場で、PayPal.Meのユーザー名にサインアップするにはPayPal.Meからできる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

経験や直感よりデータ、人材採用に広がるデータ・ドリブンなアプローチ

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編集部注:この原稿は鈴木仁志氏による寄稿である。鈴木氏は人事・採用のコンサルティング・アウトソーシングのレジェンダ・グループのシンガポール法人の代表取締役社長を務めていて、シンガポールを拠点にクラウド採用管理システム「ACCUUM」(アキューム)をシンガポールと日本向けに提供している。

企業の人材採用活動において経験値や感覚値に頼るだけでなく、データ分析に基づいて採用を行う企業が増えてきている。アメリカでは、データ分析に基づいて採用活動のPDCAを回す「データ・ドリブン・リクルーティング」という概念が確立されていてソリューションも多く存在する。私自身がデータ・ドリブン・リクルーティングについて話す際に例として使う、映画「マネーボール」を交えながら、アメリカのソリューションを中心に紹介したい。

「マネーボール」は米国メジャーリーグベースボールでの実話を基にしている。主役であるオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンが、データに基づく選手分析手法「セイバーメトリクス」を用いて、当時資金もない弱小チームを2002年にはア・リーグ記録の20連勝を達成するチームに育てるというストーリーだ。TechCrunch Japan読者でこの映画を観た人は、「データ分析 x ベースボール」という部分に少なからず興味をひかれたのではないだろうか。

「マネーボール」の舞台となったアメリカでは、様々な領域においてビッグデータ活用が謳われており、ここ数年は人事にもビッグデータを活用するのは当たり前という風潮になってきている。それに伴い、データ・ドリブン・リクルーティングという言葉も頻繁に使われるようになってきた。

採用プロセスは細分化すればきりがないのだが、一番シンプルにするとこんな感じだろうか。

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上記の採用プロセスの順に、データ・ドリブン・リクルーティングについて説明したい。

必要な人を決める

「探す/集める」という行為の前には、必要な人を決める(リクルーターたちは”求める人物像の策定”と呼んだりする)必要がある。社内のハイパフォーマーを特定して共通する特徴を分析したり、成功するために必要なスキルや経験を明文化したりすることだ。カルチャーフィットなど含め、社内ディスカッションなどで定性的に行われる部分もあれば、人事システムのタレントマネジメントモジュールやアセスメントツールなどを活用して定量的に行われることも多い。

「マネーボール」では、「セイバーメトリクス」という選手をデータで分析する手法が用いられる。これはアメリカ人野球ライター・野球史研究家・野球統計家であるビル・ジェームズらによって提唱された分析手法で、主観的・伝統的な評価軸ではなく客観的・統計的に選手を評価するものだ。例えば投手の評価においては、当時は伝統的に重要とされていた防御率は野手の守備力の影響をうけるため純粋な投手の力ではないとし、被ホームラン数、奪三振数、与四球数などを重要視する。ビル・ジェームズがこのような指標をもとに上原浩治投手を高く評価し、アドバイザーを務めるボストン・レッドソックスに獲得を強く勧めた話は有名だ。

例えば「マネーボール」では、資金難を理由に放出せざるをえないジェイソン・ジアンビやジョニー・デイモンといった2001年シーズンのスター選手の穴をどう埋めるかについて、ブラッド・ピット演ずるGMビリー・ビーンが「セイバーメトリクス」を信じない古株のスカウトマン達と議論しているシーンがある。2001年のオークランド・アスレチックス選手の年俸総額は約3380万ドル(30チーム中29位)、選手一人当たり平均にしても125万ドルと、総額・選手平均ともにダントツ1位のヤンキースの3分の1だった。その中で、超主力選手だったジアンビ(年俸710万ドル)とデイモン(同410万ドル)は、2人だけでチーム年俸総額の3分の1をしめていたのだ。

2001年に38本のホームランを打ったジアンビの代わりに同じタイプの選手を探しているスカウトマン対して、GMビリーは主要3選手の出塁率を平均すると3割6分4厘(0.364)であることから、出塁率が0.364の選手を3人探して穴を埋めろと指示を出した。スカウトの勘・経験やプレイヤーの体格といった定性的な視点はもちろん、ホームラン数や打率といった従来信じられていたKPIに頼ることを否定し、チームが勝つために必要なプレイヤーは出塁率や長打率などの高い選手であるという結論を導き出し、それに基づいてトレードやドラフトリスト作成の基準を決めたのだ。

探す/集める

求める人物像が決まったら、それを集めるのはリクルーターだ。リクルーティングにおいて、求人サイトやソーシャル・リクルーティング・サービスなどに代表される「探す/集める」領域は、サービスプロバイダーが一番多い部分といえるだろう。探す/集めるの領域のプレイヤー数が多い理由の1つは、1社につき1システムしか導入することのない採用管理システムなどの業務サポートシステムとは違い、メディアとして1社が複数利用することが多く、市場が大きいということがあるのだろう。全国求人情報協会発表のデータによると、2014年は年間540万件の求人がネット求人サイトに掲載された。求人サイト利用による1人当たりの採用コストは幅が広く(中途正社員採用:20万円〜150万円程度、新卒採用:100万円〜300万円程度、パート・アルバイト採用:2万円〜100万円程度)、掲載無料&成功報酬モデルもある。仮に平均単価が10万円としても5000億円を超える市場規模がある。

掲載型の求人広告とは少し異なるアプローチで、ダイレクト・ソーシングとも呼ばれる「探す」という行為もある。このアプローチでは、Linkedinのようなデータベースを活用することも可能だが、アメリカでは「People Aggregator(人の情報収集システム)」なども注目されており、EnteloやMonsterに買収されたTalentBinなどが有名だ。「Google for Jobs」(求人版のGoogle)と言われるIndeedがあれば、このようなサービスは「Google for Talent」(タレント版のGoogle)と呼ばれたりする。Enteloのサービスは検索した個人のEmail、Facebook、Twitter、LinkedIn、あるいはエンジニア向けサイトで個々人の技術スキルも分かるGitHub、StackOverflowなどの様々なサービスのアカウントをEntelo上でまとめるだけでなく、「現職への転職から24カ月目の節目は転職率が高い」とか「LinkedInのプロフィールを更新してから一定期間は転職率が高い」といったソーシャルシグナルの分析に基づく独自アルゴリズムによりターゲット人物をランキングしたり、その個人の各種サービス利用頻度などから直接連絡を取るのにベストな手段をサジェストしたりする。この辺りは「マネーボール」の中で、GMビリーが他球団と電話でトレード交渉を進める横で、GM補佐であるイェール大学卒業のピーター・ブランドが、ラップトップでデータを見ながらトレードで取得すべき選手の名前を次々に挙げていくシーンなどが思い浮かぶだろう。

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そして「集める」という行為をデータ・ドリブンで行うには、現状のチャネル分析や候補者行動分析などの小さなPDCAを常に繰り返し実行する必要がある。エクセルやグーグルフォームでなく、 採用管理システムを上手く活用してリアルタイムにデータ分析を行うことが重要となる。チャネル毎の応募数や採用数だけでなく、利用デバイスやブラウザなども分析することでポジション毎に最適なチャネルを選ぶことができる。この領域にはJobviteを中心に、JibeGreenhouseSmartRecruitersなど2500万〜5500万ドルを調達して注目されているアメリカ発のサービスが多く、当社が提供するクラウド採用管理システム「ACCUUM(アキューム)」もこの領域でサービスを提供している。これらの採用システムに共通するコア機能としてはATS(Applicant Tracking System)と呼ばれる応募者管理機能があり、ウェブサイトや人材紹介会社からの候補者を一元管理しチャネル分析などを行えるが、それ以外のマネタイズの方法は各社異なる。例えばJobviteは後述するビデオ面接機能を最近強化して選考側を強化している一方、SmartRecruitersは管理画面からIndeedやLinkedInなど外部求人サイトへ簡単に掲載させる機能により母集団形成側を強化している。OracleのTaleoやSAPのSuccessfactorsなど大規模人事管理システムではこのような機能は、MultiPostingなどとAPIで連携しているケースが多いが、採用管理システムではこのような機能も自前で持つところが増えてきている。こういったサービスを活用すれば、採用企業は、いくつもの外部サービスにログインして一つひとつ求人情報の掲載をしなくて済む。のみならず、今後は外部サイトに簡単に掲載できるだけでなく、ビッグデータ分析によって職種毎に使うべき求人サービスをサジェストする機能なども強化されていくことだろう。

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前述の求人サイトの掲載価格は、アメリカの求人サイトMonsterが1職種月額5万円以下(375米ドル)、東南アジアで強いJobStreetが1職種月額1万円以下(100シンガポールドル)であることを考えると、日本の求人掲載料はまだまだ高い。無料掲載のビズリーチのスタンバイや、月額3万円から職種数無制限で掲載できるウォンテッドリーなどが市場に変化を与えているが、自社の応募データを分析して、データ・ドリブン・リクルーティングで自社に合ったチャネル戦略を立てることにより、採用単価や採用スピードを改善できる余地は大きい。

選ぶ

「探す/集める」の次は「選ぶ」ステップになる。この領域において注目されているリクルーティングサービスの1つがビデオインタビュープラットフォームのHireVueだ。既述の通りJobviteなどが追加機能として提供するだけでなく、GreenJobInterviewSparkHireなどスタンドアローンのサービスも多いが、9200万ドルを調達しているHireVueがプロダクトとしてもクライアントベースとしても抜きん出ている印象だ。サービスがスタートした当初の質の低いSkypeといった印象から大きく進化を続け、今では総合的な採用プラットフォームになっている。その強みのコアは、やはりビデオインタビュー部分だ。Fortune 500 企業などを含む500社以上のユーザー企業を誇るHireVueによると、平均して1ポジションに約100名の応募があるが、そのうち面接の機会を与えられるのはたったの6人だという。ビデオ録画機能を使ってより多くの候補者に質問に答えさせ、面接での質問に対する300万件以上の候補者の発言などの分析をもとにしたHireVue独自のアルゴリズムで、やる気・情熱・感情・性格などを予測する。履歴書や職務経歴書だけで100名から6名に絞り込むよりも、より正確に企業やポジションに合った候補者を選ぶことが可能という。

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GMのビリーがニューヨーク・ヤンキースからデイビット・ジャスティスという選手の獲得を提案した時、年齢による衰えから2001年シーズンでは打率はピーク時の0.329から0.241まで落ち、ホームラン数は41本から18本に落ちていること、そして足の故障や守備のまずさなどを理由にスカウト達は猛反対をした。ただし、既述の出塁率が0.333と目標値に近く、また、年俸700万ドルの半分をヤンキースが負担するという好条件もあり、アスレチックはジャスティスを獲得した。従来のKPIだけで見ていたら獲得リストにも載っていなかった選手だが、GMビリーとGM補佐ピーターのアプローチによって選ばれた選手の一人だ。

口説く

最後は当然「口説く」ことが必要になる。私の知人が経営する会社では、本年度は特に採用が最重要課題であるという理由から、会社のトップセールスを1年間限定でリクルーティングの責任者においた。最近は日本でもこのようなケースが見られるが、アメリカではマーケティングや営業のスーパースターをリクルーティングチームに移すことは珍しいことではなくなってきている。もちろんただ単にコミュニケーション能力があるというだけの話ではない。口説く相手が100人いれば100通りの異なるストーリーを考えることが必要になるからだ。

映画の最終的な脚本ではカットされてしまっているが、出回っている英語版の脚本ドラフトで印象に残るシーンがあった。GMのビリーとGM補佐のピーターが、一塁手のスコット・ハッテバーグと話しているシーンだ。ハッテバーグは怪我によりキャッチャーとしてのキャリアを捨てざるを得なくなり、スカウト達が獲得を反対した選手の一人だ。この選手を一塁手にコンバートして獲得するというオファーを出したのだが、 実はハッテバーグ本人ですら何故アスレチックスがそこまで興味を示したのか、分からずにいた。入団後になるが、本人の過去のバッティングデータからストライクやヒットの多いゾーンについての傾向を教えると、本人はなるほどという反応を示す。次に、打席平均の相手ピッチャー投球数の4球という数字は、バリー・ボンズやジェイソン・ジアンビといった超一流打者の5球という数字には及ばないものの非常に良い数字であり、相手ピッチャーを疲れさせるためには非常に重要であるという根拠とともに「One of the reasons why we love you.(僕たちが君を高く評価する理由のひとつだ。)」と伝えると、この数字の重要性に気付いていなかったハッテバーグも、驚きをもって興味を示す。

情熱やフィーリングはもちろん重要だが、ビリー・ビーンの様にリサーチデータを基に候補者一人ひとりに合わせたストーリーで口説けるようになることもリクルーターとして重要なスキルの1つであり、そのためにはいくつかのソリューションを使いこなすことも必要だろう。

Wikipediaが、企業等から報酬を得て宣伝的記事を書いていた、数百名の悪質エディタのアカウントを停止

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Wikipediaのコンテンツはボランティアが書いているが、ときには、それが仇(あだ)となることがある。今朝(米国時間9/1)同団体は、Wikipediaの英語バージョンのボランティアエディタ381名のユーザアカウントを停止した、と発表した。彼らの容疑は、“特定のグループや企業等に有利な記述を報酬をもらって書いていたこと”だ。たとえば彼らは、この、ユーザが自由にエディットできる百科事典に宣伝記事を書き、そのことで報酬を得ていたことを、隠していた。

この件に関するエディタコミュニティのディスカッションによると、彼らいわゆる‘靴下人形(sockpuppet)’たちは、かなり前から跋扈していた。怪しげな行為に対する調査は7月に始まり、4月から8月までのエディットを調べた。ちなみにこの調査活動のことを、最初に見つかった靴下人形のアカウントにちなみ、”Orangemoody”と愛称している。しかしそれらのエディットの内容は、報酬を得るエディットが相当前から行われていることを、示唆していた。

それらの記事は、企業や企業人、アーチスト関連のものが多くて、偏った情報や誤報、出典が明記されていない…あるいは根拠のない…材料、著作権侵犯らしきもの、などがほとんどだ。Wikipediaの上位団体Wikimediaのブログが今朝、そう説明している。

これらの靴下人形たちが独自に作った210の記事も、削除された。しかし210は、‘それらのすべて’ではないようだ。

ディスカッションのページでは、“このリストは完全ではない。時間的制約があったため、調査の網にかからなかった靴下人形記事もまだ相当あると思われる”、と説明されている。

 

このpaid advocacy(報酬を伴う好意記事)と呼ばれる記事やエディットにWikipediaが直面したのは、これが初めてではない。Wikipediaはもちろん、不偏不党で正確で信頼に足るリソースを目指しているが、2013年の10月には、同団体のボランティアたちが、コンサルティング企業Wiki-PRと結びつきのある数百のアカウントをブロックした。そのときWikipediaはその企業に、業務停止を命ずる書簡を送った。同社は、“Googleの検索結果でトップに来るような記事タイトルを作ってあげる”、と宣伝していたのだ。

Wikipediaによると、同社との結びつきのある300のアカウントを停止した。一方Wiki-PRの方は、その仕事に関わっていたのはわずか45名だ、と主張した

今回停止したアカウントは381だから、前回の300よりは多い。また今回の件でおもしろいのは、ここでもやはり、記事のタイトルや主題が問題になっていることだ(後述)。またこれらの新しい靴下人形たちは、報酬をもらって記事の内容を操作したり新しい記事をポストしただけでなく、月額30ドルで、顧客の記事が削除されないように守る、というサービスを提供していた。

“拒否された草稿や、ときには削除された記事から、‘見込み客’を見つけて接近することが、彼ら靴下人形たちの最新の営業テクニックのひとつだった”、とディスカッションページで説明されている。“記事を‘保護する’ことも、彼らの重要な収入源になった。そのために靴下たちは、わざと、ページの削除をリクエストするのだ”。

この悪事に企業がからんでいたのか、その点をWikipediaは明らかにしていないが、しかしその注記によると、靴下たちが行ったエディットはどれもよく似ているので、一定の指揮下にあるグループがやったことに違いない、ということだ。

問題は記事の編集に報酬が伴ったこと自体ではなく、その場合のガイドラインに従っていないことだ。たとえば多くの博物館、美術館、大学などは、職員の企業等との結びつきを事前に情報公開しなければならないし、また顧客のためのページをメンテしているPR企業は、Wikipediaの、報酬を伴うエディティングのガイドラインサインしなければならない。 Wiki-PRのスキャンダルを契機に作られたガイドラインは、企業やそこの人間に関する記述をエディットするときは倫理的に振る舞うべし、と規定している。

またPR企業等は、記事の主題(企業名等)との関わりを情報公開し、変更に関しエディタたちと協働しなければならない。今回アカウントを停止されたグループは、何も情報公開しなかった。それが目下の、より大きな問題だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スマート体温計のKinsa、新たに赤ちゃんの利用を想定した耳式スマート体温計をリリース

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近隣の流行感染症などの情報も活用するスマート体温計を提供しているKinsaが、耳式の新タイプを発表した。

最初のモデルは標準的な(スマートではあるが)タイプの体温計だった。こちらの耳式体温計はワイヤレスで、スマートフォンアプリケーションとはBluetoothで接続する。

Kinsaによる説明をみてみよう。

曰く、Kinsaの体温計で子供(もちろん大人でも利用できる)の熱をはかると、ただちにアプリケーション側で記録される。もし医者にかかるような場合には、情報を簡単に提示することができるわけだ。さらに新しい耳式タイプ(Smart Ear Thermometer)のリリースにともない、ソフトウェア的なアップデートも行なっている。すなわちこれまでの記録を参照するだけでなく、状況に応じた「アドバイス」をくれるようにもなっているのだとのこと。

「アドバイス」をくれる機能は「Guidance」と名付けられたもので、これまでの履歴や測定結果などの情報に基づいて、どのようなアクションをとるべきかを教えてくれる。

「具合の悪い子供の熱が、38.9度なのかそれとも39度なのかということはあまり重要ではないでしょう」と共同ファウンダーのInder Singhは言う。「とにかく高熱時にどのように対応すべきなのかが問題のはずです。Guidance機能ではそうした際に役立つことを第一に考えました」。

Guidance機能は新型のSmart Ear Thermometerでも、そして以前のSmart Stick Thermometerでも利用することができる。

なお新しいSmart Ear Thermometerでは、熱をはかるのに要する時間はわずか1秒だとなっている。寝ている赤ん坊の熱が気になるときなどにも便利に使うことができる。

Smart Ear ThermometerとSmart Stick Thermometerが競合するのではないかというのも気になる点だ。Singhに尋ねてみると、対象となる利用者層が異なるのだとの話だった。耳式は主に赤ちゃんに使うことを想定しているのだとのこと(訳注:耳式は通常タイプに比べて測定値の正確性がやや低いという話もあるようです)。

Kinsaは、個人の体温データの蓄積するだけでなく、クラウドソーシングの機能も備えている。すなわち近隣や学校で風邪などが流行していないかを知る手助けとなるのだ。帰宅した子供が風邪やあるいは鎖球菌性咽頭炎などに感染したのではないかと判断する一助となる。

KinsaのSmart Ear Thermometerは現在Indiegogoでキャンペーン中だ。29ドル99セントの早期割引は既に完売となっている。キャンペーン終了後の価格は60ドルとなる予定だそうだ。

興味のある方はこちらでキャンペーンの状況を確認することもできる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Amazon、Netflix、Google、Microsoft、Mozillaなど大手7社が次世代のビデオフォーマットでオープンソース連盟を結成

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AmazonとCisco、Google、Intel、Microsoft、Mozilla、Netflixの7社が今日(米国時間9/1)、Alliance for Open Mediaと呼ばれる新しいオープンソース連盟を結成したことを発表した。その目的は、次世代のロイヤリティフリーのビデオフォーマットとコーデックと関連技術を開発することだ。

互いにライバルである企業がこれだけ集まって新しい技術を共同開発していくことはめったにないが、彼らによると、ビデオのスタンダードというものが各社共通の真に相互運用性のあるものであるためには、このような連盟がどうしても必要だ。発表の中では触れられていないが、当然ながら、その新しい規格を使うかぎり、もはや、今のMPEG LAのようなところにロイヤリティを払う必要はない。それが連盟の、もうひとつの大きな動機だ。

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Mozillaの注記によると、連盟の目的は共通技術規格の開発と共有だけでなく、“次世代のロイヤリティフリーなビデオコーデックを作るために必要なパテント分析”を悉皆的かつ効率的に行うことだ。せっかく作ったコーデックがどこかの特許に触れていたのでは、なんにもならない。

ロイヤリティフリーの次世代コーデックのプロジェクトとしては、すでに、MozillaのDaalaやCiscoのThor、GoogleのVP9と10などがある。だから連盟の最初の仕事は、メンバーたちのこれまでの成果を下地とする新しいビデオコーデックの仕様を作ることだ。

この作業は、オープンで相互運用的なコンテンツのフォーマットを作っていこうとする大きな取り組みの一環で、それらはWeb向けに最適化され、どんなデバイスや帯域に対しても対応できるスケーラビリティを有していなければならない。とくにビデオに関しては、リアルタイムビデオのデリバリをサポートするフォーマットで、商用と非商用のどちらのコンテンツでも利用できるものを目指す。この‘商用’の部分は暗号化の仕様も含まれるため、AmazonやNetflixのように、ライセンス料を伴う有料コンテンツの提供を主な業務とするところにとって、とくに重要だ。

この連盟のコードは、Apache 2.0のライセンスで公開され、W3Cのパテントルールに従う。すなわちメンバー各社は、コーデックの実装や、コーデックそのもののパテントに対する、ロイヤリティの請求を控えなければならない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、マップAPIにシンプルな従量制料金モデルを導入

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GoogleマップAPIは、こと料金に関して非常にややこしい。このほど同社は、新たな従量制料金を発表した

Googleの説明は以下の通り:

この新たな購入体系では、Googleマップのジオコーディング、道順、距離マトリクス、道路、位置情報、高度、およびタイムゾーンのAPIは、1日当たり2500リクエストまでがこれまで通り無料で、1日当たり10万リクエストまでは、追加1000リクエストにつき0.50USドルを支払えばよい。10万リクエスト以上が必要なデベロッパーは、当社に連絡してプレミアムライセンスを購入されたい。

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マップAPIが極めて有用であることは、あらゆるアプリにGoogleマップが登場するのを見ればわかるだろう。そして、もしこの新料金体系が成功すれば、Googleにとって相当実入りのいいビジネスになる。デベロッパーはいくら請求されるかわからなければ参入のしようがない。こうした弾力的な料金体系によって、サービスをすぐに始めることが可能になり、徐々にスケールアップしていけばある日突然高額の請求書に驚かされることもない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

クラウド時代のスマートフォンを再発明するNextbit、Kickstarterで初の端末「Robin」を販売開始

Nextbitの「Robin」
Nextbitの「Robin」

Nextbitの「Robin」

iPhoneが世に出たのは2007年。Android端末の登場は2008年。そこから7〜8年が過ぎたが、その間に僕たちを取り巻くインフラ環境は大きく変化したのではないだろうか。

僕がその代表と思うのが「クラウド」だ。Googleのエリック・シュミットが「Cloud Computing」という表現をしたのは2006年で(AWSが正式にリリースされたのもこのタイミングだ)、Androidが登場した2008年時点でもクラウドの利用は今と比べるとまだまだという状態。個人向けのサービスになるとなおさらの話で、DorpboxやEvernoteが登場したのだって2008年になってから。無線LANの環境だって変化した。オフィスや自宅内などは別として、商業施設や店舗の公衆無線LANも増えたし、2009年からは新幹線の中でだって利用できるようになった。

つまり何が言いたいかというと、今のスマートフォンはクラウドとともに成長してきたのであって、“クラウドありき”で設計されたモノではないということだ。

今回紹介する米国のスタートアップ・Nextbitは、クラウドありきの今、スマートフォンを再発明するという。同社はクラウドファンディングサイトKickstarterにてAndroidベースのSIMフリー端末「Robin」を販売するプロジェクトを開始した。早期購入者は299ドル(すでに完売)からとなっており、2016年1月にもユーザーの手元に届く予定だ。

RobinはプロセッサにSnapdragon 808を搭載。メモリは内蔵32Gバイト(オンラインは100Gバイト)、ディスプレイは5.2インチのフルHD、リア13メガピクセル、フロント5メガピクセルのカメラを搭載。指紋認証も備える。製造はfoxconnが担当する。ちなみにこのRobinという名称はコミックや映画でおなじみの「バットマン」に登場するバットマンの相棒の「ロビン」から取ったのだそう。

RobinはAndroidベースのスマートフォンだが、その最大の特徴は「クラウドを使って内部メモリだけでなく、無限のストレージを提供する」というものだ。どういうことかというと、インストールしても使わないアプリなどを設定ごと自動的にクラウドにバックアップしていくのだ。

アプリをバックアップした場合、そのアプリのアイコンはグレーで表示される(僕が見たのはデモ版なのでその表現については変更があるかも知れない)。再びそのアプリを利用したければ、そのアイコンをタップすればいい。瞬時に再ダウンロードが行われ、ユーザーは最後に使用したのと同じ状態で利用を再開できるのだという。写真も同様に自動バックアップされ、普段は端末で見るのには問題ないサイズに圧縮されたものだけがローカルに残るといった具合だ。もちろん使用していなくても必ずローカルに残しておきたいアプリなどは、設定で任意に残すこともできる。

前述のDropboxやEvernote、最近ではGoogle フォトのようなプロダクトはあるが、Nextbitがすごいと思うところは、アプリのレイヤーでクラウドを扱うのではなく、OSのレイヤーで扱っていることだ。アプリのようにいちいち立ち上げなくても、ネットワーク環境にさえ繋がっていれば、クラウドを使ったほぼ無限のストレージに最適化してくれるのだ。バックアップ機能も備えており、端末を変更しても、Bluetoothのペアリングのような細かな設定までクラウド上からダウンロードしてすぐに利用できるのだという。

Nextbit CEOのTom Moss氏

Nextbit CEOのTom Moss氏

NextbitのCEOであるTom Moss氏は2007年にGoogleに入社。同年からAndroidのプロジェクトに参画。2008年にはアジアにおけるAndroidのおもにマーケティング領域を担当。日本に常駐し、キャリアやメーカーとの交渉を担当したとのことで、日本市場におけるAndroidの「育ての親」とも言うべき人物。

Moss氏は2010年夏には同社を退社。3LMなるスタートアップを立ち上げたが同社をMotorola Mobilityに売却。モトローラがGoogle傘下となったことから、Googleに出戻りするかたちとなった。その後Google、3LM両社でMoss氏を支えたエンジニアのMike Chang氏とともにNextbitを創業。さらにHTCでNexus Oneをはじめとした端末のデザインを担当したデザイナーのScott Croyle氏も同社に参画。Robinのデザインは同氏が担当している。

「クラウドは基本的に追加するもので、OSレベルで使われていなかった。そのためユーザーのストレージは尽きてしまう。NextbitのプロダクトはまさにクラウドOS。もちろんネットワークがなくても使えるものだ。これを完全に実現するには、(ソフトだけでなく)ハードウェアから作らなければならなかった」——Moss氏は自社のプロダクトについてこのように語る。

まずはKickstarter限定での販売となるし、その反応次第で戦略は変えていくということだが、今後は北米、イギリス、フランス、ドイツ、日本などの市場をターゲットにしたいという。「かつて日本にAndroidを紹介したからには日本でも成功したい。Robinのデザイン面でも日本のユーザーは意識している。魂のあるプロダクトを作りたかった」(Moss氏)

Moss氏は今後1年に1台ペースで端末をリリースしたいと語る。端末の価格にもこだわるという。「世界では、端末に700ドル以上払うならiPhoneを買うという人がほとんど。中にはSamsungを選ぶ人もいるが、iPhoneはブランドがあってAndroidにはまだそれがないという状況。だがハイスペックなAndroid端末を欲しがるユーザーはいるし、これからはそれを300〜400ドル程度で売る必要があると思う」(Moss氏)。しかしこの価格設定では、人も多ければ制作のプロセスも多い大手メーカーでは利益を出しにくいため販売できないはずだ。かといって中国のブランドが日本や欧米で認められるのは難しい。「だからこそ(Nextbitのような)新しいメーカーにはチャンスがある」という。

「『ちょっと違うね』じゃ面白くない。小さいことをやるんじゃなくて、新しいことをしたい。我々はハードもソフトも今までと全く違うものを作っていく」(Moss氏)

Google、目障りな全面広告を表示するモバイルサイトを制裁へ

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アプリインストール広告には何の問題もないが、モバイル検索結果をクリックすると、巨大なアプリインストール全面ポップアップが出てきて、そのサイトのアプリをインストールするよう駆り立てることが最近あまりにも多い。こうした広告は、ユーザーが小さな「x」を見つけタップして広告を消すまで、サイトのコンテンツを遮ることが多い(さらに、誤って「x」の横をクリックしてGoogle Playに飛ばされることもよくある)。有難いことに、Googleは今日(米国時間9/1)、近々これをやるサイトのランクを下げると発表した。

今日同社はウェブマスター向けのブログ記事で、Googleのモバイルフレンドリー・テストは、サイトがこの種のアプリインストール全面広告を避けるべきことを指摘すると発表した。11月1日から、「検索結果ページからの遷移に著しい量のコンテンツ」を隠しているアプリインストール広告を表示するサイトは、ペナルティーとして「モバイルフレンドリー」指定を解除される。これは、Googleのモバイル検索結果ページでランクが下げられる可能性が高いことを意味している。

なお、GoogleはChromeSafariで標準的な(かつずっと小さな)アプリインストールバナーを使っているサイトには罰を与えない。

巨大なアプリインストール全面広告は、実際迷惑である。検索結果をクリックした時、私はサイトのコンテンツを見たいのであって、そこのモバイルアプリをインストールしたいのではない。

Googleはユーザーがウェブを使っている方がモバイルアプリの中にいるより収益化しやすいからブラウザー内に留めようとしている、と言いたい人もいるかもしれないが、この手の全面広告はただただ目障りなので、少なくとも私はGoogleがこれに対して何か手を打つことを評価している。

アップデート:面白い事実:Googleはこういうことしている:

[Google自身の全面アプリインストールモバイル広告の例]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

HTMLとCSSとJavaScriptの基礎を教えるための教材的コードエディタThimbleをMozillaが新装して再ローンチ

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2012年にMozillaは、HTMLとCSSとJavaScriptの基礎を教えるためのコードエディタThimbleローンチしたが、その後ブラウザ上のコードエディタはBracketsや、完全なIDEのNitrousが人気者になったため、影を潜めてしまった。しかし今日Mozillaは、Thimbleを再度ローンチし、デザインを大幅に変え、たくさんの新しい機能を導入した。

Thimbleは、AdobeがサポートしているオープンソースのBracketsがベースで、今でもWeb開発の基礎を教えるための教材、という位置づけだ。Mozillaは、教材を自分で選ぶことのできる教育者やその生徒たちにこのプロジェクトを勧めるとともに、個人の学習者の独学のための利用もねらっている。

こんどの新しいバージョンでは、背景を黒地と白地のどちらかを選べる(上図)。また、カラーピッカー(色指定)や、ファイルとプロジェクトへの容易なアクセスがサポートされた。これまでのThimbleでは一つのプロジェクトを作れるだけだったが、今度からは複数のWebページを管理し、リンクできる。

最近では初心者でも自分のサイトをモバイル対応にしたいため、Thimbleはそれにも対応している。プレビューモードでは、モバイルの画面も見ることができる。またzipされているサイトも、ファイルをエディタにドラッグするだけでインポートできる。ファイルの自動保存や、エクシテンションのサポートも加わった。

教師が生徒たちに基礎的なスキルを教えるために利用できるHTMLページやCSSスタイルシートのサンプルプロジェクトも、いくつか用意されている。

Mozillaのプロジェクトではあっても、Thimbleはどの現代的なブラウザ上でも使える。

Thimbleを試してみたい人は、ここからスタートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スタートアップが生きるも死ぬも最初に獲得する10人のカスタマー次第

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編集部記Sean JacobsohnはCrunch Networkのコントリビューターである。Sean JacobsohnはNorwest Venture Partnersのベンチャー投資家である。

スタートアップの旅の最初の段階では、適切なマーケットに向けた適切なプロダクトを作ることに集中することだ。多くのB2Bのスタートアップにとって、ここから最初のカスタマーを獲得することが始まる。最初のカスタマーとなる10人はそれ以降のカスタマーとは異なる。

最初のカスタマーにはそれぞれ違う方法、違う価格で販売し、それ以降のカスタマーとは違った関係性の中から違うことを学ぶ。最初のカスタマーのグループは、スタートアップにどのようにプロダクトを仕上げるか、十分な規模の市場をターゲットとしているか、更に次の100のカスタマーを得るのに販売をスケールさせる方法を考えさせる。

最初のカスタマーを獲得し、彼らと効率的に仕事をすることはどのスタートアップにとっても難しいものだ。ここにスタートアップのファウンダー向けのヒントを記した。私がベンチャーキャピタリスト、そして営業部門の役員を務めた経験から学んだものだ。

最初の営業リーダーはファウンダー自身

プロダクトを適切に構築している、あるいは会社を成長させている期間では、営業経験の豊富なベテランを採用することに大きな魅力を感じるだろうが、そうすることはオススメできない。

最初の10人のカスタマーに対しては、スタートアップのCEOかファウンダーが自ら販売しなければならない。つまり、この記事を読んでいるあなただ。

ファウンダーとして自社のプロダクト、そして市場における課題やチャンスを他の誰より理解していることだろう。営業電話で得られるフィードバックから、ターゲットとなるカスタマーを深く理解することができ、プロダクトに加えるべき変更について知ることができる。

最初のカスタマーは間違いなくプロダクトの推薦企業となる。

カスタマーに直接販売していくことは、その後に行うであろう潜在的な投資家、パートナー企業、社員に向けたピッチにも磨きがかかることにつながる。また、カスタマーとの関係性も最初から強いものにできる。営業リーダーを採用する準備が出来た時には、自らが体験して得た価値ある知識を彼らに共有することができるのだ。

若く野心的なカスタマーを探すこと

大手企業をカスタマーとしてターゲットするのは好ましいことだが、彼らがミーティングを設定したり、真新しいプロダクトに賭けたりする可能性は低い。同様に潜在的なカスタマーが既にキャリアを長い事積んでいたり、キャリアの終わりに近かったりするのなら、リスクや変化を受け入れるのは難しいかもしれない。

 スタートアップの経歴に似ているカスタマーをターゲットとするのが最適だろう。特に優秀で若い役員だ。キャリアもまだ早い段階の人でこれからまだまだ仕事をしていく人を探すことだ。一般的に彼らは将来に前向きな考えを持っていて、会社からはイノベーティブな人で戦略的なリーダーと評価されることを望んでいる。重要な問題を解決できる新しいプロダクトに賭けることは、その若い役員を会社のヒーローにするかもしれない。

収益ではなく、エンゲージメントを重要視すること

カスタマーを多く獲得し、カスタマーリストが長くなっても、最初のカスタマーがプロダクトの「アクティブユーザー」と呼べるほどエンゲージしているかが最も重要なことだ。収益の金額ではなく、エンゲージメントの度合いが、プロダクトが長期に渡って利用されるかどうかの強い指標になる場合が多いからだ。

これは最優先事項にすべきことだ。最初のカスタマーは間違いなくプロダクトの推薦企業となる。彼らがプロダクトにエンゲージしているほど、プロダクトをより良く推薦するだろう。

最初のカスタマーに時間を割いて注力することで、彼らがどの程度の頻度でプロダクトを利用し、プロダクトが彼らのビジネスにとってどの程度重要かが分かる。「プロダクトを閉鎖したら、ビジネスに大打撃です」と彼らに言わせるまで持って行くのが望ましい。
覚えておいてほしいのは、カスタマーの抱える本当の課題を解決するプロダクトを作ることでしか、スタートアップが成功することはできないということだ。若い企業にとって、どの程度の頻度でプロダクトが利用されているかは、カスタマーがそれに支払う金額より、初期プロダクトの成功を適切に示す指標となる。カスタマーの課題を本当に解決できるプロダクトなら、最終的に彼らは料金を支払うのだ。彼らはお得意様となり、プロダクトを広めるアンバサダーになるだろう。

逆に言えば、カスタマーが料金を支払っていても、プロダクトを利用していない場合、プロダクトは彼らにとって重要な問題を解決していないということが考えられる。ファウンダーやCEOはこのようなことに対して気を配る必要があり、後に収益につながるエンゲージメントを改善すべきだろう。

誰と契約し、誰から離れるかを意識する

最初の営業対象は友人ではない人の獲得に注力すべきだ。プロダクトをスケールさせるためには、自分のネットワークの外からの評価が必要だ。友人からはあまり提供されない正直なフィードバックが必要なのだ。

最初の10人のカスタマーに対してはスタートアップのCEOかファウンダーが自ら販売しなければならない。

これは困難な道のりだが、どのような潜在的なカスタマーがプロダクトの初期の利用者に適しているかを判別するスキルが身につく。開発している特定のプロダクトの可能性を確かめるために、最初のカスタマーは広い市場を代表する潜在的な顧客でなくてはならない。

もし、潜在顧客があなたの会社が提供できる以上のものを望んでいたり、あなたが解決すると設定した主要な課題以上のことをあなたのプロダクトに求めるなら、そこから離れることも忘れないことだ。

私が出会った起業家の多くは、あったら嬉しいソリューションを製作しているが、絶対必要なソリューションではない。最初の10人のカスタマーを上手く接することができたのなら、正しい道を進んでいると考えて良いだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Googleの新ロゴは、ただのデジタル落書きではない

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何かを見ていれば見ているほど、それが普通に見えてくる。今日(米国時間9/1)、Googleは新しいロゴとブランディングを披露した。今のところ世間の評価はまちまちだ。

マウンテンビューでGoogleに勤めている殆どの人にとって、自社のロゴはもはやほぼ目に入らないに違いない。Tシャツにもビルディングにもコンピューターにもステッカーにも、それ以外のあらゆるところにも描かれている。

もちろん、人は変化を嫌う。しかし、やがて驚きは薄れ、変わった物が新たな普通になる(これは一連のAlphabet案件には適用されない ― 私にとってあの変化は依然として埋没していない)。 

Googleの新ロゴを生で見ると、ブログ記事やプロモーションビデオで見るより、少し普通に感じる。少し人間味を感じると言ってもいい。

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(photos via +theREALmarvin, +MikeBrzozowski and +AntoineNaaman)

ある象徴的インターネット企業 — Yahoo — のロゴ変更を知る者として言えば、この手の変更は相当の大仕事だ。この規模の会社が自社ロゴを刻印したもの一つ残らず、ということを考えてみてほしい。幸いにして、Googleは2013年にロゴをフラットなものに代えているので、比較的最近練習はしている。

それでも容易なことではない。あらゆるビルディング、あらゆるアプリ、あらゆるページ、あらゆるグッズ、あらゆるブログ(加えて、今私が思いつく5000種類の物事)を変えなくてはならない。それは、ある日Googleが目を覚まして「おい、今日ロゴ変えるぞ」という話ではない。少なくとも3~6ヵ月の準備期間があったと私は思う。

つまり、ファビコンが間違いなく変わっているのを確かめるだけでも、この手のことをする時には大変な仕事だという意味だ。

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Googleの誰かが最後にファビコンのことを本気で考えたのはいつだったのか?興味深い。

これが終りではない。いつの日かまたこの同じ話題について話すことになるだろう。正確には、Googleが次にロゴを変えた時。ただし、今回のロゴ変更に携わった人たちにそれを言ってはいけない … 彼らには少々休暇が必要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

1行でWebサイトを多言語化する「WOVN.io」が1.3億円をオプト、ニッセイから資金調達

すでにTechCrunch Japanで何度か紹介しているが、1行でWebサイトを多言語化する「WOVN.io」を運営するミニマル・テクノロジーズが今日、オプトベンチャーズ、ニッセイ・キャピタルを引受先とした1.3億円の第三者割当増資を実施したたことを明らかにした。同社は2014年3月設立で、これまでインキュベイトファンドから計約3000万円のシード投資を受けて、サービス開発を進めていた。

サービスを提供していく中で、大規模サイトでの利用ニーズが大きかったことから、これまでもエンタープライズ向けサービスを開始しているが、今回の資金調達によりセールス、開発とも加速すると林CEOは話している。

特に中国から日本への流入というインバウンド需要に対応するために、BaiduやNAVERのクローラー対応によるSEO対策など機能拡張を続けていたが、今後はWebサイトをローカライズするだけにとどまらず、海外ユーザーを獲得するためののプラットフォームと位置づけて、機能開発を行っていく予定という。

ちなみに、ミニマル・テクノロジーズはTechCrunch Tokyo 2014のスタートアップバトルのファイナリスト。今年11月のTechCrunch Tokyo 2015のスタートアップバトルについては現在、参加企業を募集中だ。

Google、ロゴデザインを一新(セリフからサンセリフへなど)

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本日、Googleがちょっと新しくなったロゴやブランディングなどに変更を加えたのだ。モバイル版の検索結果ページのデザインにも変更を加えている。

Googleによれば、人々のGoogleとのふれあい方の変化に応じたデザイン変更なのだそうだ。ロゴやエンブレムの変更は「Googleとの接し方の変化に対応し、また小さな画面内でもGoogleを使っていることをわかりやすく表示するために行ったもの」だとしている。

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変更内容については既にお気づきだろうか。ロゴにあるカラーはこれまでと変わらない。しかしフォントがセリフ付きのものからサンセリフのものに変わった。また、アイコンも小さな青色の「g」から、4色に色づけられた「G」へと変更になった。

「Googleの長所(シンプルで整然としていながら、カラフルでフレンドリー)を活かしつつ、現在だけでなく未来を見据えたデザインにしたいと考えました」とのことだ。

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なおGoogleからの、新しいロゴデザインについてのより詳細な記事も公開されている。曰く「4つの色と、シンプルな白背景のロゴを、さらにシンプルに表現したいと考えました」ということらしい。その線に沿って、デザインチームは「数学的な純粋さと、学校の教科書で採用されているフォントのシンプルさ」によって「親しみやすさ」を表現したいと考えたのだそうだ。

モバイル版の検索ページについても変更を加えている。現在のところは細かい変更にとどまっているようだが、Twitterの検索結果で利用しているように、水平方向のスワイプによりさまざまなジャンルに基づいた結果を統合的に表示できるようにしたいと考えているようだ。

GoogleのモバイルアプリケーションやあGoogle Nowカードにも変更が加えられた(見やすくなるように、サイズの変更などを行なっている)。

Goolgeの社屋にてもロゴの変更を反映中であるようだ。

Googleは持ち株会社のAlphabetを設立したばかりでもあり、それに時期をあわせてブランドイメージを新しくするというのは、確かにありそうな話ではあった。

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(翻訳:Maeda, H

9月1日はChromeがFlash広告の再生を停止した日

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インターネット上で50%以上の人が利用するブラウザであるChromeが、本日(9月1日)より正式にFlash広告の動作を停止させることとなった。標準的メディアプレイヤーとしての地位を失ったFlashは、ついに歴史的遺物となる道を歩み始めた。Googleによる発表時の言葉を引いておこう。

6月にChrome上にてFlashによる広告の動作を停止させる旨をアナウンスしていました。これは利用者のパフォーマンスを改善することを狙ったものです。2015年9月1日より、Flash広告は初期状態で再生されなくなります。

Googleは警告を発し、そしてFlash広告をHTML5に自動変換するツールなども提供してきた。今回の変更により、たいていのウェブページでのFlash広告は動作しなくなる。Flashを利用した広告が「静物」化するわけだ。広告制作者が作ったFlashコンテンツは利用者に届かなくなる。

なお、AmazonでもFlash広告を制限する方向に進みつつあり、Flashビデオを再生する広告はほぼなくなっている状況だ。そうは言ってもこれまでの蓄積もあり、Flashコンテンツはあちこちで目にする。しかし(ようやく)Flash広告は作られなくなり、そして消え去っていくこととなりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

YahooのCEO Marissa Mayerが双子をご懐妊、今度も“短期間”休みを取る、と

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YahooのCEOで元Googleの役員Marissa Mayerが双子を妊娠しているが、妊娠と出産の期間中、長期の休暇を取るつもりはない。

今やYahooがオーナーであるブログTumblrの個人的なポストでMayerは、以前男の子が生まれたときと同じく、“短期間”仕事を離れる、と言っている。YahooのCEOになったばかりの2012年には、長男の出産で2週間休んだだけだが、多くの人が短すぎると批判した。今回について彼女は、日数を特定していない:

私の妊娠は健康的で合併症などもなく、また今はYahooの変身過程における特別な時期なので、3年前の息子のときと同様に妊娠と出産に対処し、限られた時間のあいだのみ、仕事から離れたい。このニュースと私の計画をYahooの取締役会と私の側近の役員たちと共有したが、彼らがとても協力的なので嬉しかった。

彼女は“ハードワークと考えぬかれた業務優先順位”により、Yahooの“ルネッサンス”を今後も推進し、同時に家族の新しいメンバーを迎えるつもりだ。同家の月間アクティブチルドレン数は、これで3名となる。

本誌TechCrunchはゴシップ誌TMZではないからセレブのニュースは扱わないが、でもMayerはメジャーなテクノロジ企業を統治しているし、テク業界で働く著名な女性だ。本誌などがとくに取り上げる価値がある、と思われるのは、彼女における、仕事と家族生活とのバランスだ。双子を身ごもり、そして育児することと、その間同時に有名テク企業で責任重大なCEOの役を務めること(そしてもう一人の子どもも育てること)は、たしかに相当な仕事量だ。

MayerがYahooを引き受けたのが2012年で、この間、Tumblrを11億ドルで買収Alibabaへの投資に対する戦略的な決断、そして大小新旧さまざまな買収、などを通じて、新生Yahooを支える新しい技術者チームとエンジニアリングチームを作り上げてきた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

写真で釣果を共有する「ツリバカメラ」——東京から福岡に移住した起業家の挑戦

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ウミーベ代表取締役CEOのカズワタベ氏

ウミーベ代表取締役CEOのカズワタベ氏

福岡の中心地・天神から電車で20分。海辺の町・福岡市西区今宿に今回紹介するスタートアップ・ウミーベが入居するシェアオフィスはある。同社は9月1日、iOS向けの釣果(釣りの成果)共有カメラアプリ「ツリバカメラ」をリリースした。App Storeより無料でダウンロードできる。

ツリバカメラは釣りをする人向けのアプリだ。釣った魚を撮影し、種類やサイズ、釣った場所や使用した餌の情報などを付けてアップロードし、自分の釣果アルバムを作ったり、その写真を共有したりできる。

現在居る地域の周囲のユーザーのタイムラインや、フォローしたユーザーのタイムラインを閲覧できる。投稿された写真には「いいね」をつけたり、コメントをしたりできる。

自分がアップロードした写真やタイムライン上の写真は、地図上にマッピングして閲覧することも可能。写真は釣れた時期や魚の種類、サイズ、仕掛けなどで絞り込んで表示できるので、自分の気になる魚がどの時期にどのあたりで連れているのかといったことを知ることができる。フィルター機能などがあるわけではないが、さながら「釣果を共有するInstagram」といったところだ。

ウミーベは2014年7月の設立。代表取締役CEOのカズワタベ氏は、ソーシャルパトロンプラットフォーム(寄付型のクラウドファンディングサービス)「Grow!」を提供するGrowを2011年に一ツ木崇之氏とともに設立した人物。その後同社を離れて福岡に移住。ウミーベを立ち上げるに至る。

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釣り情報のニュースサイトは月間65万PVに

ツリバカメラをリリースするきっかけになったのは、自身が移住の少し前に釣りを始めたことだった。「釣りは子どもの頃にやっていたが、デザイナーの友人が今の師匠」(ワタベ氏)。本格的に釣りをやり初めてつまずいたのは、「ネットに釣りに関する情報が少ない」ということ。あったとしても何年前の情報だかわからないものも少なくなかった。

「様々な情報がモダンなUIで探せるようになったのに、釣り関連の情報は出てこない。その割に市場は決して小さくない領域。最先端のテクノロジーでバリュエーションを付けて勝負する領域もあるが、釣りは『ここってまだやってなかったんだ』という領域だと思った」(ワタベ氏)。

また「福岡に移住することを決めたのは住環境を変えるためだが、それなら福岡でやることがアドバンテージになるサービスをしようと考えた」のだという。ワタベ氏いわくは全人口における釣り人人口の比率は西日本と東日本では西日本のほうが多いそうだ。

加えて都心と比較して子どもの頃からの遊びの一環として釣りを経験している人間が多いという肌感覚があったのだそう。「もともとはミュージシャンとしてバンドを組み、プレイをしながらマネジメントもしていた。(起業家としても)レジャーとかエンタメしか興味が持てないので、その領域でビジネスを頑張っていきたい」

ウミーベはツリバカメラに先立って、釣り情報のニュースサイト「釣報(ツリホウ)」もローンチしている。釣報はすでに月間65万ページビュー、20万ユニークユーザーまで成長。「釣り雑誌と比較してもユーザーにリーチしていると言える数字。広告での収益化をまず進めていく」(ワタベ氏)。また将来的にはツリバカメラでの有料オプションの提供、さらにはツリバカメラで集めた釣りのビッグデータを使ったビジネスなども検討しているという。

ベンチャーユナイテッドとドーガンから資金を調達

また今回ツリバカメラのリリースにあたって、ベンチャーユナイテッドおよび福岡の独立系ベンチャーキャピタルであるドーガンの運営するファンドより資金を調達していることを明らかにしている。金額は非公開だが数千万円前半程度だという。

TechCrunch Tokyoに99designsのCEOが登壇! クラウドソーシングの未来を語ってもらうぞ

photo11月17日、18日に開催予定のTechCrunch Tokyo 2015の海外ゲストが決まりつつあるので順次、発表したい。まず1人目は、ロゴデザインの世界で圧倒的ブランドを打ち立てたメルボルン発のスタートアップ「99designs」のCEO、Patrick Llewellyn氏だ。

99designsのことを知っていてもメルボルン発と聞いて意外に思った人もいるのではないだろうか。それもそのはずで、割と初期から北米でのプレゼンスが強かった。なぜならオーストラリアというのは市場としては小さく(GDPで世界12位)、99designs創業当時の2008年にはメルボルンにはVCはなかったので、創業時から北米を中心とした英語圏をターゲットとしていた。かなり早い段階から北米に拠点を構えたほか、ヨーロッパと南米へも進出してドイツ語やフランス語、スペイン語などと多言語化。2011年にはシリーズAでAccel Partnersなどから3500万ドルの、かなり大きな資金調達をして、そして2015年にはシリーズBとしてRecruit Strategic Partnersから1000万ドルの資金を調達して日本進出を果たしている。

99designs

もともと、99designsはSitePoint.comという、主にWebサイト作成者やデザイナー向けの情報交換コミュニティーとしてスタートしている。そのコミュニティーでノウハウを教え合う中で、自然発生的にロゴなどのデザインコンテストが起こるようになり、これに商機を見た共同創業者らが、別ブランド、別サイトとして2008年に立ち上げたのが99designsの始まりだ。ニーズもコミュニティーも最初からあったので、当初から99designsは口コミだけで黒字運営。ただ、すでに書いたように北米進出やヨーロッパ展開となったときに大きく資金してアクセルを踏むべきということで、VCの資金を入れたという経緯がある。VC支援がないスタートアップへ就職したがる人がシリコンバレーには少ないという事情もあったようだ。

2007年とか2008年と言えば、ちょうどAWSが出てきたころで、スタートアップ企業がサーバやストレージのために資金を集めて個別に用意する必要がなくなった時期。グラフィックデータを扱うスタートアップとしては、まさに外的環境が整ったタイミングでもあった。そこからスタートを切ったという意味でも、1社のクライアントに対して世界中の多くのデザイナーが同時にロゴ案を応募してコンペとするというモデルについても、99designsはコンペ型クラウドソーシングの先駆けだ(ちなみに、現在Upworkと改名したクラウドソーシングの草分けであるoDeskのスタートは2003年)。現在登録デザイナー数は100万人以上となっていて、累積で44万コンテンツを制作したことになるという。昨月のデザイナーへの支払い実績は247万ドル。ロゴデザインで始まったコンペは、名刺やWebページ、アプリデザインにもジャンルを広げているほか、特定デザイナーに1対1で発注できる機能や、ちょっとしたロゴ改修や写真のレタッチなどを「タスク」としてデザイナーに安価に発注できる機能などを追加している。

さて今回、TechCrunch Tokyo 2015への登壇が決まった99designs CEOのPatrick Llewellyn氏は、アメリカ進出やヨーロッパへのサービス展開を担当した人物でもある。だからスタートアップ企業がサービスを国際化するには、どういうチャレンジがあり、何を優先すべきかということを話してもらえればと思っている。人数的には小さなチームで、各国の拠点はそれぞれが独立したスタートアップのように振る舞うべきだとPatrickは言う。もちろんオーストラリアは英語圏だから、北米を経由してヨーロッパへ展開するのは日本企業がやるよりも容易だったかもしれないが「国内市場だけは十分な大きさが確保できない」というのが当てはまるサービスが増えている日本のスタートアップ企業には参考になる話だと思う。

もう1つ、これは国内クラウドソーシングのスタートアップも同じ言い方をしているけれど、クラウドソーシングが多くの人の働き方を変えつつある。3月の来日時にぼくはPatrickにインタビューをしたのだけど、そのとき「リモートで仕事ができるので、デザイナーは各国を旅行しながら仕事ができます。しばらく暮らした国や地域でクライアント企業と新たな関係を築くこともできるんです」という話をしていたのが特に印象的だった。

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