プログラマー起業家支援に特化したMIRAISEファンド、元スカイプジャパン代表の岩田氏が立ち上げ

MIRAISE(ミレイズ)は2月13日、プログラマー起業家に投資するファンド「MIRAISE1号投資事業有限責任組合を組成したことを発表した。

同社は、元スカイプジャパン代表取締役で欧州の独立系ベンチャーキャピタルであるATOMICOのパートナーを務める岩田真一氏が設立。プログラマー出身の岩田氏が、プログラマーとしてはもちろん、起業家、投資家としての経験、人脈を生かして、テクノロジー起業家への資金面、ビジネス面、人材面、グローバル展開についてサポートしていくとのこと。

MIRAISEの岩田真一氏

シリコンバレーなどで起業するスタートアップは、優れたプログラマーやエンジニアが創業者、もしくは創業メンバーにいることが多い。一方、日本では起業家=エンジニアのケースがまだまだ少なく、プログラマー起業家やソフトウェアのコア技術に特化するファンドの必要性を感じていたという。

岩田氏は、P2P技術を利用してサーバー不要のグループウェアなどを開発していたスタートアップ、アリエル・ネットワークの創業メンバーであり、その後に入社したスカイプでは初期メンバーとして日本代表を務めた経験がある。そして直近の7年は、投資家としてスタートアップエコシステムに関わってきた。

現時点でのファンド出資者は、東京理科大学インベストメント・マネジメント、P2Pの送金サービスなどを提供しているTransferWise社の共同創業者であるTaavet Hinrikus(ターヴェット・ヒンリクス)氏を含む国内外の個人投資家。ファンドの規模は非公開だが、2019年内に10億円程度を目指すとのこと。

メンター陣には、坂本孝治氏(TBM取締役/COO)、Zach Tan氏(PROWLER.io、元Infocomm)、三島 健氏(JTB Web販売部戦略統括部長、元Expedia北アジアCEO)、松村映子氏(連続起業家)、首藤一幸氏(東京工業大学准教授)、海野弘成氏(Incrementsファウンダー/CEO)、尾下順治氏(AXEL MARK CEO)、佐々木康弘氏(Takramディレクター/ビジネスデザイナー)が名を連ねる。

ファンドの投資先としては現時点で、Pegaraといまチカの国内2社と、エストニアのAIスタートアップの計3社が決まっている。

Pegaraは、AI(機械学習・深層学習)の計算に使うGPUクラウドサービス「GPU EATER」を提供しているスタートアップ。GPU EATERは、初期料金が無料で秒単位の従量課金制サービスとなっており、AWSのGPUインスタントコストを最大80%削減できるという。

いまチカは、「いま近くのいいお店を探す、集めるアプリ」を提供しているスタートアップ。現在地もしくは指定した地域の近くにある、レストランやカフェはもちろん、病院や駐車場なども検索できる。該当地域で開催されるイベントや利用できるクーポンの情報までをまとめて調べられるのが特徴だ。また店舗向けには、QRコードを利用した電子スタンプなどのサービスを提供している。