電動船外機の性能を向上させるPure Watercraftが約24億円調達

電気自動車が実用化され始めたのは10年ほど前のことだが、いまではこの技術が水上で展開される準備が整ったようだ。Pure Watercraftは、50馬力程度までのボートのニーズにおいて通常のガスエンジンから電動船外機に置き換えたいと考えている。同社は2340万ドル(約24億6700万円)を調達したばかりだ。

同社の船外機は従来のものとほぼ同じように機能し、スーツケースサイズのバッテリーパックで稼働する。もちろん乱流の音以外はとても静かだ。釣りや湖の周遊に適した3〜6mのボートに使用される船外機の代替となり得るものが、価格に関しては少し違う。

創設者でCEOのAndy Rebele(アンディ・レベレ)氏が同社を創業したのは2011年のことだが、当時はまだ時が熟していなかったのだろう。「モデルSはまだリリースされておらず、ボートを電気式にする計画は事実上資金調達が難しい状況でした」と同氏は語る。

レベレ氏は2016年に自分の資金の投入と控えめな資金調達を実施しているが「当時は腹を決めて成功を信じるしかなかった」と振り返る。

「この小さな市場が拡大していくと信じるしかありません」と同氏は続ける。「私たちはバッテリーパックのアーキテクチャー全体を開発しましたが、現時点で数百万ドル(約数億円)を投じています。しかし、私たちの投資家は、自動車やトラックほど注目されていない全く新しい運輸セクターの電化リーダーに投資してくれているのです」。

彼らは時間を無駄にしていない。同社によると、エネルギー密度(1kgあたりの電力量)は166Wh/kg(ワット時/キログラム)で、業界のリーダーであるTesla(テスラ)に匹敵し、他の多くの自動車用バッテリーメーカーを凌いでいるという。ユーザーは簡単にセカンドパックを追加したり、新しいパックに交換したりすることもできる。セル自体はテスラをはじめとする多くの企業と同様パナソニックが供給元となっているが、効率的で堅牢なものに組み立てることが可能で、防水パックは競合他社よりも優れている。

ボートは水の絶え間ない抵抗に対抗するために大量の電力を消費するため、十分な電力を保持することがボートにとって極めて重要である。車で1km走行するのにかかる電力量は、船で1km航行するのにかかる電力量の何分の1かだ。Zinのボートのよう(未訳記事)に、最初から電気で走るように設計されていても、物理的な理由からその能力には根本的な限界がある。

レベレ氏は、シンプルであることを魅力にしたいと考えている。「世界で最も普及している船外機は40馬力です」とし、「このタイプのモーターこそがPure Watercraftが作るものだ」と語る。また「『電気自動車の市場は小さいがとりあえず試しに作ってみた』と言うような多くの自動車会社の考え方がそもそもの誤りです」と同氏は指摘する。そうした中でテスラが電気自動車版の素晴らしい車を世に送り出した。

ボートにおいても同じことが言えると同氏は言う。たしかにさまざまな種類のボート、モーター、船体材料といった市場が存在している。しかし、小型ボートに現在動力を供給している既存のモーターの数々のレベルと同等かそれ以上のモーターを同社が提供し、しかもそれが電気であれば、必ず需要は広がりを見せるだろう。

「環境を配慮して購入してくれる顧客だけを頼りにすることはできません。利己的な選択で電気動力の製品を欲しいと思う人々がいてこそ成功し得るのです」とレベレ氏。

いずれにしても、そのメリットを列挙するのは簡単だ。静音で、釣りやクルージングに適しており、どのコンセントでも1、2ドル程度で充電が可能。小型のガスエンジンに比べて部品数が大幅に少なく、メンテナンスが極めて少ない。そしてもちろん、現在一般的な、気が滅入るほど汚れたモーターのように水や空気中に煙や微粒子を吐き出すことはない。

ガソリン使用に残された唯一の実質的な利点は、初期コストと利用範囲だろう。より良い製品に投資する気持ちがあれば、コストはそれほど問題ではない。また、ほとんどのボート利用者がそうであると思うが、1回の出航につき数マイル程度の航行であれば、航続距離も問題にはならない。釣りをしたり、湖の周りをクルージングしたりする程度であれば、1日中動かすことが可能だ。電動製品を買う気なんて毛頭にもないという人でもすぐこの事実に気が付くだろうし、少しでも欲しいと考えていた人々はますます欲しくなったことだろう。

高価格であることの根強い警戒感はまだかなり残っている。通常20~50馬力の船外機の価格は数千ドル(約数十万円)からで、それにガス代がかさむことになる。同社のモーターは充電器システムとバッテリーパックのセットで1万6500ドル(約174万円)、追加のパックは約8000ドル(約84万円)となっている。同社はいくつかのボートメーカーと協働して、ボート一式で3万ドル(約316万円)以下での提供を試みているが、それでも「2~6人乗りボート向けの船外機」利用者層にとってはハイエンドと言えるだろう。

L37と多数の個人投資家(Amazonの幹部やボート業界の関係者も含まれている)が主導する2340万ドルに達したAラウンドの資金調達で、生産のスピンアップを正面から見据えている。これまでテストしてきた「ベータ」製品に変更を加えた後、本社のあるシアトルで1000台を製作する予定だ。同社は基本的に研究開発を終えているので、製品の設計を終えるのに数年間顧客を待たせるようなことはほぼないだろう。またレベレ氏は、今のところ別の製品を作るつもりはないと述べている。

「私たちはこのパワーレベルで同製品を完成させます。そこに全力を注ぎます」と同氏は唱える。同社の焦点は優れたエンジニアリングであり、願わくば利益率の向上を図りたいとしている。同製品は、2021年のボートシーズンに間に合うよう完成されるはずだ。

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カテゴリー:モビリティ

タグ:電気自動車 Pure Watercraft

画像クレジット:Image Credits: Pure Watercraft

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(翻訳:Dragonfly)

インドネシア拠点のクラウドキッチンスタートアップYummyがソフトバンク・ベンチャーズ・アジア主導で12.6億円調達

インドネシア拠点のYummy Corporationは9月24日、SoftBank Ventures Asia(ソフトバンク・ベンチャーズ・アジア)が主導するシリーズBの資金調達で1200万ドル(約12億6500万円)を調達した。同社は、インドネシア最大のクラウドキッチン管理会社をうたうスタートアップ。共同創業者兼最高経営責任者のMario Suntanu(マリオ・サンタヌ)氏は「調達した資金はより多くの主要都市への進出と、データ分析を含む技術プラットフォームの開発に充てる」とのこと。

このラウンドのほかの参加者には、Intudo VenturesとSovereign’s Capital、新規投資家としてVectr Ventures、AppWorks、Quest Ventures、Coca Cola Amatil X、Palm Drive Capitalが含まれる。シリーズBにより、Yummy Corporationのこれまでの調達総額は1950万ドル(約20億5600万円)になる。

2019年6月にサービスを開始したYummy Corporationのクラウドキッチンのネットワークは、Yummykitchenと呼ばれ、現在ジャカルタ、バンドン、メダンに70以上のHACCP認定施設が含まれている。Ismaya Group(イスマヤグループ)やSour Sally Group(サワーサリーグループ)などの現地の大手ブランドを含む50社以上の食品・飲料企業と提携している。

サンタヌ氏は「新型コロナウイルスの感染蔓延による移動制限の間、ほとんど自宅に閉じこもっている人々が食べ物を宅配するようになり、Yummykitchenのビジネスは『健全な成長』を示した」と述べた。調達した資金は、より多くのパートナー、特に新型コロナウイルスの継続的な影響に対応するために業務をデジタル化し、配達を拡大したいと考えているブランドを獲得するために投下するとのことだ。

東南アジアにおけるクラウドキッチンの数は、新型コロナウイルスの感染蔓延前から増加し始めた食材宅配の需要に牽引され、この1年で急速に増加している。しかし、収益の大部分をデリバリーに依存している食品・飲料ブランドにとって、自社のキッチンやスタッフを運営することはコスト面で不利になる可能性がある。クラウドキッチンをほかの企業と共有することで、利幅を拡大することができるという算段だ。

インドネシアでサービスを提供しているほかのクラウドキッチンのスタートアップには、HangryやEverplateなどがある。そして、これらの企業とYummy Corporationは、主要な2社のプレーヤーと戦っている。もちろんそれは「スーパーアプリ」を擁するGrabとGojekであり、どちらも大規模なクラウドキッチンのネットワークを運営し、オンデマンド配信サービスと統合できるという強みを持つ。

サンタヌ氏は、他のクラウドキッチンと比較したYummyの最大の強みは「キッチン設備に加えて、完全に管理されたロケーションやキッチン運営サービスを提供している点」を強調する。つまり、レストランやF&Bブランドを含むYummyのパートナーは、自分たちのチームを雇う必要がなく、料理の準備と配送はYummyの従業員が担当する。また同社は、クライアントにデータ分析プラットフォームを提供し、ターゲットを絞った広告キャンペーンや、フードデリバリーアプリ上でのリスティングをより目に見えるものにするための支援も実施している。

ソフトバンク・ベンチャーズ・アジアのSouteast AsiaアソシエイトであるHarris Yang(ハリス・ヤン)氏は声明の中で「同社のF&B業界における強力な専門知識とブランドへのユニークな価値提案を考えると、Yummyがこの分野のリーダーであり続けると確信している。Yummy のチームをサポートし、この新興セクターでの事業拡大を支援できることを嬉しく思います」とコメントしている。

画像クレジット:Yummy Corporation

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(翻訳:TechCrunch Japan)

シャオミのIoTデバイスにeSIMを供給するShowmac Techが約15.4億円調達

スマートハードウェアによって管理され、形作られる未来にはコネクティビティ(接続性)が不可欠だ。中国拠点のスタートアップであるShowmac Techは、デバイスとその背後にあるサービスプロバイダ間のシームレスで安定した通信を実現するためのインフラソリューションとしてeSIMを提案している。

Xiaomi(シャオミ)はこの提案を受け入れ、2017年にShowmac Techのエンジェルラウンドに出資した。今回Showmacはより多くの投資家の注目を集め、Addor CapitalがリードするシリーズA+ラウンドで1億元(約15億4600万円)近くを調達した。このラウンドには、GGV CapitalとHongtai Aplusも参加している。

Showmacの創業者兼CEOのLily Liu(リリー・リュー)氏はTechCrunchとのインタビューで、「私たちは、セルラー通信がIoT時代の主流になると考えています。Wi-Fiは少数のデバイスに接続している場合に十分に機能しますが、その数が急増すると信頼性が低下します」と語る。

従来のSIMとは異なり、「サブスクライバIDモジュール」(加入者識別モジュール)の略であるeSIMは、取り外し可能なカード上にある必要がなく、デバイス上のSIMカードスロットも不要だ。むしろ、組み立て時にデバイスの集積チップに組み込まれ、異なるネットワークオペレーター似対応する。チップメーカーにとってShowmacのeSIMは、アプリケーションやソフトウェア開発キット(SDK)のように機能する」とリュー氏は説明する。

同社はeSIMをシャオミのコネクテッドデバイスのエコシステムに供給するパイロットプロジェクトとしてスタートさせ、ソリューションが実現可能であることが証明された時点で事業を立ち上げた。現在の主力製品には、IoTデバイス向けのeSIMカード、eSIM通信モジュール、ゲートウェイ、サービスとしての接続管理ソフトウェアなどがある。

現在までに1000万台以上のデバイスにeSIMを供給しており、そのうち約30%がシャオミだ。シャオミは社内開発と外部投資を通じて、OSと消費者にリーチするIoTパートナーの帝国を築いてきた。

顧客の大部分はの共有部品のサプライヤーで「所有権と使用権が分かれています」とリュー氏。同氏は中国の有名な華中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)で経済学の博士号を取得した人物だ。

同社は世界的なeSIM分野の先駆者とは言い難いがシャオミとの結びつきにより「サプライチェーンのリソースのレベルでは競合他社はほとんどない」とリュー氏は考えている。

「研究開発志向の比較的若いチームとして、毎日何十万、何百万という規模の製品を生産する大規模な産業活動を経験できたことは、非常に幸運でした。シャオミオは私たちにこの貴重な機会を与えてくれました」と創業者の劉氏。北京と深圳に40~50人の従業員を擁するこのスタートアップは、現在は中国市場に注力しているが長期的には海外展開を計画している。

リュー氏は「我々は世界で初めてeSIMを作ったわけではありませんが、世界の電子機器製造の中心地である中国にいることで、物事を成し遂げるのに有利な立場にあります」と語る。

5Gの到来は、スタートアップにとっての恩恵だと同氏は信じている。「5Gはより多くのIoTデバイスやアプリケーションを駆逐し、キャリアや地域を超えた機能を持つIoTデバイス]の必要性を生み出します」と述べた。

同社は今回調達した資金を、統合型eSIMモジュールの量産、研究開発、事業開発に充てるとしている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

スマートドライブがHondaの法人向け二輪車用管理サービスに走行データ蓄積・活用プラットフォーム提供

スマートドライブがHondaの法人向け二輪車用管理サービスに走行データ蓄積・活用プラットフォーム提供

スマートドライブは9月24日、Hondaの「Honda FLEET MANAGEMENT」(Hondaフリートマネジメント)に対して、走行データを取得・蓄積・活用する同社「Mobility Data Platform」を提供したと発表した。Honda FLEET MANAGEMENTは10月1日からサービスを開始する。

Honda FLEET MANAGEMENTは、ビジネスシーンで活躍する二輪車に車載通信機を取り付け、業務上の各種動態管理を可能とする法人向け二輪車用コネクテッドサービス。

同サービスは、走行データを取得・蓄積・活用するスマートドライブの「Mobility Data Platform」を採用しており、業務用二輪車の位置情報、加速・減速等の運転状況、訪問地点や走行距離などの記録、日報の自動作成、登録済み地点への接近・到着を管理者に知らせるメール通知機能などが可能となる。

また取得した走行データをもとに、スマートドライブのデータサイエンティストが分析・解析を行うことで、顧客ニーズに合わせた課題解決を提案可能としている。

スマートドライブは、2013年の創業以来「移動の進化を後押しする」をビジョンとして、移動にまつわる様々なモビリティサービスを提供。Mobility Data Platformを用いて、幅広い業種業態の企業と新しいサービスの創出に向けた協業を行ってきた。

モビリティ業界の変革期にある中、モビリティサービス作りにおける実績・データ解析の質・スタートアップならではのスピードなどが評価され、二輪車を利用する法人顧客を含めて、共にビジネスを成功に導くパートナーとしてHondaとの連携に至ったという。

業務上得られたデータを利活用することで、ビジネスユース二輪車のより効率的な運用に加え、ライダーの安全運転啓発にも貢献できると考えているとした。

また今後も、移動データの利活用を通して、移動をより価値の高いものにすることを目指し、「移動の進化を後押しする」サービスの開発・提供に努めていくとしている。

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今週の記事ランキング(2020.9.20〜9.24)

今週もTechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週の1位は、「iOS 14のホーム画面デザイン機能搭載でPinterestが驚異的なダウンロード数を記録」というニュースだ。他のランキングについても振り返ってみよう。

Hacobuの動態管理サービスが専用端末なしで日野のコネクティッドトラックで利用可能に

Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」が日野のコネクティッドトラックで利用可能に

Hacobu(ハコブ)は9月24日、動態管理サービス「MOVO Fleet」が、MOVO Fleet専用GPS端末なしで日野自動車のコネクティッドトラックにおいて利用可能になったこと、また専用プランを2020年10月1日から提供開始することを発表した。

2015年6月設立のHacobuは、物流向けアプリケーションおよびハードウェアの開発・販売、貨物利用運送事業を展開するスタートアップ。「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ企業間物流の最適化を目指しており、ロジスティクス クラウド「MOVO」(ムーボ)を提供している。

MOVO Fleetは、物流業界に特化したテレマティクスサービス。専用GPS端末を使った車両位置把握により、運行管理者の業務負担軽減や、配送業務の効率化をサポートする。

今回、MOVO Fleetが車載GPSを標準搭載している日野自動車のコネクティッドトラックへの対応を実現。同トラックを保有するユーザーは、MOVO Fleet専用GPS端末なしで、車両位置把握や自動着荷の記録保存などMOVO Fleetの機能を利用可能となった。

Hacobuの動態管理サービス「MOVO Fleet」が日野のコネクティッドトラックで利用可能に日野自動車は、2017年発売の新型大中型トラック・観光バス、2019年発売の新型小型トラックよりICTサービス用の通信端末の搭載を開始。コネクティッドトラックは2020年3月までに約10万5000台が生産されているという。

Hacobuと日野自動車は、ドライバー不足など物流にまつわる社会課題の解決を目指し、2019年9月に資本業務提携契約を締結。2020年5月にはオープンな物流情報プラットフォームの構築と具体的なソリューションの実現に向けて、MOVOに日野のトラック車載GPSの位置情報を接続した。

MOVOは、同一クラウドプラットフォーム上に構築された物流現場の課題を解決するアプリケーション群。SaaSモデルで各アプリケーションを提供しており、「低い初期投資と月額料金で利用が可能」「2週間に1度機能アップデートを実施し、システムの最新状態を維持」「他社サービスとのAPI連携で、拡張可能なサービス」といった特徴を備えている。

両社は今後さらにデータ連携を強化し、接続した車両・走行データを活用して様々なサービスを展開することでさらなる価値を創出し、社会や顧客の課題解決に貢献していくとしている。

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キーが光って弾き方を教えるRoliのキーボード「Lumi」が約3万円で待望の一般販売

Roli(ロリ)は、魅力的な音楽製品を作っているクールなスタートアップだ。最初の製品Seaboardはキーボード(鍵盤)の傑作で、ギターの弦のように音をベンドできた。さらに魅力的なのがBlocksで、モジュール状の光るパッドが電子音楽の作者に斬新なコントロールを提供した。

これといってスキルのない音楽ファンにすぎない私は、このロンドンの企業が作り出す音楽を遠くから賞賛していた。でもRoliは、Lumiで音楽教育にも手を伸ばしたようだ。それは小さくてポータブルなキーボードで、キーがいろんな色で光ることによって初心者に曲の弾き方を教える。

最初はKickstarterで提供されていたキットが、米国時間9月24日から予約受付を開始し、発売は11月になる。Lumi Keys 1はいま299ドル(約3万1500円)でケースが付き、Lumiのサブスクリプションサービス(会員制サービス)にアクセスできる。Roliはこれで収益化を図りたいようで、月額の会費は10ドル(約1050円)だ。現在提供されているのは、100種類以上のレッスンと400曲、そしてさまざまアーティストが揃っている。同社の記者発表はそれを「ビヨンセからベートーヴェンまで」と表現する。

現在のLumiは、最初のKickstarterバージョンよりも洗練されていて頑丈で重くなり、キーの反応も正確だ。キーのタイミングがいいから、複数のLumiをつないで長いキーボードを作れる。前に同社が言及していたように、このキーボードはMIDIコントローラーとしても使えるので弾き方の勉強が終わったら本格的な演奏も可能だ。

画像クレジット: Roli

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

介護施設向けレクリエーション業務支援のエブリ・プラスが約5000万円を調達

介護施設向けレクリエーション業務支援のエブリ・プラスが約5000万円を調達

介護施設向けレクリエーション業務支援プラットフォーム「えぶりプラス」運営のエブリ・プラスは9月25日、第三者割当増資として約5000万円の資金調達を発表した。引受先はマネックスベンチャーズ、静岡キャピタル、エンジェル投資家の豊吉隆一郎氏。

調達した資金は、介護施設へのサービス導入の推進とともに、オンラインサービスを含む提供レクリエーション数の拡充に向け、レクリエーション提供登録者や事業パートナーの募集に利用する。

えぶり・プラスは、300種類以上の介護施設向けレクリエーションコンテンツを揃え、レクリエーションの企画から告知に加え、パフォーマーの手配や日程調整、報酬の支払いをワンストップで管理する業務支援プラットフォーム。

介護施設向けレクリエーション業務支援のエブリ・プラスが約5000万円を調達

介護施設の利用者・入居者からのレクリエーション実施ニーズは強いものの、多忙を極める通常業務の中で企画から実行を完結するには多くの手間がかかる。これに対して、えぶり・プラス導入施設ではレクリエーションの企画に要した作業時間を最大80%削減し、さらに定期開催を可能にしているという。

今後は、導入施設数の拡大とともに、withコロナ時代に合ったオンラインサービス含め、提供できるレクリエーションをより充実すべく、レクリエーション提供登録者や事業パートナーの募集を行う。

有害コンテンツと戦うAIプラットフォーム開発のSpectrum Labsが1000億円超を調達

米国大統領選挙を40日後に控え、米国人の目はネット上の会話に集中している。同時に、人々の判断を惑わそうとネットで拡散される本物そっくりの偽動画やフェイクニュースや誤解を招く広告にも強い関心が寄せられている。

だが政治的発言は、もちろん、インターネット利用者が制作したコンテンツを悪用し、有害な結果を引き起こそうとする目論見の一手段に過ぎない。米国時間9月24日、AIでそうした行為全般に対処しようというスタートアップが資金調達を発表した。

Spectrum Labs(スペクトラム・ラボズ)は、コンテンツのモデレーション、追跡、警告を行い、さらには、嫌がらせ、ヘイトスピーチ、暴力の扇動、その他40種類の有害行為を、英語の他数カ国語で阻止するためのアルゴリズムと一連のAPIを開発し、1000万ドル(約10億5000万円)のシリーズA投資を獲得した。同社はこの資金を用いてプラットフォームの拡大を計画している。

このラウンドはGreycroftが主導し、Wing Venture Capital、Ridge Ventures、Global Founders Capital、Super{set} が参加している。現在までに同社は1400万ドル(約14億8000万円)を調達した。

Spectrum Labsが有害な政治的発言と戦うようになったのは偶然ではない。

CEOのJustin Davis(ジャスティン・デイビス)氏によれば、このスタートアップは、2016年の前回の大統領選挙の余波の中で創設された。そのとき、彼と、マーケティング・テクノロジー畑出身の共同創設者で現CTOのJosh Newman(ジョシュ・ニューマン)氏は、オンライン上のあらゆる有害コンテンツとの戦いを支援する何かを作りたいと感じていた。それは、選挙の行く末ばかりでなく、インターネットやそれ以外の場所で毎日繰り広げられ、固定化されてきた大きな仲違いにおいても大きな役割が果たせる。ちなみに、2人の共同創設者と9名ほどの従業員は、みなKrux(ク kjラックス)での、そしてKruxを買収した後のSalesforce(未訳記事)での同僚だった。

「私たちは、みんなでそこに介入する方法を探りました」とデイビス氏。「自分たちのビッグデータの経験を生かしたいと考えたのです」。Kruxは、マーケターのためにオンラインコンテンツを分類し、キャンペーンの効果をより正確に測定する事業を専門としていた。「世界の役に立つためにね」と。

現在Spectrum Labsは、Riot Games(ライオット・ゲームズ)をはじめとするゲーム業界の大手、Pinterest(ピンタレスト)などのソーシャルネットワーク、Meet Group(ミート・グループ)などの出会い系サイト、メルカリなどのマーケットプレイス、DTCブランド、さらには社内の会話をトラッキングしたいと考える企業など幅広い分野の顧客を有している。

同社の主要プラットフォームはGuardian(ガーディアン)と呼ばれ(ロゴはよく似ているが同名の新聞とは異なる)、必要に応じてダッシュボードの形態になる。また、内部システムに統合して単にサービスのセットとして使うこともできる。

利用者はこの技術を使って、既存のポリシーの確認や検査をしたり、ポリシー改善の手引として利用したり、またはこれをフレームワークとして新しいサンプルを作り、コンテンツのトラッキングが上達するようラベリングしてモデルのトレーニングを行うこともできる。

コンテンツのモデレーションのためのツールは、もう数年前から出回っているが、たいていのは人の言葉を単純に補完したり、キーワードを検出するといった程度のものだ。今なら大量の誤検出が心配される。

最近になって、人工知能がその作業をパワーアップしてくれたのだ、ソーシャルメディアやチャットが一般に大人気となり、ネット上の会話が飛躍的に増加したこともあって、その登場には相当待たされた。

Spectrum LabsのAIベースのプラットフォームは、現在40種類以上の有害な行為を検出できるよう設定されている。嫌がらせ、ヘイトスピーチ、詐欺、いい顔をして人につけこむ、不法な勧誘、人の個人情報をさらすなどの行為のプロファイルを、世界の研究者や学会の意見を元にあらかじめ用意していたのだが、さらに多くのデータをウェブから取り込みつつ洗練を重ねている。

有害な行為を止めようとAIを活用しているスタートアップは、他にもある。たとえば今年になって、やはりソーシャルメディアでの会話に焦点をあてたSentropy(セントロピー)というAIスタートアップが資金調達(未訳記事)してステルスモードから姿を現した。L1ght(ライト)もネット上の有害コンテンツに立ち向かう事業に資金を調達(VentureBeat記事)した。

実際に注目すべき点は、善なる戦いをビジネスとするスタートアップの台頭だけではない。そんな企業を支援したいという投資家が現れたことだ。大儲けできるスタートアップとは言えないかもしれないが、長い目で見て社会を良くする努力であることに間違いはない。

「ジャスティンとジョシュには根性と立ち直る力があり、それが独創的なリーダーとチームをまとめています」と、GreycroftのベンチャーパートナーAlison Engel(アリソン・エンゲル)氏は言う。「しかし投資家として私たちは、体系的問題を解決するには資金が必要であることも承知しています。彼らを支援しなければなりません。それを成功させるためには連帯が欠かせません。プラットフォームを統合するのです。その多くはデータに起因する問題なので、そこを頑強にすることです。次にそれを支える人、そして3番目に資金です」。

「スタートアップ投資家の間で潮の流れが、そして投資先の選択が変化してきている」とエンゲル氏は感じている。「投資コミュニティーの支援を求めるなら、コミュニティーが発展して栄えることを望むなら、私たちは、そこにおける自分の価値体系は何かを考えることが重要です。私たちは、より大きな公益の一部となるプラットフォームに投資する必要があります。そうすれば、投資家もそこに関与するようになります」と締めくくった。

画像クレジット:Towfiqu Photography / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

受取請求書の自動処理サービス「sweeep」のオートメーションラボが6500万円を調達

受取請求書の自動処理サービス「sweeep」のオートメーションラボが6500万円を調達

請求書の受取から仕訳・振込・保管を自動化するOCR付き請求書処理AI「sweeep」を手がけるオートメーションラボは9月25日、KVPおよび銀行融資により6500万円を調達したと発表した。調達資金は、電子帳簿保存法の対応機能開発、ワークフロー機能の開発、全職種における採用強化、COO、CMO、その他CxOの獲得に利用する。またsweeepの製品リニューアルを行ったことを明らかにした。

sweeepは、AI-OCR機能(学習・光学式文字認識を使った読み取り)をはじめ、請求書の回収から仕訳・振込・保管など経理上の課題となっている業務フローを一気通貫で解決できるサービス。請求書のクラウド受取が可能なatenaやクラウド会計freeeとの連携を行い、製品内に留まらず業務全体を俯瞰しユーザの利便性を高めることをモットーとしている。また現在、RPAやiPaaSとの連携も進めているという。

またsweeepは、2018年12月のクローズド版リリースより大手企業を中心にユーザーの開拓を行い、請求書の処理を自動化するための機能を開発。今回、ユーザー拡大に伴いUI/UXを刷新したことでパフォーマンスが50%改善し、各機能もアップデートした。

オートメーションラボは、「働くを楽しく」をミッションに掲げ、AI技術を用いた業務自動化サービスを開発運営。顧客の生産性向上、新たな価値創出への貢献を目指し、2011年の創業から経理・人事・営業事務などバックオフィス領域のBPR事業・BPO事業を展開。2016年にはRPAコンサルティングを提供開始している。

 

ゲノム解析技術を不妊治療分野に医療実装するVarinosが総額3億円を調達

ゲノム解析技術を不妊治療分野に医療実装するVarinosが総額3億円を調達

ゲノムテクノロジーを用いた遺伝学的検査を開発・臨床実装するVarinosは9月25日、第三者割当増資として3億円の資金調達を9月11日実施したと発表した。引受先はSMBCベンチャーキャピタル、みやこキャピタル。調達した資金により、マーケティングの強化、海外展開を視野にいれた事業拡大、IPOにむけた組織体制の構築を実施する。

Varinosは、診断や治療方針の決定にゲノム情報を利用するゲノム医療の実現化を目指すスタートアップ。代表取締役の桜庭喜行氏と、取締役の長井陽子氏を中心とする創業メンバーが2017年2月に設立した。現在は生殖医療および産婦人科領域を中心に女性のヘルスケアを支える新規の臨床検査を開発・提供している。本格的なゲノム解析が実施できる衛生検査所として、精度管理を徹底しながら次世代シークエンサーを使った新しい検査サービスを医療機関に提供してゆく。

ゲノム解析技術を不妊治療分野に医療実装するVarinosが総額3億円を調達

最新のゲノムテクノロジーを活用し同社が独自開発し、世界で初めて実用化した「子宮内フローラ検査」は、不妊や着床障害の原因となりうる子宮内の乳酸菌や病原性細菌を網羅的に調べることが可能。妊娠成功率を高めるために、日本全国の不妊治療クリニックや大学病院に導入されているという。

また、日本産科婦人科学会が進めている着床前遺伝子検査(PGT-A)の特別臨床研究に解析機関の一員として参加しており、日本の少子高齢化問題の解決のため、子宮内フローラ検査と併せて、妊娠成績の向上に貢献するための検査を開発・提供。

今後、生殖医療領域だけでなく、周産期領域および新生児領域を対象としたゲノム関連検査についても開発を進め、妊娠から出産までに生じる様々な課題を解決する、ゲノム検査業界のリーディングカンパニーとして邁進するとしている。

2020年8月には、本社および検査ラボラトリーをお台場のダイバーシティ東京オフィスに移転。検査処理能力の拡張、新検査サービスの迅速な開発に向けた人材採用を加速している。今後は、今回の資金調達を通じて、新型コロナ渦におけるデジタルマーケティングの強化、PGT-Aの国内普及、子宮内フローラ検査事業の海外進出を進めてゆくと同時に、IPOに向けた準備を加速させる。

アマゾン傘下のRingが3つの新製品で自動車用セキュリティーに進出、その1つはテスラとのAPI連携

Amazon(アマゾン)傘下のRing(リング)は、家庭や近所用のセキュリティーから自動車の世界に手を広げようとしている。米国時間9月24日に開催されたアマゾンのデバイスとサービスの盛大な展示会で同社は、3つの新製品、Ring Car Alarm(カーアラーム)、Ring Car Cam(カーキャム)、Ring Car Connect(カーコネクト)をデビューさせた。最初の2つはデバイスだが、最後のひとつは自動車メーカー向けのAPIとハードウェアのセットとなる。いずれも来年の早い時期に出荷される。

「実際、Ringをスタートさせてからずっと、さらにDoorbot(ドアボット)の時代まで遡って、自動車用のセキュリティーを求められ続けてきました」とインタビューで言及したのは、RingのCEOで創設者のJamie Siminoff(ジェイミー・シミノフ)氏。「それは、私たちが常に念頭に置いていたものですが、先に片付けなければならないことがあまりにも多かったのです。製品を作って、しっかりと働けるようにするには時間がかかるものです。そのため、この分野への進出には手間取りましたが、私たちの使命は住宅地を安全にすることです。自動車に起こることの多くは、住宅地にも起こるのです」と語った。

シミノフ氏は、今回発表できた製品が1つだけではなく、あらゆる顧客のニーズをカバーできる一連のセットであったことをとても喜んでいた。Ring Car Alarmは、OBD-II(車載故障診断装置ステージ2)対応の無線機器で、駐車中の車への衝突、車上荒らし、さらにはレッカー移動を感知する。Ring Car Camはセキュリティーカメラだ。Wi-Fi対応だが、追加プランでLTEにも対応できる。駐車中の事件や事故を監視するほか、走行中は緊急衝突検知や警察官に停止を命じられたときの録画も可能だ。3つ目のRing Car Connectは、ユーザーが内蔵カメラの映像を見たり、ドアロックの状態を確認したりできるように、自動車メーカーが車に統合するAPIと接続する後付け装置だ。

3つの製品でいきなり正面から、しかもRingにとって未経験の分野で参入した理由をシミノフ氏に尋ねた。「詳しく調べるようになって、これは1つのサイズで誰にでも合うといった種類の製品ではないことが、身にしみてわかったのです」と同氏。「むしろ、自動車に関連する製品一式を作ることなのだと気づきました。Ringでは、本当に独創的で、市場で際立ち、私たちの使命に合致し、顧客の生活をよりよくできるとわかったものだけを発売するよう努めています。完全にとは言いませんが、これまではそうしてきました」と続けた。

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製品の価格帯は大きな幅がある。Ring Car Alarmは予定小売価格が59.99ドル(約6300円)、Ring Car CamとCar Connectは、どちらも199.99ドル(約2万1000円)。Ring Car Alarmは、明らかに幅広い顧客層を狙っている。車への犯罪行為を予防する目的で、車とRingアプリが連動できるようにする基本機能をセットで提供するものだ。この装置は、Ringアプリに警報を送る。ユーザーが望めば、サイレンを鳴らすこともできる。Car Alarmはまた、他のRing製品やAmazon Alexa端末との連携も可能で、車に衝撃が加えられたり窓を割られたようなときには、Alexaが声で知らせてくれる。Ring Car Alarmは、Ringの親会社であるAmazonが今年中にサービスを開始する予定の低帯域幅無料無線ネットワーク・プロトコルAmazon Sidewalk(サイドウォーク)を使った接続が必要となる。

Ring Car Camは、もう一歩進んで、車の様子を目で監視できるようにするものだ。Wi-Fiが届く範囲で使用できるが、コンパニオンプランを選べば内蔵LTEによる接続が可能になる。また、これを取り付けた車に乗っている間にも使えるセキュリティー機能がある。RingのEmergency Crash Assist (緊急衝突アシスト)は、重大な事故だと判断した際には、即座に第一対応者に車の位置を通報する。さらに警察に停車を求められたとき、「Alexa、停止を命じられた」と話せば、自動的に録画が始まる。ネット接続されている場合、その映像は自動的にクラウドに送られる。プライバシーに関しては、写したくないときにレンズを隠せるフタがカメラ本体に付いている。録画中に音声だけをオフにすることも可能だ。

そしてRing Car Connectだが、これは自動車メーカーが使用するAPIで構成されていて、Ringの利用者が車に発生するあらゆる問題の警報を受け取れるよう、または車載カメラの映像を見られるようにする。また、後付け製品ではほとんど見ることが許されなかった情報にもアクセスできるようになる。

例えば、車のドアがロックされているかアンロックされているかなどだ。Ringの最初のパートナーとなる自動車メーカーはTesla(テスラ)だ。同社は、Model 3、X、S、YをRing Car Connectに対応させる。ユーザーは、2021年に199.99ドル(約2万1000円)で発売予定の後付け装置を取り付ける必要があるが、それによりセントリー(見張り)モードの録画映像や、運転中の映像をRingアプリで見られるようになる。

画像クレジット:Ring

Ringのセキュリティー・エコシステムは、簡単なドアベルから発展し、家全体(こちらもさらに広がっているが)、家の周囲、本格的な警報サービス、そして今や自動車にまで発展した。同社は決して、その栄誉ある地位に甘んじているわけではない。間もなく、郵便受け用のセンサーが29.99ドル(約3100円)で発売される。文字どおり手紙の「着信」を知らせてくれる装置だ。これが、今回の発表にちょっとした花を添えている。

画像クレジット:Ring
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(翻訳:金井哲夫)

テスラがトランプ政権を訴訟、車の「頭脳」の関税廃止を要求

Tesla(テスラ)は同社が中国から輸入しているコンピューターチップとその他の部品に対する関税を巡って、トランプ政権に対して訴訟を起こした。同様の裁判はすでに数百社が進めており、自動車メーカーではFord(フォード)、Mersedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Volvo(ボルボ)などが該当する。

テスラは合衆国国際通商裁判所に提出した訴状で、Robert Lighthizer(ロバート・ライトハイザー)合衆国通商代表の名前を挙げ、一連の関税を違法であると宣言するよう法廷に求めている(Bloomberg記事)。テスラは支払った関税と利子の返金も要求している。訴訟の中心を成している2種類の関税は、2018年に成立したCPUに対する25%の関税および昨年成立したその他数百種類の部品に対する7.5%の関税だ。

昨年合衆国通商代表部(USTR)は中国製の新しいカスタムチップの免除に関するテスラの要求を却下した(米政府リリース)。

そのカスタムチップは同社のAutopilot(オートパイロット)3.0 ハードウェアの一部であり、同社が新車すべてに搭載予定の完全自動運転(FSD)を可能にするものだ。このハードウェアは現在Model 3、S、およびXの全新車に標準搭載されている。顧客はさらに8000ドル(約84万3500円)を払ってFSDのソフトウェアアップグレードを購入する。

関連記事:テスラのオートパイロットはトランプの関税で窮地に

このハードウェアはAutopilot ECU(エンジン制御ユニット)の中にあり、テスラはこのモジュールを「車両の頭脳」であると説明している。モジュールは台湾拠点で中国・上海に工場があるQuanta Computer(クアンタ・コンピュータ)という会社が組み立てている。このモジュールは中国で作られて米国に輸入されたその他の電子部品とともに25%の報復関税の対象になっている。

テスラはUSTRへの要求の中で、Autopilot ECU 3.0の製造を米国内で行うことは不可能だと語った。

テスラはAutopilot ECU 3.0を、Teslaの継続的成長に必要な仕様で必要な数量を生産するための専門技術を有するメーカーを見つけることができなかった。このモジュールは車両の頭脳である。このためその調達は軽々に考えられるものでもコストだけで決められるものでもない。オートパイロットはテスラ体験の複雑でかつ安全最重要の機能であり、わずかな不具合さが重大な結果を招く可能性があるため、われわれの決定はすべてリスクを軽減することを目的としている。

テスラはModel 3のコンピュータシステムの部品であるメディアコントロールユニット(MCU)の免除申請も却下された。MCUは3枚のプリント版ユニット(PCBA)を組み合わせてメカニカルシャーシに収めたものだ。PCBAは、車載タッチディスプレイ、オーディオスピーカー、マイクロフォン、ラジオ、接続ボード(携帯通信)、Bluetooth、Wi-Fi、USB充電器、バックカメラなどとのデータのやり取りを制御していると同社は要望の中で説明している。MCUは先進運転支援システム(ADAS)および通信ボードモジュールと接続・通信する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米空軍の入札企業にOculus VR創業者設立の防衛関連企業Andurilが選ばれる

2014年にFacebookが買収したOculus VRの創業者Palmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏による防衛関連企業であるAnduril(アンドゥリ)が、米空軍が数十億ドルを投じる、戦争のための最先端の神経システムの入札企業として選ばれた。ラッキー氏は米国時間9月24日のTwitter投稿で、AndurilがそのAdvanced Battle Management System(先進的戦闘管理システム、ABMS)のための、選ばれたベンダーのひとつになったと発表した。

これまでの4カ月間空軍は、そのシステムを開発できると思われる50社あまりのベンダーを指名して、次の5年間でおよそ10億ドル(約1050億円)を受注するチャンスを各社に与えた。そして17社の候補ベンダーが選ばれたが、その中にはAmazon Web Servicesもいた。

一方でそのベンダーリストには、これまでの国防総省の入札であまり見かけることのなかった企業が多く載っており、その意欲的なシステムのタイムラインを加速しようとする「革新的な調達戦略」を反映しているようだ。

かつてOculusを創業して消費者向けVRの黎明期を作り(未訳記事)、トランプの熱心な支持者として議論を巻き起こし(The Daily Beast記事)、最後にはFacebookを解雇された人物(未訳記事)の創業3年のスタートアップであるAndurilは、それにぴったりの企業だ。

空軍のプレスリリースでは 「ABMSの目標は、空軍と宇宙軍が合同チームの一環として共同で活動できるようにすることであり、そのために、各軍のセンサーや意思決定者や武器兵器を安全なデータネットワークで接続して、迅速な意思決定と全軍的な命令系統および制御系統をを可能にする」と説明されている。

空軍の技術調達部次官補Will Roper(ウィル・ローパー)氏は以前「ABMSの入札競争は『新しい血』を導入する。新しい血とは特に、商用にフォーカスしている企業のことで、彼らは「データに関して多くを知り、機械学習と人工知能について多くを知り、そしてアナリティクスについてもよく知っているからだ」と語っていた。

Andurilは、創業3年という短い期間に意外なほど多くの国の仕事を手がけている。6月にトランプ政権はAndurilに、ドローンとセンサーのタワーとAIのソフトウェアから成る国境のバーチャルな壁の構築を発注した。それは同社にとって、特注生産に手を伸ばす機会になるだろう。

ABMSプロジェクトは最終的に、国防総省のJADC2(Joint All-Domain Command & Control、全軍合同命令制御システム)の一環になる。この、戦争のためのメタソフトウェアプラットホームは、すべての人と機器および装備を、陸・海・空・宇宙、そしてサイバーの全軍にわたって接続し、使用する電磁波スペクトルも統一する。

ラッキー氏のツイートによると、Andurilがその契約を取れば「すべてのプラットホームにおける能力の成熟とその開示、および増殖のためであり、そのためにオープンなシステム設計と、現代的なソフトウェアとアルゴリズムの開発を利用して、JADC2を可能にしていく」という。

このプロジェクトに関するDefense Oneの記事によると、「JADC2はすべての艦船と兵士と航空機をリンクして、陸、空、海、宇宙、そしてサイバーの能力が完全に同じデータを共有し、通信が激しく妨害されたり、敵の防空能力が勝(まさ)っている環境であっても、どの部門でも同じ標的に立ち向かうことができる」ということだ。

国防総省の仕事を請け負うことは、Andurilの初日からの最終目標だった。同社は差別なく重要な人材を雇用(The Daily Beast記事)し、税関国境保護局や海兵隊の仕事も引き受け、ハードウェアとソフトウェアが自律稼働し対話するモジュール状ネットワークの小規模な概念実証を作った。

2017年にAndurilがローンチしてから数か月後、TechCrunchでは「Andurilは、戦場における地上兵士と司令部のリアルタイムの心理に関心がある」と書いている(未訳記事)。それはまるで、同社の今回の新しい国防総省の仕事を指しているようだ。

関連記事:Palmer Luckey’s new defense company Anduril looks interested in AR and VR on the battlefield(未訳記事)

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

防犯カメラのRingがビデオのエンドツーエンド暗号化を今年中に導入

Ringは、同社のセキュリティー製品をユーザーにとってより安全にする取組みの一環として、エンドツーエンド・ビデオ暗号化を今年中に実施する。アプリのコントロールセンターに将来この切り替えを行うためのページを新たに追加し、エンドツーエンド暗号化が公開されるまでの間、ユーザーのビデオを安全にするためのRingの暗号化対策の詳しい情報を提供する。

同社は米国時間9月24日に、新しいデバイスも発表しており、同社初のドローンもその1つだが、創業者兼CEOのJamie Siminoff(ジェイミー・シミノフ)氏は、新しいセキュリティー対策こそが一番大きな違いを顧客にもたらすものだと語った。

「エンドツーエンド暗号化は我々が提供する中で最も重要なプロダクトです。なぜならセキュリティーとプライバシーとユーザーによる制御はRingの基盤をなすものであり、これを業界に先駆けて一層強化していくことは、当社の責任だと考えているからです」と語る。

シミノフ氏は、同社が今年実施した2要素認証の義務化は、業界標準の先を行くものであることも指摘した。同氏に、エンドツーエンド暗号化ビデオをデフォルトにせず利用したくないユーザーがオプトアウトできるようにした理由を尋ねたところ、「ご承知のとおり、プライバシーの基準は個人によっ異なりさまざまなニーズがある」とのことだった。

エンドツーエンドについて一例を挙げれば、Alexaに向かって「玄関に誰がいるか見せて」とは言えなくなる。なぜならエンドツーエンドでロックされるからだ。その手のことが起きると顧客はやりたいことができなくなる。つまり、エンドツーエンド暗号化はあらゆるユーザーの使い方にマッチするわけではないので、オプションにしているというわけだ。

一方ではこの種の安全性をぜひ欲しいという人もいるので、今後の当社の製品は、そして業界全体がそうなってほしいのは、ユーザーが必要なセキュリティーを設定できて透明性のあるシステムだ。本日発表したビデオ・コントロールセンターでも、Ringのビデオなど顧客のデータに関する情報をユーザーが見られるようにしている。

つまり同氏の望みは、自社の製品を使ってユーザーが自分の使いたいシステムを構築できるようにすることだ。「室内ドローンのAlway Home Camは別のかたちでそれを表現したもので、家中の部屋を映す能力があるが、いつどこを撮るかを選ぶ能力も兼ね備えています」と同氏は説明した。

そして「大切なのは人々がテクノロジーを使うための選択肢を提供すること。ただし、快適に使い、理解し、制御できることだと思います」と締めくくった。

Amazon Hardware Event

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

外国籍人材の活躍する現場を表彰する「Global one team Award」が応募企業・団体の募集開始

外国籍人材の活躍する現場を表彰する「Global one team Award」が応募企業・団体の募集開始

オンラインによるビザ申請・管理支援サービス提供のone visaは9月24日、外国籍人材の活躍する現場を表彰する「Global one team Award」の開催を発表した。後援には移民政策に関し政策提言を行う新経済連盟(新経連)が参画している。

外国籍人材の活躍する現場を表彰する「Global one team Award」が応募企業・団体の募集開始

2030年に644万人の人材不足が予想されている日本では、様々な現場において外国籍人材の活躍が広がっており、2009年から2019年の10年間に、外国籍人材を雇用している事業所が9万5000ヵ所から24万ヵ所と約2.5倍に増加しているという。

外国籍の優秀な人材が日本の現場を支える一方、「技能実習制度」など様々な事例が浮き彫りになり、日本における外国籍人材の動向が世界から注目を集めているという状況にある。そこで「Global one team Award」を発足させ、外国籍人材と「お互いの強みをうまく活かしている企業」「彼らの活躍によって特にパワーアップしているチーム」「ビザの面から心強いサポートを担う行政書士」にスポットライトを当てることで、今後も増えつつある外国籍人材雇用のロールモデルになってほしいと考えているという。

「Global one team Award」応募概要

  • 応募受付: 2020年11月13日まで
  • ファイナリストプレゼン大会・最優秀賞の発表: 12月2日13:00〜15:00
  • 応募資格: 外国籍の人材を雇用する企業団体(人数・団体規模は不問)または、入管業務を取り扱う行政書士事務所
  • 公式Webサイト: Global one team Award 2020
  • 応募フォーム: Global one team Award 2020応募ページ

応募企業に対しては、審査員による書類選考のもと受賞社を決定し、11月17日までに結果を告知。総合部門優秀賞に選ばれたの5社のみ、12月2日開催予定の「ファイナリストピッチ大会&受賞式」の場において5分間のショートピッチを行ってもらい、その中から最優秀賞を決定する。

企業・団体に関する審査基準は、「外国籍人材の受け入れ体制、制度の充実度」(言語面・ビザのサポート、社会福祉面など)を基礎点として、「社内においていかに外国籍のメンバーが活躍しているか」(組織全体の成長)、「彼/彼女にしかできない功績を残しているか」(個人の成長)、「国籍による垣根のなさ」(心の国境をなくす工夫)を応用点としている。

また行政書士は、基礎点が「入管業務の割合や今後の意欲」、応用点が「入管業務を開始した背景」「自身の業務内における入管業務の位置付け」「自主的な情報発信、外国籍の方々やコミュニティに対する貢献活動など」となっている。

受賞に至らなかった団体も、もれなく当日配布予定のイベントリーフレット(PDF)への掲載(無料)を行う。one visaは、自社の取り組みを広く知ってもらいたい・外国籍人材へのPRを行いたい団体への応募を呼びかけている。


ファイナリストプレゼン大会は誰でもオンラインでの視聴が可能で、イベント観覧申し込みを「Global one team Award 2020 視聴のお申込み」から行える。「日本を代表する外国籍人材雇用のロールモデル」となるファイナリストの5社によるプレゼンテーションのほかに、グローバル化社会×デジタル申請をテーマにゲストの講演を予定している。

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Twitterが「リツイートの前に読め」プロンプトを全ユーザーに適用へ、脊髄反射リツイート防止へ

Twitterのシェアする前に内容を読むことをユーザーに促す実験の結果は上々で、「ごく近いうちに」プラットフォーム全体に広げる計画だ。

6月にTwitterは「informed discussion」(情報に基づく議論)を推奨するテスト機能をAndroidに導入した。それは、ソーシャルメディアの断続的な会話の炸裂からはめったに生まれない。

この実験的プロンプトは、クリックもしていない記事をリツイートしようとするユーザーに対して表示され、シェアする前に内容を読むことを促す。

画像クレジット:Twitter

Twitterによるとこのプロンプトは有効で、シェアする前に記事を開いたユーザーの割合は警告のない場合より40%多かった。テストグループのユーザーは、テスト用プロンプトがなかったときよりも33%多く、リツイート前に記事を開いた。

「Twitterでは簡単に記事がバイラルになる。ときには情報共有の素晴らしい方法になるが、同時に会話の劣化に繋がり、ツイートするものを読んでいない場合は特に顕著だ」とTwitterのプロダクト・マネジメント・ディレクターであるSuzanne Xie(スザンヌ・シェー)氏は説明する。

小さな仕様変更に見えるが、このような(理想的にはもっと大がかりな)取組みは、ソーシャルメディア環境の害を減らし反射的な行動を減らすために極めて重要だ。ほかにも、TwitterとInstagram(インスタグラム)では、有害あるいは攻撃的なコンテンツをシェアしようとするユーザーに警告するプロンプトをテストしている。

ユーザーにできるだけ多くシェアさせ滞在させるように作り込まれたプラットフォームを作った後で、その体験へのブレーキを導入するのは直感に反している。しかし、たとえ一瞬でもユーザーを立ち止まらせることで、ソーシャルメディアに深く浸透している悲しみのいくつかを軽減できるかもしれない。
プラットフォームが自らの問題を取り除くのは容易なことではない。意義のある変更を行うことをめったに動機づけられない会社にとっては特にそうだ。しかし、ユーザーの行動を衝動から遠ざけるプログラム変更は、誤情報や嫌がらせも著しい両極化など現在オンライン生活とオフライン生活を隔てている薄い障壁から漏れ出しつつある構造的問題の緩和に役立つことかもしれない。

画像クレジット:TechCrunch

関連記事:Twitterが脊髄反射リツイートに警告を発する機能をテスト中

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

首輪型猫用バイオロギングデバイス「Catlog」がのべ約3億件の行動データ蓄積、水飲みラベルの実装も予定

RABOは9月25日、首輪型猫用バイオロギングデバイスCatlog(キャトログ)の販売開始およびリリースから1周年を迎え、Catlogが保有する猫の行動データがのべ約3億件を突破したことを明らかにした。これら行動データを基に近日中に7つ目となる新しい行動ラベル「水飲み」を追加することも明らかになった。

同製品は、加速度センサーをはじめとする各種センサーを内蔵し、現在3000匹の猫で利用されている。同社ではセンサーが取得した数字をAIが解析することで、現在の猫の状態を把握している。

具体的には、寝ているのか、歩いているのか、走っているのか、くつろいでいるのか、毛繕いしているのか、食事をしているのかの6種類の猫の行動を、専用のスマホアプリで遠隔から確認できるのが特徴だ。

首輪(ペンダント)とは別料金となるが、利用スタイルに応じて月額無料と有料のプランを用意。無料プランは、今日の猫、前日のみ猫日誌、当日を含む週のみ猫グラフのデータを閲覧できるのみ。有料プランは、「みまもりプラン」の月額380円と「親バカプラン」の月額580円を2種類を用意している。みまもりプランで参照できるデータは無料プランと同じだが、付加機能として「飼い主追加」機能を利用可能だ。親バカプランでは、参照できるデータが無制限となる。

付加機能については、現在は両プランとも飼い主追加機能しか利用できないが、近日中にみまもりプランでは「行動ラベル」、親バカプランではそれに加えて「他猫比較機能」が搭載される予定だ。ちなみに有料プラン加入者の88%は親バカプランを選んでいるとのこと。

また同社では1周年を記念し、「猫鈴ゴールド」「キトンブルー」のペンダントに加え、「黑猫ブラック」「白猫ホワイト」の2つの新色を投入。本日より公式ストアでの予約販売を開始する。ペンダントの通常価格は税別1万4800円。初回購入のみとなるが、月額有料プラン「猫バカプラン」の継続加入を条件として税別9800円で購入することも可能だ。

なお同社はアニコムグループとの共同研究などで、病気が疑われるような行動(痒み、嘔吐、けいれん、長期的な活動量の低下など)を検出するための機能開発も進めている。将来的には、未病レベルの行動を検知・通知する「次世代の疾病予測モデルの確立」を目指すという。

すむたすがマンションのAI査定価格を知ってから不動産会社を選べる「ウレタ」を提供開始

すむたすがマンションのAI査定価格を知ってから不動産会社を選べる「ウレタ」を提供開始

すむたすは9月24日、次期DXなど事業戦略の説明をはじめ、不動産業界初の新サービス「ウレタ」に関する発表会を開催した。

ウレタは、マンション売却の希望者に対して、「高く売却する」仲介価格と「すぐ確実に売却する」買取価格をAIにより同時算出・提示し、売却価格を知ってから不動産会社を選べるようにするという不動産テックサービス。マンション売却希望者は、仲介会社に相談し多少時間がかかっても高く売却するか、オンラインで最短2日で売却するか選べる。

同サービスの提供開始時点より、仲介会社50社以上がすでに参画しており、2021年3月末までに首都圏1都3県を対象に広げ、2022年3月末までに参画企業300社、売却成約件数600件を目指す。

国内外の不動産市場トレンド

発表会では、代表取締役 角高広氏が登壇。国内外の不動産トレンドとして、先行する米国不動産企業によるコロナ禍にまつわる取り組みを解説した。米不動産テック企業のRedfinによると、米都市部の不動産売買件数データは4月以降急激に減少したものの、5月下旬には底を打ち、その後は急回復を見せているという。徐々に経済が再開しつつあることに加えて、30年固定の住宅ローン金利が1971年以来史上最低の低金利を更新しており、ローン申請のしやすさが物件購入の追い風になっているとした。このほか、テレワーク(リモートワーク)を前提とした郊外物件への住み替えが増加する一方、サンフランシスコの家賃が過去最高の下落幅を見せているという。

国内外の不動産市場トレンド

角高広氏は、コロナ禍で人気が高まっているサービスとして、オンラインでのVR内見サービスやバーチャルオフィスなどを紹介しつつ、米不動産テック分野では、コロナ禍と関わりなく「iBuyer」(アイバイヤー)と「iFunder」(アイファンダー)に対する注目・トレンドが存在する点を指摘。iBuyerは、仲介会社を介さず、価格査定アルゴリズムを活用しオンライン上で直接不動産を買い取り再販するモデル。iFunderは、従来の住宅ローンの形式にとらわれず物件購入希望者に資金を提供する企業の総称。日本の場合すむたすがiBuyerにあたり、iFunderに該当する企業は日本には存在しないという。

国内外の不動産市場トレンド

国内不動産市場のトレンドも、コロナ禍にからむ動向は米国と同様という。4月から5月にかけて大きな落ち込みがあったものの、6月以降回復傾向にあるとした。新たな需要が起こっているわけではなく、これまで抑制されていたニーズが戻りつつあるとした。

国内外の不動産市場トレンド

すむたすが展開する、テクノロジーを活用した次世代の買取再販事業

すむたすは、「住まいの理想的な選択ができる社会へ」をミッションに掲げ、テクノロジーを活用した次世代の買取再販事業を展開。売りたい方向けにAI査定により最短1時間で実取引価格を査定する「すむたす買取」、また買いたい方向けのリノベマンション販売プラットフォーム「すむたす直販」を展開。すむたすは現在、不動産の中古流通市場のうち、中古マンションの買取再販セグメントを対象に、首都圏で事業を実施しており、角高広氏は将来一戸建てや首都圏以外にも拡大したいと明かした。

すむたすが展開する、テクノロジーを活用した次世代の買取再販事業

すむたすが展開する、テクノロジーを活用した次世代の買取再販事業

角高広氏によると、これまでの買取再販では、売主から買主に物件が渡るまでに複数の仲介会社が存在し、仲介手数料が12%+24万円程度かかっているという。

すむたすが展開する、テクノロジーを活用した次世代の買取再販事業

この仲介手数料を売主から買主に還元できないかと考えたものが、すむたすになるとした。すむたすは手数料を設定しておらず、仲介会社を介さず直接売買することで、売主は仲介手数料の分だけ高く売れ、あるいは買主は安く買える仕組みを採用しているという。

すむたすは、売主・買主の売買価格、リノベーション費用などによる価格差分で利益を出しているそうだ。

すむたすが展開する、テクノロジーを活用した次世代の買取再販事業

不動産流通(中古売買)領域、「仲介企業を介した売却」のDXを実現する「ウレタ」

また、人生100年計画時代に突入し、ひとつの家に住み続けるという価値観が変化している一方、不動産流通(中古売買)領域におけるDXは遅れており、角高広氏はその改善が急務とした。

不動産流通(中古売買)領域、「仲介企業を介した売却」のDXを実現する「ウレタ」

すむたすは、不動産の直接売却において「すむたす買取」、直接購入では「すむたす直販」を展開済みで、仲介企業を介した購入ではすでに数多くの企業が存在しており、DXが最も進んでいると説明。同社がこの領域に進出することはないとした。

不動産流通領域においては、とりわけ仲介企業を介した売却はすべてのやり取りが対面や電話・FAXになっており、DXの観点では最も遅れていると指摘。すむたすは、これを解決し業界に貢献するものとして「ウレタ」を発表した。

不動産流通(中古売買)領域、「仲介企業を介した売却」のDXを実現する「ウレタ」

ウレタでは、売却希望者が、マンションの売却価格を知ってから依頼先を選択できるようにしており、これは日本初・業界初という。また、高く売りたい場合の価格とは別途、早く売りたい場合の価格も提示しており、両方の価格をオンラインで知ってから選べる点も初の仕組みとなっているとした。

現状の不動産業界は、ただでさえ売却に踏み切るまでに時間がかかる上に、単に価格を知りたいだけでも不動会社とのやり取りが発生してしまっているという。不動産会社にとっても、価格を知りたいだけの顧客に時間をかけて査定を行うこと、ひとりの顧客に何度も電話やメールを行うことなどが負担となっている。

一方ウレタでは、マンションの売却希望者がアプリ上で物件情報を入力すると、査定結果として最短1時間で実際に売れる適正価格が表示される。「価格を知ってから、そもそも売るかどうかを考える」、「価格を知ってから、好ましい特徴の企業を選ぶ」を可能としている。

不動産流通(中古売買)領域、「仲介企業を介した売却」のDXを実現する「ウレタ」

さらに、マンションの売却希望者は、査定時に個人情報を入力する必要はなく、物件情報に関してウレタのAIと不動産専門家が査定を行う。仲介企業に連絡などを行わないため、マンションの売却希望者に対して営業なども一切行われない。ストレスなく安心して売却価格を確認できるという。

売却価格の確認後は、売却希望者の売却方針にあった最適な不動産会社をじっくり検討可能。

不動産流通(中古売買)領域、「仲介企業を介した売却」のDXを実現する「ウレタ」

不動産の一括査定サイトと近いものの、ウレタでは、物件エリアに詳しい地元密着型企業を厳選し掲載しており、大手・中堅企業の掲載は避けているという。すでにベータ版として23区全域+αでサービスを提供しており、地域一番点を中心に50社を掲載し、掲載エリアを順次拡大中だ。

ウレタの収益モデルとしては、不動産会社からの掲載費用を得る形にしている。また、「すぐに売りたい場合の価格」はすむたすがトップに掲載されるため、ここで売却された場合は、すむたすの買取再販業モデルの利益を得られる。

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視覚障がい者が自動運転タクシーを呼ぶ際の困難をWaymoはどう解決か、12月のSight Tech Globalで探ろう

想像してほしい。視覚に障がいがあって車の運転ができないとしたら、あなたの生活はどう変わるだろうか。私はそれを毎日、家で目の当たりにしている。私の妻は法律で認められる盲人で、とても忙しい人なのだ。妻はUberとLyftを敬愛している。いつでも、どこへでも行ける素晴らしい選択肢を提供してくれているからだ。だから1年前、Waymoの自動運転タクシーにちょっと乗る機会を得たときに、彼女はどれほど喜んだか。セイフティドライバーは彼女に、シートベルトを締めて「スタート」ボタンを押すように言った。まったくなんということか。スタートボタンはどこにあるの?

彼女の外出の用件はフェニックスですでにサービスを開始しているWaymoの自動運転タクシー開発におけるアクセシビリティへの取り組みについて話すことだったので、私たちは皆笑ってしまった。WaymoはフェニックスのFoundation for Blind Children(FBC)と緊密に連携して体験のフィードバックを集め、サンフランシスコのLighthouse for the Blindにも助言を求めている。12月2~3日に開催されるバーチャルイベントのSight Tech Globalでは、Waymoのアクセシビリティへの取り組みを紹介する。このイベントは、AI関連テクノロジーが障がい者支援技術やアクセシビリティに今後どのような影響を与えるかをテーマとする。参加は無料で現在登録を受け付けている

Waymoのアクセシビリティのセッションには重要な人物が3人登場し、Waymoの取り組みを紹介する。Clement Wright(クレメント・ライト)氏(LinkedIn)はWaymoでユーザーエクスペリエンスとアクセシビリティを担当するプロダクトマネージャーだ。ライト氏は、障がいを持つ人も含めてすべての利用者が安全で快適で便利にWaymoの完全ドライバーレスサービスを利用できるよう努めている。Marc Ashton(マーク・アシュトン)氏(LinkedIn)は、フェニックスに本拠地を置くFoundation for Blind ChildrenのCEOで、視覚障がい児教育のリーダーとして全米で知られている。自身の息子に視覚障がいがあることからアシュトン氏はこの分野に関心を持ち、2007年にCEOになった。Bryan Bashin(ブライアン・バシン)氏(Lighthouse for the Blindサイト)はサンフランシスコにあるLighthouse for the BlindのCEOだ。このNPOはカリフォルニアのほか世界中の視覚障がい者に教育、トレーニング、支援、コミュニティを提供している。バシン氏は大学生の頃から視覚に障がいがあり、キャリアの大半を視覚障がい者の平等、アクセス、トレーニング、メンタリングに捧げてきた。

Waymoはアクセシビリティに優れた自動運転車両の利用を追求しているが、これは簡単なチャレンジではない。ライト氏は「現在、タクシードライバーは厳密な運転以外の業務をこなしている。ドライバーはピックアップ時に窓を開けて乗客と話したり、乗客が車を見つけられるようにしたりする。我々がWaymo Driverの構築にあたって取り組んでいる最大の課題のひとつは、人間の乗務員がいない車で利用者の付加的なニーズを理解することだ」と語る。

WaymoはFBCの成人メンバーと連携し、Waymoタクシーを呼ぶときに使うモバイルアプリのフィードバックを得ている。例えばアプリからタクシーのクラクションを鳴らして車を見つけるメカニズムなどだ。ライト氏は「特定の人々、例えば視覚障がい者を支援するために組み込んだ機能が実はその他の利用者にもとても役立つということを、我々は何度も目にしてきた。このことから我々はインクルーシブデザインにさらに幅広く取り組むようになった。特定の利用者のニーズから重要な課題を理解し、それを活かしてすべての人に役立つソリューションを構築する」と語っている。

自律車両には、法律上の盲人である130万人の米国人などの障がい者が安全で効率よく目的の場所へ移動できるようにする可能性がある。Waymoがプロダクト開発サイクル全体でアクセシビリティにどう取り組んでいるかを詳しく知り、全盲とロービジョンの両方のユーザー、そして視覚障がいをもつ人々の代表にあたる協力組織からのフィードバックが開発プロセスにおいて果たす重要な役割を探ろう。12月2~3日に開催されるSight Tech Globalのセッションに参加してほしい。今すぐ無料で申し込める

Sight Tech Globalではスポンサーを募集している。現在、Verizon Media、Google、Waymo、Mojo Vision、Wells Fargoがスポンサーとなっている。イベントはボランティアによって運営され、イベントの収益はすべてシリコンバレーにあるNPOのVista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。

画像クレジット:Waymo

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(翻訳:Kaori Koyama)