Google Discoverへの最適化と、注力すべき領域

すでに無視できないほどの流入獲得を見込めるGoogle Discover。

SEO Japanでも何度か取り上げていますが、まだまだ解明されていない要素も多いです。そのため、最適化を行える箇所は、通常のSEOと比較すると、少ないと言わざるを得ません。

もちろん、従来の最適化は確実に必要なのですが、Google Discoverに焦点をあてると、どの部分の最適化が重要なのでしょうか。今回紹介するSearch Engine Journalの記事が1つの参考になればと思います。

Google Discoverは最新の機能ではない。

しかし、SEOの新しい時代(検索が発生しない検索)の始まりとして認識すべきだ。

2018年に導入されたDiscover(以前はFeedとして知られていた)はChromeのモバイルアプリケーションで注目の機能となり、Androidデバイスのみの機能であった。

Discoverのフィードは、「Interesting finds」という特別枠として、自然検索結果にも表示される。

しかし、他のリッチリザルトと比べ、「Interesting finds」は非常に珍しい。

Discoverのフィードの対象となる情報は下記だ。

  • ニュース
  • 記事
  • 動画
  • 広告
  • ライブスポーツのスコアなどの特別なリッチリザルト

Google Discoverはソーシャルメディアのフィードと似ており、ユーザーの検索履歴(通常の検索)や視聴したYouTubeのデータなどによって、かなりパーソナライズされている。

GoogleのAIと組み合わせることで、ユーザーの嗜好と関連性が高く、興味関心を持つであろうコンテンツが提供されている。

これは、Facebookがニュースフィードを非時系列で表示させる仕組みと非常によく似ている。

また、Google DiscoverはSEO担当者へ新しい課題を突きつけている。

通常、SEMの多くは何らかの起点(キーワードやキーワード群が一般的)が存在する。

あなたは、「リバースエンジニアリングをしてコンテンツを作成し、キーワードの背後にある検索意図を満たすためにユーザー体験にあわせて調整する」という作業を行ってきたはずだ。

Google Discoverでは、その起点は存在しない。

Google Discoverの戦略を正しく立てれば、大きなトラフィック獲得が期待できる

様々な業界(フィンテック企業からメディア企業まで)のWebサイトで試行錯誤した結果、よく知られていない要素も多いが、Google Discoverとの相関がある要素もわかってきた。

その中でも、Discoverのパフォーマンス改善と強い相関が見られた最適化の方法をご紹介しよう。

Discoverに対するテクニカルSEO

Discoverのパフォーマンスと相関するテクニカルなSEOにおいては、新しい発見や驚愕の事実というものは存在しない。

見落としがちな領域の再確認と言った意味合いが強いだろう。

モバイルフレンドリー

Discoverがスマートフォンとタブレットのみで利用可能であることからも、モバイルからのアクセスを可能にすることはとても重要だ。

何年もの間、Googleはモバイルでの検索に重点を置いているにもかかわらず、レスポンシブデザインになっていない、セパレートされたモバイルぺージのないサイトが多いことは非常に驚きだ。

Discoverでの認知度獲得を目指すのであれば、デスクトップと同様、モバイルの体験も良いものにする必要がある。それは、下記の項目を満たすということだ。

  • 煩わしい広告やポップアップで埋め尽くされたモバイル体験であってはならない
  • 記事内で使用されるあらゆる画像は、アクセス可能ができ、読み取れるものとする。ユーザーが画像をクリックすると拡大画像が表示され、ズームも行えることを確認しよう。

モバイルデバイスでコンテンツをアクセス可能にし、利用できる状態にすることは、モバイルフレンドリー全体の一部分に過ぎない。

他の領域としては、ページスピードが挙げられる。

コンテンツの読み込みの速さとDiscoverのフィードへの採用は強く相関している。また、AMPを活用しているニュースやマガジンのサイトとも相関がある。

画像の最適化

ブローディ・クラーク氏が調査で裏付けたとおり、Discoverからトラフィックを得るために、画像は重要な役割を果たしている。また、品質の高い画像はフィード内での訴求にも相関する。

コンテンツと関連したユニークな画像を作成し、用いることは、コンテンツのパフォーマンス(またDiscoverのフィード内でのアピール機会において)にも影響があることも、彼の調査は指し示している。

そのため、下記に挙げる画像SEOのベストプラクティスを行うことはとても重要なのだ。

  • 画像のファイルサイズは、劣化しない範囲で可能な限り圧縮する(サイトスピードの改善のためにCDNに依存するのはよくない)
  • 画像に適したファイル名を記載する
  • 適切なAlt属性を付与する
  • 画像を端的に説明するキャプションをつける

コンテンツ戦略:複数タイプのコンテンツや新旧のコンテンツ

Googleが保有する特別なコンテンツ(ライブスポーツのスコアや情報など)に加え、YouTubeもDiscoverに採用される。

コンテンツ戦略においては、メデイアとアプローチの両方の意味で、複数のタイプのコンテンツを意味する。

ユーザーがGoogleで検索し、Discoverを利用する度に、Googleはあなたの興味について学習し、あなたがまだ出会っていないと思われるコンテンツを提供する。

この学習には時間を要する。

例えば、私は様々なスポーツチームの試合結果や名簿をよく検索する。

Googleはこうした私の行動から、私がこれらのチームに興味があると解釈する。

それを確かめるために、ライブスコアや数週間先の試合スケジュールなどを私に提供するのだ。

Discoverでの戦略に置き換えれば、あなたは下記の内容を組み合わせる必要があるということだ。

  • エバーグリーンな情報(正確な情報を反映するために更新は行う)
  • 最新の業界のトレンドを載せる
  • 関連トピックのニュースを載せ、それに対する意見も載せる

Discoverのフィードにはペイウォールのコンテンツも採用されることも覚えておこう。

リアルタイムな時間感度の高いコンテンツ

重要なことがある。リアルタイムのイベントや時間感度の高いコンテンツをDiscoverは採用するということだ。

ユーザーは複数の趣味や興味があることから、ニュース性のあるコンテンツを戦略に組み込むことは非常に重要だ。

ユーザーの興味とあなたのコンテンツの内容が重複する箇所は、彼らの興味範囲のほんの一部に過ぎない。

つまり、あなたのオーディエンスを理解すること(彼らの広い興味範囲は何なのか)はとても重要と言える。

顧客に期待を抱かせる

Discoverからのトラフィックを得たいのであれば、顧客に期待を抱かせることはとても重要だ。

他のマーケティング手法と同様、確実に成果が得られるというものではない。

この記事の最初に掲載したグラフを見ても分かる通り、Discoverのインプレッションとクリック数は非常に不安定であり、通常のSEO、広告、ソーシャルメディアと異なり、安定した成長曲線を描くものではない。

私の分析によれば、Discoverに掲載された記事の寿命は、2~3日間である。この数字は、ブローディ・クラーク氏の調査とも合致する数字だ。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Optimizing for Google Discover: Key Areas to Focus On」を翻訳した内容です。

記事中でもある通り、画像はGoogle Discoverにとってとても重要だと感じます。

実際に、1ユーザーとしてGoogle Discoverを使用していても、きれいな画像にはついつい目を向けてしまいます。さらに、「自分が興味のあるトピックについて書かれているはずだ」と画像から判断できる場合はクリックしてしまう機会も多いと思います。

「ユーザーのためのサイトを作る」をベースとしながらも、「Google Discoverでの見られ方」も意識していきたいですね。

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最新iPad Proは旧モデルからの乗り換えるほどではないが、マウスとキーボードは快適で便利

iPad Pro

新モデルは魅力的だが、すでに所有している人にとってはそうでもない

過去18カ月間、iPad Proは私の自宅から持ち出した唯一のマシンである。私は最近まで世界中で開かれるイベントに参加するため、またサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンにある当社のオフィスを訪れるため、自宅を離れて何度も国内外を移動した。自宅のデスクにいないときは、常にiPad Proが私のメインのポータブルマシンであった。

乗り換えたのは、カンファレンスとStartup Battlefieldコンテストへ参加するためにブラジルへ旅行した時だった。それはほんの気まぐれだった(話は逸れるが、そのコンテストが最高だったのは、コンピュータービジョンによる牛の体重測定が優勝したことだ)。この1週間の旅行において、iPad Proが仕事用デバイスとして機能するかどうか実際に使って確かめたかった。その後、また信頼のおける13インチMacBook Proに戻ると思っていた。

ところがこの旅でTechCrunchの運営をタブレットからできるかという点において、私の考え方はすっかり変わってしまった。軽くてスムーズに手早く簡単に仕事ができ、いたるところで私のMacBookよりも進んでいることがわかったのだ。私はもう元には戻れなくなってしまった。

iPadPro

iPad Pro、2018年、ブラジル

初めのうち、iPadと私の双方にとって悩みの種が尽きなかった。その時点では共有シート、自動化ツール、新しく導入されたショートカットなどをつなぎ合わせてワークフローを再構築したことが、実用的な作業用マシンとして生まれ変わらせるのに大きな役割を果たした。また、Slide Over(スライドオーバー)、Split View(スプリットビュー)、ホーム画面などを刷新したiPadOSに伴う変更は、デバイスをより柔軟に感じられるものであり、歓迎すべきものであった。

過去の1年半もの間、iPad Proの絶対的な目玉機能について多くのことを学ぶことができた。その一方で、ラップトップよりも軽くて高速なマシンを持ち運ぶことで、得られるものと失うもののトレードオフについて知ることができた。

新しいマシンで過ごした1週間のうちにこれらはすべて整えた。

この新しい2020年のiPad Proは、2019年に発売されたモデルと大部分においてほとんど同じに見える。正方形のカメラアレイ以外は、ほとんどそっくりだといっても過言ではない。その中でも良いニュースは、初めてApple(アップル)がID認証を行って2年経った今でも超サクサクと未来的な感じがすることだ。まさにコンピューターの理想的なかたちである。軽くて、手に持てる大きさで、強力で、機能的なのだ。

私がテストした12.9インチのiPad Proには、私が今まで使用していたモデルとほぼ同じレベルで動作する新しいA12Zチップが搭載されている。Geekbench 4では、5015超のシングルコアと1万8000超のマルチコアスコアを記録した。クラスに関係なく、所有可能で最も強力なポータブルコンピューターの1つであることに変わりはない。1TBモデルには引き続き6GBのメモリーが搭載されているようだが、それより下のモデルでは4GBなのかもしれず、詳細は不明だ。

iPadPro

このバージョンには追加のGPUと「強化されたサーマルアーキテクチャ」が追加された。負荷がかかった状態では熱分散に優れているかもしれないが、iPad Proはめったに熱くならないので、私にとってはよくわからなかった。私は分解した結果が気になった。おそらく新しい排気口、配線、部品などが配置されているのだろう。もしくは何らかの回路かもしれない。

当然のことであるが、このプロセッサーが(少なくともCPUレベルでは)A12X Bionicチップに非常に近い性能を持つことは興味深い。GPUにおいても、AppleはA12Xよりも高速だというのみで、いつものように具体な倍数について言及していなかった。

このことからわかるのは、これがiPad Proを本当に「リフレッシュ」したものだということだ。新しい機能を次に紹介するが、全体的に見るとこれはある意味で「新しいモノ」であり、めったにあるものではない。ただし、ときにはアップルデバイスの真実ともいえる機能だ。ご覧いただくのは、ハードウェアの設計や実装を大幅に見直しなくても、現在ハードウェアから学び、実行できることばかりだということだ。

私がここで注意するとするなら、A12Xがいまだに非常に早く、それほどパワーが欲しいと思ったことがないことであろう。私は使いやすさを犠牲にして、スピードアップを図ることにずっと反対してきた。だからこそ今はその議論を重ねるときであるし、うまく機能しているものに不満をいうべきではないと思っている。

カメラとAR

新しいiPad Proで最も大きく変わったところは、もちろんカメラアレイだ。1000万画素の超広角と1200万画素の広角の2つを備えている。これらの機能は仕様どおりであるが、最も興味深いのは新しいLiDARスキャナの追加である。

これによって我々は、世界を一度に何層もの奥行きをもって体感できるようになるのは間違いない。我々が認識している物理的な層は、レッドウッドの年輪のようなデータの輪によって増強される。

実際のところ、その未来は我々にも到来している。たとえそれを気付いているかどうかが問題ではない。これらの層の存在を要求することにより、今すぐそのほとんどを非同期で体験することができる。どこに行くべきか伝えるために、データオーバレイが必要だって?ターンバイターンで地図を呼び出してみよう。言葉や天候の定義を知りたいって?ボイスアシスタントに聞いてみよう。

ただし、これを超えた次の時代は、受動的なコンテクストに応じた情報レイヤーが視覚的かつ聴覚的に、積極的に提示される時代なのだ。

我々はこれを拡張現実とかMR(複合現実)などと呼んでいるが、どちらも最終的にどうなるかを明らかに説明しているわけではない。拡張ヒューマンエクスペリエンスはスマートフォンから始まったが、スクリーンから透明なディスプレイ、レンズ、義眼、脳幹の結合までをチェーンでつなぐかのように、ゆっくりと小脳に近づいている。

あなたがこの現実を受け入れられなくても、私は責めはしない。ただ、私が正しくないという意味でもない。この記事をブックマークして、2030年に議論しようではないか。

ただし、短期的にはARテクノロジーの発達は主にスマートフォンのエクスペリエンスによって前進することになるだろう。そしてそれらはGoogle(グーグル)とアップルによって急速に発展している。ARをアプリやデバイスに合うハードウェアに組み込むように開発者にフレームワークを提供しているのだ。

AR体験を非常に現実的なものにするための最大のハードルはオクルージョンだ。これはあるオブジェクトが別のオブジェクトと現実的に交差することを可能にするエフェクト。「これはそれより後ろにある」と脳に伝えるためにオブジェクトを不明瞭にしたり、隠したりする。オクルージョンは共有されたエクスペリエンス、リアルな世界とデジタルな世界の相互作用、一般的な信憑性といった面白さにつながる。

これこそがiPad ProのLiDARの見せ場でもある。LiDARを使用すると、ARアプリケーションで2つの大きな前進が可能になる。

  1. 初期化の時間はほぼ一瞬:LiDARは光の速さで動作するため、放った光のパルスを読み取り、その「飛行」時間を測定することで対象物または環境の形を判定する。これはとても速い。典型的な「アプリを開いて、端末をかざして周りを見渡すが、使えるかどうかは運次第」といったAR特有のユーザーエクスペリエンスの悪さは、LiDARによって理論的に取り除くことができる。
  2. オクルージョンは自動:オブジェクトの形や相互関係を「推測」するためにカメラ、小さな手の動き、コンピュータービジョンを使用して計算を行う必要がなくなった。開発者は基本的にこれを無料で、しかも驚きの速さで手に入れることができる。LiDARがたくさんの自動運転自動車システムや半自動運転システムに使われていることには理由がある。高速で比較的信頼性が高く、強力なマッピングツールだからだ。

ARKit 3.5には、平面と表面を検出することにより、環境の完全なトロポジカル3Dメッシュを作成する機能がある。しかも、シンプルなカメラファーストのアプローチよりも高い精度で提供されているのだ。

残念ながら、私はこのシステムをテストすることができなかった。Appleによると、多くはHot LavaのようなゲームからIKEAのような家具販売用アプリへと移行しつつあるとのことだが、それを活用したアプリケーションはまだないとのことだ。2020年か遅くとも次のiPhoneに搭載される可能性が高いため、この追加機能がどれほどiPadに効果的であるのか私は興味がある。

iPadPro

唯一、iPad Proの背面カメラがポートレート写真を撮れないことには驚いたが、大きなショックは受けなかった。フロントカメラのTrueDepthだけが、このポートレートモードを搭載している。

iPad Proには、はるかに正確なポートレートモードが搭載される予定であり、LiDARアレイとカメラを利用するが、まだ準備ができていないようだ。アップルがテーマと背景との関係を理解しているにもかかわらず、ポートレートスタイルの撮影を実行できないようにする理由はない。

LiDARは非常に有望で、たくさんの将来性のあるアプリを生み出すテクノロジーだ。デバイスに外部の世界を取り込むためのより正確な方法があれば、そのうちAppleと開発者にいろいろなチャンスが広がるであろう。しかし、私はそれが一気に広がるのではなく、今後数年にわたって徐々に行われることになると考えている。

TrueDepthカメラの位置が変更されていないことには失望した。iPad Proのデザインに関してアップルが選択したものの中で、カメラを横向きモードのときに手で覆われる場所に配置したのは実にもったいない。

iPadPro

私がiPad Proをポータブルマシンとして使ってきた間、ポートレートモードにしたことはほんの数回しかない。たいていはアプリが単に横向きに対応していなかったからだ。

このデバイスは横向きが前提であり、カメラにもそれを反映すべきだ。5月に出荷される「フローティング」デザインの新しいMagic Keyboardは、カメラを浮き上がらせて手元から離すことができるようになり、私はそれによってかなり使い勝手は良くなるのではないかと思っている。

キーボードとトラックパッドに対応

マウスとトラックパッドへの対応については、現時点でもかなりの人がいくつかの意見を述べている。一般的に反応は非常に好意的であり、私もその評価に同意する。アップルがボタンやアクションをカーソルに合わせる際にどれほど柔軟性があるかにはやや疑問があるのだが、全体的な効果としては信じられないほど快適で便利である。

カーソルを鋭い矢印や手のアイコンではなく、順応性のあるオブジェクトで再現したことは、タッチ環境において大いに納得できる。我々は、自分の指が鉛筆や消しゴム、ときにはボタンを押す道具として必要なツールになることに慣れている。iPadのカーソルも状況に応じて認識されるのだが、それは理にかなっている。

いまのところはMagic Trackpadしか使えないのだが、Magic Keyboardが発売されたときには、これが通常の作業フローになってくれることを期待している。

そしてキーボードのデザインについては、以前よりもはるかに高い位置にあるスクリーンを、キーボードを使いながら指で突かずに済むのは素晴らしいことだ。

Surfaceとの比較

iPad Proにトラックパッドが追加されたことで、「結局のところSurfaceは正しかったのでは?」という直感が正しかったことが証明されたようだ。今となってはほとんど毎日iPadを触っているので、私はこのことについてある時期から2、3年は考えていたことである。

この議論については2018年に評価をしたことがあるので、ここでは端的にそれを引用させていただこう。

関連記事:iPad Proレビュー:Appleの新しいタブレットは、成熟の予兆を見せ始めた

iPadPro

簡単にまとめると、Microsoft(マイクロソフト)はラップトップのタブレット化に、アップルはタブレットのラップトップ化に取り組んでいて、他はよくわからないことをしようとしている。

まずはOSを切り離し、先にタブレットを開発してから元に戻る必要がある。そのことをマイクロソフトは理解することができないでいる。マイクロソフトは以前のマイクロソフトよりもはるかに有能だと思うが、しかしそれは他で議論すべき問題である。

アップルはOS Xをかなり早いタイミングで切り離し、それ以来、別の方向にゆっくり向かっている。しかし、Surface ProがiPadと同じくらい満足できるレベルのタブレット体験を提供してくれたことはない。

たしかにSurfaceのほうがより柔軟性があるかもしれない。しかし、それは統一感と確かな機能性の犠牲の上で成り立っている。それは冷蔵庫やトースターでも同じである。

今でも私はそう思っている。

基本的に、iPadがSurfaceのすぐそこまで追いついていると考えるようになった。なぜならiPadはハードウェアに焦点を当てているのでアプローチが広い。そしてWindowsはタッチ操作向けに適切に調整されたことはない。アップルは先にタッチ操作に合わせており、その後でカーソルのサポートを追加した。

前述したことを繰り返すが、私はここで「Surfaceのアプローチが悪い」と言っているわけではないので、その点は信じて読み進めていただきたい。業界のほぼ全体が別の方向に向かっていたときに、SurfaceのチームがコンバーチブルPCに最大限尽力していたことは、非常に賞賛すべきことだと思う。しかし、iPadが「Surface」化するという意見には絶対に同意しない。なぜならSurfaceのタッチエクスペリエンスはタブレットの中でも最悪であり、iPadのそれは(インターフェイスの欠点も含めて)間違いなく最高だからだ。

これは最近のコンピューターデザインにおいて、異なる両端から同様の問題を解決しようとする明確な例の1つである。

ただし、iPad Proを数年間使用して、何も問題がなかったというわけではない。

iPadPro

iPadへの期待

2020年の1月のこと、アップルに関するライター兼評論家のJohn Gruber(ジョン・グルーバー)は、iPadがその潜在能力を完全に引き出されていない理由について詳しく解説した。アップルがソフトウェアのマルチタスクの部分で失敗したというのが大筋の結論だった。その当時、ジョンや他の追随する人たちから良い指摘をされていたように思う。私にも意見があったが、思いを表明するまでには至っていなかった。しかし、今なら言える。私の意見は次のとおりだ。

iPad Proは、使いやすさよりもスピードと能力に焦点を合わせているに違いない。

MacBookやラップトップを1日か2日、もしくは10日間も置いたままにしたことがなかったか思い出してみてほしい。開けてみたら一体どうなっただろうか? アラート、通知、アップデート、メッセージの数々がお出迎えしてくれたのでは? マシンから離れていた時間の長短に関係なく、開いてすぐに作業を開始できただろうか?

iPad Proなら、どこにいても何をしていてもパカッと開いて上方向にスワイプすれば、数秒以内に最初の指示を出すことができる。めまぐるしい業界で、荒々しいビジネスをしている私たちにとって、その確かな動作は文字どおりプライスレスだ。

一方で、私が使いやすさを望んだことは一度もない。

あなたはハンマーがもっと使いやすかったらなどと思ったことはあるだろうか?そんなことはないだろう。正しく持ち、正確に打つことを覚えるだけだ。iPadの場合はもっと複雑なことにも利用できる。

現在、iPadOSは批判を許されないレベルにまでシンプルさが高められている。皮肉なことに、iPadソフトウェアチームに代わって物事をシンプル(同じアイコン、同じグリッド、同じアプリスイッチングパラダイム)に維持し、元の意図に忠実にであろうとする努力が、打って変わって一種の複雑さをもたらした。

iPad Proのマルチタスクシステムを取り巻く問題のほとんどは、プロフェッショナルのユーザーに対してアプリやワークスペースを不変に固定する方法を提供することで解決することができると思う。つまり、何年にもわたってiPadの役割であった自分のワークスペースを所有しているようなマルチタスクの方法論を「ぶち破る」能力をユーザーに提供すればいいのだ。ドックを完全に捨て去り、タップで移動できる固定されたスペースのリストを作成しよう。アプリアイコンを保護するステータスをなくし、そのスペースでまさに起こっていることを反映させよう。

これらはひどいアイデアかもしれないが、私の議論の核心はしっかりしている。タッチインターフェイスは70年代に初めて登場した。そして少なくともここ十数年間は非常に人気だ。

今日のiPad Proユーザーはタッチベースのインターフェイスには慣れており、タッチインターフェイスのないコンピューティングライフを知らない可能性が高まっている。

信じられないのなら、子供たちが6つの異なるアプリを操って、簡単なミームやメッセージをまとめて友達に送る様子を観察してみて欲しいい。子供たちはそれを1日に数十回も行うような名人なのだ。こういったユーザーはまさにタッチネイティブである。肉の味を知ってしまった子どもたちは、もうミルクを飲めなくなってしまっているのだ。

iPadPro

このデバイスは依然として絶賛せずにはいられない。とにかく、私が2018年に挙げた理由すべてにおいて、現在でも同じように強く感じている。しかしこれまでのところ、2018年のiPad Proから最新モデルにアップグレードする理由はほとんど見当たらない。Magic Keyboardに下位互換があることを考慮しても、結論は変わらないであろう。

現在iPad Proを所有しておらず、仕事に使えるか悩んでいる人には、可能だと私は答えるし、実際に私はそうしているとお伝えしよう。複雑で多面的な論説、イベント、サブスクリプションビジネスの編集面を管理しながら、さまざまな大陸やタイムゾーンで働く30人もの従業員と話している。

iPad Proとともに(飛行機で)16万kmを移動したが、一度も不具合を起こすことがなかった。バッテリーは常に十分であった。スピードは常に一定だ。キーボードは素晴らしいだけではなく、液体をこぼしても大丈夫で、さらに耐衝撃性能を備える。私がこれまで所有していたどのラップトップにも当てはまるものではない。アップル製品であったとしてもしかりである。

統合されたトラックパッドの将来性とiPadの存在理由のレベルアップにより、Magic Keyboardと新しいiPad Proは、現在の市場に出回っている中で最も魅力的なパッケージの1つになっている。

私はMacBook Airが大好きで、いくつかのモデルを壊れるまで何年も使用したことがある。現在、自分の仕事のスタイルを考えるとラップトップに戻るという選択肢はありえない。高速で信頼性が強く、強力だからだ。

タイピング、スワイプ、スケッチで入力することができ、地球上のあらゆる主要なビジネスソフトウェアを強力にサポートするマルチモードマシンを所有しているというのは尋常ではない。常によく動き、高速で、まるでイタリアのレーシングカーのように組み立てられているマシンだ。

誰が反論できるだろうか?

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)

バーチャル先生が指導する子供向け英語学習アプリのMyBuddy.aiが約1億円を調達

米国時間4月7日、サンフランシスコを拠点に子供が英語を学ぶためのバーチャルツールを開発するスタートアップのMyBuddy.aiが、シードラウンドでLETA Capitalから100万ドル(約1億900万円)を調達したと発表した。この資金は新規市場の開拓と、健康に関するミニクラスなどの新機能の開発にあてられる。

MyBuddy.aiのアプリには「バディ」と呼ばれるAIのバーチャル先生が登場し、演習を通じて子供を指導する。MyBuddy.aiによれば、英語を学びたくても一緒に練習する人がいない子供が世界中に5億人いるという。また、同社のアプリは2年前にリリースされ、これまでに100万回以上ダウンロードされたとしている。

MyBuddy.aiの共同創業者でCEOのIvan Crewkov(イヴァン・クリューコフ)氏は、報道発表の中で次のように述べた。「パンデミックの影響でオンライン教育の需要は急速に拡大している。5億人の子供が第2外国語として英語を学ぼうとしている中で、優秀な英語教師の慢性的な不足はさらに深刻だ。AIを活用した先生である『バディ』は、教師が日常的に教えていることを担当する。バディは無限に英会話の練習を提供し、多数の子供を教えられる。しかもいつでも利用できる」。

3月にMyBuddy.aiは、Edwinと合併した。EdwinはMyBuddy.aiと同じく非ネイティブ話者の英語学習に特化したEdTechのスタートアップで、General Catalyst、Yコンビネーター、Google Assistant Investments Programから出資を受けている。Edwinのプロダクトには、アダプティブラーニングと自然言語を理解するAIを活用したチャットボットや、オンデマンドの個人指導サービスがある。MyBuddy.aiは引き続きこの社名を用い、合併した両社のテクノロジーをバディのアプリに統合することに努める。

画像クレジット:Aliyev Alexei Sergeevich / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Google 検索で COVID-19 に関するお知らせをハイライト表示できる新しい方法の導入

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行により、多くの組織や団体が、日常生活に影響を及ぼす新型コロナウイルス関連の重要なお知らせを発表しています。

このような状況を受け、Google ではこうした特別なお知らせを Google 検索でハイライト表示するための新しい方法を導入します。各サイトは、ウェブページに SpecialAnnouncement 構造化データを追加したり、Search Console で COVID-19 に関するお知らせを送信したりすることでこれを行えます。

初期段階として、Google は保健機関と政府機関のサイトの構造化データや Search Console で送信された情報を使用して、学校閉鎖や外出自粛指示といった重要なお知らせを Google 検索でハイライト表示します。
現在この機能は積極的に開発が進められており、今後対象のサイトが拡張される予定です。そのため、上記機関以外のサイトのお知らせがハイライト表示されるまでには、少し時間がかかる可能性があります。ただし、Google はこの機能をどのように拡張していくか決めるにあたって、このマークアップを参考にします。

注意: 特別なお知らせ以外にも、イベントのキャンセルや営業時間の変更などの情報をハイライト表示するためのさまざまなオプションが利用可能です。詳細については、この投稿の最後をご覧ください。

検索結果における COVID-19 に関するお知らせの表示形式

ページに SpecialAnnouncement 構造化データを追加すると、通常のスニペットの説明文に加え、その構造化データの内容が COVID-19 に関するお知らせのリッチリザルトで表示されるようになります。COVID-19 に関するお知らせのリッチリザルトには、短い概要説明を含めることができます。この説明は、展開することで追加の情報を表示できます。表示形式は今後変更される可能性があります。また、すぐには結果が Google 検索で表示されない可能性があります。

COVID-19 に関するお知らせの実装方法

COVID-19 に関するお知らせを実装する方法は 2 つあります。

おすすめの方法: ウェブページに構造化データを追加する

構造化データは、ページに関する情報を提供し、ページ コンテンツを分類するための標準化されたデータ形式です。お知らせの実装には、この方法を使用することをおすすめします。理由は、Google にとって情報の取得が容易であり、将来 Search Consoleでのレポート作成が可能になるほか、サイト側で更新が行えるためです。方法の詳細については、COVID-19 に関するお知らせに構造化データを追加するをご覧ください。

代替の方法: Search Console でお知らせを送信する

構造化データの実装には技術的な不安があり、サポートを得ることも困難な場合は、Search Console で COVID-19 に関するお知らせを送信する方法を使用できます。ただし、このツールはまだベータ版テスト中であり、変更される可能性があります。

この方法は推奨されておらず、一時的な回避策としての位置づけにすぎません。構造化データを使用した場合は、ページを変更するとお知らせのハイライト表示も自動的に更新されます。一方、このツールを使用した場合は、手動でお知らせを更新する必要があります。また、この方法を使用して送信されたお知らせは、将来 Search Console で利用可能になる予定の特別なレポートでモニタリング対象になりません。

それでもこの方法で送信せざるを得ない場合は、まず Search Console での確認プロセスを完了する必要があります。その後、COVID-19 に関するお知らせを送信できるようになります。


Google 検索が提供するその他の COVID-19 関連リソース

特別なお知らせのマークアップ以外にも、COVID-19 の影響を受ける可能性がある他の種類のアクティビティをハイライト表示する方法として、以下のものがあります。

ご不明な点やご意見がありましたら、Twitter でお知らせください。

パンデミックは我々が築き上げてきたテクノロジーに何を語るのか

機能不全は新しい日常ではない

チャットアプリで何度も繰り返しシェアされているジョーク*がある。そのジョークは選択式の質問になっていて、次のように問う。

「 職場のデジタルトランスフォーメーションの主役は誰か?」

正解は「A.CEO」でもなく「B.CTO」でもなく「C.COVID-19」だ。

この皮肉を裏付ける事実が少なからず存在する。新型コロナウイルス(COVID-19)は現在比喩的な意味で数多くのボタンを押している。世界中の多くの区域の人々が自宅軟禁にも似た隔離生活に直面している。これは人々や産業に対し多くの「一時停止」ボタンが押された状態だ。オフラインでのほとんどの社会活動および経済活動は突如として手の届かないものになった。

現代のライフスタイルにおけるこのような大規模な一時停止は、時間の経過とともに、物事の在りようを完全にリセットしてしまう可能性がある。今までは、通勤や気ままな旅行熱のために地球にかかる負荷は顧みられることなく、人々の移動は当たり前に受け取られていた。今までのこうした在り方が今後「平常通り」に戻ることはないだろう。

これを機会に世界のリーダーたちが立ち上がったとしたら、新型コロナウイルスによる危機は、二酸化炭素の排出を抑える方向へと舵を切るにはどう社会や経済を築くべきなのかを再考させてくれるきっかけとなるだろう。デジタル接続が利用可能で、またそれが信頼のおけるものである場合に、実際に会って行う必要がある会議はどれほどあるだろうか? 何百万ものオフィスワーカーが在宅勤務するようになりつつある現在、物理的な会議を行う必要性はほとんどなくなっているように思われる。

より多くの活動がオンラインで行われるようになっているなか、新型コロナウイルスは、ブロードバンドサービスを公益事業にするという主張を明らかに後押しする形になっている。全国的な危機に見舞われ、ごく近所の人にもリモートな手段を通じてしか会うことのできない現在、ソーシャルメディアでさえ、本当の意味で公共性のあるものに見える。

外出できない人々がデジタルな広場で思いのままにしゃべるために、再びFacebookに押し寄せているという報告がある。実際の目抜き通りが立ち入り禁止である今、年季の入ったソーシャルネットワークが新たな盛り上がりを見せている。

Facebookは当然この種の高度な社会的目的をすでに理解している。それゆえにFacebookは、自然災害、大事故、テロ攻撃などの異常事態の発生時に、ユーザーが自らを「無事だとマーク」するように誘導する機能を積極的に構築している(あるいは、それこそが民主主義を犠牲にしてでも、Facebookが政治家にそのデータプラットフォームを利用することを説得したそもそもの根拠である)。

平穏な時には、Facebookの「目的」は「暇つぶし」にくくることができるかもしれない。しかし、アテンションエコノミーに対する悪いイメージが増えている現在、Facebookの機能は、猛烈で持続的な攻撃にさらされている。

長期間に渡り、この大手のテック企業は、競合製品に対しスパイ行為買収を行ったり、あるいはクローン製品を作るなどといったエンジニアリング的手段を用い、社会的構造の頂点に立ち戻るように対応してきた。10年以上の間、Facebookはあらゆる手段を用いてこのやり方を成功させてきた。とはいえ、今回の利用の増加はFacebookの功績ではない。人々をだますダークパターンがパンデミックによって自然発生したからである。

ウイルスが蔓延する現在、最も興味深いのは、過去20年間にオンラインで構築されてきたデジタルテクノロジーのどれだけが、このようなディストピアを生き抜くためにうまく設計されてきたかである。

このレンズを通してみると、VRは決定的瞬間を迎えている。実際に目で見ることのできるものを、自ら選択するデジタルアドベンチャーと置き換えて、自宅にいながらにして仮想世界を探索させてくれるフェイスコンピューターはどうだろう。VRをもっと使えるようにするためにどんな工夫がされているか。パンデミック封鎖のためのロックダウンによる概念的な限界が、実際にはどのように影響しているか。

非常に特殊なニッチ的な用途以外では、バーチャルリアリティは豊かで質感のある現実の世界に匹敵する、説得力のある世界にはなれなかった。しかし突如として、我々は全員パンデミックに遭遇した。視野は劇的に狭まり、現実を伝えるニュースは常に悲惨だ。そこで、また皮肉たっぷりのジョークの登場となる。「次の休暇の行き先は?  A.ステイケーション(自宅や近場で過ごす)、B.(自宅の)空き部屋、C.VRによる逃避」

しかし、本当に脚光を浴びているのはビデオ会議だ。パンデミックの力を持ってしてもVRを普及させることはできないことがわかった。その代わりに、しばらく疎遠になっていた友情がZoomのグループチャットやGoogleのハングアウトを通じて再燃している。また、ビデオチャットアプリのHousepartyのダウンロード数が急増している。これはバーが閉まった今、毎晩飲み歩いていた人が別のナイトライフを探し求めているためだ。

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退屈した有名人はTikTokアプリで楽しんでいる。InstagramやFacebookライブを通じて即席コンサートがリビングルームからライブストリーミングされている。あらゆる種類の人々が、社会的距離戦略や1人で(または家族とともに)家にこもらなければならないストレスを、リモートな手段による交流で紛らわせている。リモートブッククラブに入会したり、 バーチャルディスコに参加したり、エクササイズセッションにベッドルームから参加する人もいる。友人と過ごす静かなパブでの憩いの時間は、ボトル持参のグループビデオチャットにすんなり変わった。

これは決して通常ではないが、驚くべきことでもない。我々は未曾有の時を生きている。オンラインで人のぬくもりを求めることは、大量破壊と物理的分離(毎日数千人が亡くなるという、現在進行形の公衆衛生における緊急事態というトラウマはいうまでもなく)に対する人間の反応として、それが動くピクセルに過ぎなくても、当然の反応であるように感じられる。物理的接触のない交流でも、まったくないよりはましである。

しかし、これらのツールがすでに存在し、人々がログオンしストリーミングを開始できるよう準備を整えて待機しているという事実は、背筋を寒くさせる。

このことは、消費者向けテクノロジーが、招かれざる第三者の利益を追求する形で、我々の個別の、あるいはグループでの相互の交わり方を作り変えるよう、強力に設計されていることをはっきりと示している。

新型コロナウイルスに見舞われる前は、ソーシャルメディアの持つ、ユーザーを惹きつけフィード消費を受動的な形で行わせてしまう機能、つまり本当の人との付き合いを相手の生活を覗き見的に確認するという形に置き換えてしまう能力が、主な懸念の対象であった。複数の研究により、テクノロジーと孤独やうつ病との関連が明らかになっている。外出し、友人に会うことが文字通りできなくなった今、人との接触の喪失は現実的かつ深刻な問題である。従って、パンデミックの最中にオンライン上で人気が出たとしても、実際にはなんの成功の指標にもならない

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例えば、Housepartyは自らを「対面のソーシャルネットワーク」と謳っているが、それは実際には正反対である。 アプリを通し仮想的に集まるということは、対面での接触を見合わせているということだからである。

Facebookへのアクセスが新型コロナウイルスの流行で急増しているという事実は、同社のビジネスモデルが社会の混乱や悲惨さの中でこそ成功するものであることを示唆している。正直にいえば、我々は既にこのことに気付いていた。データ駆動型の広告テクノロジーとは、人々が何をしているかをこっそりスパイし、広告を見せて購買欲求を掻き立てるよう仕向ける技術と言い換えることができる。コロナウイルスはただ問題の核心をはっきりさせただけである。

デジタルに繋がりを持つためのハイテクツールがこんなにも豊富に存在しているという事実は、この危機にあってはすばらしい偶然の発見のように感じられる。恐ろしい世界的トラウマへの対処を可能にするフリーミアムの大鉱脈を探り当てたというわけだ。しかし気前よく差し出されたこれらのツールは実にいやらしい裏面を持っている。感染性があり、油断ならない狡猾さをもっているのがアテンションエコノミーだ。「普通の生活」が突然中断される前は、この汚れたテクノロジーに付けられていたラベルは「平常時用」というラベルであり、「世界的緊急事態用」ではなかった。

人々の関心(アテンション)を貪るこれらのアプリやサービスの設計が今ほどはっきりしたことはない。つまり、我々を混乱させ収益化の対象とする。人間味を欠くような方法でさりげなく我々の友情や人間関係に入り込んでくる。感情と関係性の在り方をつなぎ替える。直接的な交流を、バーチャルな交流に変えるよう我々に指示する。そしてこのバーチャルな交流の場は、求められてもいないのに我々のプライバシーや社会生活に入り込んできた先ほどの第三者により、データマイニングおよび収益化のために設計されたものだ。

人との繋がりは、このように取り込まれ編集し直され、一連の希薄で無意味な電子的処理に成り下がる。これらのプラットフォームは、個人の犠牲を省みることなく、多数のエンジニアを擁して様々な手段を用いて広告の機会を最大化している。

また今までよりも広大で侵襲的な監視資本主義が出現しているのも偶然ではない。新型コロナウイルスによる緊急事態によって、平常時にはこれらのビジネスモデルを大勢の目から隔てるのに使用される難読化装置が一部取り外されているからである。データを漁るトラッカーたちはこの機会を逃すまいと殺到している。

テクノロジーおよび広告の大手企業は新型コロナウイルスを追跡するためのデータやアプリの提供に関与しようと熱心に取り組んでいる。政府は、命を救うためのツールとリソースを大いに求めている。その中で、すでに大衆を監視するビジネスに関与している大量データ産業のロビイストたちは、現在のパンデミックを絶好の機会として、人々はプライバシーにそれほど関心がないという嘘を押し通そうとしている。

まず、人々を追跡するプラットフォームは人々への攻撃を「関連広告」として潤色し、実際よりも美しく見せた。今や、データ産業複合体は、パンデミックを撲滅する企業の社会的責任として、警察国家並の大量監視を急回転させている。その回転のなんと早いことか。

しかし、プラットフォームは自らの行き先に気を付けるべきである。家に軟禁され自分の携帯電話がスパイ道具にされていることに気が付いた人々は、この奇妙な前例のない時期に親しみやすいビデオチャットにサインアップしたのと同じくらいあっという間に、ハイテク企業を急に非難し始めるかもしれない。

それと、Zoom (そしてその他のビデオチャットアプリ)に忠告。 多くの人が君の「プライバシーポリシー」を実際に読んでいるかもしれない。今人々はオンラインに費やす時間がたっぷりあるのだ。これは相当な危機ではないのか。

Zoomについて、プライバシー、セキュリティに関する新たなホラーストーリーを毎日目にする。なぜ今一時にこうしたことが起こっているのだろう?

答えは簡単。問題は別に新しいものではない。突然皆がZoomを使うよう強制されたからである。そのため、より多くの人が問題に気が付き、オプトアウトができないために、さらにフラストレーションを感じるようになる。

はっきり言おう。 Zoomはマルウェアなのだ。

*ソースは個人のTwitterアカウント「@MBA_ish」

画像クレジット:Bryce Durbin

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

楽天モバイルの低価格データプランが日本で全面的にローンチ

Rakuten Mobile(楽天モバイル)が今日、日本における低価格データプランの完全商用ローンチを発表した。月額2980円でこのプランは、楽天自身のネットワークがあるところなら無制限の通話とデータが提供される。また同社は、リモートワーキングとオンライン教育ツールの利用増に対応して、国内ローミングデータの量を上げた。

今週初めに安倍晋三総理大臣は、3月のCOVID-19患者の新たな増加に対応して、7つの都府県で緊急事態宣言を発令した。これにより都府県の長は、不要不急と見なされる店舗や企業の閉鎖を求める権限を持つ。東京とその周辺の公立学校はすでに早くから休校となり、5月初頭までは再開されない。

このパンデミックの間にはオンラインサービスのニーズの増大に応えることに加え、楽天モバイルの低料金は日本最大のキャリアであるNTT DocomoとKDDIとSoftBankらとの互角の競争力を同社に与えるかもしれない。楽天モバイルは、世界で初めての仮想化モバイルネットワークと同社が呼ぶものを利用している。それは、ハードウェアのインフラストラクチャをあまり要さず、デプロイのコストを下げ、それにより同社が、消費者にとってより手頃な料金体系を提供できる。

昨年の発表によると、同社はモバイルサービスのローンチにより日本に合計4000のエッジサーバーを展開する。そのネットワークが日本全土をカバーするのは、来年の3月という。

Rakuten UN-LIMIT 2.0と呼ばれるそのプランは、楽天モバイルのパートナーがいるところならユーザーに5GBのローミングデータを与える。無制限のローミングデータは、そのリミットに達したあとでも最大1Mbpsのスピードを提供する。最初のRakuten UN-LIMITプランでは2GBの国内ローミングと最大128kbpsのスピードが提供された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

新型コロナによりリアルから仮想イベントのカレンダーアプリへ方向転換中のIRLがカテゴリー1位に

あなたの企業がイベントディスカバリー関連のスタートアップ企業だったとする。ところが突然法律によって人々がイベントに出席することが禁止された場合、どうするか。文化的シフトと転換を推し進めるのが正解だろう。資本金1100万ドル(約12億円)のカレンダーアプリIRLは現在、「In Real Life」から「In Remote Life」に変化を遂げつつある。IRLは今後、ライブストリーミングコンサートからeスポーツトーナメント、Zoomでのカクテルパーティーまで、ユーザーが仮想イベントの検索、招待、計画、共有、チャットできるよう注力していく。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、IRLはより多くのユーザーに関わりのあるものとなった。以前はイベントがどこで開催されるかは非常に重要な点だったが、In Remote Lifeのコンテンツに地理的制限はない。IRLの共同設立者でCEOのAbe Shafi(エイブ・シャフィ)氏は「みなさんの日常生活がすっかり変わってしまったため、ニーズは飛躍的に拡大しています」と言う。4月3日現在、米国のApp StoreにおけるIRLのランクは第138位で、カレンダーアプリとしては第一位、Googleのカレンダーアプリ(第168位)よりも上位である。

IRL In Remote Life Calendar

RobinhoodのJosh ElmanがIRLに参画

この変化を推進するため、IRLは製品開発に携わる新しい人材を迎え入れた。株式取引アプリRobinhoodのプロダクト事業部長であるJosh Elman(ジョッシュ・エルマン)氏を雇用。同氏はGreylockの元インベスターでありFacebook、Twitter、LinkedInでの仕事を手掛けたことでよく知られている。エルマン氏は2018年の初めにRobinhoodに入社したものの、2019年後半に離職している。機能停止が急増しユーザーを激怒させた出来事が起こったのはその後である。

「私は会社が110%を捧げられる人材を何よりも必要としていることに気づきましたが、私がその人物に該当するか確信が持てませんでした」。エルマン氏は現在76億ドル(約8270億円)の価値があると評価され、拡大に苦心するRobinhoodについて語った。「私が第一に情熱を注ぎ、長年にわたって話してきたのは、ソーシャルとメディアでした」

今のところ、IRLは彼にとってパートタイムのギグワークであり、ここではシークレットプロジェクト部門を率いる予定だ。多くのアプリは「ユーザーの時間を奪おうとする」ものであるが、彼はIRLをこの貴重なリソースを人々に還元させることのできるチャンスと考えている。前職に関しては「Robinhoodはすばらしい企業です。私は株主としてとても満足しています」と付け加えた。

ボーダーレスなイベント

「当社は、実際のイベントに関連するアプリの使用率と成長で安定した状態に到達していました」と、Zoomでの会話中にシャフィ氏は話す。新型コロナウイルスによってもたらされたこの状況について「そして今回の出来事がおこったのです」と述べた。「イベントが開催できないため、すべてのコンテンツを回収せざるを得なかったのです」。

4月3日、IRLのiOSアプリは、ユーザーが自宅から参加できる仮想イベントを中心としたホーム画面コンテンツ「Discover」の新デザインをローンチした。ゲーム、ポッドキャスト、テレビ、教育、音楽、料理、ライフスタイル、「楽しいイベント」セクションのタブが追加された。 各イベントをカレンダーに追加してGoogleカレンダーと同期させたり、友人やファンがフォローできるよう「いいね」ボタンをユーザーのプロファイルに追加したりすることができる。また、IRLでイベントに関するグループチャットをすぐに開始したり、Instagram Storiesや他のメッセージングアプリでシェアすることも可能だ。

やりたいことが見つからない場合は、コンポーザーを使って「ビデオチャットをする」「Zoomワークアウト」「ゲームセッション」「Netflixパーティー」などの提案をし、友達とイベントの計画を立てることができる。これにより、他の人々を招待できるカレンダーイベントが自動的に設定される。また、イベントの開催日時がはっきりしない場合は、IRLの「Soon(まもなく)」オプションを使用すると、スケジュールは未定のままで、皆が参加できる時間を確認することができる。実際、シャフィ氏によるとIRLの計画の50%は「Soon」を利用して開始されるとのことだ。厳密な時間、日時カレンダーにニーズのギャップがあることがわかる。

IRLは個々のイベントだけでなく、ワークアウト、瞑想、その他の予定をユーザーがサブスクライブできるようにすることで、習慣として確立しやすくしたいと考えている。スポーツのシーズンは中断されたが、IRLを使用すると代わりにヒップホップアルバムのリリースなどの予定がカレンダーと同期できる。または、インフルエンサーの生活をサブスクライブし、デジタル上でイベントに同行することも可能だ。社会的距離戦略が収まってきたら、オフラインのイベントをIRLのコンテンツの推奨事項に少しずつ加えていくことが目標である。

IRLの最大の課題は、イベント推奨アルゴリズムを調整することである。イベントに対し従来使用されてきた関連性シグナル、例えばイベントが家にどれだけ近いか、費用がどれくらいか、イベントがユーザーの住んでいる都市で行われるかといったシグナルの多くが使用できなくなっている。 In Remote Lifeへの移行は、世界中のさまざまなイベントを誰もが利用できるようになることを意味している。また、無料でイベントを主催できることが多いため、参加するユーザーが少ない質の低いイベントが多数発生している。このためどのイベントを表示するかを決定することが非常に難しくなっている。

今のところ、IRLはホーム画面でユーザーの使用頻度に応じたリコメンド表示をしているが、それでは初期のユーザーエクスペリエンスにはかなり当たり外れがある。筆者が経験したところでは、各カテゴリーのトップイベントが面白そうだと感じることはほとんどなかった。しかし、IRLは、新規ユーザーが使い慣れていくプロセスを強化してユーザーが何に興味を持っているかを質問するとともに、Spotifyと統合することで、ユーザーがどのミュージシャンのオンラインコンサートに参加したいかを把握できるようにする予定である。

いずれにしても、シャフィ氏はIRLが他のソーシャルでない代替手段よりもすでに優れてたものになっていると考えている。「当社の主なユーザーの年齢幅は13歳から25歳で、大学生および大学卒業者のいる大都市圏、および大学のキャンパスで使用されています。IRLの一般的なユーザーは、これまでにカレンダーを使用したことがない人か、GoogleカレンダーやiCalなどのデフォルトのカレンダーを使用したことがあるだけの人です」。

孤独を癒やす

願わくば、自分と同じタイミングで友人に暇があり一緒に遊べるかどうかを把握できるようにする機能をIRLが発達させてくれることを望んでいる。 Down To Lunchがこの分野で失敗した一方、Facebook MessengerやInstagramは自動ステータス機能でその可能性を探っている。SnapMapやZenlyなどの位置情報アプリでは、ユーザーが自分がどこにいるかをシェアするだけでなく、交流する意図があるかをシェアすることができる。

「ほんの少しの刺激、透明性、サジェストによって、毎月のアクティビティを1つでも増やすにはどうすればよいのか」というのがシャフィ氏の問いだ。 IRLはユーザーが「自分は2時間空いている」ということを「相手が応答しない場合でも拒否されたと感じない」方法で、受動的に共有できる方法を見つけようとしている。

Facebookは2016年に独立したイベントカレンダーアプリを立ち上げたが、後にカレンダー機能を組み合わせて、レストランのおすすめに組み込み、Localという名前に変更した。 Facebookほど大きな企業でも、すぐ完璧にできることは限られています」とエルマン氏は以前自身が携わった企業について語った。「彼らは『イベント』機能でもっと多くのことができたのでしょうが、写真の投稿に関してほど絶対的な存在ではありませんでした」

シャフィ氏はこのような基盤となる分野でチャンスを得たことを喜び、カレンダーにおける同コンセプトが定着すると確信している。どれほど長く時間がかかっても、促進するため努力する価値があると考えている。一方で彼に投資しているGoodwater Capital、Founders Fund、Kleiner Perkins、Floodgateは、最終的に収益化につながるよう願っていることだろう。

アプリを介したイベントへのアクセス権の販売や、プロモーターや地元企業に対してディスカバリーを高めることで収益化できるだろう。だが今のところIRLは、イベントやコンテンツパブリッシャーとの深いつながりを構築しつつあり、サイトやメールに組み込むことができる無料の「カレンダーに追加」ボタンもまもなくリリースされる。エルマン氏によると、AppleやGoogleのカレンダーと連携するボタンは一部有料サービスとなるが、多くを無料で提供することで、アプリにイベントを増やし、ユーザーがより多くのことをできるようにしたいと考えている。

「当社のタグラインは『live your best life(自分にとって最高の人生を送る)』です。当社が誰かに価値観を押し付けることはありません。もしユーザーにとっての最高の生活がソファに座って友達とゲームをすることなら、それを楽しんでいただきたいのです」

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)

テスラは新型コロナで工場を一時閉鎖、社員給与の削減と一時レイオフを実施

テスラは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行により、少なくとも5月4日まで米国工場での生産を一時停止、社員の給与を10%から30%削減し、工場労働者の一時レイオフを行う。4月7日の夜にTechCrunchに転送された内部の電子メールの情報から明らかになった。

電子メールによれば、第2四半期の終わりまで社員に対する給与カット(副社長は30%、取締役レベルの幹部は20%、残りの社員は10%)が予定されている。給与の削減と一時レイオフは4月13日から始まる。電子メールによると、在宅勤務ができず重要なオンサイトポジションを割り当てられていない従業員は、5月4日まで一時レイオフ対象となる。

テスラの人事部門の責任者であるValerie Workman(バレリー・ワークマン)氏からのメールには「最小限の重要な業務のみは継続します。重大な変化がない限り、米国の施設では5月4日に通常の生産を再開する予定です。それまでは、長期計画を達成することを確実にするための行動をとることが重要です」と述べられている。

「これは会社全体で共有する痛みであり、これらの困難な時期に私たちが進歩することを可能にします」と電子メールは続けている。

一時レイオフされる従業員は、テスラ従業員のままだが無給で、医療保険には加入したままとなる。電子メールでは一時レイオフされる従業員に対し失業手当を申請するように指示している。

またテスラは従業員への電子メールで、株式付与などの成果に基づくアクションも保留にすることを明らかにした。

テスラはカリフォルニア州フリーモントの主要組立工場、Model 3のバッテリーパックと電気モーターを生産するネバダ州のギガファクトリー、ソーラー製品を製造するニューヨーク州バッファローの工場といった多数の工場と施設を、全米で運営している。

また同社は3月19日に、フリーモントとバッファローの工場で生産を停止する計画を発表していた。その当時、同社はいつ生産を再開するかについては明らかにしなかった。フリーモント工場の生産停止は、新型コロナウイルスのパンデミックによりアラメダ郡で屋内避難指示が出されてから1週間後の3月23日から始まった。

テスラの充電インフラストラクチャをサポートするいくつかの基本的運用と、「車両およびエネルギーサービス運用」と呼ばれるサービスは、通常の状況では1万人以上を雇用するフリーモント工場で継続されている。工場ではまだ約2500人の労働者が働いている。

3月の時点でテスラは、現在のパンデミックによる操業停止を乗り切るのに十分な流動性資金を持っていると述べている。最近行った23億ドル(約2500億円)の資金調達前の、第4四半期末の現金ポジションは63億ドル(約6860億円)だった。

「このレベルの流動性資金は、長期にわたり不確実性をうまく乗り切るために十分なものであると考えています」とテスラは述べている。

同社は、2019年第4四半期末に上海工場を拡張するための資金調達の他、全地域の運転資金ラインを含め、約30億ドル(約3270億円)相当のクレジットラインを確保していた。

画像クレジット:Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images

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(翻訳:sako)

PlayStation 5のDualSenseコントローラーはゲーム用アクセサリーの未来を告げる

Sony(ソニー)がPlayStation 5のコントローラーのデザインを明らかにした。それは、好評だったDualShock(デュアルショック)系列の後継機で、その新世代機の名前としてDualSense(デュアルセンス)と呼ばれる。

そのデュアルセンスコントローラーは黒と白を身にまとい、ゲームパッドというよりは、未来的なプラスチック製装甲ロボットの装具のようだが、それでもなお、デュアルショックの名残は明らかにある。とくにボタンのレイアウトは、代々のPlayStationでおなじみのものだ。しかしデュアルセンスには触覚的フィードバックがあり、Sonyによると、これによりゲームの没入感覚がより高度になる。

触覚的フィードバックは、現世代のコントローラーの、かなり一般的で特定の原因のない低周波ノイズを抑えるための改良だろう。またソニーはさらに、新しいL2とR2に加えた「アダプティブトリガー」(adaptive triggers)によって、前よりも触覚的なレスポンス(応答性)を加え、そのためにゲーム内のアクションを実行しているときに、いろいろ異なった種類の張力応答がある。たとえばその例のひとつが、「弓を引いて矢を射る」という応答だ。

そのため、外見はデュアルショック 4よりややずんぐりしていて、アダプティブトリガーのために内部のスペースが必要になっている。でもソニーによると、デザインを変えて部品の角度を変えるなどの工夫で、コントローラーを手に持ったときの感じは見た目よりずっと軽いそうだ。

このコントローラーは専用の「Share」ボタンがなくなり、新たに「Create」ボタンができた。それは、前の機能+αだと思うが、ソニーからの詳しい発表はまだない。

  1. ps5g1

  2. ps5g2

  3. ps5g3


一方、新たに設けられた内蔵マイクにより、ヘッドセットの要らない音声チャットができる。ただしこれは正規の入力として使われるのではなく、単に「あると便利」という機能のようだ。なぜならソニー自身は依然として、長時間のプレイにはヘッドセットを勧めている。

あえてルックスだけに限定して見れば、ソニーは明らかに、これまでのコントローラーのおとなしい黒から、もっと大胆なデザインを目指したようだ。ツートンカラーのストームトルーパーのような基本色に、中央タッチパッドの両側のライトバーが色どりを添えている。

個人的にはこのルックスは好きだし、またUSB-Cのポートは充電状態をチェックできるので良い。PS5本体にそれほど関心があるのか、自分でもよくわからないけど、コントローラーは非常にそそる。アップグレードが待ち遠しい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nuroの無人配達車がカリフォルニアでの公道試験許可を取得

自動運転配達のスタートアップNuro(ニューロ)は、カリフォルニアの公道での無人走行試験の許可を取得し、カリフォルニア州全土での事業化への道が拓かれた。

2019年にソフトバンク・ビジョン・ファンドから9億4000万ドル(約1020億円)の資金を調達したNuroは、サンタクララ郡とサンマテオ群の一部の公道で、低速電気配送車R2を2台走ることが許されたと、カリフォルニア州での自動運転車のテスト走行を監督する政府機関のカリフォルニア州車両管理局(DMV)が発表した。

無人運転の許可を得ると、制限速度時速35マイル(約56km/h)以下の公道を最大速度時速25マイル(約40km/h)で、晴れの日に限り走行できるようになるとDMVはいう。この許可はアサートン、イーストパロアルト、ロスアルトスヒルズ、ロスアルトス、メンローパーク、マウンテンビュー、パロアルト、サニーベイル、ウッドサイドの9つの街で有効となる。

「車に乗る公衆の安全を守ることがDMVの最優先事項であり、こうした許可は簡単に与えられるものではありません」とDMV局長Steve Gordon(スティーブ・ゴードン)氏は声明の中で述べている。「NuroはDMVの要件を満たしたことから、カリフォルニアの公道での無人運転配送車のテストが許可されました」

カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事が新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックを受けて自宅待機指示を出したことから、Nuroは無人車の走行試験を今すぐ始めることができない。試験が始められるようになれば、同社は積極的に公道試験の実施計画を推し進める予定だと、Nuroの最高総務責任者David Estrada(デビッド・エストラーダ)氏はブログ記事に書いている。「近隣の街や郡の住民のみなさんは、すぐにでもR2が路上を走る姿をご覧になるでしょう」と彼は述べている。

事業化への道

安全のために人間のドライバーを乗せるという条件で、自動運転車走行試験の許可を得ているZ企業は65社ある。しかしカリフォルニアの公道を無人で走行試験ができる許可を取得したのは、Wyamo(ウェイモ)と、新しく加わったNuroだけだ。

それを実際に行うのは、Nuroが先になりそうだ。かつてはGoogleの自動運転プロジェクトであり、その後に独立してAlphabet(アルファベット)傘下の企業となったWaymoは、最初にこの許可を得たのが2018年10月だった。ところが同社はカリフォルニアの公道での走行試験を一度も行っていない。なぜならWaymoは、アリゾナ州に重点を置いているからだ。そこではWaymo One(ウェイモ・ワン)と呼ばれるロボタクシーがすでに運用されており、より確実な事業化への道を進んでいる。

カリフォルニアは、自動運転車開発業者にとって事業化への道が見えにくい場所となっている。DMVは、州の法律に従い自動運転車の試験を規制している。乗客を運びたい場合、つまり配車サービスを運用したいと思えば、Autonomous Vehicle Passenger Service(自動運転車旅客サービス)の仮免許をカリフォルニア公益事業委員会(CPUC)から取得しなければならない。

CPUCは、人の輸送に自動運転車を使う許可を企業に与える。しかし、運賃を取ることはできず、必ず安全のためのドライバーを運転席に座らせなければならない決まりだ。

NuroのR2は、人を乗せるようには作られていない。荷物専用だ。荷物の配送料を請求できなかったとしても、地元の小売業者と協力して自動運転車による配送事業を立ち上げ、利益を得ることは可能だ。

Nuroはまず、マウンテンビューの一部の顧客への無料配送サービスから始める予定であり、これが地元ブランドや小売店と提携で公式な配送サービスにつながるとエストラーダ氏はいう。

同社はすでに、州全体をカバーする配送サービスに着目している。エストラーダ氏によると、カリフォルニア全土の住民にサービスを提供するため、Nuroは完全な商業展開許可を申請するとのことだ。

「無人R2配送車を公道で走らせることは、私たちにとって、さらに自動運転業界にとって重要な一歩になります。しかしこれは、未来のほんの小さな光に過ぎません」とエストラーダ氏。「私たちは、自動運転車の輸送パワーをずっと信じてきました。この新型コロナウイルス危機においては、その可能性はより意味深いものになると理解しています」。

NuroのR2ユニット

画像クレジット:Nuro

Nuroは、2016年6月に、Google出身のDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏とJiajun Zhu(ジアジュン・ジュー)氏によって創設された。安全のための人間のドライバーを乗せる条件での走行試験許可は2017年に取得している。当初、同社はトヨタのプリウスを改造した車両で走行試験を、そしてアリゾナとテキサスでは食品配送の先行サービスを行っていた。

同社は2018年、荷物専用車両の第一歩となるR1に車両を切り替えた

R2と名付けられた第2世代の車両は、2020年2月に公開された。R2は、ミシガンを拠点とするRoush Enteprises(ラウシュ・エンタープライゼズ)との契約により米国内でデザインされ組み立てられているが光を用いたリモートセンシング技術であるライダー、レーダー、カメラを備え、周囲360度の視野を「ドライバー」に提供する。しかし、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が求める安全基準をいくつか満たしていない。

規制当局と3年間交渉を重ねた結果、NuroはR2の無人運転車のNHTSAの基準に関する適用除外措置を引き出すことができた。これによりサイドミラー、フロントガラス、前進時にはオフになるリアビューカメラが装備されていなくても走行できることになったのだ。

この措置は、自動運転ユニットCruise(クルーズ)ためにGMが現在交渉しているものとは内容が異なる。クルーズは低速車ではないため、必要な適用除外項目はもっとずっと多い。

画像クレジット:Nuro

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(翻訳:金井哲夫)

Netflixが個人プロフィールのPINロックを導入、年齢によるタイトルフィルタリングも

Netflixで子供たちに彼ら専用のセクション以外を視聴させたいだろうか? あるいは、自分のプロフィールを使用せずにあなたの「視聴中コンテンツ」のリストを台無しにするルームメイトはいるだろうか?

朗報だ。Netflixはユーザーが個々のプロフィールにPINを設定し、ロックできるようになった。

この新機能は米国時間4月7日の朝、ペアレンタルコントロールの改善に焦点を当てた幅広いアップデートの一環として提供された。

その他の新機能は以下のとおりだ。

  • 国別での年齢によるタイトルフィルタリングが可能に。PG-13に指定されたタイトルをブロックしながら、子供向け以外のセクションへとアクセスできるようにしたい場合に便利だ
  • キッズプロフィールでの自動再生を無効にできる
  • 特定のタイトルをタイトル名でブロックする。『Boss Baby』を観れないようにしたいなら、リストに追加しよう

これらは基本的な機能だが、子供と一緒に在宅勤務する人が増えている現在、特に必要な機能となる。

新しい操作、設定はNetflixにアクセスし、子供以外のプロファイルに切り替え、右上の矢印型のドロップダウンアイコンから「アカウント」をクリックし、「プロファイルとペアレンタルコントロール」のセクションで行うことができる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Relativity Spaceは3Dプリントとクラウドベースのソフトウェアで新型コロナの嵐をやり過ごす

他のどの業界とも同様に宇宙関連の若いスタートアップや企業でも、新型コロナウイルス危機の煽りを受けてレイオフが相次いでいる。しかし、Relativity Space(レラティビティー・スペース)は、なんとかレイオフを回避できた。それどころか、世界的パンデミックにも負けず、新規に従業員を雇用している。RelativityのCEOで創設者のTim Ellis(ティム・エリス)氏は、大型3Dプリントと、クラウドベースのツールとテクノロジーの導入にフォーカスしたことが、会社を苦境に追い込まなかった大きな要因だと話している。

Relativityが間もなく完成させるロケットは、エンジンから胴体、さらにはその中間にあるものまで、ほとんどが3Dプリント部品で構成されるため、基本的にほぼ途切れることなくプロトタイプの製造を進めることができた。Relativityは、航空宇宙と防衛に携わる企業の例に漏れず、必要不可欠な事業と認知されているのだが、相当早い時期から新型コロナウイルスの潜在的な危険性に対処し、従業員の健康と安全を確保すべく手を打ってきたとエリス氏は言う。米国でこの病気が問題視され始めた3月9日、公式な規制や自宅待機の要請が出される以前に、Relativityでは早くも従業員に自宅勤務を勧めていた。

「それができたのは、一部には私たちの自動プリント技術のおかげです。工場にはごくごくわずかな人間しかいませんが、それでもプリンターを動かし続けることができます」とエリス氏はインタビューで話してくれた。「現に今はたった1人で数台のプリンターを見ていますが、実際にプリントが行われています。文字通りワンマン運転です。その一方、この2週間ほどの間に、会社の業務の大半を自宅で処理できるようにしました」。

たった1人の現場担当者で工場全体を管理できる能力は、現在の状況において、競争上、非常に大きな強みであり、同時に従業員の健康と安全を大切に守る方策でもある。エリス氏によると、同社はすでに複数の地域で業務を行っているという。ケープ・カナベラルとフロリダに加えて、ミシシッピ州のジョン・C・ステニス宇宙センターとロサンゼルス本社だ。Relativityではまた、米国内の離れた場所からも数名の従業員がテレワークしている。同社は早くから、全員が一箇所に集まらなくてもデザインや開発が行えるように体制を整えていたのだ。

「私たちはワークフローを円滑にするために、独自のソフトウェアツールを開発しました。それが大変に優れています」とエリス氏。「しかも、ITAR(国際武器取引規制)と複数の暗号プロトコルに準拠しつつクラウドに深く対応した企業ということだけでも、本当に有利なのです」。

自社開発のソフトウェアとクラウドベースのツールに集中したことに加え、エリス氏は、一番新しい資金調達ラウンド 、 2019年10月にクローズした1億4000万ドル(約152億円) のタイミングも、新型コロナウイルス危機への備えに貢献したと考えている。Relativityはレイオフを回避し、新たな求人も開始しただけではない。パートタイムも含め、全従業員に給与を全額支給し続けている。これはすべて、今思えば先を見通したビジネスモデルのおかげなのだが、現在の国際的ビジネス状況におけるこの目覚ましい優位性は、実際のところ単に幸運の賜物だとエリス氏は言う。それでもこれまでのRelativityの回復力は、一部には新型コロナウイルスのパンデミックに起因する大きな永続的変化の現れだと彼は信じている。

「それによって本当に変わるもの【中略】は、国際的なサプライチェーンへのアプローチです」と彼は言う。「もっと多くのものを米国内で生産して、サプライチェーンの過度なグローバル化への依存を減らそうという圧力が高まると思います。私たちがずっと3Dプリンターを使ってきたのは、そのためでもあります。それは、ごくわずかな作業員で、今のような状況下でもロケットの第1段が作れてしまう自動化のテクノロジーというだけではありません。サプライチェーンに関して言えば、限られた数の供給業者と、いくつもの製造方法からなる簡素なサプライチェーンを持つことで、供給業者やサプライチェーンの停止による大打撃を大幅に減らせるのです」。

新型コロナウイルス危機が、2021年に最初の3Dプリントロケットを飛ばすという予定を含めた打ち上げスケジュール全体に、どこまで影響を与えるかはまるで予測できないが、テレワークと社会的隔離指示に難なく添える製造ラインで多くの業務がこなせるとエリス氏は期待している。ジョン・C・ステニス宇宙センターのエンジン試験場といった提携施設が閉鎖されれば、確かに打撃にはなる。だがRelativityの回復力は、この危機的状況が去ったあかつきには、あらゆる種類の製造業の模範となるだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

SpaceXの初期型Dragonカプセルが最後となる20回目のミッションを完了

SpaceX(スペースX)は2012年にNASAに代わって貨物輸送ミッションを開始し、それ以来国際宇宙ステーション(ISS)への補給を続けてきた。そして現在、最初のミッションから使用されているバージョンのDragonカプセルが、米国時間4月7日の火曜日午後に予定どおりISSから帰還して大西洋に着水、引退した。

これはCRS-20こと、スペースXによるNASAのための20回目となる商用補給ミッションが完了したことを意味する。Dragonは3月7日にケープ・カナベラルから打ち上げられた後、3月9日からISSにドッキングしていた。またこれは、ISSの宇宙飛行士が操作するロボットアームの補助によりDragonがドッキングした最後の機会となった。Crew Dragonを含む新しいDragonでは、ISSへのドッキングに自動プロセスが採用される。

今回使用されたDragonは帰還に先立ち、地上の研究者が調査するための実験材料や結果を積み込んでいた。このカプセルは以前にもCRS-10とCRS-16の2回のISSへの飛行ミッションを経験しており、今回の引退飛行は補給船にとってハットトリックとなっている。

スペースXの次のミッションは5月中旬から下旬に予定されている、初となる乗員を乗せたDragonによるISSへの飛行となるDemo-2だ。もちろん貨物輸送ミッションも継続され、次回は2020年10月に暫定的に予定されている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google CloudでBigtableの小さなワークロードでも動かせる

Cloud Bigtableは長年、Google Cloud上の大きなペタバイト級の分析やオペレーショナルのワークロードを支える、完全なマネージドNoSQLサービスだった。しかし1ノード1時間あたり0.65ドルという料金と、1クラスターあたり3ノード以上というGoogle Cloudの要求により、それは決してお安いサービスとは言えなかった。しかしながら、今日(米国時間4/7)からそれが変わる。これからはBigtableのプロダクションワークロードを、わずか1ノードでも動かすことができる。

Google Cloud BigtableのプロダクトマネージャーSandy Ghai氏が、今日の発表声明で次のように述べている。「Bigtableを、大小を問わず、さまざまなキー-ヴァリューおよびワイドカラムのユースケースの優れたホームにしたい。それは新人デベロッパーでも、古参のエンタープライズでも同じであり、みなさまが自己管理しておられたHBaseやCassandraなどのクラスターの、ランディングページでありたい」。

これによりGoogle Cloudでは、小さなクラスターのレプリケーションによる高可用性と、ワンノードの開発インスタンスとワンノードのプロダクションインスタンスを必要に応じて切り替えることが可能になる。さらにまた、今ではサービスのSLAが、サイズを問わずすべてのBigtableのインスタンスを対象にしている。

このところGoogle Cloudは大企業エンタープライズ顧客の獲得と問題対応に熱心だったから、今回のようにBigtableに小さなワークロードを歓迎する動きは興味深い。でも、初めに一つのノードだけを必要とした企業が、やがて大量のクラスターを必要とするようになったりするから、Bigtableのこれまでの最小要件は小さな企業にとって障壁だった。しかもデータベースは、企業が小さい時期と大きくなってからとで、安易に切り換えるようなサービスではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

遠隔医療が新型コロナ流行抑制に「まだ」大きく寄与していないのはなぜか

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが猛威を振るっている。

米国で感染者が激増する中、新型コロナの急激な感染拡大で最もありそうな可能性1つは、病院の対応能力がパンクしてしまうことだ。ニューヨークのような都市の病院はすでに患者であふれており、出動した病院船(「希望と連帯という名の7万トンのメッセージ」)や、現場を支援する退職医療従事者卒業前の医学生にも頼っている。

テレヘルス(遠隔医療)はその動きと並行して、米国の保健システムにとって「あるといい」ものから「なければならぬ」ものへと急速に進化している。

テレヘルスは名前先行から期待を経て、ついに導入へ

このタイミングは予見的だ。テレヘルスのテクノロジーは完成度はまちまちだが数十年にわたり存在してきた。ただこれまであまり実践に取り入れられてこなかった。2005年から2017年まで、テレヘルスを介した医師の診察は150回に1回、専門医の診察は5千〜1万回に1回にとどまった

導入の主なきっかけは2週間前の連邦政府の発表だ。テレヘルスの使用に関するメディケアの適用制限を一時的に解除すると発表したのだ。政策の変更には、専門分野や利用局面の点での対象範囲拡大、自己負担の撤廃、HIPAA(医療の携行性と責任に関する法律)のプライバシー要件緩和などがある。例えば、HIPAAは従来、AppleFaceTimeなどのユビキタスなテレビ会議テクノロジーを禁止していた。

発表を機に、いわば一夜にしてテレヘルスはついに主流となった。

米国最大級の医療機関でテレヘルスの採用が急速に進んでいる。マサチューセッツ総合病院では、オンライン診療の1週間の予約数が過去数週間で1020倍に増えた。ニューヨーク大学ランゴーン医療センターでは、新規予約の急増に対応するためスタッフを5倍にした。米国最大のバーチャルケアプロバイダーであるTeladoc(テラドック)では現在、毎週10万を超える予約が報告されている。

テレヘルスの利用事例の多様化

先駆的な医療システムを利用したテレヘルスの急増により、米国の医療業界ではこれまでになかったユニークな利用事例が生まれている。

利用事例はさまざまな局面で見られる。いくつか例を挙げれば、緊急治療、集中治療、トリアージ(重症度の選別)、経過観察などだ。病院以外では、ヒューストンのProject Emergency Telehealth and NavigationETHAN、緊急遠隔医療及びナビゲーションプロジェクト)などの国内の先進的な取り組みにおいて、救急隊員と救急救命士がテレヘルスを初期対応に使用した先例がある こうしたプログラムは、新型コロナに対応するRapidSOS(ラピッドSOS)などのスタートアップが積極的に開拓してきた

Kaiser Permanente(カイザーパーマネンテ)、Intermountain Health(インターマウンテンヘルス)、Providence Health(プロビデンスヘルス)などの医療関連企業は、フィラデルフィアのジェファーソン病院の業績に基づき、病院への玄関口となる緊急治療室で、医療提供者と新型コロナの疑い患者(patients under investigation)の接触を最小限に抑えるための遠隔受け入れプログラムを採用した

病院へ搬入する際にテレヘルスを使って患者の状態を観察し、医療提供者の安全を確保している。こうした技術は、個人用保護具が大幅に不足している状況で極めて重要であることが証明されつつある。

ワシントン州エバレットのプロビデンス地域医療センター(アメリカで最初に新型コロナの症例が発生した場所)では、ICU(集中治療室)患者の遠隔監視プログラムを6週間かけてゼロから構築したEarlySense(アーリーセンス)のようなスタートアップが、マルチモーダルセンサー(1つのチップで複数種類のデータを取得できるセンサー)と視聴覚機能を組み合わせ、混み合っていない病棟の臨床的悪化を遠隔で検出・評価することを可能にした。

緊急治療室や入院病棟から出た後は、TytoCare(タイトケア)のような遠隔スクリーニングツールを使用すれば、以前は医師で対面で行っていた治療や検査が遠隔から可能になる。新型コロナの不安定な臨床経過を踏まえれば、緊急治療室から出た後は効率的で定期的な診断によって症状を観察し、その後必要となる集中的な治療にうまく導くことが重要になる。

同様に、特にICUを出た後は病気がすんなりと回復しない可能性があるため、遠隔テクノロジーはいわゆる「退院後症候群」を緩和し、入院治療後の長期的な健康を確保するために不可欠だ。

最初に導入すべきはどこか、いやあらゆる場所か

さまざまな形のテレヘルスの利用がほぼ一夜にして解禁されたことはポジティブなニュースだが、米国では広範囲な普及を妨げる障壁が残っている。 現代医学のメッカで進められるプロトタイピングの段階から、ヘルスケアの広い局面で役立つツールへと移行する前に、テレヘルスはいわゆる「ラストマイル問題」の解決に取り組まねばならない。

ここで言うラストマイルとは、地域で医療を提供するにあたっての非技術的または現場実践的な要素を指す。テレヘルス同様、医療提供に伴う実践的な要素への対応が不十分である場合、医療提供者が患者に新しいテクノロジーを適用することはできない。テレヘルスの場合、ラストマイルは4つの領域にグループ化できる。(a)適用範囲と償還(b)法的な懸念(c)臨床治療(d)社会的課題の4つだ。連邦政府の今月の政策変更は、不法行為責任の制限、厳密にはHIPAAに準拠していない可能性がある一般的な電話会議プラットフォームの許可など、いくつかの法的問題を解決する上で大きな一歩だった。

ただし、特に米国人の86.5%を占めるメディケア非対象者にとって、テレヘルスの利用を妨げる大きな障害が他の3つの領域で立ちはだかる。新型コロナに効果的に対処するには、リソース不足の状況下で、米国28100万人にくまなくテレヘルスを届ける必要がある。ウイルスが広く蔓延する中、地域の医療システムは足下の症例急増に対処するためテレヘルスのようなテクノロジーに大きく依存している

テレヘルスの拡大に不可欠なもの

患者の補償範囲に関して、20194月の時点で保険プランにテレヘルスサービスの補償を義務付けている州は36のみだった。補償対象者の1回の診療にかかる自己負担額はおおむね5080ドル(約55008700円)だった。自己負担を免除しているプランもあるが、将来ほぼ上昇が見込まれる追加の年間保険料が必要だ。こうした個人の費用負担は、現在の感染拡大の中で、非メディケア患者のテレヘルス利用を妨げる。

United Healthcare(ユナイテッドヘルスケア、4500万人の米国人が加入)、Humana(フマナ、3900万人)、Aetna(エトナ、1300万人)などの民間保険会社は、この2週間でテレヘルスサービスの自己負担額を免除した。残りの数億人の米国人をカバーする民間保険会社はこれに続くべきだ。マサチューセッツ州は先月、すべての保険会社にテレヘルスをカバーするよう義務付けた。他の州が続けばこの動きは加速する。

医療提供者への償還に関しては、わずか20%の州が保険償還率の同等性(payment parity)を義務づけている(そもそもテレヘルスが保険でカバーされていればの話だ)。同等性とは、テレヘルスに関する保険からの償還率(日本の診療報酬点数に相当)を、同様の診断を対面で受けたときと概ね同じにすることだ。償還率の格差によってテレヘルスの採用が望ましくない、あるいは受け入れがたいものになってきていた。テレヘルスの償還率は同等の対面診療よりも平均2050低い

テレヘルス導入の障壁は独立系の医療機関にとってさらに高い。標準的なテレヘルスプラットフォームを使用するには利用料を支払う必要があるが、一方でテレヘルスを取り入れると収益が約30%減少してしまう。新型コロナの感染が拡大する中、大規模な医療機関や個人経営の医院によるテレヘルス採用を金銭面で実施可能にするために、各州はここでもマサチューセッツ州にならい、民間保険会社からの償還率の同等性を導入するチャンスを活かすべきだ。

最後に、臨床治療については、テレヘルスをどこでどのように実施しうるかに関して多くの課題がある。具体的な実践に移すにあたり、テレヘルスを臨床診療の既存のワークフローと統合する必要があるが、現在の保険ルールがこれを妨げている。たとえばオンラインでの「訪問」や定期検診は再診患者にのみ認められている。新規の患者については、精密検査を必要としない軽度の症状または一時的な問題を示す患者であっても許されていない。これは最近のCMS(メディケア・メディケイド・サービスセンター)のポリシーでもそうだ。

さらに、「ストアアンドフォワード」(医療情報を電子的に別の場所に送信すること)を利用した助言や遠隔患者モニタリングなどの非同期方式はほとんどの州で制限されている。これらは地域的に散らばった患者へ柔軟に医療を提供する上で不可欠であり、効率的で拡張性の高い方法だ。

また、テレヘルスを実施できる「場所」は、患者の自宅でのサービス提供を禁止する「サービス発生場所」の方針によって制限されている。いくつかの条件を満たす必要もある(脳卒中の診断アヘン吸引からのリハビリなど)。こうした一貫性を欠く過剰規制がテレヘルスの普及を非現実的なものにしている。さらに、求められる免許が州単位のため、医師は州境をまたいで医療を提供できない。これは、19世紀に州によって医療の質に差があったことが背景にある。

患者が集中している地域で新型コロナに対応する医療を支えるために、各州はニューヨーク州フロリダ州にならい、州外の免許使用禁止を一時停止して免許の移転を許可するか、少なくとも他州との「免許協定」を通じて相互の免許融通を進める必要がある。

社会的課題に関しては、人口層別にアクセスにかなりの格差が存在する。たとえば、米電気通信情報局の2018年の調査によると、高齢者などの脆弱さを抱える層は全人口平均に比べ、インターネットへアクセスする割合は21%低く、ビデオ通話については約50%低い。貧困層がオンラインで医師とコミュニケーションをとる割合は34%低い。その他の人口統計上の少数派(ヒスパニック系や低学歴層など)も、テレヘルスのテクノロジーにアクセスしたり利用したりする可能性は低い。

そうした層は、新型コロナにより死亡率が上昇する健康に影響する社会的決定要因や併存疾患に直面する可能性が高く、新型コロナなどへの感染リスクを減らす健康リテラシーのレベルも低い。そのため、テレヘルスへのアクセス不平等は、新型コロナの流行曲線を平坦化する国としての能力に重要な影響を及ぼす。

そうした人々の医療へのアクセスを広げる唯一かつ最良の施策1つは、医師以外の医療提供者の診療範囲を拡大することだ。医師以外の医療提供者は、難解な法律によって翼を奪われている。各州の医師会が、ほとんどの患者には医師による「監督」が必要だと主張し、この法律をがっちりと擁護している。これは1980年代以降に行われたさまざまな分析に反する見解だ。各種分析によって、医師以外のヘルスケアプロバイダー(看護師や医師の補助者など)が医師と同等の高品質のサービスを提供できることが示されている。

さまざまな医療関連従事者(登録看護師薬剤師歯科医救急隊員ソーシャルワーカーなど)を動員し、より裁量をもたせてスクリーニング、診断、治療、処方に従事してもらえば、新型コロナを前に「戦力倍増装置」としてテレヘルスの能力を補強できる。緊急事態で専門医と総合医を結ぶプラットフォームを提供するThe MAVEN Projectのようなスタートアップの可能性を解き放つこともできる。

カリフォルニア州のように地理的に広がりのある州では2030年までに、医療関連従事者がプライマリ・ケアの半分を占めると予想されており、彼らを活用する政策が特に重要だ。静かに進む新型コロナの感染拡大から全国の患者を保護するために、なかなか進まないカリフォルニア州議会法案890のような、医療関連従事者を活用する取り組みを推進するために設計された法案を承認すべきだ。

要約する。連邦および州の機関による初期の新型コロナ対応がテレヘルスの普及を促した。だが、ウイルスが国全体を包囲しつつある状況では、より包括的な解決策が早急に必要だ。この目に見えない敵を倒すために、テレヘルスを生み出す者、使う者、便益を受ける者に、何としても必要な武器を与えることになるからだ。今、テレヘルスを強化するには、ペンと紙が最も重要なテクノロジーだと思われる。短期的には上院議員へ送る手紙が、我々の手元にある最も強力な弾薬かもしれない。

【編集部注】筆者のEli Cahan(エリ・カハン)氏はニューヨーク大学の医学生で、スタンフォード大学のナイト・ヘネシー奨学生として保健政策の修士過程に進む予定。同氏はデジタル健康イノベーションの有効性、経済性、倫理性を研究テーマとしている。

画像クレジットBSIP / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

LINEを活用した歯科矯正サービス「DPEARL」が歯科医による遠隔コンサルサービスを開始

「歯並びをきれいにする歯科矯正は、審美的に意味があるだけでなく、健康にとっても重要な領域です」

LINEで予約して始めるマウスピース型歯科矯正サービス「DPEARL(ディパール)」を提供するフィルダクト代表取締役の金子奏絵氏は、そう切り出した。欧米では歯並びをきれいに保つことは、ずっと以前から意識されているが、日本では「歯並びを治したいが、なかなか踏み出せない」という人が多いという。

「日本で歯並びがよくない人は全体の64%。そのうちの9割が未治療者で、人口の約58%が歯並びの改善が必要なのに、できていない。矯正に踏み出せない理由としては、費用の高さ、矯正期間の長さ、ワイヤー型の矯正器具を使ったときの見た目が大きい。(従来のワイヤー型での)一般的な歯科矯正の費用は相場が100万円。期間は2〜3年で確かに潜在ニーズに応えられていないのが現状だ」(金子氏)

金子氏は東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科の出身で、歯科技工士免許を持つ人物だ。「旧態依然とした歯科業界を変えたい」と同大学大学院医歯学総合研究科在学中に起業。歯科矯正を「安い」「スピーディー」「万全のサポート」を備えたサービスでアップデートしようとDPEARLを企画・開発した。

テクノロジー活用で歯科矯正を低コスト・短期間化、モチベーション維持も

DPEARLでは、CADや3Dプリンターといったテクノロジーを活用して、これまで歯科医師がワイヤーの屈曲を行い、時間をかけて行ってきた矯正の時間とコストを削減。低コストで、しかも目立ちにくい透明なマウスピースを装着しての矯正を可能としている。

またユーザーからDPEARLが直接費用を預かり、歯科医師や歯科技工士に支払うD2Cモデルを採用。これにより、ユーザー・歯科医師・歯科技工士のそれぞれにとって適正なプライシングを実現し、「平均20万〜40万円の価格で矯正が行える」(金子氏)という。

DPEARLの利用フローは以下の通りだ。まず、DPEARLのLINEアカウントを友だち登録し、初診を予約。提携クリニックへ行き、マウスピースによる矯正が可能かどうかを歯科医が初診時に診断した上で、歯型を取る。その後、歯科技工士がデジタルシミュレーションを製作。約2週間で専用のマウスピースが作られて届くので、そこから装着・矯正が始まる。

マウスピース型の歯科矯正のメリットには、目立ちにくいということのほか、いつでも取り外しができるという点もある。このため、矯正中の歯みがきなどの手入れはしやすいのだが、これは実はデメリットにもなり得るのだという。マウスピース矯正では、1日18〜20時間の装着時間が必要だが、これを守れないと矯正期間が長期化することになりかねない。

DPEARLはLINEを活用することで、装着中のユーザーのモチベーションをサポートするサービスも提供。矯正の進捗状況がグラフで一目で分かるほか、シミュレーション動画もLINEで確認でき、提携ドクターによる定期的なコメント送信や歯科衛生士などによる質問への対応も行われる。

歯科サブスクなども構想、矯正を予防歯科の入口に

2019年3月からDPEARLのビジネスモデルを検証してきたという金子氏。2019年11月には先行受付を開始し、今年3月から正式にリリースした。都市部だけではなく、クリニックの少ない地方からの登録も進んでいるとのこと。売上などのめども立ち、ビジネスが成り立つとの判断から、現在はブランディングとオペレーション構築を進めているところで、今後スケール拡大を図るという。

「DPEARLは、歯科矯正をもっと身近に感じてもらうためのきっかけを与え、LINEを使ったサポートにより、効果も上げるという役割を担うブランド。今回、新型コロナウイルス感染拡大のこともあり、新たに遠隔で、歯科医が歯並びのコンサルティングを行うサービスを開始した」(金子氏)

4月8日にフィルダクトが提供を開始した「DPEARL Home Dental」は、今までは最初のチェックからクリニックに足を運ぶ必要があったところを、家にいながらにして歯並びの状態を知ることができるというものだ。DPEARL Home DentalのLINEアカウントを友だち登録し、スマホで撮影した歯並びの写真をアップロードすると、歯科医師がそれを見て歯並びの問題点を指摘し、DPEARLでの矯正期間や費用の目安を教えてくれる。確かに、オンライン越しに概算が見積もれるなら、歯科矯正へのハードルを下げるには十分役立ちそうだ。利用は無料で、先着1000名が対象となる。

このサービスは、米国で提供されている歯科矯正サービス「SmileDirectClub」や「Candid」のように、歯型を取るキットが送られてきて歯科矯正が全てオンラインで完結するというものではないので、最終的には対面での診察や歯型取りが必要だ。キットでの歯型取りについて金子氏は、今のところ「精度が確実でないため、正しい矯正につながらず、時間や費用がかえってかかる可能性があり、DPEARLでは採用しない」と回答している。

金子氏は「海外で提供されているサービスのモデルでは、歯科矯正器具を販売することに主軸があり、クロスセルでほかのものも販売するようなものが多い。だが我々は『歯科矯正を予防歯科の入口』と捉えている」と述べている。

「日本の歯科は、ずっと治療が主流で成り立ってきた。近年は悪くなってから受診するのではなく、予防を強化したいというトレンドはあるが、なかなか進んでいないところもある。この流れを、審美やコンプレックスを切り口として仕掛けるのはピッタリだと考えた。矯正に取り組む患者さんは歯に対する意識が高くなるので、定期的なクリーニングを勧めれば定期来院にもつながりやすい」(金子氏)

金子氏は「フィルダクトはマウスピース矯正にとどまらず、古い歯科業界に風穴を通し、インフラを整えていくような企業となることを目指している」として、DPEARLについて「歯科のサブスクリプションなど、プラットフォームへの移行も構想としてある。歯科矯正サービスは歯科予防産業の入口として捉えている」と話している。

今後「3Dと予防歯科、テクノロジーと予防歯科の切り口で、D2Cブランドで多くの人を引きつけられるようなサービスを考えている」という金子氏。「口腔の健康と糖尿病や脳梗塞、高血圧など、全身の健康は密接に関連している。口腔をよくすることは全身の健康につながる。歯科受診がステータスに感じられるようなサービスを提供していきたい」と語った。

Facebookがカップル向けの新アプリを密かにリリース

米国時間4月7日、Facebook(フェイスブック)は、カップル向けの新しいアプリを密かに公開した。Tuned(テューンド)と名付けられた新プロダクトは、大切なパートナーとのコミュニケーションを支援するアプリだ。

アプリは米国とカナダでダウンロードが可能で、Senosr Tower(センサー・タワー)によると、TunedはFacebookのNew Product Experimentation(NPE、新製品実験)チームが開発した。この部門は(名前から想像できるだろうが)実験色が強く、そのためプロダクトが受け入れられなかったときに引き上げるのが少々早い。

Tunedは世のカップルたちにとって実に興味深い時に登場した。一緒に住むカップルは、隔離状態の中起きている時間のすべてを共有しており、今ほどこの種のアプリを必要としない時はおそらくない。一緒に住んでいないカップルにはアピールするだろう。未曾有の事態である現在、人々はデジタルツールを使ってパートナーに寄り添うことが推奨されている。

このアプリはあらゆる意味で単なるメッセージングアプリであり、1人の相手だけにメッセージやスタンプを送ることに特化している。ユーザーはアプリをSpotify(スポティファイ)と連携させて楽曲を共有したり、専用ウィジェットを使って今の気持ちや計画していることを伝えられる。同社はこのアプリのフィードを「スクラップブックスタイル」と呼んでいる。

同社の出会いプラットフォームであるFacebook Dating(フェイスブック・デーティング)とは連携していない。そう、このアプリの最も興味深い特徴は、Facebookとの抱き合わせが皆無なことだ。

ここ数年、Messenger(メッセンジャー)がFacebookのソーシャルな関心事の実験台だったが、Messengerが重要になりすぎた今、ユーザーは普段使っているアプリに小さな変更が頻繁に加えることを喜ばなくなった。問題は、Facebookにはもはやデフォルトの実験アプリがないことであり、こうしたNPEチーム製品を使って少ないユーザーデータを元に新機能の成否を判断せざるをえなくなった。果たしてこの戦略がどこまでうまくいっているのかはまだ不明だ。NPEチームの別製品で唯一今も存在しているのが、Pinterest(ピンタレスト)のライバルであるHobbiというアプリで、2カ月前にリリースされて以来、App Storeでついたレビューは1つだけ、星はひとつだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterのジャック・ドーシーCEOが1000億円超の新型コロナ救済基金を設立

Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は米国時間4月7日、一連のツイートで自身が所有するSquare(スクウェア)株10億ドル(約1090億円)を使って新型コロナウイルス救済に特化した基金を設立することを発表した。TwitterとSquare両社のCEOである同氏は、新ファンドをStart Small(スタート・スモール、小さく始めろ)と名付け、支払額と受取人の記録を公開スプレッドシートに掲載している。

ドーシー氏は発表の中で、Start Smallは将来、新型コロナに打ち勝った後は目標を転換し、少女の健康と教育とuniversal basic income(ユニバーサル・ベーシックインカム)に向けるつもりだと語った。

Start Small最初の寄付として、10万ドル(約1090万円)がAmerica’s Food Fundに贈られる。Leonardo DiCaprio(レオナルド・デカプリオ)氏とLaurene Powell Jobs(ローレン・バウエル・ジョブズ)氏が率いる新型コロナ・パンデミックで困難な生活を送っている人たちに食料を提供する取組みだ。

America’s Food FundのGoFundMeページによると、同ファンドの高額寄付者には他に100万ドル(約1億900万円)のOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏、500万ドル(約5億4000万円)のAppleらがいる。

1社ならず2社の上場企業を率いる米国のテック起業家が米国時間4月7日の午後に発信したツイートからわかったことは、とりあえず上記の通りだ。

Start Smallの資金にTwitterではなくSquare株を使った理由については「私はSquare株をずっとたくさん持っている。そして少し時間をかけて売る必要がある」とドーシー氏は後にツイートで説明している。

ドーシー氏の新たなプロジェクトについて、知るべきことがまだたくさんある。どう運営していくのか、(寄付の他に)投資もするのか、基金に興味のある人がどうやって申し込むのかなどだ。TechCrunchはSquareに詳細を質問しているので、情報が入り次第本稿を更新する予定だ。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ブロックチェーン事業者向けサービスを提供するGincoがDBJキャピタルから資金調達

写真左:Ginco代表取締役 森川夢佑斗氏

ブロックチェーン技術による事業者向けサービスや暗号通貨ウォレットを提供するGincoは4月8日、DBJキャピタルを引受先とする第三者割当増資により、資金調達を実施したことを明らかにした。金額は非公開だが、関係者によれば「億単位」の調達とのこと。今回の調達はプレシリーズAラウンドに当たり、2018年1月発表の1.5億円の資金調達に続くものとなる。

ブロックチェーン事業者の規制・セキュリティの課題を埋める

Gincoは2017年12月の設立。創業当初はクライアント型のウォレットアプリ「Ginco」を個人向けに開発・提供しながら、非中央集権の分散型サービスへの入口としての役割を目指していた。Ginco代表取締役の森川夢佑斗氏は「ブロックチェーン技術の社会実装・普及は、仮想通貨から始まるという見立てだった」と個人向けウォレットサービスから事業をスタートした理由を説明する。

個人向けウォレットアプリGinco

「この見立ては正しかった」と森川氏。ただ、ブロックチェーンの主軸がパブリックチェーンといわれるオープンなものから、エンタープライズユースへと移り、急激に伸びていく中で、「法人向けのシステム提供へと大きく事業の舵を切った」と語る。現在Gincoでは、暗号資産やセキュリティトークンの業務用管理システムを提供してブロックチェーン技術を活用したサービスを開発・提供する事業者を支援する、法人向けのサービスを主力事業としている。

個人向けウォレット開発を通して、ブロックチェーンサービスを提供するためのシステム基盤を構築してきたGincoでは2019年1月末より、ブロックチェーンの鍵管理やAPI、ノードなどの技術をモジュール化。他のサービス開発事業者でも利用できるようにした。

2019年2月には、仮想通貨取引所向けの暗号資産管理システム「Ginco Enterprise Wallet」の提供を開始。ブロックチェーンノードの導入・運用サービスや業務用ウォレット、事業者独自のユーザー用ウォレットの開発など、仮想通貨取引所を運営する事業者がサービスづくりに集中できるよう支援を行う。

また同月、日本マイクロソフトとの提携により、ブロックチェーンサービス事業者向けのクラウド型ブロックチェーン環境「Ginco Nodes(ギンコ ノーズ)」の共同開発も開始しており、インフラとしてのノード提供にも取り組んでいる。

他業種に比べて大きくブロックチェーン活用が進んでいるのは、仮想通貨取引所をはじめとする金融領域の事業者だ。「日本ではこの1年ほど、特に『規制』と『セキュリティ』が、金融領域でブロックチェーンサービスが社会に受け入れられるための課題としてあった。事業者の課題とのギャップを埋めるソリューションとして、我々はいろいろなプロダクトを提供するようになった」(森川氏)

革新的サービスと規制・セキュリティ対応は両取りできる

2019年6月に公布された改正資金決済法では、交換業者のユーザーの資産保護に加えて、暗号資産の管理のみを行うカストディ業務についても規制が強化された。森川氏は「規制強化により、システム面のほか、オペレーションのスタッフやエンジニア増といった体制面でも、事業者は対応を迫られ、ビジネス規模とは別の部分でコストが大きくかかるという問題に直面している。スタートアップなどの小規模なところでは撤退する事業者も現れているが、私たちは(革新的なサービスと規制・セキュリティへの対応は)両取りできると考えている」と述べている。

「でなければ、テクノロジーの発展の意味はない。ブロックチェーンはそもそも、安全性や信用をこれまでより安価で効率よく構築できる技術として現れたもので、我々もそこに期待してこの領域で取り組んでいる。イノベーションと安全・安心の両取りができるようなソリューションを事業者へしっかり提供していくことで、真にブロックチェーンの技術的な価値を社会に適用させたい」(森川氏)

森川氏は「元々は、仮想通貨のウォレットで秘密鍵を個人が持ち、非集権的な個人主導の経済・金融の実現を描いていた部分もある」としながら、直近の事業展開については「実際に社会適用の観点で見ると、仮想通貨、特にビットコインについては2018年ごろから規制がきちんとでき、そこから取引高が日本でも大きく伸びた経緯がある。規制準拠とマーケット拡大とは、なかなか切っても切り離せないところがある。となると、事業者を通じてブロックチェーンが利用されるケースが多いということになる」と述べている。

また「一般向けでブロックチェーンを使った新しい顧客体験を生み出すようなサービスが登場するには、まだ数年かかるのではないか」という森川氏。まずは法人向けソリューション提供にフォーカスするとして、次のように語った。

「ブロックチェーンのエンタープライズユースは増えているが、ほとんどは業務改善・業務効率化といった文脈で活用されているケースが多い。金融業でいえば、発行社債の効率化や不動産登記への活用などが日本では進んでいるところ。また海外では医療系で電子カルテへの活用といったユースケースが増えており、適用されるユースケースはある程度、決まってきている。その中でまずは、我々が培ってきた技術を適用して、ソリューションとして提供していく。実際に進む領域に合わせて、事業者にブロックチェーンを使ったしっかりしたソリューション、社会適用できる、ギャップを埋められるソリューションを提供していきたい」(森川氏)

急反発翌日の米国株は高値で寄り付くも終値は微減

米国時間4月7日の米国株式市場は、値を下げて1日を終えた。主要インデックスは乱高下の後、下げ気味で引けた。4月6日月曜日の反発に続き、急上昇で明けた1日も終わってみれば利益は消えていた。何とも複雑な動きの一日だった。テック株重視のNasdaq Composite(ナスダック総合指数)は、3%以上の上昇を見せたこともあったが、終値は0.33%のマイナスだった。

昨今の株価の動きの正しい理由を予想することはほとんど無意味だ。しかし、今日の消えた利益の理由は少なくとも部分的には説明できる。おそらく史上最多となる新型コロナウイルス(COVID-19)による死亡者数だ。ある集計によると、本稿執筆時の死亡者数は1690名を数え、感染者の多い未報告の州がまだいくつか残っている。

今日の株式市場の数字は以下の通りだ。

  • ダウ平均株価:-26.13ドル、-0.12%
  • S&P 500:-4.27ポイント、-0.116%
  • ナスダック総合指数:-25.98ポイント、-0.33%

SaaSおよびクラウド関連株は急落し、この日ベッセマー・クラウドインデックスは1.88%下がった。石油株も下落し、WTI原油は執筆時点で7%以上値下がりしている。

あまりの変動ぶりに圧倒されている人のために、主要インデックスの最近の変化を示しておこう。

  • ダウ平均株価の直近52週高値との比較: -23.4%
  • S&P 500の直近52週高値との比較: -21.63%
  • ナスダック総合指数の直近52週高値との比較: -19.83%

付け加えると、ベッセマー・クラウドインデックスは直近の高値と比較して-24.09%だ。つまり、どこもかしこも下げ相場の領域にいるということだ。月曜日の急騰にもかかわらず。確定拠出年金(401k)を積み立てている人にとっては良いニュースとはいえないが、先週金曜日の方がもっと悪かった。

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今日は市場が上昇を試みたが失敗した。明日の新型コロナのデータが何を我々に見せてくれるのかを待とう。再び市場を押し上げてくれるかもしれない。

画像クレジット:Pixabay /under a CC0 license.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook