東京メトロが初のスタートアップ出資、スペースマーケットと協業でスペースの有効活用へ

東京地下鉄(以下、東京メトロ)とスペースマーケットは4月11日、スペースの有効活用によって沿線地域を盛り上げることを目指し、資本業務提携を締結したことを明らかにした。

これまで東京メトロではアクセラレータープログラムを通じてスタートアップとコラボしてきたが、直接出資するのは今回が初めてとのこと。スペースマーケットが今年1月に発表していたシリーズCラウンドに参加したという(1月時点で非公開の事業会社とされていたうちの1社。出資額は明かされていない)。

東京メトロは中期経営計画の中で「東京の魅力・活力の共創」をキーワードにあげ、沿線地域と連携したにぎわいの創出、まちづくりとの連携、オープンイノベーションの推進などに取り組んでいる。オープンイノベーションの推進に関しては「“つながり”の創出を通じ、持続可能な地域社会形成に貢献する」というテーマを掲げていて、スペースマーケットとの協業もこれに該当するものだ。

東京メトロでは様々なスペースの“時間貸し”を進めてきたスペースマーケットとタッグを組み、自社で保有する物件やスペースをシェアすることで東京の魅力・活力の共創を目指していく計画。具体的な施策の第1弾として、本日オープンしたシェアリングスペース「むすべやメトロ綾瀬」をスペースマーケット上で展開する。

むすべやメトロ綾瀬の外観。千代田線高架下(千代田線綾瀬駅より徒歩2分の場所)にオープン

鉄道車両部品を取り入れた内装。パーティーや会議のほか、路面にあるレイアウト自由な空間によりワークショップやポップアップショップにも利用できるとのこと

なお今回の資本業務提携について、スペースマーケット代表取締役社長の重松大輔氏からは以下のようにコメントしている。

「今後はより多角的な連携をしたいと考えているが、まずは第一弾として今回の取組みとなった。東京メトロの遊休スペースや遊休資産(車両部品のリサイクル)を活用しながら、まちの『ハブ』を一緒に創造していきたい。綾瀬のスペースは、是非鉄道ファンに楽しんでいただきたい。電車好きな子ども連れのパーティーなどでも人気がでるのではないかと考えている」(重松氏)

ホテル予約サービスの5600億円企業OYOが日本でソフトバンクとの合弁事業を発足

Airbnbから大型投資を受けたことで話題になったインドの宿泊ネットワーク、OYOが日本に進出することを正式に発表した。これは大株主である、ソフトバンクとの合弁事業となる。昨年のOYOの10億ドルのラウンドはVision Fundがリードした。 OYOは中小規模のホテルを中心とする宿泊施設のレンタルとリースのネットワークをアジア全域で展開している。

合弁事業の財務の詳細は発表されなかった。TechCrunchの取材に対し、OYOは回答を避けた。

OYOはインドでスタートし、当初は地元の格安ホテルの予約サービスだったが、その後、中国、マレーシア、ネパール、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、フィリピンに事業を拡張した。中でも中国ではOYOの宿泊ネットワークにはインド本国の2倍の施設をリストアップするという成功を収めている。

同社の成長はこうした地理的なものにとどまらず、格安ホテルのロングテールネットワークから幅広いホスピタリティーサービスへとビジネス自体も進化を遂げている。事業内容は中小ホテル、個人所有の家やアパートのレンタルを中心としているが、特にインドでは結婚式場、ホリデイパッケージ、コワーキングスペースの提供まで幅広いものとなっている。コア事業の宿泊サービスはホテルチェーンの部屋のレンタルと物件のリースのミックスだ。当初格安の部屋を探せることがセールスポイントだったが、現在では出張客にも対応している。

日本での事業は OYOの創業チームの一員というPrasun Choudharyだ。これまでOYOはまず進出先地域の中小の独立系ホテルあるいはホテルチェーンの所有者にアピールしてきた。利用者側からみると、格安から中程度のホスピタリティーを探す国内外の旅行者が主なターゲットとなっている。ホスピタリティーというのはOYOのファウンダー/CEO、Ritesh Agarwal氏(この記事のトップ写真)が宿泊関連サービス全般を指して使っている用語だ。

Agarwal氏はビリオネアで投資家のPeter Thiel氏によるThielフェローの1人に選ばれ、2011年に18歳の若さでOYOをスタートさせた。最初の会社はOravelというAirbnbのクローンだったが、すぐに事業内容をピボットさせて社名もOYOとなった。同社は合計15億ドルの資金調達に成功しており、現在の会社評価額は50億ドル前後だ。

ソフトバンクはこれまでもビジョン・ファンドの投資先企業の日本上陸を助けてきた。これにはコワーキングスペースのWeWork、中国のタクシー配車サービスの滴滴出行(Didi Chuxing)、インドのオンライン支払サービスのPaytmなどが含まれる。

【訳注】今回発表された事業はOYO Hotels Japanだが、TechCrunch Japanでは3月末にOYO Life Japanの短期賃貸事業について報じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

月額4万円から住み放題のADDressで札幌生活も楽しめる、月2万円のカップルプランも新設

定額で日本国内のさまざま地域に最長1週間住める、いわゆるコリビング(co-living)サービスを展開するアドレスは、4月1日に正式にサービスをローンチした。

同社が提供する「ADDress」は、登録拠点ならどこでも住み放題になるサブスクリプション型の多拠点居住のシェアサービス。各拠点ともユーザーごとに個室を利用でき、リビングやキッチンを共用するシェアハウスのような利用が可能だ。住居は、空き家や別荘を活用し、一部はリノベーションすることでコストを圧縮している。

同社では2月に住み放題の11拠点を発表していたが、今回の正式ローンチでは北海道札幌市(4月8日から)と山梨県南巨摩郡(みなみこまぐん)の2拠点を加え計13拠点に増えている。

鎌倉の拠点

利用料金は、年払い会費が48万円(ひと月あたり4万円)、月払い会費が5万円、法人月払い会費が8万円からとなっている。1個室の連続予約は1週間まで、法人の場合は1アカウントの同時利用は不可。また、一部地域物件は光熱費が別途かかる。

正式ローンチとともに新設されたカップルプランは、従来の月額料金に加えて月額2万円を追加することで、パートナーや家族と個室に2人で住めるプランだ。

第1期法人会員として、ガイアックス、CAMPFIRE、認定NPO法人フローレンス、リクルート住まいカンパニー、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(トライアル利用)が決まっていたが、新たに25歳〜62歳までの個人会員の加入も発表された。個人会員の居住地は、東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、埼玉県、沖縄県、北海道、群馬県、茨城県、長野県 愛知県、滋賀県、福井県、京都府、兵庫県、鳥取県、香川県、福岡県、宮崎県、インド となっており、男女比は63.5%/36.5%。

同社は今後、東北、九州、離島も含めて年内100拠点を追加オープンする予定とのこと。4月からは企業の規模を問わず、有給休暇の義務化・罰金化が始まる。ADDressを使って住めるのは最長1週間なので定住はできないが、有給休暇を上手く使って各地を巡る旅に出かけるのもいいだろう。

Lyftの上場初日株価は9%アップで引ける

米国時間3月29日に有力配車サービスのLyftがNASDAQに上場した。これを祝って天井からピンクの紙吹雪が共同ファウンダー、Logan Green氏とJohn Zimmer氏の上に舞い落ちた。公募売出価格設定は上出来だったようで、Lyftが設定した1株72ドルを21%も上回る$87.24ドルで初値がついた。初終値は若干下げて78.29ドルとなった。

Lyftは上場の直前、木曜日に23億ドルの資金を調達していた。今回の上場でLyftの時価総額は240億ドル前後となった。 公開前の会社評価額は151億ドルだったので上場で約1.6倍にアップしたことになる。株価売上高倍率は11倍だ。

Lyftの共同ファウンダーはBloomberg TVで国際展開、自動運転車、新しい自動車の所有形態、自動車保険などを含めて会社の長期目標について語った。Green氏はEmily Chang記者に対してこう述べている。

我々のビジネスは極めて利益率の高いものになると確信している。1兆2000億ドルという巨大な自動車市場は1世代に一度という変革期を迎えている。自動車は所有するものからサービスを利用するものに変わりつつある。我々はこのトレンドの先頭にあって驚異的な前進を遂げている。

Green氏とJohn Zimmer誌の共同ファウンダー2人は、同社の最大の市場であるロサンゼルスを上場の舞台に選んだ。Zimmer氏はこう述べている。

我々はLyftのコミュニティー全体の利益となるような形で大きなビジネスを作り上げることができると実証したい。上場の鐘を鳴らしたとき、Lyftのドライバーもその喜びを分かちあった。Lyftは株式をボーナスとしてドライバーに分配しているからだ。

画像:Mario Tama / Staff / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

敷金や礼金、仲介手数料なしで都内に住める「OYO LIFE」、物件探しから契約までスマホでOK

インドのOYO(オヨ)とヤフーの合弁会社として、賃貸住宅事業を展開するOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANは3月28日、物件探しから入居までをスマホからワンストップで行える不動産賃貸サービス「OYO LIFE」(オヨ ライフ)を開始した。同時に、家具レンタルや家事代行などのサブスクリプションサービスを利用できる「OYO PASSPORT」と、都内でOYO LIFEの物件探せるリアル店舗「OYO Partner不動産」も利用可能になった。

OYO LIFEは、物件探しから契約、支払いのインフラ整備までの一連のサービスをまとめて提供する。2年縛り契約や敷金、礼金といった賃貸物件の慣例をなくし、マンションや一軒家に気軽に住み替えられるのが特徴だ。OYO LIFEは2月20日のサービス発表のあと、1万3000名を超えるユーザーが事前登録しており、同社ではサービス開始に合わせて3月28日現在で1000室以上の物件を確保したとのこと。

居室設備としては、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、テーブル、電気ケトル、ハンガー、ゴミ箱、テレビ、電子レンジ、エアコン、ベッド、デスク、チェア、居室照明器具、ラグ、バスマット、遮光・レースカーテン、タオル、シーツ、キッチン用具、食器、Wi-Fiなどを完備。つまり、出張や旅行のように利用者は着替えなどを用意するだけでいい。

家賃は、マンションタイプが10万円~100万円、一軒家タイプが30万円~100万円、シェアハウスタイプが5万円~8万円で、そのほか共益費・清掃費が必要となる。書面による契約書のやり取りを済ませれば、91日以上のロングステイも可能だ。試し住みの導入も検討しており、徐々に検証しながら年内に実施予定とのこと。

実際にOYO LIFEのサイトを見ると、駅徒歩10分以内で専有面積が20平米前後の1Kや1DKのマンションで月額賃料が13万〜15万円となっており、一般的な賃貸物件に比べると少し高い。しかし初期コストが不要なので、東京に長期滞在する際のホテル代わりや、仕事の繁忙期などに一時的なセカンドハウスに使うにはリーズナブルだろう。


サブスクリプションサービスのOYO PASSPORTは、OYO LIFEの入居者に対して提携パートナーのサービスを入居後1カ月間無料で利用できるサービス。現時点で利用できるサービスは、Carstayが提供する車中泊スポットのシェアリングサービス「Carstay」、Keeylsが提供するシェアオフィス「KEYSTATION OFFICE」、クラスが提供する家具・インテリア・家電のサブスクリプションサービス「CLAS」、ディー・エヌ・エーが提供する個人間カーシェアリングサービス「Anyca」、ピーステックラボが提供する家電・日用グッズのレンタルサービス「Alice.style」、ベアーズが提供する家事代行サービス「Bears」となっている。同社は、今後もOYO PASSPROTのパートナー企業を増やしてサービスを充実させる予定で、パートナー企業の募集も随時受け付けている。

OYO Partner不動産は、リアル店舗を構える不動産業者がOYO LIFEの物件を紹介できるサービス。すでに六本木や麻布十番など都内を中心に30店舗を展開している。不動産店舗側には加盟手数料なしで「OYO LIFE」の物件を取り扱える。こちらも提携希望の企業を募集している。

類似のサービスとしては、アドレスが展開する空き家を活用した定額住み放題の「ADDressがある。こちらは月額5万円(もしくは年額48万円)のサブスクリプションサービス。連続で住める期間は1週間という制限があるが、都内以外に千葉県南房総市や神奈川県鎌倉市などの都内近郊から、群馬県、静岡県、福井県、徳島県など地方にも物件を展開しており、ウィークリーマンションやホテル代わりに短期滞在するといった用途に向いている。

Instacartが配達人のための賃金即座支払い機能を追加

Instacartは米国時間3月27日から、食品を配達する個人ショッパーが配達で稼いだ金を早く使えるようになる新機能を提供する、と発表した。この新機能Instant Cashoutは支払いプラットフォームStripeとの提携のもとに構築され、ショッパーがアプリで賃金をデビットカードに送れる。

これまでショッパーは賃金支払いを受けるまでに1週間ほど待たなければならなかった。その代わりInstant Cashoutでは、ショッパーはすぐさま支払いをデビットカードに送ることを選択できる。

Instacartによると、Instant Cashoutのセットアップには5分もかからない。セットアップすれば、ショッパーは毎日24時間いつでも好きな時にこの機能を使えるようになる。

この機能は今日からマサチューセッツ州ボストンやオレゴン州ベンドなどを含むいくつかの選ばれた都市でスタートする。今年6月までには全Instacartショッパーが使えるようになる見込みだ。

ショッパーは、自分が住むエリアでこの機能が利用可能になれば電子メールで通知を受ける、とInstacartは話している。

この機能は、過去数年のInstacartとショッパーとの不安定な関係をリセットしようとしている最中に導入される。

先月、Instacartは議論を巻き起こしたチップポリシーへの変更を破棄した。その変更では、ショッパーへの賃金を相殺するのに顧客のチップを使っていた。いくつかのケースでは、利用客がチップは賃金とは別にボーナスとしてショッパーに払われると信じてチップを支払いに上乗せしていたが、実際にはショッパーは本来よりも少ない額しか受け取っていなかった。というのも、かなりのチップがInstacartがショッパーに保証した最低支払いに使われていたからだ。

ショッパーからの反発を受け(そして集団訴訟の脅威から)、InstacartのCEOであるApoorva Mehta氏はチップポリシーがミスガイドであることを認めて謝罪し、今後はショッパーへのチップを会社が取るのはやめると話した。Instacartはまた、会社がとったチップをさかのぼって補償した。そして最低支払額を上げた。

ショッパーへの支払いをめぐる問題にInstacartが直面したのは、これが初めてではなかった。

Instacartはショッパーを独立契約者と過って分類して業務にかかる費用を支払わなかったとして集団訴訟を起こされ、2017年に460万ドルを支払うことで決着した。その結果、Instacartは多くの顧客がチップのことだと考えていたアプリ内のサービス料を説明する部分を変更しなければならなかった。

その前には、ショッパーからの苦情を受け、Instacartはコミッションにチップがすべて行くというオプションを削除した。

支払いに素早くアクセスできるようになるこの方法をほとんどのショッパーが歓迎するだろうが、これは本当に画期的な機能というわけではない。事実、Instacartは他のギグエコノミー事業者に追いついただけにすぎない。例えば、UberLyftPostmatesDoorDashはすでに即座の支払いを提供している。

この機能が開発中であることは数カ月前から噂になっていたので、今日の発表は一部の人にとっては大きなサプライズではないだろう。しかし、支払いをめぐる問題が続くようであればInstacartを見切ろうと考えていたショッパーを引き止めるのには役立つかもしれない。

訂正:この記事はInstacartがこのニュースを発表しようと計画していた3月28日に掲載されるところを、エラーのために今日3月27日に掲載された。Instacartの許可を得て記事はそのまま掲載された。

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(翻訳:Mizoguchi)

必要な時にペットシッターを呼べる「ぱうわん」アプリ、GPSとチャットでペットの様子を把握

ぱうれんつは3月25日、30分1000円からシッターにペットの世話を依頼できるアプリ「ぱうわん」の提供を開始した。ローンチ時のサービスエリアは東京の港区、目黒区、渋谷区の3区となる。現在はiOSデバイスのみの対応で、App Store経由でダウンロードできる。

散歩や一時預かり、トリミングなどを「必要な時に」「必要なぶんだけ」、シッターやトリマーに最低30分から依頼できるのが特徴。ユーザーからの依頼は、サービス開始希望時間の1時間前まで受け付けている。シッターは、動物取扱業に基づく要件を満たす有資格保有者のみ。アプリのGPS機能でペットとシッターが今どこにいるか確認できるほか、シッターとのチャットでペットの食事や水飲み、排泄の回数なども把握できるという。

料金は、レギュラーシッター(資格要件を満たすが資格証明の提出が未完了)は15分ごとに500円、プロフェッショナルシッター(資格要件を満たし資格証明も完了)は15分ごとに2000円の時間課金。実際には最低30分以上の利用が必須なので、レギュラーシッターの場合は30分1000円、プロシッターの場合は30分4000円となる。

ペットの受け渡しは港区、目黒区、渋谷区に限られるが、自宅、勤務先、外出先などを選べる。事故など備え、東京海上日動火災保険の賠償責任保険も適用。支払はクレジットカードのみで、売上の一部は動物愛護団体へ寄付される。

同社によると、今夏からは都内を対象エリアとして獣医往診サービスも提供予定とのこと。ペットの急な体調の変化の時に動物病院に駆け込む必要はなく、自宅で治療を受けられる。

一般的なペットシッターサービスに比べると少し割高となるが、依頼できるシッターの数が増えれば、いつでも呼べる利便性が生きてくるだろう。

スキマ時間にすぐ働ける「タイミー」と引越しトラックシェア「Hi!MOVE」が連携

ワークシェアサービス「タイミー」を運営するタイミーと引越しシェアリングサービス「Hi!MOVE」(ハイ!ムーブ)を運営するグライドはは3月22日、業務提携を発表した。

今回の業務提携は、大手引越し業者の業務停止による引越料金の高騰によって引越ししたくてもできない「引越し難民」が増えている状況の打破が狙い。追い打ちをかけるように、大手不動産賃貸会社の施工不良問題で数カ月以内の引越しを余儀なくされる人も出てきている。新生活を始める人が多い3月、4月に需要と供給のバランスが大きく崩れると見られている中、両社の連携は画期的だ。

タイミーは、面接不要ですぐに働けるマッチングサービスを提供。これまで飲食店中心だったが、Hi!MOVEとの提携で引越し業務の分野に本格進出することになる。Hi!MOVEは、引っ越しトラックの空きスペース、空き時間をシェアするサービスを提供。引越しの日時を細かく選べないぶん、相場より3〜4割安い引越し料金を実現している。そもそも引越しのアルバイトは、面接不要で日払いのケースが多い職種なので、タイミーとの相性はかなりいいはず。

具体的には、引越し会社が人手が必要な日時を「Hi!MOVE」のプラットフォームに登録→Hi!MOVEが引越し会社に代わって募集内容を「タイミー」へ登録・手配→タイミーがスタッフ募集のプラットフォームを提供、という流れになる。

衣料レンタルのRent the Runwayが評価額約1100億円で資金調達

衣類、装飾品などを貸し出すスタートアップであるRent the Runwayは、1.25億ドル(約140億円)の調達ラウンドをFranklin Templeton InvestmentsおよびBain Capital Venturesのリードで完了した。このラウンドの企業評価額は10億ドル(約1100億円)だった。これで同社の総調達金額は3.37億ドルになった。

「シェアすることによる動的な所有という概念は、Rent the Runwayがこの10年間先行して手がけてきた方法であり、我々がこのサブスクリプションサービス市場をリードし今後も革新を続けていけることを大いに喜んでいる」とRent the RunwayのCEOであるJennifer Hyman氏が声明で語った。

昨年9月、Rent the Runwayはサンフランシスコに物理店舗を開き、それが同社にとって5番目の単独店舗だった。10年前に創業したRent the Runwayは、当初の「ワンタイムレンタル」のみのサービスだったが、現在は2種類のサブスクリプションサービスを含め3種類のサービスを提供している。

今回の資金調達によって、Rent the Runwayは同社のサブスクリプション事業の規模を拡大し、衣類・室内装飾の品揃えを広げ、配送施設を追加する計画だ。

同社の設立以来、いくつものファッションサービスがでてきた。中でも目立っているのがStitchFixで、2017年には上場を果たした。しかし、Rent the Runwayが他社と違うのは、「他社はものを買わせようとしている」とCOO Maureen Sullivanが昨年9月に言っていたように「顧客は自宅のクローゼットに溜まるものをまだ買っている」ことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

PostmateがUber POOL似のデリバリー無料の新機能を導入

Postmateは、ご近所に住む客たちが注文の相乗りができるPostmates Partyという新機能を立ち上げる。この機能では無料でデリバリーしてもらえ、これはPostmatesユーザーにとっての大きな障壁を取り除くものだ。

この新機能の導入は、10億ドル規模となったフードデリバリー業界の古参の一つであるPostmatesが、価格に敏感な客にアピールして競争に打ち勝とうとしていることを表している。

PostmateアプリのユーザーはPostmates Partyタブをタップでき、タップすると周辺に住む人がその瞬間にどの店からデリバリーをとっているのかを示す。パーティー加わることで、客は人気レストランからのデリバリーをシェアでき、しかも配達は無料になる。

いまところ、この機能はサービスが展開されている米国の3000都市でのみの提供となる見込みだ。現在シカゴ、ラスベガス、カリフォルニア州ロングビーチ、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク市、フェニックス、サンフランシスコ、サンディエゴ、シアトル、カリフォルニア州オレンジ郡、フィラデルフィアで利用できる。

ただ、一つ注意点がある。このパーティー機能には、利用するには5分以内に注文しなければならないという制限がある。

「我々は、ほとんどコストゼロで商品を街の隅々まで届けるというロジスティックインフラを作りだすというビジョンを追求している。Postmates Partyはこうしたビジョンに基づいたオンデマンドデリバリーにおける最新のイノベーションだ」とPostmatesCEOで共同創業者のBastian Lehmann氏は声明文で述べた。「Postmates Partyは、周辺に住む人が今現在注文している人気のレストランから配達してもらうことで、お金を節約できるという選択肢を客に提供するユニークな手段だ」。

今年はじめ、Postmatesエクイティ・ファンディングで1億ドルを追加調達し、評価額は185000万ドルになった。このラウンドの4カ月前に、設立8年のこのスタートアップは3億ドルを調達していて、これによりPostmatesユニコーンの域に入った。

Image Credits: Postmates

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(翻訳:Mizoguchi)

月額1万2000円からの出張料理サブスク、最大4人の料理家が「つくおき」してくれる

シェアダインは、調理師や管理栄養士など食の専門家による出張料理のサブスクリプションサービスを3月19日からβ版として試験運用することを発表した。サービスの本格稼働は4月1日からとなる。

同社は2018年5月より専門家による出張料理サービスを手がけてきた。その中で、日々変化する「食の悩み」に答えてくれる専門家、個別の事情に応じてパーソナライズされた食事が求められていることがわかったという。働きながらの妊娠・出産、生活習慣病、介護などが増えてきた現代では、個人に最適化した食事のニーズは確実に高まっている。

3月19日から始まったサブスクリプションサービスは、月2回、月3回、月4回と3つのコースを用意。税別の月額料金はそれぞれ、1万2000円、1万8000円、2万4000円。交通費や買い物代行費が月額料金に含まれている。一人1食あたり1500円なので家族で外食に出かける程度のコストだ。要望に応じて最大4人の料理家を選ぶこともできる。今後はデータを蓄積していくことで、利用者と料理家のマッチングの精度を高めていくとのこと。

シェアダインが提供中の(サブスクリプションではない)出張料理の例

ライドシェアのLyftが上場により2300億円超の調達狙う、銘柄コードはLYFT

ライドシェアサービスを提供するスタートアップのLyftは米国時間3月18日の朝、IPOに向けたロードショーを発表した。上場は2週間以内に行われる見通しだ。またNASDAQでの銘柄コードはLYFTで、仮条件は1株62〜68ドルを設定し3077万株の株式公開を予定。これにより、19億ドル〜21億ドル(約2100億円〜2300億円)の調達を目指すことになる。

資金調達に成功すれば、Lyftの時価総額は185億ドル(約2兆1000億円)に達する。なお、以前の報道では時価総額が230億ドル(約2兆6000億円)に達すると見積もられていた。これは、以前の資金調達時の評価額となる151億ドル(約1兆7000億円)からさらに上昇している。

またLyftは証券登録届出書にて、3538万5500株のすべてのクラスA株式を考慮した場合には、調達額は最大で24億621万4000ドル(約2700億円)に達するとしている。これは3077万株のクラスA通常株に、JPモルガンなどの引受人の461万5500株を足したものだ。

同じくライドシェアリングを提供するUberの時価総額は約1000億ドル(約11兆円)に達すると見積もられており、その株式公開も近いことが予測されている。ライドシェアリング企業が成長のために、どのようにして次のステージへと進むのかについて注目が集まっている。

Lyftの売上は急上昇しており、2018年には81億ドル(約9000億円)の予約および21億ドル(約2300億円)の売上を記録している。また利用者は3070万人で、ドライバー数は190万人だった。しかし利益は出ておらず、2018年の損失は9億1130万ドル(約1000億円)だった。損失額は売上の上昇とともに拡大しているが、その割合は大幅に縮小している。

Lyftによれば、IPO完了時にはCEOかつ創業者のLogan Green氏が29.31%の議決権を保持し、創業者かつ社長のJohn Zimmer氏は19.45%を握ることになる。

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(文/塚本直樹 Twitter

家具の月額制レンタル「airRoom」が東京に加え、埼玉・千葉・神奈川でもサービス提供開始へ

月額制家具のレンタルサービス「airRoom」を運営するElalyは3月18日、現在展開中の東京都に加え、3月19日より埼玉県、千葉県、神奈川県で同サービスの利用が可能になると発表した。

airRoomは人気ブランドの家具を月額定額で利用できるシェアリングサービス。引越し、単身赴任、模様替え、法人のオフィスでの利用など様々なニーズに対応し、「必要な期間のみ家具を利用する」という“新しい住まいのあり方”を提案する。

Elalyは今回のairRoom提供地域の拡大により、「家具を所有せず、利用する体験」の更なる拡大を見込んでいる。また、今後も需要の高い地域を中心に、更なるサービス拡大を図っていく。

同社は2月には引越トラックシェア「Hi!MOVE」との提携、1月にはオフィス家具レンタルの「Kaggレンタル」との提携を発表していた。

傘シェアサービス「アイカサ」を渋谷のオフィスに無料導入可能に、初期費用とランニングコストはゼロ

傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Groupは3月18日、東京・渋谷周辺のオフィスにアイカサの無料導入サービスを提供開始した。同社の活動の本拠地である渋谷を、「ビニール傘を買う必要のない街」にすることを目指す。

アイカサは、1日(24時間)あたり70円で傘を借りられるサービス。最寄りの傘スポットで傘のレンタルと返却が可能だ。6日以上のレンタルは420円固定なので、たとえ返却し忘れても、コンビニでビニール傘を買うより安い。ユーザー登録や傘スポットの検索には専用アプリは不要で、LINE上で「アイカサ」を友達として追加して、ミニアプリを使うだけでいい。

現在の提供エリアは渋谷区が中心だが、北は埼玉・大宮(メガネスーパーコンタクト大宮DOM店)、西は東京・国立(コワーキングスペース「SEED PLACE」)、東は東京・門前仲町(メガネスーパー門前仲町店)、南は神奈川・横浜(メガネスーパー横浜西口店)など範囲は広がっている。ちなみにメガネスーパーは、モバイルバッテリーのシェアリングサービス「ChargeSPOT」も導入するなど、各種シェアリングサービスを積極的に取り入れている印象だ。

今回の企業向けプランは、企業側に初期導入コストや月額のランニングコストは不要で、オフィスの入り口などに40×40センチほどの設置スペースをアイカサに貸し出すだけでOK。一般向けのアイカサではアプリ上に傘の置き場所が表示されるが、オフィス設置の場合は表示しないように設定できるため、従業員と来客以外の利用を制限することも可能だ。

学生の一人暮らしや単身赴任者に向けた月額7410円からのレンタル家具セット

カマルクジャパンは3月15日、同社が運営する月額制サブスクリプション家具サービス「subsclife」(サブスクライフ)で、コーディネートされた複数の家具をセットにして提供するオプションを開始した。料金は月額7410円で、学生の1人暮らしや単身赴任者を主な対象としている。同社は2月7日、インテリアコーディネーターが家具のコーディネートを無料で提案する、法人向けサービスをローンチしていた。

subsclifeの家具は、長期利用であってもその家具の購入金額を超えない価格設定になっているのが特徴。さらに、レンタル期間中の通常の使用でキズがついてしまっても、補修や修理などの追加費用が発生しない。同社は月額制のサブスク家具を活用することで、新生活を始める際の出費を抑えられるというメリットをユーザーに訴求する。

具体的な価格と家具の組み合わせは次のとおり。1であれば月額 7410円からで24カ月利用で17万7840円、購入した場合の合計は18万2790円。2であれば月額11560円からで24カ月利用で合計27万7440円、購入した場合の合計は28万3230円。3であれば月額11990円からで24カ月利用で28万7760円、購入した場合の合計は29万4030円。このように2年間の利用であれば、家具を買うよりも5000円程度安くなるのだ。

Uberが来月にもIPO申請とロイターが報道

LyftがIPOを正式申請したのに続き、UberもIPO申請書類S-1を4月に提出する見込みだ、とロイターが報じている。Uberは昨年12月にIPOのための書類を内々に提出していた。

Uberはまた、IPOに伴う動きを始動させる見込みだ。株式公開の一環として、積極的に活動したり長期間働いていたりするドライバーに報奨金を提供して株式を与えることを計画している。

1カ月ほど前、Uberは2018年第4四半期の決算を発表し、ここでは売上30億ドル、損失8億6500万ドルを計上した。しかしこの数字は税制優遇適用後のものであり、適用前は損失12億ドルだった。調整後のプロフォーマベースでは2018年第4四半期の最終損失は7億6800万ドルだった。

この数字は前期からは若干改善した。2018年第3四半期はプロフォーマベースで9億3900万ドルの損失を計上し、税引き前純損失は9億7100万ドルだった。にもかかわらず、Uberの損失は第4四半期も続いたことになる。年間ベースでは、2018年の損失は18億ドルで、2017年は22億ドルだった。

競合するLyftは今月初めにS-1を提出したが、2018年の売上は22億ドルで損失は10億ドル近くだった。S-1でLyftは、2019年2月25日時点で最低2万回の乗車を提供した“優良”ドライバーに最大1万ドルの現金ボーナス給付を計画していることを明らかにしている。

Uberは今回のロイター報道についてのコメントは拒否した。

原文へ、翻訳:Mizoguchi)

出先でサクっと予約完了、レンタルスペース予約の「インスタベース」にiOSアプリが登場

さまざまな貸しスペースを提供するサービス「インスタベース」を展開するRebaseは3月14日、iOSアプリの正式版をリリースした。同社は、2014年4月設立のスタートアップ。

インスタベースでは、会議室はもちろん、セミナー会場、スタジオ、キッチン、サロンなどを1時間単位で借りられるサービス。現在、全国で5500件以上の物件を扱っている。

同社の調査によると、インスタベース利用者の約68%がスマートフォンから予約していることがわかり、2018年9月からiOSアプリのβ版を提供していた。今回発表された正式版では、検索機能を強化しているとのこと。具体的には、日付やエリアを設定しての検索のほか、地図画面上で検索条件を絞りながら探せるという。

民泊や短期賃貸物件の共有データベース「nimomin」が正式リリース

民泊運営管理ソフトウェア「m2m Systems」などを展開するmatsuri technologiesは3月11日、民泊業界向けの物件共有データベース「nimomin」を本日より正式リリースすると発表した。

nimominではまず、民泊・短期賃貸・Co-living向けの物件を所有する民泊業者などがnimominに物件を登録する。そして、入居者を集客するマンスリー業者やCo-living業者などがそこに登録された物件情報を確認し、入居希望者に紹介するという流れだ。

nimominは2017年2月よりベータ版の運用を開始。これまで限られた業者(物件)向けに需要検証を起こってきたが、それが終了し、一般公開することとなった。リリース時点では20の業者が同サービスを利用する予定だという。

matsuri technologiesはプレスリリースのなかで、東京・大阪・福岡・北海道・沖縄を中心に民泊などの用途で利用可能な「1000以上の物件登録を予定している」とコメントしている。なお、同社は2018年5月に数億円の資金調達も実施している。

荷物預かりサービス「ecbo cloak」が大手百貨店と初提携、西武渋谷店でサービス開始

荷物預かりサービスの「ecbo cloak」を提供するecboは3月8日、大手百貨店グループの「そごう・西武」と提携したと発表した。西武渋谷店の1階案内カウンターでecbo cloakが利用可能になる。同社にとって、東京の大手百貨店と手を組むのがこれがはじめてのことだ。

観光客も多い東京の百貨店に行くと、旅行用の大きなバッグを持ちながら買い物をする人を見かける。コインロッカーなどはあるが、荷物のサイズが大きすぎてロッカーに入らなかったり、そもそも空いているコインロッカーを見つけにくいなどの問題がある。ecbo cloakによれば、「渋谷駅のコインロッカーの総数は約1400個、うち大型のスーツケースが入るものはたったの約90個と、荷物を預けられる場所の不足が課題」といい、百貨店と手を組んでサービスを提供することで、百貨店を利用する人々の荷物の預け場所不足を解決する。

ecbo cloakはこれまでに駅や店舗などと提携して、それらがもつ遊休スペースをecboユーザーの荷物預かりスペースとして利用するサービスを展開してきた。ユーザーはサービスを通して荷物を預けられる場所を簡単に検索、予約することができ、スペースを貸し出す店舗は遊休スペースを貸し出すことで収益を得ることが可能だ。

ecbo cloakはJR各社などビッグプレイヤーなどとの連携を急速に進めており、現在の導入店舗数は1000箇所以上。東京をはじめ、福岡など日本の主要都市で利用できる。西武渋谷店でのサービス開始は3月11日を予定しており、バッグサイズであれば300円、スーツケースサイズであれば600円で営業時間中(平日10:00〜20:00、日曜日10:00〜19:00)いつでも荷物を預けることが可能だ。

Airbnbに対するパリ市の訴えを棄却、IDのない無登録物件リストについて

パリの裁判所は、Airbnbを相手取ったパリ市の訴えを棄却したとLe Monde(ル・モンド)紙が報じた。2月にパリ市は1010軒の無登録物件についてAirbnbに対し訴えを起こしていた。市長室によると、Airbnbはパリの規則を遵守していなかった。

パリ市は、パリの住宅マーケットへのAirbnbの影響を抑制しようと努めてきた。パリは世界中で最もAirbnbの宿が展開されている都市の一つだ。数年前、多くの人が従来のやり方でアパートの部屋を貸し出すのをやめ、代わりにAirbnbで貸すようになった。その結果、パリの一部の平均賃貸料金は上昇した。

パリ市長Anne Hidalgo氏はAirbnbをすべて禁止したくはなかった。その代わりに市側は、貸主がアパートの部屋を何日間Airbnbのリストに載せて貸し出しているか市が追跡できるよう、貸主にID番号を取得するよう呼びかけた。規則では年間120日以上部屋を貸し出すことはできない。

しかしリストに掲載されている多くの物件はID番号を取得していない。市長室はこうした事態に対応していないAirbnbにも責任があるとして注意を促していた。


しかし裁判所は、ID番号のないこうしたアパートがいつもAirbnbで利用可能であることを示すのにスクリーンショットは十分な証拠となはならないと指摘した。こうしたアパートのいくつかは、年間の利用可能日が120日より少ないと考えられる。

係争は終わっておらず、今回は略式判決にすぎない。しかし、訴訟はAirbnbに是正を促すのに十分ではないようだ。

イメージクレジット: Thomas Trutschel

原文へ 翻訳:Mizoguchi)