ペナルティだと決めつける前に考えること


順位が急落してもこのブログのように趣味で運営しているブログであれば、

「まあいいや別に」

って思えるのだが(実際順位下がっても気にしていない)、自社サイトであったり、収益で生活していたりすると平常心を保つのは難しいはずだ。
でもまずは落ち着くことが一番大切である。

Webの専門家であっても、SEOをある程度勉強した人でも判断をよく誤るので注意が必要だ。

基本的には、

スパムSEOをしない限りペナルティを食らうことはない

これが原則だ。
スパムSEOを行ったり、成果報酬型のSEO業者に依頼したのであれば自覚があるはずなので、改めればいいだけの話だ。

問題は何の自覚もない場合である。様々な勘違いが起こりうる。

1.ペナルティでもなんでもない

最もありがちな勘違いである。
一つのキーワードの順位だけを見ていると判断を誤る。

例えば当ブログであるが、一時期SEOというキーワードで24位まで上がったのだが、現在は80位前後でウロウロしている有様だ。


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しかし、私としては気にもならないし実際まったく問題はない。

さて、こんな時にまず確かめるべきことは2つある。

1)ファインダビリティが悪化しているか

サイトの検索エンジンの評価は、すべてのキーワードでの自サイトの発見のしやすさであり、それを総称して「ファインダビリティ」という。

ファインダビリティの確認は、様々なキーワードでの順位を確認し集計作業を行うのが一般的だ。
しかし、それは面倒であり、単に評価が上がっているか下がっているかを確認するだけであれば、ウェブマスターツールの検索クエリの折れ線グラフを確認だけで充分である。

これは当サイト「SEOとその周辺」の直近1ヶ月の検索クエリの推移だ。

この折れ線が急降下したり、徐々に下がってそのまま上がってこないようならば問題である。
単に一つのキーワードだけが下がっただけで、折れ線グラフが下がってなければ実害はないということだ。

一つのキーワードだけを見ていると、

「木を見て森を見ず」

大局を見誤る。

あと一つ大切なことがある。

検索順位が10位以内に入っているキーワードの順位が50位ぐらい落ちた場合は、重大な問題が起こっていることが多い。
しかし、もともとの検索順位が30番とかそれくらいだった場合、順位が50番ぐらい落ちてもなんら不思議はない。
言うなれば「よくあること」だったりするのだ。

2)順位が上がっていたのはまぐれではないのか

私のブログが「SEO」ってキーワードで20位台まで上がってきた時に、

「これはサイトの実力以上に上がり過ぎなんじゃないか」

こんな新参のどうでもいいSEOブログが(謙遜でもなんでもなくて真面目にそう思っている)20位台とは絶対おかしいと思ったのである。
現在の80位台は同程度の順位のページを見渡してみると、

「まあ、これくらいが相応だな」

って思える。
実力としてこの程度だったというだけの話だ。

2.QDDが発動してしまっただけ

無料ブログなど、他の人も使っているドメインを使っている場合、QDDが発動して順位が急降下する場合がある。
今まで上位表示していたキーワードからの来訪が多かった場合は、ファインダビリティも下がる。

QDDとは検索結果にできる限りバラエティを持たせようとするアルゴリズムの働きのことである。
QDDの働きによって検索上位には、基本的に同一ブログ内で1ページしか表示されない(もっと表示される場合もあるが)。
そのため、同一ブログを利用している、他の人のページが自分のページより上位に来ると順位が急降下する。

ホームページを持ちたい人が 無料ブログを使ってはいけない場合に書いたが、

「基本的に無料ブログはSEOには不向き」

なのだ。アメブロなどは有名人がたくさん利用している。
有名人が自サイトのページと同じテーマで書いてキーワードが一緒だった場合、たいてい検索順位で負けてしまい、検索結果に全く表示されなくなってしまう。

無料ブログでSEOを行うということは、ハンディキャップを背負うことを意味している。

これはペナルティでもなんでもなく、通常のアルゴリズムであり回避する方法もない。
独自ドメインで運用するしかないのだ。

3.自サイトに対する妨害のせいだと思い込む

同業者の妨害などにより、順位を下げられてしまったと思い込む人がいる。

1)スパムリンクを自サイトに貼ることによる逆SEOの可能性を疑う。

逆SEOとは「逆」という言葉がつくことからわかるように、特定のサイトの順位を下げようとする行為である。
ペンギンアップデート以降はこの傾向が顕著で、SEOを少し勉強した人などは、

「これは逆SEOをやられたのだ!」

という間違った結論を導くことが多い。
確かに、スパムリンクを貼ることにより競合サイトの順位を下げることは、原理的に不可能ではない。

しかし、

「めったにない」

ことである。
あなたはおなかが痛くなった時に、

「これは胃ガンだ。」

と真っ先に思うだろうか?
胃ガンである可能性はゼロではないが、まず疑うべきはそこではない。

逆SEOによって順位を下げられるということは、胃ガンの例と一緒で最後に疑うべきことだと言える。

2)コピーページを作られたために順位が下がったと思う。

これもめったにないことだ。
自サイトを丸パクりされた場合に、自サイトの評価が下がることはあるか?

「ない」

と言える。
まるっきり同一のページがあった場合には、Googleは評価を引き下げるといった判断はしない。
同一ページについてはどのページを検索結果に優先して表示させるか?をGoogleは適切に判断しようとするのだ。

だから、パクりサイトの方が自サイトと比べてはるかに元々の評価が高い場合だけが問題となる。

これもQDDの働きによるものだ。
同一コンテンツをたくさん検索結果に表示させることは、検索ユーザーの利便性を損ねるため、1ページしか表示させない。
そのためパクりサイトだけが表示されてしまうのだ。

とは言え、問題になるのはコンテンツを双方の合意のもとで供給するケースがほとんどだ。
例えばBLOGSといった有名サイトに、自サイトのコンテンツが掲載されるようなケースである。
このようなケースはパクリとは言わない。
正しいWebサイトの運用形態であるからだ。

これに対して、スパマーによる丸パクりが問題になるケースはない。
検索をしてみるとわかるが、自サイトの方がスパマーの丸パクりページよりも順位は上であろう。
スパマーのパクりページは検索エンジンからの評価が得られないからだ。

実害はないケースがほとんどである。
万が一パクリページの方が自サイトより検索順位が上になってしまった場合は、Googleが優先すべきページを間違えているのだ。
その場合はDMCAに申請をすることで、パクリページを排除することができる。

参考:著作権違反の全パクリサイトにDMCA侵害申し立てしたら12時間で処理された

4.重複ページがあるためにペナルティを食らったと思う

順位が下がった原因が自サイト内に重複ページがあることによるペナルティだと決めつける人は、SEOをちょっと勉強している人に多い。
だからこそ、重複ページによるペナルティは実にまれなことであることを知っておいたほうがよいのだ。

検索順位が下がる要因と上がらない要因に書いたのだが、重複ページは「検索順位が上がらない要因」に含まれる。
普通にブログなどをやっていれば、重複ページができるのは当然のことである。

同じ記事であっても、

http://www.blog-example.com/kiji-name/

http://www.blog-example.com/2013/05/05/

http://www.blog-example.com/page/5/

といった感じで、Webマスターが普通にサイトを運営すると、こんな感じで複数のURLができることがある。
それをペナルティにするのは非合理なので、Googleはペナルティを課したりしない。

「重複ページがたくさんあるから、ペナルティを課されて順位が下がったのだ」
と推理することは順序が逆なのだ。