ユーグレナなど3社、研究開発型ベンチャー支援で20億円規模の新ファンドを設立

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東大発バイオベンチャーのユーグレナがSMBC日興証券、リバネスと組んで「次世代日本先端技術育成ファンド」(通称:リアルテック育成ファンド)を設立した。ファンド規模は当初20億円。上記3社に加えて日本たばこ産業、三井不動産、吉野家ホールディングス、ロート製薬、鐘通が出資者として参加している。今後も参加企業を増やして2015年内に50億円以上を目指すという。多数の大手企業を巻き込むことで、「ヒト、モノ、資金」の面で総合的に支援するプログラムを開始する。各参加企業は資金のみではなく、経営ノウハウや施設・設備の提供、共同での研究や事業開発も実施していくという。

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ユーグレナといえば、社名ともなっている微生物「ミドリムシ」(学名:ユーグレナ)の屋外大量培養に成功したことで業績を伸ばしているバイオ系ベンチャー企業だ。2012年に東証マザーズに上場し、2014年12月には東証一部に市場変更となっている。ミドリムシというと「虫」を思い浮かべる人もいるかもしれないが、実際には光合成を行う藻類で、食糧問題や環境・エネルギー問題を解決するポテンシャルがあるとユーグレナは言っていて、ミドリムシ燃料でジェット機が飛ぶ日を目指している。

今回のファンド設立で音頭を取ったのはユーグレナだが、SMBC日興証券は研究開発型ベンチャー企業の上場支援の実績を持っていて、志が一致したんだとか。またリバネスはといえば、理系修士号・博士号取得者のみで運営されている科学教育などで知れる企業で、これまでにも研究開発型ベンチャー企業の育成プラットフォーム「TECH PLANTER」を提供してきた経緯があるという。

ユーグレナは第1回日本ベンチャー大賞の内閣総理大臣賞を受賞するなど注目度は高く、その分、技術者やベンチャー企業からの相談や出資依頼が多く集まるようになっていたそうだ。自分たちの経験からも企業連携によるベンチャー企業支援の体制構築の必要性を感じていた、という。

また、日本の研究開発系ベンチャー企業が海外企業に買われることで日本発の技術が海外に流出してしまうことへの危機感もあった、という。TechCrunchのメールでの取材に対してユーグレナ自身は具体的社名などは出さなかったが、Googleに買収された東大発ベンチャーのSchaftなどが念頭にあったのかもしれない。

ところで「リアルテック」は耳慣れない用語だが、ロボティクスやバイオ、IoT、アグリ、エネルギーなどのネットだけに完結しない技術分野を指すそう。こうした研究開発型ベンチャーは技術開発や事業化に時間とコストがかかる。国内でも近年、ネット系のVCは数が増えてきたし、IoTを標榜するVCも登場してきているが、大学発の研究開発の世界とは距離があった感は否めないと思う。大企業を辞める理由があまりない人材の流動性が低い日本では、リスクを取ってイノベーションを推し進めるスタートアップのようなチームと、大企業が共同で事業や価値を作っていく「オープンイノベーション」が必要だという声はよく聞くし、そうした活動や、それを支援する政策も増えているように思う。今回のファンドはベンチャー投資促進税制を利用している。これは投資額の80%までを損金算入することで法人税の対象から除外する制度だ。

各社の主な役割は以下の通り。

ユーグレナ:バイオ、アグリ領域における共同研究、事業化支援
SMBC日興証券:上場準備体制構築、大企業連携・紹介支援
リバネス:「TECH PLANTER」を活用した科学技術の発掘と研究者の育成、創業支援ならびにシード・アーリーステージのベンチャー企業を対象とした育成プログラムの提供
日本たばこ産業:ヘルスケア分野等の研究・ベンチャー企業の支援
三井不動産:研究開発拠点、オフィス等のファシリティ支援
吉野家HD:飲食業への展開や農業、畜産技術に関するノウハウ支援
ロート製薬:医薬品やヘルスケア領域における共同研究、ノウハウ支援
鐘通:研究開発型ベンチャー企業の製品販売などを通じた支援

C Channelは「女の子の自己表現の場」になる? 森川氏とアソビシステム中川氏

左から渡辺氏、森川氏、中川氏、AMIAYAの2人

 

LINEの元代表取締役社長CEOである森川亮氏が4月10日、スマートデバイス向けの動画プラットフォーム「C Channel」を立ち上げた。その詳細や、森川氏の想いについてはこちらの記事を参考にして欲しいのだけれど、今度は福岡で開催中の「B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka」のセッションの様子をご紹介する。

「LINE元社長が仕掛ける次のビジネス」と題したセッションに登壇したのは、森川氏とアソビシステム代表取締役社長の中川悠介氏。さらにクリッパー(後述)としてC Channelで活躍する双子のモデル・アーティストの「AMIAYA」がゲストとして参加した。モデレーターはB Dash Venturesの渡辺洋行氏が務めた。

C Channelは、クリッパーと呼ぶ約100人のタレントやモデルらが、ファッションやフード、トラベルといった情報を、プロが1分間に編集した動画で配信するプラットフォームだ。例えばAMIAYAの動画のサンプルは、「焼き鳥の「すみれ」でSMILE」や「桜満開の目黒川を散策♪」で見れる。

個別に取材したときにも言っていたのだが、C Channelのイメージは「ケーブルテレビが生まれたときのMTV」なのだそう。アーティストのPV自体を自分たちで作るわけではないが、自分たちでも一部のコンテンツを作ったり、強いブランドを作っていくということだ。

森川氏はスマートデバイス向けのブランド広告について強調していたが、すでに今日になって出稿希望の企業から大量に問い合わせが来ているのだそう。ただ、「大事なのは最初から儲けることではなく、まずはブランドを作ること。(出稿を)お断りしながらでも価値を高めていく」(森川氏)と語る。

C Channelに出資するほか、事業でも協力体制を作る中川氏は、今回の取り組みの背景として、「やはり今は個人がメディアになる時代。テレビや雑誌も重要なメディアだが、動画を通してモデル1人1人がメディアになる。Instagramなどを通して世界に出て行きやすい」という状況を説明する。実際、今時のタレントは自ら動画を編集し、発信している人も多いのだそう。

女の子の自己表現の場として期待

アソビシステムのタレントたちにC Channelはどのように見えているのか。中川氏は「自分で動画をアップしている子は、自分で撮り方を勉強しながら撮るし、プロが撮る場合であっても、いろんな意味で自己表現力が広がっていく」と語る。

実際、女子高生が自分で動画を撮影し、編集まで30分ほどでやってしまうなんてこともあるそう。森川氏も中川氏も「撮影からアップまでのスピードが大事」ということを語る。

クリッパーを務めるAMIAYAの2人も「リアルな女の子の『近い感じ』を見れるのは嬉しいと思う。今は自分を自分でプロデュースする時代。新しい自己表現の場所ができて嬉しい」「日本の女の子の『カワイイ』の引き出しはたくさんある。日本だけでなく海外にもファッションやスタイルを発信していきたい」なんて語っていた。

 

放送用などプロ級のビデオエディティングを完全にクラウド化するAframeが急成長

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クラウド上のビデオプロダクションプラットホーム、ロンドンのAframeは、Avidなどの大手に挑戦する存在だが、ファウンダのDavid Petoはこれを第一歩として、将来的にはプロ級の総合的なビデオ編集スタジオをクラウドから提供したいという大きな夢を抱(いだ)いている。

Octopus InvestmentsとEden Ventures、およびNorthstar Venturesが投資している同社は、Adobeの’Adobe Anywhere’プラットホームを利用して放送局向けのビデオプロダクションやそのほかのコンテンツ製作者たちに、大規模なビデオプロジェクトをリモートからセキュアに編集できる能力を提供している。クラウド化のメリットは言うまでもなく、物理的なインフラや機器類への高価な投資が、最小限ですむことだ。

Petoは語る、“Aframeは急成長している。うちのことを一言で説明するなら、ビデオのためのクラウド上のオペレーティングシステムだ。どんなニーズのある、そして今どんな制作段階にあるプロジェクトでも、うちを利用するとワンストップショップ的に何でも必要なことができる。すべての解像度に対応するビデオエディットは、これまでどこにもできなかったのだ”。

それができるようになったのは、Adobe AnywhereやそのPremiere Proビデオエディティングソフトウェアと、Aframeのプライベートクラウドサービスの組み合わせによる。

“AdobeがAnywhereを見せてくれたのは4年前だが、それは高解像度のビデオをふつうのブロードバンドでユーザのラップトップ上のAdobe Premiereにストリーミングできる初めてのシステムだった。しかしそのためには、ラインの向こう側にサーバが必要だった。そこでぼくは考えた: Anywhereをクラウド化して提供すればいいじゃないか、と”。

その結果今では、世界中のどこにいても、HDクラスのビデオエディットをクラウドでできるようになった。Aframeのクラウドプラットホームに収めたビデオプロジェクトがラップトップ上のAdobeのエディットソフトウェアに、まるでそこらのストレージから来たもののように現れる。そういう高いビットレートのストリームを生成するのが、AnywhereのMercury Engineだ。

Petoは曰く、“ビデオをアップロードしたらそれは、誰かがそれを視るまでずっとクラウド上に居る。局やスタジオなどのローカルには、何もない”。

いわばテレビ放送やビデオプロダクションの物理的なバックエンドがすべてクラウド化され、エディティングからリビューまでのすべての工程がその環境で行われる。パブリッシュ(放送、ストリーミング、…)も、そこから行える。ファイルをAサーバからBサーバへ、ローカル(リモート)からリモート(ローカル)へなど、移動する必要がなくなる。しかも、放送用ともなると、ビデオファイルのサイズは数百ギガバイトにもなる。

Aframeの売上の70%は合衆国からだ。本社はロンドンだが、チームはボストンとニューヨークとロサンゼルスにいて、FOXやA&E、VICE Media、 Voltage Pictures(Dallas Buyers Clubのメーカー)などの顧客に対応している。“テレビをつけたら、その放送はAframeで作られた番組だった、という時代になるかもね”、とPetoは大げさに言う。

2012年の4月にAframeは、シリーズAで700万ドルを調達し、総調達額は約1000万ドルになった。しかし今同社は、また新たな資金調達を準備中だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWSは開発者に未来を予測する機械学習ツールを提供する

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今日サンフランシスコで開催されたAWS SummitでAmazon Web ServiceのシニアヴァイスプレジデントであるAndy Jassyは、新しい機械学習のプラットフォームを発表した。

Amazon Machine Learning サービスでは、機械学習のバックグラウンドのない開発者でも、スマートなデータ駆動型アプリを制作できるツールを提供する。このツールを使えば、リアルタイムで起きていることや過去に起きたことの分析だけでなく、このサービスの一番の特徴である、将来何が起きるかの予測までできる。

今までもNetflixのような企業は、AWSのツールを使用して機械学習を取り入れてきた。だが、Jassyが言うように機械学習は一筋縄ではいかない仕事だった。そこでAWSは機械学習の専門的な知識がない人でも機械学習を取り入れることができるツールの開発を考えた。

AWSには既に多くのツールがあるが、今回の機械学習ツールはAmazon.comが何年にも渡って、様々な機械学習に取り組んできた経験に根ざしている。レコメンデーションエンジンなどは、この技術の初期の形と言える。レコメンデーションエンジンを購入して気に入ったのなら、この機械学習ツールも気に入るだろう。

データが世界を回す

Amazon Machine Learning three basic steps.

AWSのMatt Wood博士は、何の担当の開発者であろうと、データを扱う機会が増えていると指摘した。一般的には既に起きたことを分析したり、リアルタイムで行われていることを分析するのだが、本当の価値は今あるデータに対して必要な答えを引き出す質問ができた時に生まれる。

例えば、データからeコマースで悪意のある行為の特定やユーザーが現在見ているものから、次にそのユーザーが見たいと思うものが何かを割り出すということだ。

ユーザーの行動を予測するには、統計分析、モデル構築、データクレンジングなど、多様な専門性が必要であるとAWSは知っていた。それに留まらず、どのように適切な予測を算出するかを考え、様々なデータの量に応じたデータの取り込みとスケーリングの問題も解決しなければならない。

Amazonの目的はその一連の流れを簡潔にすることだ。開発者が、簡単に妥当なモデルを構築し、時には何万、何億にも及ぶ予測データをリアルタイムで算出できるようにする。それがAmazon Machine Leaningが目指している所だ。

新しいツールを活用するための3つの基本ステップは以下の通りだ。

  1. Amazon S3 かRedshiftでモデルを構築する
  2. モデルの妥当性を確かめ、最適化していく
  3. 磨いたモデルを用いて、バッチで予測していく

プラットフォームの有用性をテスト

新しいプラットフォームを検証するため、Amazonはいくつかの実験を行った。まず二人の開発者に対し、ユーザーの性別の特定の正確性を増す課題を与えた。ユーザーの性別を知ることはAmazon.comのレコメンド機能の改善につながるのだが、現行のシステムでの性別予測の正確性は65%しかなかった。専門知識のない二人の開発者はこの問題に取り組み、予測の正確性を45日で65%から92%まで押し上げた。

今度は別の開発者がAmazon Machine Learningを使用して同じ課題に挑んだ。Jassyは、その開発者は20分で先の開発者と同じ92%の正確性を実現することができたと報告した。

このケースで注意してほしいのは、モデルは既に作られていて、その妥当性も検証されていたかもしれないということだ。ただし重要なのは、このようなツールを使用することで、欲しい解答を導き出す時間を大幅に削減できたということだ。

この分野には他にも競合がいる。Azureは2月に独自の機械学習ツールをローンチしたばかりだ。IBMは先月AlchemyAPIを買収 したことから、Watsonの機械学習の強化を進めているだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook

住まいのコミュニティサイト・米国Houzzが日本上陸、iemoとは何が違う?

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リフォームをしたい人と住まいの専門家をつなげる米国のコミュニティサイト「Houzz」が日本に上陸。4月9日にサイトをオープンした。同サイトは専門家が投稿したインテリアやエクステリア、住空間の写真を閲覧して、自分の気に入ったものを保存したり、それらを元に専門家に発注できるのが特徴。写真は600万点以上にのぼり、世界最大のデータベースであるとHouzzは謳っている。

もともとは創業者のアディ・タタルコ氏が個人プロジェクトとして立ち上げたサイトから始まった。同氏は2006年にパロアルトに中古住宅を購入し、後にリフォームしようと計画していたが、予想以上に住宅の設計やデザインに関する情報が世の中には少なかったという。

「建築業者の評判を知るには友人からの口コミを頼るしかなかった。適切な情報を得るのに苦労し、かなりの予算と時間をかけたが、最終的に満足できる結果は得られなかった」と振り返る。そこで自らコミュニティサイトを立ち上げ、広く建築関係の専門家に関する情報を募ったのだという。

Houzz創業者のアディ・タタルコ氏

Houzz創業者のアディ・タタルコ氏

スタート時のユーザーはタタルコ氏夫婦2人、子どもの学校の家庭が20組ほど。パロアルト在住の設計士が数人いた程度だった。それにもかかわらず、サイトは「自律的、有機的に成長した」とタタルコ氏。少しずつ米国の他の都市にも拡大し、さまざまな業界、例えば造園業者の間にも浸透するなど、個人では管理しきれないほどスケールしたそうだ。

現在では毎月2500万人のユーザーがHouzzを利用しているという。そのうち住まいの専門家は約70万人。彼らがお互いにコラボレーションし、どうやったら自分の家がより住みやすくできるか相談できるコミュニティになっている。

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アジア最初のオフィスとして日本を選んだ理由

驚いたことにHouzzのユーザーは「世界のすべての国」にいるのだそうだ。国の数は195カ国ほどあるが、「文字通り“すべての国だ”」とタタルコ氏は断言した。ただし、コミュニティのローカライズは始まったばかり。2014年に米国外にも拠点を設ける方針を決定し、アジアの最初のオフィスとして日本を選んだ。

日本を選んだ理由は2つ。日本の住宅環境がHouzzと相性がいいというのが1つ目にある。タタルコ氏は「日本のリフォーム市場は数年前の米国に似ているし、可能性がある。課題としては空き家率の高さがある。中古住宅を改装して住みたいが、どうすればいいのか、わからない人も多い。また日本人は新築を好むが、新築に住んでも、いずれはリフォームが必要になる。そういった課題を抱えたマーケットであり、それを助けるコミュニティが求められている」と話した。

また2つ目の理由としては、グローバルのユーザーが日本の住環境に興味を持っていることがあるという。Houzzが実施した調査によれば、多くのユーザーが日本の建築、たとえば仏間や畳などについて学びたいと思っていることがわかったそうだ。「日本の住環境や文化がHouzzプラットフォームの成長を助けるものになる」とタタルコ氏は言う。

「Houzzは住宅デザインのWikipediaと表現されている。加えて、Houzzはただの情報提供ではなく、さまざまなプロフェッショナルのアイデアと知識が蓄積されており、それをコミュニティに提供できる場になっている。日本の方々が世界に発信されることも期待している」(タタルコ氏)

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Houzzは住宅デザインのWikipediaと表現されているという

 

iemoは日本市場で競合となるか

日本法人の代表は加藤愛子氏が務める。同氏はシカゴ大学経済学部を卒業後、米国投資会社ゴールドマンサックスのロンドン、および東京オフィスに勤務した経験を持つ。2011年にM.B.Aを取得後、ビューティー・トレンド・ジャパン株式会社の代表取締役に就任し、化粧品のサブスクリプションサービス「GLOSSYBOX」日本法人を成功に導いた。その後、ニューヨークを拠点にベンチャー企業の海外展開に関するコンサルティングを行い、2014年11月より現職だ。

日本の戦略を担う加藤氏に質問した。住まいに関するサイトといえばDeNAが買収したキュレーションメディア「iemo」が挙げられる。同サイトは少なからずHouzzを意識して作られたものだ。立ち上げ時にiemo代表の村田マリ氏に取材した記事では、ユーザーが投稿したコンテンツをシェアしたりコメントできるコミュニティ機能を持つプラットフォームは「海外のHouzzなどを除けばイエモのみ」と発言していた。

今後、Houzzにとってiemoは日本市場で競合となるのだろうか。加藤氏の答えはこうだ。「印象としてはかなり違うコンセプトで展開されていると思う。まず1つとして弊社としてはグローバルなプラットフォームで住宅のデザインをご紹介させていただいていて、そこから裏にいる専門家との交流の場を作っていく。専門家の方とエンドユーザーの方が同じ空間の中で共存し、いろいろなコミュニケーションを取っていただく。そういったところが大きく違うのかなと思います」

Houzz日本法人の加藤愛子氏

Houzz日本法人の加藤愛子氏

あくまで専門家とのつながりを促すグローバルなコミュニティに強みがある。Houzzに蓄積された写真や知識を記事として公開していく試みも始めている。メディアとしても人気を獲得できそうだ。

日本でのマネタイズは現段階では考えていないという。米国ではまずコミュニティを拡充し、情報を流通させ、そして最後にコマース機能で収益をあげてきた。それと同じステップを日本でも踏む。コミュニティを作り、ユーザー体験を満足いくものに仕上げ、その後にコマースのプラットフォームを構築する。

米国サイトの売上チャンネルの1つに「プロダクトマーケット」というものがある。実際に住宅業者1000社ほど参加し、そこで月間2500万ユーザーに商品を提案している。いずれ日本にも同様のマーケットを開設する方針だ。

アイスタイルとエキサイト、インキュベイトの3社、女性特化のスマホ動画広告事業に向け新会社

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僕は今B Dash Venturesが主催する招待制イベント「B Dash Camp」に参加しているのだが、初日の4月9日に最も盛り上がったセッションは動画に関するモノだった。最近では動画コミュニティのMixChannelや動画広告のFIVEの話を聞いたばかりだ。「スマートデバイス向け動画が来る」なんてのは数年前から言われていたが、やっと本格化してきたと感じる。

そんな中、アイスタイル、エキサイト、インキュベイトファンドの3社が4月10日、スマートデバイス向け動画広告の新会社「OPEN8(オープンエイト)」を設立した。代表取締役には、アイスタイル取締役兼COOの高松雄康氏が就任する。

事業展開の第1弾として、@cosmeやWoman.exciteをはじめとした女性向け有力メディアを中心とする、「女性ユーザー特化」のスマートフォン動画広告ネットワーク「VIDEO TAP」を展開する。今後は第2弾として、インキュベイトファンドとともにゲームアプリ市場向けにもサービスを展開する予定だ。

B Dash Campの会場で高松氏と、アイスタイル取締役兼CFOの菅原敬氏に少し話を聞くことができたのだが、スマートデバイス向けの広告ニーズが顕在化している一方、広告単価はまだまだ安いため、高単価で売れるサービスが求められていることから企画されたものだそう。

アドネットワークの月間ユニークユーザーは3000万人、女性比率96%以上。年齢は20代~40 代が94%となる。RTB型ではなくリザベーション型の広告で、再生回数保証。金額は300万Viewで600万円となる。

広告は、再生時に画面を大きく占有し、再生が終了すると小さなバナーに変形するというモノ。以下の動画で確認頂いた方が早いと思う。

高松氏は「テレビCMの代替となるサービスを考えている」と語っていたのだけれど、ハイファッションなどのブランドは、今あるRTB型のアドネットワークへの出稿に否定的なのだそう。VIDEO TAPはメディアを女性特化かつプレミアムなものに限定することで、配信先のターゲットを明確化することで、ブランド広告の出稿を促す。

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左からアイスタイル取締役兼COOの高松雄康氏、アイスタイル取締役兼CFOの菅原敬氏

Amazon、EC2用ファイルストレージサービス”EFS”を発表

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本日(米国時間4/9)サンフランシスコで行われたAWS Summitで、Amazonは新しいストレージサービス、Amazon Elastic File System (EFS)を発表した。AWSで複数のEC2バーチャルマシンを横断する共通ファイルシステムを、NFSv4標準プロトコルを通じて提供する。この新サービスのプレビュー版は「近い将来」公開される予定。

EFSは、標準NFSプロトコルをサポートしているため、殆どの既存ファイルシステムツールやアプリケーションで使用できる。つまりデベロッパーは、どんな標準ファイルシステムにもこれをマウントして管理することができる。

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Amazonによると、このサービスの代表的な利用形態は、コンテンツ保管庫、開発環境、ウェブファーム、ホームディレクトリー、ビッグデータ・アプリケーション等 ― 基本的に大量のファイルを扱うものなら何でも。

AmazonのAWS責任者、Andy Jassyは今日の基調講演で、同社の顧客は以前からこの種のサービスを要望していたと語った。Jassyによると、現在はファイルサーバーの容量を予測することが難しく、利用可能率や性能の管理を困難にしている。何か問題が起きればすぐに広がる、なぜなら複数のアプリケーションが同じファイルシステムを使っていることが多いからだ。

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EFSを使えば、企業はファイルシステム全体を、今AWSでオブジェクトを扱っているのと同じように管理できる。

EFSストレージはすべてSSDベースなので、スループットと遅延は問題にならないはずだ。さらにデータは、異なる有効ゾーン間で自動的に複製される。

他のAWSサービスと同じく、ユーザーは実際に使用したストレージに対してのみ料金を支払う。Amazonによると、EFSサービスの料金は、月間1GB当たり0.30ドルだ。

EFSは、Amazonの既存のファイルストレージサービスであるオブジェクトストレージのS3、ブロックストレージのElastic Block Store、およびアーカーバルストレージのGlacierを置き替える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「Amazonより速い」bento.jpが配送代行スタート、弁当の自転車デリバリー網活用で

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スマートフォンで注文してから20分以内に弁当が届くサービス「bento.jp」は、自社の自転車デリバリー網のあらゆる可能性を試そうとしている。本日、ECサイトや地域店舗の注文を最短30分で配送代行する「kaukul」(カウクル)をスタートした。配送エリアは渋谷、港、目黒、新宿、世田谷の5区。順次23区に拡大する。

ECサイトに対して、注文から最短30分から数時間以内で商品を届けることを可能にする「kaukul API」と、自社でデリバリースタッフを抱えられない小売店や飲食店に、オンデマンドデリバリー(出前代行)機能を提供する「kaukul for Stores」の2つのパッケージを用意する。

EC事業者に即配オプションを提供

kaukul API はこれまで2、3日後の配送が最短だったEC事業者が、最短30分で所定の場所に商品を届けられるようにするもの。即配のリクエストから配達状況の確認までの機能をAPIで提供する。現時点では写真入りケーキのBAKE、シャンパンを扱う「シャンデリ屋」などが導入している。

kaukul for Storesは、最短30分の即配から毎日のルート配達、来店客向けの商品持ち帰りを代行する。青果店やカフェなどが導入していて、靴とバッグの修理店「ミスターミニット」も導入する予定。ミスターミニットでは、商品を集荷して修理後に届けたり、ユーザーが店舗で預けたモノを修理後に所定の場所に届けるサービスを検討中という。

kaukul for Storesおよびkaukul APIはどちらも月額の固定費不要で、注文に応じてベントー・ドット・ジェイピーに手数料を支払う。商品に上乗せするかたちになる配送料は、各店舗とECサイトが決める。

Amazonお急ぎ便に対する優位点は?

ベントー・ドット・ジェーピーの小林篤昌社長は「Amazonより速く届く」とスピード感を強調する。

Amazonは514円で「当日お急ぎ便」(Amazonプライム会員は無料)を提供しているが、kaukulの配送料は店舗ごとに異なる。目安は「ヤマトや佐川急便の短距離と同じか、それ以下」(小林氏)。つまり756円以下ということだ。

配送料の安さではAmazonに軍配が上がるが、小林氏は「当日お急ぎ便は朝注文で夜に届けるのがメインの“半日便”。数時間以内の配送はできない」と優位性をアピールする。

オンデマンドECにはLINEが参入

1年前にbento.jpをローンチした当初から、「単なる弁当デリバリー屋にとどまるつもりはない」と語っていた小林氏。その言葉通り、これまでに期間限定ながら、オイシックスの献立セットやバリスタ世界チャンピオン「Paul Bassett」のコーヒーを販売するなど、デリバリー網の汎用性を試してきた。

今後は自転車のデリバリー網を外部に開放し、消費者が即座に購入できるオンデマンドEC事業に本格参入することとなる。同様の取り組みは、スタートアップのdely(デリー)が2014年7月に渋谷限定で開始。同年11月にはLINEが参入し、delyは翌年1月末にサービスを撤退している。

LINEは3月、150店舗以上の飲食店の料理を即時配達する「今すぐ配達」と、ユーザーの買い物を代行する「おねがいWOW」を開始し、オンデマンドEC事業に本格参入したばかり。2015年中に100事業者の導入を目指すというベントー・ドット・ジェイピーは、この市場にどう挑むのか。

Googleオンライン美術館に3Dスキャンの展示品が仲間入り

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Google Cultural Instituteは、世界中の 美術館 をオンラインライブラリーにまとめ、ユーザーに提供している。このプロジェクトではGoogleのストリートビューを用いて、美術館の館内を見て回ることができる。しかし、彫刻を含む実際の作品は高画質の写真でのみ展示されていた。Googleは今回、提携した6施設の作品300点をスキャンし、3Dでの展示を始めた。インブラウザの3Dビューワーで作品をクロースアップにして見るなど、自由自在に鑑賞することができる。

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この作品の3D展示プロジェクトには、カリフォルニア科学アカデミーThe Museo d’Arte Orientaleイスラエル博物館The Kunsthistorische Museum Viennaロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム・オブ・アート(残念ながらマイケル・ハイザー の大型作品、Levitated Massはスキャンされていなかった) とダラス美術館の6施設が参加した。

今日公開されたのはスキャンしやすい小さめの作品が多い。ここではアート作品だけを展示しているのではなく、イスラエル博物館の世界最古の仮面 やカリフォルニア科学アカデミーの動物の頭蓋骨の標本 などもある。今日のリリースで鑑賞できる作品の大部分はこのような展示物だ。私が見た限り、どの展示物もWebGLを使用しているので、プラグインがなくても閲覧することができる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook

Apple Watchではない、Apple II Watchだ

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なんと。この地では数々のクールなDIYプロジェクトを見るが、おそらくこれは私がここしばらく見た中でいちばんクールだ。

Apple Watchはもうすぐやってくる。もちろんご存じだろう ― なぜならあなたはTechCrunchを読んでいる/インターネットを使っている/石の下に住んでいない/等々。

腕に巻くもう少しユニークな何かを探していたInstructablesのユーザー、Aleator777が作った自分だけの時計のベースは、Appleのある〈古い〉商品:1977年パーソナルコンピューティングの頂点、Apple IIだ。

Apple II Watchを紹介する!

およそ1ヵ月かかったこのプロジェクトは、良くできたギークなDIYプロジクトにあるべき要素を殆ど備えている:3Dプリンティング!感動的なエンジニアリング!カスタムプログラムされたマイクロコントローラー!山ほどの技巧!

その3Dプリントされたケース(完璧な日焼けで色あせたベージュ)の中に詰め込まれているのは、Teensyマイクロコントローラー、1.8インチ液晶ディスプレイ、充電池、そして無数のビープ音を奏でる小さな2Wスピーカー。さらには、ちっちゃなフロッピードライブまで、同じくちっちゃなフロッピーを読むために付いているが、これは見るためだけのものだ。

そうそう、Apple Watchが「デジタルクラウン(竜頭)」なしではあり得ないように、これにもナビゲーションや入力のためのロータリーノブが付いている。

おそらくいちばん感動的なのは、Aleator777がこれを唯一無二の存在にするために作り方を秘密にするような真似をしていないことだ。むしろ正反対だ:彼は、ステップ・バイ・ステップ・ガイドを、自作に必要なファイルやソフトウェアと共に公開している。

Aleator777 ― マジですばらしい仕事をした。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

LINE元社長・森川氏の次なる挑戦は動画メディア——5億円を調達し、女性向けの「C Channel」で世界を視野に

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4月1日にLINEの代表取締役社長CEOの座を退いたばかりの森川亮氏。LINEを取締役COOだった出澤剛氏に託し、自身はスタートアップの起業家として新たにサービスを立ち上げる。

新会社の名称は「C Channel」。設立にあわせてアイスタイル、アソビシステムホールディングス、グリー、GMO VenturePartners、ネクシィーズ、B Dash Ventures、MAKコーポレーション、楽天などから約5億円を調達する。今後は社名と同名の動画配信プラットフォーム(同社では「動画ファッション雑誌」とうたっている)「C Channel」のベータ版を展開する。現時点ではウェブのみでのサービス提供となるが、今夏にもスマートフォンアプリも提供する予定。

C Channelでは、「クリッパー」と呼ぶ約100人のモデルやタレントが、独自の動画を配信する。動画では、「カワイイ」「クール」といった切り口で、日本のファッションやフード、トラベル情報など紹介する。動画の長さは1本1分で、1つの店舗やスポットのみを紹介。位置情報とも連携する。お気に入りのクリッパーをフォローするといった機能も備える。ターゲットにするのは10代〜30代の女性。動画は日本語のほか、英語でも提供していく。

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Pinterestライクなクリッパーページ ※クリックで拡大

動画はクリッパーの自撮り、もしくはプロのカメラマンが撮影。そのあとプロが編集している。デモ動画を見せてもらったが、1分でも情報量はそれなりにあるし、クオリティは非常に高い。

もちろんネットにもともとあるようなストリーミングの垂れ流し動画だってライブ感があって面白いのだけれども、それとはちょっと方向性が違う。テレビ番組に近いクオリティだ。

このあたりの理由を森川氏に聞いたのだけれども、C Channelには現在タレントやカメラマン、動画編集者やエンジニアなど約10人のスタッフがおり、SPA(製造から小売りまでを統合・内製)モデルでコンテンツを制作しているため、安価かつ速いスピードで高品質の動画を提供できるのだそうだ。テレビや映画など、映像制作の“職人”的な経験者も多いという。

動画はベータ版のスタート時点で100本程度を用意。今後は毎日アップデートしていく予定だ。「映像のプロとITのプロが集まっている。ちょっとやそっとじゃマネできないと思う」(森川氏)

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動画のイメージ

 

10年かけてタイム・ワーナーのような会社に

「グローバルなメディアを作りたい。マスメディアはまだまだ変わっていないので、その変化の中で大きな流れを作ることに挑戦したい。日本のメディアが海外に成功した事例はないので、10年かけてタイムワーナーのような会社を作りたい」——森川氏はC Cannelについてこう語る。

では森川氏はどうしてLINEの代表退任後のチャレンジとして動画の事業を選んだのか? 森川氏は「起業するのであれば、『自分がやるべき領域』でやろうと思った」と説明する。

新卒で日本テレビ放送網に入社し、その後ソニーを経てLINEの代表となった森川氏は、放送とネット両方のメディアを経験してきた人物。若いスタートアップがメディア事業を立ち上げることについては、「しんどいと思う。資金も人も必要になるので、バイラル的、ワイドショー的なものになりがち」と分析する。だが世界を見てみるとメディアは変革の時期。「(テレビなどマスメディアの)最前線の人は、メディアの中でも問題意識を持っている」と語り、メディアビジネスへの注目度を説く。

また動画メディア事業について、「映像と技術が分からないとできない難易度の高い事業。映像だけだと職人の世界になるし、技術だけだとPVなどを意識しすぎる」と語る。

ではその両方を経験してきた森川氏のサービスがすぐに成功するのかというとそこは慎重で、「ビジネス的には相当厳しい。C Channelは、最初の1年程度は売上ゼロでもユーザー拡大に注力する」のだそう。

ECと広告でマネタイズ、海外展開も積極的に

C Channelでは今後、ECと広告でのマネタイズを進める。ECについては、C Channelブランドの商品を販売する予定。所属タレントによるプロモーションを行うほか、リアルイベントでの販売なども予定する。4月16日には東京・原宿にスタジオ兼オフィスをオープンする予定で、週末などはそこでクリッパーなどを呼んだイベントを積極的に展開していく。また出資するアソビシステムを通じて、所属するアーティストなどとも連携したイベントを検討しており「今後はきゃりーぱみゅぱみゅなどが参加するイベントもやっていきたい」(森川氏)とのことだった。

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スタジオを兼ねた原宿のオフィス

 

直近にはブランド広告を中心に展開する予定。「今まではナショナルスポンサーがつくようなブランド価値の高いような動画メディアがなかった。C ChannelのCはコミュニケーション、キュレーション。質の高いブランドを作りたい。そのためには『選ばれている感』や『憧れ』をどう出していくかが重要」(森川氏)。

また将来的には「アドテクの会社にしたい」(森川氏)とのこと。ユーザーの属性にあわせてリアルタイムに動画広告を編集・生成するシステムを開発中だそうだ。「YouTubeなどに乗らずに自分たちで(インフラまで)抱え込めばいろいろとできることがある。将来的にはそのエンジンを外部に提供することも検討する」(森川氏)。そのほか海外展開もすでに予定中。年内にはニューヨークにスタジオを作り、試験的に動画の制作を開始していく。

48歳での挑戦、「ビジネスはタイミングが大事」

ところで森川氏は今年48歳。この年齢での新しい挑戦を「遅い」と感じなかったのだろうか。

「ビジネスはタイミングが大事。早すぎても遅すぎてもダメ。IoTもITとハードウェアの組み合わせだが、ITと動画という違うモノを組み合わすようなビジネスは難易度が高い。『スケールさせること』と『いいものを作ること』の両方考えないといけない」(森川氏)

森川氏いわく、タイミングの重要性はLINEの時にもさんざん経験した話なんだとか。

「例えば検索(NAVER検索。2013年12月にサービス終了)もそう。どれだけすごい人が最高のものを作っても、タイミングが合わないとダメ。LINEも原型をたどればただのメッセンジャー。(先進性という意味では)大したものじゃない。そう考えていく中で、今のタイミングであれば『動画』だと思った。本当は教育なんかもやりたいが、まだ早い。技術があるか? 市場が熟したタイミングか? そしてビジネスモデルが見えるか? の3点が重要」(森川氏)

新しい産業を生み出す

前述の通り、映像と技術の組み合わせは難易度が高いという話があったので、森川氏に「若手のメディア系スタートアップを蹴散らしていくような感覚を受けた」と話したのだけれど、森川氏は笑いながらそれを否定して、「どちらかというと海外のメディアと戦っていきたい」と語る。

また森川氏は「やるなら正直ゲームのほうが儲かるし、(動画メディアは)あまり若いスタートアップがやらない領域だと思っている。だからこそ選んだ」とも説明。また、「秋元さん(秋元康氏)にも相談したら『応援する』と言ってもらった。メディアも変わるべきところにきている意識がある」とマスメディア側の見方も語ってくれた。

ちなみにLINE退任についても少し話を聞いたのだけれども、一昨年くらいから社内では話をしていたのだそう。

「LINEの次に何をやるか——この年齢になるといつ死ぬか分からないから、社会的に何かを残したいと思った。そこで考えた日本の課題は高齢化に伴う衰退。ではそこで大事なのは何かというと、新しい産業を生み出すこと。それが今は動画だった。そこを考えつつ、また別の軸で教育や投資などもできることをやっていきたい」(森川氏)。実はエンジェルとしても「結構多い数投資している」とのことだった。

全ユーザーの3割が投稿、なぜ10代はMixChannelに熱狂するのか?

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スマートフォンで撮影した10秒の動画を共有できる「MixChannel」は、10代に人気のコミュニティだ。月間アクティブユーザー数(MAU)は380万人、月間再生回数は5億回。こうした数字以上に驚くのは、動画を投稿したことのあるユーザーが全体の3割を占めることだ。なぜ、10代はMixChannelに熱狂するのか。

福岡で開催中のイベント「B Dash Camp 2015」で、サービスを運営するDonutsの福山誠氏が、その秘訣を明かした。

MixChannelで人気のコンテンツのひとつはカップル動画だ。どんな内容かというと、中高生の男女がカメラの前でイチャイチャと抱き合ったり、キスしたりというもの。ただそれだけの内容を何組ものカップルがマネをして、相次いで投稿しているのだという。

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MixChannelプロデューサーの福山誠氏

「MixChannelでは、他のユーザーが投稿した動画をマネる行為が多いんです。やってることはみんな一緒で、数千人が目をつぶってチューする動画を上げている。マネをしたり、されたりするのが、MixChannelのコミュニケーションなんです。」

ユーザーがコンテンツを投稿するCGMは、Instagramのように利用者のほとんどが閲覧も投稿もするサービスを除けば、投稿率は全体の1割以下というのが相場。福山氏の言葉を借りれば、MixChannelの投稿率の高さは、「お題に乗っかるコミュニティの楽しみ方がある」ということらしい。

グリー田中氏が10年を振り返る——社会からの批判、「未熟」の一言につきる

福岡で4月9日〜10日に開催中の招待制イベント「B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka」。午後には「グリー10年の軌跡とこれから」と題したセッションが開かれた。登壇したのはグリー代表取締役会長兼社長の田中良和氏。B Dash Ventures代表取締役社長の渡辺洋行氏がモデレーターを務める中、グリーのこれまで——特に苦労を中心に——を語った。

人が誰も入ってこなかった

2人で起業してから従業員約1800人まで成長したグリー。渡辺氏はまず、一番大変だった時期について尋ねる。

「この10年悩んでいるが、グリーはすごくうまくいっているのか、そうではないのか分からなくなる」(田中氏)と答える田中氏だが、まず最初に大変だったのは人材採用だったそうだ。

「1番目の社員は山岸さん(創業期メンバーであり、現・取締役副会長の山岸広太郎氏)の友達。エンジニアだと聞いていたが『経理しかできない』と言われた。でも人がいなかったので採用した。2、3番目は学生で、4番目は営業に来たサイボウズの社員。手当たり次第採用しないと誰も入ってこなかった」(田中氏)。

上場時の社員は約100人だが、田中氏の友達の友達、社員の友達の友達といった人材が7割程度を占めていた。「(友達が多いのは)自慢ではなくて、ただ誰も入ってこなかった」(田中氏)

田中氏は、そんな状況でも事業を続けられた理由について、楽天での経験を挙げる。「創業期に遊びに行ったとき、楽天は雑居ビルの一室。三木谷さんはハーバードを出ているのにカローラに乗っていて『こういう人に関わっちゃいけない』と思った。だがその後会社は大きくなり、『会社ってそうやって作るモノだ』と思った。だから(グリーの創業期も)乗り越えられた」

PCからフィーチャーフォンへのシフト

苦労話はまだ続く。いざ人材が入っても、その人材に支払うお金がないのだ。「僕も(年収)400万円くらいで働いていた。辛いのは誘って入社してくれる人。前職から大幅に給料を下げてもらうしかないのが現実。心苦しいと思っていた」(田中氏)

そんなときは、自身でキャッシングしてお金を捻出していたそう。給料遅延こそなかったそうだが、「このあと破産するか、うまくいくか、どっちかしかないと思っていた」(田中氏)のだそう。

苦境はまだまだ続く。上場が見え始めた頃(2005〜2006年頃、KDDIからの調達前)に、PCでのビジネスの限界点が見えたという。そのタイミングでフィーチャーフォンで定額制がスタート。思いきってモバイルにシフトをしたのだという。

渡辺氏はその際に出た社内の不満をどう調整していったのかと田中氏に尋ねる。「社長として問われるのは、その話(モバイルシフト)をして納得しない、辞めちゃったとしてもしょうがない。『それしかないんだ』と自分でどれだけ確信できるかだ」(田中氏)

社会からの批判、「未熟」の一言につきる

そんな苦労も超えて、ゲームプラットフォームとして成功の道を歩き始めたグリー。だが2010年頃からは、競合とのケンカ(渡辺氏の表現。当時グリーとDeNAはプラットフォーム同士でのいざこざがいろいろあった。当時の状況を知りたければこんな記事もある)に始まり、コンプガチャの問題が起こる。

田中氏は当時の心境について、「何が起きているのか咀嚼するのに時間がかかった。メディアの報道を見て、何を問われているのかと」と振り返る。

「僕らはいいサービス、使ってもらうサービスを作っているという、ある意味純粋な気持ちだった。『誰も使わない』と言われていた釣りゲームを作った結果、国内累計1500万人に使われるようになり、そして社会問題になった」(田中氏)

「だが今思うと『未熟』の一言に尽きる。0から数千万人が使うようなサービスをやったことがなかったので、言い訳にならないが、その重要性や社会への責任、説明の仕方が分かってなかった。ビジネスマンとして世の中を変えるのであればその資格がない。未熟だった」(田中氏)

渡辺氏はこれを受けて、暗にgumiの業績下方修正を発端にした騒動に触れ、「社会的認知がされて、未公開から公開企業になって、社長の行動を考えないと(いけない)」と語る。

田中氏もこれに同意し、「ほとんどの人が悪意を持っているのではなく、どうしていいのか分からないということだと思う。でもそれは『分からない』では済ませられない。だらかが分かりやすく何度も説明する必要があると思う」とした。

グリーで一生頑張る

社会とも向き合い、海外にも進出(そして一度撤退して最適化)したグリー。PCからフィーチャーフォンへのシフトに次ぐスマートフォンのウェブからネイティブアプリへの、2回目の「シフト」を進めている。

その状況については「人員的なシフトは完了して、『消滅都市』はランキングも売上も上がり続けている。手応え、勝ちパターンはやっと見えてきた。重要なのは続けること。ボラティリティはあるが、強い精神力で作り続けていくべき」(田中氏)

さらに、渡辺氏から「また新しいことで起業しないのか」と尋ねられると、「人生で二度とやりたくないランキング一位が『起業』(笑)」としたあと、「僕もみんなもスティーブ・ジョブズにあこがれている。でもジョブズもゲイツも30年やって今に至る。それであれば30年やらないといけない」とコメント。「グリーで一生頑張る」とした。

OS Xの新しい写真アプリ、Photos詳細レビュー

Appleの新しい写真アプリ、Photosが、今日(米国時間4/8)公開された10.10.3 Yosemite無料アップデートで誰にでも使えるようになった。かなりの時間を費して試した結果、これがAppleのローカル写真管理ソフトウェアにとって有意義なアップグレードであることがわかった。このアプリは写真ストレージの真の未来を反映している:持っている写真すべてが、必要な時、必要な場所にある。

ビデオレビュー

iCloudフォトライブラリー

OS X Photosの中核をなすのがiCloudフォトライブラリー、プラットフォームを横断して写真を同期できる、Appleのクラウドベース写真ストレージシステムだ。つまり、同じアルバムをMacでもiPhoneでもiPadでも、さらにはもうすぐApple Watchでも見られるようになる。Photosを使うためにiCloudフォトライブラリーは必須ではないが、Photosは間違いなくこれを前提にデザインされており、あればいっそう輝きを増す。

iCloudフォトライブラリーを有効にすると、撮った写真とビデオがすべて自動的にiCloudに保存され、どのプラットフォームからでもアクセスできるようになる。あるデバイスで行った編集は、瞬時に他のデバイスでも見られるようになり、モーメント、コレクション、時間による分類も同じく反映される。写真をお気に入りにしたり並べる順番を変えた時も、それぞれのデバイスでiCloudフォトライブラリーを有効にして、同じiCloudアカウントにサインインしていれば、同じように全デバイスで同期される。

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iCloudフォトライブラリーは、コンピューター上のストレージに比較的負荷をかけず、デバイスで利用できるストレージに最適化して最近アクセスした写真や近々アクセスしそうな写真だけを保存する。それ以外は低解像度のサムネイルだけが表示され、フル解像度版はiCloudの接続状況次弟でほぼ瞬時にダウンロードされる。

今のところiCloudフォトライブラリーは私のテスト中にタイミングを逸したことはない。動作は極めて賢実で、MobileMeなどAppleの初期のクラウドサービスを体験した人にとっては驚きだろう。大量のファイルを保存するにはiCloudストレージの料金が高くつくかもしれないが、iPhonesで撮った写真は、私がデジタル一眼レフで撮った写真の巨大なバックアップディスクと比べてごくわずかだ(一眼レフ写真をクラウドに置くつもりはない、今のところ)。

写真の整理

Photosの写真・ビデオの整理戦略は、iPhoneから借りてきたもので、既に熱心な写真整理魔でない人にとっては特にすばらしい管理方法だ。写真は標準では時間と位置に基づく「モーメント」でグループ分けされ、写真とビデオの中で起きた日々の出来事を切り取って見ることができる。

もっと旅行全体を広く見渡したい時は、コレクションが数日間にわたってまとめてくれるので、例えば休暇全体を一望するのによい。これは、写真の位置情報を利用できるようにしていればすべて自動的に行われる。旅行の後の写真整理に怠慢な人にとって、驚きの便利さであることを私自身の体験から発見した。

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さらには、何年も昔までライブラリーをズームアウトして見ることもでき、もちろん自分のカスタムアルバムも作れる他、タイプ別(パノラマ、連写、スロービデオ等)分類、顔の自動認識、お気に入りだけを集めることも可能だ。

このシステムの美しいところは、手軽な使い方にもヘビーユーズにも反応が良いことだ。つまり、手で整理することを全く考えずに撮影だけしていても楽しくアルバムを眺めることができるし、細かく写真を選んでお気に入りにタグ付けする人にとっても望む結果が返ってくる。

私が思うに、このアプリはどちらかというと、できるだけ手のかからないフォトアルバム管理を目指しているようで、それが私の気に入った理由でもある。私は自分で撮った写真にしっかり気を配る時間も熱意も持っていないが、それでもPhotosは、私の過去10年を振返る実に見やすいアルバムを苦もなく作ってくれる ― さもなければ、作らなかったことを後悔していたであろう記録だ。

編集

編集は、私が手を動かすことを楽しむ作業の一つだが、Photosはその欲求を満たしつつ、手を加える必要のない大部分の写真を未来に残すのを手伝ってくれる。Photosの編集ツールは堅牢で、凝らないユーザーのためには殆どが自動で処理を行い、好奇心あふれるユーザーには精細な編集機能を提供する。

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Apple独自の自動最適化ワンクリック編集は、殆どのニーズに沿って色や露出の微妙な問題を解決してくれる。エフェクトは現時点では限定的だが、一般ユーザーに広く対応するにはこれが最善策だろうし、もう少し手を加えたい人は、露出、ハイライト/シャドウ、明るさ、コントラスト等の調整スライダーをワンクリックで呼び出せる。

ここでも私は、殆どの仕事をPhotosに任せて眺めているのが楽なことに驚いた。通常私は一眼レフで撮ったRAWファイルをいじり回すのが好きなのだが、Appleのワンクリック編集は私の使い方の中では十分すぎる結果をくれた。Photosを使う以前のめったに写真をいじらなかった頃よりも、改善された写真の総数はずっと多い。

フィルターもまたワンクリック調整が中心で、モバイルでInstagramがやっていることをデスクトップで(ある程度)実現している ― つまり撮影後エフェクト機能のアピール範囲を、熱心なホビイスト以外へも広げている。Appleの用意したフィルターはわずか8種類だが、それでも殆のユーザーには十分だろう。

共有

Appleは、Photosで写真共有の選択肢を増やした。iCloudフォトシェアリングを使うことによって、他のiCloudユーザーと写真やコレクションを1枚単位で共有し、それぞれが自分のPhotsアプリで写真を見ていいね!やコメントをつけられる。

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これが唯一の写真共有方法になるかどうかは、周囲の人たち全員がAppleユーザーかどうかによるが、PhotosはFacebookやTwitterへのシェアもシステムレベルの統合によって簡単になっている。

PhotosはiOSのSharing Extentionsもサポートしているので、新しいデベロッパー機能を利用するサードパーティーアプリやウェブサイトを使って、様々な場所に写真を直接投稿することができる。Appleがこのソフトウェアをあらゆる写真とビデオの「ホーム」として位置づけつつ、よく行く他の場所にも簡単に持ち出せるようにしているのは賢明なやり方だ。

結論

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AppleのPhotosは、Macユーザーにとって最初のエコシステムの一員だったiPhotoを置き換えるという大役を、十二分にこなしている。驚くほどの奥深さがありながら、ずっと軽量なプログラムを使っている気にさせ、ライブラリーサイズが大きくなっても遅れや重さは感じない。手動の整理に多くの時間と労力を費していた人にとっては、新ソフトウェアに慣れるまで時間がかかるかもしれないが、新時代のモバイルフォトグラファーにはぴったりのアプリと言える。

これからの写真管理は、ユーザーの手をわずわらすことを減らし、撮影してアルバムを見るだけに専念させる方向になるだろう。驚くほど優れたモバイルカメラが遍在する今、写真整理は益々複雑化している。しかしPhotosは、今後ユーザーが撮るであろう何百何千億枚という写真をAppleがスマートに処理できることを証明する、写真ソフトウェアの革新だ。

OS X 10.10.3アップデートをインストールしてPhotosを見つけたら、このAppleのサポート記事を読んで、ApertureまたはiPhotoからの移行方法を調べよう。

【日本語版注:Photosアプリの日本語名は「写真」】

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

もはや国境は意識しない、日本発IoTスタートアップの強みと課題

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新経済連盟が開催するカンファレンス「新経済サミット2015」が4月7日から8日にかけて東京で開催された。初日となる4月7日には「世界を担う日本発のIoT 〜グローバルマーケットで日本企業はどのように闘うのか〜」と題するセッションが開催された。IoT(モノのインターネット)の時代、世界で勝つ為に求められるものは何か。官民それぞれの立場から意見が交わされた。

登壇したのは総務省 情報通信国際戦略局 通信規格課  標準化推進官の山野哲也氏、経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長の佐野究一郎氏、WiL 共同創業者ジェネラルパートナーの西條晋一氏、イクシー代表取締役社長の近藤玄大氏、Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏の5人。モデレーターはABBALab代表取締役の小笠原治氏が務めた。

国はIoTをどう見ているか

総務省や経産省は、IoTをどう捉えているのだろうか? 経産省の佐野氏は、ドイツの国策である「インダストリー4.0」やアメリカGE社のIoTプラットフォーム「Predix」といった、生産工程の自動化・デジタル化、センサー・人工知能(AI)を使った開発パフォーマンス向上施策を例に挙げ、海外でのIoTの急速な広がりを説く。

では日本はどうなっているのかというと、産業競争力会議においてビッグデータやIoT、AIの推進に取り組む事が決まった段階であり、具体的な政策のあり方は検討中とのこと。今後は「ベンチャー企業の力をいかに増やすかが重点事項」と課題を語る。

山野氏は総務省の観点から標準化について解説。IoTには4つの要素があるという。

・センサーで情報を集める技術
・収集した膨大なデータをネットワークに送る技術
・膨大なデータを解析し、意味あるデータを発掘する技術
・得られた意味をデバイスにフィードバックする技術

それぞれの要素別に見ると国際標準化は進みつつあるとし、M2Mの標準化団体oneM2Mを例として挙げた。ただ国内における標準化作業は出遅れている感が否めないとのこと。

IoTビジネスはに国境はない

「世界と戦う」という意味について、実際にIoTでビジネスを立ち上げているスタートアップはどう考えているのだろうか。

Cerevoの岩佐氏は、日本、海外という意識は全くしていないと言う。インターネットという世界共通プロトコル上で動作する「モノ」を販売しているため、発表すればおのずと世界中から注文が来るとのこと。むしろわざわざ「グローバル」と意識をすることなく、それで世界で成功できるのがハードウェアの良い点だと持論を述べた。

筋電義手「handiii」を手がけるイクシーの近藤氏は、「モノは分かりやすいので、コンテンツが良ければどこでも売れる」と説明。handiiiをSouth by Southwest(SXSW)でデモした時の反響の大きさを例に挙げた。handiiiは医療分野のプロダクトであり、国によって法律が異なるためローカライズは困難を極めるプロダクトだ。だがイクシーでは極力データも公開し、各国の研究機関と共同で開発を進めていきたいとした。

ベンチャー投資を手がける傍らでソニーと合弁会社「Qrio」を立ち上げ、スマートロックの開発しているWiLの西條氏も、「モノ(ハードウェア)は非言語なのでイメージされやすく、世界展開はしやすい」と語る。

日本でビジネスを行う3つメリット

スタートアップ側の登壇者3人が「国境はあまり意識していない」と語るが、モデレーターの小笠原氏は、日本でビジネスをすることの利点を尋ねた。

「そもそも僕ら(日本でビジネスをするスタートアップ)は有利」——岩佐氏はそう語る。その理由の1つめは「Japanブランド」。先代の方々(これまでの日本のメーカー)が築き上げてきた信頼のおかげで、全く同じ製品だったとしても日本製が選ばれるのは大きいとした。2つめは「家電設計者の多さ」。これだけ家電開発者が多い国は世界を見渡してもほかにない。これがIoT時代の武器になると話す。3つめは「時差」。家電やハードウェアのほとんどの工場は現在アジアに集中しており、時差も少なくいざとなれば3〜4時間で行ける距離にある日本は欧米と比較して地理的にも有利だとした。

また近藤氏は、「長期的に日本に留まるかは分からない」とは言うものの、「日本人のこだわり、職人気質はプロトタイプを開発する上でメリットになった」と言う。

IoTスタートアップ、挑戦するには「いい時期」

セッション終了後の囲み取材で、西條氏、岩佐氏、近藤氏から、ハードウェア、IoTスタートアップに挑戦する人に向けたメッセージを貰ったので、以下にご紹介する。

WiL 西條氏

起業するにもいろんな方法がある。イクシーやCerevoのように自力でやる方法もあれば、WiLのように大企業とコラボレーションする方法もある。「メンバーが不足しているからできない」と諦めて欲しくない。自分は文系人間でものづくりの経験も無かったが、今は非常に良いチームができている。いろんな山の登り方がある。やりたいという気持ちを大事にしてほしい。

Cerevo 岩佐氏

基本は「やりたいと思った時がやり時」だが、ここ1〜2年急激にハードウェアスタートアップがやりやすくなった。2007年当時はハードウェアスタートアップとか言うと笑われる時代だったが、今はDMM.make AKIBAの様なシェアオフィスもあり、興味を持ってくれる投資家も増えた。始めるにはいい時期。あと、ITでの起業というとエンジニアが起業するイメージが強いが、自分の周りでは文系、調整型の人間が立ち上げた企業が成功している。ぜひ文系の人にも挑戦してほしい。

イクシー 近藤氏

むしろ今の学生はすでに起業している。大学の研究室の成果をクラウドファンディングに乗せて製品化を目指すような流れが普通になってきている。逆に、定年退職したベテラン職人が起業するようになると面白いと思う。

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左から小笠原氏、山野氏、佐野氏、西條氏、岩佐氏、近藤氏

 

AppleがキーボードアプリのDryftを密かに買収してAndroidを猛追

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Appleは、密かにキーボードアプリを開発するスタートアップのDryftを買収していた。TechCrunchでは買収は昨年の終わり頃に行われたという情報を得た。

Randy MarsdenのLinkedInのプロフィールから、買収時期を推測できる。彼は昨年の9月にAppleに入社したと記されている。MarsdenはDryftのChief Technology Officerを務めていた。また彼はSwypeの共同ファウンダーでもあり、今はApple内のキーボード開発を牽引している。AppleがDryftの資産、それともMarsdenを含めたメンバーの才能のどちらに重きを置いて、買収に至ったのは定かではない。最終的な契約金額といった内容も開示されていない。

AppleはTechCrunchに対し、Appleは小さめのテック系企業を随時買収していると認め、その目的や計画について開示する予定はないと伝えた。この文言は、今回の買収が事実であることを示唆している。

Dryftは2013年に開催されたTechCrunch Disrupt startup battlefieldのファイナリストであった。

Dryftのキーボードは、ユーザーがディスプレイに指を置いた時にだけ画面に表示される。スクリーン上のキーボードとしてはユニークな手法だ。このキーボードは指の動きを感知できるタブレット用に開発された。iOS 8のリリースから、Appleは開発者が自由に端末のキーボードを変えることを可能にした。これによりSwypeやSwiftKeyのようなスタートアップが、iPhoneのキーボードをカスタマイズできるサービスを制作してユーザーに提供できるようになった。

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この動きはAppleにとって重要な意味がある。キーボードのカスタマイズアプリは、Google Playで最も人気があり、利潤の高いアプリだったからだ。キーボードは自由にカスタマイズできることが、AndroidをAppleと差別化し、魅力的なポイントでもあった。今までAppleはAPIやその他の機能の公開に対し、慎重な姿勢を取っていた。

しかしそれはAppleのiOS 8のリリースから一変した。ユーザーはこぞってキーボードアプリをダウンロードし、早くもそれらのアプリがApp Storeの上位に登場するようになった。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook

YouTubeが広告のない月額会費制視聴サービスを年内に開始…クリエイターの増収に貢献か?

【抄訳】

昨年秋の報道を裏付ける形でYouTubeは今日(米国時間4/8)、広告のない会費制サービスの計画を、YouTubeパートナーたち(YouTube Partners)へのメールで発表した。メールに書かれている詳細によると、消費者は有料(月額制)で広告のないYouTubeを利用することを選べる。それによる新たな収益化オプションは、パートナーがYouTubeのクリエイタースタジオダッシュボード(Creator Studio Dashboard)で合意を表明することで、有効になる。それが実際に有効になるのは2015年6月15日からだ。

そのメールによると、広告のない会費制のサービスではクリエイター自身が多様な収益化方式を作品に盛り込むことができ、視聴者にとってもYouTubeが一層楽しい場になる、と訴えている。

YouTubeは会費制を、時間をかけて準備してきた。10月には、収益化のための取り組みを陣頭指揮してきたCEOのSusan WojcickiがCode Mobileカンファレンスで、このところますます多くのモバイルからの視聴者たちが広告を嫌がるようになっているから、広告なしの会費制はまずモバイルユーザにアピールするだろう、と説明した。有料制という部分ではYouTubeはNetflixなどと似たものになり、消費者はコンテンツにお金を払ってオンデマンドでアクセスし、それが広告等に中断されることなくストリーミングされる。

これに伴いYouTubeは、パートナー事業の規約(Partner Program Terms)を改訂し、YouTubeは会費収入の総額の55%をクリエイターに払う、とした〔支払比率は、各月の、(そのコンテンツの視聴時間累計/総累計視聴時間)〕。このパーセンテージは広告収入の場合と同じだ。以下に、新しい規約書から引用しよう:

【原文引用略】

メールにも新しい規約にも月額会費の金額は載っていないし、有料制サービスの開始日の明記もない。6月15日は規約の変更が有効になる日だが、その日から新サービスの提供が始まる、というわけではない。段階的な展開になるのか、あるいはYouTubeはサービスのローンチの前に規約書などの法的側面を整備したかったのかもしれない。情報筋がBloombergに語っているところによると、サービスの提供開始は今年中だそうだ。

【後略】(パートナーへのメールの原文など)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

資金調達・事業提携イベント「RISING EXPO 2015」、東南アジアから応募開始

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サイバーエージェント・ベンチャーズが主催するスタートアップ向けの資金調達・事業提携支援イベント「RISING EXPO」が今年も開催される。

このイベントは、1億円以上の資金調達を検討するスタートアップと、国内外の有力ベンチャーキャピタルや大手事業会社とのマッチングイベント。事前選考を通過したスタートアップのプレゼンテーションとネットワーキングの場を提供する。

昨年は日本のほか、東南アジア(インドネシアで開催)、韓国、中国のアジア4地域で開催したが、今回は日本、東南アジア、韓国の3地域で開催する予定。日本で開催された「RISING EXPO 2014 in Japan」では、スタートアップ15社、ベンチャーキャピタル60社、事業会社60社が参加した。

このイベントがきっかけになったもの、そうでないものを含めての数字にはなるのでどこまで参考になるかは分からないが、登壇企業の累計資金調達額は40億円以上、1社当たり平均資金調達額は3億円を超えているのだそう。今年は資金調達に加えて、事業会社とのマッチングについても力をいれるのだとか。

2015年の開催スケジュールは以下の通り。なお本日4月9日より、インドネシアで開催するRISING EXPO 2015 in South East Asiaの応募を開始する。その他の地域は決定次第随時特設サイトの情報をアップデートしていくとのこと。

・RISING EXPO 2015 in South East Asia:2015年6月25日
・RISING EXPO 2015 in Korea:2014年6月予定
・RISING EXPO 2015 in Japan:2014年8月7日

応募条件は次のとおり。なお本店所在地は国内外を問わない。
・IT・インターネット関連ベンチャー企業であること
・原則、サービスローンチをしており、一定のユーザー数もしくは一定の売上を獲得できていること
・1億円以上の資金調達を検討していること

ちなみに昨年、一昨年に引き続き、僕も事前審査員として参加させてもらう予定だ。伸び盛りのプロダクト、そして起業家と出会えるのを楽しみにしている。

Apple、OS X 10.10.3を公開。新写真アプリPhotos、絵文字が登場

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AppleはOS X 10.10.3を公開した。これはデスクトップOSにとって大きなアップデートであり、新しい写真アプリPhotosが一般ユーザーの前にお目見えした。アップデートはApple Storeで全OS Xユーザーが無料でダウンロードできる。

このアップデートでは、新しい絵文字が300種類以上追加された他、Spotlightのサジェスト機能、WiFi性能および画面シェアリングの安定性向上も実施されている。

Appleの新Photosアプリは大きな変更なので、このOS Xの新顔について詳しく知りたい人は本誌の総力レビュー記事をご覧あれ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Zynga、前CEOマーク・ピンカス復帰のニュースを受け株価下落

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あの男が戻ってきた。今日(米国時間4/8)の取引終了後、Zyngaは前CEO Mark Pincusが復帰することを発表した。今や前CEOとなったDon Mattrickは2つの椅子から降りることになる。会社の指揮体系のトップ、および取締役会の席だ。

ニュースを受け同社株は10%以上値を下げたが、その後8%という適度なマイナスへと復活した。投資家らがこの変更に熱烈でないのは、おそらくトップ交代が往々にして問題を起こすのに十分な火種だからだろう。

Zyngaはここしばらく財政面で改善を見せている。最近の数四半期では売上を伸ばし、損失も金額、1株当たり共に縮小している。Zyngaは今も十分な資金を持っている。

声明の中でPincusは、Mattrickの指揮下で同社売上におけるモバイルブッキング[仮想グッズ販売等による仮売上]の割合が、就任時の27%から60%へと成長したことを指摘した。ZyngaはFacebookプラットフォームから、モバイルゲームへの変遷が遅かったことで悪評を買っている。

ニュース発表前、Zyngaの時価総額は25.7億ドルだった。仮にニュースが原因で10%値を下げたとしても、Zyngaの価値は20億ドルを優に超える。

このニュースは驚きだった。MicrosoftのCEOビンゴに負けた後のMattrickを指命した時はさほどショックを受けなかった。彼がここまで早く辞めたことの方が注目に値する。Microsoft時代のMattrickに詳しい筋がTechCrunchに話したところによると、彼は知性的で人に好かれていた。交代の原因が何であるかは不明だ。

当面Zyngaは、古きリーダーを戻して会社の指揮をとらせる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook