AWSがスループット保証付きマネージドCassandraサービスをローンチ

米国時間12月3日に開催されたAWS re:InventでAmazonは、AWS上でCassandra(カサンドラ)データベースを管理できる機能を発表した。

このAmazon Managed Apache Cassandra Service(Amazon MCS)と呼ばれるマネージドサービスは、サードパーティのベンダーからではなくCassandraを直接デベロッパーに提供しようとするAWSの意図の現れであり、すでにGrubhub.com、Netflix、Ooyala、Openwave、Reddit、Uberなどさまざまな企業が使っている。

同社によると、Amazon MCSはサーバーレスなので、ユーザーは自分が実際に使うリソースにだけ料金を払い、アプリケーションのトラフィックに応じてスケールアップとダウンは自動的に行われる。アプリケーションは毎秒数千のリクエストに応じられ、そのスループットとストレージに上限はない。IoTにとっては、とびきり魅力的な特性だ。

デベロッパーは、Cassandraの既存のアプリケーションをそのままAWS上で動かせるし、これまで使っていたデベロッパーツールを使える。アプリケーションのアップデートはAmazon MCSのサービステーブル中のエンドポイントを変えるだけだ

データはデフォルトで暗号化されて保存される。暗号化にはAWS Key Management Service(KMS)に保存されている暗号鍵が使われる。同社によると、Amazon MCSAWS Identity and Access Management(IAM)と統合されているので、デベロッパーはテーブルデータの管理やアクセスが容易とのこと。

Amazonによると、同社はCassandraのAPIライブラリにも協力しており、またオープンソースのApache Cassandraプロジェクトにバグフィックスで貢献している。プレビュー期間中はオンデマンドのキャパシティに課金され、一般公開時にはある程度予測できるワークロードに対して一定のスループットを確保・提供する。

今このプロダクトはAmazonの無料ティアに含まれている。企業は、最初の3か月はライトリクエスト3000万、リードリクエスト3000万、ストレージ1GBの無料ティアを使用できる。

画像クレジット: Ron Miller

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSのCodeGuruは機械学習を応用してコードレビューを自動化

AWSは米国時間12月3日、コードレビューを自動化する機械学習ベースの新サービスのCodeGuruを発表した。同社内でコードレビューを実施して収集したデータに基づくもの。

デベロッパーは、コードを記述したらプルリクエストにCodeGuruを追加するだけでいい。今のところ、GitHubとCodeCommitをサポートしている。CodeGuruは、Amazon社内のレビューと、約1万件におよぶオープンソースのプロジェクトのレビューから得た知識を利用して問題を見つけ、必要に応じてプルリクエストにコメントする。問題を特定するのは当然として、修正方法を提案するほか、関連するドキュメントへのリンクも示してくれる。

CodeGuruには、AWS自身のベストプラクティスが蓄積されている。一般的な問題に加えて、並行処理に関する問題、リソースの不適切な処理や入力の検証に関する問題も指摘してくれる。

AWSとAmazonのコンシューマー部門は、ここ数年、CodeGuruのプロファイラー部分を利用して、「最も高くつく1行のコード」を見つけてきた。その数年間、同社のアプリケーションが大規模なものになっていく中で、CPUの利用率を325%以上向上させ、コストを36%も削減したチームもあったという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AWSが最大7倍高速なARMベース次世代プロセッサ「Graviton2」を発表

Amazonのクラウド部門でありAWSは、ARMベースの次世代プロセッサであるGraviton2発表した。7nmアーキテクチャを採用したカスタムチップで、64ビットのARM Neoverseコアを採用している。

第1世代のGravitonプロセッサー(A1)と比較すると、今回の新しいチップはA1インスタンスに対して最大7倍のパフォーマンスを発揮する場合もある。浮動小数点演算のパフォーマンスも2倍だ。メモリチャネルも増強され、キャッシュによるメモリアクセスははるかに高速になっているはず。

同社は、現在3種類のGraviton2のEC2インスタンスに取り組んでいて、いずれもまもなく利用可能になる。末尾に「g」が付いたインスタンスは、Graviton2チップを搭載している。「d」が付いたものは、NVMeタイプのローカルストレージを装備していることを意味している。

3種類のインスタンスは以下のとおり。

  • 汎用のインスタンス(M6gとM6gd)
  • 数値計算に最適化したインスタンス(C6gとC6gd)
  • メモリを最適化したインスタンス(R6gとR6gd)

最大64個のvCPU、512GBのメモリー、25Gbpsのネットワーク機能を備えたインスタンスを選択可能だ。ARMベースのサーバーは、単なる一時的な流行というわけではない。すでにAWSでは、ARMベースのインスタンスのコスパが、x86ベースのインスタンスと比較して40%も優れていることを確約している。

AWSは、OSのベンダーや独立系のソフトウェアベンダーと協力して、ARM上で実行できるソフトウェアのリリースを支援している。 ARMベースのEC2インスタンスは、Amazon Linux 2、Ubuntu、Red Hat、SUSE、Fedora、Debian、およびFreeBSDをサポートしている。さらに、Docker、Amazon ECS、およびAmazon Elastic Kubernetes Serviceといったいくつかのコンテナサービスでも動作する。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Facebookは広告による差別への対策を拡大

ACLUや他の公民権団体との今年初めの和解条件に基づき、Facebookは差別的な広告ターゲティングを防ぐための措置を講じてきた。

画像クレジット:Getty Images

具体的には、「住宅、求人、貸付といった米国内の広告は、もはや年齢、性別、郵便番号、あるいは文化的多様性に基づいてターゲティングすることができない」と同社は述べている。また、そうしたカテゴリに関連する、より詳細なターゲティングもできなくなっているという。

米国時間の12月3日、Facebookは、同社の広告製品マーケティング担当副社長のGraham Mudd(グラハム・マッド)氏が「差別を削減し排除するための取り組みにおける次のマイルストーン」と表現したことの内容について発表した。

1つ目は、こうしたルールの適用をFacebook Ad Managerだけでなく、誰かがFacebook上の広告を購入する可能性のある他のすべての場所にも拡げていること。つまり、Ads Managerアプリ、Instagram Promote、Facebook Pages上の広告作成ツール、サードパーティの広告購入ツールが利用するFacebook Marketing APIなどだ。

2つ目に、当初は政治的な虚報に対する懸念に対処するために作成した、検索可能な広告ライブラリを拡大して米国内のユーザーをターゲットにした住宅広告も対象となるようにした。

その結果、もし規制当局や公民権団体、ジャーナリスト、その他だれでも、企業が実際にどのようにFacebookを利用して住宅販売の広告を出しているのかを確認したければ、アーカイブを確認できるようになった。これに関するライブラリは、米国時間12月4日以降に広告のアーカイブを開始する。Facebookによれば、いずれは求人や貸付の広告も含める予定だという。

マッド氏は、広告主が新しいルールの中でどのように仕事を進めるべきかを理解するのを、Facebookとして手助けしているとも語っている。またこれを、差別と戦うための「正しいトレードオフ」であると表現する一方で、年齢や性別に基づいたターゲティングを使用しながら「非常に合理的かつ合法的な非差別的広告手法」がこれまでもあったし、今もあることを示唆している。

また現状では、広告主は「こうした制約を考慮した上で、プラットフォームの使い方を再学習しなければならない」とも述べた。

関連記事:米住宅省が住宅広告におけるFacebookの広告ターゲティングを差別として告訴

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Mozilla独自のVPN機能「Firefox Private Network」が拡張ベータに

Mozillaは米国時間12月3日、Firefoxの接続を暗号化するFirefox Private Network(FPN)が、Firefox Test Pilotプログラムでの比較的限定的な数カ月間のテストを経て、拡張ベータになったことを発表した。ただしこのベータ版は、今のところ米国のユーザーのみが利用できる。また無料の暗号化サービスは、当面の間12時間までに限定され、Firefoxのデスクトップ版での利用に限られる。なお、この拡張機能を使用するには、Firefoxアカウントが必要となる。

画像クレジット:JOSEP LAGO/AFP/Getty Images/Getty Images

それより興味深いのは、Mozillaが、デバイスレベルで動作するフル機能のVPNにも取り組んでいるということの方だろう。すべてのインターネットサーフィンはもちろん、アプリの通信にも適用される。現在はWindows 10用だが、他のプラットフォーム用も間もなく登場する予定。この新しいサービスは、現在招待の申し込みを受け付け中だ。

初期費用は月額4.99ドル(約540円)になる予定。Mozillaが提供するサービスに対して、ユーザーに直接課金するのは、これが初めてのこと。ただし、サービスを進化させながら、支払う意志があるのはどのようなユーザーなのかをMozillaが理解すれば、価格は変更される可能性もある。VPNの運営にはそれなりのコストがかかることを考えれば、MozillaとしてもVPNを無料で提供できないのは当然のことだろう。

また今回の発表には、独自のGeckoViewエンジンを利用した次世代モバイルブラウザーFirefox Previewのアップデートや、デスクトップ版Firefoxで利用できる、あらゆるビデオサイトに対応したピクチャーインピクチャーのサポートも含まれている。Firefox Previewは、すでに一般公開されているAndroid版Firefoxの新世代のテストバージョンだ。今回のFirefox Previewには、デスクトップ版と同様のトラッキング防止機能の強化をはじめとして、Androidのホーム画面で使える検索ウィジェット、開いているタブを複数まとめて他のデバイスに送信できる「タブを送信」機能の改良など、見どころも多い。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

米国サイバーマンデーのオンライン売上高は過去最高の約1兆200億円

サンクスギビング(感謝祭)で始まるホリデーシーズン買い物週末の最終日であるサイバーマンデーのeコマース売上高は過去最高を記録した。Adobe(アドビ)のデータによると、米国の消費者はオンラインでの買い物に計94億ドル(約1兆200億円)を費やした。

この数字を別の視点で分析すると、ピーク時に消費者は1分あたり1200万ドル(約13億円)を使っていた。スマホ経由の売上高が30億ドル(約3260億円)を超えたのは今回が初めてだ。昨年のサイバーマンデーの売上高は15億ドル(約1630億円)超だった(10億ドル超えがすごいことだった日のことを覚えているだろうか?)。また、11月初めからのオンラインショッピング額は815億ドル(約8兆8000億円)となった。

一方で、懸念された以上に消費の動向は緩やかだった。サンクスギビングブラックフライデーのオンライン売上高はアドビの予想を若干下回り、合計ではほぼ予想通りだったが、予想を大幅に超えるものではなかった。アドビは19%近くの増加を予想していた。。なお、Salesforce(セールスフォース)の売上予測はもっと保守的なものだったことを記しておくべきだろう。同社はサイバーマンデーの売上高が米国で前年比15%増の80億ドル、ワールドワイドで12%増の300億ドルになると予想していた。

そうした予測はオンライン小売の側からすると強気なものだった。「小売業者は例年より短いショッピングシーズンに対応するためにセールの開始を早め、その一方でブラックフライデーやサイバーマンデーのような定着したセールの販促も続けた」とAdobeのMarketing and Consumer Insights責任者John Copeland(ジョン・コープランド)氏は発表文で述べた。「消費者は買い得商品に金をつぎ込み、特にスマホで買い物した。スマホでのショッピングは雪や雨の日に増えた」

サイバーマンデーで最も売れたアイテムとしては、Frozen 2のおもちゃ、L.O.L Surprise Dolls、NERFプロダクト、Madden 20、Nintendo Switch、Jedi Fallen Order、Samsungのテレビ、Fire TV、AirPods、Air Fryersなどだ。ブラックフライデーからサイバーマンデーにかけてAppleは300万セットのAirPodsを売ったという報道もある。サイバーマンデーで最もお買い得だったのはテレビだった(割引率は平均19%)。

サイバーマンデーの最終的な数字はアドビのものと少し異なるかもしれない。売上高は午前中に計4億7300万ドル(約513億円)となり、太平洋時間午後5時に50億ドル(約5400億円)を突破した。

ブラックフライデーのオンラインショッピングが実在店舗での買い物と競っている一方で、サンクスギビングでは一部の人は消費に控えめであり、そしてサイバーマンデーは多くの人がウェブでの買い物に没頭する。サイバーマンデーには仕事が始まり、人々は実在店舗にはあまり足を運ばないが、それでもホリデーバーゲンの買い物をしている。

スマホ経由での30億ドル(約3260億円)もの買い物は、全売上高の3分の1を占めた。スマホの売上高だけもすごいが伸び率は46%だ。別の言葉で言うと、スマホ経由での買い物の成長は目覚ましく、オンライン売上高全体の成長を牽引している。

ブラウジングも人気で、しかしそれほど著しい成長ではない。サイト訪問の54%がスマホからのもので、これは1年前に比べて19%増えた。人々が出先で手早く買い得商品を探すことを思えばこれはもっともなことだ。しかし、座ってクレジットカード番号や住所の入力というやっかいな作業をするとなれば、人々はより快適なキーボードと大きなスクリーンを選ぶ。

アドビがサイバーマンデーまでのセール期間中に指摘したいくつかの傾向は最後まで見られた。ここには、大きなものはさらに大きくなるということも含まれる。どういうことかというと、年間売上高が10億ドル(約1085億円)を超えるようなeコマース大手は、このショッピング期間を最大限利用し続けた。

大手の売上高は今年71%増え、かたや中小の売上は32%増にとどまった。この理由としては、大手のほうが大きな割引を提供できること、品揃えが幅広いこと、配達のオプションがフレキシブルであることが大きい。アドビはまた「オンラインで購入して実在店舗でピックアップする」サービスが昨年から43%増えたことも指摘した。

サンクスギビングとブラックフライデーの後にくる大きなショッピングデーを意味する「Small Business Saturday」と「Super Sunday」という言葉はまだ比較的新しいものだが、この週末を通して消費者は74億ドル(約8030億円)を使った。

サイバーマンデーの売上に影響を及ぼす通常の要因に加え、今年のショッピング期間は悪天候の恩恵も受けたようだ(現在、米国の各地で荒れた天候になっている)。天候が厳しくなると、人々は家にこもってショッピングする傾向にある。たとえば米国ではブラックフライデーに2インチ(約5cm)を超える記録的な積雪があり、オンラインの売上は7%伸びた。

「このホリデーシーズンのオンラインショッピングは予想以上の伸びとなった。小売業者はセール期間がいつもよりも短くなることを意味する短いホリデーシーズンを恐れ、消費者はそれに気づいた。一部のエリアでは、雪や大雨といった天候によって多くの消費者が外出を控え、オンラインでお得な買い物をすることを選んだ。ブラックフライデーだけでもオンラインで74億ドル(約8030億円)の売上があり、この数字は昨年のサイバーマンデーの79億ドル(約8600億円)に迫るものだった」とAdobe Digital Insightsの主席アナリスト兼責任者のTaylor Schreiner(テイラー・シュレイナー)氏は述べた。

「消費者は、今シーズン多用されたスマホの存在もあって、ホリデー期間中の買い物の仕方について認識を新たにしている。今年のホリデー期間中に消費者はスマホ経由の買い物で140億ドル(約1兆5000億円)を使うと予想している」とシュレイナー氏は付け加えた。

大事なことを1つ言い残したが、Amazonのような大手オンライン小売がなぜ広告事業を積極的に展開しているか、Adobeが追跡しているトレンドについて述べる。有料の検索は売上の24.4%を占め(前年比5.2%増)、実際のダイレクト・トラフィック(21.2%)を3ポイント超上回った。「ナチュラルな」検索は売上の18.8%を占め、一方で電子メールは16.8%だった(前年比8.9%増)。オンラインセールのドライブとしてソーシャルメディアの影響は最も小さかった(わずか2.6%だった)。しかしインフルエンサーとしての存在を証明し、サイト訪問の8%を占め、これは前年から17.5%のアップとなった。

画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

AWSが機械学習を利用する企業向け検索ツール「Kendra」を発表

12月3日に開催されたのre:InventでAWSは、Kendra(ケンドラ)と呼ばれる新しい検索ツールを発表した。機械学習を利用してコンテンツのさまざまなリポジトリーを自然言語で検索する。

AWSの人工知能担当副社長であるMatt Wood(マット・ウッド)氏によると、この検索ツールは機械学習を使うけど、ユーザーは機械学習の専門知識をまったく必要としない。その部分は、ボンネットの下に隠されたままだ。

ユーザーはまず、コンテンツのリポジトリーを指定する。それはS3のストレージでもOneDriveでもSalesforceでも何でもいい。AWSは既製のコネクターをいろいろ提供しているので、ユーザーは自分の認証情報でAWSにアクセスし、これらのさまざまなツールに接続できる。

Kendraは自分が接続されたリポジトリーに見つけたコンテンツのインデックスを作り、ユーザーは自然言語のクエリを使ってこの検索ツールとの対話を開始できる。このツールは時間などの概念を理解するので「When is the IT Help Desk is open」(ITのヘルプデスクはいつオープンしているか)と質問すると時間であることを理解し、正しい情報をユーザーに渡す。

この検索ツールがすごいのは、機械学習を使っているだけでなく、ユーザーのフィードバックから自動的に学習して、良い回答と改良を要する回答を見分けられることだ。フィードバックは、笑顔や悲しい顔などの絵文字でもいい。

この検索ツールをセットアップしたら、会社のイントラネットに検索機能を持たせたり、アプリケーションの中で使ったりできる。タイプアヘッド(先行入力、候補文字をユーザー入力よりも前に表示する能力)など、検索ツールにあるべき機能はほぼそろっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASAが「ロボットホテル」を次期SpaceX補給ミッションで国際宇宙ステーションに送り込む

NASA(航空宇宙局)は、同局が「ロボットホテル」と呼ぶものを次期補給ミッションで国際宇宙ステーション(ISS)に送り込む。SpaceXのロケットであるFalcon 9を今週打ち上げる。ロボットホテルは正式には「Robotic Tool Stowage」(ロボッティック・ツール・ストレージ)と呼ばれ、略称は「RiTS」。NASAは何よりも略称が大好きだ。

ロボットをどこまで擬人化したいかによっては「ホテル」より「ガレージ」の方が適切な命名かもしれない。このユニットは実質的に、ロボットが使われていない時の駐車スペースであり、放射線被爆や微小隕石などとの衝突からロボットを保護することが目的だ。

ホテルの最初の宿泊客はRobotic External Leak Locators(もちろん略称はRELL)という2台のロボットだ。ISSの外殻構造に漏れがないかを船外から確認するという重大な任務を負っている。従来は使用していないときはISS内で保管されていたが、宇宙ステーションの船内スペースは貴重なので、これを節約できることは宇宙飛行士や送り込まれる実験機器を送り込む研究者たちにとっては常に朗報だろう。

さらに、RELLは船外に出て任務に付く際には校正作業が必要で、丸々12時間を要する。新しい保管場所はすでに船外なので、ステーションのロボットアーム「Dextre」(デクスター)がロボットを掴んで作業させるのもずっと簡単迅速になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

冷却能力と太陽光発電に優れる軌道上データセンターの実現に向けHPEがスタートアップと協業

宇宙でできるビジネスって何だろうか?あなたの答の中にはなかったかもしれないが、データセンターもその1つだ。宇宙はデータセンターにとって、なかなか興味深い環境だ。特に、高度なアナリティクスや人工知能には向いているだろう。冷却能力は優れているし、太陽光という再生可能エネルギーにリーズナブルにアクセスできる。でもそこには課題もあり、フロリダの宇宙スタートアップOrbitsEdge(オービットエッジ)にHewlett Packard Enterprises(HPE)とのパートナーシップには十分な意義がある。

このパートナーシップでは、HPEのEdgeline Converged Edge SystemsにOrbitsEdgeがハードウェアを提供し、外宇宙で使われるHPEのスタンダードなマイクロデータセンターの強化を同社がすべて担当する。強化(Hardening)とは、何かを宇宙で使用する場合の標準的なプロセスで、特に機械装置類を大量の放射線や高温など、宇宙の過酷な条件に耐えられるようにする。

今年前半に創業したOrbitsEdgeは、同社が特許を持つハードウェアのSatFrameにより、宇宙のストレスから機器類を守り、今回のHPE Edgelineのような一般市販品を使った地球上の装置を宇宙で使えるようにする。そして、装置のユーザー自身が独自に大量の対策作業をしなくてもよくなる。

とくにこのHPEのエッジシステムの場合は、OrbitsEdgeとのパートナーシップによって、軌道上で小さなデータセンターをセットアップすることがとりあえず実現可能になり、宇宙に由来するデータの処理の少なくとも一部を、地球にデータを送らずにその場で実行できるようになる。その処理を地球でしたら、そもそもそれをやってくれる企業やインフラストラクチャを見つけること自体が難しく、あっても非常に高価につくだろう。宇宙内製造のように処理や工程を宇宙ローカルでできれば、大量のオーバヘッドを減らして、とても多くのポテンシャルに道を開くだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

信用取引が1日で完了するメキシコのフィンテック企業Konfioにソフトバンクが100億円超を投資

Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)がメキシコのフィンテック企業であるKonfio(コンフィオ)に1億ドルを融資した3カ月後、ソフトバンクも同社に1億ドル(約109億円)を投資した。このニュースは、ロイター通信が8月に報じたソフトバンクが同社と交渉を進めているという記事を裏付ける結果となった。Konfioはメキシコ最大級の資金調達を行っているフィンテック企業だ。

ソフトバンクはメキシコでの投資拡大を続けており、これまでにも中古車販売プラットフォームのKavakや決済システムのスタートアップのClipに出資している。メキシコ以外では、これまでソフトバンクは同社の50億ドルの中南米向けファンドの対象を主にブラジル絞っていたが、最近アルゼンチンにも進出し、金融サービス会社のUalaにTencentと共同で1.5億ドルを投入した。

既存の銀行が中小規模の会社への融資を渋るメキシコで、Konfioの信用引受サービスは迅速な代替手段として利用されている。Konfioはデータファーストの考え方で、事業の成長を目指す中小企業に対して迅速に信用調査を行っている。同サービスは1日で信用引取が可能だ。従来は承認プロセスに何カ月もかかり、抵当を要求されることが当たり前だった。

ところで、もしあなたのスタートアップが中南米で増え続ける中産階級のデータを集めているなら、ソフトバンクが長期投資に興味を持つかもしれない。この日本のコングロマリットは、消費傾向や携帯電話の利用からパーソナルバンキングのユーザー行動まで中南米の消費者に関するどんな情報でも欲しがっているようだ。

Konfioの創業者でCEOのDavid Arana(デビッド・アラナ)氏はブラジル、サンパウロで行われたTechCrunchイベントのパネルに登壇した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

JR大宮駅西口にパスタロボや瞬間塩水冷凍魚、AI利き酒、スイーツ自販機の実験店舗がオープン

JR東日本スタートアップは12月4日、JR大宮駅西口のイベントスペースに「STARTUP_STATION」を開設した。営業時間は12月9日までの期間限定で11時から18時まで(4日のみ14時から)。イベントスペースは、大宮駅の北もしくは南の中央改札を出て西口方面に向かうと見えてくる。

同社は未来の駅を体験できるスペースとしてSTARTUP_STATIONを設置し、同社のアクセラレーションプログラムの採択企業が出店する。同プログラムは今年で3回目で262件の応募があり、その中の21社が採択されており、TechCrunch読者にもおなじみのタイミーやNearMe、アドレスなども入っている。

展示されているのは、MIRAI SAKE COMPANYの日本酒レコンメンドシステム、QBIT Roboticsのロボットパスタカフェ、ブランテックインターナショナルの独自瞬間冷凍技術による鮮魚販売、ブイシンクのスイーツ・駅弁自販機の4件だ。

SAKEの未来

MIRAI SAKE COMPANYの日本酒レコンメンドシステム「YUMMY SAKE」は、東京の吉祥寺、恵比寿、五反田、渋谷(宇田川)などで展開していたYUMMY SAKE STANDが体験できる。10種類の日本酒の利き酒が可能で、スマートフォンアプリにそれぞれの評価などを入力することで、約100種類の中からお勧めの日本酒をAIが選んでくれる。

STARTUP_STATIONでは新潟の酒を取りそろえており、今後は新潟でのテイスティングも計画しているとのこと。

ロボット×パスタ

QBIT Roboticsは、カルボナーラとミートソースに2種類のパスタを調理するロボットを展示。このロボットは、デンマークのロボットメーカーであるユニバーサルロボットの汎用アームロボットで、空容器の移動、パスタの投入、お湯の投入、電子レンジでのパスタ調理、ソースのトッピング、購入者への提供といった一連の操作をこなす。アームロボットは基本的に、容器を掴む、調理機器ボタンを押す、容器揺らすという動作を先端に取り付けた2指のアームで実行する。

ロボットの周囲に、パスタ計量・排出マシーン、電気ポット、電子レンジ、ソース抽出機が並んでおり、購入者が設置されたタブレットからメニューを選ぶことで、順番に処理をこなしていく。パスタはカルボナーラとミートソースのほか、ロボットのお任せが選べる。ロボットの上部に4基のカメラ(深度カメラ)が設置されており、来店者の年代や性別、顔の表情などを判別・データ化する。


コネクテッドロボティクスが開発した、たこ焼きロボットほどの複雑な動きや画像認識機能は備わっていないが、ロボットアームがパスタを調理する様や、出来上がるまでの時間のアームダンスなど若干ながらエンターテインメント性がある。なお、アームの先端部分には豊田合成が開発したラバー製の電極「e-Rubber」が搭載されており、紙製の容器をアームを掴んでも潰れることがない。e-Rubberが取得した容器の柔らかさなどをデータ化してアームの力を微調整している。ちなみにコネクテッドロボティクスも今回の採択企業として名を連ねており、同社最寄りのJR東小金井駅で駅に併設されているそば店をロボットで自動化する。導入時期は2020年3月ごろになる予定だ。

約20秒の瞬間冷凍

ブランテックインターナショナルは、飽和食塩水を凍らせる独自技術「HybridICE」で瞬間冷凍した鮮魚やカニ、エビなどを販売する。魚の切り身や甲殻類はもちろん、生きた魚をは氷状の飽和食塩水に10秒ほど浸けることで鮮度を保ったまま冷凍できる。最近では神経締めなどの鮮度を落とさない魚の締め方も普及していきたが、同社の技術を使えば魚の身の部分を生きたまま冷凍できるので、行き場を失った血液は魚の心臓に溜まるため、解凍後の血抜きなどの作業は不要とのこと。

なお実際は、氷状の飽和食塩水で凍らせたあとに、アルコールや窒素によって急速冷凍する。運送時は発砲スチロールのケースに瞬間冷凍した魚介類と氷状の飽和食塩水を入れるだけで、冬季なら48時間程度の常温配送が可能とのこと。冷蔵車や冷凍車を使わないため環境にやさしいのも特徴だ。なお、解けた飽和食塩水は再び凍らせて再利用することができる。

ウルトラ自販機

ブイシンクが開発した自販機は、これまで難しかった柔らかい食品を形を崩さずに提供することを主眼に開発されたマシーン。

奥行きが1m程度と通常の飲料自販機に比べるとかなり巨大だが、これには理由がある。内部には横4×縦4に仕切られた棚が設置されており、ここに食品パッケージを格納する。利用者が全面の液晶タッチパネルでメニューを選ぶと、該当する商品が取り出し口から出てくる仕組みだが、この部分が通常の自販機とは異なる。一般的な飲料自販機は、自販機内部の上方から缶やペットボトル、瓶、飲料パックなどを落下させて取り出し口に運ぶ。

一方、ウルトラ自販機では取り出し口がその食品が格納されている場所まで移動し、棚から食品を1つ押し出すことで取り出し口に移動、移動が完了したら取り出し口が本来の位置に戻って利用者に提供されるという仕組みだ。

同社では現在、冷蔵機能ありとなしのモデルを開発中で、冷蔵ありモデルの場合は上部のコンプレッサーを搭載するためより大型になる。現在,、日本語、英語、韓国語、繁体字、簡体字の5言語に対応しており、今後は対応言語を合計10言語に増やしていきたいとのこと。そのほか自販機にはカメラが埋め込まれており、利用者の年代や性別などを判別してお勧めの商品をレコメンドする機能を利用可能とのこと。

タウンWiFi代表・荻田氏が“梁山泊”GMOへの株式譲渡を語る

今年も11月14日・15日の2日間にわたり開催された、スタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」。このイベントで毎年、立ち見が出るほどの盛況を見せる目玉企画が、設立3年未満のスタートアップが競い合うピッチコンテスト「スタートアップバトル」だ。そのスタートアップバトルで2016年に審査員特別賞を受賞した、無料WiFi自動接続アプリのタウンWiFiは11月18日、株式譲渡により、GMOインターネットグループの傘下に加わることが明らかにしている。

TechCrunch Japanでは、タウンWiFi代表取締役の荻田剛大氏を取材。いきさつや思惑など、買収劇の舞台裏について話を聞いた。

「ここなら幸せにやれる気がした」

タウンWiFiは、ユーザーの近くの接続可能な無料公衆WiFiを探して自動で接続・認証してくれるアプリだ。2016年5月から提供されているタウンWiFiは、3年間でダウンロード数600万、月間利用者数(MAU)は約300万人、対応スポットは35万カ所となった。WiFi自動接続機能のほか、遅いWiFiや使えないWiFiに接続しない機能を備え、セキュリティ面のリスクに対応した専用のVPNサービスも提供している。

タウンWiFiではこのアプリを軸に、位置情報をもとにアプリのプッシュ通知を利用してクーポン情報などの広告を配信する「TownWiFi Ads」、店舗のWiFi接続を検知することで見込み顧客の来店測定を行う「TownWiFi Analytics」を企業や店舗へ提供し、収益を得てきた。

2018年4月に2.5億円の資金調達実施を発表し、2018年6月には同ラウンドで総額3億円を調達したタウンWiFi。このときには株主となった電通と、日本アジアグループ傘下の国際航業と業務提携を結び、マーケティングツール開発にも取り組んでいる。

こうして順調に事業が成長していたタウンWiFiだが、GMOインターネットグループへ株式を譲渡したのには、どのような背景があったのか。荻田氏は「ユーザー増を図りたかった」と語る。「アプリ利用者には、若い層だけでなく、40代の地方在住ユーザーが増えていた。通信料金に悩みがある、こうした層のユーザーも含めて、もっとタウンWiFiを広めたかった」(荻田氏)

ユーザー増のための手段として、資金調達、IPOと同時に、大企業の傘下に入ることも検討していた荻田氏。今年の5〜6月ごろから業務提携先を模索しており、GMOインターネットグループに紹介されたのは7月ごろのことだったという。

「両社の連携は、GMOのプロバイダビジネスにも良い影響があるし、グループには広告事業もあるのでシナジーもある。『通信をバリアフリーに』をうたうタウンWiFiと、『すべての人にインターネット』をステートメントとして掲げるGMOインターネットグループとは、サービスの質も近いのではないかとプレゼンした」(荻田氏)

プレゼンは好評で、荻田氏はその後、GMOインターネット代表取締役会長兼社長・グループ代表の熊谷正寿氏と会食する機会を持った。熊谷氏との会話の中で「僕自身についても『いいね』と言っていただいた」という荻田氏。そのころからGMOインターネットグループへのジョインを検討し始める。

「ただ、僕自身、会社を売ったことがないので、怖かった」と荻田氏は当時のことを振り返る。「自分にとってもそうだし、ユーザーにとって、会社のメンバーにとって、M&Aが幸せな決断になるかどうか、最初はすごく考えました」(荻田氏)

そんな折、荻田氏はGMOインターネットグループに参画する企業幹部の会で、ざっくばらんに話をする機会があったという。グループには現在、112社の企業が参加するが「それだけ多くの各社から来た代表が、みんな楽しそうで、誇りを持って仕事をしている。『いいグループだなあ』という印象だった」と荻田氏はいう。

「熊谷さんはグループの経営スタイルを“梁山泊経営”と表現し、『多くの企業がある中でマイクロマネジメントはできないし、すべきではない』と話している。ジョインした企業の社長が自分で決めて、事業を進めた方がうまくいく、という考え方だ。週1回、グループ企業幹部の会を開くといった(一丸となるための)マインド面での仕組みだけ用意して、あとは任せるという形を取っている」(荻田氏)

荻田氏は「熊谷さんの『信頼して、最終的には任せる』という姿勢に、器が大きいなあと思った」と語り、「ここなら参加しても、幸せにやれる気がした」と明かす。ほかの企業と進めていた資本提携などの話は全て断って、GMOインターネットグループ入りを決めたという。「はじめに訪問してから、決まるまでは数カ月と早かった」と荻田氏は振り返る。

こうしてGMOインターネットの連結子会社となったタウンWiFi。既存株主のうち、荻田氏をはじめとする役職員以外の外部投資家は全て株式をGMOインターネットとGMOアドパートナーズへ譲渡(売却)した(金額は明かされていない)。資本業務提携を結んでいた各社については、資本提携は外れたが、事業面での提携はそのまま続けるという。

また社内のメンバーもタウンWiFiに残り、業務を続けている。社員にはストックオプションが付与されていたということで、売却により「少ない給料でスタートアップに入ってきてくれた彼らに、報いることができてよかった」と荻田氏は語っている。

「エグジット先として、買収の成功事例も増えた方がいい」

GMOインターネットグループへ参画したことで、今後のタウンWiFiはどのような面に力を入れていくのか。既にGMO側からは、GMOアドパートナーズがタウンWiFiと共同でサービス開発を行い、2020年春には位置情報データを活用した広告サービスの提供を目指すという発表を行っている。

タウンWiFiとしては、当初のとおり「ユーザー数を増やしたい」考えだ。「資金面と送客面でGMOインターネットグループの支援を得て、1000万MAUを目指したい」と荻田氏は話している。

実は広告配信サービスなどにより、タウンWiFiの収益は向上していて「いつでも黒字化できる状態」だと荻田氏はいう。「顧客はドラッグストアやコンビニと、それらの店舗へ商品を提供するメーカーだ。O2Oの文脈で『顧客がいつ店に行くのか知りたい』とのニーズがある。ユーザーがいつも朝、立ち寄るコンビニがあるとすれば、店に行く前に広告のポップアップを表示する、ということがタウンWiFiの仕組みでできるのだが、これがうまくいっている」(荻田氏)

ただ、このままユーザー数を直線的に増やしていくだけでは、いずれ事業も頭打ちになると荻田氏。「今は投資モードで、一気にユーザー数を増やすことを考えたい」と話している。

また荻田氏個人としては、創業した会社のエグジットを果たし、この後の進退をどう考えているのだろうか。荻田氏は「次の会社を作るとか、そういったことは今は全く考えていない」と述べ、「いずれ辞めるという気持ちもなく、このままGMOインターネットグループに残りたいと思っている」と打ち明ける。

荻田氏は「エグジット先として、M&Aが増えてきている中で、買収の成功事例も増えた方がいい」と考えているそうだ。「買収後にスタートアップがやる気がなくなる状況は良くない。M&Aが成立したとき、エグジットを果たした起業家にはフォーカスが当たりがちで『おめでとう』と言われることが多いが、買収した側も事業シナジー、利益、人材の面で良かったと思えるのが正しいあり方なのではないか。成功例が増えることで『もっと投資していこう』というモードになるように、いい事例を作りたい」(荻田氏)

荻田氏は「(スタートアップ)エコシステムとしての大企業との連携は、もっとあるべき」と語る。「GMOインターネットグループにももちろん、スタートアップとして参画するときの課題はあるけれども、『もっとよくしていきたい』と僕も思うし、中の人も『良くない部分は変えていこう』と言ってくれている。数年後に『あのときグループにジョインしてくれてよかった』と思ってほしいし、そう思ってもらえるように、GMOインターネットグループをさらによくしていきたい」(荻田氏)

Sun Asteriskが初の外部資金調達で日本のIT人材不足解消に踏み切る、農林中央金庫から約10億円

左から、Sun Asterisk取締役の平井誠人氏、取締役の梅田琢也氏、代表取締役CEO小林泰平氏、取締役の服部裕輔氏

スタートアップの成長支援や企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援、IT人材の育成などを手がけるSun Asterisk(サンアスタリスク)は12月4日、農林中央金庫を引受先とする第三者割当増資により、約10億円の資金調達を実施したことを発表。2020年の年初にラウンドをクローズし、金融機関および事業会社などから合計で約20億円を調達する予定だ。

このラウンドはSun Asteriskにとって、初の外部からの資金調達となる。「各引受先企業との業務提携を進めている」とのことだが、その件に関しての詳細はまだ明らかにされていない。

農林中央金庫は「Sun Asteriskは、幅広い企業に対する新たな価値創造のサポートを行っており、農林水産業を含めた日本の産業界の発展に大きく貢献していく企業であることから、投資を決めました。新たな取り組みにおける直接投資の初号案件として、金融面のサポートにとどまらず、ともに事業成長を目指していきたいと考えています」とコメント。

Sun Asterisk代表取締役CEOの小林泰平氏は「昨今、海外VCや機関投資家による日本の未上場企業への投資などが増えて来ていますが、市場運用資産60兆円を超える農林中央金庫によるSun Asteriskへの投資が、国内機関投資家のスタートアップへの投資を加速させ、資金調達の多様化が進むと良いなと思っています」と述べている。

2013年頃から産学連携における教育事業を通じてグローバルなIT人材を育成してきたSun Asteriskは、日本におけるIT人材の恒常的な不足の早急な解消を目指し、外部資金調達という手段に踏み切った。

FramgiaはSun Asteriskに

Sun Asteriskは2012年に創業。今年の3月には社名をFramgia(フランジア)からSun Asteriskへと変更。Sun Asterisk代表取締役CEOの小林泰平氏は、社名変更を行なった今年こそが、同社にとっての「第二創業期」だったと話す。

「もう、前の会社の面影がない。(Sun Asteriskは)本当の意味でのデカい会社で、クリエイティブなことをやりたい集団が、国籍関係なく集まっている。今は、『フロム・アジア(Framgiaの社名の由来)』ではなく、より大きな枠組みで考えている。『“アジアから”新しいサービスを生み出していこう』、ではない。『世界に対して』が当たり前になってきた」(小林氏)

そんなSun Asteriskが第二創業期である2019年を締めくくるニュースとして発表したのが、初の外部からの資金調達。小林氏は、その道を選んだのは「Sun Asteriskという会社になり、自分たちがやりたい事を改めて見つめ直した」結果だと言う。

「Framgiaは周りからも『急成長(企業)』と言われていた。5年で1000人、6年で1300人といった具合に成長してきた。外部資金の調達は一切なしで、自分たちで売り上げたところから出た利益でやってきた。それは良い事で、事業もすごく順調だ。このまま自分たちの手金でやっていくこともできるし、今後、市況が悪くなったとしても、僕らのビジネスモデルだとそこまで影響されることはないと思っている。だが、自分たちがやりたいことを見つめ直した時に、やっぱり、より大きな社会課題にしっかり立ち向かっていきたいと考えた」(小林氏)

外部資金調達に踏み切りIT人材不足の解消を目指す

今回調達した資金で、Sun Asteriskはテクノロジー人材の育成プログラムを拡大させる予定だ。同社は現在、ベトナムにて3大学の約1500名に同プログラムを提供しており、今後は「多国展開」を含む事業拡大を図る。資金はクリエイティブスタジオの中長期的な成長基盤の強化、そしてアクセラレーション事業であるスタートアップスタジオによる、各国のスタートアップの創出にも使われる。結果として、「DXソリューションの継続的かつ拡大的な提供」を目指す。要するに、大企業からスタートアップまで、幅広い規模の会社の高度IT人材不足を、海外で育てた人材で満たしていくというスキームを、資金調達によりより加速させていく、ということだ。

「僕たちがやっている教育事業では、海外のトップ大学と提携をして、5年間かけて、日本語と実践的なITを教えていく。『日本に行きたい』という人たちがまだいる。それら(日本語とIT)を教えて、彼らが日本で就職する支援まで行うという事業が凄く上手くいっているおかげで、色んな国の色んな大学から、『うちでもやってほしい』と、引き合いがある。そんなに上手くいっている産学連携の取り組みは聞いたことがない」(小林氏)

とは言うものの、小林氏は、前述の教育事業には多大なコストがかかるため、現在のスポンサーモデルでは勢いのあるスケールは見込めないと説明。そして、数年で同社が育てているようなグローバル人材は「日本を向かなくなる」恐れがあると言う。「ベンチャーなどは別だが、一部のITを除き、大きい企業は、外国人に対するリテラシーが低すぎる傾向にある。日本においても様々な努力が行われているが、労働環境やグローバル人材を受け入れる体制におけるネガティブな要素をなくしていかなければ、彼らは来たくなくなってしまう。日本は英語が通用しない国。英語が喋れる他の国に目を向けられてしまう」と同氏は話す。

だが、小林氏は、今のところは「日本に来たいと言ってくれている、トップクラスに優秀なグローバルで優秀な人材がいる。先人が築いてきた日本というブランドがまだ生きている」と加えた。2030年には日本国内のIT人材が約79万人不足すると予測されているが、Sun Asteriskがこの問題の解決に貢献するためには、スタートアップのような急速な成長が必要だと同社は考えている。

「今、一気に踏み込んでやらないと、この日本のIT人材不足の問題は絶対に解決できない。僕たちに期待されているのは、人と技術の安定供給。かつ、サブスクリプション型で安定稼働ができるというところが大事。Jカーブを描くなら今しかない」(小林氏)

Instagramの隠された「いいね!」数を復活させるブラウザー拡張機能

Instagramは「いいね!」の数を非表示にして人々の気持ちを平穏にしようとしている。しかし、果たして自分が人気者なのかつまらない人間なのかを知りたいときはどうすればいいのか?

Instagramに隠された「いいね!」とコメント数を明らかにするこのChrome拡張機能をインストールすれば、再び人気コンテンツの様子がわかる。この拡張機能「The Return of the Likes」(いいね!の帰還)は、Instagramウェブサイトで投稿の右上隅に「いいね!」とコメントの数を表示する。Instagramの過干渉に嫌気が差している人は、今すぐ拡張機能をダウンロードしよう。

残念ながら、Instagramのモバイルアプリで「いいね!」数を見られるわけではない。そのためにウェブでInstagramを見ることにする人はいないだろうが、もし「いいね!」の数が気になる投稿があったら、固定リンクを自分に送ってパソコンで開くことができる。

現在Instagramは、「いいね!」数の非表示を世界各国のごく一部のユーザーでテストしている。4月にカナダで実験を始め、7月に6カ国が追加され、先月米国も加わった。Facebookも同じような「いいね!」数非表示の実験を9月からオーストラリアで始めている。

関連記事:Instagramは「いいね!」の数を世界で非表示にする実験を実施

TechCrunchはReturn of the Likesを使ってみて、意図どおらに動作することを確認した。作ったのはソーシャルメディア分析のSocialinsiderで、エンゲージメントの測定やライバルとの比較ベンチマークなどを行うソフトウェアを開発している。同社は「Socialinsiderのサーバーには一切データを送っていない」と強調した。本誌はこのChrome拡張機能がアプリ規定に沿っているかどうかInstagramに問い合わせている。

ソーシャルメディアが普及するにつれ、プラットフォームがユーザーを保護する傾向が強まっている。多くのケースでユーザーは守られている。「いいね!」の数は、他人と自分を比べて嫉妬スパイラルに陥ったり、少ない「いいね!」数で惨めな思いをしないようにと自主検閲するなど、人々の平穏な生活を脅かしかねない。しかし、ユーザーは自分の体験を管理できるべきではないかという議論もある。かつてのように「いいね!」数は見られるようにすべきなのだろうか? ユーザーのブロックや禁止ワードを管理できるように。

プラットフォームが安全確保の段階を上げた後、隠されたものを見たいと要求するかどうかはわれわれの判断だ。

追加取材:Lucas Matney

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SEO HACKSブログで大事にしている7つのマインド

こんにちは。平塚です。今回は記事タイトルの通り、SEO HACKSブログがどのようなマインドで記事更新がされているかについてお話しします。

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なぜ、今この記事を書いたのか

弊社役員である土居の天照SEOブログのDNAを継承し、2012年頃から本格始動したSEO HACKSブログですが、責任者が変わっていくなか、SEO HACKSブログには言語化されていない大切にしているマインドみたいなものがあると感じていました。

それはナイルのSEOコンサルティングサービスにも結びつく企業文化にも近いものだと思っていますし、今後もSEO HACKSブログで守って欲しいと願っていることでもあります。

そこで、私がSEO HACKSブログを責任者として見ている間に、いい機会なので「記事執筆の際に大切にしているマインド」を言語化したいと思ったのが本記事を書こうと思ったきっかけです。

この記事で公開する内容はあくまで「SEO HACKSブログ」の方針です。すべてのメディア運営者の方々に当てはまるテーマではないかもしれません。また、BtoB領域でアウトバウンド営業をせずに問い合わせを増やすためのオウンドメディア運営方法のような具体的なノウハウが詰まっている内容ではありません。

ただ、特に「自社メンバーが持ち回りでコンテンツを書いているオウンドメディア」運営者の方が大事にするべきマインドとしては参考になるところもあるかと思いますので、そういう方は一読いただければ幸いです。

※本記事で述べられている内容は、私の個人的見解が多分に含まれています。これから変わるかもしれませんし、変わらないかもしれません。あくまで今現在の方針です。

SEO HACKSブログで大事にしている7つのマインド

読ませたい人を具体的にイメージして、その人に心から伝えたい内容にする

読ませたい人の表情が浮かぶレベルでイメージする

まずは何よりも、読ませたい人。つまりターゲットをきちんと定義しましょう。ということです。よくある悪いターゲットの例として

「Web担当者の人で、SEOのことを学び始めた人」

みたいな設定をするメンバーがいます。いやいや、そんな人本当にいる? とりあえずターゲットって言っておけばいいと思ってない? と私は感じてしまいます。

読ませたい人が具体的に浮かんでいなければ、気持ちも乗らないしテーマもふんわりしてしまいます。コンサルティングをしているのであれば、目の前に悩めるクライアント様がいるはず。クライアントのイメージが沸かないのであれば、知人・周りのメンバーが興味を持つテーマがあるはずです。過去の自分に教えてあげたい。とかでもいいでしょう。

そういった人たちが自分の記事をを読んでどうなって欲しいかをイメージできないと、面白いコンテンツにもならないし、誰の心も動かせません。

社内6割、顧客3割、読者1割

社内6割、顧客3割、読者1割

せっかく書いた記事、できれば色んな人に読んでほしいし、色んな人に深く刺さるコンテンツにしたい。そして何よりも一過性のものではなくて、定期的に読んでほしい。と私は常々思っています。

だからこそ、まずは自社内できちんとその記事が読まれ、勝手にシェアされ、そしてことあるごとに引っ張り出されるようなコンテンツであればいいと思っています。自社内であれば「読んで、感想ください。よければシェアもしてください」と気軽にお願いもできます。

(一方、残念なことに拡散依頼をしてもスルーされた記事もたくさんあります。そういった記事は結果としてあまり読者の反応も悪く、数字も良くなかった気がします。)

顧客3割については、「読ませたい人を具体的にイメージしよう」でも述べたとおりです。強いて言うのであれば、その記事がある程度評判になれば担当者の方に「やっぱりこうするべきでしょ? 」という提案の裏付けになるかもしれません。

とにかく、身の回りの人たちに刺さらないコンテンツが、世の中にいる悩める読者に届くはずがない。ということです。
※一応補足しておくと、決して一般読者の優先度が低いということではありません

自分のキャラ、自分(自社)だけの資産を活かした記事にする

持ち味をイカした記事じゃないと 発信する意味がない

SEO HACKSは、SEOコンサルティングサービスのオウンドメディアです。なので、弊社のコンサルティングサービスとの接点を作り、知ってもらい、信頼してもらい、問い合わせてもらい、契約してもらうのがゴールとなります。

味気のない一般論をSEO HACKSブログでアウトプットする意味は限りなくありません。

「ナイルはこういった考えでSEOをやっているんだ」

「ナイルにはこんな事例があるんだ」

「ナイルはこんな詳しくわかりやすい解説が出来るコンサルタントがいるんだ」

「このコンサル、なんだか一度会ってみたい」

このように、会社の知見・思想がきちんと伝わるような記事、執筆者の名刺代わりになるような味のある記事のほうが良いと考えています。そうでないと、自分のためにも会社のためにもSEO HACKSブログを定期的に読んでくださっている読者のためにもなりません。

解説記事は「どこよりも早い」「どこよりも詳しい」「どこよりもわかりやすい」の三択

解説記事は「早い」「わかりやすい」「詳しい」
SEO HACKSブログはあまりニュースやトレンドのSEO解説記事を出しません。

これは定期的かつ瞬発的に記事が出せるほどリソースがないからというのが一番の理由ですが、なによりもニュースや解説記事を出すからには「どこよりも早い」「どこよりも詳しい」「どこよりもわかりやすい」のいずれかであるべきだと考えているからです。

(図は吉野家っぽくしたかっただけです。「説明がうまい」は「どこよりも詳しい」の意だと思ってください。)

この3つのいずれかに当てはまらないようであれば、SEO HACKSブログで書く意味はほぼないだろうと考えています。なぜならそういったニュース記事や解説記事は他のサイトで十分に世の中のニーズが満たされており、ナイルの価値が発揮できないと考えているからです。

会社を代表するメディアとして、間違ったことは絶対に言わない

会社の看板を背負って 「絶対に」出してはいけない記事例

公開した記事や昔の古い情報が残った用語集記事に対して、情報が誤っているとご指摘をいただくことがあります。こういったときはすぐに謝罪を行い、すぐ修正をした上で「どのように同じ誤ちをしないような体制を作れるか」を検討するようにしています。

これは、おかげさまで今までたくさんの方に読んでいただき、なおかつWeb上でそれなりに露出している責任があるからであり、誤った情報を出し続けることによって読者の皆様が不利益を被ることだけは絶対に避けたいからです。

SEO HACKSブログはできるだけ露出を増やし、PVをかき集めるために運営されているメディアではありません。数字を追い求めた結果「絶対に出してはいけない記事例」のような物を出してしまえば、読者も、顧客も離れ、長年積み上げてきた努力も水の泡となります。

アイキャッチ、見出し、挿入する画像は細部まで気を使う

SEOに関わる人はみな、忙しい

「目についた記事はスマホでざっと最後まで見た上で面白そうだったら精読をする」

こんな人も少なくないと思います。私も例外ではありません。

SEO HACKSブログを読んで頂くような方は、日々無数の情報に触れており、記事を読んでもらうのはもはや時間の奪い合いとも言えるでしょう。であるからこそ、たとえBtoBの専門的なオウンドメディアであっても、1分でざっくり理解できるように心がけています。

同業界の方々に刺激を与えるような記事を目指す

業界の方々にシェアされたら大成功!
やはり同業界からのポジティブな拡散は成果の指標として見ていいと考えています。

特に業界に顔が広い方に見てもらい、シェアしてもらえれば読んでほしかった読者の方々に記事が届きやすくなりますし、何よりも同じ業界の人間として、賛同を得られるというのはモチベーションにもなります。

記事を書く際は、そういう方たちにどうやったら刺激を与えられるか。共感してもらえるかをイメージするのも大事でしょう。
(逆に、ひんしゅくを買わないようにすることも大事ですね。)

まとめ:良いコンテンツは、ドキドキする

いろいろと持論をさらけ出してしまいましたが、記事を公開すべきかどうかの最終判断は「自分の心に問いただしてみるべき」だと思っています。

「早くこの力作を読んで欲しい」

「つまらないって言われないかな」

ワクワクしたり、不安になったり、公開前に気分が高揚する記事は絶対にいい記事だと私は思います。それは感情が乗っているからです。

公開前に、何も感情が起きなかったり、「正直公開したくないな」と思うようなら期限を延ばしてもいいからテーマごと変えたほうがいいでしょう。きっとそれはいい記事じゃないから。

次なるSEO HACKSブログ責任者に向けて

私事で恐縮ですが、おそらく今回で自分がSEO HACKSブログの更新は最後になると思います。なので実は今回のブログの裏テーマは今後担当するSEO HACKSブログ責任者に向けてのメッセージでした。

あくまでここで述べた内容は私が思うSEO HACKSブログの運営マインドです。なので、べつに気に入らないなら変えてもらっても構わないし、時代に即して進めてもらえればいいと思います。

(文章が長くなったのでカットしましたが「更新頻度が低い」「オピニオン記事が少ない」「記事がやたら長い」という課題点も残っています。)

ただ、世の中の流れに合わせて数字を取るために更新するのではなく、SEOやSEO HACKSブログはこうあるべきだ。という”美意識”と今までのやり方にとらわれない”柔軟性”を持って取り組んでもらえれば、SEO HACKSブログはもっともっと良くなるかと思います。皆様も今後にぜひ期待していてください。

SEO HACKSブログで大事にしている7つのマインドナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

Google CEOのサンダー・ピチャイ氏が親会社AlphabetのCEOを兼任へ

Google(グーグル)の共同創業者であるLarry Page(ラリー・ペイジ)氏とSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏はGoogleのCEO、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏がペイジ氏に替わってGoogleの親会社、AlphabetのCEOに就任すると発表した

ピチャイ氏は引き続きGoogleのCEOを続ける。これを機にブリン氏はAlphabetのプレジデントから退く。

Alphabetが 創立されたのは2015年で、当初は「Google本体とその他の賭け」を分離することことが目的だった。「その他の賭け」と呼ばれた諸企業には自動運転テクノロジーのWaymo、ライフサイエンスのVerily、バイオテックのCalico、都市開発のSidewalk、気球を利用した遠隔地のインタネット接続のLoonなどが含まれる。

GoogleのCEOにピチャイ氏が就任し、検索ビジネスの指揮を取るようになると、ペイジ氏は努力の中心をGoogleからAlphabetに移していった。ペイジ、ブリンの両氏は本日の発表で「AlphabetとGoogleはもはや2人のCEO、1人のプレジデントを必要としない。今後はサンダーがGoogleとAlphabet双方のCEOを兼ねる」と書いている。

ピチャイ氏はしばらく前からGoogleの顔として広く認識されているが、ページ氏、ブリン氏がグループの公的役職から去ることで指導力を一層高めることになるだろう。ピチャイ氏は声明で次のように述べた。

「私はAlphabetがテクノロジーを通じて世界の大きな問題の解決に取り組んできたことに強い感銘を受けてきた。新しい地位に就いた後も、引き続きラリー、サーゲイとともに働けるものと期待している。時を経ても変わらぬ使命、価値感、共同作業の文化は2人が築いたものだ。この基礎の上に更に新しい未来を築いていきたい」。

ピチャイ氏、ペイジ氏についてブリン氏は以下のようの書いている。

サンダーは謙虚さと我々のユーザー、パートナー、社員を日々益するようなテクノロジーへの強い情熱を強化した。スンダーはAlphabetの創立からGoogleのCEO、Alphabetの取締役などを通じ、我々と密接に15年間働いてきた。我々はAlphabetという組織と価値観を守り、テクノロジーを通じて大きな挑戦を続けていく能力に関してサンダーを全面的に信頼している。Alphabetの創立以來、スンダー以上に優れた人材を我々は知らない。サンダーはGoogleとAlphabet両社の未来を切り開いていくためにまさに理想的な選択だった。

またペイジ氏、ブリン氏は今回の動きをグループからの離脱ではなく、新たな段階と位置づけて「我々はこれまでもいわゆる管理職ではなかったし、今後もGoogleとAlphabetに深くコミットしていくことに変わりはない。特にグループの長期的ビジョンに関して、取締役会のメンバーとして、株主として、また共同創業者として積極的に関わっていくつもりだ」と述べた。

東部時間午後5時4分(日本時間12月4日午前7時4分)現在、Alphabetの株価は時間外取引で0.68%アップした。

画像:Alex Wong / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

成長企業に「収益ベース」の資金を提供するUncappedが約14億円調達

英国ロンドンに本社を置きワルシャワにも拠点を持つスタートアップのUncappedは、欧州の成長企業に「収益ベース」の資金を提供すべく、12月1日に正式に活動を開始し、デット(融資)とエクイティの組み合わせで1000万ポンド(約14億円)の資金調達を発表した。

Rocket InternetのGlobal Founders Capital、White Star Capital、Seedcampが資金を提供した。エンジェル投資家も多数参加した。Passion CapitalのパートナーであるRobert Dighero(ロバート・ディゲーロ)氏、GoCardlessのCOOのCarlos Gonzalez-Cadenas(カルロス・ゴンザレス=カデナス)氏、Butternut Boxの共同創業者であるDavid Nolan(デビッド・ノーラン)氏とKevin Glynn(ケビン・グリン)氏などだ。

同社は、シリアルアントレプレナーでMidriveのCEOだったAsher Ismail(アッシャー・イスマイル)氏とベンチャーキャピタル(VC)出身のPiotr Pisarz(ピオトル・ピサルス)氏が創業した。融資先となる若い企業のマーケティング、営業、会計データを分析し、現在と将来の売上(収益)に基づき融資を決定する。

具体的には6%の定額料金で1万ポンド〜100万ポンド(約140万円〜1億4000万円)の運転資金を調達できると同社は説明する。成長企業にとって資金調達の賢い代替手段となるとして売り込む。成長に向けた資金需要はあるが、株式を発行したくない企業を狙う。

「起業家が資金調達する際に最初に判断を迫られるのは、株式(エクイティ)と負債(デット)のいずれで調達するかだ」とイスマイル氏は説明した。「エクイティは成長への資金供給手段としては時間がかかりコストも高い。デットはリスクが増える。当社は、エクイティとデットファイナンスの間に位置する代替手段として、両方のメリットを提供する。起業家が会社の一部を切り売りしたり、家を担保に入れたりする必要がないようUncappedを創業した」。

Uncappedは起業家が「個人保証、信用調査、新株予約権、株式」を提供しなくても資金調達できるようにする。エクイティへの投資家や伝統的な形態のデットファイナンスよりはるかに迅速に対応することも約束する。

「事業計画、キャップテーブル(株主ごとの持ち株要約表)、会社売り込み資料を提示する必要はない」とイスマイル氏は語る。「当社に必要なのは業績の確認だけ。Stripe、Shopify、Facebookなど、会社が使う販売やマーケティングのプラットフォームに接続する。収益ベースで融資することで、創業者は、売り上げが落ちたときや販売市場が低迷したときに返済額を減らせる柔軟性を得る」。

唯一のルールは、企業が各種支払いをオンラインで行っており、少なくとも9カ月の取引履歴があること。そのためUncappedは、eコマース、SaaS、消費者向け直販、ゲーム、アプリ開発企業に向いている。「最初の顧客はオンラインメンズウェアブランドのL’Estrangeだった」とピサルス氏は言う。「eコマースビジネスの場合、通常12月が資金需要が生じる最も困難な時期。クリスマスセールが始まる前に仕入れとマーケティングのコストがピークに達するからだ。当社は3日以内に融資できる」。

イスマイル氏は、Uncappedがこの手のビジネスではヨーロッパで最初の会社であり(多少言いすぎ)、非常に異なる形態ではあるものの、VCがおそらく最も近い非伝統的資金調達手段だと主張する。

「今年欧州でVCによる投資は350億ドル(約3兆8000億円)に上ったが、多くの企業はベンチャーモデルに適合していない」とイスマイル氏は述べた。「投資先は持ち分を売る気がない家族経営の企業、ニッチな市場で勝負する起業家、伝統的な資金提供者が見落としがちな少数派かもしれない。典型的なVCは年間1500社と会って、そのうち5社しか支援しない。当社は何百もの企業に成長資金を均一料金で迅速に提供できる。企業はアーリーステージで持ち分を犠牲にする必要はない」。

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(翻訳:Mizoguchi)

米国がデジタル税報復で仏製品に最大100%の関税を検討

フランスのエマニュエル・マクロン大統領と米国のドナルド・トランプ大統領は、テック大企業に対するフランスの課税について当初妥協していた。しかし米国はフランスの製品であるワインやチーズ、ハンドバッグなどに最大100%の報復関税を課すことを検討している。

米通商代表部はフランスのデジタル税を調査し、レポートをまとめた。このレポートとは別に発表したプレスリリースで通商代表部は新たな関税を推奨し、さらにはオーストリア、イタリア、トルコのデジタル税を調査する可能性にも言及している。「米国企業を差別しているフランスのデジタルサービス税(DST)は国際税政策の原則に反していて、影響を受ける米企業にとってかなりの負担となっている」としている。

フランスのブリュノ・ル・メール財務相はフランスのラジオで「そのような関税は「欧州からの強力なしっぺ返し」につながりかねない」と語った。今年初め、フランスはテック大企業に課す新税を承認した。税適正化スキームを避けるために、フランスでかなりの売上を上げているテック大企業はフランスで得た売上高に課税される。

もし売上高がグローバルで7億5000万ユーロ(約903億円)以上、フランスで2500万ユーロ(約30億円)以上の企業を経営しているなら、フランスでの売上高の3%を納税しなければならない。

この税は2つのカテゴリーのテック企業に適用される。そのカテゴリーとはマーケットプレイス(AmazonのマーケットプレイスやUber、Airbnbなど)と広告(Facebook、Google、Criteoなど)だ。米国企業をターゲットしているわけではないが、フランスで事業を展開しているテック大企業の大半は米国企業だ。

この夏、トランプ大統領はフランスのデジタル税計画をTwitterで批判した。「フランスは素晴らしい米テクノロジー企業に税を課そうとしている。そうした企業に課税できるのは、企業のホームカントリーである米国であるべきだ」と書いた。「我々はマクロンの馬鹿げた考えに相応の報復措置を間もなく発表する。私はいつも米国のワインはフランスのものよりも素晴らしいと言っている!」。

G7サミット期間中にフランス政府とトランプ政権は妥協したようだった。デジタル課税をめぐっては、テック企業が事業を展開する国で課税されるというルールの制定にOECDが現在取り組んでいる。

フランスはOECDのフレームワークが実行に移されればデジタル税をすぐさま廃止し、OECDのフレームワーク前に税を払いすぎた企業には払い戻すことを約束した。例えば、Facebookが2019年にフランスのデジタル税で多額を納税し、一方でOECDのフレームワークを適用したときにそれよりも少なくなる場合、フランスは差額を払い戻す。

しかし、関税はOECDの作業を危うくすることになるかもしれないため、この論争は振り出しに戻った。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

米国家安全保障局が空港の顔認証を米国市民にも適用へ

国土安全保障省は、空港で入出国する旅行者の顔認証による検査を、これまで免除されてきた米国市民にも拡大しようとしている。

申請書類によると同省は、外国人旅行者だけでなく、米国市民を含む全旅行者に対して入国および出国前に顔認識チェックを実施することを提案した。

出発便乗客の顔認識は、国家安全保障局が不法滞在を摘発する取組みの一環として、最近行われることが多くなっている。国境と移民の管理を任務とする同省は、2021年までに米国の上位20カ所の空港に顔認識スキャナーを導入すると表明しているが、技術的課題を数多く抱えている。

空港で顔認識を回避する明確な方法ははっきりとは決められておらず、米国市民と合法永住者(グリーンカード保有者とも呼ばれる)は検査を免除されると現行規則に書かれている。

今回提案された米国市民を検査対象に含める規則変更は、国内最大級の人権擁護団体の怒りを買った。「再三再四、政府は国民と議員に対して、米国市民は旅行の条件としてこの煩わしい監視テクノロジーの対象になる必要がないと言ってきた」と米国自由人権協会の上級政策アナリストであるJay Stanley(
ジェイ・スタンリー)氏は語る。

「この新しい提案はそもそも不十分だった約束を政府が反故にしようとするものだ」と同氏。「旅行という憲法で守られた権利を行使するための条件として、米国市民を含む旅行者が横暴な生体認証を受ける必要はないはずだ。この強力な監視技術の大規模な導入を政府が強行することは、重大なプライバシー問題だ」とスタンリー氏は語った。

6月にナンバープレートおよび旅行者の顔写真が10万件近く漏出したことに加え、データ保護の十分な対策がなされていなかったことで、「このテクノロジーに関して政府を『信用することはできない』、立法府が介入すべきだ」と同氏は言う。

国家安全保障局および税関・国境警備局は、TechCrunchのコメント要求にすぐには応じなかった。

関連記事:CBP says traveler photos and license plate images stolen in data breach

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

迷惑電話が全世界で2019年に18%増加、日本はランク外

最近、迷惑電話が前より多いなとお思いのあなた。そう、あなたは正しい。あなたのお仲間はとっても多い。Truecaller(トゥルーコーラー)によると、今年の全世界での迷惑電話は前年比で18%増えた。米国時間12月3日に発表された今年の年報で同社は、今年の1月から10月までにユーザーは260億回の迷惑電話を受けた、それは前年同期の177億に比べて大きな増加だと紹介している。

米国は前年に続き、迷惑電話が8番目に多い国だ。特に今年は、ロボコール(ロボットがかける迷惑電話)が35%増えた。今年前期の別の報告書でTruecallerは「昨年は推計4300万人の米国人が迷惑電話に騙されて約105億ドルを失った」と語る。

ブラジルが前年に続き、迷惑電話のトップだ。日に日に増えているこの国の迷惑電話の真犯人は、自国の通信事業者とインターネットサービスプロバイダー。Truecallerによると、過去12カ月で通信事業者からの迷惑電話は全体の32%から48%に増加した。

迷惑電話の多い上位20カ国

Truecallerの年報には「通信事業者の迷惑電話は、何かのサービスや商品の特価提供や、データプランの上位移行のお勧めなどが多い。ブラジルでは詐欺電話も相変わらず大きな問題だ。2年前には迷惑電話業者のわずか1%が詐欺関連だったが、昨年は20%、今年は26%だ」と記載されている。

この報告書からわかるのは、迷惑電話の正しい理解が難しいということだ。共通点は少なくて、ありとあらゆるタイプの事業者が迷惑電話の送信に手を染めている。6位となっている南アフリカでは、技術サポートや職業斡旋を装った詐欺電話が多い。

さらにいくつかの例を挙げると、7位のチリでは迷惑電話の72%が借金取りを騙る。12位のUAEはブラジルと同じく通信事業者が迷惑電話の最大の犯人だ。第2位のペルーと3位のインドネシアは、全国的に迷惑電話が荒れ狂っている。ペルーでは1カ月に30回以上の迷惑電話がかかってくる。クレジットカードやローンをしつこく勧める迷惑電話が多い。

インドネシアでは、迷惑電話が1年で倍増した。特に多いのがワン切りだ。家族や友だちが事故や急病で入院したから至急お金が必要という詐欺電話も多い。

20年間でモバイルのユーザーが100万から10億以上に増えた第5位のインドでは、前より落ち着いたとはいえ、迷惑電話が相変わらず増えている。迷惑電話の80%を、通信事業者またはテレマーケター(電話営業)がかけている。

迷惑SMSの上位20カ国

またTruecallerの報告書によると、今年は全世界で86億通の迷惑テキストが送受信された。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa