インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違いとは?

インバウンドマーケティング アウトバウンドマーケティング

インターネットや情報端末の発展により、消費者自身で情報収集することが可能になった現代では、インターネットを使って消費者にアプローチするマーケティング手法が多く誕生しています。

従来型のアウトバウンドマーケティングではなく、今はインバウンドマーケティングが注目を集めているところです。そこで今回の記事では、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティング、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。

顧客主体のインバウンドマーケティング、企業主体のアウトバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングのもっとも大きな違いは、企業側のユーザーに対する姿勢です。インバウンドマーケティングはユーザーに対し、直接的なアプローチは行いません。ターゲット層にとって有益な情報を発信し続けることで、ユーザーにブログやSNS、検索エンジンなどを通じて自社の存在や商品・サービスを見つけてもらうことから始まります。ユーザー自身が選択して情報にアクセスするため、「顧客主導型」とも呼ばれます。

一方、アウトバウンドマーケティングでは広告やDM、テレアポなどを利用して企業からユーザーに直接働きかけ、情報を一方的に与えていく「企業主導型」です。このような営業手法の違いから、インバウンドマーケティングは「プル型」、アウトバウンドマーケティングは「プッシュ型」と呼ばれることもあります。

アウトバウンド

マーケティング

インバウンド

マーケティング

主体

企業

顧客

方向

一方向

双方向

ターゲット

不特定多数

明確

コスト

高い

低い

効果測定

困難

容易

施策例

  ・テレアポ

  ・DM

  ・展示会

  ・SEO

  ・ブログ

  ・SNS

 

インバウンドマーケティングとは?

まず、「顧客主導型」「プル型」とも呼ばれる、インバウンドマーケティングについて見ていきましょう。

インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)は、ユーザーにとっての魅力度や関心度が高く、有益な情報を、ブログ・SNS・オウンドメディアなどで発信し続けることで、「ユーザーから商品やサービスを見つけてもらう」マーケティング手法です。

2005年、米国HubSpot社の創立者であるブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアの両氏が提唱しました。その後、ウェブメディアなどのデジタルコンテンツ、デジタルサービスとの相性がよかったため、現在では情報化社会のスタンダードになりつつあります。

インバウンドマーケティングのメリット・デメリット

次に、インバウンドマーケティングのメリット・デメリットをご紹介します。

インバウンドマーケティングのメリット

  • マス型の広告やテレアポなどと比較し、潜在顧客・見込み顧客を絞り込みやすい
  • 大きなコストをかけなくても簡単に始められ、費用対効果が高い
  • 宣伝色が少なく、ユーザーに受け入れられやすい
  • クリック数、PV数、コンバージョン率などで効果測定しやすい

上記のなかで、もっとも注目すべきメリットは、あらかじめ自社の商品・サービスに興味を持つ顧客をターゲットに絞り込みやすいということです。アウトバウンドマーケティングでよく使われるマス型広告やテレアポなどと異なり、商品・サービスに全く興味がない人にまでアプローチしてしまい無駄なコストがかかったり、敬遠されたりするリスクを下げられます。

インバウンドマーケティングのデメリット

  • アウトバウンドマーケティングと比べ、発信する情報を見つけてもらうまでの時間や、収益増加を実感するまでの時間がかかる
  • ターゲット層を絞り込むため、ターゲット以外の層にはアピールしにくい
  • Googleの検索アルゴリズムなどに対応しながら、常に改善・改良していかなくてはならない

インバウンドマーケティングは「見つけてもらう」ことが前提なので、ユーザーに見つけてもらえるまで時間がかかるのが最大のデメリットです。また、ユーザーに見つけてもらうためにはGoogleの検索順位アップなどのSEOを含め、常に改善・改良していかなくてはなりません。

アウトバウンドマーケティングとは?

続いて、「企業主導型」「プッシュ型」とも呼ばれる攻めの手法、アウトバウンドマーケティングについて見ていきましょう。

アウトバウンドマーケティング(Outbound Marketing) は、テレビCMに代表されるマス広告やDM(ダイレクトメール)、テレアポ、バナー広告など、「企業からユーザーに対して直接的にアプローチする」マーケティング手法です。

できるだけ多くのユーザーに情報を届け、その中から自社の製品・サービスに興味を持ってもらえる人を探す手法のため、不特定多数へのアプローチに向いています。

アウトバウンドマーケティングのメリット・デメリット

アウトバウンドマーケティングには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

インバウンドマーケティング アウトバウンドマーケティング

アウトバウンドマーケティングのメリット

  • 一度に不特定多数へアプローチできる
  • 同じ情報に触れる機会が多いため、単純接触効果(ザイアンスの法則)が得られやすい
  • ニーズやタイミングが一致すれば、即効性が見込める

アウトバウンドマーケティングでは、多くの人へ一度に情報を届けられるため、商品の認知度を高めやすいのが最大のメリットです。広告にふれる機会も増えるため、繰り返し接することで好印象を生む「単純接触効果」も得られやすいでしょう。また、テレビCMなどはインパクトが強く、消費者のニーズと合致すれば即効性が期待できます。

アウトバウンドマーケティングのデメリット

  • 発信した情報が、確実に潜在・見込み顧客へ届けられているのか分かりにくい
  • 消費者のニーズと合致しない広告は、無視されたり不快に思われたりすることもある
  • 広告費が高くなりやすい

アウトバウンドマーケティングでは、不特定多数へのアプローチを行うため、訴求度の確実性に欠けるところが大きなデメリットです。また、消費者のニーズと合致しないことも多く、広告が無視されたり不快に思われたりするリスクが高いため、高い広告費をかけてもあまり効果が得られなかった、というケースもあります。

アウトバウンドマーケティングが効かなくなった理由とは?

かつて、インターネットが普及していない時代には、消費者が自ら情報を得る手段が少なかったため、アウトバウンドマーケティングで情報を得るのが一般的でした。しかし、インターネットの普及に伴い、購入前に消費者が自ら情報を得るのが当たり前になったことで、アウトバウンドマーケティングによる企業主導型の情報発信や広告に不快感を抱き、遮断する消費者も増えてきたのです。

例えば、テレビ番組は録画しておき、後からCMをスキップして見る人は多いでしょう。ダイレクトメールを開封する前に捨てたり、しつこく追尾してくるバナー広告にうんざりして商品やサービスそのもののイメージも悪化したりしてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような背景から、消費者自身の「能動的に行う」検索などのアクションにより、消費者が求める情報を「消費者自身に見つけてもらう」インバウンドマーケティングが重要視されるように​​なったのです。すでに多くの企業が従来、主流としていたアウトバウンドマーケティングを徐々に縮小し、インバウンドマーケティングを主軸にしつつあります。

インバウンドマーケティングを成功させるには?

最後に、インバウンドマーケティングを成功させる方法として、アウトバウンドマーケティングと併用する手法を紹介します。

インバウンドマーケティングが重視されているからといって、アウトバウンドマーケティングが不要というわけではありません。アウトバウンドマーケティングの「即効性」「積極性」は重要な武器になります。それを活かすためには、それぞれの顧客の状態に合わせた手法でアプローチすることが大切です。

アウトバウンドマーケティングが無視されたり、嫌われたりする原因は、ニーズと合致しない顧客にも情報を押しつけてしまうことです。そこで、まずインバウンドマーケティングを実施してユーザーに自社商品やサービスに興味を持ってもらいます。そしてユーザーの興味関心が育ったタイミングで、アウトバウンドマーケティングを併用しましょう。そうすることで、アウトバウンドマーケティングのデメリットを最大限に抑えながらメリットを活用できます。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングは上手な使い分けを

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングは、それぞれメリット・デメリットが異なります。情報が溢れる現代では、ユーザーの入口としてインバウンドマーケティングの方が好まれやすいですが、強力なアプローチ手法としてアウトバウンドマーケティングが有効であるのは変わりません。ぜひ、それぞれの特徴をしっかり理解し、ユーザーの購買段階に合わせたマーケティング手法を活用しましょう。

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