SpaceXが記録的な数の衛星を搭載した初の専用ライドシェアミッションをライブで公開、予定変更で日本時間1月25時0時から

【更新】米国時間1月23日の打ち上げは、天候のため中止に。翌日である東部標準時1月24日午前10時(日本標準時1月25日午前0時)に行われる。

SpaceXはライドシェア専用ミッションの第1弾を打ち上げる。これは2019年に導入されたもので、小型衛星の運用者がSpaceXのFalcon 9ロケットの打ち上げ時に搭載物の一部を予約できるというものだ。Falcon 9は現在、製造されているほとんどの小型衛星と比べて、比較的大きなペイロード容量があるため、このようなライドシェアミッションは、中小規模の企業やスタートアップに、現実的な予算の中で彼らの宇宙船を軌道に乗せる機会を提供する。

今回、Falcon 9に搭載されている貨物用カプセルには、合計133基の衛星が搭載されている。これは、インド宇宙研究機関のPSLV-C 37が2017年2月に打ち上げた104機の衛星のペイロードを超えるもので、単一のロケットで打ち上げられた衛星数としては過去最高記録となる。また、今回の打ち上げはSpaceXのライドシェア機能だけでなく、複数のペイロードを比較的迅速に異なる記号に展開させることを含む、打ち上げでの複雑な調整機能の重要なデモンストレーションになる。

※リンク

特に今回の打ち上げは、軌道上のトラフィック管理をどのように行うのかという点が注目されている。というのも、今後、民間による打ち上げの活動量がどうなるかを明確に示しているためだ。打ち上げられる衛星の中にはiPadほどのサイズしかないものもあり、専門家たちは衝突の可能性を避けるために、どのように展開、追跡されるか最新の注意を払うことになるだろう。

今回、打ち上げられるペイロードには、Swarmの小さなIoTネットワーク衛星が36機、KeplerのGEN-1通信衛星8機など大量のスタートアップ衛星が含まれている。また、SpaceXのStarlink衛星は10機、Planet Labsの地球観測衛星も48機搭載されている。

関連記事:150の超小型人工衛星によるIoT用ネットワークを提供するSwarm、月額500円程度で利用可能

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9

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(翻訳:TechCrunch Japan)

極右お気に入りのレジストラが「検閲に強い」サーバーを構築中

デジタル格差は今や、必要不可欠なヘルスケア情報にアクセスすることができない人にとって生命にかかわる問題だと国連事務総長のAntónio Guterres(アントニオ・グテーレス)氏は2020年6月に述べた。世界の人口のおよそ半分が現在インターネットへのアクセスを持たず、多くの人がすべての情報源に自由にアクセスできない。

世界のインターネット規制を追跡しているFreedom Houseは、新型コロナウイルスパンデミックが世界中のインターネットの自由を急激に低下させていると話す。2020年には少なくとも28カ国の政府が好ましくない健康統計や汚職疑惑、新型コロナ関連コンテンツを抑制するためにウェブサイトやソーシャルメディアの投稿を検閲したことが明らかになった。

そして現在、米国企業Toki(トキ)はアフリカとアジアの最大10億人をつなげる「school-in-a-box」というデバイスを開発している。一部の情報源を避け、地元当局による検閲を迂回するためにコンテンツをフィルターにかけることができると主張する技術を活用している。デバイスはWi-Fiが用意されたサーバーで、電源につなぐ、あるいはバッテリーで作動し、同時に数十人のユーザーに対応できる。ネットワークが利用できない場合、サーバーには「地域に関連するコンテンツ」を提供するために監修されたデジタルライブラリーがあらかじめインストールされる。

Tokiのカントリーマネジャーの1人は、このデバイスが分散型検索エンジンを搭載し、匿名でプライベート、そして検索に強いようデザインされているとLinkedIn上で説明している。デバイスは米国拠点のeRise(注)によって発展途上国のコミュニティに寄付される予定だ。eRiseは2019年に設立され、「資本効率が良く、コンテンツやコミュニティ、商業へのアクセスを改善するデジタルエンパワーメントの取り組みにフォーカスしている」とウェブサイトにはある。

Toki、eRiseいずれも起業家で自由な言論を主張するRob Monster(ロブ・モンスター)氏によって設立された。モンスター氏はドメインレジストラのEpikを所有している。同社は物議を醸しているソーシャルネットワークParler(パーラー)がAmazon(アマゾン)のクラウドサービスから出禁扱いとなった後、すぐにオンラインに再登場できるようにした。ParlerはEpikのサポートを受けている複数のプラットフォームの1つにすぎず、モンスター氏の他のドメインとウェブホスティングの会社は極右コンテンツの巣窟となっている。Parlerは米国時間1月6日の米議会議事堂襲撃の調整を手伝った人をサポートしていたと非難されている。

「school-in-a-box」には教育コンテンツやゲーム、本、地図、祈りに関連するモジュール、宗教と「感謝することの美」が入ったメモリーカードが含まれる。このデバイスは「賢く、好奇心のある子供になってほしいと願う親、コンピューターを配備できない学校、教育についての意識を広げ、社会に力を与えたいと思っている宗教的な場所」向けだと話す。

しかしある研究者は、こうした取り組みはFacebook(フェイスブック)のかなり批判を浴びたインドでの無料接続を提供するプロジェクトを思い出させると話す。このプロジェクトは偏向と自己検閲で非難された。

「好都合なコンテンツの配信と、こうしたグループがあなたの慈悲心に依存するようになることを保証するという目的も果たせるデジタルアクセスポイントを提供するという、Facebookによる似たような戦術を見てきました」とShorenstein CenterのTechnology and Social Change Research ProjectディレクターであるJoan Donovan(ジョアン・ドノヴァン)博士は話した。「イデオロギーがインフラにあるとき、後に力学を変えるのはかなり困難になります」。

モンスター氏は、過激なコンテンツを歓迎して許容するプラットフォームとEpikの協業を防衛するために自由な言論の論争を使ってきた。ヘイトグループを追跡している南部貧困法律センターは、モンスター氏が「インターネット上で最も評判が悪く恐ろしい人々にサービスを提供している」と指摘してきた

Epikの広報担当Rob Davis(ロブ・デイビス)氏はTechCrunchに対し、クライアントのコンテンツモデレーションをサポートすべく積極的に取り組んでいると語り、同社はナチグループをプラットフォームから排除し、虐殺を推進するグループを削除したと主張した。

「合法で、責任をともなう言論の自由はすばらしい権利です」とデイビス氏は話した。「全てのドメイン登録はこうしたグループを抱えますが、Epikは往々にしてより高い水準に保たれています」。

ドメインネーム取引専門フォーラムにおける2019年の一連の投稿で、モンスター氏はTokiのテクノロジーについて詳細を明らかにした。Tokiは安いRaspberry Piプロセッサで駆動し、ファイル共有やP2Pコマース、デジタルウォレット、パーソナライズされた検索エンジンを可能にするLinuxの正規バージョンを「特定のデータソースを無視する」オプションつきで動かしている。

「分散化はGoogle(グーグル)やTwitter(ツイッター)、Facebookといったテック大企業の発信ポイントを分散することだけを意味するわけではありません」とデイビス氏は話した。「人々が知らなかった物事でそうした人々に力を与えることによる反検閲も意味します」。同氏は軽微な健康問題のための自然療法を例に挙げた。自然療法は新型コロナに対して効果があると証明されていない。

「ゆくゆくは各デバイスにインターネットの『スナップショット』があらかじめ搭載されるようになるかもしれません」とデイビス氏は述べた。しかしインターネットがどのように1つの小さなデバイスに収まるよう減らされるのかは明らかにしなかった。eRiseウェブサイトには、同社が採用する地域のデジタル司書にコンテンツがキュレートされるかもしれないとある。デイビス氏はTokiがサーバーの作業モデルを持っており、すでに社会実験を行い、2022年か2023年にデバイスをアフリカの6000の村に提供し始めたいと考えている、とTechCrunchに語った。おそらく名前非公開のアジア通信企業とのコラボでだ。

Tokiのデバイスが実用的な場合、デバイスの選択性は自前のコンテンツと検閲の懸念を提起するかもしれない。たとえばeRiseがEpikのクライアントであるGabやParlerにあったような過激なコンテンツを許す、あるいは新型コロナや他の健康問題に関する科学的なアドバイスを無視するといった懸念だ。

ドノヴァン博士はワンボックスソリューションを警戒している、と話した。「我々はサービスプロバイダーから情報企業を切り離すことに注力しなければなりません。そうしたコントロールは政治的利益のために使われます。テクノロジーは、別手段の政治なのです」。

【注】eRiseは、課税を免除される501(C)(3)非営利団体だと主張していた。TechCrunchは米内国歳入庁の非営利団体のデータベースでeRiseを見つけられなかった。後にモンスター氏はeRiseが501(C)(3)団体として登録されていなかったことを認め、501(C)(3)の主張を削除した。

関連記事:AWSが警告どおり米保守系が集うParlerへのクラウドサービス提供を停止

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Toki

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(翻訳:Mizoguchi

Xbox Live Goldの値上げがユーザーの怒りを買い米マイクロソフトは瞬く間に撤回

【更新(米国時間1月22日)】Microsoft(マイクロソフト)は発表から24時間も経たないうちに、不満が爆発したファンとの関係をなんとか修復しようと、Xbox Live Goldの値上げ計画を撤回した。

「我々は本日、ミスを犯してしまいました。みなさんからいただいた提言はもっともで、おっしゃるとおりです。友達とつながって遊ぶことはゲームの重要な部分であり、毎日それを利用しているプレイヤーのみなさんのご期待に応えることができませんでした。結果、Xbox Live Goldの価格設定を変更しないことを決定しました」と同社はブログ記事に書いている。

マイクロソフトは、Xboxユーザーと和解するために、さらに一歩踏み込むと述べている。同社は、Xbox上の無料ゲームについて、オンラインプレイのためにXbox Live Goldのサブスクリプションを必要としなくなると述べた。「今後数カ月の間に、できるだけ早くこの変更を実施できるよう努力しています」と同社は書いている。

米国時間1月22日金曜日の早い時点での元記事は以下のとおりだ。

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金曜に誰も見ていない時間、悪いニュースをうやむやにしようとするかのように、マイクロソフトは米国時間1月22日朝、Xbox Live Goldの価格を値上げすると発表した。

価格変更の内訳は以下のようになっている。

1カ月プランは月10ドル(約1038円)から11ドル(約1141円)に変更。
3カ月プランは25ドル(約2594円)から30ドル(約3113円)に変更。
6カ月プランは40ドル(約4151円)から60ドル(約6226円)に変更(ただしマイクロソフトによると、適用されるのは新規メンバーのみ)。

「あれ、12カ月プランはどこに?以前、そのオプションがなかったっけ?」

確かにあった!以前それは60ドル(約6226円)だった。つまり、新しい6カ月間のサブスクリプションの価格である。同社は2020年7月に12カ月プランの販売を中止していたが、おそらくこの変更が目前に迫っていたため、(販売を続ければ)12カ月間のLive Goldの料金が120ドル(約1万2452円)になることを値札上で認めなければならなかったのが理由だろう。

良い知らせもある。6カ月プランの値上げは、新規メンバーにのみ適用されるという部分だ。すでに6カ月のサブスクリプションを利用している場合(または自動更新の12カ月サブスクリプションで適用免除される場合)Xboxサポートは、価格が上がらないことをツイートで確認している。

「既存の12カ月または6カ月のオンラインXbox Live Goldメンバーであれば、価格の変更はありません。メンバーシップの更新を選択した場合は、現在の価格で更新されます」。

1カ月プランや3カ月プランの場合は、新しい料金を支払うことになりそうだ。

では、なぜ料金を引き上げるのか?マイクロソフトは公式には理由を説明していない(何年も、一部の地域では10年も、値上げしていないことを指摘する以外は)。少なくともその一部分は、月15ドル(約1556円)の(Xbox Live Goldにオンデマンドタイトル食べ放題をバンドルしている)Xbox Game Passをより魅力的に見せるためだと推測できるだろう。

【Japan編集部】1月24日現在、日本では1カ月プランは税込824円、3カ月プランは税込2138円となっている。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MicrosoftXbox

画像クレジット:Darrell Etherington

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(翻訳:Nakazato)

ノーコードでAirtableを利用したウェブサイト・アプリの作成を簡単にするSoftrが2.3億円調達

ノーコード、これまでコーディングスキルを必要としていたタスクを実行するためのソフトウェアは、その基本的な前提が約束されていたにもかかわらず、長年にわたって完全に実現されていないが、ますますホットな分野となっている。それと関連しているのが、Airtableのような企業だ。Softrは、リレーショナルデータベースの構築とそれらへの質問を、スプレッドシートを作成するときのように簡単なものにしようとしている。ベルリンのスタートアップSoftrが、ノーコードのコンセプトをさらに推し進めて、コードを書く必要なくAirtable上にウェブサイトを容易に構築できるようにしたい、と考えている。

最近Product Huntでソフトローンチしたこの若い企業は、米国時間1月20日、220万ドル(約2億3000万円)のシード資金調達を公表した。Softrはそれまでは、2人の米国人創業者であるCEOのMariam Hakobyan(マリアム・ハコビアン)氏とCTOのArtur Mkrtchyan(アルトゥール・ムクルチャン)氏の自己資金だけで運営されていた。シードラウンドをリードしたのはAtlantic Labsで、これにTiny.VCのPhilipp Moehring(フィリップ・メーリング)氏と、GitHubやSumUp、Zeitgold、EyeEm、Rowsなどの創業者たちが参加した。

2019年にスタートしたSoftrは、誰もがAirtableに収めたデータをベースにウェブサイトやウェブアプリケーションを作ることができるノーコードプラットフォームを開発した。データベースを扱うときの退屈な単純労働をAirtableに任せることを狙っており、Softrはかなり柔軟性はあるがテンプレートを提供する。

Softrのハコビアン氏の説明によると、マーケティングやeコマース、求職・求人、マーケットプレイスなど一般的なウェブサイトやウェブアプリケーションのためのテンプレートがあり、それらを利用するとユーザー認証や、鍵つきのコンテンツ、決済、賛成投票(upvote)、コメントなどの機能があるアプリケーションを作成できる。

「Softrは学習曲線のないツールなので、技術の知識や経験がなくても利用できます。技術的な部分はすべて抽象化し、ユーザーが技術よりもプロダクトの構築とコンテンツに集中できるようにしています。Softrは、Airtableをデータベースとして使うため、簡単にリレーショナルデータベースの作成と共有することができます。SQLやスクリプティングを勉強しなくて大丈夫です。Airtableは、ここ数年盛り上がっており、個人だけでなくFortune 500社も利用しています」と彼女は説明する。

画像クレジット:Softr

ハコビアン氏によると、Softrのポイントは「組み立て済みのビルディングブロック」(リスト、ユーザーアカウント、支払いなど)のコンセプトとビジネスロジックを使って、ウェブサイト作成者の代わりに面倒な作業のほとんどを処理するところだ。「ブロックとテンプレートを使えば、作業の70%すでに終わっています」と彼女は説明する。

しかもSoftrは、StripeやPayPal、Mailchimp、Zapier、Integromat、Hotjar、Google Analytics、HubSpot、Driftといった人気サービスに接続できる。

Softrは現在、数千社の製造業企業やスタートアップが利用している。顧客がSoftrで作成したアプリケーションの例として、会員制の外国語学習、ベビーシッターを予約できるマーケットプレイスプレース、認証が必要な(最初にユーザー登録を要する)コンテンツコミュニティ、オンラインの学習コースなどがある。

シード資金を獲得したSoftrは、中小企業の非技術部門に顧客基盤を拡大し、従業員名簿、製品在庫、不動産リストなどの社内ツールの構築を支援し、手作業のプロセスを自動化する計画だ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SoftrAirtableノーコード資金調達

画像クレジット:Softr

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Pinterestがアイシャドウを購入前に試せるバーチャルメイク機能を発表

Pinterest(ピンタレスト)は米国時間1月22日、オンラインショップの買い物客が新しいアイシャドウをバーチャルで試用できる拡張現実機能を発表した。当初はLancome(ランコム)、YSL(イヴ・サンローラン)、Urban Decay(アーバンディケイ)、NYX Cosmetics(ニックス コスメティックス)などのブランドの約4000種類の製品を画面上で試すことができる。

Pinterestによれば、この「AR Try on(日本では「バーチャルトライ」)」機能は、既存の「Pinterest レンズ」と呼ばれるカメラで撮影した画像から検索する技術や、検索結果をさまざまな肌の色から選択する機能、そしてコンピュータビジョンを使ったおすすめ機能を活用しているという。また、同社はデータパートナーであるModiFace(モディフェイス)の技術も取り入れており、顔認識によってデジタル化されたパラメーターを元に、選択したアイシャドウがModiFaceのデータベースでマッピングされ、高画質なレンダリングが行われる。

これがPinterestによる最初のバーチャルメイク機能というわけではない。同社は1年前に口紅のAR Try onを開始している。この機能を使ってバーチャルで試用できる口紅の色は、現在では1万色にまで拡大しており、Estée Lauder(エスティローダー)、bareMinerals(ベアミネラル)、Neutrogena(ニュートロジーナ)、NARS(ナーズ)、Cle de Peau(クレ・ド・ポー)、Thrive Causemetics(スライヴコーズメティックス)、NYX Professional Makeup(ニックス プロフェッショナル メイクアップ)、YSL Beautét(イヴ・サンローラン・ボーテ)、Lancôme(ランコム)、Urban Decayなどのブランドによる4800万枚の「ピン」から見つけることができる。Kohl’s(コールズ)などの小売店も、消費者にリーチするためにAR Try onを利用している。

今回新たに導入されたアイシャドウのAR Try onでは、色や価格帯、ブランドなどの条件で商品検索結果を絞り込むことが可能だ。気に入ったものを見つけたら、すぐに購入したり、ボードに保存したり、関連ボタンを使って似たような色合いのピンを探すことができる。

画像クレジット:PInterest

アイシャドウへの拡張は、ユーザーが単に個々の色を試すだけでなく、より多くのフルメイクを試すことができるようになったことを意味する。Pinterestによれば、トグルで口紅とアイシャドウを切り替えて、一度に複数の製品を試すことができるようになったという。ModiFaceのアプリや、YouCam メイクSephora(セフォラ)のVirtual Artist(バーチャルアーティスト)Ulta(ウルトラ)のGLAMLab(グラムラボ)などのARビューティーアプリが登場したことによって、ARを使ったバーチャルメイクアップ体験はここ数年で人気が高まっている。また、L’Oréal(ロレアル)はウェブサイト上で「Live Try-On」を提供したり、Facebookと提携してバーチャルメイクアップをソーシャルメディアに導入している。Target(ターゲット)のオンラインストアも、バーチャルメイクアップを提供している。

さらに最近では、GoogleがARバーチャルメイクアップの分野に参入。当初はYouTubeで一部の美容インフルエンサーが自分の動画にARを使った化粧品の試用を組み込むことができるという、限定的な機能の提供を開始したが、2020年12月にはModiFaceと提携し、Google検索でバーチャルメイクアップ機能を導入。ARを使った化粧品の試用体験を本格的に取り入れた。

しかし、今回のPinterestによる新たな発表は、視覚的な検索技術とバーチャルメイクに関しては、再びGoogleより先行したことを意味する。PinterestではGoogleよりも多い口紅の試用を提供するだけでなく、今では製品分野までも拡大し、アイシャドウのバーチャル試用も可能になったのだ。

Pinterestによると、このAR Try on機能は、ビジュアルなショッピング体験を創造し、顧客の意思決定プロセスの早い段階でリーチしたいと考えているブランドに無料で提供されているという。同社はショッピングを含む広告を通じて収益を上げ続けており、AR機能それ自体で儲けたり、AR Try onで購入に結びついた製品の売り上げから利益の一部を求めることはしないという。

「AR Try onのような機能を導入して、Pinterestをショッピングに利用しやすくすることで、このプラットフォームはPinners(Pinterestユーザー)にとってさらに魅力的で実用的なものになり、その結果、広告の利用率やクリック率が増える可能性があります」と、広報担当者は説明している。また「Try onのような有機的な機能や、製品のピンを作成するためのカタログの取り込みによって、ブランドがサイト全体のアクセス数を引き上げ、それが我々の収益戦略を補完することになるのです」と、広報担当者は指摘している。

PinterestがAR Try on機能にアイシャドウのサポートを加えたことは、時勢にかなっている。一部の美容ブランドの売り上げは、新型コロナウイルスによって落ち込んでいる。マスクを着用する際に隠れてしまう唇に口紅を使っても意味がないため、特にリップスティックの販売が激減しているのだ。代わって現在の美容トレンドは、目を強調することにシフトしており、明るく大胆な色のアイシャドウや、ワイルドなフローティングアイライナー大きな付けまつ毛などに注目が集まっている。これはもちろん、ソーシャルメディアに投稿する写真を撮影する時の効果も狙ったトレンドだ。

Pinterestによると、実際にこのAR機能は潜在的な顧客に購入を決断させている傾向が見られるという。2020年のPinterestの調査によると、ユーザーはAR Try on体験の利用を始めると、平均6色の口紅をバーチャル試用し、それから購入意思を示す可能性が、通常のピンと比べて5倍に増えたという。

新しいアイシャドウのAR Try onは、米国では1月22日より、iOSとAndroid向けアプリのPinterestレンズで利用できる。

関連記事:YouTubeのAR機能でビデオを見ながら仮想メイクを試せる

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pinterestネットショッピング拡張現実化粧

画像クレジット:Pinterest

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(翻訳:TechCrunch Japan)

クラウドキッチンで次世代のレストランフランチャイズを作る台湾のJustKitchen

JustKitchen(ジャストキッチン)はクラウドキッチンを運営している。しかし同社は配達用の料理にのための調理施設を提供する以上のことをしている。同社は音楽や番組の代わりに、レシピやブランディングなど食をコンテンツとしてとらえており、食品フランチャイズの次の再実行を創造したいと考えている。JustKitchenは現在、台湾で「ハブアンドスポーク」モデルを展開しており、香港やシンガポールなど他の4つのアジアマーケットに、そして2022年には米国に事業を拡大する計画だ。

2020年創業のJustKitchenは現在、台湾でSmith & WollenskyやTGI Fridaysなど14のブランドに対応している。材料はまず「ハブ」キッチンで下準備される。その後、下準備されたものが最終的に組み合わされる小規模の「スポーク」に送られ、そこでUber EatsやFoodpandaといった配達パートナーにピックアップされる。運営コストを抑制するために、すばやい配達につながるようスポークは街のあちこちにある。そして各ブランドはそのエリアでどの料理の注文が最も多いかに基づいて準備する。

ライセンス契約に加えて、JustKitchenは自前のブランドも展開し、パートナーのためのR&Dも請け負っている。それを可能にするためにJustKitchenは分散型のモデルに移行している、と最高執行責任者のKenneth Wu(ケネス・ウー)氏はTechCrunchに語った。これはハブキッチンが主にR&Dに使われ、一部のスポークキッチンでの製造が他の食品販売業者や製造業者に外注されることを意味する。JustKitchenの長期的計画はスポークの運営をフランチャイズにライセンス貸しし、その一方で品質を一定に保つために注文管理ソフトウェアやコンテンツ(レシピや包装、ブランディングなど)を提供することだ。

食事やグローサリーの配達の需要は新型コロナウイルスパンデミックの間に急激に増えた調査会社Statistaによると、米国では2020年のレストランマーケットの約13%をフードデリバリーが占めた。この数字はパンデミック前の予測では9%で、2025年までに21%に増えることが予想されている。

しかしオンデマンドフードデリバリー事業は、値上げや手数料にもかかわらずマージンが少なく、運営コストが高いことで知られている。食品の下準備とピックアップを集約することで、クラウドキッチン(ゴーストキッチン、ダークキッチンとも呼ばれている)は標準化された品質を確保しながら収益を増やすようだ。驚くことではないが、この分野の企業はかなりの注目を集めてきた。こうした企業には、Uberの前CEOであるTravis Kalanick(トラビス・カラニック)氏のCloudKitchensKitchen United、そして最近ソフトバンクがリードしたラウンドで10億ドル(約1040億円)を調達したREEFが含まれる。

自身のフードデリバリースタートアップMilk and Eggsが2019年にGrubHubに買収されたウー氏は、JustKitchenがキッチンのインフラに加えて主に運営とコンテンツにフォーカスしていることで他社と差異化を図っていると話した。レストランや他のブランドと提携する前に、JustKitchenはテークアウトとデリバリー専用のメニューをデザインするためにミーティングを持つ。メニューが決まれば、ブランドに変わってJustKitchenが開発し、ロイヤルティーが支払われる。実在店舗1店のみを運営するレストランにとって、JustKitchenのクラウドキッチンは近隣や複数の町(あるいは、JustKitchenが海外展開を始めたら海外)に同時に事業を拡張する機会となる。オンデマンド配達時代にとってフランチャイズモデルの新たなテイクだ。

JustKitchenの配達食事の1つ(画像クレジット:JustKitchen)

各スポークキッチンは配達パートナーに渡す前に食事の最終仕上げをする。スポークキッチンはハブよりも小さく、顧客に近い。そして最終目標は高い面積比売上を出すことだ。

「一般的な定説は、どのように規模の経済、ハブでの容量、調理するセントラルキッチンを経て、顧客までの短いラストマイル配達を行えるスポークからコミュニティ各地に届けるかです」とウー氏は述べた。

JustKitchenは業界の標準配達時間を半分にすることができ、提携しているレストランは前月比40%成長している、と同社は話す。また、Uber Eatsのような配達プロバイダーが注文を整理しやすくなるようにしており、1人のドライバーが異なる住所への配達3、4件を1度にピックアップすることもできる。これはコストを削減するが、通常ファーストフード店のような取扱量の多いレストランでのみ可能だ。JustKitchenは1つのスポークで複数のブランドに対応しているため、デリバリープラットフォームは異なるブランドからの注文を扱うことができる。

提携に加え、JustKitchenは需要を予測するのにいくつかのソースからのデータ分析を使いながら自前のフードブランドを展開している。第1のソースは自前のプラットフォームで、顧客はJust Kitchenから直接注文できる。それぞれの地域における食事の好みや購買の規模を把握することができる配達パートナーからのハイレベルなデータも入手し、また人口密度、年齢層、平均年収と支出に関する情報を提供している政府やサードパーティプロバイダーからの一般的な人口統計データも使っている。JustKitchenは朝食、昼食、夕食を提供しているため、こうしたデータ分析によって、どのブランドをどの地域で、そしてどの時間帯で展開するかを計画できる。

JustKitchenはカナダで法人化されているが、人口密度とフードデリバリーの人気ゆえにまず台湾で事業を開始した。新型コロナパンデミック前、米国と欧州におけるフードデリバリー浸透率は20%以下だった。しかし台湾では30〜40%に達していた、とウー氏は話した。米国の新たなフードデリバリー需要は「ニューノーマルの一部であり、今後も続くと確信しています」と同氏は付け加えた。JustKitchenはシアトルとカリフォルニア州のいくつかの都市で立ち上げを準備していて、すでにパートナーとキッチンインフラを確保している。

「当社の最終目標はソフトウェアとコンテンツにフォーカスし、フランチャイズ事業者がすぐさま展開できるようただただちに使える状態を提供することです」とウー氏は述べた。「当社はコンテンツを持っていて、彼らはほしいものを選択できます。彼らは統合するソフトウェアとレシピを持っていて、当社は食品製造と品質管理のためのソーシングを行い、最終的に彼らは1カ所で操業します」。

関連記事:駐車場を有効活用するREEF Technologyがソフトバンクなどから7億ドルを調達

カテゴリー:フードテック
タグ:JustKitchenクラウドキッチン

画像クレジット:JustKitchen

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(翻訳:Mizoguchi

4大陸18カ国に展開しているAI農業プラットフォームの南アフリカ発Aeroboticsが17.6億円調達

予想される人口増加と食糧需要に応えるために世界中で農業が背伸びをし、地球温暖化によって食糧安全保障がより差し迫った課題となっている中、南アフリカ発のスタートアップが人工知能を使い農場や樹木、果物の管理をすることで農家を支援している。

世界の農業にインテリジェントなツールを提供する南アフリカのスタートアップ、Aeroboticsは応募超過となったシリーズBラウンドで1700万ドル(約17億6000万円)を調達した。

Aerobotics社によると、南アフリカの消費者向けインターネット大手Naspersの投資部門であるNaspers Foundryがこのラウンドを主導し、560万ドル(約5億8000万円)を出資したという。他にはCathay AfricInvest Innovation、オランダのFMO: Entrepreneurial Development BankPlatform Investment Partnersが参加した。

James Paterson(ジェームズ・パターソン)氏とBenji Meltzer(ベンジ・メルツァー)氏によって2014年に設立されたAeroboticsは現在、果樹農家のためのツールの構築に注力している。AI、ドローン、その他のロボットを使用した同社の技術は、樹木の病気の特定、害虫や病気の追跡、より良い収量管理のための分析など、これらの作物の健康状態の追跡と判定を支援している。

同社はその技術を発展させ、シーズンの早い段階で柑橘類の生産者から樹木と果実の両方の画像を収集・処理することで、農家に独立した信頼性の高い収量予測と収穫スケジュールを提供している。これにより農家は在庫を準備し、需要を予測し、顧客が最高の品質の農作物を手に入れることができるようになる。

Aeroboticsはここ数年で記録的な成長を遂げている。1つには、8100万本の樹木と100万個以上の柑橘類の果実を処理した実績から、世界最大の樹木と柑橘類の独自データセットを持っていると主張している。

設立して7年の同社は、南アフリカのケープタウンに拠点を置いている。アフリカ大陸の新興企業の多くが、主に国内での課題の特定と解決に注目している時期に、Aeroboticsは海外でもそのサービスに多くの牽引力を見出している。同社はアフリカと同様に世界の主要な農業経済の中心地である米国、オーストラリア、ポルトガルにオフィスを構えており、アフリカ・南北アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアの4大陸にわたり18カ国で事業を展開している。

画像クレジット: Aerobotics

その中でも米国が同社の主要市場であり、Aeroboticsによると同国では2つの仮特許を申請中であり、1つは樹齢を推定するシステムと方法、もう1つは収量を予測するシステムと方法だという。

同社は今回のシリーズB投資を利用して、米国とその他の市場向けに、より多くの技術と製品を開発し続ける計画だと述べている。

「当社はオートメーションを最適化し、インプットを最小限に抑え、生産を最大化するためのインテリジェントなツールを提供することに尽力しています。農産物業界のリーダーたちとのさらなる共同開発を楽しみにしています」とCEOであるパターソン氏は声明の中で述べている。

何世紀か前にはテクノロジーのフロンティアとして謳われていた農産物業界は、長い間その面で停滞していた。しかし気候に適した農業をサポートし、農家を支援するAeroboticsのようなアグリテック企業は、業界を過去の栄光に戻そうと躍起になっている。投資家は業界に注目しており、過去5年間、息を呑むような勢いで投資が行われてきた。

Aeroboticsの場合、2017年9月にシードラウンドの一環として4Di CapitalとSavannah Fundから60万ドル(約6200万円)を調達した。その後、2019年2月にはNedbank CapitalとPaper Plane Venturesが主導するシリーズAラウンドでさらに400万ドル(約4億2000万円)を調達した。

今回のシリーズBラウンドを主導したNaspers Foundryは、2019年にNaspersが南アフリカのテック系スタートアップのための14億ランド(104億円弱)のファンドとして立ち上げた。

Naspers South AfricaのCEOであるPhuthi Mahanyele-Dabengwa(プーティ・マハニエレ-ダベンガ)氏は、今回の投資についてこう述べている。「南アフリカでは食料安全保障が最も重要であり、Aeroboticsのプラットフォームは、それを維持するための支援に向けて積極的に貢献しています。この種の技術革新は社会的課題を解決するものであり、まさにNaspers Foundryが支援したいと考えているタイプのアーリーステージ企業です」。

Aeroboticsの他にも、Naspers FoundryはオンラインクリーニングサービスSweepSouthやフードサービスプラットフォームFood Supply Networkにも投資している。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Aerobotics農業南アフリカ資金調達

画像クレジット:Aerobotics

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(翻訳:Nakazato)

家族の写真や思い出の動画などのデジタル遺産を永久に守るインターネットの父が支援するEmortal

今や誰もが、さまざまなデータをクラウドに放り込んでいる。その一部は、自分が永久に保存したいものだ。Emortalは、データの整理や保護、保存、そして「デジタル遺産」の遺贈を支援し、それらが「ビットロット(bit-rot、ビットの腐壊)」で読めなくなることを防ぐ。このプロジェクトは、Robert Kahn(ロバート・カーン)氏とともにインターネットを創造し、「インターネットの父」と呼ばれる伝説の人物の1人であるVint Cerf(ヴィントン・サーフ)氏が支援している。

10年以上前から開発が進められているEmortalはこれまで、「友人や家族」から570万ドル(約5億9000蔓延)を調達している。同社によると、現在はベータに成功した後、英国のCrowdcube上のクラウドファンディングで270万ドル(約2億8000万円)を調達しているという。

同社はGoogleアーキテクチャを使用して写真、ドキュメント、通信、動画、インタビューなどのデジタルメモリを将来にわたって無期限に保存する。これにより、OSやデバイス、テクノロジーが進化しても、デジタル遺産全体が安全、セキュアで、アクセス可能な状態であり続けることが保証される。しかも選ばれた人たちだけがアクセスできる。

画像クレジット:Emortal

Emortalは、2021年の第3四半期に英国と米国でローンチされる。撮影した写真をすべて保存するのではなく、たとえば洗礼式での1枚など人生の大事な瞬間のものだけが保存される。利用料金は月額4.99ポンド(約710円)だ。

「Emortalの提案の要は、データの保存とデジタル遺産の保護を結びつけて、私たちのデジタルメモリーが何世代にもわたって安全かつアクセス可能であることが保証されて点だ」とサーフ氏は述べている。

Emortalの創業者でCEOのColin Culross(コリン・カロス)氏は「私たちがCrowdcubeで熱心にクラウドファンディングしているのは、Emortalがすべての家族のためのサービスだからです。企業が成長するための最も強力な方法は、そのビジネスに何千もの方が投資することだと考えています」と述べている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Emortalデジタル遺産

画像クレジット:Emortal

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

APIをプロダクト化する「ノーコード」企業Blobrがプレシードで1.5億円を調達

パリを拠点とするスタートアップのBlobr(ブルーバー)が、プレシード資金として120万ユーロ(約1億5000万円)を調達した。同社が提供する技術は、企業が自らの既存のAPIを、公開して収益化する作業をノーコードで簡単に行えるようにするというものだ。

このラウンドは、欧州全域でプレシードおよびシード投資を行うSeedcampが主導して、New Wave、Kima、その他のエンジェル投資家たちが参加している。BlobrはまたNew Waveから投資を受ける初めての会社でもある。New WaveはPia d’Iribarne(ピア・ディリバーン)氏とJean de la Rochebrochard(ジャン・ドゥ・ラ・ロシュブシャー)氏が共同で設立した欧州の新しいベンチャーキャピタルだ。同VCは、IliadのXavier Niel(ザビエル・ニール)氏、Benchmark のPeter Fenton(ピーター・フェントン)、元Appleの著名なTony Fadell(トニー・ファデル)氏を含む有名投資家たちから、投資可能資金として5600万ドル(約58億1000万円)を集めたことを発表している

Alexandre Airvault(アレクサンドル・エアボールト)CEOとAlexandre Mai(アレクサンドル・メイ)CTOによって設立されたBlobrは、APIの「ビジネス・プロダクトレイヤー」の標準になることを目指している。基本的なアイデアは、プロダクトやビジネスの担当者たちが、技術的な知識なしに、そして社内のエンジニアリングリソースも増やすことなく、企業の持つアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を管理し、収益化できるようにするというものだ。Blobrは、それを実現することで、データや機能の商用利用がより多くのサードパーティから可能になり、その上にアプリケーションが構築されることで、APIのより多くの革新的利用が増えることになると考えている。

「私たちは、企業はAPIを単なるパイプだと考えるのを止めて、その力を解き放つためにプロダクトとしての構築を始めるべきだと考えています」とエアボールト氏は述べている。「つまりAPIは、単に技術指向であるだけではなくユーザー指向のマインドセットで、価格設定、カスタマイズ、管理が行われるべきだということ意味しています」。

これを実現するためにBlobrは、プロダクトやビジネスのオーナーたちが技術者への依存度を下げながら、「データ共有を収益性の高いモデルにする」ことができるように設計されている。「このアプローチこそが、データ交換を次のレベルに押し上げるものだと信じていいるのです」と彼は説明する。

Blobrのノーコード技術は、すでにかなり多くの機能を提供している。既存の内部APIから、機密情報やGDPR関連のデータをフィルタリングすることができる。また、顧客のセグメンテーションに応じて異なるAPI出力を提供することも可能なので、必要なデータのみを公開することができる。そしてAPIの利用は、利用に基くビジネスモデルと連携させたり、Stripe(ストライプ)の1カ月単位のサブスクリプションプランと連携させたりすることが可能だ。

エアボールト氏によれば、主な競合には、Google(グーグル)、IBM(アイビーエム)、Axway(アクスウェイ)、Microsoft(マイクロソフト)の提供するAPI管理ソリューションがあるという。「そうしたプラットフォームは内部API用に作られていますが、APIをプロダクトとして管理するためには考えられていませんし、最適化もされていません。またそれらは技術者のために作られたものですが、ノーコードソリューションのBlobrは、プロダクトならびにビジネスパーソンが技術者の手を借りなくても良いように、ゼロから作られたものなのです」と彼は付け加えた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:BlobrノーコードAPI資金調達

画像クレジット:Blobr

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(翻訳:sako)

法人旅行の回復を受けTripActionsが約5191億円の評価額で約161億円を調達、コロナ禍から大逆転

米国時間1月21日、法人旅行の予約と管理を支援するソフトウェアツールを提供するTripActionsは、新たに1億5500万ドル(約161億円)の投資調達を発表した。

本ラウンドは以前からの投資家であるAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)氏、AdditionそしてColor Genomicsの共同創立者のElad Gil(エラッド・ギル)氏が共同で主導した。今回のシリーズEラウンドでは、TripActionsはポストマネー50億ドル(約5191億円)で評価されていると、同社の広報担当者はメールで述べた。

こうした評価の数字は通常、ほどほどにしか役立たないが、TripActionsの最新ラウンドの場合、普通よりも重みを持つ。

同社はレストランソフトウェアのユニコーンであるToastとともに、新型コロナウイルス(COVID-19)が一部カテゴリのスタートアップに与えた影響のポスターチャイルドのような存在になった。TechCrunchは2020年2月下旬に、Liquidと呼ばれるTripActions製品の、5億ドル(約519億円)の信用供与ローンチを取材した。その1カ月後の2020年3月下旬、TripActionsは旅行市場が凍結したことで数百人のスタッフを解雇した

2019年半ばに40億ドル(約4153億円)の評価額で2億5000万ドル(約260億円)を調達していた会社にとっては、劇的な運の下降だった。またTripActionsは、旅行市場が特に低迷していた2020年6月に「転換社債型IPOファイナンス」と呼ばれる方法で1億2500万ドル(約130億円)を追加調達している。

しかし今また、投資家は同社の運に賭けており、新たに9桁の資本を提供するだけでなく、さらに大きな評価額を与えている。

レイオフ後1年未満のアップラウンドは驚異的な回復であるため、TechCrunchは法人旅行市場、TripActionsの主要な収入源、大切な出張旅行の回復ペースについて、また新型コロナワクチン接種の開始にともない、企業の社員はどれだけ早く飛行機に戻ってくるのだろうかなどを同社に取材した。

同社の広報担当者によると、法人旅行市場は「今月の時点で20%のレベル」であり、「週単位で」3%から6%の間で回復しているという。この回復ペースが投資家たちに、TripActionsが以前の強さを取り戻すのは時間の問題であると確信させたのかもしれない。

TechCrunchはまたTripActionsに、多くの人が予期しているZoom対応のハイブリッドワークの世界で、今後の法人旅行市場はどのような姿をとっていくのか尋ねた。同社の広報担当者は「すぐに100%ではないかもしれないが」「これから1年以内には」75%にまで回復するだろうと「強く」信じていると述べた。

また、同広報担当者は、より分散された労働人口が実質的には法人旅行を後押しする可能性があると書いている。もしそれが証明されれば、TripActionsはパンデミックが起こらなかった場合よりも、ポストパンデミックの方が強い立場になる可能性がある。市場が一時的に消滅したときに多くの従業員をレイオフすることを余儀なくされたユニコーンにとって、そのような復帰はすばらしいどんでん返しとなるだろう。

ラウンドの話題に戻ると、TripActionsは新たな資金を商品開発への投資に使用する予定だ。同社はTechCrunchへのメールで、ソフトウェア統合を含むポイントを含め最近の機能リリースを強調し、今後も金融に特化したLiquidの開発に取り組み続けることをつけ加えた。

また「分散したチームがより簡単に対面で会うことができるように、出張サイドの機能を構築する」とも述べている。我々の多くが、完全に地理的に1カ所に集中している企業の時代は終わったと予想している中、今回の決定は理に適っている。

TechCrunchは、これまでにレイオフされたスタッフのうち、どのくらい再雇用されたのか、新しい資金は2020年に解雇された従業員の再雇用に使われるのかを尋ねた。返答があり次第、記事を更新する。

いずれにしても、パンデミック前の高値からコロナ禍の谷間を経て、新たに引き上げられた評価額と多額の資金を得た今日に至るまで、TripActionsの過去1年は、将来ケーススタディになることだろう。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:TripActions旅行資金調達

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

高校・大学eスポーツのPlayVSがGameSetaを買収してカナダ進出を加速、一般リーグも計画

高校や大学にeスポーツの組織的なリーグを提供するPlayVSは米国時間1月21日、初の買収を発表した。これまでに1億ドル(約104億円)以上を調達している同社は、バンクーバーに拠点を置くスタートアップで、同じように高校のeスポーツチームにインフラを提供することを目指しているGameSetaを買収した。買収の条件は明らかにされていない。

今回の買収により、PlayVSは成長期を加速させ、カナダ市場への進出を後押しすることになる。GameSetaは、ブリティッシュコロンビア州の学校スポーツの運営組織であるBC School Sportsと提携しており、これはPlayVSに移管されることになる。

PlayVSは、米国で全米州立高校協会(NFHS、全米大学体育協会の高校版)と同様の(そして独占的な)パートナーシップを結んでいる。また、同社は大学市場にも進出しており、PlayVSとEpic Gamesのパートナーシップの一環として大学向け商品を立ち上げている。大学向けリーグを開始して以来、プレイヤーの総数は460%増加しているという。また、高校や大学向けに90万ドル(約9300万円)の奨学金制度も新たに立ち上げた。

2018年の初めにDelane Parnell(ディレ―ン・パーネル)氏によって設立されたPlayVSは、学校のスポーツ団体やパブリッシャーとのパートナーシップを介し、急速に成長してきた。PlayVSが提供するタイトルには「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)」「Rocket League(ロケットリーグ)」「SMITE」「Overwatch(オーバーウォッチ)」「Fortnite(フォートナイト)」「FIFA 21」「Madden NFL 21」などが含まれている。PlayVSは、全米50州で1万9000校以上の高校にサービスを提供してきた。また、23万人以上の登録ユーザー数を誇っている。

PlayVSは、学校がeスポーツチームを作り、他の学校と競うためのポータルとして機能している。バスケットボールや野球のような伝統的なスポーツはリーグスケジュール、プレーオフ、審判などを組織するシステム(および統治組織)が確立されている。PlayVSは、eスポーツのための組織システムであり、その統治機関として位置づけられている。

PlayVS はこれらのリーグを実施するだけでなく、大学やeスポーツ組織がゲームを見たり、個々のプレイヤーのメトリクスを追跡することを実現して、切望されていたスカウティングツールを提供している。

今回の買収の一環として、GameSetaのTawanda Masawi(タワンダ・マサウィ)氏とRana Taj(ラナ・タージ)がPlayVSチームに加わり、カナダの事業をリードする。

地理的な拡大と並行して、PlayVS は高校や大学以外にも、消費者向けのDTC商品の発売を計画しているという。

「当社はこれから、直接パブリッシャーと提携して消費者向けの商品をいくつか発売し、PlayVSのエコシステムをオープンにして、高校など学校との関係を問わず、人々が大会を開催したり参加したりできるようにしたいと考えています」とパーネル氏は述べている。「私たちはこれにとても興奮しています。市場では一般的に、エンターテインメントやコンテンツとしてのゲームへの欲求が非常に高くなっています。明らかに、プレイヤーのみなさんはeスポーツをコンテンツの一形態として、またスポーツに参加するための方法としてとらえ本当にワクワクしていますので、PlayVSが人々にとってより広く競い合える場になるようにしたいと思っています」。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:PlayVS買収

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(翻訳:Nakazato)

イーロン・マスク氏が最高の二酸化炭素回収技術に賞金104億円

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間1月21日、最高の二酸化炭素回収技術に1億ドル(約104億円)を寄附するとツイートした。

マスク氏は最近、Amazon(アマゾン)のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を超えて世界一のお金持ちになったが、別のツイートで「来週詳細を発表する」と述べただけで、それ以上の説明はない。

【更新】計画に詳しい人物がTechCrunchに語ったところによると、これは技術開発とイノベーションの促進を目的としたコンテストを主催する非営利団体のXprize Foundationと連携するものだという。

最高の炭素回収技術賞に1億ドルを寄付しています。

正式な名称を二酸化炭素貯留(Carbon Capture and Storage、CCS)というこの技術の定義は、その名前のとおりだ。製油所や工場などの廃棄物である二酸化炭素を、その発生源で捉えて保存し、有害な副産物を環境から取り除いて気候変動を緩和する。それは新しい探求ではなく、およそ20年ほど前から、多くの企業によってさまざまな方法が提案されてきた。

CSSは、初期費用が高いことが主な障害となっている。しかしそれでも、炭素の回収と再利用(Carbon Capture and Utilization, CCU)で有望な技術を見つけた企業がいくつか存在する。CSSの「いとこ」のようなその技術は、収集された排出ガスを他のより価値の高い用途に変換する。

LanzaTechが開発した技術は、排出ガスとバクテリアを利用してエタノール燃料を作り出す。使用するバイオリアクターは、製鉄所や工場などからの排出ガスを取り込み、圧縮して液化する。LanzaTechのコア技術は、汚れた排出ガスを好んで食べるバクテリアだ。バクテリアが排出ガスを食べると発酵が生じ、エタノールが生成される。そしてそのエタノールからさまざまな製品を作る。LanzaTechは、多様な製品の生産をそれぞれ別の企業としてスピンオフしている。たとえばLanzaJetと呼ばれるスピンオフは、エタノールをエチレンに変換するといった技術に取り組んでいる。そのエチレンから、瓶を作るためのポリエチレンや、服の繊維になるPEPなどが作られる。

その他にもClimeworksやCarbon Engineeringといった企業もある。

Climeworksはスイスのスタートアップで、ダイレクトな排出ガス回収の技術を目指している。その技術はフィルターを使って空気から二酸化炭素を収集する。集まった二酸化炭素を保存したり、肥料などの他の用途に販売したりする。発泡飲料の泡としても使われる。Carbon Engineeringはカナダの企業で、大気中の二酸化炭素を取り除き、それを処理して強力な石油回収技術や、新しい合成燃料の生産に利用する。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:イーロン・マスク二酸化炭素

画像クレジット:Diego Donamaria / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

中国政府が決済事業の規制案を発表、AntとTencentによる寡占を抑制

中国の決済業界における最近の一連の出来事は、Ant Group(アントグループ)とTencent(テンセント)による複占が揺らいでいる可能性を示唆している。

Ant Groupの急な新規株式公開の中止と、中国政府が同社の事業に修正を指示したことに続き、中国当局は先週、繁栄を続けるデジタル決済業界の寡占を抑制する計画を示す新たなメッセージを送った。

ノンバンク決済を規制するために、中国人民銀行(PBOC)が先週発表した一連の草案によると、1社でノンバンク決済市場の3分の1を占める場合、または2社の合計で半分を占める場合、国務院に属する反独占委員会から規制上の警告を受けるという。

一方、ノンバンク決済事業者1社でデジタル決済市場の半分以上を占める場合または2社で3分の2を超える場合は、独占状態にあるかどうか調査される。

2つの規則の違いは微妙であり、前者はノンバンク決済、後者はデジタル決済に焦点を当てている。

さらに当局が企業の市場シェアをどのように測定するのか、たとえば総取引額なのか、総取引量なのか、それともそれ以外の基準で判断するのかについては、規則では特定されていない。

市場調査会社のiResearch(アイリサーチ)によると、Ant GroupのAlipay(アリペイ)は2020年第1四半期に中国の第三者決済取引の半分以上を処理しており、Tencentは同期間に40%近くを処理していたという。

中国は決済大手への監視を強めており、一方で金融市場を国際的なプレイヤーに開放してもいる。2020年12月には、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が中国の合弁事業の完全所有権を取得した。そして2020年1月、PayPal(ペイパル)は現地の決済パートナーであるGoPay(国付宝)の残りの株式を買い取り、中国で1つの決済事業を100%支配する初の外資系企業となった

業界の専門家は、PayPalが中国内の決済大手を追うことはないだろうが、代わりにクロスボーダー決済の機会を探る可能性があると、TechCrunchに語った。つまり、Antのベテランチームによって設立されたXTransferなどの地元企業がいる市場だ。

AntとTencentは、他の中国インターネット企業との競争にも直面している。食品配達プラットフォームのMeituan(美団)や電子商取引プラットフォームのPinduoduo(拼多多)やJD.com(京東商城)、TikTokの親会社であるByteDance(バイトダンス)まで、様々な企業が独自の電子ウォレットを導入しているが、いずれもAntのAlipay(アリペイ)やTencent傘下のWeChat Pay(ウィーチャットペイ)に差し迫った脅威を与えるものではない。

PBOCの包括的な提案では、決済処理業者が顧客データをどのように扱うかについても定義している。ノンバンク決済サービスは、一定のユーザー情報や取引履歴を保存し、データチェックについて関係当局と協力することになっている。また、企業はユーザーの同意を得て、顧客のデータがどのように収集され、どのように使用されるかを明確にすることも求められている。これは不正なデータ収集を取り締まる中国の広範な取り組みを反映した規則だ。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:モバイル決済AlibabaAnt GroupTencentWeChat Pay中国独占禁止法

画像クレジット:Alipay via Weibo

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(翻訳:TechCrunch Japan)

グーグルがモバイル検索のデザインを変更、違いはわずかだがよりわかりやすくモダンに

Google(グーグル)は米国時間1月22日、モバイル検索の微妙な、しかし歓迎すべきリフレッシュを発表した。そのアイデアは、検索結果の表示を読みやすく改善し、よりシンプルでエッジの効いたモダンなデザインにすることだ。

見たところ、今までと根本的に異なるわけではない。しかし、個々の検索結果を囲む四隅が丸くてわずかに影がつけられていたボックスは、シンプルな直線に改められた。他にも、Googleのロゴが丸みを帯びたり、検索バーの枠がグレーのラインからドロップシャドウのみに変わるなど、いくつかの微調整を見つけることができる。「よりわかりやすく、親しみやすく、人間に優しいデザインに感じられると思います」と、Googleの広報担当者は語る。ところどころに余白も増え、目立たせる部分には色がつけられたため、各パートの分離が強調された。

画像クレジット:Google

「検索のようなもののビジュアルデザインを再考するのは、本当に複雑です」と、GoogleのデザイナーであるAileen Cheng(アイリーン・チェン)氏はこの発表で述べている。「Google検索がどれだけ進化してきたかを考えると、特にそうです。私たちはウェブの情報だけでなく、世界中の情報を整理しています。私たちはウェブページを整理することから始めましたが、今では検索した言葉を理解するのに役立つコンテンツや情報の種類が非常に多様化しています」。

画像クレジット:Google

Googleはまた、GmailやAndroid(アンドロイド)を使っている人にはおなじみのGoogle独自のフォント「Google Sans」をより広範囲に使用することにした。「検索のどこに、どのようにフォントを使うかのという点に一貫性を持たせるのも重要でした。これは人々が情報をより効率的に解析するのにも役立ちます」と、チェン氏は述べている。

今回のリフレッシュは多くの点において、Googleが2019年にそのモバイル検索のリフレッシュで行った作業の続きである。その時も、サイトアイコンやその他の新しいビジュアル要素をページに追加することで、ユーザーがページをスキャンしやすくすることに重点が置かれていた。しかし、検索結果ページをより読みやすくする作業は明らかに行われていない。

とはいえ、新旧のデザインを比較してみると、ほとんどの部分で変更は少ない。これは大規模なデザイン刷新のようなものではない。デザイナーは確かにこだわっているが、ユーザーは気づかないかもしれないほど、小規模な微調整に過ぎない。もしGoogleが、検索結果に表示される広告と、実際にユーザーが求めているコンテンツを、もっと簡単に識別できるような変更を施したら、それこそ注目に値する改善といえるのだが。

画像クレジット:Google

カテゴリー:ネットサービス
タグ:GoogleGoolge検索

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

EV充電施設のEVgoがSPACとの合併を通じて上場へ

電気自動車(EV)向けの公共急速充電設備を所有・運営しているLS Powerの完全子会社EVgoは、特別買収目的会社(SPAC)のClimate Change Crisis Real Impact I Acquisition Corporationとの合併を通じて公開企業となることで合意した。

新しいティッカーシンボル「EVGO」で上場する合併会社の時価総額は26億ドル(約2700億円)となる見込みだ。100%自社で所有しているLS PowerとEVgoの全資本は今回の合併に合体させる。取引が第2四半期にクローズすれば、LS Powerは新合併会社の株式74%を保有することになる。

EVgoはこれまでに約5億7500万ドル(約597億円)を調達した。ここにはPIPE(プライベートエクイティによる上場企業の私募増資の引き受け)での4億ドル(約415億円)が含まれる。発表によると、投資家はPacific Investment Management Company LLC (PIMCO)、BlackRockが管理するファンドや個人、Wellington Management、Neuberger Berman Funds、Van Eck Associates Corporationなどだ。

EVgoの経営陣はそのまま残り、引き続きCathy Zoi(キャシー・ゾイ)氏が合併会社のCEOを務める。

EV関連企業がいわゆる白紙小切手会社と合併して、IPOに向けた従来の手法を回避するという動きがこのところ続いており、今回の取引は最新のものとなる。過去8カ月間でArrival、Canoo、ChargePoint、Fisker、Lordstown Motors、Proterra、The Lion Electric Companyといった企業がSPACと合併したり、あるいは合併の予定を発表した。

EVgoはEV業界新規参入者ではない。同社は2010年に創業され、過去10年のほとんどをインフラの拡大に費やしてきた。今日では同社は34州にまたがる67主要都市マーケットの800カ所超にチャージャーを展開している。同社はチャージャーを設置するのにAlbertsons、Kroger、Wawaなどを含め数多くの提携を結んでいる。

EVgoはまたGMや日産といった自動車メーカー、配車サービスのLyftやUberなどとも提携している。2020年7月にGMとEVgoは向こう5年で2700基超の急速充電を新設する計画を発表した。

現在走行している乗用車、トラック、SUVにEVが占める割合はまだ小さい一方で、自動車業界はEVマーケットが2019年から2040年にかけて100倍超に拡大すると予想している、とEVgoは述べた。同社によると、公開市場で調達する資金は事業拡大を加速させるのに使われる。

「わずか数年前、EVはニッチなものととらえられていました」とEVgoのCEOであるゾイ氏は声明文で述べた。「今日では改良されたテクノロジー、低コスト、豊富な選択肢、EVパフォーマンス評価の向上によって、選択できる車両テクノロジーになりつつあります。そのため急速充電の需要は高まっています」。

米国人の30%が自宅で充電できないと推測され、EVに切り替える車両の増加と併せて、そうした需要に応えるために公共の充電施設は必要不可欠なものになると、とゾイ氏は述べた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:EVgo電気自動車充電ステーションSPAC

画像クレジット:EVgo

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(翻訳:Mizoguchi

会計自動化スタートアップのGeorgesが44億円調達、ブランドも「Indy」に変更

フランスのスタートアップGeorges(またはGeorges.tech)は、3500万ユーロ(約44億円)の資金を新たに調達した。ブランドも新しくなり、今後は「Indy」と呼ばれる。同社は、フリーランサーや中小企業向けの会計自動化アプリケーションを開発してきた。

Singularがこの資金調達ラウンドをリードした。Singularについてご存じではないかもしれないが、GeorgesのキャップテーブルにSingularが載っているのは至極もっともだ。パリを拠点とするベンチャーキャピタルであるAlvenのパートナーだったJeremy Uzan(ジェレミー・ウザン)氏とRaffi Kamber(ラフィ・カンバー)氏は、同VCを離れ自らのファンドを立ち上げた。ウザン氏は以前Alvenに在籍時にIndyに投資した。その後もSingularとともにIndiを追いかけている。

既存の投資家であるAlvenとKeralaも再び投資した。Indyはこれまで、サービスへのアクセスを得るために月額サブスクリプション料金を支払う4万人のクライアントを引きつけることに成功した。

Indiは最初、フリーランサー、自営業者、医師、建築家、弁護士などのために特別に設計した製品から始めた。これを利用すれば会計士を使わなくてもよい。まず、同社のサービスを銀行口座に接続する。次に、Indyがすべての取引をインポートし、できるだけ多くの取引にタグをつけて分類を試みる。

遡って不足しているデータを追加することもできる。取引に領収書や請求書を添付することも可能だ。こうした処理を行えば、年末に付加価値税をどの程度取り戻せるかがわかる。

次にIndyは、データに基づき管理フォームに自動で入力する。そうすると税務の書類をダウンロードしたり、Indyから直接書類を送付できたりする。

プラットフォームを利用すればビジネスの概要を把握することもできる。あなたは自分の会社の収入を把握したり、費用を追跡したりできる。あなた自身が会社からいくらもらい、また個人として費用がいくらかかったかに基づき、個人としていくら儲けたのかを知ることもできる。

時が経つにつれIndyはサービスを拡大し、多様な企業をサポートできるようになった。フリーランサーに加え、EURL(出資者1人で設立できる会社)、SARL(有限会社)、SAS(単純型株式会社)、SASU(1人簡素株式会社)をサポートしている。同社は2020年に売上高を3倍に増やした。

また同社は、フランスでBICステータスの商品を販売する人々を含め、さらに多くの自営業者をサポートするために製品の改善を計画している。Indyは2021年にリヨンで100人を雇用する予定だ。

同社はさらに大きな計画を立てている。潜在的な市場として米国を検討しているのだ。米国には自営業者が多い。興味深いチャンスになると思われる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Indy会計資金調達

画像クレジット:Kelly Sikkema / Unsplash

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(翻訳:Mizoguchi

中国の配車サービスDidiが新型コロナワクチン接種支援で10.4億円の基金を設立

世界中の国が新型コロナウイルス対策としてワクチン接種を準備している中、テック企業は率先して死に至ることのあるウイルスとの戦いをサポートしようとしている。中国の配車サービス最大手Didi Chuxing(滴滴出行)は米国時間1月22日、中国外の13のマーケットでの新型コロナワクチン接種の取り組みを支える1000万ドル(約10億4000万円)の基金設立を約束した。

この多目的基金は乗客がワクチン接種場所に行くのにかかる料金と、ヘルスケア分野で働く人たちがワクチン接種会場に移動するのにかかる料金を減額するのに使われる。また、各国政府と引き続き協業し、サービスを展開する現地のニーズに基づいた今後の対策も支援すると述べた。

同社がどのように資金を十数のマーケットに配分するかはまだ明らかではない。同社が事業を展開しているマーケットはブラジル、メキシコ、チリ、コロンビア、コスタリカ、パナマ、ペルー、ドミニカ共和国、アルゼンチン、オーストラリア、日本、ロシア、ニュージーランドだ。

「ワクチン接種の開始と各マーケットでのサポート計画が確定し次第、さらなる詳細を明らかにします」と広報担当は述べている。

他のテック企業同様、Didiは救済措置を提供することで新型コロナ流行にすばやく対応した。これまでに医療最前線のヘルスケアワーカーに600万回超の無料または割引乗車と食事を、そして600万超のマスクと消毒キットを中国外マーケットのドライバーや提携配達人に提供した、と述べた。

中国内でもDidiは同様の取り組みを展開してきた。ここには感染が確認されたり隔離されたりしたドライバー向けの保険といった財政的援助も含まれる。

「ワクチン接種サポートイニシアチブは、世界中の回復に向けた取り組みにおいて重要なステップです」と同社の会長Jean Liu(ジアン・リュー)氏は述べた。

「複雑なモビリティシナリオ向けに構築された安全システムとともに、驚くほどのコミットメントとDidiチームの臨機応変さは、この困難な時期における人々の保護と必要不可欠なサービスの確保において重要な役割を担います。当社は都市が再び前に進むよう、引き続きパートナーやコミュニティに寄り添います」。

乗客やドライバーの安全を確保するために、同社は2020年に中国や他のマーケットで車内カメラを使ったマスク検知テクノロジーを取り入れた。

ソフトバンクが支援するDidiは、2018年に起きた2件の乗客殺害事件を受けて人気かつ儲けの多い相乗りサービスを一時停止したときに打撃を受けた。同社は中国で最も価値の大きな非上場のテック企業の1社で、IPOを計画しているという噂が何年もある。

Didiはアジア太平洋、南米、ロシアでタクシー配車、プライベートカー配車、ライドシェア、バス、自転車、電動自転車などを提供し、ユーザー数は計5億5000万人だ。最近では年間に100億回超の乗車に対応している。中国外ではユーザー2000万人超、それから280万人のドライバーと配達人を抱えている。

同社にはソフトバンクの支援を受けた新しい自動運転部門もあり、積極的に自動運転車両の開発とテストを進めている中国の新興AI企業群の1社だ。また、中国の電気自動車(EV)メーカー大手BYDと共同で配車サービス向けモデルのデザインも行っている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Didi新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:STR/AFP/Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

サムスンGalaxy S21 Ultraレビュー、カメラの洗練もすばらしいが価格引き下げにも注目

Galaxy S21 Ultra(ギャラクシーS21ウルトラ)は戦車だ。大きくて重い(前機種の218gに対して228g)鈍器のような電話だ。これは典型的なSamsung(サムスン)の携帯電話である。つまり全部盛りでもまだ満足できないときに買うようなハンドセットなのだ。実際、おそらく同社の2つのフラッグシップライン間の最大の差別化要因となっているかもしれないS Penの機能まで採用されている。

その点をはじめとしたS21のアップデートは、製品ラインの論理的な延長線上にある。今回Samsungは、型破りなことはしていないが、同社にとってそれは必ずしも必要なことではない。型破りではなくても、この製品は普通に手に入る最高のAndroid(アンドロイド)端末の1つであることに変わりはないからだ。同社はその点に磨きをかけようとしていて、それはより実験的なGalaxy Zラインに投入されている基本的な変更とは一線を画している。

Samsungが早い段階で5Gに全力投球したのは、もちろん評価に値する。同社は次世代ワイヤレスに対する対応という意味で先行しており、そのフラッグシップライン全体への採用を真っ先に行った。5Gは驚くべきスピードで実用化が進んだ機能だ。そこにはQualcomm(クアルコム)が中位のチップに対して強力な推進を行ったことが大きく影響している。実際、iPhone 12は、5Gへの対応を主要なセールスポイントとして使用しても許された、最後の主要フラッグシップになるだろう。

この対応が一巡したことで、スマートフォンメーカーたちは、戦うためのおなじみの場所に戻りつつある、特に画像処理が主戦場だ。UltraのS Pen機能はさておき、この世代の最大のアップグレードのほとんどは、カメラ側に加えられたものだ。もちろん、そこに驚きはない。カメラは常にSamsungが注力してきたものの1つだ。まあその変更は、いまや多くのメーカー同様に、大部分がソフトウェアによるものなのだが。

画像クレジット:Brian Heater

とはいえ、注目すべきハードウェアの変更点もいくつかある。新しいSモデルは、最近覚えている限りの変更の中でも、最も大きな外観上の変更が加えられている。私が最初この製品について書いたときは、歯切れの悪い表現をしていたが、それは2020年から2021年にかけてガジェットブログでずっと苦労している問題のせいだ。つまり実際に手にとって触ってみることができなかったからだ。私はやっとこの製品をニューヨークの街中で数日持ち歩くことができたので、いまやほぼ確信をもって、それがまずますの製品だということができる。

最も目立つのは、大きく出っ張ったカメラハウジングだ。前回「ブルータリスト」という形容を行ったのは間違いではなかった。製品を実際に使ってみての感想は、かなり良いものだ。デザインの選択には何というか……工業的なものを感じる。そしてそれは、4つのカメラホールと、レーザーオートフォーカスセンサーと、フラッシュを搭載したUltraのデザインに顕著に表れている。それは驚くほど分厚い金属で作られた、大きくて立派なカメラ部の突起だ。これは一部には「折り畳み式」の望遠レンズのせいでもあるのではと思っている。

Samsungから送られて来たのはPhantom Black(ファントムブラック)モデルだ。このカラーは、同社が発表時に驚くほど長い発表時間を割いていたものだ。それはApple以外では滅多に見ることがないような、色へのこだわりだった。気になる場合はここに長い動画がある。どういえばいいかわからないが、とにかく良いつや消しの黒だ。私は新しいメタリックバックが気に入っている。たとえガラス美術館のコーニングが味方になってくれたとしても、ガラスバックはいつか事故が起きるような気がしてならないのだ。

曲面を描くディスプレイは、いつものように角が丸くなっているのがいいアクセントになっている。画面自体はすばらしい、まあSamsungのディスプレイはいつもそうなのだが。S21、S21+、S21 Ultraの画面サイズは、それぞれ6.2インチ、6.7インチ、6.8インチだ。不思議なことに前のバージョンよりも0.1インチ小さくなったUltraを除くと、他の画面サイズは変わっていない。Ultraの画面サイズの件は実際には気がつくことはないが、これまでずっと、ディスプレイに関してはともかく大きい方が良いと主張してきた会社としては、奇妙な選択だ。

Eye Comfort Shield(アイ・コンフォート・シールド)はありがたい機能だ。時間帯や自分の使い方に応じて、画面の色温度を調整してくれるというものだ。これまでナイトシフト機能やそれに似たものを使ったことがあるならそれが何かはおわかりだろう。これはスクリーンのホワイトバランスをゆっくりと黄色の方向に向かってシフトさせる機能で、ブルーライトを削減し、体内時計が乱れるのを防ぐ。この機能はデフォルトではオフになっているので、設定を変更する必要がある。

また、使用しているアプリに応じて46Hzと120Hzの間でリフレッシュレートが入れ替わるDynamic Refresh Rate(ダイナミックリフレッシュレート)機能を導入している。これは、バッテリーをいくらかでも節約するために導入された機能だ(5Gと一緒に120Hzを使うと、かなりの電力消費量になる可能性がある)。切り替えによる視覚的効果は気がつきにくい。実際私は、使っている最中にそれに気がついたとはいえない。もちろん、少しでも多くの果汁を絞り出すための、新しい手段開発への努力には称賛を惜しまない。

Samsungの新時代が捨て去ってしまったものも、同様に注目される。今回の新Sモデルでは、同社はついに拡張可能なストレージを放棄し、一時代の終わりを告げることになった(Zラインの動きを踏襲したものだ)。まあそれは理解できる。これらのデバイスは、128から512GBの容量で提供されている。大多数のユーザーにとって、microSDスロットは無駄なものだったのだ。確かに私が使う必要は一度もなかった。同社によれば「消費者が利用できるストレージの選択肢を広げてきたために、スマートフォンでのSDカードの利用が著しく落ち込んでいました」ということだ。

もちろん大きな内蔵メモリにはコストがかかる。とはいえ、大抵の場合、長年連れ添った差別化要素との別れはちょっぴり辛いものだ。同社はまた、ヘッドフォンと電源アダプタの同梱を止めたが、最近同じようなことをしてきたAppleを揶揄するいくつかの広告は削除している。ヘッドフォンジャックのときと同じだ。

画像クレジット:Brian Heater

同社は最近の声明の中で、持続可能性に関してAppleに似た説明を行った。「私たちは、より多くのGalaxyユーザーのみなさまが、すでにお持ちのアクセサリを再利用し、より良いリサイクル習慣を促進するために、日常生活の中で持続可能な選択をなさっていることに気がつきました」。この結果、箱の厚みはそれ以前のSラインのものと比べて半分近くになった。

前述したように、カメラはいくつかの重要な違いがあるが、これまでのものと極めてよく似ている。S20 Ultraは1億800万画素広角レンズ(f/1.8)、1200万画素超広角レンズ(f/2.2)、4800万画素(f/3.5)望遠(4倍ズーム)レンズを搭載していたが、一方S21 Ultraは1億800万画素広角レンズ(f/1.8)、1200万画素超広角レンズ(f/2.2)、1000万画素(f/2.4)望遠(3倍ズーム)レンズ、1000万画素(f/4.9)望遠(10倍ズーム)レンズを搭載している。最大の差別化ポイントはデュアル望遠レンズだ。

画像クレジット:Brian Heater

どれだけズームしたかによって、デバイスが望遠レンズを切り替えてくれる。このデバイスは10倍の望遠を必要とする距離では、多くの競合よりもはるかに良い仕事をしてくれるだろう。しかし、100倍までズームアップできる機能は、理屈の上ではすばらしいものだが、高い倍率では実際の画像は急速に劣化する。ある倍率以降に画像は印象派のスタイルをとり始めるが、これは大抵の場合特に役立つものではない。

もしSamsung(でも誰でも良い)が、そうしたノイズをちゃんとした画像に変換できるようなコードを書くことができたなら、それは真に画期的なことになるだろう。それでもZoom Lock(ズーム・ロック)機能は、ズーム中の手ブレを最小限に抑えるのに役立つ良い追加機能だ。画像を拡大するほど、偶発的な動きが急速に増える傾向があるからだ。Super Steady(スーパー・ステディ)機能も動画撮影用に改良されている。

ポートレートモードが改善された。複雑な形状では問題が発生する傾向があるものの、これはどんなものを使っていてもほぼ必ず遭遇する問題だ。Samsungは、異なるボケレベルから焦点の調整やその他の効果までを含んだ、たくさんのポートレート後編集機能を提供することで、そうした問題に対応しようとしている。カメラソフトの多くがそうであるように、遊べるポイントはたくさんある。

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  3. 3F9DFC3E-4574-4B6F-878F-81C3FE4DF6D0

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  5. 53041669-4F85-4FA5-89E7-198147D822BD

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その他の主要な追加機能としては、8Kビデオの1フレームから高解像度の画像を引き出すことができる、すてきな追加機能8Kスナップがある。正面と背面の撮影を同時に行うVlogger(ブロガー)モードもある。誰かがこれのためにソーシャルな利用法を見つけることは間違いないだろうが、少々ギミックな感じがする。まあ大部分のユーザーが存在を忘れてしまう機能だろう。オプションの追加は一般的には良いことだが、カメラのソフトウェアは、ナビゲートするためのメニューが膨大なものになってしまった。

ほとんどのユーザーは、すばやく写真や動画を撮影することを望んでいるのだと思う。S21の下位機種はその目的にはぴったりだ。そのハードウェアは、最小限の努力ですばらしいショットを撮らせてくれるくらいにはちゃんとしている。一方、サードパーティ製のアプリの力を借りることなく、ひたすら機能を掘り下げて、デバイス上で最高の画像を得ることを本当に追求したい人にはUltraがお勧めだ。このハイエンドデバイスは、手当り次第といってよいほどすべての選択肢を取り込んでいる。

画像クレジット:Brian Heater

S Pen機能の追加は、おそらくUltraが採用したものの中でも、最も注目すべき興味深いものだ。これは同社の2つのフラッグシップの間の境界線を、実質的に曖昧にしていく動きの中でも、最も目立つもののように思える。おそらくこの先Samsungは、次のNoteをさらに差別化するための動きをするか、あるいは単に時間をかけて両ラインを融合させようとするかのどちらかだろう。

もちろん、1つの大きな違いはある。S21にはペンスロットがないのだ。つまりそれが意味するのは、

  1. スタイラスは別売
  2. もしペンをなくしたくないと思っているのなら、S Penホルダーつきのケースを買う必要がある(当然別売だ)

ということだ。

画像クレジット:Brian Heater

たまたまNoteのS Penが手元にあったので使ってみたが、使用感はかなり滑らかだった。私自身はスタイラス派ではないことは、これまでも表明してきたが、Samsungは長年にわたるソフトウェアの改善に良い成果を積み上げてきた。S Penは、何世代にもわたってアップデートされてきたおかげで、驚くほど汎用性の高いツールとなっている。でも正直なところ、もしS Penが重要ならNoteを買うことをお勧めする。

各部品はSamsungのハイエンド機器に期待できるものとなっている。これには、新製品のSnapdragon 888(少なくとも一部の市場では提供)や、Ultraでは12GBまたは16GBのRAMと、128GB、256GBまたは512GBのストレージが提供されることも含まれている。バッテリーは2020年と変わらず5000mAhだ。5Gでリフレッシュレートが高いにもかかわらず、1回の充電で1日半以上の適度な使用を続けることができた。

結局、S21はS20に比べて大きく変化はしてはいない。どちらかといえばより洗練されたといったところだ。しかし、Samsungにとっては大きな変化を意味している。なにしろ今回の製品ライン全体を、これまでよりも200ドル(約2万1000円)安い価格で実現したのだ。S21は799ドル(約8万3000円)、S21+は999ドル(約10万4000円)、S21 Ultraは1199ドル(約12万4000円)からだ。どれも決して安いとはいえないものの、この200ドル(約2万1000円)の違いは、エントリーレベルの機種を買う際の衝撃を和らげるためにせよ、ハイエンド機種を選ぶ際の痛みを取り除くためにせよ、決して小さいものとはいえない。

これは、新型コロナウイルスの流行の中でさらに絶望的に落ち込んだ、ここ数年のスマホ販売の低迷を明らかに反映したものだ。企業がそうした課題をしっかりと受け止め、スマートフォンに1000ドル(約10万4000円)以上の費用を支払うことを気にかけて、単にフラッグシップの「lite(ライト)」バージョンを提供する以上のステップに踏み出す様子を見ることができたのは好ましい。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungGalaxyレビュー

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(翻訳:sako)

アップルが次期MacBook Airのさらなる薄型軽量化、MagSafe搭載を計画中と報道、2021年後半に登場か

Bloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、Apple(アップル)はMacBook Airの新バージョンを開発中で、M1チップを搭載し2020年末にアップデートされた現行製品よりも薄くて軽い、新しい本体デザインを採用するという。報道の情報源によると、早ければ製品は2021年後半か2022年にはリリースされる予定で、MagSafe充電(次期MacBook Proでも2021年中に復活すると噂されている)も採用される予定だ。

MagSafeは電力供給と充電機能を提供し、2つのUSB 4ポートが新しいMacBook Airのデータ転送に利用される。ディスプレイのサイズは現在の13インチのままだが、Appleは画面のエッジを囲むベゼルを狭くすることで、本体サイズを小さくすると伝えられている。

Appleは今後2年間で、独自のAppleシリコンプロセッサでMacの全ラインナップを刷新する計画を立てている。2020年末、M1チップを搭載した初のAppleシリコン搭載Macが発表され、Intel(インテル)製プロセッサを搭載した前モデルから性能が大幅に向上した。しかし物理的なデザインは基本的に旧モデルと変わらず、いつ本体デザインを変更したMacを発表するのかと噂になっていた。

また、AppleはMagSafe充電を採用した新しいMacBook Proの開発にも取り組んでいると報じられているが、これもBloombergによると、物議を醸しているTouch Barインターフェイスを捨てて、専用のSDカードスロットを復活させる可能性がある。これらの変更はすべて、Appleが2012年に最初のRetinaディスプレイを搭載したMacBook Proを導入したときに行ったデザイン変更を、元に戻すことになる。しかしそのデザイン変更は同社の愛好家やプロの顧客の一部から、不満の声が寄せられていた。

関連記事:MagSafeとAppleシリコン搭載の新MacBook Proを2021年後半に計画中か、Touch Bar廃止の可能性も

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleMacBook AirAppleシリコン

画像クレジット:Apple

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Googleの親会社Alphabetが成層圏気球によるインターネット接続プロジェクトLoonを閉鎖

Googleの親会社Alphabetが、巨大な気球を使って世界のへき地に高速なインターネット接続を提供するというアイデアの探求の、これ以上の継続を諦めた。

木曜日(米国時間1/21)の夜の同社の発表によると、今年で発足から9年目になり、独立の企業になってから2年半にもなるLoonプロジェクトを段階的に縮小しする。持続可能なビジネスモデルやパートナーが、見つからなかったからだ。

Loonの終焉は、Google Stationが終わってから1年後だ。それはインターネットを次の10億人のユーザーに提供しようとする、もうひとつの大きな接続努力だった。StationでGoogleは、インドの400以上の鉄道駅にインターネット接続を提供し、多くの国で行われている公共施設の無料Wi-Fiを真似ようとした。

しかしそれでも、今日のAlphabetの決断は意外だ。つい昨年Loonはケニア政府から承認され、商用の接続サービスを提供する初めての気球を上げることになった。数か月後に実際に行われた気球の浮上は成功し、このプロジェクトはうまく行っているという印象を与えた。

Loonは2019年にSoftBankの一部門から1億2500万ドルを調達し、そのWebサイトには、前からこんなミッション宣言がある: 「Loonは、まだ接続サービスのない、あるいはあっても十分でない世界中のコミュニティに接続を提供することにフォーカスしている。私たちは世界各地の通信企業や政府と協議してソリューションを提供し、十分な接続のない地域にインターネット接続を広げようとしている」。

インターネット接続の世界的大衆的提供という分野では最近、SpaceXAmazonへの関心が肥大しているので、Alphabetはその影響を受けたかもしれない。しかしSpaceX、Amazonの両社は将来、実現可能性に関わる難問にぶつかると言われている。

LoonのCEOであるAlastair Westgarth氏は、ブログでこう述べている: 「次の10億のユーザーを接続すると長年主張してきたが、しかし実際にLoonが追究していたのは、すべての接続技術の中でもっとも困難な問題だった。その難問とは、次の10億ではなく最後の10億のユーザーを接続することだ」。

「それらの地域では、到達の困難な、あるいは非常に遠すぎるところにコミュニティがあり、またそれらの地域は、既存の技術でサービスを提供することが現地の庶民にとって高価すぎる。これまで、多くの意欲的なパートナーを見つけたが、長期的で持続可能な事業を構築することのできる、十分にコストの低い方法は見つからなかった。ラジカルな新技術の開発は本質的にリスクを伴うが、しかしどんな新技術でも、このコストの問題の解決は容易ではない」。

このブログ記事は、Loonの接続への取り組みを成功と評価している: 「Loonのチームは、成層圏からの接続の提供に取り組む組織のエコシステムを活性化したことを誇らしく思っている。世界は、接続に関して層状のアプローチを必要としており、それは地上、成層圏、そして宇宙という複数の層である。そして各層が、問題の異なる部分に適している。この分野でLoonは、数多くの重要な技術的貢献をした」、とWestgarth氏は書いている。

次はどうなるか

別のブログ記事で同社は、ケニアで接続とインターネットと起業家精神と教育にフォーカスしている非営利団体と企業に1000万ドルの資金を提供した、と言っている

Alphabetにも、Loonの技術の一部を前進させ、このムーンショット・アイデアから学んだことを共有するる計画がある。

さらに同社によると、「Loonの技術の一部は、すでにProject Taaraに生きている。たとえば高帯域(20Gbps+)の光通信リンクで、それは最初、成層圏内を動き回る気球間に接続を張るために使われた。このチームは現在、アフリカのサハラ以南のパートナーと協力して、未接続および粗悪な接続のコミュニティに低費用の高速インターネットを、ケニアを起点として導入していこうとしている」、という。

最近ではGoogleやFacebookなど数多くの企業が、彼らの接続努力のいくつかを目に見えて規模縮小している。彼らのターゲットだったインドなど多くの途上国が、インターネットの問題を自力で解決しようとし始めているからだ。

また最近明らかになってきたのは、何億もの見込みユーザーたちにインターネットアクセスを補助金で提供していくことは、顧客を獲得する方法としてあまり持続可能性がない、ということだ。

画像クレジット: Project Loon

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa