中国の医療系スタートアップ、Infervisionが日本進出へ――機械学習と画像認識をがん診断に適用

日本版編集部注:ディープラーニングと画像認識をがんの診断などに利用するスタートアップ、中国のInfervisionが日本市場に進出することが明らかになった。

TechCrunch Japanの取材に対し、同社は「日本市場への進出にあたり、いくつかの医療設備メーカーに私たちのプロダクトを紹介したところ、彼らからは良い反応が得られた」とコメントした。また、「日本でのパートナーシップも探しているところだ。病院などの医療機関や大学との連携を考えている」とも話している。

以下では、米国版TechCrunchが公開したInfervisionに関する記事を翻訳して紹介する(2017年5月公開)。

中国では、およそ60万人が毎年肺がんで亡くなっている。大気汚染が進み、喫煙率も高いこの国では、肺がんは主な死因の1つだ。肺がんの発生件数は、2020年までに毎年80万件のペースで増加するといわれている。

状況が悪化し続けるなか、中国の国営メディアは肺がんの脅威について報じただけでなく、大気汚染を手に負えない状況にまで悪化させたとして政府関係機関の責任を追求している。

中国が抱える問題は肺がんの発生件数の増加だけではない。質の低い医療もこの問題に拍車をかけている。手遅れになるまで肺がんの発見が遅れることもある。

北京に拠点をおくInfervisionは、機械学習とコンピュータービジョンのテクノロジーをがんの診断に利用するスタートアップだ。同社のCEOであるChen Kuan氏は、この問題を身をもって体験した。

540万の人口をもつ中国の都市Mianyang。この地域に住んでいたKuan氏の叔母は、地元の病院で適切な医療を受けることができず、彼女のがんは発見されることなく放置されてしまった。

「単純に、十分な知識や技量をもつ医師の数が足りていないのです」とKuan氏は語る。「医師は毎日かなり多くの患者を診断しなければならず、患者が受ける医療の質には大きなバラつきがあります」。

特に、放射線医師の不足は深刻だと彼はいう。

2012年、Kuan氏はシカゴ大学で経済学と政治学の2つの博士課程に在籍していた。彼はそこで機械学習のテクノロジーにはじめて触れ、これが後のInfervision創業のきっかけとなる。

中国出身の友人たちと共に、彼はディープラーニングと人工知能がもつ可能性に惹きこまれていった。しかし、Infersionのアイデアが具体化したのは、2年前に彼が中国でコンピュータービジョンとディープラーニングについての講義を行ったときだった。

ある放射線医師がKuan氏の講義を受けていた。彼は、長引く病気に苦しむ患者を助けるために、がんの診断に機械学習を利用してはどうかと考えていた。そして、その気持ちがKuan氏の心を打った。Kuan氏は博士課程を中退し、中国に戻ってInfervisionの創業準備を始めた。

それからあっと言う間に2年が過ぎ去り、Sequoia Capital Chinaなどから資金を集めたInfervisionは、Nvidiaが主催するGPU Tech Conferenceに登壇するまでになった。

Infervisionは、2003年に大流行したSARSに対応するかたちで中国全土に導入されたインフラを活用している。同社は、その当時に収集されたレントゲン写真を利用してアルゴリズムをトレーニングしたのだ。Infervisionはそれに加えて、同社のソフトウェアを導入する20の病院から得たリアルタイムデータも活用している(Peking Union Medical College Hospital、Shanghai Changzheng Hospitalなど)。

また、InfervisionはGE Helthcare、Cisco、Nvidiaなどと業務提携を結び、同社の技術向上を目指している。昨年のローンチ以降、同社はこれまでに10万枚以上のCTスキャン画像とレントゲン画像を解析した。

Infervisionは病院のシステムにオンプレミス型のソフトウェアをインストールし、病院から収集した新しい画像データによって画像認識と診断ツールの精度を向上させているとKuan氏は語る。

Kuan氏によれば、アルゴリズムのトレーニングには2つの段階があるという。まず、放射線医師から集めたアノテーション済みのデータがInfersionのトレーニングデータに加えられる。その後、精度が向上したソフトウェアが病院のシステムに再配信されるのだ。

「このテクノロジーが医師の代替品になることは絶対にありません。これは何度も繰り返される仕事を削減するための技術なのです」とKuan氏は語る。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

AI規制は観察と洞察に従うことが必須――Elon Muskが彼の意図を説明した

先の週末、Elon Muskは、人工知能に関する政府の規制を求めるコメントを発表した。これまでも彼は、この技術が放置されることによる人類への脅威に対する懸念を繰り返し表明して来ている。Muskは本日(米国時間7月19日)、国際宇宙ステーションの研究開発会議に参加していたが、その休憩時間中の談話の中で、参加者の質問に答える形で、この問題に対する彼の見方をさらに説明した。

Muskは、まず政府機関が設置され、AIとその利用に関する洞察を深めることを想定していること、ただしそのやり方は「背後から撃つようなやり方で」規制をするようなものであるべきではない、ということを明言した。土曜日のNational Governors Associationに於ける、「積極的な規制」の必要性に関する彼のコメントに対して、即座に或いは近い将来に規制が敷かれるべきだという主張だと解釈した者もいた。

実際にはそうではなく、Muskは、AIの利用と開発について、事実に基いたルールを導入するために必要な洞察を求めるプロセスを今すぐ始めるべきだ、と考えているのだと語った。Muskはこのプロセスを、FCC(連邦通信委員会)やFAA(連邦航空局)のような、業界における技術利用を規制するための、他の政府機関を設立するプロセスと比較している。「おそらくFAAがなくなれば良いのに、と考えている人はいないでしょう」と彼は語った。Musk自身が、起業家としてしばしば規制に欲求不満を抱いているにも関わらず、彼がAI規制に関する探求を始めることが大切だと考える理由はここにある。

TeslaのCEOはまた、なぜ彼がAIの潜在的脅威をそれほどまでに気にするのかの理由も少し説明した。彼はDeepMindのAlphaGoの例を挙げ、多くの専門家が予想していたよりも遥かに早く、最強の棋士たちが打ち負かされたことがその理由だと述べた。彼はまた、AI専用の処理装置の開発についても指摘した。これは、現在のGPU搭載バージョンよりもAIパフォーマンスを何桁も向上させることを目指しているものだ。

「これは本当に大きな問題になるでしょう。それは津波のようにやってくるのです」と彼は語った。

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(翻訳:Sako)

動画配信サービスの利用率トップは「Amzonプライム・ビデオ」、Mastodonの利用率は2.8%

ジャストシステムは7月20日、Webサービスの利用状況などをまとめた「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2017年6月度)」を発表した。

このレポートは15〜69歳の男女1100人を調査対象にしたもので、彼らに“FacebookやTwitterは使っていますか?”など、主にWebサービスの利用状況にかかわる多くの質問を投げかけている。

その中から興味深い調査結果をいくつか紹介したい。

Mastodonの利用状況

2017年4月に急激に話題となったSNS「Mastodon(マストドン)」。ネット上では、“ポストTwitterだ!”なんて騒がれていたし、TechCrunch Japanでも特集したことがある。でも、実際のところの認知度はどうだろうか?

本レポートによれば、Mastodonを“現在利用している”と答えた人は全体のわずか2.8%だった。“以前は利用していたが、今は利用していない”と回答した人(2.5%)を加えても、5.3%と結構低い。

サービスの存在すら知らないという人も多く、その割合は全体の77.9%だった。性別や年代別に見てみると、10〜20代男性への認知度は比較的高い。その一方で、女性への認知度は全体的に低いことが分かる。

Apple PayとAndroid Pay

TechCrunch Japanでは以前、日銀が発表したモバイル決済の利用率についてのレポートを紹介したことがある。日本の普及率が6%に対して、中国は98.3%という少しショッキングな内容だった。

ジャストシステムのレポートでは、モバイル決済のなかでも「Apple Pay」と「Android Pay」に絞って利用状況を調査している。

やはり、このレポートの調査結果をみてもモバイル決済の利用者数が多いとはいえない。だが、興味深いことに、利用していると答えた人の割合はApple PayとAndroid Payとのあいだに大きな差がある。Apple Payを利用している人は全体の32.9%だったのに対して、Android Payは4.5%だった。

現在、Android Payが対応するのは「nanaco」や「楽天Edy」などのショッピング系電子マネーのみ。一方のApple Payは、ショッピング系に加えて、交通系の「Suica」にも対応している。交通系ICカードの普及が進む日本では、そこに対応しているApple Payには利便性を感じる人が比較的多いのだろう。

定額制動画配信サービス

「Netflix」や「Hulu」などに代表される動画配信サービスの利用状況についての調査結果もある。本レポートによれば、数多くある動画配信サービスのなかで利用率が最も高かったのは「Amazonプライム・ビデオ」だった。

個人的には、これが一番意外な結果だった。海外ではよく、「I’m skyping」や「Google it」など“サービス名が動詞として使われると本物だ”なんて言われることがある。

その点、僕の周りでは、休日何している?と聞くと「Netflix観てる」と答える人も多くて(昔は「ビデオ借りてきて観てる」と答えてた気がする)、日本でもやはりNetflixが強いのかなと思っていたからだ。TechCrunch Japanの編集部にいる僕は、海外から流れてくるNetflixの情報に触れる機会が多いこともあって、周りの環境が偏っていたのかもしれない。自分の感覚と日本マーケットの現状に差があるということを改めて感じさせれた。

上の図にあるように、2015年10月の横並びの状態からAmazonプライム・ビデオの利用率が急激に上昇しているところを見ると、ダウンタウンの松本人志氏を起用したTVコマーシャルや、2017年2月から放送開始した独占配信コンテンツ「バチェラー・ジャパン」などの功績が大きのだろうか。

これらの調査結果を含むレポート本文は、こちらから無料ダウンロードできる。

Amazon Pay PlacesはAmazonアカウントで実店舗での支払いができるサービス:まずはTGI Friday’sからスタート

Amazonは本日(米国時間7月19日)、Amazon Pay Placesという新しい機能を導入した。これによって顧客はAmazonアプリを用いて、店内での支払い、あるいは買い物に先立つ事前注文を行なうことができる。すなわち、現実世界で買い物をする際に現金、小切手、クレジットカード、デビットカードを使用する代わりに、Amazonアカウント情報を使用することができるのだ。Pay Placesの最初の実現場所にはTGI Friday’sレストランチェーンとの提携も含まれている。もちろんこの機能は、将来より多くの店舗や実世界での利用が予定されているものだ。

Amazon Pay Placesの立ち上げパートナーのTGI Friday’sは、現時点でこの機能を使用できる唯一の場所だ。また米国中で利用可能なわけでもなく、ボストン、フィラデルフィア、ボルティモア、ワシントンDC、バージニア州リッチモンド、ペンシルベニア州ウィルクスバリのアマゾン顧客だけが、この機能を現在利用することができる。

Amazon Pay Placeにアクセスするには、Amazonのモバイルアプリが必要だ。アプリを起動して、メニューをタップし、“Programs & Features”を更にタップする。

このセクション内で、(サポートされている地域内なら)Amazon Pay Placesは利用可能になる。

そこから、TGI Friday’sのメニューを見て、さらにアプリを通して注文をダイレクトに行うことができる。

Amazonアプリを用いて、レストランのテイクアウトオーダーの支払いを済ます事には意味がある。従来の厄介なテイクアウトの注文手段を単純化してくれるからだ。これまでは、レストランに電話をかけ、支払い手段を電話で伝え、レストランの専用モバイルアプリをダウンロードしたり、レストランのオンラインオーダーページを訪問したりしなければならなかった。

しかし、Amazonの目論見は、レストランを超えた範囲に対してもAmazon Pay Placesを利用することだ。Amazonが買収したWhole Foodsが、顧客ピックアップオーダーにこの機能を使う未来を想像することは難しいことではない。

ニューヨーク・ポスト紙によれば、オーダーに対してAmazonがより大きな取り分を占めるAmazon Restaurantsとは異なり、Amazon Pay PlacesはAmazon Paymentsに対する新しい追加であると報じられている。

ざっくり言えば、Amazon Paymentsとは自身が運営するPayPalのような代替支払い手段だ。つまり、オンラインマーチャントは、ウェブサイトのチェックアウトページにボタンを追加することで、顧客のAmazonのアカウント情報を使って支払いを行わせることができる。そうすることによって、顧客がカートを放棄する可能性が減り、チェックアウトがスピードアップすると考えられている。

Amazon Paymentsも、PayPalのように、1トランザクションあたり2.9%+30セントの手数料を請求する。

Amazonは現在どれくらいの数の小売業者が、その支払いプラットフォームを使用しているかについては公表していない。しかし2月には、これまで3300万を超える顧客が、Amazon Paymentsを使用して購入を行なったと発表している。これは2016年4月に発表された2300万に比べて1000万の増加だ。

一般にAmazon Paymentsは電子商取引に関連しているが、Amazonはゆっくりと現実世界にも展開を続けている。例えば、 Amazonは昨年、豪華な衣料品を扱うModa Operandiと提携し、来店した顧客が衣服の代金を、事前にオンラインで洗濯しておいたAmazonのアカウント情報を使って支払うことを可能にしていた、

ということで、Amazon Pay Placesは、現実世界に於けるAmazon Paymentsの2番目のユースケースを表している。

Amazonは、Amazon Pay Placeが、いつ追加の市場に参入したり、ショウケースパートナーと提携するのかについては何も述べていない。しかし明らかにこれは着目を続ける価値のある領域だ。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: DAVID RYDER/GETTY IMAGES

遠隔医療で動画・メッセに厚労省がゴーサイン、医療メッセンジャー「メディライン」が新機能

HealthTech(医療×テクノロジー)の中でも一際多くの関心を集める遠隔医療。この遠隔医療がいよいよ本格化していきそうだ。

医療用チャットサービス「メディライン」を提供するシェアメディカルは7月19日、同サービスで新たな遠隔医療機能を実装したと明かした。この機能は厚生労働省が7月14日付けで出した通達「情報通信機器を用いた診療について」(医政発0714第4号)に対応したものだ。

この通達は遠隔医療だけでも法に触れないケースを明確化することが目的。テレビ電話やSNSを活用した遠隔医療について触れている点は大変興味深く、遠隔医療を手がける企業には大きな影響を及ぼすはずだ。

遠隔医療については平成9年に厚労省から出された「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」において、基本的な考え方や医師法との関係から留意すべき事項が示されている。今回の通達は、情報通信機器の開発や普及の状況を踏まえ改めて遠隔医療の取り扱いについて記したものだ。

遠隔医療に取り組むスタートアップや、遠隔医療に関心があるTechCrunchの読者にとって特にインパクトが大きいのは「テレビ電話や、電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス等の情報通信機器を組み合わせた遠隔診療についても、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、直ちに医師法第20条等に抵触するものではない」と明確化されたことだろう。

シェアメディカルではメディラインに備わっている「動画、音声、静止画の送受信、チャット機能」を組み合わせることで、同通達の遠隔診療要件を満たせると考えているという。またオンライン上でも医師と一対一の関係が築けるように、他の患者とは交流できない「患者さんアカウントモード」を新たに追加したことを明かした。

初回受診のハードルを大きく下げる効果も

遠隔医療が普及していくことで、どのようなインパクトがあるのか。離島やへき地に住んでいて直接通院することが困難な場合はもちろん、初回受診のハードルを下げるという面でも大きな可能性を秘めている。

シェアメディカルによると、たとえば肛門科や泌尿器科、婦人科などの診療科では治療内容が想像できず羞恥心や恐怖心が初診を受ける際の大きな障壁になっているという。「一度医者の話を聞いてみたい」と思っても、これまでは自費診療のカウンセリングでしか認められていないという状況だった。遠隔医療が普及することで、この障壁を取り除くことができるかもしれないということだ。

もちろん直接医者と会って話したいという患者もいるだろうし、基本的には対面受診を進めるのが最優先になるというが、1つの選択肢として遠隔から気軽に相談できる場が設けられることは大きなメリットだと言えるだろう。

またメディラインでは今後9月を目処に患者さんモードにカード決済機能や後払い機能を追加し、遠隔診療から気軽な有料医療相談などサロンのような使い方も可能にしていく予定だという。合わせて来年2018年の診療報酬の改定を前に、診療報酬以外の収益手段を提供し医院経営の多角化を提案していくことにもチャレンジしていく。

GoogleのVR教材ExpeditionsがAndroidアプリになり学校以外にも開放

Googleはこれまで相当長く、安価で超使いやすいCardboard製品によって、仮想現実の大衆化に努めてきた。またVRのコンテンツ方面の努力としては、学校向けの仮想現実教材とも言えるGoogle Expeditionsで、重要な遺跡などを360度写真や3Dのシーンで児童生徒たちが体験できるようにしてきた。〔ardboard==ボール紙、expedition==探検旅行〕

Expeditionではたとえば、インドのタージマハルやローマのコロセウム、アメリカ建国の父アレクサンダー・ハミルトンが活躍した場所を歴訪、などなどを体験する。そして今日(米国時間7/19)は、そのためのExpeditionsアプリがリリースされ、CardboardやDaydreamヘッドセットとAndroidスマートフォンで、VR教材ツアーが学校の外へ一般公開されることになった。

Expeditionsはあくまでも教材を念頭に置いて作られているが、このスマホアプリは個人利用もできるから、その600近い探検旅行を誰もが体験できる。Wi-Fiがあればそれらのコンテンツにアクセスでき、ガイドさんが旅路を案内してくれる。

その体験をより充実するための工夫が二つある。空などの邪魔にならない場所に遺跡などの理解を助ける注解があること。そして、360度の圏域内に円マークを描いて、重要な箇所に注目させる機能だ。

アプリはAndroidのみだが、近いうちにiOSバージョンも出すとのこと。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ソフトバンクが運転支援デバイスのNautoに出資――調達総額は180億円

Palo Altoに拠点を置くNautoは、既存の自動車にネットワークに接続したカメラデバイスを取り付け、運転の安全性を高めることにフォーカスするスタートアップだ。同社は現地時間19日、ソフトバンクがリード投資家を務めるシリーズBラウンドで1億5900万ドル(約180億円)を調達したと発表した(最近、ソフトバンクは出資に積極的だ)。Nautoのプロダクトは、ドライバーの行動データを集めて運転の安全性を高める役割を果たす。しかし、彼らのプラットフォームには、より大きな可能性を秘めた第2の役割がある。それはすなわち、自動運転車の開発に欠かせない巨大なデータセットを構築することだ。

孫正義氏によれば、ソフトバンクがNautoに注目した理由もそこにあるという。彼はプレスリリースのなかで、「Nautoは自動運転車の業界にとって非常に価値のあるデータセットを生み出しています。それも、巨大なスケールで」と話す。同社は、既存のテレマティック・ビジネスで売上をあげているだけでなく、現実世界で日々行なわれている自動車の走行から大規模なデータを収集しているのだ。

その他にも、このデータに価値を見出した多くの自動車系ファンドがNautoに出資している。General Motor Ventures、Toyota AI Ventures、BMW iVenturesなどがその例だ。今回の資金調達により、Nautoはデータ収集のペースを格段に加速することができる。Nauto CEOのStefan Heck氏は、「より迅速に…何十億キロメートル分もの走行データや走行体験を収集することができます。また、そのようなデータは優良ドライバーたちの行動様式を正確に理解するためには欠かせないものなのです」と語る。

フロントガラスの前に取り付けるNauto製のデバイスには、2つのカメラが搭載されている。クルマの内部に向けられたカメラがドライバーの行動を撮影し、もう1つのカメラは進行方向の道路を撮影する。Nautoはデバイスから集めた映像データをディープラーニングとコンピュタービジョン技術を用いてクラウド上で解析する。そして、そのデータをもとにドライバーに注意喚起を行ったり、より安全な運転方法のコーチングサービスなどを行うのだ。

しかし、Nautoの最大の特徴はその導入コストの低さである――デバイス自体が安価なうえ、取り付けも簡単ですぐに導入できる。自動運転車の最大の課題とは、単純にその絶対数が足りないことだ。Nautoはその課題を解決するには最適なポジションにある。フリクションが少なく、低コストで導入が容易なNautoのデバイスは、取り付けた後すぐにその価値を発揮してくれるのだ。

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(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

意外に思うかもしれないが、Google Glassが死んだことはない

Googleが(米国時間の)火曜日にGlassの新しいエンタープライズ版をリリースしたとき、幾つものヘッドラインたちがGlassが戻ってきたと報じた。だがそれが立ち去ったことは実際には1度もない。確かに2015年1月には消費者向けのExplorerプログラムは終了したが、Googleはその後も引き続きGlassを企業に販売して来た。

その意味で、昨日リリースされたものは「復活」ではなくて、同社が全力で進めてきたGlassのエンタープライズ戦略の「継続」だ。昨日の発表はそれをただ公式にしただけのものに過ぎない。

GoogleがExplorerプログラムを終了した直後の2015年には、複数の企業がGlassを使った作業を継続して行くと語り、Google Glassは企業の中で健在で、使われ続けていることが示されていた。当時APX Labs(現在はUpskillという名前で知られている)のCTOだったJay KimはTechCrunchに対して、「グーグルは引き続き、Glassをパートナーに大量に売っていますよ」と語った。

昨年、企業における「顔の上のコンピュータ」に関する特集記事で、私は現場でGlassを使用しているGEとボーイングの人びとに話を聞いた。ボーイング社はこれを使用して、従業員が複雑なワイヤーハーネスを組み立てる作業を支援していた。Glassを使用すれば、在庫からワイヤを引き出しながら部品番号をスキャンすることが可能で、次の手順を確認することができる。さらに、音声コマンドを使用して検索を行うこともできる。この方法は、技術者が手を自由にして作業を行うことができ、情報が目の前に現れるために、ラップトップやタブレットを使用するよりもはるかに効率的なものだ。

2016年1月にGEヘルスケアのウェブサイトでは、GEはGlassの利用も含む以下のような先進技術に触れている

緊急治療室(ER)に向かう救急医療技術者たちは、Google Glassを使用して病院の医師とリアルタイムのビデオや音声でコミュニケーションを行い、患者の最新状態を提供し続け、患者の到着を待ち構える救急チームが、正しい準備を整えることができるようにする。

今年5月、 IEEE Spectrumは、ER内でGlassを利用した同様のシナリオに関する記事を掲載した

遂にマサチューセッツ大学医学部の医師チームは、同デバイス向けのキラーアプリを発見したようだ。緊急医療コンサルテーション用途である。Glassは、離れた地にいる専門家たちが確実かつ正確に、患者の観察および診断をリアルタイムに行なうことを可能にする。災害シナリオでは、第一対応者によるトリアージ(被災者をその重症度に応じて分類し治療の優先度を決めること)を助けることも可能だろう。

今回のエンタープライズアップデートでは、これまで初期のGlassデザインを利用していた企業に大きくアピールすると思われる、興味深いいくつかの変更が加えられていることは注目に値する。主な変更の1つに、Glassモジュール(Glassの本体)をフレームから切り離したことが挙げられる。これによりサードパーティパートナーがモジュールを、安全メガネなどの任意のフレームに装着できるようになった。

また新しいバージョンでは、簡単な入力のために、ユーザーがGlassをバーコードスキャナやキーボードなどの他のデバイスに接続することも可能だ。その他の変更としては、バッテリー寿命の延長、8メガピクセルのカメラ、より高速なプロセッサー、そして軽快に動作するWi-Fiなどがある。

現時点では、GoogleはGlassの主要対象業種として製造、物流、フィールドサービス、ヘルスケアを狙っているが、サードパーティのパートナーたちが他の分野での応用を目指す可能性がある。

昨日の発表で、Explorerのプログラムが終了したときにGlassはお蔵入りしたと思っていた人たちは驚いたかもしれないが、実際には大企業とサードパーティのパートナーたちは引き続き作業を続けていた。Enterprise Editionはそれをよりはっきりと世界に訴えたものであり、初期のハードウェアに対する必要なアップデートを提供するものだ。

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(翻訳:Sako)

ネットいじめに関するイギリスの大規模調査によると、InstagramとFacebookがいじめ最多の場所

イギリスのいじめ防止団体Ditch The Labe今年度の調査によると、2017年でネットいじめがもっとも多いサイトはInstagram、そしてFacebookが僅差で二位だ。今年の調査は12歳から20歳までの標本10020名の回答を集めたが、統計学的にはこれだけの標本数があれば、ネット上の有害な疫病の広がりの現状を、正確に反映したデータが得られたと言える。

いじめ被害の経験者の比率は、Instagramではユーザーの42%、Facebookでは37%、Snapchatでは31%だった。利用経験が92%と最大のYouTubeでは、いじめ経験は10%と比較的低い。

そのほかに、こんなデータもある:

  • 回答者の50%がいじめの被害を経験している。
  • 10%が、先週、いじめ被害を経験している。
  • いじめ被害経験者の50%は容姿についていじめられている。
  • いじめ被害経験者の24%が個人情報をネット上で共有している。
  • 27%が自分の意に反して写真やビデオを共有されている。
  • 18%が正しくないプロフィール情報を流布されている

この調査報告書には、いじめる側の心理に関する深い探究もある。調査はいじめを客観的に定義していないが、そんな主観的な回答において、回答者の12%が、誰かをいじめたことがある、と答えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

書評「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」――ARPU、テイクレートが重要なわけ

すでにシバタナオキ(柴田尚樹)氏の新刊、MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣を読まれた読者も多いと思う。まだ読んでない(積んである方を含む)向きのために簡単に紹介してみたい。

柴田尚樹氏はシリコンバレーのモバイル・アプリ検索最適化ツールのスタートアップ、SearchManの共同ファウンダーで、その経営が本業だ(TechCrunch Japan寄稿記事

柴田氏はしばらく前から決算資料をベースにテクノロジー系企業のビジネスを解説する記事をnote上に発表していた。 この連載が増補、加筆されて日経BPから出版されることになった。シリアスなビジネス書としては異例のヒットになっている、

念のため情報開示しておくと、柴田さんとは2009年にサンフランシスコで開催されたTechCrunchカンファレンスで会って以来(オフでお会いする機会は少ないが)お友達だ。しかしそれと別に、これは間違いなく素晴らしい本だと思う。裏側帯に「ファイナンス・リテラシーは一生モノの仕事力」とあったが、起業家、起業家志望者はもちろん、少しでもビジネスに関係する読者全員に必ず役立つはず。

企業会計についての本は大型書店の棚をいくつも占領するほど発行されているが、どれも面白くない。面白くないという表現が適切でないなら、わかりにくい。これから資格を取ろうと勉強中の学生ならともかく、多忙なビジネスパーソンが割ける時間にも気力にも制限がある。しかしこの本はeコマースならYahoo!とAmazon、FintechならSquareとPaypalというように(少なくともTechCrunch読者なら)誰でも知っている有名企業の最近の決算を例として「読み方のカンどころ」が解説されている。読んでいくうちに自然と解釈の基礎となる会計知識も身につく仕組みだ。

本書は柴田氏の経歴の中から生まれたものだ。柴田氏は2010年にシリコンバレーでスタートアップを立ち上げるまで楽天の最年少執行役員だった。当時楽天では経営トップが毎週全社員向けに業界トピックスを紹介するコーナーがあり、柴田氏はその「台本づくり」を任されたのだという。役員は超多忙だし、とおりいっぺんの業界情報なら社員は皆知っている。

そこで柴田氏は「(当時すでに)楽天はECから金融、広告などさまざまな事業を運営しているので、競合他社は国内外にたくさんあります。ライバルの決算を分析して、そこから読み取ることのできるサービス動向や経営戦略を解説すれば、社員の日常業務にも役立つ」と考えたという。

目次は下のとおり。お急ぎの向きは自分の興味あるセクションから読み始めてもいっこうにかまわないが、できれば最初のページから順に読む方がお得だ。フォーマットがとても親切にできていて、「決算を読むカンどころ」となる知識が自然に身につくよう配慮されている。

第1章: 決算が読めるようになると何が変わるのか?
第2章: ECビジネスの決算
第3章: FinTechビジネスの決算
第4章: 広告ビジネスの決算
第5章: 個人課金ビジネスの決算
第6章: 携帯キャリアの決算
第7章: 企業買収(M&A)と決算
終章: 決算を読む習慣をつける方法

テイクレートとARPUを覚えるだけでも役にたつ

各章のトビラには「その章のカンどころ」と「重要な3step」が掲載されている。たとえば「ECビジネスの決算」の章なら

ネット売上=取扱高xテイクレート(Take Rate)

が「カンどころ」だ。

本文を見ると、取扱高は流通総額、Gross Merchandise Sales、テイクレートはMonetization Rateと表記される場合があると説明されている。eコマース・ビジネスではA社プラットフォームでの販売(流通)総額が1000億円でもそれがA社の売上になるわけではない。ごく一部がA社の売上になる。この率がテイクレートで、eコマース・ビジネスはこのテイクレートを中心に回っている。たとえばeBayのテイクレートは9.2%、個人出品の手数料課金は10%なのでeBayの売上は取引手数料が主だろうと推定できる。

eコマースにはeBay、アリババ、楽天、Yahooなどの多くのプレイヤーが存在し、ビジネスモデルはそれぞれ異なる。一見すると比較は難しいように思えるが柴田氏によればそれぞれのテイクレートを計算することで横断的な考察が可能となるという。

ただし、Amazonだけはやや異色だ。「Amazonはほとんど利益を出していないのになぜ株価がここまで上がるのだろう?」と不思議に思っている読者も多いかと思うが、柴田氏は「競合他社の斜め上を行くAmazonという異端児」の章で具体的に分析している。

もうひとつ重要なのは次の式だ。

売上=ユーザー数×ユーザーあたりの売上(ARPU)

ARPUはAverage Revenue Per Userの頭文字だ。民放テレビは視聴者から料金を取らないのになぜ成立しているかといえばもちろんスポンサーから広告費を得ているからだ(広告モデル)。NHKは視聴者から料金を徴収している(サブスクリプションモデル)。新聞・雑誌は購読料と広告費の両方から収入を得ている(混合モデル)。こうしたビジネス・モデルはオンライン・メディアの場合でもまったく変わらない。本書ではARPUをカギとして民放テレビ、Facebook、ヤフーなどの広告を主たる収入源とするビジネスが解説されている。ここではMAU(月間アクティブ・ユーザー)、DAU(1日あたりアクティブ・ユーザー)も重要な指標として取り上げられている。

柴田氏はFacebookの「地域別DAU&ARPU」の経年変化をグラフ化して非常に興味深い結果を得ている(図4-7)。柴田氏はFacebookの売上は「アジア+その他地域」に関しては、まだまだDAUが伸びる余地がある」と結論している。数字だけを見ていたのでは気づかないが、グラフ化すると北米、ヨーロッパ、アジアではまったく異なった動きになっていることが一目瞭然だ。余談だが、TechCrunch Japanはオンラインメディアなのでスペースは比較的自由だ。そこで「1日あたりアクティブ・ユーザー」などと繰り返しても困らない。しかし紙媒体やオンラインでもスペースに制限がある媒体ではDAUという単語をどう処理するから頭が痛いだろうと思う。

この調子で重要なポイントを挙げていくとキリがない。ともあれ本書に目を通していただくのがよいと思う。ちなみに本書のフォーマットだが章立てやトビラの構成などは日経BP出版局の中川ヒロミ部長がいろいろとサゼスションを出し、柴田氏が対応して原稿を書き、担当編集者の後藤直義氏が具体的なページに落とし込んだものだそうだ。noteに連載された内容が優れていたのはもちろんだが編集段階でのブラッシュアップも大きな役割を果たしていると感じた。

ちなみに柴田氏は本書のニックネームとして「より決」を提案されている。たしかにニックネームが必要なほど反響は大きく、Amazonでは予約段階で総合2位となった。惜しくも予約総合1位を逃したのはローラのSpeak English With Meを抜けなかったからだそうだ。本書にはKindle版も用意されている。

お弁当にから揚げを乗せるロボを目指す、exiiiと大成建設が共同開発を開始

exiiiが開発する力触覚デバイス「EXOS」VR空間内でユーザーが物を掴める体験を提供するデバイスだ。exiiiは、このEXOSを生産工場などの作業の自動化に役立てたい考えのようだ。本日exiiiは大成建設と共同で、力触覚デバイスとロボットアームで遠隔操作システムの開発を進めると発表した。

今回共同開発するシステムは大成建設が受注している食品工場などでの導入を想定しているとexiiiのCEOを務める山浦博志氏は説明する。

こうした食品工場では力加減が必要な作業が多い。例えば、お弁当の工場の場合、から揚げを掴んで配置したり、お弁当の蓋を閉めたりといった作業が発生するが、どれも繊細な力加減が求められる。人が行うのは簡単だが、ロボットでこうした作業を自動化するのは難しい。

exiiiは彼らが開発する⼒触覚提⽰デバイス「EXOS Glove」、5指ハンド「EXOS Hand Unit」、ロボットアーム「EXOS Arm Unit」を組み合わせたシステムで、こうした作業員の力加減を再現できるロボットを構築するという。

第一段階として、まずは作業員がロボットの遠隔操作による作業を行い、人の動きのデータを蓄積していくと山浦氏は話す。データが集まったらAIに動きを学習させ、最終的にロボットが自己判断で作業ができるようにする計画だと言う。

exiiiではロボットの要素技術を開発し、大成建設では実際の工場に導入して開発を進めていくと山浦氏は話す。2017年度内にはプロトタイプを完成させ、2018年にはシステムの実用化を目指す計画だ。

EXOSはVRで物を掴める体験を提供するデバイスだが、今回の大成建設との共同開発で「ロボットの触覚がユーザーにも伝わるEXOSの用途が広がることに期待している」と山浦氏は話す。

ちなみにexiiiの5指ハンドEXOS Hand Unitは今日から一般販売も開始している。

Open Container Initiativeがコンテナの仕様の標準規格v.1.0をリリース

ついにやっと今日(米国時間7/19)、Open Container Initiative(OCI)が、そのコンテナランタイムとソフトウェアコンテナのイメージの仕様の標準規格、バージョン1.0のローンチにこぎつけた。この、今年で2歳になるオープンソースのファウンデーションは、Dockerをはじめコンテナエコシステムのリーダーたちが、まさにこれらの共通仕様を確立し維持管理するために作った組織だ。すなわちそれらは今後、コンテナのフォーマットとランタイムの業界標準になる。

Dockerは、これらの仕様の基盤となるものの多くをOCIに提供した。たとえば同社は、同社のコンテナランタイムのコードベースをOCIに寄贈した。さらにその後、同社の技術コミュニティがコンテナのイメージのフォーマットをOCIのプロジェクトに加えた。OCIの現メンバーは40社あまり、クラウドでプレイする大手テク企業のほとんどが参加している(AWS, Cisco, Facebook, Google, Huawei, IBM, Intel, Microsoft, Oracle, Red Hat, VMwareなどなど)。またRancherやWerckerのような、コンテナ技術を専業とする企業も、少なからず加盟している。

OCIの事務局長を務めるChris Aniszczykによると、たしかに、この組織における仕事の進め方やリリースの形式が決まるまで、かなりの時間がかかった。“同じコラボレーションでも、オープンソースのプロジェクトと違ってスタンダードの作成には困難な側面がある。オープンソースのプロジェクトでも、多くの企業がさまざまなやり方ですでに業務に使用しているものは、意見の違いが大きくなりがちだが、共通スタンダードについても同じことが言える”、と彼は語る。しかし、Linux Foundationの傘下となった今では、ガバナンスの構造も適正かつ安定してきた、と彼は感じている。この取材の席にいたDockerのStephen Walliは、こんだけたくさんのメンバーがいること自体、組織とプロジェクトの成功を物語っている、と付言した。

Aniszczykによると、仕様の策定作業でとくに大きく貢献したのがRedHat, Docker, CoreOS, そしてHuaweiだった。またFujitsu, Microsoft, Google, Oracle, Cisco, Tencentなども積極的に動いてくれた。

バージョンが0.xでなく1.0でリリースされたことは、そのスペックは一般的な採用が可能で、今後、採用者がコードを大きく書き換えなければならないような変更はない、ということを意味している。

今後の計画としてAniszczykは、次に取り組みたいのは検定(仕様への合致の証明)だが、そのほかに、すでに温めている企画として、現状のLinuxだけでなくそのほかのプラットホームのサポートと、レジストリのアクセスやコンテナの配布のためのAPIの標準化作業がある、と語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、機械学習研究サイトを開設

Appleは機械学習に関する研究論文と同社の発見を共有するための専用ブログを開設した。Apple Machine Learning Journalと名付けられたそのサイトはまだガラガラで、ニューラルネットワークの訓練のために合成画像をリアル化することに関する記事が1件あるだけだ。

この動きは興味深い。なぜならAppleは自社の研究プロジェクトについて何も語らないのが普通だからだ。これまでにAppleはいくつか重要なオープンソースプロジェクトに貢献し、Safariを動かしているブラウザーエンジンであるWebKitや、Appleの最新プログラム言語でiOS、macOS、watchOSおよびtvOSに使われているSwiftなども開発している。しかし、人工知能プロジェクトに関する研究論文を掲載するブログは、Appleとしては新しい試みだ。

これはいくつかの理由で興味深い。第1に、この研究論文はすでにarXivで公開されている内容だ。今日のバージョンは同じものを少しやさしい言葉で書き直している。結果を図示するためのGIFも追加されている。

この論文によると、Appleは写真に写った顔などの物体を認識するためにニューラルネットワークを訓練する必要があった。しかし、そのために何億枚もの写真ライブラリーを作る代わりに、Appleはコンピューター生成画像を合成し、本物らしく見せるフィルターをかけた。こうしてニューラルネットワークの訓練を速く安価に行うことができた。

第2に、Appleはサイト開設の挨拶文で、フィードバックをメールするよう読者に呼びかけている。さらにページの下にはAppleの求職情報へのリンクが大きく表示されている。Appleがこの場を利用してこの分野の有望なエンジニアを探そうとしていることは明らかだ。

第3に、機械学習に関しては多くの人がAppleを批判し、GoogleやAmazonの方が進んでいると言っている。そしてAppleに動きがなかったのは事実だ。GoogleのアシスタントやAmazonのAlexaなどの消費者向け製品はAppleのSiriよりずっと優れている。

その一方でAppleは、端末上のフォトライブラリーの解析や、iPhone 7 Plusの深度効果、ARkitによる拡張現実への取組みなどでは大きな成果を見せている。Appleはこれまでの評価を一新しようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コピペ系単純作業はロボで代替――クラウド型RPAのBizteXが4000万円調達

クラウド型のRPAサービスを開発するBizteXは7月20日、シードラウンドでジェネシア・ベンチャーズから総額4000万円を調達したと発表した。

7月5日に「BizteX cobit(以下、cobit)」のクローズドβテストを開始したBizteXは、今回調達した資金をBizDev系人材の採用と顧客獲得に用いるとしている。

BizteX代表の嶋田光敏氏

産業用ロボットが工場をオートメーション化したように、日頃の業務に存在するルーティーン・ワークをソフトウェア・ロボットに覚えさせ、人間の代わりに働いてもらおうというのがRPA(Robotic Process Automation)のコンセプトだ。

最近では、〇〇の自動化や効率化と聞くと、“API連携”という言葉を思い浮かべる読者も多いことだろう。APIによる自動化では、連携によって他サービスから取得したデータをシステムが自動的に処理することにより、複数のサービスを跨いだ自動化を実現する。一方のRPAでは、クリックやコピペなど、人間がキーボードとマウスを使って行う動作の流れをロボットに覚えさせて自動化する。

例えば、Googleでトヨタの株価を毎日チェックして、エクセルに入力するというルーティン・ワークを自動化したいとする。その場合は、

  1. Googleの検索窓に「トヨタ 株価」と入力
  2. 検索結果にある株価(テキスト)をコピー
  3. それをエクセルにペースト

という一連の動作をロボットに覚えさせ、毎日繰り返し、それを行なうようにセットする。イメージ的には、キーボードの前にロボットがいて、そのロボットが直接マウスやキーボードをカチャカチャと操作してくれる感じだ。

クラウド型RPA

日本のRPAサービスとして、RPA Technologiesの「BizRobo!」やNTTデータの「WinActor」などが挙げられるが、BizteXが提供するcobitの最大の特徴はクラウド型のサービスであるということだ。

クラウド型のcobitは、同種のオンプレミス型RPAサービスとくらべて導入が容易で、初期費用もかからない。BizteXはcobitの正式リリース後に月額10〜30万円程度の従量課金制を採用する予定だが、この料金水準も他社が提供するオンプレミス型サービスよりも低いという。

7月5日から開始したクローズドβテストに参加した企業数は非公開だが、BizteX代表の嶋田光敏氏は「大手の人材系や金融系企業など、複数の業種や業務でトライアル導入含めて話が進んでいる」と話す。

また、cobitは非技術職の人でもロボットが簡単につくれるように工夫されている。cobitはそのインターフェイス内にWebブラウザを内蔵。ロボットを設計するためには、そのブラウザ上で実際の動作をデモンストレーションしながら、“〇〇と入力する。ここにあるボタンを押す”というような動作ステップをクリックして追加していくだけでいい。

僕は実際にサービスのデモ動画を見せてもらったが、それを見る限り、ロボットの設計自体はさほど難しいものではなさそうだった。コーディングに精通していない人でも十分操作できる難易度だ。

ただ、クラウドだからこその難点もある。その1つがセキュリティの問題だ。例えば、あるWebサイトにロボットがログインする場合、それに必要なIDやパスワード(または、それが書かれたエクセルファイルなど)がCobitのサーバーにアップロードされることになる。そこに不安を感じるユーザー企業は少なくないだろう。

それについて嶋田氏は、「クラウドサービスが普及するなか、セキュリティに関する懸念の声は(クローズドβ版に参加を決めた)ユーザー企業からは聞こえなかった」とコメントしている。

しかし、2017年6月にスマートキャンプが発表した「SaaS業界レポート 2016-2017」によれば、クラウドサービスを利用しない理由として回答者の38.8%が「セキュリティに不安がある」と答えていることも事実だ。

RPA分野のクラウド化は進むか?

日本語版のWikipediaに「RPA」という項目ができたのは2016年4月のこと。この比較的新しい分野では、オンプレミス型とクラウド型のどちらに軍配が上がるのだろうか。

先ほど、クラウド型のセキュリティに関する懸念については述べた。しかし、ルーティーン・ワークの大半がセキュリティに関してセンシティブな作業というわけではない。それに、大きな価値を生み出すわけではないルーティーン・ワークを、“手軽に、そして安く自動化したい”というニーズをもつ企業は多いだろう。

また、前述したスマートキャンプのSaaSレポートにもあるように、クラウド化が進む度合いは業務がもつ性格ごとに大きく異なる。汎用的な業務であればあるほど、そこにクラウドサービスが導入されることが多いのだ。これらの要素を踏まえれば、ルーティーン・ワークを自動化するRPAでもクラウド化がすすむ可能性は非常に高いと僕は思う。

嶋田氏によれば、BizteXはβテストを通して教師データを集めたあと、“Aという作業ができなければ、代わりにBを行う”というような条件分岐を、ロボットが自動で推測する機能などを実装する予定だ。

cobitの正式リリースは2017年8月末頃を予定している。

Google、ホームページ大幅改革へ――個人別にAIでカスタマイズしたニュースをフィードする

Google Nowのリリースから4年以上経ち、Googleはすべてのコア・プロダクトにAIアシスタント機能を組み込みつつある。検索機能のカスタマイズは特に影響の大きい分野だ。Googleは「検索」という言葉の意味自体に大きな変革を起こそうとしている。Googleのように各ユーザーとその関心を熟知している場合、これは大きな意味を持つ。

今日(米国時間7/19)、Googleは昨年リリースしたGoogleアプリのアップデートを発表した。Googleは巨大な知識グラフを活かしユーザーが関心を持つトピックに関して重要な情報をタイムリーにフィードするという。またユーザーは関心あるテーマを「フォロー」することができる。

当面、新しいニュースフィードはAndroidとiOS(プラス、Pixel Launcher)のアプリ内で有効だが、近々モバイル・アプリおよびデスクトップにおいて、Googleのホームページに新しいニュースフィードが表示されることになる。

そう、あのスパルタンなGoogle.comのホームページが近く抜本的なアップデートを受ける予定だ。ただし具体的にどういうデザインになるかはアップデートが実施されるまでわからない。従来Googleのホームページは大きなGoogleロゴと検索ボックス以外ほとんど空白だった。Googleではモバイル・アプリとデスクトップの双方のホームページにユーザーの「必要に応じて」さまざまな情報を提供するという方向に舵を切った。

われわれは「ニュースフィード」という言葉を聞くと反射的にFacebookを思い浮かべる。しかしGoogleはニュースフィードといって検索ボックスにソーシャルな要素を持ち込もうと考えているわけではない。ニュースフィードに掲載される記事はそれぞれのユーザーのGoogle(Alphabet)グループのサービス内部での活動に基づいて選択される。

たとえばGoogleカレンダーにロンドンへのフライトが記入されると、ロンドン旅行の案内やロンドンのレストランについての情報カードが表示されるかもしれない。YouTubeである特定のバンドを頻繁に検索していれば、そのバンドのコンサート情報が表示される可能性が高まる。同様にお気に入りの著作家について常に情報を得たいと考えるなら、検索結果に表示されるフォロー・ボタンをタップすればよい。するとGoogleアラート的な方式でフィード中にその作家の情報が現れる。同様にして映画、スポーツ、音楽などさまざまな分野で特に興味を持つ対象をフォローすることが可能だ。

ユーザーはフォローしたトピックをアンフォローすることもできる。またGoogleによればある種のトピックがニュースフィードに現れないよう設定することも可能だ。蕁麻疹にやられたらしいのであわててGoogle検索を繰り返した後で、蕁麻疹に関する情報がニュースフィードに現れるのをストップさせることができるわけだ。

もうひとつ重要な点はGoogleが新しいニュースフィードによってニュース全般を受け止める方法を改革しようとしていることだろう。単なるスタンドアロンのサービスにばらばらにニュース記事を放り込むのではなく、新しいGoogle Feedは異なるソースを明記して複数のニュースを伝え、ファクトチェックを加えてニュースの真実性と重要性をユーザーが判断できるようにするもようだ。

アメリカのユーザーは今日からこの改良版ニュースフィードを利用できる。ここ数週間のうちに全世界のユーザーに公開される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

リーディング特化の英語学習アプリ「ポリグロッツ」がシリーズAで6000万円の調達

POLYGLOTS(ポリグロッツ)は英語のリーディングに重点を置く英語学習アプリだ。本日、ポリグロッツはシリーズAラウンドで総額6500万円を調達したことを発表した。リードインベスターは米SynexCorporationの創業者で九州大学の名誉博士であるロバート・ファン氏が務め、他に事業会社と個人投資家が参加している。

ポリグロッツは英文を読んで英語を学習することに主軸を置いたアプリだ。ユーザーが記事を読むと、読んだ記事のワード数や読了までの時間がグラフで表示される。記事を読んでいる途中で分からない単語があった時は、単語をタップして辞書を引くことができる。調べた単語は自動で単語リストに追加されるので、あとで単語を復習することが可能だ。

今回ポリグロッツは新たにWebReader機能を実装した。これまでポリグロッツで提供していたのは彼らがキュレートした記事のみだったが、WebReader機能を使えばユーザーはウェブ上のどの英語記事でもポリグロッツの機能を使って読むことができる。

ポリグロッツは「好きなものを使って学習する」のがコンセプトとポリグロッツ創業者でCEOの山口隼也氏は説明する。今回のWebReader機能の実装により、ユーザーはこれまで以上に自分の好きなコンテンツを英語学習に活かすことができるようになると言う。

ポリグロッツは2014年5月に創業し、2014年末からポリグロッツのアプリを提供している。2015年3月末にはEast Venturesやエンジェル投資家から2000万円を資金調達した。

ポリグロッツには現在70万人弱のユーザーがいるそうだ。アプリの基本機能は無料で利用できるが、有料プランでネイティブスピーカーが記事を読み上げた音声を聞けるリスニングコンテンツや英会話のフレーズが学べる学習コンテンツ、先生にチャットで質問ができる機能などを提供している。ポリグロッツは他にも広告と「法人版POLYGLOTS」の提供でマネタイズも行なっている。

今後構想しているのは、ポリグロッツを英語の先生と英語を学習する生徒とをつなぐプラットフォームにすること、と山口氏は説明する。ポリグロッツの有料版では、リスニングのコンテンツを作ったり、ユーザーの英語の質問を答えるのに英語の先生が登録している。こうした英語の先生とポリグロッツで日々英語を学習している人たちをマッチングして、英語レッスンが提供できるプラットフォームを作ることを考えていると山口氏は言う。

「先生の特徴が分かって、レッスンの予約ができるようなマッチング・プラットフォームを考えています」。

今回調達した資金は、このマッチング・プラットフォームの実現に向けて開発を進めること、そしてユーザーの自習をサポートする機能の拡充に充てると山口氏は説明する。機能拡充については、ユーザーが発音を練習できる「シャドウイング機能」や長い文章でも読みやすいようスラッシュで文章を区切って読み進めることができる「スラッシュ・リーディング機能」を予定しているそうだ。また、中国や韓国版のポリグロッツ(中国人や韓国人が英語を学ぶことができる)を提供し、グローバルでユーザーを増やすことを視野に入れいていると山口氏は話している。

SpaceXは来年中に24時間以内のロケット再利用を目指す

国際宇宙ステーションに関する関するカンファレンスでイーロン・マスクはSpaceXのロケット再利用計画について語り、いくつかの詳細が明らかになった。SpaceXでは来年中にFacon 9を回収後、24時間以内に再打上げすることができるようにする計画だ。マスクによればSpaceXは「これを実現するための技術的な筋道を付けている」という。

SpaceXのロケット再利用はまだコスト削減に大きな効果を挙げる段階まで来ていない。マスクは最近の回収して再利用に成功したISS補給船ドラゴンについて、回収後の整備コストは補給船を「新しく建造するのとほぼ同等、やや大きいかもしれない」と明らかにした。

SpaceXは補給船の整備技術を今後改良していくはずなのでコストの点も時間と共に改善されるはずだ。マスクは「次回はコストを数パーセント削れるだろう」と述べた。これは補給船の再利用に関しての話だが、再利用サイクルを早めるためには非常に多くの技術的問題を解決していく必要があるようだ、

一方、ロケットの先端部を覆って衛星などのペイロードを保護しているフェアリングについてマスクは「SpaceXは再利用の実現い非常に近づいている」と述べた。今年、SpaceXはフェアリングを地上に戻すことに成功している。マスクによればフェアリングと部品の再利用は「近い」という。フェアリングには複雑なシステムが取り付けられており、総額は500万ドルから600万ドルの価値がある。

「空から600万ドルが詰まった箱が落ちてくるとしたら捕まえてみたくなるはずだ」とマスクはSpaceXのエンジニアに言ったという。

フェアリングの回収は今年末か来年初頭を目指している。ブースター(1段目)とフェアリングが回収できればFalcon 9の80%が再利用されることになる。マスクは「われわれは2段目も回収できるかもしれない。ともかくそれも実験してみる」と述べた。

ロケット全体を短時間で再利用できるようになることはマスクが目指す火星ロケットの実現に欠かせないステップだ。マスクが再利用を急ぐのはそういう理由のためだという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleは初めて中華圏担当のマネージングディレクターを置く、中国政府とのコミュニケーション充実のため?

Appleが同社のIsabel Ge Maheを、中華圏における同社の事業の、初めてのVPおよびマネージングディレクター(専務取締役相当副社長)に任命した。

中国生まれのGe MaheにAppleのチャイナビジネスの経営管理が任されることになり、彼女の直接の上司はCEO Tim CookとCOO Jeff Williamsになる。オフィスは、“今夏の終わりに”上海に開設される。

Ge Maheは現在カリフォルニアにいて、過去9年間、Appleのワイヤレス技術部門のソフトウェア開発チームを率いてきた。それらは、実際に製品に搭載されるセルネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth、NFC、位置対応、モーションキャプチャなどの技術開発であり、Appleによると彼女は、Apple PayやHomeKit、CarPlayなどの技術開発にも関わった。

“Appleの社員なら誰もが、自分たちがビジネスをするコミュニティに貢献できることを誇りに思っている。そして私も、私たちのチームと中国の顧客、政府、そして企業との結びつきを深め、イノベーションとサステナビリティを推進していけることを、楽しみにしている”、とGe Maheは声明で述べている。

彼女の声明に政府が言及されていることが、興味深い。それは、Ge MahaがAppleと中国当局との関係強化に指導的な役割を果たすことを、暗示しているようである。Appleは、初めて、中国を物理的所在地とするデータセンターを開設するプランを今月発表したが、それは6月1日に発効した同国の新しいサイバーセキュリティ法と関連があると思われている。そして、今回のトップクラスの人事も。

最近ではAppleのこの圏域の売上が同社の決算報告の明暗を左右するから、中華圏にMDを置く経営上の理由は数多くあるだろう。しかもここでトップを取れば、この国の面倒な問題にも対処しやすいかもしれない。たとえば今年の早い時期に北京当局は、ライブストリーミングの同社のスタンダートについて説明するよう、Appleに求めた。そしてその後政府は、メディアに関する同社のスタンダートに違反していることが明らかとなった数多くのライブストリーミングサービスを閉鎖した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

伝説のSF誌「ギャラクシー」350冊以上が無償公開――PDFダウンロードも可能

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マルチメディア資料のアーカイブ閲覧サービスを行うIntermet Archiveが、1950年代に創刊された米国のSF雑誌「Galaxy(ギャラクシー)」ほぼ全号を公開しました。英語オリジナル版ではあるものの、アイザック・アシモフやレイ・ブラッドベリらの連載を画面上で楽しめるようになっています。

ギャラクシーといえば、1950年から1980年にかけて刊行され、SFというジャンルのなかでもゴリゴリのハードSFだけでなく、社会風刺やユーモアある内容の作品を取り扱うなどして成功を収めたSF雑誌。

Intermet Archiveは、1950年から1980年までのギャラクシー誌350冊以上をデジタルスキャン、無料で公開しています。PCブラウザーで読むには読みたい号をクリックするだけでビューアー画面になりそのまま読むことが可能。EPUB、Kindle、PDFなどの各形式でダウンロードもできるので、手持ちのタブレットに取り込んでゆっくりと楽しむという手もあります。ただ米国の雑誌なので、内容がすべて英語なのは言うまでもありません。

試しに幾つかの号をざっと見てみると、冒頭にも挙げたアシモフやブラッドベリの他に、「ビッグ・タイム」のフリッツ・ライバー、「あるいは牡蠣でいっぱいの海」のエイブラム・デビッドソン、1992年の映画「フリージャック」の原型となる作品を連載したロバート・シェクリイや、デーモン・フランシス・ナイトといったいずれも著名な作家らがその時々の執筆陣として並びます。

もしかしたら、辞書を片手に当時のシーンを雰囲気だけでも感じてみたくなるSFファンもいるかもしれません。

ギャラクシーは1950年にホレース・L・ゴールドが初代編集長となり月刊誌として創刊、出版元が変わったり誌名の小変更、隔月刊化などを経て1961年には編集者として加わっていたフレデリック・ポールが編集長の座を引き継ぎました。その後も紆余曲折を経ながらギャラクシーは継続しましたが、1970年代中盤以降は人気低迷から刊行そのものが不安定になり、最終的には資金難から1980年7月号をもって休刊となってしまいました。

ただ、後の1994年には初代編集長の息子であるE・J・ゴールドが旗振り役となって、8巻だけながら復活したこともありました。もちろん、Internet Archiveにもそれらはスキャンの上公開されています。

Engadget 日本版からの転載。

マーケティングオートメーションのZeta Globalが、機械学習テクノロジーを下支えするためにBoomtrainを買収

David A. Steinbergと、元Apple CEOのJohn Sculleyによって設立された、マーケティングオートメーションプラットフォームのZeta Globalは、本日(米国時間7月18日)、機械学習を中心に置いたマーケティングプラットフォームであるBoomtrainを買収したと発表した。同社に近い消息筋によれば、買収価格は3500万ドルから4000万ドルの間だということだ。Boomtrainは本日の買収以前に、総額1477万ドルを調達していた。

これは創業から10年が経ったZetaにとって10件目の買収であり、本日のニュースは4月に公表された同社の1億4000万ドルのシリーズFラウンドに続くものだ。このときには同社は約13億ドルと評価されていた。

Zetaの共同創業者でCEOのSteinbergが語ったように、チームは機械学習分野を用いた自社の取り組み(既に多数の特許を所持している)の活性化を手助けできる、機械学習中心のマーケティング会社を買収することを検討していた。AdobeとMarketing Cloudのような、Zetaの競合相手たちは、明らかに同じ方向へ進もうとしている。出版業界に重点を置いていたBoomtrainを手に入れることで、Zetaはそのサービスを先に推し進めるための中核をなす企業を発見したのだ。

現在のBoomtrain製品ポートフォリオは暫くの間継続される予定だが、Steinbergが最も興奮しているのは、Boomtrainの機械学習の知見をZetaプロダクトポートフォリオ全体に使用する計画に対してだ。「私たちは、その機械学習、意思決定、マーケティングオートメーションを私たちのマーケティングクラウド全域に100%統合します」と彼は言う。「私たちにとっては大きな技術的挑戦です。私たちはこれを見たときに、これは買収なのか開発なのか?と自問しました」。

最後には、チームはスピードを十分に上げるためには、そのテクノロジーと相手チームを手に入れるしかないという結論に達した。「これまでの私たちのチームはとても素晴らしい者たちです」とSteinbergは言う。「しかし私たちは、新しいチームが、AI /機械学習の視点から、業界がどこに向かうのかという点に対する新たなビジョンを真にもたらしてくれたように感じたのです。私たちにとっては、疑問の余地なく、これはすべて時間に関わることなのです。私たちだけでは、それを進めるためには長い時間がかかり、結局のところChris(Chris Monberg。BoomtrainのCTO兼共同創業者)のような人材を雇う必要があったでしょう」。

米国とバンガロールにいる約60人のBoomtrainの従業員たちが、Zetaに合流する。現在のBoomtrainのバンガロール事務所は、Zetaのインド第3の拠点として維持される。Boomtrain自身はその顧客に代理店サービスを提供しているものの、Zeta自身はこれに焦点を当てないということをSteinbergは明言した。「私たちは代理店ではありませんし、代理店ビジネスを行いたいとも思っていません」と彼は言う。「私たちはソフトウェア企業なのです」。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: OLIVER BURSTON/GETTY IMAGES