Y Combinator社長からAI研究組織CEOに転身したサム・アルトマンの挑戦

今年の初め、起業家で投資家のサム・アルトマン(Sam Altman)氏は、Y Combinatorの社長という注目される役職を離れOpenAIのCEOとなった。OpenAIは2015年の末にハイテク業界の最も著名な人たちによって設立されたAI研究組織である。この組織が目指すのは、創業者の1人であるイーロン・マスク(Elon Musk)氏がニューヨークタイムズへ回答したように、人工知能が「安全な方法で開発され、人類にとって有益なものであること」を確実にすることだ。

この動きは多くの意味で興味深いものである、なにしろ汎用人工知能(あるいは機械が人間に並べるくらい賢くなる能力)はまだ存在しておらず、AIのトップ研究者たちでさえ、それがいつになるのかについてはっきりとはとても言えないのだから。アルトマン氏のリーダーシップのもとで、もともとは非営利組織だったOpenAIは、「これからの数年のうちに大規模クラウドコンピューティング、才能ある人材の確保、そしてAIスーパーコンピューターの開発に対して数十億ドル規模の投資をする必要がある」というコメントを発しつつ、利益を目指す企業として組織変更を行った。

OpenAIが、それほどまでに多額の資金を集めることができるかどうかはまだわからないが、私たちはもしそれが実現されるとしたら、アルトマン氏自身の力によるものだろうと予想している。5月16日夜にステージ上で行われた、YCの進化からOpenAIでのアルトマン氏の現在の仕事までを網羅した拡大インタビューは、観衆をあっという間に魅了する力があった。

例えばYCでは、リーンネスと「ラーメン代がまかなえる利益率」が、一般的なアクセラレータープログラムの卒業生たちが目指すゴールだった時代もあったことを語り合った。しかし最近のゴールはすぐにでも数百万ドル、あるいは数千万ドルをベンチャーファンドから調達することになっているように思える。

「もし私が市場をコントロールすることができるなら、明らかに自由市場は勝手に進んで行きますが、私はYC企業たちには調達しようとしている金額や評価額を上げさせないでしょう」とアルトマン氏はこの小さな業界向けイベントの中で聴衆に語りかけた。「一般的に、それはスタートアップにとって良くないことだと思っているのです」。

アルトマン氏はまた、個人的だったり時に陳腐だったりする質問を投げかけられても率直に答えていた。さらには、このイベントのためにたまたま街にいた母親との、長期にわたる親密な関係についての話まで提供してくれた。彼は、彼女が「絶対に」信頼しているほんのひと握りの人々の一人だと語っただけでなく、その小さな輪の外の人々からの率直なフィードバックを得ることが、時間とともに難しくなっていることを認めた。「キャリアのある時点になると、人びとがあなたの気分を害したくないと思ったり、あなたが聞きたくないような話をしたくないと思ったりするようになります。もちろんこの時点で私が手にしているものは、フィルターがかけられ事前に計画されたものであることを、私ははっきりと意識しています」。

確かに、アルトマン氏は、多くの人たちよりは動き回れる範囲が大きい。このことはアルトマンがY Combinatorを5年にわたって運営したやり方(基本的に何度も規模を拡大した)から明らかなだけではなく、OpenAIについての彼の議論の仕方からも、彼の現在の思考が一層大胆なものであることは明白である。確かに、木曜日の夜にアルトマン氏が語ったことは、もし他の誰かが語ったならば、単なるたわごととみなされるようなものが多かった。アルトマン氏が語ることで、聞く者が驚かされることになるのだ。

例えば、OpenAIがどのように収益を上げることを計画しているのか(私たちは、成果の一部にライセンスを設定するのかを知りたいと思っていた)という質問に、アルトマン氏は「正直な答は『まだ何もない』ということです。私たちはいかなる収益も上げたことがありませんし、現段階では収益を上げる計画もありません。一体どうすれば、いつの日か収益を上げられるようになるのかがわからないのです」と答えている。

アルトマン氏は続けて、次のように述べた「私たちは投資家の皆さんに『もし汎用人工知能を開発できたら、それに対して投資家の皆さんにリターンを行う方法を考えて欲しいと依頼するつもりです』という、厳しくない約束をしているのです」。聴衆が爆笑したときに(なにしろ彼が真剣なのだとは思えなかったのだ)、アルトマン氏はこれはまるでドラマの「シリコンバレー」のエピソードのように聞こえるかもしれないと言いつつも「もちろん笑っていいんですよ。全然構いません。でも、それは本当に私が信じていることなのです」と付け加えた。

またアルトマン氏のリーダーシップの下で、OpenAIは投資家に最大100倍の利益を還元してから余剰利益を他に分配する、「上限利益」(capped profit)企業となったが、それは何を意味するのかという質問も行われた。私たちはその100倍という数字がとても高い目標であることに注目している。なにしろ旧来の営利企業に投資する投資家たちが、100倍近いリターンを得ることなどは滅多にないからだ。例えば、WhatsAppに対する唯一の機関投資家であるSequoia Capitalは、Facebookに220億ドルで売却したときに、同社が投資していた6000万ドルの50倍のリターンを得たと報じられた。素晴らしいリターンだ。

しかしアルトマン氏は、「上限利益」が、ちょっとしたマーケティング上の工夫であるという意見に反論し、なぜこれが理にかなっているのかについて改めて強調した。より具体的に言えば、彼は汎用人工知能がもたらす機会はとてつもなく巨大であり、もしOpenAIがなんとかこの扉をこじ開けられたとするならば、おそらく「光円錐内の宇宙の、すべての未来の価値を取り込むことができてしまいます。そうなったときに、特定の投資家のグループだけがその価値を独占することは正しいことではありません」と語った(光円錐というのは相対論の中に出てくる用語だがここでは「未来の人類に手の届く全宇宙」といった程度の意味)。

彼はまた、将来の投資家たちは、投資に対するリターンがさらに低く抑えられることになると語った。これは基本的に、リスクをとってくれた初期の投資家たちに、OpenAIが報いたいと思っているからだ。

インタビューを終える前に、私たちはアルトマン氏に対して、AI研究者たちによるさまざまな批判を投げかけてみた。これらの批判は今回のインタビューに先立って行われたもので、特にOpenAIは定性的なものへ注力しており、既に証明された成果の中での根本的な飛躍を目指しているものではないというもの、そしてその「安全」な汎用人工知能を発見するという使命は、不必要に警戒心を煽り、研究者たちの仕事をより難しくしてしまうというものだ。

アルトマン氏はそれぞれの点に対して熱心に回答した。彼はそれらの意見をまったく否定することはしなかった。例えば、OpenAIに対する最も人騒がせな意見に関しても「その中には共感できる部分もあります」と述べた。

それでもアルトマン氏は、たとえ不毛と思う人がいたとしても、人工知能の潜在的な社会的影響について考え、そしてメディアと話し合うために、よりよい議論がなされるべきだと主張した。「OpenAIは恐怖を煽って商売につなげていると言って批判している同じ人が、一方では『Facebookはこれをやらかす前に考えておくべきだったんじゃないか?』と言っています。何かをやってしまう前に、私たちも考えたいと思っているのです」。

インタビュー全体は以下から見ることができる。会話の前半は、主に(現在も会長を務める)YCでのアルトマン氏の経歴に集中している。OpenAIに関する詳細な話は26分付近から始まっている。

画像クレジット: Sara Kerr / StrictlyVC

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(翻訳:sako)

関西圏のキャッシュレス加速へ、JR西日本系28施設約3000店がコード決済対応

西日本旅客鉄道は5月20日、同社の連結子会社13社が運営するショッピングセンター28施設内の約3000店舗で、スマホによるコード決済に対応することを発表した。5月21日より「天王寺ミオ」と「和歌山ミオ」でPayPayとLINE Payが利用可能になる。

6月には「アルビ大阪」「アルビ住道」「エスト」「アルデ新大阪」などでほかのコード決済サービスを含めて順次利用可能となる。8月以降は大阪と富山、岡山、島根、鳥取の全施設と広島のさんすて福山、9月以降は兵庫の全施設と広島のエキエ、10月以降は京都の全施設、そして2020年2月に石川と福井の全施設、計28施設が導入する予定だ。具体的には以下の28施設

  • 大阪府
    天王寺ミオ(天王寺SC開発)
    アルビ大阪(JR西日本大阪開発)
    アルビ住道(JR西日本大阪開発)
    エスト(JR西日本大阪開発)
    アルデ新大阪(新大阪ステーションストア)
    ルクア大阪(JR西日本SC開発)
  • 兵庫県
    リブ(神戸SC開発)
    プリコ六甲道(神戸SC開発)
    プリコ三ノ宮(神戸SC開発)
    プリコ神戸(神戸SC開発)
    プリコ垂水(神戸SC開発)
    ピオレ明石(神戸SC開発)
    プリコ西明石(神戸SC開発)
    ピオレ姫路(神戸SC開発)
  • 和歌山県
    和歌山ミオ(和歌山ステーションビルディング)
  • 京都府
    ポルタ(京都ステーションセンター)
    ザ・キューブ(京都駅観光デパート)
  • 富山県
    マリエとやま(富山ターミナルビル)
    とやマルシェ(富山ターミナルビル)
  • 石川県
    金沢百番街(金沢ターミナル開発)
    プリズム福井(金沢ターミナル開発)
  • 岡山県
    岡山一番街(山陽SC開発)
    さんすて岡山(山陽SC開発)
    さんすて倉敷(山陽SC開発)
  • 広島県
    さんすて福山(山陽SC開発)
    エキエ(中国SC開発)
  • 鳥取県
    シャミネ鳥取(JR西日本山陰開発)
  • 島根県
    シャミネ松江(JR西日本山陰開発)

対応するコード決済は、PayPay、LINE Pay、Origami Pay、メルペイ、d払い、au PAY。そのほか中国系のアリペイ、WeChat Payも使える。併せて電子マネー決済も導入し、SuicaやICOCAをはじめとする交通系ICカードのほか、iD、QUICPay、nanaco、PiTaPa、楽天Edy、WAONが利用可能になる。

なお、今回のコード決済と電子マネー決済に併せて導入されるのが、NTTデータが提供するクラウド型総合決済プラットフォーム「CAFIS Arch」。決済端末本体と電子マネー/クレジットカード/デビットカードの認証端末、コード決済用のハンディーリーダーで構成される。

Powerbeats Proは待ち望まれたBluetoothイヤフォンの最高峰

とりあえず今回は、よくない点から先に見ていくことにしよう。

まずなによりも、充電ケースが巨大だ。こればかりはどうしようもない。だんだん暖かくなってきて、ポケット付きのジャケットを着なくなると、どうやって持ち運ぼうかと、ますます悩むことになる。充電ケースのためにもそれなりの金額を払っているわけだからだ、これはよくよく考えてみる必要があるだろう。要は、どれだけの時間外出するのか、ということと、かさばるケースを持ち運ぶことに、どう折り合いをつけるかだ。

価格も問題だ。数年前なら、 250ドル(日本では2万4800円)のワイヤレスイヤフォンは、それほどバカげた価格というわけではなかった。それでも、Apple純正のイヤフォンよりも高いとなれば、もう一度考えてみてもいいかもしれない。

他の部分では、まったく快適なレビューだっただけに、こうした欠点は余計に目立つように感じられる。発表された日から、厳しく評価してみたいとずっと思っていたが、失望を味わうことはなかった。AirPodsPowerbeats Proのどちか1つを選べと言われたら、今ならだいぶ後者に傾いてきたのも事実だ。

Powerbeats Proは、このカテゴリーの製品としてはかなり異色の存在と言える。そしてそれこそが成功の秘訣なのだ。確かに、もはやBeatsの歴史の3分の1以上の期間は、Appleの傘下にあったことになる。しかし同社のフルワイヤレスのヘッドフォンは、サブブランドであることの欠点を最少にしつつ、むしろ最大の効果を発揮した例と言えるだろう。

もちろんAppleが何も関与していなかったというわけではない。その痕跡は確かに散見されるが、ほとんどは間違いなくプラスに作用している。H1チップの採用が、その最たるものだ。最新のAirPodsと同じチップを採用したことで、使いはじめのペアリング手順は、ほとんどケースを開けるだけで完了するほど簡単になっている。その後、大きなウィンドウが開いて、ケースと2つのイヤフォンが、その時点でのバッテリ残量とともに表示される。

もちろん、これはiPhoneの場合だ。言うまでもなく、一般的なBluetoothデバイスと同様、Androidを搭載したスマホともペアリング可能だが、その場合は通常の煩わしい手続きに従わなければならない。ただ残念なのは、Powerbests Proのケースには、Lightningポートしか付いていないこと。私は過去にも、このApple独自のコネクタに対して不満を表明してきた。しかし、そのAppleも、ようやく業界の標準に従ってUSB-Cを採用するに至ったことは、正直ほっとしている。もはや、それは避けられないことだったのだろう。

そして残念ながら、Powerbests Proのケースはまだワイヤレス充電には対応していない。これについては第2世代の製品に期待するしかないだろう。

Powerbests ProがAirPodsに明らかに勝る点を挙げるとすれば、次の3点に集約されるだろう。バッテリーの持続時間、耳掛け式のデザイン、ワイヤレスの作動距離だ。

まずバッテリの持続時間だが、巨大なケースの見返りは、充電によってさらに使用時間を延長できることにあった。Powerbests Proはイヤフォン単体でも、バッテリーは9時間持続する。さらにケースを併用すれば最長24時間の使用が可能となる。実際、バッテリ切れは一度も経験していない。次に国際線に乗る際には、絶対持っていこうとワクワクしている。

そういうわけで、ほとんどの場合はケースを持たずに家を出てもまったく問題ない。ただし、イヤフォン単体では擦れてキズが付きやすそうな感じなので注意が必要だ。私は、可能な限りケースにしまうようにしている。その際、イヤフォンをケースにうまく収めるのにはコツがいる。AirPodsならそんなことはないのだが、最初のうち、何度か位置を調整しないとならなかった。

ケースには、赤、または白に光る小さなライトがあって、充電状態を示すようになっている。ただしイヤフォン本体にはライトはない。そのため、バッテリ残量はiOSの画面で確認する必要がある。

イヤフォン本体のデザインは、万人に適したものとは言えない。ただ、それを言い出せばAidPodsも同じだ。耳かけ型のフックは、ジムで使うには理想的と言えるだろう。ブラックのカラーは、ほとんど目立ないので、着けていることを誰にも気付かれないかもしれない。それより重要なのは、かなり快適であるということ。Appleの関心は、いまだに中身のシリコンチップのほうにあるようで、その結果AirPodsは意見の分かれるものとなっている。これまでのApple製イヤフォンの多くと同様、AirPodsが耳に合わないという人は多い。

取り外し可能なシリコン製のイヤーチップは、4種類のサイズが付属するので、最適なフィット感と同時に高い気密性が確保される。つまり、音漏れも少なくなる。音質は、好みにもよるが、若干高音を強調した味付けとなっているかもしれない。しかし、以前のBeatsの製品のように、欠点を隠すために低音を必要以上に増強しているものよりはずっとマシだ。フルワイヤレスのBluetoothイヤフォンとしては、サウンドの品質はかなり高い方だと言える。

デスクで仕事をしながら、かなり長時間使い続けると、片側の耳が擦れてちょっと痛くなったが、これまでにテストした他のイヤフォンに比べれば、ずっと長い間、特に不快感もなく使い続けることができた。

また、ワイヤレスで動作する距離の長さは印象的だ。iPhoneを机の上で充電したまま、たびたび他の部屋に行くことがあっても、問題なく使い続けることができた。ただし、接続の問題は、いろいろな状況で発生することがあった。片側のイヤフォンから音が出なくなってしまう。しかし、これは残念ながら現状のBluetoothという技術の限界によるものなのだ。その場合、イヤフォンをいったんケースに入れてから取り出せば、自然に問題は解消する。

Powerbests Proは、Appleの姉妹製品に比べると、外観はあまり気にしていないように見える。イメージを重視して創られたと思われるブランドの製品としては、ちょっと皮肉なものに感じられる。しかしそれは、Beatsのブランドとしての成熟を示しているのではないか。AirPodsよりもずっと実用的な製品を作るに至ったのだ。忠実なサブブランドとして、それはいいことだろう。

もし、高い価格と巨大なケースを受け入れられるなら、大多数のユーザーにとって、Powerbeats Proはもちろん買いだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ユニコーンIPO時代をドットコムバブル時代と比較してみる

テクノロジーIPO市場を表すグラフならいくらでも描くことができる。しかし、未知の領域に対する我々の強い不安を取り除いてくれるものはない。

これほど多くの高収益、高評価額の企業が上場し、巨大な損失を続けている状態はかつてなかった。もしあなたが「成長がすべて」タイプの投資家なら、IPOの国は最高の時を迎えている。もしあなた、利益を重視する古いタイプの投資家なら、今はじっとしているほうがいいかもしれない。

利益よりも市場支配優先の信者たちは、先週最大のIPO機会を得たことだろう。Uberが待ち焦がれた市場デビューを果たした。640億ドル前後をさまようUberの時価総額は、当初噂されていた目標額の1200億ドルよりはるかに低い。それでも、Q1決算で売上30億ドルに対して損失10億ドルを計上した企業としては十分高すぎると主張する人もいる。

では、Uberの売上、損失、評価額は最近のユニコーンIPO集団の中でどのような位置づけにあるのだろうか?わかりやすくするために過去3四半期に上場したテクノロジー・ユニコーン15社を表にまとめてみた。評価額および2018年の売上と損失を比較したのが下の図だ。

これらの企業を全部ひっくるめてまとめると、巨大な赤字スーパーユニコーンが1頭出来上がる。このリストを何四半期後かにもう一度見てパターンの変化や黒字会社が増えているかどうかを比べたら面白いだろう。

歴史

これを10年前のドットコムバブルと比べるのは簡単だが、今回は様相が異なる。ドットコムバブルの頃には、こんなリード文が書かれていた。

「インターネットIPOの時代にテーマソングを作るとしたらこうなるだろう。There’s no business like no business(商売がなくていいほど素敵な商売はない)」

設立から数年後のまともな利益もないうちに上場していたバブル時代の企業にはぴったりの言葉だ。

その件は今回使えない。ユニコーンIPO時代のテーマソングを作るとしても、同じようにそそるものは作れそうにない。せいぜいこんな感じだろうか、「There’s no business like lots of business and lots of losses too.(たくさんの商売とたくさんの損失ほどすてきな商売はない)」。

私はそのミュージカルのチケットを買うつもりはない。しかし、IPO株を買うとすれば、ユニコーンの提案は2000年頃よりも少々魅力的だ。つまるところ、市場シェアを支配している企業がいずれ利益を上げるのは十分ありそうなことだ。売上をゼロから数百万ドル、数十億ドルへと成長させるほうがずっと難しい。投資家が連続する損失への投資を嫌うようになればなおさらだ。

もちろん、ドットコムバブルとユニコーンIPOには共通するテーマがある。「投資家は将来の可能性の楽観的ビジョンに賭けている」ことだ。もし期待が実を結ばなければ、株価も後を追うことを覚悟しなくてはならない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが中間テキスト化不要の音声機械通訳の成果を発表

あの銀河ヒッチハイク・ガイドに出てくる不思議な万能翻訳機「バベルフィッシュ」がどんどん現実に近づいている。 Googleの新しい研究プロジェクトは音声で話しかけられた内容をリアルタイムで音声で通訳できるシステムを目指している。

従来の機械翻訳とは大きく異なった仕組みで、中間にテキスト化の段階を含まず、すべて音声レベルで処理される。これは処理の高速化に役立つのはもちろんだが、もっと重要な点は話者の語調その他の音声的ニュアンスをいっそう正確に処理できることだ。

このプロジェクトはTranslatotronと名付けられており、長年の研究を基礎としているものの、まだ開発の初期段階にあるという。Google他の開発者はスピーチから直接スピーチに変換するリアルタイム通訳の実現を目指して努力を重ねてきたが、見るべき成果が上がり始めたのはほんの数年前からだ。

現在、スピーチのリアルタイム翻訳はいくつかの部分に分割して実行されるのが普通だ。ソースのスピーチを音声認識によりテキストに変換(STT、Speech-To-Text)し、テキストを機械翻訳した後、出力テキストをスピーチに変換(TT、Stext-To-Speech)する。この方式は実際かなりの成果を上げているが、完璧には遠い。各ステップに特有の誤差があり、累積すると大きな誤差となってしまう。

またバイリンガル、マルチリンガルの人々が複数の言語を使う場合のプロセスの研究が示すとおり、テキスト化を挟む機械翻訳」は人間の複数言語思考ともかけ離れている。現段階では大脳でどのような処理が行われているのか正確にいうことはできないが、バイリンガルの話者が外国語を使うときに発話内容をいちいちテキスト化して思い浮かべ、それを翻訳しているのでないことは確実だ。人間の思考プロセスは機械学習アルゴリズムを進歩させる上でガイドないしモデルとして利用できる場合が多い。

スピーチの音声スペクトル画像。テキストを介した翻訳ではスペイン語の人名「ギェルモ」が対応する英語の人名「ウィリアム」に翻訳されてしまうのに対して、音声直接通訳では「ジエルモ」になっている。これでも正確ではないが、通訳としてベターだ。

これに対して研究者は音声スペクトルを解析して直接対応言語の音声スペクトルを合成しようと努力している。これは伝統的なテキストを介する3段階方式とまったく異なる機械翻訳のアプローチだ。これには弱点もあるが、上の例で示したようにメリットも大きい。

簡単なところでは、十分な計算機資源が用意できるなら現行の3ステップ方式より1ステップのTranslatotronの方が処理が速い。しかしユーザーにとってもっと重要な点は、音声から音声への直接通訳は元の発話の音声の特徴をよく再現できることだ。テキストを介した合成音声がいかにもロボット的に不自然に聞こえるのに対して、Translatatronで生成される文はオリジナルの発話に近いものとなる。

これは意味内容だけが対象言語に翻訳されるのではなく、発話の音声に込められた感情やニュアンスも再現されるという点で、機械翻訳を画期的に進歩させる可能性がある。これは通訳アプリに限らず、音声合成のユーザーは非常に大きな影響を与えるだろう。

今のところ、音声直接翻訳の精度は従来のテキストを介した翻訳に及ばず、この点では改良が必要だという。しかし部分的にせよ、非常に優れた翻訳も生まれている。研究グループは「出発点に立ったところであり、可能性を実証した段階」と控えめに表現しているが、実用化されたときのインパクトの大きさを想像するのは難しくない。

オリジナルの研究論文はArxivで公開されている。またう従来型のテキストを介した通訳とTranslatotronによる通訳のサンプルはこのページにある。これらのサンプルはあくまで音声直接翻訳というアプローチの可能性を試すために選ばれており、翻訳精度のアップそのものをを狙ったものではないという。

画像:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

次回のLINE Pay還元祭は6月1日開始、最低15.5%で5000円、最大20%で1万円還元

LINE Payは本日から、最大300億円を還元する「祝!令和 全員にあげちゃう総額300億円祭」を開始した。期間は5月29日までだ。同時開催とはならないが、そのあと6月1月からは最大20%の還元となる「Payトク!!」キャンペーンを6月9日まで実施する。開催期間が従来に比べて短いので注意が必要だ。

今回のキャンペーンも前回を踏襲したものとなっており、キャンペーン自体の還元率は15%で、対象となる支払方法は、コード支払い、オンライン支払い、請求書支払い、QUICPay+。期間中の還元上限額は5000円だが、こちらもLINE Payの決済専用アプリを一度でも利用すれば上限額1万円に倍増する。

これに加えて、マイカラーのランクによって0.5〜2%還元、コード払いによって3%の還元を受けられる。マイカラーは、前月のLINE Payでの支払総額が1万円未満の場合はホワイトで0.5%、5万円未満の場合はレッドで0.8%、10万円未満の場合はブルーで1.0%、10万円以上の場合はグリーンで2%の還元となる。

今回のキャンペーンで付与されるのはLINE Pay ボーナス。これは、決済や送金は可能だが、ATMでの出金やLINE Payカード、QUICPay+として使えないという制限がある。15%還元ぶんのLINE Pay ボーナスが付与されるのは8月初旬ごろ。一方、マイカラーとコード払いの還元は即時付与となる。

5月末までは各社が大きなキャンペーンを実施していない端境期。6月1日のキャンペーン開始に備えて、いまのうちにLINE Payの利用実績を上げてマイカラーのランクを上げておくのも手だ。しかし、ライバルのPayPayは6月1日からドラッグストア限定で20%還元を実施する。やはり当面は複数のコード決済を用途に応じて使い分けるのがベストだろう。

LINE Payもれなく1000円還元キャンペーン始まる、総額300億円が最大3000万人に

LINE Payは5月20日、大型還元キャンペーン「祝!令和 全員にあげちゃう総額300億円祭」を開始した。5月29日まで、1000円ぶんのLINE Payボーナスを友だちやグループに送付できる。いちおう先着順で、3000万人を超えるとキャンペーンは終了となる。

同時に送れる友だちの数は最大500人、1日に送れる回数は5000回となる。自分が1000円ぶんのLINE Payボーナスを受け取るには、友だちの誰かにボーナスを送ってもらわないといけない。なお、友だちからの受け取りは期間中1人1回1000円相当のみ。つまり、各ユーザーが得られるのは1000円のLINE Payボーナスだけとなる。

LINE Payボーナスは、対象店舗での決済や友だちへの送金に使えるが、LINE Payカード、QUICPay+のお支払いや出金には使えない。有効期限は2年間だ。

なお、1000円ぶんのLINE Payボーナスを受け取るには、LINE Pay利用登録とLINE Payへの本人確認の登録が必要となる。本人確認の方法は、口座連携、郵送による申請のほか、写真付きの身分証をスマホで撮影してその場で送付する「かんたん本人確認」の3つがある。

積み立てながら分配金や配当金が手に入るOne Tap BUYの「つみたてロボ貯蓄」

One Tap BUYは5月20日、「つみたてロボ貯蓄」(ロボ貯、ロボチョ)のサービスを開始した。同社はスマホから手軽に日米の主要株式を購入できるサービスを提供する2016年設立のスタートアップ。

1銘柄につき毎月3万円から積み立て可能(1万円単位で積み立て可能)。同社によると、金利と分配金、配当金を重視サービスで、年利2.63〜8.70%の利回りになるという。

具体的には、米国市場に上場している国債や社債、株式などを積み立てながら定期的に配当金が手に入るというサービス。投資信託とは異なり、手数料などは不要で、積み立て中でも分配金がもらえるのが特徴だ。また、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、その他64行の地方銀行の口座を連携すると自動的に買い付けが可能になる。7月にはゆうちょ銀行も対応予定。また、ソフトバンクのクレジットカード「SB Card」からの自動振替も可能だ。

現在、定期預金の利率は0.01%程度で利回りをほとんど期待できない。NISAやiDeCoなどとともに自己資金を管理する手段として注目だ。

SaaS企業のマーケ・営業一環支援を目指す「ボクシル」運営がKDDIと資本業務提携

法人向けクラウドサービスの比較サイト「ボクシルSaaS」やインサイドセールス支援サービス「BALES(ベイルズ)」を運営するスマートキャンプは5月20日、KDDI Open Innovation Fundから資金調達を実施し、KDDIと業務提携を行うと発表した。両社は業務提携により、SaaS企業のマーケティング・営業をワンストップで支援するプラットフォームの実現を目指す。調達金額は非公開。

写真中央:スマートキャンプ代表取締役 古橋智史氏

スマートキャンプが提供するボクシルは、SaaSユーザーとSaaS企業のマッチングプラットフォームだ。ユーザーは、経費精算システムや営業支援システム、採用管理システムなど、さまざまなSaaS製品を比較したり、口コミを確認したりすることができる。2015年5月の運営開始以来、2019年4月末時点で月間1200万PV以上、10万人以上の会員に利用され、SaaS企業のマーケティングをサポート。月間3万件以上のSaaS企業のリード獲得に至っているという。

また、インサイドセールス支援サービスのBALESは、BtoB営業をコンサルティングとアウトソーシングでサポートするサービスだ。見込み客獲得後のインサイドセールスのターゲット選定やKPI設計、スクリプト作成、電話代行などによる営業活動の効率化や、オンラインセールスのアウトソーシング、フィールドセールスのコンサルティングなどによる支援を実施。2017年9月に提供を開始し、100サービスを超えるSaaS企業の営業支援を行ってきた。

今回、KDDIとの資本業務提携によりスマートキャンプでは、SaaS企業の認知度向上からリード獲得、商談、受注、請求まで一気通貫でサポート可能なSaaSプラットフォームの実現を目指す。

スマートキャンプはボクシルやBALESによる、オンラインでの認知度向上から受注までの支援を担当。KDDIが保有する法人向け通信サービスやクラウドサービスの販売チャネル、あるいは契約・請求管理の仕組みと連携することで、オンライン・オフライン両面でSaaS企業のマーケティング・営業活動を一環して支援できるプラットフォームの実現を狙う。

サブスクリプション型のSaaSビジネスでは、ユーザー顧客の成功体験を向上させ、契約継続やアクティブな利用を促すことが成長には不可欠で、むしろ成約してからの“カスタマーサクセス”実現が勝負とも言える。

スマートキャンプ代表取締役の古橋智史氏は「現在はインサイドセールス支援を行うBALESで、主にオンラインでカスタマーサクセスの支援をしている。その後どうしても対面でのサポートが必要になったときに、KDDIに協力していただく、という連携も強化していきたい」と述べ、顧客企業の支援をさらに強めていく考えを明らかにした。

古橋氏は「提携に先駆けて、既にかなり時間をかけて事業開発に取り組んでおり、早い段階で結果を出せるようにしたい」と意欲を見せる。「スマートキャンプとしては、大手企業と資本も絡んだ業務提携は初となる。国内でのSaaS普及を、KDDIと共に推進できればと思います」(古橋氏)

代替食品のImpossible、ハンバーガーの次は植物由来のソーセージ

今年は Impossible にとって大きな年になりそうだ。サンフランシスコ・ベイエリアの食品スタートアップは、植物由来のハンバーガーで今年業界に参入した。そしてBurger King(バーガーキング)での販売が発表された先週、3億ドルの調達ラウンドを完了した。

この会社の次期製品については、植物由来代替肉の世界に詳しい人にとって驚きではないだろう。Engadgetが同社のレッドウッドシティ本社の裏側で見つけたImpossibleメニューはソーセージだった。

話の流れからして、(イミテーション血液も含めて)そのソーセージが同社のハンバーガーパティと同じ材料で作られている可能性は高いと思われる。実際には、材料の配合は異なり、ジャガイモのタンパク質は完全に除去されている。同社は数多くの異なるレシピを開発中で、そのほとんどが同社の「プラットフォーム」製品を再構成したものだ。モジュールメニューだと考えてもらってもいい。なんといったって、いくつかの中心となる同じ材料をローテーションする方法はTaco Bell(タコベル)などのチェーンで十分うまく機能しているのだから、ヘルスフードでできない理由はない。

発売時期やその他の商品の詳細は未定。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleがファーウェイに対してAndroidのサポートを中止へ

トランプ政権のHuawei(ファーウェイ)制裁が広い範囲に長期にわたって影響を与えることは間違いない。

当面、ファーウェイ以外の関係者は米国と中国の間で立場を明らかにし、いわば橋を焼き落とことを避けようと慎重に行動している。ここでGoogleがはからずも注目を浴びてしまった。競争の激しいスマートフォン業界にあって、Android OSと多数の有力アプリの提供者であるGoogleの決定は影響が大きい。

米国時間5月20日夜のReuters(ロイター)の報道によれば、Googleは脱ファーウェイに向けて措置を取り始めたという。事情に通じた情報源が5月19日にロイターに語ったところでは、Googleはオープンソースライセンスでカバーされる部分を除き、ファーウェイへのハード、ソフトのサポートを停止した。これによりAndroidのアップデートの提供はすでに停止された。Android OSそのものはオープンソースなので利用できるが、Googleからのサポートはなくなる。

ファーウェイは明確な立場を示さずに済む方法を探っているようだ。同社も対策を検討している。スマートフォンはハードウェアとソフトウェアが密接に連携する非常に複雑な世界で、無数のコンポネントが世界中から調達されている。貿易摩擦が激化するにつれ、アメリカの対イラン禁輸措置に違反して制裁を受けた中国のZTEが一番大きな不利益を被っている。

ファーウェイは「この制裁は関係者全員に不利益なものだ」と反論しており、自給自足体制を確立する計画を発表して挑戦的な姿勢を崩していない。同社は米中関係の緊張の高まりを避けられないものとみて対処するつもりのようだ。しかしGoogle、Qualcomm(クアルコム)など米企業のテクノロジーなしにこうした強硬姿勢が維持できるのか疑問をもつ専門家もいる。

【Japan編集部追記】記事内で引用されているロイターの報道によれば、「ファーウェイの次世代スマートフォンは中国国外では最新のAndroid OSだけでなくGoogle Payへもアクセスできなくなる」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

LGがスマートホーム製品向けAIチップを独自開発

かつて勢いがあったスマホ部門が影をひそめるにつれ、LGは新興テックに注意を向けている。LGはこれまでに自動車関連、なかでも自動運転能力に注力してきたが、今日、独自のAIチップを開発すると発表し、スマートホーム部門で賭けに出た。

新たなチップには、ロボット掃除機や洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどを含む未来のスマートホームデバイスに使われる、深層学習アルゴリズムを改善する独自のニューラル・エンジンが含まれる、とLGは説明した。このチップはデバイス搭載のプロセッシングのおかげでインターネット接続なしに作動する。そして個人情報の蓄積には“別のハードウェアに内蔵されたセキュリティゾーン”を使う。

「音声知能が正確に声や騒音の特徴を認識し、そしてプロダクト知能が周囲の物体や化学的な物質の変化をとらえることでデバイスの能力アップを図るように、AIチップは空間や位置情報、物体、ユーザーを認識・区別するビジュアル知能を可能にする」とLGは発表文で説明している。

今日までにAIや機械学習知能をチップセットレベルで求め、不動の地位を確立したきた企業はIntelやARM、Nvidiaくらいで、その一方で新参者としてはGraphcoreやCerebras、そしてVCが資金を注入しているWave Computingなどがある。

実際、AIや機械学習に挑む企業はブームのように増えている。昨年のニューヨーク・タイムズの報道によると、「少なくともスタートアップ45社がスピーチや自動運転車のようなタスクをこなすことができるチップに取り組んでいる」。しかし、ここには中国政府が財政面をバックアップしているノーマークのプロジェクトは含まれていない。

単独でAI分野に参入すると決めたのはLGだけではない。FacebookやAmazon、Appleも特定の目的のためにAIや機械学習のチップ開発に取り組んでいるとされている。LGの場合、開発するAIはスマートな家庭電化製品向けにカスタマイズされる。

「我々のAIチップは未来のLGプロダクト向けに最適化された人工知能を提供するようデザインされる。これは、我々の人工知能戦略の主要三本柱(進化、コネクト、オープン)を推し進めるものとなり、これまでよりも快適な暮らしを客に提供する」とLG電子の会長でCTOのパク・イルピョン氏は発表文で述べた。

同社の家庭電化製品部門は四半期としてはこれまでで最高の売上高を記録したばかりだ。スマホ部門の不振にもかかわらず、AIを活用する主要部門である家電や家庭エンターテイメント部門の好成績により、LGは昨年24億ドルの利益を出した。

イメージクレジット: ROBYN BECK / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi)

DNA製造をより速くそしてより簡単に、DNA Scriptが42億円強を調達

DNA Scriptは、新たに3850万ドル(42億円強)の資金調達を行った。遺伝物質の製造における、史上初の大きな飛躍であるという触れ込みのプロセスを、商業化することが目的である。

産業を医療から農業へと改革していく合成生物学の革命は、同じように重要な3本の柱に支えられている。

その3本とは、(1)分析:ゲノムをマップし異なる遺伝子の機能を理解する能力、(2)合成:ある特定の機能を達成するためにDNAを製造する能力、(3)遺伝子編集:遺伝コードを足したり引いたりすることを可能にするCRISPRベースの技術である。

ゲノムの分析と編集を変革する新しい技術はすでに導入されていいたが、遺伝物質の製造方法に関しては過去50年間にわたってほとんど進歩してこなかった。それこそがまさに、DNA Scriptが取り組んでいる問題である。

従来は、DNAを製造するためには、化合物を用いて、せいぜい200個程度のヌクレオチド塩基で構成されるDNAの鎖を合成する(もしくは書き出す)ことが必要だった。こうして合成された遺伝子コードの断片が、その後集められ組み立てられて遺伝子になるのだ。

DNA Scriptの技術は、DNAが細胞内で組み立てられる酵素プロセスを模倣することで、エラーは少なく、そして化学的廃棄物は伴わずに、ヌクレオチドのより長い鎖を作ることを約束する。この酵素利用プロセスは、ヘルスケア、化学製造、および農業における商用利用を加速することができる。

「工程を加速できる技術は、どんなものでもとても有意義なものとなり得ます」とNatureで語っているのはMITの合成生物学者であるクリストファー・ボイト(Christopher Voigt)氏である。

市場の中で、酵素を利用したDNA生産において、飛躍的な前進を遂げようとしているのは、DNA Scriptはだけではない。ハーバード大学の有名な遺伝学者ジョージ・チャーチ(George Church)氏と協業するNuclearや、カリフォルニア大学のジェイ・キースリング(Jay Keasling)氏のバークレー研究所系列のスタートアップであるAnsa Bioなども、同じ技術を推進している。

しかし、パリを拠点とするDNA Scriptは、商業的に展開し最初に市場に参入することを可能にする、ある程度のマイルストーンを達成している。

少なくともそれこそが、今回の新しい投資家であるLSPとBpifranceの両者が、そのLarge Ventureファンドを通じて期待していることだ。DNA Scriptに対する最新のファンディングに対して、この両者と共に、これまでの投資家であるIllumina Ventures、M. Ventures、Sofinnova Partners、Kurma Partners、そしてIdinvest Partnersが参加している。

DNA Scriptによれば、調達した資金は、最初の製品の開発を加速させ、米国でのプレゼンスを確立するために使われる。

「今年初頭のAGBT(最先端ゲノム生物学と技術)会議で発表したように、私たちDNA Scriptは、今日使用されている最高の有機化学プロセスと同等の平均合成効率で、200merのオリゴヌクレオチドを酵素方式で合成した、最初の企業なのです」と語るのはDNA ScriptのCEOで共同創業者のトーマス・イベール(Thomas Ybert)氏だ。「私たちの技術は、最初の商用製品として十分な信頼性を保つことができるようになりました。このことにより、ほんの数時間で完了するDNA合成技術を使って、世界中の研究者に1日で結果を返すという約束を果たすことができるようになると考えています」。

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(翻訳:sako)

イスラエルのAIチップメーカーが最新ディープラーニングチップを発表

Hailoは、テルアビブに本拠を置くAIチップメーカーだ。米国時間の5月14日、同社初のディープラーニングプロセッサとなるHailo-8チップのサンプル出荷を開始すると発表した。このチップは、1秒あたり最大26テラオペレーション(TOPS)が保証されている。現在、何社かの選抜された顧客とともにテスト中で、その多くは自動車業界だ。

Hailoは、昨年になって表舞台に登場した会社で、シリーズAラウンドで1250万ドル(約13億7000万円)を調達した。その時点では、まだチップのサンプル出荷もできていなかった。同社によれば、Hailo-8は他のあらゆるエッジプロセッサの性能を凌駕し、しかもより小さなチップサイズ、より少ないメモリサイズで、その性能を達成できるという。「ニューラルネットワークの中核的な性質に特化したアーキテクチャを設計することにより、エッジデバイスはディープラーニングのアプリケーションをフルスケールで、しかも従来のソリューションよりも効率的かつ効果的に、さらに持続可能な状態で実行できるようになりました」と、同社は説明している。

Hailoでは、自社のチップが、Nvidiaの競合するJavier Xavier AGXよりも、いくつかのベンチマークで優れていると主張している。しかも、消費電力も少ないので、比較的低温で動作するという。これは、小さなIoTデバイスでは特に重要な特長と言えるだろう。

もちろん、さらに多くのエンジニアがこうしたチップを手にしたとき、それらが実際にうまく動作するのか、ということも確かめる必要があるだろう。しかし、エッジ領域でのAIチップに対する需要が増え続けることは疑いようがない。なにしろ市場は数年前に、演算処理をクラウド内に集約化することをやめ、エッジに分散することにシフトしたのだから。それは、応答時間を短縮し、バンド幅のコストを削減し、ネットワーク性能に依存しない安定したプラットフォームを提供するためだ。

後にIntelに買収されたMobileyeという先例と同じように、Hailoも自動車業界のOEMや1次サプライヤと協業してチップを市場に供給することになる。しかしHailoでは、スマートホーム製品などの垂直市場も視野に入れている。実際には、物体の検出や識別のために高性能のAIチップを必要としている、あらゆる業界が対象となりうる。

「近年、ディープラーニングが応用可能な分野が増加し続けるのを目の当たりにしてきました。それはサーバークラスのGPUによって可能となったことです」と、HailoのCEO、Orr Danon氏は述べている。「しかし、産業はAIによってますます大きな力を獲得し、むしろかき回されているような状況もあります。そのため、類似したアーキテクチャで過去のプロセッサを置き換え、エッジ領域のデバイスでディープラーニングを可能にすることが、切実に必要となっているのです。Hailoのチップは、最初から、まさにそのために設計されたものなのです」。

関連記事:ディープラーニング専用チップのHailoが$12.5Mを調達、従来型CPUの数倍の性能を達成

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

マイクロソフトは2022年までに1万5000名の労働者にAIのスキルと資格証明を賦与

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間5月17日朝、同社が教育プロバイダーのGeneral Assemblyと提携して、一定範囲のAI関連スキルの資格証明と教育訓練に投資すると発表した。目標は2022年までに1万5000名を教育訓練して、世界中で多くのAI人材を確保することだ。教育訓練のフォーカスはAIと機械学習、データサイエンス、データエンジニアリングなどに置かれる。

この新事業の初年度には2000名を教育訓練してAIと機械学習のロールに移行させる。そしてその後の3年でさらに1万3000名にAI関連のスキルを教育訓練する。

この取り組みの一環としてMicrosoftは、他社とともにGeneral AssemblyのAIのStandards Board(スタンダード委員会)に加わる。今後の6カ月でこの委員会は、AIスキルのスタンダードを定義し、評価の基準を開発、キャリアのフレームワークを設計、そしてAIスキルの資格証明書を作る。

教育訓練事業は、現在需要のあるAI関連雇用を満たすことにもフォーカスし、そこではMicrosoft固有の技術も学習する。Microsoftによれば、航空宇宙や製造業などいくつかの業種では、Azureを使いこなせるような社員がとても少ない。そこで教育訓練のフォーカスは、AI人材を雇用したいと思っている企業のそのような、Microsoft固有技術のニーズにも対応していく。

また人材ネットワークAI Talent Networkを作り、そこから長期雇用の人材や契約労働者を見つけられるようにする。General Assemblyは、22の大学キャンパスや求人求職サイトAdecco(アデコ)にも縁があるので、この人材ネットワークをアシストできる。Adeccoは昨年General Assemblyが41300万ドルで売った企業だ。

Microsoftはこの事業の背景として、雇用創出へのAIのインパクトを挙げている。2022年までには、新しいテクノロジーによって最大13300万の新たなロールが作り出されるそうだ。もちろん、同社のソフトウェアやクラウドの顧客がAzureのような同社製品を使える人々を楽に見つけられるようになるという計算もある。

Microsoftでグローバル営業、マーケティング、オペレーションを担当する執行副社長であるJean-Philippe Courtois氏は声明で「テクノロジー企業がイノベーションにコミットしていくときには、労働者がAIの教育訓練にアクセスできて、今日と明日の職場で伸びていけるようにする責任がある。我々の業態とGeneral Assemblyの専門的技術が組み合わされば、スキルのギャップをなくし、企業はAIに駆動される経済において自らのポテンシャルを最大化できる。その成果が今からとても楽しみだ」と述べている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotifyが車載ハードウェア「Car Thing」をテストへ

Spotifyは独自プレーヤー「Mighty」と緩やかに連携するなど、さらなる多様化の道を進もうとしている。そして今度は、独自のハードウェアを作ろうとしている。

上のデバイス「Car Thing」は、一般消費者向けのデバイスではない。Spofityはこれにより、サービス購読者の車内での音楽の聞き方を調査するのだ。音声コントロールが可能なCar Thingは、米国の招待されたSpotify Premiumユーザーの一部に提供される。

シガーソケットに差し込んで使うこのCar Thingは、ユーザーによるパブリックベータテストの始まりに過ぎないようだ。Spotifyは「我々は将来、似たような音声特化のテストを行うかもしれない」と説明している。「だから、Voice ThingやHome Thingのことを聞いても驚かないでほしい」

The Vergeによれば、テストは数週間中には開始される予定だ。Spotifyはこれらのテストについての議論を公開することで、独自ハードウェアに関する噂に応えようとしているのかもしれない。今後このようなプロダクトが車載向け、あるいは家庭向けに登場するのかどうか、見守ってみよう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Amazonがフード配達サービスDeliverooの633億円調達を主導

米国のeコマース最大手Amazonは、Deliverooの5億7500万ドルの資金調達を主導し、欧州のフード配達マーケットに関わりを持とうとしている。

昨日最初にSkyが報じたこのシリーズGは、Deliverooからの早朝の発表文で正式に確認された。発表では、既存投資家のT. Rowe Price、Fidelity Management、Research Company、そしてGreenoaksもこのラウンドに参加する。そしてこのラウンドにより、Deliverooのこれまでの調達額は計15億ドルとなった。2017年後半に行われた前回の調達時の企業価値は20億ドル超だったが、その後この情報はアップデートされていない。

ロンドン拠点のDeliverooは英国、フランス、ドイツ、スペイン、そして欧州外ではシンガポール、台湾、オーストラリア、アラブ首長国連邦など、計14カ国で事業展開している。マーケット全体でレストラン8万店と契約し、配達員6万人を抱えていて、うち2500人は正社員だ。

Amazonが今回のDeliverooとの新たな戦略的関係をどのように活用するつもりなのかはまだ見えないが、たとえばPrime会員サービスに取り込むことはあり得る。しかしAmazonがフード配達サービスにかかわるのはこれが初めてではない。Deliveroo 、そしてUber Eatsとの競争に押され、Amazonは昨年、英国でのテイクアウト事業から撤退している。米国においては事業を続けている。

「私個人、そして会社にとってAmazonはお手本だった。そのような顧客を第一に考える企業とともに働けることをとても楽しみにしている」とDeliverooのCEOで創業者のWill Shu氏は発表文で述べた。

Shu氏は、調達する資金はロンドンに置くエンジニアリングチームの拡大や、デリバリーの食品を素早く、そしてコスパよく調理するクラウドキッチンを含む新しいプロダクトの開発に充てる、とShu氏は話している。

イメージクレジット: Matthew Horwood (Image has been modified)

 

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(翻訳:Mizoguchi)

現実でも仮想現実でも殴ってくるロボットが爆誕

ロボットエンジニアでユーチューバーのJames Bruton氏が現実でも仮想現実でも殴ってくるロボットをポーツマス大学の学生たちと共に製作した。VRの格闘ゲームで相手に殴られると現実世界でもロボットに殴られる。

ロボットはArduino Megaを使用しており、ロボットのアームと土台、そしてプレイヤーの剣と盾にはHTCのVIVE Trackerが取り付けてある。

このロボットがゲーセンにあれば面白そうだ。ニューガンダムでサザビーと対戦してみたい。

ロボットを製作するBruton氏やロボットと対戦する学生を見たいなら以下の動画を。

スマホのカメラで心拍数を計測、呼吸訓練アプリ「Resilio」でストレス耐性を強化

「Resilience(レジリエンス)とはストレスを予防し生産性を向上させるということだ」

5月16日にカリフォルニアのメンローパークで開催されたAlchemist Acceleratorの21期生デモデイにて、ResilioのCEO、Anders Søndergaard氏はそう話した。

Resilienceをもう少しわかりやすく説明すると、身体的または精神的な苦境からの「回復力」のこと。

「この単語を覚えておいて欲しい、数年後には誰もがResilienceについて話しているはずだ」(Søndergaard氏)

Resilioは従業員のストレス軽減、モチベーション向上のための「Resilience-As-A-Service」プラットフォーム「Resilio」を開発し提供するヘルステック領域のスタートアップ。

ストレス耐性を強くするには瞑想が効果的だが 、Resilioはそれをアプリで誰でも簡単にできるようにした。

Resilioアプリを使い、ユーザーはスマホのカメラに人差し指をかざし心拍数を計測。そして画面に表示されている心拍数を見ながら呼吸訓練をする。ゲーミフィキケーション要素として、画面の右上にはシンクロ率のスコアが表示される。

呼吸訓練のほかにも、「睡眠の改善」や「緊張状態の緩和」などに関するオーディオベースのレッスンも用意されている。また、ウェブセミナーや社内キャンペーン向けのマーケティングパッケージも提供される。

Resilioは法人向けに提供されており、料金は従業員1人あたり5ドル。Søndergaard氏いわく、Resilioユーザーの実に96パーセントが「ストレスが軽減された」と感じており、86パーセントが「仕事に対するモチベーションが上がった」という。

TwitterのDeveloper Labsは設計し直されたAPIへのベータアクセスを提供

ついにTwitterは、7年間も放置状態だったコアAPIをモダンなものにするために動き出した。デベロッパーからの早期のフィードバックを求めている。

米国時間の5月14日、Twitter Developer Labsを立ち上げたのもそのためだ。アプリのデベロッパーは、サインアップすることでプレリリース版のベータAPIを使った実験が可能となる。中でも真っ先に挙げられるのは、設計し直されたGET /TwittsとGET /UsersのAPIだ。

それに続くのが、初めての機能的な変更で、そこにはTwitter Firehoseへのリアルタイムのストリーミングアクセスも含まれている。以前には、高額なエンタープライズ向けのAPI契約によってのみ利用可能だったもので、ツイートのフィルタリングに加え、インプレッションとエンゲージメントの計測機能も備えている。また、Polls(投票)のような新しい機能も、APIとして追加される予定となっている。

APIの再設計に際して、デベロッパーに十分に長い準備期間と発言権を与えることで、より多くのアプリメーカーがTwitter社とプレミアムAPI(たった1つのAPIで月額339ドル=約3万7000円から2899ドル=約31万8000円)やエンタープライズ向けAPI(さらに高価)の契約を結んでくれるようになる可能性がある。

それはまた、デベロッパーの手による分析、計測、広告ビジネスの創設を刺激する可能性もある。そうなれば、さまざまなブランドがTwitterを利用したマーケティングにより積極的に出費しやすくなるだろう。今回のDevelper Labsプログラムと、APIエンドポイントの最初の変更は、今後数週間以内に公開される予定だ。

このプログラムに参加するには、デベロッパーアカウントにサインアップし、最新情報を受け取るためにDebeloper Labsサイトでメーリングリストに参加する。また、TwitterDevアカウントをフォローして、フィードバックを返すこともできる。

Twitterの、データおよびエンタープライズソリューション部門のプロダクトマネージャであるIan Cairns氏は、Twitterが過去にデベロッパーにひどい仕打ちをしてきたことを認めている。突然に方針を変更したり、デベロッパーのビジネスの持続性を阻害するようなレート制限をかけたりといったことだ。

例えば昨年には、APIの変更により、多くのサードパーティ製のTwitterクライアントアプリが動かなくなった。「ここ数年の間に、たしかに何度か、私たちがAPIを管理し、変更してきたことによって、デベロッパーに対して破壊的な影響を与えてしまったこともあるでしょう。私たちがTwitter Developer Labsプログラムでやろうとしているのは、信頼関係を築き、双方向の会話を実現するためのしくみを作ることです。私たちのプラットフォームをいちばん使ってくれているデベロッパーの声が、将来を動かすようにしたいのです」。

TwitterのメインAPIは、2012年8月にリリースされて以降、手が加えられていなかった。その間にも、エンタープライズ用と、広告用APIには、多くの進展があった。もちろん手が加わらなかったことによる利点はある。古いAPIは下位互換性を保つという点では優位性があった。デベロッパーは、頻繁にアップデートする必要もなく、古いユーティリティがずっと動作し続けるからだ。

しかし、例えば「投票」のように、新しい機能をAPIとして実現することを阻んできたのも確かだ。Twitterは、より規則的なバージョン付けができるシステムに移行しようと計画している。その際、何らかの破壊的な変更を伴う場合には、デベロッパーが適応できるよう、前もって通達できるようにするつもりだ。

比較的最近のことだが、TwitterはAPIの合理化を発表し、2017年には有料のAPIも制定した。しかし昨年になって、Twitterのクライアントアプリを動かなくしたり、デベロッパー用ツールFabricをGoogleに売却した。それもこれも、コスト削減の一環であり、過去にはVineを終焉に追いやった実績もある。

そして今年になって、Twitterはスパムを生み出すAPIの悪用と、フォロワーを購入するサービスを取り締まる動きに出た。その伏線となったのは、Cambridge Analyticaのスキャンダルがデベロッパー向けプラットフォームの信頼を揺るがせ、安全性とプライバシーを保護するために機能を制限することを、プラットフォームのオーナーに強いたことだ。

Developer Labsは、この3月にリリースされた新しいアプリ「twttr」のベータ版と同じような、マニアックな路線を行くものとして、返信やフィードの動作がどのように変わるのかをデベロッパーが試せる場になるだろう。Twitterは以下のように述べている。「私たちがDeveloper Labsで最初に注力するのは、対話的なデータを扱うデベロッパーです。そこにはTwitterで何が起きているのかを研究、調査している学者や研究者も含まれます。また、異なる分野のビジネス向けに、ソーシャルリスニングや分析機能を開発しているような会社も対象となります」。

Twitterとデベロッパーとの関係は、これまでずっと不安定なものだった。その大部分は、コミュニケーションの不足が原因だった。デベロッパーが何かを開発しても、TwitterがAPIを変更して動かなくしてしまったり、Twitter自身が同じような機能を開発したりすれば、膨大なエンジニアリングの労力が無駄になってしまう。もし、Developer Labsによってデベロッパーとの透明な対話の道が開かれれば、Twitterはデベロッパーを広報活動にとっての重荷どころか、味方につけることができるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)