ブログを更新することで得られたメリットと、逆に大変だと思っていること

土居です。2014年に入って、特に3月くらいから割とまじめにこのブログを更新しています。

目的はいくつかありますが、色んな人にこのサイトとかうちの会社のことを知ってほしいとかいうこともありますし、もちろんサービスに関する問い合わせとか個別の相談とかが増えれば嬉しいなとも思っています。トラフィックを増やすとかSEOを強化するとかいうのももちろん狙いには入ります。

あとコンテンツ大事ですよという提案してる身ですので自分たちが最低限は実践してそれなりの結果を見せていないと説得力がないよなというのもちょっとあります。

あとは、「ああこの会社はこういう感じでSEOやってるのね」という印象を持ってほしいというのがあります。少なくとも「どんな依頼内容、どんな条件でも喜んでお受けします!」とはいきませんので、ある程度は自分たちの特徴を知ってもらえると良いことがたくさんあります。

ということで、色々とメリットはありますが、一方でそんなに「みんなとにかく書いたらいいよ!」とは決して思っていません。ということで「ブログ論」みたいでどうかなとも思いましたがブログ論にならないようにこのあたりまとめてみました。

ブログを書くことでメリットと感じていること

もちろんSEOとかWebとか企業向け、っていう条件に依存する部分も大きいのですが、半分くらいは汎用的に参考にできる内容ではないかと思います。

トラフィックが増えて知ってもらえる機会が増える

まあ、これはもう言うまでもなく、というか記事を作って告知すれば人が見に来てくれますし、検索エンジンに認識されれば検索結果にも表示されるようになりますし、何にしてもトラフィックが増えます。

そして、トラフィックが増えるということはリンクやシェアも得られる可能性が増えます。誰も見てくれないコンテンツは誰からもリンクもシェアもされません。

言いかえればトラフィックが増えたら増えた分だけ、検索やらソーシャルやら色んなところからトラフィックが更に増えやすくなるということです。リンクが増えればリンクを通じたトラフィックも得られます。という正のサイクルが出来ますので通常ではトラフィックが増えることのデメリットは特にありませんね。

コンテンツを公開していくことでの直接的に最も分かりやすい成果地点はここです。実際にはブログ含めて月10~15くらい(3月以前は月2~5くらい)の地味なコンテンツ更新ですがトラフィックはこんな感じでちょっとずーーつ伸びております。

SEO HACKSサイトのトラフィック推移。過去1年間徐々に成長し、2014年3月以降は伸び幅も大きい

数字は自慢できるほどの規模ではありませんので内緒にしておきますが、更新を頑張り出した3月以降は検索トラフィックも検索以外トラフィックも増えていることはなんとなく分かっていただけるかと思います。

問い合わせとかセミナー参加が増える

トラフィックが増えるので、集まるユーザーが自社のターゲットと大きくズレていなければ、当然何かしらより深い接触を持つ機会も増えます。具体的にはうちで言えば、SEOのお仕事の相談とかセミナーへの参加とかです。

ここが少しずつでも目に見えて増えてくると、ビジネスインパクトという大義名分だけではなく単純なモチベーションの維持と会社として一定のコストを割く根拠付けになります。

ブログ更新においては「どういう記事が人気が出てPVを稼げるか、バズらせられるか」ではなくて「自分のサイトを見に来てほしいと思う人たちが日常的に調べそうな話題、あるいは今まさに困っていそうなこと」にスポットを当てて情報を更新していくのがおそらく誰にでも出来て、ターゲットとしたいユーザー層にリーチできて、しかも効果に繋げられる考え方です。

前者は慣れとかセンスとかにも依存する部分が多いと思いますが、後者は実際にお客さんと触れ合う機会が多い人であれば、時間さえ取れれば絶対無理!ってことはないでしょう。

僕は派手なコンテンツのプロモーションとか全く得意ではありませんので後者みたいな考え方を推奨しています。前者がダメとかでは決してありません。前者みたいなことをやるのも選択肢に入れ、やるならそういうことが得意な人に頼む方が良いと思います。

リンクがもらえるのでSEOもちょっとずつ良くなる

ただブログ記事を作って告知するだけではなくて、短期的な反響を得るだけでもなくて、「リンクをもらう」ことももちろん視野にいれないといけないのですが、一応そういうときに頭の片隅でいつも考えていることは

  • 人気とか影響力のあるサイトにリンクされたい
  • なるべく多様なサイトからリンクされたい
  • できれば継続的にリンクを得たい

などのことです。話題とか自分たちに書けることによってどういうポイントに重きを置くかは変えています。「あーこのテーマだと多分キツイな」とか「この記事なら継続的にリンクもらえるな」とかそういうのは何となく想像しています。さすがに自分が得意な分野では6割くらいは想像通りになります。

得意な分野だと上手く言って不慣れな分野だとうまくいかないのは、読者のことをよく知ってるかどうかが分かれ目だと思っています。読者のことをある程度でもわかっていれば読者の反応は予想できますし、分かっていなければ予想するのは難しいですよね。という理屈です。

だからこういうのは自分個人の提案というよりも色々勉強したりクライアントから教えてもらったりとにかくユーザーを知ることから始めないとなかなかいい提案できないです。だからこういうコンサルはとても大変で、ジャンル問わずうまく出来る人はすごい人だと思っています。

リンク数の推移としては、ahrefsという調査ツールだとだいたいこんな感じです。

ahrefsによるリンク獲得推移データ。過去1年間、着実に伸ばし特にここ最近は伸び幅も少し大きくなっている。

まあ特段多くはないですけど、書いた分だけ少~しずつ増えているくらいの感じでしょうか。本音を言えばもっと爆発的にガツーンと行きたいのですがまだそこまでのサイトでもなければ僕の文章力もないので仕方ないのでしょうが。

ちなみに、人気とか影響力のあるサイトに掲載されるためには、そういうサイトを運営してる人とかその周辺にリーチして読まれて「へーこいつ中々いいこと言ってんじゃん」という評価をもらえることを前提に記事を書くのですが、そのためにまずはその人が好みそうなテーマで記事を書いてみたり。話の主旨をその人の好みに合わせたり。とか少しは工夫しています。

また、多様なサイトからリンクされるには、SEO関係者しか興味ないマニアックなネタばかりを公開しても仕方ない(リーチできる属性が限られる)のでいくつか工夫が必要で。

例えば、「SEOだけどめっちゃ業者向けに書く」とか「すごい初心者向けに書く」とか「制作とかの仕事をしてる人向けに書く」とか「リスティングの人に興味持ってもらえそうな話題を書く」とか「アクセス解析とかの人に向けて書く」とか、関連業界だけどちょっとSEOの記事じゃないところに向けて書きます。

例えば

この辺りの記事はまさにそんな感じですね。

高速化、とかステータスコード、とかユニバーサルアナリティクス、とかタグマネージャ、とかその辺はSEOにも関わる話題ですが、それを本業としている人達にもリーチしやすくなります。こういう記事はトラフィックと普段もらえない層からのリンク集めが主な目的です

公開後の情報拡散がある程度うまくいくとそれなりに反響があり、反響があると検索結果が向上して、その後そのテーマで調べてくれた人がちょくちょくリンクしてくれたりが継続的に発生します。ただこのあたりはこのブログのテーマ的にもブログとかソーシャルとかの利用者層が多いのでそうなりやすいという側面があるのは間違いないのですが。

1つのコンテンツで何十本も毎回リンクがもらえるわけではありませんが(そういうコンテンツだけを価値とするのであれば、ほとんどのコンテンツの価値が適性に評価されなくなってしまう)、5本のリンクを10回集められれば50本のリンクなので、そう考えれば難しい感じではないですね。これはいつも自然リンク集めに困っている企業さんにアドバイスしている内容でもあります。

  • 情報源としてそれなりに信頼しても良さそう
  • ある程度まとまって網羅された情報 or 細かく具体的なニーズにこたえる内容
  • 検索結果で上位表示されている
  • 見てくれる人がブログとかソーシャルメディアを日常的に利用してる

この条件が満たされることだけ考えて運営していけば割と継続的にリンクは伸ばせそうですね。先ほど紹介したような、「出遅れた感ある話題をけっこう大げさに網羅してまとめたりしてる」ような記事ってぶっちゃけこの辺が目的だったりします。断片的な情報はめちゃくちゃ多くても、網羅してる記事は割と限られているのでそこを狙ってるだけといえばそうなのですが。

本筋から外れますが一番最後の要件だけ、そのサイトのジャンルに大きく左右される要素だったりしまして。

自然リンク<<ブラックハットなリンクなキーワード市場、かつそもそも自然リンクを貼ってくれる人が比較的少ない、という条件ですと頭をひねらないとホワイトハットでは今はまだ厳しいです。

サイトの利用者そのものがリンクを貼ってくれることを期待できないのであれば、リンクを張ってくれそうな人(属性?)に焦点をあてて、その人たちに情報をリーチしていくような取り組みが必須になります。「集まる」よりも「集める」にフォーカスするわけですね。

例えば、賃貸物件の一般的なポータルサイトを立ち上げて自然なリンク集めをしようと思っても、「この物件マジ良かったよ!おすすめ!」「品川区のILDKの新築マンションは、例えばこういう物件があるようです。」なんてリンクはまず期待できませんね。

でもそういうサイトに自然リンクを集めたいのであれば、リンクのターゲットを変えて、彼らがリンクをくれる理由をあの手この手で作らないといけないのですね。特に小規模な事業者であればあるほど、この辺のリンクを取りに行く工夫と貪欲さが必要になります。

そして正直に言えば、どんなジャンルでも工夫すればある程度までは行けると思いますが、それだけで検索結果の面取り合戦でバチバチ戦えるかと言えばそれはテーマ次第かなあと思います(少なくとも僕のスキルだとそうです)。

既にある程度知ってもらえている分、営業コストは下がる

これは、「いつもブログ見させて頂いてます」とか「ちょくちょくセミナー行かせてもらってます」っていうところから始まる商談がどれだけ話が早くてお互いに助かるかというのを体験している人は分かると思いますが。

受注が決まる、だけではなく出来ること出来ないこと、得意不得意が割と明確な状態をスタートラインに仕事の話ができるので、仕事受ける受けないの話も早いということです。

相談いただくサイトも、「あーこれなら自分らが上手いことアドバイスできそう」みたいなサイトが割合として多くなります。ココらへんは表面的な数字で現れにくいのですが、確実にそういう効果もあるとは感じます。

大変だなと思っていること

ここからは、ありきたりな内容かもしれませんが。

書くのにめっちゃ時間かかる

まあ一番のネックはここですよね。僕が書く場合ですとだいたい1記事あたり3~6時間くらいです。他の人が3~4時間くらいかけて書いたものを校正するには、内容によりますが1~5時間程度です。まあどのみち平均5時間くらいかかるんですね、きっと。

大半の時間は構成考えるのと内容のチェックと、場合によっては記事を書くにあたっての調査や事実確認です。書くことが決まれば書くのはそんなに時間かかりません。

その割には記事は大したことないね、と感じる方も多いかもしれませんが、結構色々気をつけて書いたりまとめたりすると、僕だとこれくらいかかってしまったりします。完全にそれのみに集中できればもっと短縮できると思いますが他業務の合間を使って書いているのでなおさらですかね。

例えば、意見や見解なのか事実なのかの区別とか、明確な因果関係とか根拠があるのかないのかとかも分かるようにしたいです。あとは曖昧な場合とか断言できない場合はそういう表記を心がけています。「誤解を恐れずに言えば」とか言い回したまに使いますが、正直言えばかなり誤解を恐れています

このサイトの記事全般がちょっと回りくどくて読みづらかったり補足説明だらけの文章になっているのは、文章力が欠如している以外にもそのせいもあると思います(多分)。

一応、ポリシー的なところで言えば、簡潔でキャッチーでライトで読みやすい文章よりも、ちゃんと読んでくれたら役に立つ、とか逆に誰かの迷惑にならない、みたいな文章にすることを優先しています。まあこの辺は運営者の意図次第なので僕が無駄に気にしすぎなのは間違いないと思います。「生」が付くほど真面目な性分なのが玉にキズですね。もっと言えば「は」がつくほど緻密なのも玉にキズです。

専門分野なので記事の品質を担保するのが大変

ある程度は話せる、実務ではちゃんとやってる、というのと、ブログという形式のアウトプットとして一定以上の品質で出せるというのはスキルとして全然違うと思っています。つまりそれなりの文章を安定して書き続けられる人はどこの会社も限られていると思うのです(スキルだけではなく業務的な事情も含めて)。もっとライトなテーマなら別ですけどね。

ですので社内の他の人に書いてもらう場合でも、テーマを決めたり、予め骨格を決めたりして、あとは書く人の得意分野に合わせて書いてもらって、文章とか表現でちょっと気になるところから修正したり、事実に反することが書いてないか、とか誰かが誤解してしまう表記になってないか、とかそういうところも基本的にはけっこう細かく見ます。妥当なツッコミや指摘を頂いたらその旨追記したり引用させて頂いたりします。

ということで、とにかく分担してみんなで書こうぜ!というのがそんなに簡単にできないというのもまあひとつの悩みですね。現場のメンバーはやっぱり実務を優先しないといけないのでここにリソース割きまくるとかも出来ないですし。

逆にインターン生とかに勉強がてらSEO用語集とかまとめて記事にしてもらったりはしてますし(もちろん最低限は全てチェックします)、信頼できる方に寄稿して頂いていたりもありますので、現実的な運用に耐えうる体制を組んで更新量を担保することは工夫すれば出来るとは思います。

その人(その会社)の底が知れることのデメリットも考慮する

あんまり浅い内容の記事とか変な内容の記事ばかり出してしまうと、検索を中心にトラフィックは増えていくと思いますし一時的に成果と言われるようなものが出ると思いますが、やっぱり印象とかブランドとかいう意味でいうと長期的には何かしらは損ねてしまうんだろうなとは思います。

ある意味、自分の手の内を多少明かすことなんてのは別に問題ないと思いますが、読者から見てその人(とか会社)の底が知れるというのは微妙かなあと思います。さすがにある程度のリタラシーがある読者さんであればその辺りの分別はつくでしょうし。

僕個人としては、こういう商売で「広告」という形式ではなくて「情報発信」を通じてユーザーとの接点を増やしていく以上は、こういう目にみえない「読者が受ける何かしらポジティブな印象」みたいなものを少しずつ積み重ねていくことも大事にすべきと思っているんですね。もちろんこのサイトはまだまだですので今後もそういうのを積み重ねていくために頑張ろうと思います。

逆に、トラフィックがいくらあっても、自分たちにとって重要な読者層に「こいつら、微妙だわ」って思われたら、獲得したトラフィックの価値は激減します。数字だけ見ていたら見えない部分ですので、なおさら自分たちがそうなってしまわないかビクビクしてるという側面も少しあります。ドメイン名でのエゴサーチは欠かせません。

ですので、SEOについては全ての読者に一定のリタラシ―や判断能力があるわけでは決してないテーマですので、企業としての情報発信にはそれなりの覚悟と責任を持ってやっています。特にWebコンテンツの場合はそれがずっと残ってしまい将来に渡り多くの人に見られる可能性があるのでなおさらかと。一対一でしゃべるのはそういう意味ではある程度気楽なのでいくらでもペラペラしゃべりますけどね。

ちなみに:「ブログとかでいろいろ情報公開しちゃって大丈夫?」みたいな話

そもそも本とかブログで書けるような、逆に言えば調べようとすればみんなが調べられる内容などは、ほとんどが一般論ですし手の内というほどのものでは決してないのでいくらでも放出して問題ないという認識です。受験勉強で言えば参考書読めば分かる、一般的な定理とか公式とか汎用的な解法とかが予備校や塾の重要なノウハウと言えないのと同じで。

本当に大事なのは一般論としての情報ではなく、個々のケースでの施策をどうプランニングするかと、その根拠となる知識と経験です。それは多くの場合で一般化して話せることでは決してありません

運営してる母体やその規模、ビジネスモデル、掲載されている情報の性質、担当者のスキル、予算、時間的制限、事業的制約など色んな要素が同一でない限り、同じようなサイトでも優先して行う施策は変わるはずです。

なので一般的なこういう話題はいくらでも出して良いんじゃないかなと個人的には思います。少なくともなんの役にも立たない情報だとは思っていませんし。

まとめ

ということで、僕はSEOみたいなテーマでブログを更新する、それによって何かしらビジネス上の成果を得る、というのはけっこう大変なことだと感じています。成功例と失敗例でいえば後者が圧倒的かなと。うちもめちゃくちゃ成功しているかといえばまだまだこれからの積み重ねだと思いますし。

もちろん良い情報が増えることはとても良いことですので大歓迎ですが、SEOについては明らかに間違った情報(ちょっと違う、はもちろん、ぜんぜん違う、というレベルまで幅広く)が発信される可能性が極めて高いのと、一方でそれを誤った情報として認識できる人が少なすぎる点から、情報の流通はよりカオスになりがちなテーマだと認識しています。なので余計に気を遣います。

ただ、総合すれば、色々大変なことはあるけど、ちゃんとやれば得られるものは多いので、何だかんだやるべきで、やるならしっかりコストをかけてやるべきと思っています。ただ上記のような理由から、適当な情報をまき散らさないためにできる努力を怠らないことも、情報を積極的に出すことと同じくらい大事なことという認識でございます。

このブログもいつの間にかそろそろ40記事くらいになりますので、もっともっと成果に繋がると良いなと思います。ということで何かお仕事ありましたら是非くださいますと幸いです。

以上、今後共よろしくお願いします。

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最近のGoogleの変動はペイデイローンアップデート2.0とパンダアップデート4.0の2本立てが原因??その内容と対策

先週末くらいから、確かに検索結果で不安定な動きが見られ、SEO関係者の「Google動いてる…?」的なツイートもその時期から多く見られました。

そんな中、先日GoogleのMatt Cutts氏がこのようなツイートをしていました。

“Googleは本日パンダ・アップデート4.0を実施しましたよ(5/21)”

 

“先週末、Googleは”とってもスパミーな検索クエリ”に向けたアップデートを実施しましたよ(5/21)”

 

このことから、”パンダ・アップデート4.0″と”ペイデイローン・アップデート2.0″という比較的規模の大きな変更が、先週末~今週末にかけてほぼ同時期に実施されていたことが分かりました。

パンダはまだしも、ペイデイローンについては、「ぺイデイローン?何それ?言いにくい!ダサい!」と思われる方や、「それって1996年に公開された、突如現れたUFOに地球が襲撃される系のウィル・スミス主演の映画のタイトル?」などと思われる方も相当数いると思われます。

既にクライアント様からも次々と質問をされていますので、解説を入れておきます。

「この変更に伴いどんな対策をすべき?」について

具体的なアルゴリズム解説は後にして最初に結論を言っておきますと、これらの変更は「大半のサイト運営者にとってはさほど影響のない話」であって、更にちょっと乱暴に言えば、今回は仮に影響があったとしても、基本的なSEOの取り組み方針としてやるべきことは特に変わらないです。

それはつまり、ユーザーが欲しがる情報を用意しておきましょうとか、薄いコンテンツを減らして中身の詰まったサイトにしましょうとか、不正なリンクを取り除いて正当なリンクを集めましょうとか、スパム的なことをするのはダメです、とか技術的に問題が発生しそうな実装があるのであれば最適化しましょう、というようないつも言われていることになるのですね。

変更に伴うランキングの調整の方法を探すのではなく、変更の背景や意図を理解し、SEOの取り組みに反映させる

パンダ、ペンギン、今回の”ペイデイローン”にしても然り、こういう比較的大き目の変更があったとして、それに都度「今回はこう!」「次はこう!」「そんでもって次は、、こう!」みたいな感じで何かを対応していくというスタンスは、正直いえばなかなか不毛な場合も多いです。

何故ならば、Googleが定期的に行う”変更”の大半は技術的な刷新や変更、あるいは追加であって、「検索サービスとしての方向転換」では決してないのですよね。つまり基本的にはどういう検索結果にしたいかという方向はだいたい固まっていて変わらなくて、それを実現するために、次々に新しい技術や仕組みを取り入れているというようなイメージです。

それにもう一つ理由を言うのであれば、あからさまな問題点とあからさまなタイミングの一致がある場合を除き、最近では原因を特定することももちろん難しい場合が大半です。

アルゴリズムの変更はいちいち公表されるものではそもそもありませんし、日常的に様々な変更を加えられ、かつ以前のアルゴリズムよりもかなり多面的な評価がされているということも考慮すると、ほとんどの場合は「考えても分からないものを考える前に、目の前に山積みになっている課題を一つ一つクリアしていきましょう」ということになるわけです。

もちろん、内容によっては「やるべきこと、考えるべきことが変わる(≒増える)」場合ももちろんあります。ですが本質的に大事なのは、「この変更を経て、今ランクを調整するためにどういう対応をすべきか」ではなく、「この変更はなぜ行われたのか、そしてその上で、自分たちがやることを追加、変更する必要はあるか」という考え方が良いのではないかなと思います。

※参考:Googleがアルゴリズムを変更する目的とSEOの役割

そういう意味では、今回はなにか大きく慌てるようなことがあるかというと、まだ不明な点もありますが、基本的には従来の仕組みの延長線上で行われている変更ですので、特にないかなと(ただしもちろんこういう不安定な時は自サイトや競合他社のランキングの観測はきちんとやっておきましょう)。

ということで、ここから先は各々についてまとめていきます(主に初心者向けに書きますのでそこまで厳密な解説はしません)。

ペイデイローン・アップデート

ペイデイローン(Payday Loan)とは、「次回振り込まれる給料を担保にした少額のローン(貸金)」のことみたいです。確かに日本だと馴染みはないですね。

アルゴリズムとの関連性の文脈としては、なんのこっちゃ良く分かりません。

ペイデイローン・アップデートの内容

ローンとSEOと何の関係があるの?と言えば、「こういう系のキーワードは(上位表示されると売上に直結しやすいため)スパムに汚染されやすい」という特徴があります。これは日本でも同じことが言えますね。

その「不正に順位操作されたサイトで検索結果がいっぱいになってしまいがちな残念な検索キーワード」の代表例として”ペイデイローン”という言葉が使われ、一般的なこのアップデートの呼称となっているわけです(Google公式の名称ではなく、通称。)。

このアップデートは、そういう残念なことになっている検索結果をきれいにしますよ(スパムをやってるサイトを排除しますよ)、という意図の更新です。

ペイデイローン・アップデートの対策は?

このアップデートの趣旨として、繰り返しになりますが「一部のスパムに汚染されまくったキーワード」を対象に、そうしたスパムサイトを排除するようなアップデートです。

例えば、日本国内で言えばギャンブル系キーワード、アダルト系キーワード、金融系キーワードなどは全体的にそういう傾向が昔から根強いですね。もちろんジャンルどうこうではなく、あくまで「スパムされやすい検索キーワード全般」ということなのですが。

どのキーワードが、とはもちろん明言されていません。ただし一般的に「激戦」と言われていたキーワードではガラッと検索結果が変わりました(変なサイトがゴッソリいなくなったり)。

ということで、これを気にする必要がある可能性がある人は、

  • 検索結果上位がスパムサイトで埋まってしまうようなテーマのサイトを運営していて、
  • 自身もスパムな手法を使ってSEOを行っていて、
  • ここ最近になって急激に順位が下落したように見える

のようなごく一部の方であって、ほとんどの方は影響のないアップデートと言えます。

※ここでいうスパム、はリンク購入に限らず、順位操作系のスパム全般を指しています。

ペイデイローン・アップデートまとめ

特定の手法や状態に対して評価を下げる、というよりも一部の特定のキーワードでの検索結果を、その中でスパムな手法を使って順位操作しようとしているサイトを排除することによってキレイにする、というような主旨のアルゴリズムであるとご理解下さい。

したがって、ほとんどのWeb担当者の方には影響ないものと思います。

パンダ・アップデート

もう英語圏で最初に導入されてから3年以上もたつのですね。SEO担当者の方であればほとんど全員が知っている内容なのでしょうが、最近はいちいちアップデートの公表もされなくなっていたので、耳慣れない方のために改めて解説を入れておきます。

パンダ・アップデートの内容

色々調べれば出てくると思いますので、ものすごくざっくりとした解説をしておきます。

  • 低品質なコンテンツが上位に出てきにくくするために実施されています。
  • 低品質とは例えば、単純に中身がスカスカだったり、
  • どこにでも書いてあるような薄っぺらいことしか書いてなかったり、
  • 他のサイトと共通のコンテンツしか載せてなかったり(独自性がない)、
  • 全体的に信頼できなさそうなサイトだったりが該当して、
  • 全体的にそういうコンテンツを多く抱えているサイトが検索にヒットしにくくなります

ざっくり言えばこういう感じです。こういうアルゴリズムを考慮した上で何をすべきかという点については、めちゃくちゃイメージで言えば、薄っぺらーく広がったサイトよりも、筋肉質で密度の濃いサイトを目指しましょう、というようなイメージです。

※具体的な対策はこちらの記事を:Google パンダアップデート 業界・タイプ別 傾向と対策

パンダ・アップデート4.0の特徴

まず、”4.0″とか”2.0″とかってというのは、アルゴリズムのアップデートのバージョンの話です(同じアルゴリズムの中でも、仕組み自体が刷新されたり、その仕組みの中で処理されるデータが更新されたりされます)。

パンダ・アップデート4.0では、以前(下のツイート参照)から言われていた“Next generation Panda(次世代パンダアップデート)”なのか?というのが少し関係者の中での関心事項になっています。まだ公式なアナウンスはありません。

“GoogleのMatt Cutts氏は(SMX Westというイベント内で)、新しいパンダアップデートは、小規模な事業者(サイト)にポジティブな影響を与えるだろう、と話していた(2014/03/14)”

 

まだ、これが具体的にどういう仕組みなのかは詳しくは分かっていないのと、今回のアップデートがこれにあたるのか?というのは何とも言えない状況ではあります(個人的には、おそらく今回で実装されたかなという気がしていますが)。

小規模なサイトが優遇される、というよりも、コンテンツ規模の大きなサイトを優遇せず、小規模サイトも大規模サイトも公平に評価できるようにする(規模の大きなサイトが、規模が大きいというだけで相対的に優遇されないようにする)的な文脈なのかな?と思うのですがどうなんでしょうか。公式なアナウンスを待ちます。

そしてまた先ほどと同じ議論なのですが、だからこの変更に際して何かを変える必要があるかといえば、特に大きなものは思いつかないです。規模が大きいから、という理由だけで恩恵を受けていたサイトがあって、こういう変更によりランクが落とされたとしたのであれば、もう少し、一つ一つのコンテンツに磨きをかけていく必要がありますね、という具合でしょう。

以上となります。ちょっと長くなってしまいましたがお伝えしたいところは中盤で書いてしまいましたのでこのあたりで。

ヴォラーレ株式会社 土居

元雑誌編集者が語る、あなたの”コンテンツマーケティング”が上手くいかないワケ

コンテンツが重要、という考え方が徐々に浸透しつつありますが、ここでは元雑誌編集者、という視点から、Web媒体のコンテンツ制作の現場についての「それってどうなの?」な色々について取り上げて解説します。今回はコンテンツ制作部門の寺田による執筆です。

コンテンツを作ることがコンテンツマーケティングではない

「オウンドメディア」「コンテンツマーケティング」などというキーワードが注目を集めています。SEOの現場でも、GoogleがブラックハットSEOについて厳しいアップデートでのぞむ一方、「これからはコンテンツマーケティングだ!」「オウンドメディアで自社サイトをメディア化するんだ!」と、”ユーザーの役に立つ”コンテンツが重視される傾向にあります。

この流れ自体は誰の目にも素晴らしいことです。ただ、とりあえずコンテンツをジャンジャン書いてページをたくさん作ったところで、思ったようにアクセスが取れなかったり、アクセスは増えても商売につながらなかったり、ということも珍しくはないでしょう。

でも、実際に多くのWebのコンテンツを見ていると、これって実は当たり前というか。

結論から言うと、「メディア」って相応の労力(またはお金)や時間をかけたり、伝え方ひとつとっても様々な工夫をしていかないと、十分な効果は得られないんですよ。なのに、「何でもいいからコンテンツを作る」で走ってしまっているから失敗しているだけなんです。冷静に考えれば、それって”マーケティング”でもなんでもないですよね。

元雑誌編集者から見たWebコンテンツ制作現場

以前、10年ほど雑誌制作の現場にいました。そこからWeb業界に移籍してきたので、すべてが新しいことだらけなのですが「コンテンツを作る」という業務は同じなので考え方は同じというか。要は「人が読みたくなる文章を書く」ということは同じですからね。

雑誌からWebへと媒体が変わっても引き続きコンテンツ制作に関わっているのですが、Web業界で仕事をしていると「アレ?!」と感じることがあるので違いを軽くまとめてみます。

1. 誰が書いたかわからない記事・・・って大丈夫?

最近はクラウドソーシングって流行ってますよね。この業界に移籍して初めて知りましたが、文字単価0.2円(500文字書いても100円!)とかでの発注もあるみたいです。とにかく安い。。

クラウドソーシングという世界そのものについては、発注者にとってもクリエイターにとっても様々な課題を解決し得る、画期的な仕組みだと思っています。ライターとしても、空いた時間を有効活用できるので人気を集めてます。発注者側としても、コストを抑えてコンテンツが制作できてWin-Winです。

ただ、それをどう活用するかというのは利用者次第だと思っていまして。例えば、用途によりますが、どこの誰が書いたかわからない、何を情報ソースにしているかも不明な記事を、ロクにQAもせず自社名義のサイトに掲載されているものをしばしば見かけますが、それって皆さん怖くないんでしょうか?

もちろん、クラウドソーシングに登録されている方の中にもきちんとしたライター経験者も多くいます。でも少なくともしっかりした実績と実力のある方で、文字単価0.2円みたいな報酬で一生懸命文章を書きたいという人はそこまでいらっしゃらないと思います。

また、なにか問題が起きても「しーらない」でドロンされちゃったらどうするんだろうと。雑誌の現場だと、たまに聞くんです。いわゆる「飛んじゃった」ってやつで。

徹夜続きのデスマーチな現場だとありがちです。いきなり会社に来なくなったり、連絡が取れなくなったりする人。デスマの現場で誰か飛んじゃったら炎上どころの騒ぎじゃないので、やっぱり信頼できる人と仕事したいですよね。

2. 何を伝えたいのかわからない、ゆるい原稿

紙媒体だと誌面に限りがあるので、文字数との戦いは避けて通れない苦悩です。ガッツリ2時間かけて取材して聞いてきた内容を400文字にまとめてくれ、なんてことも多々あります。一方でWeb系の制作は物理的な文字数の制限がなく、「1000文字以上であればOK」といった発注も多いですよね。非常にざっくりしています。

それで、前述のクラウドソーシングみたいな文字単価の設定だと、ネットの情報を切り貼りしたような内容の浅い記事ができあがります。まぁ、これも必然というか。ボランティアではありませんから、ギャラ200円の原稿に何十分も時間かけてリサーチとかインタビューなんてなかなか出来ないですよね。

そうすると、どこかのまとめサイトとかWikipediaとかの内容を集めてきた薄ーい1000文字の原稿ができあがります。極端に言えば「伝えたいこと?そんなの関係ないよ」の世界です。

しかし、その文章はサイトに掲載することだけが目的なのでしょうか?違いますよね。そのコンテンツによって誰かの問題が解決したり、サイトを訪れたユーザーがあなたのサービスや商品のことを好きになったり、そういうことが目的なのですよね。であれば、それが伝わるように文章を作らなければいけません。

3. そもそも、見直ししてる…?

紙媒体だと印刷したらやり直しが効かないので、何度も何度も、これでもかというくらい校正確認をします。書いた本人はもちろん、ディレクター>編集担当者>取材対象者>デスク>クライアント>校閲者>編集長…といった感じで初校・再校と校正確認がまわるのです。

校正を経て、最終的には納品時の原型を留めていないことだってあります。それはそれでどうなんだという話もありますが、電話番号ひとつ、値段の桁ひとつ、間違えるだけで大変なことになると徹底的に叩き込まれるので穴のあくほど何度も校正が鉄則です。

ところがWeb サイトの場合、掲載後だって修正が可能なためか「この記事、見直し…してるよね?」という初歩的なミスがあるのにそのまま掲載されているものが多いです。読めばわかるレベルの大量の誤字脱字がそのまま、明らかに論理的な飛躍があるのにスルーというのは・・・残念ながら、悪い意味で行間から書き手の気持ちが伝わってきます。

ただでさえ、モニターで確認する原稿は、紙に出力して確認する原稿よりも間違いを見落としやすいという特性があります。それを考えると、納品前に数分程度の見直しだったら何度やってもいいと思うのですけど。

「編集者のように考えよう」とよく言われるけれど

簡単に3つほど挙げてみましたが、要はWebの場合、記事の質が「軽い」んです。コンテンツマーケティングの文脈ではよく「編集者のように考えよう」と言われていますが、自社サイトをメディア化するのであればしっかりとユーザーに“刺さる”コンテンツが必要です。

前述したような幾多のチェックを突破して掲載される雑誌の記事は、企画から取材・校正と膨大な時間と人件費を使って鍛えられ、磨き上げられます。

例えば、「東京○✕△グルメ」のような120ページくらいの情報誌であっても、制作費だけでウン百万円とかは必要になります。それでも雑誌になって800円くらいで2万部も売れたらOK、という感じでしょうか。

さらに企画から制作、印刷まで終えて本屋さんに届くまでには3ヶ月~半年とか時間が必要です。つまり何がいいたいかというと、メディアにはお金も時間も労力もかかるということです。それでも紙媒体はご存じの通り「出版不況」なので、利益を出すのは大変です。

ここで例えば、1つの雑誌(メディア)を創ると考えて上記と同じリソースを1サイトの「コンテンツ」として投下したらどうでしょうか。

じっくりと練られたクオリティの高いテキストと写真。例えばあなたのサイトにそういうレベルの1000文字の記事が100本200本あるだけで、それなりの集客効果が期待できるのではないでしょうか。

雑誌とWebのメディアが大きく異なるのは、日本全国で実売2万部の雑誌を手にすることができる場所は限られますが、Webコンテンツはいつでもどこでも、極端な話では何年後にも多くの人に見てもらえる可能性があるということです。つまり、そのコンテンツは資産として長く有効活用できるのです。

SEOの世界でもかつて通用したテクニック的な手法が通用しなくなっていますので、なおのこと、こういうところに積極的に投資しない手はないのでは、と思います。

問題は、ユーザーに何を伝えたいか

そもそも論になってしまいますが、企業のオウンドメディアで大事なのは「サイトへの流入が増えるだけの記事」ではなく「あなたのサイトが大事にしたいユーザーによろこばれる記事」ではないでしょうか。

今日もどこかでユーザーは困っています。困っているからこそ検索などを活用して解決策を探し、よりベストな方法を検討しているのでしょう。

彼らに伝えなくてはいけないのは、どこかで聞いたような解決方法の切り貼り記事ではなく、知識や経験に裏打ちされた「役に立つ情報」です。

それは新製品を使ってみた体験レビューかもしれないし、リアリティのある見積もりデータかもしれないし、あなたの会社が信念を持って取り組んでいる商品やサービスに関する知識を深めるためのコンテンツかもしれません。

ただ、少なくとも確実なのは「伝えたい」という気持ちの無い原稿からは何も伝わらないということです。逆に言えば、「伝えたい」という気持ちがあれば、それは必ず伝わるものです。

「伝える」ための5つのヒント

長くなってしまいましたが、「コンテンツマーケティング」だ「オウンドメディア」だと流行りのWebマーケティングに便乗したところで、「伝えたいもの」がない浅いコンテンツをどれだけ投下したところで、あなたのビジネスやサイトを訪れたユーザーを取り巻く問題は解決しません

一方で、慈善事業ならまだしもビジネスの観点から考えると「いつか伝わると思います」ではプロダクトとして社内コンセンサスも何も得られないでしょう。

気持ちだけではなく、実践的なWebライティングの経験やサイト構築の戦略といったナレッジが必要となります。メディアとして、想いを伝えるためにはテクニックが必要です。例えば、

  • あなたのサイトに来てほしいターゲットユーザーは、どんな人ですか?
  • あなたは彼らのどんな問題をどのように解決できますか?
  • そのターゲットユーザーには何をしてほしいですか?
  • 競合他社と差別化したいポイントはどこですか?
  • 上記の目的を果たすために、どんな記事をユーザーに読んでもらうべきですか?

といったことを常に心がけながら、コンテンツの制作・運営を進めることが重要です。そうすれば、オウンドメディアに必要なリソースは大きく削減できることでしょう。

そのためには制作チーム内で、それがたとえクラウドの向こうにいるライターだとしても、しっかりとビジョンを共有してみてはどうでしょうか。また出来あがってきた文章に、編集者はひと手間もふた手間も加えて、情報発信側の熱のこもったコンテンツとして公開してみてはどうでしょうか。

ぜひこの機会に、こうしたことを改めて一緒に考えてみて下さい。

最後に宣伝ですが、もし、こういうことを相談できる人が周囲にいない、考えてはいるんだけど手が回っていない、そういう方がいらっしゃいましたら、私たちはそうしたコンテンツ制作や企画の後方支援的なお手伝いもしておりますので、何でもお気軽にご相談ください。きっと何かの力になれると思います。

※よろしければこちらも合わせてお読みください※
Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて
「ユーザー」から出発するWebコンテンツ企画の5ステップ【基本編】(外部サイト)

ヴォラーレ株式会社 寺田

これからSEOを始める方に、最初に知っておいて欲しいこと

新入社員として、あるいは部署移動などをきっかけに、4月からSEOの仕事をされるという方は多いと思います。しかしSEOの仕事とひとくちに言いましても、コツさえつかめば誰もが簡単に上手くできるようになります、というほど難易度の低い仕事ではないと思っています。

まがりなりにもこの業界でSEOに関わるような仕事を始めてから5年程度たちますので、決してベテランとは言えませんがそれでもこれから同じような仕事をする人に対して色々アドバイス出来ることはあるかと思いますので書きました。

この3つを前提としておきましょう

最初は10個くらい挙げていたのですが、だいたい同じようなこと言っているなと感じたので3つにまとめました。

  • SEOでは全ての問題を解決できません
  • 今のGoogleは完全なものではありません
  • アルゴリズムが公開されなくても基本的なやるべきことは分かります

1つずつざーっと説明していきます。

SEOでは全ての問題を解決できません

SEOに過剰な期待を持ってしまったり、ある種の全能感みたいなものを持ってしまわないようにしましょう、ということです。まずは、この前提をきちんと理解することから始めます。

SEOを成功させることが、必ずしもサイトの改善にとって最短でも最善でもない場合はいくらでもあります。そういう場合には、SEOの効果を盲信してしまうことはその他の色々な可能性を狭めてしまうことに直結します。

SEOはあくまでも検索者とサイト運営者が検索結果を通じて接点を得られる機会を増やすための取り組みです。簡単に言えば検索結果での露出を高めるための取り組みです。

その視点で極端な話で言えば、サイトに掲載されている情報を誰も検索して探そうとはしていない、のであればSEOにコストをかける意味はありません

つまりは、どの程度の問題を解決できるのかと言えばサイトによって様々で、自然検索トラフィックがどの程度ビジネスにとって重要なものなのかということに依存します、ということです。

また、SEOの仕事をする人がこういう視点でしかサイトを見れないようになってしまうと、「良いサイト=SEOに優れたサイト」のような狭い価値観になります。少なくとも、依頼者の視点に立てば、そういう人に自分のWebサイトの相談をするだろうか?ということを考えてみると良いと思います。

今のGoogleは完全なものではありません

不完全というのはどういう根拠のもとで言っているかと言えば、

  • 検索する人が検索する言葉をある程度考えて打ちこまないとうまく欲しい情報に辿りつけないことが多い
  • サイトが検索エンジンが理解できるように作られていないときちんとヒットしないことが多い
  • ユーザーが本来求めていないような情報が上位に表示されることが多い

などの点からです。

日本語でくくってしまえば、Web上の情報を収集したり整理したりする仕組みの性能、検索された言葉の意図の解釈の精度、ランキング決定のためのルールの精度、などまだまだ改善されていく余地は全然ありますよね、ということです。

ユーザーが欲しいと思っているベストな情報に検索を通じて瞬時にアクセスできる、という点をひとまず検索エンジンが目指している1つの目標とするのであれば、まだまだ遠い場所にいるのかなという所感です。

しかし、ある程度色んな勉強をしたうえで、色んなキーワードでの上位表示サイトとかの分析みたいなことをやったり自分である程度思った通りの成果が出せるようになると、突然「なんかGoogleのアルゴリズム掴んじゃったかも」という感覚に襲われたりすることもあります。

これは断言できますけどその感覚は100%単なる勘違いです。全部なんて見えるわけありません。傾向とか○○の点で改善してきているとかそういうことはもちろん日々の検索結果のリサーチで把握可能なものだと思いますが。

まだシステムとして不完全なもので不具合的な要素だって検索結果には多分に含まれていて日常的に変更が加えられているアルゴリズムに、手動対応などの人的要素がそこに加わっていて、更に人的な対応のルールすら固まっていない(頻繁にルールややり方に調整が入っている)ような印象を受けています。

つまるところ、バグとか曖昧なルールとか目下改善中とか目下テスト中の項目だってたくさんあるわけで、そういう検索結果を僕らは見ているわけですね。

ちなみに、「掴んだわ」的なことを言う人、あるいは掴めるものと信じて止まない人の特徴として、Googleというシステムの未熟さには気付きつつも、一方でものすごく不変的かつある意味で完璧な何かを期待していることが多いと思います。

ただ、実際にはそういう人が思っている以上にものすごく流動的かつ曖昧な要素が多い、という前提で考えなければいけないのです。

もちろん僕も昔は「なんか掴んだ気がする。分かってきた」とか言ってた時期がありました。本当ごめんなさい。

アルゴリズムが公開されなくても基本的なやるべきことは分かります

先ほどとは逆の議論として、「Googleのアルゴリズムはブラックボックスなので」というのは非常に違和感あって僕は使わないようにしています。まあ確かに全部が見えないという意味ではブラックボックスではあるのですが、大きな影響のある変更や、一般的に常識となっているような評価項目などについてはある程度までは情報も公開されていますし。

実際には、「検索結果にどのように反映されるか(何番目にランクされるか)は最終的には分からない」だけであって、「何をすればもっと改善するのか」は分かります。それをとにかくやってみてどこまでそれを評価してもらえるかを検索エンジンの今の不完全な評価システムに委ねるわけですね。

例えば、の話ですが。

「このサイトが3位、このサイトが6位となかなか上位にいるのですが弊社のサイトは9位にいます。この差はなんですか?」というような質問はたまにありますが残念ながら僕は答えられません。次の日になって検索結果上位のサイトがガラっと入れ替わっていることも多分にありますし、そうなった場合はその時に話したことは根拠を失うためです。

ここについては「考えても分からんものは分からん」という明確な割り切りが必要です。

ただ「こういう目標に対して、今どういうところに課題や不足があって、これから何をすればもっと良くなるでしょうか」であればいくらでも妥当な提案は出せると思います。その前に目標の見直しが必要な場合も多分にあるでしょうし。

どのような状況、どのようなサイトであれ、大枠としてやるべきことは割と明確なのです。

  1. 検索されることを考慮したサイトの設計、出現語句の最適化
  2. クローラー等の性能に合わせた技術面での最適化
  3. 長期的にビジネスに貢献し得るコンテンツの作成+リンクやシェアの獲得

まとめて括ってしまえば、かなり乱暴ですがこれくらいの3つくらいにまとめることは出来るとは思っています。そしてこのうちの1つでも著しく欠如しているとそれだけでSEOは減速します

ですのでSEOをしっかりやるのであれば、上記のような項目それぞれについて改善の余地があれば、伸び白の大きいもの(出来ればコストのかからないもの)から順々にやっていくようなイメージです。

もちろん、コンテンツ→リンクの取り組みは、最終的には地道に継続することでしか成功し得ないものでもありますのでここのあたりは工夫と根気が必要です。

ただ、これはあくまでもしっかりSEOをやりきる上で、の話であって、実際にはサイトを作るときにはビジネスサイドの要求、UIやビジュアルデザイン面の要求、SEO上の要求などがところどころで衝突する場面が出てきますし、全てにおいてSEO側の事情を優先させるということはほとんどありません。

ですので前提として、SEOの仕事をする人は、そのサイトにおけるSEOの重要度を正しく評価できる必要があります。この辺は結構ひとくくりに言えない部分なので難しいことですね。

※ちなみに今月は自分でも制作とか開発の人のためのSEOセミナーやりますけど、こういう話題にも少し触れますので興味ありましたら是非。

最後に、SEOの仕事に必要な能力は半端なく広く深いものです

冒頭で5年くらいSEOの仕事に関わってきました、というお話をしましたが、やるべきことがある程度分かったとしても企画~制作~運用改善まであらゆるフェーズで求められるSEOのスキルを全てカバーしてくのはかなり大変だと思います。

自分で言うのも気持ち悪いですが、個人的には自分は決して学習能力の低い方ではないとは思っていますが、今はもちろん、正直今後も全部なんて到底カバーしきれる気がしません。自分がここまでやってこの程度なのだから、という逆の意味での自信は最近になってようやく少しずつついてきたところです。

言いたいことは、そうそう簡単な仕事だと思って甘くみて欲しくはないですけれども、しっかり勉強すれば、その分しっかり成果の出せる仕事ではあります。一定水準をクリアしているSEOのプレイヤーの母数に対して、潜在的なSEOの需要が過剰にある環境だと思いますので、そういう意味でもチャレンジし甲斐のあるテーマではないかなと思います。

以上、これからSEOを専門で仕事とされる方に参考にして頂ければと思います。

ヴォラーレ株式会社 土居

米国のスタートアップ企業が実践するB2Bマーケティングの手法とは?

今回はコンテンツマーケティング支援を行っている株式会社イノーバの代表取締役CEO 宗像 淳さんに記事を寄稿いただきました。 — マーケティング先進国である米国では、多くのスタートアップ企業B2Bマーケティング [...]

Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて

SEOの強化のために、これからコンテンツを頑張る!で失敗するケースはよく見ます。単純にコンテンツとして貧相というのもありますが、方向性や優先順位を誤っていることも多いとは思います。ここでは「どんな順番で」「どんなコンテンツを」「どんな目的で」「どんな感じで」作りましょうか、をまとめてみました。

買いに来てる人が買うにあたって有用な情報を提示するのが最優先

さてSEO全然関係ないんですけど、うちに過去にアパレル販売を長年やってたメンバーがいまして、ブランドをいくつか渡り歩きつつ大手ショッピングモール内で全国店舗でTOPの売上をコンスタントに叩いてたみたいな感じです(ただし本人談かつ未確認情報)。

そんな彼がショップ店員時代になかなか売れない後輩がいて相談された時のエピソードについて少し前に話をしていたんですけれども、その話がなかなかよかったんですね。

「どれだけ接客下手なんだろうって思って、彼(後輩)がデニムを売るところを後ろから見てたんですけど、デニムについての蘊蓄とかを一生懸命お客さんに語ってて。でもそんなもん買い物に来てるお客さんはほとんど興味ねーだろって。接客がんばる方向が全然違うよね、って。」

「もっと、色とか履き心地、シルエット、素材感とか、組み合わせとか、そういう買うとか選ぶにあたってダイレクトに知りたいことをきちんと説明してあげたり提案してあげて、お客さんがほしいものを買うための選択肢となるような情報として提示しないといけない。」

本当その通りだしWebでもSEOでも同じだなあって思って聞いていました。

お客さんの反応を直に見る仕事してるとこういう感覚って結構養われると思うんですけどPC向かってるとこの感覚って薄れますよね。どうもデータとか見ながら機械的、テクニカルに考えちゃったり。

Webでも優先順位が違う場合が多い

商用のWebサイトについても同じことが言えて、第一に必要とされるコンテンツって間違いなくこういうところだと思います。少なくとも売りたい商品を掲載していてユーザーが買うものを探しに来てるのに、どんな情報をもとにどう選んで良いかわからない、とかじゃ本末転倒ですよね。

でも実際には、そんな状態なのに検索キーワードをベースにして用語集とかハウツー系のコンテンツばっかりを投下して蓄積するとかっていうケースは意外にあったりします。それ自体に意味がない、ではないんですけど普通に考えて順番は違いますよね。

もちろん、「そういう情報を日常的に探してるようなユーザーを優先的にサイトに集めたい」「日常的に情報収集をするようなユーザー層がコアなターゲット層なのでそこは厚くしておきたい」という場合であればそれで良いのでしょうけど。

ただし、商品を買いにきたユーザーがそこに来ているのであれば、まずは最優先で彼らが目的の商品を探せて選んで見つけられて購入できる、それがいい感じに実現できるためのコンテンツなり機能を十分に用意することが求められるはずですよね。

「売ることを主眼としたコンテンツ以外のコンテンツ」を用意することの意味

ここまで話ましたけど、売るためのコンテンツ、だけじゃいつかプロモーションとして先細りすることも実際には多いです。市場によりますが競合と少ないパイの奪い合いになりやすいですし、SEOを考える上でも限界がありますよね。

そこでその状況から脱却してマーケティングの可能性を広げていくためにサイトに掲載するコンテンツの範囲を拡張していく、ということが求められるわけですね。

なんでマーケティングの可能性が広がるかと言えば、その入り口としては

「売ることを主眼としたコンテンツ以外にコンテンツを用意することで、今サイトに用事のない(=今買おうと思っていない)ユーザーもサイトを訪れる理由やきっかけが出来る」

から、と言い切ってよいと思います。つまりコンテンツの範囲を拡張することで、その分サイトを訪れるユーザーが拡張するという具合です。

サイトを訪れるユーザーの幅が広がれば当然ユーザーの母数も増え、例えばですが、サイト内で打ちだすキャンペーンの効果が増したり、リターゲティング広告の配信リストが拡張できたり、リピートユーザーも増えたりリンクとかシェアを得られる機会も増えたり、まあ色んな可能性が広がるわけですね。

もちろん、ユーザーの幅を広げると言っても全くビジネスに関係のないユーザーばかりを集めてもそれはやはり徒労に終わるので(PV増やすことが目的のサイトは除く)、あくまでもその延長線上に売上なり何なりビジネスへの貢献がある、ということは求められます。

どういうコンテンツを用意するべきか

何でもかんでもコンテンツを広げて作ろうとすれば、それは失敗することも多いと思います。例えば、そのコンテンツが目的を持たないから、あるいはユーザーを想像して作られていないから、などの理由で失敗します。

そうならないように、まずは最低でも次の2つのことをを考えてみるとよいです。

  • どんなユーザーと接点を持ちたいか?(=どんな人にサイトに来て欲しいか?)
  • その人たちってどんな情報に興味があるのか?

これだけみると当たり前じゃんとしか思えないですけど、じゃあどのサイトもコンテンツ作るときこういうこと考えてる?と聞けば多分ですけどそうではないことも多いんじゃないかなと思います。

そしてこの2つを考慮してコンテンツを作ろうとすれば、少なくとも何でもかんでもページを増やしましょうという話にはなりませんよね。この視点は、コンテンツをどう展開しようかとかを考えるときには必ず持つべきことと思います。

そして、サイトに来て欲しい(自分たちが接点を持ちたい)ユーザーが興味ある情報を、一定以上の品質で展開できれば、少なくともそのコンテンツって絶対に無駄にはならないんですよね。

じゃあ品質って何よ、という話なんですけれども。

一定以上の品質って何だろう?

コンテンツの品質の定義って曖昧だし色々あると思いますけど、ここでは便宜的に文脈に合わせて都合良く決めてしまいますね。何かこんな感じかなと。

  • 訪れたユーザーにとって望ましい内容が書いてあるかどうか
  • コンテンツを通じてユーザーに何かしらのポジティブな態度変容があるかどうか
  • それがWebサイトの目的に直接的または間接的に貢献できるものかどうか

要は、コンテンツに辿りついて読んでみたけど「読む気がしない」「で、だから何?」「意味わかんない」「つまんない」で終わったらダメってことですね。

「へーそういうことなんだなるほどねー」とか「明日会社の人に教えてあげよー」とか「へーこれ面白いねー」「この会社に興味出てきたわ」「とりあえずブックマークしておくか」「クッソワロタwww」とか、そういう何かちょっとでもポジティブな変化を起こせるかどうか、だと思うのです。

もちろんそれがWebサイトの目的に近づくような態度変容であれば良し、ということですね。

こういうところを気にしていけば低品質な記事ってほとんど生まれないですし、つまるところ

  • あなたが接点を持ちたいと思うユーザーが
  • 興味関心または課題感をもつようなコンテンツを
  • 彼らが(顕在的または潜在的に)望んでいたような内容で作り、
  • ユーザーに何かしらのポジティブな態度変容が起こり、
  • Webサイトの目的に近づくことが出来る

ということが起きるわけですね。無理やり理屈にすれば、ですけれども。まあこの辺りはまた別記事でまとめてみようと思います。

ちなみに、少し話それるかもしれませんがこういうことを一生懸命考えていくと、どういう形でリンクをもらえるか、とかちょっとずつイメージできるようになります。何故かというと画面の向こう側にいるユーザーがイメージできるからです。

例えば、「●●業界用語集」とかよく見ますけど、適当に書いたものがリンクされるわけないですよね。そもそも誰が見るんだそれ、みたいなものも多いですし。

でもWikipediaは皆に見られていて恐ろしいくらいリンクされてますよね。その違いは何?とか、Wikipediaがリンクされる瞬間ってどういう瞬間?「おぉ、なんて素晴らしい用語解説だ!」とか「この用語解説に激しく同意!」みたいな感じでリンクすることってあんまりないよね?みたいなことを考えるわけですね。

じゃあ、どこまでコンテンツを広げればいいの?

今でしょ!

ではなくて、この辺も考えていかないといけないことです。皆が皆、コンテンツを広げていくことがサイトにとって重要というわけではありません。優先順位や投資バランスを間違えれば単なる回り道になることもあり得ます。

例えばApplivといううちが運営しているメディアにおいては、力を入れているコンテンツは今も昔もアプリの紹介です。何故かと言えばこのサイトはアプリを探すユーザーをターゲットとしているのでアプリを探すユーザーが必要な情報に軸を置いてコンテンツを展開しています。

それで、アプリを探すユーザーってどれくらいいるの?と言えば、めちゃくちゃたくさんいるわけです。なのでここをおろそかにして、「アプリを探してないユーザーにも見てもらえるコンテンツを」とかいってそればっかりを作ってたら、サービスにとって肝心なところが薄くなってしまうわけですね。

この辺は優先度とバランスの問題と考えるべきなのですが、無理やり言語化するなら

  • 拡張しなければ先細りするとか激戦区過ぎて勝負が苦しいなら「広げる」という選択肢を持つ
  • 「今すぐ」のユーザーがすごく多いのであれば、まずはそこに注力する

こういうことかな、と思います。まあ、後者のような場合には、競合とのコンテンツとしての差別化がなかなか難しいものも多く、言うは易しだったりもするのですが、、そういう場合は同様に広げることの優先度を少し上げるべきかなと思います。

最後に、SEOはどう考えるのか?

記事タイトルを見直して、SEOに何も触れていないことに気付きました。先ほどのコンテンツの考えるべき要件に加えて、以下のことを追加で考えてみてください。

  • 検索して探されるような情報か?どれくらい検索されるか?
  • 検索する人がはどのような言葉で探すか?またそういう言葉で文章が書かれているか?
  • 検索エンジンが正しく理解・評価できる形式で書かれているか?
  • 新しいリンクの獲得に貢献できているか?

ここまでの内容が「そりゃそうだろ」と思う方については、コンテンツ×SEOの考え方は特にハードルの高いものではないと思います。この辺の話題は “ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス という記事でも多少触れているので参考までに。

逆に、こういうことを何も考えずにコンテンツを作ってきた方、これから作ろうと思っていた方は、こういう考え方をするかしないかで、コンテンツのテーマ、書き方、文章構成、言葉選び、効果検証、色々と変わってくると思います。

完璧なコンテンツなんてありませんし皆がハイレベルなコンテンツを作れるわけではありませんし(僕が身をもって実証中)、ただ、何も考えずに作るのと、こういう思考のもと何かを作るのでは全然違います。伝えようと思えば、伝わる人には伝わるものです。

少なくとも、こういうことを日常的に考える癖がつけば、「どれくらい記事をアップしたら上位表示できますか?」というようなSEOの呪いからは解き放たれるのではないでしょうか。

是非、参考にしてみてください。

ヴォラーレ株式会社 土居

すぐに改善したい!お問い合わせが増えない企業サイトの25の特徴

当ブログでは、企業サイトでお問い合わせを獲得するための数多くの情報を発信してきました。 ただ、あれもこれもと選択肢があると逆に何を選んで良いのかわかりづらくなるのも事実です。 そこで今回は、逆に企業サイトでお問い合わせを [...]

“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス

少し前に個人ブログでこんな記事 (「ホワイトハットSEO」という言葉に感じる何とも言えない違和感とか気持ち悪さとか) を書いていながらちょっと気持ち悪いですがこの記事では便宜的に使わせてください。

リンクを使わないSEO(≠ホワイトハットSEO)なるものをしているけど上手くいかない、という相談が最近特に多いのですが、そういう方と話していると結構考え方に共通点あるなと感じています。

“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人によく見られる特徴

いろいろあると思いますけど大半の場合、これらに当てはまるかなと思います。

  • 「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている
  • コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている
  • SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている

これにどれも当てはまらない、という方であれば有料リンクに頼らないSEOというのはごく自然なものなのでしょうし、そういう取り組みの中で何を成果目標とするか、どういうスパンで物事を考えるべきか、などもサイト毎にある程度定めやすいと思います。

一方、ここに2つないし3つが当てはまるような感覚であれば、本来的な意味での「ホワイトなSEO」というのは非常に遠回りな施策になりがちです(目指しているものと得られるものが極めて一致しにくい)。

そしてこういう人が目標とプロセスのミスマッチを認識しないまま「ホワイトって所詮は理想論だよね」って言ってるのを見るとそれはさすがにちょっと違うなあと思うんですね。見据える目標によっては「ホワイトが限りなく理想論」であるということもあるのは事実ですが、今の時代は決してそうではないことも多いのです。

さて、ひとつずつ解説を。

「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている

間違っても「ホワイトハットSEO=リンクを使わずに上位表示する方法」なんていう意味ではないんですよね。

たとえばですが、順位を上げるためにサイトにとって価値のないコンテンツをガツガツ投下してるならそれは普通にガイドラインに抵触する行為です。でもその認識がない人も多いようです。

ちなみにそういう方に特徴的なこととして、ページの情報量を「文字数」で表したり、サイトの情報量を「ページ数」で表したり、コンテンツの品質を「オリジナルテキストかどうか」などで判断したりする傾向があるなあと感じます。

少なくとも、ユーザーが何を求めてサイトをどう利用するのか、どんな態度変容やアクションを求めるか、みたいな視点があれば、もうちょっと有機的な捉え方が出来るようになると思いますが。

話を戻すと、あくまでもガイドラインに抵触しない範疇でサイトを展開し、総合的に検索エンジンからの評価を高めていくための一連の取り組みをホワイトハットSEOとかって呼ぶわけですので、「リンクを買わない」とかっていうのはその前提条件のひとつでしかないわけです。

リンク買ってないのに順位が下がったとかいう話もありますけどリンクを買った買ってないとかその事実自体は割とランクには関係ないことです。そのキーワードに関してサイトやページを上位に掲載するに値すると算出されるかどうか、検索結果を決めるのは結局それだけです。

コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている

これも多いんじゃないかなと思います。簡単に言えば「リンク買うんじゃなくてページ増やそう」的な発想ですね。結論としてはコンテンツを増やすことはリンクを増やすことの代替ではありません。それはそれ、これはこれ、です。

コンテンツを増やすことにはもちろん意味があります。サイトの情報量を増やすという意味でも情報の鮮度を保つという意味でもSEOとしての価値もあります。ただ、それ自体はSEOというよりもコンテンツを作って公開するという普通のことですよね。

それなりのキーワードで上位にランクさせたいなら少なくとも今のGoogleではサイトにリンクを集めることは必須です。リンクを買ったり自分で貼ったり交換したりしないから正しい、のではなく、買ったりしないのであれば正当なアプローチでリンクを集めていかないとダメなのです。

継続的に新しいコンテンツを公開することはトラフィックや自然リンク獲得の起点となりますし、リピート訪問の動機にもなります。そういうことの積み重ねによって、検索エンジンからの評価が次第に高くなり検索結果上での露出が増えていく、結果として更にトラフィックやリンク獲得機会が増える、そういうサイクルに乗せなければいけないのです。

SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている

結構、ここが根本的で根深い問題だと思っていまして。上位表示ビジネスとしてSEO市場が出来あがっていて、それがロクに修正されずにここまで来ているのでなかなか「SEO=上位表示」の感覚って市場全体から抜け切らないと思うんですよね。

ホワイトなSEOを行っていく上では、人気のキーワードで上位表示される、というのは色々やった上で「結果的に」出てくる成果だったりするんですよね。

少なくともそれ「だけ」をターゲットとして施策を打とうとすると、技術的なことも、マーケティング的なことも、コンテンツにしても、本来とても重要な色々な項目があまりSEO的に価値のないものに見えてしまうわけです。なぜなら「上がったか?上がってないか?」の判断基準しかないためですね。

参考までに2012年8月に公開したApplivという自社メディアのデータを一部公開します。綺麗なSEOと言い切れる自信は全くありませんが、少なくともこのサイトに自分たちでリンク作ったりとかそういうことはやっていませんので、都合良く解釈すれば「ホワイトなサイト」と言えると思います。

たとえば「iphoneアプリ」「ipadアプリ」みたいなキーワードのサイト公開時からの推移はこんな感じです。

applivのランキング推移「ipadアプリ」「iphone」アプリ 1年半かけて徐々に上昇、上位にランクしてからは半年間安定

まともに上位にくるのはリリースしてから1年くらいかかっていますね。ただ上がったのちは安定です。

これは「ホワイトハットだから」とかそういうことでは全然なくて、特に大きくランクを下げるような爆弾を抱えているわけではないですし、このワードで追随してくる競合サイトがそこまで多くない、ブラックハットに支配された検索市場ではない、などの理由からです。

じゃあ上がるまでの1年間どうするんですかという話でいえば、別に検索は他でもたくさんされていますし検索以外の流入経路もありますのでちゃんとサイトを運営していればトラフィックは増えていきます。(実際に上にあげたようなワードでの流入の影響って2つ合わせても検索トラフィック全体の1%にも満たない僅かなものです)

徐々に伸びる検索トラフィック

参考1:当社事例:SEOを集客の軸とした自社メディア「Appliv」でリリースから1年強で月間1000万PVを達成
参考2:SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します | Find Job ! Startup

で、蛇足なのですがこういう話をすると「やっぱり大事なのはロングテールキーワードなんですか?」ということを思われる方も多いとは思います。

でも、ロングテールからの流入が増えるってのもやっぱり必要なことを色々やった上での結果そうなりますよ、という話でしかなくて、何とかしてロングテールの流入を増やそう!とか思ってやるようなことでは本来はないと思うんですよ。それがゴールになることはないですし。

“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス

もし、「目標とする成果」と「結果として得られるであろう成果」がマッチしないのであれば、それは何かを見直すべきです。失敗しているケースの多くがここに起因すると感じます。

具体的には、そのアプローチで得られるであろう妥当な目標設定に変えるか、やり方を改善するか、あるいはアプローチの方法自体を変えるか、そういうシフトが必要になると思います。

また少なくとも「短期間で特定のワードで上位表示を実現する」という点だけで言えば、誤解を恐れずに言ってしまえば、(検索連動型広告の出稿以外では)巧妙なブラックハットSEOほど目標に直結するものは現時点ではないと思います。

ただし、その成功率や、どれほど維持することが期待できるか、とか本当にそこだけでビジネスが完結するのか、という視点を取り入れたときに、特に企業サイトにおいてはやはりブラックハット依存の手法は非常に推奨しづらい、または推奨し得ない場合が多いものなのです。

ここまでお伝えしてきたことをまとめます。

  • コンテンツの投下をリンク購入の代わりにしようとしても上手くいきません。
  • リンクを買わなければOKではなく、リンクは継続的に獲得していかなければいけません。
  • ホワイトなSEOで特定ワードの上位表示だけを重要指標にすると大抵失敗します。

こうした点がボトルネックになって、なかなか上手いこと望んでいた成果にたどりつけていなかったりするのではないでしょうか、というお話でした。

じゃあどうすれば良いの?という点についてはここから書き始めるとまたエライことになりますが、割とこういう感じの話を勉強会形式のセミナーなんかでも話したりしていますので個別にご相談などあればぜひお越しいただければと。

ちなみに最後の項目については、競合性の高い特定ワードの上位表示がビジネスに対してどの程度インパクトを与えるものなのか?によって優先度に線引きをする必要があると思います。

それにこだわる必要がないようなインパクトであれば、そこだけに固執することは単に集客の可能性とWeb上の視野を狭めることにもつながりますのでお勧めしません。

また、そこにこだわる必要があるようなインパクトがあったとしても、今のリンク中心の上位表示対策は以前に増してギャンブル性が高いものと言えますので、少なくともそれに全てを依存する、ということはやはりお勧めしません。その他の集客チャネルも視野に入れながら、短期~長期に渡りバランスよく施策を割り振るのが妥当と思います。

何にせよ、特定の手法それ自体が何かの目的になることはありませんので、皆様その点ご注意ください。

ヴォラーレ株式会社 土居

サイトリニューアル時に見直したい!製品・サービス紹介ページを作るまでの9個のSTEP

BtoB企業が運営するWebサイトに必ず必要な製品・サービス紹介ページ。 もちろんWebサイト内の最重要ページですが、意外と製品説明や機能一覧を載せているだけの企業が多いのではないでしょうか。 そこで今回は、Webからの [...]

【保存版】2013年のSEO周辺事情の振り返り、2014年に向けて改めて読んでおきたいSEO情報×50記事

2013年度も終わりにさしかかり、今年のSEOを振り返る記事も既に多数出ていますが、それにやや乗り遅れて便乗する形で今年の主要な話題を一気に振り返るためのSEO総集編をお届けします。

目次

  1. アルゴリズム/検索技術も色々と変わってきています
  2. 「コンテンツマーケティング」の考え方はSEOにも必須です
  3. 不自然リンク/ペナルティ対応等の事情もどんどん変わっています
  4. スマートフォン/モバイルのSEOに関わる大きな変更がありました
  5. 国内、国外で行われたサーチ系イベントレポートも充実
  6. その他SEO情報、SEOの方法論など
  7. まとめ

このようなラインナップで、筆者のtwitterアカウント当サイトのFacebookページなどで言及した記事の中からピックアップしてお届けします。情報出典元が偏っていますが、重要な情報を、正確に、かつ下手な誤解を生まないよう配慮されて書かれている情報元は限られていると認識していますのでご了承下さい。

アルゴリズム/検索技術も色々と変わってきています

パンダアップデート、ペンギンアップデートと今では随分聞きなれたアルゴリズムに加え、新しく「ハミングバード」なるものも新しく導入され、心地良い感じに世間では勘違いされた情報がビュンビュンと出回ってきていますので、改めて、それぞれの意味やその対策などについて見直してみましょう。

パンダアップデートが通常アルゴリズムと統合されました

2011年の初回導入から早3年近く(驚き)、何かと世間を騒がせることの多い「パンダアップデート」ですが、これまでは通常のランキングアルゴリズムとは独立してデータ更新や「パンダ」アルゴリズムの刷新が行われていましたが、今ではその他のアルゴリズムに組み込まれる形で定期的に更新されるようになりました。

ペンギンアップデート×2回、大きな影響は出ず

「次のアップデートではかなり大きな変動が起こるだろう」と言われていて戦々恐々としていた2013年のペンギンアップデートですが、蓋を開けてみると「あれ?そうでもなくない?」といった反応が多かったように思います。今年は2回の更新でした。

(勘違いしてる人の多い)ハミングバード、「会話型検索」への対応強化

何故かはわかりませんが、一部のブロガーさん(?)等を筆頭に、「ハミングバードによってリンクの重要度が下がる」「コンテンツイズキングをハミングバードがもたらす」といった主旨の記事が出回ってしまいましたが、全くもってそういう類のものではありません。これはかなり勘違いされている方が多いです。

(おそらく)主に音声検索の普及を見越した、従来型の単語やフレーズでの検索語入力だけでなく「会話型の検索語」に対しても、「単語」ではなく「意味」をより高い精度で解釈して検索結果を提示できるようにした、大規模なアルゴリズムアップデートとなります。しかし、普段ビジネスで定点観測するような商用キーワードに対して大きな影響があったかと言えば、ほとんど影響はありませんでした。

その他:SSL化、オートコンプリートの是非、AppStore内SEO

Googleの検索のデフォルトでのSSL化により検索キーワードデータの取得が非常に困難になったり、Googleオートコンプリート機能などでのネガティブワード表示に起因する訴訟でGoogleが敗訴したり(昨年に引き続き)といった話題や、Googleではありませんが最近はAppStoreでの検索アルゴリズムでも大きく変化があったようです。

「コンテンツマーケティング」の考え方はSEOにも必須です

人為的なリンクソリューションによるSEOが徐々に肩身狭い状態になっている中、本質的にランキング全般を改善するには、如何にコンテンツを軸としたリンク獲得、ひいてはマーケティングを行っていくかは間違いなくSEOにおける必須の課題となります。

「コンテンツマーケティングって難しそうだしハードル高い」という声も多いですが、ここに挙げたような記事はその不安をある程度払拭し、またマーケティングにつながるコンテンツをどのように考えるのか、のヒントになると思います。

不自然リンク/ペナルティ対応等の事情もどんどん変わっています

今やSEOの話題では定期的にでてくる不自然リンク起因のペナルティや順位下落について。細かな話題は事欠かないですが大まかな流れとしては以下のようなトピックが挙げられます。

色んなリンクが次々と「不自然リンク」認定へ

リンク元がいくら信頼あるオーソリティサイトでもそのリンクがSEO目的とみなされればNG判定、リンク購入には有名サイトでも容赦なくペナルティ、プレスリリースや有料ディレクトリもnofollowを、などと、一部若干度が過ぎるのでは?と思うような対応もあり話題になりました。

Google公式ブログから

Googleサーチクオリティチームのスタッフも積極的に情報を公開し、ブログだけではなくセミナーや動画でもこの有料リンク問題については呼びかけを行うようになりました。不自然リンクに対するSEO業者の対応が悪質と見なされた場合についての言及など、少し強めな対応をとる姿勢を見せているように見えます。

再審査リクエスト、対応も色々変わっているようです

この1年で、再審査リクエストに対するGoogleの対応も大きく変わっています。具体的なリンクURLのサンプル提示、様々なタイプの通知テンプレートなど、正直やや不可解な部分もあるように感じていますが、ペナルティ解除に向けた取り組みの基本的なポイントは変わりません。

メジャーなブログサービスもSEOスパム対策を強化

livedoorブログや、最近ではサイバーエージェント社が運営するAmebaブログなどのブログサービスにおいても、検索エンジンスパムへの対応をより強化するような発表がありました。Googleの強めな呼びかけとも相まって、以前よりもリンクを削除できる可能性がかなり向上したというのは実感としてあります。

スマートフォン/モバイルのSEOに関わる大きな変更がありました

スマートフォンでのアクセスを全てスマートフォン版TOPにリダイレクトする、などの設定をしている場合、PCでの検索では上位にあるサイトがスマホ検索で全くヒットしなくなる、などの事象が実際に確認できています。ある意味、細かな技術要件とも言えますが、ユーザー体験を損ねないために正しい実装を心がけるべきポイントと言えます。

国内、国外で行われたサーチ系イベントレポートも充実

海外でのサーチ系イベントは過去から多く開催され一部レポートが出ていましたが、2013年度は国内でも多くのイベントが行われていたように思います。レポートも充実の内容で、今後のSEOの取り組みを踏まえても必読の内容です。

その他SEO情報、SEOの方法論など

その他、SEOの情報収集に役立つ記事や、今後の展望を踏まえてどのような取り組みが求められるか、その参考になりそうな記事をいくつかピックアップしておきました。

まとめ

このように、相変わらず激しく変化する検索エンジン環境の中で、それでもサービス利用者や商品を購入するターゲットユーザーが「検索して探す」ことをやめない以上、常にSEOの改善方法を模索していかなければならないことには変わりません。

検索エンジンは今後も更に改良を進めますが、その方向は「ユーザーの検索に対して、より良い検索結果を返せるようにする」ことであることは変わりなく、具体的には、

  • ユーザーの検索意図を、文字や単語、ではなく意味や文脈でより正確に理解する
  • コンテンツの品質や信頼性をより高い精度で評価する
  • 不正なSEO手法を正しく検出して順位操作を防ぐ
  • 検索意図に応じた、より多様な検索結果を提示する

などの方向性が挙げられると思います。

その上でサイト運営者が何を考えるか?ですが、このような検索エンジン技術の進歩に伴い、「(検索エンジンが未熟だから結果的に有効だったような)余計なことを考えずにサイトを運営する」「アルゴリズムの欠陥を突くような手法を模索するのではなく、本質的にサイトの価値を高めることを考える」といった方向に、嫌でもシフトしていくことが求められます。

2014年もSEO頑張りましょう。それではみなさん良いお年を。

ヴォラーレ株式会社 土居

おすすめの記事

titleタグなどのキーワード最適化は「ページの内容」ではなく「検索する人」に合わせて言葉を書く

SEO視点でのキーワードチューニングについて書きます。比較的ライトな話題ですが大切なのに意外に考えられていないことも多かったりするなあと思いますので、というかそう思うことが何度か最近あったので書いてみることにします。自分で言うのも何ですが得意な領域ではありません。

キーワードは「ユーザーが検索に使う言葉」を使う

概要として何が言いたいかと言いますと、「ここはこういうページだからこのキーワードを入れる」「ここにはそういうキーワードを入れるのはちょっと違和感」みたいな感じで行くと、上手くいかないことは結構ありますよね、ということです。

そうではなくて、「このページを検索して探す人というのは(一連の検索行動に)どんな結果を期待している人で」「その人はどういう言葉を使って検索するんでしょうね」ということを考えないと本当はいけないと思うのです。

例:「○○ ランキング」みたいな検索

例えばですけど「結婚指輪 ランキング」という言葉。これ、直接的な検索の意図としては「結婚指輪のブランドの人気ランキングが知りたい」とかなんでしょうけど、このキーワード、ランキング形式とかじゃない普通のブランドサイトをLPとしても結構コンバージョンしますよね。

要はこの人の元のニーズを単純に考えれば「結婚指輪を探してる」人なんですよね。たまたまその手段として「ランキングで比較して調べよう」って思いついたからその検索を行っただけであって。

本質的に検索に求めるものと実際に検索窓に打ち込むものとは必ずしも一致しない

なので「うちはランキングサイトじゃないからランキングという言葉は要らない」という考え方は、ある意味正しいのかもしれませんが完全に捨ててしまうのはそれはそれでロスになってますよということが言えるはずです。

「このページはこういうページだから」よりも「この検索をする人が何を求めて検索してるのよ」ということを考えたり、CVに直結するようなワードでは「この検索をするような人はコンバージョンするの?しないの?」ということを考えるほうが重要ですよね。

更にその言葉がドンピシャでSEOで上位ヒットさせられるかとかコンテンツが作れるかとかはその後の話であって。(もしドンピシャでなければその言葉を含んだ細かなロングテールの掛け合わせ検索にコンテンツの可能性を探ったり云々)

SEOとリスティング広告の大きな違い

前出の例で言えば、ブランドサイトがランキング形式じゃないのにランキングという言葉にバシッとヒットするようなコンテンツを作るとか考えるというのはそんなに簡単なことではないと思います。こういうのは結構難しいなといつも感じるところです。

個人的に感じるSEOとリスティング広告の一番大きな違いはこういうところだと思ってるんですよね。短期的な云々とか中長期的な視野でとかいうよりも、「キーワードが(受け口となる)ページのテキスト情報に依存する」のがSEOで「ページのテキスト情報に依存せずにキーワードを考えられる」のがリスティング広告で、という感じで。

ですからリスティングで効果のあるキーワード→SEOでそのキーワードで上位表示、という昔からの常套手段的なアプローチですが、無理やりSEOでやろうとすると結構無理やりになったり効率悪くなったりするキーワードも中には含まれることもありますね。

例えば賃貸とかでも「ペット可」とか「保証人不要」とかこういう言葉ってSEMでCV穫れるイメージありますけどSEOでこの単ワードの上位を狙っていくのってそんなに簡単ではないですしね。何も考えなければ「エリア+賃貸」的な掛け合わせにSEOは寄りがちです。

「正しい言葉よりも候補に漏れないこと」

ここから先はどんどん話がそれていくのですが、何年か前にどなたかがブログかツイッターか何かで言ってらっしゃった言葉が印象的で未だに覚えているんですが「文章や言葉として正しいことより、検索結果で候補に漏れないことが大事」という感じのことですね。

確かこの発言自体は広告文の作り方か何かの話題だったと思うのですが、SEOのタイトル付けに関してもこれはほんとその通りだなと思ってまして、自分でSEO考える時には必ず意識するようにしています。日本語として矛盾があっても構わない、多少の羅列でも構わない、とか。助詞を変に使わずに半角スペースで区切る、とか。(もちろんウンザリするような羅列や詰め込みは色々アウトですよ)

※この辺の話題であんまり下手に掘り下げて変なこと言うとSEM專門の人達とかから怒られそうな気がするのでこの辺にしておきます汗

動的なサイトの検索結果ページなどのタイトル付け

「検索に漏れないことが大事」という意味では、動的に吐き出されるテンプレートの中のタイトル設計を見ていても、意外に「カテゴリ名 | ☓☓なら△△ナビ」みたいな感じになっているものも結構多いですが、これは検索という観点から見ても非常に勿体ないことですよね。

弊社のApplivというサイトでも結構な数の一覧ページがありますが、こんな感じで出し分けるようにしています。

実際の「家計簿アプリ一覧ページ」

例えばですが、「家計簿」というジャンルの一覧ページのtitleタグ表記とmetaディスクリプション表記について見てみます。(無料アプリ版ページも合わせて書いておきます)

(デフォルトの一覧ページ)

家計簿 アプリランキング | iPhone/iPadアプリ - Appliv
Applivでは「家計簿」に関連するiPhoneアプリ・iPadアプリを135件紹介しています。 Appliv独自のランキングやユーザーレビュー、アプリ画像などから、人気・おすすめの アプリを探すことができます。

(「無料」で絞り込んだ一覧ページ)

無料 家計簿 アプリランキング | iPhone/iPadアプリ - Appliv
Applivでは「家計簿」に関連する無料iPhoneアプリ・iPadアプリを75件紹介しています。 Appliv独自のランキングやユーザーレビュー、アプリ画像などから、人気・おすすめの アプリを探すことができます。

このような感じのタイトルやメタディスクリプションで今のところやっています。日本語として正しいかどうかは置いておいて、アプリを探す検索の組み合わせでかなり多い「ランキング」「無料」「おすすめ」「人気」などの主要な言葉は全て押さえておきましょうという感じです。もちろん検索結果表記だけでなくページ内でもそういう言葉が必ずでるようには設計しています。

要は「漏れたくない」のです。なのでちょっとキーワードの羅列的な表示であっても、検索結果で目についてクリックしてもらえればそれで良し、としています。

※もちろん絞りこまれた検索になるほど「全てのキーワードが書いてある」を満たさなくても、ある程度意図を満たしそうなものであれば検索にも普通にヒットするのですが、とは言えそれが「敢えて大事な言葉を書かない」理由にはならないと思っています。

勿体無いなあと思う形(例)

例えばよく見るのはこんな形です。同じような一覧ページがあったとして、

(デフォルトの一覧ページ)

家計簿 | Appliv[アプリヴ] - iPhoneアプリ・iPadアプリが探せる、見つかる
家計簿のページです。22196件のアプリレビューと独自のランキングから、あなたが欲しいアプリを探すことが できます。新着アプリもおすすめアプリも、iPhoneアプリ・iPadアプリをお探しならAppliv にお任せください。

(「無料アプリ」の一覧ページ)

家計簿 | 無料アプリ | Appliv[アプリヴ] - iPhoneアプリ・iPadアプリが探せる、見つかる
家計簿のページです。22196件のアプリレビューと独自のランキングから、あなたが欲しいアプリを探すことが できます。新着アプリもおすすめアプリも、iPhoneアプリ・iPadアプリをお探しならAppliv にお任せください。

こんな感じでしょうか。よくあります。こういうのだからヒットしないということはありませんが、掛け合わせ検索への対応はちょっと弱くなると思います。もちろんこのようなタイトル付けですとクリック率が下がることもあるでしょうし。

まとめ

珍しくこういう話を触れましたが、SEOの基本として「(よく検索される)大事な言葉は必ずタイトルや文章内に出現させる」ということはどこの本でも書かれていることですが、システムが絡んだり大きなサイトになったりすると、テクニカルな要件が優先されてこういうところは意外に抜け落ちやすいのかなあなどと思ったりもしています。

また制作する方がそういう要件を必ずしも汲んでサイトをいつも作っているかといえばおそらくそうでないことのほうが圧倒的に多いとは思っていますので、企画する人というかSEOに理解がある方がこういうところはある程度考えてサイトは作った方が良いですよね。

細かなテキストチューニングを行う場合とか、SEOの目標とする主要なキーワードを選ぶとかそういう場合にも、まずは「検索する人が使う言葉」を使って、「検索結果できちんと目にとまる」ことを意識するだけで、比較的大きな改善ができるサイトも多いんじゃないでしょうか。

ヴォラーレ株式会社 土居

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見込み顧客のニーズから考える!効果的な価格ページの作り方

企業のWebサイトの中で特によく閲覧され、購買プロセスの中でも重要な意味を持つ価格ページ。

しかし、そもそも価格を載せていなかったり、載せていてもあまり工夫をしていないWebサイトが多いようです。

そこで今回は、Webサイトに価格を掲載すべき理由から、お問い合わせしてもらえる価格表ページ作成のポイントまでをご紹介します!

Webサイトに価格を掲載すべき理由

競合に価格を知られることを避けたり、他社に比べて高いことを理由にWebサイトに価格を掲載しない企業もありますが、原則としては価格を載せることをおすすめします。

BtoBの購買行動は、従来の営業に売り込みを受けるスタイルから、Webを使って自ら情報収集を行い、ソリューションの決定や提案依賴先を選定するスタイルに移行しています。株式会社ネクスウェイがIT製品/サービスの購買担当者に実施した調査によると、メールやWebに求めるコンテンツについて「企業レベルでの導入の検討をしている時期」では「商品・サービスのコスト感」が1位に挙がっており、見込み顧客に社内で検討を進めてもらうためには「(課題解決に必要な)金額を知りたい」というニーズに応えることが必要です。

価格体系が複雑だったり、「営業が話せば納得してもらえるものの、Webだけで判断されると難しい・・・」という場合もあるかと思いますが、なんらかの形で見込み顧客のニーズに応える工夫を検討しましょう。

見込み顧客のニーズから考える、価格ページ作成のポイント

1. シンプルなページ構成にする

価格ページに訪れる見込み顧客の最も強いニーズは「金額を知りたい」です。
スクロールしなくても見える範囲に価格を掲載し、すぐに情報にたどり着けるようにしましょう。


ファーストビューで料金プランが表示されるWantedlyの価格ページ

2. 比較検討しやすくする

「価格を知りたい」ニーズが満たされた見込み顧客は次に

  • (複数プランがある場合)自分に適したプランはどれか?
  • 自社で導入した場合、いくらかかるのか?
  • 競合製品と比較して、機能と金額が見合っているのか?

の3点を考えます。
上記のニーズに応えるために5つのポイントを押さえましょう。

2.1 自社に当てはめて検討しやすい見せ方にする

表や○×を使うなどして、見込み顧客が自社に当てはめて具体的な検討がしやすいページを心がけます。

複数プランがある場合は機能比較だけでなく、それぞれのプランを一言で表す説明があると概要が把握しやすくなり親切です。


表と○×を使い、自社に最適なプランを考えやすいカゴラボの価格ページ

2.2 おすすめのプランを目立たせる

おすすめや人気のプランがあれば「人気No.1」「最も利用されてます」などのキャッチコピーを加え、そのプランを強調しましょう。

行列が行列を生む、ヒット商品がますますヒットするなどの現象を表す『バンドワゴン効果』(他の人がある選択を評価しているという情報により、その選択への需要が増加すること)により、おすすめのプランが選ばれやすくなります。


「世界 No.1」の営業アプリケーションの中で
最も利用されているプランを目立たせているSalesforce.com

また、おすすめのプランを目立たせる以外にも

  • 高価なプランがあることで「コントラスト効果」が働き、相対的に安価なプランが選ばれやすくなる
  • おすすめプランよりも高いプラン、安いプランの両方を用意することで極端性を避ける「妥協効果」が働き、真ん中のプランが選ばれやすくなる
  • 最初に目に入った金額が基準値となるため、一番左に高いプランを掲載していくと「アンカリング効果」が働き、右にあるプランをより安く感じるため選ばれやすくなる

など、価格の見せ方については様々な工夫ができます。

より深く理解するための情報
2.3 無料で試せるプランを用意する

アメリカの価格リサーチ専門家 リー・コールドウェルによると『私たちは同じ商品であっても保有したことがない、あるいは触れたことがないものより、保有しているものを高く評価する』「保有効果」のため、無料で試してもらうことで製品に対する評価が高まると言います。

見込み顧客の立場で考えると、高額な製品や全社に関わる製品の場合は特に、導入する前に使ってみたい、試してみたい、というニーズは強いはずです。

期間を限定した無料お試しプランやデモ機の貸出など、試しに使ってもらえるプランを用意しましょう。


全てのプランでまずはお試し期間を設けている「ChoiceRESERVE」

2.4 見積もり作成ツールを用意する

より具体的な検討段階にいる見込み顧客に対して、Web上で見積り作成ツールを提供するサイトが増えています。
見込み顧客にとってはその場で詳細な金額を知ることができて便利ですし、企業側にとっても営業が見積書を作成する手間を省く効果が期待できます。


日割り料金も考慮した見積書が作成できるBacklogの価格ページ

2.5 詳細な価格を出せない場合は概算金額を提示する

どうしても具体的な価格が掲載できない場合、概算費用だけでも出せないか検討しましょう。

映像制作・動画制作を行うLOCUSさんでは、10〜30万円/30〜50万円/50〜80万円などの価格レンジごとに映像の実例を紹介しています。映像制作は要件によって金額がまちまちだと思いますが、見込み顧客が具体的な検討を進めやすいページに仕上がっています。


概算の価格レンジを実例を用いて紹介しているLOCUS

3. 最後の不安を取り除く

価格を理解し、いざ「お問い合わせしよう!」となった時の最後の障壁として

  • この会社は本当に信頼できる会社だろうか?
  • この製品は自社の細かい要望を満たしているだろうか?

などの不安が見込み顧客の頭の中に生まれます。
それらの不安を解消するために、2つのポイントを押さえましょう。

3.1 会社としての信頼感を伝える

導入社数やクライアントロゴを掲載し、会社としての信頼性を訴求しましょう。
スタートアップ企業では、自社サービスが掲載されたメディアのロゴを載せているところも多いです。


価格表の下にお客様事例を掲載しているSansanの価格ページ

3.2 よくある質問に回答する

「途中でプラン変更はできるのか?」「申し込んだ後の流れは?」など、お問い合わせをする前に見込み顧客が疑問に思うことを洗い出し、FAQ形式で答えていきます。


価格表の下にFAQを掲載しているZendeskの価格ページ

4. テストする

価格ページはBtoBサイトの中で非常に閲覧されやすく、効果検証のための数字がたまりやすいので、改善のサイクルを回しやすいページです。

金額やプランの数、コンバージョンボタンの色、はたまた実績として掲載するロゴやFAQの内容など、テストを繰り返す中で、自社に最適な見せ方やメッセージを見つけましょう。

【保存版】Webを活用して見込み顧客を獲得するためのベストプラクティス50選

Webサイトからお問い合わせや資料請求をしてくれる見込み顧客を獲得するためには、基盤となるWebサイトの強化が欠かせません。

「強化」と一言でいっても、SEO、ユーザビリティ、デザイン、コンテンツなど様々な要素があります。

そこで今回は、Webサイトから見込み顧客を獲得するために押さえておきたい50個のベストプラクティスをまとめました!

目次

  1. ターゲットを理解する
  2. Webサイトに訪れてもらう(検索エンジン)
  3. Webサイトに訪れてもらう(検索エンジン以外)
  4. 訪問者を見込み顧客に変える(コンテンツ)
  5. 訪問者を見込み顧客に変える(ユーザビリティ)
  6. 訪問者を見込み顧客に変える(コンバージョンボタン)
  7. 訪問者を見込み顧客に変える(EFO)

1.ターゲットを理解する

1. ターゲット像を明確にする

まずはじめに、自社が狙いたいターゲットユーザを明確にします。ここが曖昧だと、この後のサイト設計やコンテンツ作成がブレてしまい、かけた労力が無駄になってしまいます。
Webだけでは完結しないので、他部門や他チームと協力しながらターゲット像を明確にしましょう。

2. ターゲットの抱える課題・ニーズを洗い出す

ターゲット像を明確にしたら、彼らが抱える課題やニーズを購買プロセスに沿って言語化します。営業・マーケティング施策を考える時に、ついつい「こんなことを伝えたい!」「こんな風に思ってもらいたい!」が先行しがちですが、あくまでも顧客視点から発想するようにしましょう。

3. 課題・ニーズに応えるコンテンツを考える

2で洗い出した課題・ニーズに応えるコンテンツを購買プロセスごとに洗い出します。
従来の営業に売り込みを受ける文化から、Webを使って自ら探し出す文化に移行している現在、カタログ型Webサイトを卒業し、顧客の購買プロセスや意志決定を支援するWebサイトに進化する必要があります。

2.Webサイトに訪れてもらう(検索エンジン)

4. 見込み顧客が使う検索キーワードを洗い出す

一般的に「SEO」というと、購入に近い段階のキーワード(ex.「ホームページ制作 価格」)や検索ボリュームが多いキーワード(ex.「ホームページ制作」)に注目しがちですが、当然、顧客はそれ以外のキーワードでも検索を行っています。
検索行動のほとんどは検索者の「知りたい」というニーズが具現化したもの。顧客がどんなことを「知りたい」と思うのか。そして、その時にどんなキーワードで検索するのか、の順番で考えるようにしましょう。

5.上位表示を狙うキーワードを決める

4で洗い出したキーワードの中で自社サイトが上位表示されていないキーワードをチェックし、検索ボリューム・競合状況・対策のしやすさなどの観点から対策の優先順位を決めていきます。

6. 各ページにユニークで適切なページタイトルを設定する

上位表示を狙うキーワードを意識しながら、Webサイト内の全ページそれぞれにユニークなタイトルを設定します。
検索結果画面での表示を考えるとタイトルの文字数は32文字以内が望ましいですが、ソーシャルメディアでの拡散を考える場合、多少長くても「読んでみよう!」と思われるタイトルであることが重要です。

  • 記事タイトルのベストな文字数は? 8943記事のデータから探ってみた | Web担当者Forum
7. 各ページにユニークで適切なmeta descriptionを設定する

ページごとに、そのページを適確に表現する文章を用意し、meta descriptionに設定します。
検索結果画面に表示されることも多いので、ユーザがクリックしたくなる文章であることも心がけましょう。

8. URLにページと関連したキーワードを入れる

ページの内容やカテゴリを表すキーワードを含んだURLを設定します。
検索エンジンがページを認識しやすくなるだけでなく、ユーザがページの内容を理解するためにも役立ちます。

  • URL最適化5つのSEOポイント | Web担当者Forum
9. ページ内の重要な要素をhxタグで強調する

本の見出しと同様に、ページ内の見出しタグはユーザや検索エンジンがコンテンツ内のどこが主要なポイントなのかを理解するのを助けてくれます。

10. 階層構造をわかりやすくする

ユーザがサイト内を回遊しやすくするためにも、検索エンジンがサイト内のコンテンツを理解しやすくするためにも、適切にカテゴリ分けされた、深すぎない階層構造を意識しましょう。

11. XMLサイトマップを設置する

XMLサイトマップ(sitemap.xml)は、検索エンジンにWebサイトにあるページを伝えるためのリストです。
通常のクロール処理では検出できない可能性のあるページを含む、全てのページを検索エンジンに伝えることができます。

12. 画像のファイル名とalt属性を適切に設定する

image01.jpegやpic02.pngではなく、画像の内容を表現するファイル名(ex.「content_sample.jpeg」)を設定し、alt属性には画像の内容を簡潔に説明するテキストを設定しましょう。

13. ユーザに向けて文章を書く

検索エンジンのためにキーワードを不自然に登場させた文章ではなく、あくまでもユーザを意識した読みやすい文章を心がけましょう。

14. 権威のあるサイトや関連性の高いサイトからリンクを獲得する

多くの人から支持されている権威のあるサイトや、自社サイトのテーマと関連のあるサイトからリンクを獲得することで検索エンジンからの評価が高まります。「自然にリンクを貼ってもらえる質の高いコンテンツを提供すること」が本質ですが、権威のあるサイトや関連性の高いサイトが好んでリンクしたくなるようなコンテンツ発信も意識しましょう。

15. ソーシャルリンク(ソーシャルシグナル)を獲得する

ソーシャルメディアの隆盛に伴い、ソーシャルメディアで言及された数(いいね!数やツイート数、はてブ数など)が検索エンジンの評価に影響を及ぼすようになっています。こちらも「自然と言及してもらえる質の高いコンテンツを提供すること」が本質ですが、ソーシャルメディア上で言及してもらいやすいコンテンツ発信を考えることも忘れないようにしましょう。

3.Webサイトに訪れてもらう(検索エンジン以外)

16. ソーシャルメディアで告知する

ブログ記事やセミナー、お客様事例など、見込み顧客に役立つコンテンツを作成した場合は、自社のソーシャルメディアアカウントで告知するようにしましょう。

17. ニュースレターで告知する

定期的に発行しているニュースレターがある場合は、漏れなく告知するようにしましょう。また、特定の顧客に関係のあるコンテンツであれば、営業担当者から私信で告知すると良いでしょう。

18. プレスリリースを打つ

独自の調査や分析レポートなどのコンテンツを作成した場合は、プレスリリースを配信することでメディアへの掲載・サイトへの流入が期待できます。

19. ソーシャルボタンを設置する

いいね!やツイートなどのソーシャルボタンを設置することで、ユーザにコンテンツを拡散してもらうことができます。
14で触れた通り、ユーザの間でどれぐらい言及されているかどうかが、検索エンジンの評価に影響を及ぼすようになっています。

4.訪問者を見込み顧客に変える(コンテンツ)

サイトに訪れたユーザにお問い合わせや資料請求、資料ダウンロードをしてもらうためには、見込み顧客に役立つコンテンツを提供する必要があります。

20. ブログで役立つ情報を発信する

インバウンド型の営業を実現するための集客・見込み顧客獲得施策として、ブログは最も重要なもののひとつです。
潜在顧客・見込み顧客の疑問に答えるコンテンツ(ハウトゥや事例研究、業界動向)を発信することで、自社を見つけてもらい、見込み顧客を獲得しましょう。

21. ダウンロードコンテンツを用意し、リード情報を獲得する

Webサイトやブログに集客したユーザのリード情報を獲得するために、ノウハウ集やチェックリスト、事例集などをダウンロードコンテンツとして用意します。

22. お客様事例を充実させ、信頼できる会社だと思ってもらう

第三者の意見として、製品やサービスについて語ってもらえるお客様事例は、BtoBサイトに必要不可欠なコンテンツです。
「自社と同じような課題を解決した経験はあるか?」「実績のある、任せられる会社か?」といった見込み顧客の疑問・不安に応えるようにしましょう。

23. 選ばれる理由を掲載し、自社の比較優位性を訴求する

BtoBに購買現場では、提案依賴先や発注先をほぼ必ず複数社の中で比較検討した上で選定します。選ばれる理由や特徴、比較表などのコンテンツを通じて、自社の優位性を訴求し、見込み顧客の購買プロセスを支援しましょう。

24. 何を提供する会社なのかを明らかにする

ユーザはそのページを読むかどうかを3秒以内に決めると言われています。貴社を知らないユーザがWebサイトに訪れた時に、提供するサービス内容やそのページで説明している内容が直感的に伝わるかチェックしましょう。

25.誰に向けたサービスなのかを明らかにする

自社が提供するサービスが誰に向けたものなのかを明記します。ユーザが「この製品・サービスはまさに自分に当てたものだ」と思うようなサイト・コンテンツを目指しましょう。

26. 顧客に提供する価値を明らかにする

自社の提供する製品・サービスを利用することによって、顧客が得られる価値を伝えます。

5.訪問者を見込み顧客に変える(ユーザビリティ)

27. ナビゲーションの項目名をわかりやすくする

グローバルナビやサイドナビの項目名にサービス名を使ってしまった場合、よほど有名なサービスでない限り、クリックしてもらえないでしょう。初めて訪れたユーザでもクリックした先がイメージできるような項目名を設定しましょう。

28.ナビゲーションの項目を適切な数に抑える

人間が一度に記憶できる要素の数は7±2(5~9)であると言われています。ナビゲーションの項目は適切な数に抑え、ユーザが選択を迷わないようにしましょう。

29. パンくずリストを表示する

ユーザが現在どこにいるのかが理解しやすいようにパンくずリストを用意しましょう。

30.飛ばし読みに対応したページ構成にする

ユーザの79%はWebページを飛ばし読みしていると言われています。見出しや箇条書き、段落を活用して、飛ばし読みしても意味がわかるようなサイト、ページ構成にしましょう。

31. フッターナビゲーションを用意する

グローバルナビやサイドナビだけでなく、ページをスクロールした後のフッターエリアにもナビゲーションを用意することで、ユーザの回遊性が高まります。

32. サイトマップを用意する

検索エンジン向けのXMLサイトマップだけでなく、ユーザが目的のページにたどり着きやすくするためにサイト内の階層を整理にしたサイトマップページを用意します。

33. 階層を深くしすぎない

目的のページまで3クリック以上必要なサイト構成では、ユーザが目的のコンテンツにたどり着く前に離脱する可能性が高まります。

34. 構成に一貫性を持たせる

ユーザがサイト内で迷わないように、デザイン(ロゴやリンクの色)やナビゲーションに一貫性を持たせましょう。

35. サイト内検索を導入する

何十ページもあるようなサイトや、型番ベースで製品を探すような場合、サイト内検索を導入することをおすすめします。

36. 次のステップを明確にする

ページを読んでもらった後は、関連するコンテンツを提示したり、お問い合わせや資料請求などのコンバージョンボタンを用意し、スムーズに次のページに誘導します。

37. 次のステップは複数提示する

例えば、ページ下部のコンバージョンボタンが「お問い合わせ」しかない場合、「資料請求」をしたいユーザや「見積もり依賴」をしたいユーザは躊躇してしまいます。
ユーザがニーズに合わせて、次のステップを選択できるように、複数の導線を提示しましょう。

6.訪問者を見込み顧客に変える(コンバージョンボタン)

「お問い合わせはこちら」「いますぐ資料請求」など、コンバージョンにつながるクリック(行動)を促すものはCall To Action(CTA)と呼ばれ、見込み顧客獲得の重要な要素です。

38. 目立つ位置にコンバージョンボタンを置く

ページ上部・ページ下部・サイドカラムと目立つ所にコンバージョンボタンを置きましょう。

39. コンバージョンボタン自体を目立たせる

色やレイアウトに配慮し、コンバージョンボタンを目立たせましょう。
弊社の運営するサイトでは、ボタンの色をグレーからオレンジに変更したところフォームへの遷移率が1.84%から2.56%まで上がりました。

40. クリッカブルだとわかるようにする

背景に同化して、クリックできると気づかれないアクションボタンにならないように気をつけましょう。

41. コンバージョンボタンに電話番号を記載する

相談内容や人によってはフォーム内のお問い合わせ内容を記載するよりも、電話で直接説明したい場合もあります。会社概要ページに飛ばなくてもすぐにお問い合わせができるように、電話番号を明記しておきましょう。

42. コンバージョンボタンにメリットを訴求する

漠然とした「資料請求はこちら」よりも、「社内SNS活用方法をまとめた資料をお送りします」とあった方が見込み顧客の興味を喚起できます。送付する資料やニュースレターの内容を事前に伝えるようにしましょう。

43. ページごとにコンバージョンボタンを最適化する

例えば、サポート情報ページでは「資料ダウンロード」よりも「お問い合わせ」が適切で、コラムページでは「見積依頼」よりも「ニュースレター登録」が適切です。
ページ内容とコンバージョンボタンの内容を合わせることで、よりスムーズに目的地まで誘導できます。

7.訪問者を見込み顧客に変える(EFO)

BtoCサイトほどEFO(Entry Form Optimizaton:エントリーフォーム最適化)が浸透していないBtoB企業のサイトでは、離脱率が90%を超えるフォームも少なくありません。

見込み顧客がスムーズにお問い合わせできるようにフォーム最適化を実施しましょう。

44. 何のためのフォームなのかを明記する

ユーザの不安を軽減するためにフォームの上部で「これは何のためのフォームなのか」がわかるようにしましょう。

45. 情報を入力するメリットを訴求する

リード情報を入力してもらうために、送付する資料のイメージ画像や目次、内容の一部を提示しましょう。

46. 入力項目は極力少なく

見込み顧客が情報を入力する手間を軽減するために必須項目はなるべく少なくし、必須項目以外は表示しないようにしましょう。

47. 不要なナビゲーションを少なくする

見込み顧客が集中して情報を入力できるようにグローバルメニューやサイドメニューは表示しないようにしましょう。

48. ボタンの文言は「押したらどうなるか」がわかるようにする

「確認」「送信」ではなく、「入力内容を確認する」や「この内容で送信する」のようにボタンを押すと起きることがイメージできる文言にしましょう。

49. 入力時の不安を取り除く

安心して情報を入力できるようにフォームが暗号化されていることが一目でわかる証明書シールを表示しましょう。

50. サンキューページでも手を抜かない

フォームの完了ページでは、「お問い合わせありがとうございました。」などのお礼のテキストだけでなく、お問い合わせ後の対応フローや万が一連絡が来なかった場合の連絡先を記載すると親切です。
また、ダウンロードコンテンツやソーシャルメディアアカウントを掲載するのも有効です。

『なぜ、インフォグラフィックは注目されているのか?』に対する答えと7つの活用シーン

海外ではインバウンドマーケティングのコンテンツとして、活用が定着しているインフォグラフィック。
日本での事例はまだまだ少ないですが、今後、利用が進んでいくことが予想されます。

そこで今回は、インフォグラフィックの概要から注目されている背景、コンテンツとしての7つの活用シーンをご紹介します!

インフォグラフィックとは何か

インフォグラフィックを一言でいうと「言葉やデータだけでは伝わりにくい情報を視覚化することで伝わりやすくしたもの」です。

伝えたい情報をビジュアル(ダイヤグラムやチャート、グラフなど)でわかりやすく表現するだけでなく、ストーリーを持たせることで、見る人を惹きつけ、受け取りやすいかたちにしたものです。

引用元:ツタグラとは? | ツタグラ [伝わるINFOGRAPHICS] 6つの表現形態

ナイチンゲールがクリミア戦争で亡くなった兵士の死因を視覚化したものが古い例として知られ、1万5千年前のラスコー洞窟の壁画が最初のインフォグラフィックだと言われています。


引用元:Wikipedia Diagram of the Causes of Mortality


引用元:Wikipedia ラスコー洞窟の壁画

私たちが日常的に目にするところでは、道路の標識や地下鉄の地図も広い意味でのインフォグラフィックのひとつです。

インフォグラフィックが注目されている背景

実は古くからあるインフォグラフィック。なぜ、いま、注目されているのでしょうか。
その背景の1つにインターネット登場以降の飛躍的な情報量の増加があります。

総務省が発表する情報流通インデックスによると、平成13年を100とした場合、情報流通量は平成21年までに198.7と約2倍になっているのに対し、消費情報量は109.1とほぼ横ばい。世の中に流通する情報量が、実際に消費される情報量を大きく上回る「情報の供給過多」が発生しています。

この情報過多の世の中では、受信者が情報に向ける注意(アテンション)が不足し、発信した情報が届きにくくなっており、当然、企業が発信するメッセージに注意を向けてもらうのは容易ではありません。

そのような中、企業には2つのことが求められます。

1つは情報の受け手である消費者が「興味・関心のある情報を届ける」こと。

私たちは、なにか気になることがあった時はGoogleやYahoo!などの検索エンジンで調べます。
忙しい時でもTwitterやFacebookなどで友人の近況や流れてくるニュースを見てしまいます。
また、好きな作家の新刊が出ればチェックしますし、新しいiPhoneの発売日も気になります。

つまり、大量の情報が渦巻く中でも自分にとって「興味・関心のある」重要な情報であれば、しっかりそれを選択し、注意(アテンション)を振り向けているわけです。

なぜ、いまインフォグラフィックなのか

しかし、実は「興味・関心のある」情報を用意するだけでは不十分。情報が「伝わる」ためには工夫が必要です。

それが企業にできる2つ目のこと、「相手に伝わやすいように届ける」です。

ガイアックスでも、ブログやホワイトペーパーなど、お客様が「興味・関心のある」情報(コンテンツ)の発信に努めていますが、コンテンツが「相手に伝わる」までに3つの関門があると考えています。

それが「見つけてもらえない」「選んでもらえない」「最後まで読んでもらえない」の3つです。
以下、それぞれの関門と、インフォグラフィックとの関係をご説明します。

関門1:見つけてもらえない

どれだけ役立つコンテンツを作っても、そこに至るまでの道がなければ、誰もたどり着けません。
Web上のコンテンツであれば、検索エンジンやソーシャルメディアで見つけてもらう必要があります。

インフォグラフィックは画像が共有されやすいソーシャルメディアと相性が良く、ソーシャルメディアが普及した現在、見つけてもらうための道を作りやすいコンテンツとして注目されています。

関門2:選んでもらえない

役立つコンテンツを作成し、見つけてもらったとしても、消費者にとっての選択肢は貴社のコンテンツだけではありません。

競合が作成したものも含め、数多のコンテンツの中から選んでもらう必要があります。

ビジュアルは見る人の興味を80%も高めると言われており、言葉やデータだけでは伝わりにくい情報を「視覚化」したインフォグラフィックは、コンテンツに対する興味を喚起し、たくさんの選択肢の中から選んでもらう確率を高める方法として注目されています。

関門3:最後まで読んでもらえない

コンテンツが選ばれ、ページに訪れてもらったとしても、最後まで読んでもらえるとは限りません。

コンテンツが相手に「伝わる」ためには、読みやすく、理解しやすい形で届ける必要があります。

ビジュアルはテキストだけの時に比べ、はるかに受け手の理解を促すと言われていますが、伝えたい情報を相手に「伝わる」ようにする手法としてインフォグラフィックが注目されています。

コンテンツとしての7つの活用シーン

ここからはインフォグラフィックがコンテンツとして活用された場合の7つの用途をご紹介します。

1.ハウツー

消費者の頭の中の「どうやって?」に答えることで、購買プロセスをサポートするコンテンツです。

米Marketoでは、イベント時にソーシャルメディア上でやるべきことのチェックリストをインフォグラフィックで紹介しています。

The Ultimate Social Media Event Marketing Checklist [Infographic] | B2B Marketing

2.まとめ

たくさんの情報をまとめることで資料としての価値を持たせたコンテンツです。

エスキュービズムでは、ビジネス向けのタブレットアプリを一覧にまとめたカオスマップを公開しています。


【完全版】タブレットを導入したら押さえておきたいビジネスアプリ100選

3.比較

2つ以上のことを徹底比較し、ユーザの理解を促進するコンテンツです。

リクルートのSUUMOでは、マンションと一戸建てを様々な角度から比較しています。


あなたはどっちを買う?マンションと一戸建て購入の決め手をまとめたインフォ グラフィック | SUUMO(スーモ)

4.リサーチ

集めたデータをもとに説得力のある情報を提供します。

住友林業ホームテックでは、各種調査データを基に中古住宅が選ばれている理由を紹介しています。

中古住宅とリフォームが今選ばれている理由 | リフォームの住友林業ホームテック

5.製品説明

テキストでの長くなりがちな製品説明を理解しやすい形で届けます。

大塚製薬のカロリーメイトでは、カロリーメイトの成分や効用などをモーショングラフィックを使って紹介しています。

3minutes CalorieMate  | 大塚製薬

6.リリース情報

通常、ニュースリリースとして発表される製品・サービスに関する情報をまとめます。

Skypeでは、自社サービスがどれぐらい使われているかを数字で紹介したインフォグラフィックを公開しています。

A Day In The Life of Skype #Infographic

7.コーポレートメッセージ

読んでもらいにくい会社情報やコーポレートメッセージをストーリーを持たせて伝わりやすくします。

NPO法人 CHARITY: WATERでは、水問題を訴えたモーショングラフィックを公開しています。

why water | charity: water

 

意外と知られていない企業ブログの記事ネタ発想法【BtoB企業編】

企業ブログを開始・運用するにあたって「どんな記事を書けば良いかわからない・・・」というご相談をいただきます。

米Content Marketing Instituteによる調査「B2B CONTENT MARKETING」では、回答者の60%以上が「コンテンツを作成すること」を一番の課題に挙げており、魅力的なコンテンツを継続して作成することに苦労している企業は多いようです。

そこで今回は、INBOUND marketing blog でも使っている企業ブログで使える記事ネタの発想方法を2つご紹介します!

企業ブログの記事ネタ発想法

1. 営業現場あるある

1つ目は営業現場でよく聞かれる質問への回答です。

例えば、CRMシステムを提供する企業の場合、お客様から以下のような質問をされているはずです。

  • データベース設計で最低限必要な項目はなんですか?
  • 営業部門に必ずデータを入力してもらうにはどうすれば良いですか?
  • 定期的なメール配信以外にはどんな使い方がありますか?

コンテンツ作成の基本は「自分が言いたいことではなく、相手の知りたいことを書く」ですが、これらはまさに「相手が知りたいこと」。

そして、営業パーソンはこれらの質問に対して、毎回ほぼ同じ回答をしているのではないでしょうか。
既に営業パーソンが回答している内容なので、記事にまとめやすいですし、模範解答例を作るつもりでまとめておくと営業効率アップにもつながります。

さらに「営業活動の中でよく聞かれる質問とそれへの回答」を洗い出すと、かなりの数になるので継続性の面でも優れています。

INBOUND marketing blogでは、以下のように「営業現場あるある」発想法を活用しています。

・Q:BtoB企業のWebサイトで、参考になるサイトってありますか?
→A:BtoBサイトに関わる人はチェックしたい!お手本になるWebサイト101選

・Q:ガイアックスさんの営業がアウトバウンド主体からインバウンド主体になるまでにどんなことをしたんですか?
→A:【実録】テレアポ中心営業からインバウンドマーケティングに移行するまでに通った3つのフェーズ

・Q:BtoB企業なのでFacebookページで投稿するネタが少ないのですが・・・
こんなにあった!BtoB企業がFacebookを活用するために載せるべき20個のコンテンツ

2.頭の中の疑問に答える

2つ目は発想法1を発展させた、購買プロセスの中で顧客が疑問に思うであろうことへの回答です。

例として、給与計算アウトソーシングを導入する顧客が、検討を始めてから最終的に意志決定するまでに抱くであろう疑問を考えてみます。

  • なぜ、給与計算アウトソーシングを使った方が良いんですか?
  • どこからどこまでの作業をアウトソースできますか?
  • 導入するまでに社内でやるべきことはありますか?
  • 自社で給与計算する場合と比べて、どれぐらいコストが下がりますか?
  • うちの会社で導入した場合、いくらかかりますか?
  • なぜ、貴社に依賴した方が良いんですか?他の会社との違いは?
  • 導入した後に、やるべきことはありますか?

発想法1と同様に、上記の質問には営業現場やサポートなど、顧客と接する部門の担当者が口頭で答えていたり、営業・提案資料の一部に書かれているのではないでしょうか。

それをブログを通じてコンテンツとして提供することで、Webで情報を探している顧客が知識を獲得したり、適切な判断をする手助けができます。

INBOUND marketing blogでは、以下のように「頭の中の疑問に答える」発想法を活用しています。

・Q:なぜ、Webを営業に活用した方が良いんですか?
→A:Web担当者なら知っておきたい、BtoB企業がWebを営業に活用するメリット8つ

・Q:Webを活用した顧客獲得を実現するまでにやるべきことは何ですか?
→A:サイトリニューアル後に押さえておきたい、Webを活用した顧客獲得までに必要な3つのSTEP【SlideShare】

・Q:具体的にはどんなコンテンツを用意すれば良いですか?
→A:BtoBサイトの魅力を高める32個のコンテンツとサイト事例

・Q:社内でコンテンツを作るのが難しいのですが・・・
→A:コンテンツ企画の前に!Web担当者のためのペルソナデザインマニュアル
→A:事例コンテンツを強化しよう!お客様インタビュー作成マニュアル

「顧客が知りたいこと」をコンテンツとして用意する理由

インターネットの普及により、私たちが何かを調べるとき、購入するときにGoogleやYahoo!などの検索エンジンで情報を探すことが一般的になりました。
その変化はBtoBの購買現場でも起きており、従来の「営業に売り込みを受ける文化」から「Webを使って自ら情報を見つけ出す文化」へと移行しています。

米コーポレート・エグゼクティブ・ボードが1400社以上のBtoB企業を対象に実施した調査によると、購買プロセスのうち、平均して60%近くが営業担当者が訪問する前に終わっていました。

そのような変化の中で、製品・サービスの購入時に最も参照されるBtoB企業のWebサイト(※1)には会社情報や製品情報、価格などのカタログ的な情報ばかりで、2つの発想法の例に挙げたような顧客が抱える様々な疑問・質問に答えよう、という姿勢は少ないと言わざるを得ません。

しかし、顧客がWebを使って自ら情報を見つけ出し、自社に最適なソリューションを探していることを考えれば、Webサイトやブログを通じて顧客が抱える疑問や質問に答えるコンテンツを用意する必要があります。

・課題解決に役立つ情報を提供してくれた会社
・当該分野について専門家として十分な知識を持っている会社

だと思ってもらえるように「顧客が知りたいことは何か」という視点を忘れずに、コンテンツを充実させていきましょう。

※1:日本ブランド戦略研究所 業務上の情報源における企業サイトの位置付け