PowerPointを使うとバカになる?

プレゼンに関する記事を定期的に配信しているSEO Japanですが、プレゼンといえば世界共通で使われているのがPowerpoint。便利なツールであることは間違いありませんが、時にその便利さによる弊害が批判の的になることもある存在、今回はそんなPowerpointについてカリスママーケッターでもありプレゼンターでもある(Google本社でデジタルマーケティングについて講演!)ミッチ・ジョエルが語ります。– SEO Japan

ビジネスや人生の中で、あなたはどれくらい多くの愚かなプレゼンテーションを見てきただろうか?

円グラフもしくはものすごい量の言葉が詰め込まれたグラフに耐えなければならない退屈なスライドがどれ位あっただろう?話し手が文字通りあなたの目の前にあるスライドの中身を声に出して読んでいるだけのプレゼンテーションを何回見てきただろう?演台の後ろで口ごもりながらスピーチを(下手くそに)読んでいるのを聞いたことは何度あるだろう?PowerPointによる死に関するコンテンツ(従来メディアとオンラインの両方で)は膨大な量だ。

なぜ私たちは―社会として―我慢するのだろう?

それは、私たちが真剣に目を向け、内破し、再発明する必要がある最後のメディアフロンティアの1つだ。そう、プレゼンテーションソフトウェア(PowerPoint、KeynotePreziなど)は、メッセージを伝えるのに役立つ単なるツールであるのに、それを超えてプレゼンテーションソフトウェアがメッセージであるという所にまで行ってしまったのだ…そして、それは真のメッセージではない(そのことはMarshall McLuhanを泣かせるだろう)。最近発売されたWalter Isaacson著のスティーブ・ジョブズの伝記の中で、ジョブズは、ミーティングでのプレゼンテーションソフトウェアの使用を撤廃することによってどのようにiMacフェーズの間Appleを再発明したかを説明している。彼は、人々がビジネスの問題やそれをどのように解決するかについて考えるのではなく、その制作物とスライドデッキのプレゼンテーションに依存していると感じた。伝記の337ページで、ジョブズはこう言っている:“自分が何を話しているのか分かっている人にはPowerPointは必要ない。”

それがコンテンツなのだ。

それは当たり前のことのようだが、プレゼンテーションはコンテンツと同程度にしか良くならないという考えは忘れ去られてしまった。それはかなり基本的なことだが(それに当たり前だ)、事実なのだ。結局のところ、人々は何かを忘れるかもしれないことを心配して箇条書きを使用したり(つまり自分のコンテンツを十分に分かっていないということだ)、手の込んだチャートを使用したり(視覚化しなければ何かをきちんと説明することができないことを意味する)、しゃれた写真や動画を使用する(彼ら独自のコンテンツがつまらないという事実に対する気晴らしとしての役割を果たすため)。

優れたプレゼンテーションを作って提供する簡単でてっとり早い方法が1つある…

自分のコンテンツを知ること(徹底的に)。もしそうでないなら、自分にこう尋ねるのだ:“もし自分自身が心から分かっていなくて、箇条書きや下手なグラフの裏に隠さなければならないのなら、私はこのネタを主題専門家として話すべきなのだろうか?” つまりこういうことだ。すごい画像、面白い動画、パワフルなインフォグラフィック、箇条書き、棒グラフは、プレゼンテーションがそれらなしでも―100%そっくりそのまま―完了されることができる限りは、いかなるプレゼンテーションにおいても組み込むべき素晴らしいコンポーネントなのだ。大部分の人は、何らかのマルチメディア形式を使用したが、その全てのメディアはボーナスだった。それは話し手のメッセージをより明るくよりパワフルな形で押し出すための船の役目を務めていたのだ。

問題は、多くのプレゼンターがプレゼンテーションはプレゼンテーションであると感じていることだ。そうではないのだ。

プレゼンテーションは、そのコンテンツとプレゼンターがそれをどのように届けるかで始まる(そして終わる)。あなたはPowerPointを捨てなければならないわけではないが、それを必要としていない。もしもそれを加えることによって自分のプレゼンテーションを増強することができるのなら、ぜひともそうすることだ。もしもソフトウェア、オーディオビジュアル、マイクの種類などが、あなたのプレゼンテーションがどのように受け取られるかに影響を与えるのなら、あなたは自分が伝えていることのルーツやそもそもなぜ自分はそれを伝えているのかに立ち返る必要がある。それについて考える簡単な方法がある…

優れたプレゼンテーションの3つのC:

  1. Content(コンテンツ): 私は何を示すように頼まれているのか?ここでのストーリーは何か?どのようにしてそれを簡単な方法で伝えることができるのか?どのようにしてそれを全てまとめるシンプルなストーリーを作ることができるのか?
  2. Compelling(説得力): 私はどれくらい自分のコンテンツをよく知っているのか?私は、ボディーランゲッジや言葉を使って自分のコンテンツを届けることにどれくらい長けているのか?自分のプレゼンテーションを記憶に残り実行可能なものにするために他に何ができるのか?私はこのネタを自分のプレゼンテーションの中で説得力のあるものにすることにどれくらい上手か?
  3. Compassion(共感): どのようにして人々を感情的に私と繋がらせることができるのか?私はオーディエンスについてどれくらい気にかけているか?私はコンテンツについてどれくらい気にかけているか?どれ位感情を伝えることができるか?

優れたプレゼンテーションは偶然起こるものではない。

人々は、最高のプレゼンテーションも能力であるということを忘れている。それらは技術なのだ。最高のプレゼンター(最高の俳優やアーティストやミュージシャンのように)は、プレゼンテーションの練習、研究、パフォーマンスに尽力する。それは簡単に習得できる技術ではない(人によっては何年もかかるし、適切なコーチング、メンタリング、インストラクションを必要とする)。スティーブ・ジョブズは、ぶらりとステージに出て、うまくいくように願っていたわけではなかった。彼は、コアメッセージから部屋の照明がどのように設置されるかまで全てのことに異常なほどに取り組んだ。彼は、これに時間と努力を注がない人を愚か者だと感じていた(つまり、彼は、ほとんどの人は愚か者だと思っていたのだ)。スティーブ・ジョブズは最上のプレゼンターだった。あなたも、コンテンツに焦点を合わせてPowerPointから一歩離れれば、そうなれる。

あなたが追加したいプレゼンテーションの秘訣は何だろう?


筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。


この記事は、Six Pixels of Separationに掲載された「Is PowerPoint Making Us Stupid?」を翻訳した内容です。

とりあえずジョブスの「自分が何を話しているのか分かっている人にはPowerPointは必要ない。」にやられました m(_ _)m 記事本文もミッチ・ジョエルだけにシンプルながら深くてタメになる内容。最近流行の画像多用、1ページ1メッセージのビジュアルプレゼンもいいですけど、やっぱり大事なのはその内容ありきだよね、と同じく最近注目のコンテンツマーケティングにも通じる話でした。Slideshareを使ってパワポでコンテンツマーケティング、ってややこしい話もあるんですが、表面上のテクニックや手法はあれど、最後はコンテンツの内容と質が勝負です。– SEO Japan [G+]

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。