Dropbox Businessのアドミンダッシュボードがデザイン一新、時間制限など機能を増強

Dropboxは消費者市場でスタートしたが、最近では企業ユーザーにとって使いやすいサービスにするための多大なる努力を傾注している。今やDropbox Businessのユーザー企業は20万社を超え、彼らはそのクラウドストレージサービスの上で社員たちが機密性のあるファイルや情報にアクセスするときのための、より高度でより細かい管理機能とセキュリティをますます求めるようになっている。

今日(米国時間6/13)同社は、アドミンダッシュボード上の機能をさらに増やした。それは同社の、AdminXイニシアチブと呼ばれる大きなプロジェクトの一環だ。このプロジェクトは、アドミンのユーザー体験の向上が目的で、社員のアカウントを作ったり、誰は何にアクセスできる/できないといった細かいコントロールするのが彼らの日常の仕事だ。

最初に同社は、アドミンコンソールのデザインを一新して、シンプルで使いやすくした。その単純さは消費者体験に近いものになり、しかし同時に企業が求める堅牢さとセキュリティを確保した。

またWeb上の(各人の)セッションコントロールにより、ログインしてファイルにアクセスしている時間に制限を設けられるようにした。またアドミンは、一部のチームに対してサブドメインの検証ができるようになった。特定のアカウントやユーザーをサブドメインの下に置くと、企業のDropboxアカウントにアクセスしてよい/いけない人を細かく管理できる。

パスワードの作り方やアップデートの仕方にも、改良を加えた。これからは、ユーザーがパスワードを作ったり変えたりするたびにその“強度”を評価し、弱いパスワードを使わないよう勧めることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、10ドル/月のiCloud容量を倍増、2TBに――家族共有も追加

AppleはiCloudのストレージ容量を料金据え置きで2倍にした。今回のWWDCデベロッパー・カンファレンスでは大量の発表があったために重要な情報がいくつか埋もれてしまった。これもその一つだ。AppleはiCloudの料金体系を変更し、月額9.99ドルのプランの契約者に対し従来の2倍の容量を提供する。この容量は写真、ビデオ、音楽、バックアップ、その他多様に利用できる。

現在月額9.99ドルで提供されているのは1TBだが、これが2TBとなった。

Appleが発表した料金表によれば、6月5日以前に1TBのプランを契約した場合、容量は自動的にアップグレードされて2TBとなる。

残念ながらAppleは安いプランや新規ユーザー向け無料プランのオンライン・ストレージ容量は変更しなかった。

ユーザーがiCloudにサインアップした場合に自動的に付与される無料ストレージはわずか5GBのままだ。iCloudの有料プランでは従来どおり月額0.99ドルの50GBプラン、月額2.99ドルの200GBプランが引き続き利用できる。

ただし、Appleの追加発表によれば、 月額2.99ドル、9.99ドルのプランのiCloud契約者に提供されるサービスは拡充された。

200GBまたは2TBのiCloud契約者はストレージを家族と共有できることになった。これは人数の多い家族にとって非常に有利となるだろう。これまでユーザーは家族であっても個別にiCloudプランの契約を行う必要があった。

ただし家族共有はiOS 11及びmacOS High Sierraで可能となる。どちらも一般公開はこの秋の予定だ。しかし月額10ドルで2TBのプランは今日(米国時間6/6)から現行のデバイスおよびOS上で利用可能となっている。

〔日本版〕Appleの日本サイトのiCloudの料金表は現在(6/7)「2TB:¥2500」のままだが、英語版では「2TB: ¥1300」に改定ずみとなっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IBMの研究者たちが1個の原子に情報を長時間保存することに成功

コンピュータの基本的なコンポーネントは、おなじみのニュートン物理学の世界の境界を乗り越えるほどに小さくなってきている。そして1平方インチに1兆ビットを超える情報を収めるようなハードドライブ以上に、その密度と精密さを表すことのできる場所はないだろう。しかしこの度IBMが、単一の原子にデータを読み書きすることによって、その壁を乗り越えた。

この進歩は、現段階では実用的というよりも象徴的意味合いが大きい。しかし現在の最先端技術によるものよりも遥かに小さな、実際に動作する原子データストレージの例は、もはやサイエンス・フィクションの世界だ。

原子は、いまさら聞いて驚くことはないと思うが、私たちが確実に操作することができて、安定して存在することを期待できる、物質を構成する最小の単位だ。光子との絡み合いに関する興味深い実験もあるが、それは安定せず扱い難い。目を離した隙に光の速度で飛び去ってしまわないものに期待したほうが良いだろう。なお 以前発表された原子ストレージ技術は、原子の中にデータを格納していた訳ではなく、読み取り可能な形に原子を配置する技術だった(もちろん今でも凄い技術であることには変わりない)。

このことは個別の原子を、0または1として扱うことが次の主要な段階であることを意味する。これによって、遥かに大きな容量増加が達成され、技術者と物理学者への新たな挑戦課題が提示されることになる。本日(米国時間3月8日) Nature に発表されたIBMの実験は、真の原子ストレージを理論世界から現実世界へと連れ出した。

動作原理は以下のようなものだ:1つのホルミウム原子(多くの不対電子を持つ大きな原子だ)が酸化マグネシウムの台の上に置かれている。この構成では、原子は磁気双安定性と呼ばれる性質を持つ。異なるスピンを持つ2つの安定した磁気状態を持つ(と、とりあえずここでは理解して欲しい)。

この研究では走査型トンネル顕微鏡(scanning tunneling microscope=STM。これもまたIBMによって1980年代に発明された)を用いて、150ミリボルトの電圧と10マイクロアンベアの電流を原子に適用する。この大きな電子の流入によって、ホロニウムのスピン状態が切り替わる。2つの状態は異なる導電率プロファイルを有するため、STMチップは、原子がどちらの状態であるのかを、低い電圧(約75ミリボルト)をかけてその抵抗値を測定することで判定することができる。

原子の磁気状態が確かに変化していて、それが単なる干渉またはSTMの電気嵐からの影響ではないことを確認するために、研究者たちはその側に鉄原子を配置した。近隣の磁気の影響を受けるこの原子は、ホルミウム原子とは独立の状態にあることが検出された。このことは、この実験が単一の原子内に、間接的に検出することができる、永続的に保存された磁気状態を生み出したことを証明している。

ということで、私たちは0または1に相当するものを保存するために用いることのできる原子を手にしたのだ。実験者たちはそれを2つ作成し、それぞれを独立に動作させて4つのバイナリの組み合わせ状態(00,01,10,11)を生み出した。記事の要約はこのようにまとめられている:

独立した読み書きを実証するために、われわれは原子サイズの2つのホルミウムビットを作成し、そこに4つの可能な状態を書き込み、磁気抵抗として、また電子スピン共鳴を使って遠隔から、その状態を読み出した。電気読み出しと書き込みと合わせられた、高い磁気的安定性は、単一原子による磁気メモリが実際に可能であることを示している。

私はアルマデンにあるIBMの研究施設の、ナノサイエンス研究者であるChris Lutzと、論文の著者の1人に、どういうきっかけで原子が最終的にスピンを失うのかを尋ねた。

「知る限り、私たちの実験時間よりも長持ちしています。少なくとも数時間ですね」と彼は電子メールで返信した。「原子が加熱されるに従って、私たちはそれらが勝手に反転を始めると考えています。熱エネルギーが、状態間のエネルギー障壁の多くの部分を占めるためです。実用的なメモリーへ利用するためには、複数の原子を結合させたり、個々の原子のさらに革新的な利用法を探求して、この障壁を高める必要があります」。

彼らがアイデアの実用化のために単一原子ではなく、分子を考えていることが、幾分あなたの熱狂を醒めさせてしまうとしても、心配は無用だ。2016年の実験では、わずか直径5ナノメートルの磁性粒子を使い1平方インチ換算で1テラ(兆)ビットを超える情報が保持された。

ホルミウム原子の直径は約200ピコメートルだ、その磁性粒子上に端から端に25個並べることができる。まあもし原子に「端」があると言えるなら、だが。もちろん、これはそのようなものよりも遥かに複雑だ。しかし何でも格納できる極小のものがある、という事実は変わらない。これら2つを貼り合わせても事態は大きく変わらない。

「私たちは、他の要素の原子、原子のクラスター、そして小さな分子を磁気ビットの候補として探求する予定です」とLutzは書いている。

こうしたものの1つが、あなたのラップトップに搭載されるにはまだまだ長い時間がかかるだろう。この装置はまだ実験室仕様であり、超低温と超精密機器を必要とする。しかし、そうだとしても興奮しないわけにはいかないだろう。しかし、この底の下に更に掘り下げる余地は残されているのだろうか?

(日本版:ホルミウム原子を使った情報保持の先駆的実験は、東大の宮町俊生によっても、2013年に報告されている。「原子1個に情報は記録できるか? ―従来の原子磁石の約10億倍の情報保持時間を観測―」 【PDF】なおこの時の保持時間は10分ほどであり、報告は Nature オンライン版にも掲載された)

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(翻訳:Sako)

AWSのSnowball Edgeは100TBのストレージとコンピューティング機能を提供する

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Amazonのストレージ・コンテナSnowballは広い層に利用されている。同社の今日のre:inventカンファレンスでは、そのメジャーアップデートが発表された。同じ日にあのとんでもない化け物AWS Snowmobileが発表されて、影が薄くなってしまったが、Snowballではコンピューティングの機能に加えて、ストレージを100テラバイトまで増設できる。

今回のアップデートで提供されるSnowball Edgeでは、各デバイスから直接に、データに対する基本的なアナリシスができる。これは、リアルタイムのインサイト(洞察)が必要とされる現場作業にとって、理想的だ。昨年のモデルと同じく、満杯になったデータを直接AWSのデータセンターに送って利用できる。

AWSを仕切っているAndy Jassyによると、たとえばGeneral Electricは、同社のウィンドファームでコンピュテーション機能を利用している。そのウィンドファームでは各タービンのリアルタイムデータを集めて、異状を分析する。クラウドをフルに利用できない船舶や航空機でも、集めたリアルタイムデータに対し、同じことができる。そういうところでは、インサイトに加えてデータのセキュアなバックアップも要請される。

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Snowball Edgeでは万全のセキュリティのために、データを三種類の方法で暗号化する。またクラスタリング機能により、ひとつのエンドポイントに複数のデバイスが接続し、アクセスできる。サポートはS3やNFSのエンドポイントからの、データ保存とアクセスに対しても適用される。接続性が改善されたため、100TBのデータ転送が19時間で終わる。

EdgeはPythonで書かれたAWSのLambdaファンクションをサポートする。このファンクションに関しては課金の計画がないが、デバイス本体は利用料金が300ドルだ。これは、10日で完了するデータ転送の料金である。それを過ぎると、1台一日あたり30ドルが追加課金される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AWSがストレージの料金を値下げ、コールドストレージはデータ取り出しに新たなオプションを提供

Perito Moreno Glacier

Amazon Web Services(AWS)が今日(米国時間11/22)、一部のストレージサービスの大幅値下げを発表した。また、コールドストレージサービスGlacierを利用するデベロッパーのために、新しい機能をいくつかローンチした。

新しい料金のうち、デベロッパーにとっていちばん気になるのはS3だろう。それはAWSのメインのクラウドストレージサービスだが、これまでの6種に代わって0-50TB; 50-500 TB; 500+TBの3種になる。そして多くのリージョンにおいてS3の料金は、約20%下がる。

AWSのコールドストレージサービスGlacierは、あまり使わないデータを安全に保存しておくための場所だが、こちらはさらに大幅な値下げが行われる。すなわちNorthern Virginia, Oregon, Ireland(アイルランド)の三つのリージョンでは、データ1GBあたり月額0.004ドルとなり、従来より43%の値下げだ。

Glacierのユーザーにとってもっと重要なのは、二つの新しいデータ取り出しオプションが加わったことだ。Glacierのセットアップは時間がかかるので、ユーザーはデータをすぐにダウンロードできない。それがコールドストレージの安い理由でもあるのだが、ユーザーはまさに“コールドな”ストレージとしてしか使えない。そこでAmazonは今度の新しい二つのオプションのひとつにより、特別料金でデータを早く取り出せるようにした。新しいオプションのもうひとつは、Glacierのデフォルトである3〜5時間より遅くてよければ、同じ料金でもっと多くのデータを保存できる。

最初の‘迅速(expedited)’オプションは、保存が1GBあたり0.03ドル、データ取り出し一回あたり0.01ドル払うと、1〜5分でダウンロードできるようになる。AWSによると、このオプションを有効に使えるのはGlacierに100TB以上のデータがあるユーザー、そのほかのユーザーにとっては従来からあるS3 Infrequent Access storageの方が良い、ということだ。Glacierのデフォルトの標準リクエスト料金は1GBあたり0.01ドル、1000リクエストあたり0.050ドルだ。

AWSは何でも分かりにくいが、この迅速取り出しには実はタイプが二つある。オンデマンドと、配備済み(provisioned)取り出しだ。オンデマンドは、上に述べたルールの方式だ。そして配備済み取り出しは、1ユニット100ドルで、毎5分間に3回までの迅速取り出しを、最大150MB/秒のスループットで行える。事前配備をしてない場合は、迅速取り出しはそのキャパシティがあるときのみ、リクエストに応じる。

Glacierからのデータ取り出しの時間が気にならないユーザーには、新たに‘バルクオプション’というものがある。それは時間が5〜12時間かかるが、費用は1GBあたり0.0025ドル、1000リクエストあたり0.025ドルだ。

これらの新し取り出しオプションを、GoogleのColdlineストレージサービスと比べるとどうだろう? こちらは、1GBあたり月額0.007ドルで保存、取り出しは1GBあたり0.05ドルだ。一部のリージョンではAWSの新しい料金体系より高いが、Googleの場合はデータへのアクセスが多くの場合リアルタイムだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropbox Businessが企業ユーザーのためのセキュリティを多面的に強化、ソフトウェア管理のオンプレミス並を目指してSymantecとパートナー

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最近のDropboxは、同社のDropbox Businessプロダクトに力を入れていて、今日は同社の企業向け製品を大企業によりアッピールするための広範なアップデートの一環として、セキュリティベンダSymantecとのパートナーシップを発表した。

Dropboxの企業プロダクト担当部長Rob Baesmanによると、今回アドミンツールをアップデートする理由は、ユーザーに一定のコントロール能力を提供するとともに、企業が今すでに使っているセキュリティツールを併用できるようにするためだ。しかも全体の使い勝手は、Dropboxの消費者製品並に使いやすいものでなければならない。

Dropboxがその企業用バージョンをローンチした2014年には、すでに消費者ユーザーが2億7500万いた。今では全ユーザー5億のうち、20万が企業顧客だ。もちろん企業プロダクトをローンチするときも、消費者間における人気をうまく利用するつもりだったのだが、しかし実際にはいろんな問題にぶつかった。

企業のIT部門の多くが、Dropboxの消費者製品はセキュリティに問題がある、と見ていた。彼らは、社員たちが自分個人のアカウントで会社の仕事をシェアすることを嫌った。一方社員たちは、会社にいないときにはもっと簡単に素早くファイルにアクセスしたい、と願っていた。モバイル化がどんどん進んでいる中で、楽に仕事をしたいという彼らの願望を非難するのは無理だ。

企業世界に商機あり、と見たDropboxは、Dropbox Businessを立ち上げた。今日(米国時間11/16)の発表はそのプロダクトのさらなる成熟を表すもので、とくに、パートナーシップとより高度な管理機能によって、Dropbox BusinessをITにとってより魅力的な製品にしようとしている。彼らIT部門が、会社におけるDropboxの利用を強力に制御し、管理するためのツールを、提供するのだ。

今のDropboxは30以上のセキュリティ関連パートナーシップを結んでおり、それらは、データ喪失防止(data loss prevention,DLP)や、エンタープライズモバイル管理(enterprise mobility management, EMM), アイデンティティとアクセスの管理、データの移行(マイグレーション)、eDiscoveryとアナリティクスなど、多岐にわたる。それらの中で今日とくにスポットライトを当てたのがSymantecで、Symantecの企業顧客担当VP Peter Doggartを講演者として招いたほどだ。

Symantecとのパートナーシップは、エンタプライズ顧客がDropbox Businessを安全に使えるようにするとともに、クラウド上のソフトウェアに対するコントロールを、これまでの自社のオンプレミスソフトウェアに対するのと同じぐらいに厳しくするためだ。“長年オンプレミスのDLPを使ってきた顧客は、それとまったく同じポリシーをDropboxに対して適用して、クラウド/オンプレミスの統合を真に強力かつ堅牢にしたいのだ”、とDoggartは説明する。

また、Dropbox自身のネットワークアドミンツールも強化され、企業のネットワークの上でDropboxの企業トラフィックと個人トラフィックを厳密に区別し、管理できるようになった。また、社員による公私混用を認めない企業では、そういう設定もできる。

このようにDropboxは、企業のIT部門の心をつかもうと努力している。20万社の企業顧客は、数として多いように見えるが、しかし5億の消費者ユーザーに比べると大海の一滴だ。今日のようなセキュリティ強化策の発表は、同社が企業分野でのプレゼンスを、もっともっと大きくしていきたいという、願いと努力の表れだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

メモリ中心型の分散ストレージでビッグデータのワークロードを超高速化するAlluxioが本番稼働を開始

BIERE, GERMANY - JULY 01: Close-up of cables and LED lights in the new data center of T-Systems, a subsidiary of Deutsche Telekom AG on July 01, 2014, in Biere, Germany. T-Systems is the largest German and one of the largest European IT services companies. (Photo by Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images)

大規模なストレージサービスをハードディスクではなく主にメモリで提供するAlluxio(元Tachyon)が、Andreessen HorowitzらによるシリーズAのラウンドで750万ドルを調達した。そして今日(米国時間10/26)同社は、その、オープンソースでメモリ中心型分散ストレージプラットホームのベータを終えて、初めての商用製品ローンチした

Alluxioが企業に提供するソリューションは、大量データの統一化によるアクセスの高速化、データストアの安定性、そして堅牢・安全性の実現だ。今、多くの企業が抱える膨大な量のデータは、社内のさまざまなストレージシステムや、ときには外部クラウドにも、ばらばらに保存されている。有意なデータ分析ができるためには、それらのすべてにアクセスしなければならないが、その無計画な、分散というより散乱散在状態では、高速なアクセスと分析はほとんど不可能である。

Haoyuan Liが創業したAlluxioは、SparkやMapReduceなど既存の優れたコンピュートフレームワークを活用して(下図)、それらすべてのデータを単一のネームスペース(名前空間)のもとに一本化し、データの散乱を単一の分散ストレージシステムに変貌させる。そのストレージのアーキテクチャは層状(三層構造)であり、とくに、利用頻度の高いデータはコンピューターのメモリに収める。それらに次ぐ利用頻度のデータはSSD、そしてその他は従来的なハードディスクに収容する。いわばAlluxioは、ビッグデータワークロードのための、きわめて高度なキャッシュシステムだ、と考えられる。

このソフトウェアは最初、UC BerkeleyのAMPlabで開発され、ファイルシステムはHadoopと互換性がある。多くの(ときには何千台もの)マシンに分散している大量のデータを保存するための、今や標準的な方法が、Hadoopのファイルだからだ。

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今日Alluxioがベータを終了してローンチするソフトウェアには、Enterprise EditionとCommunity Editionのニ種類がある。オープンソースのプロジェクトの多くがそうであるように、Alluxioも有料サポートや高度な特殊機能が収益源だ。Alluxioのエンタープライズプロダクトの場合は、高可用性が得られるセットアップ、セキュリティ、データのレプリケーションなどがそれだ。

Community Editionは無料で利用できるが、このバージョンも証明されテストされ、さまざまなファイルシステムに対応している(Amazon S3, Google Cloud Storage, OpenStack Swift, Red Hat Ceph, Huawei FusionStorageなどなど)。またコンピュテーションフレームワークとしては、Apache Spark, Apache Hadoop, Apache MapReduceなどが使える。AlluxioのWebインタフェイスからサービスを管理できる点も、Enterprise Editionと変わらない。Community Editionにないものは、有料サポートのほかに、レプリケーションとケルベロス認証だ。

ユーザーには、Alibaba, Baidu, Barclay’s Bank, CERN, Huawei, Intelなどが顔を連ねる。たとえばBaiduの場合は、あちこちのデータセンターに散在していた数ペタバイトのデータに対する対話的なアドホッククエリのパフォーマンスが、Alluxioの技術により、従来の15分から30秒に改善された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのCloud Platformにやっと本物のコールドストレージサービスが登場、ストレージ種別は計4種に

Toy Polar bears in freezer

今日(米国時間10/20)ロンドンで行われたイベントで、Googleは同社のクラウドストレージサービスの、二つのアップデートを発表した。中でもいちばん重要なのは、アーカイブ目的のコールドストレージColdlineのローンチだが、ほかにRegionalストレージというサービスも発表された。そして従来のStandardストレージは、“Multi-Region”と名前を変えた(下図)。

すでにGoogle Cloud Storageをお使いの方は、コールドストレージサービスの新たなローンチに驚かれたかもしれない。Googleはすでに、Nearlineという名前で、アーカイブ用ないし災害時復旧用のきわめて安価なサービスを提供しているではないか。ローンチしたときのNearlineは、AmazonのGlacier(氷河)とよく似ていて、きわめて安いストレージサービスだけど、ただしレイテンシ(遅れ)はかなりあるぞ、というサービスだった。でも今年ベータを終えたNearlineは、速度もまあまあになった。3秒から5秒程度のレイテンシはなくなり、データへのアクセスはリアルタイムだ。

今度新設されたColdlineは、これまでNearlineが担っていた、遅れはあるけど安い、という本来のコールドストレージを、あらためて提供する。Coldlineのストレージは月額料金が1ギガバイトあたり0.007ドル(0.7セント)、データの取り出しは1ギガバイトあたり0.05 ドル(5セント)だ。Nearlineの保存料金は月額0.01ドル(1セント)になる。あまり差はないように感じるかもしれないが、膨大な量のデータを保存する場合には、けっこう大きな違いになる。

Googleのスポークスパーソンによると、Coldlineのレイテンシは同社のそのほかのストレージ種別と同じく低い。“Nearlineの低レイテンシが好評だったので、Coldlineの設計でもその特性を重視せざるを得なかった”、そうだ。

Coldlineは、GoogleのSwitch and Save(乗り換えて節約しよう)プログラムに含まれている。企業がこの企画に乗ってデータをGoogle Cloudへ移行すると、100ペタバイトまでは月額のストレージ料金が無料になる。

今回のアップデートで、高速で可用性の高い“standard”ストレージサービスが“multi-regional”と名前を変え、その下に、やや低価格の“regional”サービスが新たに加わる(下図)。

multi-regionalはその名のとおり、冗長性が複数リージョンにまたがる可用性の高いストレージ種別で、あるリージョンがダウンしても、データへのリクエストは別のリージョンへルートされる。その点ではこれまでのStandardストレージサービスと同じだが、multi-regionではその拠点位置がアメリカ、アジア、ヨーロッパの三つになる。

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画像提供: Google

つまり既存のStandardストレージで、上記三つの位置のどれかに該当するストレージは、黙っていてもMulti-Regionalに変換され、GoogleのSLAによるとデータの99.95%の可用性が約束される。

そして新たに設けられたRegionalストレージサービスでは、データが単一のリージョンに保存され、SLAによる可用性の約束は99.9%となり、Multi-Regionalよりもやや低い。しかし計算処理とそのためのデータがつねにお互いに至近にあるようなワークロードでは、このやや安いストレージサービスで十分だろう。

ちょっとややこしいのは、既存のDurable Reduced Availability(DRA)ストレージ種別がなくなることだ。それはRegionalにリプレースされるが、しかし既存のDRAユーザーにはサポートが継続する。同社としては、ユーザーのほとんどがRegionalに移行してくれることが望ましいのだ。

以上がGoogleのクラウドストレージの新しい顔ぶれだ。名前が変わっただけ、というものもあるが、総じて今度からは名が体を表しているから、ユーザーにとっても分かりやすいし選びやすいだろう。唯一の新顔のColdlineは、Google Cloud Platform上の初めての本物のコールドストレージサービスだ。それに対して従来からあるNearlineは主に、バックアップやロングテールのコンテンツ*用に使われるだろう。〔*: long-tail content, 種類が非常に多く、個々のアクセス頻度が低いコンテンツ。〕

〔訳注: コールドストレージの“コールド”の本来の意味は、電源が入ってなくて“冷たい”、と言う意味。すなわち、“非常設の”アーカイブ的ストレージ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleのクラウドデータベースサービスのすべてがベータを終了、SLA完備、関連ストレージサービスも高速化

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Googleが今日、同社のCloud Platformに関するいくつかの発表を行った。その多くは各種のクラウドデータベースに関するものだが、同時に、コールドデータのための安価なクラウドストレージサービスNearlineのアップデートや、ディスクボリュームの高速化、Cloud Storageでユーザー自身の暗号鍵が使えること、などに関する発表も行われた。

全体としてGoogleが訴えたいのは、同社のクラウドコンピューティングサービスが、プロダクション用途に十分使えるほど成熟している、ということだ。

データベースに関するビッグニュースは、Googleのクラウドデータベースサービスのすべてが今やベータを終えたことだ。たとえばクラウド上で容易に利用でき管理もできるMySQLデータベースCloud SQL第二世代バージョンも、9か月のベータを終了して一般公開される。

NoSQLデータベースのCloud Bigtableは、非常に大規模なデータ分析と実動負荷を誇っているが、これもやはり、今日から一般供用される。

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またWebアプリケーションやモバイルアプリから便利に使えるNoSQLデータベースGoogle Cloud DatastoreのAPIも、ベータを終えた。データベース本体はかなり前から一般供用されていたが、デベロッパーはそれを、Google App Engineの一部としてしか使えなかった。でもAPIが使えるようになると、App Engineの外のアプリケーションでもこのデータベースを使える。同社によると、今ではSnapchatなども使っているCloud Datastoreは、毎月1兆リクエストを処理している。

Googleによれば、これらのデータベースサービスにはベータの期間中にいろんな機能を加えてきたが、今現在でユーザーにとって一番重要なのはSLAが提供されたことだろう。たとえばCloud Datastoreは、SLAにより99.95%の月間アップタイムを保証している。

Microsoftの旗艦的データベースサーバーをGoogle Cloudで使いたい人のために、同社はライセンス込みのSQL Serverイメージを提供している(今ベータ中)。既存のライセンスを、そのまま使うこともできる。ただしSQL Serverのイメージを動かすとGoogleの通常のインスタンス使用以上の費用が発生する。それはSQL Server Standardでは1コア1時間あたり$0.1645、SQL Server Webでは$0.011だが、SQL Server Expressは無料だ。

SQL Serverをクラウドで使うならMicrosoftのクラウドを使うのがベスト、という話になりそうだが、しかしGoogleとしては、エンタープライズユーザーを既存のアプリケーションとワークロード込みで同陣営に鞍替えさせるために、このオプションが欠かせないのだ。しかも今や、エンタープライズ顧客のあいだでは、GoogleのクラウドよりもMicrosoftのクラウドサービスの方が人気がある。

なお、ストレージに関する今日の発表では、コールドデータ用の安価なストレージサービスNearlineが速くなった。NearlineはAmazonのGlacier〔氷河!〕ストレージなどと競合するが、低価格と引き換えに可利用性の保証が低い。これまでのNearlineユーザーは、データアクセスにおいて3〜5秒のレイテンシー(遅れ)を我慢しなければならなかったが、これからは、(Googleのスポークスパーソンによると)“ほとんどリアルタイムだ”そうだ。

GoogleのPersistent Diskボリュームも速くなり、最大リード/ライト(IOPS
)が15000から25000にアップした。データベースアプリケーションだけでなく、そのほかのデータの保存にも便利である。

Googleの今日の発表声明文によると、“Google Cloud Platformをみなさまのエンタープライズデータベースワークロードのための最良のパブリッククラウドにしていくための、従来からの弊社の一貫して多大なる献身の継続において、本日は特別に大きな里程標が刻まれたことになります”、だそうだ。Googleが同社のCloud Platformに関してきわめて真剣であることの、証拠はすでに出揃っていると思うが、それでもまだ不満な人は、今日の発表の内容を見るべきかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropboxが企業ユーザーにアドミンツールAdminXを提供、ファイルだけでなくいずれデバイスの管理も

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5億のユーザーがいるクラウドストレージ企業Dropboxは、利益を上げIPOが近まるにつれて、儲けの源泉である企業市場のための機能を徐々に増やしてきた。

今日(米国時間7/27)そのDropboxが、企業ユーザーのITアドミンたちのためのダッシュボード、AdminXを披露した。Dropbox Businessのユーザーはおよそ20万社いるが、そこのアドミンたちがこのダッシュボードを使って、会社のファイルやそのユーザーをより適切に管理できるようになる。

同時にまた同社は、ベーシックなストレージ以上のサービスをローンチすべく、準備を進めている。まず、AdminXのコンソールに近くモバイルデバイスの管理機能が加わる。そうするとアドミンは、Dropboxのファイルだけでなく、デバイスも管理できるようになる。

しかも今は、2017年の後半…つまりほぼ1年後…に同社がIPOする、という説が情報筋から入ってくる。この件は、Dropboxに問い合わせるとノーコメントだ。

DropboxによるとAdminXは、1年前に社内で芽生え、育ってきた企画だ。そしてその動機は、単純だ。そもそもDropbox Businessには、最初からアドミンツールがあるのに、あまり使う人がいない。そこで同社は、消費者向けサービスでユーザーインタフェイスとして提供しているWebページに着目し、それをもっと直観的でもっと単純なインタフェイスへと改作した(下図)。

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  2. 2-add-groups-to-team-folder.png

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  5. 5-manage-sync-settings-at-scale.png

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その機能としては、まずフォルダのデザインが個人用、チーム用、大組織用で区別される。そしていずれも、パーミッションの粒度がより細かくなり、それをAdminXから管理できる。ファイルのシンクのためのコントロールも、より強化された。アドミンは、ローカルにシンクされるファイルと、そうでないファイルを区別できる。ローカルなら、どのデバイスならファイルを書き換えてもよいか、ということが決まる。また、使用するディスクスペースも管理できる。

ファイルのイベントロギング(ログ取り)が加わり、アドミンはどのファイルに誰が何をしているか、したか、よく分かるようになった。

DropboxのプロマネのトップRobert Baesmanによると、近く実装されるモバイルデバイスの管理機能により、アドミンはシンクするデバイスの数を制限できるようになり、アクセスを保護できるが、そのローンチは今年の晩(おそ)い時期だそうだ。それはDropboxの内製だが、企業がほかのモバイルデバイス管理ツールを使っている場合、必ずしもそれらと競合したり、それらをリプレースするものではない、という。

Baesman曰く: “この分野はあまり競合がないからね。うちはパートナーとの関係が緊密だから日常的によく分かるんだけど、彼らの方が自分の企業のための正しいツールをよく知っている。ほかのユーザーも、自分たちに合った独自のソリューションを使っていただきたいと思うけど、しかしそこまでの余裕のない顧客もいる。弊社の顧客はきわめて多様だから、ニーズもさまざまで、彼らに合ったユーティリティをうちが提供しなければいけない部分もあるのだ”。

Dropbox Businessの料金は、5ユーザー月額75ドルからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropboxがクラウド上のファイルを(クラウドにあるままで)ローカルファイルと同列に扱えるサービスProject Infiniteを発表

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Dropboxの、というかすべてのクラウドストレージの問題点は、ローカルドライブ上におけるクラウドストレージのビューの実装だ。ローカルのファイル管理ツールでクラウドのファイルシステムにアクセスしたければ、それが自分のドライブ上に文字通り保存されていなければならない。これではそもそも、ストレージがクラウドにあるという考えそのものが裏切られる。ハードディスクの容量が小さい人は、物理的にも困る。

あるいは、Dropbox.comを開いて別のインタフェイスでファイルにアクセスする方法もあるが、これはほとんどの人が嫌いだ。

Dropboxは、この状況を変えようとしている。

今日(米国時間4/26)ロンドンで行われたDropbox Openカンファレンスで同社は、ファイルがどこにあっても(クラウド、ネットワークドライブ、ローカルドライブ、等)、それらにローカルアクセスできるProject Infiniteと名付けたシステムを、企業顧客向けに発表した。つまり、WindowsのExplorerやOSXのFinderを開くと、Dropboxのすべてのファイルにまるでローカルファイルのようにアクセスできるが、ファイルはユーザーのドライブに保存する必要がない。

Project InfiniteのドライブInfinite Driveは、従来のローカルファイルシステムと同じくシステム全体を視野とするが、ファイルがクラウドにあればクラウドのアイコンが付き、ユーザーのハードディスク上にあってクラウド上にバックアップがあれば、グリーンのチェックマークが付く(下図)。こうして、クラウド上のファイルをローカルファイルのように管理できるが、ユーザーのドライブ上のスペースは専有しない。これまでとは、大きな違いだ。

Dropbox Project Infinite in Mac Finder.

写真提供: Dropbox.

 

Project Infiniteは実際にはinfinite(無限)ではないが、でもユーザーの物理ドライブとDropboxのクラウドストレージの両方をシームレスにカバーする層を提供する。自分のハードディスクに収まりきれないほど大量のコンテンツがあれば、それらをクラウド上のフォルダに入れておいて、必要なものだけをダウンロードすればよい。それでも、そのフォルダの構造は無傷で維持される。ファイルそのものは、ローカルでもDropboxでも、どこにあってもよいのだから。

Dropboxによる今日のProject Infiniteのプレビューの発表では、一般公開の日程が明言されなかった。ぼくと同様、いいなぁと思った読者も、しばし待たなければならない。したがって料金についてもまだ不明だし、最終的には消費者にも可利用になるのか、その点も不明だ。

プレビューではなく、一般公開バージョンが出るころには、これらの疑問への答も提供されるだろう。Dropboxがクラウドストレージの大きな問題のひとつを解決したことは確かだし、それは、そろそろ出てもよいタイミングだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoftがファイルストレージ技術の特許をGoProにライセンス提供…株価は敏感に反応

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Microsoftが今日(米国時間2/5)、同社のMicrosoft Licensing LLCGoProが、“特定のファイルストレージとそのほかのシステム技術”に関して協働的な特許ライセンス契約を結んだ、と発表した

Microsoft Technology Licensingの社長Nick Psyhogeosが、今日の極端に短い発表声明の中でこう述べている: “GoProとのこの合意は、特許契約によって非常に幅広い技術共有が可能になることを示している。パーソナルなウェアラブルの技術をMicrosoftがライセンスするのは、目の前に大きな需要があるからであり、そのために弊社はあらゆる業界の企業とパートナーして、彼らの世界中の顧客のためのソリューションの、最適化を図っていきたい”。

契約の条件は公表されず、MicrosoftからもGoProからも、この基本的な声明文以上の詳細は共有されていない。たとえば、具体的にどのパテントのことかも、明らかでない。

ただしMicrosoft Licensingはかねてから、exFATファイルシステムを、ライセンス可の技術として明示的に挙げているので、今回の合意の中身はこれかもしれない。このファイルシステムを使うと、32GBから256TBまでのストレージメディア上により大きなファイルを保存できる。GoProの最新機種では、最大128GBまでのSDカードを使える。それより大きなカードのためには、GoProはすでにexFATフォーマットを使っているが、64GB以下の小さなものでは古くからのFATフォーマットを使用している。ただしFAT32のディスクでは最大ファイルサイズが4GBなので、ファイルを分割して保存する。

Microsoftに今回の契約に関する詳細情報を求めたが、同社は礼儀正しく断った。“プレスリリースあるもの以上に共有できるものはございません”、と言って。

詳細情報がないにもかかわらず、株式市場は今日の発表にきわめてポジティブに反応した。GoProは時間外取引で5%以上上げたが、今週発表された決算報告がアナリストの期待を裏切るものだったために下がった10%を、回復するほどではなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

苦闘中のDropbox、Mailboxを来年2月、Carouselを3月に閉鎖―生産性ツール開発に全力

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ファイルのクラウド・ストレージを提供して4億人のユーザーを集めているDropboxだが、どうやら100億ドルの評価額を維持するのに苦闘しているようだ。 投資家メディアが見守る中、同社はビジネスのいくつかを閉鎖して運営の効率化を図る模様だ。DropboxはメールサービスのMailboxと写真共有サービスのCarouselを閉鎖することが明らかになった。

情報源によると、同社はコアビジネスに資源を集中し、 Paper(プライベート・ベータ中)などのようなビジネスに役立つ生産性ツールの開発に全力を挙げるということだ。

Mailboxは2016年2月26日、Carouselは3月31日にサービスを停止するという情報を得た。 Carouselの閉鎖が遅れるのは、ディスク容量の節約、写真共有など機能の一部をDropbox本体に移す作業があるためだという。DropboxではMailboxのユーザーをGmailにスムーズに移行させる計画なので、実害は出ないだろう。

われわれはこの情報を会社にごく近い筋から得た。またMailboxのアカウントはあちこちで閉鎖されている。Dropboxもついに今日(米国時間12/7)の同社のブログ記事で閉鎖を認めた。.

Dropboxの共同ファウンダー、Drew HoustonとArash Ferdowsiはブログ記事で「CarouselとMailboxにさようなら」という記事で、「これは容易な決断ではなかった。しかしここ数ヶ月、われわれのチームは…共同作業ツールの開発に次第に重心を移してきた。こうした状況に照らして、われわれはCarouselとMailboxを閉鎖するという困難な決定に達した」と書いている。

しかし今日になってもDropboxのサポート担当者はユーザー向けに「まだ何も決定されていない」というメッセージを送っている。

多数の問い合わせに感謝します。長期間にわたりアップデートが行われないことに不満を感じることは理解できます。しかしMailboxは放棄されたわけではなく、ユーザーにとって最良の方向が検討される間、開発は続けられています。…ただし正確なそのロードマップについては私自身、まったく知らないためお知らせできません。

Mailboxは7月からまったくアップデートされていない。Dropboxのユーザー・フォーラムには多数の質問がユーザーから寄せられているがほとんどは回答がない。Carouselは9月にマイナー・アップデートが行われているが、2014年のリリース以来、機能の実態はほとんど変わっていない。

アプリの調査と分析を提供するApp Annieによれば、両アプリともリリース以後、長期的に維持可能と思われる数のユーザーを獲得できていない。 アメリカのiTuneストアの「生産性アプリ」部門でMailboxは現在233位だ。Carousel同じく写真部門で271位だという。【略】

両サービスとも残念な結末ということになりそうだ。Mailboxが2013年にスタートしたときにはメディアで大評判となったものだ。ひとつには当初提供されるアカウントの数が少なく、待機リストに載ったユーザーが正式アカウントを入手しようと大騒ぎしたせいでもある。当時として、Mailboxアプリはシンプルでよくできたインターフェイスを備えていた。

一方、Carouselはいくつかのスタートアップを買収した結果生まれたサービスで、やはり当初は有望なモバイル写真アプリとみられていた。Mailboxの共同ファウンダー、Gentry Underwoodは早い時期にDropboxを離れている。もう一人の共同ファ、Scott Cannonは短期のアドバイザーとしてDropboxに残っている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonが容量無制限のクラウドストレージを5ドルで提供、ただし今の契約年だけかもしれない

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【抄訳】
ブラックフライデーの商戦でWebの上でもあちこちでディープなディスカウントが行われているが、Amazonも今回、非っ常に分かりやすい値引きを開始した。同社のクラウドストレージの料金が使用量無制限で5ドルになるのだ。通常ならそれは年額60ドルだから、92%の値引きである。

そのねらいは、AmazonのCloud Driveサービスの販売促進だ。これはDropboxやGoogle Drive、MicrosoftのOneDriveなどなどと競合するサービスで、文書も音楽も写真もビデオもなんでも保存できて、Webからアクセスできる。Cloud Driveのモバイルアプリを使えば、スマートフォンやタブレットからでも。

でも、あなたがAmazonのプライム会員で、Cloud Driveを写真のバックアップだけに使うのなら、プライムの会員特典として無料かつ容量無制限だから、今回の5ドルの販促企画に乗る必要はない。

嬉しいことにこの5ドルという料金は、これから新たにCloud Driveのユーザになる人だけでなく、既存のユーザにも適用される。5ドルに対する既存料金の返金は、これまで使った日割り計算で行われる。

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ただしこの5ドル無制限は、ある日、幸せな夢のように覚めるだろう。つまりAmazon Cloud Driveは年会費制だから、契約を次の年に更新するときには正価を払うことになる(そのときAmazonがこの企画を継続しなければ)。だから、今の契約年だけでもよいから、大きなストレージを安く使いたい、という人にしか、この企画のメリットはないと思われる。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

巨大企業が支配するストレージ市場に参入したPure Storageの戦略とは…ストレージのド素人を雇うことだった

[筆者: Elisa Schreiber, John Colgrove, John Hayes]

2009年に創業されたPure Storageは、EMCやHPなどの既存勢力が30年以上も支配してきた業界に参入した。協同ファウンダのJohn “Coz” ColgroveとJohn Hayesは、既存の大企業と競合して負けないためには、まったく新しいやり方のストレージ企業を作らなければならない、と承知していた。

そのためにCozとHayesは、ストレージの既成概念にとらわれないゼロからのスタートが必要だ、と考えた。彼らはストレージに関して経験のない消費者企業の技術者を数名雇用し、彼らがどんなやり方をするか見守った。Cozは語る、“やり方を知らない仕事を任せられたら、人はなんとかして自分なりのやり方を見つけようとする。ほかの人たちがどうやってるか、なんてどうでもいいんだ”。彼らが作ったチームは、スキルも、物づくりに対する考え方も、さまざまな人たちの集まりだった。

事業をスケールするために助けが必要になったとき二人は、彼らがどんなリーダーを求めているのかを考えた。“名ばかりのトップは要らなかった”、とCozは回想する。彼らが求めたのは、いろんな人がその人を慕ってくるような人物で、自分たちの既存の企業文化との相性も良く、そして製品に貢献できるような人だった。そして、ビジネスの洞察力と技術力を兼ね備えた人物として、Scott Deitzenを迎えた。

同社は今も成長が続いているが、CozとHayesはチームのイノベーション意欲が衰えないことを求めている。従来のR&D部門や“部外秘”プロジェクトなどと違ってPure Storageには“スタートアップの中のスタートアップ”があり、そこが最初からエンドユーザのユースケースを想定しながら新製品を開発している。“純粋な”研究プロジェクト、というものはない。開発チームはメインのプロダクトチームと一緒になってイノベーションを継続し、その成果を現製品と開発製品に反映している。“イノベーションは製造ラインの上で生まれる、がうちの哲学だ”、とHayesは語る。

〔訳注: 筆者三名の経歴等は原文を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

バックアップサービスのBackblazeがAmazon S3の1/4の料金でクラウドストレージサービスを立ち上げ

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Backblazeは消費者向けと企業向けのバックアップサービスでよく知られており、そのサービスのために同社が買うハードディスクの台数も話題になった。しかし今日同社は、これまでとはやや毛色の違うサービスBackblaze B2の非公開ベータを立ち上げた。それはAmazon S3や、あるいはMicrosoft AzureとGoogleのCloud Platformなどと価格で競合するクラウドストレージサービスだ。

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2007年にローンチして今では利益も出ている同社は、150ペタバイト相当のバックアップデータと1000万を超えるファイルをそのサーバ上に保存している。同社の協同ファウンダでCEOのGleb Budmanによると、そもそもBackblazeが独自のストレージサービスを始めたのも、当時自己資本のみの同社にとって既存のサービスが高すぎたためだ。

“これまでは毎年、時間と労力の90%がクラウドストレージの構築に投じられ、フロントエンドはわずか10%だった”。と彼は語る。そして、きわめて安定したバックエンドを持つようになった同社は、多くのユーザから、バックアップを預けるだけでなく、S3のようなAPIでそのバックエンドに自分で直接アクセスしたい、という要望が寄せられるようになった。

Budmanによると、Backblazeの技術者たちは一年がかりで、その要望に応えるためのソフトウェアを構築した。最初の頃は、わずかな数の社員たちが日々の成長への対応に追われていたから、こんな余技はまったく不可能だっただろう。でも今では、既存勢力と価格や可用性で十分勝負できるB2Bプロダクトを作れる、という気持になっている。

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Backblazeのサービスの料金は、AWSのとても遅いコールドストレージサービスAmazon Glacierの半額、通常のS3サービスの1/4だ。Budmanも、デベロッパがS3からBackblazeに乗り換えるとしたら、その動機は価格だ、と認める。彼によると、“ストレージが高すぎるために存在できないユースケースがいろいろある”、という。たとえばデータを世界各地に分散させて保存したいが、それをAWSだけでやろうとすると、自分で工夫してやる場合の倍の費用がかかるだろう。Backblazeの低料金なら、データの冗長コピーをAmazonに払う場合の15%の料金(約1/6弱)で保存できる。

当面Backblaze B2のユーザは、画像やビデオ、大量のドキュメントなどのデータを保存するだろうが、Budmanは、いずれ膨大な量の研究データなども保存されるようになる、と展望している。

Backblaze B2には無料プランもある(ストレージ10GBまで、読み出し1GB/日、書き込み帯域は無制限)。デベロッパにはAPIとコマンドラインインタフェイスが提供されるが、一般人のためのWebインタフェイスもある。

今はまだ非公開ベータだが、登録はここでできる。一般公開は今年の終わりごろの予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft AzureがVMを値下げ、新たに高速大容量ストレージ併設のGSシリーズVMを提供開始

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Microsoftが今日(米国時間9/2)、同社のAzureクラウドコンピューティングサービスの二つのアップデートを発表した。ひとつはパフォーマンスが最適化されるGクラスのVMに新しいタイプを導入、もうひとつは計算力に重点を置くDクラスVMを値下げしたことだ。

GクラスVMはAzureクラウド上のもっともハイエンドのマシンで、したがって料金ももっとも高い。Windowsが動き、最高月額は7180ドルにもなる。今度からこのGクラスのマシンに、高仕様ストレージを伴うGSというタイプが新たに導入され、そのストレージの最大仕様は64TB、毎秒80000I/O、最大スループットが2000MB/sとなる。

これまでのGシリーズと新しいGSシリーズはともに、VMが帯域20Gbpsのネットワーキングをサポートする。そのスループットは、競合他社の倍、だそうだ。

担当マネージャCorey Sandersによると、この有料ストレージオプションを導入したのは、顧客の要望による。Gシリーズのユーザは、大きなデータベースを必要とすることが多いのだ。

“そういうワークロードが増えているから、ストレージのスループットの増大を求める声が頻繁に聞かれるようになった”、と彼は語る。彼によると、GSシリーズのVMはMySQLやMicrosoftのSQL Serverなどだけでなく、MongoDBのようなNoSQLデータベースも高いスループットで利用できる。

Sandersによると、Azureの顧客の一部はデータウェアハウスや、あるいはExchange、Dynamicsのようなエンタプライズアプリケーションを稼働するためにこれらのマシンに着目している。

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今回のアップデートでMicrosoftは、DシリーズVMの最大27%の値下げを行う。このVMはWebアプリケーションのフロントエンドや、メインのデータ処理/供給層で使われることが多い。Sandersが説明する値下げの動機は、このDシリーズをいわば、Azure利用の入り口と位置づけ、今後なお一層のユーザ増を図りたいためだ。値下げは、10月1日から有効となる。

さらに今後Azureから、メッセージングサービスService Busを利用できるようになり、より高いアップタイムと、より予測可能なパフォーマンスが約束され、VMの診断能力も提供される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ファイルシステムのないオブジェクトストレージのためのKineticハードディスクをLinux Foundationのもとで共同開発へ

2年前にSeagateが、アプリケーションがハードディスクに直接、Ethernetで接続して、キー-ヴァリューペア(key-value pair)のデータでオブジェクトを保存する、という新しい技術発表した。これによりファイルシステムやファイルサーバのオーバヘッドがなくなるため、一台のハードディスクに大量のデータを詰め込めるし、I/Oの速度も上がる。その後SeagateはOpenStackのオブジェクトストレージSwiftとRiakのためにこの技術によるディスクを作り、最近ではToshibaが、同じ技術によるハードディスクを発表した。

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そしてこのたび、ハードディスクの大手三社(Seagate、Toshiba、Western Digital)とCisco、Cleversafe、Dell、DigitalSense、NetApp、Open vStorage、Red Hat、およびScalityらがLinux Foundationと合同で、SeagateがKinectと名づけたこのタイプのハードディスクを共同で開発していくことになった。

そのKinect Open Storage Projectが、Linux Foundation Collaborative ProjectによるKinectディスクの開発を支えていくことになる。その目標は、“次世代の、Ethernetを利用するストレージデバイスによる、オープンソースのオブジェクトストレージを提供すること”、となっている。

このプロジェクトは、Ethernetによる通信と、ディスク上のキー-ヴァリューストア(store, 保存〕技術を組み合わせたものだ。プロジェクトは、APIと、オープンソースのライブラリと、これらKinectベースのディスクとインタフェイスするためのシミュレータを管理する。

SeagateはこのKinectプロジェクトを立ち上げたときに、ファイルをベースとする古いシステムは、オブジェクトベースのシステムに急速に置き換えられていく。とくに、データセンターにおいて、と主張した。

同社はこう言う: “新しいパラダイムはオブジェクト指向である。画像も、ムービーも、eコマースもWebのデータも、検索もゲームも、そしてそれらすべてのアーカイブもオブジェクトであり、その多くが非定型データから成り、書き込まれたり読み出されたり削除されたりするが、決して変更はされない。したがってそれらは、キー-ヴァリューストアの理想的な候補だ”。

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Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinは、Kinectプロジェクトはオープンソースプロジェクトの教科書的な例だ、と言う。パートナーたちは全員、互いにコンペティタだが、ソフトウェアではなくハードウェアで競合する。そしてソフトウェアベンダのメンバーたちが、ハードウェアを管理するための共通のツールをオープンソースで提供していく。

“もしもこのプロジェクトを単一の企業が運営していたら、ある時点でガラスの天井にぶつかっただろう”、と彼は言う。しかもZemlinによれば、必要なソフトウェアの量は、とうてい一社で書けるような量ではない。今回、グループでパートナーになっている各社は、プロジェクトを管理するための中立的なプレーヤーと、一堂に集まってプロジェクトに投資していくための場を必要とする。そしてこの二つをLinux FoundationのCollaborative Projectsが体現し、この形は、近々に、この種のオープンソースプロジェクトのスタンダードになっていくだろう、とZemlinは述べる。

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GoogleのコールドデータストレージサービスNearlineが一般公開へ、高速なオンデマンドI/Oも提供

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今年の早い時期にGoogleは、ローコストのコールドストレージサービスNearlineを発表し、そして今日ついにそのベータが終わって一般公開にこぎつけた。競合製品、たとえばAmazon Glacierは、コールドストレージのデータにアクセスするのに数時間もかかることがあるが、Googleはこのアーカイブのデータを数秒で利用できる、と約束している。

Nearlineは今やGoogleの公式のプロダクトとしてSLAもあり、99%のアップタイムをGoogleは約束している。Google Compute Engineの99.95%に比べると低いが、アップタイムがやや低く、レイテンシーもかなりあることは、低コスト化の必然的な結果だ。でもそれが動くインフラストラクチャは、Googleのそのほかのクラウドコンピューティングサービスが使っているものと同じであり、しかもGoogleの標準のクラウドストレージサービスに比べると半分以下の料金だ。

今日(米国時間7/23)のローンチとともに、新しい機能も加わった。中でも重要なのは、オンデマンドI/Oだ。通常でもNearlineのデータは4MB/秒でリードできるが、このオンデマンドならバーストだ。なおこの新機能は、ローンチ後3か月は無料だ。

Googleは今日、Cloud Storage Transfer Service(前の名前はGCS Online Cloud Importサービス)も一般公開した。このサービスを使うと、AmazonのS3やそのほかのHTTP/HTTPSサーバからデータを容易に、GoogleのストレージサービスやNearline用のTCO計算機へインポートできる。だからサービスのコストも、把握しやすくなる(AWSなどに比べると)。

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他社からの移行促進策としてGoogleは、データを競合サービスからNearlineに移したユーザには100ペタバイトのNearlineクレジットを提供している。100ペタバイトというと、ほどんど底なしのような量だが、潜在ユーザに強い印象を与えることは、できるだろう。ただし対象ユーザは、GoogleのCloud Platformの新規ユーザでなければならず、しかも最初の1ヶ月だけだ。“1PB以上のデータを他社からNearlineへ移行させた者には、もっと多くの月を与える”、という副則もある。ただしその1PBは、最初の3ヶ月のあと、1年以上Nearline上に保持しなければならない。

100PBは一種の宣伝材料でもあるが、なにしろGoogleは企業に本気で、コールドデータ(長期保存データ)をNealineに入れて欲しい、と願っているのだ。安いし、パフォーマンスも良いよ、と。

ただし大量のデータの移動は、ヘタにやると混乱してしまうから、GoogleはActifio、Unitrends、Pixit Media、CloudBerry Backup、Filepickerなどのサービスとパートナーして、データの移行を行うユーザ企業をお助けするつもりだ。

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“部屋を片付けられない病”ならぬ“データを片付けられない病”になりつつある現代企業を救うKomprise…ストレージとデータ管理のスケーリングを自動化/効率化

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大量のデータを保存することには、費用が伴う。正しい情報管理の方法を実践していない企業では、その費用も大きい。しかしここでご紹介するKompriseは、企業が抱えるビッグデータをすっきりと分かりやすく整理して、余計なストレージ費用が発生しないようにする。

サンフランシスコ生まれのKompriseは今ベータを準備中で、最近600万ドルのシリーズAをCanaan Partnersから調達したばかりだ。その同社のサービスとは、データの保存と組織化と分析を、オンプレミスのサーバやクラウドにおいて、高い費用効率で自動化することだ。新たな資金は、陣容の増員に充てられる。〔Kompise→comprise→すべての部分要素から全体を構成すること。〕

同社のファウンダはCEOがKumar Goswami、COOがKrishna Subramanian、そしてCTOがMichael Peercyだが、彼らにとってKompriseは三つめのスタートアップだ。その前の仮想デスクトップサービスKavizaは2011年にCitrixに買収された

Subramanianは曰く、“前の二つのビジネスは、データに関して企業が抱える別の問題に焦点を当てていた。最初のスタートアップは営業のためのファイル共有アプリケーションだったし、その次のは、仮想デスクトップで高価なSAN(storage area network)を使わずに済ませるサービスだった”。

“それらを通じて顧客から学んだのは、データに関して今日の彼らが抱える最大の問題が、日々のデータの増加量が、かつてなかったほどにすさまじく多いことだ”。

そのため今では、企業の年間のIT予算の1/4が、ストレージとデータ管理に充てられている。しかも、それらのデータの多くが、各担当部署で蛸壺(たこつぼ)入りしているだけで、まったく活用されていない。…Kompriseのファウンダたちは、そんな状況を至るところで見た。

そこでKompriseが考えたのが、オンプレミスのサーバの容量をクラウド上のストレージで拡張する、というソリューションだ。それによってかえって、必要なデータへのアクセスやデータの管理が容易になる、と彼らは展望した。

CTOのPeercyによると、“Kompriseを使えば企業は最大で70%のコスト削減を図り、しかも効率をアップできる。またDevOpsチームのある企業では、新しいアプリケーションをクラウドで動かしたいが必要なデータはオンプレミスにある、という状況を改善できる。Kompriseのサービスにより、データの保存と管理が自動化そして効率化され、つねに必要なところにデータがあるという状態を実現できる”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa