未来を見据えたリンク構築

人口リンク頼みのSEOもそろそろ日本でも終焉に近づきつつあるのをリアルに感じている最近です。とはいえ、リンクはやっぱり大事ということで、来年、いや3年後5年後10年後も通じるであろうリンク構築の在り方について考えた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

リンク構築は、オンラインマーケティングのその他の領域とは、一線を画している。独自であり、常に変化している。理解しようと試みたところで、勘違いしてしまうマーケッターは多く、また、SEOエージェンシーに至っては、距離を置こうとする有様である。

リンク構築は、運が良ければ当たる、動く標的であり – 再び挑戦すると、そこにあるはずの標的は既に別の場所に移動していたり、カモフラージュして見えなくなっていたり、あるいは、大きさが半分程度に縮んでいたりする。

また、リンク構築は、一筋縄ではいかず、サプライズに満ちている。これは、既に死んでおり、調理されているにも関わらず、そのままの形を残した、活きイカの踊り丼のようなものだ。醤油をイカにかけると、ナトリウムによって、神経が反応し、触手が荒々しく動くのだ(実際の活きイカの踊り丼の映像を見て確認しよう – 心臓が悪い人は見ない方がいい)。何が来るのか分からない状態で、この料理が運ばれてきた状況を想像してもらいたい。

全てのリンク構築の手法、戦略、あるいは、スキームは、ホワイトハットであれ、グレイハットであれ、あるいは、ブラックハットであれ、得られる見返りは減りつつある。ゲスト投稿、インフォグラフィックの埋め込み、リンク切れ構築 – 使い方によっては、まだ十分に効果的である。しかし、すべて、いずれは朽ちていく運命にある。

リンク構築の手法やスキームが失敗に終わっても、驚く必要はない。たった99ドルで買うことが出来た、ウェブ 2.0とソーシャルメディアのブックマークリンクのネットワークを覚えているだろうか?(信じられないかもしれないが、一部のサービスは今もなお順調である)。あるいは、アーティクルスピニングのソフトウェアを見つけ、ようやくチャンスが巡ってきたと喜んだことがあるだろうか?いずれにせよ、心の奥深くで、容易なリンク構築の時代は、やがて幕を閉じることになると分かっていたはずである。

そのため、出来るだけ廃れにくい手法を用いて、出来るだけ質の高いリンクを構築することが重要である。以下に、まっとうなリンク構築を行う上で役に立つ3点の原則を挙げていく。

組み合わせて勝つ — 手を掛けずに成果を出す

コンテンツマーケティングスタイルのリンク構築の効果が高いのは、あらゆるコンテンツが、様々な目標を達成することが出来るためだ。一本のブログの投稿が、リンク構築から、ロングテールのトラフィック、リードの生成、オーディエンスのエンゲージメント、ソーシャルメディアでの共有、さらには、契約の締結に至るまで、多くのメリットをもたらすのだ。慎重に作成すれば、そのコンテンツは、ウェブマスターに代わって、長時間働いてくれるだろう。

これはコンテンツの計画プロセスにも言えることである。新たなコンテンツのアイデアが浮かばずに苦労しているだろうか?インフルエンサー、つまり、ターゲットのリンクパートナーに尋ねてみよう。作成している記事が、目的を達成するかどうか不安だろうか?リンクを張って欲しい人達と共有し、意見を求めよう。コンテンツ戦略をリフレッシュさせる必要があるだろうか?アイデアの考案、計画、ブレインストーミング、さらには、戦略のディスカッションにリンクパートナーを参加させよう。

一流のリーダー達は、難問を歓迎する – 問題の解決を得意にしているのだ。従って、望むものを与えよう。また、アドバイスに従う際は、アイデアを実行に移す必要がある。前向きな、未来志向の質問(トレンド、5年後の業界の状況等)を投げ掛け、問題と成功について誠実に伝え、包み隠さずに明らかにしよう。リーダー達は、当該の取り組みを気に入り、プロジェクトの一翼を担う点を満足気に自慢するようになるだろう – その後、リンク構築に取り掛かる。

グーグルを出しぬくことが出来ない点を理解する

信じ難いことに、リンク構築コミュニティは、いまだに、“安全”な完全一致のアンカーテキストの割合について、わざわざ時間を割いて議論し、そして、このアンカーテキストが上位にランク付けされる上で必要だと考えている。

しかし、現実に目を向けると、ある明白なトレンドが見えてくる: グーグルのアルゴリズムが、大幅に賢くなっているのだ。グーグルの優秀な従業員達は、SEO業者を愕然とさせる、機械学習アルゴリズムの作成および改善に励んでいる。

ここで分かりやすいパンダアップデートの比喩を提供する。まず、原子力発電所の制御室を思い浮かべてもらいたい。熟練したエンジニア達が、発電所の核反応によって、メルトダウンが発生し、危険な放射線を外部に排出しないようにモニタリング、そして、調節を行うための、多数のダイヤルを利用している。

nuclear power plant

イメージ: Shutterstock

次に、今度はグーグルのアルゴリズムを制御する制御室を思い浮かべてもらいたい。この制御室にも多数のダイヤルがあり、それぞれのダイヤルが、検索の要素 – つまりソーシャルシグナル、リンクの真偽性、キーワードの濃度、サイトの構造等 – を担当している。

従来、グーグルのエンジニア達は、この制御室を歩き回り、一度に1つか2つのダイヤルを調整して、小規模なアップデートを実際に導入する前に、検索結果とユーザーエクスペリエンスに与えるインパクトをテストしていた。

パンダアップデートは、従来のプロセスとは異なるプロセスを採用している。複数のダイヤルに対する変更ではなく、パンダアルゴリズムは、新しい機械学習エンティティ(人工知能)であり、全てのダイヤルを学び、各種の品質のメーターに応じて、事実上、全てのダイヤルで調整を行うことが出来るのだ。

つまり、グーグルは、大量のデータを消化することで、毎日賢くなるサイボーグを作り上げたようなものである。この半分人間、半分機械のシステムは、365日、休むことなく、グーグルのランキングの要素を学習し、さらに効率を上げる作業のみに従事している。

グーグルを改善する方法を2週間連続で考え、大量の情報を処理し、星の数のどの可能性を精査した後、このサイボーグは、本物の人間にエンジニアに対して、一連の推奨する変更点を提示する。その後、エンジニアは、稼働中のグーグルのアルゴリズムにリリースする前に、サイボーグの推奨を見直す。

2008年、リンクスキームのスキルで、数名のグーグルの優秀なエンジニア達を、翻弄し、操作することが可能であった。しかし、エンジニアに勝つことが出来ても、パンダサイボーグ、そして、ペンギンサイボーグを相手にすることは出来るだろうか?

そして、現在、パンダは、(ほぼ)リアルタイムでアルゴリズムに統合されている。「参りました」と言うしかない。

それで良い。健全な恐れは、悪いことではない。心の中に留めておくべきものである。そのおかげで、的確に状況を分析し、懸命にではなく、賢く働くことが出来るのだ。

賢く働く: 慎重に何を求めるべきかを決める

かつて、特定のリンクを獲得するため、懸命に働く時代があった – 特定のアンカーテキストを使って、オーソリティのレベルが高いページを求めていた。その後、私達は“賢くなり”、一部キーワードを用いたブランドのリンクをより多く獲得するようになった。優秀なリンク構築のエキスパートは、リンクが必要な本数、そして、利用するべきテキストを完全に特定する公式を持っていた。

リンクを求めることのみが、現在、最も安全で、最も効果的な方法だと言えるだろうか?関係を構築し、リンクを求め、そして、(出来るだけ)リンクのパートナーに、リンクを張るアプローチを決めさせるべきではないだろうか?

この考えが常軌を逸していると思うなら、次の問いに答えてもらいたい: 自然なリンクプロフィールを作ろうと思っているだろうか?リンクを張る方法を相手に選ばせるアプローチよりも、自分で指定するアプローチの方が、どれだけ「自然」なリンクプロフィールになるのだろうか?

このコンセプトが的外れだと思うなら、コメントを残してもらいたい。どこが納得できないのか(またはできるのか)是非教えてもらいたい。

構築するリンクを「コントロール」するレベルを下げると、それだけ価値の高いトラフィックがサイトに流れてくるケースを、実際に私は何度か目の当たりにしている。偶然だろうか?その可能性もある。しかし、グーグルが、あらゆる「不自然なリンク」の形式に対して、敏感になりつつある点は、全てのSEOの専門家に納得してもらえるのではないだろうか。

前進し、リードを維持する

SEOコミュニティが胸を躍らせる、あらゆるリンク構築の手法は、2-12ヶ月の間に滅亡する。そのため、一つの戦略に全てを託すべきではない。カーブの先に何が待っているのかを考え、「どのリンクが、永遠にサイトを上位にランク付けさせる上で、効果があるのか?」自問してもらいたい。要するに、グーグルのスパム対策を統括する、マット・カッツ氏から言われたことにもっと力を入れる必要があるのだ: 優れたコンテンツを作成することが、“自然なリンク”の獲得につながる。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「3 Principles Of Future-Focused, No-Surprise Link Building」を翻訳した内容です。

日本と英語圏のGoogleのリンクSEOに対する基準や管理に差が無くなってきた最近、色々と納得&学ばなければと思った記事でした。コンテンツマーケティングをSEOに活用していく手法は手間暇がかかりますし結果も保障できないため、中々導入に踏み切れないサイトも多いようですが、これまでのリンク手法は日に日に通用しなくなりつつある最近、コンテンツマーケティングに真剣に取り組む時代はすぐそこまで迫っている、、、というか既にそういう時代なんですよね。この過渡期をどうにか乗り切ってGoogleと共存共栄できる次世代SEOを構築していきたいものです。 — SEO Japan [G+]

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。