IT活用で“運転代行業界”の適正化へ、沖縄のAlpaca.Labが7000万円を調達

運転代行のマッチングプラットフォーム「AIRCLE」を開発するAlpaca.Labは3月9日、シードラウンドでXTech Ventures、すこやかホールディングス、BORベンチャーファンド1号投資事業有限責任組合、沖縄振興開発金融公庫を引受先とした第三者割当増資により総額約7000万円を調達したことを明らかにした。

同社は2018年2月設立の沖縄発スタートアップ。県内で必要不可欠の交通インフラとなっている「運転代行」の課題解決に向けて、調達した資金を基にエンジニアを始めとした人材採用の強化を進めていく計画だ。

運転代行を効率化するマッチングプラットフォーム

Alpaca.Labが手がけるAIRCLEは、わかりやすく言えば「タクシー配車サービスの運転代行版」だ。

運転代行とは代行業者がドライバーの代わりに車を運転して目的地まで送り届けるサービスのことで、飲食店でお酒を飲んだ後などに使われる。マイカーを運転して飲食店まで行き、食後は代行業者を呼んで車と自分を家まで送ってもらうようなイメージだ。代行業者は予約が入ったら自社の随伴車で現地へ向かい、到着後は1人が顧客の車を運転し、もう1人が随伴車で目的地まで一緒に行く。

都市部など公共交通網が発達している地域ではあまり馴染みがないかもしれないが、地方では日常的に利用される交通サービスだ。全国的には約8850ほどの代行業者が存在し、中でも沖縄は約737業者と全都道府県でも最多。この業界はアナログな要素が多くITの活用で改善できる余地は大きい。

運転代行は飲食店を通じて手配されることも多いため、Alpaca.Labでは2020年1月より独自のオペレータAI(配車最適化アルゴリズム)を基に飲食店と代行業者を効率よくマッチングするサービスから始めた。

飲食店向けにはデジタル端末から「テーブル番号、車両数、顧客の行き先」を入力するだけで代行業者を発注できる仕組みを提供。従来電話で行っていた発注作業をラクにするだけでなく、位置情報を基に近くにいる業者を優先的にマッチングするため顧客の待ち時間も短縮できる。

一方の代行業者向けには随伴車の管理や受発注の仕組みをIT化することによって、配車効率を上げるための基盤を開発。日報・運行管理や車両管理など日常業務をサポートする業務支援システムも合わせて提供する。

「飲食店にとっては発注作業が大きな負担になっている。忙しい時間帯だと電話がつながらない業者も多く何件も電話をかけ続けなければならないし、到着までに時間がかかるとなればそれだけお店の回転率も悪くなる。そもそも飲食店にとっては本業ではないため、ここにリソースを割きたくはない」

「代行業者としては受発注を最適化して少しでも多くの顧客を獲得したい。ITを活用することで随伴車の位置情報をリアルタイムに確認しながら効率よく配車手配を行えるだけでなく、ミスマッチの解消も見込める。たとえばこれまでは現地に着くまで顧客の情報がわからず、行ってみたら担当者が運転できない車だったり(左ハンドルの外車など)、目的地が遠すぎて自社の方針に合わなかったりすることも度々あった」(Alpaca.Lab代表取締役の棚原⽣磨氏)

今夏を目処に個人向けアプリのローンチも控えていて、個人が自らのスマホから簡単に代行業者を呼べるようにする計画。その際には「左ハンドルの車を運転できる人」などユーザーが条件を設定できる機能や相互評価の仕組みも搭載し、スムーズかつ安心して運転代行を使える環境を整備していくという。

現在は随伴車約60台(数十業者)、飲食店約150店舗を対象にサービスを展開。ビジネスモデルは代行業者から売上の10%をシステム利用料として受け取る形だ。

沖縄の課題解決を全国に課題解決へ

Alpaca.Lab創業者の棚原氏は沖縄県の出身。北陸先端科学技術大学院大学を経て教育系のコンサルティング会社に務めた後、沖縄に戻り沖縄科学技術振興センターで産学連携プロジェクトの推進を担当した。

具体的には大学の先生が持つ技術と県内外の企業をマッチングすることで新しい事業を生み出す支援をしていたそう。現在Alpaca.LabではAIRCLEのキモとなるオペレータAIを琉球大学の研究室と共同で研究開発しているが、その研究室とも前職で出会ったそうだ。

「産学連携のプロジェクトをいくつもやる中で、これは面白い技術だなと。沖縄で起業するなら沖縄の課題解決をしたい、地域の課題解決が全国の課題解決にも繋がる事例を作りたいという思いがあり、その観点でも運転代行はやりがいのある領域だと考えた」(棚原氏)

運転代行の概念自体は数十年前から存在し、2002年に「自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律」が施行されてからも20年近くになる。過去にはITを活用して業界の課題を解決しようとしたプレイヤーもいたが、どれも大きな成果を出すまでには至らなかった。

棚原氏がその原因にあげるのが業界内で「4/5の課題」と呼ばれる課題だ。これはざっくり言うと4/5の業者が表示義務違反や保険未加入、無許可の運行などによって「適切に運行することが困難」な状態にあることを指す。運転代行業界をアップデートするためには、そもそもこの状況を変えていく必要があるというのが棚原氏の考えだ。

「代行業者も必ずしも好きこのんでそうしているのではなく、金銭的に入る余裕がないことも多い。それは勘や経験に頼った非効率な配車オペレーションなど業務形態の課題だけでなく、行政側が実態をほとんど把握できていない状態や過度な価格競争により業界全体が疲弊してしまっていることなど、様々な要因が絡み合っている」(棚原氏)

そこでAlpaca.LabではオペレータAIを軸としたマッチングプラットフォームによって業務形態の効率化をサポートしつつ、全国運転代行協会とタッグを組みながら安全基準の策定や代行業者へのレクチャーなど業界全体を適正化する取り組みも進めてきた。

その上でゆくゆくは相互評価の仕組みを取り入れた個人向けアプリで、個人と代行業者を直接繋いでいく。これによってユーザーは安心して運転代行を手配でき、質の高い代行業者はきちんと評価され適正な価格で受注できる環境を整えていくのが目標だ。

運転代行の余剰リソース活かした新たなビジネス創出目指す

今回の資金調達はその動きを加速させるためのもので、エンジニアを中心とした人材採用に投資をする計画。今後は他業界のプレイヤーなどとも協業しながら「酔客に依存しないビジネスモデルの確立」に向けたプロジェクトにも取り組んでいきたいという。

「たとえば飲食店以外にも観光客や病院などを中心に新しい利用者の獲得や、日中使っていない随伴車の貸出(カーシェアリング)、配送業者とのコラボによる夜間・深夜帯の貨物輸送など、運転代行の余剰リソースを上手く活用することで人やモノの移動に関わる課題を解決できるチャンスもある。運転代行業界を良くしていくには酔客だけに依存しない仕組みが必要だ」(棚原氏)

上述したように運転代行業者は過疎地域を含め全国の市町村にすでに存在する上、日中はそのリソースが余っていることも多い。使い方次第では地域の課題解決インフラの1つとして強力なツールになりうるかもしれない。

棚原氏はMaaSならぬ「DaaS(代行 as a Service)」なんて表現もしていたけれど、テクノロジーを取り入れることで運転代行業界がどのように進化していくのか、今後の動向が気になるところだ。

Waymoが自動運転車の次世代技術をJaguar I-Paceで試験中

2年半ほど前Waymo(ウェイモ)のエンジニアらは、前世代を改良し、そして自動運転の乗用車からセミトラックまでさまざまな車両に対応する能力のあるハードウェアセンサーの開発に着手した。

そしていまWaymoは、手始めに全電動のJaguar I-Pace車両でこれまでの取り組みの成果を披露している。

Waymoは次世代のハードウェアシステムをJaguar I-Paceに搭載し、機械学習モデルを訓練するためのデータ収集に活用している。今後は運転席にセーフティードライバーが乗り込んだ自動走行モードでのJaguar I-Paceテストを開始する。マイルストーンを達成したら、大きなトレーラートラックに着手する。公道でのI-Pace試験は今後も継続され、ゆくゆくはWaymoの社員が配車を依頼して乗車できるようになる。最終目標はI-Paceを現在フェニックスエリアで展開されているWaymo Oneサービスに組み入れて展開することだ。

これはWaymoの第5世代ハードウェアだ。研究と開発に10年以上かけられ、前世代のものよりも高性能なはずだ。Waymoによると、実際そうだという。

もちろん、自動運転車両を商業展開するビジネスのために、最も有能でしっかりとしたハードウェアを製造することは、たとえ多額のコストがかかったとしてもそれは問題ではない。新たなハードウェアのコストは前世代の半分で、デザインと製造過程のシンプル化によりコスト抑制を達成している。

次世代ハードウェアはラボではなくライン製造される。ただし、Waymoはどこで製造するかは明らかにしていない。これらハードウェア一式のインテグレーションはデトロイトにあるWaymoの施設で行われる。

こうした改良には資金が必要だ。開発、テスト、有効化、そしてゆくゆくは対応した自動運転車両の商業展開にかなりの資金が注がれる。絶えず現金を必要とするために、AVスタートアップの数社は撤退した。

Alphabet(アルファベット)傘下の企業として、Waymoは他社とは少し異なった、そして居心地のいいポジションにいる。だからといって資金調達をしなくていいわけではなく、Waymoは22億5000万ドル(約2370億円)を調達した。同社は先週、Silver Lake、Canada Pension Plan Investment Board(カナダ年金制度投資委員会)、Mubadala Investment Companyがリードする投資ラウンドを発表した。これはWaymoにとって初の外部からの資金調達で、Magna、Andreessen HorowitzAutoNation、そして親会社のAlphabetも参加している。

次世代テックの中身

一連のハードウェアはカメラ29台を含む新しいビジョンシステムを有する。これにより視野をオーバーラップさせて道路のあらゆる方角の視野を確保し、500メートル先の停止サインもとらえることができる。

Waymoはまた、より自動運転車に適するよう、レーダーのアーキテクチャや信号出力、シグナル処理能力のデザインにも変更を加えた。

Lidar(light detection and ranging radar、光による検知と測距)はWaymoのハードウェアの重要な部分だ。同社は能力の改善とコスト抑制のためにLidarの開発に時間、人、資金とかなりのリソースを注入した。Lidarは自動運転の根幹をなすものであり、2017年に同社は前Google(グーグル)エンジニアのAnthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキー)氏によって企業秘密が盗まれ、Uberがその秘密を使用したとして、Uberを相手取って訴訟を起こした。

Lidarは第5世代システムと変わらない。基本的には周囲の3D図を提供するデジタル画像化のフォームであり、それが主な機能だ。しかし重要な変更も加えられた。

Waymoは、周囲360度の視野を確保するために中距離Lidarと長距離Lidarを1つのルーフトップユニットに結合させた。同社はまた、新たに周囲の長さを計測するセンサーを開発した。これは車両の4カ所に設置する。これらの短距離Lidarは画像解像度と精度を高めるためのもので、近接物体感知と回避が必要になったときスピードを緩めるのに最も有用だ。

こうした短距離Lidarのアップグレードは、Waymoの自動運転車両を向上させるという野心以上のものとなっている。同社は2019年3月に短距離センサー(Laser Bear Honeycombというものだ)を自動運転車両以外の産業向けに販売する計画を発表した。

当時、Waymoは最初にロボティクス、セキュリティ、農業テクノロジーに照準を当てると言っていた。こうした販売はWaymoが自動運転テクノロジーをより早く展開し、また大量生産することでセンサーをリーズナブル価格にするのに寄与する、と同社のLidarチームの責任者Simon Verghese(サイモン・ベルギーズ)氏は昨年にMediumで書いている

WaymoはすでにLaser Bearユニット販売で売上を上げていると話したが、具体的な販売台数や販売先は明らかにしなかった。

画像クレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi

米上院議員がUberやLyftなどに対し新型コロナの影響を受けるギグワーカーたちへの経済的配慮を要請

ギグエコノミー企業の中には、すでにその労働者間の新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散を防止するための措置を講じているところもあるが、米国バージニア州選出のMark Warner(マーク・ワーナー)上院議員は、そうした企業に対してウイルスの影響によって労働者たちが経済的苦境に陥らないような配慮も求めた。

「労働者が病気になるか、自己検疫(自宅待機)の状況に陥った場合には、その財政的苦境の可能性に対して、何らかの対応をとっていただきたいと、強くお願いしたいと思います」と同議員は書いている。「新型コロナウイルスの拡散を抑制するためには、経済的不安定性が労働者の皆さまに公衆衛生ガイダンスに従うことを躊躇わせるような事態にならないように、プラットフォーム企業の皆さまには率先して例を示し、対応していだくことが重要なのです」と続ける。

ワーナー上院議員は、UberやLyft、Instacart、Postmates、Grubhub、そしてDoorDashへ宛てた別々の手紙の中で、いくつかのアイデアを提示している。1つ目は、検査や自己検疫のために休暇を取る必要がある場合に、ギグワーカーが利用できる特別なコロナウイルス健康基金を設立することだ。また別のアイデアはたとえ通常の平均時間分の労働を行えない場合でも、労働者たちに通常の平均賃金を支払うというものだ。

「自らの責任に帰すことのできない健康上の緊急事態が、労働者とその家族に対して、過度の財政的負担をかけるべきではありません」と同議員は説明する。

UberはTechCrunchへのメッセージの中で、影響を受ける可能性のあるドライバーたちに補償を行うためのオプションを検討していると述べた。「私たちは公衆衛生コンサルの専門家と公衆衛生組織からの助言を受けている専任のグローバルチームを持っています。事業を展開する世界中の各市場で、必要に応じて対応を行うよう努めています」とUberの広報担当者は答えている。「私たちはチームはまた、コロナウイルスのために検疫状態に置かれたり診断されたりしたドライバーの皆さまに対して、個別に、あるいは基金を介して、または同業他社と提携して補償を行う方法を検討しています。上院議員には私たちの計画についての最新情報を提供し、議員からの手紙に直接の対応を続けます」と続けた。

Lyftの場合は、広報担当者による声明の中で、同社からワーナー上院議員のリーダーシップへの感謝を述べつつも補償の可能性については明示的に言及していない。「私たちは適切な行動を取ることに注力し、複数のシナリオを積極的に計画しているところです」とLyftの広報担当者は述べている。「政府当局者と調整を行う準備は整っています」と続ける。

一方DoorDashは、DoorDash配達員の福祉向上に役立つ「革新的なソリューション」について米国時間3月6日に上院議員と議論する予定だと述べている。「DoorDashのタスクフォースは、新型コロナウイルスの拡散に対抗して、コミュニティ全体の安全を保護するための、包括的な戦略の策定と実施に積極的に取り組んでいます」とDoorDashの広報担当者は述べている。「消費者の皆さま、配達員(Dashers)、そしてお店の方々に対して最新の公衆健康ガイドラインの提供を続けます。そして、アプリを用いてドアの前のどこに食べ物を置けば良いかを指定できる配達指示機能が使えることを、影響を受ける地域で周知しようとしています」と続ける。

また、非対面配達オプションの提供を開始したPostmatesは、米国疾病予防管理センター(CDC)からのガイダンスが更新されるたびに、その情報を労働者たちと共有すると述べている。さらにPostmatesは、同議員に対して「当社の柔軟な労働力の福利に投資する」計画を説明する予定であると述べた。

「コミュニティの健康と安全はPostmatesにとって最優先事項です。最新の予防措置を認識して貰うために、私たちはCDCの予防ガイダンスを配達を行う方々に向けてアプリ内で発信し続けます」とPostmatesの広報担当者は声明の中で述べている。「またPostmatesは本日、非対面でのお届けを指定するオプションも発表しました。私たちは引き続き、従業員、商店、消費者の皆さま、およびコミュニティのすべての方々が、手を洗ったり、調子が悪いときには外出を控えるといった、安全プロトコルに従うことを奨励して行きます」と続けた。

GruhHubも同様に、ドライバー、消費者、そしてレストランパートナーの、健康と安全に焦点を合わせていると述べている。「私たちはドライバーの安全性と福祉に対するワーナー上院議員の懸念を共有し、これらの重要な問題について上院議員と積極的に協力して行きます」と広報担当者は声明で述べている。

ギグエコノミー企業たちの対応への注目が集まったこのタイミングは、ギグエコノミー企業の多くがカリフォルニア州のギグワーカー保護法に対して対抗しようとしているタイミングに重なっている(この法律によって、企業はその労働者を独立請負業者として扱うことが難しくなる)。もし労働者たちがW-2従業員として分類された場合には、ヘルスケアや有給休暇などが与えられることになる。

ギグエコノミーの外の世界を見れば、例えばMicrosoft(マイクロソフト)やFacebookのような企業は、この方面に対してより積極的に行動している。たとえばマイクロソフトの場合、新型コロナウイルスの懸念によって仕事ができない場合でも、その時間給労働者に対して、通常の賃金を支払うことを約束している。Facebookも、マイクロソフトの発表後まもなく、懸念のあるこの時期に働けない臨時職員たちへの支払いを約束した。 SXSWも最近会議をキャンセルしたばかりだ。

TechCrunchはInstacartに連絡を取っている。なんらかの回答があれば記事を更新する予定だ。

画像クレジット: DoorDash / file photo

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(翻訳:sako)

スマホ用ショートコンテンツ配信のQuibiで4月6日から50番組がスタート

ショートフォームビデオサービスのQuibiは米国時間3月7日、ローンチ番組の全ラインアップを発表した。QuibiとはQuick Bites(軽食)という意味で、スマートフォンで視聴できる短い動画にフォーカスしている。その内容は「チャプター区切りの映画」(7〜10分の長さのチャプターに区切られた長い動画)、台本なしの番組、ドキュメンタリー、毎日のニュース、エンターテイメント、インスピレーションを含む。

  • Most Dangerous Game:Liam Hemsworth(リアム・ヘムズワース)氏とChristoph Waltz(クリストフ・ワルツ)氏主演のディストピア的アクションスリラー
  • Survive:Alex Morel(アレックス・モレル)氏の小説をもとにした、飛行機事故の影響を描いたSophie Turner(ソフィー・ターナー)氏主演のドラマ
  • Chrissy’s Court:少額訴訟裁判所を主宰するChrissy Teigen(クリシー・テイゲン)氏のドラマ
  • Murder House Flip:殺人事件で悪名高い家を家主が改修しようとする
  • Thanks a Million:エグゼクティブ・プロデューサーのJennifer Lopez8ジェニファー・ロペス氏を含む有名人が一般人に10万ドルを寄付し、お金を払わせるリアリティー番組
  • Last Night’s Last Night:Entertainment Weeklyによる深夜番組のまとめ
  • The Replay by ESPN:スポーツニュースを毎日放送する

Quibiによると、全175番組から合計8500話を最初の年にリリースするという。同社の「Turnstyle」技術を使えば、視聴者は縦向きと横向きをシームレスに切り替えられる。実際に一部の番組は視聴モードによって異なる、補完的な視聴体験を提供するよう特別に設計されている。

サービスの料金は広告付きで月額4.99ドル(約530円)、広告なしで月額7.99ドル(約840円)だ。またQuibiは、90日間の無料トライアルを提供することも発表した。ただし、これには4月6日までに同社のウェブサイトにて登録をすませる必要がある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXの第1世代Dragon貨物船が20回目、そして最後の宇宙輸送

SpaceX(スペースX)は米国時間3月7日の夜、第1世代Dragon
貨物船の20回目、そして最終のの打ち上げを実施
し、国際宇宙ステーション(ISS)への補給ミッションをおこなった。

この打ち上げはDragon貨物船の最後のミッションであり、今後はSpaceXの新型カプセルことDragon 2に取って代わられ、10月からISSへの補給が開始される。

DragonはISSへの補給物資に加えて、科学実験用のペイロードもISSに輸送する。その中には、宇宙でミッドソールを製造する方法を研究するAdidas(アディダス)の実験もある。また水栓メーカーのDeltaは、無重力状態で水滴がどのように形成されるかを研究する。そしてEmulateは、微小重力が腸内の免疫細胞にどのような影響を与えるか、そして心臓組織を宇宙でどのように培養できるかを調査するために、生体機能チップを宇宙へと送り出す。

SpaceXが最初に16億ドル(約1700億円)の宇宙ステーション補給契約を獲得してから12年の間に、宇宙産業は劇的に変化した。

SpaceXによるロケット部品の製造と再利用に関するイノベーションは宇宙産業に革命をもたらし、Aerojet Rocketdyne(エアロジェット・ロケットダイソン)やBoeing(ボーイング)、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)のような業界の巨大企業と競合できる可能性を、起業家が信じる環境を作り出した。

政府の宇宙ミッションが前述の請負会社に長年独占されていたことに、SpaceXが挑戦すべく登場して以来、ISSの周りには新たな産業の創出を支援する商業活動の波が押し寄せている。

Axiom Spaceは先週、SpaceXと提携して商業旅行客をISSへ費用5500万ドル(約58億円)で10日間滞在させる計画を発表した。さらにAxiomによるISSと接続する商業宇宙ステーションの建設計画は、宇宙の商業化に向けた大胆な一歩であり、SpaceXによる最初のDragonの成功がなければ、実現の可能性は低かっただろう。

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(翻訳:塚本直樹Twitter)t

Birdが米国オースティンで小型バイクScoot Mopedsをローンチ

BirdがScootを買収して生まれた電動モペッド(小型バイク)のScoot Mopedは、その発表から5か月後にオースティンでローンチされることとなる。

この新型の電動モペットは、Birdによるより多くの顧客を獲得するために製品の多様化を図る取り組みだ。Scoot Mopedは、Birdのアプリから利用でき、幅広タイヤ、油圧ディスクブレーキ、2つのサイドミラー、車速情報用のLCDディスプレイのほか、2サイズのヘルメットが車両のボックスに格納されている。Scoot Mopedの使用者は18歳以上で、かつ有効な運転免許証を所持している必要がある。

BirdがScoot Mopedを初めて発表したのは、Scootの買収後となる昨年10月だった。Birdによると、最初はロサンゼルスで試験走行を実施していたという。そして、音楽やテクノロジー、映画、コメディの祭典ことSXSWの開催の1週間前に、Scoot Mopedsはオーステンにてローンチされる予定だった。

【アップデート】オースティン市は米国時間3月6日、SXSWフェスティバルを中止すると発表した。

Scoot Mopedsは、すでにオースティンの市道を走っているシェアモビリティの一群に加わる。オースティン市議会は2018年2月、「ドックレス(充電設備なし)」シェアサイクルのパイロットプログラムの創設を承認した。そしてすでに、このサービスを運営している企業もあり、一方でその反応として規制の枠組もできた。しかし、スクーターは続々と登場している。

SXSW 2019にてTechCrunchが取材した複数の市当局者によると、シェアスクーターの利用者はシェアサイクルを逆転し、需要不足のために一部のシェアサイクルを路上から撤去するよう企業に促したという。

Birdの政府パートナーシップチームメンバーであるBlanca Laborde(ブラン・カラボルド)氏は声明で「(同社は)オースティン市と緊密に連携して、2039年までに50-50モードシフトという目標の達成を支援し、Austin Strategic Mobility Planを支援するより多くのソリューションについて、協力できることを楽しみにしている」と述べた。そして「オースティンの市民は、この新しいモビリティを気に入るだろう」と続けた。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

大手テック企業が新型コロナの影響を受ける時間給従業員に賃金支払いを約束

Microsoft(マイクロソフト)の35日夜の動きに続き、米国の複数の大手テック企業が、新型コロナウイルスの感染拡大への企業の対応に影響を受ける時間給従業員の賃金を支払うことに同意した。

健康と安全の両方の観点から行動する企業の対応は正しい。一方で、作業の中断や短縮の影響を最も受ける時間給労働者が、自分たちにはどうしようもない事象に悪影響を受けないよう企業側が配慮することも正しい。

3月6日にTechCrunchが報じたように、Facebook(フェイスブック)は臨時労働者への支払いを約束した。Axiosのレポートによると、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)が追随する見込みだ。Apple(アップル)に問い合わせたが、コメントは返ってきていない。

Axiosへの声明の中で、Amazonは従業員に対して同様の取り組みを約束した。「従業員が在宅勤務を求められている間、シアトルとベルビューのキャンパスをサポートするすべての時間給従業員、例えばフードサービスや警備員、清掃スタッフなどに給与支払いを続ける。さらに、当社所有ビルに入居している地域の中小企業を支援するため、1カ月分の家賃を助成する」とのことだ。

GoogleとTwitterも同様の約束をしたと報じられている。

テック企業はこの問題をリードしており、その姿勢が労働団体から称賛の的となった。だが、ベイエリアに限らずさまざまな地域の権利擁護団体は、オフィス閉鎖によって賃金を失う時間給労働者が直面する打撃を緩和するよう企業に促している。

バージニア州の民主党上院議員であるMark Warner(マーク・ワーナー)氏がこの問題に注目した。ギグエコノミー企業のUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、Postmates(ポストメイツ)、DoorDash(ドアダッシュ)に対し、コロナウイルスの影響を受ける労働者に補償を提供するよう圧力をかけている。

「この問題が起きている間に労働者が病気になったり出勤を控えたりすることによって生ずる財政的困難に対処するよう強く求める」とワーナー氏は書いている。「新型コロナウイルスの拡散を抑制するために、プラットフォーム企業が模範となることが重要だ。公衆衛生ガイダンスに従った労働者に対し、経済の不確実性が彼らの重荷にならないよう約束すべきだ」と続ける。

画像クレジット:TechCrunch

参考:米マイクロソフトは在宅勤務で仕事のない時給制現場労働者にも通常賃金を払い続ける

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(翻訳:Mizoguchi

TCL製折り畳みスマホのプロトタイプが到着、三つ折式とスライド式の2種類

MWC(Mobile World Congress)に出るはずだったTCLの一連のコンセプトフォンのプロトタイプが届いた。この中国のハードウェアメーカーは、先週2種類のデバイスを披露したが、その1つはCESでちょっと見せてくれたものだ。

どんな製品でも、頭にコンセプトがつくモデルは用心が必要。コンセプトカーの場合と同じくTCLは、消費者の関心を製品の一部の特定のデザイン要素に向けようとしている。特別の部分だけ目立って、将来性のなさそうなコンセプトデバイスは好きになれないが、フォルダブルというカテゴリーに関してはひと言言っておかなければならない。最初のGalaxy Foldと同じく、畳んだり開いたりする操作にはある種の注意が必要なのだ。

3つ折りタイプの製品は、1月のCESでもちょっと見た。コンセプトと呼ぶほどの斬新さはない。このデバイスは、3つの画面と折り畳み箇所が2つある。だから閉じると相当分厚い。でも広げると折り目が2つある10インチ画面の贅沢なタブレットだ。

関連記事:TCLのスライド式ディスプレイ採用スマホの画像がリーク

フォルダブルに関しては、消費者は本当にこんなものを買うのかという究極の疑問がすでにある。厚さが倍になり、故障の懸念のある問題の箇所が増えることが、特に魅力的なソリューションとは思えない。ポケットに10インチのタブレットが入ることがどれだけ素敵でも。

一方、スライド式(画面引き出し型)のデバイスは、それほど魅力的でもなくて、要するにユーザーは画面を引き出して全体を広くするのだ。確かに、このやり方ならヒンジや折り目の問題はない。でも、もっと丈夫でないと実用性は危ういだろう。

関連記事:TCL teases a 5G device, headset and its first foldable at CES(TCLがCESで初のフォルダブルを発表、未訳)

地球の裏側には実動機が1台ぐらいラボにあるのではないか思うが、実際に手にしてみるまでは当然ながら疑念は晴れない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

E-inkを搭載したAndroidタブレット「BOOX Max3」の実力は?

E-inkディスプレイを搭載した13.3インチAndroidタブレット

BOOX Max3は13.3インチのE-inkディスプレイを搭載したAndroid 9.0タブレットだ。開発しているのは中国広州に本社を置く文石で、日本ではFOXが正規代理店として販売している。

プロセッサーはミドルクラスの「Snapdragon 625」(8コア、2.0GHz)、メモリーは4GB、ストレージは64GB。13.3インチE-inkディスプレイの解像度は2200×1650ドットで、階調は16色グレースケールとなっている。また、4096段階で筆圧感知可能なワコム規格のスタイラスが付属しており、メモやイラストなどを描くことが可能だ。

BOOX Max3(9万8,80円、FOXの直販価格)

背面、前面ともにカメラは搭載されていない

底面にはUSB Type-C、Micro HDMI端子が用意されている

同製品は、BOOXシリーズの中で最大のディスプレイ、最速のプロセッサーを搭載した最上位モデルだが、それでもプロセッサー、メモリー、ストレージのスペックは他社フラッグシップタブレットと比べると見劣りする。E-inkディスプレイとスタイラスにそれを覆すだけの魅力・必要性を感じられるかどうかで、本製品に対する評価が変わってくるはずだ。

ディスプレイを高速設定にすれば動画も視聴可能

まず処理性能だが、決して高くないということは間違いない。たとえばベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark」で計測した本製品の総合スコアは「96636」。記事執筆時点でAndroid最速とされている「ROG Phone 2」が「507051」なので、BOOX Max3はその19%のパフォーマンスということになる。ただ、この差は正直気にしなくていい。むしろ「ROG Phone 2」が速すぎるだけ。BOOX Max3は3Dゲームなどを除いた一般的な用途なら十分な処理能力を備えている。

「AnTuTu Benchmark」で計測した総合スコアは「96636」

さて肝心なのはディスプレイだ。BOOX Max3には第4世代のE-inkディスプレイ「Carta」が採用されており、一般的な液晶ディスプレイとは特性が異なる。そこで重要になってくるのが、画質と表示スピードのどちらを優先させるかということ。

画質を優先させればコマ落ちして見えるし、表示スピードを優先させれば前の画像が残る「ゴースト」現象が発生したり、表示が不鮮明になる。私が試行錯誤したかぎりでは、電子書籍を読むなら「通常モード」、ウェブを見るなら「高速モード」、動画を視聴するなら「Xモード」がいいと感じた。

ディスプレイのスペックでもうひとつ注意してほしいことがある。実はBOOX Max3にはライトが内蔵されていない。Carta世代のE-inkディスプレイは前世代よりコントラスト比で50%、反射率で20%向上しているので、ある程度の明るさがあれば画面をはっきりと視認できるが、暗闇で見ることはさすがに不可能。もし消灯した寝室などで寝る前に読書を楽しみたいのなら、BOOX Max3は選択肢からはずれることになる。

画面設定で、画質を優先する「通常モード」、高速描画を優先させる「高速モード」、そのほか「A2モード」「Xモード」が選べる

BOOX Max3のディスプレイは16色グレースケールだが、カラーページでも意外と綺麗に表示される。右は「12.9インチiPad Pro」(画像提供:鈴木みそ、※鈴木みそ先生の許諾を得て「ナナのリテラシー」のページを掲載している)

画面モードを「高速モード」に設定すると、余白に前のページのゴーストが残る(画像提供:鈴木みそ)

左が「通常モード」、右が「Xモード」。画質の差は歴然としている(画像提供:鈴木みそ)

電子書籍リーダー以外の売りの機能が「ノート」だが、サードパーティー製メモアプリを利用することはオススメしない。というのも本製品標準の「ノート」アプリでは、ペン先に描線がリアルタイムに追従するが、サードパーティー製メモアプリでは1秒前後遅れて描線が表示される。メモ書きには標準の「ノート」を使って、Evernote、Dropbox、OneNoteで管理するというのが現実的な使い方だ。

標準の「ノート」アプリでは、ディスプレイの「標準モード」でも描線が遅れない。おそらくディスプレイ全体をリフレッシュせずに、線を描いた場所だけ描画するような特殊な機能を利用しているのだと思われる

「ノート」アプリをEvernote、Dropbox、OneNoteと連携しておけば、サムネイルの右上のアイコンをタップするだけで、いつでもアップロード可能だ

個人的に使いづらく感じたのがホームアプリ。BOOX Max3にはホームアプリとしてオリジナルの「コンテンツブラウザー」が搭載されているが、これを起動すると必ず「書棚」が表示されてしまう。「コンテンツブラウザー」に戻った際に表示するタブを「ノート」または「アプリ」に設定できる機能がほしいところだ。

直線に「ノート」や「アプリ」のタブを開いていても、再度「コンテンツブラウザー」に戻ると「書棚」のタブが開かれてしまう

左が「コンテンツブラウザー」の「アプリ」タブ、右がサードパーティー製ホームアプリ「Microsoft Launcher」。「Microsoft Launcher」ではアイコンがつぶれて表示されてしまうので、BOOX Max3で非常に使いづらい

メモ書きと電子書籍用途に特化したAndroidタブレット

BOOX Max3をiPadなどと比べると、処理性能はそこそこで、カラー表示には対応しておらず、カメラも搭載していないと見劣りするのは確かだ。しかし、E-inkディスプレイを搭載することによって、スタンバイモードで最大4週間のバッテリー駆動時間、目の疲労の少なさなどの美点がある。

膨大なアプリがリリースされているiPadのようになんでもこなせる汎用性の高さはないが、メモ書きと電子書籍と用途を限定すれば、BOOX Max3はiPadと評価が逆転するだけの個性を持ったタブレット端末と言える。

機種を問わずデュアルディスプレイ環境を実現できる「セカンダリーモニター」は、ほかのタブレット端末にもぜひ搭載してほしい機能だ

毎年40万人が参加するテック・音楽イベントSXSWが新型コロナの影響で中止

SXSWは、3月13日から22日にかけて米国テキサス州オースティンで開催される予定だったテックと音楽の祭典を新型コロナウイルス懸念のため中止すると正式に発表した。ただ、日程を変更しての開催を模索している。「先立って緊急事態を宣言したが、公衆衛生当局そして我々の衛生担当責任者の勧めに従ってSXSWを中止する命令を発出した」とオースティン市長Steve Adler(スティーブ・アドラー)氏は3月6日の記者会見で述べた。

SXSWは「市長の命令に従い、カンファレンスをキャンセルする」と説明している。「我々はイベントの日程変更を模索しており、SXSW EDUで始まる2020年のイベント参加者になるだけ早くバーチャルSXSWをオンラインで提供できるように努めている。登録済みの人、クライアント、参加者に可能な限り早く連絡を取り、FAQを公開する」。出席者やスポンサーが払い戻しを受けられるのかどうかは不明だ。

オースティン暫定保健局(Interim health authority)のMark Escott (マーク・エスコット)氏は、トラヴィス郡で新型コロナウイルス(COVID-19)感染のケースは確認されていないが、今回の中止は「嵐に見舞われるのに備えた、先を見越した措置」と話した。「SXSWに参加する人々はパネルやコンサートで互いに近い位置で長時間を過ごし、また登録している出席者は新型コロナウイルスにさらされている国内外から参加するため、SXSWの中止は正しい動きだ」エスコット氏は説明した。

SXSWでTexas Tribuneエディターのエヴァン・スミス氏と話すバラク・オバマ米大統領(2016年3月11日 / AFP / MANDEL NGAN)

今回のニュースの3日前には、アドラー氏が「現時点でSXSWの中止が安全確保につながるか、証拠はない」と発表するために記者会見を開いた。3月3日の時点でトラヴィス郡は新型コロナウイルス感染のケースはゼロだとしていた。

SXSWはテック、音楽、そしてテキサスの天候とビール、バーベキューを楽しみながら知り合いを増やすメディア業界が集まる場所として知られる。10年前は新しいソーシャルアプリを立ち上げるのにホットな場所だった。過去数年間はオタクっぽくも主流でもなくなり、SXSWは資金潤沢な企業が“クール”であることを示す場になっていた。

今年のカンファレンス中止を求める請願は5万4000人もの署名を集めた。起業家インフルエンサーのTim Ferris(ティム・フェリス)氏はアドラー氏にイベントの中止を求めた。SXSWは展示ブース購入者や出席者への払い戻しを拒んでいた。カンファレンスにフルにアクセスできるプラチナバッジは1550ドル(約16万円)する。

2019年のSXSWのステージで語る筆者と、インスタグラムの共同創業者Kevin Systrom氏、Mike Krieger氏(2019年3月11日、写真:Chris Saucedo/Getty Images for SXSW)

中止決定に先立ち、著名なスポンサーやスピーカー、パーティーオーガナイザーの多くが不参加を決め、カンファレンスは難しい状況に置かれていた。NetflixやApple、Amazon、Twitter、Facebook、LinkedIn、Google、Vevo、TikTok、Warner/HBO、そしてCNNなどはすべてイベントや製品発表、映画試写会、従業員による登壇をキャンセルしていた。

Google I/O、Facebook F8、GDC、Collisionトロント、MWC(モバイル・ワールド・コングレス)など、ほかの主要なテックカンファレンスの多くもすでに開催を中止したか、オンラインに移行した。マイアミのウルトラ・ミュージック・フェスティバル、そしてベルギーのトゥモローランドもキャンセルされた。Limeの会長、Joe Kraus(ジョー・クラウス)氏と筆者はSXSWでトークイオベントに出席する予定だったが、それもキャンセルとなった。

オースティンが受ける影響はかなり大きなものになりそうだ。SXSWは広大な敷地で開催される伝統的なフェスティバルではない。市内の何百もの場所でパネルやパーティー、コンサートなどが同時に開催される。特にミュージシャンにとっては日程調整による旅費はかなり高額で、またツアーのスケジュールはタイトだ。今回のキャンセルは収益面での負荷が大きく、日程再調整は難しい。何十万もの出席者の恩恵を受ける市内のバー、レストラン、小売店も売上に大きな打撃を受けることになりそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi

お気に入りのデジタルコンテンツを集めて共有するアプリをBookshlfが公開

Bookshlfは、音楽、ビデオ、記事、ポッドキャスト、さらにはツイートといったさまざまなメディアを、ユーザーが自分の友人に、そして世界中に紹介する新しい方法を提供する。

ニューヨークを拠点とする同社は、3月第1週にウェブとiOSアプリを正式に公開した。またマーケティング会社、Zeta Globalの共同創業者でCEOのDavid A. Steinberg(デビッド・A・スタインバーグ)氏が投資し顧問になったことを発表した。

このサービスの特徴はキュレーションだ。キュレーションという言葉はメディ業界ではしょっちゅう聞かれる。しかし社長のAndrew Boggs(アンドリュー・ボッグズ)氏は、インターネットの大手プラットフォームは真の意味でのキュレーションのためには設計されていないという。同氏は、以前はZetaでビジネス開発を手がけ、Mike Abend(マイク・アベンド)氏およびJustin Cadelago(ジャスティン・カデラーゴ)氏とともにBookshlfを創業した。

ボッグズ氏は次のように語る。「レガシープラットフォームの多くは、質よりも量に重きを置いてきた。そしてその性質上、情報はどんどん流れ去っていく。例えばある人が音楽について共有していたら、私は情報をフィードから探し出さなくてはならない」。

これはスタインバーグ氏の考えと呼応しているようだ。同氏は「巨大ソーシャルメディアプラットフォームは、少人数のほんとうに興味深い人たちを集めた場を作ろうとはしていない。どうすればできるだけ多く集められるかを考えている」と述べた。

Bookshlfでは、ユーザーはおすすめの情報をトピックごとの「棚」に整理し、iOSの共有メニューからリンクを棚に簡単に追加できる。またはアプリで直接リンクを追加する。ソーシャルメディア経由でリンクを棚に共有することもできる。

例えばボッグズ氏は、エレクトロニック音楽、ユーモア、テックとメディアのニュース、そしてニューヨークの美味しいバーガーといったトピックの棚を作っている。一方、スタインバーグ氏は「ビジネスに関する情報を得たい人がFacebookやInstagramを主に利用するとは思わない」と語っていただけあって、同氏の棚は人工知能、DARPA、自身の会社のZetaといったトピックになっている。

コンテンツを集めた棚という考え方は、ちょっと古いように思えるかもしれない。ボッグズ氏はBookshlfの棚を、以前にありがちだった自慢のDVDやアルバムの棚になぞらえる。しかし同氏は、こうした棚は本当に興味のあるものに絞り込むことができるので何かをすすめるには理にかなっていると考えている。「棚のコンテンツは厳選されたものなので、自分のプロフィールに直結する。もし誰かが音楽の棚を作っていたら、ほかの人はそれをそのまますぐに見ることができる」(ボッグズ氏)

人々がこれから実際にBookshlfをどう使うかはわからないが、ボッグズ氏は積極的にキュレーションし共有するコアなユーザーが少数存在することになるだろうと述べた。そういうユーザーになるのは、おそらくこれまでもソーシャルメディアやグループチャットで多くのことを共有し、「興味のある記事やおもしろいポッドキャストを誰かに送るのが大好き」な人たちだ。ほかのユーザーはアプリで興味深いものを眺めるだけになるだろうが、自分用としてリンクを棚に保存することもできる。

Bookshlfのチームは現時点では収益化を重視しているわけではないようだが、ボッグズ氏は有望なチャンスが多数あることを示唆している。ターゲット広告、スポンサー付きの棚、コンテンツのマイクロペイメント、オーディエンスの関心事項のトレンドについての幅広いデータの販売などだ。

Bookshlfは、スタインバーグ氏のほか、CAIVIS Acquisition Corp、Dalton Partners、Cambridge Way Venturesから資金を調達したが、その額は非公開だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

シェフと企業をつなぐケータリングのマーケットプレイス運営のHungry、評価額約110億円突破

企業と独立したシェフをつなぐケータリングのマーケットプレイスを提供するHungry(ハングリー)は、シリーズBラウンドで2000万ドル(約21億円)を調達したと発表した。同社によると、今回の資金調達で同社の評価額はプレマネーで1億ドル(約110億円)を超えたという。

Hungryの投資家たちも非常に特徴的だ。ラウンドをリードしたのはEvolution VC PartnersとWhole Foodsの元共同CEOであるWalter Robb(ウォルター・ロブ)氏で、彼はHungryの取締役会に加わる。さらにKevin Hart(ケビン・ハート)氏、Jay-Z、Los Angeles RamsのランニングバックであるTodd Gurley(トッド・ガーリー)氏、オバマ政権時代の大統領補佐官だったReggie Love(レジー・ラヴ)、Seattle SeahawksのラインバッカーであるBobby Wagner(ボビー・ワグナー)氏も参加した。

CEOのJeff Grass(ジェフ・グラス)氏によると、彼と共同創業者でCOOのEman Pahlavani(エマン・パラヴァニ)氏と社長のShy Pahlevani(シャイ・パレバニ)氏は、セキュリティ系スタートアップのLiveSafeで働いていたときに、このアイデアを思いついたという。

「LiveSafeでは食事の選択肢が非常に少なく、一番良い選択肢は(ファストフードの)Subwayと(レストランの)Ruby Tuesdayだった」とグラス氏は語る。「我々はもっと本格的な料理を食べたいと思い、 地元のシェフを活用するより良い方法を模索した」。

その結果、HungryはワシントンD.C.、フィラデルフィア、ボストン、ニューヨーク、アトランタに独立したシェフのネットワークを構築し、Amazon(アマゾン)、E-Trade、Microsoft(マイクロソフト)、BCGなどの企業にケータリングを提供している。シェフは全員Hungryによってチェックされ、「ゴーストキッチン」(レストランと結びついていない業務用キッチン)で料理を作り、Hungryのチームが配達する。

「Hungryの料理は、小売店と連携したレストランよりもずっと低コストで調理できる」とグラス氏。「しかし、品質を犠牲にしているわけではない。彼らは最高の料理を作る一流シェフだ。料理の質はレストランよりも高く、はるかに低コストで調理される」と続ける。

同氏は、この低いコストにより同社による社会貢献が可能になると付け加えた。具体的には、Hungryは販売された2食分につき1食ぶんを寄付することになっており、すでに50万食近くを寄付している。同氏は今回調達しった資金を、新しい市場に進出するために使う予定だ。具体的には、2021年末までに23都市への進出を考えている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Facebookが価格釣り上げ防止のため医療用マスクの広告を全面禁止に

米国時間3月6日の金曜日にFacebookは、同プラットホーム上での新型コロナウイルス関連の混乱を制限するための新たな試みとして、マスクの商取引と広告を禁じると発表した。

Facebookのプロダクト・マネジメント担当ディレクターであるRob Leathern(ロブ・レザーン)氏は、Twitterで「弊社はCOVID-19を注意深く監視しており、人びとがこの公衆衛生上の危機感を悪用していることを目にしたら、ポリシーを適宜アップデートする。今後、この変更を展開していく」と述べた。

Rob Leathern:マスクを売る広告と商用リスティングを禁ずる。(以下、上記と同じ)

またFacebookのスポークスパーソンも「マスク販売の広告と商用広告を一時的に禁じている。弊社のチームはCOVID-19の状況を注意深く監視しており、人びとがこの公衆衛生の緊急事態を悪用しようとしていることを目撃したら、ポリシーに必要な更新を行う」とTechCrunchに説明している。

Facebookは、品不足や早い者勝ちであるかのように人々を促す医療品の広告を今後すべて制限する。また、COVID-19の「治療」や予防を保証している広告も同様だ。さらにFacebookは近日中に、広告の制限だけでなく新型コロナウイルスをテーマとするグループやページを、同社のアルゴリズムによるレコメンドからブロックし始める。

新型コロナウイルスへの恐れが世界を席巻する中、オンラインのプラットフォームは不当な価格の釣り上げや間違った健康情報の防止に奔走している。Amazonは消毒剤やマスクなどの非常に高い定価を根絶しようとしているし、EbayはN95とN100のマスク、手の消毒剤、そしてアルコール拭きの出品をすべて禁じた。このオンラインオークションサイトは「COVID-19」や「新型コロナウイルス」などの言葉を悪用している出品も拒否している。

米国時間3月4日に、民主党のEd Markey(エド・マーキー)上院議員はAmazonのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏に公開書簡を送り、同サイト上で「価格の不当な釣り上げや透明性の欠如の報告が絶えない」ことに対する懸念を表明した。

マーキー氏は「何人(なんぴと)たりとも、恐怖や人間の苦しみを自己の利益機会にしてはならない。特にオンラインの小売業者には、新型コロナウイルスの急激な発生のさなかにおいても消費者を保護する特定の責任がある」としている。

関連記事: 政治的利益を狙いネット上で新型コロナウイルスに便乗する動き

今週初めにFacebookは、同社のプラットフォーム上の新型コロナウイルス関連の検索には、世界保健機構(WHO)と国内の保健機関からの情報を含むポップアップが自動で表示されると発表した

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Facebookの企業努力に関する最新情報で次のように述べている。「状況が流動的なので、我々は保健医療に関する国の機関とWHO、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)そしてUNICEFのような機関と協力して、新型コロナウイルスに関するタイムリーで正確な情報を入手していく。WHOに対して新型コロナウイルス対策に必要な数の無料広告とその他の現物支援を提供している」

同社はまた、生命に危険が及ぶような新型コロナウイルスに関する間違った情報の削減に向けて、広告や陰謀説、科学的根拠のない治療法などを削除することにも力を入れている。Facebookがマスクの広告停止を決めたまさにこの時期に、国の保健機関は、人びとにマスクの購入を控えるよう促している。健康な人は着用の必要がないことと、マスクの需要がそれを最も必要とする医療従事者への供給を圧迫しているからだ。

画像クレジット: hris Ratcliffe/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

約2700万人分のユーザーデータが米国の安全保障上の懸念だった出会い系アプリGrindrを中国企業が売却

中国のゲーム大手Beijing Kunlun Techは、人気の同性愛者向け出会い系アプリのGrindrを約6億800万ドル(約640億円)で売却することに合意し、中国企業所有の下での4年間におよぶ騒動に終止符を打った。

ロイターの報道によると、Beijing Kunlun TechはGrindrの株式の98%を、米国企業のSan Vicente Acquisition Partnersに売却したという。

もともとロサンゼルスで開発されたこのアプリは、2016年にBeijing Kunlun Techに9300万ドル(約98億円)で買収された後、安全保障上の懸念を引き起こした。その後、米国政府の国家安全保障委員会に相当する対米外国投資委員会(CFIUS)がこの買収を精査した結果、Grindrによるオーナーシップが安全保障上の脅威になっていると、親会社に伝えたという

CFIUSは、アプリ内の約2700万人ものユーザーデータが中国政府によって使用される可能性があるとの懸念を表明していた。2019年の報道によると、中国企業がGrindrを所有している期間中に、北京のエンジニアが数百万人におよぶ米国ユーザーの個人情報にアクセスすることを許可し、そのなかにはプライベートなメッセージやHIVに関する情報も含まれていたという。

Beijing Kunlun Techは、6月までにアプリを売却することで合意していた。

買収しおたSan Vicente Acquisitionについてはほとんど知られていないが、この取引に詳しい人物によると、同社は米国人によって完全に所有され管理されている投資家グループで構成されているという。ロイターによると、投資家の1人は中国の検索大手Baiduの元幹部であるJames Lu(ジェームス・リー)氏だとのことだ。

なお、買収には株主の承認とCFIUSによる審査が条件となっている。

Grindrの広報担当者は、この件に関するコメントを避けている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

スタンフォード大学が新型コロナ懸念で教室での授業を中止

オースティンで開催されるはずだったSXSWカンファレンスSaaStrといったこの数日間における大型イベントのキャンセルに続き、カリフォルニア州パロアルトのシリコンバレー中心部に位置するスタンフォード大学は、米国時間3月6日の金曜日遅くに、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大していることをうけて、冬学期最後の2週間、対面での授業を中止すると発表した。

スタンフォード大学 の声明の中で、同大学の教務副教授であるPersis Drell(ペルシス・ドレル)氏は、スタンフォード大学は冬の学期試験に向けた2週間の授業を中止し、「実行可能な範囲で」オンライン形式の授業に移行すると発表した。

また、大学教授たちには政府から従来と同等のオンライン形式の教材を提供する方法の考えるように促されており、冬学期に行われるすべての試験はリモートで提供される予定だ。この方針は、3月9日月曜日の授業から直ちに実施される。

さらにスタンフォード大学は、毎年開催されていたAdmit Weekendを中止する。Admit Weekendでは、入学希望者が学部課程への進学先を最終的に決める前に、週末にヤシの木で囲まれたキャンパスを訪れて、学校についてさらに詳しく学ぶはずだった。また、キャンパスツアーも中止になっている。

スタオンフォード大学はまた別のメモで、2人の学生が新型コロナウイルスの「汚染環境に滞在した」ため、隔離されていることを認めた。同大学は、現時点においてどちらの学生も同ウイルス感染に対して陽性反応を示していないと強調した。

サンフランシスコのベイエリアでは、新型コロナウイルスにさらされる可能性のある人数が増えている。スタンフォード大学は世界的に大流行している新型コロナウイルス対応の先頭に立っており、今週にはこの感染症を検出する独自の検査法を開発したことを発表していた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

スペースXがDragon貨物船を使った最後のISSへの打ち上げをライブ配信

SpaceX(スペースX)は米国時間3月6日の夜、国際宇宙ステーション(ISS)への20回目の補給ミッションを打ち上げる。今回のミッションは、これまでのNASA向けミッションのすべてで使われてきたDragon貨物船を使用する最後のミッションとなる。2020年夏からは、その後継機が登場する。

今夜のミッションでは、これまでどおりISSにさまざまな物資や実験機器、新しいコンポーネントを輸送する。打ち上げは太平洋時間の午後8:50に予定されており、上の動画でその様子を確認できる。

Dragon貨物船とFalcon 9の第1ステージは、どちらも以前のミッションで使用されたもので、Dragon貨物船は今回が3回目の打ち上げで、今回が最後となる。

Dragon貨物船はCrew DragonとCargo Dragon(名称に2がつくこともある)という2機種の後継機を生み出し、当然ながら前者は最大の注目を集めている。しかし、改良されたドラゴン貨物船はより多くの利用を見込んでいる。

新旧のDragon貨物船の正確な違いは完全には明らかになっていないが、アビオニクス、電力システム、搭載ソフトウェアそして全体的な形状に大きな変更があることが判明している。当然のことながら、貨物船には生命維持装置や脱出システムは搭載されておらず、人員の輸送は意図されていない。

新しく改良されたCargo Dragonでは、最初の商用ミッションが2020年8月に予定されており、姉妹機のCrew Dragonもすべてが計画どおりに進めば、その前に打ち上げられるかもしれない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

米国議会に急かされてFCCはロボコール対策技術の実装をキャリアに義務化

通信キャリアに対して、1年間の猶予期間を与えた米国のFCC(連邦通信委員会)がついに本日、米国時間3月7日から、ロボコール排撃技術の実装を彼らに要請する。もちろんFCC自身も、待ちくたびれた議会にせっつかれて、通信キャリアに対する行動を起こさざるをえない。

この技術は「Secure Telephony Identity Revisited / Secure Handling of Asserted information using toKENs」と呼ばれ、幸いにも「STIR/SHAKEN」という略称がある。これは、電話番号の悪用を防ぐための一種の認証局だ。興味のある方は、この技術記事を読んでみよう。

STIR/SHAKENはかなり前から、ロボコール対策の重要なポイントとして頻繁に取り上げられてきた。2018年にFCCの議長であるAjit Pai(アジット・パイ)氏は、通信キャリアは2019年の末までにそれを実装せよと命じている。その2019年が過ぎ、FCCと通信キャリアは他のロボコール対策を導入し、STIR/SHAKENはほとんど忘れ去られていた。

その間、おそらく迷惑電話に悩まされ続けたと思われる議会は超党派で「TRACED Act」を成立させて、FCCとその他の省庁がロボコール対策のアクションを起こせることになった。そしてもちろん、通信キャリアはロボコール排撃サービスの料金を請求できない。

関連記事: ロボコール遮断法案が上院通過、大統領の署名待ちに

また議会は、FCCに対してSTIR/SHAKENの実装期限を設けるよう命じた。現在、パイ氏はそれに応じている。

パイ氏による3月7日の声明では「この重要な技術の全面的な展開を促進するために、FCCのアクションが必要なことは明らかである。ロボコールの根絶に特効薬はないが、しかしこれは 我々がかねてから攻撃していたターゲットにとって致命傷になる」と述べられている。

しかしまだ、みんなが急いでいる気配はない。必要なFCCの票決は3月終わりに予定されていて、音声サービスのプロバイダーはSTIR/SHAKENを2021年の6月までに実装しなければならない。実装が困難と自称している小規模なプロバイダーには、さらに1年間の猶予が与えられる。

ということは、クルーズ船の割引乗船料金とか、税務署からの警告などと称する奇怪な電話は、当分かかってくるということだ。もちろん、自分でできる迷惑電話対策もある。例えばこれらの簡単な工夫は、あなたの精神安定に役立つだろう。

関連記事: How to stop robocalls spamming your phone…ロボコール対策の基礎編(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラ中国工場でのModel 3ロングレンジの生産にゴーサイン

画像クレジット:Costfoto/Barcroft Media via Getty Images/Getty Images

中華人民共和国工業情報化部のWebサイトに米国時間3月6日に掲載された文書によると、Tesla(テスラ)は、同国政府から中国の工場でModel 3のロングレンジ後輪駆動タイプを生産するための承認を受けた。

ロイターが最初に報じた

テスラは、2019年末に上海工場でModel 3のスタンダードレンジプラス後輪駆動タイプの生産を開始した最初の納車も1月初旬に始まっている。今回の承認により、テスラは中国で販売する車種のリストを充実させることができる。最終的に同社は、中国の工場で電気自動車モデルYも製造する予定だとしている。

この動きが注目を集めるのには理由がある。というのも、テスラは米国ではロングレンジ後輪駆動タイプのModel 3の生産を中止し、現在ではそのバリエーションとして、デュアルモーター4輪駆動タイプのみを提供しているからだ。またこの動きは、中国ではModel 3の基本的なタイプを販売する、という同社が打ち出していた当初の計画からはズレている、と点もある。

テスラの中国版Webサイトによると、スタンダードレンジプラスのモデル3は、1回の充電で276マイル(約444km)を走破できる。しかし同社はまだ中国版Webサイトに、ロングレンジタイプの走行距離を掲載していない。

テスラは、2018年7月に中国政府と契約を結び、上海に工場を建造した。これはテスラと同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏にとって、節目となるできごとだった。同氏は中国を非常に重要な市場であると、ずっと位置づけてきたからだ。また中国が、これをテスラと中国政府とのジョイントベンチャーとはせず、テスラが100%所有する工場として認めたという点でも注目を集めた。通常外国企業が中国に工場を作る際には、伝統的に現地のパートナーと50対50の合弁事業としなければならなかったためだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Bluecrewが企業の派遣スタッフ管理を支援するモバイルアプリを立ち上げ

持株会社IAC傘下で、企業からの需要に応じ柔軟に人材を派遣するBluecrew(ブルークルー)が新しいモバイルアプリ「Bluecrew Manager」の提供を開始する。

独立した請負業者のネットワークに頼るのではなく、Bluecrewは自身でW-2従業員(源泉徴収の対象となる従業員)を雇用する。W-2従業員はBluecrewの顧客から1時間単位の仕事を受けることができる。

同社は以前から顧客向けにWebベースの管理ツールを提供していた。モバイルアプリの方はCEOのAdam Roston(アダム・ロストン)氏によると「忙しい時にすぐ必要とされること」を顧客が達成できるように設計されているとのことだ。

例えば同氏によると、倉庫担当マネージャーは1日中「フロアを走り回っている」ものだ。倉庫担当マネージャーがピックアンドパック部門(倉庫内の複数の保管箇所から物を取り出し1つに梱包する部門)を訪れ、その日のチームメンバーを確認したい場合、Bluecrew Managerを開けばメンバーの写真を見ることができる。誰かがチェックインするのを忘れていたら、アプリから直接勤務時間を修正できる。

スタッフの追加をリクエストしたり、特定のスタッフを「お気に入り」に登録する機能もある。「お気に入り」登録によって、将来また同じ会社の仕事に割り当てることができる。

Bluecrewはこの1カ月、すべての顧客が無料で利用できる「Bluecrew Manager」をテストしてきたという。ホスピタリティ企業であるEurest(ユーレスト)のカフェマネージャーであるEduardo Medrano(エデュアルド・メドラノ)氏はアプリ提供開始の発表で「現場にいるスタッフの確認や各種調整を自分のスマホ上で行える」ため、このアプリは「スタッフの管理方法を完全に変えつつある」と語った。

同社によれば、2018年にIACに買収されて以来、顧客基盤はほぼ4倍になり、物流、製造、ホスピタリティ、料理、倉庫などの業種で需要が伸びているという。

ロストン氏はまた、カリフォルニア州の新しいAB-5(企業が労働者を独立請負業者として分類する要件を制限している)は、Bluecrewが柔軟性と労働者保護を両立させる適切なアプローチを取ったことを示すと指摘した。

「共同創業者でCTOのGino Rooney(ジーノ・ルーニー)が5年前に会社を始めたとき、W-2従業員を対象にするのは少しクレイジーに思えた」とロストン氏は述べた。「2019年、1年で状況が変わった。実際のところ、国内のほとんどの企業はすでに労働法を順守しており、何年もW-2従業員を中心に雇用している。だが、AB-5成立からは勢いが増しており、あらゆる地域にそれが広がると予想している」

画像クレジット:Bluecrew

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(翻訳:Mizoguchi

SonyやAudiも導入したOribiの誰でも使えるWeb分析プラットフォームが米国進出

Webのアナリティクスを誰でもできるようにしたいと考えるイスラエルのOribiが、米国でローンチした。

TechCrunchでも最近の新しいアナリティクス企業をいろいろと取り上げてきたが、Oribiの創業者でCEOのIris Shoor(アイリス・ショーアー)氏によると、Oribiの顧客は彼らに対して不満があるという。

ショーアー氏は「多くのアナリティクス企業は、ハイエンドを狙っているところが多い。もっぱら技術的なリソースや他とのインテグレーションに基づいたソリューションを提供している。Mixpanels風、Heap Analytics風、Adobe Marketing Cloud風といったものが多い」と語る。

それらに対してOribiは、技術者チームがいない中小企業向けだ。「彼らのところには月商数十万ドルの価値があるデジタルマーケティング戦略や、とても大きなアクティビティがあるのに、それを活かせるチームがない。しかも、どこもGoogle Analyticsを使っている」

ショーアー氏が語るOribiの狙いは、コードを書いてくれる開発者がいなくても、誰もが必要なデータを得られて、追跡したいものを追跡できる「Google Analyticsに対抗」したプラットフォームだ。

Event Correlations

特にWordPressやShopifyでは、ユーザー向けにOribiのプラグインがあるので、利用に際してコーディングはまったく必要ない。どうやらOribiは、すでにユーザー企業のサイトを閲覧する顧客の重要なイベントを、すべて追跡しているらしい。ユーザーはコンバージョン(実買率)の目標を設定できるが、それに対してもコーディングは不要だ。

ショーアー氏によると、他のアナリティクスプラットフォームは大量のデータを吐き出すだけだが、Oribiだけは各データの意味や、それらが示唆しているアクションをユーザーに教えてくれる。

「Oribiは、とてもスッキリしたプロダクトだと思う。ただデータを出すのではなく、何が機能しているのかということに対するユーザーの理解を助ける。一方バックグラウンドでは、いろんなクエリや相関分析によって、どこがまずいのか、どこを最適化すべきかを見つけている」とショーアー氏はいう。

AudiやSony、Crowne Plazaなどの大企業がすでにOribiを使っているが、今後、同社は米国の顧客に狙いを定めるとのこと。ただし、米国にオフィスを構えるのは2021年あたりになるという。

関連記事: When and how to build out your data science team…どんなときにデータサイエンスチームを自前で構築すべきか(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa