Amazonの倉庫作業員8人が新型コロナで死亡

Amazonの従業員8人が新型コロナウイルス(COVID-19)で亡くなった。同社は倉庫作業員の感染拡大の状況を透明化せず調査を受けているが、その最中にこの知らせは届いた。

広報担当者はこの報道内容を認め、TechCrunchに対して「オハイオ州ランダルの施設で働いていた1人の仲間を失い、私たちは悲しみに暮れています。彼女の家族と愛する人たちのことを私たちは心に留め、彼女の同僚たちのサポートを行っています」という。

検査結果が陽性だったAmazon従業員の全体数は、不明のままだ。同社は、そうした情報は公表しないという立場をとり続けている。「その数字がきわめて重要だとは考えていません」とAmazonは、以前、TechCrunchに送った声明で述べている。また、次のようにも語っていた。

感染者の割合は、私たちが操業している地域社会の割合と同じか、それ以下です。隔離者の割合も同じです。隔離者の割合は、職場の状況を知る上で非常に重要な手がかりとなりますが、それが、社会的距離の確保に向けた私たちの賢明の努力が効果を表していることを示しています。HIPPA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法令)に触れない部分を隠そうとする業者とは異なり、私たちは現場のすべての従業員に対し、陽性の診断が出た場合には必ず警告を発しています。この警告は、従業員に直接メッセージで送られ、陽性と診断された人物が最後に施設のどこにいたかを知らせています。

透明性の欠如は、Amazonの新型コロナウイルス感染症対策にまつわる数多くの批判の中のひとつだ。

出荷センターの従業員を保護するために、できることはすべて行っているが、従業員が倉庫内でウイルスに曝露する危険性を排除するのは、適切な個人防護具を使用したとしても困難であると同社は繰り返し主張してきた。2020年5月の初め、13の州の検事総長はAmazonに対して、ウイルスに感染した従業員の数を明らかにするよう要請する書簡を送った。

「要求はしましたが、新型コロナウイルスに感染した従業員、そしてそれが元で亡くなられた方の人数について、情報は得られていません」と書簡には書かれている。「この件に関して、貴各社の州ごとの内訳を提出するよう求めます」。

今週の初め、ニューヨーク・タイムズは、ペンシルベニア州北東部に特に深刻な倉庫があると伝えた。そこでは明らかに100人以上の従業員がウイルス検査を受け陽性と診断されたという。Amazonが公表していないため、正確な数字はわからない。米国時間5月21日、ウィスコンシン州の地元紙ミルウォーキー・ジャーナル・センティネルは、ケノーシャ近くの倉庫で少なくとも30人の従業員に陽性の検査結果が出たと伝えた。

自宅待機をする米国人のAmazonの配達への依存度が高まるにつれて、多くの州が定めている「必要な仕事」の担い手として作業員たちへの依存も増している。5月中旬、Amazonは1時間2ドル(約215円)の「危険手当」の支給を5月末まで延長すると発表したが、6月には通常の給与に戻るとし、次のように話した。

従業員のみなさんへの感謝と、増大する需要の対応のために、私たちは、新型コロナ禍が始まって以来、就業初日から給与の全額支払いを続けるとともに、従業員とパートナーに8億ドル(約860億円)近くを追加で支給してきました。需要の安定を受け、来月からは業界トップクラスの基本時給15ドル(約1615円)に戻す所存です。

Amazonは、新型コロナ禍の最中に社会的懸念を招いた数名の従業員を解雇したことから、追加的な調査の対象になっている。同社はその解雇は報復ではないと否定しているが、それが新たな書簡の発行につながる十分な理由となった。今回の書簡には、Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏、Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏も名を連ねている。

画像クレジット:PHILIPPE LOPEZ / AFP / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

新型コロナで8月に延期されていたニューヨーク国際オートショーが中止

ニューヨーク国際オートショーの主催団体は、8月に延期していたイベントの開催を2020年は見送ることを決めた。新型コロナウイルス(COVID-19)のために正式に中止する、と米国時間5月22日に発表した。

次回の開催は2021年4月2〜11日で、報道機関向け発表日は3月31日〜4月1日だ。

広域ニューヨーク自動車ディーラー連盟が主催するニューヨーク国際オートショーは、ニューヨーク市のJacob K. Javits Convention Center(ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター)で4月10日に始まる予定だったが、新型コロナが欧州と北米に広がったことを受け、8月下旬に延期された。

ショーが例年開催されてきたJacob K. Javits Convention Centerは新型コロナ用野戦病院となった。患者は受けれ入れていない。しかし主催者によると、まだ病院として機能しており、先が見通せないために待機状態となっている。

同連盟の会長、Mark Schienberg(マーク・シェンベルク)氏は、ショーの構成を準備するには自動車メーカーや展示会のパートナーには「かなりの計画」が必要とされる、と記した。

「新型コロナで見通しが立たないため、2020年のショー開催の模索を続けるのは賢明ではないと判断し、その代わりさらにすばらしい2021年のショーに向けて準備する」と述べた。

「自動車販売業者の代表として、このコロナ危機が過ぎ去るときにニューヨーク地域、そして米国全体でかなりの新車需要が遅れて出てくると確信している」とシェンベルク氏は付け加えた。「このショーが消費者を誘導するプロセスでいかに重要かも理解している」。

関連記事:ニューヨークオートショーが新型コロナ懸念で8月に開催延期

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

パンデミック後に求められるオフィスの密度センサーのVergeSenseが9.7億円調達

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで施設の管理が注目を集めつつあるようだ。

米国のスタートアップVergeSense(バージセンス)はオフィス向けの「システムとしてのセンサー」プラットフォームを販売する。部屋にいる人の数をリアルタイムに把握したり、人の動きに基づく清掃のノーティフィケーションを送ったりする機能を備えている。同社は、セキュリティ大手Allegion(アレジオン)のコーポレートVCファンド、Allegion Venturesがリードする900万ドル(約9億7000万円)の戦略的投資をクローズした。

本ラウンドにはJLL Spark、Metaprop、Y Combinator、Pathbreaker Ventures、West Venturesも参加した。シードラウンドを含め、2017年創業のVergeSenseがこれまでに調達した額は1060万ドル(約11億円)になった。

ここ数週間、需要の増加が見られるとVergeSenseはTechCrunchに語った。オフィスのオーナーや管理者が新型コロナ時代に職場を安全なものにしようと取り組もうとしているからだ。同社によると、予約は順調に伸びていて前年同期比で500%増となる勢いだ(ただし同社は、新型コロナの感染拡大が始まった後に「アフターショック」があったとし、2020年初めに打撃を受けたことを認めている)。

パンデミックの前は、VergeSenseの顧客はいわゆる「職場での接触」を推進したがっていた。アイデアの共有やコラボを促進しようと、スタッフ同士の物理的な距離を縮めるというものだ。しかし今は反対のことが起こっている。ソーシャルディスンタンスの維持や部屋を使用する人数の制限は、オフィスを再開するにあたっては必須のものとなっているようだ。

VergeSenseにとって幸運なことに、同社の機械学習プラットフォームとセンサーがパックになったハードウェアはこれまでと同じように有用な数値を引き出すことができる。

同社はソーシャルディスンタンスのスコアや毎日の密度などのレポートといった新型コロナに関連する機能を提案するために顧客と協業してきた。今後大きな需要が出てくると思われるSmart Cleaning Planner機能もすでに開発した。VergeSenseはまた、同社のオープンAPIをオフィスのアプリを機能強化できることも想定している。これは、オフィスを利用する人の数が少ないクワイエットゾーンや時間帯を表示したりし、職場に戻っても大丈夫と従業員を安心させるのに役立つかもしれない。

もちろん多くのオフィスが当面、あるいは永久にクローズするかもしれない。たとえば、Twitter(ツイッター)は従業員に今後ずっと在宅勤務ができるとしている。在宅勤務はオフィスワーク職には可能だ。しかしVergeSenseと同社の投資家らは、オフィスは何らかの形で存続するが、例えば人と人の間の距離を検知できるスマートセンサーが必須となってくると確信している。

新型コロナでオフィスがどのように変わるかについて、VergeSenseの共同創業者Dan Ryan(ダン・ライアン)氏は「オフィスの数は全体的に少なくなると考えている」と話す。「多くの顧客が、小規模の地方オフィスを抱える必要性を再考している。それでも大規模のハブは維持しようと彼らは考えているが、そうしたハブは実際にはかなり異なったものとなる」。

「毎日の業務を行うのに必ずしもオフィスにいる必要がない人は、おそらく新型コロナ後は週に5日ではなく3日か2日オフィスに行くようになる。それは異なるタイプのオフィスを意味する。異なるレイアウト、異なる種の机などだ」。

「そうした傾向はすでに見られる。しかし多くの企業がリモートワークを含めた実験に消極的だ。生産性などへの影響が計り知れず、リモートワークに伴う多くの文化摩擦があるからだ。しかし我々は現在、あらゆる物事が同時に起こっている状況を進んでいる。そして今後もそうだろうと考えている。当社は、基本的にすべての顧客からのフィードバックに絶えず耳を傾けてきた」とも話す。

「既存顧客の多くがプロダクトの受け入れに前向きだ。通常我々が展開する手法は、顧客が手始めにまずいくつかのビルで導入し、その後段階的に広げていくというものだ。だが今、このデータのユースケースは密度管理であり、新型コロナのために安全性とコンプライアンスにつながっている。密度に関してはCDC(米国疾病予防管理センター)のガイドラインがあるが、密度を測定して報告できるツールを持つことは必要不可欠とされている」。

VergeSenseは現時点で70の顧客のために、1日あたり600万のセンサーレポートを処理している。顧客にはFORTUNE 1000の40社が含まれる。全部で15カ国にまたがる250のオフィスビルの2000万スクエアフィート(約185万平方メートル)にセンサーとSaasを提供している。

「かなり弱気な見方もある。オフィスがなくなってしまうというものだ」とライアン氏は付け加えた。「我々はそれはないと考えている。なぜならオフィスには目的があり、主には社会的な交流やフィジカルなコラボに根ざしているからだ」。

「我々はZoomとその効率性を愛しているが、フィジカルなコラボやコネクション、仕事を支えるすべての社会的な要素がなければ失われるものも多い」。

VergeSenseの新たな資金は新型コロナで増大している需要への対応と、ソフトウェア分析プラットフォームの拡張に使われる。

ライアン氏によると製品開発にも使われる。「より小型で、バージョンアップしていて、速く作動する」センサーと「追加のデータフィード」を含む、これまでのものとは別のセンサーハードウェアだ。

「現状では、主に人数を数えるだけだが、仕事環境の構築ではそれ以上のものについてのデータにかなり関心がある。環境に関するものだ」と述べ、追加のデータフィードを実装するつもりだと語る。「環境に関する他の周辺データに関心を持っている。空気の質や温度、湿度などだ。顧客は現在、一般的な環境データにこれまで以上に関心を向けている」。

「建物の健全性にかなりの関心が寄せられているが、これまでは、あればいいというものだった。しかしいま、空間の空気の質はどうなのか、コンディションは適切かといったところに関心が集まっている。そして従業員の期待はもっと高くなるだろうと考えている。オフィスビルに入る時、ビルの中の空気が質のいいものであって欲しいし、さらにもっといい質になって欲しいと思う。だからこそ(スマートスペースの)加速を考えている。すでに見られる動きではあるが、人々はもっと加速させたいと考えている」。

資金調達についての声明文で、Allegion Venturesの会長Rob Martens(ロブ・マーチンズ)氏は次のように述べた。「世界的な危機の真っ只中に、(VergeSenseのチームは)シニアのビジネスリーダーたちがソーシャルディスタンスを通じて職場を安全なものにすると同時に、生産性や雇用、費用対効果を維持できるようサポートしてきた。世界中の事業者や雇用主にとって職場の管理が現在、最も大きな課題になっているが、VergeSenseはデータ主導の職場をつくるという動きの最先端にいる」。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

生産性プラットフォーム運営のNotionが個人向け無料アカウントの機能制限を大幅に解除

米国時間5月19日、メモを取ったりWikiを作成したりするための人気アプリ「Notion」が、個人向けの料金プランを変更した。無料プランに課されていた制限の多くが解除され、これまで1カ月5ドル(約540円)のプランで提供していたのと同等の機能を利用できるようになった。

これまでの無料プランでは、利用できるブロック(Notionのコンテンツの単位)が1000までとかなり少ない数に制限され、ゆくゆくは支払いをしないと何もできなくなっていた。記録できるテキストとデータの量の制限が完全になくなったことで、ほとんどの有料プランユーザーは無料のアカウントで必要なことがすべてできるようになる。

Notionは個人向けのプレミアムなアカウントを完全にやめたわけではない。実は、既存の有料ユーザーはこれまでと同じ価格で「パーソナルプロ」アカウントに移行されている。この新しいプランでは、5MBを超えるファイルのアップロードや人数無制限のゲストとの共同作業などを利用できる。そして最も興味深いのは、同社が「まもなく実現する」と語っている待望のNotion APIに今後アクセスできるということだ。2019年9月に同社は学生と教員向けにアプリを無料にすると発表していたが、現在は学生と教員向けにパーソナルプロプランへのアクセスを展開している。

小規模な共有データベースを管理するために複数のアカウントを1つの無料アカウントに紐づけていたユーザーは、今後、自動でチーム向けプロダクトの無料トライアルに移行される。1000ブロックの制限に達したら、チーム向けプロダクトにアップグレードするか、または個人向け無料アカウントでゲストとの共同作業ワークフローにしてニーズに合わせる方法を考える必要がある。

2020年4月にNotionは、20億ドル(約2150億円)という驚異的な評価額で資金調達ラウンドを完了したと発表した。今後の売上は、個人ユーザーから積極的に収益化するよりも、チーム向けプロダクトを拡大していく方針にしたと考えられる。多くのワークプレイス向けツールの企業と同様に、Notionはボトムアップのスケーリングに依存してきた。そのため、個人のワークフローにNotionのプラットフォームを使うユーザーを増やし、その中から今後も長く使いたいと思う一部のユーザーをチーム向けプロダクトに移行することにチャンスがあると見たようだ。

参考記事:職場の生産性プラットフォーム運営のNotionが約54億円調達

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(翻訳:Kaori Koyama)

個人会計管理アプリのCopilotがApple Cardの取引明細のインポートに対応

2020年1月にApple(アップル)がApple Cardの取引明細をスプレッドシートにエクスポートする機能を発表したことを受けて、TechCrunchライターのMatthew(マシュー)は個人会計管理アプリのCopilot(コパイロット)に対し、この機能に対応する計画があるかどうかを問い合わせた。そのときの答えの要点は「現在はまだだが、近いうちに」だった。そして今週、Copilotの対応が正式に発表された。

Copilotは、ユーザーがApple CardからのCSVのスプレッドシートを同社のアプリにインポートできるようになったと発表した。インポートした後は、アプリが取引を交通費、サブクスリプションサービス、買い物、外食などの項目に分類する。

支出を手動で管理しているユーザーは情報を1カ所にまとめることができ、アプリはリストから重複する項目を削除する。そこから、Apple Cardの時系列の収支や利用率が作成される。

支出のような面倒なことから不一致を可能な限り取り除くのは、Copilotのようなアプリにとっては重要なポイントだ。アップルとの統合は、請求を1カ所にまとめて便利に管理するための、ばかばかしいほど簡単な方法であると思われる。Copilotの最大のライバルであるMint(ミント)はすでにスプレッドシートのインポートに対応しているし、Clarity Money、YNAB、Lunch Moneyなども同様だ。

残念ながら現時点ではスプレッドシートのインポートを自動化する方法はなく、手動で毎回実行する必要がある。Copilot創業者のAndres Ugarte(アンドレス・ウガルテ)氏は、プロセスの完全な自動化に取り組んでいると述べた。

ウガルテ氏は次のように語っている。「Apple Cardのサポートは、我々のサービス開始以来、ユーザーからの要望が最も多かったものだ。今回の統合では、インポート時にCopilotがシームレスにApple Cardのデータをユーザーの他の取引と統合できるようにするために、大規模なバックエンドの開発が必要だった。我々は手を抜かず、Apple Cardの取引でもCopilotが他の金融機関に対して利用しているのと同じアルゴリズムで分類や分析ができるようにしようと考えた」。

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(翻訳:Kaori Koyama)

NYのスタートアップ育成アクセラレーター「ERA」から13社が卒業

世界の動きが止まっているように思われる中でも、新しいスタートアップは変わらずに出現している。米国時間5月22日、13の企業がニューヨークを拠点とするEntrepreneurs Roundtable Accelerator(ERA)を卒業する。卒業にあたって、13社はERAからそれぞれ10万ドル(約1080万円)の資金援助を受ける。

彼らはERAの18期生となる。ERAは設立以来200以上の企業を世に送り出し、総額で5億ドル(約538億円)以上を調達している。

それでは卒業生たちをご紹介しよう。

Artists on Goはフリーランスの美容師とサロンオーナーを繋ぐマーケットプレイスプラットフォームだ。美容師は1時間20ドル(約2150円)でサロンオーナーからスペースを借り、売上はサロンオーナーと分けるのではなく自分のものとなる。サロンオーナーは予約が空いているときにスペースを提供することで利益を得る。

Coinapolyは、家を借りながらその家の所有者になれるよう支援する資産管理プラットフォームだ。借主には長期的にその家を部分的に購入できるようにし、不動産投資家にはより良いリスク調整後収益を提供する。Coinapolyは管理対象の物件に対し手数料を請求する仕組みだ。

FieldClixは遠隔建設プロジェクト向けのSaaSプラットフォームで、無線、ソーラー、ブロードバンド通信の建設プロジェクトに特化している。通信会社が5Gの展開を急ぐ中、作業員はFieldClixを使用して、プロジェクト計画や現場のリソース管理、原価管理などを協力して行えるようになる。現在は30社が同社プラットフォームを利用しており、ライセンスごとに段階的なサブスクリプション料金を毎月請求している。

Hailifyは、配車サービスドライバーの空き時間を利用するB2Bプラットフォームだ。ドライバーが次の客を待つ間を活かして収入が得られるよう、宅配の仕事を提供する。Hailifyはオンデマンド配車サービスを運営する企業に料金を請求し、プラットフォームから発注された宅配ごとに、手数料を差し引いた料金をドライバーに支払う。

Hazelは、女性の尿漏れに対応する、フィット性と機能性が高く見た目にも気を配ったまったく新しいタイプの大人用紙おむつを製造している。新しい素材と新しい技術を使用し、見た目も履き心地も本当の下着と変わらない使い捨て商品を提供するこのD2Cビジネスは、2020年秋のローンチを予定している。

Mouth Offは口臭を防ぐことを目的とした溶けるタイプのガムだ。口臭を別のにおいでごまかすのではなく、口臭の元になる口腔内の分子に作用する。Mouth Offは植物性で、糖分や人工的な原材料は使用していない。2020年秋にローンチが予定される同社は、D2Cサブスクリプションと小売りオプションを提供する。

Nayyaは、雇用主が従業員に最適な健康保険を見つけられるように支援する企業だ。データを使って透明性を高め、費用削減に関する情報や最寄りのプロバイダーネットワークに関する情報を提供する。従業員はNayyaのCompanion(コンパニオン)を通じてプランに登録し、1年を通じて補償内容や医師の検索、追加補償オプションの確認などが行える。またNayyaでは給与管理の統合サービスも行っている。

企業の従業員にとっても雇用主にとっても育児休暇がますます重要視されている中で、Parentoは、従業員向けに、保険に基づいた有給育児休暇のプラットフォームを提供する。従業員が16週間まで休めるように予想価格設定を導入し、新米パパママ向けのコーチングや生活の変化におけるサポートを提供する。同社は、顧客の従業員の給与と既存の有給育児休暇ポリシーに基づいて変動する価格設定のB2Bモデルを採用している。

RillaVoiceは食料品店やファストフードチェーン、病院、実店舗を持つ企業に、顧客との会話を記録し、分析できる機会を提供する。会話は小型マイクと機械学習技術により分析され、匿名かつ安全そしてコンプライアンスに準拠した方法で、カスタマーエクスペリエンスや会話の内容などの理解を深めることができる。サービスは1ライセンスあたり月額50ドル(約5380円)から350ドル(約3万7660円)で提供される。

Salusionは消費者とその雇用主のためにHSA(医療用貯蓄口座)の税優遇を最大限にすることを重視したSaaS企業だ。同社はHSAのプロセスを改善することで、ユーザーには「その都度使えるHSA」を提供し、HSA口座管理費として雇用主に対して従業員あたりの手数料を毎月請求する。

Spotterは長距離トラック業界をターゲットにしたソフトウェア企業だ。歩合やスケジュール、燃料コストなどの入力条件に基づき、トラックと運転手に最適な積荷を割り当てることができるプラットフォームを提供する。また運転手に荷積みと荷降ろしの指示も伝えることができる。同社はトラック1台ごとのサブスクリプション料金を運送業者に請求する。

Topは、ブランド向けのマルチチャネルエンゲージメントプラットフォームだ。ブランドはCookieを使用せずに、プライバシー保護に準拠するデータを収集できるようになる。Topを使用すると、投票やゲーム、コンテストなどのインタラクティブコンテンツを作成し、そのデータを収集して顧客プロファイルを作成できるようになる。顧客プロファイルには買い物の傾向や購入意思などのデータが含まれる。同社ではデータとエンゲージメントプラットフォームの使用料をクライアントに毎月請求する。

Undockは、会議のスケジュールと調整に重点を置いたSaaSビジネスだ。予測機械学習モデルによって、空き時間、優先事項、行動を比較し、参加者に最適な会議時間を見つける。またUndockプラットフォームは、あらゆる会議プラットフォームに対応する共同アジェンダとメモ機能を提供する。Undockはフリーミアムモデルを導入している。

関連記事:ソフトバンクとWeWorkがEmergeアクセラレータの最初のスタートアップ14社を選定

Category:VC / エンジェル

Tag:アクセラレータープログラム ERA

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(翻訳:Dragonfly)

Linuxが主流のカオスエンジニアリングをWindowsで実現するGremlin

カオスエンジニアリングとは、システムのワーストケースのシナリオを作ってテストし、オペレーティングシステムが落ちる原因を事前に調べる作業だ。従来は、もっぱらLinuxのサーバーが対象だった。カオスエンジニアリングをSaaSとして提供しているGremlin(グレムリン)はWindowsのシステムで仕事をしているエンジニアが同様の実験ができる新たなツールをリリースした。

Gremlinの共同創業者でCEOのKolton Andrus(コルトン・アンドラス)氏によると「今年で創業4年目になる同社は、Linuxのサポートでスタートし、その後DockerのコンテナとKubernetesへ移行した。しかし、当時からWindowsのサポートを求める声が多かった。そこで同社は、Windowsのサポートも加えるべきと決断した」とのこと。

アンドラス氏は「『実は同じタイプのエラーであっても、オペレーティングシステムによって違う現象のように見える。違う対応をしなければならないのではないか』と思う。そして、それが盲点になる。そこでGremlinは、いろんな実験の1つひとつにプライオリティを付け、Windowsを使っている人たちが最も必要とするタイプの実験を上位に置く」と説明する。

「Windowsの場合上位に置くのは、顧客がコンピューターの前に座ったらすぐに使えることを期待する、一連の重要な能力だ」とのこと。そこで、GremlinのWindowsエージェントを使ってエンジニアは、シャットダウンやCPU、ディスク、I/O、メモリ、そしてレイテンシ攻撃を実験できる。実は、世界中のサーバーの3分の1はWindows上で動いている。しかしそれらのシステムをこのようにテストできる能力があるのは、自社のサーバーシステムを内製する能力のある企業に限られている。

GremlinがWindowsのためにやることは、同社がサポートしているほかのシステムと変わらない。どんな企業でもカオスエンジニアリングを利用して、システムのエラーを防げるようにする。新型コロナウイルスのパンデミックの間は、一部のシステムにトラフィックが集中して過負荷になることもあるので、ワーストケースシナリオにはその実験も入れて、システムが落ちたときでも原因を把握していることが重要だ。

GremlinのWindowsエージェントは、同社にとってサポートするオペレーティングシステムのレパートリーが増えるだけでなく、同社の収益源を広げる。経済の先行きが見えない今は、そのこともますます重要だ。

同社は、サンフランシスコで2016年に創業したスタートアップ。Crunchbaseのデータによると、これまでに2600万ドル(約28億円)あまりを調達している。その大きな部分である1800万ドル(未訳記事)は(約19億円)は2018年に調達した。

関連記事:カオスエンジニアリングの対象をKubernetesクラスターに拡張したGremlin

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Netflixがアクティブではないゾンビ顧客に対してサブスクの自動キャンセルを開始

Netflixは米国時間5月21日、同社のオンデマンドビデオストリーミングサービスを1年以上何も視聴していない顧客に対して、サブスクリプションを継続したいかどうかを尋ね、連絡がない場合はメンバーシップをキャンセルすることにしたと発表した。

同社によれば、加入者になってからの12カ月以内にプラットフォーム上で何も見ていない顧客に対して、メンバーシップを維持したいかどうかの確認の通知を開始したとのことだ。同社はまた、2年を超えて何もストリーミングしていない人々に対しても連絡していると言う。

「何かにサインアップしたのに、それを何年も使っていなかったことに気付いたときの、あのどんよりした気持ちは、だれでも知っていますよね?Netflixが最も望んでいないことは、使っていないものに対してお金を払っていただくことです」と同社は説明する。

このあまり例を見ない動きは、実のところNetflixが忠実な顧客ベースにどれだけ信頼を置いているかを示しているのだ。ほとんどの企業は、できる限り長期間に渡って会員の銀行口座またはクレジットカードから割り前を引き出すことに満足している。

Netflixによると、これらのアクティブではないアカウント(一般的には業界ではゾンビアカウントとして知られている)は数十万人、あるいはメンバーベース全体の1%の半分未満のユーザーにすぎない。なおこのことはすでに財務情報として報告済みの事実である。

3月31日の時点で1億8200万人以上の加入者を数えるNetflixは、アカウントがキャンセルされたユーザーが再びプラットフォームに戻って来たいときには、簡単に戻れるようにしたいと述べている。10カ月以内に再入会した場合には、退会した時点と同じ、お気に入り、プロフィール、表示設定、アカウントの詳細を継続して利用することができる。

「それまでの間、この新しいアプローチによって、皆さまが苦労して稼いだお金を節約できることを願っています」と声明で述べたのは、Netflixの製品イノベーション担当ディレクターであるEddy Wu(エディ・ウー)氏だ。

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(翻訳:sako)

Twitterに続きSpotifyが従業員の在宅勤務を年末まで延長

新型コロナウイルスの危機が続く中、多くの大手テック企業が在宅勤務の方針を拡大しているが、Spotifyも今週、その仲間入りをした。無期限の在宅勤務を決定したTwitterほど極端ではないが、Spotifyのこの動きは働き方に対するオープンさが増していることの表れだ。

Varietyが報じたように、Spotifyでは新しい方針によりスタッフが2020年末まで在宅勤務を続けることができる。この指示は全世界の従業員を対象としている。Spotifyの本社はスウェーデンのストックホルムにあり、ニューヨーク、ロンドン、東京など各地に多くのオフィスを開設している。同社は79カ国で事業を運営している。

Spotifyの広報担当者はTechCrunchに対し、この動きを認めた。

5月21日、Spotifyの全従業員に対する在宅勤務の延長を全世界で発表した。我々は引き続き各地の当局のガイドラインに従い、安全と判断したら段階的にオフィスを再開する。従業員の健康と安全が最優先だ。従業員は誰も出社する必要はなく、年末まで在宅勤務を選択できる。

この発表は、FacebookやGoogleなどのテック大手に続くものだ。リモート勤務については多くの企業が長い間検討していたが、新型コロナウイルス(COVID-19)がその考え方を加速させた。ここ数カ月は、リモート勤務のモデルに対する厳しい試練のようなものだった。

多くの地域で事業が再開し始めても、感染拡大の第2波、第3波はあり得る。そのため、在宅勤務の延長はますます望ましいオプションとなっている。

参考記事:Twtterが社員の在宅勤務を期限なしに認める措置を発表

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

今週の記事ランキング(2020.5.17〜5.22)

TechCrunch Japanで最もよく読まれた5つの記事を紹介しよう。今週最も注目されたのは、5月15日に時価総額1億ドル(約107億円)での資金調達ラウンドを発表した次世代SNS「Clubhouse」についての記事だった。ランキング1位の「米国スタートアップ界で話題の次世代SNS『Clubhouse』になぜ100億円以上も時価総額がつくのか?」という記事では、サービス概要、利用シーン、実績、資金調達状況、Clubhouseに出ている批判の声などを網羅しているので、ぜひ読んでみて欲しい。

手のひらサイズのカード型PC「PI225」のレビュー記事もよく読まれた。この記事では、同デバイスのサイズ感はもちろん、使用感やベンチマークスコアなどを含めてレビューしているので、こちらも注目だ。それではまた来週!

  • 1位
    米国スタートアップ界で話題の次世代SNS「Clubhouse」になぜ100億円以上も時価総額がつくのか?

    米国スタートアップ界で話題の次世代SNS「Clubhouse」になぜ100億円以上も時価総額がつくのか?

    2020年4月にバズり初めて、米国時間5月15日に異例となる1億ドル(約107億円)時価総額の調達を発表した次世代SNS候補のClubhouse。前回のnote記事では現在人気なSNSのトレンドや軽くClubhouseなど次世代SNSを紹介しましたが、今回はClubhouseだけについて記事を書かせていただきました。一部重複する部分はあるかもしれませんが、Clubhouseのサービス概要、利用シーン、実績、資金調達状況、Clubhouseに出ている批判の声、そしてどのポイントが最も魅力的かを説明します 続きを読む

  • 2位
    ZOTACの手のひらサイズのカード型PC「PI225」の処理性能と発熱をチェック

    ZOTACの手のひらサイズのカード型PC「PI225」の処理性能と発熱をチェック

    ZOTACの手のひらサイズのカード型PC「PI225」の処理性能と発熱をチェック ZOTACは香港のPC Partner Group Limited傘下のコンピューター、周辺機器メーカー。もともとはグラフィックカード専門メーカーとして設立されたが、現在はゲーミング、オフィス向けのオリジナルPC、ミニPCなどを販売している。今回レビューする「ZBOX P」シリーズの「PI225」は、同社のミニPCの… 続きを読む

  • 3位
    人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

    人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

    元Airbnbのグロース担当のLenny Rachitskyさ(レニー・ラチツキー)さん「How the biggest consumer apps got their first 1,000 users」の記事を直接許可を頂き翻訳しました。C向けサービスがいかにして最初の1000人を獲得するかしっかりまとまってる記事は意外とありませんでした。レニーさんの記事は、実際に創業者のヒアリングを行い、過去インタビューを遡り、Twitterで質問したりした事実に基づく濃密なレポートです。UberやTikTok、Tinder、最近話題のSuperhumanなどの著名スタートアップの学びをシェアしたいと思います。続きを読む

  • 4位
    歯列矯正装置のbyteが絶好調、2020年の売上高は108億円を予想

    歯列矯正装置のbyteが絶好調、2020年の売上高は108億円を予想

    歯列矯正装置のbyteが絶好調、2020年の売上高は108億円を予想 自己資金で創業した企業にみられる特徴の1つが、VCの支援を受けた競合相手より成長スピードが遅いことだ。外部から支援を受けずに行うマーケティングの費用は売上高に頼っていて、売上高は往々にしてマーケティングでの支出に頼っている。この2つの要素の微妙な関係は成長スピードを緩やかにする。それに比べ、VCの支援を受けた企業は売上をあげる前…続きを読む

  • 5位
    アップルの再発明、新iPadOSマウスカーソル開発秘話

    アップルの再発明、新iPadOSマウスカーソル開発秘話

    Apple(アップル)はマウスポインタを発明したわけではないが、マウスポインタの存在を世に知らしめ、一般に使用されるまでにした会社であることは確かだ。Xerox Parc(ゼロックスパロアルト研究所)で開発され、その後アップルのSusan Kareによる伝説的なアイコンデザインによって身近な存在になったマウスポインタは、これまで約40年にわた… 続きを読む

ミュージックビデオをAI編集で制作できるTrashアプリに新機能追加

人工知能を使用してビデオ映像を編集するTrash(トラッシュ)アプリの開発チームは、誰にでも、特に独立系ミュージシャンの役に立つ、多くの新機能を今週リリースした。

私が昨年の夏、このスタートアップについて記事を書いたとき(未約記事)には、CEOのHannah Donovan(ハンナ・ドノバン)氏は、過去Vineのゼネラルマネージャーとして働いた経験から「ほとんどの人は見栄えの良いビデオを編集する技術的なスキルを身につけたと思えるようにはならないだろうと確信した」と語っていた。

それが動機となり、彼女と共同創業者で主任科学者のGenevieve Patterson(ジュヌビエーブ・パターソン)氏は、複数のビデオクリップを分析し、最も興味深いシーンを特定しそれらをつなぎ合わせて楽しいビデオを制作できるテクノロジーを開発したのだ。

それ以降Trashは、昨年の秋に行った一般向けの公開前から、多くのクリエイターを呼び込んできた。ドノバン氏は、ユーザーたちが「超洗練されたインフルエンサービデオ」を制作することを期待していたが、現実はその逆だったと説明した。

「Trash上に作られたコンテンツはとても個人的で、飛び抜けて本物で、極めて真に迫っているものです」と彼女は言う。「いい説明が見つからないのですが、SnapchatやInstagramのストーリーに表示されるようなものなのです」。

Trashは今週、Stylesを発表し、ユーザーにさらに多くの機能を提供しようとしている。これにより、作成したいビデオの種類を指定できるようになる。ダイジェスト動画(現在の推しはバケーションダイジェストだ)、ストーリー動画、またはより芸術的なものなどだ。制作結果はその指定に応じて調整され、ユーザーはクリップを移動するなどを行うことで、さらに調整を加えることができる。

画像クレジット:Trash

ミュージックビデオ向けのスタイルもある。多くのTrashビデオは、すでにビデオと音楽を組み合わせているが、ドノバン氏によればこの新しいスタイルは、特にYouTubeが新しい音楽を発見する主要な方法の1つになっている中で、編集スキルはないもののミュージックビデオを作成する必要に迫られている独立ミュージシャン向けに特別にデザインされたものだと説明している。「ミュージックビデオはかつてないほど重要になっています」と彼女は強調する。

Trashはこれらのミュージシャンにプロレベルのスタジオ品質映像を提供することはできないが、一方どんなに有名なミュージシャンであろうとも、誰もがほぼスマートフォンで自分を撮影する手法に縛られているのが現状だ。そしてドノバン氏は、パンデミックの後にもこの流れは続くと予想している。

「テキストメッセージなどの要素を組み込んだコマーシャルビデオでも同様です」と彼女は言う。「今、私たちが目にしているのは、リアルライフやバーチャルライフ、超洗練された高額予算の作品、DIYそのものでiPhone品質で撮影したものを、区別を気にせず盛大にミックスしたものなのです」。

どのようなものかを見てみたいなら、Trashで作成された最初のミュージックビデオのプレイリストを見るといいだろう。スタートアップはまた、ミュージシャンが自分の曲をアップロードしてミュージックビデオやプロモーションビデオを作成できるTrash for Artistsも立ち上げた、そこでは制作した作品を他のTrashユーザーにサウンドトラックとして提供することも可能だ。

新機能のリリースに加えて、Trashは先週、SnapのYellowアクセラレータプログラムを卒業した。ほかの投資家としては、National Science Foundation、日本のデジタルガレージ、そして元TechCrunch編集者のAlexia Bonatsos(アレクシア・ボナトソス)氏によって設立されたファンドであるDream Machineが含まれている。

関連記事:Trash uses AI to edit your footage into a fun, short videos

画像クレジット: Trash

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(翻訳:sako)

会員数14万人の「MEDULLA」運営がスキンケア領域に進出、パーソナライズ×スマホUXで化粧品業界の変革へ

パーソナライズヘアケアブランド「MEDULLA」を手がけるSpartyは5月22日、スキンケア領域の新ブランド「HOTARU PERSONALIZED(ホタル パーソナライズド)」の発売を開始した。

同サービスの特徴は肌診断の結果を軸に、約11万通りの中から自分に合った処方が提案されることだ。具体的には10個のオンラインアンケートに回答することで、自身の肌タイプや肌に関する悩みなどを特定していくところからスタート。その後カメラ撮影による肌状態の診断を実施すると、それらの結果を踏まえて自分用に最適化された化粧水と美容乳液が提案される。

価格は化粧水100mlと美容乳液80mlがセットで9200円、定期購入コースの場合は8280円(どちらも税抜)。商品が届いた後の定期カウンセリングも同サービスの1つのポイントで、診断結果をベースとしたスキンケアアドバイスを受けられるほか、フィードバックを通じて処方の内容をアップデートしていくこともできる。

商材の違いはあれど、サービスの構造や解決しようとしているユーザーのペインはSpartyがこれまで展開してきたMEDULLAと同様だ。MEDULLAでは日本国内に1万種類以上も存在すると言われるシャンプーの中から「自分に合ったものを探すのが大変」という悩みに対して、パーソナライズ×スマホUXの切り口から解決策を提案。この仕組みがユーザーから支持を集め、同サービスの会員数は累計14万人を超えた。

Spartyとしてはスキンケアにおいても同じような悩みが存在すると考えていて、今回スキンケア領域で新たなブランドをローンチすることを決めたという。

「パーソナライズスキンケアは米国で非常に熱い分野であり、日本国内でも資生堂の『Optune』など複数のサービスが生まれてきている状況だ。自分たちとしてはMEDULLAで培ってきた一連の購入体験に加えて、そこから得られたデータを基に全体のUXや処方ロジックを改善していく仕組みはスキンケア領域でも強みになると考えている。まずはその体験を軸にしっかりと市場を作り、パーソナルスキンケアの代表的なブランドを目指していく」(Sparty代表取締役社長の深山陽介氏)

深山氏の話では化粧水や美容乳液自体もこだわりの成分を活かして差別化できるようなものを開発しているとのことだが、そこにスマホを起点としたパーソナライズの体験を加えることで「顧客の課題を解決するサービスとして提供できる」点が1番のウリになるという。

新ブランドの肌診断ではオンラインの質問に加えて、カメラを使って肌状態を解析する仕組みも導入している(海外スタートアップの技術を活用しているとのこと)

また直近では新型コロナウイルスの影響で化粧品カウンターに出向いて商品を選ぶのが難しくなっていることもあり、オンライン完結で自分にあった製品を探せる手段としての需要もあるだろう。これに関しては実際にMEDULLAでもオンライン経由で新規顧客獲得数が増加傾向にあるとのことだった。

「(コロナが落ち着いていったとしても)化粧品カウンターで実際に肌に触れながら商品を選ぶというのは、しばらくは難しいのではないか。その環境において『スマホの中にある、あなたの美容院』のような形で、自宅にいながらスマホ上で簡単に肌状態を診断でき、パーソナライズされた最適なスキンケア製品が自宅まで届くという体験を提供していきたい」(深山氏)

深山氏によるとゆくゆくは今回の新ブランドとMEDULLAのサイトを統合して、さまざまなデータを基にユーザーに合った製品を提供していく計画なのだそう。1月の資金調達時にも「中長期的にいくつかのブランドを保有するD2Cホールディングスを目指している」という旨の話があったが、まずはパーソナライズ×デジタルを基軸として「化粧品メーカーや化粧品業界全体のあり方自体を変革していくようなチャレンジをしていきたい」という。

PathSpotがしっかり手洗いできているか確認するスキャナーを販売、感染症防止を支援

新型コロナウイルスは、感染症の予防に手洗いが大変に有効であることを大勢の人々に思い出させてくれた。PathSpot(パススポット)のCEOで共同創設者のChristine Schindler(クリスティーン・シンドラー)氏は、この3カ月間のために、3年間を費やして準備してきた。

「私は手洗いのことで頭がいっぱいです」と医用生体工学と公衆衛生の経歴を持つシンドラー氏は言う。その情熱と自身の経歴を結び付け、おもにタンザニアのキリマンジャロ山周辺の病院のために低価格な機器を開発してきたことからPathSpotは生まれた。

PathSpotのCEOクリスティーン・シンドラー氏

PathSpotは「食品のサービス、管理、貯蔵」のあらゆる場面で使えるとシンドラー氏が主張する、手洗いのための衛生機器を販売している。顧客の範囲は、レストランから梱包施設、カフェテリア、農場にまで広がっている。

PathSpotが販売するスキャナーは、洗面台の脇の壁に設置される。手を洗った人たこの衛生機器に手を入れると、手の衛生状態に応じて緑また赤のライトが点灯する。

技術面では手指消毒剤のPurell(ピュレル)に及ばないが、ある程度までのファクトチェックは行える。PathSpotは、可視光の蛍光スペクトルによる画像化で、人の手に付着した感染症を引き起こす細菌が含まれる恐れのある、特定の汚染物質を検知する。特定の波長の光を手に照射してその画像を取り込み、いくつものフィルターやアルゴリズムを通すことで危険な物質の存在を識別するのだ。

シンドラー氏によれば、2秒以内に両手のスキャンが完了するという。これは、最も一般的な伝達ベクターを探し出す。例えば、大腸菌のような食中毒を引き起こす恐れのある糞便物質などだ。

「これは、手を洗ったかどうか、または手に水滴がついているかどうかを判別するものではありません」と彼女。「手洗いは軽く見られがちなので、たいていの人たちは手は洗ったつもりでも、20秒間しっかり洗ったわけではなく、また、使うべきところで石けんを使わなかったりもするからです」。

だがこれが、新型コロナウイルスから人を守ってくれるのだろうか。新型コロナウイルスは現在、呼吸飛沫や糞便物質から伝播・伝染すると言われているとシンドラー氏は指摘する。PathSpotは、後者に対応できるという。

しかし、米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、糞便物質に含まれる新型コロナウイルスが感染を引き起こすかどうかはいまだ不明だという。これまでに、人の糞便物質によって新型コロナウイルスが拡散したことを証拠付ける報告はなく、研究者たちはそのリスクは低いと考えている。

そうしたわけでPathSoptは、今のところは新型コロナウイルスに特別に対処できるわけではないが、日常的、そして感染症を引き起こす恐れのある汚染物質を見つけ出すことはできる。新型コロナウイルスの流行が始まってから、米国では人々の衛生意識が全体に高まっている。「この機器の利用率は、数百件の顧客の間で500%も上昇した」とシンドラー氏は話していた。

PathSpotのもうひとつの製品は、レストランとその従業員の衛生管理と教育を向上させるためのダッシュボードだ。「手の爪の下やアクセサリーの下にホットスポットがあれば、すぐにわかります」と彼女。「あらゆるホットスポットの場所を見ることができるのです」。

有効性について同社は、PathSpotを1カ月間使用した場合、汚染物質が75%減少し、6カ月間の使用で90%減少すると話している。

PathSpotは、サブスクリプションの月額料金で利用できる。これにはスキャナー本体とデータ解析用のダッシュボード、そして同社から実用的な助言が受けられるコンサルティングが含まれる。価格は、機器のサイズと数によって異なるが、シンドラー氏によれば「平均的なところで月額175ドル(約1万9000円)から」とのことだ。

PathSpotの競合相手には、これまで3180万ドル(約34億円)を調達したFoodLogiQ(フードロジック)、1320万ドル(約14億円)を調達したNima Sensor(ニーマ・センサー)、280万ドル(約3億円)を調達したImpact Vision(インパクト・ビジョン)、520万ドル(約5億6000万円)を調達したCoInspect(コンスペクト)が挙げられる。だがこれらの企業は食品とその調達に焦点を当てているのに対して、PathSpotはそれを扱う個人に焦点を当てているとシンドラー氏は主張している。

本日、同スタートアップはシリーズA投資として650万ドル(約7億円)の資金を調達したことを発表した。投資を主導したのは、Starbucks(スターバックス)とValor Equity Partners(バラー・エクイティ−・パートナーズ)が共同で創設したファンドValor Siren Ventures(バラー・サイレン・ベンチャーズ)だ。

新たな資金が追加され、PathSpotの知られている限りのベンチャー投資金は1050万ドル(約11億3000万円)となった。Valor Siren VenturesのパートナーであるRichard Tait(リチャード・テイト)氏は、PathSpotの取締役会の役員に就任する。

PathSpotは、その製品が一般の人々に受け入れられやすいこの時期に成長を遂げている。だがその主要な顧客であるレストランは、パンデミックの影響で不振にあえぎ、全従業員の給与支払いもまなならない状態だ。そこでPathSpotは、パンデミック後に台頭するであろう新世代のレストランに照準を合わせた。つまりデジタルに対応し、衛生を保つテクノロジーを採用せざるを得ない業者だ。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:金井哲夫)

アップルとグーグルが新型コロナ濃厚接触通知APIをリリース、各国公衆衛生機関はアプリ開発へ

Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染者と接触した可能性があることを通知するアプリのAPIを一般公開した。TechCrunchでも先月下旬、コロナウイルス接触者追跡APIとして報じている。両社はその後、名称をウイルスに対するExposure Notification System(曝露通知システム)に変更したが、この方が機能を正確に表現しているようだ。

このアプリのユーザーが新型コロナウイルス感染にしたと確定診断された場合、その情報は公衆衛生機関にもたらされる。公衆衛生機関はアプリを利用している他のユーザーで感染者と接触があった人々に対し感染リスクがあることを警告する。個人を識別できる情報や位置情報などのプライバシーは十分に保護される。

今回の正式公開によりすべての公衆衛生機関がアプリのAPIを使用できるようになった。これまで両社は開発に必要な情報を得るためにベータ版のみを公開していた。正確にいえば、APIを利用するのは公衆衛生機関の依頼を受けてアプリを開発するデベロッパーだ。 つまり両社自らがリスクの通知やモニターアプリを作っているわけではない。

両社によると、米国の州多数と5大陸の22カ国が、感染警告アプリの開発のために感染データを処理できるツールの提供を要請していたという。公衆衛生機関は今回のリリースでAPIを利用できるようになったが、さらに機能の拡充を望んでいる。これまでに両社は、当局者、疫学専門家、アプリのデベロッパーのために説明会や講習会を24回以上開催してきたという。

感染リスクを通知するAPI はユーザーを識別する必要があるため、デバイス内でランダムに生成される鍵を利用する分散型識別システムとなっている。識別鍵はユーザーが使用するデバイス自身の識別情報などにはリンクせず、短時間で破棄されて別の鍵で置き換えられる。このAPIを利用する場合、公衆衛生機関は、感染リスクのあるユーザーとの接触持続時間や距離で独自に設定することが可能だ。

さらに両社は、感染リスクがあると通知されたユーザーが公衆衛生当局に対して自発的に健康状態を提供できるようにする。この場合、当局がユーザーに直接連絡して適切な対応を指示できるようにしていくという。

APIの開発にあたり、両社はプライバシーに最大限に配慮したという。組み込まれたプライバシー保護機能には、例えばBluetoothメタデータ(信号強度や送信電力など)の暗号化も含まれる。このようなデータは、可能性は低いもののデバイスを特定し、ひいてはユーザー自身を特定することに利用される可能性があるためだ。

またユーザーから位置情報の利用許可を得る必要があるアプリにこのAPIの使用することは明示的に禁じられている。公衆衛生当局が開発している感染追跡用のアプリには位置情報データを利用しているものがあるが、そうしたアプリはこのAPIにアクセスできない。このためアプリの開発方針の変更(未訳記事)も行われている。

両社はAPIの公開に関して以下のような共同声明を発表した。

アウトブレイクの発生時に公衆衛生当局が使用してきた最も効果的な手法の1つに、接触追跡と呼ばれるものがあります。このアプローチを通じて公衆衛生当局者は、感染者に濃厚接触した可能性のある人々に接触し、検査し、治療し、助言する。コンタクト・トレーシングの新しい要素の1つが、濃厚接触通知です。プライバシー保護のためのデジタル技術を使用して、ウイルス感染者に濃厚接触した可能性のある人に通知します。Exposure Notificationには、迅速な通知という具体的な目標がありますが、これは無症状で感染する可能性のある新型コロナウイルスで感染の拡大を遅らせるために特に重要です。

この取り組みを支援するために、アップルとグーグルは協力して、Exposure Notifications技術を構築しました。これにより、公衆衛生機関が作成したアプリがAndroid端末とiPhoneの両方でより正確に、より確実に、より効果的に動作するようになります。ここ数週間、両社は協力して、世界中の公衆衛生当局者、科学者、プライバシー保護団体、政府指導者に働きかけ、彼らの意見や指導を取りまとめてきました。

本日より、当社の濃厚接触者通知技術は、iOSとAndroidの両方で公衆衛生機関に提供されています。私たちが開発したものはアプリではありません。各国の公衆衛生機関が、ユーザーがインストールする独自のアプリにAPIを組み込むことになります。私たちの技術は、これらのアプリがよりよく機能するように設計されています。システムはデバイスから位置情報を収集したり使用したりすることはありません。ユーザーの採用が成功の鍵であり、これらのアプリの使用を促進するためには、これらの強力なプライバシー保護が最善の方法であると私たちは考えています。

本日、この技術は世界中の公衆衛生機関の手の中にあり、彼らが先頭に立ち、私たちは彼らの努力を支援し続けていきます。

両社は感染警告機能をモバイルOSそのものに組み込むことを計画しており、今年後半のiOSおよびAndroidのアップデートで実施されると述べていた。ただしこの「第2段階」の内容はさらに修正される可能性がある。両社によれば「新型コロナウイルス感染抑制対策としてどのような機能がシステムレベルに搭載されるのが望ましいか公衆衛生当局と協議を続けている」とのことだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナウイルス 関連アップデート

Fitbitが北米ユーザーを対象に新型コロナ早期検知の研究を開始

Fitbit(フィットビット)の運動量を追跡するためのウェアラブルデバイスは、新型コロナウイルス(COVID-19)やインフルエンザの早期検知に使えるかどうかを確かめるために多くの研究機関にすでに活用されている。そして今度は、Fitbit が自前のFitbit COVID-19研究を立ち上げる。この研究ではユーザーが自身のFitbitモバイルアプリからサインアップできる。

この研究は、新型コロナ感染症状が出る前に感染を正確に検知するためのアルゴリズムを開発できるかどうか探るために活用される。これを確かめるのに必要なデータを集めるため、同社は米国とカナダのユーザーで新型コロナに感染したか現在感染している人、もしくは感染を疑わせるインフルエンザのような症状を有している人に、研究のためにいくつかの質問に応えるよう依頼する。

質問に対する参加者の答えは、新型コロナウイルス感染を初期段階で警告できるパターンを特定するために、ユーザーのFitbitデバイス経由で集められたデータとペアリングされる。症状が出る前の感染検知には多くのメリットがある。個人がより素早く自己隔離でき、他人への感染を予防できる。

早期検知はまた治療面でもメリットがある。医療従事者が早期に治療を開始でき、最悪の症状を防ぐことができるかもしれない。最終的にどんな治療法が開発されるかにもよるが、早期の検知は治療効果に大きな影響をもたらす。

同社は、研究参加者に新型コロナウイルスにかかったかどうか、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスのような症状があったかどうか、症状の内容、人口統計的情報、病歴などについて質問する。研究への参加は任意で、参加を決めてからそうした情報を共有したくないとなった場合はいつでも参加を撤回できる。

新型コロナ早期検知は、経済再開のための安全で実用的な職場復帰戦略をサポートするものになり得る。また、研究結果で明らかにされる精度やどのデバイスを使うかにもよるが、テストと併用することで診断を広範に行う手段になるかもしれない。確認された新型コロナ診断というのは必ずしもテスト結果を意味する必要はない。診断というのは、生体データや症状の出方などいくつかの要因に基づく医師の判断だ。総合的な新型コロナ抑制策によっては、ウェアラブルの活用は新型コロナの感染の規模と広がりの評価において将来大きな役割を果たすことになる。

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

Magic Leapが新たに約377億円を調達、4月下旬に通知した大量解雇を中止か

Magic Leap(マジック・リープ)は1カ月前に従業員1000名を解雇して、消費者事業から撤退したが、報道によると最近また3億5000万ドル(約377億円)の救援資金を調達したようだ。Business Insiderが報じ、The Informationが確認したところによると、CEOのRony Abovitz(ロニー・アボビッツ)氏はスタッフに送ったメモでその投資を発表し「現在および新規の匿名の投資家たちのおかげである」と述べている。

一体誰が、そしてなぜ、そんな投資をしたのだろうか。某ヘルスケア企業かもしれない。いずれにしても同社は、4月下旬にスタッフに送付したWARN通知(大規模な人員削減のための60日間の通知)を取り下げようとしている。この動きは、同社が以前に発表した大規模な解雇を明らかに覆すものだ。

解雇がなくなったとしても、これまで大金を投資されたこの拡張現実企業が、前にも発表したように、フォーカスを全面的にエンタープライズに向ける計画であることは変わらない。そしてその結果、Microsoft(マイクロソフト)のHoloLensなどと直接競合することになる。

関連記事:Magic Leap reportedly slashes 1,000 jobs and steps away from consumer plan(Magic Leapが1000人解雇して消費者ビジネスから撤退、未訳)

アボビッツ氏は 「ヘルスケアとエンタープライズと国防関連の契約が順調に進んでいる。契約が完了したら発表できるだろう」と説明する。

Magic Leapは、COVID-19を4月のニュースの主因として挙げている。でもその閉鎖の前の同社は、消費者向けハードウェアで成功している企業とはとても言えない姿だった。9回のラウンドで26億ドル(約2800億円)という巨額を調達した同社は、開発が順調に進んでいるというよりも、ど派手な詐欺という言葉のほうが似合った。デモビデオは数年間発表し続けたが、その最初のデバイスはかなり期待外れだった。

TechCrunchではMagic Leapにコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グーグルマップがアクセシビリティ設備の表示を追加

Google(グーグル)は、重要かつ長年待望されていたに違いない新機能をGoolgeマップに追加した。車椅子利用可能情報だ。車椅子で利用できる店や観光スポット、トイレその他の施設に明瞭なサインが表示されるようになる。

歩行の不自由な人だけでなくベビーカー等を利用する人など、スロープや自動ドアなどの設備を必要としている人は無数にいる。Googleは施設のアクセシビリティ情報を何年も収集していたが、このたび新しい仕様によって日の目を見ることになった。

GoogleはGlobal Accessibility Awareness Day(世界的にアクセシビリティの認識を深める日)に合わせて、公式ブログで新機能を発表した。機能を有効にするには、マップアプリの”Settings”へ行き”Accessibility settings”で “Accessible places” をオンにする。

これて、検索したりタップした場所がアクセシビリティ対応していれば、小さな車椅子アイコンが表示される。住所や営業時間の出てくる詳細画面にいけば実際に利用できる設備がわかる。残念ながら設備のある細かい位置は表示されていないが、車椅子で入れる入り口やトイレがあることがわることだけでも第一歩だ。

こうした情報は自動的に生成されるのでも、設計図から取り込んだものでもなく、いつものGoogleと同じく、みなさん、ユーザーから得られたものだ。登録ユーザーなら誰でも、店の受け取りサービスなどの情報と同じように、アクセシビリティ設備の存在を通知できる。位置説明画面の “About”へ行って、一番下の”Describe this place” ボタンを押せばよい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerが機械学習で詐欺や偽の友達リクエストを撃退、未成年者を護る

米国時間5月21日、FacebookはFacebook Messengerの新しい機能を発表した。ユーザーを騙そうと狙っている連中を追い払う機能だ。機械学習を利用して、短時間に大量の友達申請リクエストを送っていたり、18歳未満のユーザーにたくさんのメッセージリクエストをしているアカウントを見つける。この機能は、Messengerの検索アルゴリズムの変更により、偽の友達申請が目立って増加している中で発表された。

怪しげな行為が見つかったら、チャットウィンドウがポップアップしてユーザーにその問題を通知し、ユーザーはブロックするか無視するかの選択肢を選べる。この機能は、一部のAndroidユーザーには3月ごろから提供されているが、iOSには来週中に実装される。

この機能の狙いは、詐欺行為となりすましの両方を減らすことだ。特に重視するのが、まだこのプラットホームに接続していない若いユーザーと大人の対話を制限することだ。Facebookの説明では「この新機能は、18歳未満のユーザーに、面識がないかもしれない大人と交流するときは注意するように諭し、メッセージに反応する前に行動を起こす権限を与える」という。

同社によると、この機能はエンドツーエンドの暗号化が導入されてからも有効だ。機械学習の導入以降になるが、その後も人間オペレーターによる怪しげなメッセージのチェックは続けられる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

自家用の電動垂直離着陸機は電気自動車よりもエネルギー効率が高い

今は輸送新時代の黎明期だ。

20世紀が始まるころ、馬は自動車に置き換わった。それから100年後の今、私たちは移動の舞台が空に変わるのを待ち望んでいる。Kitty Hawk(キティー・ホーク)はこれまで、電動で、離着と着陸を垂直に行い、その間は固定翼機のように飛行できる試作機をいくつか作ってきた。これらはひとまとめにしてeVTOL(イーブイトール、電動垂直離着陸)航空機と呼ばれる。

プロジェクト「Heaviside」(ヘビサイド)のようなeVTOLは、日常の足としての大きな可能性を示しているが、それを最終的な使用事例と見なすと、ひとつの素朴な疑問が浮上する。eVTOLはグリーンなのか?具体的には「eVTOL航空機は自動車よりもエネルギー効率は高いのか」というものだ。

米国環境保護庁(EPA)の基準によるハイウェイ走行テストでは、2020年型の日産リーフe+は、平均時速50マイル(約80km)の場合の電力消費量が1マイル(約1.6km)あたり275Wh(ワットアワー)となっている。ただし、米国の平均的な乗車人数は1.6人前後なので、リーフの電力消費量は、走行距離全体の旅客マイルあたり、およそ171Whとなる。

Kitty Hawkの現在のHeaviside試作機は、旅客マイルあたりの電力消費量は120Whだ。しかも速度はリーフe+の2倍にあたる時速100マイル(160km)。もちろん、お望みならもっと速く飛べる。道路は真っ直ぐではないが、飛行機は通常真っ直ぐ飛べるので、エネルギーはさらに15%節約できる。Heavisideの場合、総合して1マイル進むのに必要なエネルギーはリーフの61%に留まる。

なぜHeavisideが高効率なのか?速く飛ぶには、それだけ多くのエネルギーを使うのではないのか?そう、そしてそこに、さらに劇的な高効率をもたらす理由がある。答えは、Heavisideが細長く空気力学的な抵抗が低い形状だ。自動車をこの形にするのは現実的ではない。

下の図に示した翼の断面図のような、滑らかな空気力学的形状と、円筒などのぶっきらぼうな形状とでは、空気抵抗の差が激しい。あまりにも違うために、その2つの形状の空気抵抗が同じになるように大きさを調整すると、下の図のような比率になってしまう

円筒は小さすぎてよく見えない、右下の点がそれだ(画像クレジット:Kitty Hawk

見た目ではわからないが、翼のような滑らかな形状は、ある角度で風を受けると必ず揚力を生じる。これは単に体験上のことではなく、数学的に実証できる現象だ。

自動車メーカーは、空気抵抗が少なく、それでいてハンドル操作に支障をきたす揚力は生まず、横風の影響も受けにくい形状の開発に大変な労力を費やしている。風の強い日に橋を渡ったり、田舎の狭い道で大型トラックとすれ違ったときの車の状態を思い出してほしい。

画像クレジット:NASA

自動車は、かなりの量の空気も一緒に引き連れて走っている。

画像クレジット:Kitty Hawk

それに対してプロジェクトHeavisideは、周囲の空気をほとんど乱すことなく、その中を通過できる。そのため、Heavisideは非常にエネルギー効率が高い。しかしHeavisideに乗った人が、もっと遠くへ行きたいと望んだ場合はどうか。私たちがこれまでに達成できた航続距離に関して、私が個人的にびっくりしたのは、エネルギー消費量が非常に少ないHeavisideは、同時間の移動において自動車よりも効率的な乗り物であることだ。

これは、eVTOLで最も大切な完全電動という要素を除いての話だ。これに対抗する乗り物は、ガソリン車かディーゼル車だ。排ガス対策という理由だけで、一般消費者に電気自動車に乗り換えるよう説得するのは至難の業だ。むしろ、時間の節約になるという理由で売り込むほうが、ずっと簡単だろう。

別の角度から見てみよう。あなたの通勤距離が、米国人の平均である16マイル(約26km)だとしたら、そしてHeaviside型の航空機を使うとしたら、家の屋根に標準的なソーラーパネルを3枚設置するだけで、往復の電力が賄えてしまう

航空機の開発を完了し、商業的に販売を展開できるようになるまでには、まだまだ長い道のりがある。最終的な製品が今の試作機と同じ効率性を保てるかどうかも確約できない。それでも私たちは、効率と個人航空移動は矛盾しないことを実証できて、とてもうれしく感じている。

【編集部注】著者のDamon Vander Lind(デーモン・バンター・リンド)は、eVTOLで世界の移動を自由にすることを目指す企業Kitty HawkのHeaviside型航空機担当ジェネラルマネージャー。

画像クレジット:Kitty Hawk

[原文へ](翻訳:金井哲夫)

たまには外へ出て大自然の中でIP55準拠のサムスン製屋外用4Kテレビを楽しもう

多くの人たちと同じく、家の中に閉じこもる生活を何カ月も続けていることだろう。だらだらしたり歩きまわったりくだらないテレビをたくさん見たり。たまには外へ出て、大自然の中でウルトラハイビジョンのテレビを見るのはどうだろう。

これまで屋外テレビといえば、SunBriteTV(サンブライトティービー)のような専門メーカーの世界だった。このたびSamsung(サムスン)は、この明らかにニッチなカテゴリーに、Terrace(テラス)シリーズをひっさげて参入した。価格も相当ニッチで、55インチモデルの3499ドル(約37万6500円)から75インチの6499ドル(約70万円)まで。

ひときわ高価なこのテレビは、水やホコリに対してIP55の耐候性を備える。2160pの画面は極めて高輝度な2000ニト(nits)で、太陽光の下で見るための明るさを備えている。必要なポートはすべてついているが、同社はワイヤレス接続に主眼を置いているので、ユーザーは電源をつなぐだけでいい。別売りの Terraceサウンドバーも同じIP55基準に適合している。これを加えてこのテレビセットをコンプリートさせるにはさらに1200ドル(約13万円)必要だ。

私だけかもしれないが、ニューヨークのアパートで何カ月も部屋に閉じこもり、不機嫌で少々不安定な気分の中、アパートの外にでてやりたいのはテレビを見ることではない。それにパンデミックは終わりに近づきつつある。もしあなたの気が向いて、屋外スペースと数千ドルの余裕があるなら、サムスンにとって意中の人だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook