ビールの冷蔵ショーケースのロックにGoogleの音声認識APIを仕込む…あるフレーズを言わないと開かない

 

一部の読者は、ぼくがカナダ出身であることを知っているだろう。その、多くの読者の北の方にある国が意識に上(のぼ)るのは、誰かがラッパーのDrakeやアイドルJustin Bieberの名前を挙げたときだけだろう。その我が国の建国記念日は7月1日、すなわち来週となっておりまして、いくつかのブランドが商機と狙っている。‘カナダビール’のメーカーMolsonもその一つで、でもその手口は、Googleのソフトウェアの力を借りたテクっぽいしろものだ。

その主役はGoogleの音声認識(Speech Recognition)APIで、ほかの通訳サービスでもよいと思うが、なにしろそのAPIは、冷蔵庫に最大で40種類の言語を認識させることができる。その究極の目標は、Molsonの長年のキャッチフレーズである”I am Canadian”を聴き取ることだ。

今回冷蔵庫が認識するのは、40か国語ではなくて6か国語だが、そのフレーズを聴き取った冷蔵庫はロックを外し、お客はMolson Canadianの缶を取り出せるようになる。その、言葉を聴き取る冷蔵庫を作ったのはデジタルスタジオThinkingBoxで、来週(==来月)トロントで行われるPan Amのゲームで初お目見えするらしい。

もちろんこれは、すみからすみまで、マーケティングのためのトリックだが、しかし良くできている。ぼくでさえ、ビデオを見ていて愛国心に駆られてしまった。ただし、Molson Canadianは今でもひどい味のビールだけどね。

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Parrotがミニドローン13機種を一斉に発表、189ドル以下、99ドルもあり

Parrotは今週、同社の新製品ミニドローン13機種を一斉にご披露した。いずれも、189ドル以下の製品だ。〔両手のひらより小さなRolling Spiderは99ドル。〕

まず地上をジャンプするタイプのドローンJumping Sumo(下図スライド)は大幅にアップデートされ、LEDがついて夜間走行も可能、4GBのメモリにビデオを記録でき、“ブーストモード”では時速8mphまでいける。

クワッドコプター”Airborne”にもLEDがあり、前と同じく子どもたちがLEGOのアタッチメントとして遊べる。Parrotのセールス担当VP Mike Perezによると、このたびParrotは子どもたちにプログラミングを教えるTynkerやTickleとパートナーしたので、学校の科学の授業でミニドローンを利用できる。

“Hydrofoil”(上図)はその名のとおり、水中翼船にくっつけて飛ばせる。水面を滑空する速度は最大6mphだ。でもこれは、操縦が相当難しい。私の場合、プールの壁にぶつかってばかりいたけど。

上のビデオで、これらのミニドローンの実動ぶりが分かる。

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人気のJavaScriptフレームワークMeteorがデベロッパ企業Percolate Studioを買収してサポート付き有料プランを開始

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Y Combinatorで孵化したJavaScriptフレームワークMeteorが、Meteorのヘビーユーザでデザインとエンジニアリングの経験豊富なPercolate Studio買収した。何のためかというと、Meteorが今日(米国時間6/26)ローンチした会員制有料プランで、Percolateに高度にプロフェッショナルなデベロッパサポートをしてもらいたいからだ。

Meteorが買収をするのは、昨年秋のデータベースサービスFathomDBに次いで今回が二度目だ。

MeteorのCEO Geoff Schmidtが買収の発表声明の中でこう言っている: “Meteorのユーザは加速度的に増えており、JavaScriptがWebとモバイルのアプリケーション開発の標準になりつつある今日、弊社は評価の高い開発環境だけでなく、それにふさわしいコマーシャルなクォリティのサポートをご提供したいと考えている”。

同社が有料サービスを始めるのはこれが初めてだが、そもそもMeteorのようなオープンソースのプロダクトは、サポートを収入源にするのがほぼ定石だ。

有料会員制のユーザであるデベロッパは、アプリケーションの開発途上でさまざまなサポートを受けられ、そのほかセキュリティに関するプロアクティブなアラートや、彼らのアプリケーションのアーキテクチャに関するリビューも提供される。Percolateの協同ファウンダZoltan Olahが、Meteorのこのような顧客成功努力をリードする。

このサポートプランの料金などについては、情報が得られ次第この記事をアップデートしよう。

今のところSchmidtは、“契約は年ベース、商用アプリ/アプリケーションを作っているところならどこでも会員になれる。料金はサポートの内容にもよるが、まあいちばん多いのは1か月2000ドルぐらいのケースだろう”、と言っている。

2012年にローンチされたMeteorは、その使いやすさ、JavaScriptでフロントエンドとバックエンドの両方を書ける、デフォルトのデータベースとしてMongoDBがバンドルされている、リアルタイムアプリケーションを重視、などの特長により、早くからデベロッパたちの人気が沸騰した。でもそのわりには、Meteorで作られた大物の商用プロダクトはまだ多くない。本格的な、本当にプロフェッショナルな、商用開発にもどんどん使われたいがためにMeteorは、今回のアーキテクチャとスケーリングのサポートまで伴う有料プランのローンチに 踏み切ったのだ。

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Kindleにメッセージアプリでのシェア機能と本のプレビュー機能が追加

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Kindleの電子書籍リーダーを保有する人は、友達とお気に入りの本や引用した文章をFacebookメッセンジャー、WhatsApp、テキストメッセージといったモバイルのメッセージアプリでやりとりできるようになる。今回の変更は、FacebookやTwitterのような大きいソーシャルメディアプラットフォームを使用するより、個人間でのシェアが友人とやりとりする方法として好まれるというトレンドを示している。

FacebookやTwitterなどで引用文や本のレコメンドをシェアする機能は既にあったが、Amazon Kindleのシニアバイスプレジデントを務めるRuss Grandinettiは、今回のリリースで「完璧な本の引用文でも、ユーザーのソーシャルネットワーク全体にシェアするのに最適であるとは限らない」と説明した。

Kindleで本を読む人の中にも、この追加機能を活用できる人はいるだろう。例えば読書グループは、プライベートの共有機能があることで、メッセージアプリやメールで、現在読み進めている本に関し、仲間とより深い話をすることができる。それに加えユーザーは、Facebookのステータスをアップデートするのではなく、その本を本当に楽しめると思う友人にだけ、個人的なメッセージでオススメの本を伝えることができる。

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特定の友人に本をレコメンドする以外にも、文章の引用やハイライトのシェア機能のアップグレードが行われ、Android用のKindleですぐに利用できる。Kindleの電子書籍リーダーや、他の端末への対応は、これから年内に行う予定であると同社は伝えた。

シェア機能の拡張の他に、本のレコメンドや文章の引用を受け取ったユーザーが本を即座に読み始めるための機能を追加したとAmazonは伝えている。これは、ウェブでの記事や動画のリンクと同様の仕組みだ。シェア情報を受け取ったユーザーは、モバイル、タブレット、パソコンのブラウザから無料で本のプレビューにアクセスすることができる。ユーザーはそれを読むのにサインアップしたり、アカウントにサインイン、あるいはアプリをインストールしたりする必要もない。

後者の機能は些細なアップグレードのように思うかもしれないが、このようにソーシャル上のシェアからコンテンツにアクセスして読み始める過程での障害を取り除くことは、長期的に見るとAmazonにとってソーシャルでシェアを受け取った人をより多くKindleのカスタマーに転換することにつながるだろう。

どのようにこの機能を使うか興味があるなら、Amazonが用意したDivergentThe Book ThiefThe Hobbitのサンプルから、今すぐ試してみることができる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Raspberry Piで野生動物を自動撮影するカメラロボットが子どもたちに電子工作とプログラミングを教える

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子どもにプログラミングを教えると称する製品が、このところとても多い。KanoのDIYコンピュータキットとか、ボードゲームのロボット亀さんなど、たくさんプログラマブルロボットや、科学教育風味の玩具が、市場を争っている。

ここでご紹介するイギリスのNaturebytesは、それらとは一味違う。同社のねらいは、子どもがいろいろハックできるテクノロジと、アウトドアへの関心を結びつけることだ。子ども用の辞書から「どんぐり」や「キンポウゲ」などの言葉が姿を消し、代わって「ブロードバンド」や「カットアンドペースト」が載りつつある今は、テクノロジがおちびさんたち全員を、単なるデジタルの消費者に変えてしまう危険性が、あるのかもしれない。

Naturebytesが今日(米国時間6/26)Kickstarterでローンチしたのは、野生動物をとらえるための罠だが、もちろん捕獲用の罠ではなく、Raspberry Piを搭載したカメラで彼らの姿を撮影するだけだ。子どもたちに自然を体験させつつ、電子工作やプログラミングも楽しんでもらう、という製品だ。テクノロジとアウトドアを結びつけるのは、何もなければ自然の中でただ走りまわるだけの子どもたちにとっても、良いことかもしれない。しかも自然環境の中にテクノロジを埋め込む同社の製品は、物のインターネットと呼ばれる近未来の技術動向にも合っている。

このカメラトラップ(“カメラ罠”)は全天候型で、風雨に耐える。Raspberry Pi Model Aプロセッサと電池とカメラと赤外線センサで構成され、もっと上位機種のPiを使ってもよい。センサが動きを感知すると撮影が行われて、走り去る野生動物などが撮れる。製品は組み立てキットなどで、子どもが自分で組み立てて構造などを理解する。今後のための拡張機能としては、撮った写真をWiFiで自動的にアップロードする機能などがある。

また子どもたちは、自分が撮った野生動物の写真をNaturebytesのWebサイトで共有でき、そこから、同好会のようなグループに参加できる。PiとPi用のカメラがすでにあるなら、45ポンドのキットを買ってケースを自分で3Dプリントする。全部入っているキットなら85ポンド、アクセサリ込みなら95ポンドだ。

現時点(日本時間6/27 09:20)で、目標額3万ポンドに対し6000ポンド集まっている。あと28日あるから、まずいけるだろう。発売予定は、今年の12月だ。

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東京大学の研究グループが布地に印刷できる伸縮性の導体を開発

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東京大学の研究グループは、伸縮可能な導体を布地に1回でプリントできる方法を開発した。これによりメーカーは、心拍数や筋肉の収縮といった生体情報を検証する伸縮可能なウェアラブルデバイスを製作することができるようになる。

英文リリースから

東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授の研究グループは、1回プリントするだけで簡単に布地にパターンを形成できる新しい導電性インクの開発に成功しました。この導電性インクは、銀フレーク、有機溶剤、フッ素系ゴム材料とフッ素系界面活性剤で作られています。インクは、従来の長さの3倍に伸張した後も高い導電率を保ちました。これは、元の長さの2.5倍以上伸張できる導電性物質の導電率の中で世界最高の値です。

訳注:記事内の抜粋は英語リリースの翻訳
日本語リリース文はこちらからどうぞ。

これが何故重要なのか?電子部品の電気の往来する部分が驚くほど伸縮自在になるからだ。チップやトランジスタはまだ伸ばしたり、折り曲げたりするのは難しいが、コネクターの部分を曲げたり伸ばしたりすることで、計測する類のテクノロジーを特定の場所にぴったりと装着させることや、コネクターを今まで以上に皮膚に近づけることができる。この技術はまだ全盛期ではないが、商業化したならウェアラブルの世界に面白い変化を持ち込むことになるだろう。

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オンラインのテクノロジ職業教育と公的資格の関係…ドイツのCareerFoundryの例

Berlin: young woman works at her laptop on a roof

オフラインのテクノロジ教育ではGeneral Assemblyが評価が高いが、ベルリンのCareerFoundryは昨年、エンジニアや新社員やスタートアップにテクノロジの職業的技能を身につけさせるための、オンラインでカスタマイズできる教育訓練事業を立ち上げた。その基本的な考え方は、一貫してピアツーピアの環境であること、人びとが互いに教えあうことだ。だから、ある面ではBloc.ioに似ている*。〔*: Bloc.ioはネット上(YouTubeなど)にリビューがとても多いが、CareerFoundryはまだ少ない。〕

協同ファウンダのMartin RamsinとRaffaela Reinは、外部資金なしで同社を立ち上げたが、最近シード資金を獲得した。その資金は運転資金ならびに各種業界向けの営業活動に充てられる。

シードラウンドをリードしたのはTengelmann Venturesで、Stefan GlänzerとMendeleyのPaul Föcklerが参加した。これでCareerFoundryの総資金は120万ユーロになった。

CareerFoundryは最近、ドイツの上位5つのビジネススクールのひとつであるEBS Business School Oestrich-Winkelと提携して、デジタルの職業技能に関する公的資格を生徒たちに提供できるようにした。これは、ドイツでは初めてのことだ。

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サービスのパーソナライズを可能にするアルゴリズムの進化に必要なもの

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パーソナライズした体験をもたらすアルゴリズムは、昨日選んだものにも、今日選ぶもの、明日選ぶものの全てに影響を与えるようになる。

しかしパーソナライズ化が上手く行っていない所もある。私たちは興味のない、ユーザーの気を引こうとする広告に継続的に出くわす。デジタルのパーソナルアシスタントはそんなにパーソナライズされていない。ニュースフィードの深いアルゴリズムの溝がユーザーと友人を引き離しているし、オンラインで見るコンテンツは同じものがずっと繰り返し表示されている。

パーソナライズのための私たちの偶像は、遊園地の鏡張りの迷路に映る自分の姿のようだ。パーソナライズ化の過程でユーザーは抽象化され、デジタルという鏡に投影されたユーザーの興味関心は実際のものと乖離してしまっている。

パーソナライズ化のために埋めるべきギャップ

現在のパーソナライズされた体験が未完成なのには、5つの主要な要因がある。

データギャップ:これは、アルゴリズムの環境によりユーザーに関するデータが限定されていることで起きる。システムは、ユーザーに提供する体験とそれに対するフィードバックのループの文脈でしか、ユーザーを理解することができない。システムに外部のデータソースからの情報を入力したとしても、ユーザーの興味や好みの一部しか理解することができない。

計算処理ギャップ:計算処理の能力と機械学習テクノロジーの限界を指す。現在最速のシステムでも、複雑な個人をシステムのルールに従って理解するには遅すぎるのだ。同時に、最も先進的な機械学習のソリューションも、コンピューターがユーザーのことを遅滞なく学び、順応するには、まだ十分ではない。

パーソナライズ化の過程でユーザーは抽象化され、デジタルという鏡に投影されたユーザーの興味関心は実際のものと乖離してしまっている。

興味ギャップ:ユーザー、プラットフォーム、そしてサードパーティーの関係者(例えば、マーケッター)の意図が合致しないことを指す。つまり、ユーザーが見るものやできることは、誰の興味や好みを元に優先順位が決定されているかという問題だ。ユーザーは広告に興味がないかもしれないが、彼らの意思とは関係なく表示される。誰かがユーザーの注意を引くために料金を支払っているのなら、ユーザーが選べる範囲が狭まるのだ。

行動ギャップ:ユーザーの本当の意図と利用できるものの不一致を指す。例えば、ユーザーは存在していない「これは面白くない」ボタンを押したいと思っているかもしれない。あるいは、特定の画像を今後一切見たくないと思うかもしれないが、そのようにできる方法が存在しないといった場合だ。ユーザーの行動はフィードバックループの限定的な環境に収まるように簡略化されているのだ。

コンテンツギャップ:プラットフォームやアプリケーションにユーザーが求めていることやニーズにぴったり合うコンテンツがないことを指す。また、提供しているコンテンツの多様性が限定的な場合もある。例えば、スポーツニュースやレストラン情報のアプリやウェブサイトは関連するコンテンツがなくなる場合がある。トピックがニッチであるほど、ユーザーにとって継続的に有益なコンテンツが提供されるチャンスは少なくなる。

また、パーソナライズ化の根幹には普遍的なパラドックスが存在している。

パーソナライズ化は、デジタルの体験を個人の興味や好みに適応することを約束している。同様にパーソナライズ化はユーザーに影響を与え、毎日の選択や行動を起こす基準となり、ユーザーを形作っている。複雑でアクセスできないアルゴリズムが、ユーザーの代わりに見えない所で選択を行っている。それらは、ユーザーが認識できる選択肢を減らしている。つまり、個人の裁量を制限しているとも言える。

パーソナライズ化におけるギャップと内在するパラドックスにより、パーソナライズ化は不十分で未完成のままだ。ユーザーにとってアルゴリズムが自分の意図ではなく、他の誰かの意図を汲んでいるように感じてしまうのはそのためだ。

アルゴリズムによるパーソナライズ化の中核に人を置く

パーソナライズにより、個別ユーザーに対して更に良いサービスを提供するためには3つのデザインと開発の道が考えられる。

まず、パーソナライズ化には新しいユーザーインターフェイスの枠組みとインタラクションモデルが必要だ。直接的なアクションやそうでないアクションを効率的に学習してパーソナライズするインターフェイスは、データギャップを埋めることができる。同様に、システムがユーザーがしていることとそうでないことを学習することで、計算処理ギャップも埋まっていく。興味ギャップの問題を解くには、ユーザー自身が表示されるものを直接コントロールできるようにすべきだろう。ユーザー主導で異なるコンテンツやサードパーティーからの関連コンテンツを混ぜることのできるインターフェイスが必要だ。これによりユーザーは、自分に対し表示されているものを知ることができる。システムの透明性は、ユーザー自身が自分の好みを調節することを可能にし、プラットフォームやサードパーティーにとっても有益に働くだろう。

行動ギャップを埋めるには、本当の意図や反応を反映したカスタム絵文字やジェスチャーといった文脈も意識したインタラクションを実現する、ユーザー順応のインターフェイスが必要だ。また、システムはユーザーが興味を持ちそうなものが利用可能になった時、あるいは具体的なアクションが取れるようになった時に通知することでコンテンツギャップの減少につながるだろう。それは、腕に着けた端末の振動や、デバイスの画面の賢い通知メッセージといった形かもしれない。新しいインターフェイスは、リアルタイムではなく、パーソナライズ化した「自分時間」を優先するようになる。

次にパーソナライズ化には、関連したもの、意外なもの、タイムリーなもの、成熟したコンテンツを混ぜて提供することだ。データギャップと計算処理ギャップの観点では、より多様な選択肢を提供することで、システムがユーザーの本当に興味のあるものを詳しく理解することができるようになる。ユーザーは、自分の興味関心をより詳細に伝えることができる。そしてシステムは、ユーザーの行動から、これまで知り得なかったあるいは、形式通りではないものの中に関連性を見出すことができるだろう。

興味ギャップに関しては、関連情報と意外な情報を混ぜることで、ユーザー自身がどの情報を優先するかを決定することができる。関連した情報の中でも多様な選択肢を用意することで、システムが限定した情報の箱の中にユーザーを閉じ込めることがなくなる。時に表示される関連のないコンテンツも体験を阻害することはない。関連性があるかどうか、セレンディピティを起こす内容であるかどうかは、どちらも主観的で文脈に依存しているものだ。アルゴリズムはユーザーが新しいことを探索するのに前向きな時と、目標があり、特定の情報を求めている時を判別することができるようになる。

行動ギャップを狭めるためには、多様な賢いレコメンドで、ユーザーが自身のルールで選択することができるだろう。システムはユーザーの短期と長期における関心をそれぞれ理解し、ユーザーの情報ニーズを予測することができるようになる。タイムリーであるかどうかは、関連性と同義ではない。大量のコンテンツは、時間の経過と共に魅力や意味を失うのではない。コンテンツギャップは、幅広く分野の濃い内容の興味深い情報が集まるほど、効果的に埋まっていくことだろう。

そしてパーソナライズ化は、集合的知識と人工知能を取り入れるべきだ。物事の関連がすぐに分かり、コンピューターはより賢くなって、物事は更に効率的になる。計算処理ギャップを減少させるためには、人と機械の情報の流れを加速させることだ。人は(まだ)この世界で最もパターン認識に優れたシステムだ。私たちは協力して、意味のあるサインを見つけだすことができるだろう。人工知能が順応するインターフェイスと予測を立てる学習システムを強化することにより、人による意味付けを活用することができる。

人が主軸となるパーソナライズ化は、人がキュレートしたシグナルと順応する機械学習のソリューションを統合する。この方法で知的なシステムは、個人及び集合的なインタラクションと洞察により進化することができる。そして、人の想像力と非合理性がアルゴリズムの決定による制限を打破するだろう。

パーソナライズ化のパラドックスはどうだろうか?パーソナライズ化の領域の中には、客観性は存在しないし、客観的な視点もあるべきでもない。ユーザーがアルゴリズムを形作り続け、アルゴリズムもユーザーを形作り続ける。それがさらに私たちにとって有益になるよう、人が周りの物事の関連性や意味付けを主観的に行う方法をパーソナライズ化アルゴリズムが理解する必要がある。

結局の所、パーソナライズというコンセプトは、産業的な大量生産とマーケティングの世界から派生したものだ。アルゴリズムの力を借りた意思決定を行う新時代に移行しつつ、個人の能力に重きを置くには、パーソナライズ化アルゴリズムではなく、選択アルゴリズムを作らなければならないということかもしれない。

そのようなアルゴリズムをどこが構築することになるのだろうか?

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Gyazo、かすかな記憶を頼りに画像を探せる連想検索「Ivy Search」 MAUは1000万人突破

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フォルダやファイル名をつけて画像を管理している人にとって、「あの画像どこだっけ?」というのはよくある話だ。画像にタグを付けてあとで検索すればいいという人も、そもそものタグを思い出せないこともある。そんな問題を解決する検索機能を、スクリーンショットツール「Gyazo」が発表した。6月29日以降、有料ユーザーに対して順次公開。その後は無料ユーザーも利用できるようにする。

画像の類似度を自動算出→似ているものをグルーピング

「Gyazo」はスクリーンショット画像にURLを付与し、クラウド上に保存できるサービス。今回の機能は「Ivy Search」という名称で、現在注目している画像に近い画像を連想的にたどり、目当ての画像を探せるのが特徴だ。Gyazoでクラウド上に保存した画像について、 「関連情報をたどって必要な情報にたどりつく」 「記憶をたどって何かを思い出す」 といった連想的な検索をブラウザ上で実行できる。

連想検索のキーとなるのは、画像に付随するメタデータの類似度だ。

ユーザーはこれまで通りキャプチャするだけで、Gyazoが自動的にウェブページのタイトル・URL・作成時刻を自動的に収集。ユーザーが付けたコメントだったり、アプリをキャプチャした場合はそのアプリの名称も含めて、メタデータとして収集している。メタデータが似ている画像をグルーピングすることで、手間をかけずに画像を整理できるというわけだ。

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動画で見るIvy Search

Gyazoを手がけるNOTA,inc.の洛西一周CEOは、「スクリーンショットしまくっていたオフィスの内装画像を探すのに役立った」と話す。実際にどんな挙動なのか。

例えば、あるオフィスの画像を選ぶと、ウェブページのタイトルだったり、画像に付けたコメントをもとに、勝手に関連画像が集まってくる。ここでポイントなのは、オフィスの写真だけでなく、「手書きのオフィスの内装案」や「椅子」のような画像まで一緒に出てくることだ。これは両方の画像に洛西さんが「オフィス」とコメントを付けていたためである(以下、動画参照)。

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NOTAのCTOでIvy Searchの考案者である増井俊之さんに提供してもらった動画をご紹介しよう。最初は「神戸」で検索していたのに、いつしか「ネタ」や「アニメ」の画像が出てくるなど、画像に1つでも共有点があれば、数珠つなぎのように昔の記憶をたどれるのが楽しい(以下、動画参照)。

PCで画像を管理する場合、内容に応じて適切なフォルダやファイル名を考える人は多い。とはいえ、適切な名前を考えるのは面倒だし、後で忘れてしまうこともある。画像にタグを付けるのが面倒という人でも、Ivy Searchは作成日や位置情報、アプリ名、URL、その前後でキャプチャした写真などのメタデータをきっかけに探せるので、画像の整理がほぼ不要になるかもしれない。

月間アクティブユーザー数は1000万人突破、86%が海外利用

Gyazoは2011年1月に公開し、今年6月時点での月間アクティブユーザー(MAU)は1000万人を突破した。

海外ユーザーの比率が高いのが特徴で、日本の比率はわずか14%。北米が33%、ヨーロッパが37%と圧倒的に海外で使われている。設立当初からシリコンバレーを本社に置き、製品設計(UI)やデザインからコピーライティングに至るまで、最初から「世界で勝てるトランスカルチャーの製品を作る」発想で開発しているためだと、過去のインタビューで洛西さんは語っていた

今後は、会社や特定のチーム内でスクリーンショットを共有することを想定したSaas型の有料サービス「Gyazo Teams」をリリースする予定だ。

海外旅行で現地在住の日本人が旅先案内をしてくれる「TABITICKET」がローンチ

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2009年に初めて使って以来、ぼくはAirbnbが大好きで仕事の出張ですらAirbnbを使うようにしている。最大の理由は地元の人たちと話すのが楽しいし、お出かけ情報についてもガイドブックなんかよりも圧倒的に良いからだ。

ただ、Airbnbは多くの場合英語が共通言語となるので、ちょっとハードルが高く感じる人がいるかもしれない。2015年1月に創業したスタートアップ企業のカラフルシーが昨日ローンチしたばかりの「TABITICKET」なら日本語でオッケーだ。TABITICKETは日本人旅行者(ゲスト)と旅先を案内してくれる現地在住の日本人(ホスト)をつなぐ旅行体験のマッチングサービスだ。

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サイト上には世界各国に住むホストが、グルメ、スポーツ、音楽など、その人ならではの職業や趣味を活かしたオリジナルツアーをチケットとして販売している。ツアーを提供するのは、日本人の現地移住者、ワーキングホリデーや留学で海外に住んでいる人、駐在員の奥さん(あるいはダンナ)など、現地の情報をよく知る一般人となる。

サイトを見てみると、シェフやサーファー、カメラマンなど、海外で人生を謳歌していそうなプロフェッショナルも目につく。リストされているツアーは以下の様な感じ:

・現役ランナーがホノルルマラソンの攻略法伝授♪下見をしながら一緒に走ろう!(ホノルル/8000 円)
・パリの料理研究家とマルシェで買物&フランス家庭料理レッスン♪(パリ/1万4000円)
・旅と自然を愛する元CAと香港でハイキング(香港/3000円)
・プロカメランがハワイを最高に綺麗に撮る秘伝のコツ伝授!(ホノルル/1万8750円)
・現地に嫁いだ日本人妻とカジャンで庶民の暮らし体験(カジャン/4250円)
・ニューヨーカーが行くオシャレなレストラン・カフェ巡り(ニューヨーク/5000円)
・公認ガイドが案内する北欧建築デザイン視察ツアー(コペンハーゲン/5万5000円)
・観光だけじゃもったいない!9日間のオリジナルホームステイ(サンディエゴ/21万5000円)
・イスタンブールでアパート滞在^アジアサイドでディナー(イスタンブール/1万6000円)
・レトロ着物と古民家の女子旅 ◆旬の鰹料理◆(千葉勝浦/1万円)

現在はハワイやオーストラリア、フランスなど世界17都市、77ツアー(体験)が登録されていて、今後1年間で50都市、777ツアーまでの拡大を目指すそう。

旅行関連スタートアップとしては、類似のサービスを提供する「Meetrip」があったが2013年に売却済み。サービスはスケールしなかったと聞いている。観光庁のデータによれば日本人海外旅行者数は過去20年ほど横ばい。オリンピックへ向けたインバウンド観光客の増加が予想されているのに比べて、アウトバウンドは分が悪い。少子化や円安も向かい風だ。実は以前TechCrunch Japanで開催したシェアリングエコノミー関連のイベントに来場してくれたこともあるカラフルシーの坂巻渚CEOは、TechCrunch Japanに対して以下のようにメールで回答してくれた。

「数ある類似スタートアップや大手との差別化を考えた上でも、私たちは特に、プロフェッショナルな職業や熱い思いを持った、特別感のあるホスト(体験)を積極的に集めることと、日本人にとって使いやすい(日本人に特化した)シェアリングサービスにしていくことを軸すると決めました。また今後、日本国内の体験も揃えていくことで、世界情勢にも影響を受けやすいアウトバウンド事業のリスクを緩和したいと考えています」

「今後、魅力的なホストを集めるためにも、実際に私たちが現地に足を運べたらと思っています。今回のオープンに際しても先月ハワイに行き、写真家やヨガインストラクター、人気ブロガーの方など魅力的な日本人の方々にお会いし、体験を提供してもらっています」

部屋をスマホで撮ったらその映像から部屋の仮想現実空間(VRスペース)を作り出すMatterport、このほどシリーズCで$30Mを調達

上のビデオで紹介される4500ドルのカメラは、現実世界を仮想世界に変える。Matterportのハードウェア製品は不動産売買の代理店に重宝されてきたが、今日シリーズCで3000万ドルを獲得した同社は、そのお金と、同社のソフトウェアと、GoogleのProject Tangoとのパートナーシップにより、高価なカメラを使わなくても、歩きながらスマートフォンを振り回すだけで、まわりの世界をVR(仮想現実)としてとらえ、保存する技術を目指す。

たとえば、ぼくが仕事をしているサンフランシスコのアートギャラリーThe SubをMatterportでVR化すると、下図のようになる。

上のようにインテリア空間をVRとして捉えるためには、Matterportがそれを民主化するまでは5万ドルぐらいの費用がかかった。しかし同社はそのカメラをこれまでに数千台売り、それらが何万もの仮想シーンを作り出し、毎月120万あまりのユニークビューワーがその仮想空間の中をぶらついた。CEOのBill Brownによると、“売れ行きが好調だからすぐに黒字になった”そうだ。

でも同社は、単なるカメラ企業で終わりたくない。今回得られた資金で、同社は強力なソフトウェア企業にもなり、いろんな映像を縫い合わせてVRを作れるようになりたい。そのビジネスは、今後、スマートフォンで撮られた大量の映像が洪水のように流入してくるようになれば、爆発的な人気を獲得するだろう。専用カメラから、そこらのスマートフォンへ、という大革命だ。

上のビデオではMatterportのカメラやソフトウェアとともに、Brownへのインタビューも見ることができる。

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Matterportは2010年のXbox Kinectのハッキングブームから生まれた。ファウンダのMatt Bellは当時、ジェスチャ認識の企業で仕事をしていたが、そこは、5万ドルのカメラと熟練工を使って大きなCADファイルを作り、それらに専用のアプリケーションでアクセスしていた。しかしBell自身は、150ドルのKinectのパワーに感嘆していた。彼は、比較的安いデバイスで同じ技術を動かせるかもしれない、と考え、誰もが部屋を3Dで捉えて、それにWebからアクセスすることができるのではないか、と思った。

BellはDavid Gausebeckと組んだ。GausebeckはCAPTCHAによる商用のセキュリティシステムを初めてPayPalで考案した人物だ。二人はY Combinatorの傘下に入り、2012年にはDCMから160万ドルのシード資金を獲得した。さらにその後は、多くのVCから計840万ドルをシリーズAとして調達した。

1年前にMatterportは自分たちの技術の商業化に目覚め、とくに不動産業界に売り込んで行くための資金として1600万ドルのシリーズB資金を調達した。不動産代理店のために物件の写真を提供している企業も、ターゲットにした。

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しかしモバイルがメインのターゲットになるにつれて、プロ用の4500ドルのVRカメラを売ることが次第に重荷になってきた。画期的なパートナーシップを結んだGoogleのProject Tangoも、スマートフォンのカメラをスキャナとして使って、室内のVRマッピングをしている。IntelがVRセンサハードウェアRealSenseを出すという話があり、Googleはスキャニングのソフトウェアをパワーアップしようとしていた。そういった中で、Matterportは、スマホの映像を縫い合わせて没入的なVRシーンを作ろうとしていた。

下のビデオは、TangoとMatterportのパートナーシップの成果だ:

今回得られたシリーズCの3000万ドルは、優秀な技術チームを作ってモバイルのVRスキャニング技術を実用化することに投じられる。またそのほかのデベロッパたちがMatterportの映像縫い合わせ技術を使ってユーザにVR体験を提供できるために、SDKとAPIを作らなければならない。

VRのモバイル化にとってMatterportが必須の技術なら、同社の未来の快調ぶりは今からすでに約束されている。もう、不動産代理店にカメラを売ることがメインのビジネスではない。現代はソーシャルメディアと、テキスティングと、写真と、ビデオがコミュニケーションを支えている。そこにMatterportの技術が加われば、もう、ただパーティーの写真を共有するだけではなくて、360度の没入的な視野で、遅まきながら、そのパーティーの会場に自分が“いる”ことが、可能になるのだ。

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電子工作を積み木工作ふうにしたLittleBitsが$44.2Mを調達…企業ユーザも視野に

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[筆者: Connie Loizos]
【抄訳】
“電子部品積み木”(上図)LittleBitsは、部品をお互いにパチンパチンとはめてつないでいくだけで、子どもでも、そして大人の設計者同士でも、ロボットや、その他さまざまなプロダクトを作れる。同社はこのほど、DFJ GrowthがリードするシリーズBのラウンドで4420万ドルを調達し、DFJの専務取締役Barry Schulerを取締役会に迎えた。

このラウンドにはMorgan StanleyやAlternative Investment Partners、Grishin Robotics、Wamda Capitalなども参加し、これまでの投資家Foundry Group、True Ventures、VegasTechFund、Two Sigma Ventures、Khosla Venturesらも加わった。

社員90名の同社にとって今回の投資は、VCたちの同社に対する大きな確信を表している。小さな電子部品モジュールをいろんなサイズのキットにまとめて売ってきた同社は、これまでの4回のラウンドでわずか1560万ドルを獲得しただけだった。

ファウンダでCEOのAyah Bdeirによると、今回の資金は同社の今後の複数の成長プランに投じられる。ひとつは、SalesforceやSAPやTwilioなどの企業がすでに始めている、社内のクリエティビティワークショップにおける新製品開発の試行用に、LittleBitsの使いやすいコンポーネントをさらに積極的に提供して行くことだ。

今企業が研究開発用に買っているコンポーネント集は、LittleBitsの“pro library”と呼ばれる売価5000ドルのキットで、その中には304のモジュールが収められている。しかしLittleBitsは今後このやり方を改めて、会員制により、毎月いろんなコンポーネントを提供していくようにしたい。

“LittleBitsの企業顧客はまだ始まったばかりだけど、でも多方面から関心が寄せられている”、と彼女は語る。

今学校関係は70か国で8000名あまりの教師らがLittleBitsのキットを使っているが、この方面も今後もっと伸ばせる。ちなみに昨年の同社の売上の10%が学校だったが、今年は30%に達しそうだ。また、親が子どものために買ってやる100ドルから150ドル程度のキット(シンセサイザーを作れる!)も、今後まだ拡販の可能性があるので、同社は最近、Amazonに次いで Barnes & Nobleともパートナーした。

【後略】

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グランドデザインが2億3000万円の資金調達—店舗送客支援の「ガチャアプリ」を提供

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ショッピングモールアプリ「Gotcha!mall(ガッチャモール)」を運営するグランドデザインは6月25日、アイスタイル、アドウェイズ、トランスコスモス、ベクトル、リアルワールド、みずほキャピタルから、第三者割当増資および株式譲渡により総額約2億3000万円の資金調達を実施した。トランスコスモスとはASEAN進出に向けた業務提携も締結している。

ちょっとややこしいのでグランドデザインの設立の経緯を先に紹介しておこう。同社は2014年11月にグランドデザイン&カンパニーから新設分割して設立した会社だ。グランドデザイン&カンパニー自体は2004年7月の創業で、これまでデジタルマーケティング支援を手がけてきた。

そんな同社を2014年10月にオークファンが買収。Gotcha!mall事業を切り出す形でグランドデザインを立ち上げるに至った。グランドデザインのファウンダーはグランドデザイン&カンパニーの創業者でグランドデザイン代表取締役社長の小川和也氏。そのほか役員数人とオークファンが出資している。

Gotcha!mallは、カプセルトイ(小型自動販売機、ガチャガチャやガシャポンなんて名称で商標登録されている販売機だ)の世界観を、スマートフォン上に再現したデジタルモールアプリ。企業は同サービス内に専用筐体を出店し、ゲーミフィケーションを活用したプロモーションや販促活動ができる。例えば電子カプセルトイでクーポンや景品などを発行し、企業の店舗誘導するということができる。位置情報と連動することで、近隣店舗のクーポンを発行するといった機能も備える。

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アプリのダウンロード数は約100万件。アクティブユーザー数は非公開ながら「非常に高い数字」(小川氏)だという。すでにドン・キホーテやサンリオ、高島屋など約20社が出店している。独自にDMPを構築しており、性別や年齢と言ったユーザー属性、プレイ回数や来店回数、利用時間や場所の観点を加味した各種データを蓄積・解析することで、ユーザーと出店企業の最適なマッチングを図るという。「『カプセルトイで当てた』という能動系なアクションがあるため、コンバージョン率も高い」(小川氏)とのことで、バラマキ型のクーポンと比較して3〜20倍のコンバージョン率を実現しているという。

同社では今回の調達を契機に、Gotcha!mallユーザーの獲得、運営体制の強化、新機能追加に伴うシステム開発などを進める。

トランスコスモスと業務提携では、Gotcha!mallのASEANにおける独占販売権をトランスコスモスへ提供する。今秋をめどにアジア展開を開始し、初年度5カ国300万ユーザーの獲得を目指す。

ブラウザ上の仮想デスクトップDeskdooはその上でどんな仕事でもできる…アプリケーションもクラウドからだ

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ブラウザ上の仮想デスクトップは長年IT管理者の夢で、おもしろい実装もいくつかあったが、どれも非力だった。しかしHTML5が使えるようになった今は、ブラウザの中にデスクトップ体験を作ることがとても容易になっている。Deskdooが、そのことを証明している。

ポーランド生まれのDeskdooは、あなた個人や会社の人たちに、仕事で使うあらゆるものが集まるリポジトリを与える。ほかの仕事をしながらでもMicrosoft Office互換のドキュメントを作ったり、トゥドゥリストを作ったり、ノートをとることもできる。各部課用に複数のデスクトップを作れるし、個人的なファイルを別の場所に保存できる。作者はAdam AdamczykDawid Krawczykiewiczだ。

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小さなITショップは今後絶対に、こういうものを使うだろう。リモートの社員のために仮想デスクトップを作ってやれば、セキュリティは良いし、大量のラップトップやPCがあちこちあるよりも、管理者の手元で(というよりクラウドプラットホーム上で)仮想デスクトップサーバのインスタンスが一つだけ動いている方が管理も容易だ。データがどこへ行ったかわからん!という事故も防げる。

“各ユーザは自分のコンピュータやタブレットに何もインストールする必要がない。サーバも自前ではなく最新のクラウドコンピューティングプラットホームを使っているし、アプリケーションもGoogleなどのサービスで十分間に合う”、とAdamczykは語る。“これは世界初の、クラウド上で動く仮想デスクトップシステムであり、そられが提供しているアプリケーションを厳選することによって、仕事の効率もアップする”。

アプリケーションはほとんどGoogleのツールだから、いわばこのシステムは、“Googleというオペレーティングシステムのためのシェル”だ。たしかに、いまどきの企業のIT部門は、社員各人が自機上で自由にアプリケーションをダウンロード〜インストールして使っている状態は、むしろやばいと言えるのだろう。

〔余計な訳注: ChromeOSの発想に近いね。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Reserve Strapは、Apple Watchのバッテリー寿命を30時間延ばすことを約束する

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Reserve Strapは、同社製Apple Watchバッテリーバンドの最終仕様をつい先ほど発表し、バッテリー寿命を30時間延長することを謳っている。Reserve Strapは11月初めに出荷予定で、価格はかなり驚きの249.99ドルだ。

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Reserve Strap

「特殊熱硬化性弾性シリコンバンド」(笑)は、Apple Watchと同等の防水能力を有し、ホワイト、グレイ、ブラックの3色がある。38 mmおよび42 mmいずれのWatch用ベルトも、バッテリー寿命を「48時間機能する」よう拡張する。

Reserve Strapは、Apple Watch用に作られた初めてのバッテリーバンドであり、多くのユーザーが挙げるバッテリー寿命に関する懸念、特に1回の充電で1日以上使用できない点に答えるものだ。

Reserve Strapは、Appleのバンドデザイン・ガイドラインに完全準拠しており、Apple Watchの保証にも違反しない。ストラップはApple Watchの隠し診断ポートを利用して、時計とバンド両方のシームレスな充電を可能にしている。ただし残念ながら、両方同時に充電するためには、バンドのMicro USBポートを使う必要があり、Watchのマグネット式充電器は使えない。

Appleは、サードパーティー製ベルトをオープンにサポートすることを発表してユーザーを驚かせたが、Reserve StrapのようにApple Watchの隠し診断ポートを活用するデバイスメーカーに対する反応は未だになく、同社のデザインガイドラインでも具体的に使用を許可していない。

そのなせる仕事を考えると、Reserve Strapは驚くほど高価であるが、最高1万ドルにもなるデバイスのバッテリー寿命を大幅に延ばすためなら、大枚をはたく価値があるユーザーもいるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TumblrがGIFの検索と全画面表示ができる「Tumblr TV」をローンチ

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TumblrのGIF検索エンジンが今月の初めに公開されたのに続き、このブログプラットフォームは、GIFを見つけて共有するのに役立つ新機能、Tumblr TVを今日ローンチした。この追加機能は、GIFの検索と閲覧機能を合わせたもので、Tumblr上のアニメーション画像を検索し、全画面モードで視聴することができる。機能の名称の「TV」の部分は、ユーザーが再生、一時停止、早送り、巻き戻しをコントロールする機能を指している。

数週間前に発表した、TumblrのGIF検索エンジンは、ログインしているユーザーがGIFを探して自分のブログにシェアできる機能だ。一方、Tumblr TVはTumblrのアカウントを持っていなくても、誰でも使用できる機能である。

新サービスを利用できる方法はいくつかある。まず、Tumblr TVのURL、tumblr.com/tvに直接アクセスする方法がある。このページでは、デフォルトでTumblrで人気のGIFを表示する。人気度合いは、最近のGIF投稿や直近のエンゲージメントといった複数の指標で判別している。

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特定のGIF検索からもTumblr TVにたどり着くことができる。例えば、Tumblrのダッシュボードから「OMG gif」や「OMG gifs」を検索する場合だ。Tumblr TVのローンチ前からも、このような検索キーワードでTumblrブログのGIFを見つけることができた。しかし、これからは検索結果の上に「TV」ボタンがあることに気がつくだろう。検索画面のビュー形式のグリッドビューと一覧ビューのボタンの隣に表示されている。TVボタンをクリックすると、Tumblr TVのインターフェイスへと飛ぶ。

Tumblr TVでは、GIFは全画面表示される。ただ、基本的に低い解像度のGIFの表示方法としては、必ずしも最適ではないかもしれない。GIFは決められた時間内をループ再生した後、自動的に次のGIFの再生へと移る。Tumblr TVのインターフェイスにカーソルを乗せると、GIFのソース(最初のGIFが投稿されたTumblrブログ)、タグ、巻き戻し、先送り、再生されているGIFに留まるためのTumblr TVを一時停止するコントロールボタンが表示される。

タグをクリックすると、同じタグが付いている他のGIFを探したり、またGIFが最初に投稿されたブログに飛ぶこともできる。

TumblrのGIF検索とTumblr TVは、既にTumblr上に投稿されたGIFのコレクションを活用して製作された。GiphyのようなサードパーティーのGIF検索エンジンを統合しているのではない。Tumblrには現在2億3900万のブログと、毎日8000万以上の投稿がされている。投稿数は現在1120億以上あり、その多くはGIFを含んでいるため、TumblrのGIFの検索サービスには十分なデータベースがあると言える。

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Tumblr TVもGIF検索機能と同様に、Tumblrのユーザーのサービスへのエンゲージメントを高めるために製作された。よってGIFをお気に入り登録したり、リブログしたりできるボタンもある。しかし残念ながら、GIFをTumblr以外に共有する簡単は方法はない。他のソーシャルサイトにシェアするボタンはなく、GIFを右クリックしてローカルに保存することもできない。言い換えれば、Tumblrのユーザー以外でもこのサービスを利用することはできるが、Tumblrのアカウントを持っていないユーザーにとってTumblr TVを活用する方法は制限されているということだ。

これはTumblrにとっては機会損失であるように思う。TumblrのGIFをツイートやシェアで広く共有できるようにすることで、サービス全体のページビュー数を押し上げ、サインアップを促すことができるからだ。またTumblrのブログサービスを、新規のユーザーに対してお気に入りのGIFをまとめて保存する場所として打ち出すこともできるだろう。

同社は、Tumblr TVはTumblrの最も人気の要素GIFへのアクセスを広げるための継続的な取り組みを表していますと伝えた。

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「GIFはTumblrの核となる要素で、私たちは常にこの人気の媒体を掬いあげて、表示する様々方法を考えています」とTumblrのプロダクトエンジニアであるBill Eagerは話した。「Tumblrには、無数の目を見張る良いGIFコンテンツがあり、それらはもっと注目されるべきだと考えています。私たちは、GIFコンテンツに難なくアクセスでき、美しいGIFをユーザーに簡単に届ける方法を作ろうと考えました。Tumblr TVは、クリエイターが新規のオーディエンスにリーチしたり、既存のオーディエンスのエンゲージメントを促す全く新しい方法です。好奇心を刺激する素晴らしい発見ツールであり、Tumblrを奥深くまで探求することを楽しくするでしょう」。

GIF検索のようにTumblr TVは、今のところデスクトップのブラウザからしか利用することができないが、今後、体験を更に良くするためにモバイルの追加も検討していると同社は伝えた。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

米FCC委員長、現行体制を擁護。周波数入札の拡大要請を拒否

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FCCのTom Wheeler委員長は、近く行われる周波数入札で小規模キャリア向けに予約される帯域の拡大を要求する、T-Mobileらからの申入れを却下した。

Wheelerはブログ記事で、「現在予約されている30Mhzというサイズは、予算の限られた事業者による低帯域の利用を可能にしつつ、競争入札を運用するためのバランスを保っている」と主張した。

この発表に先立ち、T-Mobile、Sprint、Dishら小規模キャリアーは、AT&TとVerizonが入札で容易に彼らを負かすことを恐れ、予約帯域を少なくとも40MHzに広げるよう強固なロビー活動を行った。また司法省反トラスト当局は、FCCに対して小規模キャリアの要求に「大きなウェイト」を置くよう、先週要請したばかりだ。

委員会の決定は、多くの小規模キャリアにとって極めて重要な意味を持ち、T-Mobile CEO John Legereはその熱のこもったビデオでアメリカ国民に向かって、FCCに対して「行動を起こせ」と声を上げるよう要求した ― この国が “dumb and dumber”([アホとアホ以下]彼がVerizonとAT&Tを指す愛称)に乗っ取られないために。

T-Moblieは、Wheelerの今日のブログ記事に答えて以下の陳述文を発表した:

「低周波数帯はAT&TとVerizonにとって聖杯だ。もし他人が手にすれば、ビッグ2は価格競争を余儀なくされ、彼らの顧客だけで年間200億ドルを節約できる。これが、携帯電話を持つ人全員がこの手続の結果を享受できる理由であり、FCCは司法省の声に耳を傾けるべきであること、および多くの議員や多くの消費者団体が、予約帯域拡大のために行動を起こしている理由でもある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleのBeats 1ラジオ局、6月30日8am(PT)に放送開始

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Appleは、24時間ライブラジオ局、Beats 1の放送を6月30日午前8時PT(日本時間7/1 深夜0時)にスタートする。Apple Musicのシニアディレクターで前Beats Music CEOのIan C. RogersがTwitterで発表した。

前BBCラジオパーソナリティーのZane Loweら3名のDJがホストを務めるストリーミングラジオ局は、エミネム等のインタビューや、ドレーク、ファレル、エルトン・ジョンをはじめとする音楽業界の偶像を迎えた番組を携えてデビューを飾る。

New York Timesは、一部番組の詳細についても触れ、LoweがEbro Darden、Julie Adenugaと共に、1時間および2時間の放送枠で番組を進行することを紹介している。

Beats 1はApple Musicと合わせてスタートする可能性が高く、おそらく両ストリーミングサービスをサポートするソフトウェアを提供するiOS 8.4の正式公開に続くものと思われる。Appleは、Apple Musicの全ユーザーに3ヵ月間の無料トライアルを提供し、その後は月額9.99ドルになる。ただしBeats 1は、Apple ID登録者全員が無料で利用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google自製の完全自動走行車がマウンテンビューの路上を走り始めた

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Googleは自動走行車プロジェクトの情報をアップデートし、最新のプロトタイプがすでにマウンテンビューの路上を走っている ことを明らかにした。これは昨年12月にGoogleがお披露目したキュートなミニカーの改良版で、Googleがすべてを内製した。完全な自動運転を目的としており、車内にはハンドルなどのコントロールがない。

ただし現在は路上テストの際には万一の事態に備えたバックアップのドライバーの搭乗が義務付けられており、取り外し可能なハンドル、アクセル、ブレークなどが装着される。また自動運転モードでは最高速度は時速25マイル(40キロ)に制限される。ソフトウェアはLexusに搭載されてすでに長距離を走っているものと同一だ。

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Googleのパンダ風のミニカーは先週からスタートしたデザインを公募するプロジェクトのおかげで一層かわいくなった。Googleは「私のコミュニティー、私の隣人」というキャッチフレーズを掲げて、カリフォルニアのアーティストから自動走行車をさらに親しみやすくするペイント案を募集している。

自動走行車が人間の運転より安全だといかに統計的に証明しても、人間というものは統計ではなかなか動かないものだ。むしろかわいらしいボディーペイントの方が普及には効果的かもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+