セキュアなメッセージングアプリTelegramがWhatsAppの買収後に800万のダウンロードを達成

App Storeはむら気なお友だちだ。それは王を任命する最高聖職者だが、その足元は、差別されのけ者にされ無視された者たちの涙で濡れている。

その気まぐれの好例がFlappy Birdの一件だ。このゲームアプリは無料アプリの首位をあまりに長く独占したため、その成功を自分で制御できなくなり、最後はセップク(切腹)して果てた。するとただちにクローンが3つ登場してその座を奪った。Miley Cyrusテーマの“Flying Cyrus”も、その一つだ。

世界最大のメッセージングアプリが2月19日に世界最大のソーシャルネットワークに買収された、というWhatsAppのニュースも、App Storeの新しいスターを生んだ。Telegramという、これまで騒がれたことのないメッセージングアプリが、Facebookの買い物ニュースのわずか5日後にApp StoreのランクでWhatsAppを抜いた。TigerTextやConfideなど、そのほかのメッセージングアプリも、やはり上昇した。

誰もが、この大量移動をFacebookに対する不信のせいにするだろう。Facebookのモバイルアプリはあまり人気がなく、TelegramやWhatsApp、あるいはSnapchatよりも順位が下だ。また、AppleやFacebookなどの大企業がNSAのユーザデータ調査に協力していたというEdward Snowdenの暴露以来、大きなプラットホーム全般に対する不信もある。

Telegramを作ったPavel Durovは、ロシアでFacebookと競合するVKontakteのファウンダだが、NSAにも読まれない、世界でもっとも安全なメッセージングアプリを目指している。先週のWhatsApp爆弾が落ちる前は、一日のダウンロード数30万から40万というペースで成長していた、とDurovは言う。

しかしそのニュースの後には、iOSとAndroidとWindows合わせて一日のダウンロード数がほぼ3倍増し、80万から100万になった。WhatsAppがダウンした日には、新規ユーザが180万増えた。昨日((米国時間2/23)のユーザ増加数は490万で、一挙にiOSアプリの4位にのし上がった。ちなみに1位から3位までは、Flappy Birdの亜流のようなアプリだ。


“Telegramを立ち上げた最大の理由は、ロシアのセキュリティ当局にアクセスされないコミュニケーション手段を作ることだった。その話なら、何時間でもできるよ”、とDurovは言う。Hacker Newsが何と言おうと、このアプリの暗号化システムは世界一最優秀だ、と彼は主張する。

Secretなどと同じく、ユーザの信頼が存立基盤である、まだ自己資本のみのTelegramは、ハッキングに成功した人には20万ドルの賞金を進呈すると公言している。“それはまだ誰も獲得していないが、12月には深刻な問題を見つけてくれたロシア人に10万ドル進呈した”、とDurovは言っている。

Telegramのいちばんクールな特徴は、Snapchatの写真のようにメッセージングの‘期限’を設定できることだ。この、つかの間チャット、短命チャットを利用するには、ユーザのアバターをクリックしたら出るメニューで “Secret Chat”をセレクトする。メッセージングの消滅時限を設定するには、同じくアバターをクリックして、2秒から1週間までのあいだでメッセージの存在期間を指定する。そうすると、チャットは自動的に蒸発して消える。

このところの急激なユーザ数の伸びに対して、ファウンダが平然とした顔をしているのもクールだね。3つのFlappy Birdクローンを全部抜くにはどうやるか?という本誌の質問に彼は、ジョークで答えた: “鳥たちをやっつけたくはないね。ぼくはベジタリアンだから”。

情報開示:私はFacebookの株を保有している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


開発者向けカード決済サービス「WebPay」運営元が1.1億円のシード資金調達

ウェブペイ・ホールディングスは25日、新株予約権付転換社債によるシードラウンドを実施し、サイバーエージェント・ベンチャーズを含む3社より、1億1000万円を調達したことを明らかにした。同社はウェブサイトやモバイルアプリにクレジットカード決済機能を組み込める開発者向けサービス「WebPay」を運営するウェブペイの純粋持株会社。調達資金は主としてエンジニアを含む採用に使う。

WebPayは2013年6月に正式サービスを開始。わずか数時間で組み込めるほど簡単に使えるというAPIを提供し、最短3営業日で審査が完了する体制を構築。カード情報を加盟店側で処理・伝送・保存しないのも特徴だ。これまでカード決済機能を導入するには、各決済サービスの独自で複雑なAPIを利用する必要があり、書類審査で何週間も待たなければならなかったという。

この分野にはヤフーが2014年春、「Yahoo!ウォレットFastPay」というサービスで参入することも発表済み。内容はWebPayと類似していて、ウェブペイ代表取締役CEOの久保渓氏は、「WebPayとYahoo!ウォレットFastPayは競合です!歓迎します!徹底抗戦します!」と題するブログエントリを投稿している。Yahoo!ウォレットFastPayもWebPayと同様、急成長するスタートアップ向けカード決済サービスという位置付けでユーザー獲得を目論んでいるようだ。


@facebook.comアドレスの忌まわしい遺産: iOSコンタクトシンクに残る毒

Facebookはこのほど@facebook.comのメールアドレスを無効にしたが、でもその、今や使えないアドレスは、世界中でiOSのアドレス帳(コンタクト)に載っている。ご存知のようにiOS6とそのFacebookコンタクトシンク機能が登場する直前に、Facebookは誰もが友だちと共有しているユーザの本当のアドレスを強制的に隠した。そこでiOS 6がシンクするのも、残された@facebook.comのアドレスだけになってしまった。

2012年6月のそのときにぼくはこれをナンセンスな愚行と呼び、Facebookがユーザの許可を得ずに行ったアドレスの可視性の変更を元に戻すよう求めた。ユーザが自分の意思で@facebook.comのアドレスを共有することを選び、メールが自分のFacebook MessagesのInboxへ行くのならよろしい。しかしFacebookがユーザとメールアドレスを争いたいのなら、それをユーザを無視して強権的に行うのは許されない。

ユーザのメールアドレスに競合他社のGoogleやYahooやMicrosoftの名前があるからといって、それをユーザに無断で勝手に隠してしまうのは、あきらかに不正行為だ。某情報筋は、@facebook.comをiOS 6に焼き込む条件としてAppleはFacebookに、ユーザのGmailアドレスを隠せと圧力をかけたようだ、とすら言っている。

理由が何であれ、それはユーザに対する背信行為だった。

そして、それは失敗した。誰も、@facebook.comのメールアドレスを使わなかった。Facebookはユーザに、個人的なメールを読む場所を作ってあげたつもりだった。コミュニケーションシステムを統合して、チャットとメッセージとメールを総合化したつもりでいた。でも、最後の牛一頭(メール)は、Facebookが作った人為的な柵(さく)に入ることを嫌がった。

そこで今日(米国時間2/24)同社は、@facebook.comのメールアドレスのための墓を堀り始めた。同社は本誌への説明で、“ほとんどの人が自分のFacebookのメールアドレスを使っていないし、今後はユーザのモバイルメッセージング体験の改善に集中したいから”、今回の変更を行った、と述べている。今後ユーザのFacebookアドレスに送られてきたメッセージは、そのユーザのメインのメールアカウントへ転送される。

いろいろ調べると、この転送を無効にする方法はある。でもそれをしない場合は、自分のFacebookプロフィールのURL中にあるユーザ名を@faceboook.comの前にくっつけたメールアドレスに来たメールは、そのユーザの本当の(本来の)メールアドレスに行ってしまう。Facebookは、明らかにスパムと分かるメールは転送しない、と約束しているが、でもユーザのFacebook Messagesの “Other Inbox”に入ってしまう知らない人からのpingなどは、そのままユーザのメインのメールアドレスに行ってしまう。げぇっ!!

Facebookのメール支配の試みは挫折したが、その死臭はもうしばらく残るだろう。Facebookは、ユーザのプロフィール中の可視性の設定はいっさい変えないし、iOSのコンタクトのシンクも変えない、と言った。ということは、ユーザの本当の個人的メールアドレスは、友だちから見ると依然として隠されたままだろう。一方iOSのアドレス帳には、シンクされたFacebookプロフィールと@facebook.comのアドレスが山のように残る。彼らの本来のメインのメールアドレスに、自動的に変わるわけでなない。

今回の愚行に懲りたFacebookが、今後ユーザプロフィールの重要な部分を勝手に変えないようになることを、祈りたい。もちろんWhatsAppのように、買収によって得たユーザに関しても、だ。Facebookはユーザのメールアカウントに請求書やレシートやマーケティングスパムが殺到しないように、親切のつもりで@faceboook.comを考えたのかもしれないが、でもその権力を濫用して、越えてはならない一線を越えてしまった。ユーザのコンタクトブック(アドレス帳)には、その傷跡が残る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Samsung、Tizen OSを搭載したスマートウォッチのGalaxy Gear 2を発表。4月より発売開始予定

既にご存知のこととは思うが、SamsungがスマートウォッチのGalaxy Gear 2を発表した。Tizen OSを搭載し、バッテリーは最大で3日間もつのだそうだ。各種アプリケーションが登場してくる予定なのだとのこと。Galaxy Gear 2とGear 2 Neoの2モデルが用意され、後者にはカメラが搭載されない。出荷は4月を予定しているそうだ。

Tizen OSとは比較的新しいモバイルOSで、SamsungはNX300mカメラで最初に使っている。このOSを利用することで「より豊かなアプリケーションエコシステムを構築できる」とSamsungは主張している。スマートウォッチのデバイス面を言うと、1.63インチのタッチスクリーンを備え、プロセッサは1GHzで動作する。内部記憶域は4GBとなっているようだ。ちなみにこのデバイス、他のSamsungスマートフォンと連携して動作するようになっているとのこと。iOSユーザーにとっては選択肢となり得ないということなのかもしれない。

Tizenの話に戻すと、これはSamsungも主導するオープンソースでマルチデバイスをサポートするものだ。車載エンタテインメントユニット、スマートテレビなど、日常モバイルデバイス上での普及も狙っている。ウェブAPIも用意して、開発の容易性を担保しようともしている。マルチデバイスでの動作戦略の一環として、スマートウォッチにての採用となったわけだ。

4月に出荷予定ということだけが発表され、価格についてはまだ発表されていない。Engadgetにもう少し詳しい記事も出ているようだ。

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(翻訳:Maeda, H


@facebook.comメールアドレスの終焉(おそらく何も変わらない)

Facebookは、@facebook.comメールプロジェクトに引導を渡した。これはあなたの生活がおそらく以前と全く変わらないことを意味している。念のため申し上げておくと、私へのメールを darrell.etherington@facebook.com 宛に送らないでほしい。返事が欲しくない場合を除き。もっともこの発表以前にも全く同じことが起きていたと思う。

facebook.comメールを捨てる理由は極めて明快だ。使う人が殆どいないから、とFacebookは言っている。使っていたわずかな人たちのために、システム変更が実施される3月以降、Facebookメール宛に送られたメールは、自動的に登録メールアドレスに転送される。これはデフォルト設定なので、もし持っていることさえ忘れているアドレス宛のメールを読みたくなければ、Facebookの設定で転送をオフにすることもできる。

これは、Facebookが2012に起こした行動と正反対だ。彼らは、当時最新だったiOS 6の連絡先同期機能の下では、Facebookメール以外の全アドレスを非表示にした。その結果多くの人々が、手動で設定を変更しなければならなかった。今回の変更によって、これまで気付かずにいたメールの嵐が決して来ることのないようにするために、手動操作が必要になるのと同じように。

これが一般ユーザーにとって悪い結果を招くことはまずないだろうが、結構喜んでいる人はいるかもしれない。聞くところによると、一部のFacebook社員は2010年の変更の際、一般ユーザーに解放するために自分の@facebook.comアドレスを明け渡さなくてはならなかったらしい。よって、今回めでたくアドレスが戻ってくるスタッフがいるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


汝のセルフィーを知るべし

【抄訳】

怒っているとき、うれしいとき、恋人の目を見つめているとき、自分がどんな顔をしてるか、ご存知かな? ロンドンのUniversity Collegeの神経科学の先生Dr. James Kilnerは、ほとんどの人が自分の顔を知らない、と言う。

Kilnerによると、一日の中で、多くの時間、ほとんどの人が自分が今どんな顔をしてるか知らないが、それにもかかわらず、実際よりも魅力的で若い顔をしていると信じている人が多い。おや、まあ、そうなの!

でもKilnerの研究によると、意外にも、自分のスマートフォンのフロントカメラの前では、良い表情になることが多いのだそうだ。

彼の研究によると、このところセルフィー(selfy, 自分で自分を撮った写真)がますます氾濫しているのは、自分が自分に関して抱いている、自分は魅力的だというイメージと、自分の写真とを、マッチさせたいと努力するためだ、という。彼が行った実験では、被験者たちにさまざまなセルフィーを見せる。より魅力的に見えるように編集されている写真もあれば、あまり魅力的でない写真もある。そして、元の(編集前の)写真を選べと被験者たちに求めると、ほとんどの人が、編集されてより魅力的になった写真を選ぶ。

空前のセルフィーブーム

携帯やスマートフォン、そしてそれに付随しているサービスやアプリが、安易にセルフィーをそそのかす。最近では、フロントカメラのない新製品の携帯はたぶん存在しない。Instagramには撮った写真を美化したり歪めたりするアプリが付いている。このようなフィルタアプリは、TwitterにもViberにも、そのほかのサービスにも付いている。瞬間写真を撮って送るSnapchatは、日常生活の中のリアルで生き生きした表情をとらえる。もちろん、本格的にPhotoshopを使う手もある。

人間には本来、自分を知りたいという欲求があることに加え、上記のような‘安易に使えるフロントカメラ’がセルフィーブームに大きく貢献している。

今や、誰も彼もがセルフィーを撮る。Obama大統領もセルフィーを撮る。Justin Bieberは自分のことをセルフィーの王様と称している。Tom Hanksは、こんなセルフィーを公開した。MerylとHilary(ヒラリー・クリントン)も。そしてTyra Banksも。こんな笑えるのも。

Instagramには、#selfieタグの付いた写真が7200万点もあり、このブームをねらったビジネス生まれている。セルフィーの流行でティーンたちのヘアにシラミが大量発生しているという説もある。

人類の歴史上初めて、われわれは自分の顔をとらえ、美化し、自分の外見を好きなようにコントロールしてお互いにコミュニケーションできる時代が訪れている。

しかも、それはもはや、単なるティーンたちの流行現象ではなく、哲学や心理学の話題にもなっているのだ。


【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


WinZip、ZipShareでクラウドに参入。あらゆるストレージのファイルを圧縮、管理、共有できる

WinZipは、90年代初期に公開されたファイル圧縮ツールだが、今でも年間3000万回以上ダウンロードされている。今日そのWinZipがクラウドに参入した。同社は、ZipShareという、ファイルのZip、管理、暗号化、および共有サービスをスタートし、主要なファイルホスティング・プラットフォームとも連携する。

現在ZipShareは、ファイルの圧縮と共有を、ユーザーのパソコンからだけでなく、Box、Dropbox、Google Drive、OneDrive、SugarSync、HighTail、CloudMe等からも行うことが可能で、他のプラットフォームも追加予定だ。しかし、ZipShareが面白いのはそのファイル管理機能だ。

はっきりさせておくと、ZipShareは自身で新たなクラウドストレージ・サービスになろうとはしていない。むしろ同社のねらいは、多くのユーザーがファイルの作成、保存、共有のすべてをオンラインで完結させている今日の世界で、WinZipのテクノロジーをより重要な位置付けにすることにある。、

もちろんWinZipは以前からクラウドが自社ビジネスに与える影響を認識している。WinZip バージョン17を2012年10月に公開した時、Dropbox、Google Drive、Microsoft SkyDriveをはじめとするクラウドサービスを追加サポートした。しかし、レビュー結果は、あまり芳しいものではなかった

WinZipは、モバイルアプリでも少ないながらクラウドサービスを統合してきたが、これも対象ファイルホスティングサイトの拡大と共に変わっていくだろう。

しかし、これまで同社のソフトウェアはそれぞれのバージョンが特定の環境でのみ動作していた。WinZipの製品担当ディレクター、Jacques Lamontagneがこう言っている。「われわれは、プラットフォーム無依存の製品を作りかった。そのためにはウェブアプリを作る必要があった」。さらに彼は、同社が圧縮機能以上に、WinZipの共有機能により重点を置きたかったことも説明した。

つまり、ZipShareにファイルをアップロードする際、ユーザーはファイルの最終目的地としてどのクラウドストレージを使うかを指定できる。ファイルはアップロードの最中にZip圧縮されながら、ユーザーお気に入りのサービスに保存され、オプションでパスワード保護を追加することもできる。これによって、ストレージサイトが既に保護機能を導入している場合にも、第2のセキュリティー層として働き(AES-256暗号を使用)、侵入に対してファイルがより安全になる。

アップロードが完了すると、そのzipファイルをメールまたはfacebook、Twitter、LinkedInなどのソーシャルネットワークでシェアすることができる。ZipShareは受け手にURLを発行し、それをクリックすればzipファイルをダウンロードできる。同サービスはファイルのダウンロードも追跡するので、送り手はファイルがアクセスされたかどうか知ることができる。

こうして、ウェブ、デスクトップ、モバイルいずれからもファイルをすばやくアップロード、zip圧縮できることに加え、ZipShareの “My Files” セクションを使えば、ユーザーの好きなクラウドサービスを横断してファイルを管理できる。つまり、ZipShareを使って、異なるファイルホスティングサイト間でファイルを移動したり、クラウド上のファイルを削除、zip、unzipしたりできる。

クラウドに保存したファイルをzipできる機能は、ストレージサービスの容量を最大限に活用したいユーザーにとっては朗報だ。「(各社が提供する無料ストレージを)合計すれば、空き容量は40~50GBになる。無料ユーザーはそれが一杯になるまで使い続けられる」とLamontangeは言った。

現在サービスはベータ版で、モバイル版の最適化を完成させている段階だ。今春中に正式スタートの予定。

ベータ期間中は、共有、追跡、暗号化、ファイル管理の全機能が提供されているが、正式提供後は基本的ファイル共有のみ無料で利用てきる。WinZipはプロバージョンを年間39.95ドルで提供する計画だが、今後変わる可能性があるとのこと。他に9.95/月のビジネスモデルも検討中で、1社あるいは複数のクラウドストレージ会社との提携も視野に入れている。

興味のあるユーザーは、ここでサインアップできる。

写真提供:Flickr user theaucitron under a CC by-SA 2.0 license

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Dropbox、新たに3.5億ドルを調達。評価額は100億ドル

Dropboxが追加ラウンドで多額の資金調達を済ませていたという先月来の報道は、規制当局への提出資料によって確認されたようだ。

去る1月Wall Street Journalは、クラウドストレージ&共有サービス会社が2.5億ドルの追加資金を評価額100億ドルで調達したと報じた。そして2月には、この数字を3.5億ドルに修正し(評価額は変わらず)、出資者はBlackRock、T.Rowe Price、およびMorgan Stanleyであるとした。しかし、Dropboxは報道内容を認めなかった。

提出資料によると、ラウンドの金額は最大4.5億ドルで、これまでに3.25億ドルが調達済みだ。おそらく3.5億ドルというのが正しい数字のようで、Fortuneもそう聞いている

Dropboxはそれ以前、2.5億ドルをわずかに越える額を調達している。本誌は同社に問い合わせ中なので、情報が入り次第続報する。

ところで、Dropbox共同ファウンダーのDrew HoustonとArash Ferdowsiは、今年のCrunchiesで年間最優秀ファウンダーを受賞し、プレゼンターは私とInstagram共同ファウンダーのKevin Systromだった(上の写真からは私を切り取ってある。何だか妙な気分なので)。

アップデート:3.5億ドルで間違いなかった。この資金調達に詳しい筋が確認した。Dropboxは事実この金額でシリーズCラウンドを完了し、出資元は既存投資家および主要投資信託で評価額は100億ドルだった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Googleのプロジェクト・タンゴでモバイル・デバイスは新しい競争の時代へ―カギはコンテキスト認識

スマートフォンのあの薄い筐体には数々のセンサーが内蔵されている。しかし先週、GoogleのAdvanced Technology And Projects (ATAP)グループが発表したタンゴ・プロジェクトのおかげで、次世代のスマートフォンは新たなパワーを獲得することになるだろう。つまりビジュアルな空間認識能力だ。スマートフォンは単にカメラで画像を記録するだけでなく、周囲を3D空間として理解することができるようになる。

これがSF的に聞こえるのも当然だ。たとえば映画her/世界でひとつの彼女に登場するAIアシスタントがおそろしく人間的なのは、それがユーザーの置かれている空間を正しいコンテキストで認識できる能力のせいだ。Googleの新しいプロトタイプ・ハードウェア・デベロッパー・キットではMyriad 1 Movidius Vision Processorプラットフォームが利用されており、チームの技術責任者のJohnny Leeによれば、まさに<em>her</em>のような空間理解能力をモバイルデバイスに与えることが目的だという。

しかし単なる新しいカメラではない

プロジェクト・タンゴのカメラとセンサーは単なる新しいハードウェアでない。それはいわば人間の大脳皮質の視覚野に相当する。 またカメラによる認識は次世代スマートフォンでもっとも激しい競争が起きている分野でもある。たとえばAppleにはM7モーション・プロセッサーがある。また撮影後に焦点を変化させることができるカメラも開発されている。

しかし今回Googleが発表したタンゴの影響範囲はこれらとは比較にならないくらい広い。コンピュータ・ビジョンはこれまで学術的にも産業的にも広く研究されてきた。しかしGoogleがパートナーと共に開発したシステムは必要なときにいちいち起動されるのではなく、低消費電力によって常時作動させること可能にしている点が画期的だ。

ユーザーの命令をコンテキストで理解する

では、タンゴはユーザー体験という面では何をもたらすのだろうか? もちろんあらゆる面で非常に大きな変化が予想されるが、現在はまずデベロッパーにこのテクノロジーの利用のアイディアをできるだけたくさん出してもらうという点にGooogleは力を入れている。したがって具体的な応用例を挙げるには早過ぎるわけだが、一つだけ確実なことがある。コンテキストがカギになるという点だ。

Google Nowはモバイル・デバイスがユーザーの置かれたコンテキストを十分に理解できるようになった場合に何ができるかを知るヒントになる。時刻、場所、メール、カレンダー、その他の情報を総合すると、ユーザーが今必要としている情報が何であるかをかなりの精度で推測できるする。われわれの言うコンテキストとはそれぞれのユーザーの所与の環境に関する情報を総合した知識だ。しかし前述のように、現在のモバイル・デバイスの環境認識の能力には大きな制約がある。いわば密室の壁に開けられた小さな穴を通して断続的に映るぼんやりした像を眺めているようなものだ。

バーチャル・パーソナルアシスタントが有効に機能するためにはユーザーの置かれたコンテキストについてのもっと明確な理解が必要だ。たとえばユーザーがバス停の前のカフェで仕事の相手と握手し、カバンを床に置いてコーヒーを注文したとしよう。このコンテキストではバスの到着時間よりも、この時刻に予定されているミーティングに関するメールその他の資料を用意する方が適切だ。

しかしバーチャル・アシスタントというのは視覚的理解が必要な数多くの分野の分かりやすい一例にすぎない。スマートフォンが自らの位置を知り、近傍に何があり、どんな動作が行われているかを理解する能力を備えれば、驚くべき応用が広がる。バーチャル世界と現実世界のハイブリッド型のゲーム、付近いいるユーザーの位置、動作、性別などを理解してマルチメディア広告を表示するディスプレイ、コンテキスト情報に応じて刻々と設定を変化させるモバイルデバイスなどが実現するだろう。

最後の例に関してはFirefoxやGoogleがすでにコンテキスト・ランチャーという形でメインストリームへの導入を図っていることを私は指摘している。ただし、現在は、スマートフォンのコンテキスト認識能力が低すぎることがハードルとなっている。デバイスが外界を正しく認識できるようになれば、劇場や公共交通機関の中では自動的にマナーモードになり、ユーザーがその時点でもっとも必要としそうなアプリを選んで常に待機させるようなことができるだろう。

しかしなんらかの意味でデータの蓄積と組織化が関連してくるのでなければGoogleがわざわざこういうことを始めるわけがない。ユーザーがどこへでも持ち歩くデバイスから刻々とアップロードされてくるコンテキスト・データはデバイスと同時に、Google自身の世界を認識する能力も圧倒的に強化するものとなる。

Googleの全ビジネスはユーザーに関する知識をベースとしている。ユーザーが知りたがっている情報を提供することでGoogleのビジネスは成り立っている。検索エンジンに特定のフレーズを入力することは、つまりユーザーがそのフレーズに関連する事項に興味を抱いている確実なサインだということを発見したことが検索連動広告を生んだ。後知恵で見れば当たり前に思えるが、当時はこの発見がまさに雷電のように全検索業界を震撼させ、Googleの巨大化への道を開いたのだった。

Googleがムーンショット(月ロケット)と称する野心的なプロジェクトも、実はすべて最終的には一般ユーザーを対象とする巨大ビジネスへの成長の可能性が考慮されている。プロジェクト・タンゴも例外ではない。一般ユーザーまったく気付かない段階で新たなテクノロジーがどのような需要とビジネスを生むかを大胆に予測しているわけだ。コンテキストを認識するスマートフォンもその一例であり、ビジネスの観点からいえば、消費者が持ち歩くスマートフォンの1台ずつに熟練したマーケティング・コンサルタントを忍び込まされるようなものといえるだろう。

最近のテクノロジーの発達に共通することだが、タンゴもユーザーの個人情報をより詳しく収集する見返りにより便利なサービスを提供するという仕組みだ。ひとたびその利便性が明らかになれば、多くの消費者はプライバシー上の譲歩を喜んで受け入れるだろうというのが私の予測だ。

Googleだけではない

モバイル・デバイスのコンテキスト認識能力の向上に取り組んでいるにはGoogleだけでない。昨年、AppleがPrimeSenseを買収したのも、動作の認識など3Dマッピンの能力を強化するためだったし、 Qualcomも同様の理由でGestureTekを2011年に買収している。

位置情報ベースのサービスも当初はSF的と思われたが、今では当たり前になっている。コンテキスト認識も明日のスマートフォンではないのが不思議になるだろう。空間的コンテキスト認識能力を応用した新たなソフトウェアの可能性を探るためににデベロッパーに現実の開発環境を提供し始めたのはたしかにGoogleが最初だが、他のプレイヤーも続々と後に続くだろう。その競争はすぐに始まり、また激烈なものになるだろう。

画像 Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Samsung Galaxy S5の詳細―防塵防水、心拍計、指紋スキャナ、4Kビデオカメラなど新機能多数

SamsungのGalaxy S5がはされた。5.1インチ、1920×1080ディスプレイを備えサイズはファブレットのジャンルに近いた。ホームボタン上に指紋センサー、裏側のフラッシュの近くに心拍モニターがあり、おそらくこれがもっとも実用的に効果が大きい改良点だろうが、防塵防水仕様〔IP67準拠・訳注参照〕となった。

このAndroid 4.4 Kitkat搭載フラグシップモデルは筐体デザインの面では現行モデルをほぼ踏襲している。やや大きなスクリーンを収容するために若干サイズが増加しているが、依然プラスティックのボディーだ(金属採用の高級版も存在する)。指紋スキャナー、心拍モニターはハードウェア上の大きな新機能だ。Galaxy S5はヘルスとフィットネスに大きな重点を置いているようだ。AppleのiOSの次世代版もこの方向だと噂されている。またS5ではカメラの能力も大きくアップした。


心拍モニター

alaxy S5では、モニターで計測した心拍情報をSamsungのフィットネス・アプリS Health 3.0に転送する。このアプリは歩数と消費カロリーのモニターもできる。また指先に取り付ける光学式心拍モニターも今回同時に発表されたSamsung Galaxy Gear 2スマートウォッチに用意されている。

指紋スワイプで支払い

もう一つの重要な新機能は指紋スキャナーだ。またしてもSamsungがAppleをコピーしたと非難する声も出そうだが、このスキャナーはiPhone 5のものとはまったく異なる。3種類の指紋を登録することができ、登録には8回のスワイプが必要だ(Appleのスキャナが指を押し付ける方式なのと異なり、Galaxy S5のものは指をボタンの上で滑らせるタイプ)。指紋認証は画面ロックの解除はもちろん、PayPalでのオンライン支払にも使える。

指紋認証でPayPalが利用できるということはオンラインでの購入だけでなく、リアル店舗での支払にも使えるということだ。Samsungはモバイル支払サービスを大幅な拡大できる可能性がある。もちろんそのためには使いやすいサービスの構築が必要だし、偽造その他の不正に対する耐性が十分かどうか検証されねばならないだろう。

またスワイプによる指紋認証でプライベート・モードを起動することができる。Galaxy Sのプライベート・モードでは、自分専用のファイル、フォルダーにアクセスできる。子供や他人に見せたくないコンテンツをモバイル・デバイスに保存しておけるようになったのはたいへん便利だ。

4Kビデオ、撮影後に焦点変更可能

カメラにも大幅な改良が加えられた。リアカメラは1600万画素で動画の録画解像度は4K対応だ(デバイスに搭載されているディスプレイは1080pなので解像度としては約4分の1)。Galaxy S5は最初の4Kビデオカメラ搭載モデルではないが、少数のアーリーアダプターの一つであることは間違いない。4Kテレビが普及期を迎えており、4Kコンテンツへの消費者の需要が高まっている現在、これは大きなセールスポイントになる。この調子だとホームビデオの画質が放送番組の画質を上回ることになりそうだ。

新カメラにはiPhone 5のようなスローモーションが備えられた。また高価でかさばるLytroのような撮影後に焦点を変更する新機能が追加された。モバイル撮影マニアを大いに喜ばせそうだ。撮影後後の焦点変更も今年の新機種のトレンドになりそうだが、メジャーブランドとしてはSamsungが一番乗りしたことになる。

オートフォーカスは高級デジタル一眼で標準となっているコントラスト検出と位相差検出の双方を用いるハイブリッド方式になった。Samsungによれば、合焦にわずか0.3秒しかかからず、スマートフォンのカメラとして過去最速だという

その他の仕様

その他S5のmicroSDスロットは、最新の128GBのSDカードをサポートする。またLTEとWi-Fiの双方を利用して高速でダウンロードができるダウンロード・ブースターも搭載された。

2.5GHzのSnapdragon 800、クオドコア・プロセッサー、2GBのRAM、NFC、LTE、Bluetooth 4.0、16GBまたは32GBのストレージなどは標準的だ。その他画面表示をモノクロにする省電力モードが用意されているのが面白い。4月11日に世界150か国で同時発売を予定しているという。

〔訳注:IP67とは国際規格で防塵6等級、防水7等級を意味する。防水能力としてJIS規格7等級相当となる。日本では通常「完全防水」と表示される。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ミクシィ新規事業がまた1つ消える、写真共有サービス「プランナー」が3月末終了


ミクシィは24日、写真共有サービス「Plannah(プランナー)」を3月31日に終了すると発表した。プランナーは、スマートフォンで撮影した写真を指定したメンバーとだけ共有できるアプリ。サービス終了の理由についてミクシィは、「想定していた利用者数を下回って推移したため」と説明。現状の利用状況は明らかにしていない。すでにアップロードした写真は別途、メールにてバックアップの方法を案内するそうだ。

プランナーは、新規事業創出を目的とした社内部署「イノベーションセンター」から生まれた第4弾サービス。先日社長退任を発表した朝倉祐介氏が立ち上げた部署で、これまでに4つのサービスがリリースされている。ミクシィによれば、世界93カ国で利用されているという、アプリのテスト配布サービス「DeployGate」や、法人化したフォトブックサービスの「ノハナ」は好調だが、女性を対象とした定期購入型ファッションEC「プティジュテ」は2013年1月に終了している。

2月13日の決算説明会では、スマホ向けゲーム「モンスターストライク」のヒットや、M&Aで取得した結婚支援事業が好調に推移したことを受け、16億円の赤字を見込んでいた2014年3月期の業績予想を、2億円の黒字に上方修正したミクシィ。会見で朝倉氏は、社長就任時の心境を「ノーアウト満塁からマウンドに行ってこいと言われた感じ」と表現するとともに、自らの実績については「ピッチャーとしての責任はまっとうできた」と評価していた。ひるがえってイノベーションセンターの実績を野球に例えると「4打数2安打」。5割は高打率と言えるかもしれないが、現状ではゲームほど業績に好影響をもたらしているわけではないようだ。


【気になるIT書籍】「ルールを変える思考法」 川上量生著

編集部:TechCrunch Japanでは新たに、本の要約サイト「flier(フライヤー)」と共同で選書したIT・テクノロジー関連書籍の要約を紹介するコーナーを設けることとした。コンテンツは後日、フライヤーで公開される内容の一部である。

タイトル ルールを変える思考法
著者 川上量生
ページ数 236
出版社 KADOKAWA(角川EPUB選書)
価格 1470円(税込)

本書の推奨ポイント

ゲーム好きに朗報がある。本書の著者、ドワンゴ代表の川上氏によれば、ゲーマーには仕事ができる人が多いらしい。

背景にあるのは、ゲームで培うことができる思考力は、ビジネスでも通じることが多いという考えである。「ゲーム」と言っても、スマホやテレビで遊ぶゲームだけではない。もっと広義の意味での「ゲーム」、すなわちトランプなどのカードゲームや、モノポリーなどのボードゲーム、缶けりや鬼ごっこなども含まれる。川上氏はコンピューターゲームよりも、非電源型のゲームを好んでいたようだ。

ゲームを通じて身に付けることができる思考力とは、一体どのような能力なのか。川上氏はそれを「自分が有利なルールを考え、実現する能力」であると語る。それは幼少期に鬼ごっこに少し変わったルール(自分が有利になると思うルール)を加えることで、自分を勝者に導いた経験に似ている。こうした「ルールを変える思考法」はゲームだけでなく、現実のビジネスにも役立つものなのである。

ドワンゴは、『ニコニコ動画』という大人気サイトを運営しているが、このサイトの存在意義を一言で語るのは難しい。しかし川上氏が本書で述べるように、ビジネスもニコニコ動画も一種のゲームであると認識すれば、このサイトを運営する意味に気づくことができるだろう。本書ではニコニコ動画がどのような経緯で生まれ、なぜ成功したのか、「ルールを変える思考法」に基づきその実情が語られている。

本書の重要ポイント

  • ゲームと同様にビジネスにおいても、勝つためには緻密な「ルールの検証」が欠かせない。古くからの業界慣習など、時代が移り変わったことによって本来「変えた方がいいルール」を見つけ出すことができれば、そこにチャンスがある。
  • 勝つためには、「最終的にどうなるか」というイメージをはじめに持つことと、「自分の武器になるものはなんなのか」を考えることが重要である。
  • サービスの独自性は、「きちんと説明できないのだけれども、正しいと自分が思うこと」という感性のレベルまでいけば、競合と争う可能性はかなり減る。それは、人間が理解できるかできないかのギリギリのところに存在し、ヒット作はそうした感性の領域から生まれるものである。

本書の必読ポイント
自分の武器になるものを探し、はっきりと打ち出せ

ビジネスにおいても、川上氏の戦い方はゲームと似ている。その戦い方とは、「最終的にどうなるか」というイメージをはじめに持つようにして、そこから逆算するようにそこまでのプロセスを考えていくことだ。最初に立てたイメージは、時間の経過・環境の変化とともに現実との誤差が生まれてきても、大枠ではそれほど変わるものではない。

ただ、ニコニコ動画に関してだけは、少し違ったという。ニコニコ動画は、結果的に「動画」で勝負することになったものの、最初の段階では「生放送のサービスをやりたい」と考えてスタートした企画だった。というのも、動画共有の分野には既に『YouTube』がサービスを確立しており、そこで勝負しても仕方がないという感覚があったためだ。

このとき川上氏が将来的なビジネス展開をどう考えていたかというと、「長期的な競争で、YouTubeに勝てるか」、あるいは「差別化」できるかということだった。そこで川上氏が目を付けたのは、①外資系の会社は日本でのゲリラ戦の対策には弱いのではないか、②海外の事業者と日本のコンテンツホルダーは最終的に分かり合えないのではないか、という2つの仮説である。この仮説が正しければ、ドワンゴは日本でゲリラ戦を展開しながら、日本のコンテンツホルダーに味方だと思ってもらえるサービスをつくることが有効である。そうすれば、長期的にYouTubeに対抗できる勢力を生み出せるのではないかと考えたのだ。

ゲームもビジネスも同じで、何かのアクションを起こすのであれば、「自分の武器になるものはなんなのか」を考え、それを明確に打ち出していかなければならないのだ。


Microsoft曰く: Nokiaのことは大切に思っているが、NokiaのAndroid端末には「ワクワクしない」

Microsoftは、Nokiaの端末事業買収の最終段階に入っているが、その一方でNokiaがAndroid端末を開発しているという報道がある。Microsoftはこれをどう思っているのだろう。SVPのJoe Belfioreは、「彼らはわれわれが喜ぶことをやっているが、そうでないものもある」と報道陣やアナリストの前で言って笑わせた。

「私たちはNokiaとすばらしい技術関係を持っている。製品に関していくつもの理想的な協業を行ってきた。共に仕事ができることを誇りに思う」

しかし、多くの噂や、リークと思われる画像の数々によると、Nokiaは違うことも手を出しているようで、WSJは、Normandyと呼ばれる端末が今月中にも出てくると報じている。

どういうことなのか。以前本誌のNatasha[Lomas]も報じたように、これは公式のAndroid端末ではなく、Amazonや多くのアジア製端末と同様の派生デバイスだからだ。おそらく、NokiaのLumiaシリーズのローエンドには手が届かないが、Ashaシリーズよりは「スマートな」端末が欲しいというローエンド層をターゲットにするものと考えられる。WSJによると、この端末はMicrosoftとの買収話以前から計画されていたもので、多くのエンジニアが解雇される中、未だに何枚かワイルドカードを残していることをものがたっている。

Image: Evleaks

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ウエアラブルが止まらない!中国のファーウェイ、ヘッドセットにもなるフィットネスバンドを発表

フィットネス用バンドがBluetoothヘッドセットにもなる! いや、Bluetoothヘッドセットがフィットネスバンドになる! ストップ!どちらも正解だ。

ウエアラブル界のささやかな隙間製品になると私は思っているが、中国のHuawei(華為=ファーウェイ)は、Bluetoothスポーツバンドに歩数計とカロリー計を組み込んだTalkBand B1を発表した。なぜTalkBandという名前なのか。1.4インチOLED表示部分を取り外して耳に入れれば、Bluetoothヘッドセットになるからだ。

B1は、一般的なフィットネスバンドとして動作し、NFCでペアリングできる。しかし、ヘッドセットとしても機能するため、走りながら電話を受けることができる。アウトドア派の心拍マニアには朗報だ。私はこれがアメリカ全土に広まるとは信じていないので、汗にまみれた物体を直接耳に入れるという奇妙なアイデアをあなたが受け入れる必要はない。

via Engadget

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


1万5000mAhの大容量に加え、IP66の防塵防水性を備えたLimefuel製モバイルバッテリー

モバイルバッテリーの便利さは、いまさら言うまでもないだろう。毎日持ち歩いているし、旅に出るようなときも、とてもなしでは過ごせないようになっている。しかし何か大変な災害のようなものが起こった時、この予備バッテリーはどうなってしまうのだろう。豪雪に埋もれてしまったりしたときはどうなのだろう。さすがに隕石が落ちてきて全てが灰に埋もれるようなときのことを考えても意味はないだろうが、しかしいったいどのような環境にまで、予備バッテリーは耐えてくれるのだろう。

こんなことをいろいろと心配してしまうが、Limefuel IP66 Ruggedという予備バッテリーを用意すれば、もう何も考える必要はなくなる。この予備バッテリーは現在Kickstarterで資金調達キャンペーンを行っているところだが、あっという間に目標額の3万ドルは調達完了となっている。ハイエンドモデルタイプの供給可能容量は1万5000mAhに達する。他にも同様の放電容量をもつものはあるが(Amazonを探せば、低価格なものもみつかるはずだ)、しかし「頑丈さ」で、このLimefuel Ruggedに比肩し得るものはない。

まず防水(waterproof)かつ防塵(dirtproof)、さらに耐衝撃性(shock proof)を特徴としている。注意してもらいたいのは「耐性」(resistant)を持つのではなく、防御性能(proof)を持つ点だ。IP66規格に適合している。IP66というのは粉塵が内部に侵入しない防塵性を持ち、波浪およびいかなる角度からの暴噴流(powerful water jets)にも、最大で3分間は耐えることができるということを意味する。もちろん保護性能を最大限に発揮するのは、保管状態の場合であるのだが、それでも十分に注目に値する性能だといえよう。

もちろん電源容量も素晴らしい。スマートフォンを10回程度チャージできる容量をもち、また2台同時に充電することができる。また本体チャージも大きめの2Aにて行う(但し容量が大きいことからフル充電には9時間ないし15時間が必要となっている)。少し前にレビューしたMophie Powerstation XLではできなかったパススルー充電(本体を充電しながら、他デバイスの充電も行う)にも対応している。

Limefuelはコロラド州ボルダーにて2012年11月に設立された。既に充電用デバイスを世に送り出した経験を持ち、今回も予定通り2014年5月に出荷開始となるのではないかと思われる。プレオーダー価格は10400mAhの低容量版は50ドルからとなっており、15000mAh版が70ドルからだ(同等性能の他社製品と比べると、まず安い方になっている)。

おそらくはL150XRのハイレベルな耐久性などを必要としない人がほとんどなのだろう。ただ丈夫であるのならそれはそれで良いことだとも言える。スマートフォンの方が壊れてしまっても、あるいはUSB充電などという仕組みが遠い過去のものとなってしまっても、このL150XRはエネルギーを溜め込み、誰かのために待機を続けるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


WhatsAppの物語は、シリコンバレーの通説を覆す

編集部注:Semil Shahは、Swellの製品開発に携わり、TechCrunchのコラムニストも務める投資家である。彼のブログはHaywireで、Twitterアカウントは@semil

シリコンバレーやIT業界全般には、さまざまな慣例的通念がある。それらはブログ投稿、ツイート、無数のメッセージボードなどで生まれ、取り込まれ、共有されていく。これらのメディアの利点は、豊富な知識の宝庫にアクセスできることだが、コストもある。われわれ全員が同じ脚本を見せられ、そこには同じ慣習が書かれており、特にそれがエコー室で増幅された時、注意していないとわれわれはその慣習を信じて、予測可能で面白味のない行動や生活になってしまう。

多くの読者と同じく、先週のWhatsApp買収騒動は私をとりこにした。これを例外中の例外(実際その通りである)と片付けるのは簡単だ。たしかにこれは極端な例外的事象だが、だからといって検証しない理由にはならない。実際このニュースはハレー彗星のようなもので、スタートアップに関わる者全員が仕事を中断し、外へ出て、ネットで読んだことしかない何かを一瞥しようと空を見上げる、そんな生涯に一度の出来事だ。こうした状況で、私はこれまでの「教訓」や通念を思いだし、WhatsAppがそうした通念のいくつかに挑戦しているところを検証せずにはいられない。

「Yahoo!には人材がいない」 様々な理由により、Yahooはマスコミやソーシャルメディアに叩かれる。この会社はいくつもの問題を抱え、その対処に追われ続けているが、その結果従業員や出身者は格好の標的になる。WhatsAppのファウンダー2人はかつてYahooで働いていた。彼らはネイティブモバイルアプリを、多くのプラットフォーム向けに開発し、複雑な国際通話システムを開発するためのチームを率いていた。

「Facebookのような会社には最高の人材がいる」 WhatsAppのファウンダーの1人は、Facebookの求人に応募して不採用になったことがある。私は、無数のスタートアップがビッグネーム企業から「そこそこ」の人材をリクルートしようと必死になるところを見てきたが、輝くものすべてが金ではない。

「消費者製品の重心はシリコンレーからサンフランシスコへと移った」 まあこれは概ね真実だが、WhatsAppの本社はまだシリコンバレーのど真ん中にある。彼らの事務所には看板すらない。街の明るい照明から隠れている彼らは、広報活動をはじめ今日のスタートアップのライフスタイルを象徴するような行動とは無縁だ。

「最高のファウンダーは比較的若い」 WhatsAppのファウンダーたちは30代半ばから後半。

「モバイル製品は楽しく美しくあるべきだ」 私はこのフレーズを聞くたびに身を震わせる。もちろんアプリは見映えが良くあるべきだが、まずは何らかの問題を解決したり何らかのサービスや娯楽を提供するべきだ。WhatsAppはただひたすら人々のために働く。凝った機能はない。解決すべき問題を解決し、以下のプラットフォームをサポートしている:iOS, Android, Blackberry, Windows Phone 7, Nokia, S40, Symbian S60等々。

「モバイルファースト。iOSとAndroid版を作れ」 Whatsappチームはあらゆる種類の携帯電話のための製品を作ることに挑戦している。その多くはこのブログの読者が触ったこともない機種だ。 J2MEの走っている古いNokiaやSamsungの端末までサポートしている。

「パーソナル・ブランディングは重要である」 WhatsAppのファウンダーたちに個人的なブランドはない。IT業界の1000人に聞いて、この会社のファウンダーか社員の名前を言えるのは5%以下だと私は予想する。

「自分のスタートアップの株は持ち続けろ」 私が思うに、初期段階にあるファウンダーの多くが自分のスタートアップの価値を高く評価しすぎている。たしかにどんな小さな会社も多くの血と汗と涙の結晶だが、競争が激しく人材も分散している今、かつてのような株や人材に関する常識は時代遅れだ。その意味で私は、ZuckerbergがWhatsAppをパートナーとして迎えるために、Facebookのかなり大きな部分を手放し、WhatsAppのファウンダーの1人を取締役に加えたという積極性には敬意を表する。Zuckerbergは、財産をためこむより、目前に迫る戦いのためにパートナーと組むことの方が重要だと気付いている。

「金のことは心配するな。とにかく成長しろ」 WhatsAppは両方をやった。プラットフォームによって、WhatsAppは1ドル程度の料金をとることも無料のこともある ― さらに、最初の1年を過ぎると年間1ドルの定期利用料を課金する。WhatsAppは運用に費用がかかるため、大した儲けにはならないが、少なくともキャッシュフローを持っているので、近年の資金調達プロセスにわずらわされることなく自分のペースで運用できる。

他にも破られている慣習はある。例えはWhatsAppは、残してきた足跡と比べて会社は小さく、わずか50名ほどの社員でエンジニアとサポートがほぼ半分ずつだ。あるいは、なぜシリコンバレーで最も成功しているベンチャーキャピタル会社 ― Sequoia ― が投資の成功やスタートアップの成長を吹聴してこなかったのか。ベンチャーと言えば、なぜこのベンチャーキャピタルは、ソーシャルネットワーク第一の波に乗り遅れ、崩壊したColorに大枚を注ぎ込みながら、その後3年間にWhatsAppに投資をして、ベンチャーキャピタル史に残る内部収益率を上げるに至ったのか。

検証方法はいくらでもあるが、ここで重要なのは、この稀有で輝かしい出来事を「一時停止」ボタンにして、われわれ自身やわれわれの製品や会社が、人から言われたり、さらされたり、どこかで読んだりした古い慣例に沿っているのかどうか、もう一度見直してみることだ。

私は、ルールをすべて捨ててカオスに身を投じろと言っているのではない。しかし、見直してみるには良い時期だ。これらの慣例的偏見を、仕事あるいは生活にあてはめていないだろうか。採用戦略や、収益化や成長への過程、製品デザインは慣習に引きずられていないだろうか。何度も耳にしたり、Twitterのフィードに何度もでてくることは容易に信じやすい。しかし、真実でなくてはならない! WhatsAppが例外中の例外になった理由は、通説を意識的に破壊してきたらなのか、知らずに無視していかららなのか、あるいはどちらてもないのだろうか。

Image by Flickr user Robert S. Donovan under a CC BY 2.0 license

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


捨てることも含めたコンテンツSEOに必要な戦略とその考え方


Content is king

という言葉そのものはSEOにおいて定着したが、正しい理解がなされているとは言い難いと思う。

「Content is King にまつわる誤解と真実という住太陽氏の記事にいかにこの言葉が誤解されているか?について詳しく書かれているが、私もほぼ同感である。

私なりにこの記事の内容を踏まえて、それ以外に色々思うところもあってこんな記事を書いてみる次第なのだ。

コンテンツには戦略がなくてはならない

これが私の言いたいことである。

戦略とは目的を達成するための、大枠での考え方だ。
戦争での勝利には戦略と戦術の2つのレベルがある。

個々の戦闘で勝つための方策を戦術という。

これに対して戦略とは戦争に勝つために、どのような方面に戦力を集中してどこを取りにいくか?
といった高い視点から考えることである。

戦術は現場指揮官が考え、戦略とは国家指導者レベルが考えるものだ。

コンテンツは戦略であるというのは、

1.コンテンツはビジネスの中でどのような位置づけであるのか?

を明確にし、

2.どのようなユーザーを集めたいのか?

を定めて、

3.集めたユーザーをどのようにコンバージョンにつなげるのか?

これを見定めて構築することを指している。
コンテンツを作ってもまったくコンバージョンが取れない、という失敗の多くはこの戦略がない。もしくは戦略が根本から間違っているのが原因だと私は考えている。

それでは1から順番に考察してみよう。

1.このコンテンツはビジネスの中でどのような位置づけであるのか?

ここがあいまいなサイトが多い。
根本が間違えると全て間違える。

売上を取りたいのか、企業や商品の知名度を高めたいのか、ユーザーからの信頼を得たいのか・・・

といった目的を定めることが最も重要である。目的は一つである必要はないが、明確に説明できる必要がある。

企業では何かを購入するときには稟議がたいてい必要なはずである。
稟議を通すには、決裁者が金を出すに値すると考える理由が要る。

コンテンツもそれと一緒だ。
コンテンツを作ることは、金を出すことと同義である。
もし、1つのコンテンツを作るために2時間かけるならば、少なくとも2時間分の時給分プラスアルファの金をかけるに足る理由が必要だ。

プラスアルファの額は大きい。
給与を払う以上の見返りがあるから、その人を雇っているのである。
給料分ピッタリしか稼いでいない人しかいなかったら会社は倒産する。

また、時給の他に家賃とか光熱費、諸経費といった様々な会社を運営するための経費も一人一人にかかっている。

時給が2000円の社員であれば、1時間の価値は4000円以上になろう。
2時間を要したならば8000円以上をコンテンツに投資したこととほぼ同義である。

これだけの金額を漫然とコンテンツ作成に投下するからWebサイトは失敗するのだ。

「日常業務が忙しくて、コンテンツ作成に手が回らない」

という言葉はよく聞かれるが当たり前だ。

日常業務とは給与以上の価値を会社にもたらすことがほぼ確実なビジネスである。

ところが、これに対して目的が明確でないコンテンツ作成は、ほぼ確実に赤字になるビジネスである。
日常業務を優先するのは合理的な判断だから、コンテンツ作成を行わないのである。

日常業務に優先する目的がない限り普通はコンテンツ作成は行われないし、行われるべきではないと私は考えている。
コンテンツ作成によるメリットは、効果が不明確であるがその投資に見合うリターンが見込めなければならない。

サイコロを振った時に、4以上が出れば1万円もらえるとする。
このサイコロを振るのに、4千円が必要であっても払ったほうが得である。
逆に6千円必要なら損である。

コンテンツを作って得られるかもしれない利益と、日常業務の重要度を上記のサイコロの例のように比較してやるべきなのか?を考えねばならない。

その結果、コンテンツを作るメリットが低いと判断したならば、いさぎよくやらないといった判断をすべきで、何でもかんでもコンテンツを作りさえすればいいってものではない。

※誤解しないために書いておくのだがコンテンツ作成は大きなメリットを、恒久的にサイトにもたらすものであることを最後に書き添えておく。

2.どのようなユーザーを集めたいのか?

サイトにユーザーを呼ぶだけでは目的を達成することは出来ない。
これは住氏の言うコンテンツとセリング(商品紹介)の関係から考えるとわかりやすい。
(セリングはコンテンツではないということ)

広告をどの雑誌に載せるか?

自動車の広告を載せるならば、自動車の雑誌に載せるとか、RV車であればアウトドアライフの雑誌に載せるといった考慮をするはずだ。

どの雑誌を選ぶかは死活的に広告効果に影響するので、誰でも厳しく厳しく吟味する。

かつ、雑誌の内容と広告で訴求する内容は連動しなくてはならない。

アウトドアライフの雑誌に自動車の広告を載せるならば、
「自動車のエンジン性能がこんなに優れている」といった切り口では駄目で、
「こんなに積める」「こんなに便利」「悪路を走れる」
といった訴求になってくるだろう。

ところが、自分でWebサイトでコンテンツを作る場合は雑誌の記事に相当する部分は自由裁量に任されているのに、広告とまったく連携していなかったり、訴求すべき内容とずれていることが多い。
被リンクを集める、バズを狙うといった明確な目的があればいい。それもなく、ずれがあったら無駄である。

3.集めたユーザーをどのようにコンバージョンにつなげるのか?

セリングのページにランディングしたユーザーは、コンバージョンにつながる可能性が高い。
しかし、コンテンツページにランディングしたユーザーは基本的には商品そのものに興味がない。

しかし、コンテンツに投資をする以上は、購入に結び付けなければならない。

2.のように個々のコンテンツに連動した訴求が必要である。
また、1回だけ見てもらうだけではなく、ソーシャルメディアやメルマガなどと組み合わせユーザーとの接触の質・量を高める。
リマーケティングなどと連携させLPと組み合わせてコンバージョンを取る。

といった様々な方策が考えられ、全て自由裁量に任されている。


非常にコンテンツ戦略は考えるべきことが多岐に渡り、簡単なものではないということが言いたかったのである。

最後に書いておきたいのだが、私はSEOにおいて必ずしも充実したコンテンツが必要だとは考えていない。
最低限、充実したセリングのページを作ることだけでもSEOは成り立つ。

充実したページを作ることによって、テキスト量が増えキーワードの掛け合わせが増える。
想定しないような2語、3語、4語・・・といったキーワードの組み合わせで検索結果に露出する可能性が増える。

そんなキーワードは競合がほとんどいない。
だから、コンテンツページを作るメリットが低いと考えたのであれば、セリングページだけを充実させる戦略はあり得るし、費用対効果を考えれば悪くない。

生半可にコンテンツに経営資源を投入するぐらいであれば、コンテンツSEOを捨てるって戦略もよい選択であろう。

金曜日にAppleはiOS 7の深刻重大なバグを修復

昨日(米国時間2/21)Appleは、iOS 7のセキュリティ関連のバグを直したと発表した。今日(米国時間2/22)になってWebのセキュリティの専門家たちが、パッチを解析してバグの正体を突き止めた。それはどうやら、相当深刻なバグのようだ。

Wired誌に、そのおそろしい詳細が載っている:

“Appleの昨日の発表があまりに簡潔なので、インターネットの暗号に関する高名な専門家たちは、そのバグの性質について訝(いぶか)った。バグの詳細を非公開で調べ始めた彼らは、いろいろ分かってくるにつれて、仰天のあまり沈黙してしまった。ジョンズホプキンズ大学の暗号学の教授Matthew GreenはTwitterのツイートで、‘Appleのバグの正体が分かった。相当ひどいバグだ’、と述べた”。

Wiredによると、Appleの史上最大のセキュリティ過失と言われるかもしれないこのバグの正体は、認証のコード中にあった要らざるgoto文だった。その余計な1行のおかげで、認証プロトコルのその後の部分を完全にバイパスしてしまうことができるのだ。

金曜日(2/21)に発行されたReutersの記事によると、ハッカーはそのバグを悪用して、メールをはじめ、暗号化されているはずの通信の内容を横取りできる。

一方ZDNetは、Macにも同じバグがあって、そっちは直っていないかもしれない、と言っている。

ZDNetの編集者Larry Seltzerは、こう書いている:

間違いなくこのバグは、きわめて深刻なバグだ。このバグのおかげで、SSL/TLSによる通信の傍受が簡単にできてしまう。今インターネット上で使われている、いわゆる‘セキュアな通信’の大半が、このプロトコルによるものである。したがって、場合によっては甚大な被害が生じうる”。

ZDnetの詳細記事がここにある。

写真: Flickr/aditza121

関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MicrosoftがBing Mapsの3D画像に15の都市を新たに加える

12月の本誌記事の時点では、Microsoftが、前から約束していたように、いくつかの都市のリッチな3D画像をWindows 8.1+Bing Maps Previewアプリケーション対応で出すことになった。そして今日(米国時間2/21)は、このサービスに新たに15の都市が加わる

15の都市の3Dマップ画像の撮影から編集加工をすべて完成させるには、それだけの時間を要する、ということだろう。アプリケーションはここで手に入るが、使うためにはWindows 8.1が必要だ。

新たに加わった都市は、以下のとおり: Duisburg(ドイツ)、Dresden(ドイツ)、Marbella(スペイン)、Murcia(スペイン)、 Montgomery(AL)、Bakersfield(CA)、Sacramento(CA)、San Francisco(CA)、Gainesville(FL)、Tallahassee(FL)、Columbus(GA)、Baton Rouge(LA)、Shreveport(LA)、Gulport(MS)、Seattle(WA)。〔*: AL、CA等々はアメリカの州の略号。〕

このことが何を表しているのか? MicrosoftはWindows 8.1用のBingアプリケーションへの投資を継続しているだけでなく、Bingチームにも高価なプロジェクトを遂行できるだけの予算を与えている。MicrosoftがこれだけBingとその地図に力を入れているということは、そのうちスマートフォンアプリも出る、ということだろうね。

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Amazonは全メディアコンテンツ、アプリ、ゲーム等をテレビやホームシアターに流し込むSTBを3月に発売?

Re/Codeの記事によると、Amazonは3月にテレビ用のセットトップボックスをローンチするらしい。つまり、この、eコマースとデジタルメディアの巨人が今実際に、ストリーミングTV製品の開発に勤しんでいるというのだ。しかもそれは、昨年のホリデイシーズンに出ると噂された製品の発売時期が延ばされたもの、ということらしい。

そのAmazonのストリーミングボックスは、同社のデジタルメディアのコンテンツをテレビで視るための製品だ。まずAmazon Instant Videoのタイトルがあるし、合衆国のAmazon Primeの会員に無料で提供されるコンテンツもある。音楽のカタログも膨大だから、ひまだった(かもしれない)ホームシアターの稼働率を上げるには恰好だ。

Re/Codeの記事は、AmazonのそのガジェットがAndroidデバイスだ、と言っている。ただしKindle Fireのときと同じく、独自にフォークしたAndroidが搭載される。そのセットトップボックスがゲーム機にもなるのか、その辺ははっきりしないが、でも本誌の情報筋が前に漏らしたところによると、確かにそいつはゲームもサポートする。また、最近、別の業界筋から聞いたところによると、昨年暮のショッピングシーズンを逃したにもかかわらず、ゲーム機能はある、ということだ。

Amazonがストリーミングのためのメディア製品を消費者に提供するのは、至極当然だ。しかもそれがAndroidでAmazon Appstoreから何でもインストールできるとなれば、アプリのオープンなライブラリの整備が遅れていた一部の競合他社は一気に追い抜かれてしまうだろう。問題は料金だが、Amazon Primeの会費が20~40ドル値上げされるという噂が本当なら、このハードウェアとコンテンツの完全無料化が、すでに織り込み済みなのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))