大手企業がインハウスの検索マーケティングチームを結成する完璧な方法教えます。その1。

SEOのアウトソースで生きているSEO Japanがこんな記事紹介していいの?という内容ですが、いいんです。SEOに自信があるからできるんです!と拡大解釈してもらえたら、ということで。完全に大手企業向けの内容ではありますが、私自身の経験からいっても数名のスタートアップでも学べることはあります。 — SEO Japan

a guru

イメージ: Shutterstock

数年前、一流のオンラインショッピングサイトを運営する会社の依頼を受け、エンタープライズレベルの検索マーケティングチームを作る取り組みに携わった。この仕事で得た教訓、そして、達成した結果は大きく、検索マーケティングチームを結成する必要がある人達のために、この経験を伝えたいと思う。

基盤: 検索リーダー

まずは自然の検索の取り組みを統率するリーダー、つまり自然の検索を専門とする経験豊かな人物を探すことから着手してもらいたい。

検索リーダーは、長年に渡り、成果を上げ、プラスの効果を与え続けてきた実績を持つ人物が該当する。恒久的な雇用契約を用意するのではなく、知識を伝えるエキスパートを探すべきである。リーダーには、通常の従業員の4倍の給与が与えられることもあるが、前年比150%の収益の増加が見込める。

また、リーダーの尽力により、最大で600:1の投資収益率を実現することも不可能ではない — つまり、1ドルの投資についき、600ドルの収益を得ることが出来る。そのため、コストに関しては、あまり気にする必要はない。長期的な視点で考えれば、些細な金額である。

リーダーへの報酬は、半分を給与として、残りの半分を業績に応じて支払うことを薦める。リーダーに対して、トップダウンのサポートを約束してもらいたい。リーダーを支援し、リーダーの意見に耳を傾け、エゴを捨てて、リーダーの言った通りに行動するよう重役に呼び掛ける必要がある。

誰かのキャリアや報酬を脅かすことが目的ではない。リーダーは、重役の大半よりも多くの報酬を受け取る。しかし、この状況が発生するのは、あくまでも、業績に応じたボーナスが支払われる場合のみである — 収益が大幅に上がることが条件であり、実際にそうなれば、チームの責任者、そして、チームのメンバーに対する評価も高くなるだろう。

もどきではなく、真のエキスパートを雇用する必要がある。本物のリーダーは、コネクションのネットワークを通じて職務を遂行し、分からないことは事前に認める。しかし、何をすればいいのか、そして、誰に尋ねればいいのかは分かっている。また、リーダーは、実際の作業に携わらず、指導と指示に徹する。

リーダーは、エキスパート達を指導し、それぞれの専門分野を遂行させる。本物のリーダーは、謙虚であり、「コミュニケーションスキル」に秀でている。社内の全従業員にリーダーが接触することが可能な環境を作るべきである — 事業の特定のセグメントにリーダーを隔離する、または、押し込める方針は認められない。リーダーに行動の自由を認める必要がある。2-5年間はリーダーを雇用する計画を立ててもらいたい。

検索ディレクターを任命する

次に、優秀な検索ディレクターを選出する — 出来れば、ビジネスモデルを深く理解し、助言に耳を傾けることが出来る、社内の人物が適している。検索ディレクターには、SEO、有料検索、そして、ソーシャルメディアの3つの検索のセグメントのスタッフを管理する能力が要求される。意外に思われるかもしれないが、ソーシャルメディアも含まれる。

リッチメディア、ウェブサイト、IT、ブランディング、分析、レポート等、その他の部門、そして、マーケティング部門の重役および最高技術責任者と連携することが可能な人物を選ぶ、または、雇用しよう。また、検索ディレクターにはユーモアのセンスも求められる — 信じられないかもしれないが、いずれユーモアが必要なときが必ずやって来る。

部門の階層

ベンダーの小切手にサインする権限を持つ、マーケティング部門のシニアバイスプレジデント(責任者)の直属の部下として、リーダーを迎え入れる必要がある。該当する責任者には、エゴを捨て、リーダーを完全にサポートしてもらわなければならない。

検索ディレクターを同じマーケティング部門の責任者の下に配置し、ディレクターと責任者と直接連携するようリーダーに求める。これで向かうところ敵なしのトリオが誕生したことになる。このトリオによって、毎月、そして、毎年、検索およびSEOの利益は増えていく。

報告

まずは、報告書を作成する必要がある。ブランド、および、非ブランドの自然検索の収益を報告書に別々に記録していく。有料検索とソーシャルメディアもまた別々に記載しなければならない。

リーダーのボーナスを決め、そして、非ブランドの自然検索の収益(つまりSEOの収益)に期待する額を策定する。1日前のスタッツと結果を毎日従業員に提供する必要がある。また、週、月、四半期、そして、年に一度、業績を報告する取り組みも求められる。

全体像と日々の成果を社員全員が分かる環境を作らければならない。データを隠すのではなく社内の誰もが見られるように公開する必要がある。こうすることで、モチベーションを維持し、責任感を持ってもらうことが出来るようになる。

検索と部門が協力する体制を作る

コアの管理レベルの主導者(リーダー、マーケティング部門の責任者、検索ディレクター)を中心として、あらゆる部門と協力する体制を構築することが出来る。部門の構造は、会社によって異なるかもしれないが、どの企業においても、社内の複数の基盤が該当する。以下のセグメントに対して責任者がいるはずであり、この責任者は、検索チームと連携する必要がある:

  • ウェブサイト
  • IT
  • ネットワークオペレーションセンター
  • ブランディング
  • マーケティング
  • 販売
  • リッチメディア
  • モバイル
  • アフィリエイト
  • レポート
  • 分析
  • 法務
  • 広報
  • 店舗を持つ場合、店舗に対する上記のセグメント

社内の全従業員に、検索部門の存在、そして、検索部門の取り組みを把握してもらいたい。

コアの管理トリオの結成、報告、そして、その他の部門との連携の確立を終えたら、次に、マネージャーとアナリストでチームを結成する段階に移る。

SEOを動かすマネージャーの採用

マネージャーを雇用しよう。SEO、有料検索、そして、ソーシャルメディアに対して、それぞれマネージャーを任命しておきたいところだ。マネージャーは検索ディレクターに報告し、チームの分析の全ての責任を持つ。また、マネージャーは、チームを管理し、そして、日々の戦略に基づいた取り組みを実施していく。

マネージャーは、オンラインマーケティングキャンペーンの企画および実行の経験を豊富に持ち、また、ベストプラクティスの知識を把握し、そして、人付き合いに長けたベテランがふさわしい。

このような人物は、組織で非常に重要である。十分な給与を払い、出来る限り、お礼や賛辞を送り、見返りを与えよう。SEOの取り組みを動かすのは、マネージャー達である。

検索チームの構成

会社の規模によっては、各マネージャーに対して、最高で5名のアナリストを与え、毎日目標を達成していってもらいたい。また、SEO、有料検索、そして、ソーシャルメディアのセクションにそれぞれ1名ずつインターンを派遣しよう。 

インターンは、上司に当たるアナリストがマネージャーに昇格する、あるいは、仕事を辞めると、アナリストに昇格する。インターンは、戦略的な目標と目的を達成するため、迅速に配置転換を行うことが出来る。今後のアナリスト候補およびマネージャー候補として、常に優れたインターンを数名維持しておくことを薦める。

当然、上述したメンバーの人数は、組織の規模に応じて、柔軟に変更してもらって構わない。ただし、同様の構造を用いると、巨大なエンタープライズの検索部門であっても、チームを管理するために必要な要のポジションを全て網羅することが出来るようになるだろう。

詳細にこだわる: SEOチームの要素

オンラインマーケティングチームを構成する際の基礎はこれで全て網羅した。次に、検索部門内の各チーム(SEO、ソーシャルメディア、有料検索)に焦点を絞って説明していく。

guru_woman

イメージ: Shutterstock

SEOの要素には、ウェブサイトの検索結果の上位へのランクインを妨げる可能性のある全ての技術的な要素、および、編集に関する要素が含まれる。その中には、以下のSEOのベストプラクティスのリストも含まれている。ただし、このリストに限られるものではない:

  • リンクの評価と獲得
  • キーワードの発見/有料検索のテスト/最適化
  • タイトルの要素、メタタグ
  • セマンティックマークアップ、RDFa、マイクロデータ
  • ホスト名 DNS、サイトとページの読み込みのスピード
  • 内部リンク構築とリダイレクト
  • URIの構造、リンク切れ、行き止まりのページ
  • アンカーテキスト、イメージの最適化
  • 重複するコンテンツ、ワード数不足
  • robots.txt、セッション ID、サーバーおよびクロールのエラー
  • ローカル、モバイル、ソーシャルメディアのベストプラクティス
  • 店舗検索を介したコンバージョンツール
  • ソーシャル/SEOの統合

パート I: まとめ

一流の社内SEOチームを結成したいなら、全体像を理解するSEOリーダーを雇用するべきである。スピードアップにつながるためだ。

実績を持つ検索のエキスパートは、検索チームのメンバーを採用し、構成していくだけでなく、適切に機能し、トップレベルの重役とスムーズにコミュンケーションを取ることが可能なチームを介して、収益およびROIを高めていく。コストに関しては、心配しなくてもよい。やがて、取り戻せるためだ — 自然な検索は、適切なトラフィックの源として、利益が期待できる分野である。

次回のコラムでは、引き続き、有料検索とソーシャルメディアの要素を取り上げ、さらに、第三者のベンダーの利用に関するアドバイスを提供する予定だ。

続きはこちら


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Building An Enterprise-Level Search Marketing Team: Part 1」を翻訳した内容です。

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。