YouTubeが4K/60fpsのビデオを実験的に提供…見られないコンピュータやディスプレイがほとんどだけど

数か月前にYouTubeは、ゴージャスな60fpsのビデオ再生の提供を開始して、画質向上の階段をまた一段上がった。

そして今回のもう一段は猛烈に高い。60fpsを、なんと、4Kでやるのだ。

ただしあくまでも実験であり、ごく少数のビデオクリップが提供されるだけだ。

でも元々、YouTube上のビデオの多くはそんな解像度やフレームレートで撮られていない。4k/60fpsで撮れるカメラは、ないことはないが、ものすごく高いし、スタンダードからは遠い。

YouTubeが選んだクリップは、どれもゴージャスだ…あなたのコンピュータがそれらを扱えるならね。ディスプレイも3840×2160が必要だ。ふつうの解像度のディスプレイで見ようとすると、画質はかえって悪くなる。最新のRetina iMacで見ると、圧倒的に美しい。でも一年前のMacBook Airでは、…きたなくて見るに堪えない。

下のビデオはYouTube上の4K/60fpsビデオの例だが、再生時に画質設定を4k/60FPSに指定すること(指定できるなら)。バッファリングに相当時間がかかるだろう。

まあ、本誌のオフィスでもそうだったが、現状では、ほとんどのコンピュータ+ディスプレイが4K/60fpsに対応できないだろう。

だから今は、限られた実験なのだ。

自分がYouTubeにポストするビデオを、4k/60fpsで再生することはできない。今実験で提供されているビデオも、わずかに6本だ。

そのプレイリストはここにある

なぜ、今、そんな実験をやるのだろう? サーバのコードや処理方式をいろいろいじって、今の一般的な帯域でもそれが可能になったからだ。昨日(きのう)まで、それは不可能だった。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Google Cloud Launcherで、よく使われる120あまりのオープンソースパッケージを素早くデプロイできる

GoogleとBitnamiが今日、GoogleのCloud Platformで立ち上げる新しい機能により、デベロッパは120あまりのポピュラーなオープンソースアプリケーションをCloud Platformへデプロイできる。GoogleとBitnamiがパックした120あまりのアプリケーションには、WordPress、Drupal、Redis、MongoDB、Gitlab、Djangoなどのほか、RubyやLAMPアプリケーション、Puppetなどのためのインフラストラクチャスタックも含まれる。

Googleが言うようにVMベースのソリューションをセットアップするとき、デベロッパはサービスのさまざまな部位を構成するために多くの時間を費やす。しかしこのCloud Launcherを利用すると、必要なアプリケーションやサービスを指定するだけで、数クリックでその作業が完了する。

GoogleのプロダクトマネージャVarun Talwarが今日の発表声明の中でこう述べている: “デベロッパは設計やコーディングに時間を割くべきであり、ライブラリを見つけてデプロイしたり、依存性を調整したり、バージョニングの問題を解決したり、ツール類を構成したり、といった作業は、デベロッパの貴重な時間を奪う”。

Googleはこれらのパッケージの多くを今後、同社のCloud Monitoringサービスに統合する予定だ。

なおGoogleはすでに、Casandra、MongoDB、Drupal、Joomlaなど一連の人気アプリケーションに関しては、これと同様の”click-to-deploy“(クリックツーデプロイ)サービスを提供している。今回の新しいサービスは、この既存の機能にBitnamiのパッケージを足したもののようだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Apple、箱入りiOSデバイスを設定するための特許を申請


Appleが新たな特許を申請した(via Patently Apple)。これは新しいiOSデバイスをさらに簡単に使い始めるためのもので、箱から出す前に、ユーザーが既に持っているデバイスの設定を移し替えることができる。これが実現すれば、アップグレードの面倒が緩和され、新たに手に入れiPadやApple Watchと共にiOSユニバースを広げることもいっそう簡単になる。

新しい特許に書かれているパッケージには「Tap here」というシールが貼ってあり、ユーザーが手持ちの端末で軽く叩くべき場所が示されている。すると箱の中の新品デバイスは、BluetoothかNFC等の短距離無線通信手段を使って通信を開始して設定、ロック画面の画像、ユーザー情報さらにはダウンロードすべきアプリのリスト等を、既存の端末から箱の中の端末へと転送する。

Appleの発明には、箱入りデバイスの複数の電力モードに関する記載もある。「完全無電力状態」は、例えば工場から小売店あるいは配送センターへの移動時に用いられ、「低電力状態」はユーザーの既存デバイスから、設定するためにフル電力モードへ移行することを促す要求を受け付ける。

特許はまだ続き、箱入りデバイスが、恐らくタイマーあるいは内蔵加速度計が検知した動作をきっかけに、”discovery messages”を発信する状況についても説明されている。これは、箱入り商品が家に持ち帰られた後、既存の所有デバイスに設定手順に関する通知をするために使うことができる他、店内での購入時にも利用できる旨が書かれている。つまり、客が店の棚からiPadの箱を取り出した時、その人のiPhoneに「ショッピングカートに追加してください」というメッセージを送ることができる。

さらには、2つの端末間での通信を利用して、箱入りデバイスが実際に購入されたものであることを最初に検証し、もし盗まれたものであれば初期設定をロックできることも示唆している。例えば店のスタッフから承認通知を送ったり、郵送の場合なら出荷前に登録アドレスを承認するためにも使える。

この特許の、小売販売や端末設定体験に関する範囲の広さや与える影響の大きさは驚くばかりだ。昨年の第3四半期に出願されたばかりであり、今後の製品に適用される可能性は十分にある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


SwingmailはメールもFacebookメッセージも一緒に扱えて、最小限の情報だけに絞るiOSアプリ

今日、日本のスタートアップであるBHIがローンチした「Swingmail」は、メールとFacebookメッセージ、TwitterのDM、アプリ経由でFaceTimeなどでかけた電話履歴を、全部まとめて見れるiOSアプリだ。コミュニケーションする相手単位でアプリ横断的に見ることができ、「メールしといたから!」とメッセするような矛盾と混乱から、われわれを救ってくれるかもしれない。

Swingmailはこれまで2013年12月に実験的バージョンをリリースし、その後もオーストラリア、北欧、英国、カナダ、そして2015年1月には北米市場向けとしてテストローンチをしてきたが、今回新バージョンとなる3.0で日本での提供を開始してマスターローンチをした形という。

最近、GoogleがGmailのモバイル向け再発明としてInboxをリリースしたり、Dropboxが買収したことで話題となったMailboxなど、メールのユーザー体験を再発明しようという動きが出てきている。背景にはプッシュ通知によるノーティフィケーションであれ、メールの新着であれ、われわれはもはや洪水のようなメッセージにさらされていることがある。これを解決しようというのがSwingmailだ。

従来のアプリとの違いは、すでに書いたように同一人物である限り、アプリを問わずに1つのスレッドにまとめてくれることが1つ。これについてはYahoo.comのメールやLinkedInのメッセージなど、APIで利用可能なところは今後も対応していくといい、こういうクロスプラットフォーム対応ができるのが、Googleのような大手企業との違いだという。GoogleのInboxがGoogle+に対応しても驚かないけど、LinkedInやFaceTimeに対応したら、だいぶ驚くよね、ということだ。Swingmailではメッセージに対する返事も、右や左にスワイプすることで、電話(音声)による返信なのかテキストなのかを選ぶことができる。

BHIを創業し、2013年4月には大和企業投資株式会社に対して第三者割当を実施(金額は非公開)するなど着々と準備を進めてきた日昔靖裕さんによれば、徹底したい設計哲学は「less is more」で、メッセージのインボックスに届くのは、すでにメッセージのやり取りをしたことがある知人からのものに限るという。何らかの理由でトヨタの社長からあなたのところにメールが来ても、今のところSwingmailのインボックスには届かない。「将来的には、重要人物ならばやり取りしていなくても届くように機械学習していくものを作っていきたい」(日昔氏)のだそう。Swingmailを入れてTwitterやFacebook、Gmailのノーティフィケーションをスマホでオフにしてしまえば、必要なもの以外で気が散ることがなくなる、というのが1つの運用形態だという。

BHIはSwingmailのほか、コンタクトリストの「Swingbook」、予定管理の「Swingcal」を今後1週置きにリリース予定だが、これらも less is more で設計してるのだとか。Swingbookで表示されるコンタクト先は15人だけ。その15人はコミュニケーション頻度のほかに端末の位置情報も加味していて、ニューヨークにいるときには、その周辺の人々の表示優先度が上がるといった具合だそうだ。「そのときに誰に連絡したいかを当てる」(日昔氏)というのがSwingbookの本質だという。確かに、今のコンタクトアプリは直近にアクセスしたもの順に表示するという素朴なアプローチだけとなっているが、やるべきことはもっとあるのかもしれないと個人的には思う。この時間帯に同僚に電話するわけないだろ、それぐらい分かってよ、ダム・フォン! とか、そういうことだ。

予定管理のカレンダー、Swingcalでは同じイベントに紐づくべき人を予測してグループとしてまとめるような機能を実装しているのだという。コンタクトが15人のみとミニマムにしているのと同じで、Swingcalは1週間先までしか予定を表示せず、予定に人が紐付いているのも特徴。「カレンダー形式をした連絡帳と思ってもらえれば」(日昔氏)という。

SwingmailとSwingbook、Swingcalの3つは相互に連携できるよう設計されているが、個別に利用することもできる。

どういうユーザーがターゲットかと聞いたところ、「ガチガチのスーツの仕事はイメージしてない。どちらかというとフリーランス寄りで、仕事とプライベートが混ざってカオスになっている人がターゲット」と日昔さん。

プロダクティ・ツールは結構ホットなM&A狙い市場

「もともと自主制作で映画やドキュメンタリーを撮影していた」という日昔さんは、どちらかというとITを毛嫌いしていたタイプと自らを語る。ある映画祭での受賞をキッカケに予算が付いてパリに3年住んだり、上海で一般人エキストラを集めて映画を撮ったりしていた。映像制作プロダクションの立ち上げのときは渋谷の電信柱に広告を貼って回ってインディーズのミュージック・ビデオを1本3万円という格安で作っていたりもした。

そんな日昔さんは、海底調査を行う科学調査船「ちきゅう」でドキュメンタリーを撮影していたとき、寄港した沖縄で初めてiPhone 4Sを買った。そして情報過多と分散が起こっていてメッセージのやり取りが「壊れている」と感じたことが起業のキッカケだそう。船上で事業計画を書き、2012年にサムライインキュベートから430万円の出資を受けた。最初は自分1人だけでiOS向け開発フレームワークのTitaniumを勉強しながらiOSアプリを作り始めた。いまはエンジニアとデザイナを中心に非常勤やアルバイトも含めると、チームは13人になっている。

正直ぼくはSwingmailのデモを見た程度なので、どのくらい生産性ツールとしてイケてるのか分からない。ただ、メッセージもコンタクトも予定もミニマムに絞るというアイデアと、そのために機械学習を取り入れるというのは良い狙いに思えるし、UIと同じくらい課題はむしろサーバサイドだというのも説得力を感じる話ではある。

生産性ツールは類似のものが大量に出てきていて、メールだけでもBoxer、CloudMagic、Dispatch、Seed、Evomail、Triageなどさまざまにある。一方で、MicrosoftやAppleといったプラットフォーマーによる買収が頻々と起こっているホットな市場でもある。2014年12月のMicrosoftによるAcompliの2億ドルの買収や、同じくMicrosoftによるSunriseの1億ドルでの買収、2013年3月のDropboxによるMailboxの1億ドルの買収などが大きな成功例だ。

「プロダクティビティツールは国境ない」というBHIには、現在スウェーデン人やイギリス人が社員がいて、日本はもとよりグローバルで定番ポジションを目指すという。


偏頭痛の原因をスマホで解明する「頭痛ログ」、GREE Venturesなどから約1億円を資金調達

世界では10億人が偏頭痛持ちだと言われているが、その原因はよくわかっておらず、抑制する薬もあるが根本的な解決にはなっていない。シンガポール発のHealint社は、この原因をスマートフォンアプリで解明しようとしているスタートアップだ。患者がアプリで記録した症状を、世界中の患者の症状ビッグデータと照合することで、偏頭痛の原因を特定する。例えば、睡眠時間が短か過ぎる、 アルコールの飲み過ぎ、といったことがわかれば、生活習慣を個人個人で改善すれば偏頭痛の症状を予防することができるはずだ。

Healintは日本で「頭痛ログ」のAndroidアプリを提供していたが、本日3月27日にiOSアプリをリリースした。TechCrunch Japanはこれを機会に来日したCEOのフランソワ・カディウ(Francois Cadiou)に話を聞いた。彼によると、日本人はアプリを長期的に使ってくれると言い、膨大なデータを取得できるのではと期待しているようだ。

Healintはこの来日で、Wavemaker pacific (DFJ network)、GREE Ventures、Shinryoku、エンジェル投資家などから計110万シンガポールドル(約1億円)あまりを調達完了している。

偏頭痛が起こる原因は複合的で人それぞれ

偏頭痛は頭痛とは違うものといわれている。頭痛は何か体に疾患があって、それが原因で起こるが、偏頭痛は違う仕組みで起こる。その原因は個人個人で異なり、スポーツをしてホルモンが出過ぎて起こるとか、コーヒーとストレスでなる人もいる。ある日、花粉がトリガーとなり偏頭痛になった人もいる。また、偏頭痛を抑制する薬の飲み過ぎ、例えばイブプロフェンの飲み過ぎなどによっても起こる。

従来は患者がどんなときに頭痛が起きたかを細かく紙媒体に記入し、医師が小規模な統計データを取っていた(右の写真のような手帳)。Healintは、こうした紙媒体のやりとりをアプリで実現するものだ。解析システムと直結して、世界中から症状データを取得できるようにしている。

既に海外ではアプリがリリースされていて、米国では通院しているクリニック等で使用を勧められてアプリをダウンロードするケースが多いという。アプリ内で症状を報告する項目はかなり詳細にわたるが、むしろ患者は「これでも足りない、もっと詳細に記録すべきだ」と訴えているほどだという。Healintのアプリは現在全世界で5万ダウンロードされている。

花粉、季節、気温や大気汚染も要因

Healintによるビッグデータの解析は始まったばかりだが、それでもいくつかの事実はわかってきた。 花粉、季節、気温の変化等がファクターになっていることがわかってきている。また、大気汚染もファクターになっている可能性があり、現在解析を進めているところ。まだサンプルが少ないという。以下はこれまでに分かった日本の利用者の偏頭痛の傾向を示すインフォグラフィックだ。

Healintでは、偏頭痛の症状のビッグデータ解析により世界のどこで偏頭痛が起こっているのかをマップにできる。しかし日本ではデータがないので、今のところ真っ黒になっている。ここをもっと詳しく調べてみたいとHealintでは考えているという。 国内では「頭痛ログ」と同様なアプリがいくつかある。Pockeの「頭痛~る」は、頭痛と気圧が関係するという仮説のもと、気圧が通常より大きく下がるときにグラフ上に表示してお知らせする。スリーエースの「頭痛 web ノート」は、偏頭痛患者がスマートフォンに登録した頭痛履歴を、医師が確認できるアプリ。Plusrの「頭痛ノー ト」は突発的に起こる頭痛の頻度や程度、誘因や前触れ、服薬記録を行えるアプリ。

父親の脳卒中がキッカケで起業

フランソワが起業したのは、彼の父親が脳卒中で2度倒れたことがきっかけだった。不随になった父親を、緊急時にどうしたら助けられるか。そう考えたフランソワは、脳卒中になった瞬間でも、スマホを振るだけで緊急事態を知らせるアプリを自前で開発。それは「ShakeIt」というアプリサービスだったが、その後の偏頭痛アプリ開発につながった。

フランソワは日本に交換留学したことがあり、卒業後フランス製薬会社大手Sanofiに勤務し、新薬開発のための統計データのマネージメント等を担当した。その流れでヘルスケアにフォーカスしてきたという。

その後、Healint社を立ち上げるため、最初ベンチャーキャピタルに相談したが全く聞き入れられずに苦労した。紆余曲折を経て、ヘルスケア分野のマーケティングプロフェッショナルと機械学習プロフェッショナルを共同創業者に迎え、JFDI等から資金調達したと いう。

この事業のビジネスモデルでは、患者からでなく、製薬会社等企業から資金を得るようにしている。製薬会社からバイアスはかからないのかという質問に対しては、それは製薬会社トップの人物を見極めてやっていて、誠実な企業としか取り引きしないという。

ビッグデータによる偏頭痛の解析というビジョンのほか、今後医療方面のデータ活用はどう進展いくのだろうか? 彼によると、これからヘルスケア分野ではプレシジョン・メディスン(Precision Medicine)がもっと発展していくという。プレシジョン・メディスンとは、がんや希少疾患を対象として、「ゲノム情報・環境要因・ライフスタイル」が「健康維持・疾病発症」にどのように影響するかを調べ、個人個人にあった治療法や発症予防法を開発するものである。

(Hiroki Takeuchi / POYNTER CEO Ph.D)


F8:FacebookのAquilla大型太陽光ドローンはインターネット接続を万人に提供する

今日(米国時間3/26)はFacebookのデベロッパー・カンファレンス、F8 2015の2日目だが、今朝のキーノートでCTOのMike Schroepferkが何十億人もの人々に新たにインターネット接続を届けようとする同社の試みのカギとなるハードウェアを明かした。

Aquila〔ラテン語でワシの意味〕というコードネームで呼ばれる巨大ドローンは翼幅がボーイング767ほどもある。しかし極めて軽量の素材を用いるので、重量は自動車1台分程度だという。

今日のF8ではこの他にもオープンソースの開発ツール、React Nativeやビデオやテキストのコンテキストを理解する新しい人工知能のデモも行われた。

Aquilaが信じられないほど軽いのは、太陽光を動力源に連続して3ヶ月も滞空しなければならないからだ。大型ドローンを6万から9万フィート〔18kmから27km〕の高空に長時間飛ばすだけでも難しい課題だが、Facebookの目的はこのドローンを利用して地上の人々にインターネット接続を提供しようというところにある。

Aquila is the first complete concept we’ve seen come out of Facebook’Facebookがイギリスのドローン・スタートアップAscentaを主として人材獲得のために買収したのは約1年前になるが、その成果がまとまった形で公表されたのは今回が最初だ。〔Googleも同じ頃インターネット接続提供のためにドローン・スタートアップ、Titan Aerospaceを買収している。〕Aquilaはこの夏にも試験飛行が予定されているが、実用化開始までにはさらに数年かかるもようだ。

画像: Harvest Zhang/Facebook

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon、クラウド・ストレージで強烈攻勢―月1ドルで写真を無制限に保存、5ドルなら全種類無制限

去年、Amazonはプライム会員向けにCloud Drive容量無制限、無料の写真ストレージを提供した。今日(米国時間3/26)、Amazonは有料の容量無制限のストレージ・サービスを発表した。Unlimited Cloud Storageと呼ばれる新サービスはプライム会員以外のユーザーも対象となり、写真以外のファイルのアップロードもサポートされる。これには2種類のプランが用意され、写真のみを対象とするプランは年額11.99ドル、unlimited everythingというビデオやPDFファイルなどあらゆるメディアファイルがサポートされるプランが年額59.99ドルとなる。

また最初の3ヶ月間。無料トライアルができる。

Amazonのこの動きはDropbox、Google、Microsoftその他クラウド・ストレージ分野のライバルに対して真っ向から勝負を挑むものだ。「容量無制限」のサービス自体はこれが初めてではないが、広く一般ユーザーを対象としたものとしてはこれが最初の試みだろう。たとえばDropboxの容量無制限プランはDropbox for Businessの中にある。同様にGoogleの場合も容量無制限サービスは教育機関向けエンタープライズ向けDrive for Workの一部となっている。今回のAmazonのサービスにいちばん近いのはMicrosoftだが、それでも無制限の容量が提供されるのはOffice 365の契約者だ。

この新サービスの狙いは、明らかに一般ユーザーだ。今や一般消費者がもつデジタル・コンテンツはさまざまなデバイスとプラットフォームをまたいで、大量かつ無秩序にちらばり(おっと、私もそうだ!)、伝統的な方法による管理が限界に近づいている。.

Amazonのクラウド・ドライブのディレクター、Josh Petersenは、「多くの人々は誕生パーティー、バケーション、旅行その他ありとあらゆる無数の記憶すべき瞬間を多様なデバイスの上に保存している。そのすべてをバックアップするには何ギガバイトあればいいのかもわからないという状態だ。われわれが今日発表した2種類の新しいプランを使えば、消費者はもうストレージについて心配する必要がなくなる。写真、ビデオ、映画、音楽、その他あらゆるデジタル・コンテンツを安全、確実、かつ手頃な料金で一箇所でまとめて保存、管理できるようになる」とコメントした。

現在AmazonのCloud Driveのユーザー数がどれほどなのか、正確なところは不明だが、Amazon Musicなど既存サービスのユーザーを転換させるというより、まだクラウド・ストレージをまったく利用していない一般消費者から大量の新たなユーザーを獲得することを目的としているようだ。

ただしすでに写真について無料で容量無制限のストレージを提供されている既存のプライム会員やFireデバイスのユーザーも追加料金を払えばUnlimited Everything プランを利用できる。またCloud Driveの他の他のプランのユーザーも今日から新サービスに乗り換えができる。

Amazonによる新サービスの紹介は以下のとおり。

無制限写真プラン(Unlimited Photos Plan) 最初の3ヶ月は無料試用期間。その後は年額11.99ドル(すなわち月1ドル以下)。契約者は枚数制限なしに写真をCloud Driveに保存できる。ユーザーは撮影した写真をデバイスからアップロードすることも、既存の写真フォルダーをアップロードすることもできる。このプランにはビデオや文書の保管のために5GBの容量が追加提供される。

無制限全種類プラン(Unlimited Everything Plan) 最初の3ヶ月は無料試用期間。その後は年額59.99ドル(すなわち月5ドル以下)。写真、ビデオ、文書、映画、音楽のファイルを本数無制限でCloud Driveに保存できる。

〔日本版〕Amazonの日本版クラウド・ドライブのトップページには新プランについてまだ記載がない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


金融からバイオまで、Yコン2015年冬期クラスの注目スタートアップ10社


昨日、Y Combinatorは今までにない印象的なスタートアップの数々を発表した。医薬品、金融、マーケットプレイスを大きく変えるようなアイディアをそれぞれが持っている。私たちは、各企業のデモを精査し、ファウンダーたちに話を聞いて回った。著名な投資家にもそれぞれのお気に入りを聞いた結果をまとめ、 YC Demo Day2に登場した2015年冬期クラス47社から、TechCrunch が注目する10社のスタートアップのリストを作成した。

これが、そのリストだ。順番は特に関係ない。

Campus Job大学生のパートタイムの仕事やインターンシップ探しを助ける。

学生はプロフィールを入力し、企業の応募条件を確認したら、すぐに応募ができるプラットフォームだ。Campus Jobには既に、登録している2200の大学と10万人の学生にリーチしたい1300社の企業が有料で利用している。

注目理由:大学生は、もう公式プロフィールサイトを必要としていない。彼らは成果がほしいのだ。この場合は「仕事」だ。Campus Jobsは、単純明快なニーズを埋めることができるので、多くの人を惹き付けた。LinkedInのようにプロフィールを入力して、仕事のオファーがあるのを祈るだけではないのだ。

Seed 中小企業向けのオンライン銀行。
Seedは、ユーザーの情報を持って、ローンを受けられるかの事前審査を行う。ユーザーは、わざわざ自分で承認されるローンを探さなくても良くなる。Seedには、今まで通りの銀行業務を担うパートナーがいる。このパートナーとはレベニューシェアでの提携をしている。彼らは、バンキングAPIを公開し、クライアントソフトウェアを近々ローンチする予定だ。

注目理由:ローン選びは人生でも大きな決断にも関わらずどれを選んで良いのかは分かりづらい。Seedがユーザーの味方となってガイドすることで、多くの人が適切なローンを選んでお金を節約し、それを貯蓄に回すことができる。

Atomwise新しい医薬品を開発するソフトウェア。
Atomiseは、スーパーコンピューター、人工知能と特殊なアルゴリズムを使用して、何万通りにも及ぶ分子構造の配列から、今後医薬品として使用できる可能性のあるものを予測する。新しい医薬品を開発するコストと時間を削減することを目指している。医薬品の開発には、何ヶ月、あるいは何年にも及ぶ期間と何百ドルもの資金が必要だ。Atomwiseは、人工知能と機械学習を駆使し、何千ドルもかかっていた調査を一日で行うことができる。

4ヶ月前には、エボラ出血熱に対抗する医薬品の研究に乗り出した。Atomwiseによって導きだされた2つの医薬品は、エボラ出血熱の治療薬として使用されることになるかもしれない。これを見つけ出すのにかかった費用は1000ドル以下で、期間も1週間程度であったとこのスタートアップは報告している。

注目理由:製薬会社は、何万ドルもかけて新薬の開発を行っている。Atomiseはこの技術の特許を持つか、発見した医薬品を直接マネタイズするかは分からないが、いずれにしろ彼らは私たちの健康を守りながら、莫大な利益を手にすることができるだろう。

Meadow :医療大麻の宅配。

簡単に言うと、クリック一つで医療大麻が届く。Meadowの事業は週に20%のグロースが見られ、月のリテンション率は56%だ。他のオンデマンド医療大麻の宅配アプリとは違い、Meadowは医療大麻を保有しなければ、触りもしない。彼らは薬局に、配送手段、商品の販売場所、そして在庫管理のソフトウェアを提供している。これは27億ドルの市場で、2019年には110億ドル規模に成長すると見込まれている。「医療大麻がこんなに利益が出るなんて、誰も知らなかっただろう」と共同ファウンダーのDavid Huaは、YC Demo Dayに来ていた聴衆に話した。

注目理由:Meadowは他のどの医療大麻の宅配サービスとも一線を画している。私たちの中で彼らが高評価なのは、彼らは医療大麻を扱う薬局に特化したバックエンドの管理ツールと商品の販売場所を提供しているからだ。そして、市場への卓越した正攻法でのアプローチは、Meadowを医療大麻市場で確固たる地位へと押し上げることになるだろう。

Notable Labsがん治療をパーソナライズする。
病と対抗するのに、医薬品の調合は有効な手段だ。しかし、一人の患者に最適な医薬品を探すにも、医薬品の調合のバリエーションが多すぎるのだ。Notable Labsは、患者のがん細胞を研究室へと持ち帰り、どの医薬品の配合が効果的かを実験して探すことができる。そこで得られた結果は、患者の担当医師へと伝えられる。これにより、米国食品医薬品局からの指摘リスクを軽減し、さらに大手製薬企業の特許薬を使用しなくても良くなる。

注目理由:寿命が延びるほど、がんによる死亡率が高まるだろう。しかし患者に新しい医薬品を投与するのは危険でもあるし、高額でもある。がん治療の一環にテクノロジーを取り込むことで生存率があがるかもしれない。家族の健康を守るのに、お金を出さないという人もいないだろう。

Akido Labs ヘルスケア用の統一API。
Cleverが教育関連のデータを開放したように、Akido Labsはヘルスケアの情報を開放しようとしている。彼らは、病院のベンダーにプロダクトを販売する。ベンダーは、病院のバックエンドシステムを開発するのにその病院ごとのカスタマイズを施さなければならない。Akidoは、そのベンダーと病院の間に立ち、病院から提供されるデータの規格を決めることで、ベンダーが簡単にシステムを構築することを助ける。Akidoのテクノロジーは医療用のシステムを簡単に安く構築することができ、患者に良い治療を施すためのプラットフォームを作るのに役立つだろう。

注目理由:非効率的なシステムにコストがかかっているのは理不尽だ。患者は通院する病院の古いデータ設計のために余分に料金を支払っていることになる。Akidoは、病院とベンダーの問題を解決して利益を得るだけでなく、医療の分野で幅広く使用できるソフトウェア開発のプラットフォームにもなりうる。

DroneBaseオンデマンドドローンサービス。
ユーザーがボタンをクリックすると、DroneBaseは近くにいるドローン操縦者とドローンをユーザーの元へと送り届ける。例えば、建築やインフラ建設のようなプロジェクトで、画像、動画、地図を撮影したい場合にドローンは適している。このサービスは、民間企業がドローンを購入し、操縦者を雇うことや、あるいはサプライヤーに代金を支払うことがなくなる。DronBase は、衛星、飛行機、ヘリコプターの代わりになることでコストを削減しながら、利用する企業に彼らが求めるデータをすぐに届けることができる。

注目理由:ドローンは、一般的に危険で、コストも時間もかかる工事現場での仕事ができる。問題は、ドローンを扱うのは手間がかかるということだ。DronBaseには、ドローンを民間企業が簡単に利用できるようにし、彼らがコストを掛けずに、手間なく使えるメリットがある。

MashGin機械が商品を認識するセルフレジ。
MashGinの小売り店鋪用のセルフレジは、カメラと画像認識を活用して、商品をスキャンして判別し、レジに代金を登録する。リンゴや缶ジュースといった商品を、MakerBotの3Dプリンターのような機械に置くだけでいい。店員が情報を入力したり、バーコードを読み取ったりする必要はなく、機械が自動で商品を認識し、ユーザーはクレジットカードを機械に通すだけで支払いが完了する。MashGinは、FacebookとBell Labsにいた2人組みのチームだ。MashGinは、人の目による確認に依存していた多くのビジネスで取り入れられるかもしれない。彼らは、大手小売店から月々5000万ドルでサービスを使いたいという内容の連絡を受けたばかりだ。

注目理由:MashGinは、様々な小売店のレジを置き換える可能性を秘めているが、これは小売店だけに留まらないだろう。人の目で行われていた品質管理のような仕事も、この機械が取って代わることになるかもしれない。

Bonfire :提案依頼書による提案内容の管理。
提案依頼書を受けたベンダーから提出される各提案を吟味し採択する方法(RFP システム)で、年間3兆ドルもの金額が動いている。企業が5万ドル以上する物を購入する際は提案依頼書を作成し、潜在的なサプライヤーからの提案を待つ。その中から最適な提案を採用するのだが、この提案から採択までのプロセスには何ヶ月もかかる。Bonfireは、企業の提案依頼を管理し、どの提案が最も良いかバイヤーに伝えるのだ。Bonfireは、大企業や政府に年間5000ドルでサービスを提供しているが、集めたデータを基に、どのバイヤーにはどのサプライヤーが適しているかなどの解析を行うことで、さらに大きなビジネスになることを計画している。

注目理由:RFPを経験した者なら分かると思うが、これはうんざりする方法なのだ。ただ、この方法で驚くほど莫大な金額が動いていることも事実だ。提案の標準形式を設定し、Bonfireに情報が集約するほどBonfireは優秀な意思決定を下すことができるようになる。最終的に、サプライヤーが提案を出す前から、どこのサプライヤーと組むべきかが分かるようになるかもしれない。

EquipmentShare重機専用のAirbnb。

何兆ドル分の重機が使用されるのを待っている。常時、全重機の75%が待機しているのだ。EquipmentShareでは、土建業者が使用していない重機を貸し出すことができる。このスタートアップは料金の20%を手にするが、これは貸し出し業者から重機を借りる場合に比べると30%も安い値段であり、土建業者は年間で平均90万ドルを重機を借りるのに費やしている。EquipmentSharedは小さい土建業者でも彼らが必要とする重機をお手頃な値段で購入したり借りたりすることができるようになる。また、使用していない移動クレーンやコンクリートミキサーを貸し出すことで、継続的な副収入を得られるようにもなる。

注目理由:仲間内で物の貸し借りを行うようなシェアリングビジネスは、家や交通手段の分野ではとても利益が上がるビジネスであるということが証明されている。次は建築業界で、同業者が保有する資産を効率的に循環させることにより、古くからある業界から利益を出すことにつながるかもしれない。

他にも気になったスタートアップ

Transitmix効率的な交通網のためのソフトウェア。
街を走るバスの路線や時刻表を作成するのに、まだ紙を使用している主要都市はいくつもある。Transitmixは、都市計画において交通システムをどのようにすべきかを考えるのを助けるソフトウェアだ。Transitmixはアメリカとカナダの20の主要都市において、既に契約を交わしている。人口統計データとコスト分析を行うこのソフトウェアは、世界中のどの都市でも使用することができ、都市計画を楽にする。彼らの販売サイクルは60日で、ランレートは100万ドルとなった。このスタートアップの街の運用を良くするために開発したソフトウェアは、40億ドルの市場を狙うことができると彼らは話した。

注目理由:都市部での交通渋滞は年々酷くなっているにも関わらず、自治体が交通システムを変えるのは難しい作業である上に時間もかかる。Transitmixを導入するには費用がかかるが、交通渋滞を緩和するために必要な技術を活用することで、結果的に納税者の負担を減らすことになるだろう。

20^n遺伝子組み換え生命体で有用な化学薬品を生成する。

製薬会社は特殊な化学薬品を生成するのに、莫大な費用をかけている。20^nが開発したソフトウェアでは、どの遺伝子を使用すれば、有用な化学薬品を生成できる遺伝子組み換え生命体を生み出せるかを予測する。彼らは、医薬品タイレノールの有効成分であるアセトアミノフェンを生み出す方法を発明することができた。また別の化学薬品を200万倍安く生成する方法も見つけた。20^nは、米国防総省高等研究計画局や大手化粧品会社から、1700万ドル以上の契約を結んでいる。彼らは幅広い化学薬品を生成できるようになること目標としている。

注目理由:20^nの登場は、Y Combinatorが科学的な根拠に基づいたアイディアで、ニッチなコンシューマー向けのプロダクトにも注目していることの表れとも言える。このような化学薬品を生成する生命体が、実際に有用な化学薬品を生成できるのかは時間が経ってみないと分からない。ただ、このような大きな野望を持つスタートアップも、次にバズリそうな写真共有アプリと同じくらい注目を浴びるべきだと思う。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook


1500社の工場やデザイナーを結んでものづくりを支援するプラットフォーム「ツクリッテ」

 

フリマから家事手伝い、クラウドソーシングまで、ネットを使ってモノやリソースをマッチングするプラットフォームは数多く出てきている。エンファクトリーが手がける「ツクリッテ」は工場やプロダクトデザイナーをマッチングすることで、ファッションアイテムや小物などのものづくりを実現するプラットフォームだ。

エンファクトリーはオールアバウトの1事業として2005年にスタートしたECサイト「オールアバウトスタイルストア(現:スタイルストア)」がその母体。2011年にオールアバウトから新設分割してオールアバウトエンファクトリーを設立。2013年に社名をエンファクトリーに変更。現在はイード傘下となっている。

エンファクトリーではこれまでいくつかの事業を展開しているが、前述のスタイルストアでは、同社がセレクトした商品のほか、開発協力をした商品などを販売しており、これまでに1500社の工場やプロダクトデザイナーなど、ものづくりに関わる人たちをネットワーク化してきたのだそうだ。

そんなものづくりに関わる人たちをマッチングするのがこのツクリッテ。あるつくり手が「こういったノウハウ・商品を持っている人を探している」となったときにこの1500社の中から、依頼すべきつくり手を探すことができるという。

つくり手の紹介ページ

ツクリッテでは、ただやみくもにつくり手を検索する、というサービスではないないそう。コーディネーターと呼ばれる識者が間に入ることで最適なつくり手をマッチングしてくれるそうだ。「もの作りの業界は閉じていて、誰がどんなことをできるのか分かりにくかった。実はスタイルストアの出店者に対しては個別に人を紹介するようなことは4年ほど前からやってきた。それをプラットフォーム化したのがツクリッテだ」(エンファクトリー執行役員副社長清水正樹の清水正樹氏)

エンファクトリーでは初年度30件のマッチング、1万社のネットワークを目標に掲げる。また今後はスタイルストアをはじめとした販路の拡大など、幅広くものづくりに関わる企業を支援していくという。


コロプラが学生特化の投資事業を開始–新会社コロプラネクストを設立


コロプラが学生起業に特化した投資活動を開始する。同社は3月26日付けで100%子会社のコロプラネクストを設立したことを発表。学生起業家支援に特化したベンチャー投資ファンド「コロプラネクスト1号投資事業有限責任組合」を立ち上げ、投資活動を開始した。

コロプラネクストの設立日は2月10日、資本金は1億円で100%コロプラが出資。代表取締役社長には山上愼太郎氏が就任する。

コロプラの説明によると、コロプラネクストは「世界でも通用する日本発のベンチャー企業の輩出」を目的にしている。コロプラ1号ファンドの投資の条件は代表者が学生であること、インターネットを使った事業を展開していることなど。コロプラ創業メンバーであり、代表取締役社長を務める馬場功淳氏がメンター、取締役副社長の千葉功太郎がエバンジェリストとして起業を支援する。


KDDI ∞ Labo第8期メンバーお披露目、IoT関連スタートアップは2チーム

KDDIが2011年から続けているインキュベーションプログラム「KDDI ∞ labo」。その第8期プログラムの採択チームが発表された。

通信キャリア発のインキュベーションプログラムとして、これまでも多くのスタートアップを輩出してきたこのプログラム(直近にあった第7期のデモデイの様子はこちら)だが、KDDI新規ビジネス推進本部 KDDI ∞ Labo長の江幡智広氏によると、今回は応募数で前期比2倍、しかもIoT応募は全体の約1割に拡大(以前は1〜2%だったそう)。平均年齢は30.4歳、女性代表の応募は全体の5%(前期と同率)だという。

また、これまでの応募傾向を振り返ると、3期ころまでは特化型SNSなどのソーシャル要素の強いサービスやツール系のサービスが中心だったが、その後4〜6期はジャンルが多様化。BtoBのサービスも増えてきた。そして最近ではIoT領域が増加している。

今回選ばれたチームは以下の5つ。

シンデレラシューズ
「バーチャルなシューフィッター」を目指すサービス。ウェブサイトで足のサイズ、形といった情報をアップロード。足と靴の情報を解析して、サイズだけにとどまらない「ぴったりの靴」を選び出す。欲しい靴は各ECサイトから直接購入できる。三井不動産がサポートを担当。

LYNCUE(リンキュー)
「照明」を世界中どこにいても同じ体験や空間を共有するためのプロダクトとして定義。ペアリングした端末(カメラとプロジェクタを備えた照明機器)を使って、遠隔地とのコミュニケーションを行う。日立製作所がサポートを担当。

Oshareca(オシャレカ)
美容室の予約サービスを開発する。こう聞くとありきたりに聞こえるが、実は現在のネット予約は、新規顧客の集客に特化しているものがほとんどなのだそう。Osharecaでは、既存客に特化した予約サービスを提供する。クレディセゾンがサポートを担当。

Bee Sensing
代表の松原秀樹氏はIBMで営業を経験したのち、養蜂業で起業した人物。蜂の巣箱にIoTを導入して巣箱を管理。養蜂業の効率化を進める。凸版印刷がサポートを担当。

PICK UP!
DIYにまつわるハウツー動画を企画・制作する動画メディア。テレビ朝日がサポートを担当。

∞ Laboでは第7期から「パートナー連合プログラム」と称して、企業が採択チームの支援を行う取り組みを進めている。今日江幡氏に聞いたところだと、パートナー企業は採択チームの選考からコミットしているそうだ。ただ前回の第7期のメンバーにしても、小さい規模での連携は進んでいるが、大規模な事例についてはこれからとのこと。


PlayStation 4のアップデートでゲームの中断/再開ができるようになった、外部ハードディスクへのバックアップも

Sony PlayStation 4の最新アップデート”Yukimura”には、プレイヤー待望のSuspend/Resume(中断/再開)機能がある。一時停止するとPS4はRest Mode(休憩モード)に入り、再開すると、さっきやめたところから始まる。

このSuspend/Resume機能を使うと、いちいちセーブしてからアクションを止めなくてもよい。またRestModeで低電力消費の静止状態に入っても、何ごともなかったかのように蘇生する。これまでは、こういう一時的なポーズをするためには、メニューを開いて何かをチェックするふりをする必要があった。メニューが開いている間(かん)、ゲームはフリーズする。

YukimuraすなわちPS4のソフトウェアのバージョン2.50には、本体のHDDの内容を外部のUSBドライブ(ハードディスクやSSD)に/からセーブ/リストアするバックアップ機能が加わった。設定も、保存したデータも、ゲームのスクリーンショットも、パッチもダウンロードも、…システムのすべてをバックアップできる。

保存したデータのバックアップは前にもできたが、それはUSBのフラッシュドライブだけで、しかも新たなセットアップ(あるいはリセット)が必要ならシステムデータをPlaystationのサーバからダウンロードする必要があった。経験者として言えば、それはかったるいプロセスであり、システム全体をモバイルのSSDから単純にロードできるようになったのは、ほんとに良いことだ。

PSNの上の友だちを、Facebookのアカウントから探せる機能も加わった。また進行中のゲームに加わったり、招いたりするのも、前より簡単にできるようになった。自分のTrophy情報をFacebookやTwitterなどでシェアできる。Dualshock 4のボタンのレイアウトをカスタマイズできる。さらに、障害者のためのテキスト読み上げやグラフィカルな表示機能などもある。

ほかに、次のようなものも新たに加わった: (Sonyのサイトより)

  • リモートプレイとシェアプレイ**: 60fpsをサポートしているゲームでは、リモートプレイやシェアプレイのゲームを60fpsのデバイスにストリームできる。

  • システムソフトウェアのアップデートを自動インストール: 将来のシステムソフトウェアのアップデートは自動的にインストールされる。

  • サブアカウントのアップグレード: 18歳以上のユーザはPS4上のサブアカウントから直接、マスターアカウントをアップグレードでき、チャットの制限を取り除いたり、ウォレットにファンドを加えたり、コンテンツを買ったり、いろいろできる。

  • 公認アカウント: デベロッパやプロデユーサーやゲームデザイナーやコミュニティのマネージャなど、ゲーム業界のプロフェッショナルとして公認されているアカウントはバッジをつけて表示される。

  • Dailymotion.com: SHAREボタンでビデオクリップをDailymotionに直接アップロードできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


モバイルフレンドリー・アルゴリズムについての新情報!~ロールアウトには1週間ほどかかる見込みも、対応/非対応のみを判断、その他~

先日行われたGoogle+ハングアウトにて発表された、モバイルフレンドリー・アルゴリズムについての話題です。4月21日のロールアウトに向けて、モバイルフレンドリー・アルゴリズムの概要に関する情報が継続的に発表されています。全地域に一斉導入ということもあり、影響度はパンダやペンギン以上になるようです。いよいよ、1ヶ月を切りましたが、今回発表された情報はどういったものなのでしょうか?– SEO Japan

*リンク先は全て英語のサイトになっています。

Googleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムのリリース日である4月21日に向けて我々は着々と準備を進めているが、その概要について、また新たな情報が判明した。

4月21日にローンチされるGoogleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムは、ページ単位、かつ、リアルタイムであることが明らかになっている。しかし、今回のアルゴリズムがロールアウトにかかる期間はどのくらいのものだろうか?また、自身のページが今回のアルゴリズムによる恩恵を受ける基準を満たしているという判断は、どのようにするべきだろうか?

今回のアルゴリズムがパンダやペンギン以上のインパクトがあることも明らかになっているため、多くのWebマスターが不安にも似た気持ちを抱いていることだろう。

昨日のGoogle+ハングアウトにて、この新たなモバイルフレンドリー・アルゴリズムについての質問に対し、Googleが返答をしている。主な内容は以下の3点である。

(1)今回のアルゴリズムは4月21日に開始されるが、全地域において完全に完了するまでには、数日から1週間ほどかかる。

(2)対象のサイトがモバイルフレンドリーであるか、そうでないか、のみが基準となる。どの程度対応しているか、という基準はない。

(3)モバイルフレンドリーであるかどうかを判断する最も簡単な方法は、モバイル検索結果にて、モバイルフレンドリーのラベルが表示されているかどうかを確認することだ。もしも表示されていない場合は、モバイルフレンドリーテストツールを用い、自身のサイトを確認しよう。また、モバイルフレンドリーテストツールは、実際のGoogleの検索結果と一致しているはずであるが、Webマスターツール内のモバイルユーザビリティレポートは、クロールのタイミングの問題で、対応が遅れる場合がある。

ロールアウトには数日から1週間ほどかかる

GoogleのMary氏の返答をこちらに書き起こしている。以下に、一部を抜粋する。

モバイルフレンドリー・アルゴリズムは4月21日に開始されることが予定されているが、完了期間については特に設定していない。なぜなら、数日かかる見込みであるし、もしかしたら1週間ほどかかるかもしれないからだ。

モバイルフレンドリーであるかどうか

モバイルフレンドリー・アルゴリズムは、対応か非対応かを、ページ基準で判断する。しかし、どの程度モバイルフレンドリーであるかを判断するものではない。単純に、モバイルフレンドリーであるか、そうでないかのみである。こちらに書き起こしているが、以下に抜粋する。

今回のアルゴリズムにおいては、モバイルフレンドリーであるか、そうでないかが基準となる。その判断となる指標は既にお伝えしているものである。小さいフォント、リンクやタップボタンがそれぞれ近すぎる配置になっていないか、コンテンツは実際に読むことができるか、そして、ビューポイントである。こうした指標を満たしていれば、あなたのサイトはモバイルフレンドリーであるということになり、ランキング変更における恩恵を受けることになるだろう。
しかし、以前から述べている通り、Googleは200を超えるランキング要素を使用しているため、モバイルフレンドリーのみがランキングを決定づけるものではない。ランキングはあなたのサイトのあらゆる要素に関わっており、素晴らしいユーザー体験をあなたのサイトが提供しているかどうかが重要だ。これについては、デスクトップ検索と同様のものであり、モバイル検索だけの特別な状況というわけではない。

モバイルフレンドリーであるかを判断する方法

自身のサイトがモバイルフレンドリーであるかどうかを判断するにはどうしたらよいか?幾つか方法はあるが、Googleはモバイル検索結果を確認し、モバイルフレンドリーのラベルが表示されているかどうかを見ることが、最も簡単な方法であると述べている。ラベルが表示されているのであれば、モバイルフレンドリーテストツールに合格しているはずだ。注意してほしいことは、Webマスターツール内のモバイルユーザビリティレポートの内容は反映に時間が掛かることがある、ということだ。これは、クロールのタイミングの問題であるため、その他のレポートに遅れが生じることと同一の理由である。

Googleの発言はこちらに書き起こしているが、以下に抜粋する。

スマートフォンを手に取り、あなたのWebサイトを調べてみよう。そして、灰色のモバイルフレンドリーのラベルが表示されているか確認しよう。検索結果に表示されているのであれば、Googleはあなたのサイトをモバイルフレンドリーであると認識していることになり、表示されていないのであれば、Googleはあなたのサイトをモバイルフレンドリーであると認識していないことになる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Clarifies The Mobile-Friendly Algorithm Will Roll Out Over A Week, Be A Yes/No Response & More」を翻訳した内容です。

SMXでの発表に続き、また新たな情報が発表されました。今回は、モバイルフレンドリーであるかどうかの単純な判断のようですが、今後はその程度も考慮されることになるのでしょうか?完了するには1週間ほどかかる可能性もあることですが、全地域一斉導入ということなので、即日というわけにはいかないようです。まずは、自身のサイトをモバイルフレンドリーテストツールで確認することが大事ですね。

続きを読む モバイルフレンドリー・アルゴリズムについての新情報!~ロールアウトには1週間ほどかかる見込みも、対応/非対応のみを判断、その他~

無理のないエラスティックな分散ストレージプラットホームHedvigがステルスを脱して$12Mを調達

新しいストレージプラットホームのローンチが、それが分散型という珍しいタイプのものであっても、人の胸をときめかせることはないと思うが、今日ステルスを脱して新たな資金調達を発表したHedvigには、ちょっと気にしてみたくなるすごい血統がある。HedvigのファウンダAvinash Lakshmanは、FacebookでCassandraを発明し、Amazonでは他と共同でNoSQLデータベースDynamoを発明した人物なのだ。スケーラブルな分散ストレージの作り方を知っている人といえば、それはたぶんLakshmanのことだ。

同社の今日の発表によれば、シリーズAで1250万ドルを調達し、ラウンドを仕切ったのはAtlantic Bridge Capital、これにTrue VenturesとRedpoint Venturesが参加した。この資金は同社の初のプロダクトの市場展開と、技術営業両面における陣容拡大に投じられる。

Hedvigの核となる考え方は、これまでのストレージでは、今日の企業が日々作り出しているデータの膨大な累積量とその増加になめらかに対応できない、というものだ。対してHedvigの分散プラットホームでは、ストレージの拡張が必要に応じて簡単にできるし、ストレージのアーキテクチャを頻繁に組み直す必要もない。

Lakshmanはこう書いている: “Hedvigは、企業が最初からすべてを分かっていると想定して、多くの時間と労力と予算を押し付け、やがて時の経過とともにそれが陳腐化する、というやり方を採らない。むしろ、まず既存のストレージ資産に無理なく適応し、その後、必要に応じて未来のストレージの購入もできる、という方式を提案する。そのストレージは、プロプライエタリなものでも、コモディティでも、どちらでもよい”。

Hedvigの主張によると同社のストレージソリューションは、ハードウェアとコンピューティング環境を特定せず、レガシーシステムでも仮想化システムでもクラウド環境でもどこでも利用できる。ユーザには“AWS的にシンプルな”利用インタフェイスを提供する(AWSのインタフェイスがシンプルだと言うAWSユーザはほとんどいないと思うが)。ストレージのプロビジョニングはアドミン自身が簡単にやれて、また社内社外のユーザにセルフサービス型のアクセスを提供できる。小さな展開からペタバイト級へのスケーリングも容易であり、データはその企業の方針によりオンプレミスでもパブリック/プライベートなクラウドでも、どこにあってもよい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Apple、永続的データベースのFoundationDBを買収


AppleはFoundationDBを買収した。高速永続的NoSQLデータベースに特化した会社だ。

FoundationDBサイトの注意文には、同社のデータベースソフトウェアはダウンロードできない、と書かれている。買収の金銭的条件は明らかにされていない。CEOのDavid Rosenthalは、元Omnitureのエンジニアリング担当副社長で、COOのNick LavezzoおよびDave Schererと共に2009年に会社を共同設立した。

FoundationDBの魅力は、ACID準拠トランザクションを扱うスピードと、強力なスケーラビリティーにある。FoundationDBは、2012年のTechCrunch Disrupt SF でブースを開き、同社の近代的NoSQLデータベースへのアプローチと、「NoSQL, YesACID」のモットーについて本誌で紹介した 。FoundationDBの最新エンジンについては、本誌コラムニストのJon Evansが昨年末に報じたように、毎秒1440万回の書き込みまでスケールアップしている。

FoundationDBのブログ記事には、最新エンジンについて次のような書かれている。

現在(2014年12月)のAWS(非スポット)プライシングで、エンタープライズFoundationDBの料金は、全480コア、24時間完全サポート付きでわずか150ドル/時。その1時間の間に、このメガクラスターは540億回の書き込みを行い、書き込み単価は3ナノドル。言い換えれば、FoundationDBは1セント当たり360万回の書き込みができる。

つまり。高速低価格な永続性データベースの会社がAppleに買収された。これは、AppleがApp Store、iTunes Connect、あるいはiTunes in the Cloudのためにサーバー側テクノロジーを強化する目的の買収である可能性が高い。アプリ数百万本、ダウンロード数十億回のストアにとって、改善の余地があることは間違いない。

もちろん、Appleには大規模テレビサービスの噂が常にあり、一部報道は今年中に開始されると主張している。その規模でビデオ配信を行うためにはシステムの強化が必須であることは、今週本誌がMLBのメディア責任者と議論したばかりだ。

Appleのクラウドサービスの信頼性とスピードは、7億台のiPhone ― さらに数百万台のiPadやMac ― を売りその全部がiCloudを使っている今、いっそう重要になっている。

「Appleは時々小さなテクノロジー企業を買収しており、一般にその目的や計画については議論しない」とAppleは本件についての質問に答えて言った。FoundationDBには、コメントを求めているがまだ返事はない。

FoundationDBは、2度のラウンドにわたりSV Angel、Sutter HIll およびCrunchFund(CrunchFundのパートナーであるMichael ArringtonはTechCrunchを設立した)から2270万ドルを調達した。

本稿の一部は、Jon Evansの寄稿による。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


プロッター萌え必見 ― 4種のお絵かきロボットに変身するmDrawBots登場

4種類のお絵かきロボットに変身するmDrawBotsがKickstarterに登場した。製作したのはMakeBlockだ。組立玩具の「エレクターセット」にも似ているが、組み立てたあとに「お絵かき」をやらせることができる。

このロボットは、多数のキットを目的に応じて組み立てて利用する。「目的」とはすなわち「お絵かき」だが、たとえば「壁」や「床」などに描かせたりすることもできるし、あるいは卵の上に顔を描かせることもできる。絵を描く動作はプロッター風で、あちこちを動き回りながら絵を完成させる。

このお絵かきロボットにはArduinoコンパチのモジュールも搭載されているので、プログラミングして動作させることもできる。一般的には同梱のソフトウェアを利用して、用意した絵を読み込ませて使うことになるだろう。アップグレードパッケージにはBluetoothシステムも用意されていて、これを利用すればワイヤレスで絵を読みこませることもできるようになる。

4種類のロボットを作ることのできるパッケージは、早期割引(間もなくなくなる)が159ドルで提供されている。レーザーを使って描画できるモジュールを含むものも299ドルで提供される。先述の通り、本体に画像を送るmDrawというアプリケーションも同梱されている。出荷は5月を予定しているのだそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Googleは”モアベターなJavaScript”をねらったDart言語をChromeでサポートしないことに決定

DartはChromeに来ない、とGoogleは今日(米国時間3/25)発表した

Webの標準語はJavaScriptだが、DartはGoogleがそのJavaScriptをリプレースするためにローンチした言語だ。Googleによると、Dartには静的型付け(static typing)をはじめ、デベロッパに歓迎される高度な機能が揃っている。

最初は、GoogleだけでなくそのほかのブラウザにもDartをサポートしてもらうつもりだったが、現状はGoogleのChromeすら、特別のビルドがやっとサポートしているぐらいだ。

“Google Chromeに限定されず、ユーザとWebにとってのベストを求めるなら、DartをJavaScriptへコンパイルする道を選ぶべきだ”、Dartの協同ファウンダLars BakとKasper Lundが今日そう書いている。“そこで、Dart VMをChromeに統合しないことに決めた”。

DartではDartで書いたコードをJavaScriptへコンパイルできるから、今後何か新しいことが起きるわけではない。でもこれまでは、遅かれ早かれGoogleがDartを直接ブラウザに持ち込む、という期待があった。BakとLundによれば、“Dartのためにより明確な戦略を採る”、ということのようだ。

Googleの内部では、さまざまなチームがおよそ100万行ものDartのコードをメンテしているから、Googleがこの言語を放棄することは当面ありえない。BakとLundによると、とくにGoogle Adsのチームがこの言語に継続的にコミットしている。

Adsの技術担当VP Scott Silverは今日の声明の中でこう書いている: “われわれは今、次世代のWebアプリケーションをDartで書くことに注力している。そして、Dartから最良のJavaScriptを生成することに今日あらためて焦点が当てられたことは、Dartユーザであるわれわれが、現代的ブラウザを使うすべての人たちに、最良のアプリケーションを提供できることを意味する。Dartによってわれわれの部門の技術者たちの生産性が大幅に向上し、繰り返される開発と立ち上げのサイクルを早めることができた”。

とは言うものの、今日の発表はこの言語の未来に関して、不安を感じさせる。今日のHacker Newsでは多くのコメントが、DartはJavaScriptの最新バージョンの開発に大きな影響を与えた点では成功と言えるが、明らかにGoogleはこの言語に関して、もっと大きなプランを持っていたのだ、と指摘している。

そのほかのブラウザベンダ、とりわけMozillaは、Dartを採用していないし、またデベロッパは、一つのブラウザでしか動かない言語でアプリケーションを書きたくはない。今後のDartは、CoffeeScriptやTypeKitなどと並んで、“JavaScriptへコンパイルされる言語”の仲間入りをするのだろう。

関連記事。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Facebook、Messengerプラットフォームを公開。コンテンツ作成や企業との対話に利用


今日(米国時間3/25)のF8カンファレンスで、Facebookは新たにMessengerプラットフォームを発表した。6億人のユーザーがサードパーティーツールを使ってコンテンツを作成、共有して、企業に電話やメールをすることなく直接対話できるようにするものだ。ESPN、JibJab、Giphyらの初期パートナーから提供されるコンテンツツールは、今日から利用できるようになる。Facebookは、限られたパートナーとビジネスチャット機能を開発中で、いずれ公開される模様だ。

本日Facebookは、Messenger上の体験を提供するデベロッパー向けに、SDKを公開した。

この発表は、Facebookがコンテンツに焦点を当てたMessengerプラットフォームを作るという、先週私が報じたスクープと一致する。Facebook Messengerの責任者、David Marcusは、「6億人規模のメッセージングプラットフォームをデベロッパーに開放するのは、欧米では初めてだ」と語った。

Facebookは、Parseデベロッパー、広告主、ウェブサイト、およびニュースフィードに関しても、数多くの新機能を公開した。発表の全容は本誌の“Everything Facebook Launched At F8″で見ることができる。

Messengerコンテンツアプリ

Messengerコンテンツアプリは、Messengerの入力ボックスの写真やスタンプアイコン横の「…」ボタンから利用できる。Messenger対応アプリをアプリストアからダウンロードするための直接リンクも置かれている。ユーザーはそれらのアプリを使ってGIFアニメや特殊効果を入れたビデオを作ったり、コンテンツを発見したら、すぐにそれをMessenger経由で友達にシェアできる。

初期のMessengerコンテンツアプリパートナーは以下の通り:ESPN, Bitmoji, JibJab, Legend, Ultratest, Ditty, Giphy, FlipLip, ClipDis, Memes, PicCollage, Kanvas, JJ Abrams’ studio Bad Robot’s Action Mobie FX, Boostr, Camoji, Cleo Video Texting, Clips, Dubsmash, Effectify, EmotionAR, EMU, Fotor, Gif Keyboard, GifJam, Hook’d, Imgur, Imoji, Keek, Magisto, Meme Generator, Noah Camera, Pic Stitch, PingTank, Score! on Friends, Selfied, Shout, StayFilm, Facebook Stickered, Strobe, Tackl, Talking Tom, Tempo, The Weather Channel, to.be Camera, およびWordeo。

こうした機能をMessenger自身に追加すればユーザーは邪魔に感じたり混乱したりする恐れがあるが、Messengerプラットフォームアプリは、独立したコンパニオンアプリとして動作する。

「たとえ今日パートナーと共に追加した機能の1/10でも、われわれが[直接Messengerに]追加していたら、ひどく遅くなってしまうだろう」とMarcusが私に言った。「使いたくない人は、使うことを強制されない…なぜなら新しい体験はMessegner内部にはないからだ。アプリ全体の体験が大きく膨らむのではない」。

パートナーを選ぶために、Facebook社員らは様々なクリエイティブアプリを試し、気に入ったものを選び、連絡を取った。Marcusによると、「殆どのアプリが底力を発揮して記録的な時間で完成させた」。そして、メッセージを送れるのはユーザーだけでアプリ自身ではないのでスパムの心配はない、とMarcusは信じている。

鮮烈なシェア方法を用意することによって、MessengerはSMSや他のメッセージアプリ、WeChat、Line、Kik、KakaoTalk、Google Messenger等と差別化しようとしている。FacebookはMessenger自身で収益化はしないが、Facebookやニュースフィードの利用を促進することが広告収入の増加につながる。

顧客から企業へのチャット

Facebookは、Messengerによる個人対企業コミュニケーションの再発明を目指している。要するに人々は電話のプッシュ音でカスタマーサポートのツリーをたどるのが嫌いだ。無限に続くメールのスレッドも面倒だ。1本のチャットスレッドに匿名でテキストメッセージを送る方が良い。

そのためにFacebookは、初期パートナーのEverlaneとZulilyと協力して、顧客と企業の対話方法を変えようとしている。例えば、Everlaneで何かを買った後、注文内容を変更したいときはMessengerを通じて店に連絡できる。

また、注文の確認メールを何通ももらう代わりに、Messengerでメッセージを受け取ることができる。

カスタマーサポートは、ZenDeskの統合のおかげでMessengerを使えるようになう。すでにカスタマーサポート用のライブチャットシステムを利用している企業も、Messengerに乗り替えることができるだろう。

企業は、自身で専用アプリを持っていなくても、Messenger経由で顧客にプッシュ通知を送れる。

従来厄介者だった顧客-企業コミュニケーションを取り込んでプラットフォームへの囲い込みを推進できるだけでなく、FacebookはEコマースの価値ある洞察を得ることができる。Facebookは、誰が何を買いどの企業と接触しているかを知れば知るほど、広告のターゲットやニュースフィードコンテンツの調整が正確になる。

プラットフォームの企業利用をFacebookがどう収益化するかについて、Marcusは私にこう話した、「現時点では考えていない。しかし時間と共に、消費者にとっての問題を解決し、企業が顧客に接触する良い方法を用意することができれば、良いビジネスモデルが見つかるだろう。両者にとっての問題を解決することが重要だ」。

新たなアプリ発見手段

Messengerプラットフォームは、Facebookへの固定化を促進し、ユーザーの自己表現を助け、カスタマーサポートの問題を解決する可能性を持っているだけでなく、アプリデベロッパーにも膨大な影響を与えるかもしれない。

現在アプリストアはゴミで埋め尽され、高品質の製品を見つけるのは困難だ。Messengerプラットフォームは、選ばれた良質アプリを発見する方法を生み、デベロッパーのビジネス構築に必要な公開の場を提供するだろう。

Marcusは、Messengerコンテンツアプリプラットフォームが解決する2つの大きな問題は、「(1) アプリの発見が簡単ではない、(2) シェアが難しい」であると説明する。ユーザーが既に持っているアプリでさえ、それを探して立ち上げ、何かを作り、カメラロールに保存し、目的のメッセージスレッドを探し、コンテンツをアップロードして、ようやくシェアできる。Marcusは、「われわれは優れたコンテンツを作りあるいは見つけることと、それを友達と共有することの距離を縮めた」と強調した。

Facebookは、世界一のメッセージングアプリになるためには自分だけで全部はできないことを知っている。サードパーティーデベロッパーや企業と協力して、コンテンツや商用価値を高めることによって、Messageは単なるチャットアプリの枠を越える。それは、人と世界全体をつなぐコミュニケーション・レイヤーになろうとしている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


日本を代表するアクセス解析ツール4社が集結!競合同士でインバウンドマーケティング討論(後編)

BtoBのインバウンドマーケティングを実践するにあたって、Webアクセス解析ツールをどのように活用するべきなのか。前回に引き続き、Webアクセス解析ツールベンダー4社にお集まりいただき、それぞれの立場からの意見をINBO […]

Facebook F8カンファレンス、初日のまとめ

今日(米国時間3/25)、Facebookのデベロッパー・カンファレンスF8が開幕した。初日の主要な発表をまとめてお送りする。大小さまざまな発表があったが、ここでは特に重要なものを選んで簡単に紹介する。

画像をクリックするとさらに詳しい元記事iにジャンプする〔日本版記事がある場合は日本版に飛ぶ〕。

メッセンジャーのプラットフォーム化

先週、われわれが全力を挙げてスクープに成功したとおり、 FacebookはMessengerをプラットフォームとしてデベロッパーに開放することに踏み切った。これによってデベロッパーはMessengerに新たな機能を追加できるようになる。GiphyのようなリアルタイムGIF画像検索、ボイスメッセージの声をいろいろに変える、チャットしながらお絵かきして友達に送れるようにする、など応用は無数に考えられる。Messenger内にミニ・アプリ・ストアができたようなものと考えるとよいだろう。

新しいリアルタイム・コメント・システム

Facebookを利用したブログのコメントシステム(この記事の下にも設置されている)はたいへん実用性の高い機能だが、リリース以来アップデートがないままかなり時間がたつ。

今日のアップデートで、ブログとFacebookページでコメントがリアルタイムで同期するようになった。つまりこの記事の末尾のコメント欄にコメントすると、すぐにTechCrunchのFacebookページにもそのコメントが反映する。

FBビデオがエンベッド可能に

FacebookはYouTubeの縄張りにも侵入しよとしている。Facebookビデオが他サイトに簡単にエンベッドできるようになった。もしかするとこれによってYouTubeにはアマチュアのホームビデオ的な投稿が減るかもしれない。Facebookはエンベッド・ビデオにも広告を表示するのだろうか? おそらくそうなるだろう。

360°全周ビデオ

面白いことに、Facebookは3D全周ビデオをニュースフィードでサポートすると発表した。ユーザーはビデオの再生中、マウスのカーソルで視点をあちこち動かすことができる。普通のディスプレイで全周ビデオを表示してもそれほどのインパクトはないが、カギはFacebookが買収したOculus Riftにある。バーチャル・リアリティー・ヘッドセットを装着して360°全周ビデオを再生するとそのインパクトは強い。FacebookはニュースフィードのVR化を狙っているのだろう。

あと10年くらいするとパパが子供にこんなことを言っているかもしれない。

「パパの若い頃はみんなでいっしょに>映画を見たんだぞ。みんなで同じスクリーンを見たんだ。そのスクリーンは平らだったんだ!」「わかったよ、パパ。いいからRiftを返してよ」

ParseはIoTのSDK

われわれは全速力でInternet of Things〔モノのインターネット〕の時代に突入しようとしている。コーヒーメーカーから冷蔵庫、照明、家のドアまでがインターネットに接続された世界だ。しかしモノのインターネットの規格化、標準化(そして当然相互運用性の確保)に関してはまだほとんど実績が挙がっていない。.

今日のF8でFacebookはParse for Internet Of Thingsを発表した。 これはさまざまなIoTプロジェクトにバックエンドを提供するSDKだ。相互運用性に関しても、まずArduinoをサポートし、順次範囲を拡大していくという。

LiveRail

去年、FacebookはLiveRailを買収した。これはサイトやアプリ内の広告スペースを入札によって販売する広告マーケットプレイスだが、今回、2つの変更を行った。まずビデオに加えてモバイル・ディスプレイ広告をサポートした。また広告のターゲティングのために匿名化されたFacebookのユーザー・データが利用できるようになった。

アプリのアナリティクス

Facebookはアプリとユーザーについてもちろん膨大な情報を持っている。今回Facebookはその一部をデベロッパーに公開し、どんな人間が彼らのアプリを使っているのか判断する手助けとすることを決めた。自分たちのゲームのプレイヤーは女性が多いのだろうか? ティーンエージャーの割合は? ティーンエージャーのアプリ内購入の平均は? アプリ内購入者の平均年齢は20代だろうか? Facebookの新しいアナリティクス・プラットフォームはそうした疑問に答えてくれるという。

明日のF8、2日目のレポートをお楽しみに。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+