ビッグデータ分析/視覚化で異色の技術を築いたQuidが早くもシリーズDで$39Mを調達

独自の高度な形でデータの視覚化を行うQuidが、3900万ドルの資金調達を発表した。昨年秋に創業4年を経過した若い企業だが、今回の資金調達がすでにシリーズDである。

Quidは自分のことを、“各種の調査研究とそれらの結果からインサイトを得る過程を加速する人工知能企業で、とりわけ、世界でもっとも複雑な問題を扱う”、と説明している。具体的にはそれは、何百万ものドキュメントを処理して、その結果のヴィジュアルマップを作る、というサービスだ。たとえば企業のために、プロダクトのローンチに対するオンラインの反響を視覚化したりする。

同社のことをかつて本誌TechCrunchは、世界でいちばんうぬぼれのでっかいWebサイトと評したことがあるが、しかし今ではホームページのメインタイトルも、自分たちの技術のマーケティング的な売り込みコピーになっており(上図)、またHyundaiやMicrosoft、Boston Consulting Groupなどメジャー企業の顧客からの評価を引用している

本誌が2010年に同社を取り上げたときには、もっぱら最先端技術を追っていたが、今では対象がもっと広くなっているようだ。Quidによると、現在の顧客数は80で、プラットホームは昨年の初めに一新している。

今回の投資ラウンドを仕切ったのはLiberty Interactive Corporationで、これにARTIS VenturesとBuchanan Investments、Subtraction Capital、Tiger Partners、Thomas H. Lee Limited Family Partnership II、Quidの取締役Michael Patsalos-Fox、Quidの会長Charles Lhoなどが参加した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


新薬の候補物質をスパコン+ニューラルネットで迅速に見つけるAtomwise

カリフォルニア州Mountain Viewの彼のアパートから電話に出たAtomwiseの協同ファウンダAlex Levyは、“医者や薬屋に行かなくても、自分の家で、はしかの治し方が分かるんだよ”、と言った。

Y Combinatorの今の‘在学生’であるAtomwiseは昨年、一般的によくある疾患や、希少疾患の治療法を見つけるためのプロジェクトを10以上ローンチした。いずれも、治療に費用や時間がかかりすぎる病気だ。同社はエボラ出血熱ではIBMと協働し、はしかの治療法ではカナダのダルハウジー大学と共同研究をした。Levyによると、同社は、多発性硬化症の治療薬候補を見つけるために、わずか数日で820万種の化合物を調べた。

一般的に、新薬を開発して市場に出すまでには平均12年の年月と約29億ドルの費用を要する。開発される薬のうち、めでたく家庭の薬棚に収まるのは、ごくわずかだ(治験にまで行くのは5000件の研究開発案件のうち、わずか1つ)。

まだ存在しない仮説的な薬を調べることもできる。

—-Atomwise協同ファウンダAlex Levy

Atomwiseは、スーパーコンピュータと人工知能と、何百万もの分子構造を調べる特殊なアルゴリズムを使って、新薬発見のローコスト化を実現しようとしている。

“それはまるで超人の脳みたいに、何百万もの分子を分析してそれらの作用を、数年ではなく数日で調べる”、とLevyは言う。その仮想薬物発見プラットホームは、ディープラーニングを行うニューラルネットワークがベースだ。それは、既存の薬の分子構造と作用に関する何百万ものデータポイントを自分で学習するところから、仕事を開始する。

Atomwiseが使っているディープラーニング技術は、GoogleのDeepMindと同じようなタイプだが、応用の対象が医薬品という重要な分野だ。症状と治療薬のペアを見つけていくこの技術は、理論的にはまだ存在しない、今後ありえるかもしれない病気の治療薬を見つけて、何百万もの命を救うかもしれない。

“まだ存在すらしていない仮説的な薬を調べることもできる”。とLevyは言う。“新しいウィルスが登場すると、Atomwiseはその弱点を見つけて仮説的な治療法を素早く特定し、テストできる”。

また、現在市場に出回っている薬の化学構造をあらためて調べて、既存の疾患の治療可能性を見出すこともある。Atomwiseは今、FDAに承認され市場に出回っている薬の分子構造を調べて、エボラ治療薬の候補を見つけようとしている。

[写真: 細胞上で増殖するエボラウィルス]

今、多くの医療専門家たちが、今後20年で抗生物質耐性菌が急増して、あらゆる抗生物質が効かなくなり、巨大な医療危機をもたらす、と警告している。Atomwiseのスーパーコンピュータは、そんな手強い菌にも効く薬を見つけるかもしれない。

Atomiseが見つけた化合物がいきなり家庭の薬棚にやってくるわけではないが、しかし大量の分子構造を調べて候補を見つけるという作業を、コンピュータが短時間でやってくれることは、ありがたい。原理的には人間研究者は、そのあと、つまり候補物質を調べるという作業だけをやればいいから、新薬発見〜市場化に要する時間も短縮されるはずだ。

ただしAtomwiseはまだ若い企業で、治験にまで行った薬はまだ一つもない。製薬業界にとっては、大助かりな技術と思えるけど。

“もちろん試験は必要だけど、そこに至りつくまでの推量的作業を、すべてうちが代行できる”、とLevyは言っている。

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最強AIが人間と切磋琢磨、将棋に続いてバックギャモンとチェスで世界に挑戦するHEROZ

モバイルゲームのアイテム課金といえば、ほかのプレイヤーより速く何かを達成したいとか、強くなる何かのためにお金を出して優越感や満足感を得るためのものという印象を持っていたのだけど、2009年創業のスタートアップ企業、HEROZ(ヒーローズ)が提供するオンライン将棋対戦「将棋ウォーズ」のちょっと変わった「アイテム」の話を聞いて、こんなマネタイズもあったのかと膝を叩いた。

「将棋って偶然性がない実力の世界なので、モバイルゲームのようにお金をかければ勝てるわけではないんです。羽生善治名人には勝てません。そこで人工知能(AI)を投入しているんです」

HEROZの共同創業者で代表取締役の高橋知裕氏によれば、同社が2012年から提供している「将棋ウォーズ」の課金アイテムは、世界最強の人工知能(AI)による「5手分の指し手」なのだという。ユーザーは1回100円で「棋神」と呼ばれるAI搭載の将棋の神キャラを召喚することができる。この棋神が、その局面に合った最良の5手をユーザーに代わって指してくれる。HEROZはゲーム含めた他のエンターテイメント系のアプリ開発経験もあるため、最近のゲームに見られる派手な演出でババーンと最強の手を指してくれる(上の右画面)

このAIはプロ棋士に勝利した世界最強レベルで、普通の人はもちろん、プロ棋士でも簡単に勝てるようなものではない。

上達の「お手本」を示す指導役としてのAI

こう説明すると、なんだ、やっぱり勝つためのチートのようなものかと思うかもしれないが、実は棋神を使うのは1局あたり1、2回というユーザーが多いという。実力勝負の世界なので、AIに代理で打ってもらって勝ったとしても何も嬉しくないからだ。では、なぜユーザーが棋神を呼ぶかというと、それは学びのためだ。

「勉強でもスポーツでもゲームでもお手本って必要じゃないですか。それと同じです。AIにリアルタイムで教えてもらえるんです。だから棋神が使える将棋ウォーズは、eラーニングも兼ねているんです。ユーザーの方には将棋で強くなりたいっていう人が多くて、ただ単に勝ちたいという人は、そんなにいません」

「実は初心者よりも上位の人同士のほうが棋神を使います。それは、より局面が難解だからです。上級者ほど感動するみたいですね。なるほど、こういう手があったのか、と」

ちなみに、棋神が指しているのか人間が指しているのかは対局相手には表面上は分からなくなっているそうだ。

将棋は1局が平均して100手ぐらいで、双方50手ずつ。終盤で明らかに勝ち目がない局面には棋神は使えないので、このアイテムが使えるのはせいぜい1000円分ぐらいまで。将棋に限らないが、一流のプロに個別指導を受けると1000円などでは済まない。だから、棋神を使うことは将棋ファンのユーザーにしてみれば「安い」のだそう。その局面で打つべき手を教えてもらえる上に、デジタル対局なので後から棋譜を振り返れるというメリットもある。

最強の将棋プログラムを作る人工知能研究者たち

「指導者としてのAI」という新たなマネタイズ手法を得た将棋ウォーズだが、これが可能になった背景には、アルゴリズムの改善とコンピューターの高速化があるという。

コンピューター将棋が初めて人間のプロ棋士に勝ったのは、2012年のこと。チェスで世界チャンピオンのカスパロフがIBMのディープブルーに負けて話題になったのが1997年というのを考えると、割と最近のことだ。

HEROZには人工知能の研究者として広く知られたプログラマ達がいる。当初インターンとしてHEROZに参画した山本一成氏はその一人で、東京大学将棋部の出身で、山本氏が開発している将棋プログラム「Ponanza」こそが、現役のプロ棋士に勝利した初めての将棋プログラムだ。HEROZ共同創業者の林隆弘氏もアマ将棋の世界選手権で優勝したり、朝日アマ名人戦他で多数全国優勝した経験もあるほどの将棋の指し手。

アイテム課金の理由が指導にあるとしたら、強くなければ意味がない。もともとオンラインで将棋AIを提供する競合サービスというのはほとんどないそうだが、HEROZがこの分野で「他社には真似ができない」(高橋氏)と胸を張るのは、AIエンジンの開発競争で先頭を走っているという自負があるからだそうだ。

HEROZの売上規模に占める対戦型ストラテジーゲームの割合は徐々に拡大しており、将棋ウォーズは2014年末に累計1億局の大台を突破。1日の将棋対局数は現在20万局以上という。同時期、AI分野での取り組みが評価されてRed Herring Globalのトップ100にも選出されている。HEROZ自体は、モバイルアプリの売上が大きく拡大し、過去3年間で売上規模が約20倍になったことから日本テクノロジー Fast50で1位を受賞している。

人間とAIによる切磋琢磨は始まったばかり

すでに将棋ではプロ棋士が負け始めている。チェスに至っては世界チャンピオンが負けてから10年近くが経過している。将棋もチェスも偶然性がなく、すべての情報がプレイヤーに見えている「完全情報ゲーム」だ。理論的には打つ前から最善手があって、対局前から勝ち負けが決まっている。「解明されてしまったゲーム」に人間は興味を失わないのだろうか?

そう思ったのは素人のぼくの勘違いで、現状は全く違うらしい。

人間のチャンピオンが負けてしまうほどAIが強くなることと、盤面の組み合わせ全てを解析しきる「完全解析」は全く意味が異なるという。ゲームとしての完全解析が終わるのは、チェスも将棋もはるか遠い未来のこと。盤面の組み合わせが将棋などよりはるかに少ないオセロでは1960年代にはAIが人間よりも強くなっているが、それでも完全解析にはほど遠い。探索空間が広すぎるのだ。

オセロは本当にAIが強くなりすぎてしまって、もう対局している人間が「指し手の意味が理解できない神のような手」に思えることが良くあるぐらいだそうだ。これに対してAI将棋では、ときどき人間が想定していない手が繰り出されるものの、そうした手こそが人間とコンピューターとが互いに切磋琢磨して将棋の未探索領域を開拓している現場という。

「1997年にディープブルーが出てどうなったか。チェスは成長しているんです。コンピューターは人間のプレイヤーが自己を高めるツールにもなっています。プロはコンピューターを使って研究しています。こういう局面だと何が良いかを指し示してくれる」

「チェスの元世界チャンピオンのカスパロフさんが来日して羽生善治名人とチェスで対戦したとき、両者とも同じことを言っていました。コンピューターが成長して、人間が考えなかった手筋を考えてきたんです。コンピューターと人間が一緒に成長しています。テクノロジーって人類の進化のためにあると思うんです。AIが出ることによって、気付かなかったことが発見できるようになる」

将棋の世界でも、あるとき森内俊之名人(当時)というトップ棋士が指した新手が、将棋AIが指した手だったと話題になったこともあるという。昔は良いと言われた手筋が、最近になってそうではなかったと分かるようになったのも膨大な棋譜がコンピューターに蓄積、解析できるようになってきたからだという。こうした事情もあってか、むしろ将棋人口は増加傾向にあるという。

将棋1270万人、バックギャモン3億人、チェス7億人

HEROZは将棋ウォーズでやってきた「AIを活用したボードゲームのオンライン対戦」を、2014年5月からバックギャモンでも「BackgammonAce」(バックギャモンエース)として提供している。「グローバル風のデザインにして、将棋ウォーズで培ってきたサービス性を入れていく」(高橋氏)といい、すでに世界150カ国以上でプレイされているそうだ。

将棋はあくまで日本のゲームだ。プレイヤー数は増加傾向にあるといっても1270万人にすぎない。これが囲碁となると5000万〜6000万人のプレイヤーがいる。そして世界最古のボードゲームと言われるバックギャモンは全世界で3億人のプレイヤー、チェスに至っては全世界で7億人がいると言われているそうだ。

「バックギャモンはトルコ発祥で、中東では地面に描いてやるぐらいだそうです。日本のバックギャモン人口は小さいですが、世界チャンピオンが日本から3人出てきています。チャンピオンはコンピューターが強いところ、先進国から出てくるんです」

日本から出てきたチャンピオンの1人、望月正行選手とHEROZは1月にスポンサー契約を締結した。この契約は世界展開を考える上でHEROZにとって大きな意味があるという。オンライン対戦はコミュニティでもあるため、強い人がいることが重要だからだ。望月氏は去年から今年の世界ナンバーワンランク。バックギャモン界でモチヅキという日本人を知らない人はいないというくらいに影響力があって、今後オフラインの大会で「グランド・マスター」を創設しようという動きが出てきている中でも望月氏の影響力が大きいのだとか。

望月氏はコンピューター利用によって強くなったバックギャモンプレイヤーの第1世代といい、その望月氏はブログの中で、面白いことを言っている。

「コンピューターが強くなると、人間のレベルはどんどん上がると思いますよ。(中略)BOTによって創造的なムーブが増えた。自分の引き出しが増えていった感じ。将棋でもそういうことが今後どんどん出てくるんじゃないか。BOTは創造しているわけじゃないんだけど、固定観念がないから人間にとっては面白い手を指すと思う」

振り返ってみると、バックギャモンでは2000年代前半には人間がBOTに負け始めていたというものの、人間のプレイヤーのレベルはまだ発展途上にあって、その歩みはコンピューターとともにあるということだ。

HEROZは強いAIを活用したという以外にも、ゲーミフィケーション的要素を多く取り入れている。

例えば、バックギャモンには定石のような動きがあって、それぞれに名前が付いているが、それぞれの指し手を初めてプレイヤーが使ったときに、派手な演出で指し手の名前を表示してカードを集めるようになっている。また、これまで良く研究されていなかった、指し手ごとの勝率も表示する。この解析は望月氏のような経験豊富なプレイヤーも驚かせたりもしているそう。

まだ、HEROZのバックギャモンのユーザー数は数万単位だそうだけど、バックギャモンは市場としても有望と見ているという。というのも、ヨーロッパでは装飾品の一種としてヴィトンやダンヒルがバックギャモンのボードを販売していて、富裕層が嗜んだりするという文化があるからという。

HEROZは1999年にNECに同期入社した高橋知裕氏と林隆弘氏が独立して2009年に創業。同年、ジャフコ、モバイル・インターネットキャピタル、ジェービィックベンチャーキャピタル、BIGLOBEキャピタルなどから総額1億円の資金を調達している。また、バックギャモンに続いて2014年12月には「CHESS HEROZ」(チェスヒーローズ)というチェスアプリも世界中に提供していて、こちらも今後注目だ。

以下にバックギャモンアプリのデモと高橋氏自身による説明動画、チェスアプリのデモを貼っておこう。


ユーザがふつうにメールするだけでバックエンドで勝手に仕事をしてくれる仮想アシスタントJulie Desk、人間の介入で‘正しさ’を向上

友だちとイベントを企画するアプリWePoppを作ったフランスのスタートアップが、今度は、友だち、ないし複数の人たちがミーティングやアポイントをスケジューリングするときの、行ったり来たりのコミュニケーションを自動化する‘仮想アシスタント’Julie Deskを作った。

バックエンドのAIも持っているからほかのアプリは要らないし、また合衆国のコンペティターX.aiと同じく、メールのカーボンコピー欄(CC:)という平凡なものをアプリのインタフェイスとして使う。

打ち合わせのメールスレッドを開始するときやそのスレッドの中で、”Julie”にCCするだけで、仮想アシスタントがスケジューリングの面倒を見てくれる。

アプリはまず、お互いの、あるいはみんなの、Google CalendarやMicrosoft Exchange、iCloudのアカウントなどを見て、合意できそうな時間と場所を見つけて提案する。

そのときJulieからは、本物の人間から来たようなメールが来る。

協同ファウンダでCEOのJulien Hobeikaはこう言う: “パーソナルアシスタントを使えない人もいるが、そういう人たちでさえ、アポイントやミーティングのスケジューリングは毎日のようにやっている”。

“WePopやWeTimeで経験的に分かったのは、スケジューリングで悩んでいる人たちに、自分でインストールして使い慣れる必要のあるツールを提供してもだめだ、ということ。だから、そんな、面倒の上塗りのようなことはやめて、ふつうにメールをやってればバックエンドでJulieが勝手に動くようにしたんだ”。

しかしそのためには、自然言語処理(NLP)と人工知能(AI)の部分を新たに開発する必要があったから、同社にとっては大きな飛躍だった。

結果的にJulie Deskは、AIに全面依存はしていない。スケジューリングというタスクは誤判断が命(いのち)取りだから、それを防ぐためにJulieのやることを人間が監視している。

“今では、Julieに送られてくるメールから必要な情報を取り出すために大量のNLPを使っているが、それでも人間が介入しなければならない部分は多い。AI自身の学習過程がまだ初期段階ということもあるけど、AIの出力が正しいことを必ず人間がチェックする必要がある。今後仕事を大量にこなしていけば、AIも徐々にお利口になると思うけどね”。

つまりこの仮想アシスタントは、機械学習を利用してだんだん利口になる。でもHobeikaによると、同社と、資金状態がとても良いX.aiとの重要な差別化要因がまさに、AIへの人間の介入であり、今後も“どんなに複雑な、あるいは特殊なケースでも正しく扱えるためには”、必要に応じて人間を介入させる、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


複雑な画像のキャプション(説明文)を自動生成するシステムをGoogleが研究開発中

画像認識技術はここ数年で長足の進歩を遂げ、中でもGoogleはその進歩の成果の一部をエンドユーザーにも提供している。どれぐらい進歩したかを知るためには、たとえばGoogle Photosで自分の画像を検索してみるとよいだろう。でも、物や情景を認識することは、最初の一歩にすぎない。

9月にGoogleは、今や人気のディープラーニング(deep learning, 深い学習)手法を使った同社のやり方が、単一の物の画像を認識するだけでなく、一枚の画像中のさまざまな物(果物籠にいろんな種類の果物がある、など)を分類できることを、みんなに見せた

それができたら次は、画像を自然言語で説明することに挑戦したくなるだろう。Googleはそれを、今トライしている。Google Researchのペーパー(小論文)によると、写真に下の例のようなかなり長い説明文をつけられるように、自分自身を教えるシステムを開発した。今すでにそれは、相当正確だそうだ。

Googleの研究者たちが述べているところによると、この問題への典型的なアプローチはまずコンピュータヴィジョンのアルゴリズムに仕事をさせ、その結果を自然言語処理に渡して説明文を作らせる。それで十分なようだが、しかし研究者たちは、“最新のコンピュータヴィジョン技術と言語モデルを一体化した単一のシステムを訓練して、画像を与えると人間可読な説明文を直接作り出す方がよい”、と言っている。Googleによると、このやり方は二つの再帰型ニューラルネットワーク(recurrent neural network, RNN)を組み合わせた機械翻訳で有効だった。翻訳と写真のキャプション付けはちょっと違うが、基本的なやり方は同じだ。

Googleのやり方が完璧、という意味ではない。機械翻訳のクォリティを人間による翻訳と比較する指数BLEUスコアでは、コンピュータが作ったキャプションは27〜59点ぐらいのあいだだ。人間は69点ぐらいになる。でも、25点に達しないほかのやり方に比べると、大きな進歩だけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))