デューデリなんていらない!型破りすぎるエンジェル投資家の秘密

昨日、HubSpot創業者による映画「マネーボール」のレビュー記事を紹介しましたが、内容が面白かったので彼の他の記事も幾つか合わせて紹介することにしました。筆者のダーメッシュ・シャー、HubSpotの創業者/CTO(MIT卒!)であると同時に、それ以前にも複数の事業立上げ/売却を行っており、得た資金を元に数多くの投資も行っているエンジェル投資家でもあるそうなのです。そんな彼のユニークな投資哲学について語られた興味深い記事を。 — SEO Japan

数週間内に、私は、現在は存在しない会社に投資をするために25,000ドルのチェックを書くつもりだ。会社もなければ、チームもない。そして、その会社が何をするつもりなのか、何をしたいのかも私には分からない。私はほぼ完全に盲目な状態で投資をしている。この狂気についてはこの記事のもう少し後の方で詳しく書くことにしよう。

私がそんなにも狂ったことをする理由を理解するために、まずは私のエンジェル投資の歴史と“戦略”(私は戦略という言葉をとても大まかに使用する)について少し説明させてもらう。それは、あなたの典型的なストーリーとは違う。

私は、MITの大学院生の時に初めてエンジェル投資を始めた。最近、自分の最新の会社を売っていくらかのお金を手に入れ、自分が次に何をしたいかを見出すために大学院へと戻った。それがまた別のスタートアップにならないことを妻に約束したため(スタートアップは難しいのだ)、私のプランはエンジェル投資をすることだった。それは、他の起業家を介して多様に生きることによって、自分の起業家としてのうずきを掻くことだった。とても楽しく、痛みはほとんどない。素晴らしいアイディアのように思えた。そして、実際にそうだった。

私が初めて投資した起業家は(自分は含めず)、Brain Shinだった。彼の会社がVisible Measuresだ。彼は、MITでの“New Enterprises”のクラスメイトだった。Brainは文字通り、私がMITで出会った人の中で最も賢い人達の1人だった。そして、彼は猛烈に頑張ることができた。だから、私はBrainのことをよく知らないし、最初のアイディアをそんなに好きでもなかった(彼らは途中でピボットした)にもかかわらず、50,000ドルを投資したのだ。そして、私は自分が何をしているのかも本当の意味では分かっていなかった。そして、エンジェル投資家になるためにはたった一つだけ条件があることが分かった:認可されなければならないのだ(すなわち、リスクを冒す財政的余裕があるということだ)。エンジェル投資の学校に通う必要もなければ、何らかのテストを受ける必要もなければ、あなたの根性を証明する必要もない。ただキャッシュが必要であるのと小切手を書く意思がなければならないだけだ。

私は、大学院在学中および卒業後に自分のスタートアップHubSpotを作っていた時にも投資を続けていた。これまでに35以上の投資をしてきた。あなたは、私のAngelListプロフィールのほとんどを見ることができる。私のアプローチを型破りなものにしているのは、私が持っているいくつかの“ルール”だ。

これらのルール全ては、1つのシンプルな制約に基づいている:私には時間がない。私は、とてもうまくいっている自分の会社(HubSpot)にひたすら取り組み焦点を合わせているため、スタートアップに費やす時間がないのだ。使用できる時間は全てそこに注がれる。もし私がこれらのルールを持っていなかったら、私は全くエンジェル投資をすることができなかっただろう。

これが私のルールだ:

1. デュー・デリジェンスなし。真面目に、ほとんどない。私が携わってきた半分以上の契約において、私は起業家と合ったこともなければ、電話で話したこともないのだ。一般的には一度か二度メールを交換するだけだ。ここでの私の論理的根拠は、2つある:私は、結果の大きさではなく、自分の時間(私の最大の制約)のために最適化している。さらに私は、かなり早い段階で、典型的な投資家が時間をかける大部分のデリジェンスは“不適切”であると考えている。それは、それほど知り得ることではないのだ。その人たちを好きか、そうでないかのどちらかだ。そのアイディアを好きか、そうでないかのどちらかだ(どちらにせよアイディアは変化するため、意味はない)。

2. 後続の投資なし。これは賛否両論のあるルールだ。多くの人は、私が投資に比例して主張する権利を持つ契約で“倍掛け”しないのは経済的に馬鹿げていると反論するだろう。彼らは正しいのかもしれない(私はそうは思わないが)。私が後続投資をしない理由は、それが時間を要する(私には時間がない)からだ。そして、私が投資をしない契約では、私が起業家にとってシグナリング問題を作るかもしれないからだ。一方的にあらゆる後続投資をしないことによって、全てのシグナリング問題はなくなる。私は、すでに自分が関わっている契約に投資するお金を、新しいスタートアップに回したいのだ。物事の大掛かりな構想の中では、これが全ての人にとってうまく機能すると私は思う。

3. 社外役員や顧問の地位もしくは公式な関与なし。ここでも、時間がないことに戻る。私には全力を傾ける時間がないため、それに全力を傾けないのだ。場合によっては、Eメールの自己紹介をしたり、自分のポートフォリオの中の起業家とディナーをすることもあるが、それ以外では、彼らが私に会うことや私から連絡があることはほとんどない。

全面的に私の型破りなアプローチはうまくいっているように思える。私は、あらゆるアーリーステージの起業家(エンジェルまたはVC)に対して自分のエンジェル投資ポートフォリオを掲げる。全てが終わったら、私はかなりの額のお金を稼ぐことになる。もしあなたがそう思わないのなら、私のポートフォリオをチェックしよう

そして、私の型破りなアプローチを批判し、私を“問題の一部”として分類する人達に向けて、私には簡単な返答/立場がある:操業を開始する会社があまりに多すぎるということはない。しかし、十分なだけの会社が操業停止していないということはある…それはまた別の問題だ。

重要:もしあなたがエンジェル投資を求めているのなら、最近の私の投資のほぼ全てがAngelListを介している(実を言うと、私はAngelListのメンバーであるだけでなく、投資家でもある)。そして、私はもっぱらインターネット/ソフトウェア会社にのみ焦点を合わせている。

さて、私の狂気の25,000ドルの投資の話に戻ろう。数週間前、Jason Calacanis主催の近々開催予定のLAUNCH Festivalについて耳にした。JasonはLAUNCHの一部としてそれをアナウンスするEメールを送信し、史上最高のハッカソンを作っていた。Jasonは勝利チームには25,000ドルをエンジェル投資するつもりだった。私はそのメールを見た時、“それはいいアイディアだ。私はもっとバカなことをしたことがある”と、思った。そこで私は、Jasonの25,000ドルと私の25,000ドルを合わせることを申し出たのだ。ひそかに私はHackerpreneurの大いなる信者だ。もし私が、何とかLAUNCHハッカソンに入って勝利する人の株主になることができるなら、それはかなり間違いないことだと思うのだ。

あなたもLAUNCHに参加するチャンスを得ることを望んでいる。そして、もしあなたがHackerpreneurタイプなら、そのハッカソンに参加して私のお金を手にしてくれたら嬉しい。


この記事は、OnStartupsに掲載された「Avoiding Undue Diligence: My Strange Approach To Angel Investing」を翻訳した内容です。

デューデリどころか合わずに投資を決めてしまう?!まさにエンジェル投資家ならではのルール無視の型破りな内容でしたね。一度成功して資金を蓄えたエンジェル投資家にありがちな感情論に走らず、きっちり本人なりのルールに落とし込んでいるのが流石MIT卒。。。?投資規模が少ないからこそできるやり方ともいえるでしょうが、一時の欲望や感情に左右されず、自ら設定した何らかのポリシーに忠実に従って行動する、という手法はエンジェル投資にもそれこそギャンブルに勝つためにも(似たようなものですか)通じる点はあるかもしれません。

私も今の会社が多少形になってから20位は投資してきましたが(新規社内事業含む)、既に10は完全撤退、半分がどうにか健闘中、半分が大きく化ける可能性あり(まだ夢は見れる)、という感じです。1つも大成功していないですし失敗の方がはるかに多いですが、その分学びも多かったので5年後にはトータルで大勝ちしていたいと思います。。。 — SEO Japan [G+]

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SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。