クラシックな炭火焼きとモダンなアイデアが融合したNomadのスーツケース型炭火焼きグリル

ダラスを拠点とするNomad(ノマド)は、古典的な調理方法を現代化した。とは言っても、ネットにつながったりスマート機能を搭載しているわけではない。Nomad Grill & Smoker(グリル・アンド・スモーカー)は昔ながらの炭火焼きグリルを、気の利いた工業デザインできれいな形に収めてポータブル化したというもの。同時に、上級者レベルの調理も可能ながら、初心者でもおいしい炭火焼きが作れる。

基本仕様

Nomadのグリルの外観は、映画の撮影班が持ち歩いていそうな洒落た機材ケースと、最新のMac Proなんかを掛け合わせたような感じだ。一体鋳造されたアルマイト加工のアルミニウム製で、外側は耐久性に、内側は保温性に優れている。サイズは縦横およそ60センチメートル、厚みが約24センチ、総重量は約13キログラム。中に収まるステンレスの鋳造グリルが基本セットに含まれる。

13キロはちょっと重いように思えるが、Nomadの調理面積を考えれば非常に軽いほうだ。グリル1枚で蓋ができるモード(スモークができる)でおよそ1370平方センチメートル、オープンモードなら約2740平方センチメートルまで広げられる。グリルをもう1枚追加購入すれば、両面を使って調理ができる(網焼きのBBQ向き)。

ケースには、頑丈な二重ラッチ式の留め具が2つと、持ち運ぶことを考えて強化型のハンドルが備わっている。本体を置いて調理する際には、シリコン製の滑り止めが表面を保護してくれる。手でスライドさせて空気の流れと炎の強さを調整できる、磁石式の通気口が両脇にそれぞれ1つずつある。

デザインと性能

画像クレジット:Nomad

Nomadのデザインは思いのほかシンプルだ。言ってしまえば金属の箱なわけだし。しかし、その中をちょっと覗くだけで、非常に高度な仕組みが見てとれる。外側が高温にならない二重構造もそのひとつ。調理する人にとって安全であるばかりか、実際に調理する際の置き場所も、素材による制限をあまり受けない。ポータブルグリルにとって、それは大きな長所だ。

とくにグリルは熱伝導のいいハニカムデザインで、わずかにドーム状に盛り上がっているため、下の炭火からの距離が稼げるようになっている。取り外しができ、本体には磁石で固定される仕組みだ。これは持ち運ぶ際に安心できる。少々ぶつけても、中のものが散乱しない。

もうひとつの大きな特長は、ちょっと見には細かいことのようだが、ケースに取り付けられた温度計だ。グリルの温度が一目でハッキリとわかる。アナログ式なので電池もいらない。これも持ち運ぶ際には有り難い。

実際にグリルは、優れた炭火焼きグリルに求められる要素をすべて備えている。このサイズのポータブル式にしては驚くべきものだ。ひとつ、ぜひお薦めしたいのは、チムニー型の火起こし器だ。これがあれば火起こしがずっと楽になる。どんなバーベキューコンロを使うときでもかなり重宝する。

画像クレジット:Nomad

私はスモークをした際に、Nomadの性能に本当に感心した。蓋を閉じると一定の温度を長時間保ってくれる。調理具合を調整したいときも、本体に備わっている通気口で簡単に温度調節が行える。炭火から食材までの適切な距離も、素晴らしい味わいを与えてくれる。

まとめ

Nomad Grill & Smokerの価格は599ドル(約6万2000円)。かなり高価に感じられるが、市場では、便利でありながら、これだけの性能を提供してくれる唯一の存在だ。家でも旅先でも、Nomadは趣味の料理人の道具一式にぜひ追加したい1台だ。その気になれば据え置き型の炭火焼き専用グリルに置き換えることも可能な、オールインワンの助っ人になる。

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画像クレジット:Noma

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(翻訳:金井哲夫)

Walmartがアウトドア用品大手のMoosejawを5100万ドルで買収

Female hiker looks out above fog bank, mtns

Walmartは現地時間15日、アウトドア用品大手のMoosejawを約5100万ドルで買収すると発表した。買収費用はすべて現金で賄われる。ミシガン州マディソンハイツに拠点を置くMoosejawは、オンラインで大きなプレゼンスをもつとともに、ミシガン州をはじめとするアメリカ中西部に10の実店舗をもつ。Walmartによれば、同社による他の買収先と同じく、Moosejawは今後も独立した経営を維持される。そして今後、両社が互いに補完し合うようなブランドを開発していくという。

Walmartは、先月もオンラインの靴販売店であるShoeBuyを買収している。さらに、それ以前の昨年夏には30億ドルのjet.comの買収もあった。今回から加わるMoosejawをはじめ、Walmartは傘下にいくつかの独立ブランドをもつ。jet.comが買収していたHayneedle.IncやSam’s Clubなどがその例だ。

Moosejawは先日、Internet Retailerが発表した「2017年に『ホットな』小売店100」にも選ばれている。しかし、Walmartが注目したのはMoosejawのビジネスカテゴリーと、同社の業界との関係性だ。それに加えて、Moosejawは若い顧客を引き込むためのソーシャルメディア戦略に長けているという点も挙げられる。

Moosejawの買収によりWalmartは、アパレルというオンラインショッピングで人気のカテゴリーに新たなエントリーポイントを獲得することとなった。Patagonia、the North Face、Marmot、Arc’Teryxなど400のブランドから発売される12万以上のSKUが新たにWalmartに加わることとなる。Moosejawは服やアクセサリーの他にも、登山、ハイキング、キャンプ、スノースポーツ、ヨガ、水泳、サイクリングなどに使われる装備品も取り扱っている。

comScoreの調査によれば、2015年にはじめて、服とアクセサリーがオンラインショッピング最大のカテゴリーとなった。そして、今後そのカテゴリー内の競争が激しくなっていく。

Amazon Fashionというアパレル専門ストアももつAmazonは、ファッションカテゴリーの拡大を急速に進めている最中だ。また同社は、いくつかのプライベートレーベルブランドを通してファッションアイテムの販売もしている。Amazonが独自ブランドのトレーニングウェア女性用下着の販売をはじめるという報道もあった。加えて、Amazonがイギリスで独自のファッションブランドを立ち上げるというニュースもある。

Robert Wolfe氏とDavid Jaffe氏が1992年に創業したMoosejawは、現在350人以上の従業員を抱えている。今回のディールは2月13日午後に締結。Moosejaw CEOのEoin Comerford氏および同社の役員は、今後Walmartの北米向けEコマースチームに加わることになる。Moosejawの従業員たちは今後もミシガン州を拠点に活動を続けるが、Comerford氏はScott Hilton氏が率いるWalmartのアウトドア用品チームの監督を務める予定だ。

Moosejawの実店舗も通常通り営業を続けていく。しかし、同社はその収益の大半をオンラインから得ている ― その割合は85%にものぼるそうだ。

「WalmartのEコマースチームに加わることができ、とてもワクワクしています。そして、彼らのアウトドア用品ビジネスを率いることができるチャンスを楽しみにしています」とComerford氏は話す。「MoosejawとWalmartの新しい関係により、ブランドパートナーのためにマーケットプレイスを運営するという私たちのビジネスはユニークなポジションを獲得することになります。ただし、これまでMoosejawで取り扱ってきたブランドをjet.comやWalmartで取り扱うかどうかは、各ブランドの裁量次第です」。

Jet.comと同じく、Moosejawは独立したコンシューマー向けブランドとして経営を続けていく。しかし、これらのブランドを統合することでWalmartは恩恵を受けてきた。Jet.comとWalmartは、それぞれがもつ倉庫やサプライチェーンを統合することで、今年1月から商品を2日以内に届ける手数料無料のサービスを開始することが可能になった。

Mossejawとのケースでは、同社がこれまでに培ってきたトップブランドとの良好な関係性を引き継ぐことができる。これは、Walmartがそれらのブランドの商品をWalmart.comやJet.com、そしてShoeBuyなどのストアで取り扱うための交渉力につながるだろう。

「バックエンドでは広範囲な統合が行なわれることになります」と、WalmartのスポークスパーソンであるRavi Jariwala氏は今回の買収が与える影響について説明する。「より大きくなるスケールを利用することで、配送コストやクレジットカード利用料、各種取引にかかるコストなどを圧縮することもそれに含まれます」と彼は加えた。

またJariwala氏は、Jet.com傘下であるHayneedleの独立性を維持したことは成功だったとした上で、Moosejawに関しても同様の方針だと語った。

「それが、私たちが再現しようとしているモデルです」と彼は話す。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

夏休みの計画に使えるアプリ3選


アメリカでは7月4日(アメリカ独立記念日)の3連休となり、もしも今どこかへ旅行に出かけていなければ、そのうち夏休みを取る人も多いだろう。KayakからTripAdvisorまで、巷には休暇の計画を立てるのに役立つアプリが溢れているが、TechCrunchでもいくつか使えそうなアプリを発見したので、テストを行った数あるアプリの中からオススメを紹介しよう。

Hopper

行きたいところは決まっているが、いつ行くかが決まらないということはないだろうか。ハワイに行くのはいつが一番いいのだろう?といった疑問を持ったことがあれば、Hopperを使ってみて欲しい。目的地を入力すると、画面上に色分けされたカレンダーが表示され、いつ頃航空券が一番安くなるのかというのが分かるようになっている。緑はお買い得な日を意味し、赤は最高値を表している。もしもサンフランシスコからハワイへ行きたいと考えていれば、9月に旅行を計画することで100ドル節約できる。

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Hopperはプライスアラート機能も備えているので、値段が下がると通知が来るようにも設定できる。乗客情報と支払情報を事前に登録すれば、航空券が狙った価格帯に入った瞬間にすぐ予約することもできる。Hopperは無料アプリでiPhone、Androidどちらでも利用可能。

Musement

シティガイド系のアプリも色々とチェックしたが、その美しいデザインと、現地の人の生活に根付いた情報を紹介することに注力しているという点から、Musementが選ばれた。このアプリを使うと、ニューヨークで人気のルーフトップバーや、街で一番のホットドッグが食べられるお店などの情報を入手することができる。さらにMusementでは、近くのお店や今開いているお店などの条件で簡単に情報の並び替えもできる。

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Musementの各項目にはそれぞれ、Foursquareのオススメ情報とその場所の連絡先が記載されており、コンサートなどのイベントチケットもMusementを通して直接購入可能だ。こちらも無料でiPhoneとAndroid両方に対応している。

The Outbound

もしもハイキングやハンググライディングがお好みであれば、アウトドアアクティビティの計画ができるThe Outboundを要チェック。The Outboundを使えば、サーフィンやバックパッキング、マウンテンバイキングなどが出来る場所を簡単に検索できる。街の名前で検索すると、おすすめの順路に関する情報と関連写真が確認可能。

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さらにThe Outboundは、アクティビティ毎に1年のうちいつ行くのがいいか教えてくれ、持ち物についてのリマインド機能も備えている。これでBig Surに行ったときにどこを探索すればいいかよくわかる…

The Outboundは無料でiPhone向けに公開中。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter