新規顧客獲得コストを削減する方法とは?費用対効果がわかる計算式も紹介

新規顧客獲得 コスト

企業経営において、顧客は売上を支える大切な存在です。その顧客は大きく新規と既存に分かれ、新規顧客の獲得は既存顧客の維持よりもコストがかかるといわれるほど難易度が高いです。顧客獲得の中でも特に難しい「新規顧客獲得」について悩む担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、新規顧客獲得に必要な4つのステップとコスト削減方法、さらに、費用対効果の測定に役立つCPA、CAC、LTVについて紹介します。

新規顧客獲得の重要性

経営学では「物事の結果のうち8割は、2割の要素によってもたらされる」という「2:8の法則(パレットの法則)」に基づき、「売上の8割は2割のリピート顧客が要因だ」という考え方があります。そのため、リピート顧客に対する戦略に重点を置きがちになるのですが、新規顧客の開拓も重要です。

新規顧客獲得 コスト

理由1:持続的に売上を成長させるため

既存顧客は安定的な売上こそ期待できますが、それだけでは売上や事業の拡大/成長は見込めません。また、創業したばかりの企業には、リピート顧客がいないため新規顧客の開拓は必須です。

理由2:リスク軽減のため

顧客側の方針変更や競合の出現によって、契約が打ち切りになる可能性が考えられます。売上の多くを既存顧客に依存していると大きなダメージを受けるので、リスクを減らすためにも、新規顧客開拓は重要です。

新規顧客獲得の4つのステップ

新規顧客獲得は、以下の4つのステップで行います。

新規顧客獲得 コスト

STEP1 ターゲット決定のためのリサーチ

まず、ターゲットとなる顧客層や企業を決めるために、市場のリサーチを行います。競合が強い場合は、ターゲットに優先順位をつけて高い順にアプローチすれば、より効率的です。

STEP2 実際に顧客へアプローチ

アプローチする方法は、テレアポや訪問営業、ポスティングチラシなどのオフライン手法、インターネット広告やSNSなどを活用したオンライン手法があります。商品やサービスを利用することで、どんな課題が解決できるのか、どんな変化が起きるのかまでイメージできるように、訴求点を明確にしてベネフィットを伝えることが重要です。

STEP3 ヒアリングと提案

最初のアプローチでは購入に至るケースは多くありませんので、継続的なアプローチが必要です。顧客との接触回数をただ増やすだけでなく、定期的な訪問や電話でヒアリングを重ね、新たな提案をすることができれば購買意欲を高めることができます。

STEP4 クロージング

複数回のアプローチを経て、ターゲットの意欲を向上させたら、最後はクロージング(成約)につなげます。このタイミングで担当者が変わることもよくあるので、その場合は顧客との間で齟齬が生じないように、引き継ぎをしっかりしておくことが大切です。

新規顧客獲得に必要な知っておくべきワード(CPA、LTV、CAC)

ここからは、顧客獲得にかかるコストについて解説します。

CPA(顧客獲得単価)

CPAは「Cost Per Action」の略で、顧客獲得単価という意味です。1人の顧客を獲得するために使ったインターネット広告費を指し、広告費以外は含まれません。

CPAは以下の計算式で求めることができ、低いほど効果があります。

CPA=総コスト÷コンバージョン数

例えば、50万円の広告費を使って10人の新規顧客を獲得した場合、CPAは5万円。150万円を使って50人を獲得した場合は3万円となり、後者の費用対効果が高いことになります。

LTV(顧客生涯価値)

LTVは「Life Time Value」の略で、顧客生涯価値と呼ばれます。生涯にわたって顧客から得られる利益を指しており、長期的なマーケティング施策に重要な指標です。

LTVは、下記のようにさまざまな求め方があります。

LTVの基本的な計算式になります。

LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数×平均継続期間

会社の規模や業種に合わせたLTVの計算式です。

LTV=利益×使用期間×割引率
LTV=(売上高ー売上原価)÷購入者数

原価や経費を踏まえた収益率から特定の顧客があげる利益に注目したいときのLTVの計算式は以下になります。

LTV=顧客の年間取引総額×収益率×顧客の継続年数

サブスクリプションビジネスのように、1ヵ月から1年と比較的短期間における顧客の月ごとのLTVを算出したい場合は、次の式を用います。解約率を何%に押さえれば利益率を上げられるかなどの分析にも役立ちます。

LTV=月額(年額)×使用期間

CAC(顧客獲得費用)

CACは「Customer Acquisition Cost」の略で、顧客獲得費用(顧客獲得コスト)という意味です。1人の顧客獲得に使った広告費や人件費などすべてのコストを指します。

CPAは広告費に限定されているのに対し、CACはオフライン・オンライン問わず全獲得費用が対象です。

新規顧客獲得 コスト

さらに、CACは以下の3つに分類されます。

新規顧客獲得 コスト

Organic CAC

「Organic CAC」は、紹介や口コミ、検索流入などの非有料チャネルによって、広告費を使わずに自然と顧客を得た場合の顧客獲得コストです。Organic CACを算出することで「広告効果による顧客増加」と「自然増加」がそれぞれ測定できるため、有料チャネルの正しい効果を測定できます。

Organic CACは、以下の計算式で求めます。

Organic CAC=自然獲得した顧客にかかったコスト÷自然獲得した新規顧客数

Paid CAC

「Paid CAC」は、広告などの有料チャネル使用時の顧客獲得コストです。チャネルごとのコストを算出し、効果測定できるため、マーケティング指標として設定されるケースが多いです。

Paid CACは、以下の計算式で求めます。

Paid CAC=有料チャネルにかけたコスト÷有料チャネルを経由して獲得した新規顧客数

Blended CAC

「Blended CAC」は、Organic CACとPaid CACを合わせたもので、以下の計算式で求めます。

Blended CAC=顧客を獲得するために費やした全コスト÷新規顧客獲得数

顧客獲得に費やしたコストには、広告費や営業人件費、代理店販売手数料、間接費用(付随的に発生する費用)など全費用が含まれます。

CACを計算する目的

CACを計算する目的のひとつは、LTVの目標値を決めることです。顧客1人あたりの利益を意味するLTVが分かれば、インターネット広告にかけられる上限の目安、CPAの許容範囲が分かるため、適切な広告を選ぶことが可能です。

CACの計算方法は、以下になります。

CAC=一定期間の顧客獲得コスト÷一定期間における新規顧客獲得数

さらに、SaaSビジネスにおけるユニットエコノミクスも算出できます。

※SaaSとは「Software as a Service」の略で、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービスのことです。

ユニットエコノミクスは「ユーザー1人あたりにおける採算性を示す指標」です。ユニットエコノミクスがプラスなら、顧客1人から得られる収益が顧客コストを上回っており、ビジネスを継続しても収益を上げられる目安になります。

ユニットエコノミクスの計算方法は以下のとおりです。

ユニットエコノミクス=LTV(顧客生涯価値)÷CAC(顧客獲得費用)

CACの目安

ビジネスを黒字化し、収益を上げ続けるにはCACをLTVよりも低くしなければなりません。また、LTVとCACの関係性は「LTVがCACの3倍以上」が理想です。

しかし、CACを下げることでコンバージョン率(顧客獲得効率)も低くなることは望ましくないので、あくまで数字は目安とし、時にはコストを上げてでも追加で新規顧客獲得の方法を検討することも重要です。サービスやユーザーの状況を見てバランスを考えながら見極めましょう。

既存顧客と新規顧客の獲得コスト比較

マーケティングにおいて「1:5の法則」があります。「新規顧客獲得コストは、既存顧客の5倍かかる」というものです。

新規顧客獲得におけるアプローチ方法である広告や訪問、電話アプローチなどは、既存顧客のリピート購入・リピート来店に比べるとかなり手間とコストがかかります。

新規顧客獲得のコスト削減方法

しかし、費用対効果だけを優先して既存顧客に対するアプローチのみを行っていては、事業が成長しないことは先述の通りです。以下のことに気を付けて、コスト削減を目指しましょう。

事前にしっかりと顧客分析やリサーチを行い、アプローチするターゲットを正確に割り出すことで効率が上がり、良質な費用対効果が見込めます。

PDCAサイクルを回す

「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」を徹底し、目標達成に必要なアプローチを可能な限り試すなど、フレキシブルな視点で課題に取り組みましょう。常識にとらわれず、プロモーション全体を見直すことも時には大切です。

ツールを活用する

顧客管理システムや効果測定ツールなどの導入を検討しましょう。初期費用こそかかりますが、中長期的な業務効率改善が見込めるため、結果的にコスト削減につながることもあります。

新規顧客獲得はCACとLTVの見極めを

事業の成長に新規顧客獲得は必須です。CACとLTVのバランスを見極めながら、複合的なプロモーションを実施しましょう。

新規顧客獲得は、既存顧客獲得に比べてどうしても手間とコストがかかります。そのため、費用対効果の観点で優先度を下げたり、コスト削減ばかりに焦点をあてないよう注意が必要です。

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