185億円の損失を出した大コケ映画に学ぶあなたのビジネスを失敗作にしない6つの方法

SEO、コンテンツ関連の真面目な記事を連投してきた後は、コンテンツマーケティングの一例を。日米共に昨年公開されたジョニー・デップ主演の超大作かつ大コケ作品を反面教師としてビジネスを失敗させないためのアドバイスを考えたコピーブロガーらしいブログ記事です。世の中で話題のトピックを記事ネタに活用する好事例。 — SEO Japan

新しいローン・レンジャーの映画を見ただろうか?もしもあなたが大部分の映画常連客と同じなら、見ていないはずだ。

あなたは、代わりに他のヒット作品を見た。もしくは、ビーチへ行った。もしくは、家でTVドラマを一気に見た。ローン・レンジャーは、15ドル(さらにポップコーンも)を支払って見る気のするものには思えなかったのだ。

では、なぜここでこの数億ドルの失敗作について話すのか?

なぜなら、この映画がうまくいかなかった(利益を得るという意味で)理由は、来る日も来る日もビジネスをダメにする理由と同じだからだ。そして、大失敗を分析することによって、私たちはあなたのビジネスを成功させる要因のいくつかを発掘することができるのだ。

ローン・レンジャーは失敗するはずではなかった。ディズニーの配給責任者Dave Hollisは、Yahoo Moviesに悲しそうにこう伝えた:

私たちにとって悔しい点は、私たちがここに全ての材料を持っていたということです。最高傑作のフランチャイズ権、世界で最も成功しているプロデューサーと受賞歴のあるディレクターと世界の映画大スターのチームがあれば、成功の可能性は著しく高いとあなたは考える。しかし、私たちはそれをうまくできなかったのです。

失敗は繰り返す。成功と同じように。なぜローン・レンジャーが撃沈したのか、そして、あなたのビジネスはその最悪の結果を避けるためにどのようなことを学ぶことができるのかについて話をしよう。

問題点その1: 批評家が寛容ではなかった

この夏は、一般的にヒット作にとっては素晴らしい夏ではなかった(いくつかの例外はある)が、ローン・レンジャーは特に際立っていた。

もしローン・レンジャーが専門家の懸念通り1億9000万ドルを損失すれば、この映画は史上最大の失敗作という残念な栄誉を手に入れることになるだろう。~ World News Views

共演スターのジョニー・デップは、この映画の失敗を、映画が公開される前にすでに始まっていた酷いレビューのせいにしている。The Guardianの“全速力なんてものではなく、電気ソケットにひずめが引っ掛かった死んだ馬のむち打ちをダラダラと続けた感じ”というようなフレーズを引き出す映画なら、興行成績で何らかの問題に直面するかもしれない。

しかし、私たちみんなが知っているように、批評で失敗してもたくさんのお金を稼いでいるものは数多くある。実際、ワールド・ウォーZは、ローン・レンジャーと同じように、公開前に批評家に激しくけなされていたが、それでも興行成績で5億ドルを記録し、ブラッド・ピットの最高のヒット映画となっている。

ここからは、もっとビジネスライクな視点から見ていこう。

問題点その2: ローン・レンジャーは右へ倣えの製品だった

ディズニーのDave Hollisが言ったように、ローン・レンジャーは、私が押出映画製品(Extruded Film Product ―EFP)と呼んでいるもの―お金を稼ぐために計画された“確実な”要素の型通り集めたもの―の典型的な例だ。

ビジネス版で言うと、自分が特別にしたいことではないかもしれないが、世間一般の通念では常に需要があると言われている“安全な”ビジネスである。あなたの魂は創作ダンスに打ち込みたいと叫んでいるのに、ママは歯科矯正医になりなさいと言っているのだ。

大きな予算のついた映画を見に行く人なら誰でも知っているように、押出映画製品はたくさんのお金を稼ぐことができる。ディズニーは、一体なぜ今回はそうならなかったのか嘆き悲しんでマスコミに話したのだ。しかし、その理由を見つけ出すのは難しいことではない。

ローン・レンジャーのような失敗作には、成功するEFP(およびビジネス)が絶対に持っている材料が欠けているのだ。例えば、『怪盗グル―のミニオン危機一髪(Despicable Me 2)』にはそれがある―そして、興行成績でローン・レンジャーをピシャリと叩いた。

その欠けている材料については後で話すが、まずはそれほど“確実”ではない要素について話そう。

失敗を防ぐためのアドバイス

自分のビジネスを一般的な右へ倣えの製品にさせないこと。あなたと同じ製品またはサービスを提供する他の全ての人とあなたの違いが何であるかを見いだすことに時間をかけるのだ。

問題点その3: ローン・レンジャーはブロッコリー・アイスクリームだった

映画界での一般通念では、もはや西部劇を見たい人などいない。海外の観客は特にだ。

そして、それは取るに足りない要因ではない。“宇宙空間での西部劇”という説明が、恐らく、壮大なテレビ番組『ファイヤーフライ 宇宙大戦争(原題:Firefly)』を運命づけたのだろう。それは、ブロッコリー・アイスクリームのように聞こえた―番組製作者(Joss Whedom)は興味があったが、実際、その他の人達は求めていなかったのだ。当時、その口コミがたくさんのオーディエンスに広まり、その番組はなくなった。

(もちろん、Whedonは、次第に自分の才能を観客が飢えているものへと向けるようになった―それがスーパーヒーロー『アベンジャーズ』だ。)

映画―そして、ビジネス―は、観客がすでに渇望しているものに取り組むことによって、より安全な賭けをすることができる。だから、“パーソナルトレーナー”は、“メクラネズミの世話係”よりも安全なキャリア選択なのだ。

しかし…

『ランゴ』、『ジャンゴ 繋がれざる者』*、『許されざる者』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』、『明日に向かって撃て!』は全て西部劇だが、西部劇が特に流行っていなかった時代にたくさんの観客を魅了した。

なぜそれらの映画は、“西部劇が終わった”時代に成功したのだろうか?それらの映画には、ジャンルを超越した素晴らしい脚本があった。それらが非常に素晴らしかったために、見ないわけにはいかなかったのだ。そして、それを見た全ての人が、あなたの肘をつかんで、あなたもそれを見に行くように言ったのだ。

失敗を防ぐためのアドバイス

あなたが提供するものに対して実際に顧客の欲求があることを確かめること。あなたのビジネスは、まあまあ良いものならば、“変な”製品やサービスのアイディアでも生き残るかもしれないが、次のファイヤーフライ、つまりその時代にオーディエンスを見つけることのできなかった見事なアイディアになるのは楽しいことではない。

問題点その4: ローン・レンジャーの脚本は最悪だった

ローン・レンジャーに対する一部の良いレビューは、脚本についてはあまり触れず、ほとんどがトント役のデップの演技や華麗なアクションの連続について話している。

良いレビューでさえも、脚本が曲がりくねっていて、構成が欠けていることについて触れている。

その膨れ上がる予算問題を見て、ローン・レンジャーの崩壊を予測した観察者もいる。なぜなのか?理由はこうだ:

コントロールの利かなくなっている予算は、通常、映画制作者が映画を作り始める時に確固たるビジョンを持っていないことを意味する。将来のビジョンがなければ、映画がどんなものに仕上がろうと、事実上それは膨大な量の書き直しとイメージし直しの結果であるということを意味する。それでは、なぜこれが問題なのか?なぜなら、それが起こる時、最終的な製品は、それが持つはずだった効果的なストーリーテリングの力と同じ種類の力、始めから非常に興味を引き付けて話さない物語そのものを生み出さないからだ。~ James Gadea at policymic

成功するヒット映画の世界では、ライター(それとは反対のジョークをよそに)が主導権を握る。壮大なストーリーの力がなければ、押出映画製品は、単に押し出されたようにしか感じないのだ…

優れた文章がヒットの可能性を作り出す。そして、力強い文章―特に説得力のあるストーリーを伝える文章―が成功するビジネスを作ることができるのだ。

あなたのビジネスがビッグアイディアを持っている時―そして、興味をそそる方法でそのアイディアのストーリーを伝える時、オーディエンス(顧客)はあなたに引き付けられ始めるのだ。

失敗を防ぐためのアドバイス

自分のビジネスのビッグアイディアを知ること。時間をかけて、説得力があり興味のそそる方法で自分のストーリーを伝えること。私たちは、あなたがこれをどうやってすればいいのかを教えるための完全無料のライブラリを用意している。

問題点その5: ローン・レンジャーにはG.A.Sが欠けていた

最後に、ローン・レンジャーが撃沈したのは、G.A.Sの欠乏が理由だと私は考える。(ごめんなさい、これは、Give A Shit(気を使う、注意を向ける)の略だ―詳しいことはこの投稿で読むことができる。)

書き直しによって脚本は長すぎて分かりにくいものに膨らんでしまっただろうか?気にするな、オーディエンスはバカだからそんなことに注意は払わない。

親は、時折タランティーノレベルの暴力に逸脱するバカなコメディに子どもを連れて行きたくないと思うだろうか?そんなこと心配するな。どっちにしても子どもが何をしているかなんて誰も監視していない。

この映画は平凡でつまらない?そんなわけがない。だってジョニー・デップを使ったんだから。頭には鳥が止まってるし

私は、その映画がEFPであることを責めているのではない―それは、近頃のハリウッドが生み出すものだ。

しかし、もしあなたが公式を書くつもりなら、それについて気にかけなければならない

実際、私は、この映画の先駆け(同じ優秀なチームで作られた)であるパイレーツ・オブ・カリビアンがこれほどものすごい成功を収めたのはこれが理由だと思うのだ。誰もが海賊映画を特に強く求めていなかった。ディズニーの乗り物を基にした映画なんてもっとだ。

それは、脚本から演技や衣装や監督まで、全てが想像以上に良かったのだ。この映画は素晴らしい、本当に素晴らしいといううわさが立った。公式通り?間違いなく。しかし、それは見事に実行された公式だった。

今、あなたのビジネスはユニークな存在かもしれないし、超競争率の高い右へ倣えの世界で自分自身を差別化することに毎日励んでいるかもしれない。

オーディエンスを見つけることができれば、どちらの場合も上手くいく。

しかし、あなたはそれにたくさんのG.A.Sを注がなければならない。

* 注: 『ジャンゴ 繋がれざる者』は、“西部”ではなく“南部”だが、西部劇のような外観で、西部の音楽で、テーマとストーリー展開は完全に西部劇そのままだし、Sergio Corbucciによる1966年の西部劇“ジャンゴ”からかなり多くを取り入れている。もし、西部劇が興行成績の害となるなら、『ジャンゴ 繋がれざる者』は失敗していたはずだ。


この記事は、Copy Bloggerに掲載された「How to Prevent Your Business from Becoming an Embarrassing Failure」を翻訳した内容です。

流石コピーブロガー、映画をネタに思わず読んでしまう内容に仕上げていますし、コンテンツマーケティング、そしてビジネス自身にとってもそれなりに学べる点もあったのではと思います。余談ですが、ローン・レンジャーは製作費250億円、宣伝費175億円で合計425億円(1円=1ドル計算)かかったそうです。ハリウッドの大作映画、毎年100本以上作られていますが、IT業界も真っ青の投資ビジネスですよね。。。 — SEO Japan [G+]

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SEO Japan

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