マイクロソフトのXbox Adaptive Controllerは「インクルーシブデザイン」の刺激的なお手本

障害をもつゲーマーは、さまざまな理由で特有の課題に直面している。アクセシビリティー対応のゲーム機周辺装置の少なさもそのひとつだ。Microsoft は、Xbox Adaptive Controller(XAC)でこの問題の解決に向けて大きな一歩を踏み出した。このデバイスは通常のゲームパッドが選択肢にないゲーマーのニーズに答えるべく開発された。

XACは最近のイベントで正式公開されたが、数日前にリークもされていた。デバイスは2つの巨大なプログラマブルボタンと大型の十字ボタンからなっている。後部の3.5 mmポートには、ブローチューブ、ペダル、Microsoft製のアクセサリーなど実に様々な種類のデバイスを接続できる。

これはオールインワンのソリューションではなく、障害をもつゲーマーが最小限の手間で自分専用の操作環境をつくるためのハブのようなものだ。自分のもつ能力、心地よいもの、すでにもっている道具など、どんなものでもXACなら生かしてしてくれる。

本来なら私が詳しく紹介するところだが、Microsoftの驚くほど興味深くて詳細なXACの紹介記事を超えられそうにない。記事にはハードウェアの起源、テスト担当者や開発者の逸話などが満載されている。間違いなく時間を割いて読む価値がある。

このシステムについて、あるいはユーザーがどのように使うかについて追加情報をたのしみにしている。インクルーシブやアクセシビリティーがこのように実用的かつ慎重に研究された形で追求されるところを見るのはうれしいものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

認知症の人が自分で着替えができるようにするニューヨーク大のスマートドレッサー

毎日の生活の中で、服を着ることは重要な作業のひとつだが、長年の経験で第二の天性になっている。しかし認知症の人などはその天性を失い、うまく着ることができないことがある。ここでご紹介するニューヨーク大学で作られたスマートドレッサーは、そんな人たちの服を着る作業を助けるとともに、介護者の苦労と負担を減らしてくれる。

臨機応変な人間に換えてロボットのドレッサーを使うことは、無神経なやり方に見えるかもしれない。しかし介護施設などでは介護者がタイムリーに特定の人の世話をできないこともあるし、また居住者自身もプライバシーと独立性を重視して、このようなソリューションの方を好む場合もある。

“目標は認知症の人びとを介助して、彼らが今いる場所でもっとおだやかに老いていけるようにすることだ。また理想としては、要介護者が着替えをしているときには、介護人が休めるようにしたい。そのためにこのシステムは、着替えが終わったら介護人に通報し、手伝いが必要なら合図できる”、とプロジェクトのリーダーWinslow Burlesonがニューヨーク大学のニュースリリースで述べている。

このデバイスはDRESSと呼ばれ、引き出しが5つある化粧だんすで、上には鏡ではなくタブレットがある。タブレットは、表示とカメラの役を演ずる。そして、服を着替える人の様子を観察しながら、正しいやり方を教える。

正しくない着方はたくさんあるが、正しい着方はひとつだ。シャツは上に頭と首を通し、前を胸と腹側にする。ズボンは前開きを前にして着る。靴下は両足に着ける。などなど。服にはタグが付いているので、DRESSはそれを見て正しい着方をしたことが分かる。ズボンを着る前に靴を履いた、という間違いもチェックできる。引き出しの前面についているライトが、次に着るべきものを知らせる。

しかし、要介護者が迷ったり、使い方が分からなくなると、介護者に通報が行くので助けに駆けつけられる。しかし完全に正しい着替えが終了したら、それは、完全に自力でやった着替えだ。それは、以前は不可能なことだった。

DRESSは現状ではまだプロトタイプで、概念実証のような段階だ。今後はシステムの視覚系をもっと改良したり、衣類のたたみ方/広げ方の標準化、衣類につけるタグの改良などが課題だ。

画像クレジット: ニューヨーク大学(NYU)

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より本格的な健康データデバイスを目指すFitbitがGoogle Cloud Health APIの利用へ

ヘルスデータ・ブレスレットのFitbitが今朝(米国時間4/30)、単なるエクササイズツールから本格的なヘルスケア製品へのステータス・アップをねらって、GoogleのCloud Healthcare APIを利用していく、と発表した。これはまるで、筋書き通りのようなパートナーシップだ。

アメリカの保健医療市場は2016年の支出額で3.3兆ドルと言われるが、GoogleはCloud Healthcareでこの巨大な市場へ食い込むことをねらっている。この市場の成長を止めるものは何もないから、数年後にはさらに額が肥大していると予想される。

Googleはこれまで、同社の既存のクラウド製品を利用して、ヘルスケアという巨大な世界のための情報共有基盤を提供してきた。その初期の段階では同社は、Stanford School of Medicine(スタンフォード大学医学部大学院)など医療専門機関とパートナーしてきたが、今回のFitbitとの契約は、さらにメジャーな路線への進出になる。

またFitbitにとっては逆に、より正統的なヘルスケアの世界への接近になる。最近のイベントでCEOのJames Parkは、ヘルスケアは消費者電子製品の企業がそこへ向かっていくべき大きな世界だ、と語った。それはもちろん、Jawboneのように消費者分野を切り捨てるという意味ではなく、正統的な医療保健データの収集を一般化大衆化することに大きな市場機会を見出している、ということだ。

正統的というのは、医師が患者の電子的医療データとまったく同格に、Fitbitによるモニタリングデータを利用する、できる、という意味だ。最近同社が買収したTwine Healthは、エクササイズデータに加えて糖尿病や高血圧などのデータを提供してくれるはずだ。

Google Cloud Healthcareからの新しいサービスについて、具体的な日程等の発表はまだない。

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完全植物性のひき肉が大衆的ハンバーガーショップに進出、菜食人口の増大にも対応

完全植物性の、がんもどきではなく肉もどきを作っているImpossible Foodsが、食肉のサプライチェーンに食い込もうとしている。同社の肉もどきで作ったバーガーもどきが、アメリカで最初のファストフードバーガーチェーンWhite Castleのメニューになるのだ。

そこで、ラリったヴィーガンのヒッピーたちも、同じくラリったスラッカーたちと一緒に、安くておいしいバーガーふう御馳走にありつける、というわけ。

その“Impossible Slider”という商品名の完全植物性ひき肉もどきは、バーガー1枚が1ドル99セント、ほかのメニューに含まれることもある。

ヴィーガン(vegan, 完全菜食主義者)専用の高級品だった肉もどきが、一般消費者向けのファストフードチェーンへ飛び込むなんて、ものすごく画期的だ。

同社のミッションが本物のひき肉と互角なコンペティターになり、最終的にはそれを駆逐することなら、そのバーガーの名前も今のUmami Burgerから堂々とImpossible Sliderに変わるべきだ。

前にも書いたが、同社は最近3億ドル近くの資金調達により、そのバーガーをアジアとアメリカ市場全域に売り込もうとしている。

Impossible Sliderがこれから売られるWhite Castleの店は、ニューヨーク-ニュージャージー回廊地帯とシカゴおよびその郊外の、140店だ。

Impossible FoodsのファウンダーでCEOのPatrick Brownは、声明文で述べている: “White Castleのビジネスモデルを真似ようとした連中は多かったが、だれも真似できなかった。競争の激しいファストフード業界で、それはすごいことだ。われわれもWhite Castleと密接に協働して、植物性の肉を今後大衆的な量産量販バーガーとして普及していく方法を学びたい”。

画像クレッジット: TechCrunch

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無から水を得る懸賞Water Abundance XPRIZEのファイナリスト5作品が決定

水は生命にとって欠かせないものであるにもかかわらず、戦争でインフラが破壊されたり、気候変動で川や帯水層が干上がってしまったところなどでは、飲用に適したきれいな水を得ることがとても難しい。技術革新推進のための懸賞NPO Xprizeの新しい応募課題Water Abundance XPRIZEがこのほど締め切りを迎え、大気から水を採取する技術5点が、決勝に残った。

課題の要件は、まるでSFなみに厳しい。それは、“再生可能エネルギーだけを使って大気から一日に2000リットル以上の水を取り出すこと、そのコストはリッターあたり2セント以下”だ。そんなこと、可能だろうか?

目の前に100万ドルの優勝賞金が人参のようにぶら下がっていると、誰もがその課題に挑戦したくなる。しかし決勝に残ったのは5社で、彼らは25万ドルの予選突破賞(milestone prize)を仲良く分け合う。それは決勝戦に向けての資金でもある。まだ詳しい技術情報は得られていないが、5つの作品をアルファベット順にご紹介しよう:

Hydro Harvest: オーストラリアのニューカッスル大学のチームは、“基本に帰れ”を実践した。コストを抑えるためには賢明な判断だろう。このチームは以前、ごみを燃料とする無公害の発電機を作ったことがある。

JMCC Wing: ハワイのチームのチームリーダーは長年、太陽光発電や風力発電に取り組んでいる。そこで今回の応募作品も、超高効率でスケーラブルな風力発電装置と商用の復水器(water condenser)を組み合わせている。発電機が大きいほど、エネルギーコストは安い。

Skydra: シカゴのチームの作品だが、“自然と工学系のシステムを併用したハイブリッドなソリューション”、という超短い情報しか、今のところ得られていない。

The Veragon & Thinair: これはアルファベットではUの下と上の両方に来るが、とりあえずここに置いた。このイギリスの共同チームは、復水(water condensation, (主に冷却により)空気中の水を回収)効率の高い素材を発明し、真水だけでなくミネラルウォーターへの応用も計画している。

Uravu: インドのハイデラバードのチームもやはり“基本に帰って”ソーラーを利用しているが、太陽電池は使わずに、装置の設計により、太陽光を直接利用する。得られる水は、たぶんかなり温かいのだろう。

最初の試験は1月に行われ、第二ラウンドは7月だ。そのときは、ビジネスプランも評価の対象になる。8月に賞金100万ドルを得る勝者が決まる。誰が勝ってもいいけど、全員の今後の健闘と地球上各地での活躍を期待したいね。

画像提供: https://www.rwlwater.comのライセンスによる。

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23andMeの消費者直送型がんリスク遺伝子検査キットをFDAが正式認可

遺伝子検査の最強スタートアップ23andMeが今日、さまざまな形のがんに結びついている遺伝子を調べる、消費者直送型のテストキットにFDAの公式の認可が下りたことを発表した。近く発売されるそのキットは処方箋不要で使用でき、卵巣、乳房、および前立腺のがんの高いリスクに結びついているとされるBRCA1とBRCA2遺伝子をテストする。

“初めてのそして唯一の消費者直送型遺伝学企業として、処方箋不要のがんリスク検査にFDAの認可を得たことは、23andMeと消費者の両方にとって大きな前進である”、と同スタートアップのCEO Anne Wojcickiがその発表を告げるプレスリリースで述べている。“一般消費者がこの、自分の生命に関わるかもしれない情報に低料金で直接アクセスできることは、きわめて重要であるとわれわれは信ずる。われわれは今後も継続して、健康情報へのアクセスを拡大する道の開拓者であり続けたい。そしてさらに、ヘルスケアへの消費者の意思による予防医学的アプローチを推進していきたい”。

ただしもちろん、この検査はがんのリスクに関する最終的決定的な結論となるものではなく、また正しい検診に代わるものでもない。遺伝学者のEric TopolがThe Vergeで述べているように、これで検査される三つの遺伝子変種は、知られている数百もの変異体のわずかなパーセンテージでしかない。したがってこの検査には、消費者に虚偽の安心感を与えるおそれがある。

Topolの警告は、FDAが2013年に同社に送った書簡を反映している。その書簡は23andMeに、同社の唾液採取キットとパーソナルゲノムサービス(Personal Genome Service, PGS)を中止するよう、勧告している。

“PGSに意図されている一部の用途がとくに気がかりである”、とFDAは書いている。“たとえばBRCA関連の遺伝子リスクと薬物反応(たとえばワルファリン過敏性、クロピドグレル反応、そしてファイブ・エフユー毒性)の評価は、これら高リスク指標の擬陽性または擬陰性の評価から結果する健康状態の可能性がある”。

遺伝子のその三つの変種はアシュケナージ系ユダヤ人の子孫に多く見られ、その系統の人びとでは40人に一人の割合で検出される。女性では、その変種の一つが存在すると70歳までに乳がんになるリスクが85%高くなる。同社の注記にもあるように、ある研究では、医療履歴を提供したBRCA陽性者の約半数は、近い親戚にがんの履歴がない、と報告している。

というわけで同社のサービスは、ユーザーに赤信号を提供し、今後の検診を勧めるものだ。しかしもちろん、この検査の結果を絶対に、実際に医師を訪ねることと同等、と見なしてはならない。

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携帯電話の電波放射と発がんの関係が動物実験で実証されたかもしれない

【抄訳】
国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)の毒物研究部門National Toxicology Programが、携帯電話の電波放射が特定の形のがんに結びついていることを見出している。それはまだ最終結論にはほど遠いもので、その複雑な研究結果はこれから他の専門家たちからの評価を必要とするが、しかし彼らの発見の一部は明らかに重要であり、一般のレベルでも議論される価値がある。

携帯電話の電波の発がん性に関する一部の研究は2016年に初めて登場し、ぼくも本誌TechCrunchで取り上げたことがあるが、今回の(草稿)はデータを完備した完全な研究報告だ。

どちらの報告でも、“ラットやマウスにおける携帯電話のRFR(radio frequency radiation, 電波放射)への露出に結びついた腫瘍の発生の一貫した増加は示されていない”、としている。しかし研究者たちは、“これまでの研究の設計では、このような陰性の結果が携帯電話のRFRに発がん性がないことを明らかに示している、と最終的に結論するのは困難である”、と感じていた。

言い換えると、発がん性云々に関する結論を出せるほどに十分な量と密度の電波放射環境での研究を、まだ誰も行っていなかった。そして今回の研究では、実験動物の、RFRへのより長期的でより強力な露出が敢行された。

マウスとラットたちの各グループは、それぞれ900MHzと1900Mhzの電波に1日9時間さらされ、その強度は体重1キログラムあたり1〜10ワットの範囲で、何段階かに変えられた。ちなみに、電子製品に対するFCCの一般的な上限が0.08W/kg、専門職に対する短時間の最大露出は20W/kgを6分以内とされているから、今回のマウスたちにとっては強烈な電波の被爆だった。

【中略】

900 MHz:
一部の証拠(some evidence)はRFRを雄のラットの心臓の悪性神経鞘腫に結びつけている。雌のラットには同じ証拠がない。限定的証拠(equivocal evidence)は露出を雌における脳の神経膠腫に結びつけている。両性ともにそのほかのさまざまなタイプの腫瘍は“携帯電話のRFRの露出と関連していたかもしれない”、その意味は、結びつきが不明確、ないし個体数が結論を導くに十分でない。露出した雄と雌において、あまり深刻でない“腫瘍ではない組織損傷”が、より高頻度だった。

1900 MHz:
限定的証拠:雄雌両方のマウスにおいて、肺、肝臓、およびその他の器官組織における発がん性。

【後略】

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Appleはユーザーのすべての医療記録をHealthアプリに収めたい…協力医療機関とベータテスト中

Appleは、iOS 11.3における健康への新しい取り組みを発表した。すなわちHealthアプリのHealth Recordsという新しい部分に、ユーザーは自分の医療記録をすべて集めて見ることができる。そのために同社は、病院や診療所とパートナーする〔現在アメリカのみ〕。

AppleはiOS 11.3の最初のベータバージョンを今日(米国時間1/24)リリースした。そのベータテストは今後2か月にわたって行われるが、すべてのiPhoneユーザーが無料でダウンロードできるのも、もうすぐだ。

HealthアプリにはHealth Dataという部門があって、そのメニューの一つにHealth Recordsがある。このメニューの下に、CDA(Clinical Document Architecture)形式のファイルならどんなファイルでも収めることができる。そういうファイルを患者にメールで送ってくる病院もあるし、Webサイトから提供する病院もある。しかしAppleは、その送信〜受け入れの過程を自動化したい。

Johns Hopkins Medicine, Cedars-Sinai, Penn Medicineなどの病院はすでに、患者に対してこの機能をテスト中だ。Health Records(健康記録)のデータ形式やAPIは、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)と呼ばれる標準規格に基づいている。

つまりそれらの病院や診療所は、このデータを患者のスマートフォンに直接プッシュできる。ユーザーのiPhoneが新しい医療記録を受信したら、通知が来る。データはユーザーのスマートフォン上で暗号化されており、パスコードで保護されている。

スクリーンショットを見ると、それはとても詳細だ。自分のアレルギーや投薬歴、予防接種歴、検査結果などがすべて分かる。

コレステロールなどなどの問題で検査をたくさん受ける患者には、とても便利な機能だろう。新しい結果は、つねに最上部に表示される。

これを全米〜全世界のすべての病院や診療所に採用してもらうのはたいへんだが、ベータテストには以下の医療機関が参加している:

  • Johns Hopkins Medicine – Baltimore, Maryland
  • Cedars-Sinai – Los Angeles, California
  • Penn Medicine – Philadelphia, Pennsylvania
  • Geisinger Health System – Danville, Pennsylvania
  • UC San Diego Health – San Diego, California
  • UNC Health Care – Chapel Hill, North Carolina
  • Rush University Medical Center – Chicago, Illinois
  • Dignity Health – Arizona, California and Nevada
  • Ochsner Health System – Jefferson Parish, Louisiana
  • MedStar Health – Washington, D.C., Maryland and Virginia
  • OhioHealth – Columbus, Ohio
  • Cerner Healthe Clinic – Kansas City, Missouri

  [アレルギー ピーナッツアレルギー、投薬 サルブタモール、ワクチン インフルエンザ、検査結果 HDLコレステロール53.5mg/dL]

  1. iphone_x_apple_all_health_records_screen_01232018.jpg

  2. iphone_x_apple_health_records_screen_01232018.jpg

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スマホ中毒の十代は、スポーツやリアルな遊びをする子供たちほど幸せではない(研究結果)

これを聞いて驚く親はいないだろうが、スマートフォンの使いすぎは十代を不幸にする。

そう言っているのはサンディエゴ州立大学の最新研究で、米国の中2、高1、高3生100万人以上のデータを分析し、スマートフォンでソーシャルメディアやゲーム、テキストメッセージ、ビデオチャットなどに時間を費やしている十代は、スポーツをしたりやアウトドアで本物の人間と交流する人たちよりも幸せではないことを示した。

だがこれは、画面を長く見ていると不幸になるのか、それとも悲しい十代ほど自分をバーチャル世界に隔離するのかどちらだろうか? 論文の筆頭著者で心理学教授のJean M. Twengeは、スマートフォンが彼らを不幸にする原因であり、逆ではないと確信している。

「この研究で因果関係を示すことはできないが、複数の研究結果によると、ソーシャルメディアの利用は不幸の原因になるが、不幸がソーシャルメディアの利用を誘発することはない」とTwengeは言っている。

スマートフォンを禁止することで問題が解決するとは思えないが、Twengeの理論にはうなづける面がある。同じくTwengeが指揮した米国疾病対策センターの最近の研究によると、十代少女のうつ病と自殺の増加現象はスマートフォンの利用時間が長いほど多く発生している。

これは見過ごせない。スマートフォンを与えられる年齢が下がり続けていることを踏まえるとなおさらだ —— 2012年の12歳から、2016年には10.3歳へと低下している。

Twengeは90年代始めから十代の行動を研究しており、十代の行動と情動状態がスマートフォンの利用によって急変することを示唆する研究を中心になって進めている。同氏によると、2012年に劇的な変化があり、それはますます低年齢の子供たちがスマートフォンを長時間使うようになった時だという。

今回の研究でも同様の傾向が見られると研究者らは言っている。

この研究結果を裏付けているのが、4時間から5時間以上スマートフォンを使っている子供は自殺のリスク要因が71%も増加すると示唆したTwengeの過去の研究だ。見ているものが猫のビデオでもなんでも関係ない。コンテンツではなく端末を見て過ごす時間が最も重要な要素だという。

「2012年と2016年に生きる十代の違いで何よりも大きいのは、デジタルメディアに費やす時間の長さと、その結果減少した対人活動と睡眠の時間だ」とTwengeは言う。「デジタルメディア利用と幸福の関係を解決する鍵は、利用を制限することだ」。

十代はデジタルメディアに1日2時間以上費やすのをやめて、リアル世界で友達と行動する時間を増やすことで幸福度を高めるべきだと同氏は言う —— おそらくこれは大人にもすべて当てはまることだ。

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人工蜘蛛の糸のBolt ThreadsがシリーズDで$123Mの巨額を調達、二次製品は他企業とのパートナーシップ次第か

蜘蛛の糸を、微生物を利用して人工的に作ろうとしているBolt Threadsが、シリーズDで1億2300万ドルという巨額を調達した。本誌が11月に報じたように、SECの提出書類によると同社は、Formation 8から1億600万ドルを調達した。

Boltの新たな発表では冒頭の額になり、同社の調達総額は2億1300万ドルになった。

【中略】(投資家詳細)

Bolt Threadsは、2009年のローンチ以降、テフロンより強く雲より柔らかい、そして自然界に豊富にある、という蜘蛛の糸を人工で作ることに向けて、大きく前進してきた。

過去に同じことに挑戦した企業や個人は多いが、誰も成功しなかった。しかしBolt Threadsは不可能から黄金を紡ぐことに成功し、2017年には初めての衣料製品、314ドルのネクタイを作った。

その後同社はPatagoniaやStella McCartneyなどとパートナーし、また職人のための道具などを扱っているBest Made Companyを買収した。

シリーズDの資金は、研究開発の継続と、その微生物から作った素材の商業化努力に充てられる。

協同ファウンダーでCEOのDan Widmaierはこう言う: “昨年のBolt Threadsは大きく前進できた。長年の研究開発の結果、弊社は世界で初めて、人工蜘蛛の糸の市場化に成功した。でもそれは、今後起きるであろう素材革命の上(うわ)っ面(つら)をかすったにすぎない。今回の資金で工程の改良を継続し、また他企業とのパートナーシップも拡大したい”。

ただし、今後の多様なパートナーシップや製品開発についての、具体的な説明はなかった。

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汚染物質をナノレベルまで粉砕して無害化する新技術の空気清浄機Molekule

サンフランシスコのMolekuleが作っている同名の製品は、すっきりしたデザインの、分子レベルの空気清浄機で、それは25年前の移民の夢から生まれ育ち、今年2017年にはTime誌の「今年の優秀発明25」に選ばれた。

発明者のYogi Goswamiは、自分の息子Dilipが赤ちゃんのとき、呼吸困難に苦しむのを見てこれを着想した。Dilipの症状は重い喘息だったが、当時は室内の空気中の汚染物質を完全に除去する空気清浄機がなかった。

従来のHEPA(high-efficiency particulate air filter)フィルターはその名のとおり、分子レベルではなく微粒子のレベルで空気を漉すから、相当量の汚染物質がそのままリリースされ、しかもその前にそれらが破壊されることもない。

そこで先代のGoswamiは、アレルゲンやカビやバクテリアのようなものも濾過できて、しかもそれらをHEPAフィルターがキャチできるサイズの1/1000にまで粉砕するフィルター技術に挑戦した。その、photo electrochemical oxidation(光電気化学酸化, PECO)と呼ばれる技術とナノテクノロジーを利用する彼の技術は、汚染物質を分子のレベルにまで破壊し、室内の空気からさまざまな汚染物を取り除く。その結果、もっとも敏感な体質の人でも安心して呼吸できる空気が得られるようになった。

Dilipと姉のJaya Goswamiはこの技術の特許を取り、父の発明を一般に提供していくためにMolekule社を創った。

同社のスタイリッシュな空気清浄機製品は、高さ50センチのシリンダー型で、その中に特許を取得したフィルターがある。定価は800ドルと高いが、毎月67ドルの月賦も可能だ。この秋のカリフォルニア州北部の大規模な山火事のときは、これが多くの人たちの呼吸を助けた。Jayaによると、そのときはMolekuleの在庫が完全に涸渇したため、早期の出荷が不可能になった。今抱えているバックオーダーが消化されるのは2018年の1月3日ごろ、という。

Molekuleは今日までに、1300万ドルあまりのベンチャー資金を獲得している。

カリフォルニアの山火事はまだ各所で鎮火していないから、この製品の登場はタイムリーだった。また、地球温暖化によって今後さらに多くのCO2が空気中にリリースされ、植物や花が放出する花粉の量も増えるだろう。

最近、South of MarketのMolekule本社を訪ねてJayaにインタビューした。上のビデオで、それをご覧いただきたい。

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レーザー光を照射する靴がパーキンソン病患者をふつうに歩けるようにする

テクノロジーが多くの人の生活を快適にしてくれるささやかな例が、意外なところにもある。それは、レーザー・シューズだ。そう、男の子の玩具ではない真面目な製品だ。上図のような、小さなレーザーエミッターを取り付けた靴は、最近のテストによると、パーキンソン病患者の正常な歩行を助ける。

パーキンソン病の症状のひとつに、すくみ足がある。それは、自分には前へ進む意志はあるのに、そのための一歩を踏み出せない状態だ。その状態が数秒から一分近くも続くと、不便であるだけでなく体のバランスを崩して転倒することもある。

しかし不思議なことに、足がすくんでいる人が前方の足元に気になるものをみつけて、心がそれに集中すると、それに向かって歩こうとして、すくみ状態がなくなることがある。それは、床板でも歩道の割れ目でも、なんでもいい。しかし、そんなものがつねにあるとは限らない。常時あるようにするには、どうしたらいいか?

そこで、オランダのトゥウェンテ大学のMurielle Ferrayeの想像力から生まれたのが、レーザー・シューズだ。つま先に取り付けたレーザー照射デバイスが、約45センチ前方の床に光の線を描く。するとユーザーは、その線に向かって足を踏み出そうとする。靴が動いているときにはレーザーは消えている。足が静止しているときだけ、線が描かれる。

こんな感じだ:

21名のパーキンソン病患者でテストした結果では、レーザー・シューズによってすくみ足の発生が半分近くに減り、すくみの持続時間は半分以下になった。患者の多くが、その靴を使いたいと言い、足がすくんでいないとき光が投射されても気にならないと言った。大学のニュースリリースでFerrayeが述べている次の課題は、すくみが検出されたときだけレーザーが発光するようにすることだ。

この研究は今週、Neurology誌に発表された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自宅で安価に歯列矯正治療ができるCandidがシリーズAで$15Mを調達

Candidは、歯列矯正を矯正器やInvisalignよりも安くできる、というスタートアップだ。同社はこのほど、Greycroft Partners, Bessemer Venture Partners, e.ventures, それに一部の既存の投資家たちが率いるシリーズAのラウンドで、1500万ドルを調達した。

同社のプレスリリースによると、資金の主な使途は、操業体制の強化と、それによる顧客ベースの拡大だ。

同じプレスリリースでGreycroftのパートナーJohn Eltonがこう言っている: “Candid Co.のビジョンは、テクノロジーを利用してより多くの人びとに高品質な歯科矯正サービスへのアクセスを提供し、しかもその人たちが自宅で便利にそして快適に治療できるようにすることだ。Greycroftは、非凡な能力を持つCandid Co.とパートナーして同社のポジティブなミッションを支援できることを、たいへん嬉しく思っている”。

Candidは、FDAの認可を得た整列器を3Dプリントで作っており、それらは軽度から中度程度の歯科矯正治療を必要とする人びとに適している。費用は2年間で1900ドル(月額88ドル)だが、これまでの矯正器は7000ドル、Invisaligなら最大で8000ドルぐらいかかる。

同社は過去に、Arena Ventures率いるラウンドで200万ドルのシード資金を得ている。Candic Co.のこれまでの総調達額は、1700万ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

自宅で安価に歯列矯正治療ができるCandidがシリーズAで$15Mを調達

Candidは、歯列矯正を矯正器やInvisalignよりも安くできる、というスタートアップだ。同社はこのほど、Greycroft Partners, Bessemer Venture Partners, e.ventures, それに一部の既存の投資家たちが率いるシリーズAのラウンドで、1500万ドルを調達した。

同社のプレスリリースによると、資金の主な使途は、操業体制の強化と、それによる顧客ベースの拡大だ。

同じプレスリリースでGreycroftのパートナーJohn Eltonがこう言っている: “Candid Co.のビジョンは、テクノロジーを利用してより多くの人びとに高品質な歯科矯正サービスへのアクセスを提供し、しかもその人たちが自宅で便利にそして快適に治療できるようにすることだ。Greycroftは、非凡な能力を持つCandid Co.とパートナーして同社のポジティブなミッションを支援できることを、たいへん嬉しく思っている”。

Candidは、FDAの認可を得た整列器を3Dプリントで作っており、それらは軽度から中度程度の歯科矯正治療を必要とする人びとに適している。費用は2年間で1900ドル(月額88ドル)だが、これまでの矯正器は7000ドル、Invisaligなら最大で8000ドルぐらいかかる。

同社は過去に、Arena Ventures率いるラウンドで200万ドルのシード資金を得ている。Candic Co.のこれまでの総調達額は、1700万ドルになる。

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Apple Watchなど心拍計のあるウェアラブルは高血圧症や睡眠時無呼吸を正確に検出する

ヘルステックスタートアップのCardiogramとカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)による最新の調査によると、Apple WatchやFitbitなどのウェアラブルには、高血圧症(過緊張)や睡眠時無呼吸など、一般的によくある危険な状態を正確に検知できる能力があることが分かった。

両者のこの前の研究では、Apple Watchには不整脈を97%の精度で検出できる能力があることが、実証された。今回の調査では、Watchが90%の精度で睡眠時無呼吸を検出し、高血圧症を82%の精度で検出することが分かった。

American Sleep Apnea Association(アメリカ睡眠時無呼吸協会)の推定によると、アメリカでは2200万人の大人に睡眠時無呼吸症があり、中程度から重度の患者の80%が診療を受けていない。しかしこれは、睡眠時に呼吸が止まって死に至ることもある症状だから、たいへん深刻な状況である。

またCenters for Disease Control(CDC)(疾病管理センター)によると、アメリカ人の大人のうち7500万人が高血圧であり、合衆国で死亡原因のトップである心臓病や脳卒中のリスクを抱えている。

自宅でくつろいだ状態で、しかもシンプルなデバイスを使って、睡眠時無呼吸症や高血圧症を検知できるようになれば、医療は大きく変わるだろう。これまでは多くの患者が、ときどき思い出したかのように医者へ行き、長い時間待たされて検査を受けている。これでは、急な血圧上昇などをお医者さんに知ってもらうことができないし、本人が寝ているときの呼吸停止ともなると、家族はおろか、本人にも分からない。

今回の調査では、6000名あまりの標本がCardiogramアプリを搭載したApple Watchを一定期間装着した。そしてDeepHeartと呼ばれるディープラーニングのアルゴリズムが分析した結果では、1000名あまりに睡眠時無呼吸が、2000名あまりに高血圧症が検出された。

DeepHeartは標本の70%から得られたデータで訓練され、その結果を残る30%に対してテストした、とCardiogramの協同ファウンダーBrandon Ballingerが述べている。

今回使用したデバイスはApple Watchのみだが、Cardiogramの協同ファウンダーで今回の調査を担当したJohnson Hsiehによると、心拍計のあるウェアラブルならどれでも同じ結果が得られたはず、と言う。“それらは、基本的に同じ技術だから”、と。

Hsiehはこう語る: “ウェアラブルのメリットは、高血圧症などの診断が、自覚症状のない人や多忙な人に対しても継続的にできる点にある。そして症状を検出できた人を確実に医療にアクセスさせ、より本格的な検査や治療を講じることができる”。

心臓の健康に関する今回の調査研究は、医療にディープラーニングが本格的に利用された三度目のケースだ。その前には、2016年12月のGoogle Brainによる網膜検査による糖尿病の検出と、今年の1月のスタンフォード大学による皮膚がんの検出があった。

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アメリカ政府の国民健康調査事業にFitbitのフィットネスデバイスがデータ収集に起用

オバマ大統領は2015年の一般教書で、Precision Medicine Initiative(個別化医療構想)という、疾病と各個人の特殊性との関係を明らかにするための、大規模な研究事業を提案した。昨年、National Institutes of Health(NIH)(国立衛生研究所)はその構想をAll of Usというやさしい名前に変えて、100万名のアメリカ人から匿名の健康情報を得るための登録業務を開始した。

まだ登録数はとても少ないが、しかしこのお役所は今年、プロジェクトのピッチをさらに上げて、Fitbitのフィットネスデバイスを10000個買って参加者に配布することにした。Fitbitは、このプロジェクトのためにNIHから認定された初めてのウェアラブルメーカーで、二つのメジャーなOSに対応していることと、一回の充電で数日使えることがその理由だ。つまりこの研究事業のメニューに含まれている、フィットネスや睡眠追跡の目的によく合っている。

参加者はFitbitの二つの人気製品、Charge 2Alta HRから、どちらかを選ぶ。発表に先駆けてFitbitの健康事業ゼネラルマネージャーAdam Pellegriniはこう語った: “この研究事業には、睡眠や心拍、運動など、個人のライフスタイル情報がとても重要なんだ。うちの器具なら、エネルギーレベルや睡眠、歩行などに関するリアルな標本データを提供できる。しかも、ふつうの日常生活をしている状態でね”。

この、日常性ということが、とても重要だ。つまりこの研究事業は、医療機関の外での、健康への影響要因を知ることが目的だからだ。フィットネスデバイスによるデータ収集は、期間を1年と予定しているが、そのデータによりウェアラブルの使われ方なども分かるだろう。

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ますます病的になっているインターネットの解毒を探求するEvolve Foundationが$100Mのファンドを創立

このところ悪いニュースばかりのようだが、しかし良いニュースもある。非営利団体Evolve Foundationが、テクノロジー隆盛の影で全世界的に広がっている孤独や生きがい喪失、不安や恐怖、怒りなどとたたかうためのファンドConscious Accelerator〔仮訳: 気づきの加速〕に1億ドルを調達した。

Matrix Partners Chinaの協同ファウンダーBo Shaoがこのファンドをリードし、世界の問題に対する人びとの意識を高めるようなテクノロジーを目指す起業家を、掘り出し、育成していく。

“ものすごくお金持ちの人がたくさんいるけど、彼らの多くは大きな不安にかられ意気消沈しているんだ”、と彼は語る。彼によれば、その大きな原因のひとつが現在のテクノロジーの使われ方、とくにソーシャルメディアのネットワークだ。

“多くの人に‘いいね!’される投稿をしなければならないという強迫が、不安を惹き起こす”、と彼は言う。“そして自分の投稿に、罠のように囚われてしまう。投稿して10分も経つと、何人‘いいね!’したか、コメントがいくつあったか、気になってくる。一種の、中毒症状だ”。

それをいちばん気にするのがティーンだ、と彼は指摘する。それは今では精神症状の一種とみなされ、Social Media Anxiety Disorder(SMAD)(ソーシャルメディア不安障害)という名前までついている。〔参考

“ソーシャルメディアは新しい砂糖や新しい喫煙だ”、とShaoは語る。

彼がソーシャルメディアと絶縁したのは2013年の9月だが、彼はこれまでの10年間、自分やほかの人たちの生き方をもっと良くするための方法を探求してきた。

彼の新しいファンドはMediumの記事で発表され、社会的善の最大化、テクノロジーがもたらしている問題への解を見つけることを目的とする。投資家への良いリターンが得られるものに投資するだけが、目的ではない。

Shaoは、自分がこれまで数十億ドル企業の著名なVCの一員として仕事をしてきた経歴を活かして、人びとの不安をなくし、多くの人がもっとしっかりとした人生を送れるようにするためのテクノロジーを見つけていきたい、という。

Conscious Acceleratorはすでに、瞑想アプリInside Timerに投資している。また、子どものメディア耐性や、混乱した社会への耐性を増進するための子育てアプリも企画している。

また、二人のUC Berkeley(カリフォルニア大学バークリー校)の学生が始めた、ロシアのボットや、政治的に悪質なTwitterのボットを見つけるプロジェクトにも、投資してよいと考えている。Twitterは最近、これらの問題に対する内部的無策ぶりが、批判されている。

“問題意識のある起業家に利用してもらうことが、このファンドの目的だ”、とShaoは語る。

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電気歯ブラシのQuipがオーラルケア/デンタルケアの全分野に挑戦すべく$10Mを調達

ベンチャー資金が支えるがあり、ひげそりがあり、メガネもある。なら、歯ブラシがあってもいいよね。

Quipは、同社のデンタルケアビジネスのために1000万ドルを調達した。Sherpa Capital, Blue Scorpion VC, Demi Lovatoなどが主な投資家だ。

ニューヨークに拠を置く同社は、ファウンダーでCEOのSimon Eneverによると、(事業範囲は)“電気歯ブラシだけでなくもっと大きい”、と言う。Quipは、“口内の健康に関わる分野の問題を解決し現代化したい”。

Quipはいろんな方法で自社を差別化しようとしている。歯ブラシのお値段は25ドルからで、入手は会員制だ。ヘッドの交換や歯磨きの提供が、会員サービスの一環だ。

Quipには、ご自慢の歯磨きガイドがある。それは、最適のテクニックを教える。歯医者さんが喜びそうだ。また同社の歯ブラシのデザインは、ユーザーが頻繁に歯を磨きたくなる形だそうだ。

Sherpa Capitalの協同ファウンダーで専務取締役のShervin Pishevarによると、彼がQuipに投資した理由は、“オーラルケアは多様な商材商機のある大きな市場であり、Quipは歯ブラシ以外のものをいろいろ考えている”からだ。彼によると、“Quipは健康産業全体の中でももっとも重要な分野のひとつに関して消費者に前向きの行動を喚起し、誰もがデンタルケアにアクセスできるようにしている”、という。

今回得た資金は新製品開発と、同社会員を歯医者さんなどに結びつけるプラットホーム“Dental Connect”の構築に充てられる。Quipはこれまでに、少なくとも200万ドルを調達している

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米FDA、針を使わない血糖値モニターを認可

米国食品医薬品局(FDA)が現代科学技術に向けて準備運動している証拠がまた一つ見つかった ―― このたびFDAは、血液サンプル採取のために針を刺す必要ない初の連続血糖値モニターを承認した

今日(米国時間9/28)FDAは、Abbot社のFreeStyle Libre Flash Glucose Monitoring Systemを認可した。皮膚の下に挿入した小さなセンサーワイヤーを使って、成人糖尿病患者の血糖値を測定する装置だ。別の棒状の装置をセンサーにかざすことで血糖値の測定結果を読み取ることができる。

これはFDAにとって記念すべき一歩だ。現在米国には300万人近くの糖尿病患者がいて、一日数回、何かを食べるたびに自分に針を刺して血糖値を測定しなければならない。

ただし、針を使わない血糖値モニターのアイデアは新しいものではない。ここ数年多くのIT企業がこの巨大な糖尿病市場に関心を持っている。Appleもこの種のデバイスを開発しているという噂があり、CEO Tim Cookが、Apple Watchと接続するプロトタイプらしきものを装着しているところを目撃されたこともあった。

ほかにも現在まだ開発中のGlucowiseを始め、いくつもの会社が同様の製品開発に取り組んでいる。

しかし、針のない血糖値センサーの開発は容易ではなさそうだ。Googleは血糖値を検出するコンタクトレンズを作ろうとしたが、医薬品会社のNovartisが2014年にライセンスして以降、プロジェクトは行き詰っているようだ。やはりFDA認可済み非侵襲血糖値モニターのGlucoWatchは、2000年代初頭に認可されたが、消費者は使いにくいと感じ、中には悪性の皮膚疾患を起こした例もあった。

しかし、今日Freestyleのモニターがあらゆる苦難を乗り越えて認可されたことで、新たな希望がでてきた。この装置は18歳以上が対象で、12時間の始動期間の後最長10日間装着できる、とFDAウェブサイトの声明に書かれている。

「FDAは、糖尿病などの慢性疾患を抱えて暮らす人々の治療を、簡単かつ管理しやすくする新技術に常に関心を寄せている。」とFDA広報担当者のDonald St. Pierreは言う。「このシステムを使えば糖尿病患者は、時には痛みを伴う血液採取をすることなく治療に必要な情報を得ることができる ―― 読み取り装置をかざすだけだ」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

キーホルダーぐらいの小さなデバイスが食品中のさまざまなアレルゲンを検出してくれる

レストランや食品生産者が正しく対応していないことの多い、恐ろしいアレルギーのある人にとっては、食べ物を口にすることが命がけだ。Harvard Medical Schoolが開発したデバイスは、本人が自分で人体実験をしなくてもよいように、食べ物に含まれている一般的なアレルゲンを検知する。

それは、外因性抗原総合検査システム(integrated exogenous antigen testing system, iEAT)と呼ばれる。略語が“I eat”なのは、たまたまだろう。研究者たちが書いたペーパーは、ACS Nano(アメリカ化学学会の機関誌)に発表されている。〔*: 名前に‘総合’とあるのは、多種類のアレルゲンに対応するため。〕

最初に、少量の食品を“抗原抽出デバイス”(antigen extraction device)の上に置く。それは一回使って使い捨てのスライド(載物器)で、化学的に自然に分解する。それをiEATのデバイスに挿入するが、それはキーホルダーぐらいに小さくて軽く、食品サンプルを分析するための電子回路が収まっている。

ケースに収められたデバイスと、複数の電極のあるアタッチメントのプロトタイプ(非売品)。

このデバイスは10分で、アレルゲンの有無と、その量を検出できる。時間はややかかるけれども、今ある方法は、もっと遅かったり、サイズが大きすぎたり、あるいは危険すぎたりする(これは本人が食べる場合!)。しかもiEATは、これまでの検査よりずっと少量でアレルゲンを検出する。ほかにNimaという製品があるが、こちらはグルテンだけが対象で、しかも高価だ。そしてまだプロトタイプ段階のAllyは、ラクトースを検出する。

現在のiEATは、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、小麦、牛乳、卵を検出できるが、貝類、農薬など、ほかのものを加えることは容易である。研究者たちはいくつかのレストランについてテストし、“グルテンフリー”のサラダにグルテンを見つけたり、ビールに卵のタンパク質を見つけたりした(ひどいね)。

本体は40ドルを予定しているが、もちろん抗原抽出デバイスは今後たくさん要る。バルクで安く買えるといいのだが。しかしいずれにしても、喉が詰まったり、おそろしい発疹が出たりせずにすむのは、ありがたいよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))